JP6131486B2 - 容器開口封止具および容器 - Google Patents
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Description
一方、容器の排出口を自動的に封止したものとして、カールした扁平な筒状物を容器の排出口に設けることが知られている(たとえば、特許文献1および2参照)。この種の容器では、内容物の排出後に当該筒状物が元の形状に戻ることによってカールし、当該排出口が自動的に閉じられる。
そこで、本発明の目的は、自然にカールするフィルムの復元力を良好に発揮できる容器開口封止具およびそれを備える容器を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、本発明の容器開口封止具を備えることによって優れた密閉度を発現できる容器を提供することである。
この構成によれば、カールの開始時に、内側フィルムが重ねられていない外側フィルムの延長部を単独でカールさせることによって勢いをつけることができる。これにより、外側フィルムと内側フィルムが重なり合った領域にカールが到達する頃には、外側フィルムの復元力を十分に高めた状態で、内側フィルムを外側フィルムで巻き込むことができる。
前記外側フィルムおよび前記内側フィルムは、三角形状または半円形状であり、前記筒状部は、前記三角形および前記半円の頂部が前記カールの開始端となるような位置に形成されていてもよい。
本発明の参考形態に係る容器開口封止具は、扁平で柔軟な筒状インフレーションフィルムと、前記筒状インフレーションフィルムの一方面に重ねられた自然にカールするカールフィルムとを含み、前記カールフィルムが前記筒状インフレーションフィルムを巻き込むようにカールしており、前記カールの終点端を容器の開口内周に取り付けることによって、当該容器の開口を封止可能としたことを特徴とする。
この構成によれば、カールの開始時に、筒状インフレーションフィルムが重ねられていないカールフィルムの延長部を単独でカールさせることによって勢いをつけることができる。これにより、カールフィルムと筒状インフレーションフィルムが重なり合った領域にカールが到達する頃には、カールフィルムの復元力を十分に高めた状態で、筒状インフレーションフィルムをカールフィルムで巻き込むことができる。
この場合、前記カールフィルムの一方の外層が、前記筒状インフレーションフィルムに対してヒートシール可能な材料からなり、前記カールフィルムの他方の外層が、前記筒状インフレーションフィルムに対してヒートシール困難な材料からなることが好ましい。
この構成によれば、前記容器開口封止具が取り付けられているので、優れた密閉度を発現することができる。
前記容器は、前記カールの開始端が、その内側に配置されるように前記容器開口封止具が取り付けられていてもよいし、前記カールの開始端が、その外側に配置されるように前記容器開口封止具が取り付けられていてもよい。
この構成によれば、ヒートシールによって、パウチに容器開口封止具を簡単に固着することができる。
前記容器は、内部に薬剤容器を封入するための外袋であってもよい。
前記容器は、ごみ入れであってもよい。
この構成によれば、ごみをごみ入れ内に落下させた後、ごみ入れの開口を簡単に密閉することができる。したがって、衛生的であり、かつ臭い漏れの少ないごみ入れを提供できる。
この構成によれば、たとえば、ストロー挿し込みタイプの飲料容器であれば、ストローを簡単に挿し込むことができ、しかもストローを抜くことによって、飲料容器の口部を瞬時に塞ぐことができる。したがって、衛生的な飲料容器を提供できる。
前記容器は、調味料容器であってもよい。
<実施形態>
図1は、本発明の一実施形態に係る容器開口封止具1の模式的な斜視図であって、紙面下段に容器開口封止具1の完成図を示し、紙面中段および上段それぞれに、当該容器開口封止具1を構成する外側フィルム2および内側フィルム3を示している。
外側フィルム2は、たとえば、室温(20℃〜25℃)において強制的に巻かなくても自身の特性によって自然カールするフィルムであって、互いに成形収縮率の異なる2層で少なくとも構成されていることが好ましい。外側フィルム2は、たとえば、相対的に成形収縮率の小さい小収縮率層と、当該小収縮率層よりも内側フィルムとの接触面(内側面)側に配置され、当該小収縮率層に比べて相対的に成形収縮率の大きい大収縮率層とを少なくとも含むことが好ましい。これにより、これら2層の収縮率の差を利用して、外側フィルム2を内側に良好にカールさせることができる。より具体的には、この実施形態では、外側フィルム2は、小収縮率層の一例としての外側プラスチック層4と、大収縮率層の一例としての内側プラスチック層5との2層構造からなり、内側プラスチック層5の一方面に内側フィルム3が接している。
内側フィルム3は、外側フィルム2と同様に自然カールするフィルムであってもよいし、たとえば、室温(20℃〜25℃)において自身の特性によってその形態を維持でき、自然カールしないフィルムであってもよい。
外側フィルム2および内側フィルム3の各厚さに関して、たとえば、外側フィルム2が10μm〜100μm厚さであり、内側フィルム3が10μm〜100μm厚さである。また、外側プラスチック層4は5μm〜70μm厚さであり、内側プラスチック層5は5μm〜70μm厚さである。
次に、図2および図3(a)(b)を参照して、容器開口封止具1の具体的な構造を説明する。
シール部9は、側辺7,8それぞれから一定幅および開口辺6の角部から一定長さL1の略直線状の領域(シール箇所)において、外側フィルム2と内側フィルム3との間をヒートシールすることによって形成されている。シール部9の長さL1は、たとえば、側辺7,8の長さL2の10%〜30%であることが好ましく、この実施形態では、具体的な数値として1cm〜3cmである。
次に、図4(a)〜(d)を参照して、容器開口封止具1の具体的な使用方法を説明する。
図1〜図3に示した容器開口封止具1は、たとえば図4(a)〜(d)に示すように、内部に薬剤ボトル(薬液容器)18を封入するための外袋19の開口封止具として使用可能である。
<実施形態の変形例>
前述の説明では、容器開口封止具1は、共に四角形状の外側フィルム2および内側フィルム3で構成されているとしたが、たとえば、共に三角形状または半円形状の外側フィルムおよび内側フィルムで構成されていてもよい。その一例を図5および図6に示す。
図5に示すように、容器開口封止具25は、共に正三角形状の外側フィルム26および内側フィルム27で構成されている。これらのフィルム26,27は、互いに同一の大きさで形成されている。なお、図5および図6では、外側フィルム26と内側フィルム27が重なっている状態を図解し易くするために、内側フィルム27を外側フィルム26よりも小さく表している。
一方、辺29,30においてシール部31が形成されていない残りの部分に、外側フィルム26と内側フィルム27との間がヒートシールされていない未シール部33がシール部31に連続するように形成されることによって、非筒状部34が形成されている。この変形例では、非筒状部34は、その開口辺28と反対側の頂部35(つまり、開口辺28の対角部)が開放されている。
そして、図6に示すように、容器開口封止具25は、カールの開始端である頂部35が収容室23内に配置されるように、頂部35側を収容室23の底部に向けて挿入される。この状態で、外側フィルム26の筒状部32を一方のフィルム20(図6では図示なし)の開口24の内周面に固着し、内側フィルム27の筒状部32を他方のフィルム21(図6では図示なし)の開口24の内周面に固着することによって取り付けられる。
次に、図7および図8を参照して、第2の変形例について説明する。図7は、容器開口封止具1の第2の変形例を示す図である。図8は、図7の容器開口封止具36の取り付け状態を示す図である。
<第1参考形態>
図9は、本発明の第1参考形態に係る容器開口封止具38の模式的な斜視図である。図10(a)(b)は、図9の容器開口封止具38の断面図であって、図10(a)はカールを展開した状態を示し、図10(b)はカールした状態を示している。
筒状インフレーションフィルム39は、たとえばプラスチック原料をインフレーション成形することによって筒状の形状で得られた1枚のフィルムを、互いに平行な一対の側辺41,42で山折りすることによって扁平にしたものである。これにより、筒状インフレーションフィルム39は、一対の側辺41,42、およびこれら辺41,42の直交し、互いに平行な一対の開口辺43,44によって区画された略四角形状の外側部45(一方面)および内側部46(他方面)を有している。筒状インフレーションフィルム39の内部空間47が、前述の筒状部10と同様に、薬液ボトル18を外袋19に出し入れするための通路となるものである。
また、筒状インフレーションフィルム39の長さ(側辺41,42の長さ)は、たとえば、8cm〜15cmであり、幅(開放43,44の長さ)は、たとえば、10cm〜20cmである。さらに、筒状インフレーションフィルム39は、たとえば、10μm〜100μm厚さである。
そして、容器開口封止具38は、筒状インフレーションフィルム39の各辺41〜44にカールフィルム40の各辺が一致するように、筒状インフレーションフィルム39の外側部45にカールフィルム40を貼り合わせることによって形成されている。この貼り合わせには、たとえば、接着剤等を用いることができる。
次に、図11(a)〜(c)を参照して、容器開口封止具38の具体的な使用方法を説明する。
図9および図10に示した容器開口封止具38は、たとえば図11(a)〜(c)に示すように、内部に薬剤ボトル(薬液容器)18を封入するための外袋19の開口封止具として使用可能である。なお、外袋19の構成は、前述の実施形態と同じであるので、ここでは説明を省略する。
<第2参考形態>
図12は、本発明の第2参考形態に係る容器開口封止具48の模式的な斜視図である。図13(a)(b)は、図12の容器開口封止具48の断面図であって、図13(a)はカールを展開した状態を示し、図13(b)はカールした状態を示している。図12および図13において、図9および図10に示す各部に相当する部分には、それらの各部に付した参照符号と同一の参照符号を付し、それらの部分については説明を省略する。
この参考形態に関して、カールフィルム40の構成をより具体的に説明すると、カールフィルム40は、小収縮率層の一例としての外側プラスチック層49と、大収縮率層の一例としての内側プラスチック層50との2層構造からなる。
以上のような構成を有する容器開口封止具48は、カールフィルム40が自然カールするフィルムであることから、図13(b)に示すように、一方の開口辺43に近い端部を終点端、延長部51のカール開始辺52を開始端として、カールフィルム40が筒状インフレーションフィルム39を内側に巻き込むことによってカールしている。このカールによって、筒状インフレーションフィルム39の外側部45および内側部46それぞれがカールフィルム40と密着して、カール終点端側とカール開始端側との間の内部空間47が液密的かつ気密的に閉止される。
また、図12および図13(a)(b)に示すように、カールフィルム40が延長部51を有しているため、カールの開始時に延長部51を単独でカールさせることによって勢いをつけることができる。これにより、カールフィルム40と筒状インフレーションフィルム39が重なり合う開口辺44にカールが到達する頃には、カールフィルム40の復元力を十分に高めた状態で、筒状インフレーションフィルム39をカールフィルム40で巻き込むことができる。
次に、図14(b)に示すように、外袋19の外側からヒートシールを行う。このとき、カールフィルム40、筒状インフレーションフィルム39および外袋19は互いに密着することになるが、互いにヒートシールによって溶着可能な箇所のみが選択的にヒートシールされる。図14(b)では、太線で示した界面53〜55、つまり、外袋19のフィルム21と筒状インフレーションフィルム39の内側部46との界面53、筒状インフレーションフィルム39の内側部46とカールフィルム40の内側プラスチック層50との界面54、および筒状インフレーションフィルム39の外側部45と外袋19のフィルム20との界面55が選択的にヒートシールされる。一方、外側部45と外側プラスチック層49との間には、外側プラスチック層49が筒状インフレーションフィルム39に対してヒートシール困難な材料からなることから、ヒートシールが形成されない。
以上、本発明の実施形態および参考形態について説明したが、本発明はさらに他の形態で実施することもできる。
たとえば、図15(a)に示すように、開放型のごみ箱56の口部57に、カールの開始端が内側になるように容器開口封止具1を取り付ければ、図15(b)に示すように、ごみ58をごみ箱56内に落下させた後、図15(c)に示すように、ごみ箱56の口部57を簡単に密閉することができる。したがって、衛生的であり、かつ臭い漏れの少ないごみ箱56を提供できる。
また、たとえば、図17(a)に示すように、調味料パック61にカールの開始端が外側になるように容器開口封止具1を注出口として取り付ければ、図17(b)に示すように調味料パック61容器から調味料を出した後、図17(c)に示すように、口部を瞬時に塞ぐことができる。その結果、調味料パック61内への酸素の侵入を低減でき、調味料の風味を良好に維持することができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
(1)実施例1および比較例1
実施例1および比較例1は、前述の実施形態の効果を実証するために行ったものである。
一方、比較例1として、同様のフィルムを2枚重ね、向かい合う辺を全てシールして全体を筒状とした後、自然カールさせた。そして、このカールしたフィルムを、同様のポリエチレン製の袋の開口にシール固着し、最終の外袋とした。
(2)参考例1および比較例2
参考例1および比較例2は、前述の第1参考形態の効果を実証するために行ったものである。
一方、比較例2として、上記筒状フィルムの両端を2mm幅でサイドシールしたものを用い、同様に最終の外袋とした。
(3)参考例2および比較例3
参考例2および比較例3は、前述の第2参考形態の効果を実証するために行ったものである。
一方、比較例3として、上記筒状フィルムの両端を2mm幅でサイドシールしたものを用い、同様に最終の外袋とした。
2 外側フィルム
3 内側フィルム
4 外側プラスチック層
5 内側プラスチック層
6 開口辺
7 側辺
8 側辺
9 シール部
10 筒状部
11 未シール部
12 非筒状部
13 シール部
14 膨出部
15 辺
16 延長部
17 カール開始辺
18 薬剤ボトル
19 外袋
20 フィルム
21 フィルム
22 シール部
23 収容室
24 開口
25 容器開口封止具
26 外側フィルム
27 内側フィルム
28 開口辺
29 辺
30 辺
31 シール部
32 筒状部
33 未シール部
34 非筒状部
35 頂部
36 容器開口封止具
37 非筒状部
38 容器開口封止具
39 筒状インフレーションフィルム
40 カールフィルム
41 側辺
42 側辺
43 開口辺
44 開口辺
45 外側部
46 内側部
47 内部空間
48 容器開口封止具
49 外側プラスチック層
50 内側プラスチック層
51 延長部
52 カール開始辺
53 界面
54 界面
55 界面
56 ごみ箱
57 口部
58 ごみ
59 飲料パック
60 ストロー
61 調味料パック
Claims (12)
- 自然にカールする外側フィルムと、
前記外側フィルムに重ねられた内側フィルムと、
前記外側フィルムと前記内側フィルムとの間を少なくとも二つのシール箇所で選択的に一定の長さでシールすることによって形成され、前記シール箇所を両端として前記外側フィルムおよび前記内側フィルムによって区画されていて、容器の内容物を出し入れするための通路となる筒状部と、
前記外側フィルムと前記内側フィルムとの間がシールされずに形成された非筒状部とを含み、
前記筒状部を終点端、当該終点端の反対側を開始端として、前記非筒状部を含む領域において前記外側フィルムが前記内側フィルムを巻き込むようにカールしており、
前記筒状部を容器の開口内周に取り付けることによって、当該容器の開口を封止可能としており、
前記外側フィルムおよび前記内側フィルムは、互いに平行で重なり合う二辺を有する四角形状であり、当該二辺に沿って前記筒状部および前記非筒状部が互いに連なるように配置されており、
前記外側フィルムおよび前記内側フィルムは、カールした前記外側フィルムが前記内側フィルムよりも0.5%〜3%長い状態で、前記開始端側の二隅がシールされることによって固定されていることを特徴とする、容器開口封止具。 - 自然にカールする外側フィルムと、
前記外側フィルムに重ねられた内側フィルムと、
前記外側フィルムと前記内側フィルムとの間を少なくとも二つのシール箇所で選択的に一定の長さでシールすることによって形成され、前記シール箇所を両端として前記外側フィルムおよび前記内側フィルムによって区画されていて、容器の内容物を出し入れするための通路となる筒状部と、
前記外側フィルムと前記内側フィルムとの間がシールされずに形成された非筒状部とを含み、
前記筒状部を終点端、当該終点端の反対側を開始端として、前記非筒状部を含む領域において前記外側フィルムが前記内側フィルムを巻き込むようにカールしており、
前記筒状部を容器の開口内周に取り付けることによって、当該容器の開口を封止可能としており、
前記外側フィルムは、前記カールの開始端側に、前記内側フィルムの端部よりも外側に引き出され、前記内側フィルムが重ねられていない延長部を含むことを特徴とする、容器開口封止具。 - 前記外側フィルムは、互いに成形収縮率の異なる2層で少なくとも構成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の容器開口封止具。
- 前記外側フィルムおよび前記内側フィルムは、三角形状または半円形状であり、
前記筒状部は、前記三角形および前記半円の頂部が前記カールの開始端となるような位置に形成されていることを特徴とする、請求項2、または請求項2に係る請求項3に記載の容器開口封止具。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の容器開口封止具によって開口が封止されたことを特徴とする、容器。
- 前記カールの開始端が、その内側に配置されるように前記容器開口封止具が取り付けられたことを特徴とする、請求項5に記載の容器。
- 前記カールの開始端が、その外側に配置されるように前記容器開口封止具が取り付けられたことを特徴とする、請求項5に記載の容器。
- プラスチックフィルムを用いて形成されたパウチであることを特徴とする、請求項5〜7のいずれか一項に記載の容器。
- 内部に薬剤容器を封入するための外袋であることを特徴とする、請求項5〜8のいずれか一項に記載の容器。
- ごみ入れであることを特徴とする、請求項5〜8のいずれか一項に記載の容器。
- 飲料容器であることを特徴とする、請求項5〜8のいずれか一項に記載の容器。
- 調味料容器であることを特徴とする、請求項5〜8のいずれか一項に記載の容器。
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