JP2012246016A - 粉状物包装用の積層フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材層10と、熱融着層16と、前記基材層10と前記熱融着層16との間に設けられた中間層12とを有し、前記中間層12は、一軸延伸フィルムであることよりなる。前記基材層10と前記熱融着層16との間には、金属箔からなるバリア層14が設けられていることが好ましく、四方袋用であることがより好ましい。
【選択図】図1
Description
スティック状袋や三方袋は、フィルムが折り曲げられて形成された未シール部を有するため、開封した際に、開口部が開口した形状を維持しやすく、内容物を容易に排出できる。
その一方で、スティック状の袋や三方袋は、輸送時や携帯時に未シール部が屈曲すると、この屈曲した部分にピンホールを生じる等、品質が低下するという問題がある。特に、ガスバリア性や遮光性を高めるために、金属層を有するフィルムを用いたスティック状袋や三方袋においては、屈曲により金属層にピンホールが生じ、ガスバリア性や遮光性が損なわれやすい。
そこで、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、容易に製造でき、かつ内容物の排出が容易な袋体を得られる粉状物包装用の積層フィルムを目的とする。
本発明の積層フィルムは、基材層と、熱融着層と、基材層と熱融着層との間に設けられた中間層とを有するものである。
本発明の一実施形態にかかる積層フィルムについて、以下に、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の積層フィルム1の断面図である。図1に示すように、積層フィルム1は、基材層10と、中間層12と、バリア層14と、熱融着層16とがこの順で積層されたものである。
基材層10は、積層フィルム1を袋体とした際に外面を形成するものである。
基材層10としては、後述する中間層12を構成するフィルムを除き、一般に包装材料として用いられるものであればよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン)、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール重合体、ポリカーボネート、ポリアセタール等の合成樹脂からなる単層フィルム、及びこれらの樹脂を多層共押し出しした多層フィルム等が挙げられ、中でも、汎用性や加工適性の観点から、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
基材層10を構成するフィルムは無延伸フィルムであってもよく、一軸延伸又は二軸延伸フィルムであってもよく、中でも、積層フィルム1に剛性を付与する目的及び加工適性の観点から二軸延伸フィルムが好ましい。
中間層12は、一軸延伸フィルムである。中間層12を有することで、積層フィルム1のデッドホールド性を高め、積層フィルム1を用いた袋体は、開封した際に開口部の形状が維持され、内容物を容易に排出できる。
なお、デッドホールド性とは、フィルム等の平坦な材料に折り曲げ等の力を加えて形状変化させた際、その形状を保持しようとする性質のことである。
バリア層14は、一般に包装材料として用いられ、酸素、水蒸気の遮断(ガスバリア性)や遮光等の機能を有するものであればよく、例えば、アルミニウム、合金、銀、ステンレス、銅等の金属箔又は金属蒸着膜、シリカ又はアルミナ等のセラミック蒸着膜を有する各種プラスチックフィルムが挙げられ、中でも金属箔が好ましく、汎用性の観点からアルミニウム箔又は合金箔が好ましい。バリア層14が金属箔であると、積層フィルム1のデッドホールド性をより高められる。
熱融着層16は、積層フィルム1を製袋する際に、ヒートシールにより積層フィルム1同士を融着させるためのものである。
熱融着層16としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、アイオノマー、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンアクリル酸共重合体、エチレンメチルメタクリレート共重合体等のエチレン共重合体等が挙げられる。
熱融着層16を構成するフィルムは、無延伸フィルムが好ましい。無延伸フィルムであれば、積層フィルム1同士を容易に熱融着できる。
積層フィルム1の製造方法は、従来公知の方法を用いることができ、例えば、基材層10と中間層12とバリア層14と熱融着層16と(以下、総じて構成層ということがある)をドライラミネート法、押し出しラミネート法、ノンソルベントラミネート法、又はこれらの組み合わせにより、積層する方法が挙げられる。
≪厚さ≫
積層フィルム1の厚さは、用途等を勘案して決定でき、例えば、積層フィルム1を小容量袋体に用いる場合には、40〜200μmが好ましく、50〜120μmがより好ましい。上記下限値未満であると、袋体の強度が低下するおそれがあり、上記上限値超であると、袋体の柔軟性が損なわれ、内容物を排出しにくくなるおそれがある。
積層フィルム1の剛性(コシ)は、強すぎると袋体の柔軟性が損なわれ、内容物を取り出しにくくなるおそれがあり、弱すぎると袋を開封した際に、開口部の形状を維持しにくく、袋の底部に内容物が残りやすくなる。このため、積層フィルム1の剛性は、JIS P8126(リングクラッシュ法)に準じて測定される最大荷重が好ましくは8〜40N、より好ましくは10〜20Nとされる。
なお、積層フィルム1の剛性は、各構成層の材質と厚さとの組み合わせによって調節できる。
積層フィルム1の用途は、特に限定されないが、袋体のフィルムに用いられることが好ましく、スティック状袋、三方袋、四方袋等の小容量袋体のフィルムに用いられることがより好ましく、四方袋のフィルムに用いられることがさらに好ましい。四方袋に用いられることで、本発明の効果が顕著に発揮される。
また、積層フィルム1が用いられた袋体は、粉状の医薬品、砂糖や塩等の粉状の食品等の粉状物を内容物とするものである。粉状物を収納する袋体において、本発明の効果が顕著なためである。
側端辺26側のシール部30と側端辺28側のシール部30との距離、即ち、短手方向の内寸W2は、内容量等に応じて適宜決定できる。
長手方向のシール部30の幅(シール幅)w1は、四方袋20に求める強度等を勘案して決定でき、例えば、2〜10mmとされる。短手方向のシール部30の幅(シール幅)w2は、シール幅w1と同様である。
本実施形態の四方袋20において、中間層12は、一軸延伸フィルムの延伸方向と開封方向とが略一致するように配置される。
まず、上端辺22に沿った切り取り線31の位置で開封する。開封後、側端辺26と側端辺28とをつまみ、側端辺26側のシール部30と側端辺28側のシール部30とを近づけるようにして開口部を広げる。次いで、側端辺26側のシール部30と側端辺28側のシール部30とを接触させ、開口部から下端辺24に向かう任意の位置で積層フィルム1に折り目32を形成して、平面視略矩形の開口部40を形成させる(図3)。この際、積層フィルム1は、良好なデッドホールド性を有するため、開口部40の形状が維持される。なお、図3中、符号42は、開口部40を形成した際に、平面視略矩形に視認される歪みを表し、歪み42は、開口部40と下端辺24のシール部30(図2)との中間に形成される。
その後、側端辺26の近傍と側端辺28の近傍とをつまみ、開口部40を下方に向け、下端辺24を叩きながら、内容物を排出する。この際、シール部30近傍において、対向する積層フィルム1同士が離間した状態を維持できるため、内容物は残存なく排出される。
特に、従来の四方袋は、対向するフィルム同士を貼り合わせたシール部近傍に、内容物が残存しやすいという問題があった。本実施形態の積層フィルムを用いた四方袋は、開封した際に開口部が大きく広げられると、シール部近傍で対向するフィルム同士が離れ、かつ離れた状態を維持してシール部近傍に内容物が残存するのを防止できる。このため、1回の用量を担保するために、残存分を勘案して内容物を過剰に充填しておく必要がない。
加えて、本実施形態の積層フィルムを用いた四方袋は、内容物の排出が容易になるため、品質低下の懸念があるスティック状袋や三方袋に比べて、携帯用の袋体としてより好適である。
表1に示した構成の積層フィルムをドライラミネート法及び押し出しラミネート法で作製し、得られた積層フィルムについて、残存率、剛性(コシ)、デッドホールド性を測定し、その結果を表中に示す。
各構成層に用いたフィルムは、以下の通りである。
PET:二軸延伸ポリエチレンテレフタレート
LDPE:無延伸低密度ポリエチレン
一軸延伸HDPE:一軸延伸高密度ポリエチレン
一軸延伸PP:一軸延伸ポリプロピレン
二軸延伸PP:二軸延伸ポリプロプレン
セロハン:セロハン
AL:アルミニウム箔
DL:ドライラミネート
AC:アンカーコート
<残存率の測定方法>
各例の積層フィルムを用いて作製した四方袋に約1.3gの粉状物(株式会社大田胃散製の胃腸薬「大田胃散」)を充填し、粉状物入り袋を作製した。粉状物入り袋の質量(a)から、粉状物を充填する前の四方袋の質量(b)を減じて、粉状物の充填量(c)を算出した。
本測定方法に用いた四方袋の仕様は、W1=50mm、W2=40mm、L1=70mm、シール幅w1=5mm、シール幅w2=5mmであった。
その後、側端辺26の近傍と側端辺28の近傍とをつまみ、開口部40を下方に向け、下端辺24を3回叩いて、内容物を排出した。内容物を排出した四方袋20の質量(d)を測定し、下記(1)式により残存率を求めた。
JIS P8126に準じて、各例の積層フィルムの剛性を測定した。
剛性の測定方法について、図4〜5を用いて説明する。図4は、剛性の測定に用いるサンプルリングの斜視図であり、図5は、剛性の測定方法を説明する測定装置の模式図である。
まず、各例の積層フィルムを幅15mm×長さ100mmの帯状に切り出し、基材層(PET)を外側にし、長手方向に丸め、粘着テープで長手方向の端部同士を貼り合わせて円筒状のサンプルリング50を作製した(図4)。
開口端が上下方向となるようにサンプルリング50を測定テーブル64上に載置し、サンプルリング50の上端面に加圧板62を当接させた。次いで、加圧板62に荷重60を掛け、加圧板62を300mm/minのスピードで下降させ、サンプルリング50を圧潰させた。サンプルリング50が圧潰するまでの荷重の最大値を積層フィルムの剛性とした。
なお、剛性の測定装置には、株式会社エー・アンド・ディ製の万能試験機(引張試験機)テンシロンを用いた。
各例の積層フィルムを用い、図2の四方袋20と同様の四方袋を作製した。ただし、この四方袋の上端辺22にはシール部を形成しなかった。
作製した四方袋の仕様は、W1=50mm、W2=40mm、L1=70mm、シール幅w1=5mm、シール幅w2=5mmであった。
作製した四方袋の上端辺22の両端のシール部30をつまみ、側端辺26と側端辺28とを近づけるようにして上端辺22を開口させ、次いで、側端辺26側のシール部30と側端辺28側のシール部30とを接触させた。側端辺26側のシール部30と側端辺28側のシール部30とを接触させた状態で、積層フィルムを開口部から下端辺24に向かう3cmの範囲で折り目32を形成した(図3参照)。
折り目32を形成した後、シール部30から手指を離し、その1分後に開口部40における折り目32同士の距離(開口径)D1、及び側端辺26側のシール部30と側端辺28側のシール部30との距離(シール部内寸)D2を測定し、下記(2)式により開口面積A(mm2)を算出した。開口面積Aは、開口部40が形成する略矩形の各頂点の内角がそれぞれ90°となる時、即ち、一辺が20mmの正方形の時に最大(400mm2)となる。そこで、下記(3)式に示すように、開口面積Aを最大開口面積(400mm2)で除して開口率を算出した。
なお、開口率が70%以上であれば内容物を容易に排出でき、開口率が80%以上であれば内容物をより安定的に排出できる。
開口率(%)=(A÷400)×100 ・・・(3)
一方、中間層に換えて、PET9μmのフィルムを用いた比較例1、セロハン21μmのフィルムを用いた比較例2、二軸延伸PPを用いた比較例3は、いずれも開口率が70%未満であり、残存率が12.5質量%以上であった。
以上の結果から、本発明の積層フィルムは、従来公知の製造方法で容易に得られ、かつ内容物を容易に排出できる袋体を得られることが判った。
10 基材層
12 中間層
14 バリア層
16 熱融着層
20 四方袋
Claims (3)
- 基材層と、熱融着層と、前記基材層と前記熱融着層との間に設けられた中間層とを有し、
前記中間層は、一軸延伸フィルムであることを特徴とする粉状物包装用の積層フィルム。 - 前記基材層と前記熱融着層との間には、金属箔からなるバリア層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の粉状物包装用の積層フィルム。
- 四方袋用である請求項1又は2に記載の粉状物包装用の積層フィルム。
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- 2011-05-27 JP JP2011119324A patent/JP2012246016A/ja active Pending
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