JP6131181B2 - 作業車両の姿勢制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、リアクションホイールを用いて、精度よく機体を所定の姿勢に制御する技術に関する。
従来、不整地走行車体の前後左右に4つのスイングアームを配置し、該スイングアームの先端に車輪を配置して駆動可能とするとともに、スイングアームを油圧シリンダにより昇降回動可能とし、スイングアームの回動角度を角度センサにより検知し、車体の傾斜角度を傾斜センサにより検知し、前記油圧シリンダを作動させて車体を水平に保つように制御する技術が公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
また、自動車における車体に、前後方向の軸心を有するリアクションホイールを前後二ヶ所配置し、互いに反対方向に回転させ、旋回時の横揺れに対して、慣性力が打ち消されるように、リアクションホイールの回転を制動するようにした技術が公知となっている(例えば、特許文献2参照)。
特開平8−238906号公報 特開2011−116271号公報
前記特許文献1における技術の場合、傾斜地を走行しているときに、ゆっくりとした傾斜角度の変化に対しては、油圧シリンダを伸縮させることで、車体を水平に保つことは可能であるが、小さな凹凸のある路面や砂利道等を走行する場合、微振動のような横揺れや前後揺れに対しては対応することができず、小さな横揺れや前後揺れを除去することはできない。
前記特許文献2における技術の場合、傾斜地の走行に対して水平を保つような構造はなく、小さな横揺れしか低減することができない。また、横揺れを低減するためには、リアクションホイールが二つ必要であり、大きな配置スペースが必要であって、コストアップとなっていた。
そこで、一方向の傾斜角度検出手段からの検出値を用いて、小さな揺れから大きな揺れに対して所定角度に保つことが可能な姿勢制御装置を提供しようとする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、機体の姿勢を走行面に対して所定姿勢に保持するように、姿勢検知手段と、姿勢変更手段と、姿勢制御手段を備える走行車両において、前記姿勢検知手段は、機体の傾斜角度を検知する角度センサからなり、前記姿勢変更手段は、機体と走行部との間の位置を変更する位置変更アクチュエータと、機体の角運動量を変化させるリアクションホイールとを備え、前記姿勢制御手段は、前記角度センサの検出値を複数の周波数帯域に分離し、所定角度に保持するように、低い周波数帯域で前記位置変更アクチュエータを制御し、高い周波数帯域でリアクションホイールを制御するものである。
請求項2においては、前記姿勢制御手段には、各周波数帯域の境界となる設定周波数を変更する周波数設定手段が接続されるものである。
請求項3においては、前記姿勢制御手段には、位置変更アクチュエータとリアクションホイールの作動速度を変更する感度変更手段が接続されるものである。
請求項4においては、前記姿勢制御手段には、走行駆動停止手段と接続され、前記角度センサからの検出値が設定振幅(設定角度)以上となると、走行を停止させるものである。
請求項5においては、前記角度センサは、機体の左右傾斜角度を検知し、前記位置変更アクチュエータは、機体と左右の走行部の走行体支持部との間に介装される左右一対の伸縮シリンダからなり、リアクションホイールは、前後方向の軸心を備える回転円板と、該回転円板を回転駆動する円板駆動モータからなり、前記姿勢制御手段は、前記角度センサからの検出値を帯域フィルタにより帯域分離し、左右傾斜角度を所定角度に保持するように、設定周波数よりも低い低周波数帯域で伸縮シリンダを駆動し、設定周波数よりも高い高周波数帯域で円板駆動モータを駆動するものである。
請求項6においては、前記角度センサは、機体の左右傾斜角度を検知し、前記位置変更アクチュエータは、機体と左右の走行部の走行体支持部との間に介装される左右一対の伸縮シリンダからなり、リアクションホイールは、前後方向の軸心を備える直径の異なる複数の回転円板と、各回転円板を回転駆動する円板駆動モータからなり、前記姿勢制御手段は前記角度センサからの検出値を帯域フィルタにより複数の帯域分離し、左右傾斜角度を所定角度に保持するように、最も低い低周波数帯域で伸縮シリンダを駆動し、中周波数帯域で、直径の大きい回転円板駆動モータを駆動し、高周波数帯域で直径の小さい回転円板駆動モータを駆動するものである。
請求項7においては、前記走行部における左右の走行体は、クローラ式走行装置より構成され、走行体支持部は、昇降フレームの一端を機体に上下回動支点軸により回動可能に支持し、昇降フレームの他端をクローラ式走行装置のトラックフレームに回動可能に支持するものである。
請求項8においては、前記走行部における左右の走行体は、ホイル式走行装置より構成され、走行体支持部は、昇降フレームの一端を機体に上下回動支点軸により回動可能に支持し、昇降フレームの他端を車輪軸に回動可能に支持するものである。
請求項9においては、前記角度センサは、前記上下回動支点軸の左右中央上に配置されるものである。
請求項10においては、前記角度センサは、機体の前後傾斜角度を検知し、前記位置変更アクチュエータは、機体と走行体との間に介装されるピッチングシリンダからなり、リアクションホイールは、左右方向の軸心を備える回転円板と、該回転円板を回転駆動する円板駆動モータからなり、前記姿勢制御手段は、前記角度センサからの検出値を帯域フィルタにより帯域分離し、前後傾斜角度を所定角度に保持するように、設定周波数よりも低い低周波数帯域でピッチングシリンダを駆動し、設定周波数よりも高い高周波数帯域で円板駆動モータを駆動するものである。
請求項11においては、前記角度センサは、機体の前後傾斜角度を検知し、前記位置変更アクチュエータは、機体と左右走行部の走行支持部との間に介装されるピッチングシリンダからなり、リアクションホイールは、左右方向に軸心を備える直径の異なる複数の回転円板と、各回転円板を回転駆動する円板駆動モータからなり、前記姿勢制御手段は前記角度センサからの検出値を帯域フィルタにより複数の帯域分離し、前後傾斜角度を所定角度に保持するように、最も低い低周波数帯域で伸縮シリンダを駆動し、中周波数帯域で、直径の大きい回転円板駆動モータを駆動し、高周波数帯域で直径の小さい回転円板駆動モータを駆動するものである。
請求項12においては機体の進行方向を設定方向に保持するように、方位検知手段と、進行方向を変更する操向アクチュエータと、進行方向制御手段を備える走行車両において、機体の進行方向に対する角運動量を変化させるリアクションホイールを備え、前記進行方向制御手段は、前記方位検知手段の検出値の周波数帯域を高低に分離し、低周波数帯域で前記操向アクチュエータを制御し、高周波数帯域でリアクションホイールを制御するものである。
請求項13においては、前記操向アクチュエータは、操向輪を左右回動させるステアリングシリンダからなり、リアクションホイールは、鉛直方向の軸心を備える回転円板と、該回転円板を回転駆動する円板駆動モータからなり、前記進行方向制御手段は、前記方位検知手段からの検出値を帯域フィルタにより帯域分離し、進行方向が設定方向となるように、設定周波数よりも低い低周波数帯域でステアリングシリンダを駆動し、設定周波数よりも高い高周波数帯域で円板駆動モータを駆動するものである。
請求項14においては、前記操向アクチュエータは、左右の走行体の回転数を変更する旋回用変速アクチュエータからなり、リアクションホイールは、鉛直方向の軸心を備える回転円板と、該回転円板を回転駆動する円板駆動モータからなり、前記進行方向制御手段は、前記方位検知手段からの検出値を帯域フィルタにより帯域分離し、進行方向が設定方向となるように、設定周波数よりも低い低周波数帯域で旋回用変速アクチュエータを駆動し、設定周波数よりも高い高周波数帯域で円板駆動モータを駆動するものである。
請求項15においては、前記操向アクチュエータは、左右の走行体を制動するブレーキアクチュエータからなり、リアクションホイールは、鉛直方向の軸心を備える回転円板と、該回転円板を回転駆動する円板駆動モータからなり、前記進行方向制御手段は、前記方位検知手段からの検出値を帯域フィルタにより帯域分離し、進行方向が設定方向となるように、設定周波数よりも低い低周波数帯域でブレーキアクチュエータを駆動し、設定周波数よりも高い高周波数帯域で円板駆動モータを駆動するものである。
請求項16においては、前記進行方向制御手段には、低周波数と高周波数との境界となる設定周波数を変更する周波数設定手段が接続されるものである。
請求項17においては、前記進行方向制御手段には操向アクチュエータとリアクションホイールの作動速度を変更する、感度変更手段が接続されるものである。
請求項18においては、前記リアクションホイールは、鉛直方向の軸心を備える直径の異なる複数の回転円板と、各回転円板を回転駆動する円板駆動モータからなり、前記進行方向制御手段は、前記方位検知手段からの検出値を帯域フィルタにより複数に帯域分離し、進行方向が設定方向となるように、最も低い低周波数帯域で伸縮シリンダを駆動し、中周波数帯域で、直径の大きい回転円板駆動モータを駆動し、高周波数帯域で直径の小さい回転円板駆動モータを駆動するものである。
本発明の効果として、揺れの周波数が低周波数から高周波数までの全範囲で、機体を設定した角度になるように制御でき、安定した走行が可能となる。
本発明の実施形態に係る作業車両の全体構成を示した側面図。 同じく平面図。 同じく傾斜地を走行している状態の後面図。 リアクションホイールの取付部を示す側面図。 制御ブロック図。 ローパスフィルタを用いたブロック線図。 ハイパスフィルタを用いたブロック線図。 ホイル型の作業車両の全体構成を示した側面図。 角度センサの値を周波数フィルタで複数の帯域に分離したブロック線図。 三つの周波数帯域に分離した実施例のブロック線図。
図1〜図4より本発明の姿勢制御装置を搭載した作業車両1の全体構成を説明する。
作業車両1は、機体フレーム10にエンジン7やミッションケース3を搭載して機体とし、機体フレーム10下方に走行部2を配置して走行可能としている。機体フレーム10上にはさらに制御装置4が設けられ、該制御装置4には図示しない遠隔操作装置や操向装置や姿勢制御装置が接続され、遠隔操作による自動走行を可能としている。
前記機体フレーム10は平面視略U字状に構成した後フレーム10aと平面視略V字状に構成した前フレーム10bと前後中央から下方に突設した正面視略U字状に構成した下フレーム10cからなり、後フレーム10aと前フレーム10bは開放側を合わせて固定してループ状に構成している。機体フレーム10の中央にエンジン7が配置され下フレーム10cに載置固定され、エンジン7の上方にリアクションホイール6が配置され、その後方にミッションケース3が配置され、エンジン7やミッションケース3やリアクションホイール6等はボンネット5により覆われている。
機体フレーム10の後部には作業部40が配置される。作業部40は左右一対のアーム41・41の前端が機体フレーム10の後部に上下回動自在に支持され、アーム41・41の後部に爪42および該爪42の開閉手段43が配置され、アーム41・41の前後中途部の間にバケット44が配置されている。前記アーム41・41の後部と機体フレーム10の間に昇降駆動手段となる油圧シリンダ45・45が配置されている。
機体フレーム10下方に配置される走行部2は、機体フレーム10の下方の前部に前走行体が配置され、下方後部に後走行体が配置される。本実施形態では、前走行体は一輪の前操向部30とし、後走行体は、左右一対配置のクロー式走行装置20・20としている。こうして走行部2はセミクローラ式の走行装置を構成している。但し、前走行体は車輪の代わりにクローラ式走行装置とすることも可能である。後走行体はクロー式走行装置20の代わりに、図8に示すようにホイル式の走行装置とすることも可能である。また、走行部2は前後左右の4つの走行体で構成することも可能である。
前記クロー式走行装置20は、高さを変更するとともに動力を伝達可能とする走行体支持部50を介して機体フレーム10に支持される。クロー式走行装置20及び走行体支持部50は左右対称に構成されるため左右一側について説明する。
クロー式走行装置20は上部に配置される駆動輪21と、該駆動輪21の前下方に配置される従動輪22と、駆動輪21の後下方に配置されるテンションローラ23と、従動輪22とテンションローラ23の間に配置される補助ローラ24・24と、駆動輪21と従動輪22とテンションローラ23と補助ローラ24・24に巻回されるクローラベルト25と、これらを支持するトラックフレーム26等を備える。
走行体支持部50は、機体フレーム10後部から下方に突設した支持ステー51と、該支持ステー51と前記クロー式走行装置20のトラックフレーム26との間に介装される昇降フレーム52と、該昇降フレーム52と平行に支持ステー51とトラックフレーム26との間に介装される支持リンク53と、機体フレーム10と昇降フレーム52と間に介装して位置変更アクチュエータとなる昇降シリンダ54とからなる。昇降シリンダ54は伸縮シリンダで構成され、姿勢変更手段として作用して機体の左右傾斜姿勢を変更する。
昇降フレーム52は、ケース状に構成して内部にスプロケットとチェーンを収納し、その上部が機体フレーム10に固設された支持ステー51に上下回動支点軸55により支持され、昇降フレーム52の下部は駆動輪軸56が横架されてトラックフレーム26の上部を支持し、駆動輪21を固設している。ホイル式の走行装置の場合、駆動輪軸56に後輪が固定される。
支持リンク53は昇降フレーム52の下方で上部が支持ステー51の下部に支持軸により回転自在に支持され、下部はトラックフレーム26に支持軸により支持され、支持リンク53と昇降フレーム52により平行リンクを構成し、クロー式走行装置20が機体に対して平行に昇降する構成としている。
昇降シリンダ54は油圧シリンダにより構成され、ボトム側が機体フレーム10に枢支され、ピストンロッド先端が昇降フレーム52の後上部に枢支されている。昇降シリンダ54は後述する昇降電磁バルブ72を切り換えることにより伸縮され、伸長することによりクロー式走行装置20が下降され機体は上昇する。昇降シリンダ54を縮小することによりクロー式走行装置20が上昇され、機体は下降する。この昇降フレーム52の上下回動量は昇降検知手段59により検知され、制御装置4と接続されてフィードバックできるようにしいる(図5)。昇降検知手段59の構成は限定するものではなく、角度センサにより昇降フレーム52の回動量を検知しても、昇降シリンダ54に設けたストロークセンサにより検知してもよい。
前記エンジン7の出力軸は後方に突出されて、出力軸上に出力プーリが固設され、該出力プーリからベルトを介して発電機やミッションケース3に動力が伝達される。
ミッションケース3には直進用油圧式無段変速装置(直進用HST)と旋回用油圧式無段変速装置(旋回用HST)と伝動歯車等を備える。直進用HST及び旋回用HSTはそれぞれ可変容量型の油圧ポンプと固定容量型の油圧モータを備え、油圧ポンプは斜板を傾倒させることで油圧モータへの作動油の送油量と送油方向を変更可能として、油圧モータの回転数と回転方向を変更可能としている。直進用HST及び旋回用HSTの斜板はそれぞれモータまたはソレノイドで構成される直進用変速アクチュエータ73及び旋回用変速アクチュエータ74と連結される。直進用HSTの油圧モータの出力軸は、ミッションケース3の下部から左右両側方に突出した走行駆動軸57・57と連動連結され、伝動ケース58の上部に挿入される。旋回用HSTの油圧モータの出力軸は走行駆動軸57・57上に設けた遊星歯車と連動されて、回転数と回転方向を変更することで旋回を可能としている。前記伝動ケース58の下部には前記上下回動支点軸55が支持され、内部にスプロケットとチェーンを収納し、走行駆動軸57から上下回動支点軸55に動力を伝達可能としている。前記上下回動支点軸55の左右中央近傍には、機体の左右傾斜角を検知する角度センサ75が配置される。
前操向部30は、操向輪となる1輪の前輪31と、前輪31を支持する前輪ブラケット32と、前輪31を操向回転駆動する操向アクチュエータとなるステアリングシリンダ33等を備える。前輪31は前輪ブラケット32の下部に水平方向に設けた車軸に回転自在に支持される。前輪ブラケット32は上部が円柱状の支持軸部32aに構成され、該支持軸部32aは上下方向を軸心として機体フレーム10の前部に左右回転自在に支持される。
前記支持軸部32aの上部に歯車34が固設され、該歯車34に操向歯車35が歯合される。操向歯車35は略扇形に形成されて中心が軸36により回転自在に支持される。操向歯車35の一端がステアリングシリンダ33のピストンロッド先端に枢支され、ステアリングシリンダ33のボトム側基部は機体フレーム10に枢支されている。ただし、支持軸部32aとステアリングシリンダ33は歯車により連動する構成に限定せずリンク等で連結することも可能である。前記ステアリングシリンダ33は操向電磁バルブ71の切換により伸縮駆動され、操向電磁バルブ71は制御装置4と接続されている。つまり、遠隔操作により制御装置4に接続した図示しない受信機に進行方向信号(設定方向の信号)が送信されると、ステアリングシリンダ33がその方向を向くように伸長または縮小されて操向歯車35、歯車34を介して支持軸部32aを回動し、前輪31を右または左に回動して操向操作を可能としている。
リアクションホイール6は、機体の角運動量を変化させるものであり、エンジン7の後上方でミッションケース3の前方に配置され、機体の前後左右の略中央部(機体の重心位置近傍)に配置される。リアクションホイール6は前後方向の軸心を備える回転円板61と、該回転円板61を正逆回転駆動する円板駆動モータ62からなる。円板駆動モータ62は制御装置4と接続され、左右傾斜姿勢制御される。なお、図示しない前後傾斜姿勢制御用のリアクションホイール8及び進行方向姿勢制御用のリアクションホイール9もリアクションホイール6の近傍に配置される。
次に、姿勢制御について説明する。
本実施形態では、機体の姿勢を走行面に対して所定姿勢に保持するように、姿勢検知手段と、姿勢変更手段と、姿勢制御手段を備える。前記姿勢検知手段は、機体の前後方向軸(Y軸)を中心とする傾斜角度(ローリング角度)を検知する角度センサ、機体の左右方向軸(X軸)を中心とする傾斜角度(ピッチング角度)を検知する角度センサ、機体の上下方向軸(Z軸)を中心とする回転角度(ヨー角度)を検知する角度センサからなり、それぞれの角度センサにより機体の姿勢を検知している。前記X軸、Y軸、Z軸を中心とする角度変化を検知する角度センサの検出値は、それぞれフィルタにより複数の周波数帯域に分離され、周波数帯域ごとにそれぞれアクチュエータが制御され、X軸、Y軸、Z軸のそれぞれを中心にアクチュエータにより回転制御される。
一つの角度センサについて説明すると、図9に示すように、角度センサにより検出した検出値は周波数フィルタに入力されて、周波数フィルタにより複数の周波数帯域(周波数帯域A、周波数帯域B、周波数帯域C・・・・)に分離される。この分離された周波数帯域はそれぞれ制御手段(制御手段a、制御手段b、制御手段c・・・)に入力されてそれぞれアクチュエータ(アクチュエータα、アクチュエータβ、アクチュエータγ・・・)を制御する。高い周波数帯域(A>B>C・・・)の検知信号により制御されるアクチュエータは反応が速い(動作速度が速い)アクチュエータであり、低い周波数帯域のアクチュエータは反応が遅い(動作速度が遅い)アクチュエータが用いられる。反応が速いアクチュエータとしてはモータやソレノイド等であり、反応が遅いアクチュエータとしては油圧シリンダ等である。本実施形態では、高い周波数帯域の信号に対してはリアクションホイールが回転制御され、低い周波数帯域の信号に対しては油圧シリンダが伸縮制御(位置変更制御)される。
具体的に説明すると、制御装置4には、図5に示すように、前操向部30を操向回動するためにステアリングシリンダ33を伸縮させるための操向電磁バルブ71、左右の昇降シリンダ54L・54Rを伸縮するための左右の昇降電磁バルブ72L・72R、リアクションホイール6の回転円板61を回転駆動する円板駆動モータ62、リアクションホイール8の回転円板81を回転駆動する円板駆動モータ82、リアクションホイール9の回転円板91を回転駆動する円板駆動モータ92、直進用HSTの可動斜板を傾倒する直進用変速アクチュエータ73、旋回用HSTの可動斜板を傾倒する旋回用変速アクチュエータ74、ミッションケース3内に収納して左右の走行駆動軸57・57を制動可能とするブレーキアクチュエータ96L・96R、昇降フレーム52・52の上下回動量を検知する昇降検知手段59L・59R、機体の左右傾斜角度を検知する角度センサ75、機体の前後傾斜角度を検知する角度センサ87、機体の進行方向を検知する方位検知手段95、走行速度を検知する速度センサ77、後述するリアクションホイール6による制御と昇降シリンダ54による制御の境界周波数を設定する周波数設定手段79、制御感度を設定する感度変更手段64、最大振幅を設定する振幅設定手段65、図示しない傾斜角度設定手段等が接続されている。
機体の左右傾斜を設定角度(水平)に制御する左右傾斜姿勢制御手段4aは、角度センサ75からの検出値の周波数帯域を複数の帯域に分離する。本実施形態ではフィルタにより高周波数帯域と低周波数帯域の二つに分離し、高周波数帯域の検出値でリアクションホイール6を制御し、低周波数帯域で昇降シリンダ54L・54Rを制御するのである。
つまり、制御装置4には左右傾斜姿勢制御手段4aを備え、左右傾斜姿勢制御手段4aは図6に示すように、角度センサ75からの検出値をローパスフィルタ66に入力し、ローパスフィルタ66から出力された低周波数帯域の信号により昇降シリンダ54L・54Rを制御(昇降シリンダ制御)する。他方、角度センサ75からの検出値から低周波数帯域を取り除いた高周波数帯域の信号によりリアクションホイール6を制御(リアクションホイール制御)する。
制御装置4の左右傾斜姿勢制御手段4aによる昇降シリンダ制御は、例えば、機体が左下りに傾斜すると、角度センサ75からの検出値における低周波数帯域の信号に応じて、左昇降電磁バルブ72Lを切り換えて昇降シリンダ54Lを伸長し、機体が設定角度(水平)となるようにする。逆に、機体が右下りに傾斜すると、角度センサ75からの検出値における低周波数帯域の信号に応じて、右昇降電磁バルブを切り換えて昇降シリンダ54Rを伸長し、機体が設定角度(水平)となるようにする。
制御装置4の左右傾斜姿勢制御手段4aによるリアクションホイール制御は、角度センサ75の検出値から高周波数帯域の信号を微分して角加速度を取得し、角加速度と同等の角加速度となるように円板駆動モータ62を傾斜方向と同方向に回転駆動する。回転円板61を傾斜方向と同方向に傾斜する角加速度と同加速度で回転させることにより、その反作用で機体を水平方向に姿勢を変える。
こうして、リアクションホイール6の制御により、速く小さな角度変化に対して姿勢を安定させることができる。この傾斜変動に応じて回転円板61を回動した後、回転円板61は元の位置に戻す必要がないため、常時作動させることが可能になる。この昇降シリンダ制御とリアクションホイール制御とによって、全周波数帯において姿勢制御ができ、機体を水平に安定して走行が可能となる。
また、前記左右傾斜姿勢制御手段4aではローパスフィルタ66に代えてハイパスフィルタ67を用いて制御することも可能である。つまり、図7に示すように、角度センサ75からの検出値をハイパスフィルタ67に入力し、ハイパスフィルタ67から出力された高周波数帯域の信号によりリアクションホイール制御を行う。そして、角度センサ75からの検出値から高周波数帯域を取り除いた低周波数帯域の信号により昇降シリンダ制御を行うのである。
また、高周波数帯域と低周波数帯域の境界を周波数設定手段79で変更可能に構成することもできる。周波数設定手段79は可変コンデンサや可変抵抗等をローパスフィルタ66またはハイパスフィルタ67に組み込むことにより境界周波数を変更可能とする。こうして帯域が変更されることで路面の状態や作業者が感じる振動等に合うように周波数設定手段79で調整して、除去したい振動を確実に除去できるのである。なお、本実施形態では高低二つの帯域に分離したが、帯域フィルタを用いることで3つ以上の帯域に分離し、さらに、質量の異なるリアクションホイールを追加することで、更に精度よく姿勢制御することが可能となる。
三つの周波数帯域に分離した場合について説明する。
図10に示すように、角度センサ75からの検出値は周波数フィルタにより低周波数帯域と中周波数帯域と高周波数帯域とに分離し、低周波数帯域の信号では位置変更制御となる昇降シリンダ制御を行い、中周波数帯域と高周波数帯域はリアクションホイールで回転制御を行う。リアクションホイールは回転円板の直径が大きい大径リアクションホイールと、大径リアクションホイールよりも回転円板の直径が小さい小径リアクションホイールとにより回転制御を行う構成としている。つまり、中周波数帯域の信号では大径リアクションホイール制御を行い、高周波数帯域の信号では小径リアクションホイール制御を行う。但し、低周波数帯域の信号では昇降シリンダ制御を行い、中周波数帯域では反応が速い電動シリンダで制御を行い、高周波数帯域ではリアクションホイールで制御行うことも可能であり、アクチュエータの作動速度(反応速さ)を複数の周波数帯域に適応させるものであればよく、アクチュエータの種類は限定するものではない。
こうして、角度センサ75からの検出値がローパスフィルタ66に入力され、ローパスフィルタ66から出力された低周波数帯域の信号により昇降シリンダ54L・54Rが制御される。角度センサ75からの検出値から低周波数帯域を取り除いた信号をローパスフィルタ68に入力し、中周波数帯域の信号を得て大径リアクションホイールの円板駆動モータ62aが制御される。この角度センサ75からの検出値から低周波数帯域を取り除いた信号からさらにローパスフィルタ68からの出力信号を取り除いて高周波数帯域の信号を取得し、この高周波数帯域の信号により小径リアクションホイールの円板駆動モータ62bが制御される。
このように、前記姿勢制御手段4は前記角度センサ75からの検出値を周波数フィルタとなる帯域フィルタ66・68により複数の帯域に分離し、左右傾斜角度を所定角度に保持するように、最も低い低周波数帯域で伸縮シリンダ(昇降シリンダ54L・54R)を駆動し、中周波数帯域で、直径の大きい回転円板の駆動モータ62aを駆動し、高周波数帯域で直径の小さい回転円板駆動モータ62bを駆動するのである。こうして、二つの周波数帯域に分離するよりもさらに精度よく姿勢制御が可能となる。なお、前後傾斜姿勢制御及び進行方向姿勢制御にも適用可能である。
また姿勢制御において、感度変更手段64を制御装置4と接続し、機体の傾斜に対して設定角度に戻す反応を作業者に合わせて敏感としたり鈍感としたりすることも可能である。例えば、感度変更手段64により昇降電磁バルブ72の切換をPWM制御として昇降シリンダ54の伸縮速度を変更したり、電磁バルブ72を電磁比例弁で構成し、作動油の送油量を制限したりする。また、リアクションホイール6の円板駆動モータ62をPWM制御や位相制御等で作動速度を変更するのである。こうして、作動速度を敏感または鈍感に感度変更手段64により変更して、作業者の好みや路面状況に合わせて姿勢制御ができる。
また、振幅設定手段65を制御装置4と接続し、振幅設定手段65により傾斜の最大振幅(最大傾斜角)を設定して、角度センサ75からの検出値が最大振幅を越えると走行を停止させるようにする。走行駆動停止手段としては、直進用変速アクチュエータ73をニュートラルとしたり、ブレーキアクチュエータ96L・96Rを作動させたり、エンジン7を停止させても良く限定するものではない。こうして、機体の転倒を未然に防止することができる。
以上のように、機体の姿勢を走行面に対して所定角度に保持するように、姿勢検知手段と、姿勢変更手段と、姿勢制御手段を備える走行車両において、前記姿勢検知手段は角度センサ75からなり、機体の左右傾斜角度を検知し、前記姿勢変更手段は、左右一対の昇降シリンダ54L・54Rとリアクションホイール6からなり、昇降シリンダ54L・54Rは機体に対する走行部の高さを変更し、リアクションホイール6は機体の角運動量を変化させ、前記姿勢制御手段は、制御装置4に左右傾斜姿勢制御手段4aが備えられて前記角度センサ75の検出値をフィルタにより複数の周波数帯域に分離し、所定角度に保持するように、低い周波数帯域で前記位置変更アクチュエータとなる昇降シリンダ54L・54Rを制御し、高い周波数帯域でリアクションホイール6を制御する。このように制御することによって、機体の姿勢の小さな角度変化を、応答性の良いリアクションホイール6で姿勢制御することになり、機体の姿勢を精度よく安定させることができる。また、姿勢の大きな角度変化は、昇降シリンダ54L・54Rで姿勢制御するので、リアクションホイ−ル6で制御できない角度変化を制御し、広い範囲の角度制御が可能となる。
また、前記制御装置4には、周波数帯域の境界となる設定周波数を変更する周波数設定手段79が接続されるので、走行路の路面状態や作業者の好みに合わせて、抑制制御する周波数を任意に変更し、制御精度を高めることができる。
また、前記制御装置4には、昇降シリンダ54L・54Rとリアクションホイール6の作動速度を変更する感度変更手段64が接続されるので、感度を高くしたり、低くしたりして、路面状況や作業者の好みに合わせて抑制制御ができる。
また、前記制御装置4には、走行駆動停止手段と接続され、前記角度センサ75からの検出値が設定振幅以上となると、走行を停止させるので、機体の傾斜が大きくなると制御不能、または、転倒してしまうため、これを未然に防止できる。
また、前記走行部2における左右の走行体は、クローラ式走行装置20より構成され、走行体支持部50は、昇降フレーム52の一端を機体に上下回動支点軸55により回動可能に支持し、昇降フレーム52の他端をクローラ式走行装置20のトラックフレーム26に回動可能に支持するので、クローラ式走行装置20により接地面が大きくなり、傾斜地でも安定した走行が可能となる。
また、前記走行部2における左右の走行体をホイル式走行装置とし、走行体支持部50は、昇降フレーム52の一端を機体に上下回動支点軸55により回動可能に支持し、昇降フレーム52の他端を車輪軸に回動可能に支持することで、構造が簡単で、走行速度を速くできる。
また、前記角度センサ75は、前記上下回動支点軸55の左右中央上に配置されるので、安定して角度検知ができ、走行部の形式が変更されても容易に対応できる。
また、前後傾斜角を検知する角度センサ87とリアクションホイール8とピッチングシリンダ83を用いて前後傾斜角度の姿勢を安定することができる。
角度センサ87は機体フレーム10上に配置されて、機体の前後傾斜角度を検知し、制御装置4と接続され、前後傾斜姿勢制御手段4bにより制御される。
リアクションホイール8は、回転円板81と円板駆動モータ82からなり、機体の略中央(重心位置近傍)に配置される。リアクションホイール8は、前記左右傾斜姿勢制御用のリアクションホイール6と略同じ構成であり、左右方向の軸心を備える回転円板81と、該回転円板81を正逆回転駆動する円板駆動モータ82からなる。円板駆動モータ82は制御装置4の前後傾斜姿勢制御手段4bと接続され、前後傾斜姿勢制御される。
ピッチングシリンダ83は、前後昇降制御バルブ84と接続され、前後昇降制御バルブ84は制御装置4と接続されている。ピッチングシリンダ83は伸縮シリンダであり支持軸部32aに配置されて、ピッチングシリンダ83を伸縮させることで前輪31を昇降可能としている。つまり、前後昇降制御バルブ84を切り換えてピッチングシリンダ83を伸長させると機体前上がりの傾斜となり、ピッチングシリンダ83を縮小させると機体前下がりの傾斜とすることができる。但し、ピッチングシリンダ83を設ける代わりに前記昇降シリンダ54L・54Rを同時に同量伸縮させて機体を傾斜させることもできるが、昇降シリンダ54L・54Rは左右傾斜制御も行っているため制御が複雑となるので、本実施形態では前輪31を昇降させる構成としている。
前後傾斜姿勢制御手段4bにはフィルタが設けられて、前記左右傾斜制御と同様に、角度センサ87からの検出信号をローパスフィルタまたはハイパスフィルタにより高周波数帯域と低周波数帯域に分離し、高周波数帯域の信号(加速度に変換して)によりリアクションホイール8を作動させ、低周波数帯域の信号によりピッチングシリンダ83を作動させて、機体を所望の前後傾斜となるように制御する。そして、前記同様に周波数設定手段により境界周波数を変更可能とし、感度変更手段により動作感度を変更可能とし、振幅設定手段により設定傾斜以上で操向を停止させるようにしている。なお、周波数設定手段79、感度変更手段64、振幅設定手段65を左右傾斜制御と前後傾斜制御とに切り換えて兼用できるようにすることもできる。
以上のように、前記角度センサ87は、機体の前後傾斜角度を検知し、位置変更アクチュエータは、走行体となる前輪31と機体の間に介装されるピッチングシリンダ83からなり、リアクションホイール8は、左右方向の軸心を備える回転円板81と、該回転円板81を回転駆動する円板駆動モータ82からなり、前後傾斜姿勢制御手段4bは、前記角度センサ87からの検出値をフィルタにより分離し、前後傾斜角度を所定角度に保持するように、設定周波数よりも低い低周波数帯域でピッチングシリンダ83を駆動し、設定周波数よりも高い高周波数帯域で円板駆動モータ82を駆動するので、ピッチングシリンダ83により前後傾斜の周波数帯域の振動や傾倒を容易に抑制制御できる。また、円板駆動モータ82により前後傾斜の高周波数帯域の振動や傾斜を容易に抑制制御できる。
また、機体の左右進行方向を検知する方位検知手段95とリアクションホイール9とステアリングシリンダ33を用いて進行方向の姿勢を安定させることができる。
方位検知手段95は、ジャイロセンサやGPS装置等で構成して方位を検知できる。方位検知手段95は、機体フレーム10上に配置されて、機体の左右方向の回転角度を検知し、制御装置4と接続される。
リアクションホイール9は、回転円板91と円板駆動モータ92からなり、機体の略中央(重心位置近傍)に配置される。リアクションホイール9は、前記左右傾斜姿勢制御用のリアクションホイール6と略同じ構成であり、鉛直方向(上下方向)の軸心を備える回転円板91と、該回転円板91を正逆回転駆動する円板駆動モータ92からなる。円板駆動モータ92は制御装置4の進行方向姿勢制御手段4cと接続され、進行方向姿勢制御される。ステアリングシリンダ33は前述したように操向電磁バルブ71と接続されて、ステアリングシリンダ33を伸縮させることで前輪31を左右回動可能として、進行方向を変更できるようにしている。
進行方向姿勢制御手段4cにはフィルタが設けられて、前記左右傾斜制御と同様に、方位検知手段95からの検出信号をローパスフィルタまたはハイパスフィルタにより高周波数帯域と低周波数帯域に分離し、高周波数帯域の信号によりリアクションホイール9を作動させ、低周波数帯域の信号によりステアリングシリンダ33を作動させて、機体を所望の進行方向となるように制御する。そして、前記同様に周波数設定手段により境界周波数を変更可能とし、感度変更手段により動作感度を変更可能とし、振幅設定手段により設定傾斜以上で操向を停止させるようにしている。なお、周波数設定手段79、感度変更手段64、振幅設定手段65を左右傾斜制御と前後傾斜制御とに切り換えて兼用できるようにすることもできる。
但し、前記低周波数帯域の信号によりステアリングシリンダ33を作動させて、機体を所望の進行方向となるように制御する構成に代えて、低周波数帯域の信号により旋回用変速アクチュエータ74を作動させて、機体を所望の進行方向となるように制御することも可能である。この場合、前輪31を回動して旋回するよりも左右のクロー式走行装置20・20の走行速度を変化させたほうが旋回半径を小さくできるので、目標進行方向に対する進行方向の左右変化を効果的に矯正することができる。
また、前記低周波数帯域の信号によりステアリングシリンダ33を作動させて、機体を所望の進行方向となるように制御する構成に代えて、低周波数帯域の信号により左右のブレーキアクチュエータ96L・96Rを作動させて、機体を所望の進行方向となるように制御することも可能である。この場合、前輪31を回動して旋回するよりも左または右のクロー式走行装置20の走行に対して制動させるので、方向変化が容易にでき、目標方向に対する進行方向の左右変化を効果的に矯正することができる。
以上のように、方向検知手段は、機体の進行方向を検知する方位検知手段95からなり、方向変更手段は、機体の進行方向を変更する操向アクチュエータとしてのステアリングシリンダ33と、機体の角運動量を変化させるリアクションホイール9とを備え、前記進行方向姿勢制御手段4cは、前記角度センサの検出値の周波数帯域を高低に分離し、低周波数帯域でステアリングシリンダ33を制御し、高周波数帯域でリアクションホイール9を制御するので、走行面の凹凸や傾斜等によって設定した進行方向に対して進行方向がズレた場合、進行方向の小さな角度変化を、応答性の良いリアクションホイール9で設定した進行方向に戻すように姿勢制御することができ、機体の進行方向及び姿勢を精度よく安定させることができる。また、進行方向の大きな角度変化は、ステアリングシリンダ33で姿勢制御するので、リアクションホイール9で制御できない進行方向変化を制御し、広い範囲の進行方向制御が可能となる。
また、前記ステアリングシリンダ33の代わりに左右の駆動輪の回転数を変更する旋回用変速アクチュエータ74を用いることにより、方向変換の反応がよくなり、姿勢制御の精度を向上できる。
また、前記ステアリングシリンダ33の代わりに左右の駆動輪を制動するブレーキアクチュエータ96L・96Rを用いることにより、急旋回が可能となり、方向変換の反応がよくなり、姿勢制御の精度を向上できる。また、旋回制御とは別に制御できるため、制御が簡単にできる。
4 制御装置
6・8・9 リアクションホイール
20 クローラ式走行装置
26 トラックフレーム
31 前輪
33 ステアリングシリンダ
50 走行体支持部
52 昇降フレーム
54L・54R 昇降シリンダ
55 上下回動支点軸
61・81・91 回転円板
62・82・92 円板駆動モータ
64 感度変更手段
75・87 角度センサ
79 周波数設定手段
83 ピッチングシリンダ
95 方位検知手段

Claims (18)

  1. 機体の姿勢を走行面に対して所定姿勢に保持するように、姿勢検知手段と、姿勢変更手段と、姿勢制御手段を備える走行車両において、前記姿勢検知手段は、機体の傾斜角度を検知する角度センサからなり、前記姿勢変更手段は、機体と走行部との間の位置を変更する位置変更アクチュエータと、機体の角運動量を変化させるリアクションホイールとを備え、前記姿勢制御手段は、前記角度センサの検出値を複数の周波数帯域に分離し、所定角度に保持するように、低い周波数帯域で前記位置変更アクチュエータを制御し、高い周波数帯域でリアクションホイールを制御することを特徴とする作業車両の姿勢制御装置。
  2. 前記姿勢制御手段には、各周波数帯域の境界となる設定周波数を変更する周波数設定手段が接続されることを特徴とする請求項1に記載の作業車両の姿勢制御装置。
  3. 前記姿勢制御手段には、位置変更アクチュエータとリアクションホイールの作動速度を変更する感度変更手段が接続されることを特徴とする請求項1に記載の作業車両の姿勢制御装置。
  4. 前記姿勢制御手段には、走行駆動停止手段と接続され、前記角度センサからの検出値が設定振幅以上となると、走行を停止させることを特徴とする請求項1に記載の作業車両の姿勢制御装置。
  5. 前記角度センサは、機体の左右傾斜角度を検知し、前記位置変更アクチュエータは、機体と左右の走行部の走行体支持部との間に介装される左右一対の伸縮シリンダからなり、リアクションホイールは、前後方向の軸心を備える回転円板と、該回転円板を回転駆動する円板駆動モータからなり、前記姿勢制御手段は、前記角度センサからの検出値を帯域フィルタにより帯域分離し、左右傾斜角度を所定角度に保持するように、設定周波数よりも低い低周波数帯域で伸縮シリンダを駆動し、設定周波数よりも高い高周波数帯域で円板駆動モータを駆動することを特徴とする請求項1に記載の作業車両の姿勢制御装置。
  6. 前記角度センサは、機体の左右傾斜角度を検知し、前記位置変更アクチュエータは、機体と左右の走行部の走行体支持部との間に介装される左右一対の伸縮シリンダからなり、リアクションホイールは、前後方向の軸心を備える直径の異なる複数の回転円板と、各回転円板を回転駆動する円板駆動モータからなり、前記姿勢制御手段は前記角度センサからの検出値を帯域フィルタにより複数の帯域分離し、左右傾斜角度を所定角度に保持するように、最も低い低周波数帯域で伸縮シリンダを駆動し、中周波数帯域で、直径の大きい回転円板駆動モータを駆動し、高周波数帯域で直径の小さい回転円板駆動モータを駆動することを特徴とする請求項1に記載の作業車両の姿勢制御装置。
  7. 前記走行部における左右の走行体は、クローラ式走行装置より構成され、走行体支持部は、昇降フレームの一端を機体に上下回動支点軸により回動可能に支持し、昇降フレームの他端をクローラ式走行装置のトラックフレームに回動可能に支持することを特徴とする請求項1または請求項5または請求項6に記載の作業車両の姿勢制御装置。
  8. 前記走行部における左右の走行体は、ホイル式走行装置より構成され、走行体支持部は、昇降フレームの一端を機体に上下回動支点軸により回動可能に支持し、昇降フレームの他端を車輪軸に回動可能に支持することを特徴とする請求項1または請求項5または請求項6に記載の作業車両の姿勢制御装置。
  9. 前記角度センサは、前記上下回動支点軸の左右中央上に配置されることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の作業車両の姿勢制御装置。
  10. 前記角度センサは、機体の前後傾斜角度を検知し、前記位置変更アクチュエータは、機体と走行体との間に介装されるピッチングシリンダからなり、リアクションホイールは、左右方向の軸心を備える回転円板と、該回転円板を回転駆動する円板駆動モータからなり、前記姿勢制御手段は、前記角度センサからの検出値を帯域フィルタにより帯域分離し、前後傾斜角度を所定角度に保持するように、設定周波数よりも低い低周波数帯域でピッチングシリンダを駆動し、設定周波数よりも高い高周波数帯域で円板駆動モータを駆動することを特徴とする請求項1に記載の作業車両の姿勢制御装置。
  11. 前記角度センサは、機体の前後傾斜角度を検知し、前記位置変更アクチュエータは、機体と左右走行部の走行支持部との間に介装されるピッチングシリンダからなり、リアクションホイールは、左右方向に軸心を備える直径の異なる複数の回転円板と、各回転円板を回転駆動する円板駆動モータからなり、前記姿勢制御手段は前記角度センサからの検出値を帯域フィルタにより複数の帯域分離し、前後傾斜角度を所定角度に保持するように、最も低い低周波数帯域で伸縮シリンダを駆動し、中周波数帯域で、直径の大きい回転円板駆動モータを駆動し、高周波数帯域で直径の小さい回転円板駆動モータを駆動することを特徴とする請求項1に記載の作業車両の姿勢制御装置。
  12. 機体の進行方向を設定方向に保持するように、方位検知手段と、進行方向を変更する操向アクチュエータと、進行方向制御手段を備える走行車両において、機体の進行方向に対する角運動量を変化させるリアクションホイールを備え、前記進行方向制御手段は、前記方位検知手段の検出値の周波数帯域を高低に分離し、低周波数帯域で前記操向アクチュエータを制御し、高周波数帯域でリアクションホイールを制御することを特徴とする作業車両の姿勢制御装置。
  13. 前記操向アクチュエータは、操向輪を左右回動させるステアリングシリンダからなり、リアクションホイールは、鉛直方向の軸心を備える回転円板と、該回転円板を回転駆動する円板駆動モータからなり、前記進行方向制御手段は、前記方位検知手段からの検出値を帯域フィルタにより帯域分離し、進行方向が設定方向となるように、設定周波数よりも低い低周波数帯域でステアリングシリンダを駆動し、設定周波数よりも高い高周波数帯域で円板駆動モータを駆動することを特徴とする請求項12に記載の作業車両の姿勢制御装置。
  14. 前記操向アクチュエータは、左右の走行体の回転数を変更する旋回用変速アクチュエータからなり、リアクションホイールは、鉛直方向の軸心を備える回転円板と、該回転円板を回転駆動する円板駆動モータからなり、前記進行方向制御手段は、前記方位検知手段からの検出値を帯域フィルタにより帯域分離し、進行方向が設定方向となるように、設定周波数よりも低い低周波数帯域で旋回用変速アクチュエータを駆動し、設定周波数よりも高い高周波数帯域で円板駆動モータを駆動することを特徴とする請求項12に記載の作業車両の姿勢制御装置。
  15. 前記操向アクチュエータは、左右の走行体を制動するブレーキアクチュエータからなり、リアクションホイールは、鉛直方向の軸心を備える回転円板と、該回転円板を回転駆動する円板駆動モータからなり、前記進行方向制御手段は、前記方位検知手段からの検出値を帯域フィルタにより帯域分離し、進行方向が設定方向となるように、設定周波数よりも低い低周波数帯域でブレーキアクチュエータを駆動し、設定周波数よりも高い高周波数帯域で円板駆動モータを駆動することを特徴とする請求項12に記載の作業車両の姿勢制御装置。
  16. 前記進行方向制御手段には、低周波数と高周波数との境界となる設定周波数を変更する周波数設定手段が接続されることを特徴とする請求項12に記載の作業車両の姿勢制御装置。
  17. 前記進行方向制御手段には操向アクチュエータとリアクションホイールの作動速度を変更する、感度変更手段が接続されることを特徴とする請求項12に記載の作業車両の姿勢制御装置。
  18. 前記リアクションホイールは、鉛直方向の軸心を備える直径の異なる複数の回転円板と、各回転円板を回転駆動する円板駆動モータからなり、前記進行方向制御手段は、前記方位検知手段からの検出値を帯域フィルタにより複数に帯域分離し、進行方向が設定方向となるように、最も低い低周波数帯域で伸縮シリンダを駆動し、中周波数帯域で、直径の大きい回転円板駆動モータを駆動し、高周波数帯域で直径の小さい回転円板駆動モータを駆動することを特徴とする請求項12に記載の作業車両の姿勢制御装置。
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