JP6129614B2 - 有機el発光素子と有機el発光素子の製造方法 - Google Patents

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Description

有機EL発光素子に関する。
近年、白熱灯や蛍光灯に変わる照明装置として、有機EL発光装置が注目され、多くの研究がなされている。
有機EL発光装置は、ガラスや透明樹脂フィルム等の基板上に、有機EL発光素子を形成したものである。
また、有機EL発光素子は、一方又は双方が透光性を有する2つの電極を対向させ、この電極間に有機化合物からなる発光層を含む積層構造を形成したものである。有機EL発光素子は、この発光層において、電子と正孔とが再結合することにより発光する。
このような積層構造の一例を示すと、一方の電極から順に正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、及び電子注入層を含む。そして、正孔は一方の電極側から正孔注入層、正孔輸送層を経由しで発光層に至り、電子は、他方の電極側から電子注入層、電子輸送層を経由して発光層に至り、発光層内で正孔と電子が再結合する。有機EL発光素子は発光層の材料を適宣選択することにより、種々の波長の光を発光することができる。
このように、一方側から正孔を供給せしめ、他方側から電子を供給せしめ、これらを発光層にて再結合せしめるための一式の多層構造を、有機発光ユニットと呼ぶ。通常、有機発光ユニットは、一方側の正孔注入層から、発光層を経て、他方側の電子注入層に至る。ここで、発光層としては、前記再結合が起こり発光可能であれば、複数の副発光層が積層された積層構造とすることができる。この場合でも、電子と正孔の供給方向の観点からは、1つの有機発光ユニットには、1つの発光層のみが存在することとなる。
また、1つの有機EL発光素子を、直列に接続された複数の有機発光ユニットで構成することも可能である。その場合は、隣接する有機発光ユニットの、一方側の有機発光ユニットの、例えば、電子注入層に電子を、他方側の有機発光ユニットの、例えば、正孔注入層に正孔を、各々供給可能な接続層をこれらの有機発光ユニット間に挿入するように形成する必要がある。
照明等に使用される有機EL発光装置は、このような有機EL発光素子を少なくとも一つ含み、かつ、外部から給電可能とした装置であり、白色発光の光源として使用される場合が多い。
上述のような有機EL発光装置は一般に、ボトムエミッション型の装置として、透明絶縁基板上に順に、第1電極層として陽極である金属酸化物第1電極層、少なくとも1つの有機発光ユニット、及び第2電極層として陰極である第2電極層を積層することで製造される。
このような有機EL発光装置において、透明導電金属酸化物層の表面状態に起因してリーク電流が発生したり、不点灯部位が発生したりするという不良が発生する場合があり、各種の改善方法が提案されている。
例えば、特許文献1は、酸化インジウムを主成分とする金属酸化物膜の表面の微小な凹凸を除去するために、エッジ部を含む膜表面を、酸化セリウム等を用いて機械的に研磨して表面を滑らかにする方法を開示している。しかし、酸化インジウムを主成分とする金属酸化物膜の全面を研磨することは、今後、有機EL発光装置を大面積化するためにはコスト高であり、また、実際に不具合が生じ易いのは膜のエッジ部分なので、改善が必要である。
エッジ部分の不具体を効果的に防止する方法として、特許文献2は、エッジ部分を絶縁層で被覆し短絡やリークを解決する方法、即ち、エッジカバー絶縁層を用いる方法を開示している。しかし、絶縁層の材料が高価であり、また、工程が複雑になり、さらには、発光に寄与する面積が小さくなるという欠点があり、改善が必要である。
さらに、特許文献3は、第1電極層2として支持基板上に酸化インジウムを主成分とする金属酸化物のような透明電極を形成した後、その表面凹凸に起因する短絡やリークを解決するために、その表面を研磨する方法を開示している。しかしながら、この方法では、透明電極を研磨した後、フォトリソグラフィー法を用いてに所定の形状にパターニングするので、そのフォトリソグラフィー法によって生じる透明電極エッジ部の凹凸を除去することができないという問題を有していた。
さらに、特許文献4は、支持基板上に所定の形状に形成した透明電極をウェットエッチングまたはドライエッチングによって側面がテーパー状を呈するように形成することが開示されている。しかしながら、加工後においてもエッジ部の凹凸の影響による短絡やリークは、絶縁層を用ないと抑制できないという問題を有していた。
特開平3−295193号公報 特開2002−289345号公報 特開平9−245965号公報 国際公開WO97/46054パンフレット
本発明は、このような問題に鑑み、エッジカバー絶縁層を用いることなく、安価、かつ、大面積化に対応可能な方法で、短絡やリークの発生が抑制され高歩留まりで製造可能な有機EL発光装置、及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の有機EL発光装置は、その酸化インジウムを主成分とする金属酸化物第1電極層の特定部位が、特定の形状とされている。
即ち、本発明は、透明絶縁基板の一方の主面上に順に、酸化インジウムを主成分とする金属酸化物第1電極層、少なくとも1つの有機発光ユニット、及び第2電極層が積層されてなり、かつ、前記透明絶縁基板の他方の主面の発光領域から光を照射する有機EL発光装置であって、前記金属酸化物第1電極層のθ−2θ法で測定したXRDにおける(222)面のピーク強度が、(400)面のピーク強度に対して、2倍以上であり、平面視前記発光領域の端部における前記金属酸化物第1電極層のエッジ部であり、かつ、前記有機発光ユニット、及び前記第2電極層が積層されてなる3層積層エッジ部において、前記金属酸化物第1電極層の前記有機発光ユニット側の面と、前記主面とのなす角度である立ち上がりの角度が、7度未満であることを特徴とする有機EL発光装置に関する。前記3層積層エッジ部における立ち上がりの角度は、6度未満であることがより好ましい。
XRDピーク強度について具体的には、透明絶縁基板上に酸化インジウムを主成分とする金属酸化物第1電極層を形成した、例えばITO付き基板の状態で、θ−2θ法で測定したXRDにおいて、(222)面に由来するピーク強度が、(400)面に由来するピーク強度に比べて2倍以上、より好ましくは3倍以上であると、3層積層エッジ部を本発明に係る特定の形状に形成し易い。
好ましくは、前記3層積層エッジ部における立ち上がりの角度を、4度以上とすることであり、4度より小さいと、酸化インジウムを主成分とする金属酸化物第1電極層2のテーパー部に形成された凹凸に対応して、その上に形成する有機発光ユニット3、及び第2電極層4がこれに追従する形状となるので、これに起因した不具合が生じる可能性が高くなる。
好ましくは、前記3層積層エッジ部以外の前記酸化インジウムを主成分とする金属酸化物第1電極層のエッジ部である非3層積層エッジ部における前記立ち上がりの角度を7度以上とすることであり、短絡やリークの不具合が発生しにくい非3層積層エッジ部につき後述するような特定処理を施さないので、安価な酸化インジウムを主成分とする金属酸化物付き透明絶縁基板が採用可能となるので、有機EL発光装置の低コスト化に寄与する。
好ましくは、前記3層積層エッジ部を、当該部への選択的研磨、及びレーザー加工からなる群から選ばれる1種以上で形成することであり、特定部位に対する特定処理ではあるが、比較的安価に処理可能であり、効果的に短絡やリークの不具合の発生を抑えることができる。
このような本発明の有機EL発光装置は、酸化インジウムを主成分とする金属酸化物膜を全面研磨する方法に比べ、例えば、酸化インジウムを主成分とする金属酸化物膜の特定部位のエッジ部を選択的に研磨する方法により製造されるので、研磨処理に要するタクトタイムを短縮可能であり、大幅にコスト削減できる。
本発明の有機EL発光装置は、大面積化に対応可能な方法で、短絡やリークの発生が抑制され高歩留まり製造可能な有機EL発光装置である。
本発明に係る有機EL発光装置を説明するための簡略化された断面図である。 本発明に係る有機EL発光装置の製造方法の途中段階の状態を説明するための簡略化された平面図である。 本発明に係る有機EL発光装置の製造方法の途中段階の状態を説明するための簡略化された平面図である。 本発明に係る有機EL発光装置を説明するための簡略化された平面図である。 本発明に係る立ち上がりの角度2111、及び角部の角度2112を説明するための簡略化された断面図である。 酸化インジウムを主成分とする金属酸化物付きガラス基板のθ−2θ法によるXRDの測定結果である。 3層積層エッジ部の立ち上がりの部分のTEM写真である。 3層積層エッジ部の立ち上がりの部分のAFMによる立ち上がりの角度の測定結果である。
(有機EL発光装置)
本発明は、有機EL発光装置に係るものである。以下、本発明に係る実施形態を例示しつつ、本発明の構成につき説明する。但し、本発明は、例示する実施形態に、限定解釈されるものではない。
図1、図2、図3、及び図4は、本発明に係る有機EL発光装置、及びその製造方法を説明するための簡略化された断面図、及びその製造方法に係る平面図である。以下、上下左右の位置関係は、特に断りのない限り、図1の姿勢を基準に説明する。図1において、使用時における光取り出し側が下であり、即ち、透明絶縁基板1の下面が発光面である他方の主面11であり、一方の主面12に積層形成される有機EL発光素子の発光部位に対応して発光領域13を有する。
本発明に係る有機EL発光素子は、面状に広がりを有する透明絶縁基板1の一方の主面12上に、基板側から順に、酸化インジウムを主成分とする金属酸化物第1電極層2、少なくとも1つの有機発光ユニット3、及び第2電極層4が積層されたものである。
このような有機EL発光素子を含んで構成される本発明に係る有機EL発光装置は、発光素子に水分が侵入することを防止し、非発光点(ダークスポット)の発生や成長を抑制するための封止層や、外部から酸化インジウムを主成分とする金属酸化物第1電極層2、及び第2電極層4に給電するための導電部材等、発光素子を外力から保護するためのケーシング等、を発光素子に追加することで構成される。
前記封止層としては、有機EL発光素子を積層形成した後に、その上に無機封止層を成膜して封止することが好ましい。このような固体無機封止された有機EL発光装置とすることで薄いだけでなく、駆動時の素子温度の上昇や素子内での温度の不均一が発生しにくい装置となる。また、無機封止層上に、さらに、グラファイトシートやアルミニウム箔等を載置することで、均熱性や伝熱性をより向上させた有機EL発光装置とすることができる。
(3層積層エッジ部)
本発明に係る3層積層エッジ部211は、酸化インジウムを主成分とする金属酸化物第1電極層2のエッジ部21の内、平面視該発光領域13の端部に位置し、かつ、有機発光ユニット3、及び該第2電極層4が積層されてなるエッジ部である。
そして、本発明に係る立ち上がりの角度は、酸化インジウムを主成分とする金属酸化物第1電極層2の有機発光ユニット3側の面と、前記主面とのなす角度であり、図1における左側の3層積層エッジ部以外のエッジ部である非3層積層エッジ部212の立ち上がりの角度は90度に、図1における右側の3層積層エッジ部211の立ち上がりの角度2111は45度に、各々描かれている。この立ち上がりの角度に対応する面は酸化インジウムを主成分とする金属酸化物第1電極層2のテーパー面である。
また、本発明に係る角部の角度は、前記立ち上がりの角度に対応する酸化インジウムを主成分とする金属酸化物第1電極層2の前記テーパー面と、前記テーパー面以外の前記金属酸化物第1電極層の前記有機発光ユニット側の面とのなす角度であり、図1における右側の3層積層エッジ部211の角部の角度2112は145度に描かれている。
図5は、3層積層エッジ部211における立ち上がりの角度2111、及び角部の角度2112を拡大して示した断面図であり、実際の立ち上がり点、及び角部の点は滑らかにカーブするラインで金属酸化物第1電極層2は形成され、また、そのようなカーブするラインであることが歩留りの観点から好ましいが、各角度は直線近似した角度として定義される。
(有機EL発光装置の製造方法)
このような本発明に係る有機EL発光装置の製造方法を、図1の断面図の有機EL発光装置の製造方法として、図2から図4を用いて、以下説明する。なお、図1は、図4のAA断面の図であり、図2から図4の製造工程の途中段階の平面図においても参考の為、各平面図における断面の位置を図示している。
図2は、透明絶縁基板1の一方の主面12上に、酸化インジウムを主成分とする金属酸化物第1電極層2を形成した状態の平面図である。本発明に係る有機EL発光装置の製造工程においては、3層積層エッジ部211となるエッジ部21の立ち上がりの角度2111を、をこの段階で予め、7度未満となるように加工することを特徴とする。
図3は、図2の工程の後に、さらに、金属酸化物第1電極層2上に、少なくとも1つの有機発光ユニット3を形成した状態の平面図である。
図4は、図3の工程の後に、さらに、有機発光ユニット3上に、第2電極層4を形成した状態の平面図である。
このような工程を経て、本発明に係る有機EL発光装置が製造される。
(透明絶縁基板)
透明絶縁基板1としては、透明絶縁性で面状に広がりを有するものであれば良く、例えば、ガラス基板、プラスチック基板、フレキシブルなフィルム基板などから適宜選択して使用可能である。簡便に信頼性の高いボトムエミッション型の有機EL発光装置を構成する観点からは、ガラス基板が好ましい。
(酸化インジウムを主成分とする金属酸化物第1電極層)
酸化インジウムを主成分とする金属酸化物第1電極層2は、透明、かつ、導電率が高い酸化インジウムを主成分とする透明電極層であり、好ましくは、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、インジウム錫亜鉛酸化物(ITZO)から選択される単層もしくは多層構造で好適には構成される。有機発光ユニットから発生した光を効果的に取り出せる点では、透明性が高いITOあるいはIZOが特に好ましい。また、このような酸化インジウムを主成分とする金属酸化物からなる薄膜に金属薄膜や金属ワイヤーを導入した複合構造とすることもできる。なお、本明細書において「酸化インジウムを主成分とする」とは、第1電極層2を構成する材料に含まれるインジウム原子の含量をIn換算した質量が、材料全体の質量に対して、その割合が50質量%以上であることを言う。
このような金属酸化物第1電極層2にパターニングを施す場合は、透明絶縁基板1上に酸化インジウムを主成分とする金属酸化物第1電極層を蒸着やスパッタリング法等で成膜する際にマスクを用いてのパターン形成や、ウェットエッチングやドライエッチング等を用いることができる。
このようにしてパターニングされた金属酸化物第1電極層2のエッジ部21の立ち上がりの角度は、そのままでは一般に、60度以上となる。
本発明の発明者は、このような大きな立ち上がりの角度のままのエッジ部21を本発明に係る3層積層エッジ部211として素子を形成してしまうと、顕著にリーク電流が発生したり、不点灯部位が発生したりするという不良が発生する事実に着目し、種々検討した結果、この3層積層エッジ部211を特定の形状にすることで、このような不良の発生が抑制され高歩留まりで製造可能な有機EL発光装置となることを見出した。
このようの本発明に係る特定の形状は、当該部位を、柔軟性のある布や酸化セリウム等スラリーを用いて選択的に研磨を行ったり、レーザー加工により形成したりすることにより形成することができる。
またこのような形状とするための加工のしやすさは、金属酸化物第1電極層を構成する材料の物性と関係しており、材料が多結晶である場合には、結晶方位と関係している。酸化インジウムを主成分とする金属酸化物第1電極層の成膜条件を適宜設定することで、基板面に平行な結晶面として(222)が優先であるようにすることで、本発明に係るエッジ形状の制御をし易くすることができる。
(第2電極層)
第2電極層4は、透明電極層及び金属電極層から選択して用いることができるが、簡便に信頼性、及び輝度の高いボトムエミッション型の有機EL発光装置を構成する観点からは、金属電極層とすることが好ましい。
金属電極層の材料としては、アルミニウム(Al)、アルミリチウム(Al:Li)、銀(Ag)、マグネシウム銀(Mg:Ag)等の金属が単層もしくは積層にて好適には用いられる。また、このような第2電極層4は、蒸着法やスパッタ法を用いて形成される。
(有機発光ユニット)
前記発光ユニットは、主に有機化合物からなり、少なくとも発光層を含む複数の層から構成されている。そのような有機化合物としては、一般に有機EL発光素子に用いられている低分子系色素材料や、共役系高分子材料などの公知のもので形成することができる。また、このような有機発光ユニットは、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などの複数の層からなる積層多層構造として一般的に形成される。
ここで、正孔注入層および電子注入層は、各々、後述する接続層の正孔注入性表面層または電子注入性表面層で代替することが可能である。また、隣接する接続層の注入性表面層と同様の材料組成からなる層であったとしても、重ねて隣接して有機発光ユニットの最外層として、正孔注入層及び/又は電子注入層を形成することができる。即ち、また、接続層の注入性表面層で有機発光ユニットの最外層の注入層の両方を代替させた場合には、有機発光ユニットの構成としては、両方の注入層が無い、例えば、正孔輸送層、発光層、及び電子輸送層となる。さらに、これらの輸送層を発光層として機能させることもできる。
また、これらの層は真空蒸着法やスパッタ法、CVD法、ディッピング法、ロールコート法(印刷法)、スピンコート法、バーコート法、スプレー法、ダイコート法、フローコート法など適宜公知の方法によって成膜できるが、高性能の素子とする観点からは真空蒸着法で成膜することが好ましい。
(接続層)
接続層は、その一方面側から外側に向かって電子を供給可能でありその他方面から外側に向かって正孔を供給可能な層である。接続層は、既存の透明電極材料、又は、有機のみの材料によって形成される。
(正孔注入層)
正孔注入層は、例えば、正極から正孔を取り入れ、正孔輸送層に正孔を注入する層であり、その材料としては、例えば、アリールアミン類、フタロシアニン類、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン等の酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリフェニレンビニレン、及び、これらの誘導体等の導電性高分子などが採用でき、また、正孔注入層の透明性を向上させることで輝度を向上させる観点から、正孔輸送性材料に電子受容性のドーパントをドープしたものも好ましく採用できる。
(正孔輸送層)
正孔輸送層は、正孔注入層側から発光層に正孔を効率的に輸送しつつ、正極側への電子の移動を制限する層である。
正孔輸送層の材料としては、正孔輸送性を有する化合物である公知の材料を使用することができる。
正孔輸送層の平均厚みは、1nm以上100nm以下であることが好ましく、5nm以上40nm以下であることがより好ましい。
(発光層)
発光層は、正孔輸送性又は電子輸送性の性質を有した層であって、電界を印加することにより正孔輸送層から流入する正孔と、電子輸送層から流入する電子とが結合して発光性励起子が発生する層である。
発光層は、一般に、ホスト材料に発光材料をドープした層であり、具体的には、正孔輸送性材料、又は電子輸送性材料に発光性ドーパントとして蛍光性ドーパント又は燐光性ドーパントをドープした層である。
発光層の厚みは、適宜設計可能であるが、0.1nm以上40nm以下であることが好ましく、3nm以上30nm以下であることがより好ましい。
(電子輸送層)
電子輸送層は、電子注入層側から発光層に電子を効率的に輸送しつつ、負極側への電子の移動を制限する層である。
電子輸送層の材料としては、電子輸送性を有する化合物である公知の材料を使用することができる。
電子輸送層の平均厚みは、1nm以上100nm以下であることが好ましく、30nm以上60nm以下であることがより好ましい。
(電子注入層)
電子注入層は、例えば、負極から電子を取り入れ、電子輸送層に電子を注入する層であり、その材料としては、例えば、リチウム(Li)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF2)等のようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属の化合物等が採用でき、また、電子注入層の透明性を向上させることで輝度を向上させる観点から、電子輸送性材料に電子供与性のドーパントをドープしたものも好ましく採用できる。
電子注入層の平均厚みは、0.1nm以上20nm以下であることが好ましく、1nm以上5nm以下であることがより好ましい。
(正孔輸送性材料)
正孔輸送性材料としては、例えば、トリフェニルアミン系化合物、カルバゾール系化合物等が採用できる。
(電子輸送性材料)
電子輸送性材料としては、例えば、キノリノラト系金属錯体、アントラセン系化合物、オキサジアゾール系化合物、トリアゾール系化合物、フェナントロリン系化合物、シロール系化合物等が採用できる。
(発光性ドーパント)
黄色、橙色、赤色系の蛍光発光材料としては、ルブレン、DCM、DCM2、DBzRなどが採用できる。
緑色系の蛍光発光材料としては、クマリン6、C545Tなどが採用できる。
青色系の蛍光発光材料としては、ペリレン、
4,4′−ビス(9−エチル−3−カルバゾビニレン)−1,1−ビフェニル(BCzVBi)、
4,4′−ビス[4−(ジ−p−トリアミノ)スチリル]ビフェニル(DPAVBi)などが採用できる。
黄色、橙色、赤色系の燐光発光材料としては、イリジウム錯体である、(bzq)Ir(acac)、(btp)Ir(acac)、Ir(bzq)、Ir(piq)などが採用できる。
緑色系の燐光発光材料としては、イリジウム錯体である、(ppy)Ir(acac)Ir(ppy)などが採用できる。
青色系の燐光発光材料としては、イリジウム錯体である、FIrpic、FIr6、Ir(Fppy)などが採用できる。
(電子受容性ドーパント)
電子受容性ドーパントとしては、テトラシアノキノジメタン系化合物、酸化モリブデン(MoO3)、酸化タングステン(WO3)、酸化バナジウム(V2O5)
等が採用できる。
(電子供与性ドーパント)
電子供与性ドーパントとしては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、これらの金属の化合物、これらの金属を中心金属とするフタロシアニン錯体、ジヒドロイミダゾール化合物等が採用できる。
(実施例1)
有機EL発光装置を形成するための透明絶縁基板1として、片面である一方の主面に酸化インジウムを主成分とする金属酸化物第1電極層2としてITO(インジウム錫酸化物、膜厚150nm)が積層されている無アルカリガラス(縦90mm×横90mm×厚さ0.7mm)を用いた。
このITO付きガラス基板のθ−2θ法で測定したXRDにおける(222)面のピーク強度は、(400)面のピーク強度の2倍であった。
このITO付きガラス基板につき、通常の研磨により、ITO膜表面を素子形成が可能な程度に滑らかにした後、3層積層エッジ部211を含む形状にウェットエッチングによりパターニングすることでエッジ部を設け、さらに、ITO表面の全体を一定程度研磨した。
その後、このITO膜の特定部位をスラリー研磨することで、3層積層エッジ部211の立ち上がりの角度2111を5度とした。
次に、この基板を真空蒸着装置に移動させ、真空中で以下のように材料を成膜し有機発光ユニット3を形成した。
まず、ITO第1電極層2に、正孔注入層として4,4’−ビス[N−(2−ナフチル)−N−フェニルーアミノ]ビフェニル(以下、NPBともいう)と三酸化モリブデンの混合層を用い、真空蒸着法にて10nmの膜厚で成膜した。正孔注入層のNPBと三酸化モリブデンは共蒸着法にて膜厚比率で9:1となるように成膜した。
次いで、正孔輸送層としてNPBを、真空蒸着法により50nm(蒸着速度0.08nm/sec.〜0.12nm/sec.)の膜厚で成膜した。
次いで、発光層兼電子輸送層としてトリス(8−キノリノラート)アルミニウム(以下、Alq3と略す)を、真空蒸着法により、70nm(蒸着速度0.24nm/sec.〜0.28nm/sec.)の膜厚で成膜した。
次いで、電子注入層としてLiFを用い、真空蒸着法にて1nm(蒸着速度0.03nm/sec.〜0.05nm/sec.)の膜厚で成膜した。
この電子注入層上に機能層5の一部としてアルミニウム(Al)を真空蒸着法にて300nm(蒸着速度0.3nm/sec.〜0.5nm/sec.)の膜厚で成膜した。
このようにして有機発光ユニット3を形成した。
続いて、第2電極層4としてAlを真空蒸着法にて150nm(蒸着速度0.3nm/sec.〜0.5nm/sec.)の膜厚で成膜した。
その後、プラズマCVD装置に移動させて、第1無機封止層として2μmの窒化珪素膜を形成し、そして、この有機EL発光装置を真空雰囲気から窒素雰囲気で満たされたグローブボックスに移動させて、ポリシラザン誘導体であるクラリアント社製アクアミカNL120A−05を固化時の膜厚が1μmとなるように塗布して固化し、第2無機封止層を形成し、合計厚み3μmの無機封止層7を形成することで1次封止を行い、実施例1の有機EL発光装置を完成させた。
このようにして作製した50個の実施例1の有機EL発光装置の歩留りは72%であった。なお、歩留りとしては、素子をダイオードとして捉えた時に、1.25Vの逆方向電圧を印可した際の電流値が、10μA未満の装置を良品とし、10μA以上の装置を不良品とし、評価した装置の数に対する、良品の割合を歩留りとした。
(比較例1)
比較例1では、実施例1と同じITO付きガラス基板につき、特定部位の研磨を実施しなかった。その際の、ITO電極層の3層積層エッジ部211の立ち上がりの角度2111は15度、角部の角度2112は175度であった。これらの角度の点以外については実施例1と同様にして、比較例1の有機EL発光装置を完成させ実施例1と同様にして評価した、この比較例1の有機EL発光装置の歩留りは64%であった。
(実施例2、3、比較例2、3、4、5)
実施例1、及び比較例1と同様にして、実施例2、及び3、比較例2、3、4、及び5を実施した。表1に各実施例、及び比較例の結果をまとめて示す。
また、図6に実施例2、比較例2で使用したITO付きガラス基板のθ−2θ法によるXRDの測定結果を示す。
さらに、図7、及び図8に3層積層エッジ部211の立ち上がりの部分のTEM写真、及びAFMによる立ち上がりの角度の測定結果の例を示す。
表1に示すように、各実施例では、各比較例より高い歩留りが得られた。これは(222)配向したITO膜の3層積層エッジ部につき研磨により、その立ち上がりの角度を7度以下に抑えた結果と考えられる。また、同程度の強度の研磨を、その研磨時間を変えて、具体的には、実施例1の2倍とした実施例2、実施例1の0.5倍とした実施例3、の各々のITO基板につき、その3層積層エッジ部の立ち上がり角度は5度程度であまり変化しなかった。
図6に示すように、(222)面については面間隔dが2.9オングストローム付近のピークを、(400)面については面間隔dが2.5オングストローム付近のピークを、各々の面に対応するピークとした。
図7に示すように、立ち上がり角度が15度程度と大きい比較例1および比較例2ではテーパー面の凹凸は同程度であり、歩留りが同程度となった結果とよく対応している。しかし、研磨の程度を大きくして、立ち上がり角度を5度程度まで小さくすると、(222)配向した実施例2のITO膜ではテーパー面が滑らかで歩留りが高くなるのに対して、(400)配向した比較例3のITO膜ではテーパー面の凹凸が比較例2に比べてかえって激しくなり、歩留りもかえって低下した。
1.透明絶縁基板
2.酸化インジウムを主成分とする金属酸化物第1電極層
3.有機発光ユニット
4.第2電極層

Claims (4)

  1. 透明絶縁基板の一方の主面上に順に、酸化インジウムを主成分とする金属酸化物第1電極層、少なくとも1つの有機発光ユニット、及び第2電極層が積層されてなり、かつ、該透明絶縁基板の他方の主面の発光領域から光を照射する有機EL発光装置であって、
    該金属酸化物第1電極層のθ−2θ法で測定したXRDにおける(222)面のピーク強度が、(400)面のピーク強度に対して、2倍以上であり、
    平面視該発光領域の端部における該金属酸化物第1電極層のエッジ部であり、かつ、該有機発光ユニット、及び該第2電極層が積層されてなる3層積層エッジ部の該エッジ部を含む断面において、
    該エッジ部である接点であって、該金属酸化物第1電極層の該有機発光ユニット側の面と、該透明絶縁基板の一方の主面とが接する接点を有し、かつ、
    該金属酸化物第1電極層の該有機発光ユニット側の面と、該一方の主面とのなす角度である立ち上がりの角度が、7度未満であることを特徴とする有機EL発光装置。
  2. 請求項1に記載の有機EL発光装置であって、前記3層積層エッジ部における立ち上がりの角度が、4度以上である、有機EL発光装置。
  3. 請求項1、又は2に記載の有機EL発光装置であって、前記3層積層エッジ部以外の前記金属酸化物第1電極層のエッジ部である非3層積層エッジ部における前記立ち上がりの角度が7度以上である、有機EL発光装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の有機EL発光装置であって、前記3層積層エッジ部が、該部への選択的研磨、及びレーザー加工からなる群から選ばれる1種以上で形成されてなる、有機EL発光装置。
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