JP5593901B2 - 有機エレクトロルミネッセンスパネルおよびその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンスパネルおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、固体封止構造を有する有機エレクトロルミネッセンスパネルおよびそのレーザーリペア技術に関するものである。
有機エレクトロルミネッセンス(以下、エレクトロルミネッセンスをELと略すことがある。)パネルは、有機EL素子を発光素子として備えるものであり、表示装置、照明装置、光源などの各種用途に利用可能な自発光型パネルである。
有機EL素子は水分が存在すると発光特性が劣化するため、有機ELパネルを長時間安定的に作動させるには、有機EL素子を大気から遮断するための封止構造が必要である。一般的に、有機ELパネルの封止構造としては、有機EL素子が形成された支持基板とガラス製または金属製の封止基板とを貼り合わせて、有機EL素子の上部に封止空間を形成し、封止空間内に乾燥剤を配置する中空封止構造が採用されている。また近年では、有機ELパネルの薄型化、フレキシブル化、高強度化等を考慮して、支持基板上に形成された有機EL素子を隙間なく直接封止材料で被覆する固体封止構造の検討が進められている。
固体封止構造の一例としては、図5に示すような、支持基板102上に、透明電極層103、発光層を含む有機EL層107および金属電極層108が積層された有機EL素子が形成され、支持基板102上に有機EL素子全体を覆うように接着層111が形成され、その接着層111を介して支持基板102と封止基板112とが隙間なく貼り合わされている構造が挙げられる。
ところで、有機ELパネルでは、異物や凹凸などによって電極間が短絡し、欠陥が発生する場合がある。そのため、有機ELパネルの製造過程で欠陥を検出し、修正を行うのが一般的である。この欠陥修正方法としては、欠陥箇所にレーザー光を照射し、レーザー光によって電極を蒸発させて除去し、欠陥箇所を高抵抗化するレーザーリペアが知られている(例えば特許文献1〜2参照)。
特開2008−218212号公報 特開2009−199851号公報
特許文献1では、有機ELパネルの製造過程において有機EL素子の封止前にレーザーリペアを行っている。しかしながら、有機EL素子の封止後、例えばエージングの際にも欠陥が生じることがあるため、有機EL素子の封止前のレーザーリペアではそのような欠陥を修正することができないという問題がある。
そこで、本発明者らは、固体封止構造を有する有機ELパネルの製造過程において有機EL素子の封止後のレーザーリペアについて検討を行った。上記の図5に示すような固体封止構造を有する有機ELパネルの製造過程においてレーザーリペアを試みたところ、有機EL素子の封止前にレーザーリペアを行う場合には電極間での短絡を解消することができるのに対して、有機EL素子の封止後にレーザーリペアを行う場合には電極間での短絡を解消することができないことを知見した。中空封止構造を有する有機ELパネルでは有機EL素子の封止後にレーザーリペアを行う場合にも電極間での短絡を解消することができることから、固体封止構造を有する有機ELパネルにおいて有機EL素子の封止後にレーザーリペアを行う場合に電極間での短絡を解消することができないのは、固体封止構造では中空封止構造のように封止空間がないことに起因すると考えられる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、固体封止構造を有する有機ELパネルにおいて、有機EL素子の封止後にレーザーリペアが可能な有機ELパネルを提供することを主目的とするものである。
本発明者らは、固体封止構造を有する有機ELパネルのレーザーリペアに関して種々検討を行い、上記の図5に示すような固体封止構造を有する有機ELパネルにおいては、欠陥箇所にレーザー光を照射しても、短絡を解消することができないことを知見した。これは、固体封止構造では中空封止構造のように空間がなく、金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発した金属の行き場がないためであると考えられる。また、固体封止構造では中空封止構造のように空間がないため、金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発した金属が有機EL素子内に飛散し、短絡箇所が拡大してしまうと考えられる。特に、一般的に接着層には硬化型接着剤が用いられることから、接着層はある程度の硬度や架橋密度を有するので、金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発した金属は接着層内よりも有機EL層内に飛散しやすく、それにより電極間での短絡箇所が拡大するものと考えられる。そこで、本発明者らは、固体封止構造を有する有機ELパネルにおいて有機EL素子封止後のレーザーリペアを可能とするために鋭意検討を重ねた結果、金属電極層に接して所定の層を形成することで、レーザーリペアにより短絡を解消できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、支持基板と、上記支持基板上に形成された透明電極層と、上記透明電極層上に形成され、発光層を含む有機EL層と、上記有機EL層上に形成された金属電極層と、上記金属電極層上に形成され、有機材料からなり、鉛筆硬度が3B以下である金属取り込み層と、上記金属取り込み層、上記金属電極層、上記有機EL層および上記透明電極層を覆うように形成された接着層と、上記接着層上に形成された封止基板とを有することを特徴とする有機ELパネルを提供する。
本発明は、支持基板と、上記支持基板上に形成され、有機材料からなり、鉛筆硬度が3B以下である金属取り込み層と、上記金属取り込み層上に形成された金属電極層と、上記金属電極層上に形成され、発光層を含む有機EL層と、上記有機EL層上に形成された透明電極層と、上記透明電極層、上記有機EL層、上記金属電極層および上記金属取り込み層を覆うように形成された接着層と、上記接着層上に形成された封止基板とを有することを特徴とする有機ELパネルを提供する。
本発明は、支持基板と、上記支持基板上に形成された透明電極層と、上記透明電極層上に形成され、発光層を含む有機EL層と、上記有機EL層上に形成された金属電極層と、上記金属電極層上に形成され、上記金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発する金属を取り込むことが可能な金属取り込み層と、上記金属取り込み層、上記金属電極層、上記有機EL層および上記透明電極層を覆うように形成された接着層と、上記接着層上に形成された封止基板とを有することを特徴とする有機ELパネルを提供する。
本発明は、支持基板と、上記支持基板上に形成され、金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発する金属を取り込むことが可能な金属取り込み層と、上記金属取り込み層上に形成された金属電極層と、上記金属電極層上に形成され、発光層を含む有機EL層と、上記有機EL層上に形成された透明電極層と、上記透明電極層、上記有機EL層、上記金属電極層および上記金属取り込み層を覆うように形成された接着層と、上記接着層上に形成された封止基板とを有することを特徴とする有機ELパネルを提供する。
本発明によれば、金属電極層に接して所定の金属取り込み層が形成されているので、金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発する金属を金属取り込み層内に取り込むことができ、有機EL素子の封止後にレーザーリペアを行うことが可能となる。したがって、有機EL素子作製後、例えば封止、エージングの際に発生した欠陥も修正することができ、信頼性の向上、歩留まりの向上、作業性の向上および装置の簡素化を図ることが可能となる。
また本発明においては、上記金属取り込み層および上記接着層の間に上記金属取り込み層を保護する保護層が形成されていることが好ましい。保護層が形成されていることにより、金属取り込み層が接着層に用いられる接着剤に接触して溶解するのを防ぐことができるからである。
さらに本発明においては、上記金属取り込み層が電荷輸送性を有することが好ましい。有機EL層の形成に用いた材料を金属取り込み層の形成に用いることができるので、装置増設の必要がなく、コンタミネーションが抑制され、装置負荷が小さいという利点を有するからである。
また本発明においては、上記接着層が硬化型接着剤を用いて形成されたものであることが好ましい。支持基板および封止基板の密着性が強固となり、水分の浸入を効果的に防ぐことができるからである。また、従来の固体封止構造を有する有機ELパネルにおいては、接着層が硬化型接着剤を用いて形成されたものであり、ある程度の硬度を有する場合には、金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発した金属は接着層内よりも有機EL層内に飛散しやすく、短絡を解消できないおそれがあるが、本発明においては、金属電極層に接して所定の金属取り込み層が形成されていることにより、接着層がある程度の硬度を有するとしても、レーザーリペアにより電極間での短絡を解消することができる。
本発明は、支持基板と、上記支持基板上に形成された透明電極層と、上記透明電極層上に形成され、発光層を含む有機EL層と、上記有機EL層上に形成された金属電極層と、上記金属電極層上に形成され、上記金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発する金属を取り込むことが可能な金属取り込み層と、上記金属取り込み層、上記金属電極層、上記有機EL層および上記透明電極層を覆うように形成された接着層と、上記接着層上に形成された封止基板とを有する有機ELパネルを作製する有機ELパネル作製工程と、上記有機ELパネルの欠陥の有無を検査する欠陥検査工程と、上記欠陥が検出された場合、上記有機ELパネルの欠陥箇所に上記支持基板側からレーザー光を照射し、上記レーザー光照射部分の上記金属電極層を除去する欠陥修正工程とを有することを特徴とする有機ELパネルの製造方法を提供する。
また本発明は、支持基板と、上記支持基板上に形成され、金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発する金属を取り込むことが可能な金属取り込み層と、上記金属取り込み層上に形成された金属電極層と、上記金属電極層上に形成され、発光層を含む有機EL層と、上記有機EL層上に形成された透明電極層と、上記透明電極層、上記有機EL層、上記金属電極層および上記金属取り込み層を覆うように形成された接着層と、上記接着層上に形成された封止基板とを有する有機ELパネルを作製する有機ELパネル作製工程と、上記有機ELパネルの欠陥の有無を検査する欠陥検査工程と、上記欠陥が検出された場合、上記有機ELパネルの欠陥箇所に上記封止基板側からレーザー光を照射し、上記レーザー光照射部分の上記金属電極層を除去する欠陥修正工程とを有することを特徴とする有機ELパネルの製造方法を提供する。
本発明によれば、金属電極層に接して所定の金属取り込み層が形成されているので、金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発する金属を金属取り込み層内に取り込むことができ、有機EL素子の封止後にレーザーリペアを行うことが可能となる。したがって、有機EL素子作製後、例えば封止、エージングの際に発生した欠陥も修正することができ、信頼性の向上、歩留まりの向上、作業性の向上および装置の簡素化を図ることが可能となる。
上記発明においては、上記金属取り込み層の鉛筆硬度が3B以下であることが好ましい。金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発する金属を金属取り込み層内に取り込みやすくなるからである。
本発明においては、固体封止構造を有する有機ELパネルにおいて、金属電極層に接して所定の金属取り込み層が形成されていることにより、有機EL素子の封止後にレーザーリペアを行うことが可能となるという効果を奏する。
本発明の有機ELパネルの一例を示す概略断面図である。 本発明の有機ELパネルの製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の有機ELパネルの他の例を示す概略断面図である。 本発明の有機ELパネルの製造方法の他の例を示す工程図である。 従来の有機ELパネルの一例を示す概略断面図である。
以下、本発明の有機ELパネルおよびその製造方法について詳細に説明する。
A.有機ELパネル
まず、本発明の有機ELパネルについて説明する。本発明の有機ELパネルは、透明電極層と金属電極層との間に発光層を含む有機EL層が挟持されており、固体封止構造を有するものである。本発明の有機ELパネルは、有機材料からなり、鉛筆硬度が3B以下である金属取り込み層が金属電極層に接して形成されている態様と、金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発する金属を取り込むことが可能な金属取り込み層が金属電極層に接して形成されている態様との2つの実施態様に分けることができる。以下、各実施態様に分けて説明する。
I.第1実施態様
本実施態様の有機ELパネルは、透明電極層と金属電極層との間に発光層を含む有機EL層が挟持され、有機材料からなり鉛筆硬度が3B以下である金属取り込み層が金属電極層に接して形成され、固体封止構造を有するものである。本実施態様の有機ELパネルは、ボトムエミッション型およびトップエミッション型の2つの態様に分けることができる。以下、各態様に分けて説明する。
1.ボトムエミッション型有機ELパネル
本態様の有機ELパネルは、支持基板と、上記支持基板上に形成された透明電極層と、上記透明電極層上に形成され、発光層を含む有機EL層と、上記有機EL層上に形成された金属電極層と、上記金属電極層上に形成され、有機材料からなり、鉛筆硬度が3B以下である金属取り込み層と、上記金属取り込み層、上記金属電極層、上記有機EL層および上記透明電極層を覆うように形成された接着層と、上記接着層上に形成された封止基板とを有することを特徴とするものである。
本態様の有機ELパネルについて、図面を参照しながら説明する。
図1は、本態様の有機ELパネルの一例を示す概略断面図である。図1に例示する有機ELパネル1は、支持基板2と、支持基板2上に形成された透明電極層3と、透明電極層3上に形成され、正孔注入層4、発光層5および電子注入層6を含む有機EL層7と、有機EL層7上に形成された金属電極層8と、金属電極層8上に形成され、有機材料からなり、鉛筆硬度が3B以下である金属取り込み層9と、金属取り込み層9上に形成された保護層10と、保護層10から透明電極層3までを覆うように形成された接着層11と、接着層11上に形成された封止基板12とを有している。支持基板2および封止基板12は接着層11を介して隙間なく貼り合わされており、固体封止構造となっている。
図2(a)〜(b)は、本態様の有機ELパネルのレーザーリペアの一例を示す工程図である。まず、図2(a)に示すように、図1に示す有機ELパネル1を作製し、図示しないが、有機ELパネル1を点灯して欠陥の有無を検査する。欠陥が検出された場合には、続いて、図2(b)に示すように、有機ELパネル1の欠陥箇所22に支持基板2側からレーザー光21を照射し、レーザー光照射部分の金属電極層8を蒸発させて除去する。
本態様においては、金属電極層上に、有機材料からなり、鉛筆硬度が3B以下である金属取り込み層が形成されていることにより、金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発した金属を金属取り込み層内に取り込むことができ、レーザー光によって金属電極層を蒸発させ除去することが可能となる。また、金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発した金属が有機EL層内に飛散するのを抑制し、透明電極層および金属電極層間が短絡するのを防ぐことが可能となる。したがって、レーザーリペアにより透明電極層および金属電極層間での短絡を解消することが可能となる。
この理由は明らかではないが、次のように考えられる。すなわち、図5に例示するような従来の有機ELパネルにおいて、接着層111が硬化型接着剤を用いて形成されたものであり、かたい層(例えば鉛筆硬度が2B以上)である場合には、金属電極層108へのレーザー光照射時に蒸発した金属は接着層111よりも有機EL層107に飛散しやすく、短絡を解消するレーザーリペアの効果が得られない。これに対し、図2(b)に例示するような本態様の有機ELパネルにおいて、金属電極層8上には金属取り込み層9が形成されており、金属取り込み層9は鉛筆硬度が3B以下であり、比較的やわらかい層であるので、金属電極層8へのレーザー光21の照射時に蒸発した金属は金属取り込み層9に取り込まれると考えられる。そのため、金属電極層8へのレーザー光21の照射時に蒸発した金属が有機EL層7内に飛散するのを抑制し、透明電極層3および金属電極層8間が短絡するのを防ぐことができると考えられる。特に、接着層11がかたい層であったとしても、レーザーリペアにより透明電極層3および金属電極層8間での短絡を解消することができる。
また本態様においては、金属電極層上に金属取り込み層が形成されているので、有機EL素子の封止後にレーザーリペアを行うことが可能である。そのため、有機EL素子作製後、例えば封止、エージングの際に発生した欠陥についても修正が可能である。したがって、有機ELパネルの信頼性を高め、歩留まりを向上させることが可能となる。また、有機EL素子の封止前にレーザーリペアを行う場合には、窒素雰囲気下などの不活性雰囲気下でレーザーリペアを行う必要があるため、さらには、有機EL素子の封止前にレーザーリペアを行う場合であって、初期欠陥を検査するために有機EL素子の封止前にエージングを行う場合には、エージングも不活性雰囲気下で行う必要があるため、作業性が低下し、装置が大掛かりになってしまう。これに対し本態様においては、有機EL素子の封止後にレーザーリペアを行うことができるので、作業性の向上および装置の簡素化を図ることが可能となる。
なお、本態様の有機ELパネルには、レーザーリペア前およびレーザーリペア後のいずれの有機ELパネルも含まれる。
以下、本態様の有機ELパネルにおける各構成について説明する。
(1)金属取り込み層
本態様に用いられる金属取り込み層は、金属電極層上に形成されるものであり、有機材料からなり、鉛筆硬度が3B以下であるものである。
金属取り込み層の鉛筆硬度は3B以下であり、中でも4B以下、特に5B以下、さらには6B以下であることが好ましい。鉛筆硬度が上記範囲であれば、金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発する金属を金属取り込み層に取り込むことが可能となるからである。
なお、鉛筆硬度の値は、JIS K5600−5−4に準拠する値である。
金属取り込み層に用いられる有機材料としては、上記の鉛筆硬度を満たす膜を形成可能な材料であれば特に限定されるものではない。上記有機材料は、導電性を有していてもよく有さなくてもよい。また、上記有機材料は、透明性を有していてもよく有さなくてもよい。すなわち、金属取り込み層は、導電性を有していてもよく有さなくてもよく、また透明性を有していてもよく有さなくてもよい。
中でも、上記有機材料は、ドライプロセスにより成膜可能な材料であることが好ましい。有機EL素子は水分が存在すると発光特性が劣化するので、また有機EL層は溶剤に溶解する場合があるので、溶剤を用いずに成膜できる材料が好ましいからである。ドライプロセスにより成膜可能な有機材料としては、低分子系材料が好ましく用いられる。
特に、上記有機材料は、電荷輸送性を有することが好ましい。有機EL層の形成に用いた材料を金属取り込み層の形成に用いることができるので、装置増設の必要がなく、コンタミネーションが抑制され、装置負荷が小さいという利点を有するからである。
このような有機材料としては、有機EL層に用いられる一般的な材料を使用することができ、例えば、Alq3(トリス(8−キノリノラト)アルミニウム)等のアルミニウム錯体等の金属錯体;下記構造式で表わされる、α−NPD(ビス(N−((1−ナフチル)−N−フェニル)ベンジジン)、TPD(N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン)、TAPC(1,1−ビス[4−(ジ−p−トリル)アミノフェニル]シクロヘキサン)、(DTP)DPPD、m−MTDATA(4,4′,4″−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン)、HTM1(N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1′−ビフェニル)−4,4′−ジアミン)、2−TNATA(4,4′,4″−トリス(N−(2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン)、TPTE1、TCTA(4,4−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン)、NTPA(N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(4′−(N,N′−ビス(ナフス−1−イル)−アミノ)−ビフェニル−4−イル)−ベンジジン)、スピロ−TAD(2,2,7,7−テトラ−(3−メチルジフェニルアミノ)−9,9−スピロビフルオレン)、TFLFL等の芳香族アミン誘導体;BCP(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)等のフェナントロリン誘導体;tBu−PBD(2−(4′−t−ブチルフェニル)−5−(4″−ビフェニルイル)−1,3,4−オキサジアゾール)、オキサジアゾール二量体、スターバーストオキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体;トリアゾール誘導体;フェニルキノキサリン誘導体;シロール誘導体などが挙げられる。
Figure 0005593901
Figure 0005593901
金属取り込み層は、上記有機材料の1種または2種以上からなる単層であってもよく、上記有機材料の2種以上を積層した多層であってもよい。
金属取り込み層の膜厚としては、金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発する金属を金属取り込み層に取り込むことが可能な厚みであれば特に限定されるものではなく、例えば0.01μm〜1μmの範囲内とすることができる。金属取り込み層が薄すぎると、金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発する金属を金属取り込み層に取り込むことが困難となる。一方、金属取り込み層が厚すぎると、成膜に長時間を要し、また有機ELパネルの薄型化、フレキシブル化が困難となる。
金属取り込み層の形成方法としては、上記の鉛筆硬度を満たす膜を形成可能な方法であれば特に限定されるものではないが、中でもドライプロセスが好ましい。上述したように、有機EL素子は水分が存在すると発光特性が劣化するので、また有機EL層は溶剤に溶解する場合があるので、溶剤を用いずに成膜できる方法が好ましいからである。例えば、真空蒸着法が挙げられる。
(2)保護層
本態様においては、金属取り込み層および接着層の間に金属取り込み層を保護する保護層が形成されていることが好ましい。保護層は、接着層に用いられる接着剤から金属取り込み層を保護するために設けられるものである。保護層が形成されていることにより、金属取り込み層が接着層に用いられる接着剤に接触して溶解するのを防ぐことができる。
保護層に用いられる材料としては、金属取り込み層を接着層に用いられる接着剤から保護することができる材料であれば特に限定されるものではない。上記材料は、導電性を有していてもよく有さなくてもよい。また、上記材料は、透明性を有していてもよく有さなくてもよい。すなわち、保護層は、導電性を有していてもよく有さなくてもよく、また透明性を有していてもよく有さなくてもよい。
中でも、上記材料は、ドライプロセスにより成膜可能な材料であることが好ましい。有機EL素子は水分が存在すると発光特性が劣化するので、また有機EL層は溶剤に溶解する場合があるので、溶剤を用いずに成膜できる材料が好ましいからである。ドライプロセスにより成膜可能な材料としては、例えば無機材料を用いることができ、具体的には、SiN(窒化ケイ素)、SiO2(酸化ケイ素)、SiON(酸化窒化ケイ素)、Al23(酸化アルミニウム)等の金属酸化物、Ag(銀)、Al(アルミニウム)等の金属が挙げられる。
保護層は、上記材料の1種または2種以上からなる単層であってもよく、上記材料の2種以上を積層した多層であってもよい。
保護層の膜厚としては、金属取り込み層を接着層に用いられる接着剤から保護することができる厚みであれば特に限定されるものではなく、例えば0.1μm〜10μmの範囲内とすることができる。保護層が薄すぎると、金属取り込み層を接着層に用いられる接着剤から保護することが困難となるからである。一方、保護層が厚すぎると、成膜に長時間を要し、また有機ELパネルの薄型化、フレキシブル化が困難となるおそれがあるからである。
保護層の形成方法としては、金属取り込み層を接着層に用いられる接着剤から保護することができる膜を形成可能な方法であれば特に限定されるものではないが、中でもドライプロセスが好ましい。上述したように、有機EL素子は水分が存在すると発光特性が劣化するので、また有機EL層は溶剤に溶解する場合があるので、溶剤を用いずに成膜できる方法が好ましいからである。例えば、CVD法、スパッタリング法、真空蒸着法等が挙げられる。
(3)接着層
本態様に用いられる接着層は、金属取り込み層、金属電極層、有機EL層および透明電極層を覆うように形成されるものである。
接着層に用いられる接着剤としては、有機ELパネルに一般的に用いられる接着剤を使用することができる。中でも、接着剤は硬化型接着剤であることが好ましい。支持基板および封止基板の密着性が強固となり、水分の浸入を効果的に防ぐことができるからである。また、図5に例示するような従来の有機ELパネルにおいて、接着層111が硬化型接着剤を用いて形成されたものであり、かたい層である場合には、金属電極層108へのレーザー光照射時に蒸発した金属は接着層111よりも有機EL層107に飛散しやすく、有機EL素子の短絡を解消するレーザーリペアの効果が得られない。一方、本態様においては、図2(b)に例示するように、金属電極層8上に比較的やわらかい金属取り込み層9が形成されているので、金属電極層8へのレーザー光21の照射時に蒸発した金属を金属取り込み層9に取り込むことができ、接着層11がかたい層であったとしても、レーザーリペアにより透明電極層3および金属電極層8間での短絡を解消することができる。
硬化型接着剤としては、熱硬化型接着剤、光硬化型接着剤を挙げることができる。具体的には、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂などが挙げられる。
接着層の形成方法としては、有機ELパネルにおける一般的な接着層の形成方法を採用することができる。
(4)金属電極層
本態様に用いられる金属電極層は、有機EL層上に形成されるものである。
金属電極層は、陽極であっても陰極であってもよいが、通常は陰極として形成される。
陰極としては、電子が注入し易いように仕事関数の小さい導電性材料を用いることが好ましく、有機ELパネルの陰極に一般的に用いられるものを使用することができる。このような導電性材料としては、例えば、Li、Na、Mg、Al、Ca、Ag、In等の金属、またはこれらの金属の1種以上を含む合金、例えばMgAg、AlLi、AlCa、AlMg等の合金が挙げられる。中でも、Al、Agの金属、またはMgAg、AlLi、AlCa、AlMg等のAl、Agを含む合金が好ましく用いられる。これらの導電性材料は、レーザーリペアに適しているからである。
金属電極層の膜厚としては、レーザーリペアが可能な厚みであれば特に限定されるものではなく、例えば10nm〜1μmの範囲内とすることができ、好ましくは50nm〜500nmの範囲内である。
金属電極層は、有機ELパネルの用途や駆動方式に応じてパターン状に形成されていてもよい。
金属電極層の形成方法としては、一般的な電極の形成方法を採用することができる。
(5)透明電極層
本態様に用いられる透明電極層は、支持基板上に形成されるものである。本態様においては、透明電極層側から光を取り出すので、透明電極層は透明性を有している。
透明電極層は、陽極であっても陰極であってもよいが、通常は陽極として形成される。
陽極としては、正孔が注入し易いように仕事関数の大きい導電性材料を用いることが好ましく、有機ELパネルの陽極に一般的に用いられるものを使用することができる。例えば、ITO(酸化インジウム錫)、IZO(酸化インジウム亜鉛)、酸化インジウム、酸化錫等が挙げられる。
透明電極層は、有機ELパネルの用途や駆動方式に応じてパターン状に形成されていてもよい。
透明電極層の形成方法としては、一般的な電極の形成方法を採用することができる。
(6)有機EL層
本態様に用いられる有機EL層は、透明電極層上に形成され、発光層を含むものである。
有機EL層は、少なくとも発光層を含む1層もしくは複数層の有機層を有するものである。すなわち、有機EL層とは、少なくとも発光層を含む層であり、その層構成が有機層1層以上の層をいう。通常、ウェットプロセスで有機EL層を形成する場合は、溶媒との関係で多数の層を積層することが困難であることから、1層もしくは2層の有機層で構成される場合が多いが、有機材料を工夫したり、真空蒸着法を組み合わせたりすることにより、さらに多数層とすることも可能である。
発光層以外に有機EL層を構成する層としては、正孔注入層、電子注入層、正孔輸送層、電子輸送層等を挙げることができる。正孔輸送層は、正孔注入層に正孔輸送の機能を付与することにより、正孔注入層と一体化される場合がある。また、電子輸送層は、電子注入層に電子輸送の機能を付与することにより、電子注入層と一体化される場合がある。さらに、有機EL層を構成する層としては、キャリアブロック層のような正孔もしくは電子の突き抜けを防止し、再結合効率を高めるための層等を挙げることができる。
以下、有機EL層における各構成について説明する。
(a)発光層
本態様における発光層に用いられる材料としては、例えば、色素系材料、金属錯体系材料、高分子系材料等の発光材料を挙げることができる。
色素系材料としては、シクロペンタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマーなどを挙げることができる。
また、金属錯体系材料としては、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロビウム錯体等、中心金属にAl、Zn、Be等または、Tb、Eu、Dy等の希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を有する金属錯体を挙げることができる。
さらに、高分子系材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリビニルカルバゾール等、ポリフルオレン誘導体、ポリキノキサリン誘導体、およびそれらの共重合体等を挙げることができる。
上記発光層中には、発光効率の向上、発光波長を変化させる等の目的でドーピング剤を添加してもよい。このようなドーピング剤としては、例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾン、キノキサリン誘導体、カルバゾール誘導体、フルオレン誘導体を挙げることができる。
発光層の厚みとしては、電子と正孔との再結合の場を提供して発光する機能を発現することができる厚みであれば特に限定されるものではなく、例えば1nm〜500nm程度とすることができる。
発光層は、赤・緑・青等の複数色の発光部を有するようにパターン状に形成されていてもよい。これにより、カラー表示が可能な有機ELパネルを得ることができる。
発光層の形成方法としては、一般的な発光層の形成方法を採用することができ、ウェットプロセスおよびドライプロセスのいずれも用いることができる。例えば、真空蒸着法、印刷法、インクジェット法、スピンコート法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法、自己組織化法(交互吸着法、自己組織化単分子膜法)等を挙げることができる。
(b)正孔注入層および正孔輸送層
本態様において、正孔輸送層は、正孔注入層に正孔輸送の機能を付与することにより、正孔注入層と一体化される場合がある。すなわち、正孔注入層は、正孔注入機能のみを有していてもよく、正孔注入機能および正孔輸送機能の両機能を有していてもよい。
正孔注入層に用いられる材料としては、発光層内への正孔の注入を安定化させることができる材料であれば特に限定されるものではなく、上記発光層の発光材料に例示した化合物の他、フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン等の酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリフェニレンビニレン誘導体等を用いることができる。具体的には、ビス(N−((1−ナフチル)−N−フェニル)ベンジジン(α−NPD)、4,4′,4″−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、ポリ(3,4エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホン酸(PEDOT−PSS)、ポリビニルカルバゾール(PVCz)等が挙げられる。
また、正孔注入層の厚みとしては、正孔注入機能や正孔輸送機能が十分に発揮される厚みであれば特に限定されないが、具体的には0.5nm〜1000nmの範囲内、中でも10nm〜500nmの範囲内であることが好ましい。
正孔注入層の形成方法としては、上記発光層の形成方法と同様とすることができる。
(c)電子注入層
本態様において、電子輸送層は、電子注入層に電子輸送の機能を付与することにより、電子注入層と一体化される場合がある。すなわち、電子注入層は、電子注入機能のみを有していてもよく、電子注入機能および電子輸送機能の両機能を有していてもよい。
電子注入層に用いられる材料としては、発光層内への電子の注入を安定化させることができる材料であれば特に限定されるものではなく、上記発光層の発光材料に例示した化合物の他、アルミリチウム合金、フッ化リチウム、ストロンチウム、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、酸化アルミニウム、酸化ストロンチウム、カルシウム、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、リチウム、セシウム、フッ化セシウム等のようにアルカリ金属類、およびアルカリ金属類のハロゲン化物、アルカリ金属の有機錯体等を用いることができる。
また、電子輸送性の有機材料にアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属をドープした金属ドープ層を形成し、これを電子注入層とすることもできる。上記電子輸送性の有機材料としては、例えばバソキュプロイン、バソフェナントロリン、フェナントロリン誘導体等を挙げることができ、ドープする金属としては、Li、Cs、Ba、Sr等が挙げられる。
上記電子注入層の厚みとしては、電子注入機能や電子輸送機能が十分に発揮される厚みであれば特に限定されない。
電子注入層の形成方法としては、上記発光層の形成方法と同様とすることができる。
(d)電子輸送層
本態様における電子輸送層に用いられる材料としては、陰極から注入された電子を発光層内へ輸送することが可能な材料であれば特に限定されるものではなく、例えばバソキュプロイン、バソフェナントロリン、フェナントロリン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq3)の誘導体等を挙げることができる。
上記電子輸送層の厚みとしては、電子輸送機能が十分に発揮される厚みであれば特に限定されない。
電子輸送層の形成方法としては、上記発光層の形成方法と同様とすることができる。
(7)支持基板
本態様に用いられる支持基板は、上述の透明電極層、有機EL層、金属電極層などを支持するものである。
本態様においては支持基板側を光の取出し面とすることから、支持基板は透明性を有している。また、本態様の有機ELパネルにおいては、レーザーリペアを行う場合に支持基板側からレーザー光を照射することから、支持基板はレーザー光を透過するものである。このような支持基板としては、例えば、ガラス板等の可撓性のないリジット材あるいは樹脂フィルム等の可撓性を有するフレキシブル材を挙げることができる。樹脂フィルム等のフレキシブル材は、加工性に優れており、コスト低減や軽量化、割れにくい有機ELパネルの実現において有用であり、曲面への適用等、種々のアプリケーションへの適用可能性が広がるという利点を有する。また、必要に応じて水分、酸素等のガスを遮断するガスバリア性を有する支持基板を用いてもよい。
(8)封止基板
本態様に用いられる封止基板は、接着層上に形成されるものである。
本態様においては支持基板側を光の取出し面とすることから、封止基板は透明性を有していてもよく有さなくてもよい。また、本態様の有機ELパネルにおいては、レーザーリペアを行う場合に支持基板側からレーザー光を照射することから、封止基板はレーザー光を透過するものであってもよく透過しないものであってもよい。このような封止基板としては、例えば、ガラス板、金属板等の可撓性のないリジット材あるいは樹脂フィルム、金属箔等の可撓性を有するフレキシブル材を挙げることができる。樹脂フィルム、金属箔等のフレキシブル材は、加工性に優れており、コスト低減や軽量化、割れにくい有機ELパネルの実現において有用であり、曲面への適用等、種々のアプリケーションへの適用可能性が広がるという利点を有する。また、必要に応じて水分、酸素等のガスを遮断するガスバリア性を有する封止基板を用いてもよい。
(9)絶縁層
本態様においては、透明電極層が形成された支持基板上に絶縁層が形成されていてもよい。絶縁層により、透明電極層と金属電極層とが接触して短絡するのを防ぐことができる。この絶縁層は、透明電極層の端部を覆うように形成されていることが好ましい。透明電極層の端部では有機EL層の厚みが薄くなるため、絶縁層を形成することで短絡し難くすることができる。また隣り合う発光領域が電気的に接続されるのを防ぐことができる。絶縁層が形成された部分は、発光に寄与しない領域とすることができる。
絶縁層に用いられる材料としては、有機ELパネルの絶縁層に一般的に使用される材料を採用することができ、例えば、感光性ポリイミド樹脂、アクリル系樹脂等の光硬化型樹脂または熱硬化型樹脂、および無機材料等を挙げることができる。
絶縁層の形成方法としては、フォトリソグラフィー法、印刷法等の一般的な方法を用いることができる。
(10)隔壁
本態様においては、透明電極層が形成された支持基板上に隔壁が形成されていてもよい。例えばパッシブマトリクス駆動方式の有機ELパネルの場合、絶縁層上に、ストライプ状の透明電極層と直交するように、金属電極層を分断するための隔壁がストライプ状に形成されていてもよい。
隔壁が所定の高さを有していれば金属電極層を分断することができるため、隔壁の断面形状としては特に限定されるものではなく、例えば、矩形状、台形状(順テーパー形状)、逆テーパー形状等が挙げられる。好ましくは、逆テーパー形状である。
隔壁の高さとしては、支持基板表面から隔壁表面までの高さが、発光領域の中心部における支持基板表面から金属電極層表面までの高さよりも高くなるように設定される。
隔壁に用いられる材料としては、有機ELパネルの隔壁に一般的に使用される材料を採用することができ、例えば、感光性ポリイミド樹脂、アクリル系樹脂、ノボラック系樹脂、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂等の光硬化型樹脂または熱硬化型樹脂、および無機材料等を挙げることができる。
隔壁の形成方法としては、フォトリソグラフィー法、印刷法等の一般的な方法を用いることができる。
2.トップエミッション型有機ELパネル
本態様の有機ELパネルは、支持基板と、上記支持基板上に形成され、有機材料からなり、鉛筆硬度が3B以下である金属取り込み層と、上記金属取り込み層上に形成された金属電極層と、上記金属電極層上に形成され、発光層を含む有機EL層と、上記有機EL層上に形成された透明電極層と、上記透明電極層、上記有機EL層、上記金属電極層および上記金属取り込み層を覆うように形成された接着層と、上記接着層上に形成された封止基板とを有することを特徴とするものである。
図3は、本態様の有機ELパネルの一例を示す概略断面図である。図3に例示する有機ELパネル1は、支持基板2と、支持基板2上に形成され、有機材料からなり、鉛筆硬度が3B以下である金属取り込み層9と、金属取り込み層9上に形成された金属電極層8と、金属電極層8上に形成され、電子注入層6、発光層5および正孔注入層4を含む有機EL層7と、有機EL層7上に形成された透明電極層3と、透明電極層3から金属取り込み層9までを覆うように形成された接着層11と、接着層11上に形成された封止基板12とを有している。支持基板2および封止基板12は接着層11を介して隙間なく貼り合わされており、固体封止構造となっている。
図4(a)〜(b)は、本態様の有機ELパネルのレーザーリペアの一例を示す工程図である。まず、図4(a)に示すように、図3に示す有機ELパネル1を作製し、図示しないが、有機ELパネル1を点灯して欠陥の有無を検査する。欠陥が検出された場合には、続いて、図4(b)に示すように、有機ELパネル1の欠陥箇所22に封止基板12側からレーザー光21を照射し、レーザー光照射部分の金属電極層8を蒸発させて除去する。
本態様においては、金属電極層の下に、有機材料からなり、鉛筆硬度が3B以下である金属取り込み層が形成されていることにより、金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発した金属を金属取り込み層内に取り込むことができ、レーザー光によって金属電極層を蒸発させ除去することが可能となる。また、金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発した金属が有機EL層内に飛散するのを抑制し、金属電極層および透明電極層間が短絡するのを防ぎ、レーザーリペアにより金属電極層および透明電極層間での短絡を解消することが可能となる。
この理由は明らかではないが、次のように考えられる。すなわち、図4(b)に示す例において、金属電極層8の下には金属取り込み層9が形成されており、金属取り込み層9は鉛筆硬度が3B以下であり、比較的やわらかい層であるので、金属電極層8へのレーザー光21の照射時に蒸発した金属は金属取り込み層9に取り込まれると考えられる。そのため、金属電極層8へのレーザー光21の照射時に蒸発した金属が有機EL層7内に飛散するのを抑制し、透明電極層3および金属電極層8間が短絡するのを防ぐことができると考えられる。
また本態様においては、金属電極層の下に金属取り込み層が形成されているので、有機EL素子の封止後にレーザーリペアを行うことが可能である。そのため、有機EL素子作製後、例えば封止、エージングの際に発生した欠陥についても修正が可能である。したがって、有機ELパネルの信頼性を高め、歩留まりを向上させ、作業性の向上および装置の簡素化を図ることが可能となる。
本態様の有機ELパネルには、レーザーリペア前およびレーザーリペア後のいずれの有機ELパネルも含まれる。
なお、金属取り込み層、金属電極層、有機EL層、透明電極層および接着層については、上記のボトムエミッション型有機ELパネルと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。以下、本態様の有機ELパネルにおける他の構成について説明する。
(1)支持基板
本態様に用いられる支持基板は、金属電極層、有機EL層、透明電極層などを支持するものである。
本態様においては封止基板側を光の取出し面とすることから、支持基板は透明性を有していてもよく有さなくてもよい。また、本態様の有機ELパネルにおいては、レーザーリペアを行う場合に封止基板側からレーザー光を照射することから、支持基板はレーザー光を透過するものであってもよく透過しないものであってもよい。このような支持基板としては、例えば、ガラス板、金属板等の可撓性のないリジット材あるいは樹脂フィルム、金属箔等の可撓性を有するフレキシブル材を挙げることができる。また、必要に応じて水分、酸素等のガスを遮断するガスバリア性を有する支持基板を用いてもよい。
(2)封止基板
本態様に用いられる封止基板は、接着層上に形成されるものである。
本態様においては封止基板側を光の取出し面とすることから、封止基板は透明性を有している。また、本態様の有機ELパネルにおいては、レーザーリペアを行う場合に封止基板側からレーザー光を照射することから、封止基板はレーザー光を透過するものである。このような封止基板としては、例えば、ガラス板等の可撓性のないリジット材あるいは樹脂フィルム等の可撓性を有するフレキシブル材を挙げることができる。また、必要に応じて水分、酸素等のガスを遮断するガスバリア性を有する封止基板を用いてもよい。
(3)絶縁層
本態様においては、金属取り込み層および金属電極層が形成された支持基板上に絶縁層が形成されていてもよい。絶縁層により、金属電極層と透明電極層とが接触して短絡するのを防ぐことができる。この絶縁層は、金属電極層の端部を覆うように形成されていることが好ましい。金属電極層の端部では有機EL層の厚みが薄くなるため、絶縁層を形成することで短絡し難くすることができる。また隣り合う発光領域が電気的に接続されるのを防ぐことができる。絶縁層が形成された部分は、発光に寄与しない領域とすることができる。
なお、絶縁層の材料および形成方法については、上記のボトムエミッション型有機ELパネルにおける絶縁層と同様であるので、ここでの説明は省略する。
(4)隔壁
本態様においては、金属取り込み層および金属電極層が形成された支持基板上に隔壁が形成されていてもよい。例えばパッシブマトリクス駆動方式の有機ELパネルの場合、絶縁層上に、ストライプ状の金属電極層と直交するように、透明電極層を分断するための隔壁がストライプ状に形成されていてもよい。
なお、隔壁の断面形状、高さ、材料および形成方法については、上記のボトムエミッション型有機ELパネルにおける隔壁と同様であるので、ここでの説明は省略する。
(5)有機EL層用保護層
本態様においては、透明電極層をスパッタリング法により形成する場合には、有機EL層と透明電極層との間に、有機EL層を保護する有機EL層用保護層が形成されていてもよい。有機EL層用保護層が形成されていることにより、透明電極層をスパッタリング法により形成する際に、有機EL層へのダメージを軽減することができる。
有機EL層用保護層としては、透明電極層をスパッタリング法により成膜する際のダメージから有機EL層を保護することができるものであれば特に限定されるものではなく、従来公知のものを使用することができる。例えば、特開2007−96270号公報に記載されている電荷輸送性保護層を用いることができる。
有機EL層用保護層の厚みとしては、透明電極層をスパッタリング法により成膜する際のダメージから有機EL層を保護することができる厚みであれば特に限定されるものではなく、10nm〜1μmの範囲内とすることができ、好ましくは50nm〜500nmの範囲内、より好ましくは70nm〜150nmの範囲内である。
有機EL層用保護層の形成方法としては、有機EL層へのダメージが少ない方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、抵抗加熱蒸着法などの真空蒸着法を用いることができる。
II.第2実施態様
本実施態様の有機ELパネルは、透明電極層と金属電極層との間に発光層を含む有機EL層が挟持され、金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発する金属を取り込むことが可能な金属取り込み層が金属電極層に接して形成され、固体封止構造を有するものである。本態様の有機ELパネルは、ボトムエミッション型およびトップエミッション型の2つの態様に分けることができる。以下、各態様に分けて説明する。
1.ボトムエミッション型有機ELパネル
本態様の有機ELパネルは、支持基板と、上記支持基板上に形成された透明電極層と、上記透明電極層上に形成され、発光層を含む有機EL層と、上記有機EL層上に形成された金属電極層と、上記金属電極層上に形成され、上記金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発する金属を取り込むことが可能な金属取り込み層と、上記金属取り込み層、上記金属電極層、上記有機EL層および上記透明電極層を覆うように形成された接着層と、上記接着層上に形成された封止基板とを有することを特徴とするものである。
図1は、本態様の有機ELパネルの一例を示す概略断面図である。図1に例示する有機ELパネル1は、支持基板2と、支持基板2上に形成された透明電極層3と、透明電極層3上に形成され、正孔注入層4、発光層5および電子注入層6を含む有機EL層7と、有機EL層7上に形成された金属電極層8と、金属電極層8上に形成され、金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発する金属を取り込むことが可能な金属取り込み層9と、金属取り込み層9上に形成された保護層10と、保護層10から透明電極層3までを覆うように形成された接着層11と、接着層11上に形成された封止基板12とを有している。支持基板2および封止基板12は接着層11を介して隙間なく貼り合わされており、固体封止構造となっている。
図2(a)〜(b)は、本態様の有機ELパネルのレーザーリペアの一例を示す工程図である。まず、図2(a)に示すように、図1に示す有機ELパネル1を作製し、図示しないが、有機ELパネル1を点灯して欠陥の有無を検査する。欠陥が検出された場合には、続いて、図2(b)に示すように、有機ELパネル1の欠陥箇所22に支持基板2側からレーザー光21を照射し、レーザー光照射部分の金属電極層8を蒸発させて除去する。
本態様においては、金属電極層上に、金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発する金属を取り込むことが可能な金属取り込み層が形成されていることにより、金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発した金属を金属取り込み層内に取り込むことができ、レーザー光によって金属電極層を蒸発させ除去することが可能となる。また、金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発した金属が有機EL層内に飛散するのを抑制し、透明電極層および金属電極層間が短絡するのを防ぎ、レーザーリペアにより透明電極層および金属電極層間での短絡を解消することが可能となる。
この理由は明らかではないが、次のように考えられる。すなわち、図5に例示するような従来の有機ELパネルにおいて、一般的に接着層111は硬化型接着剤を用いて形成されたものであり、ある程度の硬度や架橋密度を有するので、金属電極層108へのレーザー光照射時に蒸発した金属は接着層111よりも有機EL層107に飛散しやすく、短絡を解消するレーザーリペアの効果が得られない。これに対し、図2(b)に例示するような本態様の有機ELパネルにおいて、金属電極層8上には金属取り込み層9が形成されており、金属取り込み層9は金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発する金属を取り込むことが可能であるので、金属電極層8へのレーザー光21の照射時に蒸発した金属は金属取り込み層9に取り込まれる。そのため、金属電極層8へのレーザー光21の照射時に蒸発した金属が有機EL層7内に飛散するのを抑制し、透明電極層3および金属電極層8間が短絡するのを防ぐことができると考えられる。
また本態様においては、金属電極層上に金属取り込み層が形成されているので、有機EL素子の封止後にレーザーリペアを行うことが可能である。そのため、有機EL素子作製後、例えば封止、エージングの際に発生した欠陥についても修正が可能である。したがって、有機ELパネルの信頼性を高め、歩留まりを向上させ、作業性の向上および装置の簡素化を図ることが可能となる。
本態様の有機ELパネルには、レーザーリペア前およびレーザーリペア後のいずれの有機ELパネルも含まれる。
なお、支持基板、透明電極層、有機EL層、金属電極層、保護層、接着層、封止基板、絶縁層および隔壁については、上記第1実施態様のボトムエミッション型有機ELパネルと同様であるので、ここでの説明は省略する。以下、本態様の有機ELパネルにおける他の構成について説明する。
(1)金属取り込み層
本態様に用いられる金属取り込み層は、金属電極層上に形成されるものであり、金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発する金属を取り込むことが可能なものである。
金属取り込み層に用いられる材料としては、金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発する金属を取り込むことが可能な材料であれば特に限定されるものではない。上記材料は、導電性を有していてもよく有さなくてもよい。また、上記材料は、透明性を有していてもよく有さなくてもよい。すなわち、金属取り込み層は、導電性を有していてもよく有さなくてもよく、また透明性を有していてもよく有さなくてもよい。
このような材料としては、例えば、軟質材料、多孔質材料を挙げることができる。
軟質材料としては、金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発する金属を取り込むことが可能な材料であり、金属電極層上に形成可能な材料であれば特に限定されるものではないが、鉛筆硬度が3B以下、中でも4B以下、特に5B以下、さらには6B以下である膜を形成可能な材料であることが好ましい。金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発する金属を金属取り込み層内に取り込みやすくなるからである。このような軟質材料としては、有機材料および無機材料のいずれも用いることができるが、中でも有機材料が好ましい。なお、軟質材料が有機材料である場合、軟質材料については、上記第1実施態様の有機ELパネルにおける金属取り込み層に用いられる有機材料と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
多孔質材料としては、金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発する金属を取り込むことが可能な材料であり、金属電極層上に金属取り込み層を形成可能な材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、発泡樹脂等の有機多孔質材料や、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ゼオライト、多孔質ガラス等の無機多孔質材料が挙げられる。
中でも、上記材料は、ドライプロセスにより成膜可能な材料であることが好ましい。有機EL素子は水分が存在すると発光特性が劣化するので、また有機EL層は溶剤に溶解する場合があるので、溶剤を用いずに成膜できる材料が好ましいからである。
金属取り込み層は、上記材料の1種または2種以上からなる単層であってもよく、上記材料の2種以上を積層した多層であってもよい。
また、金属取り込み層の鉛筆硬度は3B以下であることが好ましい。金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発する金属を金属取り込み層内に取り込みやすくなるからである。なお、金属取り込み層の鉛筆硬度については、上記第1実施態様の有機ELパネルにおける金属取り込み層の鉛筆硬度と同様であるので、ここでの説明は省略する。
金属取り込み層の形成方法としては、上記材料の種類に応じて適宜選択される。中でもドライプロセスが好ましい。上述したように、有機EL素子は水分が存在すると発光特性が劣化するので、また有機EL層は溶剤に溶解する場合があるので、溶剤を用いずに成膜できる方法が好ましいからである。例えば、軟質材料を用いる場合、金属取り込み層の形成方法としては、真空蒸着法等が挙げられる。多孔質材料を用いる場合、金属取り込み層の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法等が挙げられる。また、多孔質材料の場合、焼成により金属取り込み層を別に形成し、金属電極層上に転写する方法を用いてもよい。
なお、金属取り込み層の膜厚については、上記第1実施態様の有機ELパネルにおける金属取り込み層の膜厚と同様であるので、ここでの説明は省略する。
2.トップエミッション型有機ELパネル
本態様の有機ELパネルは、支持基板と、上記支持基板上に形成され、金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発する金属を取り込むことが可能な金属取り込み層と、上記金属取り込み層上に形成された金属電極層と、上記金属電極層上に形成され、発光層を含む有機EL層と、上記有機EL層上に形成された透明電極層と、上記透明電極層、上記有機EL層、上記金属電極層および上記金属取り込み層を覆うように形成された接着層と、上記接着層上に形成された封止基板とを有することを特徴とするものである。
図3は、本態様の有機ELパネルの一例を示す概略断面図である。図3に例示する有機ELパネル1は、支持基板2と、支持基板2上に形成され、金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発する金属を取り込むことが可能な金属取り込み層9と、金属取り込み層9上に形成された金属電極層8と、金属電極層8上に形成され、電子注入層6、発光層5および正孔注入層4を含む有機EL層7と、有機EL層7上に形成された透明電極層3と、透明電極層3から金属取り込み層9までを覆うように形成された接着層11と、接着層11上に形成された封止基板12とを有している。支持基板2および封止基板12は接着層11を介して隙間なく貼り合わされており、固体封止構造となっている。
図4(a)〜(b)は、本態様の有機ELパネルのレーザーリペアの一例を示す工程図である。まず、図4(a)に示すように、図3に示す有機ELパネル1を作製し、図示しないが、有機ELパネル1を点灯して欠陥の有無を検査する。欠陥が検出された場合には、続いて、図4(b)に示すように、有機ELパネル1の欠陥箇所22に封止基板12側からレーザー光21を照射し、レーザー光照射部分の金属電極層8を蒸発させて除去する。
本態様においては、金属電極層の下に、金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発する金属を取り込むことが可能な金属取り込み層が形成されていることにより、金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発した金属を金属取り込み層内に取り込むことができ、レーザー光によって金属電極層を蒸発させ除去することが可能となる。また、金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発した金属が有機EL層内に飛散するのを抑制し、金属電極層および透明電極層間が短絡するのを防ぎ、レーザーリペアにより金属電極層および透明電極層間での短絡を解消することが可能となる。
この理由は明らかではないが、次のように考えられる。すなわち、図4(b)に示す例において、金属電極層8の下には金属取り込み層9が形成されており、金属取り込み層9は金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発する金属を取り込むことが可能であるので、金属電極層8へのレーザー光21の照射時に蒸発した金属は金属取り込み層9に取り込まれる。そのため、金属電極層8へのレーザー光21の照射時に蒸発した金属が有機EL層7内に飛散するのを抑制し、透明電極層3および金属電極層8間が短絡するのを防ぐことができると考えられる。
また本態様においては、金属電極層の下に金属取り込み層が形成されているので、有機EL素子の封止後にレーザーリペアを行うことが可能である。そのため、有機EL素子作製後、例えば封止、エージングの際に発生した欠陥についても修正が可能である。したがって、有機ELパネルの信頼性を高め、歩留まりを向上させ、作業性の向上および装置の簡素化を図ることが可能となる。
本態様の有機ELパネルには、レーザーリペア前およびレーザーリペア後のいずれの有機ELパネルも含まれる。
なお、金属電極層、有機EL層、透明電極層および接着層については、上記第1実施態様のボトムエミッション型有機ELパネルと同様であるので、ここでの説明は省略する。また、支持基板、封止基板、絶縁層および隔壁については、上記第1実施態様のトップエミッション型有機ELパネルと同様であるので、ここでの説明は省略する。さらに、金属取り込み層については、第2実施態様の上記ボトムエミッション型有機ELパネルと同様であるので、ここでの説明は省略する。
B.有機ELパネルの製造方法
次に、本発明の有機ELパネルの製造方法について説明する。本発明の有機ELパネルの製造方法は、ボトムエミッション型およびトップエミッション型によって2つの態様に分けることができる。以下、各態様に分けて説明する。
1.ボトムエミッション型有機ELパネルの製造方法
本態様の有機ELパネルの製造方法は、支持基板と、上記支持基板上に形成された透明電極層と、上記透明電極層上に形成され、発光層を含む有機EL層と、上記有機EL層上に形成された金属電極層と、上記金属電極層上に形成され、上記金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発する金属を取り込むことが可能な金属取り込み層と、上記金属取り込み層、上記金属電極層、上記有機EL層および上記透明電極層を覆うように形成された接着層と、上記接着層上に形成された封止基板とを有する有機ELパネルを作製する有機ELパネル作製工程と、上記有機ELパネルの欠陥の有無を検査する欠陥検査工程と、上記欠陥が検出された場合、上記有機ELパネルの欠陥箇所に上記支持基板側からレーザー光を照射し、上記レーザー光照射部分の上記金属電極層を除去する欠陥修正工程とを有することを特徴とする。
本態様の有機ELパネルの製造方法について図面を参照しながら説明する。
図2(a)〜(b)は、本態様の有機ELパネルの製造方法の一例を示す工程図である。
まず、図2(a)に示すように、有機ELパネル1を作製する(有機ELパネル作製工程)。図2(a)に例示する有機ELパネル1は、支持基板2と、支持基板2上に形成された透明電極層3と、透明電極層3上に形成され、正孔注入層4、発光層5および電子注入層6を含む有機EL層7と、有機EL層7上に形成された金属電極層8と、金属電極層8上に形成され、金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発する金属を取り込むことが可能な金属取り込み層9と、金属取り込み層9上に形成された保護層10と、保護層10から透明電極層3までを覆うように形成された接着層11と、接着層11上に形成された封止基板12とを有している。支持基板2および封止基板12は接着層11を介して隙間なく貼り合わされており、固体封止構造となっている。
次に、図示しないが、有機ELパネルを点灯して欠陥の有無を検査する(欠陥検査工程)。続いて、欠陥が検出された場合には欠陥箇所を特定する。
次いで、図2(b)に示すように、有機ELパネル1の欠陥箇所22に支持基板2側からレーザー光21を照射し、レーザー光照射部分の金属電極層8および有機EL層7を蒸発させて除去する(欠陥修正工程)。これにより、欠陥箇所22は絶縁される。
本態様においては、上記「A.有機ELパネル」の項に記載したように、金属電極層上に金属取り込み層が形成されているので、有機EL素子の封止後にレーザーリペアを行うことが可能である。そのため、有機EL素子作製後、例えば封止、エージングの際に発生した欠陥についても修正が可能であり、信頼性の高い有機ELパネルを得ることが可能となり、また歩留まりの向上、作業性の向上および装置の簡素化を図ることが可能となる。
以下、本態様の有機ELパネルの製造方法における各工程について説明する。
(1)有機ELパネル作製工程
本態様における有機ELパネル作製工程は、支持基板と、上記支持基板上に形成された透明電極層と、上記透明電極層上に形成され、発光層を含む有機EL層と、上記有機EL層上に形成された金属電極層と、上記金属電極層上に形成され、上記金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発する金属を取り込むことが可能な金属取り込み層と、上記金属取り込み層、上記金属電極層、上記有機EL層および上記透明電極層を覆うように形成された接着層と、上記接着層上に形成された封止基板とを有する有機ELパネルを作製する工程である。
なお、有機ELパネルおよび作製方法については、上記「A.有機ELパネル」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
(2)欠陥検査工程
本態様における欠陥検査工程は、上記有機ELパネルの欠陥の有無を検査する工程である。
なお、「欠陥」とは、透明電極層および金属電極層の短絡を意味するものであり、具体的には、異物や層自体の凹凸等に起因する透明電極層および金属電極層の短絡を挙げることができる。
欠陥検査方法としては、欠陥の有無を検査することが可能な方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、有機ELパネルの点灯検査を挙げることができる。パッシブマトリクス駆動方式やアクティブマトリクス駆動方式の有機ELパネルの場合、点灯検査により、点欠陥や線欠陥の有無を確認することができる。
欠陥が検出された場合には、欠陥箇所の特定が行われる。欠陥箇所の特定方法としては、欠陥箇所を特定することが可能な方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、有機ELパネルの点灯検査において発光をCCDにて受光し、受光した結果を画像処理することにより、欠陥箇所の位置を確認する画像処理方法、透明電極層および金属電極層間に電圧を印加して抵抗値を測定することにより、欠陥箇所の位置を確認する抵抗検査方法、逆バイアス電圧を印加し、通常の駆動電流と逆方向に電流を流して、欠陥箇所の位置を確認する方法等を挙げることができる。
(3)欠陥修正工程
本態様における欠陥修正工程は、上記欠陥が検出された場合、上記有機ELパネルの欠陥箇所に上記支持基板側からレーザー光を照射し、上記レーザー光照射部分の上記金属電極層を除去する工程である。
本態様に用いられるレーザー光は、金属電極層を蒸発させることが可能なレーザー光であれば特に限定されるものではなく、有機ELパネルのレーザーリペアに一般的に用いられるレーザー光を使用することができる。例えば、YAG、Arイオン、He−Ne等の可視光レーザーが挙げられる。
レーザー光の照射条件としては、金属電極層の種類、有機ELパネルの層構成等に応じて適宜選択される。
本態様においては、支持基板側から、すなわち光の取り出し面側からレーザー光を照射する。レーザー光照射部分では金属電極層が蒸発して除去され、他の部分と絶縁される。
(4)その他の工程
本態様の有機ELパネルの製造方法は、透明電極層が形成された支持基板上に絶縁層を形成する工程、絶縁層上に隔壁を形成する工程等を有していてもよい。なお、絶縁層およびその形成方法、隔壁およびその形成方法等については、上記「A.有機ELパネル」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
2.トップエミッション型有機ELパネルの製造方法
本態様の有機ELパネルの製造方法は、支持基板と、上記支持基板上に形成され、金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発する金属を取り込むことが可能な金属取り込み層と、上記有機層上に形成された金属電極層と、上記金属電極層上に形成され、発光層を含む有機EL層と、上記有機EL層上に形成された透明電極層と、上記透明電極層、上記有機EL層、上記金属電極層および上記金属取り込み層を覆うように形成された接着層と、上記接着層上に形成された封止基板とを有する有機ELパネルを作製する有機ELパネル作製工程と、上記有機ELパネルの欠陥の有無を検査する欠陥検査工程と、上記欠陥が検出された場合、上記有機ELパネルの欠陥箇所に上記封止基板側からレーザー光を照射し、上記レーザー光照射部分の上記金属電極層を除去する欠陥修正工程とを有することを特徴とする。
図4(a)〜(b)は、本態様の有機ELパネルの製造方法の一例を示す工程図である。
まず、図4(a)に示すように、有機ELパネル1を作製する(有機ELパネル作製工程)。図4(a)に例示する有機ELパネル1は、支持基板2と、支持基板2上に形成され、金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発する金属を取り込むことが可能な金属取り込み層9と、金属取り込み層9上に形成された金属電極層8と、金属電極層8上に形成され、電子注入層6、発光層5および正孔注入層4を含む有機EL層7と、有機EL層7上に形成された透明電極層3と、透明電極層3から金属取り込み層9までを覆うように形成された接着層11と、接着層11上に形成された封止基板12とを有している。支持基板2および封止基板12は接着層11を介して隙間なく貼り合わされており、固体封止構造となっている。
次に、図示しないが、有機ELパネルを点灯して欠陥の有無を検査する(欠陥検査工程)。続いて、欠陥が検出された場合には欠陥箇所を特定する。
次いで、図4(b)に示すように、有機ELパネル1の欠陥箇所22に封止基板12側からレーザー光21を照射し、レーザー光照射部分の金属電極層8を蒸発させて除去する(欠陥修正工程)。これにより、欠陥箇所22は絶縁される。
本態様においては、上記「A.有機ELパネル」の項に記載したように、金属電極層の下に金属取り込み層が形成されているので、有機EL素子の封止後にレーザーリペアを行うことが可能である。そのため、有機EL素子作製後、例えば封止、エージングの際に発生した欠陥についても修正が可能であり、信頼性の高い有機ELパネルを得ることが可能となり、また歩留まりの向上、作業性の向上および装置の簡素化を図ることが可能となる。
なお、有機ELパネル作製工程における有機ELパネルおよび作製方法については、上記「A.有機ELパネル」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。また、欠陥検査工程、欠陥修正工程およびその他の工程については、上記ボトムエミッション型有機ELパネルの製造方法と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について実施例および比較例を用いて具体的に説明する。
[実施例1]
(有機ELパネルの作製)
ガラス基板上に、酸化インジウム錫(ITO)の薄膜をスパッタリング法により形成して陽極層(厚み:150μm)を形成した。陽極層を形成した後、基板洗浄およびUVオゾン処理を施した。その後、大気中にて、ITO薄膜上にポリエチレンジオキシチオフェン−ポリエチレンスルホネート(略称:「PEDOT−PSS」)の溶液をスピンコート法により塗布し、その後乾燥させて、正孔注入輸送層(厚み:80nm)を形成した。続けて、上記正孔注入輸送層上に、フルオレン系ポリマーの溶液をスピンコート法により塗布し、その後乾燥させて、発光層(厚み:80nm)を形成した。
発光層まで形成した基板に対し、真空中(圧力:1×10−4Pa)にて、発光層上にCa薄膜(厚み:10nm)を抵抗加熱蒸着法にて形成した。続けて、真空中(圧力:1×10−4Pa)にて、Al薄膜(厚み:300nm)を抵抗加熱蒸着法にて形成し、陰極層を形成した。
次に、真空中(圧力:1×10−4Pa)にて、陰極層上にトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)薄膜を抵抗加熱蒸着法にて形成し、金属取り込み層(厚み:100nm)を形成した。金属取り込み層の鉛筆硬度は6B以下であった。続けて、真空中(圧力:1×10−4Pa)にて、金属取り込み層上にAg薄膜を抵抗加熱蒸着法にて形成し、保護層(厚み:100nm)を形成した。
保護層まで形成した基板を、低酸素(酸素濃度:1.0ppm以下)、低湿度(水蒸気濃度:0.1ppm以下)状態のグローブボックス中にて、熱硬化型接着剤を全面に塗布した無アルカリガラスと貼り合わせて封止し、固体封止構造の有機ELパネルを得た。熱硬化型接着剤の硬化後の鉛筆硬度は2Bであった。
(評価)
得られた有機ELパネルの陽極層と陰極層の間に4.0Vの電圧を印加したところ、発光が確認できた。次に、有機ELパネルに、陽極層側からNd−YAGレーザーの第二高調波(波長:532nm)を照射した。レーザー光を照射した後、有機ELパネルの陽極層と陰極層の間に4.0Vの電圧を印加し、有機ELパネルを発光させ、発光面の観察を行ったところ、レーザー光を照射した部分においては発光が得られておらず、レーザー光を照射しなかった部分においてのみ発光が得られていることが確認できた。
[実施例2]
(有機ELパネルの作製)
保護層として、プラズマCVD法により形成したSiN膜(厚み:1μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして、有機ELパネルを得た。
(評価)
得られた有機ELパネルについて、実施例1と同様にして電圧を印加したところ、発光が確認できた。次に、有機ELパネルに、実施例1と同様にしてレーザー光の照射および発光面観察を行ったところ、レーザー光を照射していない部分においてのみ発光が確認できた。さらに、光学顕微鏡を用いて有機ELパネルのレーザー光照射部分を観察したところ、レーザー光照射部分においてのみ透過光が観察され、陰極層が除去されていることが確認できた。
[比較例1]
(有機ELパネルの作製)
金属取り込み層と保護層を形成せず、陰極層まで形成した基板を直接固体封止した以外は実施例1と同様にして、有機ELパネルを得た。
(評価)
得られた有機ELパネルについて、実施例1と同様にして電圧を印加したところ、発光が確認できた。次に、有機ELパネルに、実施例1と同様にしてレーザー光の照射および発光面観察を行ったところ、レーザー光を照射した部分においても、レーザー光を照射していない部分においても、発光が確認できなかった。さらに、実施例2と同様にして、光学顕微鏡を用いて有機ELパネルの観察を行ったところ、レーザー光照射部分の一部においてのみ透過光が観察され、局所的に陰極層が除去されていることが確認できた。
金属取り込み層を有さない従来の固体封止構造をもつ有機ELパネルでは、レーザーリペアにより短絡を解消できなかった。レーザー光照射部分の陰極層が局所的に除去されていることから、レーザー光照射時に蒸発した金属は、硬化後の熱硬化型接着剤が所定の硬度(鉛筆硬度2B)や架橋密度を有するために、硬化後の熱硬化型接着剤よりも発光層等に飛散しやすく、短絡を解消できなかったものと考えられる。
[参考例1]
(有機ELパネルの作製)
金属取り込み層と保護層を形成しない以外は、実施例1と同様にして、陰極層まで形成した基板を準備した。その後、発光部分に対応させて凹部を設けた無アルカリガラスを準備し、基板洗浄およびUVオゾン処理を施した。次に、低酸素(酸素濃度:1.0ppm以下)、低湿度(水蒸気濃度:0.1ppm以下)状態のグローブボックス中にて、凹部が形成されている部分に吸湿材を設置し、凹部が形成されていない部分に光硬化型接着剤を塗布し、封止板を準備した。この封止板を用いて陰極層まで形成した基板を封止し、中空封止構造をもつ有機ELパネルを得た。
(評価)
得られた有機ELパネルについて、実施例1と同様にして電圧を印加したところ、発光が確認できた。次に、有機ELパネルに、実施例1と同様にしてレーザー光の照射および発光面観察を行ったところ、レーザー光を照射していない部分においてのみ発光が確認できた。さらに、実施例2と同様にして、光学顕微鏡を用いて有機ELパネルの観察を行ったところ、レーザー光照射部分においてのみ透過光が観察され、陰極層が除去されていることが確認できた。
中空封止構造をもつ有機ELパネルでは、固体封止構造をもつ有機ELパネルと異なり、金属取り込み層が形成されていなくとも、レーザーリペアにより短絡が解消できていた。
1 … 有機ELパネル
2 … 支持基板
3 … 透明電極層
4 … 正孔注入層
5 … 発光層
6 … 電子注入層
7 … 有機EL層
8 … 金属電極層
9 … 金属取り込み層
10 … 保護層
11 … 接着層
12 … 封止基板
21 … レーザー光
22 … 欠陥箇所

Claims (9)

  1. 支持基板と、
    前記支持基板上に形成された透明電極層と、
    前記透明電極層上に形成され、発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層と、
    前記有機エレクトロルミネッセンス層上に形成された金属電極層と、
    前記金属電極層上に形成され、有機材料からなり、鉛筆硬度が3B以下である金属取り込み層と、
    前記金属取り込み層、前記金属電極層、前記有機エレクトロルミネッセンス層および前記透明電極層を覆うように形成された接着層と、
    前記接着層上に形成された封止基板と
    を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネル。
  2. 支持基板と、
    前記支持基板上に形成され、有機材料からなり、鉛筆硬度が3B以下である金属取り込み層と、
    前記金属取り込み層上に形成された金属電極層と、
    前記金属電極層上に形成され、発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層と、
    前記有機エレクトロルミネッセンス層上に形成された透明電極層と、
    前記透明電極層、前記有機エレクトロルミネッセンス層、前記金属電極層および前記金属取り込み層を覆うように形成された接着層と、
    前記接着層上に形成された封止基板と
    を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネル。
  3. 支持基板と、
    前記支持基板上に形成された透明電極層と、
    前記透明電極層上に形成され、発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層と、
    前記有機エレクトロルミネッセンス層上に形成された金属電極層と、
    前記金属電極層上に形成され、前記金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発する金属を取り込むことが可能であり、電荷輸送性を有する金属取り込み層と、
    前記金属取り込み層、前記金属電極層、前記有機エレクトロルミネッセンス層および前記透明電極層を覆うように形成された接着層と、
    前記接着層上に形成された封止基板と
    を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネル。
  4. 支持基板と、
    前記支持基板上に形成され、金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発する金属を取り込むことが可能であり、電荷輸送性を有する金属取り込み層と、
    前記金属取り込み層上に形成された金属電極層と、
    前記金属電極層上に形成され、発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層と、
    前記有機エレクトロルミネッセンス層上に形成された透明電極層と、
    前記透明電極層、前記有機エレクトロルミネッセンス層、前記金属電極層および前記金属取り込み層を覆うように形成された接着層と、
    前記接着層上に形成された封止基板と
    を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネル。
  5. 前記金属取り込み層および前記接着層の間に前記金属取り込み層を保護する保護層が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル。
  6. 前記金属取り込み層が電荷輸送性を有することを特徴とする請求項1、請求項2、請求項5のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル。
  7. 前記接着層が硬化型接着剤を用いて形成されたものであることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンスパネル。
  8. 支持基板と、前記支持基板上に形成された透明電極層と、前記透明電極層上に形成され、発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層と、前記有機エレクトロルミネッセンス層上に形成された金属電極層と、前記金属電極層上に形成され、前記金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発する金属を取り込むことが可能な金属取り込み層と、前記金属取り込み層、前記金属電極層、前記有機エレクトロルミネッセンス層および前記透明電極層を覆うように形成された接着層と、前記接着層上に形成された封止基板とを有する有機エレクトロルミネッセンスパネルを作製する有機エレクトロルミネッセンスパネル作製工程と、
    前記有機エレクトロルミネッセンスパネルの欠陥の有無を検査する欠陥検査工程と、
    前記欠陥が検出された場合、前記有機エレクトロルミネッセンスパネルの欠陥箇所に前記支持基板側からレーザー光を照射し、前記レーザー光照射部分の前記金属電極層を除去する欠陥修正工程と
    を有し、
    前記金属取り込み層の鉛筆硬度が3B以下であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
  9. 支持基板と、前記支持基板上に形成され、金属電極層へのレーザー光照射時に蒸発する金属を取り込むことが可能な金属取り込み層と、前記金属取り込み層上に形成された金属電極層と、前記金属電極層上に形成され、発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層と、前記有機エレクトロルミネッセンス層上に形成された透明電極層と、前記透明電極層、前記有機エレクトロルミネッセンス層、前記金属電極層および前記金属取り込み層を覆うように形成された接着層と、前記接着層上に形成された封止基板とを有する有機エレクトロルミネッセンスパネルを作製する有機エレクトロルミネッセンスパネル作製工程と、
    前記有機エレクトロルミネッセンスパネルの欠陥の有無を検査する欠陥検査工程と、
    前記欠陥が検出された場合、前記有機エレクトロルミネッセンスパネルの欠陥箇所に前記封止基板側からレーザー光を照射し、前記レーザー光照射部分の前記金属電極層を除去する欠陥修正工程と
    を有し、
    前記金属取り込み層の鉛筆硬度が3B以下であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
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