JP6129543B2 - 自己粘着性フィルム、及びそれを用いた電線結束方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電線結束に関し、複数の電線群の束の外周面に巻き付けて結束し、電線がばらけるのを防止すると共に電線の保護を図るための自己粘着性フィルムに関する。
従来、車両に配索される電線群の結束、保護及び外部干渉材による干渉防止のために、電線群に粘着テープを巻き付けたり、コルゲートチューブや熱収縮チューブ等のチューブに電線群を通している。これらのテープ及びチューブからなる外装材としては、テープとしては塩化ビニルテープが汎用され、コルゲートチューブとしてはポリプロピレンが汎用され、熱収縮チューブとしてはポリ塩化ビニル等が用いられ、いずれも樹脂で形成されている。
特開2003−272447号公報 特開2006−104395号公報
しかし、前記塩化ビニルテープは作業工程が多く、また作業者による巻き付け方のバラツキがある等の問題がある。
また、前記コルゲートチューブは比較的硬く、かつ、重量があるため、前記テープよりも配索作業が容易でない。かつ、コルゲートチューブ等のチューブ類は軸線方向にスリットを設け、該スリットから電線群を横入れした後、スリットを閉鎖するためにコルゲートチューブの外周にさらにテープ巻きしているため、作業工数も増加する問題がある。
また、前記熱収縮チューブは、管状であるために先通しでしか使用できず、先通しできない被覆対象物については使用できず、使用可能な範囲が限定されてしまう問題がある。
本発明は、作業者による電線群への巻き付けかたにバラツキがなく、作業工数も削減でき、先通しせずとも使用できる塩化ビニル系自己粘着性フィルムを提供する。
本発明は、前記課題を達成するもので、以下の要旨を有するものである。
(1) 塩化ビニル系重合体100質量部に対して、可塑剤5〜80質量部、粘着付与剤1〜20質量部及び改質剤1〜10質量部を含有する組成物からなり、MDの延伸倍率が2〜4倍である自己粘着性フィルムの製造方法
(2) (MDの延伸倍率)/(TDの延伸倍率)=2〜4である(1)に記載の自己粘着性フィルムの製造方法
(3) 23℃、7日後のMDの収縮率が10%以内であり、かつ、100℃の温水に5分浸漬後のMDの収縮率が50〜90%である(1)または(2)に記載の自己粘着性フィルムの製造方法
(4) 自己粘着性フィルムの表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.1〜2.0μmである(1)〜(3)のいずれか1項に記載の自己粘着性フィルムの製造方法
(5)脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、及び脂肪族芳香族共重合系石油樹脂より選ばれる少なくとも1種を粘着付与剤として用いる(1)〜(4)のいずれか1項に記載の自己粘着性フィルムの製造方法
(6) (1)〜(5)のいずれかに記載した自己粘着性フィルムを製造する工程と、自己粘着性フィルムのMDが電線群に対し垂直となる様に電線群に巻いた後、加温することで自己粘着性フィルムが収縮し、電線群を結束する工程とを備えた電線結束方法。

本発明の自己粘着性フィルムを用いることにより、電線へ巻き付け後、自身の粘着性により仮固定することができるのでチューブにする必要がなくなる。また、作業者による電線への巻き付けかたのバラツキがなくなり、電線群の結束状態にバラツキがなくなる自己粘着性フィルムを得ることができる。
以下、本発明を実施するための好適な形態について説明する。
本発明の自己粘着性フィルムに用いることができる塩化ビニル系重合体は、ポリ塩化ビニルの他、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩素化ポリエチレン等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上選択して使用してもよい。なお、本発明の効果を損なわない範囲にてこれ以外のものが含まれていてもよい。また、塩化ビニル系重合体は安価で汎用性のあるポリ塩化ビニルがよく、重合度は700〜3000のものが使用でき、加工性の問題から1000〜3000の高重合度の重合体がよく、この場合、低重合度(700〜1000)の場合に比べて初期弾性率が高く、風合いのよい自己粘着性フィルムを得ることができる。低重合度の重合体(700〜1000)を使用すると、初期弾性率が低くなり、風合いのよい自己粘着性フィルムを得ることができないことがある。
可塑剤の含有量は塩化ビニル系重合体100質量部に対して5〜80質量部であり、好ましくは10〜70質量部、さらに好ましくは15〜50質量部である。可塑剤が前記範囲より少ない場合、柔軟性が得られない。また、逆に可塑剤が前記範囲より多い場合、組成物自体の引張強度が低下してしまい、自己粘着性フィルムの伸びが大きくなり切れが悪くなる。
可塑剤としては、エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤等を使用でき、好ましくはエステル系高分子量可塑剤がよい。可塑剤の具体例としては、DINP(フタル酸ジイソニル)、DHP(フタル酸ジヘプチル)、DOP(フタル酸ジ−2−エチルヘキシル)、n−DOP(フタル酸ジ−n−オクチル)、DIDP(フタル酸ジイソデシル)、BBP(ベンジルブチルフタレート)、TOTM(トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル)、DOA(アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル)、TCP(トリクレジルフォスフェート)、BOA(ベンジルオクチルアジペート)、DPCP(ジフェニルクレジルフォスフェート)若しくはアジピン酸ジイソデシル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上選択して使用してもよい。
粘着付与剤の含有量は塩化ビニル系重合体100質量部に対して1〜20質量部であり、好ましくは3〜18質量部、さらに好ましくは5〜15質量部である。粘着付与剤が前記範囲より少ない場合、自己粘着性が得られないことから、高いせん断力が得られず、電線群に巻付けた際、電線群への密着性、結束性が低下する。また、逆に粘着付与剤が前記範囲より多い場合、自己粘着性が高くなりすぎ、自己粘着性フィルムを巻物状態から展開できなくなる。
粘着付与剤としては、軟化点20〜120℃であり、好ましくは軟化点80〜110℃である。粘着付与剤の軟化点が前記範囲より低い場合、高い粘着力が得られない。また、逆に粘着付与剤の軟化点が前記範囲より高い場合、高い粘着力を得るためにアニール温度を高くする必要が生じ組成物の劣化を招くためにかかる範囲に限定される。具体的には、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、クマロン樹脂、スチレン系樹脂、アルキルフェノール樹脂、キシレン樹脂等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上選択して使用してもよい。好ましくはポリ塩化ビニルの溶解度パラメーター(SP値)と離れている脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂等である。
改質剤の含有量は塩化ビニル系重合体100質量部に対して1〜10質量部であり、好ましくは2〜8質量部、さらに好ましくは3〜7質量部である。改質剤が前記範囲より少ない場合、柔軟性が得られない。また、逆に改質剤が前記範囲より多い場合、自己粘着性が得られないことから、高いせん断力が得られない。
改質剤としては、MBS(メチルメタアクリレートブタジエンスチレングラフト共重合体)、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)、MMA(メチルメタアクリレート)、SBS(スチレンブタジエンスチレン)、NBR(ノルマルブタジエンゴム)、塩素化ポリエチレン等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上選択して使用してもよい。
本発明にかかる組成物には、必要に応じて安定剤、滑剤、難燃剤、充填剤、着色剤を添加することができる。安定剤としては金属石鹸(高級脂肪酸の金属塩;例えばバリウム−亜鉛系、カルシウム−亜鉛系等)、鉛系等が挙げられる。滑剤としては、C12〜C30炭化水素系、脂肪酸(ワックス)系、エステル(ワックス)系、脂肪酸エステル系、C12〜C30脂肪酸金属石鹸系、C12〜C30脂肪族アルコール(ワックス)系等が挙げられる。難燃剤としては三酸化アンチモン等が挙げられる。充填剤としては炭酸カルシウム、タルク、シリカ等が挙げられる。着色剤としてはカーボンブラック等が挙げられる。
本発明の自己粘着性フィルムは塩化ビニル系重合体100重量部に対して、可塑剤5〜80質量部、粘着付与剤1〜20質量部及び改質剤1〜10質量部を含有する組成物からなる。組成物は、各成分を溶融混練する事で得られるが、溶融混練方法は特に限定されず、二軸押出機、連続式及びバッチ式のニーダー、ロール、バンバリーミキサー等の加熱装置を備えた各種混合機、混練機が使用でき、前記組成物が均一分散するように混合して得られる。自己粘着性フィルムは、組成物を慣用の成形方法であるカレンダー法、Tダイ法、インフレーション法等により未延伸フィルムに成形して得られる。成形機はカレンダー成形機が好ましい。カレンダー成形におけるロール配列方式は、例えば、L型、逆L型、Z型などの公知の方式を採用でき、また、ロール温度は通常150〜200℃、好ましくは160〜190℃に設定される。
前記で成形された自己粘着性フィルムはMD(Machine Direction:フィルムの流れ方向)、TD(Transverse Direction:フィルムの流れ方向に垂直な方向)に延伸することができる。ここで、自己粘着性フィルムの延伸方法の一例を挙げるが、本発明はこの方法に限定されるものではない。MD一軸延伸の場合、未延伸フィルムをロール式延伸機で縦方向に70〜130℃で延伸し、引き続き延伸温度以下で緊張熱処理又は強緩熱処理を行って、延伸フィルムを巻き取る。また、TD一軸延伸の場合、未延伸フィルムをテンター式横延伸機に送り込み、横方向に70〜130℃で延伸し、引き続き延伸温度以下で緊張熱処理又は強緩熱処理を行って、延伸フィルムを巻き取る。二軸延伸の場合、前記MD一軸延伸方法とTD一軸延伸方法を逐次又は同時に行う。
本発明の自己粘着性フィルムのMDの延伸倍率については2〜4倍の範囲で延伸するのが好ましい。延伸倍率が前記範囲より低い場合、延伸後の粘着フィルムの高温における収縮が低いため電線群への密着性が悪く、電線結束性が低下する。逆に延伸倍率が前記範囲より高い場合、延伸後の粘着フィルムの常温における収縮が大きくなりすぎ、保存性が低下する。
本発明の自己粘着性フィルムでは、(MDの延伸倍率)/(TDの延伸倍率)=2〜4であることが好ましい。(以下、「(MDの延伸倍率)/(TDの延伸倍率)」を「MD/TD比」と表記する。)MD/TD比が前記範囲より小さい場合、粘着フィルムを電線群に巻付け、熱処理を行った際、MDだけでなくTDも収縮し、電線を結束する範囲が狭くなる。また、逆に前記範囲より大きい場合、粘着フィルム全面の厚みがムラになり、均一性が低下する。
本発明の自己粘着性フィルムでは、23℃、7日後のMDの収縮率が10%以内、かつ、100℃の温水に5分浸漬後のMDの収縮率が50〜90%であることが好ましい。
23℃、7日後のMDの収縮率が10%以上であると、自己粘着性フィルム製造後、使用するまでに収縮が始まり、使用する際、十分な収縮が得られず、電線群への密着性が悪く、電線結束性が低下する。100℃の温水に5分浸漬後、MDの収縮率が50%未満の場合、自己粘着性フィルムを電線群に巻付け、熱処理を行った後、電線群への密着性、結束性が低下する。また、逆にMDの収縮率が90%より大きい場合、自己粘着性フィルムを電線群に巻付け、熱処理を行う際、自己粘着性フィルムが裂ける。
なお収縮率とは、MDまたはTDにフィルム長さを取り、[(収縮前のフィルム長さ)−(収縮後のフィルム長さ)]/(収縮前のフィルム長さ)×100(%)で定義される。例えば、収縮前のMDのフィルム長さが100mmである場合、収縮後に50mmになればMDの収縮率は50%であり、10mmになればMDの収縮率は90%である。
本発明の自己粘着性フィルムでは、表面の中心線平均粗さ(Ra)は0.1〜2.0μmが好ましい。中心線平均粗さ(Ra)が前記範囲より小さい場合、製造工程で最後に粘着フィルムを巻き取った際、粘着フィルム同士の密着性が高くなりすぎ、粘着フィルムを巻物状態から展開できなくなる。また、逆に中心線平均粗さ(Ra)が前記範囲より大きい場合、粘着フィルム表面の凹凸が大きすぎることから、面接触ではなく、点接触になり、粘着フィルムの密着性が低下し、電線結束性が低下すると共に、電線群に巻付け、熱処理を行う際、粘着フィルムの収縮で端末が剥れてしまう。
なお自己粘着性フィルムの表面とは、自己粘着性フィルムが巻物状の製品になった際、外側に見えている面のことを指す。
前記中心線平均粗さ(Ra)はJIS B 0601:2001、JIS B 0632:2001に準拠して測定したものである。
前記より得られる粘着フィルムの厚さは使用目的や用途等に応じて様々であるが、通常10〜300μmであり、好ましくは20〜250μmであり、さらに好ましくは30〜200μmである。
また、自己粘着性フィルムを、MDが電線群に対し垂直となる様に電線群に巻いた後、加温し収縮させる事で、電線を結束する方法として利用する事ができる。自己粘着性テープを電線群に巻く際は、必ずしも電線に密着させて巻く必要はなく、結束を行う部位に対して筒状に覆いかぶせる様に巻く事もできる。
本発明の自己粘着性フィルムは、電線群に巻付ける際、自身の粘着力により貼り合せる事が出来る為、貼り合わせる端部を指圧で圧着して仮固定することができる。この際、自己粘着性フィルムの端部を両面粘着テープ、接着剤、熱融着等で貼り合せてもよい。また、加温し収縮させ電線群を結束する際には、汎用される熱収縮チューブで結束を行う場合と同様、ヒートガン等の加熱器具を用いて収縮させれば良い。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1において「せん断力」の測定は温度23±2℃、湿度50±5%RHに設定された評価試験室内で以下の様にして行った。長さ150mm、幅50mmのSUS板の片面全体に自己粘着性フィルムを圧着させ、この上に長さ150mm、幅20mmの自己粘着性フィルムを更に圧着させ試験片としたが、この際に長さ100mm分のみをSUS板上のフィルムに置いて圧着させ、残り50mm分はSUS板上のフィルムから外れた位置となる様に置いた。圧着に際しては荷重2kgのゴムローラーにて5mm/秒の速度で1往復させた。せん断力の測定は、自己粘着性フィルムの圧着後20分目に試験片のSUS板側を固定した状態で行い、貼り合せていない50mm分の自己粘着性フィルムを垂直方向(せん断方向)に引張り、自己粘着性フィルム同士が剥れる強度をn=3で測定し平均値を求めた。測定結果はフィルム幅10mm当たりの強度として示し、以下の基準で評価した。
「良」:3N/10mm以上。
「不良」:3N/10mm未満。
表1において「収縮率」の測定は以下の様に行った。延伸後の自己粘着性フィルムを長さ100mm、幅15mmに切り出し試験片としたが、この際に長さ方向がMDとなる様にした。試験片を100℃の温水に5分浸漬し収縮させてから取り出し、表面の水分を布で軽く拭取り、温度23±2℃、湿度50±5%RHに設定された評価試験室内で30分静置した後に長さを測定し、次の計算式にて収縮率を求めた。
収縮率(%)=(収縮前のフィルム長さ)−(収縮後のフィルム長さ)]/(収縮前のフィルム長さ)×100
試験はn=3で行い、結果を平均値として求め、以下の基準で評価した。
「良」:収縮率50〜90%。
「不良」:収縮率50%未満、及び90%より大きい。
なお、23℃、7日後のMDの収縮率は、上記試験片を温度23±2℃、湿度50±5%RHに設定された評価試験室内に7日放置した前後について上式にて同様に求めたが、全て10%以内であった。
表1において、「柔軟性」とは、JIS C 2107:2011に準拠して測定した25%モジュラスの引張り強度である。温度23±2℃、湿度50±5%RHに設定された評価試験室内でn=3にて測定し、結果を平均値として求め、以下の評価基準で評価した。
「良」:3〜50N/10mm。
「不良」:3N/10mm未満、及び50N/10mmより大きい。
表1において、「伸び」とは、JIS C 2107:2011に準拠して測定した引張り破断伸度である。温度23±2℃、湿度50±5%RHに設定された評価試験室内でn=3にて測定し、結果を平均値として求め、以下の評価基準で評価した。
「良」:80%以上。
「不良」:80%未満。
表1において、「展開性」とは、ロール状フィルムの巻きほぐしやすさを示す指標であり、以下の基準で評価した。
「良」:巻きほぐすことができる(展開できる)。
「不良」:巻きほぐすことができない(展開できない)。
表1において、「結束性」は以下の様にして評価した。直径1.5mm、長さ150mmの電線を20本束にして直径10mmの電線群を作成し、自己粘着性フィルム(長さ60mm、幅50mm。但しMDを長さ方向とする。)を電線群の中央に、MDが電線群と垂直となる様に巻きつけ、自己粘着性フィルムの端部同士を5mmづつ重ね合わせて指で30秒圧着し、評価サンプルとした。評価サンプルを100℃雰囲気のオーブンに1分間入れ加熱してから取り出し、温度23±2℃、湿度50±5%RHに設定された評価試験室内で30分静置後、収縮した自己粘着性フィルム部分を手で握り、電線群をもう一方の手で引張り、以下の基準で結束性の良否を評価した。
「良」:横にずれない。
「不良」:ずれる、もしくは電線束から粘着フィルムが抜ける。
表1において、「端末剥れ」は以下の様にして評価した。「結束性」の評価と同様に試験サンプルを作成し、同様に加熱、静置後、収縮した自己粘着性フィルムの重ねた部分を目視観察し、以下の基準で評価した。
「良」:剥れていない。
「不良」:オーブンで加熱中、または、30分静置以内に剥れる。
(実施例1)
(1)塩化ビニル系重合体(ポリ塩化ビニル:商品名TH−1300、大洋塩ビ株式会社製、重合度1300)100質量部、可塑剤(フタル酸ジイソノニル:株式会社ジェイプラス製)50質量部、粘着付与剤(脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂:商品名ペトロタック90HM、東ソー株式会社製、軟化点90℃)7質量部、改質剤(メチレンメタアクリレート−ブタジエン−スチレングラフト共重合体、商品名メタブレンC−223A、三菱レイヨン株式会社製)5質量部からなる配合物をニーダーで均一に分散するように混練したのち、カレンダ成形機により、ロール温度175℃にて厚さ約0.15mmの自己粘着性フィルムを作製した。この際、エンボスロールを通過させることで、フィルム表面に中心線平均粗さ(Ra)1.0μmの凹凸をつけた。
(2)得られたフィルムをロール式延伸機で、MD延伸倍率2倍に延伸し、MD/TD比2の自己粘着性フィルムを得た。
(実施例2)
MD延伸倍率4倍、MD/TD比4とした以外は実施例1と同様にして自己粘着性フィルムを得た。
(実施例3)
中心線平均粗さ(Ra)を0.2μmとした以外は実施例1と同様にして自己粘着性フィルムを得た。
(実施例4)
MD延伸倍率4倍、MD/TD比3、中心線平均粗さ(Ra)を1.8μmとした以外は実施例1と同様にして自己粘着性フィルムを得た。
(実施例5)
可塑剤を5質量部とした以外は実施例1と同様にして自己粘着性フィルムを得た。
(実施例6)
可塑剤を80質量部とした以外は実施例1と同様にして自己粘着性フィルムを得た。
(実施例7)
粘着付与剤を1質量部とした以外は実施例1と同様にして自己粘着性フィルムを得た。
(実施例8)
粘着付与剤を20質量部とした以外は実施例1と同様にして自己粘着性フィルムを得た。
(実施例9)
改質剤を1質量部とした以外は実施例1と同様にして自己粘着性フィルムを得た。
(実施例10)
改質剤を20質量部とした以外は実施例1と同様にして自己粘着性フィルムを得た。
参考
MD延伸倍率、MD/TD比、を表1の通りとした以外は実施例1と同様にして自己粘着性フィルムを得た。

(実施例1
中心線平均粗さ(Ra)を表1の通りとした以外は実施例1と同様にして自己粘着性フィルムを得た。

(比較例1、2)
可塑剤を表1の通りとした以外は実施例1と同様にして自己粘着性フィルムを得た。
(比較例3、4)
粘着付与剤を表1の通りとした以外は実施例1と同様にして自己粘着性フィルムを得た。
(比較例5、6)
改質剤を表1の通りとした以外は実施例1と同様にして自己粘着性フィルムを得た。
Figure 0006129543

本発明の自己粘着性フィルムを用いることによって、作業者による電線への巻き付けかたのバラツキがなく、作業工数も削減でき、先通しせずとも使用できる。更にフィルム自身に粘着力がありチューブの形態でなくとも電線へ巻き付け後、仮固定できることから、自動車分野等における電線への結束フィルムとして利用することが期待できる。

Claims (6)

  1. 塩化ビニル系重合体100質量部に対して、可塑剤5〜80質量部、粘着付与剤1〜20質量部及び改質剤1〜10質量部を含有する組成物からなり、MDの延伸倍率が2〜4倍である自己粘着性フィルムの製造方法
  2. (MDの延伸倍率)/(TDの延伸倍率)=2〜4である請求項1に記載の自己粘着性フィルムの製造方法
  3. 23℃、7日後のMDの収縮率が10%以内であり、かつ、100℃の温水に5分浸漬後のMDの収縮率が50〜90%である請求項1または2に記載の自己粘着性フィルムの製造方法
  4. 自己粘着性フィルムの表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.1〜2.0μmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の自己粘着性フィルムの製造方法
  5. 脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、及び脂肪族芳香族共重合系石油樹脂より選ばれる少なくとも1種を粘着付与剤として用いる請求項1〜4のいずれか1項に記載の自己粘着性フィルムの製造方法
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載した自己粘着性フィルムを製造する工程と、自己粘着性フィルムのMDが電線群に対し垂直となる様に電線群に巻いた後、加温することで自己粘着性フィルムが収縮し、電線群を結束する工程とを備えた電線結束方法。

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