JP6128912B2 - 多段ポンプ - Google Patents

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本発明は、液体を移送する多段ポンプに関し、特に液体を高圧で移送することができる高圧多段ポンプに関するものである。
液体を数MPa〜数十MPaの高い圧力で移送することができるポンプとして、高圧多段ポンプがある。高圧多段ポンプは様々な用途に使用され、例えば、危険な液体を高い圧力で移送するために使用される。このようなポンプには、液体の高圧に耐え、かつ液体が外部に漏れないように、ケーシングの外側にさらにケーシングを設けた二重ケーシング構造が採用されている。
図1は、従来の高圧多段ポンプを示す断面図である。図1に示すように、高圧多段ポンプは、軸1に固定された複数の羽根車2を備えている。羽根車2を取り囲むように複数の中胴3が配置されている。各中胴3の内部にはガイドベーン5が配置されており、各段の羽根車2で昇圧された液体を次の段の羽根車2に導くようになっている。中胴3は、軸方向(軸1の延びる方向)に沿って重ね合わされており、これら中胴3は複数の通しボルト50により互いに固定されている。さらにこれら中胴3を囲むように外側ケーシング8が配置されている。外側ケーシング8には液体の吸込口9および吐出口10が設けられている。これら中胴3および外側ケーシング8により、二重ケーシング構造が構成されている。
軸1の端部は図示しない駆動機(例えばモータ)に連結され、この駆動機により羽根車2が回転するようになっている。羽根車2が回転すると、吸込口9から液体が吸い込まれて羽根車2に導かれ、各羽根車2によって順次昇圧される。中胴3と外側ケーシング8との間の空間は昇圧された液体で満たされ、吐出口10から液体が排出される。このように、中胴3は、昇圧される途中の液体と昇圧された液体とを仕切る機能を有し、外側ケーシング8は、昇圧された液体の外部への漏洩を防止する機能を有する。
図2は、図1に示す高圧多段ポンプの一部を示す模式断面図である。図2に示すように、羽根車2の段数と同じ段数の中胴3A〜3Dが重ね合わされている。各中胴とガイドベーン5との間には位置決めピン7が装着されており、この位置決めピン7により中胴3A〜3Dとガイドベーン5との相対位置が固定されている。1段目の中胴3Aの端面と外側ケーシング8との間にはガスケット14が配置されている。最終段の中胴3Dに隣接してディフューザーリング12が配置されており、このディフューザーリング12の内部には、最終段の羽根車2を囲むようにディフューザー13が形成されている。中胴3A〜3Dとディフューザーリング12は、複数の通しボルト50(図2では1つの通しボルト50のみを示す)により互いに締結されている。
しかしながら、図2に示す構造では、通しボルト50用のねじ穴および貫通穴を中胴3A〜3Dに形成しなければならないため、中胴3A〜3D自体が大きくなり、ポンプ全体の重量が増すという欠点や、中胴3A〜3Dの材料費が高くなるという欠点があった。
そこで、図3に示すように、通しボルト50を中胴の外側に配置する構造が提案されている。この構造では、1段目の中胴3Aとディフューザーリング12にフランジ3a,12aを設け、このフランジ3a,12aに通しボルト用のねじ穴および貫通穴がそれぞれ形成されている。したがって、他の中胴3B〜3Dをより小さくすることができ、ポンプ重量が軽くなり、さらに中胴3B〜3Dの材料費も軽減することができる。しかしながら、通しボルト50は、中胴3B〜3Dと外側ケーシング8の間の空間にあるため、この空間を満たす昇圧された液体の流れにより通しボルト50が侵食されたり、流体振動により通しボルト50が損傷することがあった。
図4は、中胴の他の締結構造を示す図であり、この構造では焼き嵌めが採用されている。焼き嵌めでは、隣接する2つの中胴のうちの一方を炉の中で高温に加熱して膨張させ、その嵌合部4aを大きくしておく。この状態で、低温の他方の中胴の嵌合部4bを、膨張した中胴の嵌合部4aにすばやく挿入する。加熱された中胴の温度が下がるにしたがって、外側の嵌合部4aが内側の嵌合部4bを締め付け、これにより隣接する2つの中胴が締結される。このような焼き嵌めを必要な段数だけ繰り返すことで多段の中胴3A〜3Dが構成される。この焼き嵌め構造によれば、中胴3A〜3Dの径が小さくできるとともに、外側ケーシング8の径も小さくすることができる。
しかしながら、焼き嵌めはそれを実施するための炉を必要とし、さらに、中胴を加熱するための費用と時間がかかる。このため、ポンプ全体の製造コストが上昇してしまう。しかも、ポンプが故障した場合、中胴を外すためには、バーナーなどの燃焼器を使用しなくてはならない。ポンプの設置現場によっては、火気の使用が許されないことがあり(例えば、化学工場など)、そのような設置現場では、燃焼器を使用することができない。このため、故障したポンプをその設置現場で修理することは不可能であり、ポンプを工場まで運搬しなければならなかった。
そこで、発明者は、これらの問題を解決するために、円筒形状の中胴カバーの中に中胴を収容する構造を発明した(特願2012-047600号参照)。図5に示すように、1段目の中胴3Aの外周面には、第1のねじ27が螺合される複数の第1のねじ穴23が形成されている。中胴カバー20の周壁には、第1のねじ27を通すための複数の通孔25が形成されている。中胴カバー20には、その周壁から半径方向内側に延びるフランジ21が形成されており、これらフランジ21には複数の第2のねじ穴33が形成されている。複数の通孔25は中胴カバー20の一方の端部に位置しており、フランジ21および複数の第2のねじ穴33は中胴カバー20の他方の端部に位置している。
図5に示すように、軸1に沿って積み重ねられた中胴3A〜3Dには、円筒状の中胴カバー20が被せられる。この状態で、第1のねじ27を通孔25を通じて第1のねじ穴23に挿入し、第1のねじ27の頭部が通孔25内に位置するまで第1のねじ27を第1のねじ穴23に螺合する。これにより、中胴カバー20と1段目の中胴3Aとの相対位置が固定される。
さらに、ディフューザーリング12を最終段の中胴3Dの側面に取り付け、この状態で、第2のねじ31をディフューザーリング12の通孔12aを通じて第2のねじ穴33に挿入し、これら第2のねじ31を締め付けることにより、ディフューザーリング12で最終段の中胴3Dを軸方向に押し付ける。これにより、中胴3A〜3Dは互いに締め付けられる。
中胴カバー20は、製造時間と製造コストの観点から、金属の板材を曲げて円筒形状に加工し、その接合面を溶接することにより製作される。このような中胴カバー20を使用することにより、中胴同士を締結するための通しボルトが不要となるので、中胴のサイズを小さくして、ポンプ全体の軽量化および製造コストの低減を実現することができる。また、通しボルトを使用しないので、通しボルトが侵食されるという問題が生じない。さらに、第1のねじ27および第2のねじ31を解放または締結するだけで簡単に中胴を分解、組立てすることができるので、ポンプの設置現場でポンプの分解および修理を容易に行え、メンテナンス時間および費用を低減することができる。
しかしながら、中胴カバー20を使用した上記構造には、次に述べるような問題がある。
1.金属の板材の接合面を溶接した後、応力除去処理(歪み取り焼鈍)を行うなど、溶接特有の工程が多い。
2.金属の板材を円筒形状に精度よく成形する加工は高い技術を要する。
3.中胴カバー20の通孔25と中胴3Aの第1のねじ穴23の位置決めは、高い精度を必要とする。
4.中胴カバー20の内部に配置された種々の部品を確認するとき、中胴カバー20を軸方向に引き抜かなければならず、広い作業スペースが必要になる。また、中胴カバー20を中胴3A〜3Dに取り付けるときも、同様の理由から広い作業スペースが必要になる。
特開2004−360653号公報 特開平9−88864号公報
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたもので、製造工程および製造コストを大幅に下げつつ、精度の高い組み立てを実現することができ、さらには中胴の分解および組み立てのための作業スペースを小さくすることができる多段ポンプを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、軸と、前記軸に固定された複数段の羽根車と、前記羽根車を収容する複数段の中胴と、前記複数段の中胴の周囲に配置され、前記軸と平行に延びる複数の板材と、前記複数段の中胴および前記板材を囲む外側ケーシングと、前記板材を前記複数段の中胴に固定する固定機構とを備え、前記固定機構は、前記板材と前記複数段の中胴との相対位置を固定する第1の固定機構と、前記複数段の中胴同士の相対位置を固定する第2の固定機構とを備え、前記第1の固定機構は、前記複数段の中胴のうちの1段目の中胴と前記板材との相対位置を固定し、前記第2の固定機構は、前記複数段の中胴のうちの最終段の中胴を軸方向に押圧することにより前記複数段の中胴同士の相対位置を固定し、前記第1の固定機構は、前記板材に形成された貫通穴と、前記1段目の中胴に形成され、かつ前記貫通穴に挿入される突出部とから構成されることを特徴とする多段ポンプである。
本発明の好ましい参考例は、前記板材は、前記軸に向かって内側に延びる第1の突起部を有し、前記第1の固定機構は、前記1段目の中胴に形成された凹部と、前記凹部と係合する前記第1の突起部とから構成されることを特徴とする。
本発明の好ましい参考例は、前記凹部は、前記1段目の中胴の周方向に延びる溝であることを特徴とする。
本発明の好ましい参考例は、前記凹部は、前記1段目の中胴の周方向に沿って設けられた複数の嵌合穴であることを特徴とする。
本発明の好ましい参考例は、前記第1の突起部は、前記凹部の側面に面接触することを特徴とする。
本発明の好ましい参考例は、前記第1の突起部は、前記凹部の側面に線接触することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記板材は、前記軸に向かって内側に延びる第2の突起部を有し、前記第2の固定機構は、前記第2の突起部に形成されたねじ穴と、前記最終段の中胴に隣接した押し付け部材と、前記ねじ穴に螺合し、かつ前記押し付け部材を前記最終段の中胴に押し付けるねじとを備えたことを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記押し付け部材の内部にはディフューザーが形成されていることを特徴とする。
発明の好ましい態様は、前記板材は、前記軸と平行に延びる外側エッジ部を有しており、該外側エッジ部は傾斜面から形成されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記板材は、前記軸と平行に延びる外側エッジ部を有しており、該外側エッジ部は曲面から形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、複数段の中胴は複数の板材および固定機構によって互いに固定される。このような板材は、円筒状の中胴カバーとは異なり、溶接加工を不要とするので、製造工程および製造コストを低減することができる。さらに板材を中胴の半径方向に着脱するだけで中胴を組み立ておよび分解することができるので、作業スペースを小さくすることができる。
従来の高圧多段ポンプを示す断面図である。 図1に示す高圧多段ポンプの一部を示す模式断面図である。 従来の高圧多段ポンプの他の例を示す模式断面図である。 従来の高圧多段ポンプのさらに他の例を示す模式断面図である。 中胴カバーを用いて中胴を組み立てる様子を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る多段ポンプを示す断面図である。 図6に示す多段ポンプの一部を示す模式断面図である。 板材を用いて中胴を組み立てる様子を示す模式図である。 1段目の中胴に形成された溝の断面図である。 図10(a)は板材の側面図であり、図10(b)は板材の下面図であり、図10(c)は図10(a)に示す板材のA線矢視図である。 中胴に装着された板材を示す断面図である。 図12(a)は板材の変形例を示す側面図であり、図12(b)は図12(a)に示す板材の下面図であり、図12(c)は図12(a)に示す板材のB線矢視図である。 複数の矩形状の嵌合穴が形成された中胴を示す図である。 図14(a)は板材のさらに他の変形例を示す側面図であり、図14(b)は図14(a)に示す板材の下面図であり、図14(c)は図14(a)に示す板材のC線矢視図である。 本発明の他の実施形態に係る多段ポンプを示す断面図である。 図15に示す多段ポンプの一部を示す模式図である。 図17(a)は外側エッジ部が傾斜面で形成された板材を示す模式断面図であり、図17(b)は外側エッジ部が曲面で形成された板材を示す断面模式図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図6乃至図17において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。図6は本発明の一実施形態に係る多段ポンプを示す断面図である。図7は、図6に示す多段ポンプの一部を示す模式断面図である。図8は中胴3A〜3Dの組み立てを説明するための模式図である。図8に示す中胴3A〜3Dは、図6に示す複数の中胴3に対応する。軸1、羽根車2、ガイドベーン5の構成は、図1乃至図4に示す構成と同じであるので、その重複する説明を省略する。
図8に示すように、羽根車2の段数と同じ段数の中胴3が1段目の中胴3Aから最終段の中胴3Dまで重ね合わされている。最終段の中胴3Dに隣接してディフューザーリング12が設けられている。このディフューザーリング12の内部には、最終段の羽根車2を囲むようにディフューザー13が形成されている。
本実施形態では、中胴3A〜3Dを互いに締結するために複数の板材15が使用される。板材15は、軸1に沿って延びており、中胴3A〜3Dのまわりに等間隔で配列されている。軸1に沿って積み重ねられた中胴3A〜3Dの外周面に複数の板材15が取り付けられる。これら複数の板材15は、第1の固定機構22および第2の固定機構24によって中胴3A〜3Dに固定されている。図7に示すように、中胴3A〜3Dおよび板材15を囲むように外側ケーシング8が設けられている。
軸1の端部は図示しない駆動機(例えばモータ)に連結され、この駆動機により羽根車2が回転するようになっている。羽根車2が回転すると、吸込口9から液体が吸い込まれて羽根車2に導かれ、各羽根車2によって順次昇圧される。中胴3A〜3Dと外側ケーシング8との間の空間は昇圧された液体で満たされ、吐出口10から液体が排出される。
1段目の中胴3Aの端面と外側ケーシング8との間には環状のガスケット14が配置されている。羽根車2の回転によって昇圧された液体はディフューザーリング12および中胴3A〜3Dを吸込側に押圧し、これにより1段目の中胴3Aの端面がガスケット14を外側ケーシング8に押し付ける。このように、1段目の中胴3Aと外側ケーシング8との間に挟まれたガスケット14は、昇圧された液体が吸込側の領域に流れ込むことを防止するシールとして機能する。
図8に示すように、1段目の中胴3Aの外周面には、その円周方向に延びる環状の溝(凹部)26が形成されている。図9は溝26の断面図である。図9に示すように、溝26は、第1の側面26aと第2の側面26bと底面26cとから構成されている。第1の側面26aは中胴3Bに近接した位置にあり、第2の側面26bは第1の側面26aに対向している。底面26cは第1の側面26aと第2の側面26bとの間にある。第1の側面26aおよび第2の側面26bは軸1に垂直な平面形状を有している。
次に、板材15について説明する。図10(a)は板材15の側面図であり、図10(b)は板材15の下面図であり、図10(c)は図10(a)に示す板材15のA線矢視図である。板材15は、軸1と平行に延びる平板部16と、平板部16の一端部に形成された第1の突起部17と、平板部16の他端部に形成された第2の突起部18とを備えている。平板部16は矩形状の断面を有しており、第1の突起部17および第2の突起部18は、角柱形状を有している。第1の突起部17および第2の突起部18は平板部16の長手方向に対して垂直に延び、かつ軸1に向かって内側に延びている。
図10(a)に示すように、第2の突起部18は第1の突起部17よりも長い。図10(c)に示すように、第2の突起部18にはねじ30(図8参照)が螺合されるねじ穴32が形成されている。このねじ穴32は、軸1に沿って(すなわち軸1と平行に)延びている。図10(a)および図10(b)に示すように、第1の突起部17の内面17aおよび外面17bは平面形状を有している。同様に、第2の突起部18の内面18aおよび外面18bも平面形状を有している。第1の突起部17の内面17aおよび第2の突起部18の内面18aは互いに平行である。
図11は、中胴3A〜3Dに装着された板材15を示す断面図である。図11に示すように、板材15の第1の突起部17が中胴3Aの溝26に係合することで、板材15と1段目の中胴3Aとの相対位置が固定される。第1の突起部17の内面17aは平面形状を有しているため、内面17aの全体は溝26の第1の側面26aに面接触する。第1の突起部17を溝26に係合させると、第2の突起部18は最終段の中胴3Dの側方に位置する。中胴3Dと第2の突起部18との間には軸方向において僅かな隙間が形成される。溝26および板材15の第1の突起部17は、板材15と中胴3Aとの相対位置を固定するための第1の固定機構22を構成する。
図8に示すように、第1の突起部17を溝26に係合させ、この状態で、ねじ30をディフューザーリング12の通穴12aを通じてねじ穴32に挿入し、これらねじ30を締め付けることにより、ディフューザーリング12で最終段の中胴3Dを軸方向に押し付ける。これにより、中胴3A〜3Dは互いに締め付けられる。ねじ30、ディフューザーリング12の通穴12a、およびねじ穴32は軸1の軸方向に延びている。したがって、ねじ30を締め付けることによって、ディフューザーリング12は押し付け部材として最終段の中胴3Dを1段目の中胴3Aに向かって押し付けることができる。その結果、中胴3A〜3Dは互いに締め付けられる。すなわち、中胴3Aとディフューザーリング12とは、板材15およびねじ30によって連結され、1段目の中胴3Aとディフューザーリング12との間に他の中胴3B,3C,3Dが挟まれる。このように、ねじ30、ディフューザーリング12、およびねじ穴32は、中胴3A〜3Dの相対位置を固定するための第2の固定機構24を構成する。
ポンプ運転中は、昇圧された液体はディフューザーリング12の後ろ側の領域を満たし、ディフューザーリング12の背面を吸込側に向かって押し付けるので、中胴3A〜3Dは液体の圧力によって互いに締め付けられる。したがって、ねじ30によって中胴3A〜3Dを強く締め付ける必要はない。
板材15は、13Cr合金、ステンレス鋼、Ni系合金、二相ステンレス鋼などの耐腐食性の高い金属または金属合金から製作される。ポンプの使用環境によっては炭素鋼で板材15を形成してもよい。さらに、金属以外にも、セラミックを用いてもよく、またはカーボンファイバーなどの複合材料を用いてもよい。
本実施形態によれば、図2および図3に示すような通しボルトが不要となる。したがって、中胴3A〜3Dのサイズが小さくなり、ポンプ全体の軽量化および製造コストの低減が実現される。また、本実施形態によれば、複数段の中胴3A〜3Dはその外周面に取り付けられた複数の板材15によって互いに締結される。このような板材15の制作には、図5に示す円筒状の中胴カバー20とは異なり、溶接加工が不要であるので、製造工程および製造コストを低減することができる。さらに板材15を中胴3A〜3Dの半径方向に着脱するだけで中胴3A〜3Dを組み立ておよび分解することができるので、作業スペースを小さくすることができる。
図12(a)は板材15の変形例を示す側面図であり、図12(b)は図12(a)に示す板材15の下面図である。図12(c)は図12(a)に示す板材15のB線矢視図である。図12(a)乃至図12(c)に示す板材15と図10(a)乃至図10(c)に示す板材15との違いは、溝26に係合する第1の突起部17の形状にある。すなわち、図12(a)乃至図12(c)に示す板材15の第1の突起部17は、円柱形状を有している。したがって、第1の突起部17の外周面は溝26の第1の側面26aに線接触する。この変形例によれば、板材15を用いて中胴を組み立てるとき、第1の突起部17を中心とした角度的な調整が容易にでき、組み立てが容易になる。
図13に示すように、板材15の突起部17が係合する凹部として、溝26の代わりに、複数の矩形状の嵌合穴40を中胴3Aの外周面に形成してもよい。これら嵌合穴40は、中胴3Aの円周方向に沿って等間隔に形成されている。板材15の第1の突起部17が嵌合穴40に嵌合することで、板材15と1段目の中胴3Aとの相対位置が固定される。したがって、この例では、板材15の第1の突起部17と嵌合穴40とにより第1の固定機構22が構成される。中胴3Aに嵌合穴40を等間隔に形成することにより、中胴3A〜3Dを均等に締結することができる。図12(a)乃至図12(c)に示す板材15を使用する場合、嵌合穴40は円形であってもよい。
図14(a)は板材15のさらに他の変形例を示す側面図であり、図14(b)は図14(a)に示す板材15の下面図である。図14(c)は図14(a)に示す板材15のC線矢視図である。図14に示す板材15と図6乃至図12に示す板材15との違いは、平板部16に貫通穴42が形成され、中胴3Aの外周面に突出部44が形成されている点である。突出部44が貫通穴42に係合されることで、板材15と1段目の中胴3Aとの相対位置が固定される。この例では、突出部44と貫通穴42とにより第1の固定機構22が構成される。この例では、板材15には第1の突起部17は形成されていない。
図14(b)に示すように、平板部16に形成された貫通穴42は円形状を有している。1段目の中胴3Aの突出部44は円柱形状を有している。突出部44が貫通穴42に挿入されることによって、板材15と1段目の中胴3Aとの相対位置が固定される。したがって、この例では、突出部44と貫通穴42とにより第1の固定機構22が構成される。突出部44の成形は容易であり、貫通穴42の成形も容易である。さらに板材15の切削が少なく、結果として切削屑を少なくすることができる。このように構成された板材15は省資源に寄与する。
図15は、本発明の他の実施形態に係る多段ポンプを示す断面図である。この多段ポンプは、中間段抽出構造を備えている。中間段抽出構造とは、液体が中胴の最終段で昇圧される前に、液体の一部を中間段の中胴から外側ケーシング8の外部に抽出する構造である。図15では、1段目の中胴3Aから3段目の中胴3Cまで昇圧された液体の一部は、中胴3Cに形成された流路49を通って中間段抽出ノズル51から外部に抽出される。中間段抽出ノズル51は外側ケーシング8に設けられている。
図16は、図15に示す多段ポンプの一部を示す模式図である。4段目の中胴3Dから最終段の中胴3Iまで昇圧された液体が3段目の中胴3Cに逆流することを防ぐために、3段目の中胴3Cの外壁面と外側ケーシング8の内壁面との間にはシール部材としてのOリングシール53が設けられている。
1段目の中胴3Aから3段目の中胴3Cの中間点までの中胴3の外径は、中胴3Cの中間点から最終段の中胴3Iまでの中胴3の外径よりも小さく形成されている。中胴3Cの外周面にはシール溝56が形成されており、このシール溝56内にOリングシール53が埋め込まれている。Oリングシール53は、昇圧された液体が3段目の中胴3Cに逆流することを防いでいる。
上述したように、中間段抽出構造を備える多段ポンプの特徴は、外径の異なる中胴3を使用している点である。したがって、このタイプの高圧多段ポンプに図5に示す円筒形状のカバー部材20を使用することは、Oリングシール53の必要性の観点から困難である。なお、図15および図16は液体の一部を3段目の中胴3Cに形成された流路49から抽出する例を示しているが、液体の抽出場所はこの例に限定されない。
図16に示すように、1段目の中胴3A、2段目の中胴3B、および3段目の中胴3Cは、この順に直列に配列されている。3段目の中胴3Cまで昇圧された液体の一部は、流路49を通って中間段抽出ノズル51から外部に抽出される。中胴3Cに面する中胴3Bの端面には環状の切り欠き54が形成されている。中胴3Cは、中胴3Bの切り欠き54に嵌め込まれる環状のフランジ55を有している。フランジ55にはその円周方向に沿って複数の通孔60が等間隔に形成されている。切り欠き54とフランジ55とにより第2の溝62が構成される。なお、図16では、1つの通孔60および1つの板材15が示されているが、中胴3A〜3Cのまわりに複数組の板材15および通孔60が設けられる。
図16に示すように、中胴3Aの外周面には環状の第1の溝26が形成されている。図10(a)乃至図10(c)と同様に、板材15は、軸1と平行に延びる平板部16と、平板部16の一端部に形成された第1の突起部17と、平板部16の他端部に形成された第2の突起部18とを備えている。第1の突起部17を第1の溝26に係合させると、板材15の第2の突起部18が第2の溝62内に挿入される。この状態で、ねじ30を通孔60を通じてねじ穴32に挿入し、ねじ30を締め付けることにより、中胴3Cが中胴3Aに向かって押圧され、これにより中胴3A〜3Cが互いに締結される。したがって、この例では、ねじ30、ねじ穴32、およびフランジ55により第2の固定部材24が構成される。
以上説明した通り、板材15は、中間段抽出構造を備える多段ポンプのように、異なる外径を有する中胴にも使用することができる。同じ外径を有する複数の中胴3のうち、1段目の中胴3Aに第1の溝26を形成し、最終段の中胴3Cにフランジ55を形成し、中胴3Aとフランジ55とを板材15およびねじ30で連結し、さらにねじ30を締め付けることにより、最終段の中胴3Cを中胴3A,3Bに押し付けて、これら中胴3A〜3Cの相対位置を固定する。このようにして、同じ外径を有する中胴3A〜3Cを纏めることができる。
同じようにして、同じ外径を有する中胴3を纏めることにより、すべての中胴3を相対的に位置決めすることができる。また、このような板材15を用いた構造によれば、同じ外径を有する中胴3のうちの最終段の中胴と外側ケーシング8との間にシール部材を設けることができる。
図17(a)および図17(b)に示すように、板材15の平板部16は、軸方向に延びる外側エッジ部64を有している。図17(a)は外側エッジ部64が傾斜面から形成された板材15を示す模式断面図であり、図17(b)は外側エッジ部64が曲面から形成された板材15を示す断面模式図である。図17(a)および図17(b)に示す矢印は、中胴3と外側ケーシング8との間の空間内での液体の流れを示す。上述したように、通しボルト50(図3参照)を中胴3B〜3Dと外側ケーシング8の間の空間に配置すると、流体振動により通しボルト50が損傷することがある。そこで、図17(a)に示すように、板材15の外側エッジ部64を傾斜面から形成するか、または図17(b)に示すように、外側エッジ部64を曲面から形成することが好ましい。このような形状とすることにより、流体振動が減少し、液体は中胴3と外側ケーシング8の間の空間をスムーズに流れることができる。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
1 軸
2 羽根車
3A〜3D 中胴
5 ガイドベーン
7 位置決めピン
8 外側ケーシング
9 吸込口
10 吐出口
12 ディフューザーリング(押し付け部材)
13 ディフューザー
14 ガスケット
15 板材
16 平板部
17 第1の突起部
18 第2の突起部
22 第1の固定機構
24 第2の固定機構
26 溝
30 ねじ
32 ねじ穴
40 嵌合穴
42 貫通穴
44 突出部
49 流路
51 中間段抽出ノズル
53 Oリングシール
54 切り欠き
55 フランジ
56 シール溝
60 通孔
62 第2の溝
64 外側エッジ部

Claims (5)

  1. 軸と、
    前記軸に固定された複数段の羽根車と、
    前記羽根車を収容する複数段の中胴と、
    前記複数段の中胴の周囲に配置され、前記軸と平行に延びる複数の板材と、
    前記複数段の中胴および前記板材を囲む外側ケーシングと、
    前記板材を前記複数段の中胴に固定する固定機構とを備え
    前記固定機構は、前記板材と前記複数段の中胴との相対位置を固定する第1の固定機構と、前記複数段の中胴同士の相対位置を固定する第2の固定機構とを備え、
    前記第1の固定機構は、前記複数段の中胴のうちの1段目の中胴と前記板材との相対位置を固定し、
    前記第2の固定機構は、前記複数段の中胴のうちの最終段の中胴を軸方向に押圧することにより前記複数段の中胴同士の相対位置を固定し、
    前記第1の固定機構は、
    前記板材に形成された貫通穴と、
    前記1段目の中胴に形成され、かつ前記貫通穴に挿入される突出部とから構成されることを特徴とする多段ポンプ。
  2. 前記板材は、前記軸に向かって内側に延びる突起部を有し、
    前記第2の固定機構は、
    記突起部に形成されたねじ穴と、
    前記最終段の中胴に隣接した押し付け部材と、
    前記ねじ穴に螺合し、かつ前記押し付け部材を前記最終段の中胴に押し付けるねじとを備えたことを特徴とする請求項1に記載の多段ポンプ。
  3. 前記押し付け部材の内部にはディフューザーが形成されていることを特徴とする請求項に記載の多段ポンプ。
  4. 前記板材は、前記軸と平行に延びる外側エッジ部を有しており、該外側エッジ部は傾斜面から形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の多段ポンプ。
  5. 前記板材は、前記軸と平行に延びる外側エッジ部を有しており、該外側エッジ部は曲面から形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の多段ポンプ。
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