JP6128688B2 - 減圧乾燥機 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば洗浄した後の工業用品等を乾燥させるための減圧乾燥機に関するものである。
工業用部品を乾燥させるために、減圧乾燥機が用いられている。これは、対象物を密閉容器に入れ、真空ポンプにより該密閉容器内を減圧排気するものである。このような減圧乾燥機の一例として、シャッタにより、乾燥容器の開放部を密閉し、乾燥容器内の戴置台に固定した乾燥対象物を揺動させる揺動機能を有する装置がある(特許文献1参照)。
特開2012−57893号公報
特許文献1に記載の発明によれば、減圧乾燥用の密閉容器内で乾燥対象物を揺動させるものであるため、減圧前または減圧中に乾燥対象物を揺動させると、内部に溜まった液体が密閉容器内にこぼれる場合がある。この場合、密閉容器内にこぼれた液体と、乾燥対象物に滞留している液体の両者が蒸発する。
一方、減圧乾燥するときには、液体が蒸発する際に蒸発潜熱を周囲から奪う。また、周囲環境の圧力がその液体の温度に対応した蒸気圧以下になってはじめて乾燥対象物内に滞留している液体が蒸発を開始するため、乾燥容器内に存在する液量の全量が少ない方がより乾燥しやすい。
しかしながら、上記の如き従来技術では、減圧前の揺動により乾燥対象物の内部から排出された液体は乾燥容器内にこぼれ、減圧乾燥工程においては、このこぼれた液体と乾燥対象物内に未だ滞留している液体の両者が蒸発することになる。即ち、減圧前の揺動により乾燥対象物から液体がこぼれても乾燥容器内に存在したままであるため、乾燥に要する時間は短縮されないといった問題点があった。
そこで、乾燥対象物の回転による滞留液体の排出を、予め減圧乾燥工程の前に乾燥容器の外で行っておくことが考えられる。このような予備的な乾燥を行うことによって、従来よりも減圧乾燥時間を短縮することができる。しかしながら、減圧乾燥工程の直前に乾燥対象物の回転による予備乾燥を行う機構を一体に備えた減圧乾燥機として実用的なものはなかった。特に、予備乾燥工程から減圧乾燥工程への移行機構など、前記減圧乾燥時間の短縮効果を損なうことなく生かせるような簡便な装置構成を実現したものはない。
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、従来よりも効率的に対象物を乾燥することができる減圧乾燥機を提供することにある。
請求項1に記載の発明に係る減圧乾燥機は、乾燥対象物を内部に収容し、乾燥対象物が出入りする開口部を有する密閉可能な乾燥容器と、該乾燥容器内を減圧排気するポンプ装置とを備えた減圧乾燥機であって、
乾燥対象物が戴置固定される戴置台と、
該載置台を前記乾燥容器に対して相対移動させて前記載置台に固定された前記乾燥対象物を前記乾燥容器の外側の退避位置と乾燥容器内の減圧位置とに切換え可能に位置付ける移動手段と、
前記乾燥対象物が退避位置に位置付けられている前記載置台を回転させると共に、少なくとも1つの予め定められた角度で前記載置台を位置決め保持する回転装置と、
前記乾燥対象物が減圧位置に位置付けられている乾燥容器に対して、前記開口部を密閉する密閉手段と、を備え、
前記回転装置により前記角度に保持された前記戴置台の前記減圧位置への移動によって、前記載置台の載置面が前記開口部の端面に当接状態となると同時に前記乾燥対象物の乾燥容器内の減圧位置への収容が完了するものである。
請求項2に記載の発明に係る減圧乾燥機は、請求項1に記載の減圧乾燥機において、前記密閉手段は、前記開口部の端面に当接状態で該開口部を塞ぐ載置台を含むことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明に係る減圧乾燥機は、請求項2に記載の減圧乾燥機において、前記戴置台と乾燥容器の開口部端面との当接領域の全周にわたって両者のいずれかに配設されたシール部材を有するものである。
請求項4に記載の発明に係る減圧乾燥機は、請求項1に記載の減圧乾燥機において、前記密閉手段は、前記減圧位置にてその載置面が前記乾燥容器の開口部の端面に当接状態にある前記載置台を間に挟んで該開口部を密閉する密閉部材と、
該密閉部材を前記開口部の密閉位置と乾燥容器に対して離反方向に対向する密閉手段退避位置との間で移動させる密閉部材移動手段と、を備えていることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明に係る減圧乾燥機は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の減圧乾燥機において、前記回転装置がサーボモータを備えているものである。
請求項6に記載の発明に係る減圧乾燥機は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の減圧乾燥機において、前記回転装置が間欠割出装置を有するものである。
請求項7に記載の発明に係る減圧乾燥機は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の減圧乾燥機において、前記退避位置にある乾燥対象物に配向した乾燥ガス吹き出し口を有するガス吹き出し乾燥手段をさらに備えたことを特徴とするものである。
本発明の減圧乾燥機においては、減圧乾燥工程の直前に、乾燥容器外側の退避位置で予め乾燥対象物を回転又は揺動させることによって乾燥対象物の内部に溜まった液体や表面に付着している水滴を排出させることができるため、乾燥対象物から排出された液体が乾燥容器内に留まることがない。このため、減圧乾燥工程では乾燥対象物に残っていた液体のみを蒸発させればよくなる。その際に必要とする蒸発潜熱が従来のような容器内にこぼれた液体のために奪われることもなくなる。また、減圧乾燥時の戴置台及び乾燥容器の温度低下量が減少して乾燥容器内の温度が低下しにくいことから、乾燥開始の飽和蒸気圧が高くなる作用を奏する。したがって、本発明によれば、乾燥対象物の減圧乾燥速度が従来に比べて格段に向上するという効果が得られる。
さらに、本発明の減圧乾燥機においては、回転装置により前記角度に保持された戴置台の減圧位置への移動によって載置台の載置面が前記開口部の端面に当接状態となると同時に乾燥対象物の乾燥容器内の減圧位置への収容が完了する。このため、載置台から乾燥容器内へ乾燥対象物を移すための別の機構や工程を必要とすることなく、容器外での予備乾燥工程から減圧乾燥工程への移行が、実質的にほぼ退避位置から減圧位置への載置台の相対移動のみで短時間で済み、上述の減圧乾燥時間の短縮効果を損なうことはない。このように簡便な構成でありながら従来より高い乾燥効率を可能とする実用に適した予備乾燥機構一体型の減圧乾燥機は、本発明にて初めて実現されたものである。
本発明に係る減圧乾燥機の概略全体構成を内部構造透過状態で示す右側面図である。 (a)は図1のX−X矢視断面図であり、(b)は(a)のY−Y矢視断面図である。 本発明の実施例1に係る減圧乾燥機の戴置台と乾燥容器の各工程における使用状態を示す内部構造の概略右側面図であり、(a)は乾燥室外での載置台回転による予備乾燥工程の状態図、(b)は予備乾燥後の載置台回転位置決め工程の状態図、(c)は乾燥対象物の乾燥室内収容時の減圧乾燥工程の状態図である。 本発明の排気系配管の回路図である。 本発明の実施例2に係る減圧乾燥機の戴置台と乾燥容器の各工程における使用状態を示す内部構造の概略右側面図であり、(a)は乾燥室外での載置台回転による排液工程の状態図、(b)は排液後の載置台回転位置決め工程の状態図、(c)は乾燥対象物の乾燥室内収容時の減圧乾燥工程の状態図である。 本発明の実施例3に係る減圧乾燥機の戴置台、乾燥容器及び密閉部材の各工程における使用状態を示す内部構造の概略右側面図であり、(a)は乾燥室外での載置台回転による予備乾燥工程の状態図、(b)は予備乾燥後の載置台回転位置決め工程の状態図、(c)は乾燥対象物の乾燥室内収容時の減圧乾燥工程の状態図である。
本発明による減圧乾燥機は、乾燥対象物が戴置固定される戴置台と、該載置台を前記乾燥容器に対して相対移動させて載置台に固定された乾燥対象物を乾燥容器の外側の退避位置と乾燥容器内の減圧位置とに切換え可能に位置付ける移動手段と、乾燥対象物が退避位置に位置付けられている載置台を回転させると共に少なくとも1つの予め定められた角度で載置台を位置決め保持する回転装置と、乾燥対象物が減圧位置に位置付けられている乾燥容器に対して前記開口部を密閉する密閉手段とを備え、回転装置により前記角度に保持された戴置台の減圧位置への移動によって、載置台の載置面が前記開口部の端面に当接状態となると同時に乾燥対象物の乾燥容器内の減圧位置への収容が完了するものである。
なお、本発明の減圧乾燥機も、内部に乾燥対象物を収容し、密閉状態となった乾燥容器内をポンプ装置で減圧排気することによって減圧乾燥を行うものである。ポンプ装置としては、所謂真空ポンプが用いられる。このポンプ装置は、通常、乾燥機本体の下部にはフレームが設けられることから、該フレームに設置される。また、一般的にはフレームの上部構造を覆うカバーがフレームに取付けられることから、本発明の減圧乾燥機においても、乾燥機本体としてのフレームの上部構造を覆うカバーが取り付けられることが望ましい。
上記構成を備えた本発明による減圧乾燥機では、乾燥容器の外側の退避位置で、大気開放状態において乾燥対象物を戴置した戴置台を回転又は揺動することにより、乾燥対象物の内部に存在する液体や対象物面に付着した水分に液体が遠心力や重力を作用させてこれら液体の大部分を乾燥対象物から除去する。除去された液体は、乾燥容器の外側の退避位置で排出されたものであり、乾燥容器内には存在しないため、減圧乾燥工程前の予備乾燥工程として予め乾燥対象物をある程度乾燥させることが可能となる。
このような予備乾燥工程の後に、載置台は、移動手段によって乾燥対象物が乾燥容器内の減圧位置に位置付けられるように乾燥容器に対して相対移動される。従って、この乾燥対象物を退避位置から減圧位置へ移動させる手段によって、1つの装置構成内における予備乾燥工程から減圧乾燥工程への連続的な移行が可能となり、予備乾燥機構一体型の減圧乾燥機が実現可能となった。
この移動手段は、乾燥容器を載置台に対して移動させる機構と、載置台を乾燥容器に対して移動させる機構のいずれでも良く、実際の装置設計に応じて適宜選択される。また、この移動は、直線移動、回転を伴う移動曲線に沿った移動、折れ線に沿った移動、又はこれらを組み合わせた移動のいずれでも良い。
さらに本発明の減圧乾燥機においては、回転装置によって予め定められた角度に保持された戴置台の減圧位置への移動によって載置台の載置面が乾燥容器の開口部端面に当接状態となると同時に乾燥対象物の乾燥容器内の減圧位置への収容を完了させるものであるため、容器外での予備乾燥工程から減圧乾燥工程への移行が実質的にほぼ退避位置から減圧位置への載置台の相対移動のみで済む。即ち、本発明の減圧乾燥機によれば、載置台から乾燥容器内へ乾燥対象物を移すための別の機構や工程を必要としない簡便な構成でありながら、実用に適した予備乾燥機構一体型減圧乾燥機として、従来より高い乾燥効率が実現されたものである。
上記の構成により、乾燥対象物の乾燥容器内減圧位置への収容が完了した後、密閉手段により乾燥容器の開口部が密閉され、真空ポンプの駆動により乾燥容器内が減圧されて乾燥工程が進められる。このとき、前述の予備乾燥工程において、予め退避位置で乾燥対象物を戴置固定した戴置台を回転又は揺動させることによって乾燥対象物から排出された液体は乾燥容器内に入っていないため、乾燥対象物から予め排出された液体が蒸発する際に必要な蒸発熱を乾燥容器から奪われることが無く、減圧乾燥により、乾燥容器、戴置台と接触する乾燥対象物が必要以上に冷却されることがないので、効率的な乾燥状態を得ることができる。
本発明における密閉手段は、乾燥対象物が載置固定された状態で乾燥容器開口部の端部に当接状態となっている載置台を利用する構成とすることができる。この場合、別個の密閉機構を備える場合に比べて装置設計だけでなく密閉工程も簡略化される。前述のように、載置台は、移動手段によって乾燥対象物を減圧位置に位置付けて乾燥容器内に収容されると同時に載置台の載置面が乾燥容器開口部の端面に当接状態となるが、この載置台を密閉手段として用いる場合には、乾燥容器に対して再接近した時点でその周囲の載置面が乾燥容器の開口部端面に全周にわたって当接する角度に保持されていれば良い。
この場合、戴置台と乾燥容器の開口部端面との当接領域の全周にわたって両者のいずれかにシール部材を配設することが望ましい。このシール部材が介在することによって、載置台と前記開口端部との当接時に該シール部材の弾性変形を伴う密着作用で気密封止がなされる。従って、両者の当接部からの空気漏れは防止され、密閉容器は確実な密閉状態が得られるため、密閉容器内の減圧速度が向上し、到達圧力が低下する。なお、移動手段は、乾燥容器に対して載置台が相対的に付勢される設定とするのが望ましい。この付勢力によってシール部材に対して押圧力が作用するため、より確実な気密封止が行える。
載置台を乾燥容器開口端面に当接させる角度に保持するための手段としては、例えば載置台を回転又は揺動させる回転装置に、少なくとも1つの予め定められた角度位置で載置台を保持できる角度保持機構を備えればよい。
このような載置台と角度保持機構からなる密閉手段によれば、乾燥対象物を減圧位置に位置付ける載置台の相対移動と同時に乾燥容器の密閉が完了する。即ち、予備乾燥工程から減圧乾燥工程への移行が、乾燥対象物を減圧位置に位置付ける載置台の相対移動という実質1工程のみで完了する。
また、密閉手段として載置台とは別の密閉部材によって乾燥容器の密閉を完了させる構成とした場合、乾燥容器の開口端部への当接状態で乾燥対象物を減圧位置に収容させている載置台のみで密閉状態を得る必要がないため、載置台には水抜き穴が形成されているものを採用することが可能となる。水抜き穴は、少なくとも乾燥対象物が載置される投影領域内に1つ以上形成することによって、乾燥対象物と載置面との間に液体が溜まることなく排出され、予備乾燥を促進することができる。
このような別の密閉手段の構成としては、減圧位置にてその載置面が乾燥容器開口部の端面に当接状態にある載置台を間に挟んで前記開口部を密閉する密閉部材を、該密閉部材を前記開口部の密閉位置と乾燥容器に対して離反方向に対向する密閉手段退避位置との間で移動させる密閉部材移動手段を備えたものとするのが簡便である。この構成によれば、実質的に乾燥対象物の収容のための載置台の移動工程と、その直後の密閉部材移動手段による密閉部材の退避位置から密閉位置への移動工程のみで、ほぼ予備乾燥工程から減圧乾燥工程への移行が完了する。
なお、密閉部材移動手段による密閉部材の移動を、載置台の相対移動方向の延長線上とすることもでき、この場合、移動手段に部材が案内される直線状ガイドレールが用いられる場合、延長された同一ガイドレールを共有する構成として装置設計を簡略化することも可能である。
また、以上の別の密閉手段を備えた構成においても、載置台を密閉手段として利用する構成の場合と同様に、戴置台と乾燥容器の開口部端面との当接領域の全周にわたって両者のいずれかにシール部材を配設すること、及び移動手段が乾燥容器に対して載置台が相対的に付勢される設定とすることが望ましい。即ち、このシール部材の介在によって、載置台と前記開口端部との間に気密封止がなされ、両者の当接部からの空気漏れが防止され、密閉容器内の減圧速度向上と到達圧力低下が図れる。加えて、移動手段による付勢力によってシール部材に対する押圧力の作用が、より確実な気密封止をもたらす。
本発明の回転装置は、そのための角度保持機構として、例えばサーボモータ、ステッピングモータ、誘導モータ等の各種モータ、又は間欠割出装置を用いることによって、載置台を乾燥容器開口端面に当接させる所定角度に保持することが可能となる。
また、乾燥対象物が複雑な形態を備え、回転装置による回転、揺動時の遠心方向に閉じられた内部空間を有する場合、その内部空間に溜まった液体は、遠心力の作用で部材壁に押し付けられるだけで、回転および揺動では排出され難い場合もある。この場合、回転装置において、上記のような角度保持機構によって、乾燥対象物および載置台を適切な角度に傾斜された状態でも停止させることができるため、重力によって前記内部空間に溜まった液体をこぼして排出することができる。特に、間欠割出装置を用いて一定時間毎に回動、停止状態を繰り返すことによって、このような傾斜停止状態を複数の異なる角度で間欠的に得られるため、複数の内部空間が形成された場合の液体排出にも対応できる。
さらに、予備乾燥工程においてガス吹き出しによる乾燥を併用することで、より早く効率的な乾燥が可能となる。このためには、退避位置にある乾燥対象物に配向した乾燥ガス吹き出し口を有するガス吹き出し乾燥手段をさらに備えればよい。吹き出しガスとしては、エアで良いが、洗浄後の対象物に塵や汚れが付着することがないように、エアの供給は必要に応じてフィルタを介したものとする。
図1及び図2に従って、本発明の一実施例として、戴置台による密閉手段を備えた減圧乾燥機を説明する。本実施例では、減圧乾燥機本体の下部にフレーム11が設けられる。該フレーム11上の上部構造として、前方から載置台2と回転装置4、乾燥容器5、移動手段6、真空ポンプ7が設置され、これら上部構造を覆うカバー12がフレーム11に取り付けられる。本実施例においては、乾燥容器5が載置台2に対して近接及び離反方向に移動するものである。
また、本実施例の減圧乾燥機では、回転装置4は、主にサーボモータ41及び傘歯車機構42から構成されるものとした。乾燥対象物Wが載置固定される載置台2が、傘歯車機構42に歯合連結された回転軸とその対向位置に設置された回転継手43との間にアーム23を介して軸支されている。初期位置にて載置台2は水平に位置付けられる。載置台2は、サーボモータ41からの駆動力が伝達されて、その長手方向中心軸と平行な回転中心軸周りに回転する。載置台2には、乾燥対象物Wを固定するクランプ装置22が設けられている。
また、本実施例では、移動手段6によって載置台2に対して乾燥容器5が直線移動するものとした。移動手段6は、空気圧シリンダ62及び直線案内ガイド61から構成され、乾燥容器5は、空気圧シリンダ62のピストン運動によって、直線案内ガイド61により案内されて、載置台2に対して近接及び離反方向に水平移動する。
乾燥容器5は、回転装置4および載置台2の後方側に配設されている。この乾燥容器5は、内部に乾燥対象物Wを収容するための空間を有し、乾燥対象物Wが出入りする開口部51を備えている。この乾燥容器5の開口部51は、その開口部端面が鉛直面上に位置するように前方に開放している。この開口部51に対して、乾燥対象物Wを載置する面(以下、「載置面」と記す)が後ろ向きで鉛直面上になる角度に載置台2が保持された状態にて、乾燥容器5が前進することで戴置台2の載置面が乾燥容器5の開口部端面に付勢状態で当接して開口部51を塞ぎ、乾燥容器5を密閉することができる。この密閉と同時に乾燥対象物Wが内部に収容されて減圧位置に位置付けられることになる。乾燥容器内部に乾燥対象物Wを収容した密閉状態において減圧乾燥工程を行うことができる。
なお、乾燥容器5の開口部51は、乾燥対象物W、クランプ装置22およびそれらの付属品が通過することができる充分な大きさを有するものである。この開口部51が充分に大きいことにより、乾燥対象物Wが減圧位置と退避位置とにそれぞれ位置付けられる2位置間で乾燥容器5を移動する経路中において、乾燥対象物W、クランプ装置22およびそれらの付属品と乾燥容器5が互いに干渉しないため、機械部分を破損しない効果を奏する。
さらに、載置台2の乾燥容器5開口部端面との当接領域には、全周にわたって角断面溝が設けられ、この溝内にシール部材としてOリング3が配設されている。Oリングの材質には、ニトリルゴム、フッ素ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム等の合成ゴム若しくは天然ゴム、又は中空金属が用いられる。Oリングの弾性、及びガス遮断性により、戴置台2と開口部51の端面とが当接されたとき、乾燥容器5のより高い密閉性が得られる。このように、乾燥容器5の開口端面は、載置台2のOリングと当接するシール部52となるため、表面が平滑に仕上げられている。
また、乾燥容器5が、上記のような乾燥対象物が減圧位置にある減圧乾燥工程のための前方位置に移動される前の後方位置(乾燥対象物が待機位置)にある場合に、戴置台2はサーボモータ41の駆動により回転揺動され、予備乾燥工程を行うことができる。サーボモータ41は、位置決め機能を有するため、回転装置4は、戴置台2を乾燥容器5を密閉可能な角度位置、本実施例では載置面を鉛直面上、に保持することができる。
載置台2設けられたクランプ装置22は、戴置台2に固定された空気圧シリンダ22aと、リンク機構22bから構成されており、空気圧シリンダ22aによりリンク機構22bが駆動されて、乾燥対象物Wを載置台2上でクランプおよびアンクランプする。このように乾燥対象物Wがクランプ装置22によって載置台2上に確実に固定されることで、予備乾燥工程や減圧乾燥工程への移行時において乾燥対象物Wのがたつきが防がれ、クランプ装置22及び載置台2との衝突による乾燥対象物Wの損傷は回避される。
空気圧シリンダ22aを伸縮駆動させる圧縮空気給排のための2つの圧縮空気ポート口それぞれと回転継手43に設けられた2つの接続ポート口とを配管で接続する。減圧乾燥機1には圧縮空気導入口(不図示)と、方向切換弁(不図示)が設けられている。方向切換弁と回転継手43とを配管で接続する。コントローラーの指令により、方向切換弁を切り換えることにより、戴置台2に設けられた空気圧シリンダ22aが駆動し、クランプ装置22による乾燥対象物Wのクランプ及びアンクランプが自動で行われる。
本実施例における移動手段6は、図3に示すように、直線案内ガイド61として、減圧乾燥機1の本体後方に水平かつ前後方向に沿って平行に延設された2本の直線ガイドレール61aと、この直線ガイドレール61a上を摺動するガイドブロック61bとを備えたものである。乾燥容器5は、このガイドブロック61b上に固定されており、直線案内ガイド61によって前後方向に移動可能となっている。
移動手段6は、更に空気圧シリンダ62を備えている。空気圧シリンダ62のピストンロッド先端が、乾燥容器5の後面に連結されており、乾燥容器5は、空気圧シリンダ62のピストンロッドの移動により、乾燥対象物がそれぞれ退避位置と減圧位置とに来る前方位置と後方位置との区間を移動する。空気圧シリンダ62は機外に設けられた電磁式流路切替弁(不図示)を通じて、コントローラ(不図示)によりその伸縮駆動が制御される。
乾燥対象物Wを減圧位置に位置付ける前方位置に移動した際には、空気圧シリンダ62の推力によってピストンロッドを介して乾燥容器5が戴置台2へ向かって付勢される。この付勢力により、Oリング3が乾燥容器5の開口部端面からなるシール部52により押圧される。Oリングが弾性変形することにより、乾燥容器5と戴置台2とが密着する状態を得ることができ、両者の当接部では気密封止が成される。なお、本実施例における載置台2は、前記開口部端面との気密当接状態で乾燥容器5を完全に密閉し、減圧乾燥工程にて陰圧状態が保持できるように、空気漏れが生じるような穴や切欠などのない略板状のものである。
図4に従って、減圧乾燥機1の配管系について説明する。乾燥容器5には吸気口81と排気口82が設けられている。さらに吸気口81には真空破断弁83が、排気口82には排気弁85がそれぞれ設けられている。排気弁85と真空ポンプ7の吸気口との間に分岐を設け、分岐配管には吸気弁86を設ける。各弁は電磁弁を選択切り換えするコントローラにより自動制御される。
次に図3および図4に従って、本実施例による減圧乾燥機1の動作を説明する。まず、図3(a)に示すように、乾燥容器5が後方にあり、載置台2が乾燥容器5から離れている退避位置にあるときに、戴置台2を回転装置4によって初期位置に位置決めしておく。戴置台2に乾燥対象物Wを戴置し、クランプ装置22によって乾燥対象物Wを戴置台2上にクランプ固定する。
回転装置4を駆動し、戴置台2を回転又は揺動させることにより乾燥対象物Wに付着している余分な液分を振り飛ばす。振り飛ばす際には乾燥対象物Wの形状により、一定の角度で停止させたり、回転を逆転させたりすることで、内部空間に溜まった液体をこぼしながら、なるべく多くの水分を予め除去することができる。この時点では、真空破断弁83を閉、排気弁85を閉、吸気弁86を開の状態としておく。
次に、図3(b)に示すように、戴置台2で乾燥容器5を密閉するため、載置台2をその載置面が鉛直面上に位置しかつ乾燥対象物が後方を向く角度で位置決めする。そして図3(c)に示すように、乾燥容器5を、乾燥対象物Wが減圧位置となる前方位置に移動させることにより、開口部51の開口部端面のシール部52が戴置台2の外寄り周囲領域に当接状態となると同時に乾燥対象物Wの乾燥容器5内における減圧位置への収容が完了する。開口部51の端部は、載置台2の載置面の当接によって、該当接領域に設けられたOリング3が押圧されて気密封止状態が得られ、乾燥容器5は密閉される。
ここで、真空ポンプ7を回転し、排気弁85を開き、吸気弁86を閉じることで乾燥容器5内より排気減圧が行われる。乾燥容器5内の圧力が液体の蒸気圧を下回ると乾燥対象物Wに残留した液体が沸騰し、蒸発することにより、乾燥する。
乾燥が終了すると、吸気弁86を開け、排気弁85を閉じ真空ポンプ7を停止する。これにより、乾燥容器5からの排気減圧が停止する。次いで真空破断弁83を開くと、乾燥容器5内が大気圧に解放される。
さらに、乾燥容器5を退避位置に後退させ、戴置台2を乾燥対象物W取り出し位置に位置決めする。最後にクランプ装置22を駆動してリンク機構22bによるクランプを開放することにより、乾燥対象物Wが取り出し可能状態となる。
なお、戴置台2の回転装置は、サーボモータ41に替えて、ステッピングモータ、誘導モータと間欠割出装置の組合せ、又は、ブレーキ付誘導モータと回転角度検知装置に変更することができる。間欠割出装置としては、ローラギヤカム、パラレルカム、バレルカムの各形式の複合カム装置を利用できる。
また、戴置台2が乾燥容器5を密閉するための角度は垂直向きに限らず、水平位置でも傾斜した位置でも良い。開口部51が退避位置で上向きとなる場合には、開口部に乾燥対象物Wから排出される液が侵入しないように、開口部に遮蔽板を設けることができる。
なお、以上の実施例では、乾燥対象物Wを固定するクランプ装置22として、圧縮性流体である圧縮空気を駆動源とした空気圧シリンダ22aによる自動クランプ方式を利用したが、非圧縮流体である作動油を駆動源とする油圧シリンダによる自動クランプ装置も利用できる。リンク式クランプに替えてスイングクランプを利用することもできる。もちろん、トグルクランプ、バイス、ねじ式ハンドル、ボルトなどの各種手動式クランプを利用することも可能である。
また、Oリングの取付け溝は一体溝を用いているが、分割溝を用いても良い。また、シール部材はOリングに替えて、ゴムチューブ、ゴム板に変更することが可能である。
乾燥容器5の移動のための移動手段6としては、圧縮流体である圧縮空気を駆動源とした空気圧シリンダ62を用いたが、これに替えて、非圧縮性流体である油圧シリンダ、電動シリンダもが用できる。これらのシリンダに替えて、交流モータ、直流モータ、リンク機構、パンタグラフ機構も利用できる。
本実施例では、乾燥容器の移動に直線案内ガイドを用いたが、曲線ガイド、ボールスプライン、又はカムフォロアと溝により案内する機構を採用することもできる。
図5を参照して、本発明の他の一実施例による減圧乾燥機として、実施例1の減圧乾燥機にガス吹き出し乾燥手段9を更に設けた減圧乾燥機を以下に示す。その他の基本構成はほぼ実施例1と共通し、各共通部分の符号は図1〜3の符号と同一とした。即ち、本実施例の減圧乾燥機は、実施例1と同様に、戴置台2は、サーボモータ41により水平回転軸周りに回転するものであると共に、戴置台面が鉛直面上にある状態で乾燥容器5の開口部51を密閉するものである。そして乾燥容器5は空気圧シリンダ62により水平方向に前後移動する。またパッキンとしてOリング3が戴置台2に設けられている。
本実施例において設けられたガス吹き出し乾燥手段9は、乾燥容器5の周囲に設けられたエアブロパイプ91と該エアブロパイプ91に連通する複数個のエアブロノズル92を備えたものである。
エアブロノズル92は、退避位置にある乾燥対象物Wに配向した乾燥ガス吹き出し口である。このエアブロノズル92は乾燥対象物Wを戴置した戴置台2を回転させた場合に、戴置台2、クランプ装置22及び乾燥対象物Wと干渉しない位置に取付けられる。エアブロノズル92の形状は、パイプ式、箒状、スリット式等、様々なものを用いることができる。エアブロノズル92へ導入する乾燥ガスは乾燥圧縮空気または図示しない送風機による低圧大流量の乾燥空気を用いることができる。
乾燥空気の送風、送風停止は電磁弁(不図示)を使用することで、コントローラ(不図示)による自動制御が可能となる。
本実施例による減圧乾燥機の動作は以下の通りである。まず、図5(a)に示すように、実施例1と同様に、乾燥対象物Wを戴置台2に載せ、クランプ装置22でクランプさせ、回転装置4の駆動により載置台2と共に乾燥対象物Wを回転又は揺動させる。このときに、乾燥容器5周囲に取付けたエアブロノズル92から乾燥空気を噴射することによって、予備乾燥工程にガス吹き付け乾燥を加える。
本実施例によれば、乾燥対象物Wは、回転しながら乾燥空気の空気流に触れるため、乾燥空気と乾燥対象物は液体を交換する。このため、本実施例では、減圧乾燥を行う前の段階において、実施例1に比較してより液体の滞留の少ない乾燥対象物Wを得ることができる。
十分に予備乾燥させた後、図5(b)に示すように、戴置台2を載置面が鉛直面上でかつ、乾燥対象物Wが後方向きとなる角度に位置決めされる。エアブロノズル92から噴射される乾燥空気を遮断する。その後、図5(c)に示すように、乾燥容器5を前方の乾燥位置まで移動させ、乾燥対象物を乾燥容器5内に収容すると同時に戴置台2で乾燥容器5の開口部51を密閉する。真空ポンプ7により、戴置台2によって密閉された乾燥容器5から空気を排気して、減圧乾燥を行う。他の構成、動作は実施例1と同様である。
なお、本実施例では、エアブロノズル92を乾燥容器5に固定したエアブロパイプ91に配置したが、減圧乾燥機1本体に固定しても良い。また、戴置台2に固定しても良い。戴置台2にエアブロノズル92を設ける場合には、乾燥容器5の開口部51がエアブロノズル92を通過できるサイズとする。
図6を参照して、本発明の第3の実施例として、載置台2Aとは別の密閉部材からなる密閉手段を備えた減圧乾燥機を以下に説明する。本実施例による減圧乾燥機においては、水抜き穴21が形成された載置台2Aを備え、載置台2Aとは別の密閉部材95が密閉手段94として装備されたものであり、その他の基本構成は実施例1と共通し、各共通部分は図1、2、3の符号と同一とした。
本実施例は、実施例1と同様に、載置台2Aはサーボモータ41により水平回転軸回りに回転するものである(図2参照)と共に、乾燥容器5は移動手段6の空気圧シリンダ62により水平方向に沿って前後に移動するものである。従って、載置台2Aの載置面が鉛直面上にある状態で移動手段6により乾燥容器5を移動させることによって、該載置面が乾燥容器5の開口部51に当接状態になると同時に乾燥対象物Wの減圧位置への収容が完了するものである。そして、乾燥容器5の開口部51の端面には全周にわたって溝が形成されており、その溝内にシール部材としてOリング3Aを配設した。
乾燥容器5の移動手段6は、空気圧シリンダ62及び直線案内ガイド61から構成され、直線案内ガイド61として、減圧乾燥機1の本体後方に水平かつ前後方向に延設された直線ガイドレール61aと、該直線ガイドレール61a上を摺動するガイドブロック61bとを備えたものである。乾燥容器5は、ガイドブロック61bの上部に固定されると共に空気圧シリンダ62のピストンロッドの先端に後面が連結されており、ピストンロッドの往復運動によって、ガイドブロック61bが直線ガイドレール61aに沿って前後方向に摺動しながら乾燥対象物Wの退避位置と減圧位置に対応する2位置間を移動可能となっている。
本実施例における密閉手段94としては、開口部96を備えた椀様の凹形状部材からなる密閉部材95と、該密閉部材95を前方の密閉部材退避位置と後方寄りの密閉位置との間で水平方向に前後移動させる密閉部材移動手段97とからなる。密閉部材95は、密閉位置において、その開口部96の端面で乾燥容器5の開口部51の端面に対向方向から載置面が鉛直面上となった載置台2Aを挟んだ状態で全周にわたって当接することで乾燥容器5を密閉する。密閉部材95は、この密閉状態にて、密閉部材95の凹形状内部に載置台2Aの裏面に付属する部品類が全て収まる寸法設計となっている。
密閉部材移動手段97は、ガイド部98と空気圧シリンダ99から構成され、ガイド部98は、延長された直線ガイドレール61a上を摺動するガイドブロック98bを備えており、このガイドブロック98bの上部に密閉部材95が固定されていると共に空気圧シリンダ99のピストンロッドの先端が密閉部材95の背面に固定されている。従って、該ピストンロッドの往復運動によって、ガイドブロック98bが直線ガイドレール61aに沿って前後方向に摺動しながら密閉部材95はその退避位置と密閉位置との間を移動可能となっている。
本実施例においては、乾燥容器5の移動用の直線ガイドレール61aを密閉部材95の移動用ガイドレールとして兼用する構成としたことにより、別のガイドレールを設ける場合より装置構成を簡略化でき、また乾燥容器5と密閉部材95の移動を同一直線上にできるため、両者の位置合わせも簡便となる。
以上のように、本実施例によれば、密閉部材95が載置台2Aの外周領域を挟んで乾燥容器5の開口部51を密閉するため、載置台2Aに水抜き穴21が形成されていても密閉状態に何ら影響はない。この水抜き穴によって、乾燥対象物と載置面との間に液体が滞留することなく良好に排出されるため、予備乾燥が促進される。また、実施例2のように、予備乾燥工程にガス吹き付け乾燥を併用する場合には、該水抜き穴を介して載置台2Aの裏面側からも乾燥対象物Wに乾燥ガスを吹き付けることができるため、さらに予備乾燥の促進に寄与する。
また、載置台2Aの裏面に当接する密閉部材95の開口部96の端面にも、全周にわたって溝を形成し、シール部材としてのOリング3Bを配設した。一方、空気圧シリンダ97は、密閉部材95を密閉位置にて載置台2Aに対して付勢するものとする。この付勢力によって、Oリング3Bは弾性変形しつつ載置台2Aの裏面に全周にわたって密着し、密閉部材95との開口部端面との間が確実に気密封止され、結果として該載置台2Aを挟んだ対向位置の乾燥容器5の開口部51に対する完全な密閉状態が得られる。
次に図6に従って、本実施例による減圧乾燥機の動作を説明する。まず、図6(a)に示すように、乾燥容器5が後方寄りで載置台2Aが乾燥容器から離れている退避位置にあると共に密閉部材95が前方の退避位置にあるときに、戴置台2Aを回転装置によって初期位置に位置決めしておく。戴置台2Aの載置面に乾燥対象物Wを戴置し、クランプ装置によって乾燥対象物Wを戴置台2A上にクランプ固定する。回転装置を駆動し、戴置台2Aを回転、又は揺動させることにより乾燥対象物Wに付着している余分な液分を振り飛ばして予備乾燥を行う。このとき、乾燥対象物Wと載置面との間の液体は水抜き穴21から排出される。
予備乾燥の後、図6(b)に示すように、載置台2Aをその載置面が鉛直面上に位置しかつ乾燥対象物が後方を向く角度で位置決めする。そして図6(c)に示すように、乾燥容器5を前方位置に移動させることにより、開口部51のOリング3Aが配設された開口部端面が載置面の外寄り周囲領域に付勢され、当接されると共に、乾燥対象物Wの乾燥容器5内における減圧位置への収容が完了する。この乾燥容器5と対向する密閉部材退避位置から載置台2Aの裏面に対して密閉部材95が移動して当接状態となることによって該当接領域に設けられたOリング3Bを押圧した密着状態が得られ、載置台2Aを挟んで乾燥容器の開口部51に対する密閉状態が得られる。
以上の密閉が完了した状態にて、真空ポンプ7を回転し、排気弁85を開き、吸気弁86を閉じることで乾燥容器5内より排気減圧が行われる。乾燥容器5内の圧力が液体の蒸気圧を下回ると乾燥対象物Wに残留した液体が沸騰し、蒸発することにより、乾燥する。
減圧乾燥工程が終了した後に、乾燥容器5を載置台2Aから離反する後方へ移動させ、また密閉部材95を前方の退避位置へ移動させる。載置台2Aは回転装置によって回転され、初期位置へ戻される。
なお、減圧乾燥時の載置台の姿勢は、載置面が鉛直面上となる角度の場合に限られるものではなく、乾燥容器の開口部端面の角度に応じて該端面に当接できる任意の角度に変更可能である。また、密閉部材移動手段97は、その設置空間および周囲の構造に応じて、本実施例の構成に限定されることなく様々な形式に変更可能であることは言うまでもない。
1 減圧乾燥機
11 フレーム
12 カバー
2,2A 戴置台
21 水抜き穴
22 クランプ装置
22a 空気圧シリンダ
22b リンク機構
23 アーム
3,3A,3B Oリング
4 回転装置
41 サーボモータ
42 傘歯車機構
43 回転継手
5 乾燥容器
51 開口部
52 シール部
6 移動手段
61 直線案内ガイド
61a ガイドレール
61b ガイドブロック
62 空気圧シリンダ
7 真空ポンプ
81 吸気口
82 排気口
83 真空破断弁
85 排気弁
86 吸気弁
9 ガス吹き出し乾燥手段
91 エアブロパイプ
92 エアブロノズル
94 密閉手段
95 密閉部材
96 開口部
97 密閉部材移動手段
98 ガイド部
98b ガイドブロック
99 空気圧シリンダ
W 乾燥対象物

Claims (7)

  1. 乾燥対象物を内部に収容し、乾燥対象物が出入りする開口部を有する密閉可能な乾燥容器と、該乾燥容器内を減圧排気するポンプ装置とを備えた減圧乾燥機であって、
    乾燥対象物が戴置固定される戴置台と、
    該載置台を前記乾燥容器に対して相対移動させて前記載置台に固定された前記乾燥対象物を前記乾燥容器の外側の退避位置と乾燥容器内の減圧位置とに切換え可能に位置付ける移動手段と、
    前記乾燥対象物が退避位置に位置付けられている前記載置台を回転させると共に、少なくとも1つの予め定められた角度で前記載置台を位置決め保持する回転装置と、
    前記乾燥対象物が減圧位置に位置付けられている乾燥容器に対して、前記開口部を密閉する密閉手段と、を備え、
    前記回転装置により前記角度に保持された前記戴置台の前記減圧位置への移動によって、前記載置台の載置面が前記開口部の端面に当接状態となると同時に前記乾燥対象物の乾燥容器内の減圧位置への収容が完了することを特徴とする減圧乾燥機。
  2. 前記密閉手段は、前記開口部の端面に当接状態で該開口部を塞ぐ載置台を含むことを特徴とする請求項1に記載の減圧乾燥機。
  3. 前記戴置台と乾燥容器の開口部端面との当接領域の全周にわたって両者のいずれかに配設されたシール部材を有することを特徴とする請求項2に記載の減圧乾燥機。
  4. 前記密閉手段は、前記減圧位置にてその載置面が前記乾燥容器の開口部の端面に当接状態にある前記載置台を間に挟んで該開口部を密閉する密閉部材と、
    該密閉部材を前記開口部の密閉位置と乾燥容器に対して離反方向に対向する密閉手段退避位置との間で移動させる密閉部材移動手段と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の減圧乾燥機。
  5. 前記回転装置がサーボモータを備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の減圧乾燥機。
  6. 前記回転装置が間欠割出装置を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の減圧乾燥機。
  7. 前記退避位置にある乾燥対象物に配向した乾燥ガス吹き出し口を有するガス吹き出し乾燥手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の減圧乾燥機。
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