JP6125226B2 - 導電性カーボン分散液、導電性塗料組成物及び導電性部材 - Google Patents

導電性カーボン分散液、導電性塗料組成物及び導電性部材 Download PDF

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Description

本発明は、導電性カーボン分散液、この分散液を用いた導電性塗料組成物、及びこの塗料組成物により形成された導電性塗膜を有する導電性部材に関する。
カーボンナノチューブ(以下、「CNT」と記載する。)は、電子源、導電膜及び電池等における幅広い応用が考えられており、それら応用のためには、CNTを高濃度でポリマー中に分散させることが望ましい。CNTをポリマー中に分散させる方法としては、例えば、CNTを有機溶媒等に分散させ、この分散溶液をポリマーと混練した後に、有機溶媒を除去する等の方法が用いられている。
しかしながら、CNTは、単独では、ポリマーや有機溶媒に分散しにくいという欠点を有しているため、これまで採用されているいずれの方法でも、CNTを高濃度で安定的且つ均一にポリマー中に分散させることは困難となっている。これは、CNT相互の凝集力(ファンデルワールス力)によって、CNTが束状及び縄状に凝集してしまう性質を有するためである。それゆえ、CNTが特異で有用な性質(優れた導電性、熱伝導性、力学特性等)を有するにもかかわらず、CNTを均一に分散したポリマー系ナノコンポジット等を製造することは極めて困難であり、各分野への用途に対する大きな障壁となっている。
このような障壁を取り除くため、これまでにもCNTを安定的且つ均一に分散させる方法が種々試みられている。
例えば、重縮合系の芳香族系界面活性剤を使用して、CNTを水に分散させる方法が提案されている(特許文献1を参照)。しかしながら、特許文献1の方法では、多量の分散剤を使用するため、ポリマーと混練した場合、ポリマーの物性に悪影響を与えやすい。さらに、ポリマー樹脂を混練し、貯蔵安定性のある塗料形態とするには、水溶性ポリマー、若しくはエマルジョン形態である必要があり、使用できるポリマー成分に制約がある。
また、CNTの表面を酸で酸化し、生成したカルボキシル基とアルコールを反応させ、アルキルエステル化する方法が提案されている(特許文献2を参照)。しかしながら、特許文献2の方法は、CNTを表面修飾する工程を有するため、煩雑であり、また、酸処理はCNT表面の構造を部分的に破壊するため、CNT本来の特性を損なう恐れがあり好ましくない。
特開2005−263608号公報 特開2005−133062号公報 特開2009−196877号公報
ところで、シリコーン樹脂は撥水性、耐熱性に優れた樹脂であり、また、導電性を有するシリコーンは、電極接点、導電ロール、電磁波シールド材等に用いられる。
ここで、導電性を有するシリコーンを製造する際に、CNTのような導電性カーボンを導電性充填剤として用いれば、少量の配合量で高導電性の発現が期待できる。例えば、CNTを分散させたシリコーン樹脂をコーティング材料とするために、CNTを有機溶媒へ分散させた後に、この分散液にシリコーン樹脂を溶解させる手法が考えられる。このとき、シリコーン樹脂を溶解できる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、シリコーンオイル等が挙げられる。しかし、上述した溶媒はCNTとの親和性が高いため、これらの溶媒中では該溶媒分子がCNTへ選択的に吸着することで、CNTを再凝集させやすい。さらに、上述した溶媒中でのCNTの分散状態を長期間安定に保つことのできる分散剤も少なく、上述した溶媒へのCNTの分散は、その他の溶媒へのCNTの分散と比べて一層困難であった。
これに対して、CNTをトルエン等の有機溶媒に分散させる手法として、CNT表面にタンパク質を吸着させ、さらに当該タンパク質に界面活性剤の親水部分を結合させたものを有機溶媒に分散させることで、CNTが有機溶媒に均一に分散した分散液を製造する方法が開示されている(例えば、特許文献3を参照)。
しかしながら、特許文献3の方法では、有機溶媒中のCNT濃度は0.1%以下と低く、タンパク質はその分子構造中に窒素原子やリン原子を含むため、白金を触媒としたシリコーン樹脂のヒドロシリル化架橋反応を行う場合、白金触媒が失活し、十分に架橋反応が進行しないという欠点があった。このため、シリコーンのヒドロシリル化反応を阻害しない分散剤を用いた高濃度のCNT分散液が希求されていた。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、CNTのような導電性カーボンを高濃度で安定的且つ均一に溶媒中に分散させることが可能であり、且つ、白金触媒を用いたヒドロシリル化反応を阻害する成分を含まない導電性カーボン分散液、この分散液を用いた導電性塗料組成物、及びこの塗料組成物により形成された導電性塗膜を有する導電性部材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、導電性カーボンを分散させる溶媒として低分子シリコーン溶媒を用い、且つ、分散剤として(メタ)アクリレート/シリコーンコポリマーを用いることにより、白金触媒を用いたヒドロシリル化反応を阻害せずに、導電性カーボンを高濃度で安定的且つ均一に溶媒中に分散させることができることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、導電性カーボンと、Siの原子数が4以上である環状シロキサン及びSiの原子数が4以上である鎖状シリコーンからなる群より選択されるシリコーン溶媒と、前記導電性カーボンを前記シリコーン溶媒中へ分散させるための分散剤として(メタ)アクリレート/シリコーンコポリマーと、を含有する、導電性カーボン分散液が提供される。
前記(メタ)アクリレート/シリコーンコポリマーが、1質量%以上97質量%以下の下記構成単位(1)と、2質量%以上60質量%以下の下記構成単位(2)と、からなることが好ましい。
(前記構成単位(1)及び(2)において、R〜Rは互いに独立に炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基及びフッ素置換アルキル基からなる群より互いに独立に選択される基であり、R及びRは互いに独立に水素又はメチル基であり、Rはアルキレンオキシカルボニル基(炭素数2〜11)又はフェニレン基であり、Rは炭素数1〜30のアルキル基であり、(メタ)アクリレート/シリコーンコポリマーの重量平均分子量が5,000〜200,000である。)
この場合に、前記(メタ)アクリレート/シリコーンコポリマーが、前記構成単位(2)を繰り返し単位として有する(メタ)アクリルポリマーを幹ポリマーとして有し、前記構成単位(1)で表されるシリコーンを枝ポリマーとして有するグラフトコポリマーであることが好ましい。
前記シリコーン溶媒が、沸点250℃以下のシリコーンオイルであることが好ましい。
前記導電性カーボンが、カーボンナノチューブであることが好ましい。
この場合に、前記導電性カーボンのメディアン径が、10μm以下であることが好ましい。
前記分散剤が、前記導電性カーボン100質量部に対して50質量部以上500質量部以下含有されていることが好ましい。
さらに、前記分散剤が、前記導電性カーボン100質量部に対して75質量部以上150質量部以下含有されていることが好ましい。
前記分散液中の前記導電性カーボンの濃度が、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
さらに、前記分散液中の前記導電性カーボンの濃度が、1質量%以上3質量%以下であることが好ましい。
また、本発明によれば、前述した導電性カーボン分散液にシリコーン樹脂を溶解させた、導電性塗料組成物が提供される。
前記シリコーン樹脂が、ポリジメチルシロキサンであってもよい。
塗料粘度が、1000mPa・s以下であることが好ましい。
前記シリコーン樹脂をヒドロシリル化反応により架橋する架橋剤を更に含有していてもよい。
また、本発明によれば、基材表面に、前述した導電性塗料組成物により形成された導電性塗膜を有する、導電性部材が提供される。
前記導電性塗膜の体積抵抗率が、10Ω・cm以下であることが好ましい。
前記導電性塗膜の算術平均粗さ(Ra)が、10μm以下であることが好ましい。
前記導電性塗膜のデュロメータ硬さが、40以下であることが好ましい。
本発明によれば、導電性カーボンを分散させる溶媒として低分子シリコーン溶媒を用い、且つ、分散剤として(メタ)アクリレート/シリコーンコポリマーを用いることにより、CNTのような導電性カーボンを高濃度で安定的且つ均一に溶媒中に分散させることが可能であり、且つ、白金触媒を用いたヒドロシリル化反応を阻害する成分を含まない導電性カーボン分散液、この分散液を用いた導電性塗料組成物、及びこの塗料組成物により形成された導電性塗膜を有する導電性部材を提供することが可能となる。
(a)は、実施例1のCNT分散液の24時間静置後の状態を観察した光学顕微鏡写真(50倍)であり、(b)は、実施例1のCNT分散液の24時間静置後の状態を観察したTEM写真(200倍)である。 (a)は、実施例6の導電性塗膜中の凝集塊の有無を観察した電子顕微鏡写真であり、(b)は、比較例7の導電性塗膜中の凝集塊の有無を観察した電子顕微鏡写真である。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
なお、本発明に係る導電性カーボン分散液、導電性塗料組成物及び導電性部材については、以下の順序で説明する。
1 導電性カーボン分散液の組成
2 導電性カーボン分散液の製造方法
3 導電性塗料組成物の組成
4 導電性塗料組成物の製造方法
5 導電性塗料組成物の作用効果
6 導電性部材の構造
7 導電性部材の製造方法
8 導電性部材の作用効果
9 導電性部材の用途
≪導電性カーボン分散液の組成≫
本発明における導電性カーボン分散液は、CNT等の導電性カーボンがシリコーン溶媒中に均一に分散した溶液である。ここで、本発明における分散の均一性とは、50メッシュのフィルタを用いてろ過した場合に凝集物がなく、遠心分離を行った場合に沈殿物がない状態をいう。また、導電性カーボンがシリコーン溶媒中に分散した溶液であることを判別するための遠心分離の条件としては、遠心加速度を5000(×g)、処理時間を1時間程度とすることが好ましい。以上のような導電性カーボン分散液は、導電性カーボンと、導電性カーボンが分散されるシリコーン溶媒と、導電性カーボンをシリコーン溶媒に分散させるための分散剤と、を主に含有する。以下、各成分について順に説明する。
<導電性カーボン>
本発明に係る導電性カーボンとしては、導電性を有するカーボンであれば特に限定はされないが、例えば、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ、カーボンナノホーン、フラーレン等のナノカーボンや、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、グラフェン、黒鉛等が挙げられる。これらのうち、本発明に係る導電性カーボンとしては、導電性、熱伝導性及び機械的強度が高いことから、CNTが好ましい。
(カーボンナノチューブ)
本発明で用いられるCNTとしては、グラフェンが単層のもの(単層カーボンナノチューブ、「SWNT」と呼ばれる。)から多層のもの(多層カーボンナノチューブ、「MWNT」と呼ばれる。)まで、目的に応じて使用することができる。本発明においては、MWNTが好ましく用いられる。用いるCNTの製造方法としては、特に制限されるものではなく、触媒を用いる熱分解法(気相成長法と類似の方法)、アーク放電法、レーザ蒸発法、HiPco法(High−pressure carbon monoxide process)及びCVD法(Chemical Vapor Deposition)等、従来公知のいずれの製造方法を用いても構わない。
(導電性カーボンの粒度分布)
上述した導電性カーボンのメディアン径(「D50」又は「50%粒子径」とも呼ばれる。)は、10μm以下であることが好ましく、7μm以下であることがより好ましく、5μm以下であることが更に好ましく、3μm以下であることが特に好ましい。導電性カーボンの粒度分布を前記範囲とすることにより、導電性カーボンをシリコーン溶媒中へより高濃度で安定的且つ均一に分散させることができる。ここで、本発明に係る導電性カーボンのメディアン径の値としては、レーザ回折式粒度分布測定装置(例えば、島津製 SALD−7000H)を用い、屈折率1.65、虚部1.0にて測定した値を使用することとする。
(導電性カーボンの濃度)
また、本発明に係る導電性カーボン分散液中への導電性カーボンの濃度は、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。導電性カーボンの濃度が0.1質量%未満であると、導電性カーボンの添加効果、すなわち、導電性、熱伝導性、後述する熱伝導性塗膜の機械的強度の向上効果が十分に得られないおそれがある。一方、導電性カーボンの濃度が10質量%を超えると、導電性カーボンをシリコーン溶媒中へ安定的且つ均一に分散させることが困難となるおそれがある。導電性カーボンの添加効果をより高め、シリコーン溶媒中への分散性をより高めるという観点から、導電性カーボンの濃度は、1質量%以上3質量%以下であることがより好ましい。
<シリコーン溶媒>
本発明に係るシリコーン溶媒は、Siの原子数が4以上である環状シロキサン及びSiの原子数が4以上である鎖状シリコーンからなる群より選択される、常温・常圧(25℃・1気圧)で液状のシリコーンである。このようなシリコーン溶媒を使用することで、導電性カーボンを良好に分散させることができる。ここで、Siの原子数が6を超えると、シリコーン溶媒の粘性が高すぎるため、導電性カーボンの分散性が低下するおそれがあることから、本発明に係るシリコーン溶媒のSiの原子数は6以下であることが好ましい。また、導電性カーボンの分散性の向上を重視した場合には、シリコーン溶媒として、鎖状シリコーンよりも環状シロキサンを用いることが好ましい。さらに、コストが問題でなければ、シリコーン溶媒として変性シリコーンを使用してもよい。
また、前記シリコーン溶媒は、沸点が250℃以下のシリコーンオイルであることが好ましい。シリコーン溶媒の沸点が250℃を超えると、導電性カーボン分散液を含む導電性塗料組成物を基材に塗布して導電性塗膜を形成させる際に、シリコーン溶媒を完全に乾燥させることができず、塗膜中にシリコーン溶媒が残存したり、当該溶媒の乾燥に長時間を要したり、更には当該溶媒の乾燥に要する熱量も多く必要となる等のおそれがある。シリコーンオイルの沸点は、例えば、DSC(示差走査熱量分析装置)等を用いて測定することができる。このようなシリコーンオイルとしては、例えば、ポリジメチルシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、メチルフェニルシリコーン、アラルキル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン等がある。
<分散剤>
本発明では、導電性カーボンをシリコーン溶媒中へ分散させるための分散剤として、(メタ)アクリレート/シリコーンコポリマーを使用する。ここで、「(メタ)アクリレート/シリコーンコポリマー」とは、(メタ)アクリルポリマーとシリコーンとが共重合したコポリマーである。この(メタ)アクリレート/シリコーンコポリマーの共重合の形態は、グラフト共重合、ブロック共重合、ランダム共重合等、特に制限されるものではないが、本発明に係る分散剤としては、(メタ)アクリルポリマーを幹ポリマーとして有し、シリコーンを枝ポリマーとして有するグラフトコポリマーを使用することが好ましい。このような構造の分散剤を用いることで、導電性カーボンをシリコーン溶媒中に高濃度で安定的且つ均一に分散させることができる。また、本発明に係る分散剤は、窒素(N)原子やリン(P)原子を含有していないため、白金を触媒としたシリコーン樹脂のヒドロシリル化架橋反応を阻害することもない。
なお、「(メタ)アクリレート」との表現は、「アクリレート」及び「メタクリレート」の双方を含むことを意味するものである。
(分散剤の構造)
本発明に係る分散剤は、特に、1質量%以上97質量%以下の下記構成単位(1)と、2質量%以上60質量%以下の下記構成単位(2)と、からなる(メタ)アクリレート/シリコーンコポリマーであることが好ましい。
[前記構成単位(1)及び(2)において、R〜Rは、互いに独立に、炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基及びフッ素置換されたアルキル基からなる群より選択される基であり、R及びRは、互いに独立に水素又はメチル基であり、Rは、炭素数2〜11のアルキレンオキシカルボニル基又はフェニレン基であり、Rは、炭素数1〜30のアルキル基である。]
また、構成単位(1)及び(2)からなる(メタ)アクリレート/シリコーンコポリマーの重量平均分子量(GPCによるポリスチレン換算の分子量)は、5,000以上200,000以下であることが好ましい。重量平均分子量が5,000未満であると、シリコーン鎖とCNTとの間のファンデアワールス力が小さくなり分散安定性の低下のおそれがある。一方、重量平均分子量が200,000を超えると、分散剤がシリコーン溶媒中に溶解し難くなるおそれがある。(メタ)アクリレート/シリコーンコポリマーの重量平均分子量は、ゲルパーミエ―ションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、ポリスチレン換算値として測定することができる。
さらに、前記(メタ)アクリレート/シリコーンコポリマーが、構成単位(2)が結合した(メタ)アクリルポリマーを幹ポリマーとして有し、構成単位(1)で表されるシリコーンを枝ポリマーとして有するグラフトコポリマーを分散剤として用いることが好ましい。この理由は明らかではないが、本発明者らは以下のように推測している。構成単位(1)は、その構造上CNT等の導電性カーボンと親和性が良く、構成単位(2)は、その構造上シリコーン溶媒と親和性が良い。従って、アクリレート/シリコーンコポリマーが界面活性剤のような役割を果たし、シリコーン溶媒中で、導電性カーボンと親和性が良い主鎖のアクリレートを内側、シリコーン溶媒と親和性が良い側鎖のシリコーンをシリコーン溶媒側にしたミセルを形成すると考えられる。その結果、このミセルがシリコーン溶媒中に乳化又は可溶化されたような状態となり、導電性カーボンがシリコーン溶媒中に良好に分散するようになるものと推測される。
また、本発明では、導電性カーボンのシリコーン溶媒中への分散性をより高めるために、構成単位(2)が結合した(メタ)アクリルポリマーのうち、アクリル酸アルキルポリマーを選択することが特に好ましく、構成単位(1)で表されるシリコーンのうち、ジメチコン(ジメチルポリシロキサン)を選択することが好ましい。
(分散剤の含有量)
前述した分散剤は、導電性カーボン100質量部に対して50質量部以上500質量部以下含有されていることが好ましい。分散剤の含有量が50質量部未満であると、導電性カーボンをシリコーン溶媒中により高濃度で安定的且つ均一に分散させることが困難となる場合がある。一方、分散剤の含有量が500質量部を超えると、分散剤自体がシリコーン溶媒へ溶解し難くなるおそれがある。シリコーン溶媒中への分散性をより高めるという観点から、分散剤の含有量は、75質量部以上150質量部以下であることがより好ましい。
<その他の添加剤>
本発明に係る導電性カーボン分散液には、前述した導電性カーボン、シリコーン溶媒及び分散剤の添加効果を阻害しない範囲で、他の添加剤が添加されていてもよい。このような添加剤としては、例えば、分散安定剤、レベリング剤、粘度調整剤等がある。
<分散液の粘度>
本発明に係る導電性カーボン分散液は、粘度が10mPa・s以上10000mPa・s以下であることが好ましい。粘度が前記範囲を外れる場合には、導電性塗料組成物の塗料粘度を後述するような適切な範囲とすることができない。なお、導電性カーボン分散液の粘度は、25℃で測定した値であり、粘度計(例えば、ブルックフィールド社製 B型粘度計)を用いて測定することができる。
≪導電性カーボン分散液の製造方法≫
以上、本発明に係る導電性カーボン分散液の組成について詳細に説明したが、続いて、前述した導電性カーボン分散液の製造方法について説明する。
まず、シリコーン溶媒中に分散剤を添加して完全に溶解させた後に、CNT等の導電性カーボンを添加する。導電性カーボンの添加の際には、該導電性カーボンをシリコーン溶媒中に均一に分散させるために、例えば、超音波照射下で少量ずつ添加することが好ましい。導電性カーボンの添加後、溶液に超音波照射を数時間行い、50メッシュのフィルタを用いてろ過することにより、本発明に係る導電性カーボン分散液を得ることができる。なお、上記方法において、超音波照射の代わりに、ボールミルやビーズミル等のメディアによる分散方法を用いてもよい。また、使用できる導電性カーボン、シリコーン溶媒、分散剤の種類やそれらの添加量については前述した通りである。
ここで、本発明に係る導電性カーボン分散液に使用する分散剤の合成法について説明する。この分散剤としては、市販されているものを用いてもよいが、合成する場合には、例えば、以下のようにして合成することができる。以下では、分散剤として、前述した1質量%以上97質量%以下の下記構成単位(1)と、2質量%以上60質量%以下の下記構成単位(2)と、からなる(メタ)アクリレート/シリコーンコポリマーを使用する場合を例に挙げて説明する。
前記(メタ)アクリレート/シリコーンコポリマーは、例えば、構成単位(1)に誘導されるオルガノポリシロキサン化合物と、構成単位(2)に誘導される(メタ)アクリル系モノマーとを共重合させることにより得ることができる。好ましくは、製造及び分子設計を容易にするという観点から、下記一般式(3)で表されるラジカル重合性基を有するオルガノポリシロキサン化合物と、下記一般式(4)で表される(メタ)アクリル系モノマーとを共重合させるいわゆるマクロモノマー法が用いられる。
[前記式(3)において、R〜Rは、互いに独立に、炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基及びフッ素置換されたアルキル基からなる群より選択される有機基であり、Aは下記一般式(5)で表されるラジカル重合性基であり、
CH=C(R)R− (5)
(式(5)において、Rは水素又はメチル基であり、Rは炭素数2〜11のアルキレンオキシカルボニル基又はフェニレン基である。)
nは、3〜500の整数である。]
CH=C(R)COOR (4)
[前記式(4)において、Rは水素又はメチル基であり、Rは炭素数1〜30のアルキル基である。]
前記式(3)のオルガノポリシロキサン化合物と前記式(4)の(メタ)アクリル系モノマーとを共重合させる方法としては特に限定されず、一般に用いられる溶液重合、乳化重合、懸濁重合、塊状重合のいずれの方法も適用可能である。好ましくは、ポリマーの均一性や分子量調整の容易さから溶液重合が使用される。この場合に用いられる溶媒としては、上記成分及びポリマーを均一に溶解できるものが好ましく、具体的には、トルエン、キシレン、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等を使用することができる。
重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物などの通常のラジカル開始剤を使用すればよい。また、ポリマーの分子量制御を目的として、ドデシルメルカプタンやメルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト化合物を連鎖移動剤に使用してもよい。
以上のような成分及び方法を用いることで、導電性カーボンがシリコーン溶媒に高濃度で安定的且つ均一に分散された分散液を得ることができる。
≪導電性塗料組成物の組成≫
本発明に係る導電性塗料組成物は、前述した導電性カーボン分散液にシリコーン樹脂を溶解させた塗料組成物である。この導電性塗料組成物においては、導電性カーボンがシリコーン樹脂に高濃度で安定的且つ均一に分散されている。従って、この塗料組成物を基材に塗布することで、後述するように、導電性カーボンがマトリックスであるシリコーン樹脂中に高濃度で安定的且つ均一に分散された塗膜を得ることが可能となる。以下、本発明に係る導電性塗料組成物の各成分について順に説明する。
<導電性カーボン分散液>
導電性カーボン分散液の詳細(各成分の構造、物性、具体例、含有量等)については前述した通りであるので、ここではその詳細な説明を省略する。
<シリコーン樹脂>
一般に、シリコーン樹脂(「ケイ素樹脂」ともいう。)は、有機基を持つケイ素が酸素と交互に結合してできる骨格を有する樹脂であり、その原料としては、クロロトリメチルシラン[(CHSiCl]、ジクロロジメチルシラン[(CHSiCl]、トリクロロメチルシラン[CHSiCl]がある。本発明に係る導電性塗料組成物に使用可能なシリコーン樹脂としては、クロロトリメチルシラン、ジクロロジメチルシラン、トリクロロメチルシランのいずれを原料とするものでもよい。
(好適な例)
ただし、経済性、適切な塗料粘度の観点から、本発明に係る導電性塗料組成物に使用するシリコーン樹脂としては、シリコーンゴム、特に、ポリジメチルシロキサン(PDMS)が好ましい。シリコーンゴム(「ケイ素ゴム」ともいう。)とは、一般に、主鎖がオルガノシロキサン結合(SiRから成る合成ゴムであり、基本的なものはジクロロジメチルシランを原料とし、その脱水縮合で得られるRがメチル基のPDMSである。
(含有量)
前述したシリコーン樹脂の含有量は、導電性カーボン100質量部に対して、1000質量部以上10000質量部以下であることが好ましい。含有量が100質量部未満であると、導電性カーボンの分散性の悪化や塗料の粘度が高くなり塗膜の表面性が悪化するおそれがある。一方、含有量が10000質量部を超えると、ポリマー中での導電性カーボンの接触が不十分となり、導電性が発現しないおそれがある。上記効果をより効果的に発現させるために、シリコーン樹脂の含有量は、導電性カーボン分散液100質量部に対して30質量部以上300質量部以下であることが好ましい。
<架橋剤>
本発明に係る導電性塗料組成物は、前述したシリコーン樹脂をヒドロシリル化反応により架橋する架橋剤を更に含有していてもよい。このとき、前述した分散剤がN原子やP原子を含有していないことから、この架橋剤によるヒドロシリル化反応が阻害されることはない。本発明で使用可能な架橋剤としては、シリコーン樹脂のヒドロシリル化反応による架橋が可能なものであれば特に限定されるものではないが、例えば、α、ω−ビス(ハイドロジエン)ポリジメチルシロキサン、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィド、ビニルトリ(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等がある。
この架橋剤の含有量についても特に規定されるものではないが、シリコーン樹脂を十分に架橋して後述する導電性塗膜が必要な機械的強度を得られるように、シリコーン樹脂100質量部に対し0.1〜5.0質量部が好ましい。
<その他の添加剤>
本発明に係る導電性塗料組成物には、前述した導電性カーボン分散液、シリコーン樹脂及び架橋剤の添加効果を阻害しない範囲で、他の添加剤が添加されていてもよい。このような添加剤としては、例えば、増粘剤、レベリング剤、分散安定剤等がある。
<塗料粘度>
前述した組成を有する導電性塗料組成物の塗料粘度は、5000mPa・s以下であることが好ましく、3000mPa・s以下であることがより好ましく、1000mPa・s以下であることが更に好ましい。塗料粘度が5000mPa・sを超えると、導電性塗料組成物を基材に塗布する際にハンドリング性が低下するおそれがある。一方、塗料粘度が低過ぎると、基材からの液垂れが起こる場合があることから、導電性塗料組成物の塗料粘度は、100mPa・s以上であることが好ましい。ここで、導電性塗料組成物の塗料粘度は、25℃で測定した値であり、粘度計(例えば、ブルックフィールド社製 B型粘度計)を用いて測定することができる。
≪導電性塗料組成物の製造方法≫
以上、本発明に係る導電性塗料組成物の組成について詳細に説明したが、続いて、前述した導電性塗料組成物の製造方法について説明する。
まず、前述のようにして製造した導電性カーボン分散液にシリコーン樹脂を添加し、完全に溶解させる。この際、シリコーン樹脂には、ヒドロシリル化反応を行うための触媒(例えば、白金触媒)を含有させてもよい。また、シリコーン樹脂を溶解させる方法としては特に限定されないが、例えば、超音波照射(数十分程度)ボールミル、ビーズミル等の方法を使用できる。
また、架橋剤を添加する場合には、シリコーン樹脂が溶解した溶液に架橋剤を添加し、撹拌して完全に溶解させた後、溶存空気を除去することにより、架橋剤を含有する導電性塗料組成物を得ることができる。架橋剤を溶解させる際の撹拌方法としては特に限定されないが、例えば、スタティックミキサーを用いる方法、ホモジナイザー、ボールミル、超音波等の方法を使用できる。なお、使用できる導電性カーボン、シリコーン溶媒、分散剤、シリコーン樹脂の種類やそれらの添加量については前述した通りである。
以上のような成分及び方法を用いることで、導電性カーボンがシリコーン樹脂に高濃度で安定的且つ均一に分散された塗料組成物を得ることができる。
≪導電性塗料組成物の作用効果≫
前述した本発明に係る導電性塗料組成物は、シリコーン樹脂中に導電性カーボンが微分散しているため、スプレーコーティングのような簡易な方法を用いて、塗料組成物を基材に塗布することができる。
また、本発明に係る導電性塗料組成物は、窒素(N)原子、リン(P)原子、スズ(Sn)原子等を含有していないため、白金を触媒としたシリコーン樹脂のヒドロシリル化架橋反応を阻害することもない。
≪導電性部材の構造≫
本発明に係る導電性部材は、基材表面の少なくとも一方の面に、前述した導電性塗料組成物により形成された導電性塗膜を有する部材である。上述した導電性塗料組成物を塗布・乾燥硬化させることで得られる導電性塗膜は、優れた導電性(特に、体積抵抗率)及び表面平滑性を有することから、本発明に係る導電性部材を低い体積抵抗率や高い表面平滑性が必要とされる用途に適用することができる。以下、本発明に係る導電性部材の主な構成要素である基材及び導電性塗膜について説明する。
<基材>
本発明に係る導電性部材の基材として使用可能な材料は、樹脂、金属等、特に限定されるものではなく、導電性部材の用途に合わせて適宜選択することができる。前記樹脂としては、前述した導電性塗料組成物を塗布(コーティング)できるものであれば、フィルム状、板状等の任意の形状のものを使用でき、また、樹脂の種類としても、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン等、種々の材料から選択することができる。また、前記金属としても、前述した導電性塗料組成物を塗布(コーティング)できるものであれば、板状、筒状、棒状等の任意の形状のものを使用でき、また、金属の種類としても、鉄、アルミニウム、銅、ステンレスその他の合金等、種々の材料から選択することができる。
<導電性塗膜>
本発明に係る導電性塗膜は、前述した導電性塗料組成物を前記基材へ塗布及び乾燥して得られ、CNT等の導電性カーボンがシリコーン樹脂中に均一に分散された塗膜である。そのため、本発明に係る導電性塗膜は、表面平滑性に優れ、小さな体積抵抗率を有する。
(体積抵抗率)
本発明に係る導電性塗膜の体積抵抗率は、導電性部材の導電性を高めるため、10Ω・cm以下であることが好ましく、10Ω・cm以下であることがより好ましく、10Ω・m以下であることが更に好ましい。一方、体積抵抗率が低過ぎると、電荷が放電し易くなるため、導電性塗膜の体積抵抗率は、10−1Ω・cm以上であることが好ましい。なお、導電性塗膜の体積抵抗率は、25℃、50%RHの条件で、例えば、三菱化学(株)製のロレスタGP等の抵抗率計を用いて測定することができる。
(算術平均粗さ)
また、本発明に係る導電性塗膜の算術平均粗さ(Ra)は、導電性塗膜の表面平滑性を担保するために、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましく、1μm以下であることが更に好ましい。なお、導電性塗膜のRaは、例えば、ミツトヨ製の小型表面粗さ測定機「サーフテスト SJ−301」等を用いて測定することができる。
(塗膜の硬度)
さらに、本発明に係る導電性塗膜のデュロメータ硬さ(デュロメータ タイプA)は、40以下であることが好ましく、35以下であることがより好ましく、30以下であることが更に好ましい。なお、導電性塗膜のショアA硬度は、JIS K6253等の規格に準拠して測定することができる。
(他の塗膜及び表面処理層)
また、本発明に係る導電性部材は、前述した導電性塗膜に加えて、該塗膜の機能を阻害しない範囲で、他の機能を付加するための他の1又は2以上の塗膜や表面処理層を有していてもよく、これらの塗膜や表面処理層の位置も、導電性塗膜の上層又は下層のいずれでもよい。このような塗膜や表面処理層としては、例えば、金属との密着性を向上させるためのシランカップリング材コーティング等がある。
≪導電性部材の製造方法≫
以上、本発明に係る導電性部材の構造について詳細に説明したが、続いて、前述した導電性部材の製造方法について説明する。
まず、前述したようにして製造した導電性塗料組成物を基材上に塗布(コーティング)する。このときの塗布方法としては特に限定されず、例えば、バーコータ、ロールコータ、スピンコータ、刷毛塗り、スプレーコーティング、浸漬法等の一般に用いられている方法を使用すればよい。
次いで、基材上に塗布された導電性塗料組成物を所定温度で乾燥焼付させることにより、基材上に導電性塗膜が形成された導電性部材を得ることができる。このときの乾燥焼付条件としては、例えば、80℃〜120℃で5〜30分の第1の工程と、120℃〜200℃で10〜60分の第2の工程の2段階で行うことができる。このような乾燥焼付条件の場合、第1の工程で、液だれを防止すると共に溶媒を除去し、第2の工程で、シリコーン樹脂を架橋する。
≪導電性部材の作用効果≫
以上説明したように、本発明によれば、低い表面抵抗(体積抵抗率)、高い表面平滑性及び低い硬度を有する塗膜が基材上に形成された導電性部材を得ることができる。また、本発明に係る導電性塗膜では、導電性カーボンがシリコーン樹脂中に高濃度で安定的且つ均一に分散されており、更には、導電性塗膜の構造中に、白金等の触媒によるヒドロシリル化架橋反応を阻害する元素が含まれていないため、極めて導電性に優れた塗膜を有する導電性部材を得ることが可能となる。
≪導電性部材の用途≫
本発明に係る導電性部材は、前述のように、低い体積抵抗率及び高い表面平滑性を有するとともに、極めて優れた導電性を有することから、以上のような性質が必要とされる用途に適用することができる。具体的には、本発明に係る導電性部材の用途としては、例えば、感光体を有する画像形成装置における転写ローラ、リモコンスイッチの接点材料等が挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、下記の実施例は本発明を限定するものではない。
≪試料の作成方法≫
まず、本実施例及び比較例の評価に用いた試料の作成方法について説明する。
<実施例1>
(CNT分散液の作成)
下記表1に示すように、循環冷却水ジャケットを有した1LSUS製容器に、シリコーン溶媒として環状シリコーンオイル(デカメチルシクロペンタシロキサン) TSF−405(モメンティブパフォーマンスマテリアル製)284g、分散剤として(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマーのIPA溶液 KP−541(信越化学工業(株)製)10.0gを添加し、完全に溶解させた。次いで、超音波照射下で、導電性カーボンとして多層CNT NC−7000(ナノシル社製)6.0gを1時間かけて8℃以下に温調されたメタルジャケット中へ添加した。CNTを添加後、超音波照射を5時間行い、50メッシュフィルタでろ過し、実施例1のCNT分散液を得た。
(CNT塗料組成物の作成)
下記表2に示すように、前述の手法で作成したCNT分散液200gへ、白金触媒を含有する液状シリコーンゴム XE14−C1705A(モメンティブパフォーマンスマテリアル製)を45.0g添加し、30分間超音波を照射することで完全に溶解させた。
次いで、得られたCNT塗料組成物245gへ、架橋剤としてα、ω−ビス(ハイドロジエン)ポリジメチルシロキサン TSL9586(モメンティブパフォーマンスマテリアル製)を2.0g、付加型架橋剤 TSE3453B(モメンティブパフォーマンスマテリアル製)を2.0g添加し、スタティックミキサーで完全に溶解させた後、減圧脱泡により溶存空気を除去し、架橋剤を含む実施例1のCNT塗料組成物を作成した。
(導電性部材の作成)
前述のようにして得られた架橋剤を含むCNT塗料組成物を、厚さ100μmのPETフィルム上にバーコータを用いて100μmの厚みで塗布し、150℃で5分間乾燥の後、200℃で10分間乾燥させ、PETフィルム上に導電性塗膜を有する実施例1の導電性部材を作成した。
<実施例2>
シリコーン溶媒として、環状シリコーンオイル(デカメチルシクロペンタシロキサン) TSF−405(モメンティブパフォーマンスマテリアル製)289gを添加し、分散剤として、(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマーのIPA溶液 KP−541(信越化学工業(株)製)5.0gを添加した点を除いては、実施例1と同様にして、CNT分散液、CNT塗料組成物及び導電性部材を作成した。
<実施例3>
シリコーン溶媒として、環状シリコーンオイル(デカメチルシクロペンタシロキサン) TSF−405(モメンティブパフォーマンスマテリアル製)274gを添加し、分散剤として、(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマーのIPA溶液 KP−541(信越化学工業(株)製)20.0gを添加した点を除いては、実施例1と同様にして、CNT分散液、CNT塗料組成物及び導電性部材を作成した。
<実施例4>
シリコーン溶媒として、オクタメチルシクロテトラシロキサン TSF−404(モメンティブパフォーマンスマテリアル製)を用いた点を除いては、実施例1と同様にして、CNT分散液、CNT塗料組成物及び導電性部材を作成した。
<実施例5>
シリコーン溶媒として、ジメチルシリコーンオイル KF−96−100cs(信越シリコーン社製)を用いた点を除いては、実施例1と同様にして、CNT分散液、CNT塗料組成物及び導電性部材を作成した。
<比較例1>
シリコーン溶媒として、環状シリコーンオイル(デカメチルシクロペンタシロキサン) TSF−405(モメンティブパフォーマンスマテリアル製)287.88gを添加し、分散剤として、アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサン BYK−322(ビックケミー・ジャパン社製、不揮発分>98%)6.12gを添加した点を除いては、実施例1と同様にして、CNT分散液、CNT塗料組成物及び導電性部材を作成した。
<比較例2>
シリコーン溶媒として、環状シリコーンオイル(デカメチルシクロペンタシロキサン) TSF−405(モメンティブパフォーマンスマテリアル製)287.91gを添加し、分散剤として、低分子不飽和ポリカルボン酸のポリマー BYK−P105(ビックケミー・ジャパン社製、不揮発分98.5%)6.09gを添加した点を除いては、実施例1と同様にして、CNT分散液、CNT塗料組成物及び導電性部材を作成した。
<比較例3>
シリコーン溶媒として、環状シリコーンオイル(デカメチルシクロペンタシロキサン) TSF−405(モメンティブパフォーマンスマテリアル製)288.00gを添加し、分散剤として、長鎖アルキル変性シリコーン X−22−7235E(信越シリコーン社製)6.0gを添加した点を除いては、実施例1と同様にして、CNT分散液、CNT塗料組成物及び導電性部材を作成した。
≪試料の評価方法≫
次に、前述のようにして作成した実施例1〜5及び比較例1〜3の試料の評価方法について説明する。
<CNT分散液について>
CNT分散液については、分散液の粘度[mPa・s]の測定、透過型電子顕微鏡(TEM)観察による分散液中の凝集物の有無の確認、及び分散液中のCNTの粒度分布の測定を行った。
(分散液の粘度測定)
CNT分散液の粘度は、ブルックフィールド社製 B型粘度計で測定した。その結果を表1に示す。
(凝集物の有無の確認)
CNT分散液中の凝集物の有無の確認は以下のようにして行った。作成したCNT分散液の試料を24時間静置した後、100倍に希釈し、倍率200倍の透過顕微鏡観察で凝集物の有無を確認した。凝集塊が見られなかったものを良好(〇)とし、凝集塊が見られたものを不良(×)とした。その結果を表1に示す。
(CNTの粒度分布測定)
CNTの粒度分布は、レーザ回折式粒度分布測定装置 SALD−7000H(島津製作所製)を用いて測定した。その結果を表1に示す。
<CNT塗料組成物の評価>
CNT塗料組成物については、塗料粘度[mPa・s]の測定及び塗料安定性の評価(24時間後のCNTの分離の有無及び3ヶ月後のCNTの分離の有無)を行った。
(塗料粘度の測定)
CNT塗料組成物の粘度は、ブルックフィールド社製 B型粘度計を用いて測定した。その結果を表2に示す。
(塗料安定性の評価)
CNT塗料組成物の安定性の評価は、作成したCNT塗料組成物の試料を24時間静置した後、透過顕微鏡観察で評価した。凝集物がないものを良好(○)とし、凝集物があったものを不良(×)とした。また、CNT塗料組成物を3ヶ月静置した後のものについても同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
<塗膜性能の評価>
CNT塗料組成物を塗布して作成した導電性塗膜の評価については、外観の良否の評価、体積抵抗率の測定、算術平均粗さ(Ra)の測定及び硬度(デュロメータ タイプA)を行った。
(外観の良否の評価)
前述のようにして作成した導電性塗膜中における凝集塊の有無を電子顕微鏡観察により評価し、凝集塊が見られなかったものを外観良好(〇)とし、凝集塊が見られたものを外観不良(×)として、外観の良否を判断した。その結果を表2に示す。
(体積抵抗率の測定)
導電性塗膜の体積抵抗率を三菱化学(株)製の抵抗率計「ロレスタGP」を用いて測定した。その結果を表2に示す。
(Raの測定)
導電性塗膜を形成したフィルム(導電性部材)の算術平均粗さ(Ra)をミツトヨ製の小型表面粗さ測定機「サーフテスト SJ−301」を用いて測定した。その結果を表2に示す。
(硬度の測定)
JIS K6253に準拠し、導電性塗膜のデュロメータ硬さをタイプA硬度計を用いて測定した。その結果を表2に示す。
≪試料の評価結果≫
<CNT分散液について>
CNT分散液の粘度については、表1に示した通りである。表1の結果から、実施例1〜5に関しては、シリコーン溶媒の粘度(10mPa・s程度)と比較して適度に粘度が上昇しており、CNTが良好に分散されていることがわかる。一方、比較例1〜3については、シリコーン溶媒の粘度(10mPa・s程度)と比較してあまり変化がなく(シリコーン溶媒の濃度と同程度であり)、CNTの凝集体をほぐし、分散させることができなかったことが示唆された。
また、CNT分散液中の凝集物の有無については、実施例1〜5はいずれも、凝集物の無い分散性の良好な均一な分散液であった。一方、比較例1〜3はいずれも、完全にCNTが凝集して均一な分散液を作成することはできなかった。このことから、本発明のように、分散剤としてアクリル酸アルキル/ジメチコン構造を有するコポリマーを使用することで、CNT等の導電性カーボンをシリコーン溶媒中に均一に分散できることが示唆された。
また、CNTの粒度分布(メディアン径)については、実施例1〜5については、表1に示した通りであり、いずれも10μm以下となっていた。一方、比較例1〜3については、CNTが良好に分散されておらず、凝集及び分離等が生じていたため、粒度分布を測定することができなかった。
<CNT塗料組成物について>
CNT塗料組成物の粘度については、実施例1〜5については、表1に示した通りであり、いずれも5000mPa・s以下となっていた。一方、比較例1〜3については、CNT分散液中のCNTが良好に分散されていなかったため、CNT塗料組成物の粘度については測定しなかった。
また、CNT塗料組成物の安定性については、実施例1〜5はいずれも、24時間後及び3ヶ月後で分離が生じず、優れた安定性を有していた。一方、比較例1〜3はいずれも、24時間後に分離が生じ、塗料組成物としての安定性が低い結果となった。なお、比較例1〜3については、24時間後に塗料組成物の分離が生じたため、3ヶ月後の分離の有無については評価していない。
<塗膜性能について>
塗膜外観の良否については、実施例1〜5はいずれも、凝集塊の無い分散性の良好な均一な塗膜であった。一方、比較例1〜3はいずれも、CNT分散液中のCNTが凝集及び分離するため、凝集塊が存在するムラのある塗膜であった。このことから、本発明のように、分散剤としてアクリル酸アルキル/ジメチコン構造を有するコポリマーを使用することで、CNT等の導電性カーボンをシリコーン樹脂中に均一に分散できることが示唆された。
また、体積抵抗率の測定、算術平均粗さ(Ra)の測定及び硬度(デュロメータ タイプA)については、実施例1〜5のいずれも、体積抵抗率が低く、Raが小さく、硬度が低いものであった。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述した形態に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で当業者が想到し得る他の形態または各種の変更例についても本発明の技術的範囲に属するものと理解される。

Claims (9)

  1. 導電性カーボンと、
    Siの原子数が4以上である環状シロキサン及びSiの原子数が4以上である鎖状シリコーンからなる群より選択されるシリコーン溶媒と、
    前記導電性カーボンを前記シリコーン溶媒中へ分散させるための分散剤として(メタ)アクリレート/シリコーンコポリマーと、
    を含有し、
    前記(メタ)アクリレート/シリコーンコポリマーが、1質量%以上97質量%以下の下記構成単位(1)と、2質量%以上60質量%以下の下記構成単位(2)と、からなる、導電性カーボン分散液。
    (前記構成単位(1)及び(2)において、R〜Rは互いに独立に炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基及びフッ素置換アルキル基からなる群より互いに独立に選択される基であり、R及びRは互いに独立に水素又はメチル基であり、Rは炭素数2〜11のアルキレンオキシカルボニル基又はフェニレン基であり、Rは炭素数1〜30のアルキル基であり、(メタ)アクリレート/シリコーンコポリマーの重量平均分子量が5,000〜200,000であり、nは、3〜500の整数である。)
  2. 前記導電性カーボンのメディアン径(D50)が、10μm以下である、請求項1に記載の導電性カーボン分散液。
  3. 前記分散剤が、前記導電性カーボン100質量部に対して50質量部以上500質量部以下含有されている、請求項1又は2に記載の導電性カーボン分散液。
  4. 前記分散液中の前記導電性カーボンの濃度が、0.1質量%以上10質量%以下である、請求項1〜のいずれか一項に記載の導電性カーボン分散液。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の導電性カーボン分散液に、シリコーン樹脂を溶解させた、導電性塗料組成物。
  6. 前記シリコーン樹脂が、ポリジメチルシロキサンであり、
    塗料粘度が、5000mPa・s以下である、請求項に記載の導電性塗料組成物。
  7. 前記シリコーン樹脂をヒドロシリル化反応により架橋する架橋剤を更に含有する、請求項5又は6に記載の導電性塗料組成物。
  8. 基材表面に、請求項5〜7のいずれか一項に記載の導電性塗料組成物により形成された導電性塗膜を有する、導電性部材。
  9. 前記導電性塗膜の体積抵抗率が、10Ω・cm以下であり、
    前記導電性塗膜の算術平均粗さ(Ra)が、10μm以下であり、
    前記導電性塗膜のデュロメータ硬さが、40以下である、請求項に記載の導電性部材。
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