JP6124959B2 - X線管 - Google Patents

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Description

本発明は、医療用や工業用のX線発生装置に適用できるX線管に関し、特に透過型ターゲットを用いた透過型X線管に関する。
透過型X線管は、陰極、陽極及び絶縁管からなる真空管であり、陰極の電子源から放出された電子を、陰極−陽極間に加えられた高電圧で加速し陽極に配置されたターゲットに照射してX線を発生させる。発生したX線はX線取り出し窓を兼ねるターゲットから外部に放出される。
従来、上記のような透過型X線管や反射型X線管では、X線管の耐電圧性能(以下、「耐圧」という。)が問題となって小型軽量化を実現するのが困難となっていた。
特許文献1には、透過型X線管において、小型化の目的で集束電極の陰極側の端部を絶縁管と陰極との間に挟んだ構造とし、耐圧確保の目的で絶縁管の内壁と集束電極の外面との間に一定間隔の隙間を設けて沿面距離を稼いだ構造とすることが開示されている。
また、特許文献2には、反射型X線管において、陰極部の先端付近でガラス管の内径を広げ陰極部とガラス管の内壁との距離を長くした構成をとっており、耐圧向上に寄与しているとも考えられる。
特開平09−180660号公報 特開平07−312189号公報
特許文献1に記載の技術では次のような課題があった。陰極と陽極との間にある絶縁管の内壁の電位は、絶縁管を構成する材料の誘電率(場合によっては体積抵抗)によって場所毎に決まる。このような場合、集束電極の外面と絶縁管の内壁との距離によっては集束電極の外面と絶縁管の内壁との間で放電が発生するおそれがあり、高耐圧及び小型化の障壁となっていた。
また、特許文献2に記載の技術では、陰極部の先端付近でガラス管の内径と共にガラス管の外径も広がっており小型化とは方向性が異なるためX線管の小型化を実現できない。
そこで、本発明は、耐圧向上と小型化を実現したX線管を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、絶縁管と、前記絶縁管の管軸方向の一端に接続された陰極と、前記絶縁管の管軸方向の他端に接続された陽極と、前記陰極から前記陽極に向けて突出し、前記絶縁管の内壁から離間して配置された電子銃と、前記陽極に電気的に接続され前記電子銃から放出された電子の照射によりX線を発生させるターゲットと、を有し、
前記電子銃は、前記陽極の側から前記陰極の側に向かって順に、集束電極、グリッド電極、および、電子源を有しているX線管であって、
前記電子銃の前記陽極側の端部の位置を前記絶縁管の内壁へ投影した端部位置を基準として、前記端部位置から前記陰極に向かって、前記絶縁管の内壁は前記電子銃に近づくように傾斜し、前記端部位置から前記陰極に向かって前記絶縁管の壁厚が連続的に増加していることを特徴とするX線管を提供するものである。
本発明によれば、電子銃の外面と筒形の絶縁管の内壁との間に隙間を設け、電子銃の陽極側の端部の位置を絶縁管の内壁へ投影した端部位置を基準として、陰極側の方が陽極側よりも絶縁管の胴部の平均壁厚が厚い構成をとる。これにより、端部位置の電位を下げ、端部位置と電子銃の外面との間の電界強度を弱めることができるためX線管の耐圧向上を実現でき、かつ絶縁管の胴部全体に渡って壁厚を厚くした場合と比べてX線管の小型化を実現できる。
本発明のX線管の参考実施形態の構成図である。 本発明のX線管の実施形態の構成図である。 本発明のX線管の他の参考実施形態の構成図である。 比較例1及び2のX線管の構成図である。
以下、図面を参照して本発明のX線管の好適な実施形態を例示的に説明する。但し、以下の実施形態に記載されている構成部材の材質、寸法、形状、相対配置等は、特に記載がない限り本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1は参考実施形態のX線管の構成図であり、本参考実施形態のX線管を陰極、陽極、絶縁管、電子銃及びターゲットを含む平面で切断したときの断面模式図である。
X線管1は、筒形の絶縁管4の胴部の一端に陰極2、他端に陽極3を備えて内部が密閉された外囲器と、外囲器内に配置された電子銃と、陽極に配置されたターゲットとからなる真空管である。
陰極2は、陰極2から突出した形状を有する電子銃に接続されている。電子銃は電子源5、グリッド電極6、集束電極7、電子源駆動用端子9、グリッド電極用端子10及び集束電極用端子11からなり、電子銃の外面と絶縁管4の内壁との間には隙間が設けられている。本実施形態における「電子銃の外面」とは、絶縁管4の内壁に最も近い電極及び端子の外面、即ち集束電極7及び集束電極用端子11における絶縁管4の内壁側の面のことである。「絶縁管4の内壁」とは、絶縁管4の胴部の内壁のことである。
また、陰極2は絶縁部材8を有する。絶縁部材8には電子源駆動用端子9とグリッド電極用端子10が、陰極2とは電気的に絶縁されるように固定されている。電子源駆動用端子9、グリッド電極用端子10はX線管1内の電子源5、グリッド電極6から陰極側に向かって延びておりX線管1の外部へと引き出されている。集束電極7は陰極2に固定された集束電極用端子11に接続され、陰極2と同電位に規定されている。但し、集束電極7も陰極2と絶縁して別の電位を与えられるようにしても良い。
電子源5は、電子を放出する電極であり、陰極2から突出して延びる電子源駆動用端子9の先端に、ターゲット12に対向させて配置されている。電子源5は電子源駆動用端子9と一体として形成しても良い。電子源5には電子放出素子として冷陰極、熱陰極のいずれも用いることができるが、本実施形態のX線管1に適用する電子源5としては、大電流を安定して取り出せる含浸型カソード(熱陰極)を好適に用いることができる。含浸型カソードは、電子放出部(エミッタ)近傍のヒーターに通電することによりカソードの温度を上昇させて電子を放出する。
グリッド電極6は、電子源5から放出された電子を真空中に引き出すために所定の電圧が印加される電極であり、陰極2から突出して延びるグリッド電極用端子10の先端に、電子源5から所定の距離だけ離しターゲット12に対向させて配置されている。グリッド電極6はグリッド電極用端子10と一体として形成しても良い。グリッド電極6の形状、孔径、開口率等は、電子線の引き出し効率やカソード近傍の排気コンダクタンスを考慮して決定される。通常、線径50μm程度のタングステンメッシュを好適に用いることができる。
集束電極7は、グリッド電極6によって引き出された電子線の広がり(ビーム径)を制御するための電極であり、陰極2から突出して延びる集束電極用端子11の先端に、ターゲット12に対向させて配置されている。集束電極7は集束電極用端子11と一体として形成しても良い。通常、集束電極7には数百V〜数kV程度の電圧が印加されてビーム径の調節を行う。電子源5近傍の構造や印加電圧によっては集束電極7を省略し、電界によるレンズ効果のみによって電子線を集束することも可能である。
陽極3は、ターゲット12に電気的に接続されている。陽極3とターゲット12の接合は、熱的接合の他、真空の保持を考慮してろう附けや溶接が好適である。通常、陽極3には数十kV〜百kV程度の電圧が印加される。電子源5により発生しグリッド電極6により引き出された所定のエネルギーを有する電子線は、集束電極7により陽極3上のターゲット12へと向けられ、陽極3に印加された電圧により加速されてターゲット12に衝突する。電子線の衝突によりターゲット12からX線が発生し全方向に放射される。全方向に放射されたX線のうちターゲット12を透過したX線がX線管1の外部に取り出される。
ターゲット12は、金属膜と金属膜を支持する基板からなる構成、又は金属膜のみからなる構成とすることができる。金属膜と金属膜を支持する基板からなる構成とする場合には、X線を透過する基板の電子線照射面(電子銃側の面)に、電子線の衝突によりX線を発生する金属膜を配置する。金属膜は通常、原子番号26以上の金属材料を用いることができる。具体的にはタングステン、モリブデン、クロム、銅、コバルト、鉄、ロジウム、レニウム等、又はこれらの合金材料からなる薄膜を好適に用いることができ、スパッタリング等の物理成膜によって緻密な膜構造をとるように形成される。金属膜の膜厚は、加速電圧によって電子線浸入深さ即ちX線発生領域が異なるため最適な値が異なるが、百kV程度の加速電圧を印加する場合には通常、数μm〜十μm程度の厚さである。一方、基板はX線の透過率が高く、熱伝導率が高く、真空封止に耐える必要があり、ダイヤモンド、窒化ケイ素、炭化ケイ素、炭化アルミ、窒化アルミ、グラファイト、ベリリウム等を好適に用いることができる。X線の透過率がアルミニウムよりも低く熱伝導率がタングステンよりも高い、ダイヤモンド、窒化アルミ、窒化ケイ素を用いるのがより好ましい。特にダイヤモンドは、他の材料に比べて熱伝導率が極めて高く、X線の透過率も高く、真空を保持しやすいため、より優れている。基板の厚さは、上記の機能を満足すれば良く、材料によって異なるが、0.1mm以上2mm以下が好ましい。
絶縁管4は、ガラスやセラミック等の絶縁部材で形成された絶縁性を有する管であり、筒形の形状を有する。形状に制約は多くないが、小型化や作り易さの観点からすると円筒形が好ましい。角筒形としても良い。絶縁管4の胴部の両端はそれぞれ陰極2、陽極3とろう附けや溶接によって接合される。X線管1内の真空度を良くするために加熱排気を行う場合には、陰極2、陽極3、絶縁管4及び絶縁部材8は熱膨張率が近い材料を用いるのが良い。例えば陰極2及び陽極3にはコバールやタングステン、絶縁管4及び絶縁部材8にはホウケイ酸ガラスやアルミナを用いると良い。
本発明では絶縁管4の内壁と電子銃の外面との間の空間耐圧を向上させることにより、X線管の小型化や安定化を実現できる。空間耐圧の向上は、絶縁管4の内壁と電子銃の外面との間の電界強度を弱めることにより達成できるが、絶縁管4の内壁と電子銃の外面との距離を長くする方法はX線管の小型化と矛盾する。よって、本発明では絶縁管4の内壁の電位を下げることにより絶縁管4の内壁と電子銃の外面との間の電界強度を弱める方法を提案する。この方法では、空間耐圧の向上は、電子銃の陽極側の端部の位置を絶縁管4の内壁へ投影した位置(以下、「端部位置」という。)を基準として、陰極側の絶縁管4の胴部の平均壁厚を、陽極側の絶縁管4の胴部の平均壁厚よりも厚くすることで達成できる。絶縁管4を構成する材料として誘電率の高いものを用いた場合、絶縁管4の内壁の電位は静的には絶縁管4が支配的に決める。例えばアルミナの比誘電率は10程度、ホウケイ酸ガラスの比誘電率は5程度である。また、絶縁管4の内壁の電位は高電位である陽極に近いほど高い。このため、本発明では端部位置を基準として陰極側の絶縁管4の胴部の平均壁厚を陽極側よりも厚くする。これにより、絶縁管4の相対的な容量が大きくなり、端部位置の電位が下がるためX線管の耐圧向上を実現でき、かつ絶縁管4の胴部全体に渡って壁厚を厚くした場合と比べてX線管の小型化を実現できる。本実施形態のX線管1では、電子銃を構成する部材の中で、集束電極7及び集束電極用端子11が絶縁管4の内壁に最も近い位置に配置されている。この場合、集束電極7の陽極側の端部の位置を絶縁管4の内壁へ投影した位置が端部位置である。また、集束電極7の陽極側の端部は、図1のように集束電極用端子11よりも絶縁管4の内壁側に突出していなくても良いし、集束電極用端子11よりも絶縁管4の内壁側に突出していても良い。
図1では、絶縁管4の内壁は、端部位置よりも陰極側に1つの段差を有しており、端部位置から陰極側において絶縁管4の内壁を電子銃の外面に近づけることにより絶縁管4の胴部の平均壁厚を厚くしている。端部位置を基準として陰極側の絶縁管4の胴部の平均壁厚を陽極側よりも厚くすることにより小型化できると上述したが、絶縁管4の内壁を図1のようにすると、絶縁管4の外壁が外方に張出さないため更に小型化できる。具体的には陰極2から段差の位置までの距離をl3、陰極2から端部位置までの距離をl1としたとき、l1/3<l3<l1を満たす構成とするのが好ましい。また、この条件を満たし、かつ絶縁管4の外壁から電子銃の外面までの距離をt4、段差の位置よりも陰極側における絶縁管4の内壁から電子銃の外面までの距離をt3としたとき、t4/10<t3<t4/2を満たす構成とすることもできる。この構成とした場合、より確実に耐圧向上の効果が得られ、より小型化できる。「絶縁管4の外壁」とは、絶縁管4の胴部の外壁のことである。
次に、X線管の他の実施形態について説明する。図2はX線管の実施形態を、図3は他の参考実施形態を示す構成図(図1と同じ平面で切断したときの断面模式図)である。図2では、絶縁管4の内壁は、端部位置から陰極2までが傾斜しており、端部位置から陰極側に向かって絶縁管4の胴部の壁厚が連続的に増加している。図3では、絶縁管4の内壁は、端部位置よりも陰極側に複数の段差を有している。複数の段差は2つ以上の段差であれば良い。絶縁管4の内壁を図2又は図3のようにすると、端部位置よりも陰極側において絶縁管4の内壁と電子銃の外面との距離を急に縮めることなく電界強度の上昇を抑制できるため更に耐圧向上できる。
また、X線管1の小型化のためとはいえ、端部位置と電子銃の陽極側の端部との間の電界強度、及び陽極3と電子銃の陽極側の端部との間の電界強度が共に限界を超えることはできない。特に陽極3と電子銃の陽極側の端部との間で放電が発生してしまうと、電子源5から陽極3が直接見えてしまうために電子源5にダメージを生じる場合がある。よって、陽極3と電子銃の陽極側の端部との間の電界強度は、端部位置と電子銃の陽極側の端部との間の電界強度以下であることが好ましい。より具体的には次の条件を満たすことが好ましい。
1≦(l2−d)・l1・t2/(d・l2
ここで、t1は端部位置よりも陰極側の胴部の平均壁厚、t2は端部位置よりも陽極側の胴部の平均壁厚、l1は陰極2から端部位置までの距離、l2は端部位置から陽極3までの距離、dは端部位置から電子銃の陽極側の端部までの距離である。
以上では、集束電極7を設けたX線管で説明したが、本発明は集束電極7が無い場合でも適用できる。この場合、グリッド電極6が絶縁管4の内壁に最も近くなる。よって、上記説明の集束電極7をグリッド電極6と置き換えて考えれば良い。電子源5の形態によってはグリッド電極6が無い場合もあるが、そのような場合でも絶縁管4の内壁に最も近い電極の陽極側の端部の位置を絶縁管4の内壁へ投影した端部位置を基準として本発明が適用可能である。グリッド電極6のみ無い場合には集束電極7が絶縁管4の内壁に最も近くなり、集束電極7とグリッド電極6の両方が無い場合には電子源5が絶縁管4の内壁に最も近くなる。また上記説明したX線管1は各種X線発生装置に用いることが可能である。
以下、具体的な実施例を挙げて本発明について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[参考実施例1]
参考実施例のX線管の構成図を図1に示す。図1のX線管の構成の説明は上述のとおりであるため省略する。
陰極2及び陽極3にはコバール、絶縁管4及び絶縁部材8にはアルミナを用い、これらを溶接によって接合した。絶縁管4は円筒形とした。電子源5には東京カソード研究所社製含浸型カソードを用いた。このカソードは電子放出部(エミッタ)が含浸された円柱形状をしており、筒形のスリーブ上端に固定されている。スリーブ内にはヒーターが取り付けられており、このヒーターに電子源駆動用端子9より通電することによってカソードが加熱されて電子が放出される。電子源駆動用端子9は絶縁部材8にろう附けした。
ターゲット12は板厚0.5mmのシリコンカーバイド基板上に膜厚5μmのタングステン膜を形成した構成とし、陽極3にろう附けした。電子源5とターゲット12の間には電子源5に近い順にグリッド電極6と集束電極7を配置した。グリッド電極6はグリッド電極用端子10から通電され、電子源5から電子を効率良く引き出す。グリッド電極用端子10は電子源駆動用端子9と同様に絶縁部材8にろう附けした。集束電極7は集束電極用端子11と一体として形成した。以下、集束電極7と集束電極用端子11を合わせて「集束電極」として説明する。集束電極は陰極2に溶接し、陰極2と同電位に規定した。集束電極はグリッド電極6によって引き出された電子線のビーム径を絞り、電子線を効率良くターゲット12に照射する。
陰極2、陽極3及び絶縁管4の外径はΦ56mm、集束電極の外形はほぼ円柱でΦ25mmであり、それぞれの中心を合わせている。絶縁管4の長さは70mmであり、集束電極は陰極2よりも40mm突き出ているため、集束電極の陽極側の端部の位置を絶縁管4の内壁へ投影した端部位置は、絶縁管4の内壁に沿って陰極2から40mmの位置である。絶縁管4の胴部は陰極2から20mmのところまでが壁厚10mm、それ以外は壁厚5mmである。端部位置よりも陰極側の絶縁管4の胴部の平均壁厚はt1=7.5mm、端部位置よりも陽極側の絶縁管4の胴部の平均壁厚はt2=5mmである。陰極2から端部位置までの距離はl1=40mm、端部位置から陽極3までの距離はl2=30mm、端部位置から集束電極の陽極側の端部までの距離はd=10.5mmである。陰極2から段差の位置までの距離はl3=20mm、段差の位置よりも陰極側における絶縁管4の内壁から電子銃の外面までの距離はt3=5.5mm、絶縁管4の外壁から電子銃の外面までの距離はt4=15.5mmである。
このように構成されたX線管1は、最後に、加熱しながら、陰極2に溶接された不図示の排気管から排気し封止された。
[比較例1]
本比較例のX線管の構成図(図1と同じ平面で切断したときの断面模式図)を図4に示す。本比較例のX線管は、絶縁管4の胴部の壁厚を陰極2から陽極3まで一定とした。各部材を構成する材料は参考実施例1と同じである。
陰極2、陽極3及び絶縁管4の外径はΦ60mmであり、絶縁管4の胴部の壁厚は陰極2から陽極3まで5mmで一定である。端部位置よりも陰極側の絶縁管4の胴部の平均壁厚はt1=5mm、端部位置よりも陽極側の絶縁管4の胴部の平均壁厚はt2=5mmである。陰極2から端部位置までの距離はl1=40mm、端部位置から陽極3までの距離はl2=30mm、端部位置から集束電極の陽極側の端部までの距離はd=12.5mmである。
<参考実施例1の評価>
端部位置と集束電極の陽極側の端部との間の電界強度の比は参考実施例1と比較例1とで1:1.02でほぼ同等であった。また、参考実施例1のX線管と比較例1のX線管の耐圧を測定したところ同等の耐圧であった。よって、参考実施例1のX線管は耐圧を劣化させることなく、比較例1に対して体積比で13%の小型化を実現できた。
[実施例2]
本実施例のX線管の構成図を図2に示す。本実施例のX線管は、陰極2、陽極3及び絶縁管4の外径と、絶縁管4の内壁の形状が参考実施例1と異なる。各部材を構成する材料は参考実施例1と同じである。
陰極2、陽極3及び絶縁管4の外径はΦ54mmである。絶縁管4の胴部の壁厚は、陽極3から端部位置までは5mm、陰極側の端部で14mmであり、端部位置から陰極側の端部までは直線的に徐々に厚くなっている。端部位置よりも陰極側の絶縁管4の胴部の平均壁厚はt1=9.5mm、端部位置よりも陽極側の絶縁管4の胴部の平均壁厚はt2=5mmである。陰極2から端部位置までの距離はl1=40mm、端部位置から陽極3までの距離はl2=30mm、端部位置から集束電極の陽極側の端部までの距離はd=9.5mmである。
<実施例2の評価>
端部位置と集束電極の陽極側の端部との間の電界強度の比は実施例2と参考実施例1とで0.97:1で若干実施例2の方が低くなった。また、実施例2のX線管と参考実施例1のX線管の耐圧を測定したところ同等の耐圧であった。よって、実施例2のX線管は耐圧を劣化させることなく、比較例1に対して体積比で約20%の小型化を実現できた。
[実施例3]
本実施例のX線管は、絶縁管4としてホウケイ酸ガラスを用いたことを除いては実施例2と同じ材料を用い、同じ構成とした。
[比較例2]
本比較例のX線管は、絶縁管4としてホウケイ酸ガラスを用いたことを除いては比較例1と同じ材料を用い、同じ構成とした。
<実施例3の評価>
実施例3のX線管と比較例2のX線管の耐圧を測定したところ同等の耐圧であった。よって、実施例3のX線管は耐圧を劣化させることなく、比較例2に対して体積比で約20%の小型化を実現できた。
1:X線管、2:陰極、3:陽極、4:絶縁管、5:電子源、6:グリッド電極、7:集束電極、8:絶縁部材、9:電子源駆動用端子、10:グリッド電極用端子、11:集束電極用端子、12:ターゲット

Claims (10)

  1. 絶縁管と、前記絶縁管の管軸方向の一端に接続された陰極と、前記絶縁管の管軸方向の他端に接続された陽極と、前記陰極から前記陽極に向けて突出し、前記絶縁管の内壁から離間して配置された電子銃と、前記陽極に電気的に接続され前記電子銃から放出された電子の照射によりX線を発生させるターゲットと、を有し、
    前記電子銃は、前記陽極の側から前記陰極の側に向かって順に、集束電極、グリッド電極、および、電子源を有しているX線管であって、
    前記電子銃の前記陽極側の端部の位置を前記絶縁管の内壁へ投影した端部位置を基準として、前記端部位置から前記陰極に向かって、前記絶縁管の内壁は前記電子銃に近づくように傾斜し、前記端部位置から前記陰極に向かって前記絶縁管の壁厚が連続的に増加していることを特徴とするX線管。
  2. 前記端部位置よりも前記陰極側の方が前記陽極側よりも前記絶縁管の平均壁厚が厚いことを特徴とする請求項1に記載のX線管。
  3. 前記陰極から前記端部位置までの距離をl1、前記端部位置から前記陽極までの距離をl2、前記端部位置から前記電子銃の前記陽極側の端部までの距離をd、前記端部位置よりも前記陰極側の前記絶縁管の平均壁厚をt1、前記端部位置よりも前記陽極側の前記絶縁管の平均壁厚をt2としたとき、以下の条件を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載のX線管。
    1≦(l2−d)・l1・t2/(d・l2
  4. 前記ターゲットは、透過型ターゲットであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のX線管。
  5. 前記透過型ターゲットは、前記電子銃の側に金属膜を有し、前記金属膜で発生したX線を透過する透過基板を前記金属膜よりも前記電子銃に対して遠い側に位置し、前記透過基板は、前記金属膜を支持していることを特徴とする請求項4に記載のX線管。
  6. 前記金属膜は、タングステン、モリブデン、クロム、銅、コバルト、鉄、ロジウム、レニウムの少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項5に記載のX線管。
  7. 前記透過基板は、ダイヤモンド、窒化ケイ素、炭化ケイ素、炭化アルミ、窒化アルミ、グラファイト、ベリリウムのいずれかを含むことを特徴とする請求項5または6に記載のX線管。
  8. 前記絶縁管は、セラミックで構成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のX線管。
  9. 前記セラミックは、アルミナが含まれることを特徴とする請求項8に記載のX線管。
  10. 前記電子銃の前記陽極側の前記端部は、前記集束電極の前記陽極側の端部により規定されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のX線管。
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