<写真シール作成装置の外観構成>
図1および図2は、写真シール作成装置1の外観の構成例を示す斜視図である。
写真シール作成装置1は、撮影作業や編集作業を利用者にゲームとして行わせ、画像を提供するゲーム機である。画像の提供は、シール紙に印刷する形で行われるだけでなく、サーバに送信した画像を利用者の携帯端末上で閲覧可能にする形で行われることもある。写真シール作成装置1はゲームセンターなどのアミューズメント施設に設置される。
写真シール作成装置1で遊ぶ利用者は、自身が被写体となって撮影作業を行う。利用者は、編集作業により、撮影によって得られた撮影画像に手書きの文字やスタンプ画像などの合成用画像を合成させるなどする。これにより、撮影画像が彩り豊かな画像に編集される。利用者は、編集済みの撮影画像である編集画像が印刷されたシール紙を受け取って一連のゲームを終了させる。写真シール作成装置1の利用者は、主に、2人、3人等の複数人からなる利用者のグループである。しかしながら、利用者は1人であってもよい。
写真シール作成装置1は、撮影ユニット11と編集ユニット12が接した状態で設置されることによって構成される。撮影ユニット11と編集ユニット12は電気的に接続される。撮影ユニット11は、人が中に入ることができる程度の大きさを有する箱形状の筐体を有する。
撮影ユニット11は、撮影部21と背景部22から構成される。撮影部21と背景部22とは離れて設置される。撮影部21と背景部22の間に設けられる空間が、利用者が撮影作業を行う撮影空間となる。
撮影部21は、利用者を被写体として撮影を行うための装置である。撮影空間に臨む撮影部21の正面にはカメラやタッチパネルモニタなどが設けられる。撮影部21の、編集ユニット12と接する面には正面パネル21Aが設けられる(図2)。撮影空間にいて正面を向いている利用者から見て右側の面を右側面、左側の面を左側面とすると、撮影部21の右側面が側面パネル21Bにより構成され、左側面が側面パネル21C(図3)により構成される。
背景部22は、背面パネル22A、側面パネル22B、および側面パネル22C(図3)から構成される。背面パネル22Aは、撮影空間にいて正面を向いている利用者の背面側に位置する板状の部材である。側面パネル22Bは、背面パネル22Aの右端に取り付けられる板状の部材である。側面パネル22Cは、背面パネル22Aの左端に取り付けられる板状の部材である。
撮影部21の右側面を構成する側面パネル21Bと背景部22の側面パネル22Bは、所定の間隔をあけてほぼ同一平面に設けられる。側面パネル21Bと側面パネル22Bの上部は、天井部23の右側面を形成する横長の板状の部材である連結部23Bによって連結される。側面パネル21Bと側面パネル22Bの下部は、床面に設けた例えば金属製の部材である連結部24Aによって連結される。
撮影部21の左側面を構成する側面パネル21Cと背景部22の側面パネル22Cも同様に、ほぼ同一平面に設けられる。側面パネル21Cと側面パネル22Cの上部は、天井部23の左側面を形成する連結部23C(図示せず)によって連結される。側面パネル21Cと側面パネル22Cの下部は、床面に設けた例えば金属製の部材である連結部24B(図示せず)によって連結される。
側面パネル21B、側面パネル22B、および連結部23Bに囲まれることによって形成される開口が撮影空間の出入口となる。また、側面パネル21C、側面パネル22C、および連結部23Cに囲まれることによって形成される開口も撮影空間の出入口となる。撮影空間の床面には床材25が設けられる。撮影は、利用者が床材25の上に立った状態で行われる。
撮影空間の上方には、撮影空間の天井を形成する天井部23が設けられる。天井部23は、平板状の天井部材23A、連結部23B,23C、および背面部材23Dから構成される。天井部材23Aには天井ストロボユニット31が嵌め込まれる。天井ストロボユニット31は、撮影に合わせて撮影空間内に向けて光を照射するストロボを内蔵する。天井ストロボユニット31の内部には、ストロボの他に蛍光灯が設けられており、天井ストロボユニット31は撮影空間の照明としても機能する。
側面パネル21Bには、ほぼ扁平で縦長直方体状の事前選択部32が設けられる。事前選択部32は、写真シール作成装置1が提供するゲームの紹介を行ったり、撮影前の各種の選択を利用者に行わせたりする。
編集ユニット12は、一方の側面が撮影部21の正面パネル21Aに接するように撮影ユニット11に連結して設けられる。編集ユニット12は、撮影画像の編集を行うための装置である。編集ユニット12には、編集作業において利用者により用いられるタブレット内蔵モニタなどの構成が設けられる。
図2に示される編集ユニット12の構成を正面側の構成とすると、編集ユニット12の正面側と背面側それぞれに、編集作業で用いられる構成が設けられる。この構成により、2組の利用者が同時に編集作業を行うことができる。
図2に示すように、編集ユニット12の正面側は、面12Aと、面12Aの上方に形成された斜面12Bから構成される。面12Aは、床面に対して垂直であり、撮影部21の側面パネル42Aとほぼ平行な面である。斜面12Bには、編集作業に用いられる構成が設けられる。
斜面12Bの上方右端には、照明装置43の一端を支持する柱状の支持部41が設けられる。斜面12Bの上方左端には、照明装置43の他端を支持する柱状の支持部42が設けられる。支持部42の右側には、編集ユニット12の側面12Cの一部を構成する板状のパネル44が設けられる。パネル44の上面にはカーテンレール26を支持する支持部75が設けられる。
側面12Cには、編集作業後の各種の選択を利用者に行わせるためのタッチパネルモニタや、印刷済みのシール紙が排出されるシール紙排出口が設けられる。側面12C前方の空間が、利用者が印刷済みのシール紙が排出されるのを待つ印刷待ち空間となる。
編集ユニット12の上方にはカーテンレール61が取り付けられる。カーテンレール61は、3本のレール61A乃至61Cが、上から見たときの形状がコの字状となるように組み合わされて構成される。平行に設けられるレール61Aとレール61Bの一端は、天井部23にそれぞれ固定され、レール61Aとレール61Bの他端は、レール61Cの両端にそれぞれ接合される。
カーテンレール61には、編集ユニット12の正面前方の空間と背面前方の空間が外から見えないようにカーテンが取り付けられる。カーテンレール61に取り付けられたカーテンにより囲まれる編集ユニット12の正面前方の空間と背面前方の空間が、利用者が編集作業を行う編集空間となる。
ここで、写真シール作成ゲームの流れと、それに伴う利用者の移動について説明する。
図3は、写真シール作成装置1を上から見た平面図である。
利用者は、事前選択部32前方の空間である事前選択空間A0において代金を投入し、タッチパネルモニタに表示される画面に従って各種の選択を行う。例えば、撮影に関するコースの選択や撮影画像の背景の選択が行われる。
事前選択部32を用いた選択作業を終えた利用者は、白抜き矢印#1で示すように出入口G1から撮影空間A1に入る。利用者は、撮影空間A1において、撮影部21に設けられたカメラやタッチパネルモニタなど利用して撮影作業を行う。
撮影作業を終えた利用者は、白抜き矢印#2で示すように出入口G1を使って撮影空間A1から出て編集空間A2−1に移動するか、白抜き矢印#3で示すように出入口G2を使って撮影空間A1から出て編集空間A2−2に移動する。
編集空間A2−1は、編集ユニット12の正面側の編集空間である。一方、編集空間A2−2は、編集ユニット12の背面側の編集空間である。利用者が編集空間A2−1と編集空間A2−2のいずれの空間に移動するのかは、撮影部21のタッチパネルモニタの画面表示などによって案内される。例えば2つの編集空間のうちの空いている方が移動先として案内される。
編集空間A2−1または編集空間A2−2に移動した利用者は、編集作業を開始する。編集空間A2−1の利用者と、編集空間A2−2の利用者は同時に編集作業を行うことができる。
編集作業が終了した後、編集画像の印刷が開始される。編集画像の印刷中、編集空間A2−1での編集を終えた利用者は、白抜き矢印#4で示すように編集空間A2−1から印刷待ち空間A3に移動し、印刷が終わるのを待つ。編集空間A2−2での編集を終えた利用者も同様に、白抜き矢印#5で示すように編集空間A2−2から印刷待ち空間A3に移動し、印刷が終わるのを待つ。このとき、利用者は、編集ユニット12の側面12Cに設けられたタッチパネルモニタに表示される画面に従って各種の選択を行いながら、印刷が終わるのを待つ。例えば、利用者の携帯端末に送信される画像の選択や、利用者の携帯端末のメールアドレスの入力が行われる。
画像の印刷が終了した後、利用者は、編集ユニット12の側面12Cに設けられたシール紙排出口からシール紙を受け取り、一連の写真シール作成ゲームを終える。
<事前選択部の構成>
図4は、事前選択部32の構成例を示す正面図である。
事前選択部32の上側には、垂直に近い急峻な斜面32Aが形成されている。斜面32Aにはタッチパネルモニタ71が設けられる。タッチパネルモニタ71は、LCD(Liquid Crystal Display)などのモニタと、それに積層されたタッチパネルにより構成される。タッチパネルモニタ71には、コース選択や背景選択などの事前選択に用いられる画面が表示される。
斜面32Aの下の垂直面32Bの上側には、事前選択の案内音声やBGM(Back Ground Music)などを出力するスピーカ72と、利用者が硬貨を入れる硬貨投入口73が設けられる。
<撮影部の構成>
図5は、撮影部21の正面の構成例を示す斜視図である。
撮影部21は、正面パネル21A、側面パネル21B、および側面パネル21Cが、箱状の形状を有するベース部21Dに取り付けられることによって構成される。
正面パネル21Aのほぼ中央には、カメラユニット81が設けられる。カメラユニット81は、カメラ91およびタッチパネルモニタ92から構成される。
カメラ91は、例えば一眼レフカメラであり、レンズ部分が露出するようにカメラユニット81の内部に取り付けられる。カメラ91はCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子を有し、撮影空間A1にいる利用者を撮影する。カメラ91により取り込まれた動画像(以下、ライブビュー画像ともいう)は、タッチパネルモニタ92にリアルタイムで表示される。利用者により撮影が指示されたときなどの所定のタイミングでカメラ91により取り込まれた静止画像は、撮影画像として保存される。
カメラ91の下方に設けられたタッチパネルモニタ92は、LCDなどのモニタと、それに積層されたタッチパネルにより構成される。タッチパネルモニタ92は、カメラ91により取り込まれた動画像を表示するライブビューモニタとしての機能と、各種のGUI(Graphical User Interface)を表示し利用者の操作入力を受け付ける機能を備えている。タッチパネルモニタ92には、カメラ91により取り込まれた動画像(ライブビュー画像)や静止画像(撮影画像)が表示される。
本実施の形態において、カメラ91は、顔を中心として、利用者のほぼ胸から上の範囲が大きく写る画像であるアップ画像を得るためのアップ撮影のみを行うものとする。ただし、カメラ91が、アップ撮影に加えて、利用者の全身が写る画像である全身画像を得るための全身撮影を行うようにしてもよい。
カメラユニット81の上方には、曲面の発光面を利用者に向けた上ストロボ82が設置される。上ストロボ82は、上方から利用者の顔および上半身を照射する。さらに、ベース部21Dには、下ストロボ83が設けられる。下ストロボ83は、利用者の下半身および足元を照射する。
ベース部21Dにおいて、下ストロボ83の左右両側の上面は、撮影作業を行う利用者が手荷物などを置くための荷物置き場として用いられる。また、図示はしないが、正面パネル21Aの例えば天井付近には、撮影処理の案内音声、BGM、効果音などの音を出力するスピーカも設けられる。
<背景部の構成>
図6は、背景部22の構成例を示す図である。
カメラ91側から背景部22を見た場合、カメラ91の光軸方向に背面パネル22Aがある。背面パネル22Aの左端には側面パネル22Bが設けられ、右端には側面パネル22Cが設けられる。
背面パネル22Aの上には天井部23の背面部材23Dが設けられる。天井部材23Aの背面部材23D側には、撮影空間A1内の利用者を後方中央上から照射する背面中央ストロボ111が取り付けられる。天井部材23Aの背面中央ストロボ111より手前側には天井ストロボユニット31(図示せず)が設けられる。
側面パネル22Bの上方の連結部23Bには、背面パネル22Aの前に立っている利用者を後方右斜め上から照射する背面ストロボ112が取り付けられる。側面パネル22Cの上方の連結部23Cには、利用者を後方左斜め上から照射する背面ストロボ113が取り付けられる。
なお、背面パネル22A、側面パネル22B、および側面パネル22Cの撮影空間A1側の面は、クロマキー処理に用いられる色(例えば緑色)に色付けされている。
<編集ユニットの構成>
図7は、編集ユニット12の正面側(編集空間A2−1側)の構成例を示す図である。
斜面12Bのほぼ中央には、タブレット内蔵モニタ131が設けられる。タブレット内蔵モニタ131を挟んで左側にタッチペン132Aが設けられ、右側にタッチペン132Bが設けられる。
タブレット内蔵モニタ131は、タッチペン132Aまたは132Bを用いて操作入力が可能なタブレットがLCDなどのモニタに重畳して設けられることによって構成される。タブレット内蔵モニタ131には、例えば編集画面が表示される。編集画面は、編集作業で用いられる画面である。2人で同時に編集作業を行う場合、タッチペン132Aはタブレット内蔵モニタ131に向かって左側にいる利用者により用いられ、タッチペン132Bはタブレット内蔵モニタ131に向かって右側にいる利用者により用いられる。
図8は、編集ユニット12の側面12Cの構成例を示す図である。
編集ユニット12の側面12Cにはタッチパネルモニタ151が設けられる。タッチパネルモニタ151には、印刷待ち時間に、利用者の携帯端末に送信する画像の選択や、利用者の携帯端末のメールアドレスの入力などの事後選択に用いられる画面が表示される。
タッチパネルモニタ151の下にはシール紙排出口152が設けられる。編集ユニット12の内部にはプリンタが設けられている。そのプリンタにより、編集が施された撮影画像が所定のレイアウトでシール紙に印刷され、シール紙排出口152から排出される。シール紙排出口152の下には、事後選択に関する案内音声、BGM、効果音等などを出力するスピーカ153が設けられる。
<写真シール作成装置の内部構成>
図9は、写真シール作成装置1の内部の構成例を示すブロック図である。上述した構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
制御部201はCPU(Central Processing Unit)などにより構成される。制御部201は、ROM(Read Only Memory)206や記憶部202に記憶されているプログラムを実行し、写真シール作成装置1の全体の動作を制御する。制御部201には、記憶部202、通信部203、ドライブ204、ROM206、RAM(Random Access Memory)207が接続される。制御部201には、事前選択部208、撮影部209、編集部210A,210B、および印刷部211の各構成も接続される。
記憶部202は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体である。記憶部202は、制御部201から供給された各種の設定情報などを記憶する。記憶部202に記憶されている情報は制御部201により適宜読み出される。
通信部203は、インターネットなどのネットワークのインタフェースである。通信部203は、制御部201による制御に従って外部の装置と通信を行う。通信部203は、例えば、利用者に選択された編集画像をサーバに送信する。通信部203から送信された画像は、サーバにおいて所定の記憶領域が割り当てられて保存され、サーバにアクセスしてきた携帯端末のディスプレイに表示されたり、ダウンロードされたりする。
ドライブ204には、光ディスクや半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア205が適宜装着される。ドライブ204によりリムーバブルメディア205から読み出されたコンピュータプログラムやデータは、制御部201に供給され、記憶部202に記憶されたり、インストールされたりする。
ROM206には、制御部201において実行されるプログラムやデータが記憶される。RAM207は、制御部201が処理するデータやプログラムを一時的に記憶する。
事前選択部208は、事前選択空間A0にいる利用者を対象とした事前選択処理を実行する。事前選択部208は、タッチパネルモニタ71、スピーカ72、および硬貨処理部221から構成される。
タッチパネルモニタ71は、制御部201による制御に従って各種の選択画面を表示し、選択画面に対する利用者の操作を受け付ける。利用者の操作の内容を表す入力信号は制御部201に供給され、各種の選択処理が行われる。
硬貨処理部221は、硬貨投入口73への硬貨の投入を検出する。硬貨処理部221は、例えば400円などの所定の金額分の硬貨が投入されたことを検出した場合、ゲームの開始を指示する起動信号を制御部201に出力する。
撮影部209は、撮影空間A1にいる利用者を対象とした撮影処理を実行する。撮影部209は、照明装置231、カメラ91、タッチパネルモニタ92、およびスピーカ232から構成される。
照明装置231は、撮影空間A1内の各ストロボであり、制御部201から供給される照明制御信号に従って発光する。
カメラ91は、制御部201による制御に従って撮影を行い、撮影によって得られた撮影画像を制御部201に出力する。
編集部210Aは、編集空間A2−1にいる利用者を対象とした編集処理を行うための構成を有する。編集部210Aは、タブレット内蔵モニタ131、タッチペン132A,132B、およびスピーカ241から構成される。編集部210Bは、編集部210Aと同一の構成からなり、編集空間A2−2にいる利用者を対象とした編集処理を行うための構成を有する。
タブレット内蔵モニタ131は、制御部201による制御に従って編集画面を表示し、編集画面に対する利用者の操作を受け付ける。利用者の操作の内容を表す入力信号は制御部201に供給され、編集対象の撮影画像が編集される。
印刷部211は、編集画像の印刷処理を実行するとともに、印刷待ち空間A3にいる利用者を対象とした事後選択処理を実行する。事後選択処理は、事後選択を利用者に行わせ、事後選択により選択された画像を、利用者の携帯端末に送信するための処理である。印刷部211は、タッチパネルモニタ151、スピーカ153、およびプリンタ251から構成される。プリンタ251には、ロール状のシール紙261を含むシール紙ユニット252が装着される。
プリンタ251は、制御部201から供給された印刷データに基づいて編集画像をシール紙261に印刷する。制御部201からプリンタ251に対しては、各画像が所定のレイアウトで配置されたイメージデータが印刷データとして供給される。プリンタ251は、編集画像が印刷されたシール紙261の部分を切り取り、シール紙排出口152に排出する。
<制御部の構成>
図10は、図9の制御部201の機能構成例を示すブロック図である。図10に示す機能部のうちの少なくとも一部は、制御部201内のCPUにより所定のプログラムが実行されることによって実現される。これにより、写真シール作成装置1は、画像編集装置として機能する。
制御部201においては、事前選択処理部301、撮影処理部302、編集処理部30
3、印刷処理部304、および事後選択処理部305が実現される。
事前選択処理部301は、事前選択部208の各部を制御し、事前選択処理を行う。撮影処理部302は、撮影部209の各部を制御し、撮影処理を行う。編集処理部303は、編集部210A,210Bの各部を制御し、編集処理を行う。印刷処理部304は、印刷部211のプリンタ251を制御し、印刷処理を行う。事後選択処理部305は、印刷部211のタッチパネルモニタ151およびスピーカ153を制御し、事後選択処理を行う。
図11は、撮影処理部302の構成例を示すブロック図である。
撮影処理部302は、表示制御部321、および撮影制御部322から構成される。
表示制御部321は、タッチパネルモニタ92の表示を制御する。例えば、表示制御部321は、タッチパネルモニタ92に、カメラ91に取り込まれた動画像をライブビュー表示させたり、撮影結果である撮影画像を表示させたりする。
撮影制御部322は、カメラ91を制御し、利用者を被写体として撮影を行わせ、撮影画像を取得する。
図12は、編集処理部303の構成例を示すブロック図である。
編集処理部303は、表示制御部331、トリミング処理部332、および合成処理部333から構成される。
表示制御部331は、タブレット内蔵モニタ131の表示を制御する。例えば、表示制御部331は、タブレット内蔵モニタ131に、撮影画像に対する編集作業を利用者に行わせるための編集画面を表示させる。
トリミング処理部332は、編集対象になり得る撮影画像をトリミングする。
合成処理部333は、編集画面において利用者によって選択された合成用画像を、編集対象となった撮影画像(編集対象画像)に合成する。
合成用画像には、利用者による描画入力の描画軌跡に対応して合成される線からなる画像であるペン画像、撮影画像の任意の位置に合成される図形や文字等の画像であるスタンプ画像、撮影画像の予め定められた位置に合成される図柄や模様等の画像であるフレーム画像が含まれる。すなわち、編集処理部303は、利用者による編集入力に基づいて、撮影画像に対してペン画像やスタンプ画像、フレーム画像を合成することで、合成画像を生成する。これらの合成用画像は、記憶部202に記憶されている。なお、以下においては、これらの合成用画像を、適宜、編集ツールともいう。
<写真シール作成装置の動作>
次に、以上のような構成を有する写真シール作成装置1の動作について説明する。
まず、図13のフローチャートを参照して、写真シール作成ゲームを提供する写真シール作成装置1の一連の処理について説明する。図13の処理は、所定の金額分の硬貨が事前選択部32の硬貨投入口73に投入されたときに開始される。
ステップS1において、事前選択処理部301は、撮影前の各種の選択を行う処理である事前選択処理を行う。事前選択処理については図14のフローチャートを参照して後述する。
ステップS2において、撮影処理部302は、事前選択処理での選択内容に従って撮影処理を行う。撮影処理においては、所定回数のアップ撮影が行われる。撮影処理については図16および図18のフローチャートを参照して後述する。
ステップS3において、編集処理部303は編集処理を行う。編集処理においては、撮影画像の編集が行われる。編集処理については図21および図22のフローチャートを参照して後述する。
ステップS4において、印刷処理部304は印刷処理を開始する。具体的には、印刷処理部304は、利用者により選択されたレイアウトに従って編集画像を配置することによって印刷データを生成する。そして、印刷処理部304は、印刷データをプリンタ251に供給し、編集画像をシール紙に印刷させる。
ステップS5において、事後選択処理部305は、事後選択処理を行う。具体的には、事後選択処理部305は、印刷が終わるのを待っている利用者に事後選択を行わせ、選択された撮影画像や編集画像を利用者の携帯端末に送信するために、その画像をサーバに送信する。
印刷が終了したとき、ステップS6において、編集画像が印刷されたシール紙がシール紙排出口152に排出される。利用者は、シール紙をシール紙排出口152から取り出して一連のゲームを終える。
<事前選択処理>
次に、図14のフローチャートを参照して、図13のステップS1において行われる事前選択処理について説明する。
事前選択処理が開始されると、ステップS11において、事前選択処理部301は、コース選択画面をタッチパネルモニタ71に表示させる。
図15は、コース選択画面の例を示す図である。
コース選択画面のほぼ中央には、ボタン411およびボタン412が左右に並んで表示される。ボタン411およびボタン412の下には、ボタン413が表示される。
ボタン411およびボタン412は、写りコースを選択するときに操作されるボタンである。写りコースには、「さらふわ」コースと「うるふわ」コースとがある。「さらふわ」コースは、撮影画像に写る人物の肌の質感を柔らかく、画像全体の色味を淡くするコースである。「うるふわ」コースは、「さらふわ」と比べて画像全体の色味をやや濃くするコースである。
すなわち、ボタン411は、写りコースとして「さらふわ」コースを選択するときに操作されるボタンであり、ボタン412は、写りコースとして「うるふわ」コースを選択するときに操作されるボタンである。
また、ボタン413は、1人用コースを選択するときに操作されるボタンである。1人用コースが選択されると、写りコースのいずれかが選択された場合とは異なる、1人の利用者に向けたゲームが提供される。
コース選択画面において、写りコースのいずれかが選択された場合、処理はステップS12に進む。ステップS12において、事前選択処理部301は、名前入力画面をタッチパネルモニタ71に表示させる。
名前入力画面は、利用者による自身の名前の入力に用いられる画面である。写りコースのいずれかが選択されている場合、基本的には、利用者の人数は複数人である。したがって、名前入力画面は、複数の利用者の名前が入力可能な構成とされる。
名前入力画面において、利用者による名前の入力が完了すると、処理はステップS13に進む。ステップS13において、事前選択処理部301は、背景選択画面をタッチパネルモニタ71に表示させる。
背景選択画面は、背景画像の選択に用いられる画面である。背景画像は、撮影により得られる撮影画像の背景となる画像である。背景選択画面には、背景画像が複数枚表示される。利用者は、背景選択画面の中から、撮影により得られる撮影画像の枚数と同じ数、具体的には6枚の背景画像を選択することができる。なお、背景選択画面には、背景画像として、所定のテーマに沿った背景画像が6枚セットになった背景セットが複数表示され、選択されるようにしてもよい。
背景選択画面において、6枚の背景画像の選択が完了すると、処理はステップS14に進む。ステップS14において、事前選択処理部301は、BGM選択画面をタッチパネルモニタ71に表示させる。
BGM選択画面は、撮影空間において流れるBGMとしての楽曲の選択に用いられる画面である。BGM選択画面には、BGMとなる楽曲の候補を表すボタンが設けられる。利用者は、複数のボタンの中から、いずれかのボタンを選択することができる。
BGM選択画面において、BGMの選択が完了すると、処理はステップS18に進む。
一方、コース選択画面において、1人用コースが選択された場合、処理はステップS15に進む。ステップS15において、事前選択処理部301は、名前入力画面をタッチパネルモニタ71に表示させる。
1人用コースが選択されている場合、基本的には、利用者の人数は1人である。したがって、名前入力画面は、1人の利用者の名前が入力可能な構成でよい。
名前入力画面において、利用者による名前の入力が完了すると、処理はステップS16に進む。ステップS16において、事前選択処理部301は、シールレイアウト選択画面をタッチパネルモニタ71に表示させる。
シールレイアウト選択画面は、シールレイアウト画像の選択に用いられる画面である。シールレイアウト画像は、複数の撮影画像が配置されるようなデザインを有する画像である。シールレイアウト画像において撮影画像が配置される領域(以下、撮影画像配置領域という)以外の領域には、デザイン性に富んだ文字や図柄などが配置される。1人用コースが選択された場合、シール紙には、撮影画像配置領域に撮影画像が配置されたシールレイアウト画像が印刷される。
シールレイアウト選択画面において、シールレイアウト画像の選択が完了すると、処理はステップS17に進む。ステップS17において、事前選択処理部301は、分割数選択画面をタッチパネルモニタ71に表示させる。
分割数選択画面は、シール紙の分割数の選択に用いられる画面である。シール紙の分割数が選択されることで、シール紙におけるシールレイアウト画像の配置を表す印刷レイアウトが決定される。
分割数選択画面において、分割数の選択が完了すると、処理はステップS18に進む。
ステップS18において、事前選択処理部301は、事前選択空間A0にいる利用者に対して、撮影空間A1への移動を案内する。撮影空間A1への移動の案内は、タッチパネルモニタ71に案内画面を表示させることによって、または音声をスピーカ72から出力させることによって行われる。
<撮影処理>
次に、図13のステップS2において行われる撮影処理について説明する。なお、事前選択処理において選択されたコースによって、異なる撮影処理が実行される。
(写りコースの撮影処理)
まず、図16のフローチャートを参照して、写りコースのいずれかが選択された場合の撮影処理について説明する。
撮影処理が開始されると、表示制御部321が、撮影の際の撮影空間内での立ち位置を説明する画面をタッチパネルモニタ92に表示させるなどしてガイダンスを出力する。次に、ライブビュー表示画面がタッチパネルモニタ92に表示される。
その状態で撮影のタイミングになったとき、ステップS31において、撮影制御部322は、1回目の撮影を行う。表示制御部321は、撮影によって得られた撮影画像を、撮影結果としてタッチパネルモニタ92に表示させる。利用者は、1回目の撮影結果を確認しながら、次の撮影の準備を行うことができる。
そして、2回目以降の撮影が行われる。すなわち、2回目の撮影タイミングになったとき、ステップS32において、撮影制御部322は、2回目の撮影を行う。
同様にして、ステップS33乃至S36において、撮影制御部322は、それぞれ3乃至6回目の撮影を行う。このようにして6回行われる撮影は、いずれもアップ撮影とされる。
なお、事前選択処理において、硬貨処理部221が硬貨の投入を検出してから、所定の時間、タッチパネルモニタ71に対する操作が行われなかった場合、撮影処理における撮影の回数は1回減らされ、5回の撮影が行われる。
さて、ステップS37において、表示制御部321は、目・明るさ選択画面をタッチパネルモニタ92に表示させる。
図17は、目・明るさ選択画面の例を示す図である。
目・明るさ選択画面のほぼ中央には、1回目から6回目の撮影により得られた6枚全ての撮影画像421−1乃至421−6が表示される。撮影画像421−1乃至421−6の下には、5つの明るさボタン431−1乃至431−5が横一列に並んで表示される。明るさボタン431−1乃至431−5の下には、3つの目サイズボタン432−1乃至432−3が横一列に並んで表示される。また、目サイズボタン432−3の右には、ボタン433が表示される。
明るさボタン431−1乃至431−5は、撮影画像に写る人物(利用者自身)の肌の色を選択するときに操作されるボタンである。明るさボタン431−1乃至431−5のうち、最も左に表示される明るさボタン431−1は、肌を色黒にするときに操作されるボタンであり、最も右に表示される明るさボタン431−5は、肌を色白にするときに操作されるボタンである。
利用者により、明るさボタン431−1乃至431−5のいずれかが選択されると、撮影画像421−1乃至421−6それぞれに写る利用者の肌の色が、選択された明るさボタンに対応する色に調整される。
目サイズボタン432−1乃至432−3は、撮影画像に写る人物(利用者自身)の目のサイズを選択するときに操作されるボタンである。目サイズボタン432−1乃至432−3のうち、最も左に表示される目サイズボタン432−1は、目のサイズをほとんど大きくしないときに操作されるボタンであり、最も右に表示される目サイズボタン432−3は、目のサイズを特に大きくするときに操作されるボタンである。なお、図17の例では、3つの目サイズボタン432−1乃至432−3により、目のサイズは3段階に調整可能とされるが、5つの目サイズボタンが表示されるようにすることで、目のサイズが5段階に調整可能とされるようにしてもよい。
利用者により、目サイズボタン432−1乃至432−3のいずれかが選択されると、撮影画像421−1乃至421−6それぞれに写る利用者の目のサイズが、選択された目サイズボタンに対応するサイズに調整される。
なお、最初に目・明るさ選択画面が表示された状態、すなわちデフォルトの状態では、明るさボタン431−3と、目サイズボタン432−2が選択されている。
ボタン433は、撮影画像に写る利用者の肌の色を、選択されている明るさボタンに対応する肌の色に決定し、撮影画像に写る利用者の目のサイズを、選択されている目サイズボタンに対応する目のサイズに決定するときに操作されるボタンである。
目・明るさ選択画面において、肌の明るさおよび目のサイズの選択が決定されると、処理はステップS38に進む。ステップS38において、撮影処理部302は、撮影空間A1にいる利用者に対して、編集空間A2−1または編集空間A2−2への移動を案内する。編集空間A2−1または編集空間A2−2への移動の案内は、撮影部209のタッチパネルモニタ92に案内画面を表示させることによって、または音声をスピーカ232から出力させることによって行われる。
(1人用コースの撮影処理)
次に、図18のフローチャートを参照して、1人用コースの撮影処理について説明する。
1人用コースの撮影処理が開始されると、ステップS51において、表示制御部321は、事前選択処理において選択されたシールレイアウト画像をタッチパネルモニタ92に表示させる。
図19は、シールレイアウト画像表示画面の例を示す図である。
シールレイアウト画像表示画面の上方には、「選んだデザインに合わせて、順番に撮影するよ!」のメッセージが表示され、その下に、事前選択処理において選択されたシールレイアウト画像441が表示される。
シールレイアウト画像441には、5つの撮影画像配置領域451乃至455が設けられている。撮影画像配置領域451乃至455それぞれには、モデルが被写体となって写るモデル画像が配置される。また、撮影画像配置領域451乃至455のうち、これから行われる撮影に対応するモデル画像が表示されている撮影画像配置領域は強調表示される。
撮影画像配置領域の強調表示が所定の時間なされた後、処理はステップS52に進み、撮影制御部322は、1回目の撮影を行う。表示制御部321は、撮影によって得られた撮影画像を、撮影結果としてタッチパネルモニタ92に表示させる。
その後、再びシールレイアウト画像が表示される。1回目の撮影に対応する撮影画像配置領域には、1回目の撮影により得られた撮影画像が配置されるとともに、次に行われる撮影に対応するモデル画像が表示されている撮影画像配置領域が強調表示される。
そして、2回目以降の撮影が行われる。すなわち、2回目の撮影タイミングになったとき、ステップS53において、撮影制御部322は、2回目の撮影を行う。
同様にして、ステップS54乃至S56において、撮影制御部322は、それぞれ3乃至5回目の撮影を行う。このようにして5回行われる撮影は、いずれもアップ撮影とされる。
なお、事前選択処理において、硬貨処理部221が硬貨の投入を検出してから、所定の時間、タッチパネルモニタ71に対する操作が行われなかった場合、撮影処理における撮影の回数は1回減らされ、4回の撮影が行われる。
さて、ステップS57において、表示制御部321は、目・明るさ選択画面をタッチパネルモニタ92に表示させる。
このとき表示される目・明るさ選択画面は、1回目から5回目の撮影により得られた5枚全ての撮影画像が表示される以外は、基本的には図17を参照して説明した構成と同様であるので、その説明は省略する。
目・明るさ選択画面において、肌の明るさおよび目のサイズの選択が完了すると、処理はステップS58に進む。ステップS58において、撮影処理部302は、撮影空間A1にいる利用者に対して、編集空間A2−1または編集空間A2−2への移動を案内する。編集空間A2−1または編集空間A2−2への移動の案内は、撮影部209のタッチパネルモニタ92に案内画面を表示させることによって、または音声をスピーカ233から出力させることによって行われる。
<編集処理>
次に、図13のステップS3において行われる編集処理について説明する。なお、撮影処理と同様に、事前選択処理において選択されたコースによって、異なる編集処理が実行される。
(1人用コースの編集処理)
まず、図20のフローチャートを参照して、1人用コースが選択された場合の編集処理について説明する。
ステップS71において、表示制御部331は、ペン選択画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。
ペン選択画面は、1人の利用者に、2本のタッチペン132A,132Bのどちらを利用するかを選択させるための画面である。
ペン選択画面において、タッチペン132A,132Bのどちらを利用するかが選択されると、処理はステップS72に進む。ステップS72において、表示制御部331は、選択されたタッチペンに応じた編集画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。
例えば、ペン選択画面において、右利きの利用者により、タブレット内蔵モニタ131の右側にあるタッチペン132Bを利用することが選択されると、タッチペン132Aが無効になる。そして、詳細な説明は省略するが、右利きの利用者が編集作業を行いやすい構成の編集画面が表示される。
また、ペン選択画面において、左利きの利用者により、タブレット内蔵モニタ131の左側にあるタッチペン132Aを利用することが選択されると、タッチペン132Bが無効になる。そして、左利きの利用者が編集作業を行いやすい構成の編集画面が表示される。
ステップS73において、合成処理部333は、利用者による編集画面に対する編集作業に応じて、撮影画像に対する編集を行う。具体的には、合成処理部333は、編集画面において利用者により選択された合成用画像を、複数の撮影画像の中から編集対象画像として選択された撮影画像に合成する。
編集作業が完了すると、処理はステップS74に進む。ステップS74において、編集処理部303は、編集作業を終えた利用者に対して、印刷待ち空間A3への移動を案内する。印刷待ち空間A3への移動の案内は、編集部210Aまたは編集部210Bのタブレット内蔵モニタ131に案内画面を表示させることによって、または音声をスピーカ241から出力させることによって行われる。
(写りコースの編集処理)
次に、図21のフローチャートを参照して、写りコースのいずれかが選択された場合の編集処理について説明する。
ステップS91において、トリミング処理部332は、撮影により得られた6枚の撮影画像に対してトリミング処理を施す。
ここで、図22を参照して、ステップS91において行われるトリミング処理について説明する。
図22には、撮影により得られた撮影画像の原画像501が示されている。
原画像501において、枠R1は、撮影画像として得られる最大の領域を表す枠である。従来、編集対象となる撮影画像は、枠R1の内側であらかじめ設定されたトリミング枠R2でトリミングされた画像となる。この場合、撮影時のカメラ91に対する利用者の立ち位置によっては、利用者がトリミング枠R2の内側に適切に収まらないおそれがある。その結果、トリミング枠R2でトリミングされた撮影画像は、被写体がずれて写る画像となってしまう。
一方、本実施の形態におけるトリミング処理は、以下のようにして行われる。
まず、原画像501に写る複数の利用者のうち、例えば最も背の高い利用者の人物領域の上端(人物の頭頂部)の点が検知される。そして、丸数字1で示されるように、検知された点をy軸方向にあらかじめ決められたピクセル数だけずらしたy座標y1が、トリミング枠の上辺に設定される。
なお、検知された点をずらすピクセル数は、利用者となる世代の女性の平均身長に基づいて決定される。
次に、原画像501における人物の顔領域の輪郭の点が検知される。具体的には、図22の例では、原画像501に写る2人の人物のうちの、左側に写る人物の顔領域の輪郭の左上の点と、右側に写る人物の顔領域の輪郭の右上の点が検知される。そして、丸数字2で示されるように、検知された点それぞれをx軸方向(画像中心から遠ざかる方向)にあらかじめ決められたピクセル数だけずらしたx座標x1,x2が、トリミング枠の左辺および右辺に設定される。これにより、トリミング枠の幅wが決定される。
なお、原画像501に、3人以上の人物が写っている場合には、最も左側に写る人物の顔領域の輪郭の左上の点と、最も右側に写る人物の顔領域の輪郭の右上の点に基づいて、トリミング枠の幅wが決定される。
そして、丸数字3に示されるように、トリミング枠の幅wに基づいて、トリミング枠の横縦比が所定の比率になるように、トリミング枠の高さhが決定される。すなわち、トリミング枠の下辺となるy座標y2が設定される。本実施の形態においては、撮影画像の横縦比は1:1.1とされるので、トリミング枠の幅wを1.1倍することで、トリミング枠の高さhが求められる。
以上のようにして、トリミング枠R3が設定される。このトリミング枠R3もまた、枠R1の内側で設定される。
なお、上述したトリミング処理において、人物領域や顔領域の検知は、クロマキー処理により人物領域のマスク画像を生成したり、顔認識処理により顔の特徴点を抽出することで行われる。
また、上述したトリミング処理において、髪の毛領域のマスク画像を生成するようにした場合には、髪の毛領域がトリミング枠R3の内側に収まるように、x座標x1,x2が設定されるようにしてもよい。
以上のようなトリミング処理によれば、カメラ91に対する撮影時の利用者の立ち位置によらず、利用者、特に利用者の顔がトリミング枠の内側に適切に収まるようになる。結果として、トリミング枠R3でトリミングされた撮影画像は、被写体がずれて写る画像となることはなく、また、顔が大きく写る画像となる。
また、髪を染めている利用者の髪の根元は、地毛の色になっていることがある。そこで、上述したトリミング処理においては、頭頂部をトリミング枠R3の内側に収めないようにしたので、撮影画像に、そのような利用者の髪の根元が写らないようにすることができる。
なお、本実施の形態において、トリミング処理部332は、1回の撮影により得られた原画像から、サイズの異なる複数の撮影画像(例えば、トリミング枠R2でトリミングされた画像と、トリミング枠R3でトリミングされた画像)を生成するものとする。ここで、生成された複数の撮影画像のうちの少なくとも1つの撮影画像に写る領域全体が、他の撮影画像のいずれか1つに写る領域に含まれるようにしてもよい。
すなわち、上述したトリミング処理においては、原画像501に対してトリミング枠R3が設定されるものとしたが、トリミング枠R2でトリミングされた撮影画像に対して、トリミング枠R3が設定されるようにしてもよい。ここで、トリミング枠R2でトリミングされた撮影画像を、本トリミング処理が行われる前のトリミング前画像とすると、トリミング枠R3でトリミングされた撮影画像を、本トリミング処理が行われた後のトリミング後画像とすることができる。
さて、図21のフローチャートに戻り、ステップS92において、表示制御部331は、おまかせトリミング選択画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。
図23は、おまかせトリミング選択画面の例を示す図である。
おまかせトリミング選択画面には、画像表示領域511と画像表示領域512が左右に並んで表示される。画像表示領域511および画像表示領域512の中間の下方には、ボタン513が表示される。
画像表示領域511は、撮影により得られた6枚の撮影画像が、上述したトリミング処理によりトリミングされた後のトリミング後画像(トリミング枠R3でトリミングされた画像)が表示される領域である。画像表示領域511に表示される6枚のトリミング後画像には、事前選択処理において選択された6枚の背景画像それぞれが合成される。
一方、画像表示領域512は、撮影により得られた6枚の撮影画像が、上述したトリミング処理によりトリミングされる前のトリミング前画像(トリミング枠R2でトリミングされた画像)が表示される領域である。画像表示領域512に表示される6枚のトリミング前画像にも、事前選択処理において選択された6枚の背景画像それぞれが合成される。
画像表示領域511は、出力される画像としてトリミング後画像を選択するときに選択される領域であり、画像表示領域512は、出力される画像としてトリミング前画像を選択するときに選択される領域である。ここで、出力される画像とは、編集対象となる画像、シール紙に印刷される画像、および、利用者の携帯端末に送信される画像の少なくともいずれかをいう。
ボタン513は、利用者に選択されたトリミング後画像およびトリミング前画像のいずれか一方を、出力される画像に決定するための決定ボタンである。
利用者の中には、撮影の際にカメラから遠ざかって、引きの状態で写る利用者がいる。すなわち、利用者は必ずしも、顔が大きく写るトリミング後画像を所望するとは限らない。
そこで、おまかせトリミング選択画面のように、トリミング後画像とトリミング前画像を並べて表示することで、利用者は、それぞれを比較しながら、出力される画像をどちらにするか選択することができる。
おまかせトリミング選択画面において、トリミング後画像とトリミング前画像のどちらを出力される画像とするかが決定されると、処理はステップS93に進む。ステップS93において、表示制御部331は、編集画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。
ステップS94において、合成処理部333は、利用者による編集画面に対する編集作業に応じて、撮影画像に対する編集を行う。具体的には、合成処理部333は、編集画面において利用者により選択された合成用画像を、複数の撮影画像の中から編集対象画像として選択された撮影画像に合成する。
編集作業が完了すると、処理はステップS95に進む。ステップS95において、表示制御部331は、分割数選択画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。
分割数選択画面は、シール紙の分割数の選択に用いられる画面である。シール紙の分割数が選択されることで、シール紙における複数の画像の配置を表す印刷レイアウトが決定される。
分割数選択画面において、分割数の選択が完了すると、処理はステップS96に進む。ステップS96において、編集処理部303は、編集作業を終えた利用者に対して、印刷待ち空間A3への移動を案内する。印刷待ち空間A3への移動の案内は、編集部210Aまたは編集部210Bのタブレット内蔵モニタ131に案内画面を表示させることによって、または音声をスピーカ241から出力させることによって行われる。
以上の処理によれば、おまかせトリミング選択画面において、トリミング後画像とトリミング前画像が並べて表示される。これにより、利用者は、トリミング後画像とトリミング前画像のそれぞれを比較しながら、出力される画像をどちらにするかを選択することができる。結果として、より簡単に、利用者が所望する画像を提供することが可能となる。
(おまかせトリミング選択画面の他の例)
以上においては、おまかせトリミング選択画面において、トリミング後画像とトリミング前画像の両方が並んで表示されるようにしたが、トリミング後画像とトリミング前画像のいずれか一方が表示されるようにしてもよい。
例えば、図24に示されるように、おまかせトリミング選択画面に、1つの画像表示領域514のみが表示されるようにする。図24の例では、画像表示領域514に6枚のトリミング後画像が表示されている。また、画像表示領域511の右側には、ボタン515が設けられる。
ボタン515は、画像表示領域514に表示される画像を、トリミング後画像およびトリミング前画像のいずれか一方に切り替えるために操作される切り替えボタンである。
図24に示される状態でボタン515が操作されると、図25に示されるように、画像表示領域514には、6枚のトリミング前画像が表示されるようになる。
また、図25に示される状態でボタン515が操作されると、図24に示されるように、画像表示領域514には、6枚のトリミング後画像が再び表示されるようになる。
画像表示領域514にトリミング後画像およびトリミング前画像のいずれかが表示された状態で、ボタン513が操作されると、そのときに画像表示領域514に表示されているトリミング後画像およびトリミング前画像のいずれか一方が、出力される画像に決定される。
以上においては、出力される画像をトリミング後画像とするか、またはトリミング前画像とするかを、6枚の撮影画像全てについてまとめて選択させるようにしたが、6枚の撮影画像それぞれについて個別に選択させるようにしてもよい。
例えば、図26に示されるように、おまかせトリミング選択画面の中央下段に、6枚のトリミング前画像521−1乃至521−6が横一列に表示され、その中央上段に、6枚のトリミング後画像522−1乃至522−6が横一列に表示されるようにする。トリミング後画像522−1乃至522−6と、トリミング前画像521−1乃至521−6とは、それぞれ対応している。例えば、トリミング後画像522−1とトリミング前画像521−1は、いずれも1枚目の撮影画像(原画像)から生成された画像であり、トリミング後画像522−4とトリミング前画像521−4は、いずれも4枚目の撮影画像(原画像)から生成された画像とされる。すなわち、互いに対応するトリミング後画像とトリミング前画像のそれぞれには、同じポーズをとった利用者が、異なる撮影範囲で写ることになる。
図26のおまかせトリミング選択画面においては、1枚の撮影画像(原画像)について、トリミング後画像およびトリミング前画像のいずれか一方が選択される。例えば、1枚目の撮影画像については、トリミング前画像521−1およびトリミング後画像522−1のいずれか一方が選択され、4枚目の撮影画像については、トリミング前画像521−4およびトリミング後画像522−4のいずれか一方が選択される。
6枚の撮影画像について、トリミング後画像およびトリミング前画像のいずれか一方が選択された状態で、ボタン523が操作されると、6枚の撮影画像についてそれぞれ選択された方が、出力される画像に決定される。
なお、図26のおまかせトリミング選択画面において、ボタン523の左には、スライダー524がさらに表示される。
スライダー524は、トリミング後画像522−1乃至522−6のうちの、利用者に選択されたトリミング後画像のトリミング領域を調整するために操作されるGUIのパーツである。利用者は、スライダー524を操作することによって、トリミング後画像それぞれに写る人物(利用者自身)の大きさ(範囲)を調整することができる。このとき、おまかせトリミング選択画面に表示されるトリミング後画像の表示領域の大きさは変わらない。なお、スライダー524の操作によって調整されるトリミング領域は、トリミング後画像に対する顔認証処理の結果によって、さらに調整されるようにしてもよい。具体的には、スライダー524の操作によって調整されたトリミング領域から、利用者の顔の一部がはみ出してしまうような場合、利用者の顔がはみ出さないように、トリミング領域の位置が調整されるようにする。
なお、図27に示されるように、トリミング後画像522−1乃至522−6それぞれについて、スライダー524−1乃至524−6を設けるようにしてもよい。
以上の構成によれば、利用者は、撮影画像それぞれについて、トリミング後画像とトリミング前画像を比較しながら、出力される画像をどちらにするか選択することができる。さらに、利用者は、トリミング後画像について、そのトリミング領域を調整することができる。結果として、より高い自由度で、利用者が所望する画像を提供することが可能となる。
なお、以上においては、出力される画像をトリミング後画像とするか、またはトリミング前画像とするかを、6枚の撮影画像それぞれについて個別に選択させるようにしたが、
複数枚毎(例えば3枚毎)の撮影画像について選択させるようにしてもよい。これにより、6枚の撮影画像それぞれについて個別に選択させる場合と比べて、利用者の操作の手間を省くことができる。
(編集画面の例)
次に、図28を参照して、図21のステップS93において表示される編集画面の例について説明する。
図28に示されるように、編集画面は、基本的に、主な構成が左右対称に設けられることによって構成される。左半分の領域は、タブレット内蔵モニタ131に向かって左側にいる利用者により用いられる領域である。右半分の領域は、タブレット内蔵モニタ131に向かって右側にいる利用者により用いられる領域である。このような編集画面の構成により、主に2人の利用者が同時に編集作業を行うことができる。
以下、主に編集画面の左半分の領域について説明する。
左半分の領域の中央上側には、サムネイル画像表示領域611Lが設けられる。サムネイル画像表示領域611Lは、撮影画像を表すサムネイル画像の表示領域である。利用者は、サムネイル画像表示領域611Lに表示されているサムネイル画像を選択することによって、編集対象とする撮影画像を選択することができる。
左半分の領域のほぼ中央には、編集領域612Lが設けられる。編集領域612Lは、編集対象として選択された撮影画像の表示領域である。利用者は、タッチペン132Aを用いて編集ツールを選択し、編集領域612Lに表示された撮影画像に対する編集作業を行う。
ここで、上述したおまかせトリミング選択画面においては、出力される画像(編集画面に表示される画像)としてトリミング後画像が選択されているものとする。すなわち、図28の例では、編集領域612Lにはトリミング後画像が表示される。もちろん、おまかせトリミング選択画面において、トリミング前画像が選択されている場合には、編集領域612Lにはトリミング前画像が表示される。
編集領域612Lの左方には、ペンパレット表示領域613Lが設けられる。ペンパレット表示領域613Lは、手書き入力に用いられるペン画像(ペンツール)の選択に用いられるペンパレットの表示領域である。ペンパレット表示領域613Lには、ペン画像の線の種類、太さ、色の選択に用いられるボタンが複数表示される。
編集領域612Lの下方には、編集パレット表示領域614Lが設けられる。編集パレット表示領域614Lは、スタンプ画像などの各種の編集ツール(合成用画像)の選択に用いられる編集パレットの表示領域である。編集パレット表示領域614Lには、複数の合成用画像が表示される。編集パレットに表示される合成用画像はカテゴリ毎に分かれており、それぞれのカテゴリ名が付されたタブが選択されることで、編集パレットに表示される合成用画像が切り替わる。
利用者は、タッチペン132Aを用いてペンパレットから選択したペン画像や、編集パレットから選択したスタンプ画像を、編集領域612L上の所定の位置へ重畳することで、編集対象となる撮影画像に対する合成用画像の合成(落書き)を行うことができる。なお、図28の例では、編集領域612Lに表示されている撮影画像に、ペン画像p1とスタンプ画像s1が合成されている。
編集領域612Lの右方には、落書き操作ボタン615Lが設けられる。落書き操作ボタン615Lは、編集領域612Lに表示されている撮影画像に対する落書きに関する操作(落書き操作)を戻したり進めたりするためのボタンである。落書き操作ボタン615Lは、「戻る」ボタン、「進む」ボタン、「1SET戻る」ボタン、および「最初から」ボタンから構成される。
「戻る」ボタンは、落書き操作を1つ戻すためのボタンである。「進む」ボタンは、「戻る」ボタンにより戻された落書き操作を1つ進めるためのボタンである。「1SET戻る」ボタンは、落書き操作のうち、編集パレットを用いた落書き操作を全て戻すためのボタンである。「最初から」ボタンは、落書き操作を全て戻すためのボタンである。
編集画面の中央の領域には、一発落書きボタン616が設けられる。一発落書きボタン616は、一発落書きを行うときに操作されるボタンである。一発落書きは、あらかじめ設定された内容の落書きを、1回の操作で行わせる機能である。一発落書きボタン616が操作されることにより、あらかじめ決められた複数の合成用画像が一括して撮影画像に合成されるようになる。これにより、落書きに慣れていない利用者でも、落書きを簡単に済ませることができる。
一発落書きボタン616の下方には、携帯おまけボタン617L,617Rが設けられる。携帯おまけボタン617L(617R)が操作されると、携帯おまけの作成を行うことができる。携帯おまけは、携帯端末の待ち受け画像や、メールに添付されたり、ブログを含むSNS(Social Networking Service)にアップロードされたりする画像等、携帯端末上で用いられることを前提とした画像である。作成された携帯おまけは、携帯送信用の画像としてサーバに送信される。
編集領域612Lと編集パレット表示領域614Lとの間には、スライダー表示領域618Lが設けられる。スライダー表示領域618Lは、編集領域612Lに表示されている撮影画像のトリミング領域を調整するために操作されるスライダーの表示領域である。つまり、スライダーが操作されることで、編集領域612Lに対して撮影画像が相対的に拡大/縮小される。
なお、スライダー表示領域618Lを、サムネイル画像表示領域611Lと編集領域612Lとの間に設けるようにした場合、スライダー表示領域618Lは、サムネイル画像と編集対象画像とに上下を挟まれて表示されるため、利用者にとって目につきにくくなる。また、スライダー表示領域618Lを、編集領域612Lの左右のいずれかに設けるようにした場合、従来の編集画面の構成と比べて配置を大きく変更する必要が生じ、利用者が操作に戸惑うおそれがある。そこで、これらの問題点を回避するために、スライダー表示領域618Lを、編集領域612Lと編集パレット表示領域614Lとの間に設けるようにする。
また、スライダー表示領域618Lには、スライダーに加え、トリミング処理を施すGUIとしてのトリミングボタン621およびデフォルトボタン622が表示される。
トリミングボタン621は、編集領域612Lに表示されている撮影画像に対するトリミング機能を有効にするときに操作されるボタンである。デフォルトボタン622は、後述するように、編集領域612Lに対して撮影画像が相対的に移動、拡大/縮小、または回転された撮影画像を、最初に編集画面が表示された状態、すなわちデフォルトの状態に戻すためのボタンである。デフォルトの状態では、スライダーおよびデフォルトボタン622は、非アクティブな状態とされる。
デフォルトの状態でトリミングボタン621が操作されると、スライダーおよびデフォルトボタン622がアクティブな状態となる。すなわち、スライダーに対する操作により、撮影画像が編集領域612Lに対して相対的に拡大/縮小されるようになる。
またこのとき、図29に示されるように、編集領域612Lには、手の形をしたアイコン631と吹き出し632が表示される。吹き出し632には、撮影画像に写る人物の位置を調整できる旨のメッセージが記される。アイコン631が表示されている状態では、タッチペン132Aを用いた編集領域612Lに対するドラッグ操作等により、撮影画像が編集領域612Lに対して相対的に移動されたり、回転されたりする。
ここで、以下においては、撮影画像を、その一部または全体を表示したり編集作業の対象とするための編集領域に対して相対的に移動、拡大/縮小、または回転する処理を、編集画面でのトリミング処理(または、単にトリミング処理)という。この編集画面でのトリミング処理においては、撮影画像全体のうちの編集領域に表示される領域が、トリミング処理後の撮影画像として切り出される。
このように、編集領域612Lに表示されている撮影画像に対する落書き機能が有効な状態で、トリミングボタン621が操作されることで、落書き機能が無効になり、編集領域612Lに表示されている撮影画像に対するトリミング機能が有効になる。このとき、撮影画像に対する落書きの内容は保持される。
また、トリミングボタン621が再度操作されるか、または、落書き操作ボタン615Lが操作されると、スライダーおよびデフォルトボタン622は非アクティブな状態とされ、編集領域612Lにおけるアイコン631と吹き出し632の表示は消える。
すなわち、編集領域612Lに表示されている撮影画像に対するトリミング機能が有効な状態で、トリミングボタン621または落書き操作ボタン615Lが操作されることで、トリミング機能が無効になり、編集領域612Lに表示されている撮影画像に対する落書き機能が有効になる。
(編集画面表示時の処理について)
ここで、図30のフローチャートを参照して、編集画面表示時の処理について説明する。なお、図30の処理は、最初に編集画面が表示された状態、すなわちデフォルトの状態で開始される。
ステップS111において、表示制御部331は、編集画面において、トリミングボタン621が選択されたか否かを判定する。トリミングボタン621が選択されるまで、ステップS111の処理は繰り返される。トリミングボタン621が選択されると、処理はステップS112に進む。
ステップS112において、トリミング処理部332は、トリミング機能を有効にする。すなわち、編集画面に対する利用者の操作によって、トリミング処理が指示されると、トリミング処理部332は、編集領域612Lに表示されている撮影画像に対してトリミング処理を施すようになる。
ステップS113において、表示制御部331は、編集画面において、落書き操作ボタン615Lが選択されたか否かを判定する。落書き操作ボタン615Lが選択されるまで、ステップS113の処理は繰り返される。落書き操作ボタン615Lが選択されると、処理はステップS114に進む。なお、ここでは、落書き操作ボタン615Lに代えて、トリミングボタン621が再度操作されてもよい。
ステップS114において、合成処理部333は、落書き機能を有効にする。すなわち、編集画面に対する利用者の操作によって、合成用画像の合成が指示されると、合成処理部333は、編集領域612Lに表示されている撮影画像に対して合成用画像を合成するようになる。
その後、処理はステップS111に戻り、編集作業が完了するまで一連の処理が繰り返される。
以上のように、同一画面上で1つの表示領域に表示されている撮影画像に対して、落書きとトリミング処理とを、それぞれの内容を保持した状態で施すことができる。例えば、トリミング処理が施された画像に落書きを施し、再度トリミング処理を施す場合であっても、落書きの内容は保持される。したがって、利用者は、所望の範囲が写っていて、かつ、所望の落書きが施された画像を容易に得ることができる。すなわち、より簡単に、利用者が所望する画像を提供することが可能となる。
なお、編集画面でのトリミング処理においては、編集領域612Lに対して撮影画像が相対的に移動、拡大/縮小、または回転されるので、トリミング処理の前後で、編集領域612Lのサイズは変化しない。
したがって、トリミング処理の前後で、利用者に視覚的な印象の変化を与えることなく、編集作業を行わせることができる。
(トリミング可能な範囲について)
ここで、図31を参照して、編集画面でのトリミング処理においてトリミング可能な範囲、言い換えると、編集領域612Lに表示可能な範囲について説明する。
図31に示される撮影画像651は、図22を参照して説明した枠R1の内側の画像である。図31においては、撮影画像651のうち、編集領域612L内に表示される部分が、編集対象となる撮影画像となる。すなわち、編集対象となる撮影画像を、編集領域612Lに対して相対的に移動、拡大/縮小、または回転できる範囲、すなわち、編集領域612Lに表示可能な範囲は、撮影画像651の全範囲となる。
このように、移動や拡大/縮小は、撮影画像651の範囲を超えて行われることはできない。しかしながら、移動や拡大/縮小(特に縮小)が、撮影画像651の範囲を超えて行われるようにすることもできる。この場合、撮影画像651の周囲を、所定の画像(例えば、背景画像と同様の図柄が施された画像や、白色等の所定の色が施された画像等)で補うようにする。すなわち、移動や縮小が、撮影画像651の範囲を超えて行われた場合でも、編集領域には、これら所定の画像が表示されるようになる。このことは、元々の編集領域のサイズが、撮影画像651の範囲を超えているような場合にも適用することができる。
なお、アップ撮影に加えて全身撮影を行うようにした場合、図22の枠R1の縦横比を、アップ画像のものとは異なるようにする。これにより、得られる全身画像は、アップ画像とは異なる縦横比の画像となる。例えば、アップ画像の縦横比は1.2:1であるのに対し、全身画像の縦横比は、1.5:1となる。すなわち、編集領域612Lに表示可能な範囲は、撮影画像の撮影範囲によって適切に決められる。これにより、被写体のバランスがとれた画像を提供することができる。
また、上述したように、アップ画像に対してトリミング枠R3を設定する際、顔認識処理により顔領域を検知するものとしたが、全身画像に対してトリミング枠R3を設定する場合には、クロマキー処理により人物領域のマスク画像を生成することで、人物領域を検知するようにする。
なお、以上においては、アップ画像と全身画像とで、枠R1の縦横比が異なるようにしたが、最終的にトリミング枠R2やトリミング枠R3でトリミングされた後のアップ画像の縦横比と全身画像の縦横比が異なればよい。例えば、トリミングされた後のアップ画像の縦横比は1.2:1で、トリミングされた後の全身画像の縦横比は、1.5:1であればよい。したがって、トリミングされる前のアップ画像と全身画像とで、枠R1の縦横比は同一であってもよい。
(編集画面でのトリミング処理の拡張)
上述した例において、トリミング処理が施された撮影画像(編集対象画像)に対応するサムネイル画像の表示に、そのトリミング処理の内容が反映されるようにしてもよい。このとき、落書きの内容は、サムネイル画像の表示に反映させないものとする。これにより、利用者は、編集領域に表示されている撮影画像を見る以外にも、サムネイル画像を見ることで、トリミング処理の結果を確認することができる。
さらに、編集対象画像に対して施されたトリミング処理が、他の撮影画像に対しても施されるようにしてもよい。例えば、編集領域612Lに表示されている撮影画像に施されたトリミング処理の内容が、全ての撮影画像に一括して反映されるようにする。また、編集領域612Lに表示されている撮影画像に施されたトリミング処理の内容が、利用者により選択された撮影画像にのみ反映されるようにしてもよい。これらの場合、例えば、トリミング処理の内容が反映された撮影画像に対応するサムネイル画像の表示に、そのトリミング処理の内容が反映されるようにする。
また、上述したように、編集画面には主な構成が左右対称に設けられることにより、2人の利用者が同時に編集作業を行うことができる。例えば、1枚の撮影画像に対して左側の利用者の操作によって施されたトリミング処理の内容は、その撮影画像に対して右側の利用者が編集作業を行う場合にも引き継がれるものとする。
これとは別に、1枚の撮影画像に対して左側の利用者の操作によって施されたトリミング処理の内容が反映されたものと、同じ撮影画像に対して右側の利用者の操作によって施されたトリミング処理の内容が反映されたものとが、別の撮影画像として保存されるようにしてもよい。
この場合、それぞれの利用者は、1枚の撮影画像に対して、自分自身が中心となって写るようにトリミング処理(移動や拡大)を施すことができる。これにより、1枚の撮影画像から、利用者それぞれが所望する範囲が写る画像が得られるようになる。
さらに、所定の撮影条件に応じて、トリミング機能におけるパラメータが変更されるようにしてもよい。ここで、撮影条件とは、利用者の人数、撮影の種類(アップ撮影/全身撮影)、撮影画像の縦横比等とされる。また、トリミング機能におけるパラメータとは、例えば、撮影画像の編集領域に対する相対的な移動の移動量や移動方向、拡大/縮小の拡大率(縮小率)、回転の回転範囲等とされる。
また、落書き機能について、落書き操作ボタン615L(615R)が設けられているのと同様に、トリミング機能についても、トリミング操作ボタンとして、「戻る」ボタンや「進む」ボタン等を設けるようにしてもよい。
以下においては、編集画面でのトリミング処理、すなわち、撮影画像の編集領域に対する相対的な移動、拡大/縮小、および回転の詳細な例について説明する。
(移動について)
上述した例では、アイコン631に対する操作に応じて、撮影画像が編集領域に対して相対的に移動されるものとしたが、編集画面の所定の領域に、上下左右の4方向を示す十字キーを設けるようにしてもよい。
また、図32に示されるように、編集領域612Lの上下左右の四辺それぞれの近傍に、矢印ボタン661U,661D,661L,661Rを設けるようにしてもよい。矢印ボタン661Uが選択されると、撮影画像が編集領域612Lに対して相対的に上方向へ移動され、矢印ボタン661Dが選択されると、撮影画像が編集領域612Lに対して相対的に下方向へ移動される。また、矢印ボタン661Lが選択されると、撮影画像が編集領域612Lに対して相対的に左方向へ移動され、矢印ボタン661Rが選択されると、撮影画像が編集領域612Lに対して相対的に右方向へ移動される。
図32の例では、図32左側に示される状態で、矢印ボタン661Uが選択されることで、図32右側に示されるように、撮影画像が編集領域612Lに対して相対的に上方向へ移動されている。
なお、矢印ボタン661U,661D,661L,661Rを設けなくとも、編集領域612Lの上下左右の四辺それぞれの近傍がタッチペンでタッチされることで、対応する方向へ撮影画像が移動されるようにしてもよい。
さらに、編集画面の所定の領域に、撮影画像を編集領域に対して相対的に移動させるための移動ボタンを設けるようにしてもよい。例えば、1回目に移動ボタンが操作されると、撮影画像が編集領域に対して相対的に上方向へ移動され、2回目に移動ボタンが操作されると、撮影画像が編集領域に対して相対的に下方向へ移動される。また、3回目に移動ボタンが操作されると、撮影画像が編集領域に対して相対的に右方向へ移動され、4回目に移動ボタンが操作されると、撮影画像が編集領域に対して相対的に左方向へ移動される。
また、編集画面の所定の領域に、x方向(横方向)およびy方向(縦方向)への移動量を入力させるテキストボックスを設けるようにしてもよい。テキストボックスに入力される値は、ピクセル単位であってもよいし、編集領域に目盛を表示させるようにした場合には、その目盛の数値であってもよい。
さらに、編集画面の所定の領域に、ランダムボタンを設けるようにしてもよい。ランダムボタンが操作されると、無作為的に、撮影画像が編集領域に対して相対的に、移動量および/または移動方向を変えて移動される。
なお、編集領域に表示されている撮影画像上で、タッチペンにより選択された位置が、編集領域の中心になるように、撮影画像が編集領域に対して相対的に移動されるようにしてもよい。
(拡大/縮小について)
上述した例では、スライダーに対する操作によって、撮影画像が編集領域に対して相対的に拡大/縮小されるものとしたが、スライダーに代えて、編集画面の所定の領域に、サイズの異なる複数の矩形が表示された領域を設けるようにしてもよい。複数の矩形のうちのいずれかが選択されると、その矩形のサイズに応じて、撮影画像が編集領域に対して相対的に拡大/縮小されるようにする。
また、スライダーに代えて、倍率(例えば0%乃至200%等)を入力させるテキストボックスを設けるようにしてもよい。
さらに、タッチペンとタブレット内蔵モニタ131(編集領域)との接触時間の長さに応じて、拡大/縮小の拡大率(縮小率)が調整されるようしてもよい。
また、タブレット内蔵モニタ131上でのタッチペンの軌跡によって、撮影画像が編集領域に対して相対的に拡大/縮小されるようにしてもよい。例えば、タブレット内蔵モニタ131上で、タッチペンが左下から右上に移動されると、撮影画像が編集領域に対して相対的に拡大され、タッチペンが右上から左下に移動されると、撮影画像が編集領域に対して相対的に縮小されるようにする。
なお、上述したタブレット内蔵モニタ131に対する操作に、タッチペンに代えて指を用いるようにしてもよい。この場合、ピンチインやピンチアウト等の操作によって、撮影画像が編集領域に対して相対的に拡大/縮小されるようにしてもよい。
上述した例では、拡大/縮小の中心は、編集領域の中心であるものとするが、編集領域に表示されている撮影画像上で、利用者の操作(タッチペンまたは指)により選択された位置を中心に、拡大/縮小されるようにしてもよい。この場合、利用者は、自身が興味のある領域を中心に拡大/縮小することができるので、より簡単に、所望の範囲が写った画像を得ることができるようになる。
また、人物領域や顔領域の重心を中心に、拡大/縮小されるようにしてもよい。
さらに、複数の利用者の顔それぞれの配置に応じて、拡大/縮小の中心が決定されるようにしてもよい。具体的には、利用者が2人の場合、利用者それぞれの顔領域の重心や鼻の位置を結んだ線分の中点を中心に、拡大/縮小されるようにする。また、利用者が3人や4人の場合、利用者それぞれの顔領域の重心や鼻の位置を結んだ三角形や矩形の重心を中心に、拡大/縮小されるようにする。
なお、図33に示されるように、撮影画像が編集領域に対して相対的に拡大/縮小される際に、編集領域にグリッドが表示されるようにしてもよい。図33の例では、図33左側に示される状態から、図32右側に示される状態になるように、撮影画像が編集領域612Lに対して相対的に拡大されている。このとき、利用者は、編集領域に表示されているグリッドのマス目の大きさにより、拡大の度合いを把握することができる。
(回転について)
タブレット内蔵モニタ131上でのタッチペンの軌跡によって、撮影画像が編集領域に対して相対的に回転されるようにする。例えば、図34の左側に示されるように、編集領域612L上で、タッチペンが右回りで円弧662を描くように移動されると、図34の右側に示されるように、撮影画像が時計回りに回転されるようにする。また、図示はしないが、編集領域612L上で、タッチペンが左回りで円弧を描くように移動されると、撮影画像が反時計回りに回転されるようにする。
また、編集画面の所定の領域に、回転角度を入力させるテキストボックスを設けるようにしてもよい。テキストボックスに入力される値(角度)は、0°乃至359°とされる。
なお、テキストボックスに入力される角度を、−90°乃至90°としてもよい。この場合、例えばテキストボックスの近傍に、撮影画像を上下反転させるための上下反転ボタンを設けるようにする。これにより、回転角度として0°乃至359°をカバーすることができる。
また、テキストボックスに入力される角度を、0°乃至90°としてもよい。この場合、例えばテキストボックスの近傍に、上述した上下反転ボタンに加え、撮影画像を左右反転させるための左右反転ボタンを設けるようにする。これにより、回転角度として0°乃至359°をカバーすることができる。
なお、具体的な回転角度を入力するテキストボックスを設けず、単に、上下反転ボタンおよび左右反転ボタンのみを設けるようにしてもよい。
さらに、図35に示されるように、スライダー表示領域618Lに、回転ボタン663をさらに設けるようにしてもよい。回転ボタン663が選択されると、撮影画像が編集領域に対して相対的に、所定角度ずつ回転されるようにする。
また、編集領域に表示されている撮影画像上に、回転の中心点を表示させるようにしてもよい。さらに、編集領域に表示されている撮影画像上で、利用者の操作(タッチペンまたは指)により選択された位置が、回転の中心点に変更されるようにしてもよい。なお、この場合、デフォルトの状態では、編集領域の中心に、回転の中心点が表示されるようにする。
なお、回転により、編集領域から撮影画像に写る利用者の顔が見切れてしまうような場合には、「顔が見切れてるよ」等のメッセージを、編集領域上に表示させるようにしてもよい。
また、編集領域に表示されている撮影画像に、利用者の顔全体が写っている場合にのみ、上述した回転角度や回転の中心点が変更できるようにしてもよい。すなわち、編集領域から撮影画像に写る利用者の顔が見切れている場合には、回転角度や回転の中心点を変更させないようにする。
上述した例では、撮影画像全体が、編集領域に対して相対的に回転されるものとしたが、例えば、撮影画像における所定の領域のみが、編集領域に対して相対的に回転されるようにしてもよい。例えば、撮影画像において利用者の顔を含む円形の領域のみが、編集領域に対して相対的に回転されるようにする。なお、回転される領域は、あらかじめ決められていてもよいし、顔認識処理により検知された顔領域を含む領域に設定されるようにしてもよい。
以上、編集画面でのトリミング処理の詳細な例について説明してきた。なお、トリミング処理において、移動、拡大/縮小、および回転の全てが行われるようにしてもよいが、移動、拡大/縮小、および回転の少なくともいずれかが行われるようにしてもよい。
(その他の例)
以上においては、撮影画像を、編集領域に対して相対的に移動、拡大/縮小、および回転させる例について説明してきたが、さらに他の処理が施されるようにしてもよい。
具体的には、矩形の編集領域に表示されている撮影画像を平行四辺形に変形するせん断処理が施されるようにしてもよい。
例えば、図36に示されるように、編集領域612Lに表示されている撮影画像の表示領域のみに、図中x方向に平行なせん断処理が施されるようにする。また、図示はしないが、編集領域612Lに表示されている撮影画像の表示領域のみに、図中y方向に平行なせん断処理が施されるようにしてもよい。
さらに、編集領域612Lに表示されている撮影画像の表示領域のみに限らず、編集領域に表示されない部分を含む撮影画像全体にせん断処理が施されるようにしてもよい。この場合、図36の右側に示されるような、編集領域612Lにおける撮影画像の左右の余白領域を生じさせないようにすることができる。
(落書きの自由度の向上について)
さて、上述したトリミング処理によれば、利用者による落書きの自由度を向上させることができる。
例えば、従来の写真シール機には、撮影画像における被写体の領域に応じてトリミング枠を設定するものがある。この技術によれば、無駄な空き領域のない撮影画像を得ることができる。しかしながら、この技術では、撮影画像における被写体の頭の上を基準としてトリミングが行われるため、撮影画像における被写体の頭の上の空き領域が狭くなる。その結果、撮影画像におけるその領域に対して行うことができる落書きの自由度は低下してしまう。
そこで、上述したトリミング処理によれば、利用者自身の操作によって、例えば、撮影画像における被写体の頭の上に空き領域を設けることができるようになる。すなわち、落書きの自由度を向上させることが可能となる。
この他にも、例えば、撮影画像のある特定の位置にスタンプ画像を合成する際、その特定の位置が編集領域の端にあると、そのスタンプ画像の一部が編集領域から外れて合成されてしまう。そこで、上述したトリミング処理によれば、トリミング処理が施され、落書きが施された後であっても、撮影画像のその特定の位置を編集領域の端から移動させることができる。すなわち、スタンプ画像の一部が編集領域から外れて合成されないようにすることができる。
また、上述したトリミング処理においては、合成用画像が合成された撮影画像に対して拡大/縮小が行われると、その合成用画像も撮影画像に合わせて拡大/縮小される。さらに、上述したように、1つの表示領域に表示されている撮影画像に対して、落書きとトリミング処理とを行うことができる。したがって、落書きが施され、トリミング処理が施された後で、もし、利用者が拡大/縮小された後の合成用画像の大きさを気に入らなかったとしても、撮影画像の拡大率(縮小率)を保持したまま、合成用画像を適切な大きさにして、再度合成することができる。
<変形例>
以下においては、上述したトリミング処理の変形例について説明する。
(レイヤ毎のトリミング処理)
まず、図37を参照して、編集処理後の編集画像のレイヤ構成について説明する。
図37に示されるように、編集画像は、背景レイヤ671、被写体レイヤ672、および前景レイヤ673から構成される。背景レイヤ671は、背景画像に相当するレイヤである。被写体レイヤ672は、撮影画像に相当するレイヤである。そして、前景レイヤ673は、合成用画像(図37の例では、ペン画像p1およびスタンプ画像s1)に対応するレイヤである。
すなわち、撮影画像に背景画像と合成用画像が合成された編集画像は、図37に示されるようなレイヤ構成を有する。
ここで、上述した編集画面でのトリミング処理は、背景レイヤ671、被写体レイヤ672、および前景レイヤ673の全てのレイヤに対して施されるものとする。つまり、撮影画像に写る利用者(被写体)とともに、背景画像および合成用画像が、編集領域に対して相対的に移動、拡大/縮小、および回転される。
しかしながら、上述した編集画面でのトリミング処理を、レイヤ単位で施されるようにしてもよい。
例えば、編集画面でのトリミング処理を、前景レイヤ673のみに対して施されるようにしてもよい。つまり、撮影画像に合成されている合成用画像のみが、編集領域に対して相対的に移動、拡大/縮小、および回転されるようにする。
この場合、合成用画像の移動量や移動方向、拡大率(縮小率)、回転角度等のパラメータは保持されるようにする。
これにより、例えば、合成用画像が拡大された後に、さらに合成される合成用画像を、既に拡大されている合成用画像と同じ拡大率で拡大して合成させることができる。その結果、繰り返し拡大/縮小することなく合成用画像の大きさを統一することができ、バランスのよい画像を得ることができる。
また、合成用画像のみが所定角度だけ回転された場合、その回転角度に応じて、編集画像がシール紙へ印刷される際の角度や、最終的に携帯端末に表示される際の角度が調整されるようにしてもよい。
もちろん、編集画面でのトリミング処理を、背景レイヤ671のみに対して施されるようにしてもよいし、背景レイヤ671を除いた背景レイヤ671および被写体レイヤ672に対して施されるようにしてもよい。
例えば、撮影画像と比べて十分大きく、かつ、領域によって異なる図柄や色を有する背景画像を用意した場合、トリミング処理を背景レイヤ671のみに対して施されるようにすることで、編集領域に表示される撮影画像の背景を多様に変更させることができる。
特に、背景画像として、風景を撮影したパノラマ写真のような横長の背景画像を用意することで、利用者の好みの風景の部分を、撮影画像の背景とすることができる。
(アップ画像と全身画像)
以上においては、主に、アップ画像を編集対象画像としてトリミング処理を施す例について説明してきたが、アップ画像に加えて、全身画像に対してトリミング処理を施すようにしてもよい。
この場合、アップ画像と全身画像とで、トリミング機能におけるパラメータを変更するようにしてもよい。具体的には、移動の移動量、拡大/縮小の拡大率(縮小率)、回転の回転範囲等が、アップ画像と全身画像とで異なる値となるようにしてもよい。
例えば、1回の操作による移動の移動量を、アップ画像より全身画像の場合に大きくするようにする。利用者が複数人であっても、アップ画像においては、そのアップ画像の中心に利用者の顔が写る。一方、全身画像においては、利用者同士で身長差があったり、利用者同士の間隔が離れていたりすることがある。そのため、移動量を、アップ画像より全身画像の場合に大きくする。
また、1回の操作による拡大の拡大量を、アップ画像より全身画像の場合に大きくするようにする。アップ画像に比べ全身画像においては、利用者の顔の写る領域が小さいため、拡大量を、アップ画像より全身画像の場合に大きくする。これにより、全身画像であっても、利用者の顔をはっきりと写るようにすることができる。また、拡大率(縮小率)の範囲を、アップ画像より全身画像の場合に広くするようにしてもよい。
さらに、1回の操作による回転の回転量を、アップ画像より全身画像の場合に小さくするようにする。全身画像の回転角度を大きくすると、編集領域には、足元の位置が不自然な画像が表示されることになり、利用者に違和感を与えかねない。そのため、回転量を、アップ画像より全身画像の場合に小さくするようにする。なお、回転角度の範囲を、アップ画像より全身画像の場合に狭くするようにしてもよい。
(スタンプ画像の合成について)
上述した例においては、スタンプ画像の一部が編集領域から外れて合成された後、編集画面でのトリミング処理により撮影画像を移動させた場合、そのスタンプ画像は、その一部が欠けたものとなってしまう。
例えば、図38の左側に示されるように、撮影画像651に対して、スタンプ画像s11の左半分程度が編集領域612L(612R)(以下、単に編集領域612という)上に重畳するように合成されたとする。この撮影画像651を、編集領域612に対して相対的に左方向に移動させた場合、図38の右側に示されるように、スタンプ画像s11は、編集領域612上に重畳されていなかった部分が欠けて表示される。
このような場合、利用者は、編集画面に設けられている消しゴム機能によりそのスタンプ画像を消去するか、落書き操作ボタン615L(615R)の「戻る」ボタンを用いる等して、再度スタンプ画像を合成することになる。すなわち、利用者に手間をかけるおそれがある。
また、利用者は、スタンプ画像を合成する際に、トリミング処理後の状態を意識しながら落書きを行う必要があり、利用者にストレスを感じさせるおそれがある。
そこで、この例では、タッチペンを用いた利用者の操作によって、スタンプ画像の少なくとも一部が編集領域612上に重畳される場合には、撮影画像に、そのスタンプ画像全体を合成させるようにする。
具体的には、図39の左側に示されるように、撮影画像651に対して、スタンプ画像s11の左半分程度が編集領域612上に重畳するように合成されたとする。この撮影画像651を、編集領域612に対して相対的に左方向に移動させた場合、図39の右側に示されるように、スタンプ画像s11は、編集領域612上に重畳されていなかった部分が欠けることなく、その全体が表示される。なお、図39の例では、撮影画像を編集領域612に対して相対的に移動させた場合について説明したが、スタンプ画像s11全体が見えるように、撮影画像を編集領域612に対して相対的に縮小したり回転させた場合でも、スタンプ画像s11は、編集領域612上に重畳されていなかった部分が欠けることなく、縮小したり回転して、その全体が表示される。
これにより、利用者に、手間をかけたりストレスを感じさせたりすることなく落書きを行わせることができるとともに、画像の仕上がりをより良くすることができる。
なお、タッチペンを用いた利用者の操作によって、スタンプ画像が編集領域612上に全く重畳されない場合には、撮影画像に、そのスタンプ画像は合成されない。
すなわち、図40の左側に示されるように、撮影画像651に対して、スタンプ画像s11が編集領域612上に全く重畳しないように合成しようとした場合、図40の右側に示されるように、スタンプ画像s11が合成されるはずの領域681にはスタンプ画像s11は表示されない。
なお、スタンプ画像s11の合成される位置が、編集領域612上に全く重畳しなくとも、撮影画像651の範囲であれば合成されるようにしてもよい。
また、利用者の身体(例えば顔)の部位に対応するスタンプ画像を用意して、そのスタンプ画像が、その一部が編集領域612から外れるような位置に合成された場合、撮影画像は、利用者の操作なしに、そのスタンプ画像の全体が表示されるように、編集領域612に対して相対的に移動されるようにしてもよい。
一方、利用者の身体の部位に対応しないスタンプ画像が、その一部が編集領域612から外れるような位置に合成された場合には、撮影画像は、相対的に移動されないようにする。なお、撮影画像が、利用者の操作に応じて、そのスタンプ画像の全体が表示されるように、編集領域612に対して相対的に移動されると、そのスタンプ画像は、編集領域612から外れた部分が欠けた状態で表示されるようにする。
さらに、撮影画像の種類(アップ画像/全身画像)に応じて、本例の機能の有無を切り替えるようにしてもよい。例えば、全身画像においては、アップ画像と比べて、スタンプ画像は目立たないので、本例の機能を無効にするようにしてもよい。
また、上述した例とは別に、スタンプ画像が、その一部が編集領域から外れるような位置(編集領域の端の領域)に合成されるような場合、すなわち、スタンプ画像の一部が編集領域に表示されないような位置に合成される場合、そのスタンプ画像を撮影画像に合成させないようにしてもよい。
さらに、スタンプ画像が、その一部が編集領域から外れるような位置に合成されるような場合、スタンプ画像全体が編集領域内に含まれるようにそのスタンプ画像の大きさを変更して(縮小して)、撮影画像に合成させるようにしてもよい。なお、縮小によりスタンプ画像のデザイン性が損なわれる場合には、そのスタンプ画像を撮影画像に合成させないようにする。
これらにより、スタンプ画像の一部が欠けて合成されることを防ぐことができる。
なお、スタンプ画像の種類に応じて、スタンプ画像が、その一部が編集領域から外れるような位置に合成されるような場合に、そのスタンプ画像を撮影画像に合成させないようにすることもできる。例えば、利用者の顔の部位に対応するスタンプ画像については、利用者の顔の一部が編集領域から外れることもある。したがって、そのような場合、そのスタンプ画像は撮影画像に合成させない。一方、その一部が欠けて合成されても違和感のないようなスタンプ画像については、その一部が編集領域から外れるような位置にあっても合成させる。
さらに、合成される位置が編集領域の端に近づくほど、合成されるスタンプ画像の透過度を高くするようにしてもよい。この場合、利用者は、スタンプ画像を編集領域の端に合成しようとすると、スタンプ画像をよく視認することができなくなる。これにより、利用者に、スタンプ画像を編集領域のより中心に近い位置に合成させるようにすることができる。
(一発落書きへの適用)
以上においては、落書き機能により、個々に選択された合成用画像が合成された撮影画像に対してトリミング処理が施される例について説明してきた。これに加え、一発落書きにより、あらかじめ決められた複数の合成用画像が一括して合成された撮影画像に対してトリミング処理が施されるようにすることもできる。
この場合、編集領域に表示される撮影画像における利用者の配置によっては、一発落書きにより合成される合成用画像が利用者の顔の上に重なり、顔が隠れてしまうおそれがある。そこで、一発落書きにより合成される合成用画像によって、トリミング処理が施される範囲を制限するようにしてもよい。
例えば、一発落書きにより合成される合成用画像が、撮影画像の縁辺部に合成されるような場合、利用者の顔が、編集領域の中心から所定範囲の中に収まるように、撮影画像の移動や拡大を制限するようにする。これにより、一発落書きにより合成される合成用画像が利用者の顔の上に重なることを防ぐことができる。
また、図37を参照して説明したように、編集画面でのトリミング処理が、前景レイヤのみに対して施されるようにしてもよい。
この場合、一発落書きにより合成される合成用画像に対応する前景レイヤを複数の前景レイヤに分けるようにして、トリミング処理が特定の前景レイヤのみに対して施されるようにしてもよい。例えば、撮影画像に写る利用者の顔領域や人物領域に配置される合成用画像と、他の領域に配置される合成用画像とで、異なる前景レイヤを構成するようにする。これにより、一発落書きにより合成される合成用画像のうちの特定の合成用画像のみが、編集領域に対して相対的に移動、拡大/縮小、および回転されるようになる。
(携帯おまけへの適用)
さらに、携帯おまけの作成において、上述したトリミング処理が施されるようにすることもできる。
例えば、タブレット内蔵モニタ131に向かって左側にいる利用者により携帯おまけボタン617Lが操作されると、編集画面の左半分の領域に携帯おまけ作成画面が表示され、携帯おまけ作成処理が実行される。
図41は、携帯おまけ作成画面の例を示している。
図41に示されるように、編集画面において、携帯おまけ作成画面711は、編集領域612Lに代えて表示される。
携帯おまけ作成画面711には、画像表示領域721が設けられる。画像表示領域721には、編集領域612Lに表示されていた撮影画像が表示される。
画像表示領域721の下方には、終了ボタン722などが設けられる。終了ボタン722は、携帯おまけの作成を終了するためのボタンである。
このように、携帯おまけ作成画面711上で1つの画像表示領域721に表示されている撮影画像に対して、落書きとトリミング処理とを、それぞれの内容を保持した状態で施すことができるようにする。
なお、従来の携帯おまけ作成画面においては、撮影画像をトリミングするための画面を表示した後に、落書きを行うための画面を表示させるようにしていたが、落書きを行うための画面において、上述した機能を有効にするようにしてもよい。
また、携帯おまけの用途によって、トリミング処理が施される範囲を制限するようにしてもよい。
例えば、携帯おまけは、SNSにおいてはアイコン(利用者のプロフィール写真)として用いられたり、バナーとして用いられたりする。アイコンは、バナーより表示領域が小さいため、携帯おまけがアイコンとして用いられる場合には、携帯おまけの移動や拡大の範囲を制限するようにする。これにより、用途にふさわしい携帯おまけを提供することができる。
(その他の撮影により得られた画像への適用)
以上においては、撮影により得られた複数枚の撮影画像それぞれに対してトリミング処理が施される例について説明してきた。これに加え、その他の撮影により得られた画像に対してトリミング処理が施されるようにすることもできる。
例えば、コラージュ画像に対してトリミング処理が施されるようにしてもよい。コラージュ画像は、所定のデザインを有するデザイン画像に、複数の撮影画像が配置され合成された画像である。
図42は、コラージュ画像の例を示している。
図42に示されるコラージュ画像751においては、5枚の撮影画像761乃至765が、デザイン画像に配置されている。撮影画像761,765は全身画像であり、撮影画像762乃至764はアップ画像である。
このコラージュ画像751が、編集対象となる画像として編集画面に表示されたとき、コラージュ画像751に対して、落書きとトリミング処理とを、それぞれの内容を保持した状態で施すことができるようにする。
このとき、トリミング処理は、コラージュ画像に配置されている撮影画像毎に施されるようにしてもよいし、撮影画像のうちの1枚に対して施されたトリミング処理が、他の撮影画像に対しても施されるようにしてもよい。例えば、コラージュ画像751に配置されている撮影画像761乃至765のうちの1枚に施されたトリミング処理の内容が、全ての撮影画像に一括して反映されるようにする。また、コラージュ画像751に配置されている撮影画像761乃至765のうちの1枚に施されたトリミング処理の内容が、利用者により選択された撮影画像にのみ反映されるようにしてもよい。
さらに、コラージュ画像751に配置されている撮影画像761乃至765のうちの1枚に施されたトリミング処理の内容と異なる内容が、他の撮影画像に反映されるようにしてもよい。例えば、ある1枚の撮影画像を、コラージュ画像におけるその配置領域に対して相対的に左に移動した場合、他の撮影画像を、コラージュ画像におけるその配置領域に対して相対的に右に移動させるようにする。
また、上述した例において、デザイン画像や、配置される撮影画像の枚数に応じて、トリミング処理が施される範囲が変更されるようにしてもよい。
なお、上述した例において、落書きは、コラージュ画像に配置されている撮影画像毎に施されるようにしてもよいし、コラージュ画像全体に施されるようにしてもよい。
また、コラージュ画像の他に、ピン撮により得られた撮影画像(ピン撮画像)に対してトリミング処理が施されるようにしてもよい。ピン撮は、複数の利用者を被写体とした1回の撮影により得られた画像から利用者それぞれを切り出した、利用者毎の撮影画像を得る撮影処理である。
このとき、トリミング処理は、ピン撮画像毎に行えるようにしてもよいし、ピン撮画像のうちの1枚に対して施されたトリミング処理が、他のピン撮画像に対しても施されるようにしてもよい。
なお、コラージュ画像やピン撮画像は、元来デザイン性の高い画像とされるので、上述したトリミング処理やそれに関わる処理の対象外としてもよい。
(撮影画面でのトリミング処理)
以上においては、編集画面でのトリミング処理について説明してきたが、撮影処理において表示される撮影画面において、同様のトリミング処理を施すことができるようにしてもよい。
図43は、撮影処理においてタッチパネルモニタ92に表示される撮影画面の例を示している。
撮影画面のほぼ中央には、画像表示領域781が設けられる。画像表示領域781には、ライブビュー画像や撮影結果としての撮影画像(静止画像)が表示される。
図43の例では、画像表示領域781に表示されているライブビュー画像に、スタンプ画像791乃至793が合成されて表示されている。このようなスタンプ画像は、事前選択処理において選択された背景画像によって合成されたり合成されなかったりする。図43の例では、撮影結果として得られる撮影画像にもスタンプ画像791乃至793が合成されるようになる。
このような撮影画面において、落書きを施すための構成とトリミング処理を施すための構成を設けるようにすることで、撮影画像に対して、落書きとトリミング処理とを、それぞれの内容を保持した状態で施すことができるようにしてもよい。
さらに、撮影画面において、スタンプ画像に対応する前景レイヤのみに対してトリミング処理が施されるようにしてもよい。これは、画像表示領域781にライブビュー画像が表示されているときであってもよいし、画像表示領域781に撮影画像が表示されているときであってもよい。
なお、上述した実施の形態では、写真シール作成装置1は、得られた撮影画像や編集画像をシール紙に印刷するとともに、サーバに送信することで利用者の携帯端末に提供する構成を採るものとしたが、撮影画像や編集画像をシール紙に印刷せずに、サーバに送信することで利用者の携帯端末に提供するのみの構成を採ったり、逆に、撮影画像や編集画像をサーバに送信せずに、シール紙に印刷するのみの構成を採ることも可能である。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
この記録媒体は、例えば、図9に示されるように、装置本体とは別に、写真シール作成装置1の管理者にプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROMおよびDVDを含む)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア205により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で管理者に配信される、プログラムが記録されているROM206や、記憶部202に含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
以上において、印刷媒体は、シール紙や写真紙に限られるものではなく、例えば、所定のサイズの紙やフィルム、ポスター用の紙、カード、あるいは、Tシャツなどの布地などに印刷するようにしてもよい。
また、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。