JP6122374B2 - ゴム用離型剤、ゴム、ゴムの製造方法、加硫タイヤの製造方法、および加硫タイヤ - Google Patents

ゴム用離型剤、ゴム、ゴムの製造方法、加硫タイヤの製造方法、および加硫タイヤ Download PDF

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Description

本発明は、ゴム用離型剤、ゴム、ゴムの製造方法、加硫タイヤの製造方法、および加硫タイヤに関する。
ゴムの生産加工の現場においては、ゴム(例えば、未加硫ゴム)の密着防止目的で、ゴムの表面に離型剤(密着防止剤)を付着させることが行われる。
ゴム用離型剤の一種として、例えば、タイヤ内面用離型剤がある。タイヤ内面用離型剤は、例えば、以下のようにして用いられる。すなわち、まず、タイヤの製造工程における未加硫生タイヤの加硫成型では、通常、成形型(金型)内壁に前記未加硫生タイヤの外面を押し当て、圧入成型とともに加硫する。前記成形型内壁への前記未加硫生タイヤ外面の押し当ては、ブラダーと呼ばれるゴム製袋を前記生タイヤ内側において熱水または蒸気で膨張させて行うことができる。この工程を円滑に行うために、前記生タイヤのインナーライナー面(前記生タイヤ内面)に、あらかじめ離型剤(タイヤ内面用離型剤)が塗布される。前記タイヤ内面用離型剤には、主に、前記生タイヤ内面と前記ブラダーとの間に良好な潤滑性を与える性能(平滑性)、および、前記ブラダーと前記生タイヤ内面の間に入り込んだ空気を逃し両者を密着させる性能(空気透過性)が必要である。また、加硫終了後に前記ブラダーを収縮させるときに、前記ブラダーと前記生タイヤ内面とが円滑にはがれる性能(離型性、または剥離性ともいう)も求められる。そのため、離型性を付与するシリコーン類の水中油滴型乳化物と、平滑性および空気透過性を付与する固体粒子懸濁液との混合組成物を、タイヤ内面用離型剤としてスプレー塗布することが広く行われている。
シリコーン類の水中油滴型乳化物と、平滑性および空気透過性を付与する固体粒子懸濁液との混合組成物を用いた前記離型剤は、固体粒子(例えば無機粉末)を含む。このため、前記固体粒子による加硫製品の外観低下および前記固体粒子(粉末)の飛散による作業環境悪化がタイヤメーカーにおける課題となっている。例えば、特許文献1では、多価アルコールを含有させることにより、外観を向上させる提案がされている。特許文献2では、接着不良を改善するために、ポリエチレンワックス樹脂粉末を含有する離型剤を使用する提案がされている。また、特許文献3では、ゴム用密着防止剤として、空気透過性を改善するためにワックス状有機物質とポリスチレン樹脂粉末を含有する離型剤を使用する提案がされている。
特開2012−228783 特開平11−005261 特開平1−258914
特許文献1では、外観のある程度の向上は見られるものの、無機粉末を使用しているため完全に透明とはならない。そのため、シリコーンオイルを溶剤に溶解させたり、水中油滴型乳化物をタイヤ内面用離型剤として使用することも行われているが、平滑性および空気透過性に課題がある。
特許文献2では、前述のとおり、ポリエチレンワックス樹脂粉末を用いている。しかし、ポリエチレンワックス樹脂のみでは平滑性や空気透過性が不足しやすい。
また、特許文献2および3の離型剤では、特にタイヤベントライン(エア抜きライン)等に溜まった離型剤が目立ちやすく、加硫製品の外観を低下させる問題がある。
そこで、本発明は、平滑性、空気透過性および離型性が良好で、かつ、ゴム製品の外観が十分に透明となるゴム用離型剤の提供を目的とする。さらに、本発明は、前記ゴム用離型剤を用いたゴム、ゴムの製造方法、加硫タイヤの製造方法、および加硫タイヤを提供する。
前記目的を達成するために、本発明のゴム用離型剤は、脂肪酸エステル、ワックス、界面活性剤および水を含み、かつ、無機粉末を実質的に含まないことを特徴とする。
本発明のゴムは、離型処理されたゴムであって、ゴムの表面に、前記本発明のゴム用離型剤が付着されて離型処理されていることを特徴とする。
本発明によるゴムの製造方法は、前記本発明のゴム用離型剤を、離型処理されていないゴムの表面に付着させ、さらに水を揮発させることにより離型処理する離型処理工程を含む、前記本発明のゴムの製造方法である。
本発明による、加硫タイヤの製造方法は、
未加硫ゴム製生タイヤ内面およびブラダー外面の少なくとも一方に前記本発明のゴム用離型剤を付着させ、さらに水を揮発させることにより離型処理する離型処理工程と、
前記離型処理工程後、前記ブラダーを収容した前記生タイヤが成形型内に収容された状態で、前記ブラダーを膨張させて前記成形型内面に前記生タイヤ外面を押し当て、その状態で前記生タイヤを加熱して加硫する加硫工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の加硫タイヤは、前記本発明の加硫タイヤの製造方法により製造される加硫タイヤである。
本発明によれば、平滑性、空気透過性および離型性が良好で、かつ、ゴム製品の外観が十分に透明となるゴム用離型剤、ならびにそれを用いたゴム、ゴムの製造方法、加硫タイヤの製造方法、および加硫タイヤを提供することができる。
以下、本発明について、例を挙げて説明する。ただし、本発明は、以下の説明により限定されない。
本発明のゴム用離型剤において、前記無機粉末の含有率は、好ましくは0〜10重量%、より好ましくは0〜8重量%、さらに好ましくは0〜5重量%、さらに好ましくは0〜3重量%、さらに好ましくは0〜2重量%、さらに好ましくは0〜1重量%、特に好ましくは0重量%(すなわち、無機粉末を全く含まない)である。
本発明のゴム用離型剤は、前記脂肪酸エステルの含有率が1〜25重量%であり、前記ワックスの含有率が5〜30重量%であり、前記界面活性剤の含有率が1〜15重量%であることが好ましい。
本発明のゴム用離型剤は、前記ワックスが、炭化水素を含むことが好ましい。前記炭化水素は、直鎖状炭化水素、分枝状炭化水素、および環状炭化水素からなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。また、前記炭化水素が、天然炭化水素および合成炭化水素の少なくとも一方であることが好ましい。
本発明のゴム用離型剤において、前記ワックスの融点が、70〜140℃の範囲であることが好ましい。
本発明のゴム用離型剤において、前記脂肪酸エステルの流動点が、−40〜10℃の範囲であることが好ましい。
本発明のゴム用離型剤において、前記脂肪酸エステルにおける脂肪酸が、炭素数4〜18の飽和または不飽和脂肪酸であることが好ましい。この場合において、前記脂肪酸が、アルキル基またはアルケニル基を含むことがより好ましい。また、本発明のゴム用離型剤において、前記脂肪酸エステルが、多価アルコールのエステルであることが好ましい。
本発明のゴム用離型剤は、前記脂肪酸エステル、前記ワックスおよび前記界面活性剤が、前記水の中に分散された乳化物であることが好ましい。前記乳化物は、平均粒子径が50〜2000nmの乳化物であることがより好ましい。
本発明のゴム用離型剤は、未加硫ゴム用離型剤であることが好ましい。また、本発明のゴム用離型剤は、タイヤ内面用離型剤であることが好ましい。
また、本発明のゴムは、未加硫ゴムであることが好ましい。
以下、本発明の実施形態について、さらに具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
[1.ゴム用離型剤]
本発明のゴム用離型剤における各成分は、特に限定されないが、例えば、以下のとおりである。
[1−1.脂肪酸エステル]
前記脂肪酸エステルは、本発明のゴム用離型剤に、例えば、透明性、離型性、平滑性、空気透過性等を付与する。また、前記脂肪酸エステルは、本発明のゴムに、例えば、良好な加硫後外観を付与する。さらに、例えば、前記脂肪酸エステルと前記ワックスを併用することにより、離型性、平滑性、空気透過性等が、いっそう良好になる。前記脂肪酸エステルの流動点は、好ましくは、前述のとおり、−40〜10℃であり、より好ましくは−35〜5℃、さらに好ましくは−30〜5℃である。本発明のゴム用離型剤において、前記脂肪酸エステルにおける脂肪酸は、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でも良く、その炭素数は、ゴム用離型剤の透明性の観点から、好ましくは、前述のとおり4〜18、より好ましくは4〜16、さらに好ましくは4〜14である。前記脂肪酸は、アルキル基またはアルケニル基を含むことがより好ましい。前記アルキル基またはアルケニル基は、例えば、直鎖状でも分枝状でも良い。また、本発明のゴム用離型剤において、前記脂肪酸エステルが、多価アルコールのエステルであることが好ましい。前記脂肪酸エステルの流動点は、ゴム用離型剤の透明性のために10℃以下が好ましい。また、前記脂肪酸エステルの流動点は、ゴム用離型剤の透明性確保、平滑性および空気透過性のために5℃以下がより好ましい。また、加硫時の高温・高圧により、タイヤとブラダー間の離型成分が流れて離型性が低下し良好な加硫成形ができない等の現象を防止するためには、流動点は、−40℃以上が好ましい。これらの観点から、流動点は、前述のとおり−40℃以上10℃以下が好ましい。また、前記アルコールは、透明性確保および離型性確保の観点から、極性が高くなりやすい水酸基が2以上の多価アルコールが好ましい。
前記脂肪酸の具体例としては、特に限定されないが、例えば、ヘプタン酸、デカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等が挙げられる。アルコールの具体例としては、特に限定されないが、例えば、[1]エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール等のポリエチレングリコール類、[2]ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ペンタプロピレングリコール、ヘキサプロピレングリコール等のポリプロピレングリコール類、[3]ジブチレングリコール、トリブチレングリコール、テトラブチレングリコール、ペンタブチレングリコール、ヘキサブチレングリコール等のポリブチレングリコール類、[4]エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,2−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,2−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、1,2−ヘキサデカンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ジメチルペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ジメチロールオクタン、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘプタンジオール、トリシクロデカンジメタノール、グリセリン、トリメチロ−ルプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ヒドロキシメチルヘキサンジオール、トリメチロールオクタン、ペンタエリスリトール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールおよびそれらの共重合物等が挙げられる。また、本発明では、脂肪酸エステルは1種類のみ用いても良いし、複数種類併用しても良い。
[1−2.ワックス]
前記ワックスは、本発明のゴム用離型剤に、例えば、離型性、平滑性等を付与する。
「ワックス」は、狭義には、高級脂肪酸と高級一価アルコールとからなる固形エステル、または、脂肪酸と水に不溶性な高級一価アルコール類もしくは二価アルコール類とのエステルのみをいう場合がある。しかし、本発明における「ワックス」は、より広義である。具体的には、本発明における「ワックス」は、例えば、融点の高い(例えば室温で固体である)脂肪、中性脂肪、高級脂肪酸、炭化水素等を含む。また、本発明において、「室温」は、特に限定されないが、例えば5〜35℃、または、例えば25℃である。
本発明のゴム用離型剤において、前記ワックスは、例えば、天然ワックス、合成ワックス、配合ワックス等が挙げられる。なお、「配合ワックス」は、天然ワックスと合成ワックスの混合物をいう。また、天然ワックスと合成ワックスとの区別は、必ずしも明確ではない。例えば、あるワックスが、天然由来のワックスと全く同じ物質であり、かつ、合成によって製造された物質である場合は、そのワックスは、天然ワックスであるということもできるし、合成ワックスであるということもできる。
前記天然ワックスとしては、例えば、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう等の植物系ワックス;みつろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン等の鉱物系ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトラタム等の石油ワックス等が挙げられる。
前記合成ワックスとしては、例えば、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素;モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体等の変性ワックス;硬化ひまし油、硬化ひまし油誘導体等の水素化ワックス;ラウリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸;オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の酸アミド;ビスヘプタデシルケトン等のケトン類等が挙げられる。
本発明のゴム用離型剤では、前記ワックスは、1種類のみ用いても良いし、複数種類併用しても良い。また、ゴム用離型剤の剥離性(離型性)の観点からは、比較的高い融点を持つワックスが好ましい。一方、ゴム用離型剤の透明性の観点からは、前記ワックスの融点が高すぎないことが好ましい。また、加硫時の高温・高圧により、タイヤとブラダー間の離型成分が流れて離型性が低下し良好な加硫成形ができない等の現象を防止するためには、前記ワックスの融点が低すぎないことが好ましい。これらの観点から、前記ワックスの融点は、好ましくは前述のとおり70〜140℃、より好ましくは80〜135℃、さらに好ましくは85〜135℃である。
[1−3.界面活性剤]
前記界面活性剤は、本発明のゴム用離型剤に、例えば、乳化安定性を付与する。なお、前記「乳化安定性」は、本発明のゴム用離型剤が乳化物である場合における、前記乳化物の安定性をいう。前記乳化物は、前述のとおり、前記脂肪酸エステル、前記ワックスおよび前記界面活性剤が、前記水の中に分散された乳化物であることが好ましい。このような乳化物は、すなわち、水中油滴型の乳化物(エマルジョン)である。なお、本発明のゴム用離型剤は、油中水滴型の乳化物でも良いが、スプレー性、付着性、離型性等の観点から、水中油滴型の乳化物であることが好ましい。
前記界面活性剤は、特に限定されず、カチオン性界面活性剤でも、非イオン性界面活性剤でも、アニオン性界面活性剤でも良いが、非イオン性界面活性剤およびアニオン性界面活性剤の少なくとも一方が好ましい。前記非イオン性界面活性剤としては、例えば、[1]ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル、[2]ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、[3]ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノオレエート等のポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、[4]ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、[5]ポリオキシアルキレン硬化ひまし油、[6]ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル、[7]ポリグリセリン脂肪酸エステル、[8]アルキルグリセリンエーテル、[9]ポリオキシアルキレンコレステリルエーテル、[10]アルキルポリグルコシド、[11]ショ糖脂肪酸エステル、[12]ポリオキシアルキレンアルキルアミン、[13]オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、[1]オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、オレイン酸トリエタノールアミン等の脂肪酸塩、[2]ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩、[3]ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩、[4]ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、[5]ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、[6]ステアロイルメチルタウリンNa、ラウロイルメチルタウリンNa、ミリストイルメチルタウリンNa、パルミトイルメチルタウリンNa等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、[7]ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン塩、[8]モノステアリルリン酸ナトリウム等のアルキルリン酸塩、[9]ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、[10]ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の長鎖スルホコハク酸塩、[11]N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ジナトリウム等の長鎖N−アシルグルタミン酸塩、等が挙げられる。また、本発明のゴム用離型剤において、前記界面活性剤は、1種類のみ用いても良いし、複数種類併用しても良い。
前記各成分の含有率は、特に限定されないが、例えば、以下のとおりである。すなわち、前記脂肪酸エステルの含有率は、本発明のゴム用離型剤の重量に対し、例えば1〜30重量%、好ましくは1〜25重量%、より好ましくは3〜20重量%である。前記脂肪酸エステルの含有率は、ゴム用離型剤の離型性、平滑性、空気透過性、透明性等の観点からは、1重量%以上が好ましい。また、加硫時の高温・高圧により、タイヤとブラダー間の離型成分が流れて離型性が低下し良好な加硫成形ができない等の現象を防止するためには、前記脂肪酸エステルの含有率は、25重量%以下が好ましい。前記ワックスの含有率は、本発明のゴム用離型剤の重量に対し、例えば5〜35重量%、好ましくは5〜30重量%、より好ましくは7〜25重量%である。前記ワックスの含有率は、ゴム用離型剤の離型性および平滑性の観点からは、5重量%以上が好ましい。また、加硫後の透明性低下、および、加硫後にタイヤベントライン(エア抜きライン)等に溜まった離型成分が目立ちやすいことによりタイヤ外観が悪化する現象を防止するためには、前記ワックスの含有率は、30重量%以下が好ましい。前記界面活性剤の含有率は、本発明のゴム用離型剤の重量に対し、例えば1〜17重量%、好ましくは1〜15重量%、より好ましくは2〜13重量%である。ゴム用離型剤の乳化安定性の観点、および、生タイヤもしくはブラダーへの濡れ性が低下しハジキが発生する現象を防止する観点からは、前記界面活性剤の含有率は、1重量%以上が好ましい。また、ゴム用離型剤の付着性および離型性の観点、および、タイヤ等の貼り合せ部に離型剤が入り込んで接着阻害を起こす現象を防止する観点からは、前記界面活性剤の含有率は、15重量%以下が好ましい。また、本発明のゴム用離型剤において、前記水の含有率は、例えば18〜88重量%、好ましくは30〜88重量%、より好ましくは35〜85重量%である。
[1−4.他の成分等]
本発明のゴム用離型剤は、前記脂肪酸エステル、前記ワックス、前記界面活性剤、および前記水以外の他の成分を含んでいても良いし、含んでいなくても良い。前記他の成分としては、特に限定されないが、例えば、以下のとおりである。
すなわち、前記他の成分としては、例えば、外観に影響を及ぼしにくく平滑性向上に寄与する有機粉末、離型性向上に寄与するシリコーン乳化物、透明性向上に寄与する多価アルコール、また、シリコーン系消泡剤、鉱物油系消泡剤等の各種消泡剤、各種防腐剤等が挙げられる。
前記有機粉末としては、脂肪酸カルシウム、脂肪酸亜鉛等の脂肪酸金属セッケンやポリスチレン樹脂等が挙げられ、1種類のみ用いても良いし、複数種類併用しても良い。
前記シリコーン乳化物としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン成分と界面活性剤とを含む乳化物である。前記シリコーン乳化物は、1種類のみ用いても良いし、複数種類併用しても良い。前記シリコーン成分は、特に限定されないが、例えば、オルガノポリシロキサン類が挙げられる。前記オルガノポリシロキサン類は、シリコーンオイル、シリコーンゴム、およびシリコーン樹脂を含む概念である。シリコーン成分としては特に限定は無いが、例えば、オルガノポリシロキサン類の総称であって、シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーン樹脂を含む概念である。シリコーン成分はこれらのシリコーンを含む。前記オルガノポリシロキサン類としては、より具体的には、例えば、[1]ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、メチルイソプロピルポリシロキサン、メチルドデシルポリシロキサン等のジアルキルポリシロキサン、[2]メチルフェニルポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体等のアルキルフェニルポリシロキサン、[3]メチル(フェニルエチル)ポリシロキサン、メチル(フェニルプロピル)ポリシロキサン等のアルキルアラルキルポリシロキサン、[4]3,3,3−トリフルオロプロピルメチルポリシロキサン等が挙げられる。また、前記シリコーン成分は、1種類のみ用いても良いし、複数種類併用しても良い。
前記シリコーン乳化物において、前記シリコーン成分は、剥離性(離型性)の観点からは、分子構造が直鎖状で、重合度が低く常温で流動性を有するシリコーンオイル等が好ましい。前記シリコーン成分の粘度は、特に限定されないが、離型性と製品安定性のバランスの観点から、25℃における粘度が、好ましくは1000〜10万mPa・s、さらに好ましくは5000〜5万mPa・sである。
また、前記シリコーン乳化物に含まれる前記界面活性剤は、特に限定されず、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤のいずれでもよいが、アニオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤の少なくとも一方を含むことが好ましい。前記アニオン性界面活性剤は、特に限定されないが、例えば、[1]高級脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸塩、アルキル(またはアルケニル)アミドエーテルカルボン酸塩、アシルアミノカルボン酸塩等のカルボン酸型、[2]高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレン高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、グリセリン脂肪酸エステルモノ硫酸エステル塩等の硫酸エステル型、[3]アルカンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、ジアルキルスルホコハク酸塩等のスルホン酸型、[4]アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル塩等のリン酸エステル型、等があげられる。前記非イオン性界面活性剤も、特に限定されないが、例えば、[5]ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル、[6]ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、等があげられる。また、前記界面活性剤は、1種類のみ用いてもよいし、複数種類を併用してもよい。
前記シリコーン乳化物(シリコーンエマルション)は、例えば、前記シリコーン成分を、前記界面活性剤を用いて水中に分散させ、乳化させて製造しても良い。分散および乳化方法は特に限定されず、一般的な分散および乳化方法等を用いて良い。例えば、まず、シリコーン成分に非イオン活性剤およびアニオン活性剤の少なくとも一方を混合する。一方、あらかじめ乳化機を設置した容器に規定量の水を入れる。つぎに、前記水を前記乳化機により攪拌しながら、前記シリコーン成分と前記界面活性剤との混合液を、少しずつ(例えば1時間かけて)投入し、分散させる。さらに、乳化するまで撹拌することにより、前記シリコーン乳化物(シリコーンエマルション)を製造する。前記乳化機は特に限定されず、一般的な乳化機でも良く、例えば、ホモミキサー、ホモディスパー等が挙げられる。また、前記シリコーン乳化物は、例えば、市販品のシリコーン乳化物(シリコーンエマルション)をそのまま用いても良い。前記市販品のシリコーン乳化物(シリコーンエマルション)としては、例えば、東レ・ダウコーニング株式会社社製の商品名FZ−4157、または信越化学工業株式会社製の商品名KM−862Tが挙げられる。
なお、前記シリコーン乳化物を120℃で1時間乾燥した後の残渣重量は、特に限定されないが、前記乾燥前の前記シリコーン乳化物の総重量に対し、例えば20〜80重量%、好ましくは、30〜70重量%、より好ましくは30〜65重量%である。
前記多価アルコール成分は、[1]エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール等のポリエチレングリコール類、[2]ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ペンタプロピレングリコール、ヘキサプロピレングリコール等のポリプロピレングリコール類、[3]ジブチレングリコール、トリブチレングリコール、テトラブチレングリコール、ペンタブチレングリコール、ヘキサブチレングリコール等のポリブチレングリコール類、[4]エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,2−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,2−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、1,2−ヘキサデカンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ジメチルペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ジメチロールオクタン、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘプタンジオール、トリシクロデカンジメタノール、グリセリン、トリメチロ−ルプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ヒドロキシメチルヘキサンジオール、トリメチロールオクタン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびポリエチレングリコールポリプロピレングリコール、ならびにこれらの2種類以上の共重合物等が挙げられる。これらの多価アルコール成分は、1種類のみ用いてもよいし、複数種類を併用してもよい。
さらに、前記他の成分としては、シリコーン系消泡剤、鉱物油系消泡剤等の各種消泡剤、各種防腐剤等が挙げられる。
なお、本発明のゴム用離型剤の形態は特に限定されないが、前述のとおり、前記脂肪酸エステル、前記ワックスおよび前記界面活性剤が、前記水の中に分散された乳化物であることが好ましい。
本発明のゴム用離型剤の製造方法も特に限定されないが、例えば、一般的な乳化機を用いて本発明のゴム用離型剤の各成分を乳化することにより製造しても良い。前記乳化機も特に限定されないが、具体的には、例えば、一般的な撹拌機、ホモミキサー、ホモディスパー等が挙げられる。
本発明のゴム用離型剤は、無機粉末を含まないか、または無機粉末の含有率がきわめて少ないことにより、例えば、無機粉末がインナーライナー層の接合部に入り込むことによる接着不良を防止できる。また、本発明のゴム用離型剤は、このように接着不良を防止できる等の理由により、加硫接着が良好であるため、特に、未加硫ゴム用離型剤として適している。
本発明のゴム用離型剤の使用方法も特に限定されず、例えば、一般的なゴム用離型剤(水分散液の形態であるゴム用離型剤)と同様で良い。具体的には、例えば、本発明のゴム用離型剤を、スプレーを用いてゴム表面等に塗布して用いれば良い。
本発明のゴム用離型剤は、前述のとおり、乳化物(エマルション)であることが好ましい。前記乳化物の平均粒子径は、特に限定されないが、好ましくは50〜2000nm、より好ましくは100〜1500nm、さらに好ましくは150〜1300nmである。界面活性剤の必要配合量が増大することによる付着性低下および離型性低下防止の観点から、ならびに、貼り合せ部に離型剤が入り込んだ際の接着阻害防止の観点から、前記乳化物の平均粒子径は、50nm以上が好ましい。また、乳化粒子のクリーミングおよび合一防止の観点、および、水溶成分と油溶成分が分離し製品安定性が不良となることを防止する観点から、前記乳化物の平均粒子径は、2000nm以下が好ましい。本発明のゴム用離型剤の使用方法も特に限定されないが、例えば、原液の状態で、または水に希釈した状態で、スプレーまたはハケ塗り等でゴムに塗布して用いることができる。なお、本発明において、前記乳化物の平均粒子径は、例えば、BECKMAN社製のサブミクロン粒子アナライザー(レーザー回折/散乱法)を用いて乳化粒子の体積分布を測定し、測定した前記乳化粒子の体積分布に基づいて前記平均粒子径を算出することができる。ただし、この測定方法は、例示であり、本発明は、この測定方法により限定されない。
[2.ゴム等]
本発明のゴム、ゴムの製造方法、加硫タイヤ、および加硫タイヤの製造方法については、前述のとおりである。これらについても特に限定はなく、例えば、一般的なゴム用離型剤(水分散液の形態であるゴム用離型剤)に代えて、前記本発明のゴム用離型剤を用いること以外は、一般的なゴム、ゴムの製造方法、加硫タイヤ、または加硫タイヤの製造方法と同様でも良い。なお、前述のとおり、本発明のゴムおよびゴムの製造方法において、前記ゴムは、特に限定されず、どのようなゴムでも良いが、未加硫ゴムが好ましい。または、本発明のゴムは、例えば、未加硫ゴム表面に(例えば、塗布等により)本発明のゴム用離型剤を付着させて離型処理し、さらに前記未加硫ゴムを加硫する方法(加硫ゴムの製造方法)により製造されるゴムであることも好ましい。前記離型処理は、例えば、前記本発明のゴム用離型剤を前記未加硫ゴム表面に付着させ、さらに水を揮発させることにより行っても良い。このような加硫ゴムの製造方法としては、例えば、前記本発明の加硫タイヤが挙げられる。
本発明のゴム用離型剤によれば、例えば、以下の効果を得ることができる。すなわち、本発明のゴム用離型剤は、例えば、乳化安定性、スプレー性等に優れ、特に、タイヤ内面用離型剤として適し、生タイヤへの付着性に優れ良好な離型性を発現させることができる。ただし、これらの効果は例示であり、本発明を何ら限定しない。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
下記表1に示す成分(水を含む)を配合し、乳化機(プライミクス社製、商品名ホモディスパー2.5型)を用いて乳化分散を行い、実施例1〜2および比較例1〜4のゴム用離型剤を、それぞれ製造した。下記表1中の各成分の数値は、各ゴム用離型剤全体の重量に対する含有率(重量%)である。
Figure 0006122374
実施例1〜2および比較例1〜4の各ゴム用離型剤の特性を、下記表2に記載の試験方法により評価した。評価結果を、下記表3に示す。
Figure 0006122374
Figure 0006122374
表3に示す通り、水中に脂肪酸エステル、ワックスおよび界面活性剤を全て含む実施例1および2は、全ての試験評価結果が良好であった。これに対し、脂肪酸エステルを含まない比較例1では、平滑性、離型性および空気透過性がいずれも良くなく、さらに、加硫後外観が不良であった。ワックスを含まない比較例2では、平滑性、離型性および空気透過性がいずれも不良であった。界面活性剤を含まない比較例3では、製品安定性が不良となり、ゴムへの濡れ性が不良なため、平滑性、離型性および空気透過性がいずれも不良となり、離型剤の付着が不均一となったため、離型剤が局在化し加硫後の外観が不良であった。無機粉末を30重量%含有する比較例4では、加硫後の外観が不良であった。
以上、説明したとおり、本発明によれば、平滑性、空気透過性および離型性が良好で、かつ、ゴム製品の外観が十分に透明となるゴム用離型剤、ならびにそれを用いたゴム、ゴムの製造方法、加硫タイヤの製造方法、および加硫タイヤを提供することができる。本発明のゴム用離型剤は、特に、タイヤ内面用離型剤として、加硫タイヤの製造の用途に適するが、この用途に限定されず、どのようなゴムの離型用に用いても良い。

Claims (15)

  1. 脂肪酸エステル、ワックス、界面活性剤および水を含み、かつ、無機粉末を実質的に含まず、
    前記脂肪酸エステルが、多価アルコールの脂肪酸エステルであり、
    前記脂肪酸エステルの流動点が−40〜10℃の範囲であり、
    前記ワックスの融点が70〜140℃の範囲である、
    ことを特徴とするゴム用離型剤。
  2. 前記無機粉末の含有率が0〜10重量%である請求項1記載のゴム用離型剤。
  3. 前記脂肪酸エステルの含有率が1〜25重量%であり、
    前記ワックスの含有率が5〜30重量%であり、
    前記界面活性剤の含有率が1〜15重量%である請求項1または2記載のゴム用離型剤。
  4. 前記脂肪酸エステルの含有率が3〜20重量%である請求項1から3のいずれか一項に記載のゴム用離型剤。
  5. 前記界面活性剤の含有率が2〜13重量%である請求項1から4のいずれか一項に記載のゴム用離型剤。
  6. 前記ワックスが、炭化水素を含む請求項1からのいずれか一項に記載のゴム用離型剤。
  7. 前記脂肪酸エステルにおける脂肪酸が、炭素数4〜18の飽和または不飽和脂肪酸である請求項1から6のいずれか一項に記載のゴム用離型剤。
  8. 前記脂肪酸エステル、前記ワックスおよび前記界面活性剤が、前記水の中に分散された乳化物である請求項1からのいずれか一項に記載のゴム用離型剤。
  9. 平均粒子径が50〜2000nmの乳化物である請求項記載のゴム用離型剤。
  10. タイヤ内面用離型剤である請求項1からのいずれか一項に記載のゴム用離型剤。
  11. 離型処理されたゴムであって、
    ゴムの表面に、請求項1から10のいずれか一項に記載のゴム用離型剤が付着されて離型処理されていることを特徴とするゴム。
  12. 未加硫ゴムである請求項11記載のゴム。
  13. 請求項1から10のいずれか一項に記載のゴム用離型剤を、離型処理されていないゴムの表面に付着させ、さらに水を揮発させることにより離型処理する離型処理工程を含む、請求項11または12記載のゴムの製造方法。
  14. 加硫タイヤの製造方法であって、
    未加硫ゴム製生タイヤ内面およびブラダー外面の少なくとも一方に請求項1から10のいずれか一項に記載のゴム用離型剤を付着させ、さらに水を揮発させることにより離型処理する離型処理工程と、
    前記離型処理工程後、前記ブラダーを収容した前記生タイヤが成形型内に収容された状態で、前記ブラダーを膨張させて前記成形型内面に前記生タイヤ外面を押し当て、その状態で前記生タイヤを加熱して加硫する加硫工程と、を含むことを特徴とする製造方法。
  15. 請求項14記載の製造方法により製造される加硫タイヤ。
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