以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技機の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、各基板における具体的な処理を説明する。本実施形態では、パチンコ機を例にとって遊技機を説明する。
図1は、本実施形態の遊技機1の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図1に示すように、遊技機1は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠2と、この外枠2にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠4と、この中枠4と同様に、ヒンジ機構によって外枠2に開閉自在に取り付けられた前枠6と、を備えている。
中枠4は、外枠2と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されており、この囲繞空間に遊技盤8が保持されている。また、前枠6には、ガラス製または樹脂製の透過板10が保持されている。そして、これら中枠4および前枠6を外枠2に対して閉じると、遊技盤8と透過板10とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、遊技機1の正面側から、透過板10を介して遊技盤8が視認可能となる。
図2は、遊技機1の正面図である。図2に示すように、前枠6の下部には、遊技機1の正面側に突出する操作ハンドル12が設けられている。この操作ハンドル12は、遊技者が回転操作可能に設けられており、遊技者が操作ハンドル12を回転させて発射操作を行うと、当該操作ハンドル12の回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤8に設けられたレール14a、14b間を上昇して遊技領域16に導かれることとなる。
遊技領域16は、第1遊技領域16aおよび第2遊技領域16bを備えている。第1遊技領域16aは、遊技機1に正対した遊技者から見て遊技領域16の左側に位置し、第2遊技領域16bは、遊技機1に正対した遊技者から見て遊技領域16の右側に位置している。遊技領域16への遊技球の進入度合いは、操作ハンドル12の発射強度に応じて異なる。レール14a、14bが遊技領域16の左側にあることから、操作ハンドル12によって所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は第1遊技領域16aに進入し、所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は第2遊技領域16bに進入することとなる。
また、遊技領域16には、遊技球が入球可能な一般入賞口18、第1始動口20、第2始動口22が設けられており、これら一般入賞口18、第1始動口20、第2始動口22に遊技球が入球すると、それぞれ所定の賞球が遊技者に払い出される。
なお、詳しくは後述するが、第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な特別遊技の実行可否や、以後の遊技状態をどのような遊技状態にするかといった種々の遊技利益(状態)が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の遊技利益を受ける権利獲得の機会を獲得することとなる。
また、第2始動口22は、可動片22bを開閉可能に備えており、この可動片22bの状態に応じて、第2始動口22への遊技球の進入容易性が変化するようになっている。具体的には、可動片22bは、遊技盤8の裏面側から正面側へと出没自在に設けられており、可動片22bが遊技盤8の裏面側に没入した閉状態にあるときには、第2始動口22への遊技球の入球が不可能または困難となっている。
これに対して、遊技領域16に設けられたゲート24を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われ、この抽選によって当りに当選すると、可動片22bが所定時間、遊技盤8の正面側に突出した開状態に制御される。このように、可動片22bが開状態になると、当該可動片22bが遊技球を第2始動口22に導く受け皿として機能し、第2始動口22への遊技球の入球が容易となる。
さらに、第1始動口20および第2始動口22よりも下方にはアタッカー装置26が設けられている。このアタッカー装置26は、遊技球が入球可能な大入賞口28と、この大入賞口28を開閉する開閉扉28bと、を備えており、通常、開閉扉28bが大入賞口28を閉扉して、大入賞口28への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、前述の特別遊技が実行されると、開閉扉28bが遊技盤8の裏面側に没入して、大入賞口28への遊技球の入球が可能となる。そして、大入賞口28に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
ここで、第1始動口20は、遊技領域16の下方寄りであって幅方向の中央に位置しており、第1遊技領域16aを流下する遊技球のみが入球可能であって、第2遊技領域16bを流下する遊技球は入球不可能となっている。一方、第2始動口22は、第2遊技領域16bに位置しており、第2遊技領域16bを流下する遊技球のみが入球可能であって、第1遊技領域16aを流下する遊技球は入球不可能となっている。
ただし、第1始動口20には、第2遊技領域16bを流下する遊技球が入球してもよく、また、第2始動口22には、第1遊技領域16aを流下する遊技球が入球してもよい。
したがって、第1始動口20や第2始動口22の配置は一例にすぎず、具体的な盤面構成は特に限定されるものではない。
なお、遊技領域16の最下部には、一般入賞口18、第1始動口20、第2始動口22、大入賞口28のいずれにも入球しなかった遊技球を、遊技領域16から遊技盤8の背面側に排出する排出口30が設けられている。
そして、遊技盤8には、遊技の進行中等に演出を行う演出装置として、LED等のランプによるドット表示器からなる演出表示装置50と、可動装置からなる演出役物装置52とが設けられている。演出表示装置50は、画像を表示する演出表示部50aを備えており、この演出表示部50aを、遊技盤8の略中央部分において、遊技機1の正面側から視認可能に配置している。この演出表示部50aには、後述する演出図柄40a、40b、40c(図2においては不図示)が変動表示され、これら各演出図柄40a、40b、40cの停止表示態様によって大当りの抽選結果が遊技者に報知されることとなる。
また、遊技盤8の裏面側には演出役物装置52が設けられている。この演出役物装置52は、通常、遊技盤8の裏面側に隠れており、遊技機1の正面側から視認することができないが、アクチュエータが作動すると、図示のように演出表示部50aの前面側に露出して遊技者が視認できるようになっている。この演出役物装置52は、上記の演出図柄40a、40b、40cの変動表示中などに可動して、遊技者に大当りの期待感を付与するものである。
また、遊技盤8には、点灯態様や発光色をさまざまに制御して演出を行うためのランプからなる演出照明装置54が設けられている。さらに、遊技機1の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板10よりも下方位置には、遊技者の押下操作を受け付けるボタンからなる演出操作装置56が設けられている。そして、前枠6の上部位置や外枠2の最下部位置には、遊技機1の正面側に向けられたスピーカからなる音声出力装置58が設けられている。
なお、図中符号70は、遊技機1から払い出される賞球や、遊技球貸出装置から貸し出される遊技球が導かれる上皿であり、この上皿70が遊技球で一杯になると、遊技球は下皿72に導かれることとなる。また、この下皿72の底面には、当該下皿72から遊技球を排出するための球抜き孔(不図示)が形成されている。この球抜き孔は、通常、開閉板(不図示)によって閉じられているが、球抜きつまみ72aを図中左右方向にスライドさせることにより、当該球抜きつまみ72aと一体となって開閉板がスライドし、球抜き孔から下皿72の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
また、遊技盤8には、遊技領域16の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、第1特別図柄表示器80、第2特別図柄表示器82、第1特別図柄保留表示器84、第2特別図柄保留表示器86、普通図柄表示器88、普通図柄保留表示器90が設けられている。これら各表示器80〜90は、遊技に係る種々の状況を表示するための装置であるが、その詳細については後述する。
(制御手段の内部構成)
図3は、遊技の進行を制御する制御手段の内部構成を示すブロック図である。
主制御基板100は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板100は、メインCPU100a、メインROM100b、メインRAM100cを備えている。メインCPU100aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM100bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM100cは、メインCPU100aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
主制御基板100には、一般入賞口18に遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出スイッチ18a、第1始動口20に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ20a、第2始動口22に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ22a、ゲート24を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ24a、大入賞口28に遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出スイッチ28aが接続されており、これら各検出スイッチから主制御基板100に検出信号が入力されるようになっている。
また、主制御基板100には、第2始動口22の可動片22bを作動する始動口開閉ソレノイド22cと、大入賞口28を開閉する開閉扉28bを作動する大入賞口開閉ソレノイド28cと、が接続されており、主制御基板100によって、第2始動口22および大入賞口28の開閉制御がなされるようになっている。
さらに、主制御基板100には、第1特別図柄表示器80、第2特別図柄表示器82、第1特別図柄保留表示器84、第2特別図柄保留表示器86、普通図柄表示器88、普通図柄保留表示器90が接続されており、主制御基板100によって、これら各表示器の表示制御がなされるようになっている。
また、本実施形態の遊技機1は、主に第1始動口20または第2始動口22への遊技球の入球によって開始される特別図柄遊技と、ゲート24を遊技球が通過することによって開始される普通図柄遊技とに大別される。そして、主制御基板100のメインROM100bには、特別図柄遊技および普通図柄遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
また、主制御基板100には、払出制御基板120および副制御基板200が接続されている。
払出制御基板120は、遊技球を発射させるための制御、および、賞球を払い出すための制御を行う。この払出制御基板120も、CPU、ROM、RAMを備えており、主制御基板100に対して双方向に通信可能に接続されている。この払出制御基板120には遊技情報出力端子板110が接続されており、主制御基板100から出力される遊技進行上の種々の情報が、払出制御基板120および遊技情報出力端子板110を介して、遊技店のホールコンピュータ等に出力されることとなる。
また、払出制御基板120には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ121が接続されている。払出制御基板120は、主制御基板100から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ121を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ122によって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるようになっている。
また、払出制御基板120には、下皿72の満タン状態を検出する皿満タン検出スイッチ123が接続されている。この皿満タン検出スイッチ123は、賞球として払い出される遊技球を下皿72に導く通路に設けられており、当該通路を遊技球が通過するたびに、遊技球検出信号が払出制御基板120に入力されるようになっている。
そして、下皿72に所定量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、下皿72に向かう通路内に遊技球が滞留し、皿満タン検出スイッチ123から払出制御基板120に向けて、遊技球検出信号が連続的に入力される。払出制御基板120は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿72が満タン状態であると判断し、皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。一方、皿満タンコマンドを送信した後、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断し、皿満タン解除コマンドを主制御基板100に送信する。
また、払出制御基板120には、発射制御基板130が双方向に通信可能に接続されている。この発射制御基板130は、払出制御基板120から発射制御データを受信すると発射の許可を行う。この発射制御基板130には、操作ハンドル12に設けられ、当該操作ハンドル12に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ12aと、操作ハンドル12の操作角度を検出する操作ボリューム12bと、が接続されている。そして、タッチセンサ12aおよび発射ボリューム12bから信号が入力されると、発射制御基板130において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド131を通電して遊技球を発射させる制御がなされる。
副制御基板200は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この副制御基板200は、サブCPU200a、サブROM200b、サブRAM200cを備えており、主制御基板100に対して、当該主制御基板100から副制御基板200への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU200aは、主制御基板100から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて、サブROM200bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出を実行するためのコマンドを、画像制御基板210または電飾制御基板220に送信する。このとき、サブRAM200cは、サブCPU200aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
画像制御基板210は、上記演出表示部50aに画像を表示させる画像表示制御を行うものであり、CPU、ROM、RAM、VRAMを備えている。この画像制御基板210のROMには、演出表示部50aに表示される図柄や背景等の画像データが多数格納されており、副制御基板200から送信されたコマンドに基づいて、CPUが、画像データをROMからVRAMに読み出して、演出表示部50aの画像表示を制御する。
電飾制御基板220は、副制御基板200から送信されたコマンドに基づいて、音声出力装置58から音声を出力させる音声出力制御を行う。また、電飾制御基板220は、副制御基板200から送信されるコマンドに基づいて、演出役物装置52を可動したり演出照明装置54を点灯制御したりする。さらには、演出操作装置56が押下操作されたことを検出する演出操作装置検出スイッチ56aから操作検出信号が入力された際に、所定のコマンドを副制御基板200に送信する。
なお、各基板には、不図示の電源基板が接続されている。この電源基板は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板100に出力するようになっている。
次に、本実施形態の遊技機1における遊技について、メインROM100bに記憶されている各種テーブルを参照しながら説明する。
前述したように、本実施形態の遊技機1は、特別図柄遊技と普通図柄遊技の2種類の遊技が並行して進行するものであり、これら両遊技を進行する際の遊技状態として、低確率遊技状態または高確率遊技状態のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態または時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態にて遊技が進行する。
各遊技状態の詳細については後述するが、低確率遊技状態というのは、大入賞口28が開放される特別遊技を実行する権利獲得の確率が低く(本実施形態では1/273)設定された遊技状態であり、高確率遊技状態というのは、特別遊技を実行する権利獲得の確率が高く(本実施形態では1/27.3)設定された遊技状態である。
また、非時短遊技状態というのは、可動片22bが開状態になりにくく、第2始動口22に遊技球が入球しにくい遊技状態であり、時短遊技状態というのは、非時短遊技状態よりも可動片22bが開状態になりやすく、第2始動口22に遊技球が入球しやすい遊技状態である。
遊技者が操作ハンドル12を操作して遊技領域16に遊技球を発射させるとともに、遊技領域16を流下する遊技球が第1始動口20または第2始動口22に入球すると、遊技者に付与される遊技利益が対応付けられた特別図柄の決定処理(以下、「大当りの抽選」という)が行われる。すなわち、取得した乱数(遊技情報の一例)に基づいて、当りに当選するか否かの当否判定が行われる。この大当りの抽選において、大当りに当選すると、大入賞口28が開放されるとともに当該大入賞口28への遊技球の入球が可能となる特別遊技が実行され、また、当該特別遊技の終了後の遊技状態が、上記のいずれかの遊技状態に設定される。以下では、大当りの抽選方法について説明する。
なお、詳しくは後述するが、第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、大当りの抽選に係る種々の乱数(特別図柄乱数、大当り図柄乱数、第1変動パターン乱数、第2変動パターン乱数)が取得されるとともに、これら各乱数の乱数値がメインRAM100cの保留記憶領域に記憶される。以下では、第1始動口20に遊技球が入球して保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して第1保留とよび、第2始動口22に遊技球が入球して保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して第2保留とよぶ。
この保留記憶領域は、第1保留記憶領域および第2保留記憶領域の2つの記憶領域を備えており、また、両保留記憶領域はそれぞれ4つの記憶部(第1から第4記憶部)を有している。そして、第1始動口20に遊技球が入球して取得された乱数値は、4つを上限として第1保留記憶領域の第1から4記憶部に第1保留として記憶され、第2始動口22に遊技球が入球して取得された乱数値は、4つを上限として第2保留記憶領域の第1から4記憶部に第2保留として記憶される。
したがって、第1保留記憶領域に4つの第1保留が記憶された状態で、第1始動口20に遊技球が入球した場合には、当該遊技球の入球に基づいて乱数値が記憶されることはなく、また、第2保留記憶領域に4つの第2保留が記憶された状態で、第2始動口22に遊技球が入球した場合には、当該遊技球の入球に基づいて乱数値が記憶されることはない。
図4は、特別図柄判定テーブルを説明する図である。第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、0〜545の範囲内から1つの特別図柄乱数が取得される。そして、遊技球が入球した始動口と、大当りの抽選を開始するとき、すなわち、大当りの判定を行うときの遊技状態と、に応じて特別図柄判定テーブルが選択され、当該選択された特別図柄判定テーブルと取得された特別図柄乱数とによって大当りの判定が行われる。
低確率遊技状態において、第1保留に基づいて大当りの抽選を開始する場合には、図4(a)に示す特別図柄判定テーブル1が参照される。この特別図柄判定テーブル1によれば、特別図柄乱数が7または107であった場合に大当りと判定し、その他の特別図柄乱数であった場合にははずれと判定する。したがって、この場合の大当り確率は1/273となる。
また、高確率遊技状態において、第1保留に基づいて大当りの抽選を開始する場合には、図4(b)に示す特別図柄判定テーブル2が参照される。この特別図柄判定テーブル2によれば、特別図柄乱数が7、17、27、37、47、57、67、77、87、97、107、117、127、137、147、157、167、177、187、197であった場合に大当りと判定し、その他の特別図柄乱数であった場合にははずれと判定する。したがって、この場合の大当り確率は1/27.3となる。このように、高確率遊技状態である場合には、低確率遊技状態である場合に比べて、大当り確率が10倍となる。
また、低確率遊技状態において、第2保留に基づいて大当りの抽選を開始する場合には、図4(c)に示す特別図柄判定テーブル3が参照される。この特別図柄判定テーブル3も、特別図柄判定テーブル1と同様に、特別図柄乱数が7または107であった場合に大当りと判定する。したがって、この場合の大当り確率は1/273となる。
また、高確率遊技状態において、第2保留に基づいて大当りの抽選を開始する場合には、図4(d)に示す特別図柄判定テーブル4が参照される。この特別図柄判定テーブル4も、特別図柄判定テーブル2と同様に、特別図柄乱数が7、17、27、37、47、57、67、77、87、97、107、117、127、137、147、157、167、177、187、197であった場合に大当りと判定する。したがって、この場合の大当り確率は1/27.3となる。
図5は、特別図柄の種別を決定するための図柄種別判定テーブルを説明する図である。第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、0〜299の範囲内から1つの大当り図柄乱数が取得される。そして、遊技球が入球した始動口と、上記の大当りまたははずれの判定結果と、に応じて図柄種別判定テーブルが選択され、当該選択された図柄種別判定テーブルと取得された大当り図柄乱数とによって特別図柄の種別が決定される。なお、大当り図柄乱数は、大当りの判定結果が導出された場合に限らず、はずれの判定結果が導出された場合にも、特別図柄の種別を決定する際に取得されるものである。以下では、大当り図柄乱数によって決定される特別図柄のうち、大当りの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄を大当り図柄とよび、はずれの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄をはずれ図柄とよぶ。
ここで、上記した特別図柄判定テーブルによって第1保留を判定した結果、大当りの判定結果が得られた場合には、図柄種別判定テーブル1が参照される。この図柄種別判定テーブル1によれば、図示のとおり、0〜299の各大当り図柄乱数に特別図柄A〜Lの12種類の特別図柄が対応付けられており、例えば、大当り図柄乱数が「0」であった場合には、特別図柄Aが決定されることとなる。
また、上記した特別図柄判定テーブルによって第2保留を判定した結果、大当りの判定結果が得られた場合には、図柄種別判定テーブル2が参照される。この図柄種別判定テーブル2によれば、図示のとおり、0〜299の各大当たり乱数に特別図柄A〜Lの12種類の特別図柄が対応付けられている。なお、ここでは、図柄種別判定テーブル1、2で同種類の特別図柄が決定されることとしたが、両テーブル1、2で異なる種類の特別図柄が決定されることとしてもよい。
また、上記した特別図柄判定テーブルによって第1保留または第2保留を判定した結果、はずれの判定結果が得られた場合には、図柄種別判定テーブル3が参照される。この図柄種別判定テーブル3によれば、第1保留についてはずれの判定結果が得られた場合には、特別図柄の種別として必ず特別図柄Xが決定され、第2保留についてはずれの判定結果が得られた場合には、特別図柄の種別として必ず特別図柄Yが決定される。
図6は、大当りに当選した場合に実行される特別遊技を制御するための特別電動役物作動テーブルを説明する図である。特別電動役物作動テーブルは、特別遊技の実行中に大入賞口開閉ソレノイド28cを通電制御するために参照されるものであり、本実施形態においては、特別電動役物作動テーブルとして、作動テーブル1、2が設けられている。
そして、特別図柄A〜Iが決定されると、作動テーブル1を参照して特別遊技が実行される。この作動テーブル1によれば、大入賞口28が29秒開放すること、または、大入賞口28に8個の遊技球が入球する(カウントC=8)ことのいずれかの条件が成立することによって終了するラウンド遊技が10回(R=10)実行される。なお、各ラウンド遊技中、大入賞口28は1回開放され、また、各ラウンド遊技間に設定される大入賞口28の閉鎖時間すなわちインターバル時間は、2.0秒に設定されている。
また、特別図柄J、K、Lが決定されると、作動テーブル2を参照して特別遊技が実行される。この作動テーブル2によれば、大入賞口28が29秒開放すること、または、大入賞口28に8個の遊技球が入球する(カウントC=8)ことのいずれかの条件が成立することによって終了するラウンド遊技が15回(R=15)実行される。なお、各ラウンド遊技中、大入賞口28は1回開放され、また、各ラウンド遊技間に設定される大入賞口28の閉鎖時間すなわちインターバル時間は、2.0秒に設定されている。
図7は、上記のようにして特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブルを説明する図である。この遊技状態設定テーブルによれば、特別図柄A、B、Cが決定された場合には、特別遊技の終了後の遊技状態として低確率遊技状態に設定され、特別図柄D〜Lが決定された場合には、特別遊技の終了後の遊技状態として高確率遊技状態に設定される。なお、特別遊技の終了後の遊技状態として高確率遊技状態に設定される場合には、高確率遊技状態における大当りの最大抽選可能回数(上限回数)である高確回数が10000回に設定される。本実施形態においては、高確率遊技状態における大当りの当選確率が1/27.3であることから、実質的には、次回大当りに当選するまで高確率遊技状態が継続することとなる。
また、特別遊技の終了後には、上記の高確率遊技状態または低確率遊技状態に設定されるのと同時に、時短遊技状態または非時短遊技状態に設定される。この時短遊技状態および非時短遊技状態は、決定された特別図柄の種別と、大当り当選時の遊技状態と、に基づいて図示のとおりに決定される。なお、大当り当選時の遊技状態は、メインRAM100cの遊技状態バッファに記憶される。この遊技状態バッファには、大当り当選時の遊技状態が、低確率遊技状態および高確率遊技状態のいずれの遊技状態であるかと、非時短遊技状態および時短遊技状態のいずれの遊技状態であるかと、が記憶される。
例えば、非時短遊技状態において特別図柄Aが決定された場合には、遊技状態バッファに非時短遊技状態に係る情報が記憶され、時短遊技状態において特別図柄Aが決定された場合には、遊技状態バッファに時短遊技状態に係る情報が記憶される。そして、遊技状態バッファに非時短遊技状態に係る情報が記憶されている場合、すなわち、非時短遊技状態に設定されているときに特別図柄Aが決定された場合には、特別遊技の終了後の遊技状態として非時短遊技状態に設定される。一方、遊技状態バッファに時短遊技状態に係る情報が記憶されている場合、すなわち、時短遊技状態に設定されているときに特別図柄Aが決定された場合には、特別遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態に設定される。なお、特別図柄Aが決定されるとともに、特別遊技の終了後の遊技状態が時短遊技状態に設定される場合、当該時短遊技状態における大当りの最大抽選可能回数(上限回数)である時短回数は50回に設定される。また、例えば、特別図柄Lが決定された場合には、当該特別図柄Lが決定されたときの遊技状態(遊技状態バッファに記憶されている情報)を問わず、必ず、時短遊技状態に設定され、このとき、時短回数として10000回が設定されることとなる。
図8は、変動パターンの決定条件を説明する図である。上記のようにして大当りの抽選が行われると、数字等からなる演出図柄40a、40b、40cが演出表示部50aにおいて変動表示する図柄変動表示による変動演出が実行される。ここで、変動演出というのは、演出表示部50aにおいて演出図柄40a、40b、40cがスクロール表示される等、さまざまな態様で表示された後に、所定時間停止表示されるものである。最終的な停止表示態様には大当りの抽選結果が対応付けられていることから、変動演出によって大当りの抽選結果が遊技者に報知されることとなる。
そして、変動パターンというのは、変動演出の開始から終了までの時間や、演出図柄40a、40b、40cの変動表示の態様が対応付けられたものであり、主制御基板100において変動パターンが決定されると、当該決定された変動パターンに基づいて、副制御基板200において変動演出のさらに詳細な態様が決定される。この変動パターンは、設定されている遊技状態、より詳細には、遊技状態に応じて副制御基板200で設定される表示モードに対応して決定されるが、本実施形態においては、変動パターン選択オフセット識別子および変動パターン選択用カウンタ値の2つのデータに基づいて変動パターンが決定される。
メインROM100bには、複数の変動パターンコマンドが乱数値に対応付けて記憶された変動パターンコマンド決定テーブルが多数記憶されている。そして、変動パターンを決定する際には、変動パターン選択オフセット識別子と変動パターン選択用カウンタ値とに基づいて変動パターンコマンド決定テーブルが選択され、当該選択されたテーブルと、第1変動パターン乱数または第2変動パターン乱数とに基づいて、変動パターンが決定されることとなる。
具体的には、遊技状態が低確率遊技状態および非時短遊技状態に設定されている場合には、変動パターン選択オフセット識別子が「0」または「1」に設定されている。そして、変動パターン選択オフセット識別子が「0」に設定されている場合には、変動パターン選択用カウンタ値が「0」に設定されており、このとき、副制御基板200においては、表示モードが「通常モード(初期設定)」に設定されている。また、変動パターン選択オフセット識別子が「1」に設定されている場合には、変動パターン選択用カウンタ値が「1」〜「50」に設定されており、このとき、副制御基板200において「示唆モード1」に設定される。
なお、表示モードというのは、例えば、演出表示部50aの背景色や、演出図柄40a、40b、40cの表示態様等を定めるものであり、遊技者は、演出表示部50aを視認することで、いずれの表示モードに設定されているかを識別することが可能となっている。各表示モードには遊技状態が対応付けられていることから、現在、いずれの遊技状態に設定されているのかが、表示モードを通じて遊技者に報知もしくは示唆されることとなる。
また、遊技状態が高確率遊技状態および非時短遊技状態に設定されている場合には、変動パターン選択オフセット識別子が「2」または「3」に設定されている。そして、変動パターン選択オフセット識別子が「2」に設定されている場合には、変動パターン選択用カウンタ値が「1」〜「50」に設定され、変動パターン選択オフセット識別子が「3」に設定されている場合には、変動パターン選択用カウンタ値が「0」に設定されている。このとき、変動パターン選択オフセット識別子が「2」に設定されている場合には、副制御基板200において「示唆モード2」に設定され、変動パターン選択オフセット識別子が「3」に設定されている場合には、副制御基板200において「高確確定モード」に設定される。
なお、ここでは説明の都合上、「示唆モード1」および「示唆モード2」を区別して説明したが、「示唆モード1」および「示唆モード2」は、同一条件下で変動演出が行われるものであり、実質的には同一の表示モードである。つまり、「示唆モード1」および「示唆モード2」に設定されている場合には、変動パターンを決定する際に、同一の変動パターンコマンド決定テーブルが選択される。これにより、変動パターン選択オフセット識別子が「1」および「2」のいずれに設定されているのか、すなわち、現在の遊技状態が低確率遊技状態および高確率遊技状態のいずれに設定されているのかを、遊技者が判別することができなくなっている。
詳しくは後述するが、「1」および「2」の変動パターン選択オフセット識別子は、特別遊技の終了後に設定される。そして、変動パターン選択オフセット識別子=「1」に設定された後、特別図柄の変動表示が50回行われると、変動パターン選択オフセット識別子が「0」に変更される。つまり、「示唆モード1」において大当りの抽選が50回行われると、「通常モード」に表示モードが変更される。これにより、特別遊技の終了後、大当りの抽選が50回行われるまでは、高確率遊技状態に設定されているのか、低確率遊技状態に設定されているのかを遊技者が判別不可能もしくは判別困難とし、大当りの抽選が50回終了したところで、低確率遊技状態であることが遊技者に報知されることとなる。
一方で、変動パターン選択オフセット識別子=「2」に設定された後、特別図柄の変動表示が50回行われると、変動パターン選択オフセット識別子が「3」に変更される。つまり、「示唆モード2」において大当りの抽選が50回行われると、「高確確定モード」に表示モードが変更される。これにより、特別遊技の終了後、大当りの抽選が50回行われるまでは、高確率遊技状態に設定されているのか、低確率遊技状態に設定されているのかを遊技者が判別不可能もしくは判別困難とし、大当りの抽選が50回終了したところで、高確率遊技状態であることが遊技者に報知されることとなる。
また、遊技状態が低確率遊技状態および時短遊技状態に設定されている場合には、変動パターン選択オフセット識別子が「4」に設定され、変動パターン選択用カウンタ値が「1」〜「50」に設定されている。そして、この場合には、副制御基板200において「チャンスモード1」に設定される。
また、遊技状態が高確率遊技状態および時短遊技状態に設定されている場合には、変動パターン選択オフセット識別子が「5」または「6」に設定されている。そして、変動パターン選択オフセット識別子が「5」に設定されている場合には、変動パターン選択用カウンタ値が「1」〜「50」に設定され、変動パターン選択オフセット識別子が「6」に設定されている場合には、変動パターン選択用カウンタ値が「0」に設定されている。このとき、変動パターン選択オフセット識別子が「5」に設定されている場合には、副制御基板200において「チャンスモード2」に設定され、変動パターン選択オフセット識別子が「6」に設定されている場合には、副制御基板200において「ラッシュモード」に設定される。
なお、ここでは説明の都合上、「チャンスモード1」および「チャンスモード2」を区別して説明したが、「チャンスモード1」および「チャンスモード2」は、同一条件下で変動演出が行われるものであり、実質的には同一の表示モードである。これにより、変動パターン選択オフセット識別子が「4」および「5」のいずれに設定されているのか、すなわち、現在の遊技状態が低確率遊技状態および高確率遊技状態のいずれに設定されているのかを、遊技者が判別することができなくなっている。
詳しくは後述するが、「4」および「5」の変動パターン選択オフセット識別子は、特別遊技の終了後に設定される。そして、変動パターン選択オフセット識別子=「4」に設定された後、特別図柄の変動表示が50回行われると、遊技状態が非時短遊技状態に変更され、これに伴って、変動パターン選択オフセット識別子が「0」に変更される。つまり、「チャンスモード1」において大当りの抽選が50回行われると、「通常モード」に表示モードが変更される。これにより、特別遊技の終了後、大当りの抽選が50回行われるまでは、高確率遊技状態に設定されているのか、低確率遊技状態に設定されているのかを遊技者が判別不可能もしくは判別困難とし、大当りの抽選が50回終了したところで、低確率遊技状態であることが遊技者に報知されることとなる。
一方で、変動パターン選択オフセット識別子=「5」に設定された後、特別図柄の変動表示が50回行われると、高確率遊技状態および時短遊技状態に維持されたまま、変動パターン選択オフセット識別子が「6」に変更される。つまり、「チャンスモード2」において大当りの抽選が50回行われると、「ラッシュモード」に表示モードが変更される。これにより、特別遊技の終了後、大当りの抽選が50回行われるまでは、高確率遊技状態に設定されているのか、低確率遊技状態に設定されているのかを遊技者が判別不可能もしくは判別困難とし、大当りの抽選が50回終了したところで、高確率遊技状態であることが遊技者に報知されることとなる。
そして、変動パターンを決定する際には、設定されている変動パターン選択オフセット識別子および変動パターン選択用カウンタ値を参照して対応する変動パターンコマンド決定テーブルが読み出され、当該読み出されたテーブルに基づいて第1変動パターン乱数または第2変動パターン乱数を判定することにより、変動パターンが決定されることとなる。
図9(a)は、変動パターン選択オフセット識別子設定テーブルを説明する図であり、図9(b)は、変動パターン選択用カウンタ値設定テーブルを説明する図である。特別遊技が終了すると、図9(a)に示す変動パターン選択オフセット識別子設定テーブルを参照して変動パターン選択オフセット識別子が設定される。この変動パターン選択オフセット識別子設定テーブルによれば、各大当り図柄(特別図柄A〜L)に対して、当該大当り図柄が決定されたときの遊技状態ごとに変動パターン選択オフセット識別子が対応付けて記憶されている。
この変動パターン選択オフセット識別子設定テーブルによれば、例えば、特別図柄Aが決定されたときの遊技状態が低確率遊技状態および非時短遊技状態であった場合には、特別遊技の終了後に、変動パターン選択オフセット識別子が「1」に設定される。また、特別図柄Aが決定されたときの遊技状態が高確率遊技状態および時短遊技状態であった場合には、特別遊技の終了後に、変動パターン選択オフセット識別子が「4」に設定される。
なお、この変動パターン選択オフセット識別子設定テーブルによって設定される変動パターン選択オフセット識別子は、図7に示す遊技状態設定テーブルによって設定される遊技状態と対応している。つまり、図8に示すように、変動パターン選択オフセット識別子は、各遊技状態に対応付けられていることから、変動パターン選択オフセット識別子の設定にあたっては、遊技状態設定テーブルによって設定される遊技状態に対応する変動パターン選択オフセット識別子のみが設定されることとなる。
また、特別遊技の終了後には、変動パターン選択オフセット識別子とともに、変動パターン選択用カウンタ値が設定される。ここでは、設定される変動パターン選択オフセット識別子が「1」、「2」、「4」、「5」の場合には、変動パターン選択用カウンタ値として「50」が設定され、変動パターン選択オフセット識別子が「6」の場合には、変動パターン選択用カウンタ値として「0」が設定される。なお、図9からも明らかなように、特別遊技の終了後には、変動パターン選択オフセット識別子として「1」、「2」、「4」、「5」、「6」のみが設定され、特別遊技の終了後に「0」または「3」が設定されることはない。
上記のようにして設定された変動パターン選択用カウンタ値は、変動演出(主制御基板100において実行される特別図柄の変動表示)が終了するたびに、当該変動パターン選択用カウンタ値が0になるまで1ずつ減算されることとなる。
図10は、変動パターン選択オフセット識別子変更テーブルを説明する図である。上記のように、特別遊技の終了後には、変動パターン選択オフセット識別子および変動パターン選択用カウンタ値の設定が行われるが、その後、遊技の進行に伴って変動パターン選択用カウンタ値が「0」になると、変動パターン選択オフセット識別子の設定変更が行われる。
具体的には、変動パターン選択オフセット識別子が「1」に設定されているときに、変動パターン選択用カウンタ値が「0」になると、変動パターン選択オフセット識別子が「1」から「0」に変更される。同様に、変動パターン選択オフセット識別子が「2」に設定されているときに、変動パターン選択用カウンタ値が「0」になると、変動パターン選択オフセット識別子が「2」から「3」に変更される。また、変動パターン選択オフセット識別子が「5」に設定されているときに、変動パターン選択用カウンタ値が「0」になると、変動パターン選択オフセット識別子が「5」から「6」に変更される。このように、変動パターン選択用カウンタ値は、特別遊技の終了後に設定される変動パターン選択オフセット識別子が変更されるまでの変動回数として捉えることができる。
なお、詳しくは後述するが、変動パターン選択オフセット識別子が「4」または「6」に設定されている場合には、遊技状態が時短遊技状態に設定されている。この場合には、時短遊技状態において50回または10000回の変動が終了すると非時短遊技状態へと遊技状態が変更され、これに伴って、変動パターン選択オフセット識別子が「4」または「6」から「0」に変更される。つまり、変動パターン選択オフセット識別子が「4」または「6」に設定されている場合には、変動パターン選択オフセット識別子変更テーブルを用いずに変動パターン選択オフセット識別子の設定変更が行われることとなる。
また、変動パターン選択オフセット識別子が「3」に設定されている場合には、遊技状態が高確率遊技状態に設定されている。この場合には、高確率遊技状態から低確率遊技状態へと遊技状態が変更されるのに伴って、変動パターン選択オフセット識別子が「3」から「0」に変更される。したがって、変動パターン選択オフセット識別子が「3」に設定されている場合にも、変動パターン選択オフセット識別子変更テーブルを用いずに変動パターン選択オフセット識別子の設定変更が行われることとなる。
なお、変動パターン選択オフセット識別子が「0」に設定されている場合には、「大当り」に当選したことを条件として変動パターン選択オフセット識別子が変更されるため、上記と同様に、変動パターン選択オフセット識別子変更テーブルを用いずに変動パターン選択オフセット識別子の設定変更が行われることとなる。
図11は、変動パターンコマンド決定テーブル選択用のテーブルを説明する図である。主制御基板100において、変動パターンコマンドが決定される。変動パターンコマンドは、変動パターンコマンド決定テーブルと、特別図柄乱数等と同時に取得された第1変動パターン乱数とに基づいて決定される。
変動パターンコマンド決定テーブルは、始動口種別、特別図柄種別、変動パターン選択オフセット識別子、および、保留数が対応付けられたテーブルに分類されている。図11においては、第1始動口20に対応する変動パターンコマンド決定テーブルとして、テーブル1〜20dの35種類の変動パターンコマンド決定テーブルを示しているが、これと同様に、メインROM100bには、第2始動口22に対応する変動パターンコマンド決定テーブルも多数記憶されている。
メインCPU100aは、変動パターンを決定する際に、まず、変動パターンコマンド決定テーブル選択用のテーブルを参照し、始動口種別、特別図柄種別、変動パターン選択オフセット識別子、および、保留数に対応する1の変動パターンコマンド決定テーブルを選択する。
図12は、変動パターンコマンド決定テーブルの一例を示す図であり、図12(a)はテーブル17aを示し、図12(b)はテーブル17dを示している。テーブル17aは、変動パターン選択オフセット識別子が「1」または「2」に設定されている場合において、第1保留によって「はずれ」の抽選結果が導出され、このときの第1保留数が「1」であったときに選択されるテーブルである。また、テーブル17dは、変動パターン選択オフセット識別子が「1」または「2」に設定されている場合において、第1保留によって「はずれ」の抽選結果が導出され、このときの第1保留数が「4」であったときに選択されるテーブルである。
各変動パターンコマンド決定テーブルによれば、大当りの抽選結果を報知する変動演出の態様(変動時間)が対応付けられた複数の変動パターンのそれぞれに、図示のとおりに乱数範囲(乱数値)が割り振られている。そして、変動パターンコマンドを決定する際には、選択された変動パターンコマンド決定テーブルに割り振られた乱数範囲(乱数値)と、保留が留保されたときに取得した第1変動パターン乱数とに基づいて、1の変動パターンコマンドが決定されることとなる。
本実施形態においては、0〜4000の範囲から第1変動パターン乱数が取得され、各変動パターンコマンド決定テーブルにおいては、0〜4000の乱数範囲(乱数値)が変動パターンコマンドに割り振られている。例えば、図12(a)に示す変動パターンコマンド決定テーブル(テーブル17a)によれば、取得した第1変動パターン乱数が0〜9のときに、「ガセ0」の変動パターンコマンドが決定され、取得した第1変動パターン乱数が207〜3856のときに、「通常変動系(固定値)」が決定されることとなる。
ここで、図12(a)に示すテーブル17aと、図12(b)に示すテーブル17dと変動パターンコマンドが決定される。これに対して、例えば取得した第1変動パターン乱数が138であった場合に、テーブル17aによれば「リーチ擬似0」が決定され、テーブル17dによれば「ガセ0」が決定される。このように、取得した第1変動パターン乱数が0〜206であった場合には、テーブル17a、17dで、異なる変動パターンコマンドが決定され得る。
つまり、0〜206の第1変動パターン乱数は、特別図柄の変動表示の開始時における保留数に応じて、異なる変動パターンコマンドが決定され得る乱数値であり、207〜4000の第1変動パターン乱数は、保留数とは無関係に同一の変動パターンコマンドが決定される乱数値となる。以下では、0〜206の第1変動パターン乱数を、保留数に応じて決定される変動パターンコマンドが変化し得る(変動パターンコマンドが不定である)ことから「不定値」とよび、207〜4000の第1変動パターン乱数を、保留数とは無関係に一の変動パターンコマンドが決定される(変動パターンコマンドが固定である)ことから「固定値」とよぶ。
なお、ここでは、テーブル17a、17dについて説明したが、テーブル17b、17cにおいても、各固定値にはテーブル17a、17dと同じ変動パターンコマンドが割り振られており、各不定値には、テーブル17aに示す「ガセ0〜2」、「リーチ擬似0〜3」、「リーチ煽りF」のいずれかが割り振られている。詳しい説明は省略するが、保留数が多い場合の方が、保留数が少ない場合よりも、変動時間が短い変動パターンコマンドが決定されやすくなるように、テーブル17a〜17dにおいて変動パターンコマンドの割り振りがなされている。
上記したように、変動パターンコマンドは、特別図柄の変動表示の開始時に、変動パターンコマンド決定テーブルに基づいて決定される。一方で、本実施形態においては、保留が留保されたときに、当該保留に基づく特別図柄の変動表示の開始時に決定されるであろう変動パターンコマンドを事前判定し、その判定結果に基づいて、事前判定コマンドを副制御基板200に送信している。そして、副制御基板200においては、受信した事前判定コマンドに基づいて、変動パターンや大当りの抽選結果や特別図柄の種別等を示唆する事前演出(所謂「先読み演出」)が実行される。
図13は、事前判定コマンド決定テーブルを説明する図であり、図13(a)は、事前判定コマンド決定テーブル選択用のテーブルを示し、図13(b)は、事前判定コマンド決定テーブルの一例を示している。説明の便宜上、本実施形態においては、非時短遊技状態に設定されている場合に留保された第1保留についてのみ予告演出を実行することとするが、予告演出を実行する遊技状態や、予告演出の実行対象である保留種別は特に限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。
第1始動口20に遊技球が入球して第1保留が留保されると、まず、現在の遊技状態に対応する特別図柄判定テーブルおよび図柄種別判定テーブルを参照して、特別図柄乱数および大当り図柄乱数の仮判定がなされ、当該第1保留によって決定されると考えられる特別図柄の種別が導出される。そして、図13(a)に示すように、導出された特別図柄が大当り図柄(特別図柄A〜L)であった場合において、変動パターン選択オフセット識別子が「0」に設定されていればテーブル100が選択され、変動パターン選択オフセット識別子が「1」、「2」、「3」に設定されていればテーブル101が選択される。また、導出された特別図柄がはずれ図柄(特別図柄X)であった場合において、変動パターン選択オフセット識別子が「0」に設定されていればテーブル102が選択され、変動パターン選択オフセット識別子が「1」、「2」、「3」に設定されていればテーブル103が選択される。
上記したように、はずれ図柄(特別図柄X)が導出されたときに、変動パターン選択オフセット識別子が「1」または「2」に設定されている場合には、変動パターンコマンド決定テーブルとしてテーブル17a〜17dが選択され、変動パターン選択オフセット識別子が「3」に設定されている場合には、変動パターンコマンド決定テーブルとしてテーブル18a〜18dが選択される。つまり、変動パターン選択オフセット識別子が「1」または「2」に設定されている場合と、「3」に設定されている場合とでは、異なる変動パターンコマンド決定テーブルが選択され、よって、異なる変動パターンコマンドが決定され得る。
しかしながら、第1保留が留保されたときに選択される事前判定コマンド決定テーブルについては、変動パターン選択オフセット識別子が、「1」または「2」に設定されている場合と、「3」に設定されている場合とで、共通の事前判定コマンド決定テーブルが選択されることとなる。
図14(b)は、特別図柄乱数および大当り図柄乱数の仮判定により、はずれ図柄(特別図柄X)が導出された場合であって、変動パターン選択オフセット識別子が「1」、「2」、「3」に設定されているときに選択される事前判定コマンド決定テーブル(テーブル103)を説明する図である。事前判定コマンド決定テーブルには、事前判定コマンドに乱数範囲(乱数値)が割り振られて記憶されており、変動パターンコマンド決定テーブルと同様に、取得された第1変動パターン乱数に対応する事前判定コマンドが決定される。
そして、テーブル103においては、変動パターン選択オフセット識別子が「1」または「2」に設定されている場合に選択される変動パターンコマンド決定テーブル(テーブル17a〜17d)における固定値と同じ割り振りがなされており、各固定値に事前判定コマンドが対応付けられている。したがって、変動パターン選択オフセット識別子が「1」または「2」に設定されているときに、例えば、取得した第1変動パターン乱数が4000であった場合には、第1保留の留保時に、事前判定コマンドとして「強リーチ煽りF(固定値)」に対応する「EF15H」が決定され、変動開始時に、変動パターンコマンドとして「強リーチ煽りF(固定値)」に対応する「AA15H」が決定されることとなる。
一方で、テーブル103においては、第1変動パターン乱数が、テーブル17a〜17dにおける不定値に相当する0〜206であった場合には、不定値であることを示す事前判定コマンド「EF00H」が決定されることとなる。
なお、本実施形態においては、特別図柄Xが導出される場合には、変動パターン選択オフセット識別子が「1」または「2」に設定されているときと、「3」に設定されているときとの双方で、共通の事前判定コマンド決定テーブル(テーブル103)が用いられる。このとき、テーブル103は、変動パターン選択オフセット識別子が「1」または「2」に設定されているときに選択される前変動パターンコマンド決定テーブル(テーブル17a〜17d)と、固定値の割り振りが共通化されているものの、変動パターン選択オフセット識別子が「3」に設定されているときに選択される変動パターンコマンド決定テーブル(テーブル18a〜18d)とは、固定値の割り振りが共通化されていない。
そのため、変動パターン選択オフセット識別子が「3」に設定されている場合において、例えば、取得した第1変動パターン乱数が4000であった場合には、特別図柄の変動表示の開始時に「通常変動系(固定値)」の変動パターンコマンドが決定されるにも関わらず、第1保留が留保された時点では、「強リーチ煽りF(固定値)」の事前判定コマンドが決定されてしまう。
そこで、変動パターン選択オフセット識別子が「3」に設定されている場合には、副制御基板200において、受信した事前判定コマンドに基づいて変換処理が行われ、変換後の情報に基づいて予告演出を実行することとしている。このように、事前演出に必要となる処理を、演出を制御する副制御基板200に行われることにより、遊技の進行を制御する主制御基板100におけるメインROM100bの記憶容量を軽減することとしているが、副制御基板200における具体的な処理については後述する。
図示は省略するが、本実施形態による遊技機100は、上述の各種テーブルの他に、普通図柄の判定に用いる普通図柄判定テーブル、普通図柄変動パターンの決定に用いる普通図柄変動パターンコマンド決定テーブル及び普通図柄の決定処理(以下、「普図抽選」という)に当選した場合に第2始動口22の開放制御に用いる第2始動口開放制御テーブル等をメインROM100bに記憶している。
本実施形態では、遊技球がゲート24を通過すると、0〜19の範囲内から1つの普通図柄乱数が取得されるとともに、この乱数の乱数値がメインRAM100cの普図保留記憶領域に4つを上限として記憶される。したがって、普図保留記憶領域に4つの乱数値が記憶された状態で、遊技球がゲート24を通過した場合には、当該遊技球の通過に基づいて乱数値が記憶されることはない。
普図抽選を開始する場合には、普通図柄判定テーブルが参照されて普図抽選に当選したか否かが判定され、普通図柄変動パターンコマンド決定テーブルを参照して普通図柄の変動パターンが決定され、普通図柄の変動時間が決定される。このようにして変動時間が決定されると、当該決定された時間にわたって普通図柄表示器88が変動表示(点滅表示)される。そして、当り図柄が決定された場合には普通図柄表示器88が点灯し、はずれ図柄が決定された場合には普通図柄表示器88が消灯する。
そして、普図抽選によって当り図柄が決定されるとともに、普通図柄表示器88が点灯した場合には、第2始動口22の可動片22bが、普図抽選が行われたときの遊技状態に応じて第2始動口開放制御テーブルに基づいて通電制御され、第2始動口22の可動片22bが所定の開放パターンで解放される。
時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動口22に遊技球が入球しやすくなる。つまり、時短遊技状態においては、ゲート24を遊技球が通過する限りにおいて、次々と普図抽選がなされるとともに、第2始動口22が頻繁に開放状態となるため、遊技者は遊技球の費消を低減しながら、大当りの抽選を行うことが可能となる。
次に、遊技機1における遊技の進行について、フローチャートを用いて説明する。
(主制御基板のメイン処理)
図14を用いて、主制御基板100のメイン処理を説明する。図14は、主制御基板100により実行されるメイン処理の流れを示すフローチャートである。
電源基板より電源が供給されると、メインCPU100aにシステムリセットが発生し、メインCPU100aは、以下のメイン処理を行う。
(ステップS1)
ステップS1において、メインCPU100aは、初期化処理として、電源投入に応じて、メインROM100bから起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM100cに記憶されるフラグ等を初期化したり、副制御基板200に送信する各種のコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶したりする。
(ステップS2)
ステップS1の次のステップS2において、メインCPU100aは、変動パターン乱数(第1変動パターン乱数、第2変動パターン乱数)を更新する変動パターン乱数更新処理を行う。
(ステップS3)
ステップS2の次のステップS3において、メインCPU100aは、特別図柄乱数および大当り図柄乱数を更新する際に参照される初期値乱数の更新を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS2とステップS3との処理を繰り返し行う。
(主制御基板のタイマ割込処理)
図15を用いて、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。図15は、主制御基板100により実行されるタイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(2ミリ秒、以下、ミリ秒を「ms」と称する)毎にクロックパルスが発生されることで、以下のタイマ割込処理が実行される。
(ステップS100)
まず、ステップS100において、メインCPU100aは、各種タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。
(ステップS200)
ステップS100の次のステップS200において、メインCPU100aは、特別図柄乱数、大当り図柄乱数、普通図柄乱数を更新する処理を行う。具体的には、それぞれの乱数カウンタを1加算して、乱数カウンタを更新する。なお、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の初期値乱数の値から乱数を更新する。
(ステップS300)
ステップS200の次のステップS300において、メインCPU100aは、一般入賞口検出スイッチ18a、第1始動口検出スイッチ20a、第2始動口検出スイッチ22a、ゲート検出スイッチ24a、大入賞口検出スイッチ28aに入力があったか否か判定する入力制御処理を行う。ステップS300における入力制御処理の詳細は後述する。
(ステップS400)
ステップS300の次のステップS400において、メインCPU100aは、特別図柄、特別電動役物の制御を行うための特図特電処理を行う。ステップS400における特図特電処理の詳細については後述する。
(ステップS500)
ステップS400の次のステップS500において、メインCPU100aは、普通図柄、普通電動役物の制御を行うための普図普電処理を行う。詳細な説明は省略するが、ステップS500における普図普電処理では、普通図柄乱数の当選判定や当該当選判定の結果に応じて普通図柄表示器88に表示する普通図柄の図柄を決定する普通図柄変動開始処理、普通図柄表示器88に普通図柄を停止表示したり停止表示時間を設定したりする普通図柄変動停止処理、普通図柄表示器88に停止表示されている図柄が当たり図柄であるか否かの判定や当該判定の結果に応じて普通電動役物制御処理または普通図柄変動開始処理の実行用データを設定する普通図柄停止後処理、普通電動役物を制御するために始動口開閉ソレノイド22c(図3参照)の通電制御を行う普通電動役物制御処理が実行される。
(ステップS600)
ステップS500の次のステップS600において、メインCPU100aは、一般入賞口18、第1始動口20、第2始動口22、大入賞口28に遊技球が入球したか否かを確認するとともに、遊技球の入球があった場合には、それぞれに対応する払出個数指定コマンドを払出制御基板120に送信する。
(ステップS700)
ステップS600の次のステップS700において、メインCPU100aは、外部情報データ、第2始動口開閉ソレノイドデータ、大入賞口開閉ソレノイドデータ、各表示器80、82、84、86、88,90の表示データを作成する処理を行う。
(ステップS800)
ステップS700の次のステップS800において、メインCPU100aは、上記ステップS700で作成した各データの信号を出力させるポート出力処理、および、上記各ステップでメインRAM100cの演出用伝送データ格納領域にセットされたコマンドを送信するコマンド送信処理を行う。
以下に、上記したタイマ割込処理のうち、ステップS300の入力制御処理について、詳細に説明する。
図16は、上記ステップS300の入力制御処理の流れを示すフローチャートである。
(ステップS310)
まず、ステップS310において、メインCPU100aは、一般入賞口検出スイッチ18aから検出信号が入力されたか、すなわち、遊技球が一般入賞口18に入球したか否かを判定する。メインCPU100aは、一般入賞口検出スイッチ18aから検出信号が入力された場合には、賞球のために用いる一般入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する。
(ステップS320)
ステップS310の次のステップS320において、メインCPU100aは、大入賞口検出スイッチ28aから検出信号が入力されたか、すなわち、遊技球が大入賞口28に入球したか否かを判定する。メインCPU100aは、大入賞口検出スイッチ28aから検出信号が入力された場合には、賞球のために用いる大入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新するとともに、大入賞口28に入球した遊技球を計数するための大入賞口入球カウンタを加算して更新する。
(ステップS330)
ステップS320の次のステップS330において、メインCPU100aは、第1始動口検出スイッチ20aから検出信号が入力されたか、すなわち、遊技球が第1始動口20に入球したか否かを判定して、大当りの抽選を行うための所定のデータをセットする。詳しくは、図17を用いて後述する。
(ステップS340)
ステップS330の次のステップS340において、メインCPU100aは、第2始動口検出スイッチ22aから検出信号が入力されたか、すなわち、遊技球が第2始動口22に入球したか否かを判定する。なお、この第2始動口検出スイッチ入力処理は、各種データを異にする点と、後述する事前判定処理が実行されない点を除いて、上記ステップS330の第1始動口検出スイッチ入力処理と同じである。
(ステップS350)
ステップS340の次のステップS350において、メインCPU100aは、ゲート検出スイッチ24aから信号が入力されたか、すなわち、遊技球がゲート24を通過したか否かを判定する。ステップS350におけるゲート検出スイッチ入力処理では、メインCPU100aは、ゲート検出スイッチ24aから検出信号が入力されたか否かを判定し、当該検出信号が入力されたと判定したら普図保留数が4未満であるかを判定し、普図保留数が4未満であると判定したら普図保留数に「1」加算した値を新たな普図保留数として記憶する。また、メインCPU100aは、当該検出信号が入力されていないと判定した場合、および、普図保留数が4以上であると判定した場合には、当該ゲート検出スイッチ入力処理を終了する。また、メインCPU100aは、普図保留数を更新したら、更新した普通図柄乱数を取得して普図保留記憶領域に記憶して、当該ゲート検出スイッチ入力処理を終了する。なお、普図保留記憶領域は、第1記憶部から第4記憶部の4つの記憶部を有しており、普通図柄乱数が取得されると、第1記憶部から順に普通図柄乱数が記憶されていない空きの記憶部が検索され、空いている記憶部のうちもっとも番号(序数)の小さい記憶部に、取得した普通図柄乱数が記憶される。
図17は、上記ステップS330の第1始動口検出スイッチ入力処理の流れを示すフローチャートである。
(ステップS330−1)
まず、ステップS330−1では、メインCPU100aは、第1始動口検出スイッチ20aから検出信号が入力されたか否かを判定する。第1始動口検出スイッチ20aから検出信号が入力されたと判定した場合(ステップS330−1のYes)にはステップS330−2に処理を移し、第1始動口検出スイッチ20aから検出信号が入力されていないと判定した場合(ステップS330−1のNo)には、第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
(ステップS330−2)
ステップS330−1の次のステップS330−2では、上記ステップS330−1において、第1始動口検出スイッチ20aから検出信号が入力されたと判定した場合には、メインCPU100aは、賞球のために用いる賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する処理を行う。
(ステップS330−3)
ステップS330−2の次のステップS330−3において、メインCPU100aは、保留記憶領域に記憶されている第1保留数(X1)が4未満であるか否かを判定する。その結果、第1保留数(X1)<4と判定した場合(ステップS330−3のYes)にはステップS330−4に処理を移し、第1保留数(X1)≧4と判定した場合(ステップS330−3のNo)には、後述するステップS330−4からステップS331の処理を実行せずに第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
(ステップS330−4)
テップS330−3の次のステップS330−4では、上記ステップS330−3において、第1保留数(X1)<4と判定した場合には、メインCPU100aは、第1保留数(X1)に「1」加算した値を新たな第1保留数(X1)として記憶する。
(ステップS330−5)
ステップS330−4の次のステップS330−5において、メインCPU100aは、上記ステップS200で更新された特別図柄乱数を取得して、第1保留記憶領域にある第1記憶部から第4記憶部まで順に空いている記憶部を検索し、空いている記憶部に取得した特別図柄乱数を記憶する。
(ステップS330−6)
ステップS330−5の次のステップS330−6において、メインCPU100aは、上記ステップS200で更新された大当り図柄乱数を取得するとともに、当該取得した大当り図柄乱数を、上記ステップS330−5で特別図柄乱数を記憶したのと同じ記憶部に記憶する。
(ステップS330−7)
ステップS330−6の次のステップS330−7において、メインCPU100aは、上記ステップS2で更新された変動パターン乱数(第1変動パターン乱数、第2変動パターン乱数)を取得するとともに、上記ステップS330−5およびステップS330−6で各乱数を記憶したのと同じ記憶部に記憶する。
(ステップS331)
ステップS330−7の次のステップS331において、メインCPU100aは、事前判定処理を行って当該第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。この事前判定処理について、図30を用いて後述する。
次に、図18から図27を用いて、主制御基板100において実行される上記の特別図柄遊技に係る処理について説明する。
図18は、上記ステップS400の特図特電処理の流れを示すフローチャートである。
(ステップS410)
まず、ステップS410において、メインCPU100aは、特図特電データの値をロードする。この特図特電データとしては、特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、停止後処理の実行を示すデータ「02」と、特別電動役物制御処理の実行を示すデータ「03」と、特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」と、が設けられている。
そして、メインCPU100aは、上記ステップS410でロードした特図特電データの値に基づいて、特別図柄変動開始処理(ステップS420)、特別図柄変動停止処理(ステップS430)、停止後処理(ステップS440)、特別電動役物制御処理(ステップS450)、特別遊技終了処理(ステップS460)を実行する。これら各処理について、以下に、図面を参照して説明する。
図19は、上記ステップS420の特別図柄変動開始処理の流れを示すフローチャートである。この特別図柄変動開始処理は、上記ステップS410において、特図特電データ=00であると判定した場合に実行される。
(ステップS420−1)
まず、ステップS420−1において、メインCPU100aは、第2保留記憶領域に第2保留が記憶されているか(第2保留数(X2)≧1)を判定する。その結果、第2保留が記憶されていると判定した場合にはステップS420−2に処理を移し、第2保留は記憶されていないと判定した場合にはステップS420−3に処理を移す。
(ステップS420−2)
上記ステップS420−1において、第2保留記憶領域に第2保留が記憶されていると判定した場合には、ステップS420−2において、メインCPU100aは、第2保留記憶領域に記憶されている第2保留をシフトする処理を行う。具体的には、第1記憶部に記憶されている乱数を所定の処理領域に複写するとともに、第2記憶部に記憶されている各乱数を第1記憶部にシフトさせて記憶する。同様に、第2記憶部から第4記憶部に各乱数が記憶されている場合には、これら各乱数を番号(序数)の1つ小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留は、留保された順に処理領域に書き込まれることとなる。したがって、記憶部に記憶された第2保留は、先に記憶された乱数から順に読み出されて、大当りの抽選を行う際の判定に用いられることとなる。また、このとき、第2保留数(X2)から「1」減算した値を新たな第2保留数(X2)として記憶する。
(ステップS420−3)
また、上記ステップS420−1において、第2保留記憶領域に第2保留は記憶されていないと判定した場合には、ステップS420−3において、メインCPU100aは、第1保留記憶領域に第1保留が記憶されているか(第1保留数(X1)≧1)を判定する。その結果、第1保留が記憶されていると判定した場合(ステップS420−3のYes)にはステップS420−4に処理を移し、第1保留は記憶されていないと判定した場合(ステップS420−3のNo)にはステップS420−10に処理を移す。
(ステップS420−4)
上記ステップS420−3において、第1保留記憶領域に第1保留が記憶されていると判定した場合には、ステップS420−4において、メインCPU100aは、第1保留記憶領域に記憶されている第1保留をシフトする処理を行う。具体的には、第1記憶部に記憶されている乱数を所定の処理領域に複写するとともに、第2記憶部に記憶されている各乱数を第1記憶部にシフトさせて記憶する。同様に、第2記憶部から第4記憶部に各乱数が記憶されている場合には、これら各乱数を番号(序数)の1つ小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留は、留保された順に処理領域に書き込まれることとなる。したがって、記憶部に記憶された第1保留は、先に記憶された乱数から順に読み出されて、大当りの抽選を行う際の判定に用いられることとなる。また、このとき、第1保留数(X1)から「1」減算した値を新たな第1保留数(X1)として記憶する。
(ステップS420−5)
ステップS420−2またはステップS420−4の次のステップS420−5において、メインCPU100aは、特別図柄判定テーブル(図4参照)のうち、現在の遊技状態に対応するテーブルを選択し、当該選択したテーブルと、上記ステップS420−2または上記ステップS420−4において処理領域に複写された特別図柄乱数とに基づいて大当りの抽選結果を導出する。そして、導出した抽選結果に応じて図柄種別判定テーブル(図5参照)を選択するとともに、当該選択したテーブルと、上記ステップS420−2または上記ステップS420−4において処理領域に複写された大当り図柄乱数とに基づいて特別図柄を決定する。そして、当該決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM100cの所定の領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現在の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定したときの遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。
このように、この特別図柄変動開始処理によれば、第1保留および第2保留の双方が記憶されている場合には、第2保留に基づいて特別図柄決定処理がなされる。つまり、ここでは、第2保留が第1保留に優先して処理されることとなる。
(ステップS420−6)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS420−5で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。これにより、決定された特別図柄の種別に係る情報が、変動演出の開始時に副制御基板200に伝送されることとなる。
(ステップS421)
ステップS420−6の次のステップS421において、メインCPU100aは、上記ステップS420−2または上記ステップS420−4において処理領域に上書きされた変動パターン乱数を、変動パターンコマンド決定テーブルに基づいて判定することにより変動パターンを決定する。この変動パターン決定処理については、図20を用いて後述する。
(ステップS420−7)
ステップS421の次のステップS420−7において、メインCPU100aは、第1特別図柄表示器80または第2特別図柄表示器82において、特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1保留に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示器80が点滅表示を開始するとともに、第2保留に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示器82が点滅表示を開始する。なお、ここで制御される点滅表示とは、各表示器80、82において「−」が所定の間隔で点滅することをいう。また、第1保留に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1保留が1つ減ることを示すように、第1特別図柄保留表示器84が表示制御され、第2保留に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2保留が1つ減ることを示すように、第2特別図柄保留表示器86が表示制御される。
(ステップS420−8)
ステップS420−7の次のステップS420−8において、メインCPU100aは、上記ステップS421で導出した合計変動時間を変動時間カウンタにセットする。
(ステップS420−9)
ステップS420−8の次のステップS420−9において、メインCPU100aは、特図特電処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、特図特電データに「01」をセットし、当該特別図柄変動開始処理を終了する。
(ステップS420−10)
また、上記ステップS420−3において、第1保留は記憶されていないと判定した場合には、メインCPU100aは、デモ判定処理を実行する(ステップS420−10)。このデモ判定処理において、メインCPU100aは、特別図柄の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、所定時間にわたって特別図柄の変動表示が行われない場合には、演出表示部50aにデモ画面を表示するためのデモコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。
図20は、上記ステップS421の変動パターン決定処理の流れを示すフローチャートである。
(ステップS421−1)
まず、ステップS421−1において、メインCPU100aは、変動パターンコマンド決定テーブル選択用のテーブル(図11参照)を参照し、始動口種別(第1始動口または第2始動口)、特別図柄決定処理によって決定された特別図柄の種別、変動パターン選択オフセット識別子、保留数(第1保留数または第2保留数)に基づいてテーブル種別を選択する。
(ステップS421−2)
ステップS421−1の次のステップS421−2において、メインCPU100aは、処理領域に記憶された第1変動パターン乱数と、上記ステップS421−1で選択した変動パターンコマンド決定テーブルとに基づいて変動パターンコマンドを決定する。
(ステップS421−3)
ステップS421−2の次のステップS421−3において、メインCPU100aは、上記ステップS421−2で決定された変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットしてする当該変動パターン決定処理を終了する。
図21は、上記ステップS430の特別図柄変動停止処理の流れを示すフローチャートである。この特別図柄変動停止処理は、上記ステップS410において、特図特電データ=01であると判定した場合に実行される。
(ステップS430−1)
特別図柄変動停止処理では、まず、メインCPU100aは、変動時間(ステップS420−8でセット)が経過したか否かを判定する(ステップS430−1)。その結果、変動時間が経過したと判定した場合(ステップS430−1のYes)にはステップS430−2に処理を移し、変動時間は経過していないと判定した場合(ステップS430−1のNo)には、後述するステップS430−2からステップSS430−5までの処理を実行せずに当該特別図柄変動停止処理を終了する。
(ステップS430−2)
ステップS430−1のYesの次のステップS430−2では、上記ステップS430−1において、変動時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、上記ステップS420−5で決定、記憶された特別図柄を、第1特別図柄表示器80または第2特別図柄表示器82に停止表示するための停止表示データをセットする。
(ステップS430−3)
ステップS430−2の次のステップS430−3において、メインCPU100aは、図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
(ステップS430−4)
ステップS430−3の次のステップS430−4において、メインCPU100aは、上記のようにして特別図柄の停止表示を開始したら、停止表示時間カウンタに図柄を停止表示する時間をセットする。
(ステップS430−5)
ステップS430−4の次のステップS430−5において、メインCPU100aは、特図特電処理において停止後処理が実行されるように、特図特電データに「02」をセットし、当該特別図柄変動停止処理を終了する。
図22は、上記ステップS440の停止後処理の流れを示すフローチャートである。この停止後処理は、上記ステップS410において、特図特電データ=02であると判定した場合に実行される。
(ステップS440−1)
停止後処理では、まず、メインCPU100aは、停止表示時間(ステップS430−4でセット)が経過したか否かを判定する(ステップS440−1)。その結果、停止表示時間は経過していないと判定した場合(ステップS440−1のNo)には、後述するステップS440−2からステップS440−7の処理を実行せずに当該停止後処理を終了し、停止表示時間を経過したと判定した場合(ステップS440−1のYes)にはステップS440−2に処理を移す。
(ステップS440−2)
ステップS440−1のYesの次のステップS440−2では、上記ステップS440−1において、停止表示時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、現在設定されている遊技状態を遊技状態バッファに記憶する。
(ステップS441)
ステップS440−2の次のステップS441において、メインCPU100aは、変動パターン選択用カウンタ値更新処理を行う。この変動パターン選択用カウンタ値更新処理については、図23を用いて後述する。
(ステップS442)
ステップS441の次のステップS442において、メインCPU100aは、時短遊技状態設定処理を行う。この時短遊技状態設定処理については、図24を用いて後述する。
(ステップS443)
ステップS442の次のステップS443において、メインCPU100aは、高確率遊技状態設定処理を行う。この高確率遊技状態設定処理については、図25を用いて後述する。
(ステップS440−3)
ステップS443の次のステップS440−3において、メインCPU100aは、停止表示されている図柄が大当り図柄であるかを判定する。その結果、停止表示されている図柄は大当り図柄ではないと判定した場合(ステップS440−3のNo)にはステップS440−4に処理を移し、停止表示されている図柄は大当り図柄であると判定した場合(ステップS440−3のYes)にはステップS440−5に処理を移す。
(ステップS440−4)
ステップS440−3のNoの次のステップS440−4では、上記ステップS440−3において、停止表示されている図柄は大当り図柄ではないと判定した場合には、メインCPU100aは、特図特電処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、特図特電データに「00」をセットする。これにより、次の特別図柄の変動表示が開始可能となる。メインCPU100aは、ステップS440−4の処理が終了するとステップS440−7に処理を移す。
(ステップS440−5)
一方、ステップS440−3のYesの次のステップS440−5では、上記ステップS440−3において、停止表示されている図柄は大当り図柄であると判定した場合には、メインCPU100aは、変動開始時の遊技状態を遊技状態バッファに記憶した後、遊技状態(高確遊技フラグ、時短遊技フラグ)をリセットする処理を行う。
(ステップS440−6)
ステップS440−5の次のステップS440−6において、メインCPU100aは、特図特電処理において特別電動役物制御処理が実行されるように、特図特電データに「03」をセットする。これにより、大当り図柄が停止表示した後に特別遊技が開始されることとなる。
(ステップS440−7)
ステップS440−4またはステップS440−6の次のステップS440−7において、メインCPU100aは、現在の遊技状態を確認し、遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットして当該停止後処理を終了する。なお、この遊技状態コマンドには、現在の遊技状態に係る情報に加えて、現在設定されている変動パターン選択オフセット識別子に係る情報も含まれている。
図23は、上記ステップS441の変動パターン選択用カウンタ値更新処理の流れを示すフローチャートである。
(ステップS441−1)
変動パターン選択用カウンタ値更新処理では、まず、メインCPU100aは、変動パターン選択用カウンタ値が「0」よりも大きいか、換言すれば、「0」以外であるかを判定する(ステップS441−1)。その結果、変動パターン選択用カウンタ値が「0」よりも大きいと判定した場合(ステップS441−1のYes)にはステップS441−2に処理を移し、変動パターン選択用カウンタ値は「0」よりも大きくない(変動パターン選択用カウンタ値=0)と判定した場合(ステップS441−1のNo)には、後述するステップS441−2からステップS441−5の処理を実行せずに当該変動パターン選択用カウンタ値更新処理を終了する。
(ステップS441−2)
ステップS441−1のYesの次のステップS441−2では、上記ステップS441−1において、変動パターン選択用カウンタ値が「0」よりも大きいと判定した場合には、メインCPU100aは、メインRAM100cに記憶されている変動パターン選択用カウンタ値から「1」減算した値を新たな変動パターン選択用カウンタ値として記憶する。
(ステップS441−3)
ステップS441−2の次のステップS441−3において、メインCPU100aは、上記ステップS441−2において更新した変動パターン選択用カウンタ値が「0」であるかを判定する。その結果、変動パターン選択用カウンタ値が「0」であると判定した場合(ステップS441−3のYes)にはステップS441−4に処理を移し、変動パターン選択用カウンタ値は「0」ではないと判定した場合(ステップS441−3のNo)には、後述するステップS441−4およびステップS441−5の処理を実行せずに当該変動パターン選択用カウンタ値更新処理を終了する。
(ステップS441−4)
ステップS441−3のYesの次のステップS441−4では、上記ステップS441−3において、変動パターン選択用カウンタ値が「0」であると判定した場合には、メインCPU100aは、現在設定されている変動パターン選択オフセット識別子が「1」、「2」、「5」のいずれかであるかを判定する。その結果、現在、変動パターン選択オフセット識別子が「1」、「2」、「5」のいずれかに設定されていると判定した場合(ステップS441−4のYes)にはステップS441−5に処理を移し、変動パターン選択オフセット識別子は「1」、「2」、「5」のいずれでもないと判定した場合(ステップS441−4のNo)には、後述するステップS441−5の処理を実行せずに当該変動パターン選択用カウンタ値更新処理を終了する。
(ステップS441−5)
ステップS441−4のYesの次のステップS441−5では、上記ステップS441−4において、現在設定されている変動パターン選択オフセット識別子が「1」、「2」、「5」のいずれかであると判定した場合には、メインCPU100aは、変動パターン選択オフセット識別子を変更する処理を行う。ここでは、現在設定されている変動パターン選択オフセット識別子を参照するとともに、図10に示す変動パターン選択オフセット識別子変更テーブルにしたがって、変動パターン選択オフセット識別子を変更する。具体的には、現在設定されている変動パターン選択オフセット識別子が「1」の場合には、変動パターン選択オフセット識別子を「0」に変更し、現在設定されている変動パターン選択オフセット識別子が「2」の場合には、変動パターン選択オフセット識別子を「3」に変更し、現在設定されている変動パターン選択オフセット識別子が「5」の場合には、変動パターン選択オフセット識別子を「6」に変更する。
図24は、上記ステップS442の時短遊技状態設定処理の流れを示すフローチャートである。
(ステップS442−1)
時短遊技状態設定処理では、まず、メインCPU100aは、現在の遊技状態が時短遊技状態であることを示す時短遊技フラグがオンしているかを判定する(ステップS442−1)。その結果、時短遊技フラグがオンしていると判定した場合(ステップS442−1のYes)にはステップS442−2に処理を移し、時短遊技フラグはオンしていないと判定した場合(ステップS442−1のNo)には、後述するステップS442−2からステップS442−5の処理を実行せずに当該時短遊技状態設定処理を終了する。
(ステップS442−2)
ステップS442−1のYesの次のステップS442−2では、上記ステップS442−1において、時短遊技フラグがオンしていると判定した場合には、メインCPU100aは、メインRAM100cに記憶されている時短回数から「1」減算した値を新たな時短回数としてメインRAM100cに記憶する。
(ステップS442−3)
ステップS442−2の次のステップS442−3において、メインCPU100aは、上記ステップS442−2において更新した時短回数が「0」であるかを判定する。その結果、時短回数が「0」であると判定した場合(ステップS442−3のYes)にはステップS442−4に処理を移し、時短回数は「0」ではない(時短回数>0)と判定した場合(ステップS442−3のNo)には、後述するステップS442−4およびステップS442−5の処理を実行せずに当該時短遊技状態設定処理を終了する。
(ステップS442−4)
ステップS442−3のYesの次のステップS442−4では、上記ステップS442−3において、時短回数は「0」であると判定した場合には、メインCPU100aは時短遊技フラグをオフする。
(ステップS442−5)
ステップS442−4の次のステップS442−5において、メインCPU100aは、変動パターン選択オフセット識別子を「0」に変更し、当該時短遊技状態設定処理を終了する。
ここで、上記ステップS442−3において、時短回数が「0」であると判定される場合というのは、特別遊技の終了後に、時短遊技状態に設定されるとともに、時短回数が「50」もしくは「10000」に設定された後(図7参照)、大当りに当選することなく、50回目もしくは10000回目の特別図柄の変動表示が終了した場合である。したがって、特別遊技の終了後に時短回数が「50」または「10000」に設定されていた場合には、時短遊技状態の終了とともに、変動パターン選択オフセット識別子が「0」に変更される。
図25は、上記ステップS443の高確率遊技状態設定処理の流れを示すフローチャートである。
(ステップS443−1)
高確率遊技状態設定処理では、まず、メインCPU100aは、現在の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグがオンしているかを判定する(ステップS443−1)。その結果、高確遊技フラグがオンしていると判定した場合(ステップS443−1のYes)にはステップS443−2に処理を移し、高確遊技フラグはオンしていないと判定した場合(ステップS443−1のNo)には、後述するステップS443−2からステップS443−5までの処理を実行せずに当該高確遊技状態設定処理を終了する。
(ステップS443−2)
ステップS443−1のYesの次のステップS443−2では、上記ステップS443−1において、高確遊技フラグがオンしていると判定した場合には、メインCPU100aは、メインRAM100cに記憶されている高確回数から「1」減算した値を新たな高確回数としてメインRAM100cに記憶する。
(ステップS443−3)
ステップS443−2の次のステップS443−3において、メインCPU100aは、上記ステップS443−2において更新した高確回数が「0」であるかを判定する。その結果、高確回数が「0」であると判定した場合(ステップS443−3のYes)にはステップS443−4に処理を移し、高確回数は「0」ではない(高確回数>0)と判定した場合(ステップS443−3のNo)には、後述するステップS443−4およびステップS443−5の処理を実行せずに当該高確率遊技状態設定処理を終了する。
(ステップS443−4)
ステップS443−3のYesの次のステップS443−4では、上記ステップS443−3において、高確回数は「0」であると判定した場合には、メインCPU100aは高確遊技フラグをオフする。
(ステップS443−5)
ステップS443−4の次のステップS443−5において、メインCPU100aは、変動パターン選択オフセット識別子を「0」に変更し、当該高確率遊技状態設定処理を終了する。なお、本実施形態においては、高確率遊技状態に設定された場合に、同時に時短遊技状態に設定されていた場合には、上記ステップS442−5において、既に変動パターン選択オフセット識別子が「0」に変更されている。したがって、ここでは、変動パターン選択オフセット識別子が既に「0」に変更されている場合には、特段の処理を行うことなく、そのまま次の処理に移されることとなる。
図26は、上記ステップS450の特別電動役物制御処理の流れを示すフローチャートである。この特別電動役物制御処理は、上記ステップS410において、特図特電データ=03であると判定した場合に実行される。
(ステップS450−1)
特別電動役物制御処理では、メインCPU100aは、まず、特別遊技を開始するにあたってオープニング開始処理を実行する(ステップS450−1)。メインCPU100aは、特別遊技の開始にあたって、まずオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットし、予め設定されたオープニング時間が経過するまで待機することとなる。なお、すでにオープニングコマンドが送信されている場合には、そのままステップS450−2に処理を移すこととなる。
(ステップS450−2)
ステップS450−1の次のステップS450−2において、メインCPU100aは、現在、オープニング中であるか、すなわち、オープニング時間が経過したかを判定する。その結果、オープニング時間が経過していると判定した場合(ステップS450−2のYes)にはステップS450−3に処理を移し、オープニング時間は経過していないと判定した場合(ステップS450−2のNo)には、後述するステップS450−3からステップS450−7までの処理を実行せずに当該特別電動役物制御処理を終了する。
(ステップS450−3)
ステップS450−2のYesの次のステップS450−3では、上記ステップS450−2において、オープニング時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、特別遊技実行処理を行う。ここでは、停止表示されている特別図柄の種別に応じて、作動テーブル1、2のいずれかをセットするとともに、当該セットしたテーブルを参照して、大入賞口開閉ソレノイド28cの通電制御が行われることとなる。
(ステップS450−4)
ステップS450−3の次のステップS450−4において、メインCPU100aは、大入賞口28の全開閉が終了したかを判定する。その結果、大入賞口28の全ての開閉が終了したと判定した場合(ステップS450−4のYes)にはステップS450−5に処理を移し、大入賞口28の全ての開閉が終了していないと判定した場合(ステップS450−4のNo)には、後述するステップS450−5からステップS450−7までの処理を実行せずに当該特別電動役物制御処理を終了する。
(ステップS450−5)
ステップS450−4のYesの次のステップS450−5では、上記ステップS450−4において、大入賞口28の全開閉が終了したと判定した場合には、メインCPU100aは、エンディング開始処理を実行する。ここでは、エンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットするとともに、所定のエンディング時間が経過するまで待機する。
(ステップS450−6)
ステップS450−5の次のステップS450−6において、メインCPU100aは、エンディング時間が経過したか否かを判定する。その結果、エンディング時間が経過したと判定した場合(ステップS450−6のYes)にはステップS450−7に処理を移し、エンディング時間は経過していないと判定した場合(ステップS450−6のNo)には、後述するステップS450−7の処理を実行せずに当該特別電動役物制御処理を終了する。
(ステップS450−7)
ステップS450−6のYesの次のステップS450−7では、上記ステップS450−6において、エンディング時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、特図特電処理において特別遊技終了処理が実行されるように、特図特電データに「04」をセットし、当該特別電動役物制御処理を終了する。
図27は、上記ステップS460の特別遊技終了処理の流れを示すフローチャートである。この特別遊技終了処理は、上記ステップS410において、特図特電データ=04であると判定した場合に実行される。
(ステップS460−1)
特別遊技終了処理では、まず、メインCPU100aは、メインRAM100cに記憶された特別図柄データ、および、遊技状態バッファに記憶された大当り当選時の遊技状態に係るデータをロードする(ステップS460−1)。そして、図7に示す遊技状態設定テーブルを参照し、特別遊技の終了後の遊技状態を設定する。具体的には、高確遊技フラグ、高確回数、時短遊技フラグ、時短回数を設定する。
(ステップS460−2)
ステップS460−1の次のステップS460−2において、メインCPU100aは、図9(a)に示す変動パターン選択オフセット識別子設定テーブルにしたがって、メインRAM100cに記憶された特別図柄データ、および、遊技状態バッファに記憶された大当り当選時の遊技状態に係るデータに基づき、変動パターン選択オフセット識別子を設定する。
(ステップS460−3)
ステップS460−2の次のステップS460−3において、メインCPU100aは、図9(b)に示す変動パターン選択用カウンタ値設定テーブルにしたがって、メインRAM100cに記憶された特別図柄データ、および、遊技状態バッファに記憶された大当り当選時の遊技状態に係るデータに基づき、変動パターン選択用カウンタ値を設定する。
(ステップS460−4)
ステップS460−3の次のステップS460−4において、メインCPU100aは、遊技状態を確認し、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドは、上記ステップS460−1で設定された高確遊技フラグ、高確回数、時短遊技フラグ、時短回数、特別遊技の実行契機となった大当り図柄の種別、および、変動パターン選択オフセット識別子に係る情報を有している。
(ステップS460−5)
ステップS460−4の次のステップS460−5において、メインCPU100aは、特図特電処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、特図特電データに「00」をセットし、当該特別遊技終了処理を終了する。
以上のように、主制御基板100において各種の処理が実行されることにより、特別図柄遊技および普通図柄遊技が進行することとなるが、こうした遊技の進行中には、主制御基板100から送信されるコマンドに基づいて、副制御基板200において、さまざまな演出を実行するための制御が行われる。
次に、上記の変動演出および事前演出などを実行するための副制御基板200の処理について、図28および図29を用いて簡単に説明する。
(副制御基板200のメイン処理)
図28は、副制御基板200のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
(ステップS1000)
まず、ステップS1000において、サブCPU200aは、電源投入に応じて、サブROM200bからメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM200cに記憶されるフラグ等の初期化、設定処理を行う。
(ステップS1001)
ステップS1000の次のステップS1001において、サブCPU200aは、各演出乱数(第1演出乱数、第2演出乱数、保留表示決定用乱数)を更新する処理を行うとともに、以後は、割込み処理が行われるまで当該ステップS1001の処理を繰り返し行う。
(副制御基板200のタイマ割込処理)
図29は、副制御基板200のタイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。副制御基板200には、所定の周期(2ms)でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(不図示)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU200aはタイマ割込処理プログラムを読み込んで当該タイマ割込処理を開始する。
(ステップS1100)
まず、ステップS1100において、サブCPU200aは、副制御基板200で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。
(ステップS1200)
ステップS1100の次のステップS1200において、サブCPU200aは、サブRAM200cの受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を行う。副制御基板200においては、主制御基板100からコマンドが送信されると、コマンド受信割込処理が行われ、主制御基板100から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。ここでは、コマンド受信割込処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析することとなる。
(ステップS1300)
ステップS1200の次のステップS1300において、サブCPU200aは、実行中の演出進行状況に応じて、演出操作装置56の操作の受け付け可否を判定するとともに、演出操作装置検出スイッチ56aの信号のチェックを行う。そして、演出操作装置検出スイッチ56aから操作信号が入力されたときに、演出操作装置56の操作受け付け中であった場合には、演出操作装置56が操作されたことを画像制御基板210に送信すべく、送信バッファにコマンドを格納する。
(ステップS1400)
ステップS1300の次のステップS1400において、サブCPU200aは、サブRAM200cの送信バッファにセットされているコマンドを画像制御基板210や電飾制御基板220へ送信し、タイマ割込処理を終了する。
次に、本実施形態による遊技機1における事前演出について、図1から図3を参照しつつ図30から図49を用いて説明する。本実施形態による遊技機1は、始動入賞口に遊技球が入賞したことを契機として取得された乱数について、当該乱数の取得時に保留記憶領域にすでに記憶されている既記憶乱数に基づく図柄変動表示から取得された当該乱数に基づく図柄変動表示に亘って実行されて演出内容に連続性のある連続演出を、取得された当該乱数に基づく事前演出のカテゴリとして決定できるように構成されている。
まず、事前判定処理について図30を用いて説明する。図30は、上記ステップS331の事前判定処理の流れを示すフローチャートである。
(ステップS331−1)
事前判定処理では、まず、メインCPU100aは、現在の遊技状態が非時短遊技状態であるかを判定する(ステップS331−1)。その結果、現在の遊技状態が非時短遊技状態であると判定した場合(ステップS331−1のYes)にはステップS331−2に処理を移し、現在の遊技状態は非時短遊技状態ではないと判定した場合(ステップS331−1のNo)には、後述するステップS331−2からステップS331−6までの処理をせずにステップS331−7に処理を移す。
(ステップS331−2)
ステップS331−1の次のステップS331−2では、上記ステップS331−1において、遊技状態が非時短遊技状態であると判定した場合には、メインCPU100aは、現在設定されている遊技状態に対応する特別図柄判定テーブルと、上記ステップS330−5で取得した特別図柄乱数とに基づいて大当りの可否を仮判定する。
(ステップS331−3)
ステップS331−2の次のステップS331−3において、メインCPU100aは、上記ステップS331−2の判定結果に基づいて図柄種別判定テーブルを選択し、当該選択した図柄種別判定テーブルと、上記ステップS330−6で取得した大当り図柄乱数とに基づいて特別図柄を仮判定する。すなわち、ステップS331−3において、メインCPU100aは、取得した乱数に基づく図柄変動表示の停止時に表示される停止図柄の事前判定を行う。この事前判定は、例えば取得した当該乱数が当りになるか否かを判定する当否判定が行われるよりも前に実行される。
(ステップS331−4)
ステップS331−3の次のステップS331−4において、メインCPU100aは、図13(a)に示すテーブルを参照し、上記ステップS331−3の仮判定によって導出された特別図柄の種別、および、設定されている変動パターン選択オフセット識別子に基づいて、事前判定コマンド決定テーブルを選択する。
(ステップS331−5)
ステップS331−4の次のステップS331−5において、メインCPU100aは、上記ステップS331−4で選択した事前判定コマンド決定テーブルと、上記ステップS330−7で取得した第1変動パターン乱数とに基づいて、事前判定コマンドを決定する。
(ステップS332)
ステップS331−5の次のステップS332において、メインCPU100aは、先読み予告系統関連処理(詳細は後述)を実行する。
(ステップS331−6)
ステップS332の次のステップS331−6において、メインCPU100aは、上記ステップS331−5で決定した事前判定コマンドと、上記ステップS332で決定された事前演出(詳細は後述)の演出態様または事前演出を実行しないことを示すコマンドとを演出用伝送データ格納領域にセットする。
(ステップS331−7)
ステップS331−6の次のステップS331−7において、メインCPU100aは、第1保留または第2保留が留保されたことを示す始動入賞コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットし、事前判定処理(第1始動口検出スイッチ入力処理または第2始動口検出スイッチ入力処理)を終了する。
図31は、事前判定処理のうちの先読み予告系統関連処理の流れを示すフローチャートである。当該先読み予告系統関連処理は、第1始動口20に遊技球が入賞した際に取得された乱数に基づいて、当該遊技球の入賞時に実行される。図31に示すように、先読み予告系統関連処理では、まず、入賞特図が所定の特別図柄であるか否かを判定する(ステップS332−1)。入賞特図が所定の特別図柄であると判定されたら(ステップS332−1のYes)、ステップS332−2に移行し、入賞特図が所定の特別図柄でないと判定されたら(ステップS332−1のNo)、後述するステップS332−2からステップS332−11の処理を実行せずに、ステップS332−12に移行する。
ステップS332−1では、メインCPU100a(事前判定手段の一例)は、第1始動口20に遊技球が入賞したことを契機として取得された乱数(大当り図柄乱数)に基づいて当該遊技球の入賞時に決定された特別図柄が所定の特別図柄であるか否かを判定する。すなわち、メインCPU100aは、図30に示す事前判定処理における特別図柄の仮判定処理(ステップS331−3)において決定した特別図柄をメインRAM100cの所定の領域から読み出し、読み出した特別図柄が所定の特別図柄であるか否かを判定する。当該所定の特別図柄は、例えば大当り図柄(本実施形態では大当り図柄A〜L)である。また、当該所定の特別図柄は、例えば特別遊技後に遊技状態が高確率遊技状態に移行する大当りに対応する大当り図柄G〜Lであってもよい。当該所定の特別図柄は、事前判定結果が一定以上の強度、すなわち遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、特別遊技状態、高確率状態、時短状態など)に遊技状態を移行させる契機となる特別図柄であればよい。
ステップS332−1のYesの次のステップS332−2では、先読み禁止区間でないか否かを判定し、先読み禁止区間でないと判定したら(ステップS332−2のYes)、ステップS332−3に移行し、先読み禁止区間であると判定したら(ステップS332−2のNo)、後述するステップS332−3からステップS332−11の処理を実行せずに、ステップS332−12に移行する。
ステップS332−2では、メインCPU100aは、現在時短状態であって先読み禁止区間であるか否かを判定するようになっている。先読み禁止区間では、事前演出を実行することができないため、事前演出を実行するか否かを決定する先読み開始抽選処理(後述)や事前演出の予告系統を決定する先読み予告決定抽選(後述)を実行する必要がない。このため、本実施形態では、メインCPU100aは、現時点が先読み禁止区間であるか否かを判定し、先読み禁止区間の場合には先読み開始抽選処理や先読み予告決定抽選を実行しないようになっている。また、本実施形態による遊技機1は、先読み禁止区間であるか否かの判定処理を設けることにより、先読み禁止区間に事前演出が実行されるのを防止できるようになっている。
ステップS332−2の次のステップS332−3では、先読み状態でないか否かを判定し、先読み状態でないと判定したら(ステップS332−3のYes)、ステップS332−4に移行し、先読み状態であると判定したら(ステップS332−3のNo)、後述するステップS332−4からステップS332−11の処理を実行せずにステップS332−12に移行する。
ステップS332−3では、メインCPU100aは、メインRAM100cの所定の記憶領域に先読み予告系統として先読みシナリオ1または先読みシナリオ2(後述)のいずれか一方が記憶されていると判断したら先読み状態、すなわち事前演出実行中であると判定する。一方、メインCPU100aは、当該所定の記憶領域に先読み予告系統として先読みシナリオ1または先読みシナリオ2のいずれも記憶されていないと判断したら先読み状態でないと判定する。
ステップS332−3の次のステップS332−4では、既存保留情報に不定値がないか、および現在の変動状態が先読み禁止の状態でないかを判定し、既存保留情報に不定値がなく、かつ現在の変動状態が先読み禁止の状態でないと判定したら(ステップS332−4のYes)、ステップS332−5に移行し、既存保留情報に不定値があるか、あるいは現在の変動状態が先読み禁止の状態であると判定したら(ステップS332−4のNo)、後述するステップS332−5からステップS332−11の処理を実行せずにステップS332−12に移行する。
ステップS332−4では、メインCPU100aは、メインRAM100cの所定の記憶領域に記憶された既存保留情報を読み出す。当該既存保留情報は、当該先読み予告系統関連処理における事前判定の対象の乱数である事前判定対象乱数と、当該事前判定対象乱数の取得時にメインRAM100c(遊技情報記憶手段の一例)の第1保留記憶領域にすでに記憶されている既記憶乱数とにそれぞれ対応付けられた事前判定結果情報である。当該事前判定結果情報は、メインRAM100cの第1記憶部から第4記憶部に対応付けて第1保留記憶領域に記憶されている。先読み禁止の変動状態は、遊技者が大当りを期待できる図柄変動表示状態であり、例えばスペシャルリーチの図柄変動表示の実行中の状態である。
メインCPU100aは、当該事前判定結果に不定値の変動パターンが含まれており、かつ現在先読み禁止の変動中(例えばスペシャルリーチの図柄変動表示中)であるという情報がメインRAM100cの所定の記憶領域に記憶されているか否かを判定する。メインCPU100aは、当該事前判定結果に不定値の変動パターンが含まれおらず、かつ現在先読み禁止の変動中でないと判断すると、ステップS332−5の処理に移る。一方、メインCPU100aは、当該事前判定結果に不定値の変動パターンが含まれているか、あるいは現在先読み禁止の変動中であるかのいずれかの状態であると判断すると、ステップS332−12の処理に移る。
ステップS332−4の次のステップS332−5では、入賞時の先読み開始抽選処理が実行され、ステップS332−6に移行する。
ステップS332−5では、メインCPU100aは、第1始動口20に遊技球が入賞したことを契機とする先読み予告演出、すなわち事前演出を実行するか否かを決定する抽選処理を実行する。例えばメインCPU100aは、メインRAM100cに設けられた所定のカウンタからカウンタ値を取得し、メインRAM100cから先読み開始抽選テーブル(不図示)を読み出す。
ステップS332−5の次のステップS332−6では、入賞時の先読み開始抽選処理結果確認処理を実行し、ステップS332−7に移行する。
ステップS332−6では、メインCPU100aは、先読み開始抽選テーブルを参照し、メインRAM100cに設けられた所定のカウンタから取得したカウンタ値が入賞時の先読み開始抽選に当選する値であるか否かを判定する。
ステップS332−6の次のステップS332−7では、入賞時の先読み開始抽選に当選したか否かを判定し、当該抽選に当選したと判定したら(ステップS332−7のYes)、ステップS332−8に移行し、当該抽選に当選していないと判定したら(ステップS332−7のNo)、後述するステップS332−8からステップS332−11の処理を実行せずにステップS332−12に移行する。
ステップS332−7では、メインCPU100aは、ステップS332−6において取得したカウンタ値が入賞時の先読み開始抽選に当選する値であると判断したら当該抽選処理に当選したと判定し、当該カウンタ値が入賞時の先読み開始抽選に当選しない値であると判断したら当該抽選処理に当選しなかったと判定し、それぞれの判定結果の次の処理に移る。
ステップS332−7の次のステップS332−8では、保留個数を確認し、ステップS332−9に移行する。
ステップS332−8では、メインCPU100aは、メインRAM100cに設けられた第1保留記憶領域に記憶されている第1保留の保留個数を取得する。
ステップS332−8の次のステップS332−9では、保留内の短縮変動の有無を確認し、ステップS332−10に移行する。
ステップS332−9では、メインCPU100aは、第1保留に対応付けてメインRAM100cの所定の記憶領域に記憶された変動パターンに短縮変動が存在するか否かを判定する。
ステップS332−9の次のステップS332−10では、先読み予告系統抽選を実行し、ステップS332−11に移行する。先読み予告系統は、事前演出のカテゴリである。本実施形態による遊技機1は、先読み予告系統、すなわち事前演出のカテゴリとして先読みシナリオ1および先読みシナリオ2を設定可能に構成されている。先読みシナリオ1および先読みシナリオ2は、互いに異なる演出内容であるが、いずれも演出内容に連続性のある連続演出である。
ステップS332−10では、メインCPU100aは、ステップS332−8で取得した保留個数と、ステップS332−9で判定した保留内の短縮変動の有無と、先読み予告系統抽選乱数値(後述)と、先読み予告系統抽選テーブル(後述)とを用いて先読み予告系統抽選に当選したか否か、および当選した場合には、先読み予告系統、すなわち事前演出のカテゴリについて判定する。
ここで、先読み予告系統抽選テーブルについて図32を用いて説明する。図32は、先読み予告系統抽選テーブルの一例を示す図である。先読み予告系統抽選テーブルは、メインROM100bに記憶されている。メインCPU100a(事前演出カテゴリ決定手段の一例)は、メインROM100bから先読み予告系統抽選テーブルを読み出して先読み予告系統抽選を実行するようになっている。
図32に示すように、先読み予告系統抽選テーブルは、「保留個数」、「短縮変動の有無」および「先読み予告系統」の3個の項目に分類されている。「保留個数」は、第1保留の保留個数を示している。「短縮変動の有無」は、第1保留中に短縮変動の変動パターンの第1保留が含まれているか否かを示している。「先読み予告系統」は事前演出のカテゴリを示している。「先読み予告系統」は「先読みシナリオ1」、「先読みシナリオ2」および「はずれ」の3個の項目に分類されている。「先読みシナリオ1」および「先読みシナリオ2」はそれぞれ連続演出の一例であり、それぞれ異なる演出態様であることを示している。「はずれ」は連続演出の抽選に当選しなかったことを示している。「先読み予告系統」には、先読み予告系統抽選乱数値(後述)と比較する数値(本例では、数値範囲は0〜99)が割り当てられている。なお、「先読み予告系統」欄内の「−」は、当該数値が割り当てられていないことを示している。
先読み予告系統抽選乱数値と比較する数値は、「保留個数」が「1」であり、「短縮変動の有無」が「あり」の場合には「先読み予告系統」欄の「先読みシナリオ1」に「0〜19」が割り当てられ、「はずれ」に「20〜99」が割り当てられ、「先読みシナリオ2」には割り当てられていない。このため、「保留個数」が「1」であり、「短縮変動の有無」が「あり」の場合に先読み予告系統として「先読みシナリオ1」が選択される確率は20%であり、「はずれ」が選択される確率は80%であり、「先読みシナリオ2」が選択される確率は0%である。
先読み予告系統抽選乱数値と比較する数値は、「保留個数」が「1」であり、「短縮変動の有無」が「なし」の場合には「先読み予告系統」欄の「先読みシナリオ2」に「0〜19」が割り当てられ、「はずれ」に「20〜99」が割り当てられ、「先読みシナリオ1」には割り当てられていない。このため、「保留個数」が「1」であり、「短縮変動の有無」が「なし」の場合に先読み予告系統として「先読みシナリオ2」が選択される確率は20%であり、「はずれ」が選択される確率は80%であり、「先読みシナリオ1」が選択される確率は0%である。
先読み予告系統抽選乱数値と比較する数値は、「保留個数」が「2」であり、「短縮変動の有無」が「あり」の場合には「先読み予告系統」欄の「先読みシナリオ1」に「0〜39」が割り当てられ、「はずれ」に「40〜99」が割り当てられ、「先読みシナリオ2」には割り当てられていない。このため、「保留個数」が「2」であり、「短縮変動の有無」が「あり」の場合に先読み予告系統として「先読みシナリオ1」が選択される確率は40%であり、「はずれ」が選択される確率は60%であり、「先読みシナリオ2」が選択される確率は0%である。
先読み予告系統抽選乱数値と比較する数値は、「保留個数」が「2」であり、「短縮変動の有無」が「なし」の場合には「先読み予告系統」欄の「先読みシナリオ2」に「0〜39」が割り当てられ、「はずれ」に「40〜99」が割り当てられ、「先読みシナリオ1」には割り当てられていない。このため、「保留個数」が「2」であり、「短縮変動の有無」が「なし」の場合に先読み予告系統として「先読みシナリオ2」が選択される確率は40%であり、「はずれ」が選択される確率は60%であり、「先読みシナリオ1」が選択される確率は0%である。
先読み予告系統抽選乱数値と比較する数値は、「保留個数」が「3」であり、「短縮変動の有無」が「あり」の場合には「先読み予告系統」欄の「先読みシナリオ1」に「0〜59」が割り当てられ、「はずれ」に「60〜99」が割り当てられ、「先読みシナリオ2」には割り当てられていない。このため、「保留個数」が「3」であり、「短縮変動の有無」が「あり」の場合に先読み予告系統として「先読みシナリオ1」が選択される確率は60%であり、「はずれ」が選択される確率は40%であり、「先読みシナリオ2」が選択される確率は0%である。
先読み予告系統抽選乱数値と比較する数値は、「保留個数」が「3」であり、「短縮変動の有無」が「なし」の場合には「先読み予告系統」欄の「先読みシナリオ2」に「0〜59」が割り当てられ、「はずれ」に「60〜99」が割り当てられ、「先読みシナリオ1」には割り当てられていない。このため、「保留個数」が「3」であり、「短縮変動の有無」が「なし」の場合に先読み予告系統として「先読みシナリオ2」が選択される確率は60%であり、「はずれ」が選択される確率は40%であり、「先読みシナリオ1」が選択される確率は0%である。
先読み予告系統抽選乱数値と比較する数値は、「保留個数」が「4」であり、「短縮変動の有無」が「あり」の場合には「先読み予告系統」欄の「先読みシナリオ1」に「0〜79」が割り当てられ、「はずれ」に「80〜99」が割り当てられ、「先読みシナリオ2」には割り当てられていない。このため、「保留個数」が「4」であり、「短縮変動の有無」が「あり」の場合に先読み予告系統として「先読みシナリオ1」が選択される確率は80%であり、「はずれ」が選択される確率は20%であり、「先読みシナリオ2」が選択される確率は0%である。
先読み予告系統抽選乱数値と比較する数値は、「保留個数」が「4」であり、「短縮変動の有無」が「なし」の場合には「先読み予告系統」欄の「先読みシナリオ2」に「0〜79」が割り当てられ、「はずれ」に「80〜99」が割り当てられ、「先読みシナリオ1」には割り当てられていない。このため、「保留個数」が「4」であり、「短縮変動の有無」が「なし」の場合に先読み予告系統として「先読みシナリオ2」が選択される確率は80%であり、「はずれ」が選択される確率は20%であり、「先読みシナリオ1」が選択される確率は0%である。
このように、本実施形態による遊技機1では、先読み予告系統抽選テーブルは、保留個数が多いほど、先読みシナリオ1および先読みシナリオ2、すなわち事前演出として連続演出が実行されやすくなるように構成されている。なお、先読み予告系統抽選テーブルは、図32に示す構成に限られず、他の構成であってももちろんよい。
また、本実施形態による遊技機1では、先読み予告系統抽選テーブルは、「保留個数」すなわち事前判定対象乱数の個数と既記憶乱数の個数との合計数と、「短縮変動の有無」すなわち事前判定対象乱数および既記憶乱数の少なくともいずれか一方に基づく図柄変動表示の図柄停止パターンとに基づいて、先読みシナリオ1または先読みシナリオ2を決定できるように構成されている。メインCPU100aは、先読み予告系統抽選テーブルを用いて先読みシナリオ1または先読みシナリオ2のいずれかを選択する。このため、メインCPU100aは、事前判定対象乱数の個数と既記憶乱数の個数との合計数と、当該事前判定対象乱数および当該既記憶乱数の少なくともいずれか一方に基づく図柄変動表示の図柄停止パターンとに基づいて、連続演出の演出態様を決定するように構成されている。
図31に戻って、メインCPU100aは、メインRAM100cの所定の領域に設けられた先読み予告系統抽選用カウンタから先読み予告系統抽選乱数値を取得し、ステップS332−8で取得した保留個数と、ステップS332−9で判定した第1保留記憶領域内に記憶された第1保留に対応付けられた短縮変動の有無とを先読み予告系統抽選テーブルに参照する。
ステップS332−10の次のステップS332−11では、先読み予告系統抽選結果を確認し、ステップS311−12に移行する。
ステップS332−11では、メインCPU100aは、ステップS332−10における先読み予告系統抽選において当該抽選に当選したか否か、および当選した場合には、先読みシナリオ1および先読みシナリオ2のいずれに当選したのかを確認する。
ステップS332−1のNo、ステップS332−2のNo、ステップS332−3のNo、ステップS332−4のNo、ステップS332−7のNoまたはステップS332−11の次のステップS332−12では、副制御基板変動情報保持または破棄を実行し、先読み予告系統関連処理を終了する。
ステップS332−12では、メインCPU100aは、ステップS332−1のNo、ステップS332−2のNo、ステップS332−3のNo、ステップS332−4のNo、ステップS332−7のNoまたはステップS332−11の次のステップS332−12の各処理において得られた情報のうち、副制御基板200における図柄変動表示や事前演出などに必要な情報をメインRAM100cの所定の記憶領域に記憶したり、不要になった情報を破棄したりする。ステップS332−12において所定の記憶領域に記憶された情報や破棄されることにより更新された情報は、ステップS331−6(図30参照)において、演出用伝送データ格納領域にセットされる。
例えば、ステップS332−11の次のステップS332−12では、先読みシナリオ1または先読みシナリオ2のいずれかに当選している場合には、メインCPU100aは、当選した先読みシナリオの番号をメインRAM100cの所定の記憶領域に記憶する。一方、先読み予告系統抽選に当選しなかった場合には、メインCPU100aは、メインRAM100cの所定の記憶領域に先読み予告系統抽選に当選しなかった情報を記憶する。メインCPU100aは、ステップS331−6の処理において、当該所定の記憶領域に記憶した情報を読み出して、演出用伝送データ格納領域にセットする。
メインCPU100aおよびステップ332−5からステップS332−7の処理は、事前演出を実行するか否かを判定する事前演出実行判定手段に相当する。また、メインCPU100aおよびステップS332−8からステップS332−11の処理は、事前判定結果に基づいて当否判定の結果を示唆する事前演出のカテゴリを決定する事前演出カテゴリ決定手段に相当する。
次に、副制御基板先読み予告設定処理について図33から図35を用いて説明する。図33は、副制御基板先読み予告設定処理の流れを示すフローチャートである。副制御基板先読み予告設定処理は、上述の副制御基板タイマ割込処理のうちのコマンド解析処理(図29参照)において実行される。
図33に示すように、副制御基板先読み予告設定処理では、まず、副制御基板変動情報を受信したか否かを判定し、当該情報を受信したと判定したら(ステップS1200−1のYes)、ステップS1200−2に移行し、当該情報を受信していないと判定したら(ステップS1200−1のNo)、後述のステップS1200−2からステップS12005を実行せずに副制御基板先読み予告設定処理を終了する。ここで、副制御基板変動情報は、演出表示部50aにおいて実行される演出(例えば、事前演出や図柄変動表示の当否判定結果を示唆する変動表示演出(詳細は後述))などに関連する情報である。副制御基板変動情報は、例えば事前判定コマンドや先読み予告系統抽選に当選した先読みシナリオの番号に関する情報などを含む。
ステップS1200−1では、サブCPU200aは、図15に示す主制御基板タイマ割込処理のうちの出力制御処理(ステップS800)において、主制御基板100から送信された情報の中に副制御基板変動情報が含まれているか否かを判定し、当該情報が含まれていると判定したらステップS1200−2の処理に移り、当該情報が含まれていないと判定したら副制御基板先読み予告設定処理を終了し、図29に示す副制御基板タイマ割込処理の演出操作装置制御処理(ステップS1300)に移る。
ステップS1200−1の次のステップS1200−2では、受信した副制御基板変動情報の中に先読みシナリオ1の情報があるか否かを判定し、当該情報があると判定したら(ステップS1200−2のYes)、ステップ1200−3に移行し、当該情報がないと判定したら(ステップS1200−2のNo)、ステップS1200−4に移行する。
ステップS1200−2では、サブCUP200aは、副制御基板変動情報を解析し、当該情報に先読みシナリオ1の情報が含まれているか否かを判定する。
ステップS1200−2の次のステップS1200−3では、先読みシナリオ1を設定して副制御基板先読み予告設定処理を終了し、図29に示す副制御基板タイマ割込処理の演出操作装置制御処理(ステップS1300)に移る。
ステップS1200−3では、サブCPU200aは、事前判定の対象の乱数である事前判定対象乱数を含み当該事前判定対象乱数の取得の契機となった遊技球の第1始動口20への入賞時の乱数の保留個数に応じて異なる事前演出を設定する。すなわち、サブCPU200aは、事前判定対象乱数の個数と、事前判定対象乱数の取得時にすでに第1保留記憶領域に記憶されていた既記憶乱数の個数の合計数に応じて異なる事前演出を設定するようになっている。
ここで、先読みシナリオ1の演出態様を設定するための先読みシナリオ1設定テーブルについて図34を用いて説明する。図34は、サブROM200bに記憶された先読みシナリオ1設定テーブルの一例を示す図である。なお、先読みシナリオ1設定テーブルは、図34に示す構成に限られず、他の構成を有していてもよい。
図34に示すように、先読みシナリオ1設定テーブルは、「No.」、「先読み当該の変動」、「入賞時保留個数」および「保留記憶領域番号」の4個の項目に区分されている。
「No.」は、先読みシナリオ1の演出態様の番号を示している。例えば当該番号は、ステップS1200−3において送信バッファに設定される。当該番号は、図29に示す副制御基板タイマ割込処理のデータ出力処理(ステップS1400)において画像制御基板210に送信されるコマンドに含まれる。これにより、当該番号は、実行すべき先読みシナリオ1の演出態様を示す情報として用いられる。本実施形態による遊技機1は、最大4個の第1保留を第1保留記憶領域に記憶でき、保留個数毎に演出態様が設定されている。このため、「No.」は、「1」から「4」の4個に区分されている。
「先読み当該の変動」は、事前判定対象乱数に基づく図柄変動表示における当否判定結果を示唆する変動表示演出を示している。本実施形態では、「先読み当該の変動」として設定される変動表示演出は、事前演出として設定される連続演出(後述)と連続性を有するように構成された演出である。本実施形態では、「先読み当該の変動」には、保留個数によらず変動表示演出として1種類の演出態様が設定されている。「先読み当該の変動」欄の「SU5」の「SU」はステップアップ演出を表している。ステップアップ演出は予告内容が段階的に発展する態様の演出である。当該「SU5」の「5」は5段階目のステップアップ演出であることを表している。なお、当該変動表示演出は、事前演出として設定される連続演出と連続性を有する態様であれば、「No.」欄の「1」から「4」のうちの1個から3個に対応付けて複数設定されていてもよい。
「入賞時保留個数」は、事前判定対象乱数を含み、当該事前判定対象乱数の取得の契機となった遊技球の第1始動口20への入賞時に第1保留記憶領域に記憶された乱数の保留個数を示している。上記のとおり、本実施形態による遊技機1は、最大4個の第1保留を第1記憶領域に記憶できるので、「入賞時保留個数」は、「1」から「4」に区分されている。
「保留記憶領域番号」は、第1保留記憶領域の乱数を記憶する第1記憶部から第4記憶部を示している。「保留記憶領域番号」は「1」から「4」に区分されている。「保留記憶領域番号」の「1」は、第1保留記憶領域に記憶されている乱数のうちの最先に記憶された乱数が記憶される第1記憶部を示し、「2」は当該乱数のうちの2番目に記憶された乱数が記憶される第2記憶部を示し、「3」は3番目に記憶された乱数が記憶される第3記憶部を示し、「4」は最新に記憶された乱数が記憶される第4記憶部の番号を示している。
「保留記憶領域番号」の「1」から「4」のそれぞれの欄には、事前判定対象乱数の取得時に第1記憶部から第4記憶部に記憶された乱数に基づく図柄変動表示に応じて実行される事前演出の演出態様が設定されている。第1記憶部から第4記憶部に記憶された乱数には、事前判定対象乱数も含まれる。したがって、保留個数によらず、第1保留記憶領域に記憶された最新の乱数は、事前判定対象乱数になる。例えば、事前判定対象乱数は、「入賞時保留個数」が「1」の場合は「保留記憶領域番号」の「1」で示される第1記憶部に記憶され、「入賞時保留個数」が「2」の場合は「保留記憶領域番号」の「2」で示される第2記憶部に記憶され、「入賞時保留個数」が「3」の場合は「保留記憶領域番号」の「3」で示される第3記憶部に記憶され、「入賞時保留個数」が「4」の場合は「保留記憶領域番号」の「4」で示される第4記憶部に記憶されている。
「保留記憶領域番号」欄の「SU1」は1段階目のステップアップ演出が設定されることを示し、「SU2」は2段階目のステップアップ演出が設定されることを示し、「SU3」は3段階目のステップアップ演出が設定されることを示し、「SU4」は4段階目のステップアップ演出が設定されることを示している。また、「SU1or2」は1および2段階目のいずれかのステップアップ演出が設定されることを示し、「SU2or3」は2および3段階目のいずれかのステップアップ演出が設定されることを示し、「SU3or4」は3および4段階目のいずれかのステップアップ演出が設定されることを示し、「SU1or2or3」は、1、2および3段階目のいずれかのステップアップ演出が設定されることを示し、「SU2or3or4」は、2、3および4段階目のいずれかのステップアップ演出が設定されることを示している。また、「保留記憶領域番号」欄の「−」は事前演出が設定されないことを示している。
本実施形態における遊技機1は、「入賞時保留個数」が1個の場合には、演出態様番号「No.」が「1」の先読みシナリオ1を設定する。当該先読みシナリオ1における演出態様は、「保留記憶領域番号」の「1」で示される第1記憶部に記憶された乱数に基づく図柄変動表示に対応して1段階目のステップアップ演出による事前演出が実行されるとともに、当該図柄変動表示の当否判定結果を示唆する5段階目のステップアップ演出による変動表示演出が実行される演出態様となる。
本実施形態における遊技機1は、「入賞時保留個数」が2個の場合には、演出態様番号「No.」が「2」の先読みシナリオ1を設定する。当該先読みシナリオ1における演出態様は、「保留記憶領域番号」の「1」で示される第1記憶部に記憶された乱数に基づく図柄変動表示に対応して1、2および3段階目のいずれかのステップアップ演出による事前演出が実行され、「保留記憶領域番号」の「2」で示される第2記憶部に記憶された乱数に基づく図柄変動表示に対応して2、3および4段階目のいずれかのステップアップ演出による事前演出が実行されるとともに、当該図柄変動表示の当否判定結果を示唆する5段階目のステップアップ演出による変動表示演出が実行される演出態様となる。演出態様番号「No.」が「2」の先読みシナリオ1では、「保留記憶領域番号」欄の「1」において「SU1」が設定される場合には、同欄の「2」において「SU2」が設定され、同欄の「1」において「SU2」が設定される場合には、同欄の「2」において「SU3」が設定され、同欄の「1」において「SU3」が設定される場合には、同欄の「2」において「SU4」が設定される。
本実施形態における遊技機1は、「入賞時保留個数」が3個の場合には、演出態様番号「No.」が「3」の先読みシナリオ1を設定する。当該先読みシナリオ1における演出態様は、「保留記憶領域番号」の「1」で示される第1記憶部に記憶された乱数に基づく図柄変動表示に対応して1および2段階目のいずれかのステップアップ演出による事前演出が実行され、「保留記憶領域番号」の「2」で示される第2記憶部に記憶された乱数に基づく図柄変動表示に対応して2および3段階目のいずれかのステップアップ演出による事前演出が実行され、「保留記憶領域番号」の「3」で示される第3記憶部に記憶された乱数に基づく図柄変動表示に対応して3および4段階目のいずれかのステップアップ演出による事前演出が実行されるとともに、当該図柄変動表示の当否判定結果を示唆する5段階目のステップアップ演出による変動表示演出が実行される演出態様となる。演出態様番号「No.」が「3」の先読みシナリオ1では、「保留記憶領域番号」欄の「1」において「SU1」が設定される場合には、同欄の「2」および「3」において「SU2」および「SU3」がそれぞれ設定され、同欄の「1」において「SU2」が設定される場合には、同欄の「2」および「3」において「SU3」および「SU4」が設定される。
本実施形態における遊技機1は、「入賞時保留個数」が4個の場合には、演出態様番号「No.」が「4」の先読みシナリオ1を設定する。当該先読みシナリオ1における演出態様は、「保留記憶領域番号」の「1」で示される第1記憶部に記憶された乱数に基づく図柄変動表示に対応して1段階目のステップアップ演出による事前演出が実行され、「保留記憶領域番号」の「2」で示される第2記憶部に記憶された乱数に基づく図柄変動表示に対応して2段階目のステップアップ演出による事前演出が実行され、「保留記憶領域番号」の「3」で示され第3記憶部に記憶された乱数に基づく図柄変動表示に対応して3段階目のステップアップ演出による事前演出が実行され、「保留記憶領域番号」の「4」で示される第4記憶部に記憶された乱数に基づく図柄変動表示に対応して4段階目のステップアップ演出による事前演出が実行されるとともに、当該図柄変動表示の当否判定結果を示唆する5段階目のステップアップ演出による変動表示演出が実行される演出態様となる。
先読みシナリオ1設定テーブルは、保留記憶領域の第1記憶部から第4記憶部(「保留記憶領域」欄の「1」から「4」)において一のステップアップ演出が選択されるように構成されている。このため、先読みシナリオ1が設定された場合には、遊技機1は一の図柄変動表示の間に一のステップアップ演出による事前演出を実行する。また、先読みシナリオ1は保留内に短縮変動の変動パターンが含まれている場合に選択される(図32参照)。このため、遊技機1は、図柄変動表示の変動パターンが短縮変動の場合にも一のステップアップ演出による事前演出を実行できる。
第1段階目から第5段目のステップアップ演出は、段階的に発展していく演出態様を有している。このため、遊技機1は、保留内に留保された乱数に基づく図柄変動表示が順次実行されていくたびに、事前演出の内容が段階的に発展するという、演出内容に連続性のある連続演出を演出表示部50aに実行できる。
図33に戻って、ステップS1200−3において、サブCPU200aは、受信した副制御基板変動情報の中に含まれる現時点での保留個数と先読みシナリオ1設定テーブルとを用いて先読みシナリオ1の演出内容を決定し、演出態様番号「No.」を送信バッファに設定し、次の処理に移る。
ステップS1200−2のNoの次のステップS1200−4では、受信した副制御基板変動情報の中に先読みシナリオ2の情報があるか否かを判定し、当該情報があると判定したら(ステップS1200−4のYes)、ステップ1200−5に移行し、当該情報がないと判定したら(ステップS1200−4のNo)、副制御基板先読み予告設定処理を終了し、図29に示す副制御基板タイマ割込処理の演出操作装置制御処理(ステップS1300)の処理に移る。
ステップS1200−4では、サブCUP200aは、副制御基板変動情報を解析し、当該情報に先読みシナリオ2の情報が含まれているか否かを判定する。
ステップS1200−4の次のステップS1200−5では、先読みシナリオ2を設定して副制御基板先読み予告設定処理を終了し、図29に示す副制御基板タイマ割込処理の演出操作装置制御処理(ステップS1300)の処理に移る。
ステップS1200−5では、サブCPU200aは、事前判定対象乱数を含み当該事前判定対象乱数の取得の契機となった遊技球の第1始動口20への入賞時の乱数の保留個数に応じて異なる事前演出を設定する。すなわち、サブCPU200aは、事前判定対象乱数の個数と既記憶乱数の個数との合計数に応じて異なる事前演出を設定するようになっている。
ここで、先読みシナリオ2の演出態様を設定するための先読みシナリオ2設定テーブルについて図35を用いて説明する。図35は、サブROM200bに記憶された先読みシナリオ2設定テーブルの一例を示す図である。なお、先読みシナリオ2設定テーブルは、図35に示す構成に限られず、他の構成を有していてもよい。
図35に示すように、先読みシナリオ2設定テーブルは、設定される事前演出の演出態様が異なる点を除いて、先読みシナリオ1設定テーブルと同様の構成を有しているので、以下異なる点のみを簡述する。
先読みシナリオ2は、一の図柄変動表示における事前演出がステップアップ演出に縛られる一方で、第4段階以下のステップアップ演出であれば、一の図柄変動表示において第1から第4段階までのステップアップ演出を任意に選択できるようになっている。このため、先読みシナリオ2設定テーブルの「保留記憶領域番号」の「1」から「4」の各欄には、第4段階以下の1または複数のステップアップ演出が事前演出として実行されることを示す「SU4以下」が設定されている。第1から第4段階までのステップアップ演出は例えば抽選によって選択される。
例えば、「入賞時保留個数」が「3」の場合、「保留記憶領域番号」欄の「1」に対して「SU1」が選択され、同欄の「2」に対して「SU1」および「SU2」が選択され、同欄の「3」に対して「SU1」、「SU2」および「SU3」が選択されたとする。この場合、演出表示部50aにおいて実行される事前演出および変動表示演出は、1回目の図柄変動表示に対応して第1段階目のステップアップ演出、続いて実行される2回目の図柄変動表示に対応して第1および第2段階目のステップアップ演出、続いて実行される3回目の図柄変動表示に対応して第1から第3段階目および第5段階目のステップアップ演出となる。これにより、遊技機1は、1回目から3回目までの図柄変動表示に亘って、一の図柄変動表示において発展する段階が徐々に増加していくという、演出内容に連続性のある連続演出を演出表示部50aに実行できる。
図33に戻って、ステップS1200−5において、サブCPU200aは、受信した副制御基板変動情報の中に含まれ、現時点での保留個数の情報と先読みシナリオ2設定テーブルとを用いて先読みシナリオ2の演出内容を決定し、演出態様番号「No.」を送信バッファに設定し、次の処理に移る。
次に、一の図柄変動表示の開始から終了までにおける事前演出等の処理について図36から図41を用いて説明する。図36は、一の図柄変動表示の開始から終了までにおける事前演出等の処理の流れを示すフローチャートである。
図36に示すように、図柄変動表示が開始し、先読みシナリオ1が設定されていると(ステップS2000のYes)、ステップS2100に移行し、先読みシナリオ1が設定されていないと(ステップS2000のNo)、ステップS2200に移行する。
ステップS2000では、サブCPU200aは、先読みシナリオ1が送信バッファに設定されていると、設定されている先読みシナリオ1の演出態様番号を画像制御基板210に送信する。
ステップS2000の次のステップS2100では、先読みシナリオ1に基づき予告が出現し、ステップS2700に移行する。
ステップ2100では、画像制御基板210は、サブCPU200aから送信された先読みシナリオ1の演出態様番号に基づく事前演出コマンドを演出表示装置50に送信する。演出表示装置50は、受信した当該事前演出コマンドに基づいて演出表示部50aを制御し、一連の連続演出の一部を演出表示部50aに表示する。ステップS2100、後述するステップS2300、演出表示装置50および演出表示部50aのそれぞれは、事前演出実行手段の一例に相当する。
一方、ステップS2000のNoの次のステップS2200では、先読みシナリオ2が設定されていると(ステップS2200のYes)、ステップS2300に移行し、先読みシナリオ2が設定されていないと(ステップS2200のNo)、ステップS2400に移行する。
ステップS2200では、サブCPU200aは、送信バッファに設定された先読みシナリオ2の演出態様番号を画像制御基板210に送信する。
ステップS2200の次のステップS2300では、先読みシナリオ2に基づき予告が出現し、ステップS2700に移行する。
ステップ2300では、画像制御基板210は、サブCPU200aから送信された先読みシナリオ2の演出態様番号に基づく事前演出コマンドを演出表示装置50に送信する。演出表示装置50は、受信した当該事前演出コマンドに基づいて演出表示部50aを制御し、一連の連続演出の一部を演出表示部50aに表示する。
一方、ステップS2200のNoの次のステップS2400では、通常の予告抽選による予告発生が可能か否かを判定し、当該予告発生が可能であると判定すると(ステップS2400のYes)、ステップS2500に移行し、当該予告発生が可能でないと判定すると(ステップS2400のNo)、ステップS2700に移行する。通常の予告は、実行中の図柄変動表示において停止表示される特別図柄、すなわち当該図柄変動表示の当否判定の結果を示唆する予告である。この通常の予告を報知する演出(以下、「通常の予告演出」と称する場合がある)は変動表示演出の一例である。
ステップS2400では、サブCPU200aは、通常の予告抽選を行い、実行中の図柄変動表示において停止表示される特別図柄を示唆する変動表示演出を実行できるか否かを決定する。図示は省略するが、サブROM200bには、通常予告実行可否決定テーブルが記憶されている。当該通常予告実行可否決定テーブルは、例えば図柄変動表示の変動パターンに応じて変動表示演出の発生確率が異なるように設定されている。例えば通常予告実行可否決定テーブルでは、リーチ演出が実行される変動パターンは、リーチ演出が実行されない変動パターンよりも変動表示演出の発生確率が高く設定されている。また、例えば通常予告実行可否決定テーブルでは、リーチの発生の有無によらず、当りの変動パターンは、はずれの変動パターンよりも変動表示演出の発生確率が高く設定されている。サブCPU200aは、実行中の図柄変動表示の変動パターンと当該通常予告実行可否決定テーブルとに基づいて、通常の予告抽選を行う。
ステップS2400の次のステップS2500では、予告A系統の抽選および設定処理が実行され、ステップS2600に移行する。予告Aは、予告Aが実行される際に変動中の図柄変動表示の当否判定結果を示唆する変動表示演出である。予告A系統は予告Aのカテゴリを意味する。
ステップS2500では、サブCPU200aは、後述する予告A系統抽選テーブル等に基づいて予告A系統の抽選を実行し、当選した予告Aの情報を送信バッファに設定する。
ステップS2500の次のステップS2600では、予告Aが出現し、ステップS2700に移行する。
ステップS2600では、画像制御基板210は、サブCPU200aから送信された予告Aの演出態様番号(後述)に基づく予告Aコマンドを演出表示装置50に送信する。演出表示装置50は、受信した当該予告Aコマンドに基づいて演出表示部50aを制御し、予告Aに基づく変動表示演出を演出表示部50aに表示する。ステップS2600、演出表示装置50および演出表示部50aのそれぞれは、変動表示演出手段の一例に相当する。
ステップS2100、ステップS2300またはステップS2600の次のステップS2700では、特別図柄が確定し、一の図柄変動表示の開始から終了までにおける事前演出等の処理が終了する。
ステップS2700では、サブCPU200aは、主制御基板100から送信されたコマンドに基づいて、図柄変動表示の終了および停止表示すべき特別図柄の情報を送信バッファに設定する。画像制御基板210は、サブCPU200aから送信された当該情報に基づくコマンドを演出表示装置50に送信する。演出表示装置50は、受信した当該コマンドに基づいて演出表示部50aを制御し、所定の特別図柄を演出表示部50aに停止表示する。
次に、予告A系統抽選で使用される各種テーブルについて図37から図40を用いて説明する。図37は、予告A系統(予告Aのカテゴリ)を選択する予告A系統選択用テーブルの一例を示す図である。予告A系統選択用テーブルは、例えばサブROM200bに記憶されている。サブCPU200aは、予告A系統抽選を実行する際に、サブROM200bから予告A系統選択用テーブルを読み出して参照するようになっている。
図37に示すように、予告A系統選択用テーブルは、「図柄停止パターン」および「予告A系統名」の2個の項目に区分されている。「図柄停止パターン」は、図柄変動表示の変動パターンを示している。「予告A系統名」は、遊技機1において設定されている予告A系統、すなわち予告Aのカテゴリの名称を示している。
「図柄停止パターン」は「No.」および「変動態様」の2個の項目に区分されている。「No.」は、図柄変動表示の変動パターンの番号を示している。「変動態様」は、図柄変動表示の変動態様を示している。本実施形態による遊技機1では、予告Aが実行される図柄変動表示の変動パターンとして7種類の変動態様が設定されている。「図柄停止パターン」の「No.」「1」に対応付けられた「2.5秒停止」は、図柄変動表示が2.5秒間実行された後に所定の特別図柄が停止表示される変動パターンを示している。「図柄停止パターン」の「No.」「2」に対応付けられた「8.0秒停止」は、図柄変動表示が8.0秒間実行された後に所定の特別図柄が停止表示される変動パターンを示している。「図柄停止パターン」の「No.」「3」に対応付けられた「12.5秒停止」は、図柄変動表示が12.5秒間実行された後に所定の特別図柄が停止表示される変動パターンを示している。本実施形態では、変動時間が最も短い「2.5秒停止」における変動パターンが短縮変動に相当する。
「図柄停止パターン」の「No.」「4」に対応付けられた「NRはずれ」は、図柄変動表示においてノーマルリーチ(NR)が発生した後にはずれを報知する特別図柄が停止表示されることを示している。「図柄停止パターン」の「No.」「5」に対応付けられた「NR当り」は、図柄変動表示においてノーマルリーチ(NR)が発生した後に大当りを報知する特別図柄が停止表示されることを示している。「図柄停止パターン」の「No.」「6」に対応付けられた「SPRはずれ」は、図柄変動表示においてスペシャルリーチ(SPR)が発生した後にはずれを報知する特別図柄が停止表示されることを示している。「図柄停止パターン」の「No.」「7」に対応付けられた「SPR当り」は、図柄変動表示においてスペシャルリーチ(SPR)が発生した後に大当りを報知する特別図柄が停止表示されることを示している。
「予告A系統名」は、「SU予告」、「ボタン→セリフ予告」、「ボタン→全画面表示予告」および「ムービー予告」の4つの項目に区分されている。「SU予告」は、ステップアップ演出を示している。「ボタン→セリフ予告」は、ボタン操作を促す演出後、遊技者がボタン操作を実行したらセリフによる予告が実行される態様の変動表示演出を示している。「ボタン→全画面表示予告」は、ボタン操作を促す演出後、遊技者がボタン操作を実行したら演出表示部50aの全面に文字等による予告が実行される態様の変動表示演出を示している。「ムービー予告」は、実写やアニメーションなどの動画によって予告が実行される態様の変動表示演出を示している。
「予告A系統名」には、予告A系統抽選に用いられる予告A系統抽選乱数値と比較する数値(本例では、数値範囲は0〜99)が割り当てられている。なお、「予告A系統名」欄内の「−」は、当該数値が割り当てられていないことを示している。
予告A系統抽選乱数値と比較する数値は、「変動態様」が「2.5秒停止」の場合、「予告A系統名」欄の「SU予告」に「0〜99」が割り当てられ、「ボタン→セリフ予告」、「ボタン→全画面表示予告」および「ムービー予告」には割り当てられていない。したがって、「変動態様」が「2.5秒停止」の場合に行われる予告Aの各系統の確率は、「SU予告」が100%であり、他の系統は0%である。
予告A系統抽選乱数値と比較する数値は、「変動態様」が「8.0秒停止」の場合、「予告A系統名」欄の「SU予告」には「0〜89」が割り当てられ、「ボタン→セリフ予告」には「90〜94」が割り当てられ、「ボタン→全画面表示予告」には「95〜99」が割り当てられ、「ムービー予告」には割り当てられていない。したがって、「変動態様」が「8.0秒停止」の場合に行われる予告Aの各系統の確率は、「SU予告」が90%であり、「ボタン→セリフ予告」が5%であり、「ボタン→全画面表示予告」が5%であり、「ムービー予告」が0%である。
予告A系統抽選乱数値と比較する数値は、「変動態様」が「12.5秒停止」の場合、「予告A系統名」欄の「SU予告」には「0〜79」が割り当てられ、「ボタン→セリフ予告」には「80〜89」が割り当てられ、「ボタン→全画面表示予告」には「90〜99」が割り当てられ、「ムービー予告」には割り当てられていない。したがって、「変動態様」が「12.5秒停止」の場合に行われる予告Aの各系統の確率は、「SU予告」が80%であり、「ボタン→セリフ予告」が10%であり、「ボタン→全画面表示予告」が10%であり、「ムービー予告」が0%である。
予告A系統抽選乱数値と比較する数値は、「変動態様」が「NRはずれ」の場合、「予告A系統名」欄の「SU予告」には「0〜74」が割り当てられ、「ボタン→セリフ予告」には「75〜84」が割り当てられ、「ボタン→全画面表示予告」には「85〜99」が割り当てられ、「ムービー予告」には割り当てられていない。したがって、「変動態様」が「NRはずれ」の場合に行われる予告Aの各系統の確率は、「SU予告」が75%であり、「ボタン→セリフ予告」が10%であり、「ボタン→全画面表示予告」が15%であり、「ムービー予告」が0%である。
予告A系統抽選乱数値と比較する数値は、「変動態様」が「NR当り」の場合、「予告A系統名」欄の「SU予告」には「0〜74」が割り当てられ、「ボタン→セリフ予告」には「75〜84」が割り当てられ、「ボタン→全画面表示予告」には「85〜98」が割り当てられ、「ムービー予告」には「99」が割り当てられている。したがって、「変動態様」が「NR当り」の場合に行われる予告Aの各系統の確率は、「SU予告」が75%であり、「ボタン→セリフ予告」が10%であり、「ボタン→全画面表示予告」が14%であり、「ムービー予告」が1%である。本実施形態による遊技機1は、「変動態様」が「NR当り」の場合にはムービー予告による予告Aが実行されるのに対し、「NRはずれ」の場合にはムービー予告による予告Aが実行されないように構成されている。このため、本実施形態では、図柄変動表示の変動パターンがノーマルリーチ時にムービー予告が実行されると、当該図柄変動表示は大当り確定となる。
予告A系統抽選乱数値と比較する数値は、「変動態様」が「SPRはずれ」の場合、「予告A系統名」欄の「SU予告」には「0〜69」が割り当てられ、「ボタン→セリフ予告」には「70〜79」が割り当てられ、「ボタン→全画面表示予告」には「80〜94」が割り当てられ、「ムービー予告」には「95〜99」が割り当てられている。したがって、「変動態様」が「SPRはずれ」の場合に行われる予告Aの各系統の確率は、「SU予告」が70%であり、「ボタン→セリフ予告」が10%であり、「ボタン→全画面表示予告」が15%であり、「ムービー予告」が5%である。
予告A系統抽選乱数値と比較する数値は、「変動態様」が「SPR当り」の場合、「予告A系統名」欄の「SU予告」には「0〜64」が割り当てられ、「ボタン→セリフ予告」には「65〜74」が割り当てられ、「ボタン→全画面表示予告」には「75〜94」が割り当てられ、「ムービー予告」には「95〜99」が割り当てられている。したがって、「変動態様」が「SPRはずれ」の場合に行われる予告Aの各系統の確率は、「SU予告」が65%であり、「ボタン→セリフ予告」が10%であり、「ボタン→全画面表示予告」が20%であり、「ムービー予告」が5%である。
サブCPU200aは、上述のステップS2500において、サブRAM200cに設けられた予告A系統抽選乱数用カウンタから予告A系統抽選乱数値を取得し、実行中の図柄変動表示の変動パターンと、取得した予告A系統抽選乱数値と、サブROM200bから読み出した予告A系統選択用テーブルとに基づいて、予告A系統抽選を実行する。例えば、実行中の図柄変動表示の変動パターンがノーマルリーチ当りであり、取得した予告A系統抽選乱数値が「70」である場合には、サブCPU200aは、予告A系統選択用テーブルの「図柄停止パターン」の「No.」「5」を参照し、予告A系統抽選乱数値「70」は数値範囲「0〜74」に含まれているため、予告Aとして「SU予告」に当選したと判定する。
本実施形態による遊技機1は、予告Aの系統としてステップアップ演出を実行するように構成されている。遊技機1は、予告Aのステップアップ演出の演出態様を事前演出として実行される連続演出の一部の演出態様と同じにすることにより、同じカテゴリの予告の連続発生に対し遊技者は先読みへの期待感を保つことができる。これにより、遊技機1は、通常時に発生して大当りとなることが期待できない予告(弱予告)が無駄な演出、いわゆる捨て演出となることを防止できる。
次に、予告A系統抽選において選択した予告Aの演出態様を選択する予告Aの演出態様抽選に用いる予告A演出態様選択テーブルについて図38から図41を用いて説明する。図38は、予告Aとして「SU予告」の演出態様を選択するために用いるSU予告用演出態様選択テーブルの一例を示す図である。SU予告用演出態様選択テーブルは、例えばサブROM200bに記憶されている。
図38に示すように、SU予告用演出態様選択テーブルは、「図柄停止パターン」と「SU予告の演出態様」の2個の項目に区分されている。「図柄停止パターン」は、予告A系統選択用テーブルにおける「図柄停止パターン」と同じ内容を示すため、説明は省略する。「SU予告の演出態様」は、実行中の図柄変動表示に応じて実行されるステップアップ演出の演出態様を示している。
「図柄停止パターン」の「No.」および「変動態様」は、予告A系統選択用テーブルにおける「No.」および「変動態様」と同じ内容を示すため、説明は省略する。また、「変動態様」欄に設定された「2.5秒停止」から「SPR当り」は、予告A系統選択用テーブルにおける「変動態様」欄に設定された「2.5秒停止」から「SPR当り」と同じ内容を示すため、説明は省略する。
「SU予告の演出態様」は、「SU1」、「SU2」、「SU3」、「SU4」および「SU5」の5個の項目に区分されている。「SU1」から「SU5」は、図34に示す先読みシナリオ1設定テーブルの「保留記憶領域番号」欄に設定された「SU1」から「SU4」および「先読み当該の変動」欄に設定された「SU5」と同じ内容を示すため、説明は省略する。
「SU予告の演出態様」には、予告Aの演出態様抽選に用いられる予告A演出態様抽選乱数値(詳細は後述)と比較する数値(本例では、数値範囲は0〜99)が割り当てられている。なお、「SU予告の演出態様」欄内の「−」は、当該数値が割り当てられていないことを示している。
予告A演出態様抽選乱数値と比較する数値は、「変動態様」が「2.5秒停止」の場合、「SU予告の演出態様」欄の「SU1」に「0〜99」が割り当てられ、「SU2」、「SU3」、「SU4」および「SU5」には割り当てられていない。したがって、「変動態様」が「2.5秒停止」の場合に行われる予告Aの演出態様の確率は、「SU1」が100%であり、他の演出態様は0%である。
予告A演出態様抽選乱数値と比較する数値は、「変動態様」が「8.0秒停止」の場合、「SU予告の演出態様」欄の「SU1」に「0〜89」が割り当てられ、「SU2」に「90〜96」が割り当てられ、「SU3」に「97〜98」が割り当てられ、「SU4」に「99」が割り当てられ、「SU5」には割り当てられていない。したがって、「変動態様」が「8.0秒停止」の場合に行われる予告Aの演出態様の確率は、「SU1」が90%であり、「SU2」が7%であり、「SU3」が2%であり、「SU4」が1%であり、「SU5」が0%である。
予告A演出態様抽選乱数値と比較する数値は、「変動態様」が「12.5秒停止」の場合、「SU予告の演出態様」欄の「SU1」に「0〜74」が割り当てられ、「SU2」に「75〜89」が割り当てられ、「SU3」に「90〜96」が割り当てられ、「SU4」に「97〜99」が割り当てられ、「SU5」には割り当てられていない。したがって、「変動態様」が「12.5秒停止」の場合に行われる予告Aの演出態様の確率は、「SU1」が75%であり、「SU2」が15%であり、「SU3」が7%であり、「SU4」が3%であり、「SU5」が0%である。
予告A演出態様抽選乱数値と比較する数値は、「変動態様」が「NRはずれ」の場合、「SU予告の演出態様」欄の「SU1」に「0〜69」が割り当てられ、「SU2」に「70〜89」が割り当てられ、「SU3」に「90〜96」が割り当てられ、「SU4」に「97〜99」が割り当てられ、「SU5」には割り当てられていない。したがって、「変動態様」が「NRはずれ」の場合に行われる予告Aの演出態様の確率は、「SU1」が70%であり、「SU2」が20%であり、「SU3」が7%であり、「SU4」が3%であり、「SU5」が0%である。
予告A演出態様抽選乱数値と比較する数値は、「変動態様」が「NR当り」の場合、「SU予告の演出態様」欄の「SU1」に「0〜59」が割り当てられ、「SU2」に「60〜79」が割り当てられ、「SU3」に「80〜89」が割り当てられ、「SU4」に「90〜99」が割り当てられ、「SU5」には割り当てられていない。したがって、「変動態様」が「NR当り」の場合に行われる予告Aの演出態様の確率は、「SU1」が60%であり、「SU2」が20%であり、「SU3」が10%であり、「SU4」が10%であり、「SU5」が0%である。
予告A演出態様抽選乱数値と比較する数値は、「変動態様」が「SPRはずれ」の場合、「SU予告の演出態様」欄の「SU1」および「SU2」には割り当てられておらず、「SU3」に「0〜39」が割り当てられ、「SU4」に「40〜79」が割り当てられ、「SU5」に「80〜99」が割り当てられている。したがって、「変動態様」が「SPRはずれ」の場合に行われる予告Aの演出態様の確率は、「SU1」および「SU2」が0%であり、「SU3」が40%であり、「SU4」が40%であり、「SU5」が20%である。
予告A演出態様抽選乱数値と比較する数値は、「変動態様」が「SPR当り」の場合、「SU予告の演出態様」欄の「SU1」に「0〜4」が割り当てられ、「SU2」に「5〜9」が割り当てられ、「SU3」に「10〜39」が割り当てられ、「SU4」に「40〜79」が割り当てられ、「SU5」に「80〜99」が割り当てられている。したがって、「変動態様」が「NR当り」の場合に行われる予告Aの演出態様の確率は、「SU1」が5%であり、「SU2」が5%であり、「SU3」が30%であり、「SU4」が40%であり、「SU5」が20%である。
サブCPU200aは、上述のステップS2500において、予告Aのカテゴリとして「SU予告」を選択したら、サブRAM200cに設けられた予告A演出態様抽選乱数用カウンタから予告A演出態様抽選乱数値を取得し、実行中の図柄変動表示の変動パターンと、取得した予告A演出態様抽選乱数値と、サブROM200bから読み出したSU予告用演出態様選択テーブルとに基づいて、予告Aの演出態様抽選を実行する。例えば、実行中の図柄変動表示の変動パターンがノーマルリーチ当りであり、取得した予告A系統抽選乱数値が「70」である場合には、サブCPU200aは、SU予告用演出態様選択テーブルの「図柄停止パターン」の「No.」「5」を参照し、予告A演出態様抽選乱数値「70」は数値範囲「60〜79」に含まれているため、演出態様として「SU2」に当選したと判定する。
予告Aの演出態様の「SU1」から「SU4」におけるステップアップ演出の演出態様と、事前演出の「SU1」から「SU4」におけるステップアップ演出の演出態様とをそれぞれ同じにすることにより、同じカテゴリの予告の連続発生に対し遊技者は先読みへの期待感を保つことができる。これにより、遊技機1は、通常時に発生して大当りとなることが期待できない予告(弱予告)が無駄な演出、いわゆる捨て演出となることを防止できる。
図39は、予告Aとして「ボタン→セリフ予告」の演出態様を選択するために用いるボタンセリフ予告用演出態様選択テーブルの一例を示す図である。ボタンセリフ予告用演出態様選択テーブルは、例えばサブROM200bに記憶されている。
図39に示すように、ボタンセリフ予告用演出態様選択テーブルは、「図柄停止パターン」と「ボタン→セリフ予告の演出態様」の2個の項目に区分されている。「図柄停止パターン」は、予告A系統選択用テーブルにおける「図柄停止パターン」と同じ内容を示すため、説明は省略する。「ボタン→セリフ予告の演出態様」は、実行中の図柄変動表示に応じて実行される「ボタン→セリフ予告」の演出態様を示している。
「図柄停止パターン」の「No.」および「変動態様」は、予告A系統選択用テーブルにおける「No.」および「変動態様」と同じ内容を示すため、説明は省略する。また、「変動態様」欄に設定された「2.5秒停止」から「SPR当り」は、予告A系統選択用テーブルにおける「変動態様」欄に設定された「2.5秒停止」から「SPR当り」と同じ内容を示すため、説明は省略する。
「ボタン→セリフ予告の演出態様」は、「白枠」、「赤枠」、「金枠」および「虎柄枠」の4個の項目に区分されている。「白枠」は、「ボタン→セリフ予告」のボタンセリフ演出において、セリフの吹き出しの色が白色であることを示している。「赤枠」は、「ボタン→セリフ予告」のボタンセリフ演出において、セリフの吹き出しの色が赤色であることを示している。「金色」は、「ボタン→セリフ予告」のボタンセリフ演出において、セリフの吹き出しの色が金色であることを示している。「虎柄枠」は、「ボタン→セリフ予告」のボタンセリフ演出において、セリフの吹き出しの模様が虎柄であることを示している。
「ボタン→セリフ予告の演出態様」には、予告Aの演出態様抽選に用いられる予告A演出態様抽選乱数値と比較する数値(本例では、数値範囲は0〜99)が割り当てられている。なお、「ボタン→セリフ予告の演出態様」欄内の「−」は、当該数値が割り当てられていないことを示している。
「ボタン→セリフ予告」は、「変動態様」が「2.5秒停止」の場合には、予告Aとして選択されないため(図37参照)、予告A演出態様抽選乱数値と比較する数値は、「変動態様」が「2.5秒停止」の場合には「SU予告の演出態様」欄の「白枠」から「虎柄枠」のいずれにも割り当てられていない。
予告A演出態様抽選乱数値と比較する数値は、「変動態様」が「8.0秒停止」の場合、「ボタン→セリフ予告の演出態様」欄の「白枠」に「0〜89」が割り当てられ、「赤枠」に「90〜96」が割り当てられ、「金枠」に「97〜99」が割り当てられ、「虎柄枠」には割り当てられていない。したがって、「変動態様」が「8.0秒停止」の場合に行われる予告Aの演出態様の確率は、「白枠」が90%であり、「赤枠」が7%であり、「金枠」が3%であり、「虎柄枠」が0%である。
予告A演出態様抽選乱数値と比較する数値は、「変動態様」が「12.5秒停止」の場合、「ボタン→セリフ予告の演出態様」欄の「白枠」に「0〜74」が割り当てられ、「赤枠」に「75〜89」が割り当てられ、「金枠」に「90〜99」が割り当てられ、「虎柄枠」には割り当てられていない。したがって、「変動態様」が「12.5秒停止」の場合に行われる予告Aの演出態様の確率は、「白枠」が75%であり、「赤枠」が15%であり、「金枠」が10%であり、「虎柄枠」が0%である。
予告A演出態様抽選乱数値と比較する数値は、「変動態様」が「NRはずれ」の場合、「ボタン→セリフ予告の演出態様」欄の「白枠」に「0〜69」が割り当てられ、「赤枠」に「70〜89」が割り当てられ、「金枠」に「90〜99」が割り当てられ、「「虎柄枠」には割り当てられていない。したがって、「変動態様」が「NRはずれ」の場合に行われる予告Aの演出態様の確率は、「白枠」が70%であり、「赤枠」が20%であり、「金枠」が10%であり、「虎柄枠」が0%である。
予告A演出態様抽選乱数値と比較する数値は、「変動態様」が「NR当り」の場合、「ボタン→セリフ予告の演出態様」欄の「白枠」に「0〜59」が割り当てられ、「赤枠」に「60〜79」が割り当てられ、「金枠」に「80〜97」が割り当てられ、「虎柄枠」に「98〜99」が割り当てられている。したがって、「変動態様」が「NR当り」の場合に行われる予告Aの演出態様の確率は、「白枠」が60%であり、「赤枠」が20%であり、「金枠」が18%であり、「虎柄枠」が2%である。
予告A演出態様抽選乱数値と比較する数値は、「変動態様」が「SPRはずれ」の場合、「ボタン→セリフ予告の演出態様」欄の「白枠」に「0〜49」が割り当てられ、「赤枠」に「50〜79」が割り当てられ、「金枠」に「80〜99」が割り当てられ、「虎柄枠」には割り当てられていない。したがって、「変動態様」が「SPRはずれ」の場合に行われる予告Aの演出態様の確率は、「白枠」が50%であり、「赤枠」が30%であり、「金枠」が20%であり、「虎柄枠」が0%である。
予告A演出態様抽選乱数値と比較する数値は、「変動態様」が「SPR当り」の場合、「ボタン→セリフ予告の演出態様」欄の「白枠」に「0〜49」が割り当てられ、「赤枠」に「50〜74」が割り当てられ、「金枠」に「75〜97」が割り当てられ、「虎柄枠」に「98〜99」が割り当てられている。したがって、「変動態様」が「NR当り」の場合に行われる予告Aの演出態様の確率は、「白枠」が50%であり、「赤枠」が25%であり、「金枠」が23%であり、「虎柄枠」が2%である。
サブCPU200aは、上述のステップS2500において、予告Aのカテゴリとして「ボタン→セリフ予告」を選択したら、サブRAM200cに設けられた予告A演出態様抽選乱数用カウンタから予告A演出態様抽選乱数値を取得し、実行中の図柄変動表示の変動パターンと、取得した予告A演出態様抽選乱数値と、サブROM200bから読み出したボタンセリフ予告用演出態様選択テーブルとに基づいて、予告Aの演出態様抽選を実行する。例えば、実行中の図柄変動表示の変動パターンがノーマルリーチ当りであり、取得した予告A系統抽選乱数値が「70」である場合には、サブCPU200aは、ボタンセリフ予告用演出態様選択テーブルの「図柄停止パターン」の「No.」「5」を参照し、予告A演出態様抽選乱数値「70」は数値範囲「60〜79」に含まれているため、演出態様として「赤枠」に当選したと判定する。
本実施形態による遊技機1では、「虎柄枠」による予告Aは、「変動態様」が「NR当り」および「SPR当り」の場合に実行されるのに対し、「NRはずれ」および「SPRはずれ」の場合には実行されない。このため、本実施形態では、図柄変動表示の変動パターンがノーマルリーチまたはスペシャルリーチ時に、虎柄模様の吹き出しを用いた予告が実行されると、当該図柄変動表示は大当り確定となる。
図40は、予告Aとして「ボタン→全画面表示予告」の演出態様を選択するために用いるボタン全画面予告用演出態様選択テーブルの一例を示す図である。ボタン全画面予告用演出態様選択テーブルは、例えばサブROM200bに記憶されている。
図40に示すように、ボタン全画面予告用演出態様選択テーブルは、「図柄停止パターン」と「ボタン→全画面表示予告の演出態様」の2個の項目に区分されている。「図柄停止パターン」は、予告A系統選択用テーブルにおける「図柄停止パターン」と同じ内容を示すため、説明は省略する。「ボタン→全画面表示予告の演出態様」は、実行中の図柄変動表示に応じて実行される「ボタン→全画面表示予告」の演出態様を示している。
「図柄停止パターン」の「No.」および「変動態様」は、予告A系統選択用テーブルにおける「No.」および「変動態様」と同じ内容を示すため、説明は省略する。また、「変動態様」欄に設定された「2.5秒停止」から「SPR当り」は、予告A系統選択用テーブルにおける「変動態様」欄に設定された「2.5秒停止」から「SPR当り」と同じ内容を示すため、説明は省略する。
「ボタン→全画面表示予告の演出態様」は、「白文字」、「赤文字」、「金文字」および「虎柄文字」の4個の項目に区分されている。「白文字」は、「ボタン→全画面表示予告」のボタン全画面演出において、演出表示部50aの表示画面に表示される文字画像の色が白色であることを示している。「赤文字」は、「ボタン→全画面表示予告」のボタン全画面演出において、演出表示部50aの表示画面に表示される文字画像の色が赤色であることを示している。「金色」は、「ボタン→全画面表示予告」のボタン全画面演出において、演出表示部50aの表示画面に表示される文字画像の色が金色であることを示している。「虎柄枠」は、「ボタン→全画面表示予告」のボタン全画面演出において、演出表示部50aの表示画面に表示される文字画像の色が虎柄であることを示している。
「ボタン→全画面表示予告の演出態様」には、予告Aの演出態様抽選に用いられる予告A演出態様抽選乱数値と比較する数値(本例では、数値範囲は0〜99)が割り当てられている。なお、「ボタン→全画面表示予告の演出態様」欄内の「−」は、当該数値が割り当てられていないことを示している。
「ボタン→全画面表示予告」は、「変動態様」が「2.5秒停止」の場合、予告Aとして選択されないため(図37参照)、予告A演出態様抽選乱数値と比較する数値は、「変動態様」が「2.5秒停止」の場合には「ボタン→全画面表示予告の演出態様」欄の「白文字」から「虎柄文字」のいずれにも割り当てられていない。
予告A演出態様抽選乱数値と比較する数値は、「変動態様」が「8.0秒停止」の場合、「ボタン→全画面表示予告の演出態様」欄の「白文字」に「0〜89」が割り当てられ、「赤文字」に「90〜99」が割り当てられ、「金文字」および「虎柄文字」には割り当てられていない。したがって、「変動態様」が「8.0秒停止」の場合に行われる予告Aの演出態様の確率は、「白文字」が90%であり、「赤文字」が10%であり、「金文字」および「虎柄文字」が0%である。
予告A演出態様抽選乱数値と比較する数値は、「変動態様」が「12.5秒停止」の場合、「ボタン→全画面表示予告の演出態様」欄の「白文字」に「0〜79」が割り当てられ、「赤文字」に「80〜99」が割り当てられ、「金枠」および「虎柄枠」には割り当てられていない。したがって、「変動態様」が「12.5秒停止」の場合に行われる予告Aの演出態様の確率は、「白文字」が80%であり、「赤文字」が20%であり、「金文字」および「虎柄文字」が0%である。
予告A演出態様抽選乱数値と比較する数値は、「変動態様」が「NRはずれ」の場合には、「ボタン→全画面表示演出態様」欄の「白文字」に「0〜69」が割り当てられ、「赤文字」に「70〜99」が割り当てられ、「金枠」および「虎柄枠」には割り当てられていない。したがって、「変動態様」が「NRはずれ」の場合に行われる予告Aの演出態様の確率は、「白文字」が70%であり、「赤文字」が30%であり、「金枠」および「虎柄枠」が0%である。
予告A演出態様抽選乱数値と比較する数値は、「変動態様」が「NR当り」の場合には、「ボタン→全画面表示予告の演出態様」欄の「白文字」に「0〜59」が割り当てられ、「赤文字」に「60〜79」が割り当てられ、「金文字」に「80〜97」が割り当てられ、「虎柄文字」に「98〜99」が割り当てられている。したがって、「変動態様」が「NR当り」の場合に行われる予告Aの演出態様の確率は、「白文字」が60%であり、「赤文字」が20%であり、「金文字」が18%であり、「虎柄文字」が2%である。
予告A演出態様抽選乱数値と比較する数値は、「変動態様」が「SPRはずれ」の場合、「ボタン→全画面表示予告の演出態様」欄の「白文字」に「0〜49」が割り当てられ、「赤文字」に「50〜79」が割り当てられ、「金文字」に「80〜99」が割り当てられ、「虎柄文字」には割り当てられていない。したがって、「変動態様」が「SPRはずれ」の場合に行われる予告Aの演出態様の確率は、「白文字」が50%であり、「赤文字」が30%であり、「金文字」が20%であり、「虎柄文字」が0%である。
予告A演出態様抽選乱数値と比較する数値は、「変動態様」が「SPR当り」の場合には、「ボタン→全画面表示予告の演出態様」欄の「白文字」に「0〜49」が割り当てられ、「赤文字」に「50〜74」が割り当てられ、「金文字」に「75〜97」が割り当てられ、「虎柄文字」に「98〜99」が割り当てられている。したがって、「変動態様」が「NR当り」の場合に行われる予告Aの演出態様の確率は、「白文字」が50%であり、「赤文字」が25%であり、「金文字」が23%であり、「虎柄文字」が2%である。
サブCPU200aは、上述のステップS2500において、予告Aの系統として「ボタン→全画面表示予告」を選択したら、サブRAM200cに設けられた予告A演出態様抽選乱数用カウンタから予告A演出態様抽選乱数値を取得し、実行中の図柄変動表示の変動パターンと、取得した予告A演出態様抽選乱数値と、サブROM200bから読み出したボタン全画面予告用演出態様選択テーブルとに基づいて、予告Aの演出態様抽選を実行する。例えば、実行中の図柄変動表示の変動パターンがノーマルリーチ当りであり、取得した予告A系統抽選乱数値が「70」である場合には、サブCPU200aは、ボタン全画面予告用演出態様選択テーブルの「図柄停止パターン」の「No.」「5」を参照し、予告A演出態様抽選乱数値「70」は数値範囲「60〜79」に含まれているため、演出態様として「赤文字」を選択する。
本実施形態による遊技機1では、「虎柄文字」による予告Aは、「変動態様」が「NR当り」および「SPR当り」の場合に実行されるのに対し、「NRはずれ」および「SPRはずれ」の場合には実行されない。このため、本実施形態では、図柄変動表示の変動パターンがノーマルリーチまたはスペシャルリーチ時に、虎柄の文字を用いた予告が実行されると、当該図柄変動表示は大当り確定となる。
図41は、予告Aとして「ムービー予告」の演出態様を選択するために用いるムービー予告用演出態様選択テーブルの一例を示す図である。ムービー予告用演出態様選択テーブルは、例えばサブROM200bに記憶されている。
図41に示すように、ムービー予告用演出態様選択テーブルは、「図柄停止パターン」と「ムービー予告の演出態様」の2個の項目に区分されている。「図柄停止パターン」は、予告A系統選択用テーブルにおける「図柄停止パターン」と同じ内容を示すため、説明は省略する。「ムービー予告の演出態様」は、実行中の図柄変動表示に応じて実行される「ムービー予告」の演出態様を示している。
「図柄停止パターン」の「No.」および「変動態様」は、予告A系統選択用テーブルにおける「No.」および「変動態様」と同じ内容を示すため、説明は省略する。また、「変動態様」欄に設定された「2.5秒停止」から「SPR当り」は、予告A系統選択用テーブルにおける「変動態様」欄に設定された「2.5秒停止」から「SPR当り」と同じ内容を示すため、説明は省略する。
「ムービー予告の演出態様」は、「弱」および「強」の2個の項目に区分されている。「弱」は、大当りになる図柄変動表示よりもはずれになる図柄変動表示に応じて実行されやすい演出態様を示している。「強」は、はずれになる図柄変動表示よりも大当りになる図柄変動表示に応じて実行されやすい演出態様を示している。
「ムービー予告の演出態様」には、予告Aの演出態様抽選に用いられる予告A演出態様抽選乱数値と比較する数値(本例では、数値範囲は0〜99)が割り当てられている。なお、「ムービー予告の演出態様」欄内の「−」は、当該数値が割り当てられていないことを示している。
「ムービー予告」は、「変動態様」が「2.5秒停止」、「8.0秒停止」、「12.5秒停止」および「NRはずれ」の場合には、予告Aとして選択されないため(図37参照)、予告A演出態様抽選乱数値と比較する数値は、「変動態様」が「2.5秒停止」、「8.0秒停止」、「12.5秒停止」および「NRはずれ」の場合には「ムービー予告の演出態様」欄の「弱」および「強」のいずれにも割り当てられていない。
予告A演出態様抽選乱数値と比較する数値は、「変動態様」が「NR当り」の場合、「ムービー予告の演出態様」欄の「弱」に「0〜39」が割り当てられ、「強」に「40〜99」が割り当てられている。したがって、「変動態様」が「NR当り」の場合に行われる予告Aの演出態様の確率は、「弱」が40%であり、「強」が60%である。
予告A演出態様抽選乱数値と比較する数値は、「変動態様」が「SPRはずれ」の場合、「ムービー予告の演出態様」欄の「弱」に「0〜59」が割り当てられ、「強」に「60〜99」が割り当てられている。したがって、「変動態様」が「SPRはずれ」の場合に行われる予告Aの演出態様の確率は、「弱」が60%であり、「強」が40%である。
予告A演出態様抽選乱数値と比較する数値は、「変動態様」が「SPR当り」の場合、「ムービー予告の演出態様」欄の「弱」に「0〜29」が割り当てられ、「強」に「30〜99」が割り当てられている。したがって、「変動態様」が「NR当り」の場合に行われる予告Aの演出態様の確率は、「弱」が30%であり、「強」が70%である。
サブCPU200aは、上述のステップS2500において、予告Aのカテゴリとして「ムービー予告」を選択したら、サブRAM200cに設けられた予告A演出態様抽選乱数用カウンタから予告A演出態様抽選乱数値を取得し、実行中の図柄変動表示の変動パターンと、取得した予告A演出態様抽選乱数値と、サブROM200bから読み出したムービー予告用演出態様選択テーブルとに基づいて、予告Aの演出態様抽選を実行する。例えば、実行中の図柄変動表示の変動パターンがノーマルリーチ当りであり、取得した予告A系統抽選乱数値が「70」である場合には、サブCPU200aは、ムービー予告用演出態様選択テーブルの「図柄停止パターン」の「No.」「5」を参照し、予告A演出態様抽選乱数値「70」は数値範囲「40〜99」に含まれているため、演出態様として「強」を選択する。
本実施形態による遊技機1では、「変動態様」が「NR当り」、「SPRはずれ」および「SPR当り」の場合に、「ムービー予告の演出態様」の「弱」および「強」のそれぞれに基づく変動表示演出が実行される可能性がある。しかしながら、遊技機1は、「SPRはずれ」すなわちはずれの図柄変動表示に応じて「弱」に基づく変動表示演出が実行されやすく、「NR当り」および「SPR当り」すなわち大当りの図柄変動表示に応じて「強」に基づく変動表示演出が実行されやすい。このため、遊技機1は、「弱」または「強」に基づく変動表示演出を実行することにより、図柄変動表示が大当りになる可能性が高いか、あるいははずれになる可能性が高いかを遊技者に示唆することができる。
次に、事前演出等の演出態様について図42から図43を用いて説明する。図42は、ステップアップ演出や「ボタン→セリフ予告」のボタンセリフ演出に用いられる画像の一例を示している。
図42に示すように、ステップアップ演出やボタンセリフ演出に用いられる画像は、例えば、キャラクタα1と、キャラクタα1のセリフが表示される吹き出しα2とで構成されている。ステップアップ演出では、例えばキャラクタα1のセリフの内容が段階的に発展するように変更する(例えば、「熱→熱!→熱!!」などのように感嘆符の数が増加する)ことにより、演出内容の連続性を維持しながら予告内容が段階的に発展する態様であってもよい。また、ステップアップ演出に用いられる画像は、例えば、キャラクタα1のみで構成されていてもよい。この場合、ステップアップ演出では、例えばキャラクタα1が大当りを期待する顔に段階的に変化することにより、演出内容の連続性を維持しながら予告内容が段階的に発展される態様であってもよい。なお、事前演出等に用いられる画像は図42に示す画像に限られず、演出内容に連続性(例えば、カウントダウン、松竹梅、春夏秋冬など)があれば連続演出としてのステップアップ演出に用いることができる。
また、「ボタン→セリフ予告」によるボタンセリフ演出では、後述の演出操作装置56の操作を促す演出を行い、遊技者の演出操作装置56の操作を契機に予告A系統抽選結果に基づく色に着色された吹き出しα2を演出表示部50aに表示することにより、実行中または実行直前の図柄変動表示が大当りになるか否かを予告するようになっている。なお、「ボタン→セリフ予告」によるボタンセリフ演出は、図42に示す画像に限られず、ステップアップ演出に用いられる画像と異なっていてももちろんよい。
図43は、「先読み当該の変動」欄の「SU5」(図34および図35参照)や、「SU予告の演出態様」欄の「SU5」(図38参照)が選択された場合に用いられる画像の一例を示している。図43(a)は、図柄変動表示が大当りの場合に演出表示部50aに表示される画像の一例を示し、図43(b)は、図柄変動表示がはずれの場合に演出表示部50aに表示される画像の一例を示している。
図43(a)および図43(b)に示すように、「SU5」に対応する画像は、例えば、キャラクタα1と、キャラクタα1のセリフが表示される吹き出しα2とで構成されている。図43(a)に示すように、図柄変動表示が大当りの場合の「SU5」に対応する画像は、笑いながらVサインを出しているキャラクタα1と、「大当り!」の文字が表示された吹き出しα2とで構成される。一方、図43(b)に示すように、図柄変動表示がはずれの場合の「SU5」に対応する画像は、泣いているキャラクタα1と、「はずれ」の文字が表示された吹き出しα2とで構成される。なお、「SU5」に対応する画像は、図43に示す画像に限られず、他の画像であってももちろんよい。
図44は、予告Aの「ボタン→全画面表示予告」(図40参照)のボタン全画面演出に用いられる画像の一例を示している。図44(a)は、ボタン操作を促すために演出表示部50aに表示される画像の一例を示し、図44(b)は、図44(a)に示す画像が表示され、かつ遊技者がボタン操作を行った後に演出表示部50aの全画面に表示される画像の一例を示している。
図44(a)に示すように、予告Aの「ボタン→全画面表示予告」におけるボタン操作を促すために用いられる画像は、演出操作装置56(図2参照)を模式化した操作ボタンα3と、操作ボタンα3の上に表示された下向きの矢印と、当該矢印の上に表示された「Push」の文字とで構成される。図44(b)に示すように、予告Aの「ボタン→全画面表示予告」における全画面表示に用いられる画像は、輪郭に刻み目があり、かつ影のある吹き出しα4と、当該吹き出し内に表示される文字(図44(b)では「熱」の文字)とで構成される。
「ボタン→全画面表示予告」によるボタン全画面演出では、まず、操作ボタンα3の上に矢印および「Push」の文字を表示して演出操作装置56の操作(具体的には押下)を促す演出が行われる。当該演出に促された遊技者が演出操作装置56を操作すると、当該演出では、予告A系統抽選結果に基づく色に着色された文字を表示した吹き出しα4が演出表示部50aに表示されることにより、実行中または実行直前の図柄変動表示が大当りになるか否かが予告される。
次に、本実施形態による遊技機1が実行する事前演出等の具体的な態様について図45から図49を用いて説明する。
まず、先読みシナリオ1による事前演出が実行される例について図45および図46を用いて説明する。図45および図46は、演出表示装置50に備えられた演出表示部50aにおいて実行される図柄変動表示の表示態様を示している。
図45(a)に示すように、演出表示部50aの表示画面内のほぼ中央において、演出図柄40a、40b、40cが図中の下向きの太矢印に示す方向に順次回転移動する図柄変動表示が実行されている。この図柄変動表示中に、例えば第1始動口20(図45では不図示)に遊技球が入賞したとする。この遊技球の入賞を契機として、大当りの抽選に係る各種の乱数(特別図柄乱数、大当り図柄乱数および第1変動パターン乱数)が取得されるとともに、当該乱数がメインRAM100cの保留記憶領域に記憶される。本例では、当該乱数の取得時にすでに2個の第1保留が第1保留記憶領域の第1記憶部および第2記憶部に記憶されているとする。このため、取得された乱数は、第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶される。副制御基板200(図3参照)が第1保留が増加したことを示す情報を主制御基板100(図3参照)から受信すると、サブCPU200a(図3参照)は、画像制御基板210(図3参照)を介して演出表示装置50を制御する。これにより、図45(a)に示すように、演出表示部50aの表示画面内の下方左寄りに設けられた保留表示領域41のうちの保留表示部41cが点灯し、第1保留の保留数が「3」であることが報知される。
保留表示領域41は、第1保留数を示す表示領域である。具体的には、第1保留数が「1」である場合には保留表示部41aが点灯し、第1保留数が「2」である場合には保留表示部41a、41bが点灯し、第1保留数が「3」である場合には保留表示部41a、41b、41cが点灯し、第1保留数が「4」である場合には保留表示部41a、41b、41c、41dが点灯する。
また、保留表示部41dの右隣には、保留表示領域42が設けられている。保留表示領域42は、第2保留数を示す表示領域である。具体的には、第2保留数が「1」である場合には保留表示部42aが点灯し、第2保留数が「2」である場合には保留表示部42a、42bが点灯し、第2保留数が「3」である場合には保留表示部42a、42b、42cが点灯し、第2保留数が「4」である場合には保留表示部42a、42b、42c、42dが点灯する。本例では、第2保留の保留数は「0」であるため、保留表示部42a、42b、42c、42dは点灯していない。
また、メインCPU100aは、第1始動口20に遊技球が入賞したことを契機として、乱数の取得時に事前判定処理(図30参照)を実行する。メインCPU100aは、特別図柄の仮判定処理(ステップS331−3)において、取得した乱数(大当り図柄乱数)が大当りに係る特別図柄であると判定したとする。また、現時点は先読み禁止区間でなく、既存保留情報に不定値がなく、現在が先読み禁止の変動状態でないとする。
そうすると、メインCPU100aは、先読み予告系統関連処理(図31参照)において、入賞特図が所定の特別図柄であると判定し(ステップS332−1のYes)、先読み禁止区間でないと判定し(ステップS332−2のYes)、先読み状態でないと判定し(ステップS332−3のYes)、既存保留情報に不定値がなく、かつ現在が先読み禁止の変動状態でないと判定し(ステップS332−4のYes)、入賞時先読み開始抽選処理(ステップS332−5)を実行する。
第1記憶部に記憶された第1保留に基づく変動パターンの仮判定結果が「2.5秒停止」、すなわち短縮変動であったとする。メインCPU100aは、入賞時先読み開始抽選処理を実行し、当該抽選処理に当選したと判定したら(ステップS332−7のYes)、保留個数が3個であることを確認し(ステップ332−8)、保留内に短縮変動があることを確認し(ステップS332−9)、先読み予告系統抽選を実行する(ステップS332−10)。メインCPU100aは、先読み予告系統抽選において先読み予告系統抽選テーブルを参照し、当該抽選結果が事前演出の予告系統として先読みシナリオ1に当選したことを確認し(ステップS332−11)、副制御基板変動情報として先読みシナリオの番号(本例では「1」)をメインRAM100cの所定の記憶領域に記憶する(ステップS332−12)。また、メインCPU100aは、事前判定処理のステップS331−6の処理(図30参照)において、当該所定の記憶領域に記憶した先読みシナリオの番号「1」を読み出して、演出用伝送データ格納領域にセットする。
その後、副制御基板タイマ割込処理(図29参照)のコマンド解析処理(ステップS1200)において、サブCPU200aは、副制御基板先読み予告設定処理を実行する(図33参照)。サブCPU200aは、副制御基板変動情報を受信したと判定し(ステップS1200−1のYes)、副制御基板変動情報には先読みシナリオの番号「1」の情報が含まれているので、先読みシナリオ1の情報があると判定し(ステップS1200−2のYes)、先読みシナリオ1を送信バッファに設定する(ステップS1200−3)。また、サブCPU200aは、先読みシナリオ1設定テーブル(図34参照)を参照し、第1保留数が「3」であるため、当該演出態様として番号「No.」の「3」を選択し、「保留記憶領域番号」の「1」欄の「SU1」を第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶された第1保留に対応付け、「保留記憶領域番号」の「2」欄の「SU2」を第1保留記憶領域の第2記憶部に記憶された第2保留に対応付け、「保留記憶領域番号」の「3」欄の「SU3」を第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶された第3保留に対応付けてサブRAM200cの所定の記憶領域に記憶する。さらに、サブCPU200aは、先読みシナリオ1の演出態様とし「保留記憶番号」の「1」から「3」の各欄の「SU1」から「SU3」を送信バッファに設定する。
なお、図45(a)において、保留表示部41a、41b、41c、41dの点灯表示は、保留個数だけでなく、第1保留記憶領域の第1記憶部から第4記憶部に乱数が記憶されていることも示唆している。保留表示部41aが第1保留記憶領域の第1記憶部に対応し、保留表示部41bが第1保留記憶領域の第2記憶部に対応し、保留表示部41cが第1保留記憶領域の第3記憶部に対応し、保留表示部41dが第1保留記憶領域の第4記憶部に対応している。なお、第2保留記憶領域の第1記憶部から第4記憶部と、保留表示部42a、42b、42c、42dとの対応関係は、第1保留記憶領域を第2保留記憶領域と読み替え、保留表示部41a、41b、41c、41dを保留表示部42a、42b、42c、42dと読み替えた場合の第1保留記憶領域の第1記憶部から第4記憶部と、保留表示部41a、41b、41c、41dとの対応関係と同一であるため、説明は省略する。
図45(a)に示す図柄変動表示が開始されてから所定時間の経過後に、図45(b)に示すように、演出表示部50aの表示画面内のほぼ中央には、演出図柄40a、40b、40cとして「5」「3」「9」が停止表示される。これにより、当該図柄変動表示がはずれであることが遊技者に報知される。
演出表示部50aに「5」「3」「9」が停止表示されると、所定時間経過後に、メインCPU100aは、第1保留記憶領域の第1記憶部に格納された乱数を取得して、特別図柄変動開始処理(図19参照)の特別図柄決定処理(ステップS420−5)を実行し、当りか否かの当否判定の抽選処理、図柄変動表示において停止表示する特別図柄の抽選処理を実行する。本例では、当否判定結果は「はずれ」であり、特別図柄は「特別図柄X」であるとする。また、メインCPU100aは、変動パターン決定処理(図20参照)の変動パターンコマンドの決定処理(ステップS421−2)を実行し、変動パターンコマンド、すなわち図柄変動表示の変動パターンを決定する。本例では、変動パターンは「2.5秒停止」、すなわち「短縮変動」であるとする。
サブCPU200aは、主制御基板100から送信されたコマンドに基づいて、画像制御基板210を介して演出表示装置50を制御する。これにより、図45(c)に示すように、演出表示部50aの表示画面内のほぼ中央において、演出図柄40a、40b、40cが図中の下向きの太矢印に示す方向に順次回転移動する図柄変動表示が開始される。当該図柄変動表示が開始されることにより、1個の第1保留が消化されるため、第2記憶部に記憶されている各乱数は第1記憶部にシフトされ、第3記憶部に記憶されている各乱数は第2記憶部にシフトされて記憶される。第3記憶部に記憶されている各乱数が第2記憶部にシフトされること基づいて保留表示部41cが消灯する。これにより、第1保留の保留個数が2個に変化したことが報知される。
サブCPU200aは、先読みシナリオ1が設定されていると判定し(ステップS2000のYes)、送信バッファに設定された先読みシナリオ1の演出態様番号等を画像制御基板210に送信する。現時点では、サブCPU200aが先読みシナリオ1の演出態様を送信バッファに設定した後に、図柄変動表示が1回も実行されていない。このため、サブCPU200aは、開始した図柄変動表示に対応する乱数が先読みシナリオ1を設定した際の第1記憶部に記憶された乱数であると判断し、当該第1記憶部に対応付けられた演出態様の「SU1」をサブRAM200cの所定の記憶領域から読み出し、当該「SU1」の情報を演出態様番号等に含めて画像制御基板210に送信する。
画像制御基板210は、サブCPU200aから送信された先読みシナリオ1の「SU1」の情報を含む演出態様番号等に基づく事前演出コマンドを演出表示装置50に送信する(ステップS2100)。これにより、図45(c)に示すように、演出表示部50aの表示画面内のほぼ中央に、図柄変動表示中の演出図柄40a、40b、40cの前側に重畳して、キャラクタα1および吹き出しα2の画像が表示される。演出表示装置50から送信された事前演出コマンドには、先読みシナリオ1の演出態様として「SU1」の情報が含まれているので、例えば吹き出しα2内に「熱」の文字が表示され、1段階目のステップアップ演出が実行される。
図45(c)に示す図柄変動表示が開始されてから所定時間(2.5秒)の経過後に、図45(d)に示すように、演出表示部50aの表示画面内のほぼ中央には、演出図柄40a、40b、40cとして「5」「3」「8」が停止表示される。これにより、当該図柄変動表示がはずれであることが遊技者に報知される。
演出表示部50aに「5」「3」「8」が停止表示されると、所定時間経過後に、メインCPU100aは、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶された乱数(図45(b)では、第2記憶部に格納されていた乱数)を取得して、特別図柄変動開始処理(図19参照)の特別図柄決定処理(ステップS420−5)を実行し、当りか否かの当否判定の抽選処理および図柄変動表示において停止表示する特別図柄の抽選処理を実行する。本例では、当否判定結果は「はずれ」であり、特別図柄は「特別図柄X」であるとする。また、メインCPU100aは、変動パターン決定処理(図20参照)の変動パターンコマンドの決定処理(ステップS421−2)を実行し、変動パターンコマンド、すなわち図柄変動表示の変動パターンを決定する。本例では、変動パターンは「NRはずれ」(ノーマルリーチはずれ)であるとする。
サブCPU200aは、主制御基板100から送信されたコマンドに基づいて、画像制御基板210を介して演出表示装置50を制御する。これにより、図45(e)に示すように、演出表示部50aの表示画面内のほぼ中央において、演出図柄40a、40b、40cが図中の下向きの太矢印に示す方向に順次回転移動する図柄変動表示が開始される。当該図柄変動表示が開始されることにより、1個の第1保留が消化されるため、第2記憶部に記憶されている各乱数は第1記憶部にシフトされて記憶される。第2記憶部に記憶されている各乱数が第1記憶部にシフトされること基づいて保留表示部41bが消灯する。これにより、第1保留の保留個数が1個に変化したことが報知される。
サブCPU200aは、先読みシナリオ1が設定されていると判定し(ステップS2000のYes)、送信バッファに設定された先読みシナリオ1の演出態様番号等を画像制御基板210に送信する。現時点で、サブCPU200aが先読みシナリオ1の演出態様を送信バッファに設定した後に、図柄変動表示が1回実行されている。このため、サブCPU200aは、開始した図柄変動表示に対応する乱数が先読みシナリオ1を設定した際の第2記憶部に記憶された乱数であると判断し、当該第2記憶部に対応付けられた演出態様の「SU2」をサブRAM200cの所定の記憶領域から読み出し、当該「SU2」の情報を演出態様番号等に含めて画像制御基板210に送信する。画像制御基板210は、サブCPU200aから送信された先読みシナリオ1の「SU2」に基づく事前演出コマンドを演出表示装置50に送信する(ステップS2100)。これにより、図45(e)に示すように、演出表示部50aの表示画面内のほぼ中央に、図柄変動表示中の演出図柄40a、40b、40cの前側に重畳して、キャラクタα1および吹き出しα2の画像が表示される。演出表示装置50から送信された事前演出コマンドには、先読みシナリオ1の演出態様として「SU2」の情報が含まれているので、例えば吹き出しα2内に「熱!」の文字が表示される。これにより、演出表示部50aには、前回の図柄変動表示時に実行されたステップアップ演出と演出内容に連続性を有する2段階目のステップアップ演出が実行される。
図45(e)に示す図柄変動表示が開始されてから所定時間の経過後に、図45(f)に示すように、事前演出用の画像であるキャラクタα1および吹き出しα2が消去されるとともに、演出表示部50aの表示画面内のほぼ中央には、演出図柄40a、40cとして「7」がそれぞれ仮停止され、演出図柄40bの図柄変動表示が継続される。これにより、当該図柄変動表示がリーチ状態になったことが遊技者に報知される。
当該図柄変動表示がリーチ状態になってから所定時間の経過後に、図46(a)に示すように、演出表示部50aの表示画面内のほぼ中央には、演出図柄40a、40b、40cとして「7」「6」「7」が停止表示される。これにより、当該図柄変動表示がはずれであることが遊技者に報知される。
演出表示部50aに「7」「6」「7」が停止表示されると、所定時間経過後に、メインCPU100aは、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶された乱数(図45(b)では、第3記憶部に記憶されていた乱数)を取得して、特別図柄変動開始処理(図19参照)の特別図柄決定処理(ステップS420−5)を実行し、当りか否かの当否判定の抽選処理および図柄変動表示において停止表示する特別図柄の抽選処理を実行する。本例では、当否判定結果は「大当り」であり、特別図柄は「特別図柄A」であるとする。また、メインCPU100aは、変動パターン決定処理(図20参照)の変動パターンコマンドの決定処理(ステップS421−2)を実行し、変動パターンコマンド、すなわち図柄変動表示の変動パターンを決定する。本例では、変動パターンは「NR当り」(ノーマルリーチ当り)であるとする。
サブCPU200aは、主制御基板100から送信されたコマンドに基づいて、画像制御基板210を介して演出表示装置50を制御する。これにより、図46(b)に示すように、演出表示部50aの表示領域内のほぼ中央において、演出図柄40a、40b、40cが図中の下向きの太矢印に示す方向に順次回転移動する図柄変動表示が開始される。当該図柄変動表示が開始されることにより、1個の第1保留が消化されるため、保留表示部41aが消灯する。これにより、第1保留の保留個数が0個に変化したことが報知される。
サブCPU200aは、先読みシナリオ1が設定されていると判定し(ステップS2000のYes)、送信バッファに設定された先読みシナリオ1の演出態様番号等を画像制御基板210に送信する。現時点では、サブCPU200aが先読みシナリオ1の演出態様をメインRAM200cに記憶した後に、図柄変動表示が2回実行されている。このため、サブCPU200aは、開始した図柄変動表示に対応する乱数が先読みシナリオ1を設定した際の第3記憶部に記憶された乱数であって事前判定の対象の事前判定対象乱数であると判断する。このため、サブCPU200aは、当該第3記憶部に対応付けられた演出態様の「SU3」をサブRAM200cの所定の記憶領域から読み出し、当該「SU3」の情報を演出態様番号等に含めて画像制御基板210に送信する。さらに、サブCPU200aは、事前判定対象乱数に基づく図柄変動表示の当否判定結果を示唆する変動表示演出の演出態様の情報を画像制御基板210に送信するために、先読みシナリオ1設定テーブルを参照し、「先読み当該の変動」欄の「SU5」の情報を当該演出態様番号等に含めて画像制御基板210に送信する。画像制御基板210は、サブCPU200aから送信された先読みシナリオ1の「SU3」に基づく事前演出コマンドと図柄変動表示の当否判定結果を示唆するための変動表示演出コマンドとを演出表示装置50に送信する(ステップS2100)。
これにより、図46(b)に示すように、演出表示部50aの表示画面内のほぼ中央に、図柄変動表示中の演出図柄40a、40b、40cの前側に重畳して、キャラクタα1および吹き出しα2の画像が表示される。演出表示装置50から送信された事前演出コマンドには、先読みシナリオ1の演出態様として「SU3」の情報が含まれているので、例えば吹き出しα2内に「熱!!」の文字が表示される。これにより、演出表示部50aには、前回および前々回の図柄変動表示時に実行されたステップアップ演出と演出内容に連続性を有する3段階目のステップアップ演出が実行される。このように、本実施形態による遊技機1は、既記憶乱数に基づく図柄変動表示(図45(c)および図45(d)並びに図45(e)から図46(a)に示す図柄変動表示)から事前判定対象乱数に基づく図柄変動表示(図46(b)から後述の図46(e)に示す図柄変動表示)に亘って演出内容に連続性のある連続演出(「SU1」から「SU3」のステップアップ演出)を事前演出のカテゴリ(先読みシナリオ1)として決定できる。
図46(b)に示す図柄変動表示が開始されてから所定時間の経過後に、図46(c)に示すように、事前演出用の画像であるキャラクタα1および吹き出しα2が消去されるとともに、演出表示部50aの表示画面内のほぼ中央には、演出図柄40a、40cとして「7」がそれぞれ仮停止され、演出図柄40bの図柄変動表示が継続される。これにより、当該図柄変動表示がリーチ状態になったことが遊技者に報知される。
演出表示部50aは、変動表示演出コマンドを受信している。このため、当該図柄変動表示がリーチ状態になってから所定時間の経過後に、図46(d)に示すように、演出表示部50aの表示画面内のほぼ中央には、演出図柄40a、40b、40cの前側に重畳して、笑いながらVサインを出しているキャラクタα1および吹き出しα2の画像が表示される。演出表示装置50から送信された変動表示演出コマンドには、変動表示演出の演出態様として「SU5」の情報が含まれているので、事前判定対象乱数に基づく図柄変動表示に対応する変動表示演出として吹き出しα2内に「大当り!」の文字が表示される。これにより、当該図柄変動表示が大当りに当選することを示唆する変動表示演出が実行される。このように、本実施形態による遊技機1は、事前演出と当該図柄変動表示が大当りに当選することを示唆する変動表示演出とを連続性のある連続演出とすることができる。
キャラクタα1などによる変動表示演出が実行されてから所定時間の経過後に、演出図柄40a、40b、40cとして「7」「7」「7」が停止表示される。これにより、当該図柄変動表示が大当りであることが遊技者に報知される。
以上説明したように、本実施形態による遊技機1は、保留が消化される毎に事前演出の内容を決定するのではなく、始動口への遊技球の入賞時に事前演出のカテゴリおよび演出態様を決定するように構成されている。遊技機1は、当該遊技球の入賞前にすでに保留記憶領域に記憶された既記憶乱数に基づく図柄変動表示時に決定済みのカテゴリと同一カテゴリであってすでに決定済みの事前演出を実行できるように構成されている。このため、遊技機1は、始動口への遊技球の入賞時にすでに記憶されている既記憶乱数の個数によらず、連続性のある事前演出を実行できる。このように、複数の図柄変動表示に亘って連続性のある連続演出を実行できるので、遊技者の遊技意欲の喪失を防止できる。
また、事前演出のカテゴリがステップアップ演出の場合には、遊技機1は、事前演出のカテゴリ等を決定することの契機となった事前判定対象乱数に基づく図柄変動表示時に実行されるステップアップ数(段階)を、すでに保留記憶領域に記憶された既記憶乱数に基づく図柄変動表示時に実行されるステップアップ数よりも大きく設定することができるように構成されている。これにより、事前演出から変動表示演出に亘って連続性のある演出を実行できるので、遊技者の遊技意欲の喪失を防止できる。
また、遊技機1は、事前演出を図柄変動表示の開始と同時、あるいは図柄変動表示の変動期間の前半の期間に実行するように構成されている。これにより、遊技機1は、図柄変動表示で実行される演出(例えばリーチ演出)を事前演出が妨げるのを防止できる。
また、遊技機1は、同じカテゴリの演出を連続して実行することで、先読み予告としての演出とともに、通常時に行っている通常の予告演出自体にも先読み予告を行っているのかといった錯覚や違和感を遊技者に抱かせることができる。
また、事前演出と同じカテゴリの演出をガセ先読み時にも使用することができるため、現存のがっかりする弱い先読み予告演出よりも遊技者に対する訴求力を有しつつ、喪失感を軽減することができる。
次に、先読み予告系統抽選に当選せずに予告Aによる変動表示演出が実行される例について図47を用いて説明する。図47は、演出表示装置50に備えられた演出表示部50aにおいて実行される図柄変動表示の表示態様を示している。
図47(a)に示すように、演出表示部50aの表示画面内のほぼ中央において、演出図柄40a、40b、40cが図中の下向きの太矢印に示す方向に順次回転移動する図柄変動表示が実行されている。この図柄変動表示中に、例えば第1始動口20(図47では不図示)に遊技球が入賞したとする。この遊技球の入賞を契機として、大当りの抽選に係る各種の乱数(特別図柄乱数、大当り図柄乱数および第1変動パターン乱数)が取得されるとともに、当該乱数の乱数値がメインRAM100cの保留記憶領域に記憶される。本例では、当該乱数の取得時にすでに2個の第1保留が第1保留記憶領域の第1記憶部および第2記憶部に記憶されているとする。このため、取得された乱数は、第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶される。副制御基板200(図3参照)が第1保留が増加したことを示す情報を主制御基板100(図3参照)から受信すると、サブCPU200a(図3参照)は、画像制御基板210(図3参照)を介して演出表示装置50を制御する。これにより、図47(a)に示すように、演出表示部50a内の下方左寄りに設けられた保留表示領域41の保留表示部41cが点灯し、第1保留の保留数が「3」であることが報知される。
また、メインCPU100aは、第1始動口20に遊技球が入賞したことを契機として、乱数の取得時に事前判定処理(図30参照)を実行する。メインCPU100aは、特別図柄の仮判定処理(ステップS331−3)において、取得した乱数(大当り図柄乱数)が大当りに係る特別図柄であると判定したとする。また、メインRAM100cに先読み予告系統として先読みシナリオ1および先読みシナリオ2のいずれも記憶されていないため先読み状態でなく、現時点は先読み禁止区間でなく、既存保留情報に不定値がなく、現在が先読み禁止の変動状態でないとする。
そうすると、メインCPU100aは、先読み予告系統関連処理(図31参照)において、入賞特図が所定の特別図柄であると判定し(ステップS332−1のYes)、先読み禁止区間でないと判定し(ステップS332−2のYes)、先読み状態でないと判定し(ステップS332−3のYes)、既存保留情報に不定値がなく、かつ現在が先読み禁止の変動状態でないと判定し(ステップS332−4のYes)、入賞時先読み開始抽選処理(ステップS332−5)を実行する。
第1保留および第2保留に基づく変動パターンの仮判定結果がいずれも「2.5秒停止」、すなわち短縮変動以外の変動パターンであったとする。メインCPU100aは、入賞時先読み開始抽選処理を実行し、当該抽選処理に当選したと判定したら(ステップS332−7)、保留個数が3個であることを確認し(ステップ332−8)、保留内に短縮変動がないことを確認し(ステップS332−9)、先読み予告系統抽選を実行する(ステップS332−10)。メインCPU100aは、先読み予告系統抽選において先読み予告系統抽選テーブルを参照し、当該抽選結果が事前演出のカテゴリとして先読みシナリオ1および2のいずれにも当選せずはずれであることを確認し(ステップS332−11)、副制御基板変動情報として先読み予告系統抽選にはずれたことを示す情報(以下、「はずれ情報」と称する)をメインRAM100cの所定の記憶領域に記憶する(ステップS332−12)。また、メインCPU100aは、事前判定処理のステップS331−6の処理(図30参照)において、当該所定の記憶領域に記憶した当該はずれ情報を読み出して、演出用伝送データ格納領域にセットする。
その後、副制御基板タイマ割込処理(図29参照)のコマンド解析処理(ステップS1200)において、サブCPU200aは、副制御基板先読み予告設定処理を実行する(図33参照)。サブCPU200aは、副制御基板変動情報を受信したと判定し(ステップS1200−1のYes)、副制御基板変動情報には、はずれ情報はあるものの先読みシナリオ1の情報および先読みシナリオ2の情報のいずれもないと判定し(ステップS1200−2のNo、ステップS1200−4のNo)、副制御基板先読み予告設定処理を終了する。
図47(a)に示す図柄変動表示が開始されてから所定時間の経過後に、図47(b)に示すように、演出表示部50aの表示画面内のほぼ中央には、演出図柄40a、40b、40cとして「5」「3」「9」が停止表示される。これにより、当該図柄変動表示がはずれであることが遊技者に報知される。
演出表示部50aに「5」「3」「9」が停止表示されると、所定時間経過後に、メインCPU100aは、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶された乱数を取得して、特別図柄変動開始処理(図19参照)の特別図柄決定処理(ステップS420−5)を実行し、当りか否かの当否判定の抽選処理および図柄変動表示において停止表示する特別図柄の抽選処理を実行する。本例では、当否判定結果は「はずれ」であり、特別図柄は「特別図柄X」であるとする。また、メインCPU100aは、変動パターン決定処理(図20参照)の変動パターンコマンドの決定処理(ステップS421−2)を実行し、変動パターンコマンド、すなわち図柄変動表示の変動パターンを決定する。本例では、変動パターンは「NRはずれ」(ノーマルリーチはずれ)であるとする。
サブCPU200aは、主制御基板100から送信されたコマンドに基づいて、画像制御基板210を介して演出表示装置50を制御する。これにより、図47(c)に示すように、演出表示部50aの表示画面内のほぼ中央において、演出図柄40a、40b、40cが図中の下向きの太矢印に示す方向に順次回転移動する図柄変動表示が開始される。当該図柄変動表示が開始されることにより、1個の第1保留が消化されるため、第2記憶部に記憶されている各乱数は第1記憶部にシフトされ、第3記憶部に記憶されている各乱数は第2記憶部にシフトされて記憶される。第3記憶部に記憶されている各乱数が第2記憶部にシフトされること基づいて保留表示部41cが消灯する。これにより、第1保留の保留個数が2個に変化したことが報知される。
サブCPU200aは、先読みシナリオ1および先読みシナリオ2が設定されていないと判定し(ステップS2000のNo、ステップS2200のNo)、通常の予告抽選を実行して予告発生が可能と判定し(ステップS2400のYes)、予告A系統抽選テーブルを参照して予告A系統の抽選および設定処理を実行する(ステップS2500)。本例では、予告Aとして「SU予告」に当選したとする。変動パターンとして「NRはずれ」の情報が主制御基板100から送信されているので、サブCPU200aは、SU予告用演出態様選択テーブルを参照してSU予告の演出態様を決定する。本例では、SU予告の演出態様として「SU1」に当選したとする。サブCPU200aは、予告Aのカテゴリが「SU予告」であり、SU予告の演出態様が「SU1」であることを示す情報を送信バッファに設定し、画像制御基板210に送信する。
画像制御基板210は、サブCPU200aから送信された「SU予告」およびその演出態様に関する情報を含む変動表示演出コマンドを演出表示装置50に送信する(ステップS2600)。これにより、図47(c)に示すように、演出表示部50aの表示画面内のほぼ中央に、図柄変動表示中の演出図柄40a、40b、40cの前側に重畳して、キャラクタα1および吹き出しα2の画像が表示される。演出表示装置50から送信された変動表示演出コマンドには、予告Aのカテゴリが「SU予告」であり演出態様が「SU1」であることを示す情報が含まれているので、例えば吹き出しα2内に「熱」の文字が表示され、1段階目のステップアップ演出と同じ演出態様の変動表示演出が実行される。
図47(c)に示す図柄変動表示が開始されてから所定時間の経過後に、図47(d)に示すように、演出表示部50aの表示画面内のほぼ中央には、演出図柄40a、40cとして「7」がそれぞれ仮停止され、演出図柄40bの図柄変動表示が継続される。これにより、当該図柄変動表示がリーチ状態になったことが遊技者に報知される。
当該図柄変動表示がリーチ状態になってから所定時間の経過後に、図47(e)に示すように、事前演出用の画像であるキャラクタα1および吹き出しα2が消去されるとともに、演出表示部50aの表示画面内のほぼ中央には、演出図柄40a、40b、40cとして「7」「5」「7」が停止表示される。これにより、当該図柄変動表示がはずれであることが遊技者に報知される。
以上説明したように、本実施形態による遊技機1は、連続演出の一部の演出態様と、実行直前または実行中の図柄変動表示の当否判定の結果を示唆する変動表示演出の演出態様とを同じ態様にすることができる。これにより、遊技機1は、図柄変動表示に対応させて実行する通常の予告演出(すなわち、変動表示演出)を、事前演出であるのかのように遊技者に報知できる。このため、遊技機1は、通常時に発生して大当りとなることが期待できない予告(弱予告)が無駄な演出、いわゆる捨て演出となることを防止できる。
次に、先読みシナリオ2による事前演出が実行される例について図45、図48および図49を用いて説明する。図48および図49は、本例における、演出表示装置50に備えられた演出表示部50aにおいて実行される図柄変動表示の表示態様を示している。
図48(a)に示す図柄変動表示が開始される前に実行される図柄変動表示等について図45(a)から図45(d)を用いて説明する。
図45(a)に示すように、演出表示部50aの表示画面内のほぼ中央において、演出図柄40a、40b、40cが図中の下向きの太矢印に示す方向に順次回転移動する図柄変動表示が実行されている。この図柄変動表示中に、例えば第1始動口20(図45では不図示)に遊技球が入賞したとする。この遊技球の入賞を契機として、大当りの抽選に係る各種の乱数(特別図柄乱数、大当り図柄乱数および第1変動パターン乱数)が取得されるとともに、当該乱数はメインRAM100cの第1保留記憶領域に記憶される。本例では、当該乱数の取得時にすでに2個の第1保留が第1保留記憶領域の第1記憶部および第2記憶部に記憶されているとする。このため、取得された乱数は、第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶される。副制御基板200(図3参照)が第1保留の増加したことを示す情報を主制御基板100(図3参照)から受信すると、サブCPU200a(図3参照)は、画像制御基板210(図3参照)を介して演出表示装置50を制御する。これにより、図45(a)に示すように、演出表示部50aの表示画面内の下方左寄りに設けられた保留表示領域41の保留表示部41cが点灯し、第1保留の保留数が「3」であることが報知される。
また、メインCPU100aは、第1始動口20に遊技球が入賞したことを契機として、乱数の取得時に事前判定処理(図30参照)を実行する。メインCPU100aは、特別図柄の仮判定処理(ステップS331−3)において、取得した乱数(大当り図柄乱数)が大当りに係る特別図柄であると判定したとする。また、現時点は先読み禁止区間でなく、既存保留情報に不定値がなく、現在が先読み禁止の変動状態でないとする。
そうすると、メインCPU100aは、先読み予告系統関連処理(図31参照)において、入賞特図が所定の特別図柄であると判定し(ステップS332−1のYes)、先読み禁止区間でないと判定し(ステップS332−2のYes)、先読み状態でないと判定し(ステップS332−3のYes)、既存保留情報に不定値がなく、かつ現在が先読み禁止の変動状態でないと判定し(ステップS332−4のYes)、入賞時先読み開始抽選処理(ステップS332−5)を実行する。
メインCPU100aは、入賞時先読み開始抽選処理を実行し、当該抽選処理に当選したと判定したら(ステップS332−7)、保留個数が3個であることを確認し(ステップ332−8)、保留内に短縮変動がないことを確認し(ステップS332−9)、先読み予告系統抽選を実行する(ステップS332−10)。メインCPU100aは、先読み予告系統抽選において先読み予告系統抽選テーブルを参照し、当該抽選結果が事前演出のカテゴリとして先読みシナリオ2に当選したことを確認し(ステップS332−11)、副制御基板変動情報として先読みシナリオの番号(本例では「2」)をメインRAM100cの所定の記憶領域に記憶する(ステップS332−12)。また、メインCPU100aは、事前判定処理のステップS331−6の処理(図30参照)において、当該所定の記憶領域に記憶した先読みシナリオの番号「2」を読み出して、演出用伝送データ格納領域にセットする。
その後、副制御基板タイマ割込処理(図29参照)のコマンド解析処理(ステップS1200)において、サブCPU200aは、副制御基板先読み予告設定処理を実行する(図33参照)。サブCPU200aは、副制御基板変動情報を受信したと判定し(ステップS1200−1のYes)、副制御基板変動情報には先読みシナリオの番号「2」の情報が含まれているので、先読みシナリオ1の情報がないと判定し(ステップS1200−1のNo)、先読みシナリオ2の情報があると判定し(ステップS1200−2のYes)、先読みシナリオ2を送信バッファに設定する(ステップS1200−3)。
また、サブCPU200aは、先読みシナリオ2設定テーブル(図35参照)を参照し、第1保留数が「3」であるため、当該演出態様として番号「No.」の「3」を選択し、「保留記憶領域番号」の「1」欄の「SU4以下」のうちの「SU1」を第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶された第1保留に対応付け、「保留記憶領域番号」の「2」欄の「SU4以下」のうちの「SU1」および「SU2」を第1保留記憶領域の第2記憶部に記憶された第2保留に対応付け、「保留記憶領域番号」の「3」欄の「SU4以下」のうちの「SU1」、「SU2」および「SU3」を第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶された第3保留に対応付けてサブRAM200cの所定の記憶領域に記憶する。さらに、サブCPU200aは、先読みシナリオ2の演出態様として「保留記憶番号」の「1」から「3」の各欄の「SU1」、「SU1」および「SU2」、「SU1」から「SU3」を送信バッファに設定する。
図45(a)に示す図柄変動表示が開始されてから所定時間の経過後に、図45(b)に示すように、演出表示部50aの表示画面内のほぼ中央には、演出図柄40a、40b、40cとして「5」「3」「9」が停止表示される。これにより、当該図柄変動表示がはずれであることが遊技者に報知される。
演出表示部50aに「5」「3」「9」が停止表示されると、所定時間経過後に、メインCPU100aは、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶された乱数を取得して、特別図柄変動開始処理(図19参照)の特別図柄決定処理(ステップS420−5)を実行し、当りか否かの当否判定の抽選処理および図柄変動表示において停止表示する特別図柄の抽選処理を実行する。本例では、当否判定結果は「はずれ」であり、特別図柄は「特別図柄X」であるとする。また、メインCPU100aは、変動パターン決定処理(図20参照)の変動パターンコマンドの決定処理(ステップS421−2)を実行し、変動パターンコマンド、すなわち図柄変動表示の変動パターンを決定する。本例では、変動パターンは「12.5秒停止」(リーチなしの図柄変動表示)であるとする。
サブCPU200aは、主制御基板100から送信されたコマンドに基づいて、画像制御基板210を介して演出表示装置50を制御する。これにより、図45(c)に示すように、演出表示部50aの表示画面内のほぼ中央において、演出図柄40a、40b、40cが図中の下向きの太矢印に示す方向に順次回転移動する図柄変動表示が開始される。当該図柄変動表示が開始されることにより、1個の第1保留が消化されるため、第2記憶部に記憶されている各乱数は第1記憶部にシフトされ、第3記憶部に記憶されている各乱数は第2記憶部にシフトされて記憶される。第3記憶部に記憶されている各乱数が第2記憶部にシフトされること基づいて保留表示部41cが消灯する。
サブCPU200aは、先読みシナリオ1が設定されていないと判定し(ステップS2000のNo)、先読みシナリオ2が設定されていると判定し(ステップS2200のYes)、送信バッファに設定された先読みシナリオ2の演出態様番号等を画像制御基板210に送信する。現時点では、サブCPU200aが先読みシナリオ2の演出態様を送信バッファに設定した後に、図柄変動表示が1回も実行されていない。このため、サブCPU200aは、開始した図柄変動表示に対応する乱数が先読みシナリオ2を設定した際の第1記憶部に記憶された乱数であると判断し、当該第1記憶部に対応付けられた演出態様の「SU1」をサブRAM200cの所定の記憶領域から読み出し、当該「SU1」の情報を演出態様番号等に含めて画像制御基板210に送信する。
画像制御基板210は、サブCPU200aから送信された先読みシナリオ2の「SU1」の情報を含む演出態様番号等に基づく事前演出コマンドを演出表示装置50に送信する。これにより、図45(c)に示すように、演出表示部50aの表示画面内のほぼ中央に、図柄変動表示中の演出図柄40a、40b、40cの前側に重畳して、キャラクタα1および吹き出しα2の画像が表示される。演出表示装置50から送信された事前演出コマンドには、先読みシナリオ2の演出態様として「SU1」の情報が含まれているので、例えば吹き出しα2内に「熱」の文字が表示され、1段階目のステップアップ演出が実行される(ステップS2300)。
図45(c)に示す図柄変動表示が開始されてから所定時間(12.5秒)の経過後に、図45(d)に示すように、演出表示部50aの表示画面内のほぼ中央には、演出図柄40a、40b、40cとして「5」「3」「8」が停止表示される。これにより、当該図柄変動表示がはずれであることが遊技者に報知される。
演出表示部50aに「5」「3」「8」が停止表示されると、所定時間経過後に、メインCPU100aは、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶された乱数(図45(b)では、第2記憶部に記憶されていた乱数)を取得して、特別図柄変動開始処理(図19参照)の特別図柄決定処理(ステップS420−5)を実行し、当りか否かの当否判定の抽選処理および図柄変動表示において停止表示する特別図柄の抽選処理を実行する。本例では、当否判定結果は「はずれ」であり、特別図柄は「特別図柄X」であるとする。また、メインCPU100aは、変動パターン決定処理(図20参照)の変動パターンコマンドの決定処理(ステップS421−2)を実行し、変動パターンコマンド、すなわち図柄変動表示の変動パターンを決定する。本例では、変動パターンは「NRはずれ」(ノーマルリーチはずれ)であるとする。
サブCPU200aは、主制御基板100から送信されたコマンドに基づいて、画像制御基板210を介して演出表示装置50を制御する。これにより、図45(e)に示すように、演出表示部50aの表示画面内のほぼ中央において、演出図柄40a、40b、40cが図中の下向きの太矢印に示す方向に順次回転移動する図柄変動表示が開始される。当該図柄変動表示が開始されることにより、1個の第1保留が消化されるため、第2記憶部に記憶されている各乱数は第1記憶部にシフトされ記憶される。第2記憶部に記憶されている各乱数が第1記憶部にシフトされること基づいて保留表示部41bが消灯する。これにより、第1保留の保留個数が1個に変化したことが報知される。
サブCPU200aは、先読みシナリオ1が設定されていないと判定し(ステップS2000のNo)、先読みシナリオ2が設定されていると判定し(ステップS2200のYes)、送信バッファに設定された先読みシナリオ2の演出態様番号等を画像制御基板210に送信する。現時点では、サブCPU200aが先読みシナリオ2の演出態様を送信バッファに設定した後に、図柄変動表示が1回実行されている。このため、サブCPU200aは、開始した図柄変動表示に対応する乱数が先読みシナリオ2を設定した際の第2記憶部に記憶された乱数であると判断し、当該第2記憶部に対応付けられた演出態様の「SU1」および「SU2」をサブRAM200cの所定の記憶領域から読み出し、当該「SU1」および「SU2」の情報を演出態様番号等に含めて画像制御基板210に送信する。画像制御基板210は、サブCPU200aから送信された先読みシナリオ2の「SU1」および「SU2」に基づく事前演出コマンドを演出表示装置50に送信する。
これにより、図48(a)に示すように、演出表示部50aの表示画面内のほぼ中央に、図柄変動表示中の演出図柄40a、40b、40cの前側に重畳して、キャラクタα1および吹き出しα2の画像が表示される。演出表示装置50から送信された事前演出コマンドには、先読みシナリオ2の演出態様として例えば「SU1」および「SU2」がこの順に設定された情報が含まれている。このため、図48(a)に示すように、1番目に設定されている「SU1」に応じて、吹き出しα2内にまず、「熱」の文字が表示され、1段階目のステップアップ演出が実行される(ステップS2300)。続いて、図48(b)に示すように、2番目に設定されている「SU2」に応じて、吹き出しα2内に表示される文字が「熱!」に変更され、2段階目のステップアップ演出が実行される。これにより、演出表示部50aには、当該図柄変動表示の実行期間中に、演出内容に連続性を有する1段階目および2段階目のステップアップ演出が実行される。さらに、演出表示部50aには、前回の図柄変動表示時に実行されたステップアップ演出と同じ態様であって最終段階のレベルが1段階発展するという、演出内容に連続性を有するステップアップ演出が実行される。
図48(a)に示す図柄変動表示が開始されてから所定時間の経過後に、図48(c)に示すように、事前演出用の画像であるキャラクタα1および吹き出しα2が消去されるとともに、演出表示部50aの表示画面内のほぼ中央には、演出図柄40a、40cとして「7」がそれぞれ仮停止され、演出図柄40bの図柄変動表示が継続される。これにより、当該図柄変動表示がリーチ状態になったことが遊技者に報知される。
当該図柄変動表示がリーチ状態になってから所定時間の経過後に、図48(d)に示すように、演出表示部50aの表示画面内のほぼ中央には、演出図柄40a、40b、40cとして「7」「6」「7」が停止表示される。これにより、当該図柄変動表示がはずれであることが遊技者に報知される。
演出表示部50aに「7」「6」「7」が停止表示されると、所定時間経過後に、メインCPU100aは、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶された乱数(図45(b)では、第3記憶部に記憶されていた乱数)を取得して、特別図柄変動開始処理(図19参照)の特別図柄決定処理(ステップS420−5)を実行し、当りか否かの当否判定の抽選処理、図柄変動表示において停止表示する特別図柄の抽選処理を実行する。本例では、当否判定結果は「大当り」であり、特別図柄は「特別図柄A」であるとする。また、メインCPU100aは、変動パターン決定処理(図20参照)の変動パターンコマンドの決定処理(ステップS421−2)を実行し、変動パターンコマンド、すなわち図柄変動表示の変動パターンを決定する。本例では、変動パターンは「NR当り」(ノーマルリーチ当り)であるとする。
サブCPU200aは、主制御基板100から送信されたコマンドに基づいて、画像制御基板210を介して演出表示装置50を制御する。これにより、図48(e)に示すように、演出表示部50aの表示画面内のほぼ中央において、演出図柄40a、40b、40cが図中の下向きの太矢印に示す方向に順次回転移動する図柄変動表示が開始される。当該図柄変動表示が開始されることにより、1個の第1保留が消化されるため、第1記憶部に記憶されている各乱数は第1記憶部から削除される。各乱数が第1記憶部から削除されること基づいて保留表示部41aが消灯する。これにより、第1保留の保留個数が0個に変化したことが報知される。
サブCPU200aは、先読みシナリオ1が設定されておらず(ステップS2000のNo)、先読みシナリオ2が設定されていると判定し(ステップS2200のYes)、送信バッファに設定された先読みシナリオ2の演出態様番号等を画像制御基板210に送信する。現時点では、サブCPU200aが先読みシナリオ2の演出態様を送信バッファに設定した後に、図柄変動表示が2回実行されている。このため、サブCPU200aは、開始した図柄変動表示に対応する乱数が先読みシナリオ2を設定した際の第3記憶部に記憶された乱数であって事前判定の対象の事前判定対象乱数であると判断する。このため、サブCPU200aは、当該第3記憶部に対応付けられた演出態様の「SU1」、「SU2」および「SU3」をサブRAM200cの所定の記憶領域から読み出し、当該「SU1」、「SU2」および「SU3」の情報を演出態様番号等に含めて画像制御基板210に送信する。さらに、サブCPU200aは、事前判定対象乱数に基づく図柄変動表示の当否判定結果を示唆する変動表示演出の演出態様の情報を画像制御基板210に送信するために、先読みシナリオ2設定テーブルを参照し、「先読み当該の変動」欄の「SU5」の情報を当該演出態様番号等に含めて画像制御基板210に送信する。画像制御基板210は、サブCPU200aから送信された先読みシナリオ2の「SU1」、「SU2」および「SU3」に基づく事前演出コマンドと図柄変動表示の当否判定結果を示唆するための変動表示演出コマンドとを演出表示装置50に送信する(ステップS2100)。
これにより、図48(e)に示すように、演出表示部50aの表示画面内のほぼ中央に、図柄変動表示中の演出図柄40a、40b、40cの前側に重畳して、キャラクタα1および吹き出しα2の画像が表示される。演出表示装置50から送信された事前演出コマンドには、先読みシナリオ1の演出態様として例えば「SU1」、「SU2」および「SU3」がこの順に設定された情報が含まれている。このため、図48(e)に示すように、1番目に設定されている「SU1」に応じて、吹き出しα2内に、まず「熱」の文字が表示され、1段階目のステップアップ演出が実行される(ステップS2300)。続いて、図48(f)に示すように、2番目に設定されている「SU2」に応じて、吹き出しα2内に表示される文字が「熱!」に変更され、2段階目のステップアップ演出が実行される。続いて、図49(a)に示すように、3番目に設定されている「SU3」に応じて、吹き出しα2内に表示される文字が「熱!!」に変更され、3段階目のステップアップ演出が実行される。これにより、演出表示部50aには、当該図柄変動表示の実行期間中に、演出内容に連続性を有する1段階目から3段階目までのステップアップ演出が実行される。さらに、演出表示部50aには、前回および前々回の図柄変動表示時に実行されたステップアップ演出と同じ態様であって最終段階のレベルが前回よりも1段階発展し、前々回よりも2段階発展するという、演出内容に連続性を有するステップアップ演出が実行される。これにより、本実施形態による遊技機1は、先読みシナリオ1を実行する場合と同様に先読みシナリオ2を実行する場合も、既記憶乱数に基づく図柄変動表示から事前判定対象乱数に基づく図柄変動表示に亘って、演出内容に連続性のある連続演出を、事前判定対象乱数に基づく事前演出のカテゴリとして決定できる。
図48(e)に示す図柄変動表示が開始されてから所定時間の経過後に、図49(b)に示すように、事前演出用の画像であるキャラクタα1および吹き出しα2が消去されるとともに、演出表示部50aの表示画面内のほぼ中央には、演出図柄40a、40cとして「7」がそれぞれ仮停止され、演出図柄40bの図柄変動表示が継続される。これにより、当該図柄変動表示がリーチ状態になったことが遊技者に報知される。
当該図柄変動表示がリーチ状態になってから所定時間の経過後に、図49(c)に示すように、演出表示部50aの表示画面内のほぼ中央には、演出図柄40a、40b、40cの前側に重畳して、笑いながらVサインを出しているキャラクタα1および吹き出しα2の画像が表示される。演出表示装置50から送信された変動表示演出コマンドには、変動表示演出の演出態様として「SU5」の情報が含まれているので、事前判定対象乱数に基づく図柄変動表示に対応する変動表示演出として吹き出しα2内に「大当り!」の文字が表示される。これにより、当該図柄変動表示が大当りに当選することを示唆する変動表示演出が実行される。このように、本実施形態による遊技機1は、先読みシナリオ1を実行する場合と同様に先読みシナリオ2を実行する場合も、事前演出と当該図柄変動表示の当否判定結果を示唆する変動表示演出とを演出内容に連続性のある演出態様とすることができる。
キャラクタα1などによる変動表示演出が実行されてから所定時間の経過後に、当該変動表示演出が終了するとともに、演出図柄40a、40b、40cとして「7」「7」「7」が停止表示される。これにより、当該図柄変動表示が大当りであることが遊技者に報知される。
以上説明したように、本実施形態による遊技機1は、事前判定対象乱数に基づく図柄変動表示の実行まで、当該図柄変動表示において実行される変動表示演出と同一系統(同一カテゴリ)であって大当りに当選することの期待度が低い事前演出を連続して出現させることができる。また、本実施形態による遊技機1は、一の図柄変動表示毎に演出内容に連続性のある連続演出を実行できる。これより、遊技機1は、一の図柄変動表示毎に演出が完結していると遊技者に思わせることができる。また、遊技機1は、図柄変動表示が実行される度に、同じ演出態様であってステップアップ演出の段階が発展していく(本例では、1段階発展するが、2段階以上発展してもよい)という、演出内容に連続性のある連続演出を実行できる。また、遊技機1は、図柄変動表示が実行される度にステップアップ演出の段階を発展していくことにより、事前判定対象乱数に基づく図柄変動表示を遊技者に見抜かれ難くできる。
本発明は、上記実施の形態に限らず、種々の変形が可能である。
上記実施形態による遊技機1は、事前演出対象乱数および既記憶乱数に基づく図柄変動表示時に、実行する事前演出を設定するように構成されているが、本発明はこれに限られない。
例えば、遊技機1は、事前判定対象乱数の入賞時に、当該事前判定対象乱数の後に入賞する乱数に対しても、同一カテゴリの事前演出を設定できるように構成されていてもよい。この場合、遊技機1は、例えば当該事前判定対象乱数の後に入賞する乱数がはずれであることを前提に事前演出を設定しておき、当該乱数が実際に記憶された際に実行した事前判定で大当りと判定されたら、設定された事前演出の情報を破棄し、事前演出を終了するように構成されていてもよい。これにより、遊技機1は、演出内容に連続性のある連続演出を複数の図柄変動表示に亘って実行できる一方、大当りに係る乱数が取得された場合には、当該連続演出を終了できるので、演出内容の連続性が失われることや演出内容に矛盾が生じることを防止しつつ、遊技者の期待感を維持することができる。
また、例えば、遊技機1は、事前演出を設定した後に取得された乱数の事前判定結果が大当りである場合には、取得された当該乱数に基づく変動表示演出の演出態様をすでに設定されている事前演出と同一の演出態様に設定できるように構成されていてもよい。これにより、遊技機1は、事前演出から変動表示演出まで連続性のある演出により大当りを報知できるので、興趣の向上を図ることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。