JP6121825B2 - エポキシ樹脂エマルション - Google Patents
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Description
特に塗料用途には、エポキシ樹脂エマルションが多く使用されている。該エポキシ樹脂エマルションは、樹脂微粒子が水中に分散した形態を有するため、これを使用する際には樹脂微粒子同士の合着やそれに伴う沈降を抑制して樹脂微粒子を水中で安定に分散させ貯蔵安定性に優れたものとするために通常界面活性剤が用いられる。
しかし、界面活性剤は焼付け後の塗膜等において、水溶性の未反応物として残存して塗料の耐水性が悪化するという問題があることから、従来その改善が種々図られている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、特許文献2においては、分散に用いる界面活性剤の使用量を少なくすることで塗膜等の耐水性の改善が図られている。しかしながら、該方法により耐水性は多少改善されるものの界面活性剤の使用量が少ないことからエマルション樹脂微粒子が凝集しやすくなり、貯蔵安定性に欠けるという問題がある。
本発明は、優れた貯蔵安定性を有し、耐水性に優れる塗膜を与えるエポキシ樹脂エマルションを提供することを目的とする。なお、本発明における貯蔵安定性は、室温で静置したとき、エマルションの粒径が変化しないことを、また、耐水性は塗膜の水への浸漬時に膨れがないことを意味することとし、それぞれは後述の方法により評価することができる。
Q-OCONH-G-(NHCOO-J-OCONH-G)m-NHCOO-Q (1)
Z-O-T (2)
[式(1)中、Qは1価の(多環)フェノール(a1)もしくはそのアルキレンオキシド付加物(a2)からOH基を除いた残基、Gはジイソシアネート(b)からNCO基を除いた残基、Jはポリアルキレングリコール(a3)からOH基を除いた残基、mは1〜3の数;式(2)中、Zは1価の(多環)フェノール(a1)からOH基を除いた残基、Tはポリアルキレングリコール(a3)から1個のOH基を除いた残基を表す。
(1)貯蔵安定性に優れる。
(2)該エマルションの硬化塗膜は耐水性に優れる。
本発明におけるエポキシ樹脂(A)は、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を含有し、活性水素を含有しないポリエポキシドであり、芳香環含有、脂肪族、脂環含有および複素環含有ポリエポキシド等が挙げられる。ここにおける活性水素とは、カルボキシル基、アミノ基、水酸基等が有する水素イオンとして脱離しやすい水素を意味するものとする。
多価フェノールのポリグリシジルエーテルを構成する多価フェノールとしては、2価〜10価またはそれ以上の、炭素数(以下Cと略記)6以上かつ数平均分子量[以下Mnと略記。測定は後述の条件でのゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による。]10,000以下の多価フェノール(ビスフェノールA、−F、−B、−ADおよび−S、ハロゲン化ビスフェノールA等)が挙げられ、それらのグリシジルエーテルとしては、ジグリシジルエーテル[ビスフェノールA、−F、−B、−AD、−S、ハロゲン化ビスフェノールA、ピロカテキン、レゾルシノール、ハイドロキノン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシビフェニルおよびオクタクロロ−4,4'−ジヒドロキ
シビフェニル等の各ジグリシジルエーテル等]、トリグリシジルエーテル[ピロガロールトリグリシジルエーテル等]、その他の2価〜10価またはそれ以上のポリグリシジルエーテル[フェノールもしくはクレゾールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル、ビスフェノールA2モルとエピクロロヒドリン3モルまたはそれ以上との反応から得られるポリグリシジルエーテル、フェノールとグリオキザール、グルタールアルデヒドもしくはホルムアルデヒドとの縮合反応によって得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテル、レゾルシンとアセトンの縮合反応によって得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテル等]が挙げられる。
脂肪族多価アルコールのポリグリシジルエーテルを構成する多価アルコールとしては、C2以上かつMn1,000以下の多価アルコール[エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール(以下それぞれEG、PG、TMG、PEG、PPG、TMP、GR、PE、SOと略記)等]が挙げられ、それらのポリグリシジルエーテルとしては、ジグリシジルエーテル[EGジグリシジルエーテル、PGジグリシジルエーテル、TMGジグリシジルエーテル、PEG(Mn100〜1,000)ジグリシジルエーテル、PPG(Mn100〜1,500)ジグリシジルエーテル等]、トリグリシジルエーテル[TMPトリグリシジルエーテルおよびGRトリグリシジルエーテル等]、4価以上のポリグリシジルエーテル[PEテトラグリシジルエーテル、SOポリグリシジルエーテル、SOポリグリシジルエーテル、ジPEポリグリシジルエーテル、ポリ(重合度2〜20)GRポリグリシジルエーテル等]等が挙げられる。
脂肪族ポリグリシジルアミンとしては、2〜6価でC2〜24の脂肪族アミンのポリグリシジルアミン、例えばエチレンジアミンのテトラグリシジルアミンが挙げられる。
(A)のエポキシ当量(g/eq)は、エマルションの貯蔵安定性および塗膜の耐水性の観点から好ましくは100〜10,000、さらに好ましくは200〜2,000である。
装置 :「Alliance」[商品名、日本ウォーターズ(株)製]
カラム :次の4本のカラム[いずれも東ソー(株)製]を直列に連結して使用。
Guardcolumn Super H−L
TSKgel Super H4000
TSKgel Super H3000
TSKgel Super H2000
溶媒 :テトラヒドロフラン(THF)
基準物質:エポキシ樹脂の場合はポリスチレン、界面活性剤の場合はPEG
試料溶液:0.25重量%のTHF溶液
検出装置:屈折率検出器
測定温度:40℃
本発明における界面活性剤(B)は、下記一般式(1)で表される界面活性剤(B1)、および下記一般式(2)で表される界面活性剤(B2)を含有してなる。
Q-OCONH-G-(NHCOO-J-OCONH-G)m-NHCOO-Q (1)
Z-O-T (2)
Gはジイソシアネート(b)からNCO基を除いた残基、Jはポリアルキレングリコール(以下PAGと略記)(a3)からOH基を除いた残基、mは1〜3の数を表す。
式(1)におけるmが1未満では乳化力が悪くなり、3を超えるとエポキシ樹脂エマルションの貯蔵安定性が悪くなる。
また、式(2)中、Zは1価の(多環)フェノール(a1)からOH基を除いた残基、TはPAG(a3)から1個のOH基を除いた残基を表す。
(a1)のうち、単環フェノール化合物としては、フェノール、アルキル(C1〜18)フェノール(クレゾール、エチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール等)等が挙げられる。
AOとしては、C2〜30のもの、例えばEO、PO、1,2−、1,3−および2,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、α−オレフィン(C4〜30)オキサイド、エピクロロヒドリン、スチレンオキサイド、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち界面活性剤(B)の乳化力の観点から好ましいのはEOである。
AOが2種以上の混合物の場合のAOの付加形式は、(B)の乳化力の観点からランダムおよび/またはブロックが好ましい。
AOの付加モル数は、(B)の乳化力およびエポキシ樹脂エマルションの貯蔵安定性の観点から好ましくは1〜50モル、さらに好ましく2〜40モル、とくに好ましくは3〜30モルである。
(b41)C(NCO基中の炭素を除く、以下同様)2〜18の脂肪族ジイソシアネート
エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等;
イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロへキセン等;
1,3−および1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,4’−および4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート等;
m−およびp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等;
カーボジイミド基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、ウレア基等を有するジイソシアネート変性物等。
これらのうち、エポキシ樹脂エマルションの貯蔵安定性の観点から好ましいのはHDI、TDIおよびIPDIである。
界面活性剤(B1)は、次の手順で製造することができる。
(多環)フェノール化合物(a1)もしくはそのAO付加物(a2)、PAG(a3)およびジイソシアネート(b)を一括して仕込みウレタン化反応させて(B1)を得る。
また、(a1)もしくは(a2)と、(a3)とのモル比は、乳化力の最適化の観点から好ましくは0.7〜2、さらに好ましくは0.8〜1.5である。
界面活性剤(B1)は、以下の手順で製造することができる。
(1)ジイソシアネート(b)とPAG(a3)を反応させて、両末端NCO基を有するウレタンプレポリマーを得る。
(2)該ウレタンプレポリマーと1価の(多環)フェノール化合物(a1)もしくはそのAO付加物(a2)を反応させて(B1)を得る。
ウレタンプレポリマーのNCO%(重量%)は、安定性および反応性の観点から好ましくは0.3〜1.0%、さらに好ましくは0.4〜0.6%である。
上記(2)のウレタンプレポリマーと(a1)もしくは(a2)とのウレタン化反応におけるNCO/OH当量比は、安定性および乳化力の観点から好ましくは0.8〜1.3、さらに好ましくは0.9〜1.1である。
反応時間は、反応性および安定性、副生物抑制の観点から好ましくは0.1〜30時間、さらに好ましくは0.1〜8時間である。
また、該ウレタン化反応は、生成物の安定性の観点から無溶剤またはジイソシアネートに対して不活性な有機溶剤中で行なうことが好ましい。
該有機溶剤としては、アセトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキサイド、トルエン、ジオキサン等が挙げられる。該有機溶剤は、揮発性有機化合物(VOC)低減の観点から界面活性剤(B1)生成後に留去するのが好ましい。
すなわち、各官能基の無機性(親水性)または有機性(疎水性)の数値(上記文献の第3・3・11表参照)を用いて、界面活性剤(B)中の疎水基の種類とその含有量から無機性の値を求め、また、親水基の種類とその含有量から有機性の値を求め、以下の式によりHLBを計算する。
HLB=10×(無機性/有機性)
また、(B2)のAO含量[(B2)中のAOが占める重量%を示す。]は、同様の観点から好ましくは30〜70%、さらに好ましくは40〜60%である。
(a4)としては、例えば、水;前記多価アルコール(EG、PG、TMG、PEG、PPG、TMP、GR、PE、SO等);ジアミン[C2〜6の脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン等)、C6〜15の脂環含有ジアミン(イソホロンジアミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン等)、C6〜15の芳香族ジアミン(4,4’−ジアミノジフェニルメタン等)等];モノアルカノールアミン(モノエタノールアミン等)、ヒドラジンまたはその誘導体(アジピン酸ジヒドラジド等)、およびこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。これらのうち好ましいのは多価アルコールであり、特に好ましいのはEGおよびTMGである。
1価脂肪族アルコール(a5−1)としては、例えば、C1〜18の飽和脂肪族1価アルコール(エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、オクチルアルコール、ラウリルアルコール、2−オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール等)、C1〜18の不飽和1価脂肪族アルコール(オレイルアルコール等)が挙げられる。
これらのうち好ましいのは1価脂肪族アルコールである。
硬化剤(C)としては、エポキシ基と反応し得る官能基を1分子中に2個[酸無水物基の場合は該官能基(カルボキシル基)を2個有するものとする]またはそれ以上(耐水性および貯蔵安定性の観点から好ましくは2〜10個)有する化合物であれば特に限定されることはなく、例えば、酸無水物(C1)、フェノール化合物(C2)、ヒドラジド化合物(C3)、グアニジン化合物(C4)、チオール化合物(C5)、イミダゾリン化合物(C6)が挙げられる。これらのうち、反応性の観点から好ましいのは酸無水物およびフェノール化合物である。次の例示では、エポキシ基と反応し得る異種の官能基を1分子中に2個またはそれ以上有するものも含まれる。
本発明における水性媒体(D)としては、水、メタノール、エタノール等が挙げられる。
これらのうち、VOC低減の観点から好ましいのは水である。
(D)の含有量は、(A)、(B)、(C)、(D)の合計重量に基づいて、貯蔵安定性およびレベリング性の観点から好ましくは30〜60%、さらに好ましくは40〜50%である。
本発明のエポキシ樹脂エマルション(X)には、本発明の効果を阻害しない範囲で必要により前記(B)以外の界面活性剤、充填剤、防腐剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、着色剤、増粘剤、レベリング剤、消泡剤、粘弾性調整剤および動的表面張力調整剤からなる群から選ばれる1種または2種以上の添加剤(E)を含有させることができる。
添加剤(E)全体の含有量は、添加剤添加後のエポキシ樹脂エマルション全重量に基づいて、通常30%以下、好ましくは0.1〜20%、さらに好ましくは0.2〜10%である。
(E1)の含有量は、添加剤添加後のエポキシ樹脂エマルション全重量に基づいて、通常10%以下、好ましくは0.1〜3%である。
(E2)の含有量は、添加剤添加後のエポキシ樹脂エマルション全重量に基づいて、通常10%以下、好ましくは0.1〜3%である。
(E3)の含有量は、添加剤添加後のエポキシ樹脂エマルション全重量に基づいて、通常10%以下、好ましくは0.1〜3%である。
(E4)の含有量は、添加剤添加後のエポキシ樹脂エマルション全重量に基づいて、通常10%以下、好ましくは0.1〜3%である。
(E5)の含有量は、添加剤添加後のエポキシ樹脂エマルション全重量に基づいて、通常10%以下、好ましくは0.5〜3%である。
染料としては、ニグロシン系、アニリン系等が挙げられる。
(E6)の含有量は、添加剤添加後のエポキシ樹脂エマルション全重量に基づいて、通常30%以下、好ましくは1〜10%である。
(E7)の含有量は、添加剤添加後のエポキシ樹脂エマルション全重量に基づいて、通常10%以下、好ましくは0.1〜5%である。
(E8)の含有量は、添加剤添加後のエポキシ樹脂エマルション全重量に基づいて、通常6%以下、好ましくは0.5〜3%である。
(E9)の含有量は、添加剤添加後のエポキシ樹脂エマルション全重量に基づいて、通常6%以下、好ましくは0.5〜3%である。
(E10)の含有量は、添加剤添加後のエポキシ樹脂エマルション全重量に基づいて、通常10%以下、好ましくは0.1〜5%である。
(E11)の含有量は、添加剤添加後のエポキシ樹脂エマルション全重量に基づいて、通常20%以下、好ましくは0.1〜10%である。
本発明のエポキシ樹脂エマルション(X)は、水性媒体中に、前記活性水素を含有しないエポキシ樹脂(A)、界面活性剤(B)および硬化剤(C)を含有してなる。
エポキシ樹脂エマルション(X)の製造方法としては次の[1]、[2]の方法等が挙げられる。
[1]エポキシ樹脂(A)の有機溶剤溶液に、界面活性剤(B)の水性溶媒溶液を加え、例えば35〜45℃で撹拌しながら、さらに水を滴下等により徐々に加え転相させてエマルション化しておき、ここに硬化剤(C)の水性溶媒溶液を加えて撹拌し、さらに加熱しながら減圧することで、水以外の溶剤を留去してエマルション(X)を製造する方法。
前記添加剤(E)は、上記(X)の製造工程の任意の段階で添加することができる。
[2]上記[1]におけるエポキシ樹脂(A)のエマルション化と同様にして、硬化剤(C)も別にエマルション化しておき、これらを後混合してエマルション(X)を製造する方法。
また、水性溶剤としては、水または水混和性溶媒[アルコール(C1〜3のもの、例えばメタノール、イソプロパノール)、ケトン(C3〜5のもの、例えばアセトン)等]と水との混合溶媒が挙げられる。これらのうち、脱溶媒の観点から好ましいのはメタノールおよびアセトンである。
(X)の25℃における粘度(mPa・s)は、タレ防止性およびハンドリング性の観点から、好ましくは2,000〜100,000、さらに好ましくは3,000〜5,000である。
また、(X)中のエポキシ樹脂のメジアン径(μm)は、粘度および貯蔵安定性の観点から、好ましくは0.1〜50、さらに好ましくは0.2〜20である。
本発明の水性塗料は、前記エポキシ樹脂エマルション(X)を含有してなる。該水性塗料は、従来の水性塗料用塗装設備、または溶剤塗料用塗装設備である、スプレー塗装機を使用して塗装することができ、新規の設備を必要としない。
塗膜形成方法としては、被塗装物に対して、該水性塗料を、ウェット膜厚(塗布直後の膜厚)が、塗装効果および工業上の観点から好ましくは10〜200μm、さらに好ましくは20〜100μmとなるようにスプレー塗布する方法が挙げられる。
硬化後塗膜の膜厚は、塗装効果および工業上の観点から好ましくは10〜150μm、さらに好ましくは15〜50μmである。
反応容器に4−α−クミルフェノール25.5部およびルイス酸触媒「Galleon
Earth」[商品名、水澤化学工業(株)製、以下同じ。]2.3部を仕込み、撹拌下、系内を窒素ガスで置換し90℃に昇温した。同温度にてスチレン89.5部を3時間かけて滴下し、さらに同温度にて5時間反応(フリーデルクラフツ反応)させた。生成物を30℃に冷却後、触媒を濾別して、4−α−クミルフェノールのスチレン5モル付加物(B0−1)(Mnは940)100部を得た。
次に、耐圧反応容器に(B0−1)100部を仕込み、これにEO152部を公知の方法により付加反応させて(B0−1)のEO付加物(B2−1)(Mn2,000、EO含量57%)を得た。
別の反応容器に上記(B2−1)16.6部、PEG(a3−1)(Mn8,650)71.4部、リン酸0.024部を仕込み、110℃に昇温し、撹拌して釜内を均一とした。同温度にて減圧して水分が0.04%になるまで脱水した後、HDI 2.1部を仕込み、130℃で5時間反応させた。その後、100℃となったところで水210部を10分で投入することで界面活性剤(B1−1)の水溶液(濃度30%)を得た。(B1−1)は、Mn16,000であった。
製造例1において、使用原料を表1に従って変更したこと以外は製造例1と同様にして、製造例2〜5の各界面活性剤(B1−2)〜(B1−5)の各水溶液(いずれも濃度30%)を得た。結果を表1に示す。
反応容器にPEG(a3−1)(Mn8,650)71.4部、HDI 2.1部を仕込み、130℃で3時間反応させてプレポリマー(NCO0.2%)を得た。その後、(B2−1)16.6部を仕込み、同温度でさらに3時間反応させた、その後、100℃となったところで水210部を10分間で投入することで界面活性剤(B1−6)の水溶液(濃度30%)を得た。
製造例6において、使用原料を表1に従って変更したこと以外は製造例6と同様にして、各プレポリマー(NCO0.2%)を得た後、製造例7、8の各界面活性剤(B1−7)および(B1−8)の各水溶液(濃度30%)を得た。結果を表1に示す。
反応容器にキシレン400部を仕込み、窒素雰囲気下、80℃に昇温し、ビスフェノールAジグリシジルエーテル67部/コハク酸27部の混合物を6時間にわたって滴下した。滴下終了後、同温度にて5時間反応を継続させ、反応終了後、有機溶剤を減圧留去しエポキシ樹脂(A−2)を得た。(A−2)はMn2,500、水酸基価(mgKOH/g)125であった。
反応容器に酢酸エチル9.1部を仕込み、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(A−1)[商品名「EOCN−104S」、日本化薬(株)製、Mn1,700]43.8部を加えて溶解させ、これに界面活性剤(B2−1)2.5部を添加し、40℃で30分間撹拌した。その後、界面活性剤(B1−1)の水溶液(濃度30%)12.3部を添加して同温度で1時間撹拌した。その後、同温度で水41.4部を2時間で滴下して転相乳化させたものを50℃、減圧下(30kPa以下)で2時間脱溶剤してエマルション(X0−1)を得た。(X0−1)中の粒子のメジアン粒子径は0.2μmであった。
該(X0−1)100部に30%無水マレイン酸(C−1)水溶液24.8部を添加し、室温(25℃)で10分間撹拌混合してエポキシ樹脂エマルション(X−1)を得た。(X−1)中の粒子のメジアン径は0.2μmであった。
実施例1において、使用原料を表2、3に従って変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2〜13、比較例1〜17の各エポキシ樹脂エマルション(X−2)〜(X−13)、(比X−1)〜(比X−17)を得た。
得られたエポキシ樹脂エマルションについて以下の方法に従って評価を行った。結果を表2、3に示す。
(1)エマルション粒子のメジアン径
エマルション粒子のメジアン径は、光散乱理論を応用したレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置[商品名「LA−700」、(株)堀場製作所製]を用いて測定した値である。
JIS K5600−2−7の常温貯蔵安定性の操作に準拠して貯蔵安定性を評価した。すなわち、容量225ml、内径5cmの密閉できるガラス容器に180ml充填し、25℃で10日間静置したエポキシ樹脂エマルションについて、試験前後のメジアン粒子径の増加(単位:%)程度で評価した。
<評価基準>
○:メジアン粒子径の増加が50%未満
△:メジアン粒子径の増加が50%以上100%未満
×:メジアン粒子径の増加が100%以上
試験鋼板[JIS G3141に規定する0.5mm×80mm×150mmの冷間圧延鋼板(SPCC−SD)]の表面をメタノールで脱脂後、焼付け後の塗膜の厚さが30
〜40μmとなるようにエポキシ樹脂エマルションを塗布し、180℃、60分で焼付けて試験片を作製し、JIS K5600−6−2の浸せき手順に準拠して耐水性を目視による外観にて評価した。
<評価基準>
◎:膨れなし
○:膨れごくわずか
×:膨れ多くあり
Claims (4)
- 水性媒体中に、活性水素を含有しないエポキシ樹脂(A)、界面活性剤(B)および硬化剤(C)を含有するエポキシ樹脂エマルションにおいて、(B)が下記一般式(1)で表される界面活性剤(B1)、および下記一般式(2)で表される界面活性剤(B2)を含有してなる界面活性剤(B)であるエポキシ樹脂エマルション。
Q-OCONH-G-(NHCOO-J-OCONH-G)m-NHCOO-Q (1)
Z−O−T (2)
[式(1)中、Qは1価の(多環)フェノール(a1)もしくはそのアルキレンオキシド付加物(a2)からOH基を除いた残基、Gはジイソシアネート(b)からNCO基を除いた残基、Jはポリアルキレングリコール(a3)からOH基を除いた残基、mは1〜3の数;式(2)中、Zは1価の(多環)フェノール(a1)からOH基を除いた残基、Tはポリアルキレングリコール(a3)から1個のOH基を除いた残基を表し、式(1)、(2)における(a1)および(a3)はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。] - (B1)と(B2)の合計が、(A)の重量に基づいて1〜20%である請求項1記載のエマルション。
- (B1)と(B2)の重量比が、30/70〜95/5である請求項1または2記載のエマルション。
- 請求項1〜3のいずれか記載のエマルションを含有してなる水性塗料。
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