JP6121777B2 - 直管型放電ランプの梱包構造 - Google Patents
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Description
この直管型放電ランプは、両者の間で放電を行う一対の電極を内蔵するガラス製の直管型発光管と、発光管の両端部に位置するガラスからなる一対の封止部と、各電極に対して接続する一対の給電線と、を備えている。さらに直管型放電ランプは、各電極と各給電線の一端を接続する一対の給電部材(図示略)を備えており、各給電部材の一部を一対の封止部がそれぞれ覆っている。
各封止部は、発光管の管状をなす両端部(封止部に相当する部位)内に、給電部材を挿入した後に、当該両端部を加熱した後に潰す(ピンチシール)ことにより構成した略平板状の部位である。
直管型放電ランプを着脱可能に収納する梱包箱は、二つの分割収納体からなるものである。各分割収納体は同じ構造であり、その外形は一方向(直管型放電ランプの軸線方向)に延びる直方体である。両分割収納体の対向面には断面半円形かつ上記一方向に延びる分割凹部が凹設してある。
まずは、一対の封止部及び給電線を断面円形(環状)の緩衝材によって被覆する。
次いで、緩衝材と一体化した直管型放電ランプの半部を一方の分割収納体の分割凹部に収納し、かつ直管型放電ランプの残りの半部を他方の分割収納体の分割凹部に収納し、二つの分割収納体の対向面を互いに接触させる。すると2つの分割凹部によって断面円形の収納凹部が形成され、この収納凹部内に直管型放電ランプが収納される。さらに、封止部と給電線を覆う緩衝材が、収納凹部(二つの分割収納体の分割凹部)の内周面に密着する。一方、発光管の封止部以外の部分の外周面と収納凹部の内周面の間には(環状)の隙間が生じる。
しかしガラス製の封止部は、加熱しながら行われるピンチシール加工によって成形された部分であるため、直管型放電ランプの中で強度が低い部位である。そのため、梱包箱に衝撃力が掛かると封止部が破損するおそれがある。
なお、封止部の別タイプとして円筒形状のものも存在する(例えば特許文献2)。しかし、このタイプの封止部は放電ランプの製造時に加熱されながら変形(縮径)する部位なので、ピンチシール加工される封止部と同様に、その強度は低い。
さらに、上記緩衝材の上記円筒状部分との対向面が、上記緩衝材の上記収納凹部との対向面より平滑であってもよい。
しかし、この円筒状部分は発光管の製造時において、封止部のような加熱溶融による成形がなされない部分であるため、その強度は高い。そのため直管型放電ランプが破損するおそれを従来より小さくすることが可能である。
そして、緩衝材は梱包箱の収納凹部との対向面に複数の凸部を備えていて、収納凹部の内周面には、これらの凸部と係合可能な係合突起を備えているため、直管型放電ランプが梱包箱の内部においてガタつくおそれは限りなく小さい。
本実施形態の直管型放電ランプの梱包構造は、直管型放電ランプ10、梱包箱25、外装箱35、緩衝材37、及び環状緩衝材41を具備している。
図3、図4、図5に示す直管型放電ランプ10は、透明なガラス製の発光管11を具備している。発光管11は、その両端部を除いた部分を構成する発光部12と、両端部を構成する一対の封止部15と、を一体的に具備している。さらに発光部12は、一方向に沿って延びる円筒状の直管部13(円筒状部分)と、発光部12の両端部を構成する一対のテーパ状部14と、を有している。
図4に示すように発光部12の内部空間には電極17、18が固定状態で配設してある。
さらに直管型放電ランプ10は、電極17、18に対して一端が接続する給電部材20、22と、給電部材20、22の他端に対して自身の一端が接続する給電線21、23を備えている。
第一分割収納体26及び第二分割収納体27は同じ構造の枠体であり、共に弾性を有する樹脂(例えばポリエチレン・テレフタレート(PET))によって構成したものである。第一分割収納体26及び第二分割収納体27の外形は上記一方向に延びる直方体である。第一分割収納体26及び第二分割収納体27の一つの平面である対向面29には、断面半円形かつ上記一方向に延びる第一分割凹部30と第二分割凹部31がそれぞれ凹設してある。さらに第一分割凹部30と第二分割凹部31の内周面には複数(図6の第一分割収納体26に2つのみ図示)の係合突起32が突設してある。
第一分割収納体26と第二分割収納体27の対向面29同士を接触させると梱包箱25が完成する。第一分割収納体26と第二分割収納体27は、対向面29同士を接触させた後、テープなどで固定してもよい。
内側緩衝材38は展開形状が矩形形状をなすポリエチレン製のシート状部材であり、その厚みは数μm〜数mmである。
外側緩衝材39も展開形状が矩形形状をなすシート状部材であり、その厚みは数百μm〜数十mmである。外側緩衝材39は気泡緩衝材であり、その一方の面には空気が充填された凸部40が多数設けてあるので、外側緩衝材39は大きな衝撃吸収力を発揮可能である。
内側緩衝材38と外側緩衝材39は、内側緩衝材38の一方の面と外側緩衝材39の凸部40が設けられていない側の面とを重ね、両者の対向面を接着剤やテープによって一体化(固定又は仮止め)してある。内側緩衝材38の外側緩衝材39と反対側の面には凸部40のような突起は成形されておらず、内側緩衝材38の外側緩衝材39と反対側の面は外側緩衝材39の両面と比べてより平滑である。また内側緩衝材38の一方向(直管型放電ランプ10の軸線方向)の寸法は外側緩衝材39より長い。そのため内側緩衝材38と外側緩衝材39を重ねて緩衝材37を構成すると、内側緩衝材38の当該一方向の両端部は外側緩衝材39の外側に位置する(図5参照)。
環状緩衝材41は図8に示す断面略円形のスポンジ素材であり、外周面の一部には中心部側に向かって延びる切れ込み42が形成してある。
まず直管型放電ランプ10の発光部12の外周面に対して緩衝材37を巻き付ける。具体的には、緩衝材37(内側緩衝材38)の両端を一対のテーパ状部14(の一部)の外周側に位置させた状態で、内側緩衝材38の外側緩衝材39と反対側の面を発光部12の直管部13の外周面に密着させながら、直管型放電ランプ10の軸線回りに緩衝材37を直管型放電ランプ10に対して巻き付ける。緩衝材37(内側緩衝材38)の両端部は一対のテーパ状部14(の一部)と直管型放電ランプ10の径方向に対向するものの、緩衝材37(内側緩衝材38)の両端部とテーパ状部14の間には環状の隙間が形成される(内側緩衝材38はテーパ状部14に対して密着しない)。内側緩衝材38の一方向(直管型放電ランプ10の軸線方向)の寸法は外側緩衝材39より長いため、外側緩衝材39が直接直管部13に触れることがない。なお緩衝材37(外側緩衝材39)の外周側端部を緩衝材37(外側緩衝材39)の別の箇所に対してテープ等によって仮固定し、緩衝材37の直管型放電ランプ10に対する巻き付け状を仮保持してもよい。
さらに給電線21、23の中間部を折り畳み、給電線21、23の折り畳み部を環状緩衝材41の切れ込み42に対して挿入することにより、給電線21、23に対して環状緩衝材41をそれぞれ装着する。環状緩衝材41には、折り畳んだ給電線21、23がほどけて直管型放電ランプ10に接触し、直管型放電ランプ10が破損することを防ぐ役割もある。
さらに第二分割収納体27の対向面29を第一分割収納体26の対向面29に対して接触させて、第一分割凹部30及び第二分割凹部31により構成された断面円形の収納凹部の内部に直管型放電ランプ10、緩衝材37、及び環状緩衝材41の結合体を収納する。すると外側緩衝材39の上半部の外周面(凸部40)が第二分割凹部31の内周面に対して密着し、さらに2つの環状緩衝材41の上半部が第二分割凹部31の内周面に対して密着する。一方、発光管11のテーパ状部14(の一部)及び封止部15と第二分割凹部31の内周面との間には(環状)の隙間が生じる。
最後に外装箱35の内部空間に対して梱包箱25を挿入する。
しかし直管部13は発光管11の製造時に封止部15に対して行われるような成形(加工)がなされない部分であるため、その強度は(加熱しながらピンチシール加工が行われる封止部15に比べて)高い。しかも直管部13は円筒形状であるため、緩衝材37(内側緩衝材38)との接触面積が広い。さらに内側緩衝材38と外側緩衝材39とからなる二枚構造の緩衝材37が大きな衝撃吸収力(弾力性)を発揮し、かつ第一分割収納体26及び第二分割収納体27が弾性変形することにより衝撃吸収力を発揮する。そのため直管部13(及び発光管11)が破損するおそれは小さい。
一方、発光管11のテーパ状部14(の一部)及び封止部15と、第一分割凹部30及び第二分割凹部31の内周面との間には(環状)の隙間が存在する。そのため封止部15に伝わる衝撃力は弱いので、封止部15の破損を防ぐことが可能である。
緩衝材37(及び環状緩衝材41)を直管型放電ランプ10から取り外した後に、給電線21、23を電源(図示略)に接続して、該電源から直管型放電ランプ10に電流を流すと、一対の電極17、18間で放電が発生し直管型放電ランプ10が点灯する。直管型放電ランプ10から出射された光は、樹脂、接着剤、インク、フォトレジスタの硬化、乾燥、溶融、又は軟化といった様々な用途に利用可能である。
なお緩衝材37によってテーパ状部14及び封止部15を覆ってもよいが、この場合は、緩衝材37のテーパ状部14及び封止部15を覆う部分と第一分割凹部30及び第二分割凹部31の内周面との間に隙間を生じさせ、内側緩衝材38の上記一方向の両端部を外側緩衝材39の外側に位置させることが望ましい。
例えば、内側緩衝材38と外側緩衝材39を接着剤やテープによって一体化することなく、内側緩衝材38と外側緩衝材39を別々に直管型放電ランプ10に巻き付けても良い。
また緩衝材37を一枚構造としたり、三枚以上の複数枚構造としてもよい。但し、このような場合も、〈1〉緩衝材37の内周面(直管型放電ランプ10との対向面)を直管部13に対して貼り付き跡を残さない面により構成し、〈2〉かつ緩衝材37の外周面(第一分割凹部30、第二分割凹部31との対向面)を第一分割凹部30、第二分割凹部31に対して(スライド力に対して)大きな抵抗力を発揮可能な面により構成し、〈3〉さらに緩衝材37全体が大きな衝撃吸収力を発揮できるように構成するのが好ましい(〈1〉〈2〉〈3〉の一部のみを適宜選択してもよい)。
さらに緩衝材37を展開可能なシート体ではなく、筒状に形成されたもの(展開不能なもの)としてもよい。
また外側緩衝材39をスポンジ素材によって構成してもよい。
さらに発光管11の封止部を円筒形状タイプとしたり、発光部12からテーパ状部14を省略してもよい。
11 発光管
12 発光部
13 直管部(円筒状部分)
14 テーパ状部
15 封止部
17 電極
18 電極
20 給電部材
21 給電線
22 給電部材
23 給電線
25 梱包箱
26 第一分割収納体
27 第二分割収納体
29 対向面
30 第一分割凹部(収納凹部)
31 第二分割凹部(収納凹部)
32 係合突起
35 外装箱
36a 内蓋
36b 外蓋
37 緩衝材
38 内側緩衝材
39 外側緩衝材
40 凸部
41 環状緩衝材
42 切れ込み
Claims (8)
- 一対の電極を内蔵したガラス製の発光管の一部に円筒状部分を有する直管型放電ランプの梱包構造において、
上記直管型放電ランプを収納する収納凹部を有する梱包箱と、
上記直管型放電ランプと上記収納凹部の間に位置し、かつ上記円筒状部分の外周面と上記収納凹部の内周面とによって挟まれた緩衝材と、
を備え、
上記緩衝材が上記収納凹部との対向面に複数の凸部を備え、
上記収納凹部の内周面に、上記凸部と係合可能な係合突起を備えていることを特徴とする直管型放電ランプの梱包構造。 - 請求項1記載の直管型放電ランプの梱包構造において、
上記円筒状部分を除く上記発光管の外周面と上記収納凹部の内周面の間には隙間が生じている直管型放電ランプの梱包構造。 - 請求項1または2記載の直管型放電ランプの梱包構造において、
上記緩衝材は、
上記円筒状部分との対向面と上記収納凹部との対向面で表面構造が異なる直管型放電ランプの梱包構造。 - 請求項3記載の直管型放電ランプの梱包構造において、
上記緩衝材の上記円筒状部分との対向面が、上記緩衝材の上記収納凹部との対向面より平滑である直管型放電ランプの梱包構造。 - 請求項3または4記載の直管型放電ランプの梱包構造において、
上記緩衝材が、
上記円筒状部分との対向面を有する内側緩衝材と、
上記収納凹部との対向面を有する外側緩衝材と、
を備える直管型放電ランプの梱包構造。 - 請求項5記載の直管型放電ランプの梱包構造において、
上記緩衝材の複数の上記凸部は、上記外側緩衝材に備えられている直管型放電ランプの梱包構造。 - 請求項5または6記載の直管型放電ランプの梱包構造において、
上記内側緩衝材と上記外側緩衝材を一体化して、
上記内側緩衝材及び上記外側緩衝材を上記直管型放電ランプと上記収納部分の間に位置させたときに、上記直管型放電ランプの軸線方向に離間した上記内側緩衝材の両端部が上記外側緩衝材の両端部の外側に位置する直管型放電ランプの梱包構造。 - 請求項5から7のいずれか1項記載の直管型放電ランプの梱包構造において、
上記内側緩衝材がシート体であり、
上記外側緩衝材が気泡緩衝材からなるシート体であり、
上記内側緩衝材及び上記外側緩衝材を上記直管型放電ランプの表面に巻き付けた直管型放電ランプの梱包構造。
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