JP6119509B2 - 液体吐出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体吐出装置の吐出状態の検査に関する。
インクジェットタイプのプリンターは、キャビティ内のインクを吐出することによって印刷を行う。インクは、乾燥すると増粘する。キャビティ内のインクが増粘すると、吐出不良の原因となることがある。また、キャビティ内のインクに気泡が含まれたり、あるいは、紙粉がインクを吐出するノズルに付着すると、吐出不良の原因となることがある。よって、インクの吐出状態を検査することが好ましい。
特許文献1には、圧電素子を用いてキャビティ内のインクに振動を与え、その残留振動に対するインクの挙動を検知することによって、吐出状態を判定する手法が開示されている。
特開2004−276544号公報(図31)
ところで、インクの挙動は圧電素子の起電力によって検知される。従って、インクに振動を与える工程では圧電素子に検査用の駆動信号を印加し、インクの残留振動を検査する工程では、圧電素子から起電力を取り出す必要がある。より具体的には、特許文献1には、駆動信号を供給するドライバーと、起電力に基づいてヘッドの異常を検出するヘッド異常検出手段とを選択して圧電素子に接続するスイッチが開示されている。
しかしながら、駆動信号は大振幅であるのに対して、残留振動による圧電素子の起電力は小振幅である。圧電素子は容量性の負荷であるので、駆動信号の供給を止めても、駆動信号に応じた電位が圧電素子に保持される。このため、駆動信号の印加から起電力の検出に切り替え直後にヘッド異常検出手段に供給される圧電素子の電位は、切り替え直前の駆動信号の電位となる。よって、ヘッド異常検出手段のダイナミックレンジを大きくせざるを得ず、ヘッド異常検出手段に必要とされる電源電圧は、駆動信号を出力するドライバーと同様に高電圧が必要となるといった問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、残留振動に従った圧電素子の起電力の変化を検出する残留振動検出部の電源電圧を低下させることが可能な液体吐出装置を提供すること等を解決課題とする。
本発明に係る液体吐出装置の一態様によれば、液滴を吐出するノズルと、前記ノズルに連通する圧力室と、前記圧力室に対応して液滴を吐出するために設けられた圧電素子と、前記圧電素子を駆動するため駆動信号を生成する駆動信号生成部と、第1キャパシターと第1抵抗とを含む第1ハイパスフィルターと、前記駆動信号の印加後に起きる前記圧力室内の残留振動に従った前記圧電素子の起電力の変化を検出する残留振動検出部と、前記駆動信号を前記圧電素子に印加するか否かを切替可能に配置された第1スイッチと、前記起電力の変化を前記第1ハイパスフィルターに供給するか否かを切替可能に配置された第2スイッチと、前記圧電素子と前記第1スイッチと前記第2スイッチとを電気的に接続する第1ノードと、前記駆動信号生成部と前記第1スイッチとを電気的に接続する第2ノードと、前記第2スイッチと前記第1ハイパスフィルターとを電気的に接続する第3ノードと、を備え、前記残留振動検出部で検出される前記起電力の変化は、前記第1ハイパスフィルターを通過した第1出力信号に基づくことを特徴とする。
この液体吐出装置の一態様によれば、第1キャパシターを含む第1ハイパスフィルターを通過した第1出力信号が残留振動検出部に供給される。第1ハイパスフィルターは、低域周波数を除去するので、第2スイッチがオン状態となっても圧電素子と残留振動検出部は交流結合することになる。このため、残留振動検出部の電源電圧は、駆動信号のダイナミックレンジに対応しなくても、圧電素子の起電力に対応すればよい。よって、残留振動検出部の電源電圧を下げることが可能となり、さらに残留振動検出部は低電圧で動作すればよいので、その構成を簡素化できる。より具体的には、残留振動検出部の電源電圧は、駆動信号の振幅の最大値より低いことが好ましい。
上述した液体吐出装置の一態様において、前記第2ノードと前記第3ノードとの間に電気的に接続される第3抵抗を備えることが好ましい。圧電素子への駆動信号の供給から、圧電素子から起電力を残留振動検出部へ供給することに切り替える場合、第3ノードの電位が変化すると、スイッチングノイズが発生する。この態様によれば、第3ノードの電位を駆動信号によってバイアスすることができるので、上述した切り替えがあっても、第3ノードの電位の変化を抑制することができる。よって、スイッチングノイズの発生を抑制し、正確に残留振動を検出することが可能となる。くわえて、圧電素子で発生する電流が第3抵抗を流れることによって、電流を電圧に変換することができる。
上述した液体吐出装置の一態様において、前記第1抵抗の他方の端子には固定電位が供給され、前記第1抵抗と並列に設けられる第3スイッチを備えることが好ましい。この態様によれば、第3スイッチをオン状態にすることによって、残留振動を非検出とする期間において、残留振動検出部に大振幅の信号が入力されるのを防ぐことができる。これにより、残留振動検出部にノイズが入力されないようになる。特に、固定電位を残留振動検出部の電源電位の範囲内に設定することによって、残留振動検出部を構成する素子の耐圧を下げることができる。さらに、固定電位を高電源電位と低電源電位との略中心電位に設定することによって、第3スイッチをオン状態からオフ状態に遷移させても、残留振動検出部の入力信号の電位変化を低減できるので、残留振動を遅延なく的確に検出することが可能となる。
上述した液体吐出装置の一態様において、前記残留振動検出部は、前記第1出力信号の高域周波数成分を減衰させるローパスフィルターを備えることが好ましい。この態様によれば、残留振動を検出する周波数範囲を限定することで、高域周波数成分のノイズを抑圧することができる。
上述した液体吐出装置の一態様において、前記残留振動検出部は、前記第1出力信号の振幅を調整するゲイン調整部を備えることが好ましい。この態様によれば、最終的な利得を調整することが可能となる。
上述した液体吐出装置の一態様において、前記残留振動検出部は、前記第1出力信号が供給され、インピーダンスを変換してローインピーダンスの検出信号を出力するバッファアンプを備えることが好ましい。この態様によれば、バッファアンプによって、インピーダンスの調整を行うことができ、また、下流からの信号が残留振動検出部に逆流するのを防ぐことができる。
上述した液体吐出装置の一態様において、第2キャパシターと第2抵抗とを含む第2ハイパスフィルターを有し、前記残留振動検出部は、正入力端子と負入力端子とを有する差動増幅部を備え、前記差動増幅部の正入力端子には、前記第1出力信号と前記第2ハイパスフィルターを通過した第2出力信号とのうち一方が供給され、前記差動増幅部の負入力端子には、前記第1出力信号と前記第2出力信号とのうち他方が供給され、前記第2ハイパスフィルターには、前記駆動信号又は前記圧電素子に供給される固定電位が入力されることが好ましい。
この態様によれば、第2ハイパスフィルターに駆動信号が供給される場合には、第3抵抗の両端の電圧を差動増幅できる。一方、第2ハイパスフィルターに圧電素子に供給される固定電位が入力される場合には、当該固定電位に重畳する電源ノイズを差動増幅でキャンセルことができる。
上述した液体吐出装置の一態様において、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの状態には、前記第1スイッチがオン、且つ前記第2スイッチがオフとなる第1状態、前記第1スイッチがオン、且つ前記第2スイッチがオンとなる第2状態、前記第1スイッチがオフ、且つ前記第2スイッチがオンとなる第3状態が有り、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチは、前記第1状態、前記第2状態、前記第3状態の順、又は、前記第3状態、前記第2状態、前記第1状態の順に、制御されることが好ましい。
この態様によれば、第2状態において第2スイッチを介して駆動信号の電位に第3ノードがバイアスされた後、第3状態において第1スイッチがオン状態からオフ状態へ変化する。このため、第3ノードの電位は殆ど変化しない。よって、スイッチングノイズを大幅に低減することができる。
また、第2状態において第1スイッチを介して駆動信号の電位を圧電素子に供給した後、第1状態において第2スイッチがオン状態からオフ状態へ変化する。このため、第1ノードの電位は殆ど変化しない。よって、圧電素子に供給する駆動信号にスイッチングノイズが重畳することを抑圧できる。
上述した液体吐出装置の一態様において、前記第1スイッチ、前記第2スイッチ及び前記第3スイッチの状態には、前記第1スイッチがオン、前記第2スイッチがオフ且つ前記第3スイッチがオンとなる第1状態、前記第1スイッチがオン、前記第2スイッチがオン且つ前記第3スイッチがオンとなる第2状態、前記第1スイッチがオフ、前記第2スイッチがオン且つ前記第3スイッチがオフとなる第3状態が有り、前記第1スイッチ、前記第2スイッチ及び前記第3スイッチは、前記第1状態、前記第2状態、前記第3状態の順、又は前記第3状態、前記第2状態、前記第1状態の順に、制御されることが好ましい。
この態様によれば、第1状態及び第2状態ではクランプし、第3状態においてクランプを解除するので、第1状態においてハイパスフィルターから入力される大振幅のノイズをカットし、第2状態において第2スイッチを介して駆動信号の電位に第3ノードがバイアスされた後、第3状態において第1スイッチがオン状態からオフ状態へ変化すると共に、クランプを解除する。このため、第3ノードの電位は殆ど変化せず、スイッチングノイズを大幅に低減して、正確に残留振動を検出することが可能となる。
本発明の液体吐出装置の一種であるインクジェットプリンターの構成を示す 概略図である。 本発明のインクジェットプリンターの主要部を概略的に示すブロック図であ る。 図1に示すインクジェットプリンターにおけるヘッドユニット(インクジェ ットヘッド)の一例を示す概略的な断面図である。 4色インクを用いるヘッドユニットのノズルプレートのノズル配置パターン の一例である。 ヘッドユニットの他の例を示す概略的な断面図である。 駆動信号入力時のヘッドユニットの各状態を示す状態図である。 図3の振動板の残留振動を想定した単振動の計算モデルを示す回路図である。 図3の振動板の正常吐出の場合の残留振動の実験値と計算値との関係を示す グラフである。 図3のキャビティ内に気泡が混入した場合のノズル付近の概念図である。 キャビティへの気泡混入によりインク滴が吐出しなくなった状態における 残留振動の計算値及び実験値を示すグラフである。 図3のノズル付近のインクが乾燥により固着した場合のノズル付近の概念 図である。 ノズル付近のインクの乾燥増粘状態における残留振動の計算値及び実験 値を示すグラフである。 図3のノズル出口付近に紙粉が付着した場合のノズル付近の概念図である。 ノズル出口に紙粉が付着した状態における残留振動の計算値及び実験値 を示すグラフである。 ノズル付近に紙粉が付着した前後におけるノズルの状態を示す写真である。 吐出異常の検出に関係するインクジェットプリンター1の要部を示すブロック図である。 第1実施形態に係る選択部352Aと複数の圧電素子120との電気的な構成を示す回路図である。 第1実施形態に係る残留振動検出部356Aの構成を示す回路図である。 選択部352Aの動作を示すタイミングチャートである。 期間T1、T2、及びT6における選択部352Aのスイッチのオン状態及びオフ状態を示す説明図である。 期間T3及びT5における選択部352Aのスイッチのオン状態及びオフ状態を示す説明図である。 期間T4における選択部352Aのスイッチのオン状態及びオフ状態を示す説明図である。 計測部12の構成を示すブロック図である。 計測部12の動作を示すタイミングチャートである。 判定部14の判定結果と、位相データNTf、周期データNTc、NTfフラグ、及びNTcフラグの関係を示す説明図である。 残留振動の検出に着目した選択部352A及び圧電素子120の等価回路を示す回路図である。 第2実施形態に係る選択部352B及び複数の圧電素子120の構成を示す回路図である。 第2実施形態に係る残留振動検出部356Bの構成を示す回路図である。 第2実施形態の変形例に係る選択部352C及び複数の圧電素子120の構成を示す回路図である。 第3実施形態に係る選択部352D及び複数の圧電素子120の構成を示す回路図である。 選択部352Dの動作を示すタイミングチャートである。 第4実施形態に係る選択部352E及び複数の圧電素子120の構成を示す回路図である。 第4実施形態の変形例に係る選択部352F及び複数の圧電素子120の構成を示す回路図である。 変形例1に係る選択部352Eの構成を示す回路図である。 本発明におけるインクジェットヘッドの他の構成例の概略を示す断面図で ある。 本発明におけるインクジェットヘッドの他の構成例の概略を示す断面図である。
以下、本発明の液体吐出装置の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態は例示として挙げるものであり、これにより本発明の内容を限定的に解釈すべきではない。なお、以下、本実施形態では、一例として、インク(液状材料)を吐出して記録用紙(液滴受容物)に画像をプリントするインクジェットプリンターを用いて説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態における液体吐出装置の一種であるインクジェットプリンター1の構成を示す概略図である。なお、以下の説明では、図1中、上側を「上部」、下側を「下部」という。まず、このインクジェットプリンター1の構成について説明する。
図1に示すインクジェットプリンター1は、装置本体2を備えており、上部後方に記録用紙Pを設置するトレイ21と、下部前方に記録用紙Pを排出する排紙口22と、上部面に操作パネル7とが設けられている。
操作パネル7は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDランプ等で構成され、エラーメッセージ等を表示する表示部(図示せず)と、各種スイッチ等で構成される操作部(図示せず)とを備えている。この操作パネル7の表示部は、報知手段として機能する。
また、装置本体2の内部には、主に、往復動する印字手段(移動体)3を備える印刷装置(印刷手段)4と、記録用紙Pを印刷装置4に対し供給・排出する給紙装置(液滴受容物搬送手段)5と、印刷装置4及び給紙装置5を制御する制御部(制御手段)6とを有している。
制御部6の制御により、給紙装置5は、記録用紙Pを一枚ずつ間欠送りする。この記録用紙Pは、印字部3の下部近傍を通過する。このとき、印字部3が記録用紙Pの送り方向とほぼ直交する方向に往復移動して、記録用紙Pへの印刷が行われる。即ち、印字部3の往復動と記録用紙Pの間欠送りとが、印刷における主走査及び副走査となって、インクジェット方式の印刷が行われる。
印刷装置4は、印字部3と、印字部3を主走査方向に移動(往復動)させる駆動源となるキャリッジモーター41と、キャリッジモーター41の回転を受けて、印字部3を往復動させる往復動機構42とを備えている。
印字部3は、複数のヘッドユニット35と、各ヘッドユニット35にインクを供給するインクカートリッジ(I/C)31と、各ヘッドユニット35及びインクカートリッジ31を搭載したキャリッジ32とを有している。なお、インクの消費量が多いインクジェットプリンターの場合には、インクカートリッジ31がキャリッジ32に搭載されず別な場所に設置され、チューブでヘッドユニット35と連通されインクが供給されるように構成してもよい(図示せず)。
なお、インクカートリッジ31として、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(黒)の4色のインクを充填したものを用いることにより、フルカラー印刷が可能となる。この場合、印字部3には、各色にそれぞれ対応したヘッドユニット35(この構成については、後に詳述する。)が設けられることになる。ここで、図1では、4色のインクに対応した4つのインクカートリッジ31を示しているが、印字部3は、その他の色、例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ、ダークイエロー、特色インクなどのインクカートリッジ31をさらに備えるように構成されてもよい。
往復動機構42は、その両端をフレーム(図示せず)に支持されたキャリッジガイド軸422と、キャリッジガイド軸422と平行に延在するタイミングベルト421とを有している。
キャリッジ32は、往復動機構42のキャリッジガイド軸422に往復動自在に支持されるとともに、タイミングベルト421の一部に固定されている。
キャリッジモーター41の作動により、プーリを介してタイミングベルト421を正逆走行させると、キャリッジガイド軸422に案内されて、印字部3が往復動する。そして、この往復動の際に、印刷されるイメージデータ(印刷データ)に対応して、ヘッドユニット35の各インクジェットヘッド100から適宜インク滴が吐出され、記録用紙Pへの印刷が行われる。
給紙装置5は、その駆動源となる給紙モーター51と、給紙モーター51の作動により回転する給紙ローラ52とを有している。
給紙ローラ52は、記録用紙Pの搬送経路(記録用紙P)を挟んで上下に対向する従動ローラ52aと駆動ローラ52bとで構成され、駆動ローラ52bは給紙モーター51に連結されている。これにより、給紙ローラ52は、トレイ21に設置した多数枚の記録用紙Pを、印刷装置4に向かって1枚ずつ送り込んだり印刷装置4から1枚ずつ排出したりするようになっている。なお、トレイ21に代えて、記録用紙Pを収容する給紙カセットを着脱自在に装着し得るような構成であってもよい。
さらに給紙モーター51は、印字部3の往復動作と連動して、画像の解像度に応じた記録用紙Pの紙送りも行う。給紙動作と紙送り動作については、それぞれ別のモーターで行うことも可能であり、また、電磁クラッチなどのトルク伝達の切り替えを行う部品によって同じモーターで行うことも可能である。
制御部6は、例えば、パーソナルコンピューター(PC)やデジタルカメラ(DC)等のホストコンピューター8から入力された印刷データに基づいて、印刷装置4や給紙装置5等を制御することにより記録用紙Pに印刷処理を行うものである。また、制御部6は、操作パネル7の表示部にエラーメッセージ等を表示させ、あるいはLEDランプ等を点灯/点滅させるとともに、操作部から入力された各種スイッチの押下信号に基づいて、対応する処理を各部に実行させるものである。さらに、制御部6は、必要に応じてエラーメッセージや吐出異常などの情報をホストコンピューター8に転送することもある。
図2は、本発明のインクジェットプリンターの主要部を概略的に示すブロック図である。この図2において、本発明のインクジェットプリンター1は、ホストコンピューター8から入力された印刷データなどを受け取るインターフェース部9と、制御部6と、キャリッジモーター41と、キャリッジモーター41を駆動制御するキャリッジモータードライバー43と、給紙モーター51と、給紙モーター51を駆動制御する給紙モータードライバー53と、ヘッドユニット35と、ヘッドユニット35を駆動制御する駆動信号生成部33と、吐出異常検出部10と、回復機構24と、操作パネル7とを備える。
回復機構24は、ヘッドユニット35からインク滴を吐出不能となった場合に、ヘッドユニット35が正常に動作するように機能を回復させるための機構である。具体的には、回復機構24はフラッシング動作やワイピング動作を実行する。フラッシング動作は、ヘッドユニット35のキャップの装着時や、記録用紙にインク滴がかからない場所において、ヘッドユニット35のすべてのあるいは対象となるノズル110からインク滴を吐出するヘッドクリーニング動作である。また、ワイピング動作では、ノズルプレートをクリーニングするためにヘッド面に付着している付着物(紙粉やごみなど)を、ワイパで拭き取る。このときノズル110内が負圧になって、他の色のインクを引込んでしまう可能性がある。そこで、ワイピング動作後に、ヘッドユニット35のすべてのノズル110から一定量のインク滴を吐出させフラッシング動作が実施される。
なお、吐出異常検出部10及び駆動信号生成部33については、詳細を後述する。
この図2において、制御部6は、印刷処理や吐出異常検出処理などの各種処理を実行するCPU(Central Processing Unit)61と記憶部62とを備える。記憶部62は、ホストコンピューター8からインターフェース部9を介して入力される印刷データを図示しないデータ格納領域に格納する不揮発性半導体メモリーの一種であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)と、後述する吐出異常検出処理などを実行する際に各種データを一時的に格納し、あるいは印刷処理などのアプリケーションプログラムを一時的に展開するRAM(Random Access Memory)と、各部を制御する制御プログラム等を格納する不揮発性半導体メモリーの一種であるPROMとを備えている。なお、制御部6の各構成要素は、図示しないバスを介して電気的に接続されている。
上述のように、印字部3は、各色のインクに対応した複数のヘッドユニット35を備える。また、各ヘッドユニット35は、複数のノズル110と、これらの各ノズル241にそれぞれ対応する圧電素子200とを備える。即ち、ヘッドユニット35は、1組のノズル241及び圧電素子200を有してなるインクジェットヘッド100(液滴吐出ヘッド)を複数個備えた構成になっている。
また、制御部6には、図示しないが、例えば、インクカートリッジ31のインク残量、印字部3の位置、温度、湿度等の印刷環境等を検出可能な各種センサーが、それぞれ電気的に接続されている。
制御部6は、インターフェース部9を介して、ホストコンピューター8から印刷データを入手すると、その印刷データを記憶部62に格納する。そして、CPU61は、この印刷データに所定の処理を実行して、この処理データ及び各種センサーからの入力データに基づいて、駆動信号生成部33、各ドライバー43、53及びヘッドユニット35に制御信号を出力する。各ドライバー43、53を介してこれらの制御信号が入力されると、印刷装置4のキャリッジモーター41及び給紙装置5がそれぞれ作動する。これにより、記録用紙Pに印刷処理が実行される。
次に、各ヘッドユニット35の構造を説明する。図3は、図1に示すヘッドユニット35(インクジェットヘッド100)の概略的な断面図であり、図4は、図3に示すヘッドユニット35を適用した印字部3のノズル面の一例を示す平面図である。
図3に示すヘッドユニット35は、圧電素子200の駆動によりキャビティ245内のインク(液体)がノズル241から吐出するものである。このヘッドユニット35は、ノズル241が形成されたノズルプレート240と、キャビティプレート242と、振動板243と、複数の圧電素子200を積層してなる積層圧電素子201とを備えている。
キャビティプレート242は、所定の形状(凹部が形成されるような形状)に成形され、これにより、キャビティ245およびリザーバ246が形成される。キャビティ245とリザーバ246とは、インク供給口247を介して連通している。また、リザーバ246は、インク供給チューブ311を介してインクカートリッジ31と連通している。
積層圧電素子201の図3中下端は、中間層244を介して振動板243と接合されている。積層圧電素子201には、複数の外部電極248および内部電極249が接合されている。即ち、積層圧電素子201の外表面には、外部電極248が接合され、積層圧電素子201を構成する各圧電素子200同士の間(または各圧電素子の内部)には、内部電極249が設置されている。この場合、外部電極248と内部電極249の一部が、交互に、圧電素子200の厚さ方向に重なるように配置される。
そして、外部電極248と内部電極249との間に駆動信号生成部33より駆動電圧波形を印加することにより、積層圧電素子201が図3中の矢印で示すように変形して(図3上下方向に伸縮して)振動し、この振動により振動板243が振動する。この振動板243の振動によりキャビティ245の容積(キャビティ内の圧力)が変化し、キャビティ245内に充填されたインク(液体)がノズル241より液滴として吐出する。
液滴の吐出によりキャビティ245内で減少した液量は、リザーバ246からインクが供給されて補給される。また、リザーバ246へは、インクカートリッジ31からインク供給チューブ311を介してインクが供給される。
なお、図3に示すノズルプレート240に形成されたノズル241の配列パターンは、例えば、図4に示すノズル配置パターンのように、段をずらして配置される。また、このノズル110間のピッチは、印刷解像度(dpi:dot per inch)に応じて適宜設定され得るものである。なお、図5では、4色のインク(インクカートリッジ31)を適用した場合におけるノズル241の配置パターンを示している。
次に、ヘッドユニット35の他の例について説明する。図5に示すヘッドユニット35Aは、圧電素子200の駆動により振動板262が振動し、キャビティ258内のインク(液体)がノズル253から吐出するものである。ノズル(孔)253が形成されたステンレス鋼製のノズルプレート252には、ステンレス鋼製の金属プレート254が接着フィルム255を介して接合されており、さらにその上に同様のステンレス鋼製の金属プレート254が接着フィルム255を介して接合されている。そして、その上には、連通口形成プレート256およびキャビティプレート257が順次接合されている。
ノズルプレート252、金属プレート254、接着フィルム255、連通口形成プレート256及びキャビティプレート257は、それぞれ所定の形状(凹部が形成されるような形状)に成形され、これらを重ねることにより、キャビティ258およびリザーバ259が形成される。キャビティ258とリザーバ259とは、インク供給口260を介して連通している。また、リザーバ259は、インク取り入れ口261に連通している。
キャビティプレート257の上面開口部には、振動板262が設置され、この振動板262には、下部電極263を介して圧電素子200が接合されている。また、圧電素子200の下部電極263と反対側には、上部電極264が接合されている。駆動信号生成部33は、上部電極264と下部電極263との間に駆動電圧波形を印加(供給)することにより、圧電素子200が振動し、それに接合された振動板262が振動する。この振動板262の振動によりキャビティ258の容積(キャビティ内の圧力)が変化し、キャビティ258内に充填されたインク(液体)がノズル253より液滴として吐出する。
液滴の吐出によりキャビティ258内で減少した液量は、リザーバ259からインクが供給されて補給される。また、リザーバ259へは、インク取り入れ口261からインクが供給される。
次に、インク滴の吐出について、図6を参照しながら説明する。駆動信号生成部33から図3(図5)に示す圧電素子200に駆動電圧が印加されると、圧電素子200において伸縮あるいはそりなどの機械力が発生する。このため、振動板243(262)は、図6(a)に示す初期状態に対して、図3(図5)中の上方向へ撓み、図6(b)に示すようにキャビティ245(258)の容積が拡大する。この状態において、駆動信号生成部33の制御により、駆動電圧を変化させると、振動板243(262)は、その弾性復元力によって復元し、初期状態における振動板243(262)の位置を越えて下方向に移動し、図6(c)に示すようにキャビティ245(258)の容積が急激に収縮する。このときキャビティ245(258)内に発生する圧縮圧力により、キャビティ245(258)を満たすインク(液状材料)の一部が、このキャビティ245(258)に連通しているノズル241(253)からインク滴として吐出される。
各キャビティ245の振動板243は、この一連の動作(駆動信号生成部33の駆動信号によるインク吐出動作)により、次の駆動信号(駆動電圧)が入力されて再びインク滴を吐出するまでの間、減衰振動をしている。以下、この減衰振動を残留振動とも称する。振動板243の残留振動は、ノズル241やインク供給口247の形状、あるいはインク粘度等による音響抵抗rと、流路内のインク重量によるイナータンスmと、振動板243のコンプライアンスCmとによって決定される固有振動周波数を有するものと想定され
る。
上記想定に基づく振動板243の残留振動の計算モデルについて説明する。図7は、振動板243の残留振動を想定した単振動の計算モデルを示す回路図である。このように、振動板243の残留振動の計算モデルは、音圧pと、上述のイナータンスm、コンプライアンスCm及び音響抵抗rとで表せる。そして、図7の回路に音圧pを与えた時のステップ応答を体積速度uについて計算すると、次式が得られる。
u={p/(ω・m)}e−ωt・sinωt
ω={1/(m・Cm)−α1/2
α=r/2m
この式から得られた計算結果と、別途行ったインク滴の吐出後の振動板243の残留振動の実験における実験結果とを比較する。図8は、振動板243の残留振動の実験値と計算値との関係を示すグラフである。この図8に示すグラフからも分かるように、実験値と計算値の2つの波形は、概ね一致している。
さて、ヘッドユニット35の各インクジェットヘッド100では、前述したような吐出動作を行ったにもかかわらずノズル241からインク滴が正常に吐出されない現象、即ち液滴の吐出異常が発生する場合がある。この吐出異常が発生する原因としては、後述するように、(1)キャビティ245内への気泡の混入、(2)ノズル241付近でのインクの乾燥・増粘(固着)、(3)ノズル241出口付近への紙粉付着、等が挙げられる。
この吐出異常が発生すると、その結果としては、典型的にはノズル241から液滴が吐出されないこと、即ち液滴の不吐出現象が現れ、その場合、記録用紙Pに印刷(描画)した画像における画素のドット抜けを生じる。また、吐出異常の場合には、ノズル241から液滴が吐出されたとしても、液滴の量が過少であったり、その液滴の飛行方向(弾道)がずれたりして適正に着弾しないので、やはり画素のドット抜けとなって現れる。このようなことから、以下の説明では、液滴の吐出異常のことを単に「ドット抜け」と言う場合もある。
以下においては、図8に示す比較結果に基づいて、インクジェットヘッド100のノズル241に発生する印刷処理時のドット抜け(吐出異常)現象(液滴不吐出現象)の原因別に、振動板243の残留振動の計算値と実験値がマッチ(概ね一致)するように、音響抵抗r及びイナータンスmのうち少なくとも一方の値を調整する。
まず、ドット抜けの1つの原因であるキャビティ245内への気泡の混入について検討する。図9は、図3のキャビティ245内に気泡Bが混入した場合のノズル241付近の概念図である。この図9に示すように、発生した気泡Bは、キャビティ245の壁面に発生付着しているものと想定される(図9では、気泡Bの付着位置の一例として、気泡Bがノズル241付近に付着している場合を示す)。
このように、キャビティ245内に気泡Bが混入した場合には、キャビティ245内を満たすインクの総重量が減り、イナータンスmが低下するものと考えられる。また、気泡Bは、キャビティ245の壁面に付着しているので、その径の大きさだけノズル241の径が大きくなったような状態となり、音響抵抗rが低下するものと考えられる。
したがって、インクが正常に吐出された図8の場合に対して、音響抵抗r、イナータンスmを共に小さく設定して、気泡混入時の残留振動の実験値とマッチングすることにより、図10のような結果(グラフ)が得られた。図8及び図10のグラフから分かるように、キャビティ245内に気泡が混入した場合には、正常吐出時に比べて周波数が高くなる特徴的な残留振動波形が得られる。なお、音響抵抗rの低下などにより、残留振動の振幅の減衰率も小さくなり、残留振動は、その振幅をゆっくりと下げていることも確認することができる。
次に、ドット抜けのもう1つの原因であるノズル241付近でのインクの乾燥(固着、増粘)について検討する。図11は、図3のノズル241付近のインクが乾燥により固着した場合のノズル241付近の概念図である。この図11に示すように、ノズル241付近のインクが乾燥して固着した場合、キャビティ245内のインクは、キャビティ245内に閉じこめられたような状況となる。このように、ノズル241付近のインクが乾燥、増粘した場合には、音響抵抗rが増加するものと考えられる。
したがって、インクが正常に吐出された図8の場合に対して、音響抵抗rを大きく設定して、ノズル241付近のインク乾燥固着(増粘)時の残留振動の実験値とマッチングすることにより、図12のような結果(グラフ)が得られた。なお、図12に示す実験値は、数日間図示しないキャップを装着しない状態でヘッドユニット35を放置し、ノズル241付近のインクが乾燥、増粘したことによりインクを吐出することができなくなった(インクが固着した)状態における振動板243の残留振動を測定したものである。図8及び図12のグラフから分かるように、ノズル241付近のインクが乾燥により固着した場合には、正常吐出時に比べて周波数が極めて低くなるとともに、残留振動が過減衰となる特徴的な残留振動波形が得られる。これは、インク滴を吐出するために振動板243が図3中下方に引き寄せられることによって、キャビティ245内にリザーバ246からインクが流入した後に、振動板243が図3中上方に移動するときに、キャビティ245内のインクの逃げ道がないために、振動板243が急激に振動できなくなるため(過減衰となるため)である。
次に、ドット抜けのさらにもう1つの原因であるノズル241出口付近への紙粉付着について検討する。図13は、図3のノズル241出口付近に紙粉が付着した場合のノズル241付近の概念図である。この図13に示すように、ノズル241の出口付近に紙粉が付着した場合、キャビティ245内から紙粉を介してインクが染み出してしまうとともに、ノズル241からインクを吐出することができなくなる。このように、ノズル241の出口付近に紙粉が付着し、ノズル241からインクが染み出している場合には、振動板243から見てキャビティ245内及び染み出し分のインクが正常時よりも増えることにより、イナータンスmが増加するものと考えられる。また、ノズル241の出口付近に付着した紙粉の繊維によって音響抵抗rが増大するものと考えられる。
したがって、インクが正常に吐出された図8の場合に対して、イナータンスm、音響抵抗rを共に大きく設定して、ノズル241の出口付近への紙粉付着時の残留振動の実験値とマッチングすることにより、図14のような結果(グラフ)が得られた。図8及び図14のグラフから分かるように、ノズル241の出口付近に紙粉が付着した場合には、正常吐出時に比べて周波数が低くなる特徴的な残留振動波形が得られる(ここで、紙粉付着の場合、インクの乾燥の場合よりは、残留振動の周波数が高いことも、図12及び図14のグラフから分かる。)。なお、図15は、この紙粉付着前後におけるノズル241の状態を示す写真である。ノズル241の出口付近に紙粉が付着すると、紙粉に沿ってインクがにじみ出している状態を、図15(b)から見出すことができる。
ここで、ノズル241付近のインクが乾燥して増粘した場合と、ノズル241の出口付近に紙粉が付着した場合とでは、いずれも正常にインク滴が吐出された場合に比べて減衰振動の周波数が低くなっている。これら2つのドット抜け(インク不吐出:吐出異常)の原因を振動板243の残留振動の波形から特定するために、例えば、減衰振動の周波数や周期、位相において所定の閾値を持って比較するか、あるいは、残留振動(減衰振動)の周期変化や振幅変化の減衰率から特定することができる。このようにして、各インクジェットヘッド100におけるノズル241からのインク滴が吐出されたときの振動板243の残留振動の変化、特に、その周波数の変化によって、各インクジェットヘッド100の吐出異常を検出することができる。また、その場合の残留振動の周波数を正常吐出時の残留振動の周波数と比較することにより、吐出異常の原因を特定することもできる。
本実施形態に係るインクジェットプリンター1は、残留振動を解析して吐出異常を検知するものである。
図16は、吐出異常の検出に関係するインクジェットプリンター1の要部を示すブロック図である。同図に示すようにヘッドユニット35は、複数の圧電素子200と、選択部352Aと、駆動制御部354と、残留振動検出部356Aとを有する。駆動制御部354は、制御部6から供給される印字データやクロック信号などに基づいて制御信号を生成し、制御信号を選択部352Aに供給する。
上述したように本実施形態では、印字動作中にテスト用の駆動信号COMを圧電素子200に印加し、これによって発生するキャビティ内の圧力変化である残留振動を圧電素子200の起電力の変化として残留振動検出部356Aで検出する。選択部352Aは制御信号に基づいて、テスト用の駆動信号COMを圧電素子200に供給する一方、残留振動の検出時において圧電素子200の起電力を残留振動検出部356Aに供給する。
駆動信号COMは圧電素子200を駆動する必要があるため、例えば42Vの電源電圧で動作する。これに対して、残留振動検出部356Aや吐出異常検出部10は、例えば3.3Vの電源電圧で動作する。
残留振動検出部356Aは圧電素子200の起電力の変化を示す検出信号Vdを生成して、吐出異常検出部10に供給する。吐出異常検出部10は、計測部12と、判定部14とを備える。計測部12は、検出信号Vdに基づいて、残留振動の位相を示す位相データNTf、位相データNTfが有効であることを示すNTfフラグf1、残留振動の周期を示す周期データNTc、及び周期データNTcが有効であることを示すNTcフラグf2を生成する(図24参照)。判定部14は、位相データNTf、NTfフラグf1、周期データNTc、及びNTcフラグf2に基づいて、各ノズル241におけるインク滴の吐出状態を判定し、判定結果を制御部6に送信する。
図17は、選択部352Aと複数の圧電素子200との電気的な構成を示す回路図である。この例では、1個のヘッドユニット35は、n(nは2以上の自然数)個の圧電素子200を備えるものとする。n個の圧電素子200の各々において第1電極122は、図3に示す上側の外部電極248及び内部電極249に対応しており、選択ユニットU1〜Unと接続されている。n個の圧電素子120の第2電極124は、図3に示す下側の外部電極248及び内部電極249に対応しており、固定電位VBSが供給されている。第2電極124は固定電位VBSを供給する供給ラインLvとして機能する。
選択ユニットU1は、第1スイッチSWa1と第2スイッチSW2とを備える。これらのスイッチSWa1及びSW2は、トランスファーゲートで構成される。この例のトランスファーゲートは、同図に示すように並列に接続されたPチャネルトランジスターとNチャネルトランジスターとを備えるが、いずれか一方のチャネルのトランジスターで構成してもよい。
第1スイッチSWa1は、制御信号A1がハイレベルでオン状態となり、圧電素子200に駆動信号COMを印加する一方、制御信号A1がローレベルでオフ状態となり、圧電素子200に駆動信号COMを印加しない。即ち、第1スイッチSWa1は、駆動信号COMを圧電素子200に印加するか否かを切替可能に配置されている。
一方、第2スイッチSW2は、制御信号S1がハイレベルでオン状態となり、第1ハイパスフィルターHPF1を介して圧電素子200の起電力を残留振動検出部356Aに供給する一方、制御信号S1がローレベルでオフ状態となり、圧電素子200の起電力を残留振動検出部356Aに供給しない。即ち、第2スイッチSW2は、圧電素子200の起電力の変化を残留振動検出部356Aに印加するか否かを切替可能に配置されている。
なお、本実施形態では、第1スイッチSWa1と第2スイッチSW2とは、排他的にオン状態になるのではなく、第1スイッチSWa1がオン状態になる期間と、第2スイッチSW2がオン状態になる期間が、一部重複する。動作の詳細は後述する。
また、圧電素子200と第1スイッチSWa1と第2スイッチSW2とは、第1ノードN1において電気的に接続されている。また、駆動信号生成部33と第1スイッチSWa1とは、第2ノードN2において電気的に接続されている。さらに第2スイッチSW2と第1ハイパスフィルターHPF1とは、第3ノードN3において電気的に接続されている。
くわえて、第2ノードN2と第3ノードN3との間には、第3抵抗R3が設けられている。第3抵抗R3は、第3ノードN3に駆動信号COMの電圧を供給するバイアス抵抗として機能する。
第1ハイパスフィルターHPF1は、第1キャパシターC1と、第1抵抗R1と、第1抵抗R1と並列に設けられた第3スイッチSW3とを備え、第1出力信号OUT1を残留振動検出部356Aに出力する。第1キャパシターC1の一方の端子は第3ノードN3と接続され、他方の端子は第1抵抗R1の一方の端子と接続される。第1抵抗R1の他方の端子には固定電位であるアナロググランドAGNDが供給される。アナロググランドAGNDの電位は、例えば、後述する残留振動検出部356Aの高電源電位と低電源電位との中心電位に設定されている。
第3スイッチSW3は、第1スイッチSWa1と同様に、PチャネルトランジスターとNチャネルトランジスターとを並列に接続して構成されている。第3スイッチSW3は、制御信号Scがハイレベルでオン状態となり、ローレベルでオフ状態となる。第3スイッチSW3をオン状態とすることで、残留振動検出部356Aの入力端子の電位をアナロググランドAGNDにクランプすることが可能となる。
ところで、本実施形態における駆動信号COMの最大電位は42Vであるのに対し、後述する残留振動検出部356Aの高電源電位は3.3V、低電源電位は0Vである。これは、圧電素子200を駆動するためには大振幅の駆動信号COMが必要となる一方、残留振動検出部356Aはアナログ信号の処理回路であり、大きなダイナミックレンジが不要だからである。
圧電素子200の起電圧の変化は、キャビティ内部の圧力の変化を反映したものとなっている。このため、残留振動の周波数帯域は、駆動信号COMの周波数帯域と比較して狭い。一方、残留振動の信号経路にはノイズが重畳することがある。ハイパスフィルターHPF1は、残留振動の周波数帯域よりも低域の周波数成分を減衰させる。これにより、残留振動検出部356Aで検出する残留振動の精度を向上させることができる。
また、第1ハイパスフィルターHPF1は、第1キャパシターC1によって直流成分をカットしている。上述したように駆動信号COMの最大電位と比較して、残留振動検出部356Aの高電源電位は低いため、直流結合には適さない。本実施形態では、第1ハイパスフィルターHPF1で直流成分をカットすることによって、後段の残留振動検出部356Aを正常に動作させることが可能となる。
加えて、第3スイッチSW3は、残留振動を検出する期間を除いてオン状態となり、残留振動検出部356Aの入力端子はアナロググランドAGNDにクランプされる。即ち、第3ノードN3の電位が大きく変化する期間において、第3スイッチSW3はオン状態となる。第1キャパシターC1によって直流成分がカットされても、第3ノードN3の電位が大きく変化すると、残留振動検出部356Aの入力端子の電位が高電源電位を超えて大きく変化する。電子回路において、このようにダイナミックレンジを超える大振幅の信号が供給されると、回路要素の各部に電荷が充電され、正常に動作するまでに長時間を要することがある。また、電子回路を構成するトランジスターなどの部品の耐圧を高くする必要がある。しかしながら、本実施形態では、第3ノードN3の電位が大きく変化する期間において第3スイッチSW3をオン状態として、残留振動検出部356Aの入力端子の電位をアナロググランドAGNDにクランプするので、検出期間において直ちに残留振動の検出を開始することができ、さらに残留振動検出部356Aを構成する部品の耐圧を下げることが可能となる。
上述した選択部352Aにおいて、選択ユニットU2〜Unは、選択ユニットU1と同様に構成されている。また、各選択ユニットU1〜Unに供給される制御信号A1〜An及びS1〜Sn、並びに第3スイッチSW3に供給される制御信号Scは、図16に示す駆動制御部354で生成される。
図18に、残留振動検出部356Aの詳細な構成例を示す。残留振動検出部356Aは、ゲイン調整部36、ローパスフィルター37、バッファ38を備える。ゲイン調整部36は、オペアンプを用いた負帰還型のアンプであり、その出力信号を分圧する可変抵抗器Vrの中点を調整することによって、第1出力信号OUT1の振幅を調整することができる。
ローパスフィルター37は、第1出力信号OUT1の高域周波数成分を減衰させる。この例のローパスフィルター37は、オペアンプを用いた多重帰還型であるが、残留振動の周波数帯域よりも高域周波数成分を減衰させるのであれば、どのような形式であってもよい。ローパスフィルター37によって、検出する周波数範囲を限定することでノイズ成分を除去することが可能となる。
バッファ38は、インピーダンスを変換してローインピーダンスの検出信号Vdを出力する。この例のバッファ38は、オペアンプを用いたボルテージフォロアで構成されている。
次に、選択部352Aの動作について説明する。図19は選択部352Aの動作を示すタイミングチャートであり、図20〜図22は、各期間におけるスイッチのオン状態及びオフ状態を示す説明図である。なお、この例では、選択ユニットU1に対応するノズル241について、インク滴の吐出状態を検出するものとする。
まず、時刻t0から時刻t1までの第1期間T1では、駆動信号COMに微振動パルスP1が含まれている。微振動パルスP1が圧電素子120に印加されると、圧電素子120は微振動する。この場合、インク滴がノズルから吐出することはないが、キャビティ内のインクを撹拌してその増粘を抑制することができる。第1期間T1では、制御信号Scがハイレベルとなるので、第3スイッチSW3がオン状態となる。一方、第1期間T1では、制御信号A1及びS1がローレベルとなるので、第1スイッチSWa1及び第2スイッチSW2がオフ状態となる。この結果、図20(A)に示すように第3スイッチSW3がオン状態となるので、第4ノードN4の電位はアナロググランドAGNDにクランプされる。
なお、制御信号A2〜Anはハイレベル、制御信号S2〜Snはローレベルになるので、検査対象以外のノズル241に対応する圧電素子120に微振動パルスP1が印加され、検査対象以外のノズル110に対応するキャビティ内のインクについて増粘が抑制される。
次に、時刻t1から時刻t2までの第2期間T2は、駆動信号COMに検査パルスP2が含まれている。第2期間T2は、制御信号A1がハイレベルとなり、第1スイッチSWa1がオン状態となる点を除いて、第1期間T1と同様である。従って、第1乃至第3スイッチSWa1、SW2及びSW3の状態は、図20(B)に示すものとなる。
第1スイッチSWa1がオン状態となって検査パルスP2が圧電素子200に印加されると、圧電素子200は、検査パルスP2の立ち下がりに同期してインク滴をキャビティ内に引き込む方向に撓み、検査パルスP2の立ち上がりに同期してインク滴をキャビティから押し出す方向に撓む。
ここで、検査パルスP2は、インク滴がノズル241から吐出しないように振幅、位相及び立ち上がり時間が調整されていてもよいし、あるいは、検査パルスP2によってインク滴がノズル241から吐出されてもよい。検査パルスP2が非吐出に対応する波形である場合には、通常の印刷中に残留振動を検出することができる。一方、検査パルスP2が吐出に対応する波形である場合には、ヘッドユニット35を記録用紙からはずれた位置に移動させ、インク滴を吐出させればよい。
次に、時刻t2から時刻t3までの第3期間T3においては、駆動信号COMは、所定電位Vxとなっている。第3期間T3では、制御信号A1、S1及びScがハイレベルとなるので、第1スイッチSWa1、第2スイッチSW2及び第3スイッチSW3がオン状態となる。この結果、図21に示すように第2ノードN2の電位は所定電位Vxとなり、また、第3ノードN3の電位も所定電位Vxとなる。
次に、時刻t3から時刻t4までの第4期間T4においては、駆動信号COMは、所定電位Vxとなっている。第4期間T4では、制御信号S1がハイレベルを維持するので、第2スイッチSW2がオン状態となる。一方、制御信号A1及びScがローレベルとなるので、第1スイッチSWa1及び第3スイッチSW3がオフ状態となる。この結果、図22に示すように第2ノードN2の電位は所定電位Vxとなり、また、第3ノードN3の電位は第3抵抗R3によってバイアスされた状態で、圧電素子200に発生する起電力が第1ハイパスフィルターHPF1を介して第1出力信号OUT1として取り出される。
次に、時刻t4から時刻t5までの第5期間T5において、駆動信号COMは、所定電位Vxとなっている。第5期間T4では、第3期間T3と同様に、制御信号A1、S1及びScがハイレベルとなるので、第1スイッチSWa1、第2スイッチSW2及び第3スイッチSW3がオン状態となる。この結果、図21に示すように第2ノードN2の電位は所定電位Vxとなり、また、第3ノードN3の電位も所定電位Vxとなる。
次に、時刻t5から時刻t6までの第6期間T6は、第2期間T2と同様に、制御信号A1及びScがハイレベルとなるので、第1スイッチSWa1及び第3スイッチSW3がオン状態となる。一方、制御信号S1がローレベルとなるので、第2スイッチSW2がオフ状態となる。この結果、図20(B)に示すように駆動信号COMが第1スイッチSWa1を介して圧電素子200に印加される。また、第3スイッチSW3がオン状態となるので、第4ノードN4の電位はアナロググランドAGNDにクランプされる。
ここで、第1スイッチSWa1がオン状態、且つ第2スイッチSW2がオフ状態となることを第1状態、第1スイッチSWa1がオン状態、且つ第2スイッチSW2がオン状態となることを第2状態、第1スイッチSWa1がオフ状態、且つ第2スイッチSW2がオン状態となることを第3状態とすると、駆動制御部354は、第1状態(第2期間T2)→第2状態(第3期間T3)→第3状態(第4期間T4)の順に、第1スイッチSWa1及び第2スイッチSW2を制御する。また、駆動制御部354は、第3状態(第4期間T4)→第2状態(第5期間T5)→第1状態(第6期間T6)の順に、第1スイッチSWa1及び第2スイッチSW2を制御する。
このように、第1状態から第3状態へ遷移する途中及び第3状態から第1状態へ遷移する途中に第2状態を設けたのは、第1スイッチSWa1のオン状態と第2スイッチSW2のオン状態が切り替わる時点で、第3ノードN3の電位が変化することによってスイッチングノイズが発生しないようにするためである。
即ち、第2状態では、第3ノードN3には、第1スイッチSWa1→第1ノードN1→第2スイッチSW2の経路で駆動信号COMの所定電位Vxが供給されると共に、第2ノードN2→第3抵抗R3の経路で駆動信号COMの所定電位Vxが供給される。
この第2状態から第3状態へ遷移すると、第1スイッチSWa1がオフ状態に遷移するが、第2ノードN2→第3抵抗R3の経路は残され、第3ノードN3には第3抵抗R3によって駆動信号COMの所定電位Vxがバイアスされる。よって、第1状態から第3状態へ遷移する際に第3ノードN3の電位が大きく変化しないので、スイッチングノイズを低減できる。くわえて、第1状態→第2状態→第3状態といったシーケンスで第1スイッチSWa1及び第2スイッチSW2を制御することにより、圧電素子200からの電流を連続的に流すことができるので、コイルの逆起電力のような切替時のサージ電圧の発生を無くすことができる。この結果、第4期間T4が開始されると同時に残留振動の検出を行うことが可能となる。
また、第2状態から第1状態へ遷移すると、第2スイッチSW2がオフ状態に遷移するが、第2状態においても第1スイッチSWa1を介して駆動信号COMが圧電素子200に印加されており、第2ノードN2の電位は駆動信号COMの所定電位Vxとなっているので、圧電素子200の印加電圧に重畳するノイズを低減することができる。
加えて、第1状態(第2期間及び第6期間)並びに第2状態(第3期間及び第5期間)において、第3スイッチSW3はオン状態となるので、第4ノードN4の電位はアナロググランドAGNDにクランプされる。図17に示すように駆動信号COMが供給される供給ラインと第3ノードN3が接続され残留振動に基づく起電力が供給される供給ラインとの間には寄生容量Caが存在する。このため、図19に示す第2期間T2において第2スイッチSW2がオフ状態になっても、大振幅の検査パルスP2が寄生容量Caを介して第3ノードN3に伝送される。本実施形態によれば、第2期間T2及び第3期間T3において、第3スイッチSW3がオン状態となり、第4ノードN4はアナロググランドAGNDにクランプされる。よって、検査パルスP2が残留振動検出部356Aに干渉するのを防止することができる。
次に、計測部12について説明する。図23に計測部12の構成を示し、図24にそのタイミングチャートを示す。計測部12は、残留振動検出部356Aで生成された検出信号Vdに基づいて、残留振動の位相に関連する時間を示す位相データNTfと、残留振動の1周期の時間を示す周期データNTcと、位相データNTfが有効であるか無効であるかを示すNTfフラグf1、及び周期データNTcが有効であるか無効であるかを示すNTcフラグf2を生成する。
計測部12は、第1乃至第3コンパレータ12A〜12Cとマスク回路125〜127とを備える。第1コンパレータ12Aは、検出信号Vdを閾値電圧Vth_cと比較して、検出信号Vdが閾値電圧Vth_c以上となる場合にハイレベルとなり、検出信号Vdが閾値電圧Vth_c未満となる場合にローレベルとなる比較信号CP1を出力する。第2コンパレータ12Bは、検出信号Vdを閾値電圧Vth_oと比較して、検出信号Vdが閾値電圧Vth_o以上となる場合にハイレベルとなり、検出信号Vdが閾値電圧Vth_c未満となる場合にローレベルとなる比較信号CP2を出力する。第3コンパレータ12Cは、検出信号Vdを閾値電圧Vth_uと比較して、検出信号Vdが閾値電圧Vth_u未満となる場合にハイレベルとなり、検出信号Vdが閾値電圧Vth_u以上となる場合にローレベルとなる比較信号CP3を出力する。ここで、閾値電圧Vth_cは、検出信号Vdの振幅中心レベルとなるように定められており、Vth_o>Vth_c>Vth_uの関係がある。マスク回路125〜127は、マスク信号Mが有効であるハイレベルの期間において、比較信号CP1〜CP3をマスクする。
なお、計測部12の動作は、マスク信号Mが無効になった後、最初に検出信号Vdが閾値電圧Vth_cをよぎる場合に、検出信号Vdの立ち上がり中に閾値電圧Vth_cをよぎる正エッジ検出モードと、検出信号Vdの立ち下がり中に閾値電圧Vth_cをよぎる逆エッジ検出モードとがある。
図24に正エッジ検出モードの動作例を示す。この例では、時刻t3から残留振動が開始する。時刻t3は、図19に示す制御信号A1がローレベルに遷移すると共に、制御信号Scがローレベルに遷移するタイミングであり、第1スイッチSWa1がオン状態からオフ状態に遷移するタイミングである。また、t3は、残留振動が電気的に観測可能な状態が始まった時間である。図24に示す例では、時刻t3より残留振動を示す検出信号Vdが得られているが、実際の計測では、残留振動の開始直後は、動作が不安定であり、ノイズが重畳した検出信号Vdが得られることが多い。
このため、マスク信号Mを用いて比較信号CP1〜CP3をマスクしている。上述した位相データNTfは、時刻t10においてマスク信号Mが無効になってから、最初に検出信号Vdが閾値電圧Vth_cとなるまでの時間を示している。図24に示す検出信号Vdは、時刻t11において閾値電圧Vth_cを上回るので、位相データNTfは、時刻t10から時刻t11までの時間を示すことになる。
図23に示すNTfタイマ128はマスク信号Mの立ち下がりエッジに同期して時間の計測を開始する。具体的には、クロック信号(図示せず)を計数する。NTfタイマ128の計数結果はNTfラッチ129でラッチされる。NTfラッチ制御回路130は、マスク信号Mが無効になってから、最初に検出信号Vdが閾値電圧Vth_cとなる信号M1の立ち上がりエッジに同期して、ラッチ信号Lfを生成する。NTfラッチ129は、ラッチ信号Lfが有効になるタイミングで、NTfタイマ128の計数結果をラッチして位相データNTfを生成する。
ところで、吐出動作に異常があると、例えば、図24に一点鎖線で示すように検出信号Vdが変化する。このように検出信号Vdの振幅が小さい場合には、正確に位相データNTfや周期データNTcを計測することはできない。そこで、本実施形態は、検出信号Vdの振幅の振幅に基づいて、上述したNTfフラグf1及びNTcフラグf2を生成している。
図23に示すNTfフラグ生成回路131は、マスク回路125〜127の出力信号M1〜M3及びラッチ信号Lfに基づいて、NTfフラグf1を生成する。
具体的には、正エッジ検出モードにおいて、NTfフラグ生成回路131は、マスク信号Mが無効になった後であって、検出信号Vdが最初に閾値電圧Vth_cを上回ってから下回るまでの期間に、検出信号Vdが閾値電圧Vth_oを上回った場合に、NTfフラグf1を有効にする(例えば、図24に示す例)。一方、逆エッジ検出モードにおいて、NTfフラグ生成回路131は、マスク信号Mが無効になった後であって、検出信号Vdが最初に閾値電圧Vth_cを下回ってから上回るまでの期間に、検出信号Vdが閾値電圧Vth_uを下回った場合に、NTfフラグf1を有効にする。
図24に示す例では、時刻t11にマスク信号Mが無効になった後であって、検出信号Vdが最初に閾値電圧Vth_cを上回る。このことは、出力信号M1の立ち上がりエッジによって検知される。そして、出力信号M1の立ち下がりエッジが発生する時刻t13までに、検出信号Vdが閾値電圧Vth_oを上回る。これは、出力信号M2の立ち上がりエッジによって検知される(時刻t12)。よって、NTfフラグf1は時刻t12からハイレベルとなり有効となる。
次に、図23に示すNTcタイマ132は、ラッチ信号Lfが有効になると、時間の計測を開始する。具体的には、クロック信号(図示せず)を計数する。NTcタイマ132の計数結果はNTcラッチ133でラッチされる。NTcラッチ制御回路134は、NTfフラグf1が有効で、且つ、2番目に検出信号Vdが閾値電圧Vth_cとなる信号M1の立ち上がりエッジに同期して、ラッチ信号Lcを生成する。NTcラッチ133は、ラッチ信号Lcが有効になるタイミングで、NTcタイマ132の計数結果をラッチして周期データNTcを生成する。図24に示す例では、出力信号M1の2番目の立ち上がりエッジは時刻t14で発生する。このため、周期データNTcは時刻t11から時刻t14までの時間を示す。
次に、図23に示すNTcフラグ生成回路135は、マスク回路125〜127の出力信号M1〜M3及びラッチ信号Lcに基づいて、NTcフラグf2を生成する。
具体的には、正エッジ検出モードにおいて、NTcフラグ生成回路135は、ラッチ信号Lcが有効になった後であって、2番目に検出信号Vdが閾値電圧Vth_cとなる信号M1の立ち上がりエッジから次の立ち下がりエッジまでの期間に、検出信号Vdが閾値電圧Vth_oを上回った場合に、NTcフラグf2を有効にする。一方、逆エッジ検出モードにおいて、NTcフラグ生成回路135は、ラッチ信号Lcが有効になった後であって、2番目に検出信号Vdが閾値電圧Vth_cとなる信号M1の立ち下がりエッジから次の立ち上がりエッジまでの期間に、検出信号Vdが閾値電圧Vth_uを下回った場合に、NTcフラグf2を有効にする。
図24に示す、正エッジ検出モードの例では、出力信号M1の2番目の立ち上がりエッジは時刻t14で発生し、次の立ち下がりエッジは時刻t16で発生する。時刻t14から時刻t16までの期間に、検出信号Vdが閾値電圧Vth_oを上回り、時刻t15において出力信号M2の立ち上がりエッジが発生する。このため、NTcフラグf2は時刻t15から有効になる。
このように本実施形態では、検出信号Vdが閾値電圧Vth_cを上回っても(下回っても)、直ちに有効と認めるのではなく、検出信号Vdが閾値電圧Vth_cを下回るまでに(上回るまでに)、検出信号Vdが閾値電圧Vth_o(閾値電圧Vth_u)を超える場合に有効と認める。このため、吐出異常があり検出信号Vdの振幅が十分でない場合を後段の判定部14で判定することが可能となる。
次に、判定部14は、位相データNTf、周期データNTc、NTfフラグf1、及びNTcフラグf2に基づいて、吐出状態を図25に示すように判定する。
まず、周期データNTcは、時間Ta1から時間Ta2までの範囲を正常とすると、Ta1>NTcの場合に短い、Ta2≧NTc≧Ta1の場合に正常、NTc>Ta2の場合に長いと判定される。
また、位相データNTfは、時間Tb1から時間Tb2までの範囲を正常とすると、Tb1>NTf又はNTf>Tb2の場合に長短、Tb2≧NTf≧Tb1の場合に正常と判定される。
NTcフラグf2及びNTfフラグf1が共に有効な場合は、位相データNTf及び周期データNTcの判定結果に基づいて、吐出状態を判定する。
具体的には、周期データNTcが短い場合は、位相データNTfの判定結果に拘わらずキャビティ内に気泡があると判定する(状態番号0又は1)。これは、残留振動の周波数が高いことを意味し、上述のように、インクジェットヘッド100のキャビティ245内に気泡が混入しているものと考えられるからである。
周期データNTc及び位相データNTfが正常である場合は、吐出状態は正常と判定する(状態番号2)。周期データNTcが正常であり、且つ位相データNTfが長短である場合には、キャビティ内に気泡があると判定する(状態番号3)。
一方、周期データNTcが長い場合は、位相データNTfの判定結果に拘わらずインクが増粘していると判定する(状態番号4又は5)。これは、残留振動が過減衰であり、ノズル241付近のインクが乾燥により増粘しているもの(乾燥)と考えられるからである。
さらに、判定閾値Ta3を想定し、NTc≧Ta3の場合にインクの増粘と判定し、Ta3>NTc>Ta2の場合にはノズル241出口付近に紙粉が付着しているもの(紙粉付着)と判定してもよい。
次に、NTcフラグf2が無効でNTfフラグf1が有効な場合は、インク抜けと判定する(状態番号6又は7)。さらに、NTcフラグf2及びNTfフラグf1が無効な場合は、インク抜けと判定する(状態番号8)。インク抜けとは、インクが注入されていない等により、インクを吐出不能な状態を意味する。
このように本実施形態において、判定部14は、位相データNTfや周期データNTcのみならず、それらの有効・無効を示すNTfフラグf1及びNTcフラグf2に基づいて、吐出状態を判定する。即ち、検出信号Vdが閾値電圧Vth_cをよぎって、所謂ゼロクロスが検出されたとしても、これを直ちに有効とするのではなく、その後の検出信号Vdを監視し、閾値電圧Vth_o又は閾値電圧Vth_uを超えるように変化した場合に、過去に発生したゼロクロス検出を有効としている。これによって、外来ノイズが検出信号Vdに重畳したり、何らかのシステム異常で残留振動の振幅が極端に低下した場合には、検出結果を無効にすることができる。よって、検出信号Vdの減衰時定数がある程度短い場合や、検出信号VdのSN比が良好でない場合にも、残留振動のゼロクロス検出の有効性を高めることができる。この結果、計測条件が悪い場合であっても、正確に吐出状態を特定することができ、さらに、吐出異常の原因を特定することが可能となる。
なお、第1実施形態においては、図17に示すようにn個の圧電素子200に1個のハイパスフィルターHPF1を兼用した。ここで、第2スイッチSW2のオン抵抗をRon、第2スイッチSW2に寄生する静電容量をCcとすれば、残留振動の検出に着目した選択部352A及び圧電素子200の等価回路は図26に示すものとなる。
図26に示す等価回路によれば、n個の静電容量Ccが並列に接続される。ここで、n個の第2スイッチSW2のうち、1個がオン状態なると、時定数Tは、以下の式で与えられる。
T=n・Cc・Ron
ここで、「n」は、残留振動周期(NTc)よりも時定数Tが短くなるように設定することが好ましい。このように設定することによって、残留振動周期の周波数成分を大きく減衰させること無く、ハイパスフィルターHPF1に供給することができる。
くわえて、正常時の残留振動周期に対して、吐出状態が異常な場合には、残留振動周期が長くなったり、あるいは短くなったりする。このため、異常時の残留振動周期が短くなる場合のSN比を適切に確保するためには、「n」をさらに小さくすることが好ましい。例えば、キャビティ内にインクが無くなった状態が最も残留振動周期が短くなり、正常時の1/50程度になることが想定される。このような異常状態は、検出信号Vdの振幅が低下したことなどによって判定可能であるので、最も残留振動周期が短くなる場合を想定して「n」を設定する必要はなく、経済性と考慮して正常時の1/5〜1/10程度に残留振動周期が短くなってもSN比を適切に確保できるように「n」を設定すればよい。
ところで、第2スイッチSW2のオン抵抗Ronを低くすることによって、時定数Tを小さくすることも考えられるが、オン抵抗Ronを低減するために、ゲート幅の大きなトランジスターを使用すると、静電容量Ccが大きくなってしまう。このため、オン抵抗Ronを低減するためトランジスターサイズを大きくしても、必ずしも時定数Tが小さくならず、チップ面積が大きくなりコストが増加してしまうことがある。
そこで、1つのユニットに割り当てる圧電素子200の数である「n」は、ハイパスフィルターHPF1に供給される圧電素子200の残留振動のSN比が適切に確保されるように設定すればよい。
仮に、「n」がインクジェットプリンター1全体のノズル241の数より小さい場合には、ハイパスフィルターHPF1及びその後段の残留振動検出部356A及び吐出異常検出部10を多重化すればよい。多重化しても選択部352Aのチップサイズは小さくなるので、性能を確保しつつ、装置全体のコストの増加を抑制することが可能となる。
<第2実施形態>
第2実施形態に係るインクジェットプリンター1は、選択部352Aの替わりに選択部352Bを用いる点、及び残留振動検出部356Aの替わりに残留振動検出部356Bを用いる点を除いて、第1実施形態のインクジェットプリンター1と同様に構成されている。
図27は、選択部352B及び複数の圧電素子200の構成を示す回路図である。この図に示すように選択部352Bは、n個の選択ユニット、第3抵抗R3、第1ハイパスフィルターHPF1及び第2ハイパスフィルターHPF2を備える。選択部352Bは、差動形式の第1出力信号OUT1及び第2出力信号OUT2を生成し、これを残留振動検出部356Bに出力する。このため、選択部352Bは、選択部352Aに対して第2ハイパスフィルターHPF2が追加されている。
第2ハイパスフィルターHPF2は、第2ノードN2と第5ノードN5との間に設けられた第2キャパシターC2と、一方の端子が第5ノードN5に接続され、他方の端子にアナロググランドAGNDが供給される第2抵抗R2と、第2抵抗R2に並列に接続された第4スイッチSW4とを備える。第4スイッチSW4は、第1スイッチSWa1、第2スイッチSW2、及び第3スイッチSW3と同様に、トランスファーゲートで構成される。また、第4スイッチSW4には制御信号Scが供給され、第3スイッチSW3と同じタイミングでオン状態とオフ状態とが切り替わる。
即ち、選択部352Bは、第2スイッチSW2が接続されるラインL1の信号と、駆動信号COMが供給されるラインL2の信号とを差動形式の入力信号とし、第1ハイパスフィルターHPF1及び第2ハイパスフィルターHPF2にて低域周波数成分を減衰させた第1及び第2出力信号OUT1及びOUT2を差動形式で残留振動検出部356Bに出力する。
図28に、残留振動検出部356Bの構成を示す。残留振動検出部356Bにおいて、ゲイン調整部36、ローパスフィルター37、及びバッファ38は、第1実施形態の残留振動検出部356Aと同様であり、差動増幅部39が相違する。差動増幅部39は、3個のオペアンプを用いて構成されたインスツルメンテーションアンプである。差動増幅部39のゲインGは以下の式で与えられる。
G=OUT3/(OUT1−OUT2)
=(1+2*R4/R3)*(R6/R5)
差動増幅部39は、高い同相除去比を有するので、第2ノードN2のラインと第3ノードN3のラインに同相ノイズが混入しても当該同相ノイズを抑圧して、シングルエンド形式の出力信号OUT3を生成することができる。
出力信号OUT3は、ローパスフィルター37において高域周波数成分が減衰され、ゲイン調整部36においてゲインが調整され、バッファ38においてインピーダンスが変換されて、検出信号Vdとして吐出異常検出部10に供給される。
このように第2実施形態では、残留振動に起因する圧電素子200の起電力を差動形式で出力する選択部352Bと、差動形式の第1及び第2出力信号OUT1及びOUT2に含まれる同相ノイズを除去しつつシングルエンド形式の出力信号OUT3を生成する差動増幅部39を備えるので、より的確に吐出状態を判定することができる。
なお、第2実施形態において、選択部352Bは、駆動信号COMが供給されるラインの信号と、第2スイッチSW2が接続されるラインの信号とを差動形式の入力信号として取り扱ったが、本発明はこれに限定されるものではなく、駆動信号COMが供給されるラインの信号と、供給ラインLvの信号とを差動形式の入力信号として取り扱ってもよい。
図29に第2実施形態の変形例に係る選択部352Cの回路図を示す。この図に示されるように、第2ハイパスフィルターHPF2には、固定電位VBSが供給される。残留振動に応じて変化する圧電素子200の起電流は、圧電素子200→第2スイッチSW2→第3抵抗R3→COMライン→供給ラインLv→圧電素子200といった経路で流れる。この変形例によれば、第3ノードN3のラインと供給ラインLvとに重畳する同相ノイズを効果的に抑圧するができる。
<第3実施形態>
第3実施形態に係るインクジェットプリンター1は、選択部352Aの替わりに選択部352Dを用いる点、並びに駆動信号生成部33が第1駆動信号COMa及び第1駆動信号COMbを生成する点を除いて、第1実施形態に係るインクジェットプリンター1と同様に構成されている。
図30は、選択部352D及び複数の圧電素子200の構成を示す回路図である。この図に示すように選択部352Dは、n個の選択ユニットU1’〜Un’、第3抵抗R3、第1ハイパスフィルターHPF1、第5スイッチSW5及び第6スイッチSW6を備える。
第3実施形態では、2種類の駆動信号を用いて圧電素子200を駆動する。これによって、多様な駆動パルスを圧電素子200に印加して、大きさの異なるインク滴をノズル241から吐出させることも可能となる。
選択ユニットU1’は、第1駆動信号COMa用の第1スイッチSWa1、第2駆動信号COMb用の第1スイッチSWb1、第2スイッチSW2を備え、選択ユニットU1に対して第2駆動信号COMb用の第1スイッチSWb1が追加されている。なお、他の選択ユニットU2’〜Un’も選択ユニットU1’と同様に構成されている。
また、第5スイッチSW5は、第2ノードN2と第1駆動信号COMaの供給ラインLaとの間に設けられており、第6スイッチSW6は、第2ノードN2と第2駆動信号COMbの供給ラインLbとの間に設けられている。第5スイッチSW5は制御信号Saがハイレベルになるとオン状態となり、制御信号Saがローレベルになるとオフ状態になる。また、第6スイッチSW6は制御信号Sbがハイレベルになるとオン状態となり、制御信号Sbがローレベルになるとオフ状態になる。
図31に選択部352Dのタイミングチャートを示す。この例の第1駆動信号COMaは、期間T10に検査パルスP2を含み、期間T11〜期間T13において所定電位Vxとなり、期間14において所定電位Vxから基準電位Vrefに下降し、期間T15において基準電位Vrefを維持し、期間T16に微振動パルスP1を含み、期間T17〜期間T20において基準電位Vrefを維持する。
一方、第2駆動信号COMbは、期間T10に微振動パルスP1を含み、期間T11〜期間T15において基準電位Vrefを維持し、期間T16に検査パルスP2を含み、期間T17〜期間T19において所定電位Vxを維持し、期間T20において所定電位Vxから基準電位Vrefに下降する。
即ち、最初の単位期間Taの第1駆動信号COMaと次の単位期間Tbの第2駆動信号COMbは同じであり、次の単位期間Tbの第1駆動信号COMaと最初の単位期間Taの第2駆動信号COMbは同じである。
この例では、最初の単位期間Taにおいて、選択ユニットU1’に接続される圧電素子200に検査パルスP2を印加し、期間T12において残留振動を検出する。また、次の単位期間Tbにおいて、選択ユニットU2’に接続される圧電素子200に検査パルスP2を印加し、期間T18において残留振動を検出する。また、他の選択ユニットU3’〜Un’に対応する圧電素子200には、単位期間Ta及びTbにおいて微振動パルスP1を印加する。
まず、期間T10において、制御信号A1がハイレベルとなり、第1駆動信号COMa用の第1スイッチSWa1がオン状態となり、第1駆動信号COMaの検査パルスP2が圧電素子200−1に供給される。また、選択ユニットU2’においては、制御信号B2がハイレベルとなり、第2駆動信号COMb用の第1スイッチSWb1がオン状態となり、第2駆動信号COMbの微振動パルスP1が圧電素子200−2に供給される。また、選択ユニットU3’〜Un’においては、制御信号B3〜Bnがハイレベルとなるので、第2駆動信号COMb用の第1スイッチSWb1がオン状態となり、微振動パルスP1が圧電素子200−3〜120−nに供給される。
次に、期間T12において、制御信号S1、Saがハイレベルとなり、選択ユニットU1’の第2スイッチSW2及び第5スイッチSW5がオン状態になる。また、制御信号Sc、A1、B1はローレベルとなるので、選択ユニットU1’の第1スイッチSWa1及びSWb1、並びに第3スイッチSW3がオフ状態になる。このため、圧電素子200−1に発生する起電力が、第2スイッチSW2→第3ノードN3→第1キャパシターC1→第4ノードN4の経路で伝送され、第1出力信号OUT1として出力される。この際、第3ノードN3の電位は、第3抵抗R3によって第1駆動信号COMaの所定電位Vxにバイアスされる。
また、期間T12の直前の期間T11及び直後の期間T13においては、制御信号Sa、Sc、A1、S1がハイレベルとなる。このため、第1選択ユニットU1’において、第1スイッチSWa1及び第2スイッチSW2がオン状態となり、第5スイッチSW5及び第3スイッチSW3がオン状態となる。このように第1スイッチSWa1及び第2スイッチSW2を同時にオン状態にすることにより、第3ノードN3の電位が変動して、スイッチングノイズが発生するのを抑制することができる。また、第3スイッチSW3がオン状態となるので、第4ノードN4の電位がアナロググランドAGNDにクランプされる。これにより、スイッチングノイズが第1出力信号OUT1に重畳しないようにできる。
次に、期間T14では、制御信号A1がハイレベルとなり、第1スイッチSWa1がオン状態となるので、第1駆動信号COMaが圧電素子200−1に供給される。この結果、圧電素子200−1の第1電極122の電位が基準電位Vrefに戻される。
このように最初の単位期間Taでは第1駆動信号COMaを用いて圧電素子200−1に対応するヘッドの残留振動が計測される。この際、第2選択ユニットU2’の第2駆動信号COMb用の第1スイッチSWb1はオン状態となるので、圧電素子200−2には第2駆動信号COMbが供給される。
次に、単位期間Tbにおいて、期間T16〜期間T21の各々は、単位期間Taの期間T10〜期間T15の各々に対応している。具体的には、単位期間Tbの制御信号Saは単位期間Taの制御信号Sbと同じであり、単位期間Tbの制御信号Sbは単位期間Taの制御信号Saと同じであり、単位期間Tbの制御信号Scは単位期間Taの制御信号Scと同じであり、単位期間Tbの制御信号A1は単位期間Taの制御信号B2と同じであり、単位期間Tbの制御信号B1は単位期間Taの制御信号B1と同じであり、単位期間Tbの制御信号S1は単位期間Taの制御信号S2と同じであり、単位期間Tbの制御信号A2は単位期間Taの制御信号A2と同じであり、単位期間Tbの制御信号B2は単位期間Taの制御信号A1と同じであり、単位期間Tbの制御信号S2は単位期間Taの制御信号S1と同じである。
従って、単位期間Tbでは、選択ユニットU2’において第2駆動信号COMbを選択して、検査パルスP2を圧電素子200−2に印加し、圧電素子200−2を用いて残留振動を検出する。
このように第3実施形態においては、第1駆動信号COMa、第2駆動信号COMbを用いて、残留振動を検出し、インク滴の吐出状態を判定することができる。
また、第1実施形態では、1種類の駆動信号COMを用いるため、1の単位期間に微振動パルスP1と検査パルスP2とを含ませる必要があったが、本実施形態では、各単位期間において第1駆動信号COMa及び第2駆動信号COMbの一方に、微振動パルスP1を含ませ、他方に検査パルスP2を含ませればよい。この結果、単位期間Ta、Tbを短くすることができる。
なお、上述した実施形態では、期間T10では、第1駆動信号COMaに検査パルスP2を含ませ、第2駆動信号COMbに微振動パルスP1を含ませたが、微振動パルスP1の替わりにインク滴を吐出させる吐出パルスを含ませてもよい。この場合には、インク滴と吐出させるノズル241とインク滴を非吐出として残留振動を検出するノズル241とを混在させることが可能となる。
<第4実施形態>
第4実施形態に係るインクジェットプリンター1は、選択部352Dの替わりに選択部352Eを用いる点を除いて、第3実施形態のインクジェットプリンター1と同様に構成されている。
図32は、選択部352E及び複数の圧電素子200の構成を示す回路図である。この図に示すように選択部352Eは、上述した第3実施形態の選択部352Dに第2ハイパスフィルターHPF2を追加した構成となっている。これによって、選択部352Eは、差動形式の第1出力信号OUT1及び第2出力信号OUT2を残留振動検出部356B(図28参照)に出力する。残留振動検出部356Bは、差動形式の第1及び第2出力信号OUT1及びOUT2に含まれる同相ノイズを除去しつつシングルエンド形式の出力信号OUT3を生成する差動増幅部39を備えるので、より的確に吐出状態を判定することが可能となる。
なお、第4実施形態において、選択部352Eは、供給ラインLa又はLbの信号と、第2スイッチSW2が接続されるラインの信号とを差動形式の入力信号として取り扱ったが、本発明はこれに限定されるものではなく、供給ラインLa又はLbの信号と、供給ラインLvの信号とを差動形式の入力信号として取り扱ってもよい。
図33に第4実施形態の変形例に係る選択部352Fの回路図を示す。この図に示されるように、第2ハイパスフィルターHPF2には、固定電位VBSが供給される。この変形例によれば、第3ノードN3のラインと供給ラインLvとに重畳する同相ノイズを効果的に抑圧することができる。
<変形例>
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に述べる各種の変形例が可能である。また、各変形例は、変形例同士を適宜組み合わせてもよく、更に、上述した各実施形態と適宜組み合わせてもよい。
(1)変形例1
上述した各実施形態では、選択部352A〜352Fと残留振動検出部356A、356Bとを1個のICチップに収納したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第3抵抗R3の前段を1チップに集積化してヘッドユニット35に搭載し、第3抵抗R3を含む後段の構成を別基板に設けてもよい。
例えば、第4実施形態に示す選択部352Eに適用した場合、図34に示すものとなる。同図に示すように、ヘッドユニット35には選択ユニットU1’〜 Un’の各々に対応して設けた端子X1〜Xnと、第5スイッチSW5及び第6スイッチSW6が接続された端子Yが設けられている。一方、回路基板500には、第3抵抗R3、図示せぬフレキシブル基板などを介して端子X1〜端子Xnに接続される端子Z1、及び端子Yと接続される端子Z2などが設けられている。
なお、第1実施形態で説明したように、静電容量Ccの影響から、ハイパスフィルターHPF1及びHPF2を兼用する圧電素子200の数「n」を制限する場合には、第3抵抗R3を含む後段の構成を多重化すればよい。
(2)変形例2
上述した各実施形態では、第1スイッチSWa1(SWb1)をオン状態からオフ状態に遷移させるのと同時に、第3スイッチSW3(第4スイッチSW4)をオン状態からオフ状態に遷移させてクランプを解除したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1スイッチSWa1(SWb1)をオン状態からオフ状態に遷移させた後に、第3スイッチSW3(第4スイッチSW4)をオン状態からオフ状態に遷移させてクランプを解除してもよい。
また、第1スイッチSWa1(SWb1)をオフ状態からオン状態に遷移させるのと同時に、第3スイッチSW3(第4スイッチSW4)をオフ状態からオン状態に遷移させてクランプをしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第3スイッチSW3(第4スイッチSW4)をオフ状態からオン状態に遷移させてクランプを動作させた後に、第1スイッチSWa1(SWb1)をオフ状態からオン状態に遷移させてもよい。
このように制御することによって、駆動信号COMが第3抵抗R3を介することなく、直接、残留振動検出部に供給されることを確実に防止することができる。
(3)変形例3
本発明は、上述した各実施形態で説明したインクジェットヘッドに限定されるものではなく、他の構成例であってもよいことは勿論である。図35〜図38は、それぞれ、インクジェットヘッド(ヘッドユニット)の他の構成例の概略を示す断面図である。以下、これらの図に基づいて説明するが、前述した実施形態と相違する点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
図35に示すインクジェットヘッド100Bは、圧電素子200の駆動によりキャビティ221内のインク(液体)がノズルから吐出するものである。このインクジェットヘッド100Bは、一対の対向する基板220を有し、両基板220間に、複数の圧電素子200が所定間隔をおいて間欠的に設置されている。
隣接する圧電素子200同士の間には、キャビティ221が形成されている。キャビティ221の図35中前方にはプレート(図示せず)、後方にはノズルプレート222が設置され、ノズルプレート222の各キャビティ221に対応する位置には、ノズル(孔)223が形成されている。
各圧電素子200の一方の面および他方の面には、それぞれ、一対の電極224が設置されている。即ち、1つの圧電素子200に対し、4つの電極224が接合されている。これらの電極224のうち所定の電極間に所定の駆動電圧波形を印加することにより、圧電素子200がシェアモード変形して振動し(図35において矢印で示す)、この振動によりキャビティ221の容積(キャビティ内の圧力)が変化し、キャビティ221内に充填されたインク(液体)がノズル223より液滴として吐出する。即ち、インクジェットヘッド100Bでは、圧電素子200自体が振動板として機能する。
図36に示すインクジェットヘッド100Cも前記と同様に、圧電素子200の駆動によりキャビティ233内のインク(液体)がノズル231から吐出するものである。このインクジェットヘッド100Cは、ノズル231が形成されたノズルプレート230と、スペーサ232と、圧電素子200とを備えている。圧電素子200は、ノズルプレート230に対しスペーサ232を介して所定距離離間して設置されており、ノズルプレート230と圧電素子200とスペーサ232とで囲まれる空間にキャビティ233が形成されている。
圧電素子200の図36中上面には、複数の電極が接合されている。即ち、圧電素子200のほぼ中央部には、第1電極234が接合され、その両側部には、それぞれ第2電極235が接合されている。第1電極234と第2電極235との間に所定の駆動電圧波形を印加することにより、圧電素子200がシェアモード変形して振動し(図36において矢印で示す)、この振動によりキャビティ233の容積(キャビティ内の圧力)が変化し、キャビティ233内に充填されたインク(液体)がノズル231より液滴として吐出する。即ち、インクジェットヘッド100Cでは、圧電素子200自体が振動板として機能する。
(4)変形例4
上述した各実施形態では、ヘッドの主走査方向と紙送りの副走査方向が異なるシリアルプリンタを一例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ヘッドの幅が用紙の幅となるラインプリンタであってもよい。残留振動による吐出状態の判定は、インクを用紙に吐出することなく実行できるので、ラインプリンタにおいて印刷中に吐出状態の検査を行うことが可能となる。
(5)変形例5
上述した各実施形態では、第3ノードN3をバイアスする第3抵抗R3を備えているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第3抵抗R3を設けなくてもよい。この場合にも、第1キャパシターC1によって直流成分はカットされるので、後段の残留振動検出部356Aを低電圧で動作させることが可能となる。
(6)変形例6
上述した各実施形態では、第3スイッチSW3を用いて第4ノードN4の電位をアナロググランドGNDにクランプしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第3スイッチSW3(及び第4スイッチSW4)を用いなくてもよい。即ち、後段の残留振動検出部356Aが大振幅の信号の入力を許容するのであれば、残留振動を検出する期間以外でのクランプは、必須ではない。例えば、残留振動検出部356Aの入力段に入力信号の振幅を制限するリミッタ回路を設ける場合には、第3スイッチSW3を用いてクランプしなくても残留振動検出部356Aを正常に動作させることができる。
1…インクジェットプリンター、6…制御部、10…吐出異常検出部、33…駆動信号生成部、36…ゲイン調整部、37…ローパスフィルター、38…バッファ、39…差動増幅部、120…圧電素子、352A〜352F…選択部、354…駆動制御部、356A、356B…残留振動検出部、C1…第1キャパシター、C2…第2キャパシター、COM…駆動信号、HPF1…第1ハイパスフィルター、HPF2…第2ハイパスフィルター、N1〜N5…第1〜第5ノード、OUT1…第1出力信号、OUT2…第2出力信号、R1〜R3…第1〜第3抵抗、SWa1、SWb1…第1スイッチ、SW2〜SW6…第2〜第6スイッチ、Vd…検出信号。

Claims (8)

  1. 液滴を吐出するノズルと、
    前記ノズルに連通する圧力室と、
    前記圧力室に対応して液滴を吐出するために設けられた圧電素子と、
    前記圧電素子を駆動するため駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
    第1キャパシターと第1抵抗とを含む第1ハイパスフィルターと、
    前記駆動信号の印加後に起きる前記圧力室内の残留振動に従った前記圧電素子の起電力の変化を検出する残留振動検出部と、
    前記駆動信号を前記圧電素子に印加するか否かを切替可能に配置された第1スイッチと、
    前記起電力の変化を前記第1ハイパスフィルターに供給するか否かを切替可能に配置された第2スイッチと、
    前記圧電素子と前記第1スイッチと前記第2スイッチとを電気的に接続する第1ノードと、
    前記駆動信号生成部と前記第1スイッチとを電気的に接続する第2ノードと、
    前記第2スイッチと前記第1ハイパスフィルターとを電気的に接続する第3ノードと、
    を備え、
    前記残留振動検出部で検出される前記起電力の変化は、前記第1ハイパスフィルターを通過した第1出力信号に基づき、
    前記第2ノードと前記第3ノードとの間に電気的に接続される第3抵抗を備える
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記第1抵抗の一方の端子には前記第1キャパシターが電気的に接続され、
    前記第1抵抗の他方の端子には固定電位が供給され、
    前記第1抵抗と並列に設けられる第3スイッチを備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記残留振動検出部は、前記第1出力信号の高域周波数成分を減衰させるローパスフィルターを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記残留振動検出部は、前記第1出力信号の振幅を調整するゲイン調整部を備えることを特徴とする請求項1乃至のうちいずれかに記載の液体吐出装置。
  5. 前記残留振動検出部は、前記第1出力信号が供給され、インピーダンスを変換してローインピーダンスの検出信号を出力するバッファアンプを備えることを特徴とする請求項1乃至に記載の液体吐出装置。
  6. 第2キャパシターと第2抵抗とを含む第2ハイパスフィルターを有し、
    前記残留振動検出部は、正入力端子と負入力端子とを有する差動増幅部を備え、
    前記差動増幅部の正入力端子には、前記第1出力信号と前記第2ハイパスフィルターを通過した第2出力信号とのうち一方が供給され、前記差動増幅部の負入力端子には、前記第1出力信号と前記第2出力信号とのうち他方が供給され、
    前記第2ハイパスフィルターには、前記駆動信号又は前記圧電素子に供給される固定電位が入力される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  7. 前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの状態には、
    前記第1スイッチがオン、且つ前記第2スイッチがオフとなる第1状態、
    前記第1スイッチがオン、且つ前記第2スイッチがオンとなる第2状態、
    前記第1スイッチがオフ、且つ前記第2スイッチがオンとなる第3状態が有り、
    前記第1スイッチ及び前記第2スイッチは、前記第1状態、前記第2状態、前記第3状態の順、又は、前記第3状態、前記第2状態、前記第1状態の順に、制御されることを特徴とする請求項1乃至のうちいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  8. 前記第1スイッチ、前記第2スイッチ及び前記第3スイッチに状態には、
    前記第1スイッチがオン、前記第2スイッチがオフ且つ前記第3スイッチがオンとなる第1状態、
    前記第1スイッチがオン、前記第2スイッチがオン且つ前記第3スイッチがオンとなる第2状態、
    前記第1スイッチがオフ、前記第2スイッチがオン且つ前記第3スイッチがオフとなる第3状態が有り、
    前記第1スイッチ、前記第2スイッチ及び前記第3スイッチは、前記第1状態、前記第2状態、前記第3状態の順、又は前記第3状態、前記第2状態、前記第1状態の順に、制御されることを特徴とする請求項に記載の液体吐出装置。
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