JP6323240B2 - 液体吐出装置、及び、ヘッドユニット - Google Patents
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Description
特許文献1には、圧電素子を用いてキャビティ内のインクに振動を与え、その残留振動に対するインクの挙動を検知することによって、ノズルからのインクの吐出状態を判定する手法が開示されている。
また、この発明によれば、駆動信号の電位の変動や圧電素子の起電力の変化が、第1配線層に設けられる各種回路にノイズとして伝播する可能性を低く抑えることができるため、例えば残留振動検出部においてノイズの影響を排除した正確な動作が可能となり、ノズルからの液体の吐出状態を正確に判定することが可能となる。
さらに、第1外部配線の経路長を第2外部配線の経路長よりも短くするため、第1外部配線の経路長を第2外部配線の経路長よりも長くする場合と比較して、第1外部配線に供給される圧電素子の起電力に重畳するノイズを低減することができ、ノズルからの液体の吐出状態を正確に判定することが可能となる。
また、この発明によれば、駆動信号の電位の変動や圧電素子の起電力の変化が、第1配線層に設けられる各種回路にノイズとして伝播する可能性を低く抑えることができるため、残留振動検出部においてノイズの影響を排除した正確な動作が可能となる。このため、圧電素子の起電力の変化に基づいてノズルからの液体の吐出状態を判定する場合において、正確な判定が可能となる。
本実施形態では、インク(「液体」の一例)を吐出して記録用紙P(「媒体」の一例)に画像を形成するインクジェットプリンターを例示して、液体吐出装置を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態における液体吐出装置の一種であるインクジェットプリンター1の構成を示す概略図である。以下、図1を参照しつつ、インクジェットプリンター1の構成について説明する。
なお、本実施形態では、インクジェットプリンター1が、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(CMYK)の4色のインクを吐出可能である場合を想定する。また、以下の説明では、図1において、+Z側(上側)を「上部」、−Z側(下側)を「下部」と称することがある。
操作パネル7は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDランプ等で構成され、エラーメッセージ等を表示する表示部(図示省略)と、各種スイッチ等で構成される操作部(図示省略)とを備えている。
また、インクジェットプリンター1は、図において+Y方向または−Y方向(以下、「Y軸方向」と称する)に往復動する移動体3を具備する印刷手段4と、記録用紙Pを印刷手段4に対し供給・排出する給紙手段5と、印刷手段4及び給紙手段5を制御する制御部6と、を備える。
キャリッジ32は、キャリッジガイド軸422に往復動自在に支持されるとともに、タイミングベルト421の一部に固定されている。そして、キャリッジ32は、キャリッジモーター41がプーリを介してタイミングベルト421を正逆走行させると、キャリッジガイド軸422に案内されてY軸方向に往復動する。この往復動の際に、ヘッドユニット35が備える記録ヘッド20に設けられる複数の吐出部Dの各々からインクを吐出することで、記録用紙Pに画像を形成する印刷処理が実行される。なお、記録ヘッド20及び吐出部Dについては、後述する。
給紙ローラ52は、記録用紙Pの搬送経路を挟んで上下に対向する従動ローラ52aと駆動ローラ52bとを含み、駆動ローラ52bは給紙モーター51に連結されている。このため、給紙ローラ52は、トレイ91に配置された記録用紙Pを印刷手段4に向かって1枚ずつ送り込み、また、印刷手段4から記録用紙Pを1枚ずつ排出したりすることができる。なお、インクジェットプリンター1は、トレイ91に代えて、記録用紙Pを収容する給紙カセットを着脱自在に装着し得るような構成であってもよい。
ここで、インクの吐出状態が異常である場合とは、吐出部Dからインクを吐出できない場合や、印刷データImgの示す画像を形成するために必要な量のインクを吐出部Dが吐出できない場合、吐出部Dが本来吐出すべき方向とは異なる方向にインクを吐出する場合、等を含む。
また、回復処理とは、吐出部Dに付着した紙粉等の異物をワイパーで拭き取るワイピング処理、吐出部Dからインクを予備的に吐出させるフラッシング処理、吐出部D内の増粘したインクや気泡等をチューブポンプ(図示省略)により吸引するポンピング処理等、吐出部Dのインクの吐出状態を正常に戻すための処理の総称である。
記憶部62は、ホストコンピューター8からインターフェース部9を介して供給される印刷データImgを図示しないデータ格納領域に格納する不揮発性半導体メモリーの一種であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)と、吐出状態判定処理などを実行する際に用いる各種データを一時的に格納し、あるいは印刷処理等の各種処理を実行するための制御プログラムを一時的に展開するRAM(Random Access Memory)と、制御プログラム等を格納する不揮発性半導体メモリーの一種であるPROMとを備えている。なお、制御部6の各構成要素は、図示しないバスを介して電気的に接続されている。
CPU61は、ホストコンピューター8から印刷データImgが供給されると、当該印刷データImgを記憶部62に格納する。そして、CPU61は、当該印刷データImgに基づいて各種制御信号を生成し、生成した制御信号を、キャリッジモータードライバー43、給紙モータードライバー53、駆動信号生成部33、ヘッドユニット35等、インクジェットプリンター1の各部に供給することで、インクジェットプリンター1の各部を制御し、これにより印刷処理の実行を制御する。
また、上述のとおり、各ヘッドユニット35は、複数の吐出部Dを備える。詳細は後述するが、各吐出部Dは、駆動信号COMに応じて変位する圧電素子200と、内部にインクを充填し圧電素子200の変位により当該内部の圧力が増減されるキャビティ220と、キャビティ220に充填されたインクを吐出するノズルNZと、を備える。
次に、図3及び図4を参照しつつ、ヘッドユニット35と、ヘッドユニット35に設けられる吐出部Dと、について説明する。
図3に示すように、記録ヘッド20は、複数のノズルNZが設けられたノズルプレート240を備える。すなわち、ノズルプレート240には、記録ヘッド20に設けられる複数の吐出部Dと1対1に対応するように、複数のノズルNZが形成されている。
吐出部Dのキャビティ220は、凹部を有するような所定の形状に成形されたキャビティプレート230と、ノズルNZが形成されたノズルプレート240と、振動板210と、により区画される空間である。キャビティ220は、インク供給口260を介してリザーバ250と連通している。リザーバ250は、インク取り入れ口270を介して1つのインクカートリッジ31と連通している。
次に、吐出部Dからのインク吐出動作と、吐出部Dに生じる残留振動と、について、図5乃至図13を参照しながら説明する。
図6は、振動板210の残留振動を想定した単振動の計算モデルを示す回路図である。この図に示すように、振動板210の残留振動の計算モデルは、音圧pと、上述のイナータンスm、コンプライアンスCm及び音響抵抗rとで表せる。そして、図6の回路に音圧pを与えた時のステップ応答を体積速度uについて計算すると、次式が得られる。
u={p/(ω・m)}e−σt・sin(ωt)
ω={1/(m・Cm)−α2}1/2
σ=r/(2m)
図7は、残留振動の実験値と計算値との関係を示すグラフである。図7に示すグラフからも分かるように、吐出部Dにおけるインクの吐出状態が正常である場合、実験値と計算値の2つの波形は、概ね一致している。
したがって、図7に示すようなインクの吐出状態が正常である場合と比較して、音響抵抗r及びイナータンスmを小さく設定して、気泡混入時の残留振動の実験値とマッチングすることにより、図9のような結果(グラフ)が得られた。図7及び図9に示すように、キャビティ220内に気泡が混入して吐出異常が生じた場合には、吐出状態が正常である場合と比較して、残留振動の周波数が高くなる。なお、音響抵抗rの低下などにより、残留振動の振幅の減衰率も小さくなり、残留振動は、その振幅をゆっくりと下げていることも確認することができる。
したがって、図7に示すようなインクの吐出状態が正常である場合と比較して、音響抵抗rを大きく設定して、ノズルNZ付近のインクが固着または増粘した場合の残留振動の実験値とマッチングすることにより、図11のような結果(グラフ)が得られた。なお、図11に示す実験値は、数日間図示しないキャップを装着しない状態で吐出部Dを放置し、ノズルNZ付近のインクが固着した状態における振動板210の残留振動を測定したものである。図7及び図11に示すように、キャビティ220内のノズルNZ付近のインクが固着した場合には、吐出状態が正常である場合と比較して、残留振動の周波数が極めて低くなるとともに、残留振動が過減衰となる特徴的な波形が得られる。これは、インクを吐出するために振動板210が+Z方向(上方)に引き寄せられることによって、キャビティ220内にリザーバからインクが流入した後に、振動板210が−Z方向(下方)に移動するときに、キャビティ220内のインクの逃げ道がないために、振動板210が急激に振動できなくなるため(過減衰となるため)である。
従って、図7に示すようなインクの吐出状態が正常である場合と比較して、イナータンスm及び音響抵抗rを大きく設定して、ノズルNZの出口付近への紙粉付着時の残留振動の実験値とマッチングすることにより、図13のような結果(グラフ)が得られた。図7及び図13のグラフから分かるように、ノズルNZの出口付近に紙粉が付着した場合には、吐出状態が正常である場合と比較して、残留振動の周波数が低くなる。
なお、図11及び図13に示すグラフから、(3)ノズルNZの出口付近への紙粉付着の場合は、(2)キャビティ220内のインクの増粘の場合と比較して、残留振動の周波数が高いことが分かる。
以下、図14乃至図19を参照しつつ、集積回路30の構成と、集積回路30の周辺回路と、について説明する。
この図に示すようにヘッドユニット35は、記録ヘッド20と、ICチップ301に設けられた集積回路30と、を備える。上述のとおり、記録ヘッド20には、複数の吐出部Dが設けられる。つまり、記録ヘッド20は、複数の圧電素子200を備える。以下では、各ヘッドユニット35が備える記録ヘッド20に設けられる圧電素子200の個数(吐出部Dの個数)をn個として説明する(nは2以上の自然数)。
制御信号生成部354は、制御部6から供給される印字データSIやクロック信号等に基づいて、制御信号S(S1〜Sn、Sc)及び、制御信号A(A1〜An)を生成する。
供給部352Aは、制御信号生成部354が生成する制御信号Aに基づいて、駆動信号生成部33から供給される駆動信号COMを、各圧電素子200に供給する。
具体的には、まず、供給部352Aは、制御信号生成部354が生成する制御信号Sに基づいて、残留振動の検出対象である吐出部Dが備える圧電素子200の起電力の変化を示す出力信号OUT1を生成し、生成した出力信号OUT1を残留振動検出部356Aに対して供給する。そして、残留振動検出部356Aは、供給部352Aから供給される出力信号OUT1に基づいて、吐出部Dにおいて生じる残留振動を示す残留振動信号Vdを生成する。さらに、吐出状態判定部10は、残留振動検出部356Aが生成する残留振動信号Vdに基づいて、吐出部Dにおけるインクの吐出状態を判定して、判定結果を示す判定結果信号Rsを出力する。
図15は、集積回路30が実装されたICチップ301と、ICチップ301の周辺回路と、を示すブロック図である。ICチップ301は、入力端子x0と、n個の接続端子x1と、出力端子x2と、を備える。
各接続端子x1は、内部配線により供給部352Aと電気的に接続される。また、各接続端子x1には、外部配線LX1(「第1外部配線」の一例)が接続されている。外部配線LX1は、集積回路30及び圧電素子200を電気的に接続するための配線である。
出力端子x2は、内部配線により残留振動検出部356Aと電気的に接続される。また、出力端子x2には、外部配線LX2(「第2外部配線」の一例)が接続されている。外部配線LX2は、集積回路30及び吐出状態判定部10を電気的に接続するための配線であり、残留振動検出部356Aが生成する残留振動信号Vdを吐出状態判定部10に供給する。
図16に示すように、供給部352Aは、駆動信号COMが供給される内部配線L1(「第1内部配線」の一例)と、圧電素子200の起電力Voutが供給される内部配線L2(「第2内部配線」の一例)と、圧電素子200に駆動信号COMを供給するか否か、及び、圧電素子200の起電力Voutを内部配線L2に供給するか否かを選択するための選択回路UXと、起電力Voutに基づいて起電力Voutの変化を示す出力信号OUT1を生成するハイパスフィルターHPF1と、抵抗R3と、を備える。
各選択ユニットUは、トランスファーゲートで構成された2個のスイッチを備える。例えば、図16に示すように、選択ユニットU1は、スイッチSW1(「第1スイッチ」の一例)とスイッチSW2(「第2スイッチ」の一例)とを備える。以下では、選択ユニットUとして選択ユニットU1を例示して説明するが、選択ユニットU2〜Unは、選択ユニットU1と同様に構成されている。
なお、本実施形態において、選択ユニットUが備えるスイッチを構成するトランスファーゲートは、並列に接続されたPチャネルトランジスターとNチャネルトランジスターとを備えるが、いずれか一方のチャネル型のトランジスターで構成されるものであってもよい。
スイッチSW2は、制御信号S1がハイレベルでオン状態となり、圧電素子200の起電力VoutをハイパスフィルターHPF1に供給する一方、制御信号S1がローレベルでオフ状態となり、圧電素子200の起電力VoutをハイパスフィルターHPF1に供給しない。すなわち、スイッチSW2は、圧電素子200の起電力VoutをハイパスフィルターHPF1に供給するか否かを切替可能に配置されている。
なお、詳細は後述するが、本実施形態において、スイッチSW1がオン状態になる期間と、スイッチSW2がオン状態になる期間は、一部重複するが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、スイッチSW1とスイッチSW2とは、排他的にオン状態になるものであってもよい。
また、内部配線L1及び内部配線L2は、抵抗R3を介して電気的に接続されている。より具体的には、内部配線L1及び抵抗R3の一方の端子は、ノードN2において電気的に接続され、また、内部配線L2及び抵抗R3の他方の端子は、ノードN3において電気的に接続されている。抵抗R3は、ノードN3に駆動信号COMの電圧を供給するバイアス抵抗として機能する。なお、供給部352Aは、ノードN3をバイアスする抵抗R3を備えているが、この抵抗R3は設けられなくてもよい。
また、スイッチSW1及び駆動信号生成部33は内部配線L1により電気的に接続され、スイッチSW2及びハイパスフィルターHPF1は、内部配線L2により電気的に接続されている。
これに対して、本実施形態では、ノードN3の電位が大きく変化する期間においてスイッチSW3をオン状態として、残留振動検出部356Aの入力端子の電位をアナロググランドAGNDにクランプする。このため、残留振動の検出期間において直ちに残留振動の検出を開始することができ、さらに残留振動検出部356Aを構成する部品の耐圧を下げることが可能となる。
ゲイン調整部36は、オペアンプを用いた負帰還型のアンプであり、その出力信号を分圧する可変抵抗器Vrの中点を調整することによって、出力信号OUT1の振幅を調整することができる。
ローパスフィルター37は、出力信号OUT1の高域周波数成分を減衰させる。この例のローパスフィルター37は、オペアンプを用いた多重帰還型であるが、残留振動の周波数帯域よりも高域周波数成分を減衰させるのであれば、どのような形式であってもよい。ローパスフィルター37によって、検出する周波数範囲を限定することでノイズ成分を除去することが可能となる。
バッファ38は、インピーダンスを変換してローインピーダンスの残留振動信号Vdを出力する。この例のバッファ38は、オペアンプを用いたボルテージフォロアで構成されている。
なお、図18では、簡単のため、内部配線L1、内部配線L2、選択回路UX、残留振動検出部356A等、集積回路30の一部の構成要素を、概略的に示している。
以下では、シールド部SHが形成される配線層LYをシールド配線層(「第3配線層」の一例)と称し、シールド配線層から見て基板302側の配線層LYを下部配線層(「第1配線層」の一例)と称し、シールド配線層から見て基板302とは反対側の配線層LYを上部配線層(「第2配線層」の一例)と称する。すなわち、本実施形態では、下部配線層は、電子回路(ロジック回路)が設けられる配線層であり、上部配線層は、内部配線L1及びL2等が設けられる配線層である。
なお、この図では、半導体基板にアクティブ層を有するMOS型トランジスターを例示しているが、電子回路を構成するトランジスターは、どのような酒類のトランジスターでもよい。例えば、薄膜トランジスターでもよいし、電界効果トランジスターでもよい。
また、図19では、シールド配線層が1層の配線層LY3からなり、下部配線層が2層の配線層LY1及びLY2からなり、上部配線層が2層の配線層LY4及びLY5からなる場合を例示しているが、シールド配線層、下部配線層、及び、上部配線層の各々は、1層以上の配線層LYからなるものであればよい。また、下部配線層は、Nウェル303(及びPウェル)、及び、不純物拡散層を含むものであってもよい。
本実施形態では、図18に例示するように、残留振動検出部356Aは低電圧領域AR1の下部配線層に設けられ、選択回路UXは高電圧領域AR2の下部配線層に設けられる。
より具体的には、部分領域AP2は、部分領域AP2aと部分領域AP2bとを含む。そして、内部配線L1は、高電圧領域AR2のうち部分領域AP2bの上部配線層に設けられ、内部配線L2は、高電圧領域AR2のうち部分領域AP2aの上部配線層に設けられる。
より具体的には、本実施形態において、シールド部SHは、シールド部SH1と、シールド部SH2とを含む。そして、シールド部SH1は、内部配線L1を覆うように、部分領域AP2bを含む領域に設けられ、シールド部SH2は、内部配線L2を覆うように、部分領域AP1及び部分領域AP2aを含む領域に設けられる。
なお、この図に示す例では、平面視してシールド部SH1及びSH2が離間するようにシールド部SHが設けられているが、シールド部SH1及びSH2が接続するようにシールド部SHが設けられていてもよい。つまり、この図に示す例では、シールド部SHは、2つの部分(SH1及びSH2)に区分されているが、1つの部分からなるものであってもよいし、3以上の部分に区分されていてもよい。
また、図18及び図19に示す例では、ハイパスフィルターHPF1のキャパシターC1は、低電圧領域AR1の配線層LY3及びLY4に設けられているが、キャパシターC1はいずれの配線層LYに設けられていてもよい。
このため、内部配線L1またはL2と電子回路(ロジック回路)の間に寄生容量が生じることを防止することができ、駆動信号COMの電位の変動または起電力Voutの電位の変動が、ノイズとして電子回路に伝播することを防止することが可能となる。これにより、残留振動検出部356A等の電子回路において、ノイズの影響を排除した正確な残留振動の検出が可能となり、吐出部Dにおけるインクの吐出状態を正確に判定することが可能となる。
これに対して、本実施形態では、シールド配線層にシールド部SHを設けるため、電子回路において生じるノイズが内部配線L2に伝播する可能性を低く抑えることができる。すなわち、電子回路において生じるノイズが起電力Voutに重畳することを防止し、残留振動検出部356Aで検出する残留振動の精度を向上させることができる。
次に、図20乃至図23を参照しつつ、供給部352Aの動作について説明する。図20は供給部352Aの動作を示すタイミングチャートであり、図21〜図23は、各期間におけるスイッチSW1、SW2及びSW3のオン状態及びオフ状態を示す説明図である。なお、図21〜図23に示す例は、選択ユニットU1に対応する吐出部Dにおけるインクの吐出状態を検出する場合を想定している。
なお、期間T1において、制御信号A2〜Anはハイレベル、制御信号S2〜Snはローレベルになるので、検査対象以外の吐出部Dに対応する圧電素子200に微振動パルスP1が印加され、検査対象以外の吐出部Dに対応するキャビティ220内のインクについて増粘が抑制される。
スイッチSW1がオン状態となって検査パルスP2が圧電素子200に印加されると、圧電素子200は、検査パルスP2の立ち下がりに同期してインクをキャビティ220内に引き込む方向に撓み、検査パルスP2の立ち上がりに同期してインクをキャビティ220から押し出す方向に撓む。
ここで、検査パルスP2は、インクがノズルNZから吐出しないように振幅、位相及び立ち上がり時間が調整されていてもよいし、あるいは、検査パルスP2によってインクがノズルNZから吐出されてもよい。検査パルスP2が非吐出に対応する波形である場合には、印刷処理を実行している期間に吐出状態判定処理を実行し残留振動を検出することができる。一方、検査パルスP2が吐出に対応する波形である場合には、例えば、ヘッドユニット35を記録用紙Pからはずれた位置に移動させたうえで、吐出状態判定処理を実行すればよい。
このとき、制御信号生成部354は、第1状態(期間T2)→第2状態(期間T3)→第3状態(期間T4)の順に、スイッチSW1及びスイッチSW2を制御する。また、制御信号生成部354は、第3状態(期間T4)→第2状態(期間T5)→第1状態(期間T6)の順に、スイッチSW1及びスイッチSW2を制御する。
すなわち、第2状態では、ノードN3には、スイッチSW1→ノードN1→スイッチSW2の経路で駆動信号COMの所定電位Vxが供給されるとともに、ノードN2→抵抗R3の経路で駆動信号COMの所定電位Vxが供給される。
この第2状態から第3状態へ遷移すると、スイッチSW1がオフ状態に遷移するが、ノードN2→抵抗R3の経路は残され、ノードN3には抵抗R3によって駆動信号COMの所定電位Vxがバイアスされる。よって、第1状態から第3状態へ遷移する際にノードN3の電位が大きく変化しないので、スイッチングノイズを低減できる。加えて、第1状態→第2状態→第3状態といったシーケンスでスイッチSW1及びスイッチSW2を制御することにより、圧電素子200からの電流を連続的に流すことができるので、コイルの逆起電力のような切替時のサージ電圧の発生を無くすことができる。この結果、期間T4が開始されると同時に残留振動の検出を行うことが可能となる。
くわえて、第1状態(期間T2及び期間T6)並びに第2状態(期間T3及び期間T5)において、スイッチSW3はオン状態となるので、ノードN4の電位はアナロググランドAGNDにクランプされる。図16に示すように、駆動信号COMが供給される内部配線L1とノードN3が接続され残留振動に基づく起電力Voutが供給される内部配線L2との間には寄生容量Caが存在する。このため、期間T2においてスイッチSW2がオフ状態になっても、大振幅の検査パルスP2が寄生容量Caを介してノードN3に伝送される。本実施形態によれば、期間T2及びT3において、スイッチSW3がオン状態となり、ノードN4はアナロググランドAGNDにクランプされる。このため、検査パルスP2が残留振動検出部356Aに干渉することを防止することができる。
次に、図24及び図25を参照しつつ、吐出状態判定部10の動作について説明する。
上述のとおり、吐出状態判定部10は、計測部12と、判定部14と、を備える。
計測部12には、残留振動検出部356Aにおいて出力信号OUT1を整形した残留振動信号Vdと、制御部6が生成するマスク信号Mskと、残留振動信号Vdの振幅中心レベルの電位に定められた閾値電位Vth_cと、閾値電位Vth_cよりも高電位に定められた閾値電位Vth_oと、閾値電位Vth_cよりも低電位に定められた閾値電位Vth_uと、が供給される。計測部12は、これらの信号等に基づいて、残留振動の1周期の時間を示す周期データNTcと、当該周期データNTcが有効な値であるか否かを示す有効性フラグFlagと、を出力する。
この図に示すように、計測部12は、残留振動信号Vdの示す電位と閾値電位Vth_cとを比較して、残留振動信号Vdの示す電位が閾値電位Vth_c以上となる場合にハイレベルとなり、残留振動信号Vdの示す電位が閾値電位Vth_c未満となる場合にローレベルとなる比較信号Cmp1を生成する。
また、計測部12は、残留振動信号Vdの示す電位と閾値電位Vth_oとを比較して、残留振動信号Vdの示す電位が閾値電位Vth_o以上となる場合にハイレベルとなり、残留振動信号Vdの示す電位が閾値電位Vth_o未満となる場合にローレベルとなる比較信号Cmp2を生成する。
また、計測部12は、残留振動信号Vdの示す電位と閾値電位Vth_uとを比較して、残留振動信号Vdの示す電位が閾値電位Vth_u未満となる場合にハイレベルとなり、残留振動信号Vdの示す電位が閾値電位Vth_u以上となる場合にハイレベルとなる比較信号Cmp3を生成する。
このように、計測部12は、時刻t11から時刻t12までの時間長を、残留振動信号Vdの1周期分の時間長として計測することで、周期データNTcを生成する。
そこで、本実施形態は、残留振動信号Vdの振幅が、周期データNTcの計測のために十分な大きさを有しているか否かを判定し、当該判定の結果を有効性フラグFlagとして出力する。
具体的には、計測部12は、カウンタによりカウントが実行されている期間、つまり、時刻t11から時刻t12までの期間において、残留振動信号Vdの示す電位が、閾値電位Vth_oを超え、且つ、閾値電位Vth_uを下回る場合に、有効性フラグFlagの値を、周期データNTcが有効であることを示す値「1」に設定し、それ以外の場合には「0」に設定したうえで、この有効性フラグFlagを出力する。
図25は、判定部14における判定の内容を説明するための説明図である。この図に示すように、判定部14は、周期データNTcの示す時間長を、閾値Tth1、閾値Tth1よりも長い時間長を表す閾値Tth2、及び、閾値Tth2よりも更に長い時間長を表す閾値Tth3の3つの閾値(または、これら3つの閾値うちの一部の閾値)と比較する。
ここで、閾値Tth1は、キャビティ220内部に気泡が発生して残留振動の周波数が高くなる場合における残留振動の1周期分の時間長と、吐出状態が正常である場合における残留振動の1周期分の時間長との境界を示すための値である。また、閾値Tth2は、ノズルNZ出口付近に紙粉が付着して残留振動の周波数が低くなる場合における残留振動の1周期分の時間長と、吐出状態が正常である場合における残留振動の1周期分の時間長との境界を示すための値である。また、閾値Tth3は、ノズルNZ付近におけるインクの固着または増粘により、紙粉が付着する場合よりもさらに残留振動の周波数が低くなる場合における残留振動の1周期分の時間長と、ノズルNZ出口付近に紙粉が付着した場合における残留振動の1周期分の時間長との境界を示すための値である。
一方、判定部14は、有効性フラグFlagの値が「1」であり、且つ、「NTc<TTH1」を満たす場合には、キャビティ220に生じた気泡により吐出異常が発生していると判定し、判定結果信号Rsに対して、気泡による吐出異常が発生していることを示す値「2」を設定する。また、判定部14は、有効性フラグFlagの値が「1」であり、且つ、「TTH2<NTc≦TTH3」を満たす場合には、ノズルNZ出口付近に付着した紙粉により吐出異常が発生していると判定し、判定結果信号Rsに対して、紙粉による吐出異常が発生していることを示す値「3」を設定する。また、判定部14は、有効性フラグFlagの値が「1」であり、且つ、「TTH3<NTc」を満たす場合には、インクの増粘により吐出異常が発生していると判定し、判定結果信号Rsに対して、インク増粘による吐出異常が発生していることを示す値「4」を設定する。また、判定部14は、有効性フラグFlagの値が「0」である場合には、判定結果信号Rsに対して、インクが注入されていない等のなんらかの原因により吐出異常が発生していることを示す値「5」を設定する。
以上において説明したように、本実施形態では、上部配線層と下部配線層との間に、平面視して内部配線L1及びL2を覆うようにシールド部SHが設けられる。このため、内部配線L1またはL2における電位の変動が、ノイズとして電子回路に伝播することを防止することが可能となるとともに、電子回路において生じるノイズが起電力Voutに重畳することを防止することができる。これにより、ノイズの影響を排除した正確な残留振動の検出が可能となり、吐出部Dにおけるインクの吐出状態を正確に判定することが可能となる。
これに対して、本実施形態では、大振幅の信号が供給される内部配線L1及びL2を上部配線層に設け、更に、上部配線層及び基板302の間にシールド部SHを設ける。このため、基板302において、寄生ダイオードや寄生トランジスターの発生を防止することができ、残留振動検出部356A等における電子回路の誤動作を防止した、正確な残留振動の検出が可能となる。
第2実施形態に係るインクジェットプリンター1は、供給部352Aの替わりに供給部352Bを用いる点、及び、残留振動検出部356Aの替わりに残留振動検出部356Bを用いる点を除いて、第1実施形態のインクジェットプリンター1と同様に構成されている。
なお、以下に例示する第2実施形態において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する(以下で説明する変形例についても同様)。
ゲイン調整部36、ローパスフィルター37、及び、バッファ38は、第1実施形態の残留振動検出部356Aと同様であり、差動増幅部39が相違する。差動増幅部39は、3個のオペアンプを用いて構成されたインスツルメンテーションアンプである。差動増幅部39のゲインGは以下の式で与えられる。
G=OUT3/(OUT1−OUT2)
=(1+2*R4/R3)*(R6/R5)
出力信号OUT3は、ローパスフィルター37において高域周波数成分が減衰され、ゲイン調整部36においてゲインが調整され、バッファ38においてインピーダンスが変換されて、残留振動信号Vdとして吐出状態判定部10に供給される。
また、内部配線L1は、部分領域AP1の上部配線層と部分領域AP2の上部配線層とに設けられる。すなわち、第2実施形態は、内部配線L1が、部分領域AP1の上部配線層に設けられている点において、第1実施形態と相違する。
より具体的には、部分領域AP1は、部分領域AP1aと部分領域AP1bとを含む。そして、内部配線L1は、低電圧領域AR1のうち部分領域AP1bの上部配線層と、高電圧領域AR2のうち部分領域AP2bの上部配線層と、に設けられ、内部配線L2は、低電圧領域AR1のうち部分領域AP1aの上部配線層と、高電圧領域AR2のうち部分領域AP2aの上部配線層と、に設けられる。
より具体的には、シールド部SHのうちシールド部SH1は、内部配線L1を覆うように、部分領域AP1b及び部分領域AP2bを含む領域に設けられ、シールド部SHのうちシールド部SH2は、内部配線L2を覆うように、部分領域AP1a及び部分領域AP2aを含む領域に設けられる。
なお、図28及び図29に例示するように、ハイパスフィルターHPF1のキャパシターC1と、ハイパスフィルターHPF2のキャパシターC2とは、低電圧領域AR1の配線層LY3及びLY4に設けられている。
このため、内部配線L1における電位の変動または内部配線L2における電位の変動が、ノイズとして電子回路に伝播することを防止することが可能となる。また、電子回路において生じるノイズが内部配線L2に伝播することを防止できる。これにより、残留振動検出部356B等の電子回路において、ノイズの影響を排除した正確な残留振動の検出が可能となり、吐出部Dにおけるインクの吐出状態を正確に判定することが可能となる。
図30は、第2実施形態の変形例に係る供給部352Cの回路図である。この図に示すように、ハイパスフィルターHPF2には、基準電位VBSが供給される。この図に示す例によれば、内部配線L2と供給ラインLvとに重畳する同相ノイズを効果的に抑圧するができる。
第3実施形態に係るインクジェットプリンター1は、供給部352Aの替わりに供給部352Dを用いる点、並びに、駆動信号生成部33が駆動信号COMa及び駆動信号COMbを生成する点を除いて、第1実施形態に係るインクジェットプリンター1と同様に構成されている。
具体的には、図31に示すように、供給部352Dは、内部配線L1a及び内部配線L1bを含む内部配線L1と、内部配線L2と、内部配線L1aと抵抗R3との間に電気的に接続されるスイッチSW5と、内部配線L1bと抵抗R3との間に電気的に接続されるスイッチSW6と、を備える。
また、本実施形態では、第1実施形態と同様に、シールド部SHが、平面視して、部分領域AP1及び部分領域AP2を少なくとも含む領域に設けられる(図18参照)。
一方、駆動信号COMbは、期間T10に微振動パルスP1を含み、期間T11〜期間T15において基準電位Vrefを維持し、期間T16に検査パルスP2を含み、期間T17〜期間T19において所定電位Vxを維持し、期間T20において所定電位Vxから基準電位Vrefに下降し、期間T21において基準電位Vrefを維持する。
すなわち、期間T10〜期間T15からなる単位期間Taにおける駆動信号COMaの波形は、期間T16〜期間T21からなる単位期間Tbにおける駆動信号COMbの波形と略同じであり、単位期間Tbにおける駆動信号COMaの波形は、単位期間Taにおける駆動信号COMbの波形と略同じである。
従って、単位期間Tbでは、選択ユニットUA2において駆動信号COMbを選択して、検査パルスP2を圧電素子200−2に印加し、圧電素子200−2の残留振動を検出する。
第4実施形態に係るインクジェットプリンター1は、供給部352Dの替わりに供給部352Eを用いる点を除いて、第3実施形態のインクジェットプリンター1と同様に構成されている。
部分領域AP1(部分領域AP1a)の上部配線層と、部分領域AP2(部分領域AP2a)の上部配線層とに設けられる(図28参照)。
また、第4実施形態では、第2実施形態と同様に、シールド部SHが、平面視して、部分領域AP1及び部分領域AP2を少なくとも含む領域に設けられる(図28参照)。
図34は、第4実施形態の変形例に係る供給部352Fの回路図である。この図に示されるように、ハイパスフィルターHPF2には、基準電位VBSが供給される。この変形例によれば、内部配線L2と供給ラインLvとに重畳する同相ノイズを効果的に抑圧することができる。
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に述べる各種の変形例が可能である。また、各変形例は、変形例同士を適宜組み合わせてもよく、更に、上述した各実施形態と適宜組み合わせてもよい。
上述した実施形態において、シールド部SHは、低電圧領域AR1の部分領域AP1と、高電圧領域AR2の部分領域AP2と、を少なくとも含むように設けられたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、図35に示すように、シールド部SHは、低電圧領域AR1の部分領域AP1に設けられていればよい。
高電圧領域AR2に形成される電子回路は、大振幅の信号を処理するための回路であり、
シールド部SHを設けない場合であっても、低電圧領域AR1に形成される電子回路と比較して、内部配線L1及びL2からのノイズの影響を受け難い。よって、シールド部SHを、少なくとも、平面視して部分領域AP1を含むように、つまり、低電圧領域AR1において内部配線L1及びL2を覆うように設けることで、集積回路30を構成する電子回路の誤動作を防止することが可能となる。
上述した実施形態及び変形例において、集積回路30を有するICチップ301は、フレキシブルケーブル300に実装されるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、集積回路30は記録ヘッド20に設けられてもよい。
上述した実施形態及び変形例では、液体吐出装置としてヘッドの主走査方向と紙送りの副走査方向が異なるシリアルプリンタを例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ヘッドの幅が用紙の幅となるラインプリンタであってもよい。残留振動による吐出状態の判定は、インクを用紙に吐出することなく実行できるので、ラインプリンタにおいて印刷中に吐出状態の検査を行うことが可能となる。
上述した実施形態及び変形例において、液体吐出装置としてCMYKの4色のインクを吐出可能なインクジェットプリンターを例示して説明したが、1色以上のインクを吐出可能であればよい。つまり、上述した実施形態及び変形例では、4個のヘッドユニット35を備える場合を例示して説明したが、ヘッドユニット35の個数は1以上であればよい。
Claims (6)
- 圧電素子と、
内部に液体が充填され前記圧電素子の変位により当該内部の圧力が増減される圧力室と、
前記圧力室に連通し前記圧力室内部の圧力の増減に応じて前記圧力室の内部に充填された液体を吐出するノズルと、
前記圧力室に生じる残留振動に応じた前記圧電素子の起電力の変化を示す残留振動信号に基づいて前記ノズルからの液体の吐出状態を判定する吐出状態判定部と、
前記圧電素子を駆動するための駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
前記駆動信号を前記圧電素子へ伝達し、前記圧電素子の起電力の変化を検出する集積回路と、
前記集積回路と前記圧電素子とを電気的に接続するための第1外部配線と、
前記集積回路と前記吐出状態判定部とを電気的に接続するための第2外部配線と、
を備え、
前記集積回路は、
第1配線層に設けられ、前記圧電素子の起電力の変化を示す信号を増幅させて前記残留振動信号を生成する残留振動検出部と、
第2配線層に設けられ、前記駆動信号が供給される第1内部配線と、
前記第2配線層に設けられ、前記圧電素子の起電力が供給される第2内部配線と、
前記第1配線層に設けられ、前記第1外部配線と前記第1内部配線との間の導通及び非導通を切り替える第1スイッチと、
前記第1配線層に設けられ、前記第1外部配線と前記第2内部配線との間の導通及び非導通を切り替える第2スイッチと、
前記第1配線層及び前記第2配線層の間の第3配線層に設けられ、導電性材料よりなるシールド部と、
を具備し、
前記第1外部配線の経路長は、
前記第2外部配線の経路長よりも短い、
ことを特徴とする液体吐出装置。 - 前記集積回路は、
基板上に形成され、前記基板に垂直な方向から見たときに、第1部分領域を含む第1領域と、第2部分領域を含む第2領域とに区分され、
前記残留振動検出部は、
前記第1領域に設けられ、
前記第1スイッチ及び前記第2スイッチは、
前記第2領域に設けられ、
前記第2内部配線は、
前記第1部分領域と前記第2部分領域とに設けられ、
前記シールド部は、
前記第1領域のうち少なくとも前記第1部分領域を含む領域に設けられる、
ことを特徴とする、請求項1に記載の液体吐出装置。 - 前記シールド部は、
前記第2領域のうち少なくとも前記第2部分領域を含む領域に設けられる、
ことを特徴とする、請求項2に記載の液体吐出装置。 - 前記第1内部配線は、
前記第1部分領域と前記第2部分領域とに設けられる、
ことを特徴とする、請求項2または3に記載の液体吐出装置。 - 前記集積回路は、
基板上に形成され、
前記第2配線層は、
前記第3配線層から見て、前記基板とは反対側の層である、
ことを特徴とする、請求項1に記載の液体吐出装置。 - 液体吐出装置に設けられるヘッドユニットであって、
圧電素子と、
内部に液体が充填され前記圧電素子の変位により当該内部の圧力が増減される圧力室と、
前記圧力室に連通し前記圧力室内部の圧力の増減に応じて前記圧力室の内部に充填された液体を吐出するノズルと、
前記圧電素子を駆動するための駆動信号を前記圧電素子に伝達し、前記圧電素子が駆動された後に前記圧力室に生じる残留振動に応じた前記圧電素子の起電力の変化を検出する集積回路と、
前記集積回路と前記圧電素子とを電気的に接続する第1外部配線と、
を備え、
前記集積回路は、
第1配線層に設けられ、前記圧電素子の起電力の変化を示す信号を増幅させた残留振動信号を生成する残留振動検出部と、
第2配線層に設けられ、前記駆動信号が供給される第1内部配線と、
前記第2配線層に設けられ、前記圧電素子の起電力が供給される第2内部配線と、
前記第1配線層に設けられ、前記第1外部配線と前記第1内部配線との間の導通及び非導通を切り替える第1スイッチと、
前記第1配線層に設けられ、前記第1外部配線と前記第2内部配線との間の導通及び非導通を切り替える第2スイッチと、
前記第1配線層及び前記第2配線層の間の第3配線層に設けられ、導電性材料よりなるシールド部と、
を具備する、
ことを特徴とするヘッドユニット。
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