JP2024035399A - プリントヘッド、及び液体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化が困難になるおそれを低減できるプリントヘッドを提供すること。【解決手段】プリントヘッドの集積回路は、第1方向に沿って向かい合って位置する第1辺及び第2辺、第1辺の近傍に位置する第1端子及び第2端子、第2辺の近傍に位置する第3端子、第1端子から出力する第1駆動電圧の駆動波形を選択する第1出力制御回路、第2端子から出力する第2駆動電圧の駆動波形を選択する第2出力制御回路、及び第3端子から入力されるコマンド信号を解析し解析結果に応じて異なる動作を実行させる論理回路を有し、集積回路の第1辺に沿った方向の長さは第1方向に沿った方向の長さよりも長く、論理回路の第1辺に沿った方向の長さは第1方向に沿った方向の長さよりも長く、第1出力制御回路及び第2出力制御回路の第1辺に沿った方向の長さは第1方向に沿った方向の長さよりも短い、特徴とするプリントヘッド。【選択図】図15

Description

本発明は、プリントヘッド、及び液体吐出装置に関する。
近年、液体吐出装置が媒体に画像を形成する速度及び品質の向上の観点において、プリントヘッドが有するノズル数が増加している。また、このようなノズル数が増加したプリントヘッドであっても、液体の安定した吐出特性を実現するとの観点から、自己診断機能やノズル補完機能等の機能を備えたプリントヘッドを備えた液体吐出装置が知られている。
例えば、特許文献1には、プリントヘッドに特定のコマンドを送信し、プリントヘッドの内部において、当該コマンドを解析するとともに、解析結果に応じた処理をプリントヘッドに実行させる液体吐出装置が開示されている。
特開2020-049932号公報
しかしながら、特許文献1に記載の液体吐出装置では、プリントヘッドが、多種多様なコマンドを解析するとともに、解析結果に応じた処理を実行するが故に、プリントヘッドに搭載される回路規模が増大し、その結果、プリントヘッドの小型化が困難になるおそれが生じた。
本発明に係るプリントヘッドの一態様は、
第1駆動電圧が供給されることで駆動する第1圧電素子と、
第2駆動電圧が供給されることで駆動する第2圧電素子と、
前記第1圧電素子に供給される前記第1駆動電圧の駆動波形、及び前記第2圧電素子に供給される前記第2駆動電圧の駆動波形を選択する集積回路と、
前記第1駆動電圧及び前記第2駆動電圧を伝搬し、前記集積回路が設けられた配線基板と、
を備え、
前記集積回路は、
第1方向に沿って互いに向かい合って位置する第1辺及び第2辺と、
前記第2辺よりも前記第1辺の近傍に位置し、前記第1辺に沿って並んで位置する第1端子及び第2端子と、
前記第1辺よりも前記第2辺の近傍に位置する第3端子と、
前記第1端子から出力する前記第1駆動電圧の駆動波形を選択する第1出力制御回路と、
前記第2端子から出力する前記第2駆動電圧の駆動波形を選択する第2出力制御回路と、
前記第3端子から入力されるコマンド信号を解析し、解析結果に応じて異なる動作を実行させる論理回路と、
を有し、
前記集積回路の前記第1辺に沿った方向の長さは、前記第1方向に沿った方向の長さよ
りも長く、
前記論理回路の前記第1辺に沿った方向の長さは、前記第1方向に沿った方向の長さよりも長く、
前記第1出力制御回路の前記第1辺に沿った方向の長さは、前記第1方向に沿った方向の長さよりも短く、
前記第2出力制御回路の前記第1辺に沿った方向の長さは、前記第1方向に沿った方向の長さよりも短い。
本発明に係る液体吐出装置の一態様は、
媒体に液体を吐出するプリントヘッドと、
前記プリントヘッドの動作を制御する制御信号を出力する制御回路と、
を備え、
前記プリントヘッドは、
第1駆動電圧が供給されることで駆動する第1圧電素子と、
第2駆動電圧が供給されることで駆動する第2圧電素子と、
前記第1圧電素子に前記第1駆動電圧を供給するか否か、及び前記第2圧電素子に前記第2駆動電圧を供給するか否か、を切り替える集積回路と、
前記第1駆動電圧及び前記第2駆動電圧を伝搬し、前記集積回路が設けられた配線基板と、
を有し、
前記集積回路は、
第1方向に沿って互いに向かい合って位置する第1辺及び第2辺と、
前記第2辺よりも前記第1辺の近傍に位置し、前記第1辺に沿って並んで位置する第1端子及び第2端子と、
前記第1辺よりも前記第2辺の近傍に位置する第3端子と、
前記第1端子から出力する前記第1駆動電圧の駆動波形を選択する第1出力制御回路と、
前記第2端子から出力する前記第2駆動電圧の駆動波形を選択する第2出力制御回路と、
前記第3端子から入力されるコマンド信号を解析し、解析結果に応じて異なる動作を実行させる論理回路と、
を有し、
前記集積回路の前記第1辺に沿った方向の長さは、前記第1方向に沿った方向の長さよりも長く、
前記論理回路の前記第1辺に沿った方向の長さは、前記第1方向に沿った方向の長さよりも長く、
前記第1出力制御回路の前記第1辺に沿った方向の長さは、前記第1方向に沿った方向の長さよりも短く、
前記第2出力制御回路の前記第1辺に沿った方向の長さは、前記第1方向に沿った方向の長さよりも短い。
液体吐出装置の概略構成を示す図である。 液体吐出装置の機能構成を示す図である。 吐出部の概略構成を示す図である。 切替回路の機能構成を示す図である。 コマンド解析回路に入力される信号と、コマンド解析回路が出力する信号と、の関係の一例を示す図である。 駆動信号COMの一例を示す図である。 駆動信号選択回路の機能構成を示す図である。 デコーダーにおけるデコード内容の一例を示す図である。 選択回路の構成を示す図である。 駆動信号選択回路の動作の一例を示す図である。 検査回路の機能構成を示す図である。 計測部の動作の一例を説明するための図である。 判定部による吐出部の吐出状態の判定論理の一例を示す図である。 フレキシブル配線基板の構造を示す図である。 集積回路装置の回路レイアウトを示す図である。 集積回路装置の端子配置を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて説明する。用いる図面は説明の便宜上のものである。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.液体吐出装置の概要
図1は、液体吐出装置1の概略構成を示す図である。液体吐出装置1は、キャリッジ20が往復移動するとともに、キャリッジ20に搭載されたプリントヘッド22が、搬送される媒体Pにインクを吐出することで、媒体Pに所望の画像を形成する所謂シリアル方式のインクジェットプリンターである。ここで、以下の説明では、キャリッジ20が往復移動する方向を主走査方向と称し、媒体Pが搬送される方向を搬送方向と称する場合がある。
液体吐出装置1は、液体容器2、制御機構10、キャリッジ20、移動機構30、及び搬送機構40を備える。
液体容器2には、媒体Pに吐出されるインクとして、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グレー等の色彩のインクが貯留されている。このような液体容器2としては、例えば、インクカートリッジ、可撓性のフィルムで形成された袋状のインクパック、インクの補充が可能なインクタンク等を用いることができる。
制御機構10は、CPU(Central Processing Unit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の処理回路と、半導体メモリー等の記憶回路と、を含み、液体吐出装置1の各要素を制御する。
キャリッジ20は、後述する移動機構30に含まれる無端ベルト34に固定されている。また、キャリッジ20には、媒体Pに対してインクを吐出するプリントヘッド22が搭載されている。なお、前述した液体容器2は、液体吐出装置1が有する不図示の筐体の内部に収納されていてもよく、キャリッジ20に搭載されていてもよい。
プリントヘッド22には、液体容器2に貯留されるインクが供給されるとともに、制御機構10が出力する制御信号Ctrl-H、及び駆動信号COMが入力される。プリントヘッド22は、制御信号Ctrl-Hにより規定されるタイミングで、駆動信号COMに基づいて駆動することで、液体容器2から供給されるインクを媒体Pに向け吐出する。
移動機構30は、キャリッジモーター32及び無端ベルト34を含む。キャリッジモーター32は、制御機構10から入力される制御信号Ctrl-Cに基づいて動作する。無端ベルト34は、キャリッジモーター32の動作に従って回転する。これにより、無端ベルト34に固定されたキャリッジ20が主走査方向に沿って往復移動する。すなわち、移
動機構30は、キャリッジ20を主走査方向に沿って往復移動させる。
搬送機構40は、搬送モーター42及び搬送ローラー44を含む。搬送モーター42は、制御機構10から入力される制御信号Ctrl-Tに基づいて動作する。搬送ローラー44は、搬送モーター42の動作に従って回転する。この搬送ローラー44の回転に伴って媒体Pが搬送方向に沿って搬送される。すなわち、搬送機構40は、媒体Pを搬送方向に沿って搬送させる。
以上のように液体吐出装置1は、移動機構30によるキャリッジ20の主走査方向に沿った往復移動と、搬送機構40による媒体Pの搬送方向に沿った搬送と、に連動して、キャリッジ20に搭載されたプリントヘッド22からインクを吐出することで、媒体Pの任意の位置にインクを着弾させる。これにより、液体吐出装置1は、媒体Pに所望の画像を形成する。
2.液体吐出装置の機能構成
次に、液体吐出装置1の機能構成について説明する。図2は、液体吐出装置1の機能構成を示す図である。液体吐出装置1は、制御機構10、プリントヘッド22、キャリッジモーター32、搬送モーター42、リニアエンコーダー90、及びケーブル190を備える。なお、液体吐出装置1は、上記構成に加えて、使用者からの操作を受け付ける操作部や、使用者に情報を報知する報知部等を備えてもよい。
ケーブル190は、制御機構10とプリントヘッド22が有する不図示のヘッド基板とを電気的に接続する。これにより、ケーブル190は、制御機構10とプリントヘッド22との間での各種信号の伝搬を実現する。ここで、上述の通りプリントヘッド22は、主走査方向に沿って往復移動するキャリッジ20に搭載されている。そのため、ケーブル190は、キャリッジ20の往復移動に追従し変形可能な構成でることが好ましく、例えば、摺動性を有するフレキシブルフラットケーブル(FFC:Flexible Flat Cable)等を用いることができる。
制御機構10は、制御回路12、電源回路14、駆動信号出力回路50、及び基準電圧出力回路52を含む。制御回路12は、CPUやFPGA等の処理回路と、半導体メモリー等の記憶回路と、を含み、液体吐出装置1の各要素を制御する制御信号を出力する。具体的には、制御回路12には、液体吐出装置1の外部に設けられたホストコンピューターや、不図示の操作部等から、媒体Pに形成する画像情報を含む画像データ信号が入力される。制御回路12は、入力される画像データ信号に基づいて、液体吐出装置1の各構成を制御するための各種信号を生成し、対応する構成に出力する。
制御回路12の動作の詳細について説明する。制御回路12は、画像データ信号が入力されることで、プリントヘッド22を搭載したキャリッジ20の主走査方向に沿った往復移動を制御するための制御信号Ctrl-Cを生成し、キャリッジモーター32に出力するとともに、媒体Pの搬送方向に沿った搬送を制御するための制御信号Ctrl-Tを生成し、搬送モーター42に出力する。これにより、プリントヘッド22を搭載したキャリッジ20が、主走査方向に沿って往復移動するとともに、媒体Pが、搬送方向に沿って搬送される。なお、制御信号Ctrl-Cは、不図示のドライバー回路を介して信号変換されたのち、キャリッジモーター32に入力されてもよく、制御信号Ctrl-Tは、不図示のドライバー回路を介して信号変換されたのち、搬送モーター42に入力されてもよい。
リニアエンコーダー90は、キャリッジ20の走査位置を検出し、検出結果を示す位置情報信号PSを制御回路12に出力する。具体的には、リニアエンコーダー90は、キャ
リッジ20の走査量に応じて論理レベルが変化するパルス信号を位置情報信号PSとして生成し、制御回路12に出力する。制御回路12は、位置情報信号PSに含まれるパルス信号のパルス数をカウントする。そして、制御回路12は、当該パルス数に応じてキャリッジ20の走査位置を算出する。なお、リニアエンコーダー90は、キャリッジ20の走査位置を示す位置情報信号PSに加えて、媒体Pの搬送位置を示す信号を生成し制御回路12に出力してもよい。
また、制御回路12は、リニアエンコーダー90から入力される位置情報信号PSに基づく印刷タイミング信号PTSと、駆動信号COMの基となるデジタルの基駆動信号dAと、を生成し、駆動信号出力回路50に出力する。
駆動信号出力回路50は、印刷タイミング信号PTSにより規定されるタイミングにおいて、基駆動信号dAをデジタル/アナログ信号変換した後、変換したアナログ信号をD級増幅することで駆動信号COMを生成する。すなわち、基駆動信号dAは、駆動信号COMの信号波形を規定するデジタル信号であり、印刷タイミング信号PTSは、駆動信号COMの信号波形の周期を規定する信号である。そして、駆動信号出力回路50は、印刷タイミング信号PTSで規定される周期において、基駆動信号dAで規定された信号波形をD級増幅することで駆動信号COMを生成しプリントヘッド22に出力する。したがって、基駆動信号dAは、駆動信号COMの信号波形を規定することができる信号であればよく、アナログ信号であってもよい。また、駆動信号出力回路50は、基駆動信号dAで規定される波形を増幅できればよく、A級増幅回路、B級増幅回路、又はAB級増幅回路等であってもよい。
また、制御回路12は、画像データ信号に基づいて制御信号Ctrl-Hとしての吐出制御信号DI、及びイネーブル信号DEを生成する。そして、制御回路12は、生成した吐出制御信号DI、及びイネーブル信号DEを、クロック信号SCKに同期した信号としてプリントヘッド22に出力する。ここで、制御回路12は、リニアエンコーダー90から入力される位置情報信号PSにより規定されるタイミングであって、具体的には、印刷タイミング信号PTSの立ち上りタイミングに同期して、吐出制御信号DI、及びイネーブル信号DEを生成し、プリントヘッド22に出力する。すなわち、制御回路12は、印刷タイミング信号PTSにより規定されるタイミングで、駆動信号出力回路50からプリントヘッド22に駆動信号COMを供給させるとともに、吐出制御信号DI、及びイネーブル信号DEをプリントヘッド22に出力する。
基準電圧出力回路52は、駆動信号COMの基準電位を示す基準電圧信号VBSを生成しプリントヘッド22に出力する。この基準電圧出力回路52が出力する基準電圧信号VBSは、例えば、電圧値が5.5Vや6V等の直流電圧の信号であってもよい。
電源回路14は、電圧信号VHV,VDD,及びグラウンド信号GNDを生成する。電圧信号VHVは、電圧値が例えば42Vの直流電圧の信号であり、電圧信号VDDは、電圧値が例えば3.3Vの直流電圧の信号である。また、グラウンド信号GNDは、電圧信号VHV,VDDの基準電位を示す信号である。そして、電圧信号VHVは、駆動信号出力回路50における増幅用の電圧等に用いられ、電圧信号VDDは、制御機構10における各種構成の電源電圧や制御電圧等に用いられる。また、電圧信号VHV,VDD、及びグラウンド信号GNDは、プリントヘッド22にも出力される。なお、電圧信号VHV,VDD、及びグラウンド信号GNDの電圧値は、上述した42V、3.3V、及び0Vに限られるものではない。また、電源回路14は、電圧信号VHV,VDD、及びグラウンド信号GND以外の複数の電圧値の信号を生成し出力してもよい。
プリントヘッド22は、切替回路24、検査回路26、及び複数の吐出部600を含む
切替回路24には、電圧信号VHV,VDD、駆動信号COM、吐出制御信号DI、イネーブル信号DE、及びクロック信号SCKが入力される。電圧信号VHV,VDDは、切替回路24の電源電圧や制御電圧として用いられる。そして、切替回路24は、入力される吐出制御信号DI、及びイネーブル信号DEに基づいて、駆動信号COMに含まれる信号波形を選択、又は非選択とすることで、駆動電圧Vinを生成し、対応する吐出部600に含まれる圧電素子60の一端に供給する。このとき、圧電素子60の他端には、基準電圧信号VBSが供給されている。圧電素子60は、一端に供給される駆動電圧Vinと他端に基準電圧信号VBSとの電位差により駆動する。この圧電素子60の駆動に応じた量のインクが吐出部600から吐出される。
また、切替回路24には、駆動電圧Vinが圧電素子60に供給された後に生じる残留振動Voutが入力される。切替回路24は、入力される残留振動Voutに応じた残留振動信号POを生成し、検査回路26に出力する。検査回路26は、入力される残留振動信号POの周期、振幅等に基づいて吐出部600の吐出状態を判定する。そして、検査回路26は、入力される残留振動信号POに基づく吐出状態の判定結果を表す判定結果信号RSを生成し、制御回路12に出力する。制御回路12は、入力される判定結果信号RSに応じて、吐出部600の吐出状態を把握し、把握した吐出状態に応じてプリントヘッド22の駆動条件を補正する。また、制御回路12は、吐出部600の吐出状態が芳しくない場合には、プリントヘッド22及び液体吐出装置1に動作を停止させるとともに、その旨を使用者に報知してもよい。
3.プリントヘッドの構成
以上のように構成された液体吐出装置1において、プリントヘッド22の構造の詳細について説明する。
3.1 吐出部の構造
まず、プリントヘッド22が有する複数の吐出部600の構造の一例について、図3を用いて説明する。図3は、複数の吐出部600の内の1個の吐出部600の概略構成を示す図である。図3に示すように、吐出部600は、圧電素子60、振動板621、キャビティー631、及びノズル651を含む。
圧電素子60は、圧電体601を電極611,612で挟んで積層し、細長い櫛歯状に切り分けられた積層型の構造である。電極611には切替回路24から駆動電圧Vinが供給される。また、電極612には基準電圧信号VBSが供給される。そして、圧電素子60は、電極611に供給される駆動電圧Vinと電極612に供給される基準電圧信号VBSとの電位差に応じて駆動する。具体的には、圧電素子60は、図3に示す上下方向であって、圧電素子60の長手方向に変位する。すなわち、本実施形態における圧電素子60は、所謂縦振動型の圧電振動子である。また、圧電素子60の固定端部は固定部627と接合し、圧電素子60の自由端部は固定部627の先端縁よりも外側に突出している。すなわち、吐出部600において、圧電素子60は、所謂片持ち梁の状態で設けられている。そして、圧電素子60の自由端部の先端面が、振動板621の上方に設けられた島部649と接合されている。
振動板621は、図3において島部649の下方に位置している。そして、振動板621は、島部649を介して設けられた圧電素子60の変位に伴い変形する。また、振動板621の下方にはキャビティー631が設けられている。すなわち、振動板621は、圧電素子60の変位に伴って変形することでキャビティー631の内部容積を拡大/縮小させるダイヤフラムとして機能する。また、キャビティー631の内部には、インク供給口
661、及びリザーバー641を介して液体容器2から供給されるインクが充填している。ノズル651は、ノズルプレート632に形成された開口部であって、キャビティー631に連通している。
また、図3に示すように、吐出部600には、フレキシブル配線基板28が電気的に接続されている。具体的には、フレキシブル配線基板28は、一端がプリントヘッド22の不図示のヘッド基板と電気的に接続し、他端が吐出部600が有する圧電素子60の電極611,612と電気的に接続している。
また、フレキシブル配線基板28には、集積回路装置300がCOF(Chip On Film)実装されている。集積回路装置300には、前述した切替回路24が実装されている。プリントヘッド22に入力された電圧信号VHV,VDD、駆動信号COM、基準電圧信号VBS、吐出制御信号DI、イネーブル信号DE、クロック信号SCK、及びグラウンド信号GNDを含む各種信号は、不図示のヘッド基板、及びフレキシブル配線基板28を伝搬する。そして、フレキシブル配線基板28を伝搬する各種信号の内、電圧信号VHV,VDD、駆動信号COM、吐出制御信号DI、イネーブル信号DE、クロック信号SCK、及びグラウンド信号GNDが集積回路装置300に入力される。
そして、集積回路装置300に実装された切替回路24が、電圧信号VHV,VDD、吐出制御信号DI、イネーブル信号DE、クロック信号SCK、及びグラウンド信号GNDに基づいて、駆動信号COMに含まれる信号波形を選択、又は非選択とすることで駆動電圧Vinを生成し、集積回路装置300から出力する。そして、基準電圧信号VBSと、集積回路装置300が出力する駆動電圧Vinとは、フレキシブル配線基板28を伝搬し、圧電素子60が有する電極611,612に供給される。
これにより、吐出部600に含まれる圧電素子60が変位し、圧電素子60の変位に伴い振動板621が変形する。そして、振動板621の変形に応じてキャビティー631の内部容積が変化する。その結果、キャビティー631の内部圧力が変化し、キャビティー631に貯留されているインクが、ノズル651から吐出される。
なお、フレキシブル配線基板28の詳細、及び切替回路24が実装された集積回路装置300の詳細については後述する。
3.2 切替回路の機能構成
次に、切替回路24の機能構成及び動作について説明する。図4は、切替回路24の機能構成を示す図である。切替回路24は、コマンド解析回路200、駆動信号選択回路210、及び波形生成回路250を含む。
コマンド解析回路200には、クロック信号SCKに同期した吐出制御信号DIと、イネーブル信号DEと、が入力される。そして、コマンド解析回路200は、吐出制御信号DIとイネーブル信号DEとに基づいて、印刷データ信号SI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、検査タイミング信号TSIG、及びクロック信号DCKを生成し、駆動信号選択回路210に出力する。
駆動信号選択回路210には、コマンド解析回路200が出力する印刷データ信号SI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、検査タイミング信号TSIG、及びクロック信号DCKに加えて、駆動信号COMが入力される。駆動信号選択回路210は、クロック信号DCK、印刷データ信号SI、ラッチ信号LAT、及びチェンジ信号CHに基づいて駆動信号COMに含まれる信号波形を選択、又は非選択とすることで、駆動電圧Vinの生成し、対応する吐出部600に含まれる圧電素子60に供給する。
また、駆動信号選択回路210には、駆動電圧Vinが圧電素子60に供給された後、当該圧電素子60に生じる残留振動Voutが入力される。駆動信号選択回路210は、入力される残留振動Voutを波形生成回路250に出力する。すなわち、駆動信号選択回路210は、圧電素子60を駆動する駆動電圧Vinを生成し圧電素子60に供給するとともに、対応する圧電素子60に生じた残留振動Voutを波形生成回路250に出力する。
波形生成回路250は、ローパスフィルターやバンドパスフィルター等のフィルター回路と、演算増幅器と抵抗等によって構成された増幅回路と、を含む。そして、波形生成回路250は、残留振動Voutからノイズ成分をフィルター回路によって除去するとともに、ノイズ成分が除去された残留振動Voutを増幅回路によって増幅することで、残留振動信号POを生成し出力する。この波形生成回路250が出力する残留振動信号POが、プリントヘッド22が有する検査回路26に入力される。
以上のように構成された切替回路24の動作の詳細について説明する。まず、切替回路24が有するコマンド解析回路200の詳細について説明する。図5は、コマンド解析回路200に入力される信号と、コマンド解析回路200が出力する信号と、の関係の一例を示す図である。前述のとおり、コマンド解析回路200には、制御回路12が出力するクロック信号SCK、吐出制御信号DI、及びイネーブル信号DEが入力される。
また、図5に示すように、コマンド解析回路200には、印刷タイミング信号PTSにより規定される印刷周期Tpにおいて、ラッチコマンドLC、検査コマンドSC、チェンジコマンドCC、及び複数の印刷データSIdをシリアルに含む吐出制御信号DIが、クロック信号SCKに同期して入力される。換言すれば、制御回路12は、印刷タイミング信号PTSにより規定される印刷周期Tpにおいて、ラッチコマンドLC、検査コマンドSC、チェンジコマンドCC、及び複数の印刷データSIdをシリアルに含む吐出制御信号DIを生成し、クロック信号SCKに同期してコマンド解析回路200に出力する。
具体的には、制御回路12は、印刷タイミング信号PTSを出力するタイミングに同期したタイミングで、HレベルラッチコマンドHLcとLレベルラッチコマンドLLcとを含むラッチコマンドLCを吐出制御信号DIとして生成し、コマンド解析回路200に出力する。その後、制御回路12は、次にラッチコマンドLCを出力するまでの期間であって、次にHレベルの印刷タイミング信号PTSを出力するまでの期間において、Hレベル検査コマンドHScとLレベル検査コマンドLScとを含む検査コマンドSCと、HレベルチェンジコマンドHCcとLレベルチェンジコマンドLCcとを含むチェンジコマンドCCと、複数の吐出部600に対応する複数の印刷データSIdと、を吐出制御信号DIとして生成し、コマンド解析回路200に出力する。
また、コマンド解析回路200には、制御回路12が出力するイネーブル信号DEが入力される。具体的には、制御回路12は、印刷タイミング信号PTSにより規定される印刷周期Tpの内、吐出制御信号DIとして印刷データSIdを出力する期間においてHレベルとなり、吐出制御信号DIとして印刷データSIdを出力しない期間においてLレベルとなるイネーブル信号DEを生成し、コマンド解析回路200に出力する。
コマンド解析回路200は、Lレベルのイネーブル信号DEが入力されている場合、入力される吐出制御信号DIに含まれるコマンドを解析し、解析結果に応じた信号を出力する。
具体的には、コマンド解析回路200にLレベルのイネーブル信号DEが入力されてい
る期間において、吐出制御信号DIとしてラッチコマンドLCが入力された場合、コマンド解析回路200は、入力されるラッチコマンドLCの解析結果に応じた論理レベルのラッチ信号LATを出力する。詳細には、コマンド解析回路200は、Lレベルのイネーブル信号DEが入力されている期間において、HレベルラッチコマンドHLcが吐出制御信号DIとして入力された場合、HレベルラッチコマンドHLcの解析結果に応じて、出力するラッチ信号LATの論理レベルをHレベルとし、Lレベルのイネーブル信号DEが入力されている期間において、LレベルラッチコマンドLLcが吐出制御信号DIとして入力された場合、LレベルラッチコマンドLLcの解析結果に応じて、出力するラッチ信号LATの論理レベルをLレベルとする。すなわち、コマンド解析回路200は、Lレベルのイネーブル信号DEが入力されている期間において、吐出制御信号DIに含まれるコマンドを解析し、当該コマンドの解析結果から入力されるコマンドがラッチコマンドLCであると判断した場合、ラッチ信号LATとして、論理レベルが短期間のみHレベルとなるパルス信号を出力する。
ここで、前述のとおり、制御回路12は、印刷タイミング信号PTSを出力するタイミングに同期したタイミングで、ラッチコマンドLCを吐出制御信号DIとしてコマンド解析回路200に出力する。したがって、コマンド解析回路200がラッチ信号LATとしてパルス信号を出力するタイミングは、制御回路12が印刷タイミング信号PTSを出力するタイミングに同期する。
また、コマンド解析回路200にLレベルのイネーブル信号DEが入力されている期間において、吐出制御信号DIとして検査コマンドSCが入力された場合、コマンド解析回路200は、入力される検査コマンドSCの解析結果に応じた論理レベルの検査タイミング信号TSIGを出力する。詳細には、コマンド解析回路200は、Lレベルのイネーブル信号DEが入力されている期間において、Hレベル検査コマンドHScが吐出制御信号DIとして入力された場合、Hレベル検査コマンドHScの解析結果に応じて、出力する検査タイミング信号TSIGの論理レベルをHレベルとし、Lレベルのイネーブル信号DEが入力されている期間において、Lレベル検査コマンドLScが吐出制御信号DIとして入力された場合、Lレベル検査コマンドLScの解析結果に応じて、出力する検査タイミング信号TSIGの論理レベルをLレベルとする。すなわち、コマンド解析回路200は、Lレベルのイネーブル信号DEが入力されている期間において、吐出制御信号DIに含まれるコマンドを解析し、当該コマンドの解析結果から入力されるコマンドが検査コマンドSCであると判断した場合、検査タイミング信号TSIGとして、論理レベルが短期間のみHレベルとなるパルス信号を出力する。
また、コマンド解析回路200にLレベルのイネーブル信号DEが入力されている期間において、吐出制御信号DIとしてチェンジコマンドCCが入力された場合、コマンド解析回路200は、入力されるチェンジコマンドCCの解析結果に応じた論理レベルのチェンジ信号CHを出力する。詳細には、コマンド解析回路200は、Lレベルのイネーブル信号DEが入力されている期間において、HレベルチェンジコマンドHCcが吐出制御信号DIとして入力された場合、HレベルチェンジコマンドHCcの解析結果に応じて、出力するチェンジ信号CHの論理レベルをHレベルとし、Lレベルのイネーブル信号DEが入力されている期間において、LレベルチェンジコマンドLCcが吐出制御信号DIとして入力された場合、LレベルチェンジコマンドLCcの解析結果に応じて、出力するチェンジ信号CHの論理レベルをLレベルとする。すなわち、コマンド解析回路200は、Lレベルのイネーブル信号DEが入力されている期間において、吐出制御信号DIに含まれるコマンドを解析し、当該コマンドの解析結果から入力されるコマンドがチェンジコマンドCCであると判断した場合、チェンジ信号CHとして、論理レベルが短期間のみHレベルとなるパルス信号を出力する。
一方で、コマンド解析回路200は、Hレベルのイネーブル信号DEが入力されている場合、入力されるクロック信号SCKをクロック信号DCKとして出力し、入力される吐出制御信号DIを印刷データ信号SIとして出力する。
前述のとおり制御回路12は、印刷タイミング信号PTSにより規定される印刷周期Tpの内、吐出制御信号DIとして印刷データSIdを出力する期間においてHレベルとなり、吐出制御信号DIとして印刷データSIdを出力しない期間においてLレベルとなるイネーブル信号DEを生成し、コマンド解析回路200に出力する。すなわち、コマンド解析回路200にHレベルのイネーブル信号DEが入力されている場合、コマンド解析回路200には、クロック信号SCKと、吐出制御信号DIとしての印刷データSIdとが入力される。したがって、コマンド解析回路200は、Hレベルのイネーブル信号DEが入力されている場合、クロック信号SCKをクロック信号DCKとして出力し、印刷データSIdを印刷データ信号SIとして出力する。
以上のように、コマンド解析回路200は、入力されるクロック信号SCKに同期した吐出制御信号DIと、イネーブル信号DEとに基づいて、吐出制御信号DIに含まれるコマンドを解析し、印刷データ信号SI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、検査タイミング信号TSIG、及びクロック信号DCKを生成し、駆動信号選択回路210に出力する。
ここで、図5に示すように本実施形態の吐出制御信号DIは、2つの検査コマンドSCと、1つのチェンジコマンドCCと、を含む場合を例示しているが、これに限るものではなく、1つ又は3つ以上の検査コマンドSCを含んでもよく、2つ以上のチェンジコマンドCCを含んでもよい。また、図5に示すように本実施形態の吐出制御信号DIには、ラッチコマンドLC、2つの検査コマンドSC、チェンジコマンドCC、及び複数の印刷データSIdが、ラッチコマンドLC、2つの検査コマンドSC、チェンジコマンドCC、複数の印刷データSIdの順にシリアルに含まれている場合を例示しているが、吐出制御信号DIに含まれるラッチコマンドLC、2つの検査コマンドSC、チェンジコマンドCC、及び複数の印刷データSIdの順序は、これに限るものではない。また、図5に示すように本実施形態の吐出制御信号DIには、複数の印刷データSIdが、1つのブロックとして含まれている場合を例示しているが、これに限るものではなく、複数の印刷データSIdは、吐出制御信号DIにおいて、分散して含まれていてもよい。
さらに、本実施形態における吐出制御信号DIは、ラッチコマンドLC、検査コマンドSC、チェンジコマンドCC、及び複数の印刷データSIdを含むとして説明を行うが、制御回路12は、ラッチコマンドLC、検査コマンドSC、チェンジコマンドCC、及び複数の印刷データSIdに替えて、若しくは加えて、各種のコマンドを吐出制御信号DIとして出力してもよい。
具体的には、制御回路12は、吐出制御信号DIとして、プリントヘッド22のメンテナンス処理を実行させるためのコマンドを出力してもよい。このとき、コマンド解析回路200は、入力されるメンテナンス処理を実行させるためのコマンドに基づいて、当該コマンドにより規定されるメンテナンス処理を実行させる。ここで、プリントヘッド22のメンテナンス処理としては、例えば、プリントヘッド22が有する全てのノズル651から強制的にインクを吐出されるフラッシング処理や、プリントヘッド22の異常の有無をプリントヘッド22自身に診断させる自己故障診断等が含まれる。
また、プリントヘッド22の自己故障診断とは、プリントヘッド22が正常な印字品質を満たすドットの形成が可能であるか否かを、吐出制御信号DIに含まれるコマンドに基づいてプリントヘッド22自身で診断する機能であって、例えば、吐出制御信号DIに含
まれるコマンドに基づいて、入力される各種信号の電圧値が正常であるか否かを判定することで、プリントヘッド22と制御機構10との電気的接続が正常であるか否かを自己診断してもよく、吐出制御信号DIに含まれるコマンドに基づいて、入力される各種信号の論理レベルの組み合わせが正常であるか否かを判定することで、プリントヘッド22で使用される各種信号が正常に伝搬しているか否かを自己診断してもよい。さらに、吐出制御信号DIに含まれるコマンドに基づいて、所定の論理レベルの印刷データ信号SI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、クロック信号DCK、及び検査タイミング信号TSIGの少なくともいずれかを出力し、プリントヘッド22に所定の動作を行わせることで、プリントヘッド22が正常に動作するか否かを自己診断してもよい。ここで、上述した自己故障診断は、吐出制御信号DIに含まれるコマンドを解析するコマンド解析回路200が実行してもよく、不図示の診断回路に実行させてもよい。
すなわち、吐出制御信号DIには、プリントヘッド22からインクの吐出制御をするためのコマンドに加えて、メンテナンス処理や自己故障診断等のプリントヘッド22の動作を制御するための各種のコマンドが含まれてもよい。そして、コマンド解析回路200は、吐出制御信号DIに含まれる各種のコマンドを解析することで、プリントヘッド22にインクの吐出、メンテナンス処理、自己故障診断等を含む所定の動作を実行させる。換言すれば、コマンド解析回路200は、入力される吐出制御信号DIに含まれるコマンドを解析し、解析結果に応じて異なる動作をプリントヘッド22に実行させる。
次に、切替回路24が有する駆動信号選択回路210の詳細について説明する。前述のとおり駆動信号選択回路210は、コマンド解析回路200が出力するクロック信号DCK、印刷データ信号SI、ラッチ信号LAT、及びチェンジ信号CHに基づいて、駆動信号出力回路50が出力する駆動信号COMに含まれる信号波形を選択、又は非選択とすることで駆動電圧Vinの生成し、対応する吐出部600に含まれる圧電素子60に供給するとともに、駆動電圧Vinによって圧電素子60が駆動した後に生じる残留振動Voutを取得し、波形生成回路250に出力する。
駆動信号選択回路210の詳細について説明するにあたり、駆動信号出力回路50が出力する駆動信号COMの具体例について説明する。図6は、駆動信号COMの一例を示す図である。図6に示すように、駆動信号COMには、駆動信号ComAと駆動信号ComBとが含まれる。
駆動信号ComAは、媒体Pに「大ドットLD」、「中ドットMD」、「小ドットSD」及び「非記録ND」の4階調を表現させるための信号波形を含む。具体的には、駆動信号出力回路50は、駆動信号COMとして、印刷タイミング信号PTSにより規定される印刷周期Tpであって、ラッチ信号LATが立ちあがった後、再度、ラッチ信号LATが立ち上がるまでの駆動周期Tdにおいて、駆動波形Adp1,Adp2を含む駆動信号ComAを出力する。
駆動信号ComAに含まれる駆動波形Adp1は、駆動周期Tdの内、ラッチ信号LATの立ち上がりからチェンジ信号CHの立ち上がりまでの期間Tc1に配置されている。駆動波形Adp1は、電圧値が電圧Vcで開始し、圧電素子60を駆動するように電圧値が変化した後、電圧値が電圧Vcで終了する信号波形であって、駆動波形Adp1が圧電素子60の一端に供給された場合、当該圧電素子60は、対応するノズル651から所定量のインクを吐出するように駆動する。
駆動信号ComAに含まれる駆動波形Adp2は、駆動周期Tdの内、期間Tc1を規定するチェンジ信号CHの立ち上がりから次にラッチ信号LATが立ち上がりまでの期間Tc2に配置されている。駆動波形Adp2は、電圧値が電圧Vcで開始し、圧電素子6
0を駆動するように電圧値が変化した後、電圧値が電圧Vcで終了する信号波形であって、駆動波形Adp2が圧電素子60の一端に供給された場合、当該圧電素子60は、対応するノズル651から所定量よりも少量のインクを吐出するように駆動する。
ここで、以下の説明において、駆動波形Adp1が圧電素子60の一端に供給された場合に対応するノズル651から吐出される所定量のインクの量を中程度の量と称し、駆動波形Adp2が圧電素子60の一端に供給された場合に対応するノズル651から吐出される所定量よりも少量のインクの量を小程度の量と称する場合がある。
駆動信号ComBは、ノズル651を含む吐出部600の内の検査対象の吐出部600に対して「検査CD」を行うための信号波形を含む。具体的には、駆動信号出力回路50は、駆動信号COMとして、印刷タイミング信号PTSにより規定される印刷周期Tpであって、ラッチ信号LATにより規定される駆動周期Tdにおいて、駆動波形Bdp1,Bdp2,Bdp3を含む駆動信号ComBを出力する。
駆動信号ComBに含まれる駆動波形Bdp1は、駆動周期Tdの内、ラッチ信号LATの立ち上がりから検査タイミング信号TSIGの立ち上がりまでの期間Ts1に配置されている。駆動波形Bdp1は、電圧値が電圧Vcで開始し、圧電素子60を駆動するように電圧値が変化した後、電圧値が電圧Vdで終了する信号波形であって、駆動波形Bdp1が圧電素子60の一端に供給された場合、当該圧電素子60は、対応するノズル651からインクを吐出しないように駆動する。
駆動信号ComBに含まれる駆動波形Bdp2は、駆動周期Tdの内、期間Ts1を規定する検査タイミング信号TSIGの立ち上がりから次に検査タイミング信号TSIGの立ち上がりまでの期間Ts2に配置されている。駆動波形Bdp2は、電圧値が電圧Vdで一定の信号波形であって、駆動波形Bdp2が圧電素子60の一端に供給された場合、当該圧電素子60は駆動せず、対応するノズル651からインクは吐出されない。
駆動信号ComBに含まれる駆動波形Bdp3は、駆動周期Tdの内、期間Ts2を規定する検査タイミング信号TSIGの立ち上がりから次にラッチ信号LATの立ち上がりまでの期間Ts3に配置されている。駆動波形Bdp3は、電圧値が電圧Vdで開始し、その後、電圧値が電圧Vcとなることで終了する信号波形であって、駆動波形Bdp3が圧電素子60の一端に供給された場合、当該圧電素子60は駆動せず、対応するノズル651からインクは吐出されない。
以上のように、駆動信号出力回路50は、駆動信号COMとして、媒体Pに「大ドットLD」、「中ドットMD」、「小ドットSD」及び「非記録ND」の4階調を表現させるための駆動波形Adp1,Adp2を含む駆動信号ComAと、ノズル651を含む吐出部600の内の検査対象の吐出部600に対して「検査CD」を実行するための駆動波形Bdp1,Bdp2,Cdp3を含む駆動信号ComBと、を生成し、駆動信号選択回路210に出力する。
なお、図6に示す駆動信号COMの信号波形は一例であり、プリントヘッド22を搭載したキャリッジ20の移動速度、媒体Pの種類、吐出部600の構造、インクの特性などに応じて、様々な形状の信号波形が用いられる。
駆動信号選択回路210は、コマンド解析回路200が出力するクロック信号DCK、印刷データ信号SI、ラッチ信号LAT、及びチェンジ信号CHに基づいて、駆動信号出力回路50が出力する駆動信号COMの内の駆動信号ComAに含まれる駆動波形Adp1,Adp2、及び駆動信号ComBに含まれる駆動波形Bdp1,Bdp2,Bdp3
を選択、又は非選択とすることで駆動電圧Vinの生成し、対応する吐出部600に含まれる圧電素子60に供給するとともに、駆動電圧Vinに伴う圧電素子60の駆動の後に伴い生じる残留振動Voutを波形生成回路250に出力する。
図7は、駆動信号選択回路210の機能構成を示す図である。図7に示されるように、駆動信号選択回路210は、選択制御回路220と複数の選択回路230とを含む。
選択制御回路220には、クロック信号DCK、印刷データ信号SI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び検査タイミング信号TSIGが入力される。選択制御回路220は、複数の吐出部600のそれぞれが有する圧電素子60のそれぞれに対応したシフトレジスター222とラッチ回路224とデコーダー226との組を有する。ここで、以下の説明においてプリントヘッド22は、駆動信号選択回路210に対応するm個の吐出部600を有するとして説明を行う。すなわち、駆動信号選択回路210が有する選択制御回路220は、シフトレジスター222とラッチ回路224とデコーダー226との組をm組有する。換言すれば、選択制御回路220は、m個のシフトレジスター222と、m個のラッチ回路224と、m個のデコーダー226とを有する。
印刷データ信号SIは、m個の吐出部600のそれぞれに対して、「大ドット」、「中ドット」、「小ドット」、「非記録」、及び「検査」のいずれかを選択するための複数の印刷データSIdを含む。本実施形態の印刷データ信号SIは、「大ドットLD」、「中ドットMD」、「小ドットSD」、「非記録ND」及び「検査CD」をm個の吐出部600のそれぞれに対応して規定する3ビットの印刷データSId[SIH,SIM,SIL]を含むとして説明を行う。すなわち、本実施形態の印刷データ信号SIは、m個の吐出部600のそれぞれに対して、「大ドットLD」、「中ドットMD」、「小ドットSD」、「非記録ND」、及び「検査CD」を規定する3ビットの印刷データSId[SIH,SIM,SIL]を含む、合計3mビット以上の信号である。
印刷データ信号SIは、クロック信号DCKに同期して選択制御回路220に入力される。選択制御回路220が有するm個のシフトレジスター222は、印刷データ信号SIに含まれる3ビットの印刷データSId[SIH,SIM,SIL]毎に、吐出部600に対応して保持する。
詳細には、m個のシフトレジスター222は、m個の吐出部600のそれぞれが有する圧電素子60に対応し、互いに縦続接続されている。選択制御回路220にシリアルで入力された印刷データ信号SIは、クロック信号DCKに従って縦続接続されたm個のシフトレジスター222の後段に順次転送される。そして、クロック信号DCKの選択制御回路220への供給が停止することで、m個の吐出部600に対応する3ビットの印刷データSId[SIH,SIM,SIL]が、対応するm個のシフトレジスター222に保持される。なお、以下の説明において、従属接続されたm個のシフトレジスター222を区別するために、印刷データ信号SIが供給される上流側から下流側に向かい順に1段、2段、…、m段と称する場合がある。
m個のラッチ回路224の各々は、対応するシフトレジスター222で保持された3ビットの印刷データSId[SIH,SIM,SIL]をラッチ信号LATの立ち上がりで一斉にラッチする。
m個のラッチ回路224がラッチした印刷データSId[SIH,SIM,SIL]は、対応するデコーダー226に入力される。m個のデコーダー226の各々は、対応するラッチ回路224によってラッチされた印刷データSId[SIH,SIM,SIL]をデコードすることで、「大ドットLD」、「中ドットMD」、「小ドットSD」、「非記
録ND」、及び「検査CD」に対応する選択信号Sa,Sb,Scを生成し、対応する選択回路230に出力する。
図8は、デコーダー226におけるデコード内容の一例を示す図である。図8に示されるように、デコーダー226に「大ドットLD」を示す印刷データSId[SIH,SIM,SIL]=[1,1,0]が入力された場合、デコーダー226は、選択信号Saの論理レベルを期間Tc1,Tc2においてHレベル、Hレベルとして出力し、選択信号Sbの論理レベルを期間Ts1,Ts2,Ts3においてLレベル、Lレベル、Lレベルとして出力し、選択信号Scの論理レベルを期間Ts1,Ts2,Ts3においてLレベル、Lレベル、Lレベルとして出力する。
また、デコーダー226に「中ドットMD」を示す印刷データSId[SIH,SIM,SIL]=[1,0,0]が入力された場合、デコーダー226は、選択信号Saの論理レベルを期間Tc1,Tc2においてHレベル、Lレベルとして出力し、選択信号Sbの論理レベルを期間Ts1,Ts2,Ts3においてLレベル、Lレベル、Lレベルとして出力し、選択信号Scの論理レベルを期間Ts1,Ts2,Ts3においてLレベル、Lレベル、Lレベルとして出力する。
また、デコーダー226に「小ドットSD」を示す印刷データSId[SIH,SIM,SIL]=[0,1,0]が入力された場合、デコーダー226は、選択信号Saの論理レベルを期間Tc1,Tc2においてLレベル、Hレベルとして出力し、選択信号Sbの論理レベルを期間Ts1,Ts2,Ts3においてLレベル、Lレベル、Lレベルとして出力し、選択信号Scの論理レベルを期間Ts1,Ts2,Ts3においてLレベル、Lレベル、Lレベルとして出力する。
また、デコーダー226に「非記録ND」を示す印刷データSId[SIH,SIM,SIL]=[0,0,0]が入力された場合、デコーダー226は、選択信号Saの論理レベルを期間Tc1,Tc2においてLレベル、Lレベルとして出力し、選択信号Sbの論理レベルを期間Ts1,Ts2,Ts3においてLレベル、Lレベル、Lレベルとして出力し、選択信号Scの論理レベルを期間Ts1,Ts2,Ts3においてLレベル、Lレベル、Lレベルとして出力する。
また、デコーダー226に「検査CD」を示す印刷データSId[SIH,SIM,SIL]=[1,1,1]が入力された場合、デコーダー226は、選択信号Saの論理レベルを期間Tc1,Tc2においてLレベル、Lレベルとして出力し、選択信号Sbの論理レベルを期間Ts1,Ts2,Ts3においてHレベル、Lレベル、Hレベルとして出力し、選択信号Scの論理レベルを期間Ts1,Ts2,Ts3においてLレベル、Hレベル、Lレベルとして出力する。
以上のように選択制御回路220は、m個の吐出部600のそれぞれに対応する論理レベルの選択信号Sa,Sb,Scを生成する。そして、選択制御回路220は、生成したm個の吐出部600に対応する選択信号Sa,Sb,Scを、対応する選択回路230に出力する。ここで、選択制御回路220が出力する選択信号Sa,Sb,Scは、不図示のレベルシフト回路によって例えば42Vの高論理振幅にレベルシフトされた後、デコーダー226から出力されてもよい。
選択回路230は、m個の吐出部600のそれぞれに対応して設けられている。すなわち、駆動信号選択回路210は、m個の選択回路230を有する。図9は、1つの吐出部600に対応する選択回路230の構成を示す図である。図9に示すように、選択回路230は、論理反転回路232a,232b,232cと、トランスファーゲート234a
,234b,234cと、を有する。
選択信号Saは、トランスファーゲート234aの正制御端に供給される一方で、論理反転回路232aによって論理反転されて、トランスファーゲート234aの負制御端に供給される。同様に、選択信号Sbは、トランスファーゲート234bの正制御端に供給される一方で、論理反転回路232bによって論理反転されて、トランスファーゲート234bの負制御端に供給される。同様に、選択信号Scは、トランスファーゲート234cの正制御端に供給される一方で、論理反転回路232cによって論理反転されて、トランスファーゲート234cの負制御端に供給される。
トランスファーゲート234aの入力端には、駆動信号ComAが供給され、トランスファーゲート234bの入力端には、駆動信号ComBが供給される。そして、トランスファーゲート234a,234bの出力端は互いに接続されるとともに、吐出部600が有する圧電素子60の一端と接続されている。また、トランスファーゲート234cの入力端は、トランスファーゲート234a,234bの出力端とともに、吐出部600が有する圧電素子60の一端と接続されている。そして、トランスファーゲート234cの出力端は、図7に示すように、駆動信号選択回路210が有するm個の選択回路230のトランスファーゲート234cの出力端と共通接続されている。
トランスファーゲート234aは、選択信号Saの論理レベルがHレベルの場合、入力端と出力端との間を導通させ、選択信号Saの論理レベルがLレベルの場合、入力端と出力端との間を非導通させる。同様に、トランスファーゲート234bは、選択信号Sbの論理レベルがHレベルの場合、入力端と出力端との間を導通させ、選択信号Sbの論理レベルがLレベルの場合、入力端と出力端との間を非導通させ、トランスファーゲート234cは、選択信号Scの論理レベルがHレベルの場合、入力端と出力端との間を導通させ、選択信号Scの論理レベルがLレベルの場合、入力端と出力端との間を非導通させる。ここで、以下の説明において、入力端と出力端との間を導通にすることを「オン」と称し、入力端と出力端との間を非導通にすることを「オフ」と称する場合がある。
そして、トランスファーゲート234aがオンすることにより、駆動信号ComAが駆動電圧Vinとして駆動信号選択回路210から出力され、トランスファーゲート234bがオンすることにより、駆動信号ComBが駆動電圧Vinとして駆動信号選択回路210から出力される。この駆動信号選択回路210から出力された駆動電圧Vinが圧電素子60の一端に供給される。また、トランスファーゲート234cがオンすることにより、吐出部600で発生した残留振動Voutが駆動信号選択回路210から出力される。この残留振動Voutが、図4に示す波形生成回路250に供給される。
以上のように構成された駆動信号選択回路210の動作の詳細について説明する。図10は、駆動信号選択回路210の動作の一例を示す図である。駆動信号選択回路210に印刷データ信号SIが、クロック信号DCKに同期してシリアルで供給されて、吐出部600に対応するシフトレジスター222において順次転送される。そして、クロック信号DCKの供給が停止すると、シフトレジスター222のそれぞれには、吐出部600に対応した3ビットの印刷データSId[SIH,SIM,SIL]が保持された状態になる。
その後、ラッチ信号LATが立ち上がることで、ラッチ回路224のそれぞれは、シフトレジスター222に保持された印刷データSId[SIH,SIM,SIL]を一斉にラッチする。図10に示すLT1、LT2、…、LTmは、1段、2段、…、m段のシフトレジスター222に保持され、対応するラッチ回路224によってラッチされた印刷データSId[SIH,SIM,SIL]を示している。
デコーダー226は、ラッチされた印刷データSId[SIH,SIM,SIL]に応じて、駆動周期Tdにおける選択信号Sa,Sb,Scの論理レベルを図8に示される内容で出力する。
デコーダー226は、印刷データSId[SIH,SIM,SIL]=[1,1,0]の場合、選択信号Saの論理レベルを期間Tc1,Tc2においてHレベル,Hレベルとし、選択信号Sbの論理レベルを期間Ts1,Ts2,Ts3においてLレベル,Lレベル,Lレベルとし、選択信号Scの論理レベルを期間Ts1,Ts2,Ts3においてLレベル,Lレベル,Lレベルとする。これにより、選択回路230は、期間Tc1において駆動信号ComAの駆動波形Adp1を選択し、期間Tc2において駆動信号ComAの駆動波形Adp2を選択する。その結果、駆動信号選択回路210は、図10に示す「大ドットLD」に対応する駆動電圧Vinを出力する。この「大ドットLD」に対応する駆動電圧Vinが吐出部600に供給された場合、対応する吐出部600からは、期間Tc1において中程度の量のインクが吐出され、期間Tc2において小程度の量のインクが吐出される。その結果、駆動周期Tdにおいて、中程度の量のインクと小程度の量のインクとが媒体Pで結合し、媒体Pに大ドットLDが形成される。
デコーダー226は、印刷データSId[SIH,SIM,SIL]=[1,0,0]の場合、選択信号Saの論理レベルを期間Tc1,Tc2においてHレベル,Lレベルとし、選択信号Sbの論理レベルを期間Ts1,Ts2,Ts3においてLレベル,Lレベル,Lレベルとし、選択信号Scの論理レベルを期間Ts1,Ts2,Ts3においてLレベル,Lレベル,Lレベルとする。これにより、選択回路230は、期間Tc1において駆動信号ComAの駆動波形Adp1を選択し、期間Tc2において駆動信号ComA,ComBのいずれも選択しない。その結果、駆動信号選択回路210は、図10に示す「中ドットMD」に対応する駆動電圧Vinを出力する。この「中ドットMD」に対応する駆動電圧Vinが吐出部600に供給された場合、対応する吐出部600からは、期間Tc1において中程度の量のインクが吐出され、期間Tc2においてインクは吐出されない。その結果、駆動周期Tdにおいて、中程度の量のインクが媒体Pに着弾し、媒体Pに中ドットMDが形成される。
デコーダー226は、印刷データSId[SIH,SIM,SIL]=[0,1,0]の場合、選択信号Saの論理レベルを期間Tc1,Tc2においてLレベル,Hレベルとし、選択信号Sbの論理レベルを期間Ts1,Ts2,Ts3においてLレベル,Lレベル,Lレベルとし、選択信号Scの論理レベルを期間Ts1,Ts2,Ts3においてLレベル,Lレベル,Lレベルとする。これにより、選択回路230は、期間Tc1において駆動信号ComA,ComBのいずれも選択せず、期間Tc2において駆動信号ComAの駆動波形Adp2を選択する。その結果、駆動信号選択回路210は、図10に示す「小ドットSD」に対応する駆動電圧Vinを出力する。この「小ドットSD」に対応する駆動電圧Vinが吐出部600に供給された場合、対応する吐出部600からは、期間Tc1においてインクが吐出されず、期間Tc2において小程度の量のインクが吐出される。その結果、駆動周期Tdにおいて、小程度の量のインクが媒体Pに着弾し、媒体Pに小ドットSDが形成される。
デコーダー226は、印刷データSId[SIH,SIM,SIL]=[0,0,0]の場合、選択信号Saの論理レベルを期間Tc1,Tc2においてLレベル,Lレベルとし、選択信号Sbの論理レベルを期間Ts1,Ts2,Ts3においてLレベル,Lレベル,Lレベルとし、選択信号Scの論理レベルを期間Ts1,Ts2,Ts3においてLレベル,Lレベル,Lレベルとする。これにより、選択回路230は、期間Tc1において駆動信号ComA,ComBのいずれも選択せず、期間Tc2において駆動信号Com
A,ComBのいずれも選択しない。その結果、駆動信号選択回路210は、図10に示す「非記録ND」に対応する駆動電圧Vinを出力する。この「非記録ND」に対応する駆動電圧Vinが吐出部600に供給された場合、対応する吐出部600からは、期間Tc1においてインクが吐出されず、期間Tc2においてもインクは吐出されない。その結果、駆動周期Tdにおいて、媒体Pにインクは着弾せず、媒体Pにドットは形成されない。
デコーダー226は、印刷データSId[SIH,SIM,SIL]=[1,1,1]の場合、選択信号Saの論理レベルを期間Tc1,Tc2においてLレベル,Lレベルとし、選択信号Sbの論理レベルを期間Ts1,Ts2,Ts3においてHレベル,Lレベル,Hレベルとし、選択信号Scの論理レベルを期間Ts1,Ts2,Ts3においてLレベル,Hレベル,Lレベルとする。これにより、選択回路230は、期間Ts1において駆動信号ComBの駆動波形Bdp1を選択し、期間Ts2において駆動波形Bdp1が圧電素子60に供給された後に生じる残留振動Voutを波形生成回路250に出力し、期間Ts3において駆動信号ComBの駆動波形Bdp3を選択する。その結果、駆動信号選択回路210は、期間Ts1,Ts3において、図10に示す「検査CD」に対応する駆動電圧Vinを吐出部600に出力するとともに、期間Ts2において、駆動波形Bdp1が圧電素子60に供給された後に生じる残留振動Voutを波形生成回路250に出力する。このとき、駆動周期Tdにおいて、吐出部600からインクは吐出されず、それ故に、媒体Pにドットは形成されない。
以上のように、駆動信号選択回路210は、クロック信号DCK、印刷データ信号SI、ラッチ信号LAT、及びチェンジ信号CHに基づいて、駆動信号出力回路50が出力する駆動信号COMの内の駆動信号ComAに含まれる駆動波形Adp1,Adp2、及び駆動信号ComBに含まれる駆動波形Bdp1,Bdp2,Bdp3を選択、又は非選択とすることで駆動電圧Vinの生成し、対応する吐出部600に含まれる圧電素子60に供給するとともに、駆動電圧Vinに伴う圧電素子60の駆動の後に伴い生じる残留振動Voutを波形生成回路250に出力する。
波形生成回路250は、前述のとおりローパスフィルターやバンドパスフィルター等のフィルター回路と、演算増幅器と抵抗等によって構成された増幅回路と、を含む。そして、波形生成回路250は、残留振動Voutからノイズ成分をフィルター回路によって除去するとともに、ノイズ成分が除去された残留振動Voutを増幅回路によって増幅することで、残留振動信号POを生成し出力する。
ここで、残留振動Voutについて説明する。吐出部600の圧電素子60が駆動電圧Vinにより駆動した後、当該吐出部600に含まれる振動板621には減衰振動が生じる。具体的には、圧電素子60に駆動電圧Vinが供給されることで、振動板621が変位し、キャビティー631の内部圧力が変化する。その後、圧電素子60への駆動電圧Vinの供給が停止すると、振動板621には、キャビティー631の内部圧力が変化に応じた減衰振動が生じる。この振動板621の減衰振動により振動板621に設けられた圧電素子60が変位する。その結果、圧電素子60から当該減衰振動に応じた信号が出力される。この減衰振動に基づいて圧電素子60から出力される信号が残留振動Voutである。
このような残留振動Voutの電圧変化は微小である。本実施形態の液体吐出装置1では、波形生成回路250がフィルター回路によって残留振動Voutからノイズ成分を除去するとともに、ノイズ成分が除去された残留振動Voutを増幅し、残留振動信号POとして検査回路26に出力することで、後述する検査回路26における検査精度を高めることができる。
以上のように切替回路24は、コマンド解析回路200において、吐出制御信号DIに含まれるコマンドを解析し、印刷データ信号SI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、検査タイミング信号TSIG、及びクロック信号DCKを生成し、駆動信号選択回路210に出力し、駆動信号選択回路210は、印刷データ信号SI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、検査タイミング信号TSIG、及びクロック信号DCKと、駆動信号COMと、にと基づいて、駆動電圧Vinの生成し、対応する吐出部600に含まれる圧電素子60に供給するとともに、残留振動Voutを波形生成回路250に出力する。そして、波形生成回路250は、残留振動Voutからノイズ成分を除去するとともに、ノイズ成分が除去された残留振動Voutを増幅することで、残留振動信号POを生成し検査回路26に出力する。
3.3 検査回路の機能構成
次に、プリントヘッド22が有する検査回路26の詳細について説明する。図11は、検査回路26の機能構成を示す図である。図11に示すように、検査回路26は、計測部262と判定部264とを含む。
計測部262には、波形生成回路250が出力する残留振動信号POが入力される。計測部262は、波形生成回路250が出力する残留振動信号POの周期、振幅などを算出し、算出結果を判定部264に出力する。判定部264は、計測部262における残留振動信号POの周期、振幅などの算出結果に基づいて、検査対象の吐出部600の吐出状態を判定し、判定結果を表す判定結果信号RSを生成し、制御回路12に出力する。
図12は、計測部262の動作の一例を説明するための図である。図12に示すように、期間Ts2において駆動信号選択回路210が残留振動Voutの出力を開始することで、計測部262には、波形生成回路250が出力する残留振動信号POが供給される。計測部262は、残留振動信号POの供給が開始されると、残留振動信号POと、残留振動信号POの振幅中心レベルの電位である閾値電位Vth2、閾値電位Vth2よりも高電位の閾値電位Vth1、及び、閾値電位Vth2よりも低電位の閾値電位Vth3と、を比較する。そして、計測部262は、残留振動信号POの電位が閾値電位Vth1以上となる場合にハイレベルとなる比較信号Cmp1と、残留振動信号POの電位が閾値電位Vth2以上となる場合にハイレベルとなる比較信号Cmp2と、残留振動信号POの電位が閾値電位Vth3未満となる場合にハイレベルとなる比較信号Cmp3と、を生成する。
計測部262は、期間Ts2の開始時刻t0の後、比較信号Cmp2が最初にLレベルに立ち下がり次にHレベルに立ち上がる時刻t1から、比較信号Cmp2が時刻t1の後、最初にLレベルに立ち下がり次にHレベルに立ち上がる時刻t2までの時間Tnvを計測する。ここで、計測部262は、時間Tnvの計測を、例えば、時刻t1から時刻t2までの間の含まれるクロック信号SCKのパルス数をカウントすることで計測してもよい。
また、キャビティー631にインクが充填されていない等の理由により、検査対象の吐出部600に吐出異常が生じている場合、残留振動信号POの振幅が小さくなることが想定される。そこで、計測部262は、時刻t1から時刻t2までの期間のいずれかで比較信号Cmp1がハイレベルとなり、且つ、時刻t1から時刻t2までの期間のいずれかで比較信号Cmp3がハイレベルとなった場合に「1」に設定され、それ以外の場合に「0」に設定される振幅判定値Apを生成する。
そして、計測部262は、計測した時間Tnvと生成した振幅判定値Apとを判定部2
64に出力する。
判定部264は、計測部262から入力される時間Tnvと振幅判定値Apとに基づいて、検査対象となる吐出部600に吐出異常が生じているか否か、及び吐出異常が生じている場合、当該吐出異常の原因を判定し、判定結果を示す判定結果信号RSを生成する。そして、判定部264は、判定結果信号RSを制御回路12に出力する。
ここで、吐出部600がインクを吐出するための動作を行ったにもかかわらず、対応するノズル651からインクが正常に吐出されない吐出異常が生じる原因としては、(1)キャビティー631内への気泡の混入、(2)キャビティー631内のインクの乾燥等に起因するキャビティー631内のインクの増粘、(3)ノズル651の出口付近への紙粉等の異物の付着、等が挙げられる。
キャビティー631内に気泡が混入した場合、キャビティー631内を満たすインクの総重量が減り、イナータンスが低下するものと考えられる。また、気泡がノズル651付近に付着している場合には、その径の大きさだけノズル651の径が大きくなったと看做される状態となり、それ故に、音響抵抗が低下するものと考えられる。そのため、キャビティー631内に気泡が混入することで吐出異常が生じた場合、残留振動信号POの周波数は、吐出状態が正常である場合と比較して高くなる。そのため、キャビティー631内に気泡が混入することで吐出異常が生じた場合、時間Tnvは、所定の閾値時間Tth1よりも小さくなる。
また、ノズル651付近のインクが乾燥して増粘した場合、キャビティー631内のインクは、キャビティー631内に閉じこめられたような状況となる。このような場合、音響抵抗が増加するものと考えられる。そのため、キャビティー631内のノズル651付近のインクが増粘した場合、残留振動信号POの周波数は、吐出状態が正常である場合と比較して低くなる。そのため、キャビティー631内のノズル651付近のインクが増粘した場合、時間Tnvは、所定の閾値時間Tth3よりも大きくなる。
また、ノズル651の出口付近に紙粉等の異物が付着した場合、キャビティー631内から紙粉等の異物を介してインクが染み出してしまうため、イナータンスが増加するものと考えられる。また、ノズル651の出口付近に付着した紙粉の繊維によって音響抵抗が増大するものと考えられる。そのため、ノズル651の出口付近に紙粉等の異物が付着した場合、残留振動信号POの周波数は、吐出状態が正常である場合と比較して低く、キャビティー631内のノズル651付近のインクが増粘した場合よりも高くなる。そのため、ノズル651の出口付近に紙粉等の異物が付着した場合、時間Tnvは、所定の閾値時間Tth2よりも大きく、且つ上述した閾値時間Tth3以下となる。
そして、上記の(1)~(3)の原因による吐出異常が生じていない場合、すなわち、吐出部600に吐出異常が生じていない場合、時間Tnvは、閾値時間Tth1以上かつ閾値時間Tth2以下となる。以上より、判定部264は、残留振動信号POの周期に対応する時間Tnv、及び残留振動信号POの振幅判定値Apに基づいて、検査対象の吐出部600の吐出状態を判定する。
図13は、判定部264による吐出部600の吐出状態の判定論理の一例を示す図である。図13の例では、判定部264は、入力される振幅判定値Apが「0」の場合、原因を特定できないがキャビティー631にインクが充填されていない等の何らかの吐出異常が発生していると判定し、判定結果信号RSを「5」に設定する。
また、判定部264は、入力される振幅判定値Apが「1」の場合、時間Tnvに基づ
いて、吐出部600の吐出状態を判定する。
具体的には、判定部264は、入力される振幅判定値Apが「1」の場合であって、時間Tnvが閾値時間Tth2未満の場合、吐出部600に気泡による吐出異常が発生していると判定し、判定結果信号RSを「2」に設定する。また、判定部264は、時間Tnvが閾値時間Tth1以上かつ閾値時間Tth2以下の場合、吐出部600の吐出状態が正常と判定し、判定結果信号RSを「1」に設定する。また、判定部264は、時間Tnvが閾値時間Tth2よりも大きく閾値時間Tth3以下の場合、吐出部600に異物付着による吐出異常が発生していると判定し、判定結果信号RSを「3」に設定する。また、判定部264は、時間Tnvが閾値時間Tth3よりも大きい場合、吐出部600に増粘による吐出異常が発生していると判定し、判定結果信号RSを「4」に設定する。
そして、判定部264は、「1」~「5」を設定した判定結果信号RSを制御回路12に出力する。制御回路12は、入力される判定結果信号RSに基づいて、液体吐出装置1の各部を制御する制御信号の補正、若しくは液体吐出装置1の各部を制御する制御信号の出力を停止する。すなわち、検査回路26は、残留振動Voutに基づいて、検査対象の吐出部600の吐出状態を判定する。なお、図13の一例では、判定部264が生成する判定結果信号RSが「1」から「5」までの5値の情報であるとして説明を行ったが、判定部264が生成する判定結果信号RSは、吐出異常の有無を示す2値の情報であってもよい。また、判定部264は、判定結果信号RSの生成に際して、時間Tnv及び振幅判定値Apの一部のみを用いてもよい。
以上のように、検査回路26は、切替回路24が出力する残留振動信号POの周期、振幅などに基づいて、検査の対象となる吐出部600に吐出異常が生じているか否か、及び生じた吐出異常の原因を判定し、判定結果を示す判定結果信号RSを制御回路12に出力する。
3.4 フレキシブル配線基板及び集積回路装置の構造
次に、プリントヘッド22において、駆動信号COMを含む複数の信号を伝搬するフレキシブル配線基板28、及びフレキシブル配線基板28にCOF実装された集積回路装置300の構成について説明する。図14は、フレキシブル配線基板28の構造を示す図である。ここで、以下の説明では、互いに直行するX方向、Y方向、及びZ方向を用いて説明する。また、以下の説明において、図示するX方向を示す矢印の起点側を-X側、先端側を+X側と称する場合があり、図示するY方向を示す矢印の起点側を-Y側、先端側を+Y側と称する場合があり、図示するZ方向を示す矢印の起点側を-Z側、先端側を+Z側と称する場合がある。
フレキシブル配線基板28は、一端であって+Y側の端部がプリントヘッド22の不図示のヘッド基板と電気的に接続し、他端であって-Y側の端部が吐出部600が有する圧電素子60の電極611,612と電気的に接続している。そして、図14に示すようにフレキシブル配線基板28には、集積回路装置300がCOF実装されているとともに、各種信号を伝搬する複数の配線282、複数の配線284、及び複数の配線286が形成されている。
複数の配線282は、集積回路装置300の+Y側に位置している。複数の配線282のそれぞれの一端はプリントヘッド22の不図示のヘッド基板と電気的に接続し、複数の配線282のそれぞれの他端は集積回路装置300と電気的に接続している。そして、複数の配線282は、ヘッド基板を介して集積回路装置300に入力される信号であって、吐出制御信号DI、イネーブル信号DE、クロック信号SCK、駆動信号COM、電圧信号VHV,VDD、及びグラウンド信号GNDを含む各種信号を伝搬する。また、複数の
配線282は、集積回路装置300が出力する信号であって、例えば、残留振動信号POも伝搬する。なお、複数の配線282は、上記信号に加えて、不図示のヘッド基板を介して集積回路装置300に入力される各種信号や、集積回路装置300からヘッド回路基板に出力される各種信号等を伝搬してもよい。
複数の配線286は、集積回路装置300の-Y側に位置している。複数の配線286のそれぞれの一端は集積回路装置300と電気的に接続し、複数の配線286のそれぞれの他端はm個の吐出部600のそれぞれが有する圧電素子60の電極611と電気的に接続している。そして、複数の配線286は、m個の吐出部600のそれぞれに対応する駆動電圧Vinを対応する圧電素子60に伝搬するとともに、m個の吐出部600のそれぞれで生じた残留振動Voutを集積回路装置300に伝搬する。すなわち、フレキシブル配線基板28には、少なくともm個の吐出部600に対応するm個の配線286が形成されている。
複数の配線284は、複数の配線282及び複数の配線286の-X側、及び複数の配線282及び複数の配線286の+X側に位置している。複数の配線284のそれぞれの一端はプリントヘッド22の不図示のヘッド基板と電気的に接続し、複数の配線284のそれぞれの他端はm個の吐出部600が有する圧電素子60の電極612と電気的に接続する。そして、複数の配線284は、m個の吐出部600のそれぞれに共通に入力される基準電圧信号VBSを圧電素子60に向け伝搬する。
集積回路装置300には、前述した切替回路24が実装されている。すなわち、集積回路装置300は、複数の配線282を介して入力される吐出制御信号DI、イネーブル信号DE、クロック信号SCK、駆動信号COM、電圧信号VHV,VDD、及びグラウンド信号GNDに基づいて、駆動電圧Vinを生成し、生成した駆動電圧Vinを、複数の配線286を介して対応するm個の吐出部600のそれぞれに供給するとともに、複数の配線286を介して入力される残留振動Voutに基づく残留振動信号POを生成し、生成した残留振動信号POを複数の配線282のいずれかを介して検査回路26に出力する。
また、集積回路装置300には、上述した切替回路24に加えて、集積回路装置300に電源電圧としての電圧信号VDDが供給された場合に、集積回路装置300の内部状態をリセットするためのパワーオンリセット回路、集積回路装置300で使用される内部電源電圧を生成する内部電圧生成回路、集積回路装置300の内部温度を検出する温度検出回路、集積回路装置300に入力される各種信号に含まれるノイズ成分を低減するためのフィルター回路等が実装されていてもよい。
このような集積回路装置300の内部の回路レイアウトについて説明する。図15は、集積回路装置300の回路レイアウトを示す図である。図16は、集積回路装置300の端子配置の一例を示す図である。また、図15及び図16には、図14と同様のX方向、Y方向、及びZ方向を図示している。ここで、以下の説明において、集積回路装置300の各種回路が実装される面を回路実装面305と称し、集積回路装置300とフレキシブル配線基板28とを電気的に接続する複数の端子が配置された面を端子面306と称する。なお、回路実装面305に設けられる各種回路は、集積回路装置300の複数の配線層に分割し形成されていてもよい。また、図15及び図16は、集積回路装置300を同一の面から見た透視図であって、具体的には、集積回路装置300をZ方向に沿って-Z側から+Z側に見た透視図である。そのため、集積回路装置300は、図15及び図16に示す構成に加えて、不図示のモールド部材や不図示の配線層が含まれてもよい。また、図16には、集積回路装置300の回路実装面305に実装される各種回路の配置の一部を破線で図示している。なお、以下の説明における集積回路装置300に実装される各種回
路とは、当該回路を構成する回路素子に限定されるものではなく、当該回路が集積回路装置300に実装される実装領域の意味が含まれる。
図15及び図16に示すように、集積回路装置300は、Y方向に沿って向かい合って位置する辺301及び辺302と、X方向に沿って向かい合って位置する辺303及び辺304と、を有する。そして、辺301及び辺302と、辺303及び辺304と、は互いに直交する。このとき、辺301及び辺302は、辺303及び辺304よりも長い。すなわち、本実施形態の集積回路装置300は、辺301及び辺302を長辺とする略矩形状である。すなわち、集積回路装置300は、Y方向に沿って互いに向かい合って位置する辺301及び辺302と、Y方向と異なるX方向に沿って互いに向かい合って位置する辺303及び辺304を有し、集積回路装置300の辺301に沿った方向の長さは、Y方向に沿った方向の長さよりも長い矩形状である。
図15に示すように、集積回路装置300の回路実装面305は、回路領域310,312,314,316を有する。
回路領域310は、集積回路装置300の辺301側に位置し、辺301に沿って延在している。回路領域310には、m個の吐出部600に対応するm個のシフトレジスター222、m個のデコーダー226、及びm個の選択回路230が実装されている。ここで、以下の説明において、m個の吐出部600を吐出部600[1]~600[m]称する。そして、吐出部600[1]~600[m]のそれぞれに対応するm個のシフトレジスター222をシフトレジスター222[1]~222[m]と称し、吐出部600[1]~600[m]のそれぞれに対応するm個のデコーダー226をデコーダー226[1]~226[m]と称し、吐出部600[1]~600[m]のそれぞれに対応するm個の選択回路230を選択回路230[1]~230[m]と称する場合がある。そして以下の説明では、シフトレジスター222[i](iは1~mのいずれか)、デコーダー226[i]、及び選択回路230[i]が、吐出部600[i]に対応しているとして説明を行う。
回路領域310において、シフトレジスター222[1]~222[m]は、辺303から辺304に向かいシフトレジスター222[1]~222[m]の順に並んで位置している。また、回路領域310において、デコーダー226[1]~226[m]は、並んで位置するシフトレジスター222[1]~222[m]の辺301側において、辺303から辺304に向かいデコーダー226[1]~226[m]の順に並んで位置している。また、回路領域310において、選択回路230[1]~230[m]は、並んで位置するデコーダー226[1]~226[m]の辺301側において、辺303から辺304に向かい選択回路230[1]~230[m]の順に並んで位置している。このとき、吐出部600[i]に対応する、シフトレジスター222[i]、デコーダー226[i]、及び選択回路230[i]は、辺302から辺301に向かう方向に沿って並んで位置している。すなわち、回路領域310には、駆動信号選択回路210を構成する回路の一部、又は全部が位置している。
ここで、図15に示すように、集積回路装置300において、吐出部600[i]に供給される駆動電圧Vinに含まれる駆動波形Adp1,Adp2,Bdp1,Bdp2,Bdp3を選択するシフトレジスター222[i]、デコーダー226[i]、及び選択回路230[i]が実装される実装領域の辺301に沿った方向の長さは、当該実装領域のY方向に沿った方向の長さよりも短く、さらに、集積回路装置300において、吐出部600[i]に供給される駆動電圧Vinに含まれる駆動波形Adp1,Adp2,Bdp1,Bdp2,Bdp3を選択する選択回路230[i]の辺301に沿った方向の長さは、Y方向に沿った方向の長さよりも短い。これにより、集積回路装置300において
、駆動電圧Vinを出力する選択回路230をX方向に沿って高密度に配置することができ、その結果、駆動電圧Vinが供給される吐出部600の数が多くなった場合であっても、集積回路装置300の大きさがX方向に沿って大型化するおそれが低減する。
また、図16に示すように集積回路装置300をZ方向に沿ってみた場合に、端子面306の回路領域310と重なる領域には、フレキシブル配線基板28と電気的に接続するm個の接続端子370、m個の接続端子380、及びm個の接続端子390が位置している。すなわち、端子面306には、m個の吐出部600に対応するm個の接続端子370と、m個の接続端子380と、m個の接続端子390と、が位置している。ここで、以下の説明において、吐出部600[1]~600[m]のそれぞれに対応するm個の接続端子370を接続端子370[1]~370[m]と称し、吐出部600[1]~600[m]のそれぞれに対応するm個の接続端子380を接続端子380[1]~380[m]と称し、吐出部600[1]~600[m]のそれぞれに対応するm個の接続端子390を接続端子390[1]~390[m]と称する場合がある。
接続端子370[1]~370[m]は、辺303から辺304に向かい接続端子370[1]~370[m]の順に並んで位置している。この接続端子370[1]~370[m]は、フレキシブル配線基板28において、駆動信号ComAが伝搬する配線282と電気的に接続する。すなわち、接続端子370[1]~370[m]は、駆動信号ComAを対応する選択回路230[1]~230[m]に供給するための端子である。なお、接続端子370と選択回路230とは1対1で対応している場合に限るものではなく、1つの接続端子370が複数の選択回路230に対して駆動信号ComAを供給してもよい。すなわち、接続端子370の数は、吐出部600の数であるm個に限るものではない。
接続端子380[1]~380[m]は、並んで位置する接続端子370[1]~370[m]の辺301側において、辺303から辺304に向かい接続端子380[1]~380[m]の順に並んで位置している。この接続端子380[1]~380[m]は、フレキシブル配線基板28において、駆動信号ComBが伝搬する配線282と電気的に接続する。すなわち、接続端子380[1]~380[m]は、駆動信号ComBを対応する選択回路230[1]~230[m]に供給するための端子である。なお、接続端子380と選択回路230とは1対1で対応している場合に限るものではなく、1つの接続端子380が複数の選択回路230に対して駆動信号ComBを供給してもよい。すなわち、接続端子380の数は、吐出部600の数であるm個に限るものではない。また、辺303から辺304に向かい並んで位置する接続端子380[1]~380[m]は、辺303から辺304に向かい並んで位置する接続端子370[1]~370[m]の辺302側に位置してもよい。
接続端子390[1]~390[m]は、並んで位置する接続端子370[1]~370[m]、及び並んで位置する接続端子380[1]~380[m]の辺301側において、辺303から辺304に向かい接続端子390[1]~390[m]の順に並んで位置している。この接続端子390[1]~390[m]は、フレキシブル配線基板28の配線286と電気的に接続する。すなわち、接続端子390[1]~390[m]は、フレキシブル配線基板28を介して吐出部600[1]~600[m]と電気的に接続している。そして、接続端子390[1]~390[m]は、選択回路230[1]~230[m]が出力する駆動電圧Vinを対応する吐出部600[1]~600[m]に供給するとともに、対応する吐出部600[1]~600[m]で生じた残留振動Voutを対応する選択回路230[1]~230[m]に供給する。
ここで、図14に示すように、フレキシブル配線基板28は、-Y側において圧電素子
60の電極611と電気的に接続する。それ故に、圧電素子60の電極611に供給される駆動電圧Vinを出力する接続端子390[1]~390[m]は、集積回路装置300において、辺301の近傍に位置している。すなわち、集積回路装置300は、吐出部600[1]~600[m]のそれぞれに対応する駆動電圧Vinを出力する接続端子390[1]~390[m]を有し、駆動電圧Vinを出力する接続端子390[1]~390[m]は、辺302よりも辺301の近傍に位置し、辺301よりも辺302の近傍には位置しない。
これにより、集積回路装置300から出力される駆動電圧Vinが伝搬する複数の配線286の全てを、集積回路装置300の-Y側の側面であって、集積回路装置300の辺301側から引き出すことができる。すなわち、集積回路装置300から出力される駆動電圧Vinが伝搬する複数の配線286を、集積回路装置300の辺302側から引き回す必要がない。これにより、フレキシブル配線基板28のY方向に沿った方向の小型化が可能となり、プリントヘッド22の小型化を実現できる。さらに、集積回路装置300から出力される駆動電圧Vinが伝搬する複数の配線286の全てを、集積回路装置300の-Y側の側面であって、集積回路装置300の辺301側から引き出すことができるが故に、フレキシブル配線基板28において複数の配線286の配線長を短くすることができ、圧電素子60の電極611に供給される駆動電圧Vinの波形精度が向上するとともに、集積回路装置300に入力される残留振動Voutの波形精度も向上する。その結果、プリントヘッド22におけるインクの吐出精度が向上するとともに、吐出部600における吐出異常の検出精度も向上する。
すなわち、本実施形態のプリントヘッド22は、吐出部600[1]~600[m]のそれぞれが有する複数の圧電素子60を備え、集積回路装置300は、吐出部600[1]~600[m]のそれぞれに供給される駆動電圧Vinを出力する接続端子390[1]~390[m]を有する。このようなプリントヘッド22において、集積回路装置300が有する接続端子390[1]~390[m]のそれぞれは、吐出部600[1]~600[m]のそれぞれに供給される複数の駆動電圧Vinのそれぞれを出力し、吐出部600[1]~600[m]のそれぞれが有する複数の圧電素子60は、接続端子390[1]~390[m]のそれぞれから出力される複数の駆動電圧Vinのそれぞれが供給されることで駆動する。このような集積回路装置300において、吐出部600[1]~600[m]のそれぞれに供給される駆動電圧Vinを出力する接続端子390[1]~390[m]は、集積回路装置300の辺302よりも辺301の近傍に位置し、辺301よりも辺302の近傍には位置しない。これにより、フレキシブル配線基板28のY方向に沿った方向の小型化が可能となり、プリントヘッド22の小型化を実現できるとともに、フレキシブル配線基板28において複数の配線286の配線長を短くすることができ、圧電素子60の電極611に供給される駆動電圧Vinの波形精度が向上し、さらには、集積回路装置300に入力される残留振動Voutの波形精度も向上する。その結果、プリントヘッド22におけるインクの吐出精度が向上するとともに、吐出部600における吐出異常の検出精度も向上する。
図15に示すように回路領域312は、集積回路装置300の辺302側であって、辺303の近傍に位置している。回路領域312には、複数の入力処理回路322と複数の信号処理回路332とが、辺303から辺304に向かう方向に沿って並んで実装されている。また、図16に示すように集積回路装置300をZ方向に沿ってみた場合に、端子面306の回路領域312と重なる領域には、フレキシブル配線基板28と電気的に接続する複数の接続端子362が、辺303から辺304に向かう方向に沿って並んで位置している。このとき、複数の接続端子362のそれぞれは、入力処理回路322の辺302側において、複数の入力処理回路322に対応して隣り合うように位置している。
複数の入力処理回路322は、ノイズフィルター回路や静電気保護回路などを含む。そして、複数の入力処理回路322は、複数の接続端子362のそれぞれから入力される信号からノイズ成分を除去するとともに、集積回路装置300を静電気などの外乱ノイズから保護する。また、複数の信号処理回路332は、パワーオンリセット回路や内部電圧生成回路等の複数の接続端子362のそれぞれから入力される信号に基づいて動作する回路や、集積回路装置300の状態を示す温度検出回路、前述した波形生成回路250等が実装されている。
図15に示すように回路領域314は、集積回路装置300の辺302側であって、辺304の近傍に位置している。回路領域314には、複数の入力処理回路324と複数の信号処理回路334とが、辺303から辺304に向かう方向に沿って並んで実装されている。また、図16に示すように集積回路装置300をZ方向に沿ってみた場合に、端子面306の回路領域314と重なる領域には、フレキシブル配線基板28と電気的に接続する複数の接続端子364が、辺303から辺304に向かう方向に沿って並んで位置している。このとき、複数の接続端子364のそれぞれは、入力処理回路324の辺302側において、複数の入力処理回路324に対応して隣り合うように位置している。
複数の入力処理回路324は、ノイズフィルター回路や静電気保護回路などを含む。そして、複数の入力処理回路324は、複数の接続端子364のそれぞれから入力される信号からノイズ成分を除去するとともに、集積回路装置300を静電気などの外乱ノイズから保護する。また、複数の信号処理回路334は、パワーオンリセット回路や内部電圧生成回路等の複数の接続端子364のそれぞれから入力される信号に基づいて動作する回路や、集積回路装置300の状態を示す温度検出回路、前述した波形生成回路250等が実装されている。
ここで、集積回路装置300において、パワーオンリセット回路、内部電圧生成回路、温度検出回路、及び波形生成回路250のそれぞれは、信号処理回路332と信号処理回路334との双方に実装されていてもよく、信号処理回路332又は信号処理回路334のいずれか一方のみに実装されていてもよい。この場合において、信号処理回路332は、アナログ信号又はデジタル信号の一方の信号を処理する回路であって、信号処理回路334は、アナログ信号又はデジタル信号の他方の信号を処理する回路であることが好ましい。これにより、信号処理回路332と信号処理回路334とにおいて、処理する信号が相互に干渉するおそれが低減される。
図15に示すように回路領域316は、集積回路装置300の辺302側であって、辺303から辺304に向かう方向に沿って、回路領域312と回路領域314との間に位置している。すなわち、回路領域312,314,316は、集積回路装置300の辺302側に位置し、辺303から辺304に向かい、回路領域312,316,314の順に並んで位置している。このとき、集積回路装置300をZ方向に沿って見た場合に、回路領域316は、少なくとも一部が、集積回路装置300において辺303からの距離と辺304からの距離が等しい仮想中線CLと重なるように位置している。
回路領域316には、ゲートアレイ350が形成されている。ゲートアレイ350は、辺302に沿った方向の長さが辺302から辺301に向かう方向に沿った方向の長さよりも長い矩形状に形成されている。すなわち、ゲートアレイ350の辺301に沿った方向の長さは、Y方向に沿った方向の長さよりも長い。そして、ゲートアレイ350には、上述したコマンド解析回路200を含む複数の回路が構成されている。
また、図16に示すように集積回路装置300をZ方向に沿ってみた場合に、端子面306の回路領域316と重なる領域には、フレキシブル配線基板28と電気的に接続する
複数の接続端子366が、辺303から辺304に向かう方向に沿って並んで位置している。このとき、複数の接続端子366のそれぞれは、ゲートアレイ350の辺302側に位置している。すなわち、集積回路装置300は、辺301よりも辺302の近傍に位置する接続端子366を有する。
複数の接続端子366のいずれかにはフレキシブル配線基板28を伝搬する吐出制御信号DIが入力され、複数の接続端子362の異なるいずれかにはフレキシブル配線基板28を伝搬するイネーブル信号DEが入力され、複数の接続端子362のさらに異なるいずれかにはフレキシブル配線基板28を伝搬するクロック信号SCKが入力される。そして、複数の接続端子362を介して入力された吐出制御信号DI、イネーブル信号DE、及びクロック信号SCKは、ゲートアレイ350に構成されたコマンド解析回路200に入力される。
ゲートアレイ350に構成されたコマンド解析回路200は、前述のとおり、複数の接続端子362から入力される吐出制御信号DIに含まれるコマンドを解析し、印刷データ信号SI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、検査タイミング信号TSIG、及びクロック信号DCKを生成する。そして、ゲートアレイ350に構成されたコマンド解析回路200は、生成した印刷データ信号SI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、検査タイミング信号TSIG、及びクロック信号DCKを回路領域310に構成された駆動信号選択回路210に出力する。
そして、回路領域310に構成された駆動信号選択回路210は、前述のとおり、印刷データ信号SI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、検査タイミング信号TSIG、及びクロック信号DCKによって規定されるタイミングで、m個の接続端子370から入力される駆動信号ComA、m個の接続端子380から入力される駆動信号ComBの信号波形を選択又は非選択とすることで、m個の吐出部600のそれぞれに対応する駆動電圧Vinを生成し、m個の吐出部600のそれぞれに対応するm個の接続端子390のそれぞれから出力する。
すなわち、ゲートアレイ350に形成されたコマンド解析回路200は、吐出制御信号DIに含まれるコマンドの解析結果に基づいて、吐出部600[1]~600[m]のそれぞれに対応する駆動電圧Vinの接続端子390[1]~390[m]からの出力タイミングを規定する信号を出力する。
ここで、前述のとおり、集積回路装置300をZ方向に沿って見た場合、回路領域316は、少なくとも一部が、集積回路装置300において辺303からの距離と辺304からの距離が等しい仮想中線CLと重なるように位置している。すなわち、集積回路装置300をX方向及びY方向の双方と直交するZ方向に沿って見た場合に、ゲートアレイ350及びゲートアレイ350に構成されたコマンド解析回路200は、少なくとも一部が、集積回路装置300において辺303からの距離と辺304からの距離が等しい仮想中線CLと重なるように位置している。
これにより、ゲートアレイ350に形成されたコマンド解析回路200が出力する信号を集積回路装置300の各部に伝搬する配線長の長さの差を小さくすることができる。その結果、ゲートアレイ350に形成されたコマンド解析回路200が出力する信号が集積回路装置300に伝搬される際に当該信号の伝搬時間に遅延が生じるおそれを低減することができる。
特に、本実施形態に示すようなコマンド解析回路200が吐出部600[1]~600[m]のそれぞれに対応する駆動電圧Vinの接続端子390[1]~390[m]から
の出力タイミングを規定する信号を出力する場合、仮に当該信号の伝搬時間に遅延が生じると吐出部600[1]~600[m]のそれぞれからのインクの吐出タイミングにばらつきが生じ、その結果、媒体Pに形成される画像の品質が低下する。
これに対して、集積回路装置300をX方向及びY方向の双方と直交するZ方向に沿って見た場合に、ゲートアレイ350及びゲートアレイ350に構成されたコマンド解析回路200は、少なくとも一部が、集積回路装置300において辺303からの距離と辺304からの距離が等しい仮想中線CLと重なるように位置することで、吐出部600[1]~600[m]のそれぞれからのインクの吐出タイミングにばらつきが生じるおそれが低減し、その結果、媒体Pに形成される画像品質が向上する。
また、前述のとおり、ゲートアレイ350に構成されたコマンド解析回路200は、複数の接続端子362から入力される吐出制御信号DIに基づいて、プリントヘッド22が有する全てのノズル651から強制的にインクを吐出されるフラッシング処理や、プリントヘッド22の異常の有無をプリントヘッド22自身に診断させる自己故障診断等のメンテナンス処理を実行させてもよい。
すなわち、ゲートアレイ350に構成されたコマンド解析回路200は、接続端子366から入力される吐出制御信号DIに含まれるコマンドを解析し、解析結果に応じて異なる動作を実行させる。
集積回路装置300が、吐出制御信号DIに含まれるコマンドを解析し、解析結果に応じて異なる動作をプリントヘッド22に実行させることで、フレキシブル配線基板28の信号線を増加させることなくプリントヘッド22が有するノズル651の数が増加した場合であってもプリントヘッド22の品質を高めることができる。すなわち、集積回路装置300が、吐出制御信号DIに含まれるコマンドを解析し、解析結果に応じて異なる動作をプリントヘッド22に実行させることで、プリントヘッド22が有するノズル651の数が増加した場合であってもプリントヘッド22が大型化するおそれを低減しつつ、プリントヘッド22の品質を高めることができる。ここで、本実施形態では、入力される吐出制御信号DIに含まれるコマンドを解析し、解析結果に応じて異なる動作を実行させるコマンド解析回路200は、ゲートアレイ350によって実現されているとして説明を行ったが、コマンド解析回路200は、ゲートアレイ350で実現されている場合に限られるものではなく、コマンド解析回路200の一部、又は全部がスタンダードセル等で実現されていてもよい。
ここで、Y方向が第1方向の一例であり、X方向が第2方向の一例であり、Z方向が第3方向の一例である。また、コマンド解析回路200及び駆動信号選択回路210を含む複数の回路が実装された集積回路装置300が集積回路の一例であり、集積回路装置300の辺301が第2辺の一例であり、辺302が第1辺の一例であり、辺303が第3辺の一例であり、辺304が第4辺の一例であり、集積回路装置300に実装されたゲートアレイ350に構成されたコマンド解析回路200が論理回路の一例であり、コマンド解析回路200に入力されるコマンドを含む吐出制御信号DIがコマンド信号の一例であり、集積回路装置300に吐出制御信号DIを入力する接続端子366が第3端子の一例である。
また、集積回路装置300が設けられたフレキシブル配線基板28が配線基板の一例である。
また、吐出部600[i]が有する圧電素子60が第1圧電素子の一例であり、吐出部600[i]に供給される駆動電圧Vinが第1駆動電圧の一例であり、集積回路装置3
00が吐出部600[i]に供給される駆動電圧Vinを出力する接続端子390[i]が第1端子の一例であり、接続端子390[i]から出力される駆動電圧Vinに含まれる駆動波形を選択する選択回路230[i]が第1出力制御回路の一例である。
また、吐出部600[j](jは1~mの内、i以外のいずれか)が有する圧電素子60が第2圧電素子の一例であり、吐出部600[j]に供給される駆動電圧Vinが第2駆動電圧の一例であり、集積回路装置300が吐出部600[j]に供給される駆動電圧Vinを出力する接続端子390[j]が第2端子の一例であり、接続端子390[j]から出力される駆動電圧Vinに含まれる駆動波形を選択する選択回路230[j]が第2出力制御回路の一例である。
そして、吐出部600[i],600[j]を含む吐出部600[1]~600[m]のそれぞれが有する圧電素子60が複数の圧電素子の一例であり、吐出部600[1]~600[m]のそれぞれに供給される駆動電圧Vinが複数の駆動電圧の一例であり、
吐出部600[1]~600[m]のそれぞれに供給される駆動電圧Vinを出力する接続端子390[1]~390[m]が複数の出力端子の一例である。
4.作用効果
以上のように構成された本実施形態の液体吐出装置1及びプリントヘッド22は、集積回路装置300がY方向に沿って互いに向かい合って位置する辺301及び辺302と、辺302よりも辺301の近傍に位置し、辺301に沿って並んで位置する接続端子390[i]及び接続端子390[j]と、辺301よりも辺302の近傍に位置する接続端子366と、接続端子390[i]から出力する駆動電圧Vinの駆動波形を選択する選択回路230[i]と、接続端子390[j]から出力する駆動電圧Vinの駆動波形を選択する選択回路230[j]と、接続端子366から入力される吐出制御信号DIに含まれるコマンドを解析し、解析結果に応じて異なる動作を実行させるゲートアレイ350に構成されたコマンド解析回路200と、を有する。
すなわち、選択回路230[i]が出力する駆動電圧Vinを集積回路装置300からフレキシブル配線基板28に出力する接続端子390[i]と、選択回路230[j]が出力する駆動電圧Vinを集積回路装置300からフレキシブル配線基板28に出力する接続端子390[j]とは、共に集積回路装置300の辺301の近傍に並んで位置し、ゲートアレイ350に構成されたコマンド解析回路200で解析される吐出制御信号DIに含まれるコマンドは集積回路装置300において辺301と向かい合って位置する辺302の近傍に位置する。これにより、集積回路装置300に入力される吐出制御信号DIが伝搬する配線282、及び集積回路装置300が出力する駆動電圧Vinが伝搬する配線286が、フレキシブル配線基板28において煩雑に回り込むおそれが低減する。その結果、フレキシブル配線基板28が大きくなるおそれが低減し、フレキシブル配線基板28を有するプリントヘッド22が大きくなるおそれが低減する。すなわち、プリントヘッド22の小型化が困難になるおそれが低減する。
また、本実施形態の液体吐出装置1及びプリントヘッド22では、集積回路装置300の辺301に沿った方向の長さは、辺301から辺302に向かう方向に沿った方向の長さよりも長い。すなわち、集積回路装置300は、集積回路装置300の長辺方向に沿って延在する略矩形状である。このような集積回路装置300において、選択回路230[i]の辺301に沿った方向の長さは、辺301から辺302に向かう方向に沿った方向の長さよりも短く、選択回路230[j]の辺301に沿った方向の長さは、辺301から辺302に向かう方向に沿った方向の長さよりも短い。これにより、矩形状の集積回路装置300の長辺方向に沿って、選択回路230[i]及び選択回路230[j]を高密度に設けることができる。これにより、プリントヘッド22が有する吐出部600の数が
増加した場合であっても、集積回路装置300が大型化するおそれがいてする。
さらに、本実施形態の液体吐出装置1及びプリントヘッド22では、集積回路装置300において、コマンド解析回路200が構成されたゲートアレイ350の辺301に沿った方向の長さが、辺301から辺302に向かう方向に沿った方向の長さよりも長い。
すなわち、コマンド解析回路200が構成されたゲートアレイ350は、集積回路装置300の長辺方向に沿って延在する略矩形状である。これにより、コマンド解析などの煩雑な処理を実行するコマンド解析回路200が構成されたゲートアレイ350の面積を広く確保することができる。これにより、プリントヘッド22が、多種多様なコマンドを解析するとともに、解析結果に応じた処理を実行するが故に、プリントヘッド22に搭載される回路規模が増大した場合であっても、集積回路装置300が大きくなるおそれが低減し、その結果、集積回路装置300が設けられたプリントヘッド22の小型化が困難になるおそれが低減する。
以上、実施形態及び変形例について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。例えば、上記の実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
上述した実施形態から以下の内容が導き出される。
プリントヘッドの一態様は、
第1駆動電圧が供給されることで駆動する第1圧電素子と、
第2駆動電圧が供給されることで駆動する第2圧電素子と、
前記第1圧電素子に供給される前記第1駆動電圧の駆動波形、及び前記第2圧電素子に供給される前記第2駆動電圧の駆動波形を選択する集積回路と、
前記第1駆動電圧及び前記第2駆動電圧を伝搬し、前記集積回路が設けられた配線基板と、
を備え、
前記集積回路は、
第1方向に沿って互いに向かい合って位置する第1辺及び第2辺と、
前記第2辺よりも前記第1辺の近傍に位置し、前記第1辺に沿って並んで位置する第1端子及び第2端子と、
前記第1辺よりも前記第2辺の近傍に位置する第3端子と、
前記第1端子から出力する前記第1駆動電圧の駆動波形を選択する第1出力制御回路と、
前記第2端子から出力する前記第2駆動電圧の駆動波形を選択する第2出力制御回路と、
前記第3端子から入力されるコマンド信号を解析し、解析結果に応じて異なる動作を実行させる論理回路と、
を有し、
前記集積回路の前記第1辺に沿った方向の長さは、前記第1方向に沿った方向の長さよりも長く、
前記論理回路の前記第1辺に沿った方向の長さは、前記第1方向に沿った方向の長さよりも長く、
前記第1出力制御回路の前記第1辺に沿った方向の長さは、前記第1方向に沿った方向の長さよりも短く、
前記第2出力制御回路の前記第1辺に沿った方向の長さは、前記第1方向に沿った方向の長さよりも短い。
このプリントヘッドによれば、集積回路において、第1駆動電圧を出力する第1端子と、第2駆動電圧を出力する第2端子とが集積回路の第1辺の近傍に位置し、論理回路が解析するコマンド信号が入力される第3端子が、集積回路において第1辺と向かい合って位置する第2辺の近傍に位置することで、集積回路から第1駆動電圧を第1圧電素子に伝搬する配線、及び集積回路から第2駆動電圧を第2圧電素子に伝搬する配線と、集積回路にコマンド信号を伝搬する配線とが、集積回路が設けられる配線基板において、煩雑に回り込むおそれが低減する。その結果、配線基板の小型化が可能となり、配線基板を有するプリントヘッドの小型化が可能となる。
また、このプリントヘッドによれば、集積回路は、第1辺に沿った方向の長さが第1方向に沿った方向の長さよりも長い矩形状であって、第1出力制御回路の第1辺に沿った方向の長さが、第1方向に沿った方向の長さよりも短く、第2出力制御回路の第1辺に沿った方向の長さが、第1方向に沿った方向の長さよりも短いことで、集積回路において第1出力制御回路及び第2出力制御回路を高密度に配置することができる。これにより、プリントヘッドが液体を吐出する吐出部の数が増加した場合であっても、集積回路が大型化するおそれが低減する。すなわち、プリントヘッドが液体を吐出する吐出部の数が増加した場合であっても、集積回路を有するプリントヘッドの小型化が可能となる。
さらに、このプリントヘッドによれば、集積回路は、第1辺に沿った方向の長さが第1方向に沿った方向の長さよりも長い矩形状であって、論理回路の第1辺に沿った方向の長さが、第1方向に沿った方向の長さよりも長いことで、コマンドの解析等の複雑な処理を実行する論理回路の回路規模が大きくなった場合であっても、集積回路が大型化するおそれが低減し、その結果、集積回路を有するプリントヘッドの小型化が可能となる。
上記プリントヘッドの一態様において、
前記集積回路は、前記第1方向と異なる第2方向に沿って互いに向かい合って位置する第3辺及び第4辺を有し、
前記論理回路は、少なくともと一部が、前記第1方向及び前記第2方向の双方と直交する第3方向に沿って見た場合に、前記第3辺及び前記第4辺の双方からの距離が等しい仮想中線と重なるように位置していてもよい。
このプリントヘッドによれば、論理回路が出力する信号が集積回路の内部で伝搬する配線長の長さに差異が生じるおそれが低減する。したがって論理回路が出力する信号に遅延が生じるおそれが低減する。その結果、集積回路が出力する信号の精度が向上する。
上記プリントヘッドの一態様において、
前記論理回路は、前記コマンド信号の解析結果に基づいて、前記第1駆動電圧の前記第1端子からの出力タイミングを規定する信号、及び前記第2駆動電圧の前記第2端子からの出力タイミングを規定する信号を出力してもよい。
上記プリントヘッドの一態様において、
前記論理回路は、前記コマンド信号の解析結果に基づいて、自己故障診断を実行させてもよい。
上記プリントヘッドの一態様において、
前記論理回路は、前記コマンド信号の解析結果に基づいて、フラッシング処理を実行させてもよい。
上記プリントヘッドの一態様において、
前記第1圧電素子及び前記第2圧電素子を含む複数の圧電素子を備え、
前記集積回路は、前記第1端子、及び前記第2端子を含む複数の出力端子を有し、
前記複数の出力端子のそれぞれは、前記第1駆動電圧及び前記第2駆動電圧を含む複数の駆動電圧のそれぞれを出力し、
前記複数の圧電素子のそれぞれは、前記複数の駆動電圧のそれぞれが供給されることで駆動し、
前記複数の出力端子は、前記第2辺よりも前記第1辺の近傍に位置し、前記第1辺よりも前記第2辺の近傍には位置しなくてもよい。
このプリントヘッドによれば、集積回路において、複数の駆動電圧を出力する複数の出力端子の全てが集積回路の第1辺の近傍に位置し、論理回路が解析するコマンド信号が入力される第3端子が、集積回路において第1辺と向かい合って位置する第2辺の近傍に位置することで、集積回路から複数の駆動電圧を出力する場合であっても、当該駆動電圧が伝搬する配線において、煩雑に回り込むおそれが低減する。その結果、配線基板の小型化が可能となり、配線基板を有するプリントヘッドの小型化が可能となる。
液体吐出装置の一態様は、
媒体に液体を吐出するプリントヘッドと、
前記プリントヘッドの動作を制御する制御信号を出力する制御回路と、
を備え、
前記プリントヘッドは、
第1駆動電圧が供給されることで駆動する第1圧電素子と、
第2駆動電圧が供給されることで駆動する第2圧電素子と、
前記第1圧電素子に前記第1駆動電圧を供給するか否か、及び前記第2圧電素子に前記第2駆動電圧を供給するか否か、を切り替える集積回路と、
前記第1駆動電圧及び前記第2駆動電圧を伝搬し、前記集積回路が設けられた配線基板と、
を有し、
前記集積回路は、
第1方向に沿って互いに向かい合って位置する第1辺及び第2辺と、
前記第2辺よりも前記第1辺の近傍に位置し、前記第1辺に沿って並んで位置する第1端子及び第2端子と、
前記第1辺よりも前記第2辺の近傍に位置する第3端子と、
前記第1端子から出力する前記第1駆動電圧の駆動波形を選択する第1出力制御回路と、
前記第2端子から出力する前記第2駆動電圧の駆動波形を選択する第2出力制御回路と、
前記第3端子から入力されるコマンド信号を解析し、解析結果に応じて異なる動作を実行させる論理回路と、
を有し、
前記集積回路の前記第1辺に沿った方向の長さは、前記第1方向に沿った方向の長さよりも長く、
前記論理回路の前記第1辺に沿った方向の長さは、前記第1方向に沿った方向の長さよりも長く、
前記第1出力制御回路の前記第1辺に沿った方向の長さは、前記第1方向に沿った方向の長さよりも短く、
前記第2出力制御回路の前記第1辺に沿った方向の長さは、前記第1方向に沿った方向の長さよりも短い。
この液体吐出装置によれば、プリントヘッドが有する集積回路において、第1駆動電圧を出力する第1端子と、第2駆動電圧を出力する第2端子とが集積回路の第1辺の近傍に位置し、論理回路が解析するコマンド信号が入力される第3端子が、集積回路において第1辺と向かい合って位置する第2辺の近傍に位置することで、集積回路から第1駆動電圧を第1圧電素子に伝搬する配線、及び集積回路から第2駆動電圧を第2圧電素子に伝搬する配線と、集積回路にコマンド信号を伝搬する配線とが、集積回路が設けられる配線基板において、煩雑に回り込むおそれが低減する。その結果、配線基板の小型化が可能となり、配線基板を有するプリントヘッドの小型化が可能となる。
また、この液体吐出装置によれば、プリントヘッドが有する集積回路が、第1辺に沿った方向の長さが第1方向に沿った方向の長さよりも長い矩形状であって、第1出力制御回路の第1辺に沿った方向の長さが、第1方向に沿った方向の長さよりも短く、第2出力制御回路の第1辺に沿った方向の長さが、第1方向に沿った方向の長さよりも短いことで、集積回路において第1出力制御回路及び第2出力制御回路を高密度に配置することができる。これにより、プリントヘッドが液体を吐出する吐出部の数が増加した場合であっても、集積回路が大型化するおそれが低減する。すなわち、プリントヘッドが液体を吐出する吐出部の数が増加した場合であっても、集積回路を有するプリントヘッドの小型化が可能となる。
さらに、この液体吐出装置によれば、プリントヘッドが有する集積回路が、第1辺に沿った方向の長さが第1方向に沿った方向の長さよりも長い矩形状であって、論理回路の第1辺に沿った方向の長さが、第1方向に沿った方向の長さよりも長いことで、コマンドの解析等の複雑な処理を実行する論理回路の回路規模が大きくなった場合であっても、集積回路が大型化するおそれが低減し、その結果、集積回路を有するプリントヘッドの小型化が可能となる。
上記液体吐出装置の一態様において、
前記集積回路は、前記第1方向と異なる第2方向に沿って互いに向かい合って位置する第3辺及び第4辺を有し、
前記論理回路は、少なくともと一部が、前記第1方向及び前記第2方向の双方と直交する第3方向に沿って見た場合に、前記第3辺及び前記第4辺の双方からの距離が等しい仮想中線と重なるように位置していてもよい。
この液体吐出装置によれば、プリントヘッドが有する集積回路の論理回路が出力する信号が集積回路の内部で伝搬する配線長の長さに差異が生じるおそれが低減する。したがって論理回路が出力する信号に遅延が生じるおそれが低減する。その結果、集積回路が出力する信号の精度が向上する。
上記液体吐出装置の一態様において、
前記論理回路は、前記コマンド信号の解析結果に基づいて、前記第1駆動電圧の前記第1端子からの出力タイミングを規定する信号、及び前記第2駆動電圧の前記第2端子からの出力タイミングを規定する信号を出力してもよい。
上記液体吐出装置の一態様において、
前記論理回路は、前記コマンド信号の解析結果に基づいて、自己故障診断を実行させて
もよい。
上記液体吐出装置の一態様において、
前記論理回路は、前記コマンド信号の解析結果に基づいて、フラッシング処理を実行させてもよい。
上記液体吐出装置の一態様において、
前記第1圧電素子及び前記第2圧電素子を含む複数の圧電素子を備え、
前記集積回路は、前記第1端子、及び前記第2端子を含む複数の出力端子を有し、
前記複数の出力端子のそれぞれは、前記第1駆動電圧及び前記第2駆動電圧を含む複数の駆動電圧のそれぞれを出力し、
前記複数の圧電素子のそれぞれは、前記複数の駆動電圧のそれぞれが供給されることで駆動し、
前記複数の出力端子は、前記第2辺よりも前記第1辺の近傍に位置し、前記第1辺よりも前記第2辺の近傍には位置しなくてもよい。
この液体吐出装置によれば、プリントヘッドが有する集積回路において、複数の駆動電圧を出力する複数の出力端子の全てが集積回路の第1辺の近傍に位置し、論理回路が解析するコマンド信号が入力される第3端子が、集積回路において第1辺と向かい合って位置する第2辺の近傍に位置することで、集積回路から複数の駆動電圧を出力する場合であっても、当該駆動電圧が伝搬する配線において、煩雑に回り込むおそれが低減する。その結果、配線基板の小型化が可能となり、配線基板を有するプリントヘッドの小型化が可能となる。
1…液体吐出装置、2…液体容器、10…制御機構、12…制御回路、14…電源回路、20…キャリッジ、22…プリントヘッド、24…切替回路、26…検査回路、28…フレキシブル配線基板、30…移動機構、32…キャリッジモーター、34…無端ベルト、40…搬送機構、42…搬送モーター、44…搬送ローラー、50…駆動信号出力回路、52…基準電圧出力回路、60…圧電素子、90…リニアエンコーダー、190…ケーブル、200…コマンド解析回路、210…駆動信号選択回路、220…選択制御回路、222…シフトレジスター、224…ラッチ回路、226…デコーダー、230…選択回路、232a,232b,232c…論理反転回路、234a,234b,234c…トランスファーゲート、250…波形生成回路、262…計測部、264…判定部、282,284,286…配線、300…集積回路装置、301,302,303,304…辺、305…回路実装面、306…端子面、310,312,314,316…回路領域、322,324…入力処理回路、332,334…信号処理回路、350…ゲートアレイ、362,364,366,370,380,390…接続端子、600…吐出部、601…圧電体、611,612…電極、621…振動板、627…固定部、631…キャビティー、632…ノズルプレート、641…リザーバー、649…島部、651…ノズル、661…インク供給口、CL…仮想中線、P…媒体

Claims (12)

  1. 第1駆動電圧が供給されることで駆動する第1圧電素子と、
    第2駆動電圧が供給されることで駆動する第2圧電素子と、
    前記第1圧電素子に供給される前記第1駆動電圧の駆動波形、及び前記第2圧電素子に供給される前記第2駆動電圧の駆動波形を選択する集積回路と、
    前記第1駆動電圧及び前記第2駆動電圧を伝搬し、前記集積回路が設けられた配線基板と、
    を備え、
    前記集積回路は、
    第1方向に沿って互いに向かい合って位置する第1辺及び第2辺と、
    前記第2辺よりも前記第1辺の近傍に位置し、前記第1辺に沿って並んで位置する第1端子及び第2端子と、
    前記第1辺よりも前記第2辺の近傍に位置する第3端子と、
    前記第1端子から出力する前記第1駆動電圧の駆動波形を選択する第1出力制御回路と、
    前記第2端子から出力する前記第2駆動電圧の駆動波形を選択する第2出力制御回路と、
    前記第3端子から入力されるコマンド信号を解析し、解析結果に応じて異なる動作を実行させる論理回路と、
    を有し、
    前記集積回路の前記第1辺に沿った方向の長さは、前記第1方向に沿った方向の長さよりも長く、
    前記論理回路の前記第1辺に沿った方向の長さは、前記第1方向に沿った方向の長さよりも長く、
    前記第1出力制御回路の前記第1辺に沿った方向の長さは、前記第1方向に沿った方向の長さよりも短く、
    前記第2出力制御回路の前記第1辺に沿った方向の長さは、前記第1方向に沿った方向の長さよりも短い、
    ことを特徴とするプリントヘッド。
  2. 前記集積回路は、前記第1方向と異なる第2方向に沿って互いに向かい合って位置する第3辺及び第4辺を有し、
    前記論理回路は、少なくともと一部が、前記第1方向及び前記第2方向の双方と直交する第3方向に沿って見た場合に、前記第3辺及び前記第4辺の双方からの距離が等しい仮想中線と重なるように位置している、
    ことを特徴とする請求項1に記載のプリントヘッド。
  3. 前記論理回路は、前記コマンド信号の解析結果に基づいて、前記第1駆動電圧の前記第1端子からの出力タイミングを規定する信号、及び前記第2駆動電圧の前記第2端子からの出力タイミングを規定する信号を出力する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のプリントヘッド。
  4. 前記論理回路は、前記コマンド信号の解析結果に基づいて、自己故障診断を実行させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のプリントヘッド。
  5. 前記論理回路は、前記コマンド信号の解析結果に基づいて、フラッシング処理を実行させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のプリントヘッド。
  6. 前記第1圧電素子及び前記第2圧電素子を含む複数の圧電素子を備え、
    前記集積回路は、前記第1端子、及び前記第2端子を含む複数の出力端子を有し、
    前記複数の出力端子のそれぞれは、前記第1駆動電圧及び前記第2駆動電圧を含む複数の駆動電圧のそれぞれを出力し、
    前記複数の圧電素子のそれぞれは、前記複数の駆動電圧のそれぞれが供給されることで駆動し、
    前記複数の出力端子は、前記第2辺よりも前記第1辺の近傍に位置し、前記第1辺よりも前記第2辺の近傍には位置しない、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプリントヘッド。
  7. 媒体に液体を吐出するプリントヘッドと、
    前記プリントヘッドの動作を制御する制御信号を出力する制御回路と、
    を備え、
    前記プリントヘッドは、
    第1駆動電圧が供給されることで駆動する第1圧電素子と、
    第2駆動電圧が供給されることで駆動する第2圧電素子と、
    前記第1圧電素子に前記第1駆動電圧を供給するか否か、及び前記第2圧電素子に前記第2駆動電圧を供給するか否か、を切り替える集積回路と、
    前記第1駆動電圧及び前記第2駆動電圧を伝搬し、前記集積回路が設けられた配線基板と、
    を有し、
    前記集積回路は、
    第1方向に沿って互いに向かい合って位置する第1辺及び第2辺と、
    前記第2辺よりも前記第1辺の近傍に位置し、前記第1辺に沿って並んで位置する第1端子及び第2端子と、
    前記第1辺よりも前記第2辺の近傍に位置する第3端子と、
    前記第1端子から出力する前記第1駆動電圧の駆動波形を選択する第1出力制御回路と、
    前記第2端子から出力する前記第2駆動電圧の駆動波形を選択する第2出力制御回路と、
    前記第3端子から入力されるコマンド信号を解析し、解析結果に応じて異なる動作を実行させる論理回路と、
    を有し、
    前記集積回路の前記第1辺に沿った方向の長さは、前記第1方向に沿った方向の長さよりも長く、
    前記論理回路の前記第1辺に沿った方向の長さは、前記第1方向に沿った方向の長さよりも長く、
    前記第1出力制御回路の前記第1辺に沿った方向の長さは、前記第1方向に沿った方向の長さよりも短く、
    前記第2出力制御回路の前記第1辺に沿った方向の長さは、前記第1方向に沿った方向の長さよりも短い、
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  8. 前記集積回路は、前記第1方向と異なる第2方向に沿って互いに向かい合って位置する第3辺及び第4辺を有し、
    前記論理回路は、少なくともと一部が、前記第1方向及び前記第2方向の双方と直交する第3方向に沿って見た場合に、前記第3辺及び前記第4辺の双方からの距離が等しい仮想中線と重なるように位置している、
    ことを特徴とする請求項7に記載の液体吐出装置。
  9. 前記論理回路は、前記コマンド信号の解析結果に基づいて、前記第1駆動電圧の前記第1端子からの出力タイミングを規定する信号、及び前記第2駆動電圧の前記第2端子からの出力タイミングを規定する信号を出力する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の液体吐出装置。
  10. 前記論理回路は、前記コマンド信号の解析結果に基づいて、自己故障診断を実行させる、
    ことを特徴とする請求項7に記載の液体吐出装置。
  11. 前記論理回路は、前記コマンド信号の解析結果に基づいて、フラッシング処理を実行させる、
    ことを特徴とする請求項7に記載の液体吐出装置。
  12. 前記第1圧電素子及び前記第2圧電素子を含む複数の圧電素子を備え、
    前記集積回路は、前記第1端子、及び前記第2端子を含む複数の出力端子を有し、
    前記複数の出力端子のそれぞれは、前記第1駆動電圧及び前記第2駆動電圧を含む複数の駆動電圧のそれぞれを出力し、
    前記複数の圧電素子のそれぞれは、前記複数の駆動電圧のそれぞれが供給されることで駆動し、
    前記複数の出力端子は、前記第2辺よりも前記第1辺の近傍に位置し、前記第1辺よりも前記第2辺の近傍には位置しない、
    ことを特徴とする請求項7乃至11のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
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