JP6119251B2 - ターボ分子ポンプ - Google Patents
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Description
ロータは、一般的には、アルミニウム合金により形成されており、モータにより駆動されるロータシャフトと、圧入あるいはボルト等の締結部材により一体化されている。
このようなターボ分子ポンプの一例として、ロータ上部を金属により形成し、ロータ下部の円筒部と、円筒部とロータ上部とを接続する支板とをCFRPにより形成した構造が知られている。この構造では、支板はロータ上部に接着剤を用いて圧入固着され、円筒部は、支板に接着剤を用いて圧入固着される(例えば、特許文献1参照)。
なお、ロータ下部円筒部のロータ上部との接合部がテーパ部を備える場合には、ステータへの気体流入部の径を大きくでき,排気性能を向上することができる。
(全体構造)
以下、図面を参照して本発明のターボ分子ポンプの一実施の形態について説明する。
図1は、本発明のターボ分子ポンプの一実施の形態の断面図である。
ターボ分子ポンプ1は、ケーシング部材12と、ケーシング部材12に固定されたベース13とにより形成されたポンプ容器11を備えている。
ケーシング部材12は、ほぼ円筒形状を有し、例えば、SUSにより形成され、上端部に上部フランジ21が形成されている。ケーシング部材12の上部フランジ21の内方には円形状の吸気口15が形成されている。上部フランジ21には、円周方向に沿って、ほぼ等間隔にボルト挿通用の貫通孔22が形成されている。ターボ分子ポンプ1は、上部フランジ21の貫通孔22にボルト92を挿通して、半導体製造装置等の外部装置に取り付けられる。
ロータ下部円筒部4Bの外周側には、リング状のねじステータ9がボルト94によりベース13に固定されている。ねじステータ9には、ねじ溝部9aが形成されている。ロータ4のロータ下部円筒部4Bとねじステータ9とにより、低真空用のねじ溝排気部が構成されている。
なお、図1においては、ねじ溝部9aがねじステータ9に形成された構造として例示されているが、ねじ溝部9aをロータ下部円筒部4Bの外周面に形成してもよい。
メカニカルベアリング34、36は非常用のメカニカルベアリングであり、磁気軸受が作動していない時にはメカニカルベアリング34、36によりロータシャフト5が支持される。
ケーシング部材12の下部フランジ23とベース13の上部フランジ13aとがシール部材42を介在してボルト93により固定され、ポンプ容器11が構成される。
ケーシング部材12の上部フランジ21の内側に形成された吸気口15を覆うように保護ネット45が配設されている。保護ネット45は、上部フランジ21の内側に形成された段部25にボルト95により締結されている。
ロータ上部4Aの下面51の外周には、下方に突き出す突出部52が形成されている。突出部52の内周側は、断面円弧状とされ、応力緩和構造とされている。
ロータ上部4Aの突出部52の外周には、ロータ下部円筒部4Bの上端部が接合されている。ロータ下部円筒部4Bの内周面61は、ロータシャフト5の軸芯と平行に形成されている。また、ロータ下部円筒部4Bの外周面62は、ロータ下部円筒部4Bの上部側が下部側よりも厚くなるようにロータシャフト5の軸芯に対して傾斜して形成されている。
ロータ下部円筒部4Bが、厚さが均一な円筒部材である場合、ロータ上部4Aとの接合部に作用する応力集中により、ロータ下部円筒部4Bが破損するおそれがある。ロータ下部円筒部4Bの厚さを、応力集中に耐えられるに十分な厚さにすると、材料費が増大する。また、ロータ下部円筒部4Bの重量が増大するので、異常振動等によりロータ下部円筒部4Bが遠心破壊を起こした場合の破壊トルクが大きくなる。さらに、ロータ下部円筒部4Bの半径の大きさにより決定される排気能力が低下する。
(1)厚さが均一な円筒体を旋盤などにより切削して形成する。
(2)繊維補強骨材と不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂とを一体化し、圧縮成形、インジェクション成形等により作製する。
(3)繊維補強骨材を巻いて上記(2)に示した熱硬化性樹脂でリング状に成形する。この方法では、繊維補強骨材の巻数により、作製される円筒部の各層の厚さを調整する。つまり、下端部側から上端部側に向けて、繊維補強骨材の巻数を、漸次、増加する。
図3は、本発明における、ロータ上部とロータ下部円筒部との接合部の実施形態2の拡大断面図である。
実施形態2におけるロータ下部円筒部4Bは、外周面62がテーパ状である上部65と、外周面62が、ロータシャフト5の軸芯と平行な下部66とを備えている。
ロータ下部円筒部4Bの上部65は、実施形態1と同様に、上端部側が厚くなるようなテーパ状に形成されている。上部65は、ロータ上部4Aとの接合部より少し下方の位置で下部66が一体設けられている。ロータ下部円筒部4Bの内周面61は、ロータシャフト5の軸芯と平行であり、ロータ下部円筒部4Bの下部66は、断面矩形状に形成されている。
また、下記の方法(1)、(2)によっても作製することができる。
(1)下部66の厚さを有し、軸方向に、上部65と下部66との合計の長さを有する円筒体を作製する。この円筒体は、上述したいずれかの方法で作製することができる。
(2)上部65に、下部66より厚い部分を作製して肉厚にする。この工程は、上述したロータ下部円筒部4Bの作製方法(3)を適用して行うことができる。すなわち、(1)で作製した円筒体の上部に、繊維補強骨材を巻いて上記熱硬化性樹脂でリング状に成形する。
実施形態2における他の構成は、実施形態1と同様であり、対応する部材に同一の符号を付して説明を省略する。
図4は、本発明における、ロータ上部とロータ下部円筒部との接合部の実施形態3の拡大断面図である。
実施形態3のロータ下部円筒部4Bは、実施形態2と同様な形状を有している。
実施形態3のロータ下部円筒部4Bが実施形態2と相違するのは、上部部材65Aと下部部材66Aとを別部材とした点である。
つまり、上部部材65Aは、実施形態2の上部65と同一の構造を有し、下部部材66Aは、実施形態2の下部66と同一の構造を有しているが、上部部材65Aと下部部材66Aは、それぞれ、個別に作製される。上部部材65Aと下部部材66Aの作製は、上述した方法のいずれかによる。そして、個別に作製した上部部材65Aと下部部材66Aとを接着などにより接合してロータ下部円筒部4Bを作製する。
4 ロータ
4A ロータ上部
4B ロータ下部円筒部
5 ロータシャフト
9 ステータ
11 ポンプ容器
51 下面
52 突出部
61 内周面
62 外周面
65 上部
65A 上部部材
66 下部
66A 下部部材
Claims (2)
- 外部装置から気体を吸気する吸気口および前記気体を排気する排気口を備えたポンプ容器と、
前記ポンプ容器内における前記吸気口と前記排気口との間に設けられ、モータにより駆動されるロータシャフトが一体的に形成されたロータ上部と、
前記ロータ上部の下面に接合され、繊維強化複合材料により形成されたロータ下部円筒部と、
前記ロータ下部円筒部の外方に設けられ、前記ロータ下部円筒部と共に排気部を構成するステータと、を備え、
前記ロータ下部円筒部の前記ロータ上部との接合部が、前記ロータ下部円筒部の下端部側よりも厚く形成されており、
前記ロータ下部円筒部は、前記ロータ上部との接合部より下方に肉厚均等部を備え、かつ、前記肉厚均等部の上部に、その厚さが、漸増するテーパ部を備える、ターボ分子ポンプ。 - 請求項1に記載のターボ分子ポンプにおいて、
前記ロータ下部円筒部は、前記肉厚均等部と、前記テーパ部とが別部材により形成されている、ターボ分子ポンプ。
Priority Applications (1)
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JP2013002537A JP6119251B2 (ja) | 2013-01-10 | 2013-01-10 | ターボ分子ポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013002537A JP6119251B2 (ja) | 2013-01-10 | 2013-01-10 | ターボ分子ポンプ |
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