以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.構成
図1は、本発明の実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。
本実施形態の遊技機は、いわゆるスロットマシンあるいは回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
本実施形態の遊技機は、収納箱BX、前面上扉UD、および前面下扉DDからなる箱形の筐体内に第1リールR1〜第3リールR3(複数のリール)からなるリールユニットが収められている。また筐体内のリールユニットの下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット(図示省略)が収められている。また本実施形態の遊技機の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、遊技機の動作を制御する制御基板も収められている。
図1に示す第1リールR1〜第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で21の領域(各領域を「コマ」と称する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また第1リールR1〜第3リールR3は、ステッピングモータ(リール駆動手段:図示省略)に軸支されており、それぞれステッピングモータの軸周りに回転駆動され、ステッピングモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。すなわち本実施形態の遊技機では、ステッピングモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1〜第3リールR3を回転駆動し、制御基板から駆動パルスの供給が断たれると、ステッピングモータの回転が停止することに伴って第1リールR1〜第3リールR3が停止する。
前面上扉UDと前面下扉DDとは個別に開閉可能に設けられており、前面上扉UDには第1リールR1〜第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1〜第3リールR3の停止状態では、第1リールR1〜第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)を遊技機の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
また本実施形態の遊技機では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによって有効ラインが設定される。なお本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が3枚(第1の投入数)または2枚(第2の投入数)に設定され、規定投入数に相当するメダルが投入されると第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれの中段によって構成される有効ラインL1が有効化される。なお本実施形態の遊技機では、規定投入数が遊技状態に応じて異なっており、通常状態およびボーナス成立状態については、規定投入数が3枚に設定され、ボーナス状態については、規定投入数が2枚に設定される。
そして遊技結果は表示窓DW内の有効ラインに停止表示された図柄組合せによって判断され、有効ライン上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合には、その役が入賞したものとして、役毎に予め定められている配当に応じた数のメダルをホッパーユニットから払い出すなどの処理が行われる。
また前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計等の各種遊技情報が表示される。
また前面上扉UDには、遊技演出を行うための液晶ディスプレイLCDが設けられている。この液晶ディスプレイLCDには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(または画像)が表示される。また本実施形態の遊技機では、前面上扉UDや前面下扉DDに対して、遊技演出を行うためのスピーカ(図示省略)が複数設けられている。このスピーカからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
また前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うためのベットボタン(投入操作手段)B0、第1リールR1〜第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる操作を行うためのスタートレバー(遊技開始操作手段)SL、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる操作を行うためのストップボタン(停止操作手段)B1〜B3などが設けられている。
本実施形態の遊技機では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、ベットボタンB0を押下する操作を行うことで、第1リールR1〜第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLを押下すると、制御基板において第1リールR1〜第3リールR3をステッピングモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数値を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇したことを条件に、ストップボタンB1〜B3の押下操作が許可(有効化)される。
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1〜B3を押下していくと、ストップボタンB1〜B3のそれぞれに内蔵されているストップスイッチ(停止信号出力手段:例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサなど)がオン動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオフ状態からオン状態へ変化させる。
また遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1〜B3を解放すると、ストップボタンB1〜B3それぞれに対応するストップスイッチがオフ動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。
そして制御基板は、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる。
また前面下扉DDの下部には、メダル払い出し口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払い出し口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。
図2は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。
本実施形態の遊技機は、遊技制御手段(制御基板)100によって制御される。遊技制御手段100は、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット310、ホッパーユニット320、表示装置330、音響装置340等の出力手段の動作制御を行う。遊技制御手段100の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
そして遊技制御手段100は、投入受付手段105、乱数発生手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、演出制御手段180、記憶手段190を含む。
投入受付手段105は、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数(3枚または2枚)に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSL(遊技開始操作手段)に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。なお本実施形態の遊技機では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーSLの最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。
また本実施形態の遊技機では、メダル投入口MIにメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また本実施形態の遊技機では、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットボタンB0が押下されると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
乱数発生手段110は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSLに対する遊技開始操作(有効化されたスタートレバーSLへの最初の押下操作)により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理などを行う。
抽選テーブル選択処理では、記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段1901に格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。本実施形態の遊技機では、内部抽選テーブル記憶手段1901に、図3に示すような3種類の抽選テーブルA〜抽選テーブルCが記憶されている。そして各抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役、およびボーナスなどの各種の役やハズレ(不当選)が対応づけられている。
なお本実施形態の遊技機では、小役として、ベル(特定小役)、特殊小役A1、特殊小役A2、特殊小役B、特殊小役C、チェリーが用意されており、内部抽選テーブルAおよび内部抽選テーブルBにおける打順ベルL、打順ベルC1、打順ベルC2、打順ベルR1、打順ベルR2は、1回の内部抽選で複数種類の小役が重複して当選するように同一の乱数値に対して複数種類の小役が対応づけられていることを意味する。
各打順ベルについて図4を参照しながら具体的に説明すると、打順ベルLは、ベルおよび特殊小役Bが重複して当選することを示している。また打順ベルC1は、ベル、特殊小役A1、および特殊小役Bが重複して当選することを示している。また打順ベルC2は、ベル、特殊小役A2、および特殊小役Bが重複して当選することを示している。また打順ベルR1は、ベル、特殊小役A1、および特殊小役Cが重複して当選することを示している。また打順ベルR2は、ベル、特殊小役A2、および特殊小役Cが重複して当選することを示している。このように本実施形態の遊技機では、各打順ベルにおいてベルと1種類または2種類の特殊小役とが重複して当選し、ベルと重複して当選する特殊小役の数や組合せが異なっている。
また本実施形態の遊技機では、リプレイとして通常リプレイと特殊リプレイが用意されており、内部抽選テーブルAおよび内部抽選テーブルBでは、通常リプレイおよび特殊リプレイの少なくとも一方が抽選対象として設定されているが、内部抽選テーブルCでは、いずれのリプレイも抽選対象から除外されている。
また本実施形態の遊技機では、ボーナスとしてビッグボーナス(BB)が用意されており、内部抽選テーブルAでは、ビッグボーナス(BB)が抽選対象として設定されているが、内部抽選テーブルBおよび内部抽選テーブルCでは、ビッグボーナス(BB)が抽選対象から除外されている。
また本実施形態の遊技機では、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態が設定可能とされ、抽選テーブル選択処理では、遊技状態に応じて内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCのいずれか1つを内部抽選で使用する内部抽選テーブルとして選択する。
乱数判定処理では、スタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、遊技毎に乱数発生手段110から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段1901に記憶されている内部抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。本実施形態の遊技機では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。なお抽選フラグの設定情報は、記憶手段190の抽選フラグ記憶手段1902に格納される。
また本実施形態の遊技機では、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナス(BB)があり、小役およびリプレイは後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でビッグボーナス(BB)に当選すると、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナス(BB)が入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段120は、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナス(BB)の抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバーSLへの遊技開始操作により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、ステッピングモータにより第1リールR1〜第3リールR3の回転駆動を開始し、第1リールR1〜第3リールR3が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)で定常回転しているリールに対応するストップボタンB1〜B3(停止操作手段)を押下することによる停止操作を有効化する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3を抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じた態様で停止させる制御を行う。
そしてリール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3に対する停止操作が有効化された状態において、遊技者がストップボタンB1〜B3を押下することによりストップスイッチ240が作動すると、ストップスイッチ240からのリール停止信号に基づいて、リールユニット310のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リールR1〜第3リールR3の各リールを停止させる制御を行う。
すなわちリール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3の各ボタンが押下される毎に、第1リールR1〜第3リールR3のうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。なお本実施形態の遊技機では、ストップボタンB1を押下することが第1リールR1を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB2を押下することが第2リールR2を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB3を押下することが第3リールR3を停止させるための操作に対応する。すなわち本実施形態の遊技機では、ストップボタンB1〜B3の押下順序が変化すると、第1リールR1〜第3リールR3の停止順序が変化する。
また本実施形態の遊技機では、原則的には、第1リールR1〜第3リールR3について、ストップボタンB1〜B3が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールが停止し、ボーナス状態では、例外的に第1リールR1について、ストップボタンB1が押下された時点から75ms以内に停止し、第2リールR2および第3リールR3について、ストップボタンB2,B3が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールが停止するようになっている。そしてストップボタンの押下時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合には、回転している各リールの停止位置は、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲、第1の引き込み範囲)で決定される。またストップボタンの押下時点から75ms以内に回転中のリールを停止させる場合には、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに要するコマ数が0〜1コマの範囲(所定の引き込み範囲より狭い引き込み範囲、第2の引き込み範囲)で決定される。そして、リール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3のうち押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンに対する押下操作が行われた時点で有効ライン上の表示位置に対して0コマ〜4コマの範囲内(190ms以内に停止させる場合)、あるいは0コマ〜1コマの範囲内(75ms以内に停止させる場合)に位置する場合に、抽選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄が有効ライン上の表示位置に表示されるように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。
ここで本実施形態では、図5に示すように、リールユニット310を構成する第1リールR1〜第3リールR3の外周面に対して、赤7図柄A「赤7A」、赤7図柄B「赤7B」、赤7図柄C「赤7C」、BAR図柄「BAR」、リプレイ図柄A「RPA」、リプレイ図柄B「RPB」、ベル図柄「BL」、スイカ図柄「WM」、およびチェリー図柄「CH」が配列されており、図6および図7に示すように、ビッグボーナス(BB)、通常リプレイ、特殊リプレイ、ベル、特殊小役A1、特殊小役A2、特殊小役B、特殊小役C、チェリーの入賞形態を示す図柄組合せが予め定められている。なお図7におけるチェリーの入賞形態における「ANY」はいずれの図柄でもよいことを示している。
そしてリール制御手段130は、ロジック演算により回転中のリールの停止位置を求める処理(ロジック演算処理、第1特定処理)と、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段1903に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定する処理(テーブル参照処理、第2特定処理)とを行っている。
まずロジック演算処理では、役毎に定められた優先順位に従ってストップスイッチ240の作動時点(ストップボタンの押下が検出された時点)におけるリールの位置である押下検出位置から0コマ〜4コマの範囲内に存在する5コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求める。なおボーナス状態では、第1リールR1については押下検出位置から0コマ〜1コマの範囲内に存在する2コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求め、第2リールR2および第3リールR3については上記と同様に押下検出位置に対応する5コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求める。そして各停止位置の候補の優先度のうち最も優先度の高い停止位置の候補を実際の停止位置として決定する。ただしロジック演算処理では、内部抽選の結果や押下検出位置などに応じて複数の停止位置の候補に対して同一の優先度が求まる場合があり、最も優先度の高い停止位置の候補が複数となった場合には、後述するテーブル参照処理によって実際の停止位置を決定する。
特に本実施形態の遊技機では、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められており、ロジック演算処理では、2種類以上の役に関する抽選フラグが内部当選状態に設定されている場合には、各役に対応付けられた優先順位に従って、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄に対応する停止位置の候補について優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄に対応する停止位置の候補よりも優先度が高くなるように優先度を求める。
また本実施形態の遊技機では、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における小役間の優先順位については、入賞可能な図柄組合せの種類に応じて優先順位が定められている場合と、小役について予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先順位が定められている場合とが存在する。ただ本実施形態では、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合におけるロジック演算処理では、入賞可能な図柄組合せの種類が多くなる停止位置の候補(入賞形態を示す図柄組合せの種類が多い小役を入賞させることができる停止位置の候補)と、メダルの払出数が多くなる停止位置の候補(配当が多い小役を入賞させることができる停止位置の候補)とが同一の優先度になる場合と、メダルの払出数が多くなる停止位置の候補ほど優先度が高くなる場合とがあるように、各停止位置の候補について優先度を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補について優先度を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度はそれぞれ同一のものとして扱われる。
そして本実施形態の遊技機では、内部抽選で複数種類の小役が重複して当選した場合には、第1リールR1〜第3リールR3のうち少なくとも1つのリールに関する停止位置を求めるロジック演算処理において、最も優先度の高い停止位置の候補が複数となるように優先度が求められる。
詳細には本実施形態では、記憶手段190の得点データ記憶手段1904(優先度データ記憶手段)に、複数種類の役のそれぞれに対応する優先度として得点が規定されている第1得点データ(第1優先度データ)と第2得点データ(第2優先度データ)とが記憶されており、第1得点データでは、各小役の得点が各小役の配当に関わらず同一の得点に規定され、第2得点データでは、各小役の得点が各小役の配当に応じて異なる得点に規定されている。
そしてスタートレバーSLが押下されると、リール制御手段130は、回転中の第1リールR1〜第3リールR3それぞれにおける全コマ分(0コマ〜20コマの21コマ分)の停止位置の候補のそれぞれについて、各停止位置の候補を実際の停止位置とした場合に入賞可能な役に対応する得点を、得点データ記憶手段1904の第1得点データを参照して求め、記憶手段190の予想得点記憶手段1905に設定する(優先度処理)。
ここで本実施形態では、図5に示すように、例えば第1リールR1について第20コマを停止位置とする場合には、第1リールR1の第20コマに配置されているリプレイ図柄A「RPA」が有効ライン上に表示されるようになっている。そして内部抽選で特殊小役A1が当選している場合には、得点データ記憶手段1904の第1得点データにおける特殊小役A1の得点が、予想得点記憶手段1905において第1リールR1の第20コマの得点として設定され、また、内部抽選で特殊小役A2が当選している場合には、得点データ記憶手段1904の第1得点データにおける特殊小役A2の得点が、予想得点記憶手段1905において第1リールR1の第20コマの得点として設定される。すなわち得点データ記憶手段1904の第1得点データあるいは第2得点データでは、複数種類の役のそれぞれについて、各役が当選した場合に各役の入賞形態を構成する図柄に対応する停止位置の候補に設定される得点が規定されている。
そして第1リールR1〜第3リールR3が回転中である状態で、ストップボタンB1〜B3のうち第1番目のストップボタンが押下されると、リール制御手段130は、第1番目に押下されたストップボタンに対応するリールについて予想得点記憶手段1905を参照し、押下検出位置から0コマ〜4コマの範囲内に存在する5コマ分の停止位置の候補の得点を、記憶手段190の特定情報記憶手段1906に設定する。するとリール制御手段130は、特定情報記憶手段1906に設定された5コマ分の停止位置の候補のうち最も得点が高い停止位置の候補を特定する(第1特定処理)。
ここでこの時点では、特定情報記憶手段1906に設定された5コマ分の停止位置の候補には、第1得点データを参照して求めた得点が設定されているため、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合には、最も得点が高い停止位置の候補が複数となるようになっている。
そして第1リールR1〜第3リールR3のうち第1番目のリールが停止すると、リール制御手段130は、第1番目のリールが停止した状態で入賞可能な役を判定し、停止したリール以外の回転中の2つのリールのそれぞれにおける21コマ分の停止位置の候補について、各停止位置の候補を実際の停止位置とした場合に入賞可能な役に対応する得点を、得点データ記憶手段1904の第1得点データを参照して求め、予想得点記憶手段1905に設定する(優先度処理)。
そして2つのリールが回転中である状態で、第2番目のストップボタンが押下されると、リール制御手段130は、第2番目に押下されたストップボタンに対応するリールについて予想得点記憶手段1905を参照し、押下検出位置から0コマ〜4コマの範囲内に存在する5コマ分の停止位置の候補の得点を、特定情報記憶手段1906に設定する。するとリール制御手段130は、特定情報記憶手段1906に設定された5コマ分の停止位置の候補のうち最も得点が高い停止位置の候補を特定する(第1特定処理)。
ここでこの時点では、特定情報記憶手段1906に設定された5コマ分の停止位置の候補には、第1得点データを参照して求めた得点が設定されているため、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合には、最も得点が高い停止位置の候補が複数となるようになっている。
そして第2番目のリールが停止すると、リール制御手段130は、第1番目のリールと2番目のリールが停止した状態で入賞可能な役を判定し、回転中の1つのリールにおける21コマ分の停止位置の候補について、各停止位置の候補を実際の停止位置とした場合に入賞可能な役に対応する得点を求め、予想得点記憶手段1905に設定するが(優先度処理)、本実施形態では、遊技状態がボーナス状態である場合には、得点データ記憶手段1904の第1得点データを参照して得点を求め、遊技状態が通常状態またはボーナス成立状態である場合には、得点データ記憶手段1904の第2得点データを参照して得点を求める。
すなわち本施形態では、ボーナス状態では規定投入数が2枚に設定されているため、図7に示したように、ベル、特殊小役A1、特殊小役A2、特殊小役B、特殊小役Cおよびチェリーの配当がいずれも2枚に設定されていることにより、回転中のリールの数に関わらず第1得点データを参照して得点を求めるが、通常状態およびボーナス成立状態では規定投入数が3枚に設定されているため、図7に示したように、ベルの配当が9枚に設定され、特殊小役A1、特殊小役A2、特殊小役Bおよび特殊小役Cの配当が1枚に設定され、チェリーの配当が2枚に設定されていることにより、回転中のリールの数に応じて第1得点データまたは第2得点データを参照して得点を求める。
そして1つのリールが回転中である状態で、第3番目のストップボタンが押下されると、リール制御手段130は、第3番目に押下されたストップボタンに対応するリールについて予想得点記憶手段1905を参照し、押下検出位置から0コマ〜4コマの範囲内に存在する5コマ分の停止位置の候補の得点を、特定情報記憶手段1906に設定する。するとリール制御手段130は、特定情報記憶手段1906に設定された5コマ分の停止位置の候補のうち最も得点が高い停止位置の候補を特定する(第1特定処理)。
そしてこの時点では、特定情報記憶手段1906に設定された5コマ分の停止位置の候補には、第2得点データを参照して求めた得点が設定されているため、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合であっても、最も得点が高い停止位置の候補が1つとなる場合があるようになっている。
またロジック演算処理では、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールの停止位置の候補を求める処理として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるようにリールの停止位置の候補を求める処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役を入賞させることができないようにリールの停止位置の候補を求める処理である。このようにリール制御手段130は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないようにリールの停止位置の候補を求めるロジック演算処理を行っている。
また本実施形態の遊技機では、リールユニット310がフォトセンサからなるリールインデックス315を備えており、リール制御手段130は、リールが1回転する毎にリールインデックス315で検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックス315によって検出されるコマ)からの回転角度(ステッピングモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわちリール制御手段130は、ストップスイッチ240の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
テーブル参照処理は、ロジック演算処理とともに行われ、いずれの停止位置の候補を実際の停止位置とするかを、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段1903に記憶されている停止制御テーブルを参照して決定する。
ここで停止制御テーブルでは、内部抽選の結果とストップボタンB1〜B3の押下順序に応じて、第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれについて、実際の停止位置とすべき停止位置の候補が特定されている。なお停止制御テーブルでは、内部抽選の結果に応じて、ストップスイッチ240の作動時点(ストップボタンの押下が検出された時点)におけるリールの位置である押下検出位置と、押下検出位置から実際の停止位置までの回転量を示す滑りコマ数との対応関係が設定されていてもよいし、内部抽選の結果に応じて、押下検出位置と実際の停止位置との対応関係が設定されていてもよい。
そして本実施形態では、図5に示すように、ベル図柄「BL」については、第1リールR1〜第3リールR3の外周面において4コマ以内の間隔で配列されている。このため、押下検出位置から4コマ以内に存在する図柄を引き込む場合には、押下検出位置に関わらずに、有効ライン上にベル図柄「BL」を表示させることができるようになっている。
また本実施形態の遊技機では、図5に示すように、第1リールR1の外周面に対して、リプレイ図柄A「RPA」が4コマ以内の間隔で配列されている。このため、押下検出位置から4コマ以内に存在する図柄を引き込む場合には、押下検出位置に関わらずに、有効ライン上にリプレイ図柄A「RPA」を表示させることができるようになっている。
また本実施形態の遊技機では、図5に示すように、第2リールR2および第3リールR3の外周面に配列されているベル図柄「BL」に対して、リプレイ図柄A「RPA」あるいはリプレイ図柄B「RPB」が隣接して配列されている。このため、押下検出位置から4コマ以内に存在する図柄を引き込む場合には、押下検出位置に関わらずに、有効ライン上にリプレイ図柄A「PRA」あるいはリプレイ図柄B「RPB」のいずれかを表示させることができるようになっている。
また本実施形態の遊技機では、図5に示すように、第1リールR1の外周面に配列されているベル図柄「BL」に対して、赤7図柄A「赤7A」あるいは赤7図柄B「赤7B」が隣接して配列されている。このため、押下検出位置から4コマ以内に存在する図柄を引き込む場合には、押下検出位置に関わらずに、有効ライン上に赤7図柄A「赤7A」あるいは赤7図柄B「赤7B」のいずれかを表示させることができるようになっている。
また本実施形態の遊技機では、図5に示すように、第2リールR2の外周面に配列されているリプレイ図柄A「RPA」やリプレイ図柄B「RPB」に対して、赤7図柄A「赤7A」、赤7図柄B「赤7B」、あるいは赤7図柄C「赤7C」が隣接して配列されており、ベル図柄「BL」に対してリプレイ図柄A「RPA」あるいはリプレイ図柄B「RPB」を挟んで赤7図柄A「赤7A」、赤7図柄B「赤7B」、あるいは赤7図柄C「赤7C」のいずれかが位置するようになっている。このため、押下検出位置から4コマ以内に存在する図柄を引き込む場合には、押下検出位置に関わらずに、有効ライン上に赤7図柄A「赤7A」、赤7図柄B「赤7B」、あるいは赤7図柄C「赤7C」のいずれかを表示させることができるようになっている。
また本実施形態の遊技機では、図5に示すように、第3リールR3の外周面に対して、赤7図柄A「赤7A」が4コマ以内の間隔で配列されているとともに、BAR図柄「BAR」が4コマ以内の間隔で配列されている。このため、押下検出位置から4コマ以内に存在する図柄を引き込む場合には、押下検出位置に関わらずに、有効ライン上に赤7図柄A「赤7A」やBAR図柄「BAR」を表示させることができるようになっている。
そして内部抽選で打順ベルL、打順ベルC1、打順ベルC2、打順ベルR1、打順ベルR2のいずれかが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図8に示すように、それぞれの打順ベルに対して正解打順が設定されており、正解打順と異なる押下順序は不正解打順として扱われる。そして本実施形態では、打順ベルLが当選した場合であって、正解打順でストップボタンB1〜B3が押下された場合に参照される停止制御テーブルでは、ベルが入賞するように実際の停止位置とすべき停止位置の候補が特定されており、不正解打順でストップボタンB1〜B3が押下された場合に参照される停止制御テーブルでは、特殊小役Bが入賞するように実際の停止位置とすべき停止位置の候補が特定されている。また本実施形態では、打順ベルC1、打順ベルC2、打順ベルR1、打順ベルR2のいずれかが当選した場合であって、正解打順でストップボタンB1〜B3が押下された場合に参照される停止制御テーブルでは、ベルが入賞するように実際の停止位置とすべき停止位置の候補が特定されており、不正解打順のうちストップボタンB1が最初に押下される打順1や打順2でストップボタンB1〜B3が押下された場合に参照される停止制御テーブルでは、特殊小役A1や特殊小役A2が入賞する場合と、いずれの小役も入賞しない場合とが存在するように実際の停止位置とすべき停止位置の候補が特定されており、不正解打順のうちストップボタンB2やストップボタンB3が最初に押下される打順3〜打順6でストップボタンB1〜B3が押下された場合に参照される停止制御テーブルでは、特殊小役Bや特殊小役Cが入賞するように実際の停止位置とすべき停止位置の候補が特定されている。
このように本実施形態の停止制御テーブルでは、正解打順ではメダルの払出数が最も多くなる停止位置の候補が実際の停止位置となるように、不正解打順では入賞可能な図柄組合せの種類が最も多くなる停止位置の候補が実際の停止位置となるように、停止位置の候補が特定されている。
また内部抽選で通常リプレイと特殊リプレイが重複して当選した場合であって、ストップボタンB1〜B3が特定打順(B3→B1→B2、B3→B2→B1:ストップボタンB3を最初に押下する順序)で押下された場合に参照される停止制御テーブルでは、特殊リプレイが入賞するように実際の停止位置とすべき停止位置の候補が特定され、特定打順以外の順序でストップボタンB1〜B3が押下された場合に参照される停止制御テーブルでは、通常リプレイが入賞するように実際の停止位置とすべき停止位置の候補が特定されている。
入賞判定手段140は、第1リールR1〜第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段1907に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リールR1〜第3リールR3の全てが停止した時点で有効ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。そして、各リールが停止した状態における有効ライン上に表示された図柄組合せによって、図6および図7に示すように、ビッグボーナス(BB)、通常リプレイ、特殊リプレイ、ベル、特殊小役A1、特殊小役A2、特殊小役B、特殊小役C、チェリーの入賞の有無が判定できるように入賞判定テーブルが用意されている。
そして本実施形態では、特殊小役A1や特殊小役A2に対して、それぞれ2種類の入賞形態を示す図柄組合せが設定されており、特殊小役Bや特殊小役Cに対して、それぞれ4種類の入賞形態を示す図柄組合せが設定されており、いずれもベルの入賞形態を示す図柄組合せの種類よりも多くなっており、ベルの入賞形態と特殊小役Bの入賞形態とは、第2リールR2について共通の図柄が割り当てられており、ベルの入賞形態と特殊小役Cの入賞形態とは、第3リールR3について共通の図柄が割り当てられている。
またベルについては、図5に示すように、各リールにおいてベルの入賞形態を構成するベル図柄「BL」が、押下検出位置に関わらずに有効ライン上に表示可能な位置関係で配列されているため、ストップボタンB1〜B3の押下タイミングに関わらずに入賞させることが可能な役となっている。
また特殊小役A1については、図5に示すように、第1リールR1において特殊小役A1の入賞形態を構成するリプレイ図柄A「RPA」と第3リールR3において特殊小役A1の入賞形態を構成するBAR図柄「BAR」とが、いずれも押下検出位置に関わらずに有効ライン上に表示可能な位置関係で配列されているが、第2リールR2において特殊小役A1の入賞形態を構成する赤7図柄A「赤7A」およびBAR図柄「BAR」が引き込み範囲に含まれない押下検出位置が存在するため、ストップボタンB2を適切なタイミングで押下しなければ入賞させることができない役となっている。
また特殊小役A2については、図5に示すように、第1リールR1において特殊小役A1の入賞形態を構成するリプレイ図柄A「RPA」と第3リールR3において特殊小役A1の入賞形態を構成するBAR図柄「BAR」とが、いずれも押下検出位置に関わらずに有効ライン上に表示可能な位置関係で配列されているが、第2リールR2において特殊小役A2の入賞形態を構成する赤7図柄B「赤7B」および赤7図柄C「赤7C」が引き込み範囲に含まれない押下検出位置が存在するため、ストップボタンB2を適切なタイミングで押下しなければ入賞させることができない役となっている。
また特殊小役Bについては、図5に示すように、第1リールR1において特殊小役Bの入賞形態を構成する赤7図柄A「赤7A」および赤7図柄B「赤7B」と、第2リールR2において特殊小役Bの入賞形態を構成するベル図柄「BL」と、第3リールR3において特殊小役Bの入賞形態を構成するリプレイ図柄A「RPA」およびリプレイ図柄B「RPB」とが、いずれも押下検出位置に関わらずに有効ライン上に表示可能な位置関係で配列されているため、ストップボタンB1〜B3の押下タイミングに関わらずに入賞させることが可能な役となっている。
また特殊小役Cについては、図5に示すように、第1リールR1において特殊小役Cの入賞形態を構成する赤7図柄A「赤7A」および赤7図柄B「赤7B」と、第2リールR2において特殊小役Bの入賞形態を構成するリプレイ図柄A「RPA」およびリプレイ図柄B「RPB」と、第3リールR3において特殊小役Bの入賞形態を構成するベル図柄「BL」とが、いずれも押下検出位置に関わらずに有効ライン上に表示可能な位置関係で配列されているため、ストップボタンB1〜B3の押下タイミングに関わらずに入賞させることが可能な役となっている。
そして本実施形態の遊技機では、入賞判定手段140の判定結果に基づいて、入賞時処理が実行される。入賞時処理としては、例えば、小役(ベル、特殊小役A1、特殊小役A2、特殊小役B、特殊小役C、チェリー)が入賞した場合には払出制御手段150によってメダルの払出制御処理が行われ、リプレイ(通常リプレイ、特殊リプレイ)が入賞した場合にはリプレイ処理手段160によってリプレイ処理が行われ、ビッグボーナス(BB)が入賞した場合には遊技状態移行制御手段170によって遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパーユニット320(払出装置)に払い出させる制御を行う。なお本実施形態では、1回の遊技でのメダルの払出数に上限(例えば、9枚)が設けられており、払出数の合計が上限を超える場合には、上限に相当する数を遊技におけるメダルの払出数として決定する。
なお本実施形態では、図7に示すように、小役の配当が規定投入数によって決定され、規定投入数が3枚である場合には、ベルの配当が規定投入数よりも高く設定されているがベル以外の小役の配当は規定投入数よりも低く設定されており、規定投入数が2枚である場合には、ベルを含む全ての小役の配当が規定投入数と同数に設定されている。
ホッパーユニット320は、払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニット320には、メダルを1枚払い出す毎に作動する払出メダル検出スイッチ325が備えられており、払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチ325からの入力信号に基づいてホッパーユニット320から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。
なおメダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパーユニット320によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段190のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
リプレイ処理手段160は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち本実施形態の遊技機では、リプレイが入賞した場合には、前回の遊技と同じ枚数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバーSLに対する遊技開始操作を待機する。
遊技状態移行制御手段170は、図9に示すように、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。具体的には、通常状態においてビッグボーナス(BB)が当選した場合にボーナス成立状態へ移行する。また通常状態では、図3に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCのうち、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定され、かつビッグボーナス(BB)が抽選対象として設定されている内部抽選テーブルAを参照した内部抽選が行われる。
ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナス(BB)に当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、図3に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCのうち、リプレイの当選確率が約1/3.8に設定され、かつビッグボーナス(BB)が抽選対象から除外された内部抽選テーブルBを参照した内部抽選が行われる。そしてボーナス成立状態において参照される内部抽選テーブルBでは、図3に示すように、内部抽選でハズレ(不当選)が発生することがなく小役あるいはリプレイが必ず当選するようになっている。
またボーナス成立状態では、ビッグボーナス(BB)が入賞するまでビッグボーナス(BB)に対応する抽選フラグが当選状態に維持され、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態移行制御手段170は、遊技状態をボーナス成立状態からボーナス状態へ移行させる。
ボーナス状態は、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス状態では、図3に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCのうち、全ての乱数値に対してハズレが対応づけられた内部抽選テーブルCを参照した内部抽選が行われるが、内部抽選の結果に関わらずに全ての小役についての抽選フラグが強制的に当選状態に設定され、第1リールR1については図柄の引き込み範囲が0コマ〜1コマに設定され、第2リールR2と第3リールR3については図柄の引き込み範囲が0コマ〜4コマに設定されてリールを停止させる制御が行われる。
またボーナス状態では、ボーナス状態によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた所定枚数(例えば、50枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技状態移行制御手段170は、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる制御を行う。
演出制御手段180(特典遊技実行手段)は、演出データ記憶手段1910に記憶されている演出データに基づいて、表示装置330(演出装置の一例)を用いて行う表示演出や音響装置340(演出装置の一例)を用いて行う音響演出に関する制御を行う。例えば、メダルの投入やベットボタンB0、スタートレバーSL、ストップボタンB1〜B3に対する操作、遊技状態の変動などの遊技イベントの発生に応じてランプやLEDを点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイLCDの表示内容を変化させたり、スピーカから音を出力させたりすることにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。
特に本実施形態の遊技機では、演出制御手段180が、AT準備状態およびAT状態を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を変化させており、所定条件下で演出状態をアシストタイム状態(AT状態:特別演出状態)に設定する制御を行う。
具体的に説明すると、演出制御手段180は、通常状態、あるいはボーナス成立状態において、内部抽選でチェリーが当選したことを契機としてAT抽選(所定の演出抽選)を行う。AT抽選では、0〜32767までの32768個の乱数値のいずれかを取得して、取得した乱数値を演出抽選テーブル記憶手段1911に記憶されているAT抽選テーブルと比較して、比較結果に応じてAT抽選に当選したか否かを判定する。AT抽選テーブルでは、図10に示すように、例えば、0〜32767までの32768個の乱数値のそれぞれに対して、当選あるいはハズレのいずれかが対応付けられており、AT抽選で取得した乱数値がAT抽選テーブルにおいて当選に対応付けられている場合に、AT抽選に当選したと判定される。そして演出制御手段180は、AT抽選に当選したことに基づいて演出状態をAT準備状態に設定し、AT準備状態において特殊リプレイが当選したことに基づいて演出状態をAT状態に設定する。なおAT抽選の契機としてチェリーの当選以外の契機(例えば、通常状態におけるビッグボーナス(BB)の当選など)を別途設けるようにしてもよい。
また演出制御手段180は、AT抽選に当選したことに基づいて、AT終了判定カウンタ1912に抽選結果に応じた値を設定する処理を行う。特に本実施形態では、AT抽選の結果が当選である場合には、例えば、50回分の遊技に相当する値として「50」がAT終了判定カウンタ1912に設定される。なおAT抽選の当選時にAT終了判定カウンタ1912に設定される値は、上記の例に限らず任意に設定することができる。
また演出制御手段180は、AT終了判定カウンタ1912の記憶値に基づいてAT状態の終了条件を判定して、AT状態の終了条件の成立に伴いAT状態を終了させる制御を行う。特に本実施形態では、演出制御手段180が、AT状態での遊技(アシストタイム遊技)が行われる毎にAT終了判定カウンタ1912の記憶値から1回分の遊技回数に相当する値(例えば、1)を減算するデクリメント更新を行う。なお本実施形態では、AT終了判定カウンタ1912の記憶値のデクリメント更新は、AT準備状態において特殊リプレイが当選した遊技の次回の遊技から開始される。ただしAT終了判定カウンタ1912の記憶値のデクリメント更新は、AT抽選に当選した遊技の次回の遊技から開始されるようにしてもよい。そして演出制御手段180は、AT終了判定カウンタ1912の記憶値がしきい値(例えば、0)に達すると、AT状態の終了条件が成立したものと判断してAT状態を終了させる。なお本実施形態では、AT状態においてビッグボーナス(BB)が入賞した場合には、AT終了判定カウンタ1912の更新中断条件が成立したと判断され、この場合には、演出状態をAT準備状態に移行させ、AT終了判定カウンタ1912の記憶値に関するデクリメント更新を中断し、ボーナス状態の終了後に遊技状態が再びボーナス成立状態に移行したことを契機に演出状態をAT状態に復帰させるとともに、AT終了判定カウンタ1912のデクリメント更新を再開させて未消化分の遊技を行わせる。なおAT状態においてビッグボーナス(BB)が入賞した場合には、AT終了判定カウンタ1912の記憶値がしきい値に達していなくてもAT状態を終了させ、ビッグボーナス(BB)の入賞に伴ってAT終了判定カウンタ1912の記憶値を初期値(例えば、0)にリセットするようにしてもよい。
また演出制御手段180は、AT状態での遊技において内部抽選でチェリーが当選したことに基づいて上乗せ抽選を行い、上乗せ抽選の結果によってAT終了判定カウンタ1912の更新を行う。
まず上乗せ抽選では、0〜32767までの32768個の乱数値のいずれかを取得して、取得した乱数値を演出抽選テーブル記憶手段1911に記憶されている上乗せ抽選テーブルと比較して、比較結果に応じて上乗せ抽選に当選したか否かを判定する。上乗せ抽選テーブルでは、図10に示すように、例えば、0〜32767までの32768個の乱数値のそれぞれに対して、10、20、30、50、100のいずれかの値、あるいはハズレが対応付けられており、取得した乱数値が上乗せ抽選テーブルにおいていずれかの値に対応付けられている場合には、その値をAT終了判定カウンタ1912の記憶値に加算する。
また演出制御手段180は、演出状態がAT準備状態あるいはAT状態である場合に、打順ベルが当選すると、ストップボタンの押下順序を報知してベルの入賞を補助する第1入賞補助演出を表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行う。第1入賞補助演出としては、種々の演出を採用することができ、例えば、当選した打順ベルに応じた正解打順を報知する演出画像を液晶ディスプレイLCDに表示させたり、当選した打順ベルに応じた正解打順を報知するランプを点灯させたり、当選した打順ベルに応じた正解打順を報知する音声をスピーカから出力させたりすることができる。なお本実施形態では、第1入賞補助演出で報知された正解打順に沿ってストップボタンを押下すると必ずベルが入賞して9枚のメダルを獲得することができるようになっているため、遊技者が手持ちのメダルを増やすことができる。
また演出制御手段180は、演出状態がAT準備状態である場合に、通常リプレイと特殊リプレイが重複して当選すると、ストップボタンの押下順序を報知して特殊リプレイの入賞を補助する第2入賞補助演出を表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行う。第2入賞補助演出としては、種々の演出を採用することができ、例えば、特殊リプレイを入賞させることができる特定打順(B3→B1→B2、B3→B2→B1:ストップボタンB3を最初に押下する順序)を報知する演出画像を液晶ディスプレイLCDに表示させたり、特殊リプレイを入賞させることができる特定打順(B3→B1→B2、B3→B2→B1:ストップボタンB3を最初に押下する順序)を報知するランプを点灯させたり、特殊リプレイを入賞させることができる特定打順(B3→B1→B2、B3→B2→B1:ストップボタンB3を最初に押下する順序)を報知する音声をスピーカから出力させたりすることができる。なお本実施形態では、演出状態がAT準備状態である場合に特殊リプレイの当選に基づいて演出状態がAT状態に移行してAT終了判定カウンタ1912の更新を開始するようになっているため、遊技者が第2入賞補助演出に従ってストップボタンを押下していれば、特殊リプレイが入賞することによって遊技回数のカウントが開始されることを認識できるようになっている。
また演出制御手段180は、演出状態がAT準備状態やAT状態ではない遊技において、第2リールR2や第3リールR3が最初に停止する場合に遊技者にとって不利益となるペナルティを発生させるペナルティ処理を行う。ペナルティ処理としては、例えば、一定の遊技回数を消化するまでAT抽選の実行を禁止する処理や、一定の遊技回数を消化するまでAT抽選の結果を破棄する処理や、AT抽選に当選しても一定の遊技回数を消化するまでAT状態への移行を保留する処理などを行うことができる。すなわち本実施の形態では、AT状態ではない場合に、ストップボタンB2やストップボタンB3を最初に押下すると、一定の遊技回数を消化するまでAT状態への移行の機会を失ったり、AT状態への移行が遅れたりするというペナルティが発生するようになっている。
また演出制御手段180は、入賞補助演出が行われた場合に、遊技者が入賞補助演出に沿わない停止操作を行った場合にも遊技者にとって不利益となるペナルティを発生させるようにしてもよい。ペナルティ処理としては、例えば、一定の遊技回数を消化するまで入賞補助演出の実行を禁止する処理や、AT準備状態やAT状態を終了させる処理や、一定の遊技回数を消化するまでAT終了判定カウンタ1912の記憶値の上乗せを禁止する処理などを行うことができる。
なお本実施形態の機能ブロック構成は、コンピュータシステム(ゲームシステムを含む)に関しても適用することができる。これらのシステムでは、本実施形態の遊技制御手段100としてコンピュータを機能させるプログラムを、CD、DVD等の情報記憶媒体あるいはインターネット上のWebサーバからネットワークを介してダウンロードすることによって、その機能を実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等は、キーボードやポインティングデバイス(マウス等)、あるいはコントローラなどの操作手段に対してそれらの機能を仮想的に割り当てることにより実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、リールユニット310、ホッパーユニット320などは必須の構成要件ではなく、これらの装置ユニットは、ディスプレイ(表示装置330)に表示出力される画像の制御によってそれらの機能を仮想的に実現することができる。
2.本実施形態の手法
本実施形態の遊技機では、スタートレバーSLが押下されることによりあるいはストップボタンB1〜B3のいずれかが押下されることにより回転中のリールの数が変化する毎に、リール制御手段130が、回転中のリールにおける21コマ分の停止位置の候補のそれぞれについて、得点データ記憶手段1904の第1得点データあるいは第2得点データを参照して得点を求め、予想得点記憶手段1905に設定する。ここで本実施形態の第1得点データでは、ベル(特定役)に対応する得点として他の小役と同一の2点(第1優先度)が規定されており、第2得点データでは、ベルに対応する得点としてベルの配当に応じた16点(第2優先度)が規定されており、内部抽選で打順ベルL、打順ベルC1、打順ベルC2、打順ベルR1、打順ベルR2のいずれかが当選した遊技(特定役が当選した遊技)では、回転中のリールが3つである場合、あるいは回転中のリールが2つである場合には、ベルの得点を2点として21コマ分の停止位置の候補のそれぞれについて得点を求め、回転中のリールが1つである場合には、ベルの得点を16点として21コマ分の停止位置の候補のそれぞれについて得点を求める手法を採用している。
以下では、かかる本実施形態の手法について、ボーナス成立状態における内部抽選で打順ベルC1(ベル、特殊小役A1、および特殊小役B)が当選した遊技において、ストップボタンB1〜B3が正解打順(B2→B1→B3)で押下された場合を例に挙げて説明する。
まず本実施形態の遊技機では、スタートレバーSLが押下されると、回転中の第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれにおける21コマ分の停止位置の候補のそれぞれについて、図11に示す第1得点データを参照して得点が求められる。
詳細には本実施形態では、ボーナス成立状態では規定投入数が3枚に設定されているため、図7に示したように、ベルの配当は9枚に設定され、特殊小役A1、特殊小役A2、特殊小役Bおよび特殊小役Cの配当は1枚に設定され、チェリーの配当は2枚に設定されているが、図11に示す第1得点データでは、各小役の配当に関わらず、ベル、特殊小役A1、特殊小役A2、特殊小役B、特殊小役C、チェリーのそれぞれの入賞形態を構成する図柄に対応する停止位置の候補の得点が2点に規定されている。
また本実施形態では、第2リールR2におけるBAR図柄「BAR」は、図6および図7に示すように、ビッグボーナス(BB)の入賞形態および特殊小役A1の入賞形態を構成する図柄(BB+小役)であるが、図11に示す第1得点データでは、このような図柄に対応する停止位置の候補の得点も2点に規定されている。なお、ビッグボーナス(BB)の入賞形態のみを構成する図柄(BB)に対応する停止位置の候補の得点は1点に規定されている。
そしてこの例では、スタートレバーSLが押下された時点で入賞可能な役は、ベル、特殊小役A1、および特殊小役Bであるため、予想得点記憶手段1905には、図12に示すように、例えば第1リールR1の第19コマなどのベルの入賞形態を構成する図柄に対応する停止位置の候補や、第1リールR1の第20コマなどの特殊小役A1の入賞形態を構成する図柄に対応する停止位置の候補や、第1リールR1の第18コマなどの特殊小役Bの入賞形態を構成する図柄に対応する停止位置の候補については2点が設定される。
また図12の例では、第1リールR1の第3コマのようにビッグボーナス(BB)の入賞形態のみを構成する図柄に対応する停止位置の候補については1点が設定され、例えば第1リールR1の第16コマなどのいずれの役の入賞形態も構成しない図柄に対応する停止位置の候補については0点が設定される。
また図12の例では、例えば第1リールR1の第17コマなどのチェリーの入賞を確定させる図柄に対応する停止位置の候補は、内部抽選でチェリーが当選していない遊技では有効ライン上に表示させてはいけない図柄に対応する停止位置の候補であるため、かかる停止位置の候補には特殊値として255点が設定される。
そして第1リールR1〜第3リールR3が回転中である状態で、第1番目にストップボタンB2が押下され、押下検出位置が例えば第2リールR2の第12コマである場合には、第2リールR2について予想得点記憶手段1905が参照され、図13に示すように、押下検出位置である第12コマから第16コマまでの5コマ分の停止位置の候補の得点が特定情報記憶手段1906に設定される。図13の例では、第12コマに0点が設定され、第13コマに2点が設定され、第14コマに0点が設定され、第15コマに2点が設定され、第16コマに2点が設定される。
すると本実施形態では、特定情報記憶手段1906に設定された得点のうち、特殊値である255点を除く最も高い得点が「1」に変換され(最も得点が高い停止位置の候補に「1」が設定され)、特殊値である255点を除くその他の得点が「0」(最低値)に変換され(最も得点が高い停止位置の候補以外の停止位置の候補に「0」が設定され)、特殊値である255点はそのまま保持される。図13の例では、図中矢印a1に示すように、第13コマ、第15コマおよび第16コマの得点が「1」に変換され、第12コマおよび第14コマの得点が「0」に変換される。
また本実施形態では、いずれかのストップボタンが押下されると、上述したように特定情報記憶手段1906に設定された得点が「1」または「0」に変換されるとともに、停止制御テーブル記憶手段1903の停止制御テーブルが参照される。詳細には本実施形態の停止制御テーブルでは、実際の停止位置とすべき停止位置の候補には停止データとして「1」が設定されており、実際の停止位置にしない停止位置の候補には停止データとして「0」が設定されていることにより、実際の停止位置とすべき停止位置の候補が特定されている。そして、いずれかのストップボタンが押下されると、内部抽選の結果とストップボタンの押下順序と押下検出位置に応じて停止制御テーブルが参照され、押下検出位置から5コマ分の停止位置の候補について設定されている停止データが、特定情報記憶手段1906に設定される。ここで、内部抽選で打順ベルC1が当選した遊技において第1番目にストップボタンB2が押下された場合に参照される停止制御テーブルでは、図8で示したように、ベルが入賞するように実際の停止位置とすべき停止位置の候補が特定されているため、図13の例のように押下検出位置が第2リールR2の第12コマである場合には、特定情報記憶手段1906に設定される停止データとして、第16コマには、実際の停止位置とすべきことを示す「1」が設定され、第12コマ〜第15コマには、実際の停止位置としないことを示す「0」が設定される。これにより図13の例では、停止制御テーブルによる停止位置の候補が第16コマに特定される。
すると本実施形態では、押下検出位置から5コマ分の停止位置の候補のそれぞれについて、特定情報記憶手段1906に設定された得点から変換された値(「1」または「0」)と、停止データの値(「1」または「0」)の論理積が求められる。図13の例では、第16コマの論理積として「1」が求められ、第12コマ〜第15コマの論理積として「0」が求められる。そして、論理積が「1」である停止位置の候補は、優先順位が第1位に設定され、論理積が「0」であって得点から変換された値が「1」である停止位置の候補は、優先順位が第2位に設定され、論理積が「0」であって停止データの値が「1」である停止位置の候補は、優先順位が第3位に設定される。なお、論理積が「0」であって得点から変換された値および停止データの値も「0」である停止位置の候補は、優先順位が設定されない。図13の例では、第16コマの優先順位が第1位に設定され、第13コマと第15コマの優先順位が第2位に設定され、第12コマと第14コマには優先順位が設定されない。
そして本実施形態では、押下検出位置から5コマ分の停止位置の候補のうち、最も優先順位が高い停止位置の候補が実際の停止位置として決定される。図13の例では、図中矢印a2に示すように、優先順位が第1位である第16コマが実際の停止位置として決定される。そして第16コマのベル図柄「BL」が有効ライン上の表示位置に表示されるように第2リールR2が停止される。
そして第2リールR2が停止されると、回転中の第1リールR1および第3リールR3のそれぞれにおける21コマ分の停止位置の候補のそれぞれについて、図11に示す第1得点データを参照して得点が求められる。
詳細にはこの例では、第2リールR2が停止された時点で入賞可能な役は、ベルおよび特殊小役Bであると判定されるため、予想得点記憶手段1905には、図14に示すように、例えば第1リールR1の第19コマなどのベルの入賞形態を構成する図柄に対応する停止位置の候補や、第1リールR1の第18コマなどの特殊小役Bの入賞形態を構成する図柄に対応する停止位置の候補については2点が設定され、第1リールR1の第17コマなどの内部抽選で当選していないチェリーの入賞を確定させる図柄に対応する停止位置の候補については255点が設定され、第1リールR1の第20コマなどのベルあるいは特殊小役Bの入賞形態を構成しない図柄に対応する停止位置の候補については0点が設定される。
そして、第1リールR1および第3リールR3が回転中である状態で、第2番目にストップボタンB1が押下され、押下検出位置が例えば第1リールR1の第9コマである場合には、第1リールR1について予想得点記憶手段1905が参照され、図15に示すように、押下検出位置である第9コマから第13コマまでの5コマ分の停止位置の候補の得点が特定情報記憶手段1906に設定される。図15の例では、第9コマに2点が設定され、第10コマに0点が設定され、第11コマに0点が設定され、第12コマに255点が設定され、第13コマに2点が設定される。
すると図15の例では、図中矢印b1に示すように、第9コマおよび第13コマの得点が「1」に変換され、第10コマおよび第11コマの得点が「0」に変換され、第12コマの得点が255点に保持される。
また第2番目にストップボタンB1が押下されると、内部抽選の結果とストップボタンの押下順序と押下検出位置に応じて停止制御テーブルが参照され、押下検出位置から5コマ分の停止位置の候補について設定されている停止データが、特定情報記憶手段1906に設定される。ここで、内部抽選で打順ベルC1が当選した遊技において第2番目にストップボタンB1が押下された場合に参照される停止制御テーブルでは、図8で示したように、ベルが入賞するように実際の停止位置とすべき停止位置の候補が特定されているため、図15の例のように押下検出位置が第9コマである場合には、特定情報記憶手段1906に設定される停止データとして、第9コマには「1」が設定され、第10コマ、第11コマおよび第13コマには「0」が設定される。これにより図15の例では、停止制御テーブルによる停止位置の候補が第9コマに特定される。なお本実施形態では、特定情報記憶手段1906に得点として255点が設定されると、停止データ、論理積および優先順位についても特殊値である「255」が設定され、停止データ、論理積および優先順位を求める処理は行われない。従って、図15の例の第12コマに関しては、停止データ、論理積および優先順位についても特殊値である「255」が設定される。
すると図15の例では、第9コマの論理積として「1」が求められ、第10コマ、第11コマおよび第13コマの論理積として「0」が求められ、第9コマの優先順位が第1位に設定され、第13コマの優先順位が第2位に設定され、その他のコマには優先順位が設定されない。
そして図15の例では、図中矢印b2に示すように、優先順位が第1位である第9コマが実際の停止位置として決定される。そして第9コマのベル図柄「BL」が有効ライン上の表示位置に表示されるように第1リールR1が停止される。
そして第1リールR1および第2リールR2が停止されると、回転中の第3リールR3における21コマ分の停止位置の候補のそれぞれについて、図16に示す第2得点データを参照して得点が求められる。すなわち本実施形態では、回転中のリールの数が3つあるいは2つである場合には、図11に示す第1得点データを参照して得点が求められ、回転中のリールの数が1つである場合には、図16に示す第2得点データを参照して得点が求められる。
詳細には本実施形態では、ボーナス成立状態では規定投入数が3枚に設定されているため、図7に示したように、ベルの配当は9枚に設定され、特殊小役A1、特殊小役A2、特殊小役Bおよび特殊小役Cの配当は1枚に設定され、チェリーの配当は2枚に設定されているため、図16に示す第2得点データでは、各小役の配当に応じて、ベルの入賞形態を構成する図柄に対応する停止位置の候補の得点が16点に規定され、特殊小役A1、特殊小役A2、特殊小役B、特殊小役Cのそれぞれの入賞形態を構成する図柄に対応する停止位置の候補の得点が2点に規定され、チェリーの入賞形態を構成する図柄に対応する停止位置の候補の得点が4点に規定されている。
また本実施形態では、第2リールR2におけるBAR図柄「BAR」は、ビッグボーナス(BB)の入賞形態および特殊小役A1の入賞形態を構成する図柄(BB+小役)であるが、本実施形態では、2つのリールが停止された状態で、実際の停止位置とした場合に入賞可能な役がビッグボーナス(BB)および特殊小役A1となる停止位置の候補が実際の停止位置になることがないようにしているため、得点が規定されていない。
そしてこの例では、第1リールR1および第2リールR2が停止された時点で入賞可能な役は、ベルであると判定されるため、予想得点記憶手段1905には、図17に示すように、例えば第3リールR3の第20コマなどのベルの入賞形態を構成する図柄に対応する停止位置の候補については16点が設定され、第3リールR3の第19コマなどのベルの入賞形態を構成しない図柄に対応する停止位置の候補については0点が設定される。
そして、第3リールR3が回転中である状態で、第3番目にストップボタンB3が押下され、押下検出位置が例えば第3リールR3の第9コマである場合には、第3リールR3について予想得点記憶手段1905が参照され、図18に示すように、押下検出位置である第9コマから第13コマまでの5コマ分の停止位置の候補の得点が特定情報記憶手段1906に設定される。図18の例では、第9コマに0点が設定され、第10コマに0点が設定され、第11コマに16点が設定され、第12コマに0点が設定され、第13コマに0点が設定される。
すると図18の例では、図中矢印c1に示すように、第11コマの得点が「1」に変換され、第9コマ、第10コマ、第12コマおよび第13コマの得点が「0」に変換される。
このように本実施形態では、第3番目に停止されるリールにおける21コマ分の停止位置の候補のそれぞれについて得点が求められる場合には、第2得点データが参照されることにより、ベルの入賞形態を構成する図柄に対応する停止位置の候補については16点が設定され、ベル以外の小役の入賞形態を構成する図柄に対応する停止位置の候補については16点よりも低い得点が設定されるため、第3番目に停止されるリールにおける押下検出位置から5コマ分の停止位置の候補に、ベルの入賞形態を構成する図柄に対応する停止位置の候補と、ベル以外の小役の入賞形態を構成する図柄に対応する停止位置の候補が存在する場合であっても、ベルの入賞形態を構成する図柄に対応する停止位置の候補の得点が最も高くなるようになっている。
特に図18の例では、特定情報記憶手段1906に設定された5コマ分の停止位置の候補のうち最も得点が高い停止位置の候補が1つに特定されている。
また第3番目にストップボタンB3が押下されると、内部抽選の結果とストップボタンの押下順序と押下検出位置に応じて停止制御テーブルが参照され、参照している停止制御テーブルにおいて押下検出位置から5コマ分の停止位置の候補について設定されている停止データが、特定情報記憶手段1906に設定されるが、図18の例のように、内部抽選で打順ベルC1が当選した遊技において第3番目にストップボタンB3が押下され、押下検出位置が第3リールR3の第9コマである場合には、最も得点が高い停止位置の候補が1つとなるため、本実施形態では、この場合に参照される停止制御テーブルが省略されている。従って本実施形態の遊技機では、内部抽選で打順ベルC1が当選した遊技において第3番目にストップボタンB3が押下され、押下検出位置が第3リールR3の第9コマである場合には、図18に示すように、特定情報記憶手段1906に設定される停止データとして、全ての停止位置の候補に「0」が設定される。これにより図18の例では、停止制御テーブルによる停止位置の候補が特定されない。
すると図18の例では、第9コマ〜第13コマの論理積として「0」が求められ、第11コマの優先順位が第2位に設定され、その他のコマには優先順位が設定されない。
そして図18の例では、図中矢印c2に示すように、優先順位が第2位である第11コマが実際の停止位置として決定される。すると第11コマのベル図柄「BL」が有効ライン上の表示位置に表示されるように第3リールR3が停止され、ベルの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示される。
こうして本実施形態では、第3番目に停止されるリールにおける21コマ分の停止位置の候補のそれぞれについて得点が求められる場合には、第2得点データが参照されることにより、第3番目に停止されるリールにおける押下検出位置から5コマ分の停止位置の候補では、ベルの入賞形態を構成する図柄に対応する停止位置の候補の得点が単独で最も高くなるようにして、このような押下検出位置については停止制御テーブルを省略している。これにより、従来の遊技機の停止制御テーブルでは全ての停止位置の候補について、停止データとして「1」または「0」が設定されていたのに対して、本実施形態の遊技機では停止制御テーブルのデータ量を削減することができる。
なお本実施形態では、第3番目に停止されるリールにおける押下検出位置から5コマ分の停止位置の候補に、ベルの入賞形態を構成する図柄に対応する停止位置の候補が複数存在する押下検出位置については、停止制御テーブルにおいて停止データとして「1」または「0」が設定されており、かかる押下検出位置が検出された場合には、停止データとして「1」が設定されている停止位置の候補が優先順位が第1位となることにより、実際の停止位置として決定される。
次に、ボーナス成立状態における内部抽選で打順ベルC1(ベル、特殊小役A1、および特殊小役B)が当選した遊技において、ストップボタンB1〜B3が不正解打順(B1→B2→B3)で押下された場合を例に挙げて説明する。
まず、スタートレバーSLが押下されると、回転中の第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれにおける21コマ分の停止位置の候補のそれぞれについて、図11に示す第1得点データを参照して得点が求められる。
詳細にはこの例でも、スタートレバーSLが押下された時点で入賞可能な役は、ベル、特殊小役A1、および特殊小役Bであるため、上述した例と同様に、予想得点記憶手段1905には、図12に示すように得点が設定される。
そして第1リールR1〜第3リールR3が回転中である状態で、第1番目にストップボタンB1が押下され、押下検出位置が例えば第1リールR1の第2コマである場合には、第1リールR1について予想得点記憶手段1905が参照され、図19に示すように、押下検出位置である第2コマから第6コマまでの5コマ分の停止位置の候補の得点が特定情報記憶手段1906に設定される。図19の例では、第2コマに2点が設定され、第3コマに1点が設定され、第4コマに255点が設定され、第5コマに2点が設定され、第6コマに2点が設定される。
すると図19の例では、図中矢印d1に示すように、第2コマ、第5コマおよび第6コマの得点が「1」に変換され、第3コマの得点が「0」に変換され、第4コマの得点が255点に保持される。
また第1番目にストップボタンB1が押下されると、内部抽選の結果とストップボタンの押下順序と押下検出位置に応じて停止制御テーブルが参照され、参照している停止制御テーブルにおいて押下検出位置から5コマ分の停止位置の候補について設定されている停止データが、特定情報記憶手段1906に設定される。ここで、内部抽選で打順ベルC1が当選した遊技において第1番目にストップボタンB1が押下された場合に参照される停止制御テーブルでは、図8で示したように、特殊小役A1が入賞するように実際の停止位置とすべき停止位置の候補が特定されているため、図19の例のように押下検出位置が第2コマである場合には特定情報記憶手段1906に設定される停止データとして、第2コマには「1」が設定され、第3コマ、第5コマおよび第6コマには「0」が設定される。これにより図19の例では、停止制御テーブルによる停止位置の候補が第2コマに特定される。なお、第4コマに関しては、特定情報記憶手段1906に得点として255点が設定されたため、停止データ、論理積および優先順位についても特殊値である「255」が設定される。
すると図19の例では、第2コマの論理積として「1」が求められ、第3コマ、第5コマおよび第6コマの論理積として「0」が求められ、第2コマの優先順位が第1位に設定され、第5コマおよび第6コマの優先順位が第2位に設定され、その他のコマには優先順位が設定されない。
そして図19の例では、図中矢印d2に示すように、優先順位が第1位である第2コマが実際の停止位置として決定される。そして第2コマのリプレイ図柄A「RPA」が有効ライン上の表示位置に表示されるように第1リールR1が停止される。
そして第1リールR1が停止されると、回転中の第2リールR2および第3リールR3のそれぞれにおける21コマ分の停止位置の候補のそれぞれについて、図11に示す第1得点データを参照して得点が求められる。
詳細にはこの例では、第1リールR1が停止された時点で入賞可能な役は、特殊小役A1であると判定されるため、予想得点記憶手段1905には、図20に示すように、例えば第2リールR2の第18コマなどの特殊小役A1の入賞形態を構成する図柄に対応する停止位置の候補については2点が設定され、第3リールR3の第20コマなどの特殊小役A1の入賞形態を構成しない図柄に対応する停止位置の候補については0点が設定される。
そして、第2リールR2および第3リールR3が回転中である状態で、第2番目にストップボタンB2が押下され、押下検出位置が例えば第2リールR2の第12コマである場合には、第2リールR2について予想得点記憶手段1905が参照され、図21に示すように、押下検出位置である第12コマから第16コマまでの5コマ分の停止位置の候補の得点が特定情報記憶手段1906に設定される。図21の例では、第12コマに0点が設定され、第13コマに2点が設定され、第14コマに0点が設定され、第15コマに2点が設定され、第16コマに0点が設定される。
すると図21の例では、図中矢印e1に示すように、第13コマおよび第15コマの得点が「1」に変換され、第12コマ、第14コマおよび第16コマの得点が「0」に変換される。
また第2番目にストップボタンB2が押下されると、内部抽選の結果とストップボタンの押下順序と押下検出位置に応じて停止制御テーブルが参照され、参照している停止制御テーブルにおいて押下検出位置から5コマ分の停止位置の候補について設定されている停止データが、特定情報記憶手段1906に設定される。ここで、内部抽選で打順ベルC1が当選した遊技において第2番目にストップボタンB2が押下された場合に参照される停止制御テーブルでは、図8で示したように特殊小役A1が入賞するように実際の停止位置とすべき停止位置の候補が特定されているため、図21の例のように押下検出位置が第12コマである場合には、特定情報記憶手段1906に設定される停止データとして、第9コマには「1」が設定され、第10コマ、第11コマおよび第13コマには「0」が設定される。これにより図21の例では、停止制御テーブルによる停止位置の候補が第13コマに特定される。
すると図21の例では、第13コマの論理積として「1」が求められ、第12コマ、第14コマ〜第16コマの論理積として「0」が求められ、第13コマの優先順位が第1位に設定され、第15コマの優先順位が第2位に設定され、その他のコマには優先順位が設定されない。
そして図21の例では、図中矢印e2に示すように、優先順位が第1位である第13コマが実際の停止位置として決定される。そして第13コマの赤7図柄A「赤7A」が有効ライン上の表示位置に表示されるように第2リールR2が停止される。
そして第1リールR1および第2リールR2が停止されると、回転中の第3リールR3における21コマ分の停止位置の候補のそれぞれについて、図16に示す第2得点データを参照して得点が求められる。
詳細にはこの例では、第1リールR1および第2リールR2が停止された時点で入賞可能な役は、特殊小役A1であると判定されるため、予想得点記憶手段1905には、図22に示すように、例えば第3リールR3の第17コマなどの特殊小役A1の入賞形態を構成する図柄に対応する停止位置の候補については2点が設定され、第3リールR3の第20コマなどの特殊小役A1の入賞形態を構成しない図柄に対応する停止位置の候補については0点が設定される。
そして、第3リールR3が回転中である状態で、第3番目にストップボタンB3が押下され、押下検出位置が例えば第3リールR3の第14コマである場合には、第3リールR3について予想得点記憶手段1905が参照され、図23に示すように、押下検出位置である第14コマから第18コマまでの5コマ分の停止位置の候補の得点が特定情報記憶手段1906に設定される。図23の例では、第14コマに0点が設定され、第15コマに0点が設定され、第16コマに0点が設定され、第17コマに2点が設定され、第18コマに0点が設定される。
すると図23の例では、図中矢印f1に示すように、第17コマの得点が「1」に変換され、第14コマ、第15コマ、第16コマおよび第18コマの得点が「0」に変換される。
また第3番目にストップボタンB3が押下されると、内部抽選の結果とストップボタンの押下順序と押下検出位置に応じて停止制御テーブルが参照され、参照している停止制御テーブルにおいて押下検出位置から5コマ分の停止位置の候補について設定されている停止データが、特定情報記憶手段1906に設定される。ここで、内部抽選で打順ベルC1が当選した遊技において第3番目にストップボタンB3が押下された場合に参照される停止制御テーブルでは、図8で示したように、特殊小役Aが入賞するように実際の停止位置とすべき停止位置の候補が特定されているため、図23の例のように押下検出位置が第14コマである場合には、特定情報記憶手段1906に設定される停止データとして、第17コマには「1」が設定され、第14コマ〜第16コマおよび第18コマには「0」が設定される。これにより図23の例では、停止制御テーブルによる停止位置の候補が第15コマに特定される。
すると図23の例では、第17コマの論理積として「1」が求められ、第14コマ〜第16コマおよび第18コマの論理積として「0」が求められ、第17コマの優先順位が第1位に設定され、その他のコマには優先順位が設定されない。
そして図23の例では、図中矢印f2に示すように、優先順位が第1位である第17コマが実際の停止位置として決定される。すると第17コマのBAR図柄「BAR」が有効ライン上の表示位置に表示されるように第3リールR3が停止され、特殊小役A1の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示される。
一方、第2リールR2および第3リールR3が回転中である状態で、第2番目にストップボタンB2が押下され、押下検出位置が例えば第2リールR2の第4コマである場合には、第2リールR2について予想得点記憶手段1905が参照され、図24に示すように、押下検出位置である第4コマから第8コマまでの5コマ分の停止位置の候補の得点が特定情報記憶手段1906に設定される。図24の例では、第4コマから第8コマのそれぞれに0点が設定される。
すると図24の例では、図中矢印g1に示すように、第4コマ〜第8コマの得点が「0」に変換される。
また第2番目にストップボタンB2が押下されると、内部抽選の結果とストップボタンの押下順序と押下検出位置に応じて停止制御テーブルが参照され、参照している停止制御テーブルにおいて押下検出位置から5コマ分の停止位置の候補について設定されている停止データが、特定情報記憶手段1906に設定される。ここで、内部抽選で打順ベルC1が当選した遊技において第2番目にストップボタンB2が押下された場合に参照される停止制御テーブルでは、図8で示したように、特殊小役A1が入賞するように実際の停止位置とすべき停止位置の候補が特定されているが、押下検出位置が第4コマである場合には、押下検出位置から5コマ分の停止位置の候補に特殊小役A1の入賞形態を構成する図柄は存在しないため、特定情報記憶手段1906に設定される停止データとして、第4コマに「1」が設定され、第5コマ〜第8コマには「0」が設定される。これにより図24の例では、停止制御テーブルによる停止位置の候補が第4コマに特定される。
すると図24の例では、第4コマ〜第8コマの論理積として「0」が求められ、第4コマの優先順位が第3位に設定され、その他のコマには優先順位が設定されない。
そして図24の例では、図中矢印g2に示すように、優先順位が第3位である第4コマが実際の停止位置として決定される。そして第4コマのリプレイ図柄A「RPA」が有効ライン上の表示位置に表示されるように第2リールR2が停止される。
そして第1リールR1および第2リールR2が停止されると、回転中の第3リールR3における21コマ分の停止位置の候補のそれぞれについて、図16に示す第2得点データを参照して得点が求められる。
詳細にはこの例では、第1リールR1および第2リールR2が停止された時点で入賞可能な役はないと判定されるため、予想得点記憶手段1905には、図25に示すように、例えば第3リールR3の第19コマなどの内部抽選で当選していない通常リプレイの入賞を確定させる図柄に対応する停止位置の候補については特殊値である255点が設定され、第3リールR3の第20コマなどの内部抽選で当選していない役の入賞を確定させない図柄に対応する停止位置の候補については0点が設定される。
そして、第3リールR3が回転中である状態で、第3番目にストップボタンB3が押下され、押下検出位置が例えば第3リールR3の第6コマである場合には、第3リールR3について予想得点記憶手段1905が参照され、図26に示すように、押下検出位置である第6コマから第10コマまでの5コマ分の停止位置の候補の得点が特定情報記憶手段1906に設定される。図26の例では、第6コマに255点が設定され、第7コマに0点が設定され、第8コマに0点が設定され、第9コマに0点が設定され、第10コマに255点が設定される。
すると図26の例では、図中矢印h1に示すように、第7コマ〜第9コマの得点が「0」に変換され、第6コマおよび第10コマの得点が255点に保持される。
また第3番目にストップボタンB3が押下されると、停止制御テーブル記憶手段1903の停止制御テーブルが参照されるが、この例では第1リールR1および第2リールR2が停止された時点で入賞可能な役がなくなっているため、特定情報記憶手段1906に設定される停止データとして、第7コマには「1」が設定され、第8コマおよび第9コマには「0」が設定される。これにより図26の例では、停止制御テーブルによる停止位置の候補が第7コマに特定される。なお、第6コマおよび第10コマに関しては、特定情報記憶手段1906に得点として255点が設定されたため、停止データ、論理積および優先順位についても特殊値である「255」が設定される。
すると図26の例では、第7コマ〜第9コマの論理積として「0」が求められ、第7コマの優先順位が第3位に設定され、その他のコマには優先順位が設定されない。
そして図26の例では、図中矢印h2に示すように、優先順位が第3位である第7コマが実際の停止位置として決定される。そして第7コマのベル図柄「BL」が有効ライン上の表示位置に表示されるように第3リールR3が停止され、いずれの役の入賞形態も示さない図柄組合せが有効ライン上に表示される。
こうして本実施形態では、第1番目あるいは第2番目に停止されるリールにおける21コマ分の停止位置の候補のそれぞれについて得点が求められる場合には、第1得点データが参照されることにより、第1番目あるいは第2番目に停止されるリールにおける押下検出位置から5コマ分の停止位置の候補では、ベルの入賞形態を構成する図柄に対応する停止位置の候補の得点と、特殊小役A1あるいは特殊小役Bの入賞形態を構成する図柄に対応する停止位置の候補の得点が同一になるようにして、停止制御テーブルによる停止位置の候補が実際の停止位置として決定されるようにしている。これにより本実施形態では、ストップボタンB1〜B3の押下順序に応じて、最も多くのメダルが払い出される停止位置の候補が実際の停止位置となる場合と、入賞可能な図柄組合せの種類が最も多くなる停止位置の候補が実際の停止位置となる場合とがあるようにしている。
以下では、本実施形態の処理の流れについてフローチャートに沿って説明する。
本実施形態では、図27に示すように、まずスタートレバーSLが押下されると(ステップS100)、内部抽選が行われ(ステップS102)、内部抽選の結果に応じて入賞可能な役が判定される(ステップS104)。すると、入賞可能な役に応じて第1得点データが参照され、全てのリールについて各停止位置の候補の得点が予想得点記憶手段1905に設定される(ステップS106)。
そして図28に示すように、第1番目のストップボタンが押下されると(ステップS110でY)、第1番目に押下されたストップボタンに対応するリールについて停止位置決定処理が行われる(ステップS112)。
詳細には停止位置決定処理では、図29に示すように、押下されたストップボタンに対応するリールの押下検出位置が取得されると(ステップS120)、予想得点記憶手段1905が参照され、押下検出位置から5コマ分の停止位置の候補の得点が特定情報記憶手段1906に設定される(ステップS122)。すると、特定情報記憶手段1906に設定された得点のうち、特殊値である255点を除く最も高い得点が「1」に変換され(ステップS124)、特殊値である255点を除くその他の得点が「0」に変換される(ステップS126)。
また、内部抽選の結果とストップボタンの押下順序と押下検出位置に応じて停止制御テーブルが参照され、押下検出位置から5コマ分の停止位置の候補について設定されている停止データが、特定情報記憶手段1906に設定される(ステップS128)。
すると、押下検出位置から5コマ分の停止位置の候補のうち、第1番目の停止位置の候補、すなわち押下検出位置に対応する停止位置の候補が処理対象の停止位置の候補に設定され(ステップS130)、処理対象の停止位置の候補について、得点から変換された値と停止データの値の論理積が求められる(ステップS132)。
そして、論理積が1である場合には(ステップS134でY)、優先順位が第1位に設定され(ステップS136)、論理積が1でなく(ステップS134でN)、得点から変換された値が1である場合には(ステップS138でY)、優先順位が第2位に設定され(ステップS140)、得点から変換された値が1でなく(ステップS138でN)、停止データが1である場合には(ステップS142でY)、優先順位が第3位に設定され(ステップS144)、得点から変換された値および停止データが0である場合には(ステップS142でN)、優先順位が設定されない。
そして、処理対象の停止位置の候補が第5番目の停止位置の候補、すなわち押下検出位置から4コマ目の停止位置の候補である場合には(ステップS146でY)、優先順位が最も高い停止位置の候補が実際の停止位置として決定される(ステップS148)。一方、処理対象の停止位置の候補が第5番目の停止位置の候補でない場合には(ステップS146でN)、次の停止位置の候補が処理対象に設定され(ステップS150)、ステップS132に戻る。
こうして第1番目に押下されたストップボタンに対応するリールについて停止位置決定処理が行われると、図28に示すように、1つのリールが停止した状態で(ステップS113でY)、入賞可能な役が判定される(ステップS114)。すると、入賞可能な役に応じて第1得点データが参照され、回転中の2つのリールについて各停止位置の候補の得点が予想得点記憶手段1905に設定される(ステップS116)。
そして図30に示すように、第2番目のストップボタンが押下されると(ステップS140でY)、第2番目に押下されたストップボタンに対応するリールについて停止位置決定処理が行われ(ステップS142)、2つのリールが停止した状態で(ステップS143でY)、入賞可能な役が判定される(ステップS144)。すると、入賞可能な役に応じて第2得点データが参照され、回転中の1つのリールについて各停止位置の候補の得点が予想得点記憶手段1905に設定される(ステップS146)。
そして図31に示すように、第3番目のストップボタンが押下されると(ステップS150でY)、第3番目に押下されたストップボタンに対応するリールについて停止位置決定処理が行われる(ステップS152)。
3.変形例
本発明は、上記の実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能であり、以下に変形例を紹介する。なお、上記実施形態や、以下において変形例として説明する各種の手法は、本発明を実現する制御手法として適宜組み合わせて採用することができる。
上記実施形態では、スタートレバーSLが押下されると、回転中の3つのリールのそれぞれについて第1得点データを参照して優先度処理が行われ、第1番目のリールが停止すると、回転中の2つのリールのそれぞれについて第1得点データを参照して優先度処理が行われ、第2番目のリールが停止すると、回転中の1つのリールについて第2得点データを参照して優先度処理が行われる例を挙げて説明したが、スタートレバーSLが押下されても優先度処理が行われず、第1番目のストップボタンが押下されると、第1番目のストップボタンに対応するリールの押下検出位置から5コマ分の停止位置の候補について第1得点データを参照して優先度処理が行われ、第2番目のストップボタンが押下されると、第2番目のストップボタンに対応するリールの押下検出位置から5コマ分の停止位置の候補について第1得点データを参照して優先度処理が行われ、第3番目のストップボタンが押下されると、第3番目のストップボタンに対応するリールの押下検出位置から5コマ分の停止位置の候補について第2得点データを参照して優先度処理が行われるようにしてもよい。
また上記実施形態では、最も優先度が高い停止位置の候補として1つの停止位置の候補が特定されたか否かに関わらず、停止制御テーブルによる停止位置の候補が特定される例を挙げて説明したが、最も優先度が高い停止位置の候補として1つの停止位置の候補が特定されない場合に、停止制御テーブルによる停止位置の候補が特定されるようにしてもよい。
また上記実施形態では、回転中のリールが3つである場合、あるいは回転中のリールが2つである場合には、第1得点データを参照して優先度処理が行われ、回転中のリールが1つである場合には、第2得点データを参照して優先度処理が行われる例を挙げて説明したが、回転中のリールが3つである場合には、第1得点データを参照して優先度処理が行われ、回転中のリールが2つである場合、あるいは回転中のリールが1つである場合には、第2得点データを参照して優先度処理が行われるようにしてもよい。
例えば、内部抽選で打順ベルL、打順ベルC1、打順ベルC2、打順ベルR1、打順ベルR2のいずれかが当選した遊技において、正解打順でストップボタンB1〜B3が押下される場合に、第1番目のリールが停止した状態ではベルの入賞の可能性および特殊小役A1〜特殊小役Cの入賞の可能性が残存し、第2番目のリールが停止した状態ではベルの入賞の可能性は残存するが特殊小役A1〜特殊小役Cの入賞の可能性は残存しなくなる場合には、回転中のリールが3つである場合、あるいは回転中のリールが2つである場合には、第1得点データを参照して優先度処理が行われ、回転中のリールが1つである場合には、第2得点データを参照して優先度処理が行われるようにし、第1番目のリールが停止した状態でベルの入賞の可能性は残存するが特殊小役A1〜特殊小役Cの入賞の可能性は残存しなくなる場合には、回転中のリールが3つである場合には、第1得点データを参照して優先度処理が行われ、回転中のリールが2つである場合、あるいは回転中のリールが1つである場合には、第2得点データを参照して優先度処理が行われるようにしてもよい。