JP6119017B2 - 酸化脱水素触媒の製造方法 - Google Patents

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本発明は、酸化脱水素用の触媒及びこの触媒を用いた炭化水素の酸化脱水素方法に関する。詳しくは、炭素数が3〜5のn−パラフィン又は炭素数3〜5のn−モノオレフィンを含む炭化水素を酸素の存在下に酸化脱水素して、対応するモノオレフィン又は共役ジエンを製造するための酸化脱水素触媒及びこの触媒を用いる炭化水素の酸化脱水素方法に関する。
低級炭化水素の脱水素方法としては単純脱水素プロセスが工業化されているが、このプロセスは平衡の制約から、高収率で目的生成物を得ることは困難であり、且つ高温が必要である。さらにコーク析出による失活が大きく、触媒再生を頻繁に行う必要があるという問題があった。
一方、平衡上制約がない酸化脱水素方法により、低級パラフィンや低級オレフィンから、低級オレフィン又は共役ジエンを製造する試みが以前から行われており、酸化脱水素により低級アルカンからの低級オレフィンまたは共役ジエンを製造する触媒は種々提案されている。例えば、エタンからのエチレン製造触媒としてニッケル−ニオブ酸化物系触媒(例えば、特許文献1)、プロパンからのプロピレン製造触媒としてバナジウム−マグネシウム酸化物系触媒(例えば、特許文献2)、n−ブタンからのブテン、ブタジエン製造触媒としてモリブデン−マグネシウム酸化物系触媒(例えば、特許文献3)などが知られている。しかしながら、これら公知の触媒は、酸化脱水素の性能が低く、工業化に用いることはできないような低性能のものであった。
また、脱水素反応により低級アルカンや低級オレフィンから共役ジエンを製造する方法も種々検討されている。例えば、1,3−ブタジエンの製造方法として、モリブデン−マグネシウム酸化物触媒等を用いたn−ブタンからの酸化脱水素により1,3−ブタジエンを製造する方法(例えば、特許文献3)や、クロミア−アルミナ触媒を用いたブタン・ブテンの単純脱水素によって1,3−ブタジエンを製造する方法(例えば、非特許文献1)、Fe−Cr−KCO触媒を用いたブテンの単純脱水素によって1,3−ブタジエンを製造する方法(例えば、特許文献4)が検討されてきた。このうち、ブタン・ブテンの単純脱水素による方法が商業化されたが、コーク失活が大きく、触媒再生を頻繁に行う必要があるという問題があった。
また、近年、ビスマス−モリブデン触媒を用いたn−ブテンを酸化脱水素することによりブタジエンを製造する方法(例えば、特許文献5)が検討されている。しかしながら、ビスマス−モリブデン触媒は、反応活性と1,3−ブタジエン収率は高いが、触媒系が複雑なことから商業規模での調整が困難であるという問題があった。
US7227049B2 特開2009−39679号公報 特開平3−74335号公報 特開昭56−21652号公報 特開2010−90082号公報
G.F.Hornaday,Petroleum Engr.,26,No.11,C−7(1954)
従って、本発明の目的は、ブタン等のn−パラフィン又はi−パラフィンを含む炭化水素原料の酸化脱水素反応により、ブテン等のn−モノオレフィン又はi−モノオレフィンや、1,3−ブタジエン等の共役ジエンを得る酸化脱水素反応、又はブテン等のn−モノオレフィン又はi−モノオレフィンを含む炭化水素原料の酸化脱水素反応により、1,3−ブタジエン等の共役ジエンを得る酸化脱水素反応において、優れた触媒活性を示す酸化脱水素触媒を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術における課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、ニッケル原子及びアルミニウム原子を含有する触媒が、パラフィン及びモノオレフィンを酸化脱水素して、対応するモノオレフィン又は共役ジエンを得る酸化脱水素反応において、優れた触媒活性を示すことを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明(1)は、金属原子として、アルミニウム原子及びニッケル原子のみを含有する水溶液、又は金属原子として、アルミニウム原子、ニッケル原子及びクロム原子のみを含有する水溶液と、塩基とを混合して反応させて、反応生成物を得、次いで、得られた反応生成物を、500〜600℃で焼成することにより、酸化脱水素触媒を得ることを特徴とする酸化脱水素触媒の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、ブタン等のn−パラフィン又はi−パラフィンを含む炭化水素原料の酸化脱水素反応により、ブテン等のn−モノオレフィン又はi−モノオレフィンや、1,3−ブタジエン等の共役ジエンを得る酸化脱水素反応、又はブテン等のn−モノオレフィン又はi−モノオレフィンを含む炭化水素原料の酸化脱水素反応により、1,3−ブタジエン等の共役ジエンを得る酸化脱水素反応において、優れた触媒活性を示す酸化脱水素触媒を提供することができる。
本発明の酸化脱水素触媒は、炭化水素原料中に含まれる炭素数3〜5のパラフィン又は炭素数3〜5のモノオレフィンの酸化脱水素を行うための酸化脱水素触媒であり、該炭化水素原料が、炭素数3〜5のパラフィンを含む炭化水素原料、炭素数3〜5のモノオレフィンを含む炭化水素原料又は炭素数3〜5のパラフィンと炭素数3〜5のモノオレフィンとを含む炭化水素原料であり、ニッケル原子と、アルミニウム原子と、を含有することを特徴とする酸化脱水素触媒である。
本発明の酸化脱水素触媒は、炭素数3〜5のパラフィン又は炭素数3〜5のモノオレフィンを酸化的に脱水素する酸化脱水素反応用の触媒である。炭化水素原料には、炭素数3〜5のパラフィンを含み炭素数3〜5のモノオレフィンを含まないもの、炭素数3〜5のモノオレフィンを含み炭素数3〜5のパラフィンを含まないもの、炭素数3〜5のパラフィンと炭素数3〜5のモノオレフィンの両方を含むものがある。炭化水素原料に含まれる炭素数3〜5のn−パラフィンとしては、プロパン、n−ブタン、n−ペンタンが挙げられ、炭素数3〜5のi−パラフィンとしては、i−ブタン、i−ペンタンが挙げられ、炭素数3〜5のn−モノオレフィンとしては、n−ブテン、n−ペンテンが挙げられ、炭素数3〜5のi−モノオレフィンとしては、i−ペンテンが挙げられる。パラフィンとしてはn−ブタンが好ましく、モノオレフィンとしてはn−ブテンが好ましい。特に、本発明の酸化脱水素触媒は、n−ブタンを酸化脱水素してn−ブテン及び1,3−ブタジエンを得る酸化脱水素反応において、有利に用いられる。
炭化水素原料は、炭素数3〜5のパラフィン及び炭素数3〜5のモノオレフィン以外の炭化水素を含んでいてもよい。炭化水素原料中の炭素数3〜5のパラフィン及び炭素数3〜5のモノオレフィンの含有量は、特に制限されないが、85質量%以上、好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上である。なお、炭化水素原料中の炭素数3〜5のパラフィン及び炭素数3〜5のモノオレフィンの含有量とは、炭化水素原料が炭素数3〜5のパラフィンを含み炭素数3〜5のモノオレフィンを含まない場合は、炭素数3〜5のパラフィンの合計含有量を指し、炭化水素原料が炭素数3〜5のモノオレフィンを含み炭素数3〜5のパラフィンを含まない場合は、炭素数3〜5のモノオレフィンの合計含有量を指し、炭化水素原料が炭素数3〜5のパラフィン及び炭素数3〜5のモノオレフィンの両方を含む場合は、炭素数3〜5のパラフィン及び炭素数3〜5のモノオレフィンの合計含有量を指す。
本発明の酸化脱水素触媒を用いて、炭素数3〜5のn−パラフィン又は炭素数3〜5のn−モノオレフィンの酸化脱水素を行い、対応するn−モノオレフィン又は共役ジエンを生成させる場合、炭化水素原料中の炭素数3〜5のn−パラフィン及び炭素数3〜5のn−モノオレフィンの含有量は、30質量%以上、好ましくは40質量%以上、特に好ましくは50質量%以上である。この場合、炭化水素原料中には、炭素数3〜5のn−パラフィン及び炭素数3〜5のn−モノオレフィン以外の炭化水素が含まれていてもよい。なお、炭化水素原料中の炭素数3〜5のn−パラフィン及び炭素数3〜5のn−モノオレフィンの含有量とは、炭化水素原料が炭素数3〜5のn−パラフィンを含み炭素数3〜5のn−モノオレフィンを含まない場合は、炭素数3〜5のn−パラフィンの合計含有量を指し、炭化水素原料が炭素数3〜5のn−モノオレフィンを含み炭素数3〜5のn−パラフィンを含まない場合は、炭素数3〜5のn−モノオレフィンの合計含有量を指し、炭化水素原料が炭素数3〜5のn−パラフィン及び炭素数3〜5のn−モノオレフィンの両方を含む場合は、炭素数3〜5のn−パラフィン及び炭素数3〜5のn−モノオレフィンの合計含有量を指す。
本発明の酸化脱水素触媒は、パラフィン又はモノオレフィンを酸化脱水素して、共役ジエンを得る酸化脱水素反応用の触媒として、好適に用いられる。製造目的とする共役ジエンが1,3−ブタジエンの場合、1,3−ブタジエンの原料はn−ブタン又はn−ブテンであるので、この場合、炭化水素原料中のn−ブタン及びn−ブテンの含有量は、30質量%以上、好ましくは40質量%以上、特に好ましくは50質量%以上である。なお、炭化水素原料中のn−ブタン及びn−ブテンの含有量とは、炭化水素原料がn−ブタンを含みn−ブテンを含まない場合は、n−ブタンの含有量を指し、炭化水素原料がn−ブテンを含みn−ブタンを含まない場合は、n−ブテンの含有量を指し、炭化水素原料がn−ブタン及びn−ブテンの両方を含む場合は、n−ブタン及びn−ブテンの合計含有量を指す。また、製造目的とする共役ジエンがイソプレンの場合、イソプレンの原料はi−ペンタン又はi−ペンテンであるので、この場合、炭化水素原料中のi−ペンタン及びi−ペンテンの含有量は、30質量%以上、好ましくは40質量%以上、特に好ましくは50質量%以上である。なお、炭化水素原料中のi−ペンタン及びi−ペンテンの含有量とは、炭化水素原料がi−ペンタンを含みi−ペンテンを含まない場合は、i−ペンタンの含有量を指し、炭化水素原料がi−ペンテンを含みi−ペンタンを含まない場合は、i−ペンテンの含有量を指し、炭化水素原料がi−ペンタン及びi−ペンテンの両方を含む場合は、i−ペンタン及びi−ペンテンの合計含有量を指す。
炭化水素原料としては、特に制限されないが、例えば、石油精製プロセスにおいて、常圧蒸留で得られるC3混合物、C4混合物、C5混合物、流動接触分解によって生産されたC3混合物、C4混合物、改質反応によって得られるC3混合物、C4混合物、C5混合物や、石油化学プロセスにおいてナフサ分解によって生産されたC4混合物、C5混合物から共役ジエンを抽出等により分離して残ったC4ラフィネート、C5ラフィネート等が挙げられる。また、本発明の酸化脱水素触媒を用いて炭化水素原料の酸化脱水素を行い得られる反応生成物から、目的とする成分を取り出した後の回収液も、炭化水素原料として挙げられる。また、炭化水素原料を、そのまま酸化脱水素反応に供しても、これらの炭化水素原料からプロパン、n−ブタン、n−ブテン、i−ペンタン、i−ペンテンを予め分離し、酸化脱水素反応に供してもよい。
本発明の酸化脱水素触媒は、ニッケル原子と、アルミニウム原子と、を含有する。本発明の酸化脱水素触媒は、アルミニウム原子を含有することにより、酸化脱水素反応において反応に関与するニッケル酸化物中の格子酸素の放出が抑制されるために過剰な酸化が抑制され、ブテン等のn−オレフィン又はブタジエン等の共役ジエンの選択性が高くなる。
本発明の酸化脱水素触媒では、ニッケル原子、アルミニウム原子は、単一金属の酸化物の状態で、あるいは、これらの2種の金属からなる複合酸化物の状態で、あるいは、単一金属の酸化物と複合酸化物の両方状態で、存在している。つまり、本発明の酸化脱水素触媒では、各金属原子がどのような状態又は構造で金属酸化物を形成しているかは、特に制限されず、例えば、(i)ニッケルの酸化物と、アルミニウムの酸化物と、が凝集した凝集体であっても、(ii)ニッケル及びアルミニウムの複合酸化物であっても、(iii)(i)と(ii)の混合物であってもよい。
本発明の酸化脱水素触媒において、アルミニウム原子に対するニッケル原子の原子換算のモル比(Ni/Al)は、好ましくは0.01〜20、特に好ましくは0.05〜19、更に好ましくは1〜5である。アルミニウム原子に対するニッケル原子の原子換算のモル比(Ni/Al)が、上記範囲にあることにより、CO又はCOの生成が少なく、且つ、モノオレフィン又は共役ジエンの選択率及び収率が高くなる。一方、アルミニウム原子に対するニッケル原子の原子換算のモル比(Ni/Al)が、上記範囲未満だと、転化率が低くなり、また、上記範囲を超えると、分解反応が進み過ぎて、CO又はCOの生成が多くなる。
本発明の酸化脱水素触媒は、主として、ニッケル原子と、アルミニウム原子と、酸素原子と、からなる化合物であるが、本発明の酸化脱水素触媒は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の金属原子を含んでいてもよい。また、本発明の酸化脱水素触媒は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記金属原子以外を不純物として含有することは許容される。
本発明の酸化脱水素触媒において、触媒全量に対するニッケルのNiO換算量及びアルミニウムのAl換算量の合計の割合(((NiO換算量+Al換算量)/触媒全量)×100)は、好ましくは50質量%以上、特に好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%、より好ましくは80質量%以上である。触媒全量に対するニッケルのNiO換算量及びアルミニウムのAl換算量の合計の割合が、上記範囲にあることにより、モノオレフィン又は共役ジエンの選択率及び収率が高くなる。
本発明の酸化脱水素触媒において、触媒中の全金属原子の原子換算の合計モル数に対するニッケル及びアルミニウムの原子換算の合計モル数の割合(((Ni+Al)/触媒中の全金属原子)×100)は、好ましくは50モル%以上、特に好ましくは70モル%以上、更に好ましくは90モル%以上、より好ましくは100モル%である。
本発明の酸化脱水素触媒を製造する方法としては、例えば、ニッケル原子と、アルミニウム原子を含有する水溶液と、塩基とを混合して反応させて、反応生成物を沈殿させ、次いで、得られた反応生成物を焼成する酸化脱水素触媒の製造方法(以下、酸化脱水素触媒の製造方法(1)とも記載する。)が挙げられる。
酸化脱水素触媒の製造方法(1)では、先ず、ニッケル原子と、アルミニウム原子を含有する水溶液と、塩基とを混合して反応させる。
ニッケル原子と、アルミニウム原子と、を含有する水溶液は、水に、ニッケル原料と、アルミニウム原料と、を添加して、溶解させることによって調製される。ニッケル原料としては、例えば、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、酢酸ニッケル等の水溶性のニッケル塩又はその水和物が挙げられる。これらのニッケル原料は、1種単独であっても2種以上の組み合わせであってもよい。アルミニウム原料としては、例えば、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の水溶性のアルミニウム塩又はその水和物が挙げられる。これらのアルミニウム原料は、1種単独であっても2種以上の組み合わせであってもよい。
ニッケル原子及びアルミニウム原子を含有する水溶液の調製では、ニッケル原子とアルミニウム原子の原子換算のモル比(Ni/Al)が、0.01〜20、好ましくは0.05〜19、より好ましくは1〜5となるように、ニッケル原子及びアルミニウム原子を含有する水溶液中の各金属原子の含有量を調節する。
そして、ニッケル原子と、アルミニウム原子を含有する水溶液と、塩基とを混合して反応させて、反応生成物を沈殿させ、反応生成物を得る。このとき得られる反応生成物は、ニッケル原子及びアルミニウム原子を含有する共沈物である。
塩基としては、例えば、アンモニア水、アルカリ金属の炭酸塩又は水酸化物の水溶液等が挙げられる。アルカリ金属の炭酸塩又は水酸化物としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。これらの塩基は、1種単独であっても2種以上の組み合わせであってもよい。
ニッケル原子と、アルミニウム原子を含有する水溶液と、塩基とを混合して反応させて、反応生成物を沈殿させる方法は、一般的に、共沈法と呼ばれており、公知の共沈法が適宜適用可能である。そのような方法としては、例えば、上記水溶液を攪拌しながら、上記水溶液に塩基をpHが8〜11となるまで滴下し、更に0.5〜2時間程度撹拌して、反応を完結させた後、静置することにより、共沈物である反応生成物を沈殿させる方法が挙げられる。その後、沈殿した反応生成物を、ろ過、水洗後、固形物を分離し、公知の方法により、100〜150℃程度の温度で乾燥処理して、反応生成物が得られる。
酸化脱水素触媒の製造方法(1)では、次いで、得られた反応生成物を焼成することにより、触媒を得る。焼成温度は、好ましくは500〜750℃である。焼成温度が、500℃未満だと、目的とする触媒が得られ難く、また、750℃を超えると、触媒に含まれるニッケル酸化物中の過剰酸素が減少することでパラフィン又はオレフィンの活性化能が低下し、転化率が減少する。焼成時間は、好ましくは0.5〜6時間である。焼成雰囲気は、酸素ガス雰囲気、空気中等の酸化性雰囲気である。そして、焼成温度が、500〜600℃であることにより、転化率及びモノオレフィン又は共役ジエンの選択性が高くなる。
このようにして、酸化脱水素触媒の製造方法(1)を行うことにより、本発明の酸化脱水素触媒を得る。
本発明の酸化脱水素触媒としては、アルミニウム原子とニッケル原子とを含有する焼成原料を、500〜750℃で焼成して得られた触媒であることが好ましく、500〜600℃で焼成して得られた触媒であることが、転化率及びモノオレフィン又は共役ジエンの選択性が高くなる点で、特に好ましい。このときの焼成時間は、好ましくは0.5〜6時間であり、焼成雰囲気は、酸素ガス雰囲気、空気中等の酸化性雰囲気である。
アルミニウム原子とニッケル原子とを含有する焼成原料としては、特に制限されないが、例えば、ニッケル原子及びアルミニウム原子を含有する共沈物が挙げられる。このようなニッケル原子及びアルミニウム原子を含有する共沈物としては、酸化脱水素触媒の製造方法(1)において、ニッケル原子と、アルミニウム原子を含有する水溶液と、塩基とを混合して反応させて、沈殿させることにより得られる反応生成物が挙げられる。また、アルミニウム原子とニッケル原子とを含有する焼成原料としては、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、酢酸ニッケル、水酸化ニッケル、炭酸ニッケル等のニッケル塩若しくはその水和物又は酸化ニッケルのようなニッケル原子を有する化合物と、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸アルミニウム等のアルミニウム塩若しくはその水和物又は酸化アルミニウムのようなアルミニウム原子を有する化合物を、乾式又は湿式で混合して得られるニッケル原子を有する化合物とアルミニウム原子を有する化合物との混合物が挙げられる。そして、アルミニウム原子とニッケル原子とを含有する焼成原料としては、ニッケル原子及びアルミニウム原子を含有する共沈物が好ましい。
アルミニウム原子とニッケル原子とを含有する焼成原料を焼成するときの焼成温度は、500〜750℃が好ましく、500〜600℃が特に好ましい。焼成原料の焼成温度が上記範囲にあることにより、転化率及びモノオレフィン又は共役ジエンの選択性が高くなる。
本発明の酸化脱水素触媒は、クロム原子を含有していてもよい。本発明の酸化脱水素触媒がクロム原子を含有することにより、反応温度が低くても転化率を高くすることができる。本発明の酸化脱水素触媒が、クロム原子を含有する場合、クロム原子は、触媒中に、単一金属の酸化物の状態で、あるいは、ニッケル又はアルミニウムと複合酸化物の状態で、あるいは、単一金属の酸化物と複合酸化物の両方状態で、存在している。また、触媒中のクロム原子の含有量は、金属酸化物換算で、ニッケルのNiO換算量、アルミニウムのAl換算量及びクロムのCr換算量の合計に対するクロムのCr換算量の割合((Cr換算量/(NiO換算量+Al換算量+Cr換算量))×100)は、好ましくは1〜15質量%、特に好ましくは2〜10質量%である。
本発明の酸化脱水素触媒のうち、クロム原子を含有する触媒を製造する方法(A)としては、酸化脱水素触媒の製造方法(1)において、ニッケル原子と、アルミニウム原子とを含有する水溶液と、塩基とを混合して反応させるときに、ニッケル原子とアルミニウム原子とを含有する水溶液に、クロム原料を添加することによりクロム原子を含有させ、その水溶液と、塩基とを混合して反応させて、反応生成物を沈殿させ、次いで、得られた反応生成物を焼成する方法が挙げられる。クロム原料としては、例えば、硝酸クロム、硫酸クロム、塩化クロム、酢酸クロム等の水溶性のクロム塩又はその水和物が挙げられる。
また、本発明の酸化脱水素触媒のうち、クロム原子を含有する触媒を製造する方法(B)としては、先ず、ニッケル原子及びアルミニウム原子を含有する共沈物、ニッケル原子を有する化合物とアルミニウム原子を有する化合物との混合物等の焼成原料を、500〜750℃、好ましくは500〜600℃で焼成することにより、ニッケル原子とアルミニウム原子を含有する金属酸化物を得、次いで、得られたニッケル原子とアルミニウム原子を含有する金属酸化物を、クロム原料を水に溶解させて調製したクロム原子を含有する水溶液に浸漬させ、次いで、500〜750℃、好ましくは500〜600℃で焼成する方法が挙げられる。
本発明の酸化脱水素方法は、本発明の酸化脱水素触媒の存在下、400〜700℃で、炭化水素原料中に含まれる炭素数3〜5のパラフィン又は炭素数3〜5のモノオレフィンの酸化脱水素を行う酸化脱水素反応であり、該炭化水素原料が、炭素数3〜5のパラフィンを含む炭化水素原料、炭素数3〜5のモノオレフィンを含む炭化水素原料又は炭素数3〜5のパラフィンと炭素数3〜5のモノオレフィンを含む炭化水素原料であることを特徴とする酸化脱水素方法である。つまり、本発明の酸化脱水素方法は、炭素数3〜5のパラフィン又は炭素数3〜5のモノオレフィンとを含む炭化水素原料を原料にして、触媒として、本発明の酸化脱水素触媒を用いて、酸化脱水素反応を行うものである。
本発明の酸化脱水素方法に係る炭化水素原料は、本発明の酸化脱水素触媒に係る炭化水素原料と同様である。
酸化脱水素反応の反応温度は、400〜700℃、好ましくは450〜600℃、特に好ましくは500〜550℃である。酸化脱水素反応の反応温度が、上記範囲にあることにより、CO又はCOの生成及びコークの生成が少なく、且つ、モノオレフィン又は共役ジエンの選択率及び収率が高くなる。一方、酸化脱水素反応の反応温度が、上記範囲未満だと、転化率又はモノオレフィン若しくは共役ジエンの収率が低くなり、また、上記範囲を超えると、分解反応が進み過ぎて、CO又はCOの生成やコークの生成が多くなる。
本発明の酸化脱水素方法の形態例としては、例えば、触媒が充填されている固定床流通式反応装置を用いて、その反応装置に、加熱下、原料ガスを供給する方法が挙げられる。原料ガスは、例えば、パラフィン、あるいは、オレフィン、あるいは、パラフィン又はオレフィンを含む炭化水素と、酸素源と、窒素又はヘリウムとの混合ガスとして供給される。酸素源としては、純酸素又は空気が用いられる。原料ガスの供給量は、特に制限されず、触媒活性、触媒充填量、接触時間、圧力損失などにより、適宜調節される。原料ガスとして、パラフィン、あるいは、オレフィン、あるいは、パラフィン又はオレフィンを含む炭化水素と酸素の混合ガスを用いる場合、酸素過剰だと、パラフィン又はオレフィンの完全酸化によるCOの生成が多くなるため、酸素に対するパラフィン又はオレフィンの分圧比(パラフィン又はオレフィン/酸素)が0.5以上であることが好ましい。反応圧力は、特に制限されず、常圧、加圧のいずれでもよい。
本発明の酸化脱水素触媒を酸化脱水素反応の触媒として用いることにより、パラフィンから対応するオレフィン又は共役ジエンを、オレフィンから対応する共役ジエンを製造することができる。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
(実施例及び比較例)
(触媒の製造)
<触媒A>Al−O触媒
イオン交換水390mlに硝酸アルミニウム九水和物36.7911gを溶解した水溶液を、室温において250rpmの回転数で撹拌しながら、pHが9になるまで、2M水酸化カリウム水溶液を滴下し、アルミニウムの水酸化物を沈殿させた。更に1時間撹拌して反応を完結させた後、1時間静置の後、吸引ろ過により沈殿物を回収した。次いで、沈殿物にイオン交換水を加え撹拌することにより洗浄を行い、吸引ろ過して洗浄物を得、次いで、洗浄物を130℃で12時間乾燥した。次いで、乾燥物を空気中550℃で2時間焼成し、アルミニウムの酸化物を得た。得られたアルミニウムの酸化物を、乳鉢で粉砕した後、ふるい分けを行い、100メッシュ以下のものを得た。それらを成型器で固め、再び乳鉢で粉砕した後、ふるい分けを行い、20〜60メッシュのものを触媒Aとして得た。
<触媒B>Ni−Al−O(Ni/Al=0.05)触媒
イオン交換水390mlに硝酸ニッケル六水和物1.3932gと硝酸アルミニウム九水和物34.157gを溶解した水溶液を、室温において250rpmの回転数で撹拌しながら、pHが9になるまで、2M水酸化カリウム水溶液を滴下し、ニッケル及びアルミニウムを含む水酸化物を沈殿させた。更に1時間撹拌して反応を完結させた後、1時間静置の後、吸引ろ過により沈殿物を回収した。次いで、沈殿物にイオン交換水を加え撹拌することにより洗浄を行い、吸引ろ過して洗浄物を得、次いで、洗浄物を130℃で12時間乾燥した。次いで、乾燥物を空気中550℃で2時間焼成し、ニッケル及びアルミニウムを含む酸化物を得た。得られたニッケル及びアルミニウムの酸化物を、乳鉢で粉砕した後、ふるい分けを行い、100メッシュ以下のものを得た。それらを成型器で固め、再び乳鉢で粉砕した後、ふるい分けを行い、20〜60メッシュのものを触媒Bとして得た。
<触媒C>Ni−Al−O(Ni/Al=0.33)触媒
イオン交換水350mlに硝酸ニッケル六水和物6.3872gと硝酸アルミニウム九水和物24.719gを溶解した水溶液を使用した他は触媒Bの場合と同様に行い、触媒Cを得た。
<触媒D>Ni−Al−O(Ni/Al=1)触媒
イオン交換水320mlに硝酸ニッケル六水和物11.5696gと硝酸アルミニウム九水和物14.924gを溶解した水溶液を使用した他は触媒Bの場合と同様に行い、触媒Dを得た。
<触媒E>Ni−Al−O(Ni/Al=3)触媒
イオン交換水300mlに硝酸ニッケル六水和物15.8579gと硝酸アルミニウム九水和物6.8191gを溶解した水溶液を使用した他は触媒Bの場合と同様に行い、触媒Eを得た。
<触媒F>Ni−Al−O(Ni/Al=4)触媒
イオン交換水285mlに硝酸ニッケル六水和物16.6280gと硝酸アルミニウム九水和物5.3619gを溶解した水溶液を使用した他は触媒Bの場合と同様に行い、触媒Fを得た。
<触媒G>Ni−Al−O(Ni/Al=19)触媒
イオン交換水270mlに硝酸ニッケル六水和物18.7908gと硝酸アルミニウム九水和物1.276gを溶解した水溶液を使用した他は触媒Bの場合と同様に行い、触媒Gを得た。
<触媒H>Ni−O触媒
イオン交換水270mlに硝酸ニッケル六水和物19.4673gを溶解した水溶液を、室温において250rpmの回転数で撹拌しながら、pHが9になるまで、2M水酸化カリウム水溶液を滴下し、ニッケルの水酸化物を沈殿させた。更に1時間撹拌して反応を完結させた後、1時間静置の後、吸引ろ過により沈殿物を回収した。次いで、沈殿物にイオン交換水を加え撹拌することにより洗浄を行い、吸引ろ過して洗浄物を得、次いで、洗浄物を130℃で12時間乾燥した。次いで、乾燥物を空気中550℃で2時間焼成し、ニッケルの酸化物を得た。得られたニッケルの酸化物を、乳鉢で粉砕した後、ふるい分けを行い、100メッシュ以下のものを得た。それらを成型器で固め、再び乳鉢で粉砕した後、ふるい分けを行い、20〜60メッシュのものを触媒Hとして得た。
<触媒I>Ni−Al−O(Ni/Al=3)触媒
乾燥物の空気中焼成温度を500℃とした他は触媒Eの場合と同様に行い、触媒Iを得た。
<触媒J>Ni−Al−O(Ni/Al=3)触媒
乾燥物の空気中焼成温度を650℃とした他は触媒Eの場合と同様に行い、触媒Jを得た。
<触媒K>Ni−Al−O(Ni/Al=3)触媒
乾燥物の空気中焼成温度を750℃とした他は触媒Eの場合と同様に行い、触媒Kを得た。
<触媒L>Ni−Al−Cr−O(Ni/Al=3、Cr=5質量%、共沈法)触媒
イオン交換水290mlに硝酸ニッケル六水和物15.0812gと硝酸アルミニウム九水和物6.4258gと硝酸クロム九水和物1.3322gとを溶解した水溶液を、室温において250rpmの回転数で撹拌しながら、pHが9になるまで、2M水酸化カリウム水溶液を滴下し、ニッケル、アルミニウム及びクロムを含む水酸化物を沈殿させた。更に1時間撹拌して反応を完結させた後、1時間静置の後、吸引ろ過により沈殿物を回収した。次いで、沈殿物にイオン交換水を加え撹拌することにより洗浄を行い、吸引ろ過して洗浄物を得、次いで、洗浄物を130℃で12時間乾燥した。次いで、乾燥物を空気中550℃で2時間焼成し、ニッケル、アルミニウム及びクロムを含む酸化物を得た。得られたニッケル、アルミニウム及びクロムの酸化物を、乳鉢で粉砕した後、ふるい分けを行い、100メッシュ以下のものを得た。それらを成型器で固め、再び乳鉢で粉砕した後、ふるい分けを行い、20〜60メッシュのものを触媒Lとして得た。
<触媒M>Ni−Al−Cr−O(Ni/Al=3、Cr=5質量%、含浸法)触媒
イオン交換水300mlに硝酸ニッケル六水和物15.8584gと硝酸アルミニウム九水和物6.8194gを溶解した水溶液を、室温において250rpmの回転数で撹拌しながら、pHが9になるまで、2M水酸化カリウム水溶液を滴下し、ニッケル及びアルミニウムを含む水酸化物を沈殿させた。更に1時間撹拌して反応を完結させた後、1時間静置の後、吸引ろ過により沈殿物を回収した。次いで、沈殿物にイオン交換水を加え撹拌することにより洗浄を行い、吸引ろ過して洗浄物を得、次いで、洗浄物を130℃で12時間乾燥した。次いで、乾燥物を空気中550℃で2時間焼成し、ニッケル及びアルミニウムを含む酸化物を得た。得られたニッケル及びアルミニウムの酸化物を、乳鉢で粉砕した後、ふるい分けを行い、100メッシュ以下のものを得た。次いで、得られた酸化物1.002gを、イオン交換水70mlに硝酸クロム九水和物0.2774gを溶解した水溶液に浸漬して、40℃で1時間撹拌した。次いで、減圧蒸発乾固させ、得られた蒸発乾固物を130℃で12時間乾燥した後、550℃で2時間焼成し、焼成物を得た。得られた焼成物のふるい分けを行い、20〜60メッシュのものを触媒Mとして得た。
<分析方法>
1)触媒中のニッケルとアルミニウムの原子換算のモル比(Ni/Al)、2)ニッケルのNiO換算量、アルミニウムのAl換算量及びクロムのCr換算量の合計に対するクロムのCr換算量の割合((Cr換算量/(NiO換算量+Al換算量+Cr換算量))×100)を、ICP発光分光分析により求めた。
(酸化脱水素反応)
<反応条件>
触媒A〜Mの活性評価を、常圧固定床流通式反応装置を用いて以下のようにして行った。
20〜60メッシュにそろえた触媒0.1gと、石英砂(20〜60メッシュ)を0.9g混合し、反応装置に充填した。次いで、反応装置に、n−C10、O及びHeの混合ガス(n−C10:O:He=1:1:10、全流量150ml/分)を流通させ、所定の反応温度(500℃又は550℃)まで昇温した。次いで、所定温度に到達してから1時間後に、反応ガスをサンプリングした。反応ガスの分析には、TCDガスクロマトグラフ(島津製作所GC−8A)を用いて、C1成分を活性炭、C2〜C7成分をVZ−7充填剤により分析した。その結果を、表1〜表2及び表4〜表6に示す。
なお、表1〜表2及び表4〜表6中、「金属種」とは、触媒に含有されている金属原子の種類のことであり、「Ni/Alモル比」とは、触媒中の原子換算のアルミニウム原子のモル数に対するニッケル原子のモル数の比であり、Cr量とは、ニッケルのNiO換算量、アルミニウムのAl換算量及びクロムのCr換算量の合計に対するクロムのCr換算量の割合(質量%)である。
<評価>
n−ブタン転化率、CO、CO、ブテン及びブタジエン選択率、ブテン及びブタジエン収率を、以下のようにして計算した。
転化率(%)=((サンプリングガスの全炭素モル数(モル/分)−未反応n−ブタンの炭素数(モル/分))/サンプリングガスの全炭素モル数(モル/分))×100
選択率(%)=(各生成物の炭素モル数(モル/分)/(サンプリングガスの全炭素モル数(モル/分)−未反応n−ブタンの炭素数(モル/分)))×100
*式中、各生成物の炭素モル数とは、選択率の対象となるCO、CO、ブテン、ブタジエンのそれぞれの炭素モル数である。
ブタジエン収率(%)=(ブタジエンの炭素モル数(モル/分)/サンプリングガスの全炭素モル数(モル/分))×100
ブテン収率(%)=(ブテンの炭素モル数(モル/分)/サンプリングガスの全炭素モル数(モル/分))×100
なお、上記計算式における各成分のモル数については、反応装置の出口ラインに接続した石鹸膜流量計により、ガス流量(ml/分)を測定し、これに各成分の単位体積当たりのモル数をかけることにより算出した。
(H−TPR測定)
触媒中のNiの還元度合いを測定するためのH−TPR測定を、以下のように行った。測定はパルス反応装置(装置名)を用い、サンプル量はNiOとして30mgになるように触媒を秤量し石英管に充填した。550℃He気流下、30分保持することにより前処理を行い、室温まで放冷したのち、水素をパルスで供給しながら、10℃/分の昇温速度で700℃まで昇温することにより水素消費量を測定した。測定結果から、触媒中のニッケルの還元度を次のように求めた。等モルのHとNiOが反応することによりNiに還元されるとし、消費した水素量と還元されたニッケル量が等しいことから、還元されたニッケル量を触媒中に存在するニッケル量で割ることによりニッケルの還元度を算出した。結果を表3に示す。
Figure 0006119017
Figure 0006119017
表1及び表2より、Ni原子とAl原子を含有する触媒は、ブテン及びブタジエンの選択性が高かった。
Figure 0006119017
表3より、ニッケルの還元度は、Al原子を含まない触媒(触媒H)では触媒中の99%のニッケルが還元されたのに対し、Al原子を含む触媒(触媒D)では29%であった。このことからAl原子を含む触媒ではAl原子を含まない触媒に比べ還元され難く、ニッケルとアルミニウムが固溶することでニッケルの還元性が低下し、酸化脱水素反応において反応に関与するニッケル酸化物中の格子酸素の放出が抑制されることで過剰な酸化能が抑制され、ブテン又はブタジエン選択性が向上したと考えられる。
Figure 0006119017
Figure 0006119017
Figure 0006119017

Claims (1)

  1. 金属原子として、アルミニウム原子及びニッケル原子のみを含有する水溶液、又は金属原子として、アルミニウム原子、ニッケル原子及びクロム原子のみを含有する水溶液と、塩基とを混合して反応させて、反応生成物を得、次いで、得られた反応生成物を、500〜600℃で焼成することにより、酸化脱水素触媒を得ることを特徴とする酸化脱水素触媒の製造方法。
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