JP6404627B2 - 酸化脱水素触媒、酸化脱水素触媒の製造方法及び酸化脱水素方法 - Google Patents

酸化脱水素触媒、酸化脱水素触媒の製造方法及び酸化脱水素方法 Download PDF

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Description

本発明は、酸化脱水素用の触媒及びその触媒の製造方法、並びにその触媒を用いた炭化水素の酸化脱水素方法に関する。詳しくは、炭素数が3〜5のn−パラフィン又は炭素数3〜5のn−モノオレフィンを含む炭化水素を酸素の存在下に酸化脱水素して、対応するモノオレフィン又は共役ジエンを製造するための酸化脱水素触媒及びその触媒の製造方法、並びにその触媒を用いた炭化水素の酸化脱水素方法に関する。
低級炭化水素の脱水素方法としては単純脱水素プロセスが工業化されているが、このプロセスは平衡の制約から、高収率で目的生成物を得ることは困難であり、且つ高温が必要である。さらにコーク析出による失活が大きく、触媒再生を頻繁に行う必要があるという問題があった。
一方、平衡上制約がない酸化脱水素方法により、低級パラフィンや低級オレフィンから、低級オレフィン又は共役ジエンを製造する試みが以前から行われており、酸化脱水素により低級アルカンからの低級オレフィンまたは共役ジエンを製造する触媒は種々提案されている。例えば、エタンからのエチレン製造触媒としてニッケル−ニオブ酸化物系触媒(例えば、特許文献1)、プロパンからのプロピレン製造触媒としてバナジウム−マグネシウム酸化物系触媒(例えば、特許文献2)、n−ブタンからのブテン、ブタジエン製造触媒としてモリブデン−マグネシウム酸化物系触媒(例えば、特許文献3)などが知られている。しかしながら、これら公知の触媒は、酸化脱水素の性能が低く、工業化に用いることはできないような低性能のものであった。
また、脱水素反応により低級アルカンや低級オレフィンから共役ジエンを製造する方法も種々検討されている。例えば、1,3−ブタジエンの製造方法として、モリブデン−マグネシウム酸化物触媒等を用いたn−ブタンからの酸化脱水素により1,3−ブタジエンを製造する方法(例えば、特許文献3)や、クロミア−アルミナ触媒を用いたブタン・ブテンの単純脱水素によって1,3−ブタジエンを製造する方法(例えば、非特許文献1)、Fe−Cr−KCO触媒を用いたブテンの単純脱水素によって1,3−ブタジエンを製造する方法(例えば、特許文献4)が検討されてきた。このうち、ブタン・ブテンの単純脱水素による方法が商業化されたが、コーク失活が大きく、触媒再生を頻繁に行う必要があるという問題があった。
また、近年、ビスマス−モリブデン触媒を用いたn−ブテンを酸化脱水素することによりブタジエンを製造する方法(例えば、特許文献5)が検討されている。しかしながら、ビスマス−モリブデン触媒は、反応活性と1,3−ブタジエン収率は高いが、触媒系が複雑なことから商業規模での調整が困難であるという問題があった。
US7227049B2 特開2009−39679号公報 特開平3−74335号公報 特開昭56−21652号公報 特開2010−90082号公報
G.F.Hornaday,Petroleum Engr.,26,No.11,C−7(1954)
従って、本発明の目的は、ブタン等のn−パラフィン又はi−パラフィンを含む炭化水素原料の酸化脱水素反応により、ブテン等のn−モノオレフィン又はi−モノオレフィンや、1,3−ブタジエン等の共役ジエンを得る酸化脱水素反応、又はブテン等のn−モノオレフィン又はi−モノオレフィンを含む炭化水素原料の酸化脱水素反応により、1,3−ブタジエン等の共役ジエンを得る酸化脱水素反応において、優れた触媒活性を示す酸化脱水素触媒を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術における課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、バナジウム、マグネシウム及びモリブデンを必須成分として含み、且つ、これらの金属成分の比率が特定の比率である酸化脱水素触媒が、パラフィン及びモノオレフィンを酸化脱水素して、対応するモノオレフィン又は共役ジエンを得る酸化脱水素反応において、優れた触媒活性を示すことを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明(1)は、炭化水素原料中に含まれる炭素数3〜5のパラフィン又は炭素数3〜5のモノオレフィンの酸化脱水素を行うための酸化脱水素触媒であり、
該炭化水素原料が、炭素数3〜5のパラフィンを含む炭化水素原料、炭素数3〜5のモノオレフィンを含む炭化水素原料又は炭素数3〜5のパラフィンと炭素数3〜5のモノオレフィンとを含む炭化水素原料であり、
該酸化脱水素触媒が、バナジウム原子と、マグネシウム原子と、モリブデン原子と、を含有し、且つ、バナジウム、マグネシウム及びモリブデンの原子換算の合計モル数に対するモリブデンの原子換算のモル数の割合((Mo/(V+Mg+Mo))×100)が0.3〜1.8モル%であり、
X線回折分析において、2θ=42.9〜43.1°の回折ピークのピークトップの強度(a)に対する2θ=23.0〜23.2°の回折ピークのピークトップの強度(x)の相対強度比(x/a)が0.04以下であり、
粉状又は粒状であるか、あるいは、粉状又は粒状の該酸化脱水素触媒の成形体であるか、あるいは、粉状又は粒状の該酸化脱水素触媒とバインダーとの成形体であること、
を特徴とする酸化脱水素触媒を提供するものである。
また、本発明(2)は、炭化水素原料中に含まれるn−ブタンから酸化脱水素反応によってn−ブテン及び1,3−ブタジエンを製造するための酸化脱水素触媒であり、
該酸化脱水素触媒が、バナジウム原子と、マグネシウム原子と、モリブデン原子と、を含有し、且つ、バナジウム、マグネシウム及びモリブデンの原子換算の合計モル数に対するモリブデンの原子換算のモル数の割合((Mo/(V+Mg+Mo))×100)が0.3〜1.8モル%であり、
X線回折分析において、2θ=42.9〜43.1°の回折ピークのピークトップの強度(a)に対する2θ=23.0〜23.2°の回折ピークのピークトップの強度(x)の相対強度比(x/a)が0.04以下であり、
粉状又は粒状であるか、あるいは、粉状又は粒状の該酸化脱水素触媒の成形体であるか、あるいは、粉状又は粒状の該酸化脱水素触媒とバインダーとの成形体であること、
を特徴とする酸化脱水素触媒を提供するものである。
また、本発明(3)は、バナジウム源、マグネシウム源及びモリブデン源が水に溶解又は分散されている原料混合液を調製し、次いで、該原料混合液中の水を蒸発させて除去して、原料混合物粉体を得、次いで、該原料混合物粉体を焼成することにより、粉状又は粒状の酸化脱水素触媒を得ることを特徴とする酸化脱水素触媒の製造方法を提供するものである。
また、本発明(4)は、本発明(1)の酸化脱水素触媒の存在下、400〜700℃で、炭化水素原料中に含まれる炭素数3〜5のパラフィン又は炭素数3〜5のモノオレフィンの酸化脱水素を行う酸化脱水素反応であり、該炭化水素原料が、炭素数3〜5のパラフィンを含む炭化水素原料、炭素数3〜5のモノオレフィンを含む炭化水素原料又は炭素数3〜5のパラフィンと炭素数3〜5のモノオレフィンとを含む炭化水素原料であることを特徴とする酸化脱水素方法を提供するものである。
本発明によれば、ブタン等のn−パラフィン又はi−パラフィンを含む炭化水素原料の酸化脱水素反応により、ブテン等のn−モノオレフィン又はi−モノオレフィンや、1,3−ブタジエン等の共役ジエンを得る酸化脱水素反応、又はブテン等のn−モノオレフィン又はi−モノオレフィンを含む炭化水素原料の酸化脱水素反応により、1,3−ブタジエン等の共役ジエンを得る酸化脱水素反応において、優れた触媒活性を示す酸化脱水素触媒を提供することができる。
触媒AのXRDチャートである。 触媒BのXRDチャートである。 触媒CのXRDチャートである。 触媒DのXRDチャートである。 触媒EのXRDチャートである。
本発明の酸化脱水素触媒は、炭化水素原料中に含まれる炭素数3〜5のパラフィン又は炭素数3〜5のモノオレフィンの酸化脱水素を行うための酸化脱水素触媒であり、
該炭化水素原料が、炭素数3〜5のパラフィンを含む炭化水素原料、炭素数3〜5のモノオレフィンを含む炭化水素原料又は炭素数3〜5のパラフィンと炭素数3〜5のモノオレフィンとを含む炭化水素原料であり、
該酸化脱水素触媒が、バナジウム原子と、マグネシウム原子と、モリブデン原子と、を含有し、且つ、バナジウム、マグネシウム及びモリブデンの原子換算の合計モル数に対するモリブデンの原子換算のモル数の割合((Mo/(V+Mg+Mo))×100)が0.3〜1.8モル%であること、
を特徴とする酸化脱水素触媒である。
本発明の酸化脱水素触媒は、炭素数3〜5のパラフィン又は炭素数3〜5のモノオレフィンを酸化的に脱水素する酸化脱水素反応用の触媒である。炭化水素原料には、炭素数3〜5のパラフィンを含み炭素数3〜5のモノオレフィンを含まないもの、炭素数3〜5のモノオレフィンを含み炭素数3〜5のパラフィンを含まないもの、炭素数3〜5のパラフィンと炭素数3〜5のモノオレフィンの両方を含むものがある。炭化水素原料に含まれる炭素数3〜5のn−パラフィンとしては、プロパン、n−ブタン、n−ペンタンが挙げられ、炭素数3〜5のi−パラフィンとしては、i−ブタン、i−ペンタンが挙げられ、炭素数3〜5のn−モノオレフィンとしては、n−ブテン、n−ペンテンが挙げられ、炭素数3〜5のi−モノオレフィンとしては、i−ペンテンが挙げられる。パラフィンとしてはn−ブタンが好ましく、モノオレフィンとしてはn−ブテンが好ましい。特に、本発明の酸化脱水素触媒は、n−ブタンを酸化脱水素してn−ブテン及び1,3−ブタジエンを得る酸化脱水素反応において、有利に用いられる。
炭化水素原料は、炭素数3〜5のパラフィン及び炭素数3〜5のモノオレフィン以外の炭化水素を含んでいてもよい。炭化水素原料中の炭素数3〜5のパラフィン及び炭素数3〜5のモノオレフィンの含有量は、特に制限されないが、85質量%以上、好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上である。なお、炭化水素原料中の炭素数3〜5のパラフィン及び炭素数3〜5のモノオレフィンの含有量とは、炭化水素原料が炭素数3〜5のパラフィンを含み炭素数3〜5のモノオレフィンを含まない場合は、炭素数3〜5のパラフィンの合計含有量を指し、炭化水素原料が炭素数3〜5のモノオレフィンを含み炭素数3〜5のパラフィンを含まない場合は、炭素数3〜5のモノオレフィンの合計含有量を指し、炭化水素原料が炭素数3〜5のパラフィン及び炭素数3〜5のモノオレフィンの両方を含む場合は、炭素数3〜5のパラフィン及び炭素数3〜5のモノオレフィンの合計含有量を指す。
本発明の酸化脱水素触媒を用いて、炭素数3〜5のn−パラフィン又は炭素数3〜5のn−モノオレフィンの酸化脱水素を行い、対応するn−モノオレフィン又は共役ジエンを生成させる場合、炭化水素原料中の炭素数3〜5のn−パラフィン及び炭素数3〜5のn−モノオレフィンの含有量は、30質量%以上、好ましくは40質量%以上、特に好ましくは50質量%以上である。この場合、炭化水素原料中には、炭素数3〜5のn−パラフィン及び炭素数3〜5のn−モノオレフィン以外の炭化水素が含まれていてもよい。なお、炭化水素原料中の炭素数3〜5のn−パラフィン及び炭素数3〜5のn−モノオレフィンの含有量とは、炭化水素原料が炭素数3〜5のn−パラフィンを含み炭素数3〜5のn−モノオレフィンを含まない場合は、炭素数3〜5のn−パラフィンの合計含有量を指し、炭化水素原料が炭素数3〜5のn−モノオレフィンを含み炭素数3〜5のn−パラフィンを含まない場合は、炭素数3〜5のn−モノオレフィンの合計含有量を指し、炭化水素原料が炭素数3〜5のn−パラフィン及び炭素数3〜5のn−モノオレフィンの両方を含む場合は、炭素数3〜5のn−パラフィン及び炭素数3〜5のn−モノオレフィンの合計含有量を指す。
本発明の酸化脱水素触媒は、パラフィン又はモノオレフィンを酸化脱水素して、共役ジエンを得る酸化脱水素反応用の触媒として、好適に用いられる。製造目的とする共役ジエンが1,3−ブタジエンの場合、1,3−ブタジエンの原料はn−ブタン又はn−ブテンであるので、この場合、炭化水素原料中のn−ブタン及びn−ブテンの含有量は、30質量%以上、好ましくは40質量%以上、特に好ましくは50質量%以上である。なお、炭化水素原料中のn−ブタン及びn−ブテンの含有量とは、炭化水素原料がn−ブタンを含みn−ブテンを含まない場合は、n−ブタンの含有量を指し、炭化水素原料がn−ブテンを含みn−ブタンを含まない場合は、n−ブテンの含有量を指し、炭化水素原料がn−ブタン及びn−ブテンの両方を含む場合は、n−ブタン及びn−ブテンの合計含有量を指す。また、製造目的とする共役ジエンがイソプレンの場合、イソプレンの原料はi−ペンタン又はi−ペンテンであるので、この場合、炭化水素原料中のi−ペンタン及びi−ペンテンの含有量は、30質量%以上、好ましくは40質量%以上、特に好ましくは50質量%以上である。なお、炭化水素原料中のi−ペンタン及びi−ペンテンの含有量とは、炭化水素原料がi−ペンタンを含みi−ペンテンを含まない場合は、i−ペンタンの含有量を指し、炭化水素原料がi−ペンテンを含みi−ペンタンを含まない場合は、i−ペンテンの含有量を指し、炭化水素原料がi−ペンタン及びi−ペンテンの両方を含む場合は、i−ペンタン及びi−ペンテンの合計含有量を指す。
炭化水素原料としては、特に制限されないが、例えば、石油精製プロセスにおいて、常圧蒸留で得られるC3混合物、C4混合物、C5混合物、流動接触分解によって生産されたC3混合物、C4混合物、改質反応によって得られるC3混合物、C4混合物、C5混合物や、石油化学プロセスにおいてナフサ分解によって生産されたC4混合物、C5混合物から共役ジエンを抽出等により分離して残ったC4ラフィネート、C5ラフィネート等が挙げられる。また、本発明の酸化脱水素触媒を用いて炭化水素原料の酸化脱水素を行い得られる反応生成物から、目的とする成分を取り出した後の回収液も、炭化水素原料として挙げられる。また、炭化水素原料を、そのまま酸化脱水素反応に供しても、これらの炭化水素原料からプロパン、n−ブタン、n−ブテン、i−ペンタン、i−ペンテンを予め分離し、酸化脱水素反応に供してもよい。
本発明の酸化脱水素触媒は、バナジウム原子と、マグネシウム原子と、モリブデン原子と、を含有する。本発明の酸化脱水素触媒は、バナジウムと、マグネシウムと、モリブデンとを共存させることにより、ブテン等のn−オレフィン又はブタジエン等の共役ジエンの選択性が高くなる。
本発明の酸化脱水素触媒中、バナジウム、マグネシウム及びモリブデンの原子換算の合計モル数に対するモリブデンの原子換算のモル数の割合((Mo/(V+Mg+Mo))×100)は、0.3〜1.8モル%、好ましくは0.5〜1.6モル%、特に好ましくは0.6〜1.2モル%である。本発明の酸化脱水素触媒中のバナジウム、マグネシウム及びモリブデンの原子換算の合計モル数に対するモリブデンの原子換算のモル数の割合が、上記範囲内にあることにより、モノオレフィン又は共役ジエンの選択性及び収率が高くなる。一方、本発明の酸化脱水素触媒中の、バナジウム、マグネシウム及びモリブデンの原子換算の合計モル数に対するモリブデンの原子換算のモル数の割合が、上記範囲未満だと、燃焼反応が抑制されず、CO又はCOの生成が多くなり、また、上記範囲を超えると、分解反応が進行し、分解生成物が多くなる。
本発明の酸化脱水素触媒中、マグネシウムの原子換算のモル数に対するモリブデンの原子換算のモル数の割合((Mo/Mg)×100)は、好ましくは0.2〜8.0モル%、より好ましくは0.3〜2.2モル%、さらに好ましくは0.7〜2.0モル%、特に好ましくは1.0〜1.5モル%である。本発明の酸化脱水素触媒中のマグネシウムの原子換算のモル数に対するモリブデンの原子換算のモル数の割合が、上記範囲内にあることにより、モノオレフィン又は共役ジエンの選択性及び収率が高くなる。
本発明の酸化脱水素触媒中、バナジウムの原子換算のモル数に対するモリブデンの原子換算のモル数の割合((Mo/V)×100)は、好ましくは1.0〜12.0モル%、特に好ましくは2.0〜10.0モル%、より好ましくは4.0〜8.0モル%である。本発明の酸化脱水素触媒中のバナジウムの原子換算のモル数に対するモリブデンの原子換算のモル数の割合が、上記範囲内にあることにより、モノオレフィン又は共役ジエンの選択性及び収率が高くなる。
本発明の酸化脱水素触媒中、バナジウム、マグネシウム及びモリブデンの原子換算の合計モル数に対するバナジウム及びマグネシウムの原子換算の合計モル数の割合(((V+Mg)/(V+Mg+Mo))×100)は、好ましくは98.2〜99.7モル%、特に好ましくは98.4〜99.5モル%、より好ましくは98.8〜99.4モル%である。本発明の酸化脱水素触媒中のバナジウム、マグネシウム及びモリブデンの原子換算の合計モル数に対するバナジウム及びマグネシウムの原子換算の合計モル数の割合が、上記範囲内にあることにより、モノオレフィン又は共役ジエンの選択性及び収率が高くなる。
本発明の酸化脱水素触媒中、マグネシウムの原子換算のモル数に対するバナジウムの原子換算のモル数の割合((V/Mg)×100)は、好ましくは2.0〜30.0モル%、特に好ましくは5.0〜25.0モル%、より好ましくは10.0〜20.0モル%である。本発明の酸化脱水素触媒中のマグネシウムの原子換算のモル数に対するバナジウムの原子換算のモル数の割合が、上記範囲内にあることにより、モノオレフィン又は共役ジエンの選択性及び収率が高くなる。
本発明の酸化脱水素触媒では、バナジウム原子、マグネシウム原子及びモリブデン原子は、単一金属の酸化物の状態で、あるいは、これらの2種の金属からなる複合酸化物の状態で、あるいは、単一金属の酸化物と複合酸化物の両方状態で、存在している。つまり、本発明の酸化脱水素触媒では、各金属原子がどのような状態又は構造で金属酸化物を形成しているかは、特に制限されず、例えば、(i)バナジウムとマグネシウムとモリブデンの複合酸化物であっても、(ii)マグネシウムの酸化物にバナジウムとマグネシウムとモリブデンの複合酸化物が担持されたものであっても、(iii)バナジウムとマグネシウムの複合酸化物に、モリブデンの酸化物が担持されたものであっても、(iv)マグネシウムの酸化物に、バナジウムとマグネシウムの複合酸化物とモリブデンの酸化物が担持されたものであっても、(v)(i)〜(iv)の混合物であってもよい。
バナジン酸マグネシウムは、複合酸化物であり、オルト体(Mg)、ピロ体及びメタ体が存在する。本発明の酸化脱水素触媒は、マグネシウムの酸化物とバナジン酸マグネシウム複合酸化物とモリブデンの酸化物とを含有することが好ましく、マグネシウムの酸化物とオルトバナジン酸マグネシウム複合酸化物とモリブデンの酸化物とを含有することが特に好ましい。また、上記(i)〜(v)において、バナジウムとマグネシウムとの複合酸化物としては、オルトバナジン酸マグネシウム複合酸化物が好ましい。
本発明の酸化脱水素触媒は、X線回折分析において、2θ=42.9〜43.1°の回折ピークのピークトップの強度(a)に対する2θ=23.0〜23.2°の回折ピークのピークトップの強度(x)の相対強度比(x/a)が、0.1以下、好ましくは0.08以下、特に好ましくは0.04以下である。X線回折分析における2θが42.9〜43.1°の回折ピーク(a)は、MgOの(200)面に由来する回折ピークであり、また、X線回折分析における2θが23.0〜23.2°の回折ピーク(x)は、MgMoOの(0−12)面に由来する回折ピークである。なお、相対強度比(x/a)は、回折ピークのピーク高さ比である。
バナジウムとマグネシウムとモリブデンを金属成分として含有する金属酸化物の製造において、先に、バナジン酸マグネシウム複合酸化物を製造し、得られたバナジン酸マグネシウム複合酸化物に、モリブデン化合物の溶液を含浸させて、次いで、モリブデン化合物溶液が含浸されたバナジン酸マグネシウム複合酸化物を焼成することにより、バナジウムとマグネシウムとモリブデンを金属成分として含有する金属酸化物を製造した場合(以下、「バナジン酸マグネシウム複合酸化物への含浸によるMo担持方法」とも記載する。)、得られる金属酸化物のX線回折分析チャートには、2θ=19.34°((110)面)、23.05°((0−12)面)、26.45°((1−21)面)近辺に、MgMoOに由来する回折ピークが観察される。それに対して、以下に述べる本発明の酸化脱水素触媒の製造方法により、金属酸化物を製造した場合、得られる金属酸化物のX線回折チャートには、2θ=19.34°、23.05°、26.45°近辺には、回折ピークが全く観察されないか、あるいは、2θ=19.34°、23.05°、26.45°近辺に回折ピークが観察されたとしても、非常に小さい。つまり、本発明の酸化脱水素触媒の製造方法により得られる金属酸化物(酸化脱水素触媒)は、上記バナジン酸マグネシウム複合酸化物への含浸によるMo担持方法により得られる金属酸化物とは、結晶構造が異なる。
なお、本発明において、X線回折分析(XRD)の測定条件は、以下の通りである。相対強度比(x/a)は、回折ピークのピーク高さ比である。
<測定条件>
線源:CuKα
管電圧:40kV
管電流:40mA
サンプリング幅:0.02°
走査速度:2°/分
本発明の酸化脱水素触媒は、主として、バナジウム原子と、マグネシウム原子と、モリブデン原子と、酸素原子と、からなる化合物であるが、本発明の酸化脱水素触媒は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の金属原子を含んでいてもよい。また、本発明の酸化脱水素触媒は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記金属原子以外を不純物として含有することは許容される。
本発明の酸化脱水素触媒は、粉状又は粒状の金属酸化物であるが、そのような粉状又は粒状の本発明の酸化脱水素触媒を、粉状又は粒状のまま用いてもよいし、あるいは、粉状又は粒状の本発明の酸化脱水素触媒を、圧縮成形等により成形して、成形体として用いてもよいし、あるいは、粉状又は粒状の本発明の酸化脱水素触媒を、バインダーを用いて成形して、成形体として用いてもよい。
本発明の酸化脱水素触媒が、バインダーを用いて成形された成形体として用いられる場合、成形体全体の質量に対するバナジウムのV換算量、マグネシウムのMgO換算量及びモリブデンのMoO換算量の合計の割合(((V換算量+MgO換算量+MoO換算量)/成形体全質量)×100)は、好ましくは50質量%以上、特に好ましくは70質量%で以上ある。成形体全体の質量に対するバナジウムのV換算量、マグネシウムのMgO換算量及びモリブデンのMoO換算量の合計の割合が上記範囲にあることにより、モノオレフィン又は共役ジエンの選択率及び収率が高くなる。なお、本発明において、バナジウムのV換算量とは、成形体中に含有されているバナジウム原子が、全てVとして存在しているとして計算した場合のVの質量を指し、また、マグネシウムのMgO換算量とは、成形体中に含有されているマグネシウム原子が、全てMgOとして存在しているとして計算した場合のMgOの質量を指し、また、モリブデンのMoO換算量とは、成形体中に含有されているモリブデン原子が、全てMoOとして存在しているとして計算した場合のMoOの質量を指す。
本発明の酸化脱水素触媒が、バインダーを用いて成形された成形体として用いられる場合、成形体中の全金属原子の原子換算の合計モル数に対するバナジウム、マグネシウム及びモリブデンの原子換算の合計モル数の割合(((V+Mg+Mo)/成形体中の全金属原子)×100)は、好ましくは60モル%以上、特に好ましくは80モル%以上である。成形体中の全金属原子の原子換算の合計モル数に対するバナジウム、マグネシウム及びモリブデンの原子換算の合計モル数の割合が上記範囲にあることにより、モノオレフィン又は共役ジエンの選択率及び収率が高くなる。
本発明の酸化脱水素触媒は、以下に述べる本発明の酸化脱水素触媒の製造方法により、好適に製造される。
本発明の酸化脱水素触媒の製造方法は、バナジウム源と、マグネシウム源と、モリブデン源と、が水に溶解又は分散されている原料混合液を調製し、次いで、得られた原料混合液中の水を蒸発させて除去して、原料混合物粉体を得、次いで、得られた原料混合物粉体を焼成することを特徴とする酸化脱水素触媒の製造方法である。
本発明の酸化脱水素触媒の製造方法では、先ず、バナジウム源と、マグネシウム源と、モリブデン源と、が水に溶解又は分散されている原料混合液を調製する。
バナジウム源、マグネシウム源、モリブデン源とは、酸化脱水素触媒を構成する金属原子の供給源となる金属原子源であり、バナジウム、マグネシウム、モリブデンを含有する化合物である。このような金属原子源としては、例えば、バナジウム、マグネシウム、モリブデンの塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、アンモニウム塩や、これらの金属原子のうちの2種以上からなる複合塩等が挙げられる。
原料混合液を調製する方法としては、特に制限されず、各金属原子源を水に直接添加して撹拌混合してもよいし、あるいは、金属原子源を水に溶解又は分散させたものを水に添加して撹拌混合してもよい。原料混合液の調製の際には、必要に応じて、40〜60℃で加熱しながら撹拌混合を行う。
原料混合液中の各金属原子の含有量は、製造目的とする酸化脱水素触媒を構成する各金属原子のモル比により、適宜選択される。
本発明の酸化脱水素触媒の製造方法では、次いで、得られた原料混合液中の水を蒸発させて水を除去して、原料混合物粉体を得る。原料混合液中の水を蒸発させる方法としては、特に制限されず、常圧下又は減圧下で、原料混合液を加熱する方法が挙げられる。原料混合液中の水の蒸発を常圧下で行う場合、加熱温度は、特に制限されないが、好ましくは50〜150℃である。原料混合液中の水の蒸発を減圧下で行う場合、加熱温度は減圧度等に応じて、適宜選択される。また、水の蒸発操作を行った後、必要に応じて、乾燥を行うことができる。乾燥の際の乾燥温度は、特に制限されないが、好ましくは60〜150℃であり、また、乾燥時間は、6〜48時間程度であればよい。
本発明の酸化脱水素触媒の製造方法では、次いで、得られた原料混合物粉体を焼成して、酸化脱水素触媒を得る。焼成温度は、特に制限されないが、好ましくは400〜900℃、特に好ましくは500〜800℃である。焼成時間は、特に制限されないが、好ましくは3〜30時間である。原料混合物粉体の焼成では、一度焼成した物を、同じ温度又は異なる温度で焼成することにより、焼成を複数回行ってもよい。ただし、高温での焼成による触媒のシンタリングによる影響を考慮すれば、焼成の最高温度は、750℃以下が好ましい。
原料混合物粉体の焼成においては、焼成中に焼成対象を十分に磨砕して、焼成時の触媒成分の不均一化を抑制することが好ましい。磨砕には、乳鉢、ボールミル等が用いられ、手動式/自動式のいずれも使用可能である。
本発明の酸化脱水素方法は、本発明の酸化脱水素触媒の存在下、400〜700℃で、炭化水素原料中に含まれる炭素数3〜5のパラフィン又は炭素数3〜5のモノオレフィンの酸化脱水素を行う酸化脱水素反応であり、該炭化水素原料が、炭素数3〜5のパラフィンを含む炭化水素原料、炭素数3〜5のモノオレフィンを含む炭化水素原料又は炭素数3〜5のパラフィンと炭素数3〜5のモノオレフィンを含む炭化水素原料であることを特徴とする酸化脱水素方法である。つまり、本発明の酸化脱水素方法は、炭素数3〜5のパラフィン又は炭素数3〜5のモノオレフィンを含む炭化水素原料を原料にして、触媒として、本発明の酸化脱水素触媒を用いて、酸化脱水素反応を行うものである。
本発明の酸化脱水素方法に係る炭化水素原料は、本発明の酸化脱水素触媒に係る炭化水素原料と同様である。
本発明の酸化脱水素方法における酸化脱水素反応の反応温度は、400〜700℃、好ましくは500〜700℃、特に好ましくは600〜675℃である。酸化脱水素反応の反応温度が、上記範囲にあることにより、CO又はCOの生成及びコークの生成が少なく、且つ、モノオレフィン又は共役ジエンの選択率及び収率が高くなる。一方、酸化脱水素反応の反応温度が、上記範囲未満だと、転化率又はモノオレフィン若しくは共役ジエンの収率が低くなり、また、上記範囲を超えると、分解反応が進み過ぎて、CO又はCOの生成やコークの生成が多くなる。
本発明の酸化脱水素方法の形態例としては、例えば、触媒が充填されている固定床流通式反応装置を用いて、その反応装置に、加熱下、原料ガスを供給する方法が挙げられる。原料ガスは、例えば、パラフィン、あるいは、オレフィン、あるいは、パラフィン又はオレフィンを含む炭化水素と、酸素源と、希釈剤との混合ガスとして供給される。酸素源としては、純酸素又は空気が用いられる。希釈ガスとしては、窒素、ヘリウム又はスチームが用いられるが、原料ガスと酸素源が反応することで生じる発熱を抑制するために、スチームを用いることが好ましい。原料ガスの供給量は、特に制限されず、触媒活性、触媒充填量、接触時間、圧力損失などにより、適宜調節される。原料ガスとして、パラフィン、あるいは、オレフィン、あるいは、パラフィン又はオレフィンを含む炭化水素と酸素の混合ガスを用いる場合、酸素過剰だと、パラフィン又はオレフィンの完全酸化によるCOの生成が多くなるため、酸素に対するパラフィン又はオレフィンの分圧比(パラフィン又はオレフィン/酸素)が0.5以上であることが好ましい。反応圧力は、特に制限されず、常圧、加圧のいずれでもよい。
また、本発明の酸化脱水素触媒は、本発明の酸化脱水素触媒の製造方法により得られた酸化脱水素触媒である。すなわち、本発明の酸化脱水素触媒は、バナジウム源と、マグネシウム源と、モリブデン源と、が水に溶解又は分散されている原料混合液を調製し、次いで、得られた原料混合液中の水を蒸発させて除去して、原料混合物粉体を得、次いで、得られた原料混合物粉体を焼成することにより得られたものであることを特徴とする酸化脱水素触媒である。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
(実施例1)
<触媒A>0.5Mo−Mg−V−O触媒
蒸留水200mlに、バナジン酸アンモニウム3.340gを溶解させ、更に、水酸化マグネシウム8.767gと、蒸留水4.3mlにモリブデン酸アンモニウム四水和物0.151gを溶解させた水溶液とを加えて撹拌して、原料混合液を得た。
次いで、得られた原料混合液を、撹拌しながら50℃で加熱して蒸発乾固させ、次いで、蒸発乾固物を110℃で12時間乾燥して、原料混合物粉体を得た。
次いで、得られた原料混合物粉体を、空気中700℃で6時間焼成し、触媒Aを得た。
次いで、得られた触媒AのX線回折分析を行った。その結果、触媒Aは、オルトバナジン酸マグネシウム及び酸化マグネシウムの結晶構造を示した。また、得られたXRDチャートを図1に示す。また、XRDチャートから、相対強度比(x/a)を求めた。その結果を表1に示す。
(実施例2)
<触媒B>1.1Mo−Mg−V−O触媒
蒸留水10mlにモリブデン酸アンモニウム四水和物0.353gを溶解させた水溶液を用いる他は、実施例1と同様にして触媒の製造を行い、触媒Bを得た。
次いで、得られた触媒BのX線回折分析を行った。その結果、触媒Bは、オルトバナジン酸マグネシウム及び酸化マグネシウムの結晶構造を示した。また、得られたXRDチャートを図2に示す。また、XRDチャートから、相対強度比(x/a)を求めた。その結果を表1に示す。
(実施例3)
<触媒C>1.6Mo−Mg−V−O触媒
蒸留水14.3mlにモリブデン酸アンモニウム四水和物0.504gを溶解させた水溶液を用いる他は、実施例1と同様にして触媒の製造を行い、触媒Cを得た。
次いで、得られた触媒CのX線回折分析を行った。その結果、触媒Cは、オルトバナジン酸マグネシウム及び酸化マグネシウムの結晶構造を示した。また、得られたXRDチャートを図3に示す。また、XRDチャートから、相対強度比(x/a)を求めた。その結果を表1に示す。
(比較例1)
<触媒D>2.0Mo−Mg−V−O触媒
蒸留水20mlにモリブデン酸アンモニウム四水和物0.706gを溶解させた水溶液を用いる他は、実施例1と同様にして触媒の製造を行い、触媒Dを得た。
次いで、得られた触媒DのX線回折分析を行った。その結果、触媒Dは、オルトバナジン酸マグネシウム及び酸化マグネシウムの結晶構造を示した。また、得られたXRDチャートを図4に示す。また、XRDチャートから、相対強度比(x/a)を求めた。その結果を表1に示す。
(比較例2)
<触媒E>Mg−V−O触媒
蒸留水200mlに、バナジン酸アンモニウム3.340gを溶解させ、更に、水酸化マグネシウム8.767gを加えて撹拌して、原料混合液を得た。
次いで、得られた原料混合液を、撹拌しながら50℃で加熱して蒸発乾固させ、次いで、蒸発乾固物を110℃で12時間乾燥して、原料混合物粉体を得た。
次いで、得られた原料混合物粉体を、空気中700℃で6時間焼成し、触媒Eを得た。
次いで、得られた触媒EのX線回折分析を行った。その結果、触媒Eは、オルトバナジン酸マグネシウム及び酸化マグネシウムの結晶構造を示した。また、得られたXRDチャートを図5に示す。また、XRDチャートから、相対強度比(x/a)を求めた。その結果を表1に示す。
(X線回折分析)
得られた触媒の粉末X線回折分析を、UltimaIV(Regaku社製)を用いて、以下測定条件にて行った。
<測定条件>
線源:CuKα
管電圧:40kV
管電流:40mA
サンプリング幅:0.02°
走査速度:2°/分
走査角度:5〜90°
得られたX線回折チャート中の2θ=42.9〜43.1°の回折ピーク(a)に対する2θ=23.0〜23.2°の回折ピーク(x)の相対強度比(x/a)(回折ピークのピーク高さ比)を、それぞれ求めた。
Figure 0006404627
(触媒性能の評価)
常圧固定床流通式反応装置を用い、下記のようにして酸化的脱水素反応を行い、触媒の性能評価を行った。
上記のようにして得られた触媒0.25gを反応装置に充填した。次いで反応装置に空気を31.5ml/minで流通させながら、反応管内部の温度を450℃まで昇温させた。450℃に到達した後、空気31.5ml/minを加え、30分間流通させて、触媒の前処理(酸化処理)を行った。前処理終了後、スチームを112ml/min、n−ブタンを3.1ml/minで加えて流通させることにより、n−ブタン:空気:スチーム(モル比)=1:10:36、全流量が146.6ml/minになるように、原料ガスを流通させて、n−ブタンの酸化的脱水素反応を60分間行った。反応結果を表2〜表6に示す。
n−ブタン転化率、CO、CO、炭素数1〜3の炭化水素、ブテン及びブタジエン選択率、ブテン及びブタジエン収率を、以下のようにして計算した。
転化率(%)=((原料ガス中のn−ブタン炭素モル数−生成ガス中のn−ブタンの炭素モル数)/原料ガス中のn−ブタン炭素モル数)×100
生成物選択率(%)=(生成ガス中の各生成物の炭素モル数/(原料ガス中のn−ブタン炭素モル数−生成ガス中のn−ブタン炭素モル数))×100
*式中、各生成物の炭素モル数とは、選択率の対象となるCO、CO、ブテン、ブタジエンのそれぞれの炭素モル数である。
ブテン収率(%)=(生成ガス中のブテン炭素モル数/生成ガス中の全炭素モル数)×100
ブタジエン収率(%)=(生成ガス中のブタジエンの炭素モル数/生成ガス中の全炭素モル数)×100
原料ガス及び生成ガスの分析を、TCDガスクロマトグラフ(ジーエルサイエンス GC−353B)及びFIDガスクロマトグラフ(ジーエルサイエンス GC−353B)を用いて行った。O及びNの分析には、モレキュラーシーブ13X、CO及びCOの分析には、Unibeads C充填カラム(ジーエルサイエンス社製)を用い、炭化水素化合物の分析には、HP−AL/Sキャピラリーカラム(Agilent technologies社製)を用いた。
なお、以下の表中、C1〜C3は炭素数が1から3の炭化水素の合計を指し、n−Cはn−ブテンを指し、1,3−Cは1,3−ブタジエンを指す。
Figure 0006404627
Figure 0006404627
Figure 0006404627
Figure 0006404627
Figure 0006404627
Figure 0006404627

Claims (4)

  1. 炭化水素原料中に含まれる炭素数3〜5のパラフィン又は炭素数3〜5のモノオレフィンの酸化脱水素を行うための酸化脱水素触媒であり、
    該炭化水素原料が、炭素数3〜5のパラフィンを含む炭化水素原料、炭素数3〜5のモノオレフィンを含む炭化水素原料又は炭素数3〜5のパラフィンと炭素数3〜5のモノオレフィンとを含む炭化水素原料であり、
    該酸化脱水素触媒が、バナジウム原子と、マグネシウム原子と、モリブデン原子と、を含有し、且つ、バナジウム、マグネシウム及びモリブデンの原子換算の合計モル数に対するモリブデンの原子換算のモル数の割合((Mo/(V+Mg+Mo))×100)が0.3〜1.8モル%であり、
    X線回折分析において、2θ=42.9〜43.1°の回折ピークのピークトップの強度(a)に対する2θ=23.0〜23.2°の回折ピークのピークトップの強度(x)の相対強度比(x/a)が0.04以下であり、
    粉状又は粒状であるか、あるいは、粉状又は粒状の該酸化脱水素触媒の成形体であるか、あるいは、粉状又は粒状の該酸化脱水素触媒とバインダーとの成形体であること、
    を特徴とする酸化脱水素触媒。
  2. 炭化水素原料中に含まれるn−ブタンから酸化脱水素反応によってn−ブテン及び1,3−ブタジエンを製造するための酸化脱水素触媒であり、
    該酸化脱水素触媒が、バナジウム原子と、マグネシウム原子と、モリブデン原子と、を含有し、且つ、バナジウム、マグネシウム及びモリブデンの原子換算の合計モル数に対するモリブデンの原子換算のモル数の割合((Mo/(V+Mg+Mo))×100)が0.3〜1.8モル%であり、
    X線回折分析において、2θ=42.9〜43.1°の回折ピークのピークトップの強度(a)に対する2θ=23.0〜23.2°の回折ピークのピークトップの強度(x)の相対強度比(x/a)が0.04以下であり、
    粉状又は粒状であるか、あるいは、粉状又は粒状の該酸化脱水素触媒の成形体であるか、あるいは、粉状又は粒状の該酸化脱水素触媒とバインダーとの成形体であること、
    を特徴とする酸化脱水素触媒。
  3. バナジウム源、マグネシウム源及びモリブデン源が水に溶解又は分散されている原料混合液を調製し、次いで、該原料混合液中の水を蒸発させて除去して、原料混合物粉体を得、次いで、該原料混合物粉体を焼成することにより、粉状又は粒状の酸化脱水素触媒を得ることを特徴とする酸化脱水素触媒の製造方法。
  4. 請求項1又は2いずれか1項記載の酸化脱水素触媒の存在下、400〜700℃で、炭化水素原料中に含まれる炭素数3〜5のパラフィン又は炭素数3〜5のモノオレフィンの酸化脱水素を行う酸化脱水素反応であり、該炭化水素原料が、炭素数3〜5のパラフィンを含む炭化水素原料、炭素数3〜5のモノオレフィンを含む炭化水素原料又は炭素数3〜5のパラフィンと炭素数3〜5のモノオレフィンとを含む炭化水素原料であることを特徴とする酸化脱水素方法。
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