JP6116927B2 - 共重合体ラテックスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、共重合体ラテックスの製造方法、共重合体ラテックス及び紙塗工用組成物に関するものである。詳しくは、バインダーとして使用される共重合体ラテックスであり、共重合体ラテックスフィルムの耐ベタツキ性に優れ、該ラテックスを含有する紙塗工用組成物を紙に塗工して得られる塗工紙の印刷時の表面強度(ドライ強度)、および、印刷時の湿潤時表面強度(ウエット強度)に優れる共重合体ラテックスに関するものである。
近年、塗工紙は、その印刷効果が高い等の理由から、非常に数多くの印刷物に利用されている。季刊、月刊紙等の定期刊行物、メールオーダービジネスにおけるダイレクトメールや商品カタログ等において、そのほとんどが全ての頁に塗工紙を使用するケースが増えている。
一般に紙塗工用組成物は、クレーや炭酸カルシウムなどの白色顔料を水に分散した顔料分散液、顔料同士および顔料を原紙に接着固定するためのバインダー、およびその他の添加剤によって構成される水性塗料である。バインダーとしてはスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスに代表されるような合成エマルションバインダーやデンプン、カゼインに代表されるような天然バインダーが使用される。その中でもスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスは、品質設計の自由度が大きく、今日では紙塗工用組成物に最も適したバインダーとして広く使用されており、スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスの性能が紙塗工用組成物の性能や塗工紙作成時の操業性あるいは最終的な塗工紙製品の表面強度、印刷光沢などの品質に影響することが知られている。
一方、近年においては、塗工紙の製造コストを下げるために、特に紙塗工用組成物のコストで大きなウエイトを占める共重合体ラテックスの配合比率削減の要請が強くなっている。ただし接着剤である共重合体ラテックスを単純に削減すると、最終製品である塗工紙の表面強度が低下し、印刷時の紙剥け等のトラブルに繋がる。そのため、共重合体ラテックスの接着性能を向上させるなど、ラテックスが塗工紙に及ぼす影響はますます大きくなっている。一方、一般的には共重合体ラテックスの接着強度を向上させるには共重合体ラテックス中の脂肪族共役ジエン単量体の比率を増やして粘着性を増すことで接着強度の改善が行われる事が多いが、粘着性が増すことで紙塗工用組成物を原紙に塗布するコーター部や、光沢発現処理時のカレンダー部にて、粘着性物質が堆積し、操業に悪影響を及ぼすことが懸念される。そのため、共重合体ラテックスの接着性能向上と塗工操業性の両立は重要な課題となっている。
上記課題を解決するため、例えば特開平6−16736号公報(特許文献1)では、共重合体ラテックスの製造に際し脂肪族共役ジエン単量体を含む単量体混合物の添加終了後に更に、脂肪族共役ジエン単量体を含まない単量体混合物を添加する製造工程を取ることで、接着強度と耐バッキングロール汚れ適性を向上させる手段が紹介されている。また、特開2009−13541号公報(特許文献2)では、重合後半で芳香族ビニルおよび/または不飽和カルボン酸アルキルエステルのみを添加して乳化重合した後、pH調整剤に一定量の水酸化カリウムを使用することで塗工紙のドライピック強度、ベッセルピック強度、耐ベタツキ性に優れた紙塗工用共重合体ラテックスを得る技術が紹介されている。一方、特開2006−112026号公報(特許文献3)では1段目に比較的多い脂肪族共役ジエン単量体とシアン化ビニル単量体を含む重合体の存在下で、2段目として比較的少ない脂肪族共役ジエン単量体とエチレン性不飽和カルボン酸単量体を含む単量体を重合することで塗工紙の表面強度に優れ、ベタツキ防止性が良好な共重合体ラテックスの製造方法が開示されている。
しかし、これらの様々な改良技術は、未だ塗工紙の印刷時の表面強度(ドライ強度)、および、印刷時の湿潤時表面強度(ウエット強度)と共重合体ラテックスの耐ベタツキ性に関して要求される性能を十分に満足するレベルには至っておらず、更なる改良が強く求められていた。
特開平6−16736号公報
特開2009−13541号公報
特開2006−112026号公報
本発明は、耐ベタツキ性に優れることで塗工操業性に優れ、またオフセット印刷時に必要な塗工紙の表面強度(ドライ強度)および湿潤時表面強度(ウエット強度)が良好な塗工紙が得られる共重合体ラテックスの製造方法を提供することを目的とするものである。
脂肪族共役ジエン系単量体(イ)20〜65重量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体(ロ)0.5〜10重量%、およびこれらと共重合可能な他の単量体25〜79.5重量%(単量体合計100重量%)を重合して得られる共重合体ラテックスにおいて、全単量体の一部または全量を連続添加して重合を行うに際し、単量体の連続添加を始めた時間を0(以下、開始点という)とし、全単量体の添加が終了した時間を100としたとき、開始点までに、エチレン系不飽和カルボン酸単量体の全使用量の70重量%以上を、反応系内に含有し、脂肪族共役ジエン系単量体(イ)の添加方法が下記(1)及び(2)の条件を満たすことを特徴とする共重合体ラテックスの製造方法に関するものである。
条件(1):上記開始点から30〜80の時間内に、脂肪族共役ジエン系単量体(イ)を添加しない時間が存在する。
条件(2):上記(イ)を添加しない時間の幅が、0.7〜35である
本発明における共重合体ラテックスの製造方法においては、さらに、上記開始点から85の時点から100までの間に、脂肪族共役ジエン系単量体(イ)およびエチレン系不飽和カルボン酸単量体(ロ)の添加を行わない場合において、塗工紙にした際の印刷時の湿潤時表面強度(ウエット強度)がより優れるので、好ましい。また、単量体の連続添加を開始する上記開始点までに、反応系内にエチレン系不飽和カルボン酸単量体の全使用量の70重量%以上を含有することが、ラテックスフィルムの耐ベタツキ性がより優れるので好ましい。
本発明により、耐ベタツキ性が良好で塗工紙作成時の塗工操業性に優れ、かつ塗工紙にした際の印刷時強度(ドライ強度)および、印刷時の湿潤時表面強度(ウエット強度)に優れた共重合体ラテックスが得られるものである。
本願発明の共重合体ラテックスは、脂肪族共役ジエン系単量体(イ)、エチレン系不飽和カルボン酸単量体(ロ)およびこれらと共重合可能な他の単量体を乳化重合して得られる。
脂肪族共役ジエン系単量体(イ)としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン類、置換および側鎖共役ヘキサジエン類などが挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特に1,3−ブタジエンの使用が好ましい。
エチレン系不飽和カルボン酸単量体(ロ)としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などが挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。
上記脂肪族共役ジエン系単量体(イ)、エチレン系不飽和カルボン酸単量体(ロ)と共重合可能な他の単量体としては、アルケニル芳香族単量体、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体、シアン化ビニル単量体、ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体、不飽和カルボン酸アミド単量体等が挙げられる。
アルケニル芳香族単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルα−メチルスチレン、ビニルトルエンおよびジビニルベンゼン等が挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特にスチレンの使用が好ましい。
不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、ジメチルマレエート、ジエチルマレエート、ジメチルイタコネート、モノメチルフマレート、モノエチルフマレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特にメチルメタクリレートの使用が好ましい。
シアン化ビニル単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。
ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体としては、β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジ−(エチレングリコール)マレエート、ジ−(エチレングリコール)イタコネート、2−ヒドロキシエチルメチルフマレートなどが挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特にβ−ヒドロキシエチルアクリレートの使用が好ましい。
不飽和カルボン酸アミド単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどが挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。
さらに、上記単量体の他に、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等、通常の乳化重合において使用される単量体は何れも使用可能である。
上記の単量体組成は、脂肪族共役ジエン系単量体(イ)20〜65重量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体(ロ)0.5〜10重量%、およびこれらと共重合可能な他の単量体25〜79.5重量%(単量体合計100重量%)の範囲であることが必要である。
脂肪族共役ジエン系単量体(イ)が20重量%未満では、塗工紙にした際の印刷時のドライ強度が劣る。また65重量%を超えるとラテックスフィルムの耐ベタツキ性が劣り塗工紙作成時の塗工操業性が悪化する。好ましくは35〜55重量%である。
エチレン系不飽和カルボン酸単量体が0.5重量%未満では紙塗工用組成物の機械的安定性および塗工紙にした際の印刷時表面強度が劣り、また10重量%を超えるとラテックス自身の粘度が高くなりすぎ送液ポンプによるラテックスの輸送搬送性が劣るなど取り扱い性が悪化する。
上記(イ)、(ロ)と共重合可能な他の単量体が、25〜79.5重量%の範囲外では、塗工紙にした際の印刷時表面強度とラテックスフィルムの耐ベタツキ性のバランスが劣る。
本発明の共重合体ラテックスの重合には、公知の乳化剤(界面活性剤)を使用することができる。例えば、高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、脂肪族カルボン酸塩、デヒドロアビエチン酸塩、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、非イオン性界面活性剤の硫酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、ポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルフェニルエーテル型、アルキルエーテル型等のノニオン性界面活性剤が挙げられ、これらを1種又は2種以上使用することができる。
本発明の共重合体ラテックスの重合には、公知の連鎖移動剤を制限されることなく使用することができる。例えば、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ステアリルメルカプタン等のアルキルメルカプタン、ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファイド等のキサントゲン化合物、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラム系化合物、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のフェノール系化合物、アリルアルコール等のアリル化合物、ジクロルメタン、ジブロモメタン、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素化合物、α−ベンジルオキシスチレン、α−ベンジルオキシアクリロニトリル、α−ベンジルオキシアクリルアミド等のビニルエーテル、トリフェニルエタン、ペンタフェニルエタン、アクロレイン、メタアクロレイン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、2−エチルヘキシルチオグリコレート、ターピノレン、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。
本発明の共重合体ラテックスの重合には、重合開始剤として、過硫酸リチウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性重合開始剤、クメンハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、t−ブチルハイドロパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等の油溶性重合開始剤等、公知のものを適宜用いることができる。特に過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイドの使用が好ましい。
本発明において好ましく用いられる還元剤の具体例としては、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩、亜ニチオン酸塩、ニチオン酸塩、チオ硫酸塩、ホルムアルデヒドスルホン酸塩、ベンズアルデヒドスルホン酸塩、また、L−アスコルビン酸、エリソルビン酸、酒石酸、クエン酸などのカルボン酸類及びその塩、更にはデキストロース、サッカロースなどの還元糖類、更にはジメチルアニリン、トリエタノールアミンなどのアミン類が挙げられる。特にL−アスコルビン酸、エリソルビン酸、が好ましい。
本発明の共重合体ラテックスの重合には、必要に応じて酸素補足剤、キレート剤、分散剤等の公知の添加剤を用いることも差し支えなく、これらは種類、使用量ともに特に限定されず、適宜適量使用することが出来る。更には消泡剤、老化防止剤、防腐剤、抗菌剤、難燃剤、紫外線吸収剤などの公知の添加剤を用いることも差し支えなく、これらも種類、使用量ともに特に限定されず、適宜適量使用することが出来る。
本発明の共重合体ラテックスの重合における単量体の添加方法については、全単量体の一部または全量を連続添加して重合を行うに際し、単量体の連続添加を始めた時間を0(すなわち開始点)とし、全単量体の添加が終了した時間を100としたとき、脂肪族共役ジエン系単量体(イ)の添加方法が下記条件(1)及び(2)を満たす事が必要である。
条件(1):上記開始点から30〜80の時間内に、脂肪族共役ジエン系単量体(イ)を添加しない時間が存在する。
条件(2):上記(イ)を添加しない時間の幅が、0.7〜35である
脂肪族共役ジエン系単量体(イ)を連続添加しない時間帯が、30以上80以下の範囲外であると、塗工紙にした際の湿潤時表面強度(ウエット強度)の改善効果が非常に小さくなる。より好ましくは35〜75である。
また、単量体(イ)を添加しない時間の幅が、0.7未満、もしくは35を超えると、ラテックスフィルムの耐ベタツキ性と塗工紙にした際の印刷時のドライ強度のバランスに改善効果が非常に小さくなる。好ましくは1〜30、より好ましくは2〜25である。
さらに、上記開始点から85の時点から100までの間に、脂肪族共役ジエン系単量体(イ)およびエチレン系不飽和カルボン酸単量体(ロ)の添加を行わないことで、塗工紙にした際の印刷時のドライ強度と、湿潤時表面強度(ウエット強度)のバランスがより良好となり好ましい。
また、エチレン系不飽和カルボン酸単量体(ロ)は、単量体の連続開始を始める上記開始点までに、その全使用量の70重量%以上を反応系内へ添加することにより、ラテックスフィルムの耐ベタツキ性と塗工紙にした際の印刷時のドライ強度のバランスが、より良好となり好ましい。
本発明における共重合体ラテックスのゲル含量にはなんら制限はないが、ゲル含量が40〜100重量%が好ましい。ゲル含量が40重量%未満では塗工紙の強度が低下する傾向にある。特に好ましくは50〜98重量%である。
本発明の共重合体ラテックスを使用する紙塗工用組成物は、顔料、例えばカオリンクレー、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、サチンホワイトなどの無機顔料、あるいはポリスチレンラテックスのような有機顔料をそれぞれ単独または混合して使用する。
また、必要に応じて澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉等の変性澱粉、大豆蛋白、カゼインなどの天然バインダー、あるいはポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性合成バインダーなどを使用しても差し支えない。さらに、ポリ酢酸ビニルラテックス、アクリル系ラテックスなどの合成ラテックス等を本発明の共重合体ラテックスと併用してもよい。
本発明の共重合体ラテックスを用いて紙塗工用組成物を調整する際には、さらにその他の助剤、例えば分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、離型剤、蛍光染料、カラー保水性向上剤などを必要に応じて添加しても良い。
さらに、紙塗工用組成物を塗工用紙へ塗布する方法には、公知の技術、例えばエアナイフコーター、ブレードコーター、ロールコーター、バーコーター、カーテンコーターなどのいずれの塗工機を使用しても差し支えない。また、塗工後、表面を乾燥し、カレンダーリングなどにより仕上げる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。なお実施例中、割合を示す重量部および重量%は重量基準によるものである。また実施例における諸物性の評価は次の方法に拠った。
ラテックスフィルムのベタツキ性試験
バッキングロール等へのラテックスの付着しやすさの目安として、ラテックスフィルムのベタツキ性(粘着性)について試験を行った。ポリエステルフィルムに各共重合体ラテックスを塗布量12g/mで塗工し、120℃オーブン中で1分間乾燥後、1cm幅の短冊状に切る。黒色台紙上に合成した全ての共重合体の短冊を並べて貼り付ける。
その上に、濾紙を重ねてRI印刷機を用いロ−ル間を通し圧着する。その後、濾紙を剥がした後の、上記フィルム表面上への濾紙の繊維の付着状態を目視で判断し、各ラテックスフィルムのベタツキ性を比較した。繊維の付着の少ないものをベタツキ性に優れる、繊維の付着が多いものをベタツキ性が劣るとし、下記のとおり相対的に評価した。
(優)◎ > ○ > △ > × > ××(劣)
塗工紙の表面強度(ドライ強度)の評価
RI印刷機で各塗工紙試料を同時に印刷した際のピッキングの程度を肉眼で判定し、5級(優)から1級(劣)まで相対的に目視評価した。
塗工紙の湿潤時表面強度(ウエット強度)の評価
RI印刷機に湿し水供給ロール(モルトンロール)と、印刷用インキロールをセットする。各塗工紙試料は同時にモルトンロールを通過し、その後にインキロールを通過する。塗工紙試料の上には湿し水が付与され塗工層が湿潤された状態でインキロールにて印刷されるが、その際に発生したピッキングの程度を肉眼で判定し、5級(優)から1級(劣)まで相対的に目視評価した。
共重合体ラテックス(1)の合成
耐圧製の重合反応器に、重合水160部、過硫酸カリウム1.0部を仕込み、十分攪拌した後、表1の1段目に示す各単量体および他の化合物を加えて70℃に加温した。1段目の重合転化率が40%を超えた時点を開始点とし、2段目に示す単量体の添加を開始した。2段目のブタジエンは、上記開始点から48の時点まで、ブタジエン以外の単量体は上記開始点から52の時点まで各々連続添加した。続いて3段目に示す単量体を52の時点から添加を開始した。3段目の単量体の添加が終わった後も、更に反応を継続し重合転化率98%を超えた時点で重合を終了した。上記開始点から3段目の単量体の連続添加を終了した時点までの時間は、表1に示した通りとした。得られた共重合体ラテックスを、水酸化ナトリウムを用いてpHを8に調整し、水蒸気蒸留により未反応単量体および他の低沸点化合物を除去し、共重合体ラテックス(1)を得た。
共重合体ラテックス(6、9、15)の合成
表1〜表4に記載の条件に変更した以外は、共重合体ラテックス(1)と同様に、共重合体ラテックス(6、9、15)を得た。
共重合体ラテックス(2〜4、7、8、10、16)の合成
3段目の単量体を添加後、表1〜表4の4段目に示す単量体を連続添加した以外は共重合体ラテックス(1)と同様にして、共重合体ラテックス(2〜4、7、8、10、16)を得た。
共重合体ラテックス(5、11、14)の合成
耐圧製の重合反応器に、重合水100部、過硫酸カリウム1.0部を仕込み、十分攪拌した後、表2〜表4の1段目に示す各単量体および他の化合物を加えて65℃に加温した。1段目の重合転化率が70%を超えた時点を0(開始点)とし、2段目の単量体および他の化合物の連続添加を開始した。2段目に示すブタジエンを表2〜表4に示す時間帯に添加を行わないとした他は、共重合体ラテックス(1)と同様にして共重合体ラテックス(5、11、14)を得た。
共重合体ラテックス(12)の合成
耐圧製の重合反応器に、重合水150部、過硫酸カリウム1.2部を仕込み、十分攪拌した後、表3の1段目に示す各単量体および他の化合物を加えて70℃にて重合を開始し、1段目の重合転化率が90%になった時点を開始点とし、2段目に示す単量体の連続添加を開始した。2段目のブタジエンは開始点から83.5の時点まで、ブタジエン以外の単量体は94.5の時点まで、各々連続添加した。3段目の単量体の添加が終了した後、更に反応を継続し重合転化率95%を超えた時点で重合を終了した。得られた共重合体ラテックスを、水酸化カリウムを用いてpHを8に調整し、水蒸気蒸留により未反応単量体および他の低沸点化合物を除去し、共重合体ラテックス(12)を得た。
共重合体ラテックス(13)の合成
耐圧製の重合反応器に、重合水200部、過硫酸カリウム1.0部、重亜硫酸ナトリウム0.5部を仕込み、十分攪拌した後、表4の1段目に示す各単量体および他の化合物を加えて45℃にて重合を開始し、1段目の重合転化率が70%を超えた時点から、2段目に示す単量体及び他の化合物を720分かけて連続添加した。その後も反応を継続し、重合転化率が98%を超えた時点で重合を終了した。得られた共重合体ラテックスを、水酸化ナトリウムを用いてpHを8に調整し、水蒸気蒸留により未反応単量体および他の低沸点化合物を除去し、共重合体ラテックス(13)を得た。
紙塗工用組成物の作製と評価
下記に示した配合処方に従い共重合体ラテックス1〜16を用い、NaOHでpH9.5に調整し、紙塗工用組成物を作製した。
(紙塗工用組成物の配合処方)
カオリン 30部
重質炭酸カルシウム 70部
変性デンプン 2部
共重合体ラテックス 7部
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
固形分濃度 66%
塗工紙の作製と評価
塗工原紙(坪量55g/m)に、上記の紙塗工用組成物を片面あたりの塗布量が10g/mとなるようにワイヤーバーを用いて塗工し乾燥した後、線圧60kg/cm、温度50℃の条件でカレンダー処理を行って塗工紙を得た。得られた塗工紙を各試験に供して評価し、その結果を表1〜表4に示した。
表1、2に示すとおり、本発明による共重合体ラテックス実施例1〜8はいずれもラテックスフィルムの耐ベタツキ性が良好で、かつ、これら共重合体ラテックスを使用して、得られた塗工紙の表面強度(ドライ強度)および湿潤時表面強度(ウエット強度)が良好である。
比較例9及び16は、単量体(イ)を添加しない時間の幅が、本願規定範囲の範囲外であり、ラテックスフィルムの耐ベタツキ性と塗工紙にした際の印刷時のドライ強度のバランスが劣る。
比較例10〜12はいずれも、単量体(イ)を添加しない時間帯が、本願規定範囲である30〜80を外れており、得られた塗工紙の湿潤時表面強度(ウエット強度)が劣る。
比較例13は、単量体(イ)を添加しない時間帯が存在せず、総合的に物性が大きく劣る。
比較例14では、(イ)の使用量が本願規定範囲の下限未満であり、塗工紙の表面強度(ドライ強度)が大きく劣る。
比較例15では、(イ)の使用量が本願規定範囲の上限を超えており、ラテックスフィルムの耐ベタツキ性が大きく劣る。
上記のとおり、本発明の共重合体ラテックスは、ラテックスフィルムの耐ベタツキ性に優れることで作業性に優れ、該共重合体ラテックスを使用した塗工紙は印刷時の表面強度(ドライ強度)および、湿潤時の表面強度(ウエット強度)に優れることから、特に紙塗工用組成物用バインダーとして有用である。

Claims (2)

  1. 脂肪族共役ジエン系単量体(イ)20〜65重量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.5〜10重量%(ロ)およびこれらと共重合可能な他の単量体25〜79.5重量%(単量体合計100重量%)を重合して得られる共重合体ラテックスにおいて、全単量体の一部または全量を連続添加して重合を行うに際し、単量体の連続添加を始めた時間を0(すなわち開始点)とし、全単量体の添加が終了した時間を100としたとき、開始点までに、エチレン系不飽和カルボン酸単量体の全使用量の70重量%以上を、反応系内に含有し、脂肪族共役ジエン系単量体(イ)の添加方法が下記条件(1)及び(2)を満たすことを特徴とする共重合体ラテックスの製造方法。
    条件(1):上記開始点から30〜80の時間内に、脂肪族共役ジエン系単量体(イ)を添加しない時間が存在する。
    条件(2):上記(イ)を添加しない時間の幅が、0.7〜35である。
  2. 上記開始点から85の時点から100までの間に、脂肪族共役ジエン系単量体(イ)およびエチレン系不飽和カルボン酸単量体(ロ)の添加を行わない事を特徴とする請求項1に記載の共重合体ラテックスの製造方法。

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