ところが、出願人が開示している波形表示装置、およびその波形表示方法には、以下の改善すべき課題が存在する。すなわち、出願人が開示している波形表示装置および波形表示方法では、タッチセンサ(タッチパネル)に対する接触操作によって信号波形の表示位置を時間軸方向に沿って変更しつつ表示させる(時間軸方向にスクロール表示させる)と共に、接触操作時にタッチセンサに加えられる押圧力の強弱に応じて変更速度を増減させる構成・方法が採用されている。これにより、出願人が開示している波形表示装置および波形表示方法では、表示部に信号波形を表示させた状態においてスクロールボタン(順送りボタン、または逆送りボタン)の表示部位を強く押圧操作することで信号波形を高速スクロールさせることが可能となっている。
しかしながら、例えば、信号波形において所定の信号レベルを下回る信号レベルから所定の信号レベルを超える信号レベルに変化する変化点(以下、「第1の変化点」ともいう)や、信号波形において所定の信号レベルを超える信号レベルから所定の信号レベルを下回る信号レベルに変化する変化点(以下、「第2の変化点」ともいう)を表示部に表示させようとした際に、記録部に記録されている波形データのデータサイズが大きいとき(長時間分の波形データが記録されているとき)には、信号波形を高速にスクロールさせたとしても、第1の変化点、または第2の変化点(以下、区別しないときには、単に「変化点」ともいう)が表示されるまでに長い時間を要することとなる。また、時間短縮のために信号波形のスクロール速度を速くし過ぎたときには、特定すべき変化点を見過ごしてしまうおそれもある。
一方、出願人は、上記のような不都合を解消すべく、「基準とする信号レベル」や「第1の変化点および第2の変化点のいずれを特定するか」等の諸条件を利用者に設定させ、制御部が、設定された条件に合致する変化点を全波形データのなかから特定する構成・方法を試みた。このような構成を採用することにより、記録部に記録されている波形データのデータサイズが大きいときであっても、所望の変化点を確実に特定させて表示部に表示させることが可能となる。しかしながら、出願人が試みた構成・方法では、上記の条件の設定操作が煩雑であるため、この種の装置の操作に不慣れな利用者にとって所望の変化点を特定させるのが困難となっている。したがって、この点を改善するのが好ましい。
また、出願人が試みた構成・方法では、波形表示画面に信号波形が表示されている状態から、その波形表示画面に変えて(または、波形表示画面に重ねて)条件設定画面を表示させて所望の条件を設定させることとなる。したがって、条件設定画面に条件を設定する際には、信号波形が表示部に表示されていない状態、または、信号波形の一部に条件設定画面が重なって表示された状態となるため、この種の装置の操作に熟練した利用者であっても、その時点において表示部(波形表示画面)に表示されている信号波形に応じた的確な条件を設定するのが困難となるおそれがある。したがって、この点を改善するのが好ましい。
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、信号波形における所望の変化点を確実かつ容易に表示させ得る波形表示装置、波形表示方法および波形表示用プログラムを提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の波形表示装置は、波形データを記憶する記憶部と、波形表示画面を表示可能な表示部と、当該表示部の前面側に配設されたタッチパネルと、前記波形データに基づく信号波形を前記波形表示画面に表示させると共に、予め規定された開始条件が満たされたときに、前記波形データに基づき、前記信号波形において指定された信号レベルを下回る信号レベルから当該指定された信号レベルを超える信号レベルに変化する第1の変化点、および当該信号波形において指定された信号レベルを超える信号レベルから当該指定された信号レベルを下回る信号レベルに変化する第2の変化点のいずれか指定された一方を特定し、特定した当該一方の変化点を含む予め規定された時間範囲内の前記信号波形を前記波形表示画面に表示させる処理部とを備え、前記処理部は、前記開始条件が満たされた状態において、前記タッチパネルにおける前記波形表示画面上の第1の部位に対する第1の操作と、前記タッチパネルにおける前記波形表示画面上の前記第1の部位とは相違する第2の部位に対する第2の操作とがこの順で行われたときに、前記波形表示画面における前記第1の部位に対応する第1の信号レベルと、前記波形表示画面における前記第2の部位に対応する第2の信号レベルとをそれぞれ特定し、前記第2の信号レベルが前記第1の信号レベルよりも高いときに当該第1の信号レベルを前記指定された信号レベルとして前記第1の変化点を前記一方の変化点として特定すると共に、前記第2の信号レベルが前記第1の信号レベルよりも低いときに当該第1の信号レベルを前記指定された信号レベルとして前記第2の変化点を前記一方の変化点として特定する。
また、請求項2記載の波形表示装置は、請求項1記載の波形表示装置において、前記処理部は、前記開始条件が満たされた状態において、前記第1の操作および前記第2の操作がこの順で行われたときに、前記波形表示画面における前記第1の部位に対応する第1の時点と、前記波形表示画面における前記第2の部位に対応する第2の時点とをそれぞれ特定し、前記第2の時点が前記第1の時点よりも後の時点のときに当該第1の時点よりも後の時点における前記一方の変化点を特定すると共に、前記第2の時点が前記第1の時点よりも前の時点のときに当該第1の時点よりも前の時点における前記一方の変化点を特定する。
さらに、請求項3記載の波形表示装置は、請求項1または2記載の波形表示装置において、前記処理部は、前記タッチパネルにおける前記波形表示画面上のいずれかの部位に対する押圧操作が予め規定された時間を経過して継続されたときに前記開始条件が満たされたと判別すると共に、当該継続されている押圧操作が終了することなく前記タッチパネルにおける当該押圧操作の操作部位とは異なる部位に対する操作が行われたときに前記第2の操作が行われたと判別し、かつ当該継続されている押圧操作のうちの前記予め規定された時間の経過以降の当該押圧操作を前記第1の操作として前記一方の変化点を特定する。
また、請求項4記載の波形表示装置は、請求項1から3のいずれかに記載の波形表示装置において、前記処理部は、前記第1の操作が行われたときに、前記第1の信号レベルを示す信号レベル表示、および当該第1の信号レベルを示す数値表示の少なくとも一方を前記波形表示画面に表示させる。
さらに、請求項5記載の波形表示装置は、請求項1から4のいずれかに記載の波形表示装置において、前記処理部は、前記一方の変化点を特定したときに、当該一方の変化点に対応する測定時刻を示す時刻表示、および前記波形データにおける最先の時点から当該一方の変化点までの間に対応する経過時間を示す時間表示の少なくとも一方を前記波形表示画面に表示させる。
また、請求項6記載の波形表示方法は、前面側にタッチパネルが配設された表示部に波形表示画面を表示させて波形データに基づく信号波形を当該波形表示画面に表示させると共に、予め規定された開始条件が満たされたときに、前記波形データに基づき、前記信号波形において指定された信号レベルを下回る信号レベルから当該指定された信号レベルを超える信号レベルに変化する第1の変化点、および当該信号波形において指定された信号レベルを超える信号レベルから当該指定された信号レベルを下回る信号レベルに変化する第2の変化点のいずれか指定された一方を特定し、特定した当該一方の変化点を含む予め規定された時間範囲内の前記信号波形を前記波形表示画面に表示させる波形表示方法であって、前記開始条件が満たされた状態において、前記タッチパネルにおける前記波形表示画面上の第1の部位に対する第1の操作と、前記タッチパネルにおける前記波形表示画面上の前記第1の部位とは相違する第2の部位に対する第2の操作とがこの順で行われたときに、前記波形表示画面における前記第1の部位に対応する第1の信号レベルと、前記波形表示画面における前記第2の部位に対応する第2の信号レベルとをそれぞれ特定し、前記第2の信号レベルが前記第1の信号レベルよりも高いときに当該第1の信号レベルを前記指定された信号レベルとして前記第1の変化点を前記一方の変化点として特定すると共に、前記第2の信号レベルが前記第1の信号レベルよりも低いときに当該第1の信号レベルを前記指定された信号レベルとして前記第2の変化点を前記一方の変化点として特定する。
また、請求項7記載の波形表示用プログラムは、前面側にタッチパネルが配設された表示部に波形表示画面を表示させて波形データに基づく信号波形を当該波形表示画面に表示させると共に、予め規定された開始条件が満たされたときに、前記波形データに基づき、前記信号波形において指定された信号レベルを下回る信号レベルから当該指定された信号レベルを超える信号レベルに変化する第1の変化点、および当該信号波形において指定された信号レベルを超える信号レベルから当該指定された信号レベルを下回る信号レベルに変化する第2の変化点のいずれか指定された一方を特定させ、特定された当該一方の変化点を含む予め規定された時間範囲内の前記信号波形を前記波形表示画面に表示させる処理を波形表示装置の処理部に実行させる波形表示用プログラムであって、前記開始条件が満たされた状態において、前記タッチパネルにおける前記波形表示画面上の第1の部位に対する第1の操作と、前記タッチパネルにおける前記波形表示画面上の前記第1の部位とは相違する第2の部位に対する第2の操作とがこの順で行われたときに、前記波形表示画面における前記第1の部位に対応する第1の信号レベルと、前記波形表示画面における前記第2の部位に対応する第2の信号レベルとをそれぞれ特定し、前記第2の信号レベルが前記第1の信号レベルよりも高いときに当該第1の信号レベルを前記指定された信号レベルとして前記第1の変化点を前記一方の変化点として特定すると共に、前記第2の信号レベルが前記第1の信号レベルよりも低いときに当該第1の信号レベルを前記指定された信号レベルとして前記第2の変化点を前記一方の変化点として特定するとの手順が記述されている。
請求項1記載の波形表示装置、および請求項6記載の波形表示方法では、開始条件が満たされた状態において、波形表示画面上の第1の部位に対する第1の操作と、第1の部位とは相違する第2の部位に対する第2の操作とがこの順で行われ、第2の部位に対応する第2の信号レベルが第1の部位に対応する第1の信号レベルよりも高いときに、第1の信号レベルを「指定された信号レベル」として、信号波形において「指定された信号レベル」を下回る信号レベルから「指定された信号レベル」を超える信号レベルに変化する第1の変化点を特定すると共に、第2の信号レベルが第1の信号レベルよりも低いときに、第1の信号レベルを「指定された信号レベル」として、信号波形において「指定された信号レベル」を超える信号レベルから「指定された信号レベル」を下回る信号レベルに変化する第2の変化点を特定し、特定した変化点を含む予め規定された時間範囲内の信号波形を波形表示画面に表示させる。また、請求項7記載の波形表示用プログラムでは、上記の処理を波形表示装置の処理部に実行させる手順が記述されている。
したがって、請求項1記載の波形表示装置、請求項6記載の波形表示方法、および請求項7記載の波形表示用プログラムによれば、波形表示画面に表示されている信号波形をスクロールさせて任意の変化点を表示させる構成・方法・処理手順と比較して、波形データのデータサイズが大きいとき(長時間分の波形データが記録されているとき)においても、所望の変化点を含む信号波形を確実かつ容易に波形表示画面に表示させることができると共に、信号波形のスクロール速度を速くすることに起因する変化点の見過ごしを回避することもできる。また、変化点を特定する条件を設定する条件設定画面を表示させる構成・方法・処理手順とは異なり、この種の装置の操作に不慣れな利用者であっても、任意の変化点を確実かつ容易に特定させて、特定された変化点を含む信号波形を確実かつ容易に波形表示画面に表示させることができる。
また、請求項2記載の波形表示装置によれば、波形表示画面における第1の部位に対応する第1の時点と、波形表示画面における第2の部位に対応する第2の時点とをそれぞれ特定し、第2の時点が第1の時点よりも後の時点のときに第1の時点よりも後の時点における変化点を特定すると共に、第2の時点が第1の時点よりも前の時点のときに第1の時点よりも前の時点における変化点を特定することにより、第1の変化点および第2の変化点のいずれを特定するかとの事項だけでなく、指定した時点よりも後の時点の変化点、および指定した時点よりも前の時点の変化点いずれを特定するかについても、一連の操作によって同時に指定することができるため、所望の変化点を含む信号波形を一層容易に波形表示画面に表示させることができる。
さらに、請求項3記載の波形表示装置によれば、波形表示画面上のいずれかの部位に対する押圧操作が予め規定された時間を経過して継続されたときに開始条件が満たされたと判別すると共に、継続されている押圧操作が終了することなく押圧操作の操作部位とは異なる部位に対する操作が行われたときに第2の操作が行われたと判別し、かつ継続されている押圧操作のうちの予め規定された時間の経過以降の押圧操作を第1の操作として第1の変化点、または第2の変化点を特定することにより、変化点を特定して信号波形を表示させるモードへの移行操作(開始条件が満たされた状態とする操作)を別個に行うことなく、予め規定された時間を超える操作(ロングタップ操作)に続いて第2の操作を行うだけで変化点を特定させることができるため、所望の変化点を含む信号波形を一層容易に波形表示画面に表示させることができる。
また、請求項4記載の波形表示装置によれば、第1の操作が行われたときに、第1の信号レベルを示す信号レベル表示、および第1の信号レベルを示す数値表示の少なくとも一方を波形表示画面に表示させることにより、どのような信号レベルを指定したかを視覚的に認識させることができるため、この種の装置の操作に不慣れな利用者であっても、所望の変化点を含む信号波形を一層容易に波形表示画面に表示させることができる。
さらに、請求項5記載の波形表示装置によれば、第1の変化点、または第2の変化点を特定したときに、その変化点に対応する測定時刻を示す時刻表示、および波形データにおける最先の時点から変化点までの間に対応する経過時間を示す時間表示の少なくとも一方を波形表示画面に表示させることにより、特定された変化点に対応する時点、または、測定時刻を容易に把握させることができる。
以下、波形表示装置、波形表示方法および波形表示用プログラムの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1に示す波形表示装置1は、「波形表示装置」の一例であって、後述するように、「波形表示用プログラム」の一例である波形表示用プログラムDpの記述に従って波形データDに基づく信号波形W(図2参照)を表示させることができるように構成されている。この場合、本例の波形表示装置1は、一例として、波形表示用プログラムDpがインストールされた既存の電子端末(タブレット端末、スマートフォンまたはパーソナルコンピュータ等)で構成されている。具体的には、波形表示装置1は、操作部2、表示部3、処理部4および記憶部5を備えて構成されている。なお、「波形表示装置」の動作(波形表示方法)についての理解を容易とするために、既存の電子端末で構成されている波形表示装置1における上記の各構成要素2〜5以外の構成要素についての図示および説明を省略する。
操作部2は、一例として、電源ボタンや、音量変更ボタン等の各種の操作ボタンに加えて表示部3の前面側に配設されたタッチパネルを備え、操作ボタンのボタン操作や、タッチパネルに対するタップ操作(タッチ操作)に応じて操作信号Sを処理部4に出力する。表示部3は、一例として、液晶パネルおよびバックライトを備えて構成され、処理部4の制御に従って図2に示す波形表示画面10などの各種表示画面を表示する。
処理部4は、波形表示装置1を総括的に制御する。具体的には、処理部4は、波形表示用プログラムDpの記述に従い、図2に示すように、記憶部5から読み出した波形データDに基づく信号波形Wを波形表示画面10に表示させる。この場合、波形データDは、「波形データ」の一例であって、図示しない測定装置(波形記録装置)において生成されて、リムーバブルメディア(メモリーカード等)、通信ケーブル、または、各種無線通信網を介して波形表示装置1に読み込まれて記憶部5に記憶される。なお、波形データDの生成機能を有しない「波形表示装置」の構成を例に挙げて説明するが、波形データDの生成機能(波形データDを生成する測定部)を有する構成を採用することもできる。
また、処理部4は、波形表示画面10に信号波形Wを表示させた状態において、波形表示画面10上のいずれかの位置に対するロングタップ操作が行われたときに(一例として、波形表示画面10上の同じ位置に対する押圧操作が2秒を超えたとき:「開始条件が満たされたとき」の一例であって、「予め規定された時間」が「2秒」の例)、波形表示用プログラムDpの記述に従い、図3に示す変化点表示処理20を開始して、信号波形Wにおいて利用者によって指定された条件に合致する変化点を波形表示画面10に表示させる。なお、変化点表示処理20の具体的な内容については、後に詳細に説明する。記憶部5は、波形表示用プログラムDpや、外部装置(測定装置:波形記録装置)において生成された波形データDなどを記憶する。
この波形表示装置1による信号波形Wの表示に際しては、まず、波形データDを取得して記憶部5に記憶させる。なお、リムーバブルメディア、通信ケーブル、および各種無線通信網等を介して波形データDを取得する作業、および取得した波形データDを記憶部5に記憶させる作業は公知のため、これらの作業に関する説明を省略する。次いで、操作部2(一例として、タッチパネル)を操作して波形表示用プログラムDpを起動させると共に、図示しないデータ選択画面を表示させ、信号波形Wの表示を希望する波形データDを選択する。これに応じて、処理部4は、波形表示用プログラムDpの記述に従い、図2に示すように、波形表示画面10を表示部3に表示させると共に、選択された波形データDに基づく信号波形Wを波形表示画面10内に表示させる。
この場合、この波形表示画面10では、波形データDに基づく全信号波形W(波形データDにおける最先のデータから最後のデータまでのすべてに対応する信号波形W)のうちの設定された時間分の信号波形Wが、画面の上下方向に信号レベルを対応させると共に、画面の左右方向に時間軸を対応させた状態で表示される。具体的には、本例の波形表示画面10では、波形表示画面10における上方部位が「高い信号レベル」に対応させられ、かつ、波形表示画面10における下方部位が「低い信号レベル」に対応させられると共に、波形表示画面10における左方部位が「測定開始からの経過時間が短い時点」に対応させられ、かつ、波形表示画面10における右方部位が「測定開始からの経過時間が長い時点」に対応させられて信号波形Wが表示される。なお、図示を省略しているが、実際の波形表示画面10には、信号波形Wの信号レベルを特定させるためのレベルゲージ表示や、測定開始からの経過時間を示す時間表示などが表示されている。
この状態において、画面右側から左側に向かうスライド操作を行うことによって信号波形Wを左向きにスクロールさせて測定開始からの経過時間が長い時点において測定された値のデータに基づく信号波形Wを表示させたり、画面左側から右側に向かうスライド操作を行うことによって信号波形Wを右向きにスクロールさせて測定開始からの経過時間が短い時点において測定された値のデータに基づく信号波形Wを表示させたりすることができる。また、画面左右方向へのピンチアウト操作を行うことによって信号波形Wを時間軸方向に拡大して表示させたり、画面左右方向へのピンチイン操作を行うことによって信号波形Wを時間軸方向に縮小して表示させたりすることもできる。さらに、画面上下方向へのピンチアウト操作を行うことによって信号波形Wを信号レベル方向に拡大して表示させたり、画面上下方向へのピンチイン操作を行うことによって信号波形Wを信号レベル方向に縮小して表示させたりすることもできる。
一方、この波形表示装置1(波形表示方法)および波形表示用プログラムDpでは、操作部2におけるタッチパネルに対するタップ操作によって、信号波形Wにおける任意の変化点を処理部4に特定させ、特定された変化点を含む信号波形Wを波形表示画面10に表示させる処理を実行させることができる。この場合、本例の波形表示装置1(波形表示装置1による波形表示方法)および波形表示用プログラムDpでは、後述するように、波形データDに基づく信号波形Wのなかから、図4に示す変化点A1,A2,B1,B2の4つのうちの利用者によって選択された1つを特定する構成(処理手順)が採用されている。
具体的には、変化点A1の特定を指示されたときには、「指定された時点」よりも後の時点において「指定された信号レベル(以下、「指定レベル」ともいう)」を下回る信号レベルから「指定レベル」を超える信号レベルに変化する変化点(「第1の変化点」の一例)を特定する。また、変化点A2の特定を指示されたときには、「指定された時点」よりも後の時点において「指定レベル」を超える信号レベルから「指定レベル」を下回る信号レベルに変化する変化点(「第2の変化点」の一例)を特定する。さらに、変化点B1の特定を指示されたときには、「指定された時点」よりも前の時点において「指定レベル」を下回る信号レベルから「指定レベル」を超える信号レベルに変化する変化点(「第1の変化点」の他の一例)を特定する。また、変化点B2の特定を指示されたときには、「指定された時点」よりも前の時点において「指定レベル」を超える信号レベルから「指定レベル」を下回る信号レベルに変化する変化点(「第2の変化点」の他の一例)を特定する。
上記のような変化点の特定、および特定した変化点を含む信号波形Wの表示に際しては、まず、信号波形Wが表示されている波形表示画面10上の任意の位置をロングタップすることにより、変化点を表示させる処理モード(以下、「変化点検索モード」ともいう)に移行させると共に、基準とする「信号レベル(上記の「指定レベル」)」と、基準とする「時点(上記の「指定された時点」)」とをそれぞれ指定する。具体的には、一例として、図2に示す位置P1aに対するロングタップ操作を行う。この際に、位置P1aに対するタップ操作(押圧操作)が2秒を超えて継続されたときに、処理部4は、波形表示用プログラムDpの記述に従い、図3に示す変化点表示処理20を開始する。
なお、本例の波形表示装置1(波形表示装置1による波形表示方法)および波形表示用プログラムDpでは、「波形表示画面10上の同じ位置に対するタップ操作が2秒を超えて継続されたとき」が「予め規定された開始条件が満たされたとき」に相当すると共に、「継続されているタップ操作における操作開始から2秒経過後の操作」が「第1の操作」に相当し、かつこの「第1の操作」の操作位置が「第1の位置」に相当する。
この変化点表示処理20では、処理部4は、まず、上記のロングタップ操作(以下、「第1タップ操作」ともいう)における操作開始から2秒経過後の操作位置(この例では、位置P1a)に対応する「信号レベル(「第1の信号レベル」の一例)」および「時点(「第1の時点」の一例)」をそれぞれ特定する(ステップ21)。次いで、図6に示すように、処理部4は、特定した「信号レベル」を「指定レベル」として、「指定レベル」を示す信号レベル表示線L1(「信号レベル表示」の一例)、およびレベル数値表示M1(「数値表示」の一例)を波形表示画面10に表示させると共に、特定した「時点」を「指定された時点」として、「指定された時点」を示す基準時点表示線L2を波形表示画面10に表示させる(ステップ22)。また、処理部4は、信号レベル表示線L1および基準時点表示線L2の交点(すなわち、第1タップ操作が行われた位置P1a)を中心として矢印Ma1,Ma2,Mb1,Mb2を表示させることにより、変化点検索モードに移行した旨を報知する。
続いて、処理部4は、第1タップ操作が継続されているか否かを判別する(ステップ23)。この際に、以下に説明する操作が行われることなく、第1タップ操作が終了されたとき(この例では、位置P1aから指が離れたとき)には、処理部4は、この変化点表示処理20を終了して、図2に示すように、上記の信号レベル表示線L1、基準時点表示線L2、レベル数値表示M1および矢印Ma1,Ma2,Mb1,Mb2を非表示とする。
一方、第1タップ操作が終了されることなく継続されているときには、処理部4は、第1タップ操作の操作位置(この例では、位置P1a)とは異なる位置に対する操作(以下、「第2タップ操作」ともいう)が行われたか否かを判別する(ステップ24)。この際に、第2タップ操作が行われていないときには、処理部4は、上記のステップ23に戻って第1タップ操作が継続されているか否かを判別し、第1タップ操作が継続されているときには、ステップ24に進んで、第2タップ操作が行われたか否かを再び判別する(第1タップ操作が継続されているか否か、および第2タップ操作が行われたか否かの監視)。
なお、本例の波形表示装置1(波形表示装置1による波形表示方法)および波形表示用プログラムDpでは、「第1タップ操作が継続されている状態において第1タップ操作の操作位置とは異なる位置に対して行われるタップ操作(第2タップ操作)」が「第2の操作」に相当し、「第2タップ操作」の操作位置が「第2の位置」に相当する。この場合、本例の波形表示装置1(波形表示装置1による波形表示方法)および波形表示用プログラムDpでは、図5に示す条件CA1が満たされたときに、上記の変化点A1の特定を指示されたとし、条件CA2が満たされたときに、上記の変化点A2の特定を指示されたとし、条件CB1が満たされたときに、上記の変化点B1の特定を指示されたとし、条件CB2が満たされたときに、上記の変化点B2の特定を指示されたとして処理する構成・処理手順が採用されている。
具体的には、第2タップ操作の位置に対応する「時点」が第1タップ操作の位置に対応する「時点」よりも後の時点であって、かつ、第2タップ操作の位置に対応する「信号レベル」が第1タップ操作の位置に対応する「信号レベル」よりも高いとき、すなわち、第2タップ操作の位置が第1タップ操作の位置の右上の位置であるときに、条件CA1が満たされたとして変化点A1の特定を指示されたと判別する。また、第2タップ操作の位置に対応する「時点」が第1タップ操作の位置に対応する「時点」よりも後の時点であって、かつ、第2タップ操作の位置に対応する「信号レベル」が第1タップ操作の位置に対応する「信号レベル」よりも低いとき、すなわち、第2タップ操作の位置が第1タップ操作の位置の右下の位置であるときに、条件CA2が満たされたとして変化点A2の特定を指示されたと判別する。
さらに、第2タップ操作の位置に対応する「時点」が第1タップ操作の位置に対応する「時点」よりも前の時点であって、かつ、第2タップ操作の位置に対応する「信号レベル」が第1タップ操作の位置に対応する「信号レベル」よりも高いとき、すなわち、第2タップ操作の位置が第1タップ操作の位置の左上の位置であるときに、条件CB1が満たされたとして変化点B1の特定を指示されたと判別する。また、第2タップ操作の位置に対応する「時点」が第1タップ操作の位置に対応する「時点」よりも前の時点であって、かつ、第2タップ操作の位置に対応する「信号レベル」が第1タップ操作の位置に対応する「信号レベル」よりも低いとき、すなわち、第2タップ操作の位置が第1タップ操作の位置の左下の位置であるときに、条件CB2が満たされたとして変化点B2の特定を指示されたと判別する。
より具体的には、第1タップ操作が継続されている状態で、図6に示す位置P2aに対するタップ操作が行われたときに、処理部4は、まず、第2タップ操作が行われたと判別し(ステップ24)、第2タップ操作の位置(この例では、位置P2a)に対応する「信号レベル(「第2の信号レベル」の一例)」および「時点(「第2の時点」の一例)」をそれぞれ特定する(ステップ25)。次いで、処理部4は、上記の条件CA1,CA2,CB1,CB2のいずれが満たされたかを判別する(ステップ26)。
この際に、第1タップ操作の操作位置である位置P1aの右上の位置P2aに対する第2タップ操作が行われた本例では、処理部4は、条件CA1が満たされたと判別し、矢印Ma1を、矢印Ma2,Mb1,Mb2とは識別可能に表示する(一例として、矢印Ma1を他の矢印よりも明るい表示色で表示する)と共に、上記の変化点A1を特定する(ステップ27a)。また、処理部4は、変化点A1が存在するか否かを判別し(ステップ28)、存在しないときには、一例として、図示しないスピーカから警告音を発すると共に、「該当する変化点が見付かりません。」とのメッセージを表示部3に表示させて報知し(ステップ29)、ステップ23に戻って第1タップ操作が継続されているか否かを判別する。
一方、変化点A1が存在するときには(「一方の変化点を特定したとき」の一例:ステップ28)、処理部4は、信号波形Wを左向きにスクロールさせ、図7に示すように、特定した変化点A1を含む予め規定された時間範囲内の信号波形Wを波形表示画面10に表示させる(ステップ30)。この際に、処理部4は、特定した変化点A1が基準時点表示線L2と重なるように信号波形Wを表示させると共に、変化点A1に対応する「時点」の測定開始からの経過時間を示す経過時間表示M2(「波形データにおける最先の時点から一方の変化点までの間に対応する経過時間を示す時間表示」の一例)を基準時点表示線L2に対応付けて波形表示画面10に表示させる。なお、各「時点」の測定時刻が波形データDに記録されている場合には、上記の経過時間表示M2に代えて(または、経過時間表示M2に加えて)、測定時刻を示す「時刻表示」を基準時点表示線L2に対応付けて波形表示画面10に表示させることもできる(図示せず)。これにより、変化点A1の表示が完了する。
この場合、本例の波形表示装置1(波形表示装置1による波形表示方法)および波形表示用プログラムDpでは、第1タップ操作を継続した状態において、一例として、上記の経過時間表示M2の表示位置に対するタップ操作を行うことにより、特定された変化点A1の「時点」が波形データDに関連付けて記憶される。これにより、信号波形Wをスクロールさせるなどして変化点Aが波形表示画面10から消えた状態となっても、上記の一連の操作によって特定させた変化点A1を含む信号波形Wが表示された状態の波形表示画面10(図7に示す波形表示画面10)を表示部3に再び表示させることが可能となっている。
この後、処理部4は、上記のステップ23に戻って第1タップ操作が継続されているか否かを判別し、継続されているときには、第2タップ操作が行われたか否かを判別する(ステップ24)。したがって、例えば、図7に示すように変化点A1を含む信号波形Wが波形表示画面10に表示されている状態において、信号レベル表示線L1に対応する「信号レベル」を基準として、基準時点表示線L2に対応する「時点」よりも後の時点の変化点A1を検索する際には、上記の第1タップ操作を終了することなく位置P1aの右上の位置をタップ操作する(「第2の操作」の他の一例)。これにより、一度指定した「第1の信号レベル」を維持しつつ、所望の変化点を連続して特定させることが可能となっている。
一方、上記の例とは異なり、一例として、図2に示す位置P1bに対するロングタップ操作が行われたときには、処理部4は、波形表示用プログラムDpの記述に従って変化点表示処理20を開始し、第1タップ操作に対応する「信号レベル(「第1の信号レベル」の他の一例)」および「時点(「第1の時点」の他の一例)」をそれぞれ特定する(ステップ21)。次いで、図8に示すように、処理部4は、特定した「信号レベル」を示す信号レベル表示線L1(「信号レベル表示」の他の一例)、およびレベル数値表示M1(「数値表示」の他の一例)を波形表示画面10に表示させると共に、特定した「時点」を示す基準時点表示線L2を波形表示画面10に表示させる(ステップ22)。また、処理部4は、信号レベル表示線L1および基準時点表示線L2の交点(すなわち、第1タップ操作が行われた位置P1b)を中心として矢印Ma1,Ma2,Mb1,Mb2を表示させることにより、変化点検索モードに移行した旨を報知する。
続いて、処理部4は、第1タップ操作が継続されているか否かを判別し(ステップ23)、継続されているときには、第2タップ操作が行われたか否かを判別する(ステップ24)。この際に、図8に示す位置P2bに対するタップ操作が行われたときに、処理部4は、まず、第2タップ操作が行われたと判別し(ステップ24)、第2タップ操作の位置(この例では、位置P2b)に対応する「信号レベル(「第2の信号レベル」の他の一例)」および「時点(「第2の時点」の他の一例)」をそれぞれ特定する(ステップ25)。次いで、処理部4は、上記の条件CA1,CA2,CB1,CB2のいずれが満たされたかを判別する(ステップ26)。
この際に、第1タップ操作の操作位置である位置P1bの左下の位置P2bに対する第2タップ操作が行われた本例では、処理部4は、条件CB2が満たされたと判別し、矢印Mb2を、矢印Ma1,Ma2,Mb1とは識別可能に表示すると共に、上記の変化点B2を特定する(ステップ27d)。また、処理部4は、変化点B2が存在するか否かを判別し(ステップ28)、存在するときには、(「一方の変化点を特定したとき」の他の一例:ステップ28)、処理部4は、信号波形Wを右向きにスクロールさせ、図9に示すように、特定した変化点B2を含む予め規定した時間範囲内の信号波形Wを波形表示画面10に表示させる(ステップ30)。この際に、処理部4は、特定した変化点B2が基準時点表示線L2と重なるように信号波形Wを表示させると共に、変化点B2に対応する「時点」の測定開始からの経過時間を示す経過時間表示M2(「時間表示」の他の一例)を基準時点表示線L2に対応付けて波形表示画面10に表示させる。これにより、変化点B2の表示が完了する。
この後、処理部4は、上記のステップ23に戻って第1タップ操作が継続されているか否かを判別し、継続されているときには、第2タップ操作が行われたか否かを判別する(ステップ24)。したがって、例えば、図9に示すように変化点B2を含む信号波形Wが波形表示画面10に表示されている状態において、信号レベル表示線L1に対応する「信号レベル」を基準として、基準時点表示線L2に対応する「時点」よりも前の時点の変化点B2を検索する際には、上記の第1タップ操作を終了することなく位置P1bの右下の位置をタップ操作する(「第2の操作」の他の一例)。これにより、一度指定した「第1の信号レベル」を維持しつつ、所望の変化点を連続して特定させることができる。
なお、図示および詳細な説明を省略するが、第1タップ操作が継続されている状態において行われる第2タップ操作の操作位置が第1タップ操作の操作位置の右下の位置の場合には、上記のステップ26において条件CA2が満たされたと判別され、変化点A2が特定される(ステップ27b)。また、第1タップ操作が継続されている状態において行われる第2タップ操作の操作位置が第1タップ操作の操作位置の左上の位置の場合には、上記のステップ26において条件CB1が満たされたと判別され、変化点B1が特定される(ステップ27c)。したがって、第1タップ操作の操作位置、および第2タップ操作の操作位置を任意に変更するだけで、変化点A1,A2,B1,B2のうちの所望する1つを特定させて信号波形Wを表示させることができる。
このように、この波形表示装置1、および波形表示装置1による波形表示方法では、「開始条件」が満たされた状態において、波形表示画面10上の「第1の部位(上記の例では、位置P1a,P1b)」に対する「第1の操作」と、「第1の部位」とは相違する「第2の部位(上記の例では、位置P2a,P2b)」に対する「第2の操作」とがこの順で行われ、「第2の部位」に対応する「第2の信号レベル」が「第1の部位」に対応する「第1の信号レベル」よりも高いときに、「第1の信号レベル」を「指定された信号レベル」として、信号波形Wにおいて「指定された信号レベル」を下回る信号レベルから「指定された信号レベル」を超える信号レベルに変化する「第1の変化点」を特定すると共に、「第2の信号レベル」が「第1の信号レベル」よりも低いときに、「第1の信号レベル」を「指定された信号レベル」として、信号波形Wにおいて「指定された信号レベル」を超える信号レベルから「指定された信号レベル」を下回る信号レベルに変化する「第2の変化点」を特定し、特定した「変化点」を含む予め規定された時間範囲内の信号波形Wを波形表示画面10に表示させる。また、この波形表示用プログラムDpでは、上記の処理を波形表示装置1の処理部4に実行させる手順が記述されている。
したがって、この波形表示装置1、波形表示方法および波形表示用プログラムDpによれば、波形表示画面に表示されている信号波形をスクロールさせて任意の変化点を表示させる構成・方法・処理手順と比較して、波形データDのデータサイズが大きいとき(長時間分の波形データDが記録されているとき)においても、所望の変化点を含む信号波形Wを確実かつ容易に波形表示画面10に表示させることができると共に、信号波形Wのスクロール速度を速くすることに起因する変化点の見過ごしを回避することもできる。また、「変化点」を特定する条件を設定する条件設定画面を表示させる構成・方法・処理手順とは異なり、この種の装置の操作に不慣れな利用者であっても、任意の変化点を確実かつ容易に特定させて、特定された「変化点」を含む信号波形Wを確実かつ容易に波形表示画面10に表示させることができる。
また、この波形表示装置1、波形表示方法および波形表示用プログラムDpによれば、波形表示画面10における「第1の部位」に対応する「第1の時点」と、波形表示画面10における「第2の部位」に対応する「第2の時点」とをそれぞれ特定し、「第2の時点」が「第1の時点」よりも後の時点のときに「第1の時点」よりも後の時点における「変化点」を特定すると共に、「第2の時点」が「第1の時点」よりも前の時点のときに「第1の時点」よりも前の時点における「変化点」を特定することにより、「第1の変化点(変化点A1,B1)」と、「第2の変化点(変化点a2,b2)」とのいずれを特定するかとの事項だけでなく、指定した「時点」よりも後の時点の「変化点」、および指定した「時点」よりも前の時点の「変化点」のいずれを特定するかについても、一連の操作によって同時に指定することができるため、所望の変化点を含む信号波形Wを一層容易に波形表示画面10に表示させることができる。
さらに、この波形表示装置1、波形表示方法および波形表示用プログラムDpによれば、波形表示画面10上のいずれかの部位に対する押圧操作が予め規定された時間(上記の例では、2秒)を経過して継続されたとき(ロングタップが行われたとき)に「開始条件」が満たされたと判別すると共に、継続されている押圧操作が終了することなく押圧操作の操作部位とは異なる部位に対する操作が行われたときに「第2の操作」が行われたと判別し、かつ継続されている押圧操作のうちの予め規定された時間の経過以降の押圧操作を「第1の操作」として「変化点」を特定することにより、「変化点」を特定して信号波形Wを表示させるモードへの移行操作(「開始条件」が満たされた状態とする操作)を別個に行うことなく、ロングタップ操作に続いて「第2の操作」を行うだけで「変化点」を特定させることができるため、所望の「変化点」を含む信号波形Wを一層容易に波形表示画面10に表示させることができる。
また、この波形表示装置1、波形表示方法および波形表示用プログラムDpによれば、「第1の操作」が行われたときに、「第1の信号レベル」を示す信号レベル表示線L1、および「第1の信号レベル」を示すレベル数値表示M1の少なくとも一方(本例では、双方)を波形表示画面10に表示させることにより、どのような「信号レベル」を指定したかを視覚的に認識させることができるため、この種の装置の操作に不慣れな利用者であっても、所望の「変化点」を含む信号波形Wを一層容易に波形表示画面10に表示させることができる。
さらに、この波形表示装置1、波形表示方法および波形表示用プログラムDpによれば、「第1の変化点」または「第2の変化点」を特定したときに、その「変化点」に対応する測定時刻を示す「時刻表示」、および波形データDにおける最先の時点から「変化点」までの間に対応する経過時間を示す「時間表示」の少なくとも一方(本例では、「時間表示」としての経過時間表示M2)を波形表示画面10に表示させることにより、特定された「変化点」に対応する「時点」(または、「測定時刻」)を容易に把握させることができる。
なお、「波形表示装置」の構成、「波形表示方法」の実行内容、および「波形表示用プログラム」の記述内容は、上記の波形表示装置1の構成、波形表示装置1による波形表示方法の実行内容、および波形表示用プログラムDpの記述内容に限定されない。例えば、波形表示画面10上の同じ位置に対するロングタップが行われたとき(一例として、タップ操作が2秒を超えて継続されたとき)に「開始条件」が満たされたとして変化点表示処理20を開始する構成・方法・処理手順を例に挙げて説明したが、波形表示画面10上の同じ位置に対するダブルタップが行われたときに「開始条件」が満たされたとすることもできる。なお、ロングタップに代えてダブルタップの操作を「開始条件」とする際には、一例として、ダブルタップ操作の操作位置とは異なる位置に対するタップ操作を「第2の操作」とし、かつダブルタップ操作の操作位置と同じ位置に対するタップ操作が行われたときに「開始条件が満たされない状態になった」と判別するようにすればよい。また、「第1の操作」や「第2の操作」とは別個のタップ動作によって「変化点」を特定するモードに移行させる構成・方法・処理手順を採用することもできる。このような構成・方法・処理手順を採用することにより、「第1の操作」を継続することなく(タッチパネルから指を離した状態において)、「第2の操作」を行うことが可能となる。
さらに、条件CA1,CA2が満たされたときに、指定した「時点」よりも後の時点における変化点(変化点A1,A2)を特定し、条件CB1,CB2が満たされたときに、指定した「時点」よりも前の時点における変化点(変化点B1,B2)を特定する例について説明したが、指定した「時点」よりも後の時点の変化点、および指定した「時点」よりも前の時点の変化点のいずれを特定するかを指定する操作を「第1の操作」や「第2の操作」とは別個に行う構成・方法・処理手順を採用することもできる。
具体的には、指定した「時点」よりも後の時点の変化点を特定するように予め指定しておき、その後に「第1の操作」および「第2の操作」をこの順で実行することによって「第1の操作」によって指定された「時点」よりも後の時点における「第1の変化点」または「第2の変化点」を特定させたり、指定した「時点」よりも前の時点の変化点を特定するように予め指定しておき、その後に「第1の操作」および「第2の操作」をこの順で実行することによって「第1の操作」によって指定された「時点」よりも前の時点における「第1の変化点」または「第2の変化点」を特定させたりする構成・方法・処理手順を採用することができる。また、「第1の操作」および「第2の操作」によって「第1の変化点」および「第2の変化点」のいずれを特定するかを指定した後に、指定した「時点」よりも後の時点の変化点、および指定した「時点」よりも前の時点の変化点のいずれを特定するかを指定する構成・方法・処理手順を採用することもできる。