JP6115460B2 - 動弁装置 - Google Patents
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しかしながら、特許文献1に開示された動弁装置では、その構造上、セット荷重P0を大きく設定することが困難となる場合が考えられる。また、仮にセット荷重P0を大きく設定できたとしても、その背反として最大荷重Pmaxが大きくなってしまい、バルブリフト中のフリクションが増大してしまうことが懸念される。
図1は、実施形態の動弁装置1の概略構成を示している。動弁装置1は、シリンダヘッド2に設けられたバルブガイド20に支持されたバルブ3を備えるバルブ3は、バルブステム3aとその一端側に設けられたバルブヘッド3bを備える。バルブステム3aのバルブヘッド3bとは反対側の端部には、リテーナー4が設けられている。バルブ3は、バルブヘッド3bがバルブシート2aに着座することにより閉弁状態となる。動弁装置1は、バルブ3のリテーナー4の装着側に配置される第1バルブスプリング5と、この第1バルブスプリング5よりもバルブヘッド3b側に配置される第2バルブスプリングを備える。すなわち、第1バルブスプリング5と第2バルブスプリング6は、バルブ3の軸方向に沿って直列に配置されている。第1バルブスプリング5のばね可動域は、第2バルブスプリング6のばね可動域と比較して長い。動弁装置1は、第1バルブスプリング5と第2バルブスプリング6との間に、バルブ3の軸方向に沿って移動可能に配置された中間シート部材7を備える。中間シート部材7は板状の部材であり、Oリング7aが装着されている。動弁装置1は、シリンダヘッド2のバルブ装着位置に対応させて設けられた凹部に装着されるオイル槽8を備える。オイル槽8の内部には、その内周壁にOリング7aを摺動させるように中間シート部材7が配置されている。このオイル槽8の内周壁8aと中間シート部材7とで区画された領域が油圧室9を形成している。この油圧室9内には、第2バルブスプリング6が収容されている。中間シート部材7は、油圧室9内の油圧に応じてバルブ3の軸方向に沿って双方向に移動することができる。オイル槽8は、内部に段状に形成されたストッパー部8bを備える。すなわち、オイル槽8の内部は、開放側の径と比較してバルブヘッド3bに近い側となる奥側の径が小さくなっている。ストッパー部8bは、中間シート部材7の過剰な移動を規制する。オイル槽8は、その上縁部がフランジ状となっており、ボルト19によってシリンダヘッド2に固定されている。このとき、板状のストッパー部材10が共締めにより装着されている。ストッパー部材10は、油圧室9の上方に位置し、過大な油圧がかかったときに中間シート部材7が抜け落ちて脱落することを防止する。
第1ばね特性では、第1バルブスプリング5と第2バルブスプリング6のばね定数の関係によってばね全体としてのばね定数が変化する。中間シート部材7は、第1バルブスプリング5と第2バルブスプリング6との力の釣り合いによって動く。
ここで、第1バルブスプリング5と第2バルブスプリング6の諸元が、
第1バルブスプリング:自由長47mm ばね定数K1=30N/mm
第2バルブスプリング:自由長16mm ばね定数K2=30N/mm
であるとする。
この場合、例えば、第1バルブスプリングについてのセット高さが39mmとし、第2バルブスプリングについてのセット高さを8mmとすると、双方の縮み量が8mmずつとなり、双方のばね荷重は240Nずつとなって釣り合う。このとき、第1バルブスプリング5の長さに第2バルブスプリング6の長さを足したばねの全長は39+8=47mmとなる。
(K1・K2)/(K1+K2)=900/60=15
となる。そして、バルブリフト1mm毎に、第1バルブスプリング5及び第2バルブスプリング6がそれぞれ0.5mmずつ縮む。
第2ばね特性では、中間シート部材7の下側に第2バルブスプリング6による荷重と油圧室9内の油圧が作用する。このため、第1バルブスプリング5と第2バルブスプリング6との中立点が変化する。中立点は、油圧室9内の油圧に応じて変化するが、油圧室9内の油圧が高くなるほど、上方に移動し、これに伴ってばねのセット荷重P0が大きくなる。バルブ3のリフトが開始された後、中間シート部材7がストッパー部8bに接触するまでのばね全体のばね定数は第1ばね特性のときと同様となる。ただし、中立点が上方に移動している分、中間シート部材7がストッパー部8bに接触するまでのバルブ3のリフト量は大きくなる。中間シート部材7がストッパー部8bに接触した後は、第1ばね特性のときと同様にばね全体のばね定数は、第1バルブスプリング5のばね定数に依存することとなる。従って、第2ばね特性において、中間シート部材7がストッパー部8bに接触した後のばね荷重は、第1ばね特性と同一である。
第3ばね特性では、封止弁15が閉弁しており、油圧室9内の油圧が維持される。このため、バルブ3がリフトしても中間シート部材7は移動せず、位置が固定された状態となる。中間シート部材7が移動することができないことから、第2バルブスプリング6は圧縮されない。この結果、ばね全体のばね定数は、リフト全域において第1バルブスプリング5のばね定数に依存する。この結果、例えば、油圧を300kPaとしてセット荷重P0を約281Nに高めるとともに、最大リフト時、すなわち、リフト量が11mmのときの最大荷重Pmaxは、約610Nまで高められる。
2 シリンダヘッド
3 バルブ
3a バルブステム
3b バルブヘッド
4 リテーナー
5 第1バルブスプリング
6 第2バルブスプリング
7 中間シート部材
7a Oリング
8 オイル槽
8a 内周壁
8b ストッパー部
9 油圧室
10 ストッパー部材
11 オイル供給通路
12 オイルポンプ
13 逆止弁
14 オイル排出通路
15 封止弁
16 圧力計
17 ECU(制御部)
18 NEセンサ
Claims (3)
- 内燃機関に装備される動弁装置であって、
バルブのリテーナー装着側に配置される第1バルブスプリングと、
前記第1バルブスプリングよりも前記バルブのバルブヘッド側に配置される第2バルブスプリングと、
前記第1バルブスプリングと前記第2バルブスプリングとの間に、前記バルブの軸方向に沿って移動可能に配置された中間シート部材と、
前記中間シート部材によって区画されるとともに、前記第2バルブスプリングを収容する油圧室と、
オイルポンプが配置され、前記油圧室に対しオイルを供給するオイル供給通路と、
前記油圧室からオイルを排出するオイル排出通路と、
前記オイル排出通路に配置された封止弁と、
前記オイルポンプの稼動状態及び前記封止弁の開閉状態を制御し、少なくとも前記内燃機関の稼働状態において、前記オイルポンプによる前記油圧室へのオイルの供給を停止して第1ばね特性を得る状態とする制御部と、
を備える動弁装置。 - 前記制御部は、前記第1ばね特性を得る状態と、前記封止弁を開弁するとともに、前記オイルポンプによる前記油圧室へのオイルの供給を行って第2ばね特性を得る状態と、前記封止弁を閉弁するとともに、前記オイルポンプによる前記油圧室へのオイルの供給を行って第3ばね特性を得る状態を切り替える請求項1に記載の動弁装置。
- 前記制御部は、バルブとバルブシートとの間におけるデポジットの噛み込みが予測されたとき、又は、バルブとバルブシートとの間におけるデポジットの噛み込みが発生していると判断されたときに、前記動弁装置における前記第2ばね特性の使用領域を拡大する請求項2に記載の動弁装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013255418A JP6115460B2 (ja) | 2013-12-10 | 2013-12-10 | 動弁装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013255418A JP6115460B2 (ja) | 2013-12-10 | 2013-12-10 | 動弁装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015113751A JP2015113751A (ja) | 2015-06-22 |
JP6115460B2 true JP6115460B2 (ja) | 2017-04-19 |
Family
ID=53527798
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013255418A Active JP6115460B2 (ja) | 2013-12-10 | 2013-12-10 | 動弁装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6115460B2 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH023002U (ja) * | 1988-06-18 | 1990-01-10 | ||
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JP4052236B2 (ja) * | 2003-12-01 | 2008-02-27 | トヨタ自動車株式会社 | 動弁機構 |
-
2013
- 2013-12-10 JP JP2013255418A patent/JP6115460B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015113751A (ja) | 2015-06-22 |
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