JP6115130B2 - 加工性改質材およびその製造方法 - Google Patents
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Description
ポリオレフィン系樹脂の弾性を高める方法として、既存のポリオレフィン系樹脂に、後処理として電子線や放射線を照射する方法が知られている(例えば、特許文献1、2)。しかし、電子線や放射線を照射する方法は、専用の装置が必要であり、大量の樹脂を処理するためにはコストが高くなる欠点があった。また、既存のポリオレフィン系樹脂と有機化酸化物などのラジカル発生剤を溶融混合することで架橋させ、弾性を高める方法が知られている(例えば、特許文献3)。この方法によれば通常の押出機で処理が可能となるものの、得られる加工性改質材は架橋されたものであるため、直鎖状低密度ポリエチレンや高密度ポリエチレンと均一に混合しにくく、また、得られる改質材の延伸性が不足しており、直鎖状低密度ポリエチレンや高密度ポリエチレンに混合したものがドローダウンに劣るという問題があった。
(A)260℃で毛管粘度計を用いて延伸比4.7で測定した溶融張力が6mN以上120mN以下
(B)260℃で毛管粘度計を用いて溶融張力を測定する条件において、溶融樹脂を延伸できる最大延伸比が47以上
(C)160℃で毛管粘度計を用いて延伸比4.7で測定した溶融張力が35mN以上150mN以下
また、(D)〜(G)を満たす条件で高圧法低密度ポリエチレンを溶融混練することを特徴とする、加工性改質材の製造方法に関するものである。
(D)混練温度が130℃以上220℃以下
(E)酸素濃度が0.1%以上21%以下
(F)混練室内における溶融樹脂の充満率が40%以上90%以下
(G)混練する装置が二軸押出機、バンバリーミキサーのいずれかである
以下に、本発明を詳細に説明する。
(1)溶融張力
23℃に設定した恒温室内において、バレル直径9.55mmの毛管粘度計(東洋精機製作所、商品名:キャピログラフ)に、長さが8mm、直径が2.095mm、流入角が90°のオリフィスを装着し、温度を260℃に設定し、溶融張力を測定する樹脂を18g充填し、ピストン降下速度を10mm/分、延伸比を4.7に設定し、引き取りに必要な荷重(mN)を溶融張力(MS260)として測定した。また、改質材を得るために溶融混練後する溶融張力と溶融混練前の溶融張力の比を測定した。なお、測定温度を160℃とし、延伸比を4.7とした溶融張力(以下MS160と記す)も測定した。
(2)最大延伸比
溶融張力の測定時において、引取速度を徐々に上昇させ、ストランドが切れた際の延伸比を最大延伸比とした。最大延伸比が47未満の場合は延伸性に乏しく加工性改質材として不適と判定した。
(3)酸素濃度
押出機の場合はスクリュー直上、バンバリーミキサーの場合は混練直前の混合室内の酸素濃度を、酸素濃度計(新コスモス電機(株)製XP−3180)を用いて計測した。
(4)充満率
押出機の場合は押出機バレルとスクリューとの間の空間の体積を、バンバリーミキサーの場合は混合室とローターとの間の空間の体積を計算し、溶融混練混合する樹脂の体積を空間の体積で除して計算した。
(5)加工性のバランス
メルトマスフローレート20g/10分、密度936kg/m3の直鎖状低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、ニポロン−L M70K、以下LL−Aと記す)と高圧法低密度ポリエチレンを溶融混練した加工性改質材とを重量比80/20の割合でドライブレンドし、50mmφのスクリューとストランドダイを有する単軸押出機((株)プラコー製)を用いて設定温度160℃、吐出量25kg/時でストランド状に押出し、ストランドカッター((株)誠和鉄工所製)を用いてペレットとした。この混合物を、90mmφのスクリューを有する押出ラミネーター((株)ムサシノキカイ製)へ供給し、開口幅を600mmとしたTダイより320℃の温度で押出し、基材の引取速度を200m/分として、坪量50g/m2のクラフト紙基材上に10μmの厚さになるよう押出ラミネートした際の、Tダイ開口幅と樹脂組成物のコート幅との差をネックインとして計測した。また、押出量を17kg/時とし、引取速度を徐々に上昇させた際に膜切れが発生する速度をドローダウンとした。また、LL−Aと溶融混練する前の高圧法低密度ポリエチレンを重量比80/20の割合でドライブレンドし、50mmφのスクリューとストランドダイを有する単軸押出機((株)プラコー製)を用いて設定温度160℃、吐出量25kg/時でストランド状に押出し、ストランドカッター((株)誠和鉄工所製)を用いてペレットとした混合物を用いてネックイン、ドローダウンを測定した。溶融混練前後それぞれについてドローダウンとネックインの比(ドローダウン/ネックイン)を計算した。
(6)溶融混練による加工性バランスの変化
LL−Aと溶融混練する前の高圧法低密度ポリエチレンを重量比80/20の割合でドライブレンドし、50mmφのスクリューとストランドダイを有する単軸押出機((株)プラコー製)を用いて設定温度160℃、吐出量25kg/時でストランド状に押出し、ストランドカッター((株)誠和鉄工所製)を用いてペレットとした混合物を用いて上記の方法で加工性のバランスを測定した。溶融混練前後それぞれについて加工性のバランスを計算し、その比が1.0よりも大きいものを溶融混練による加工性改良効果の上昇が認められたと判定した。
混練機として、噛合型スクリュー、異方向回転型の二軸押出機(東洋精機製作所、商品名:ラボプラストミル2D25S型)を用い、メルトマスフローレート8g/10分、密度918kg/m3の高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、ペトロセン213)を、混練温度160℃、吐出量1.7kg/時、スクリュー回転数60rpm、酸素濃度21%、充満率80%の条件で溶融混練し、ストランド状に押出し、ストランドカッター((株)誠和鉄工所製)を用いてペレットとすることで加工性改質材を得た。なお、スクリューは多条フライト型逆リード付(2S25R型)のものを用いた。混練条件および溶融張力の測定結果を表1に記す。得られたペレットと、メルトマスフローレート20g/10分、密度936kg/m3の直鎖状低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、ニポロン−L M70K、以下LL−Aと記す)を、重量比20/80の割合でドライブレンドし、50mmφのスクリューとストランドダイを有する単軸押出機((株)プラコー製)を用いて設定温度160℃、吐出量25kg/時でストランド状に押出し、ストランドカッター((株)誠和鉄工所製)を用いてペレットとした。この混合物について溶融張力を測定した。また、この混合物を用いて、上述の加工性のバランスを評価した。また、溶融混練していない高圧法低密度ポリエチレンとLL−Aを混合したものを用いて加工性バランスを測定し、溶融混練による加工性バランスの変化を評価した。結果を表1に示す。
混練温度を180℃とした以外は実施例1と同じ条件で高圧法低密度ポリエチレンを溶融混練し加工性改質材を作成した。混練条件および溶融張力、押出ラミネート加工性の評価結果を表1に記す。
酸素濃度を5%とした以外は実施例1と同じ条件で高圧法低密度ポリエチレンを溶融混練し加工性改質材を作成した。混練条件および溶融張力、押出ラミネート加工性の評価結果を表1に記す。
充満率を50%とした以外は実施例1と同じ条件で高圧法低密度ポリエチレンを溶融混練し加工性改質材を作成した。混練条件および溶融張力、押出ラミネート加工性の評価結果を表1に記す。
混練機として、バンバリーミキサー(南千住製作所製)を用い、混練温度160℃、酸素濃度21%、充満率75%として実施例1で用いた高圧法低密度ポリエチレンを溶融混練した。溶融混練した樹脂を50mmφのスクリューとストランドダイを有する単軸押出機((株)プラコー製)を用いて設定温度180℃、吐出量25kg/時でストランド状に押出し、ストランドカッター((株)誠和鉄工所製)を用いてペレットとすることで加工性改質材を作成した。混練条件および溶融張力、押出ラミネート加工性の評価結果を表1に記す。
メルトマスフローレート1.6g/10分、密度919kg/m3の高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、ペトロセン 360)を用いた以外は実施例1と同じ条件で溶融混練した。混練条件および溶融張力、押出ラミネート加工性の評価結果を表2に記す。最大延伸比が小さく、また溶融混練による加工性バランスの変化が小さかった。
メルトマスフローレート3g/10分、密度924kg/m3の高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、ペトロセン205)を用いた以外は実施例1と同じ条件で溶融混練した。混練条件および溶融張力を表2に記す。最大延伸比が小さく、また溶融混練による加工性バランスの変化が小さかった。
実施例1において、混練温度を260℃とした以外は実施例1と同じ条件で高圧法低密度ポリエチレンを溶融混練した。混練条件を表2に記すが、延伸性に乏しく溶融張力を測定することができなかった。
実施例1において、押出機内に窒素を導入して酸素濃度を0.1%未満とした以外は実施例1と同じ条件で高圧法低密度ポリエチレンを溶融混練して加工性改質材を製造した。混練条件および溶融張力、押出ラミネート加工性の評価結果を表2に記す。溶融混練後のMS260が低く、また溶融混練による加工性バランスの変化が小さかった。
実施例1において、押出機内に酸素を導入して酸素濃度を28%とした以外は実施例1と同じ条件で高圧法低密度ポリエチレンを溶融混練した。混練条件を表2に記すが、延伸性に乏しく溶融張力を測定することができなかった。
実施例1において、吐出量を2.2kg/時、充満率を98%とした以外は実施例1と同じ条件で高圧法低密度ポリエチレンを溶融混練した。混練条件および溶融張力、押出ラミネート加工性の評価結果を表2に記す。溶融混練による加工性バランスの変化が小さかった。
混練機として、20mmφの単軸押出機(東洋精機製作所、商品名:ラボプラストミル)を用い、メルトマスフローレートが3.0g/10分、密度が924kg/m3の高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、ペトロセン205)を、混練温度160℃、吐出量1.7kg/時、酸素濃度21%、充満率は100%の条件で溶融混練した。混練条件および溶融張力、押出ラミネート加工性の評価結果を表2に記す。溶融混練による加工性バランスの変化が小さかった。
Claims (2)
- 高圧法低密度ポリエチレンを用いた、下記(A)〜(C)を満たすことを特徴とする加工性改質材。
(A)260℃で毛管粘度計を用いて延伸比4.7で測定した溶融張力が6mN以上120mN以下
(B)260℃で毛管粘度計を用いて溶融張力を測定する条件において、溶融樹脂を延伸できる最大延伸比が47以上
(C)160℃で毛管粘度計を用いて延伸比4.7で測定した溶融張力が35mN以上150mN以下 - 下記の(D)〜(G)を満たす条件で高圧法低密度ポリエチレンを溶融混練することを特徴とする、請求項1に記載の加工性改質材の製造方法。
(D)混練温度が130℃以上220℃以下
(E)酸素濃度が0.1%以上21%以下
(F)混練室内における溶融樹脂の充満率が40%以上90%以下
(G)混練する装置が二軸押出機、バンバリーミキサーのいずれかである
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JP2012286960A JP6115130B2 (ja) | 2012-12-28 | 2012-12-28 | 加工性改質材およびその製造方法 |
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JP2014129443A JP2014129443A (ja) | 2014-07-10 |
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