まず、本実施形態の技術的意義の理解を容易にするために、以下では、発明者が見出した従来技術の問題について、より詳細に説明する。
上記の特許文献1、2に記載されているような、色情報を利用した圧縮処理により圧縮した画像データを表示デバイスドライバに転送する技術は、例えば、画素の色の配置がライン毎に異なっている場合に適用できない。画素の色の配置がライン毎に異なっている構成の表示パネルは、例えば、特開平3−171116号公報に開示されている。
より具体的には、例えば図1に図示されているような、いわゆる千鳥配置を採用する表示パネルにおいては、各画素を構成する副画素の色の配置が隣接する2ラインで異なっている。図1の例では、各画素が3つの副画素:R副画素、G副画素、B副画素で構成されており、該3つの副画素が同一のゲート線(Gi)に接続されている。ここで、R副画素とは、赤色(R)に対応する副画素のことである。同様に、G副画素、B副画素は、それぞれ、緑色(G)に対応する副画素、青色(B)に対応する副画素のことである。加えて、偶数番目のゲート線(G2、G4・・・)には、左端のソース線S1に、ダミー副画素(実際には表示に寄与しない副画素)が接続されている。
ゲート線G1に接続されている画素のライン(第1水平ライン)では、ソース線S1、S2、S3に、それぞれ、R副画素、G副画素、B副画素が接続され、残りのソース線にも、同じ空間的順序で副画素が接続されている。一方、ゲート線G2に接続されている画素のライン(第2水平ライン)では、ソース線S1、S2、S3に、それぞれ、ダミー副画素、R副画素、G副画素が接続されている。残りのソース線には、B副画素、R副画素、G副画素が、この空間的順序で繰り返して接続されている。
このような例では、第1水平ラインの副画素の駆動において、Rデータ、Gデータ、Bデータが、この「順序」で表示デバイスドライバの駆動回路部(ソース線を駆動する回路部分)に送られる。ここで、Rデータとは、R副画素の階調を示すデータであり、同様に、Gデータ、Bデータとは、それぞれ、G副画素、B副画素の階調を示すデータである。また、ここでいう「順序」は、時間的順序と空間的順序の両方の意味を含んでいる。例えば、駆動回路部が、副画素毎に画像データを逐次に受け取るように構成されている場合がある。このような場合、Rデータが駆動回路部に最初に送られ、次にGデータが送られ、その次にBデータが送られ、以後、同じ時間的順序で、Rデータ、Gデータ、Bデータが駆動回路部に送られる。また、駆動回路部が、複数の副画素の画像データに対応する入力ノード(入力端子)を有しており、該複数の副画素の画像データをパラレルに受け取るように構成されている場合がある。例えば、駆動回路部が、Rデータを受け取る入力ノード(又は入力端子)と、Gデータを受け取る入力ノードと、Bデータを受け取る入力ノードとを有している場合がある。このような場合、Rデータ、Gデータ、Bデータが供給される入力ノードの空間的順序が、この順序であるように、Rデータ、Gデータ、Bデータが駆動回路部に供給される。
一方、第2水平ラインの副画素の駆動においては、ダミーデータ、Rデータ、Gデータが、この順序で駆動回路部に送られた後、Bデータ、Rデータ、Gデータが、この順序で繰り返して駆動回路部に送られる。ここでいう「順序」も、時間的順序と空間的順序の両方の意味を含んでいる。
発明者の検討によれば、このような構成の表示パネルの表示に使用される画像データに圧縮処理を行う場合には、圧縮回路及び展開回路を特別な構成にする必要がある。例えば、Rデータ、Gデータ、Bデータの「順序」で画像データが送られてくることを前提とした圧縮回路を用いると、第1水平ラインでは適正な圧縮処理が行われるが、第2水平ラインについては適正な圧縮処理が行われず、画質の劣化が生じる。即ち、本来、圧縮回路の入力のうちRデータが供給されるべき入力にBデータ(又はダミーデータ)が供給され、Gデータが供給されるべき入力にRデータが供給され、Bデータが供給されるべき入力に、Gデータが供給されてしまう。この結果、各色の画像データに対して適切な処理が行われず、画質が劣化してしまう。
以下では、このような問題に対処するための表示装置及び表示デバイスドライバの構成が提示される。より具体的には、以下に述べられる本実施形態の表示装置は、圧縮回路に入力される画像データ、及び、展開回路から出力される画像データの「順序」を並び替えることができるように構成されている。これにより、不適正な圧縮処理による画質の劣化を防止し、色情報を利用した高効率で画質劣化が小さい圧縮処理を採用しながら、画素の色の配置がライン毎に異なっているような表示デバイスを駆動する表示デバイスドライバへのデータ転送を実現する技術が提供される。
<第1の実施形態>
(全体構成)
図2Aは、第1の実施形態の表示装置の構成を示すブロック図である。本実施形態の表示装置は、液晶表示装置1として構成されており、液晶表示パネル2と、タイミングコントローラ3と、複数のソースドライバ4と、複数のゲートドライバ5とを備えている。
液晶表示パネル2は、ソース線S1〜Snと、ゲート線G1〜Gmと、行列に配置された画素11を備えている。各画素11は、同一のゲート線Gjに接続された3つの副画素12を有している。3つの副画素12のうちの一つは、赤色(R)に対応するR副画素であり、他の一つは緑色(G)に対応するG副画素であり、残りの一つは青色(B)に対応するB副画素である。各副画素12は、対応するゲート線及びソース線に交差する位置に設けられている。
図2Bは、本実施形態における液晶表示パネル2の構成、特に、各副画素12の構成を示す図である。各副画素12は、TFT(thin film transistor)12aと、画素電極12bとを備えている。TFT12aは、そのソースが対応するソース線Siに接続され、そのゲートが対応するゲート線Gjに接続され、そのドレインが画素電極12bと接続されている。画素電極12bは、対向電極(図示されない)と対向して設けられており、画素電極12bと対向電極との間に液晶が満たされて液晶容量が形成されている。該液晶容量を通過する光の量が、画素電極12bと対向電極との間の電圧に依存して変化し、これにより、各副画素12において所望の階調が実現される。
図2Aに戻り、タイミングコントローラ3は、ソースドライバ4及びゲートドライバ5の動作タイミングを制御する制御信号及び制御データ(例えば、水平同期信号、垂直同期信号や、制御コマンド)をソースドライバ4及びゲートドライバ5に供給する。加えて、タイミングコントローラ3は、ソースドライバ4に表示すべき画像の画像データ(各画素11の各副画素12の階調を示すデータ)を供給する。
ソースドライバ4は、タイミングコントローラ3から供給される制御信号、制御データ、及び、画像データに応答して液晶表示パネル2のソース線S1〜Snを駆動する。本実施形態では、複数のソースドライバ4が液晶表示パネル2のソース線S1〜Snの駆動に使用される。また、ゲートドライバ5は、タイミングコントローラ3から供給される制御信号に応答して液晶表示パネル2のゲート線G1〜Gmを駆動する。
図3は、本実施形態におけるタイミングコントローラ3とソースドライバ4の構成の例を示すブロック図である。図3では、ソースドライバ4の数が6である場合の構成が図示されている。ただし、ソースドライバ4の数は、6には限定されない。
タイミングコントローラ3は、タイミング制御回路31と、ラインメモリ32と、ドライバ単位ラインメモリ33−1〜33−6と、圧縮並び替え回路34−1〜34−6とを備えている。タイミング制御回路31は、タイミングコントローラ3の各回路、及び、ソースドライバ4の制御を行う。具体的には、タイミング制御回路31は、配置制御信号をドライバ単位ラインメモリ33−1〜33−6に供給し、並び替え制御信号、転送切替制御信号、及び、制御データを圧縮並び替え回路34−1〜34−6に供給する。配置制御信号、並び替え制御信号、転送切替制御信号、及び、制御データの役割については、後に説明する。
ラインメモリ32は、外部から映像データを受け取り、一時的に保存する。ラインメモリ32は、液晶表示パネル2の一水平ラインの画素11(一のゲート線に接続されている画素11)に対応する画像データを記憶する容量を有している。
ドライバ単位ラインメモリ33−1〜33−6は、それぞれ、ソースドライバ4−1〜4−6に送るべき画像データをラインメモリ32から受け取って保存する。ドライバ単位ラインメモリ33−1〜33−6が、ラインメモリ32に保存されている画像データのどの部分を取り込むかは、配置制御信号によって制御される。
圧縮並び替え回路34−1〜34−6は、それぞれ、ドライバ単位ラインメモリ33−1〜33−6から画像データを受け取り、ソースドライバ4−1〜4−6に転送される転送データ6−1〜6−6を生成する。詳細には、圧縮並び替え回路34−1〜34−6は、それぞれ、ドライバ単位ラインメモリ33−1〜33−6から受け取った画像データに対して圧縮処理を行って圧縮データを生成し、その圧縮データを転送データ6−1〜6−6に組み込んでソースドライバ4−1〜4−6に転送する機能を有している。ソースドライバ4−1〜4−6に転送される転送データ6−1〜6−6は、更に、タイミング制御回路31から供給された制御データを含んでおり、ソースドライバ4−1〜4−6の動作は、その制御データによって制御される。
ここで、本実施形態では、ソースドライバ4−1〜4−6のそれぞれとタイミングコントローラ3とがピアトゥピア(peer
to peer)で接続されていることに留意されたい。
転送データ6−1〜6−6を生成する圧縮並び替え回路34−1〜34−6は、ドライバ単位ラインメモリ33−1〜33−6から受け取った画像データの時間的順序、及び/又は、空間的順序を並び替える機能を有している。ドライバ単位ラインメモリ33−1〜33−6から受け取った画像データは、液晶表示パネル2における副画素12の色の配置に応じた時間的、空間的順序で圧縮並び替え回路34−1〜34−6に入力される。圧縮並び替え回路34−1〜34−6は、それに含まれる圧縮回路の入力に対応するように画像データの「並び替え」を行う。この画像データの「並び替え」により、圧縮回路の入力に、適切な色の副画素12の画像データが、適切なタイミングで入力される。例えば、圧縮回路において、Rデータ(R副画素の階調を示す画像データ)が入力されるべき入力端子及び/又はタイミングにRデータが入力される。同様に、Gデータが入力されるべき入力端子及び/又はタイミングにGデータが入力され、Bデータが入力されるべき入力端子及び/又はタイミングにGデータが入力される。「並び替え」のための圧縮並び替え回路34−1〜34−6の構成及び動作については、後に詳細に説明する。
ソースドライバ4−1〜4−6のそれぞれは、展開並び替え回路41と表示駆動回路42とを備えている。ここで、図3では、ソースドライバ4−iに含まれる展開並び替え回路41は符号41−iで示されており、ソースドライバ4−iに含まれる表示駆動回路42は符号42−iで示されている。
展開並び替え回路41−iは、圧縮並び替え回路34−iから受け取った転送データ6−iに含まれる圧縮データに対して展開処理を行って展開データを生成し、更に、その展開データを液晶表示パネル2における副画素12の色の配置に合わせて「並び替え」を行う。展開並び替え回路41−iにおける「並び替え」は、基本的には、ドライバ単位ラインメモリ33−1〜33−6から受け取った画像データを復元するためのものである。表示駆動回路42−iは、「並び替え」がなされた展開データに応答して、ソースドライバ4−iに割り当てられたソース線を駆動する。
ここで、本実施形態では、転送データ6−1〜6−6を生成する圧縮並び替え回路34−1〜34−6とソースドライバ4−1〜4−6とが一対一に対応していることに留意されたい。
(圧縮並び替え回路及び展開並び替え回路の構成)
図4Aは、各圧縮並び替え回路34−i及び各展開並び替え回路41−iの構成を示すブロック図である。圧縮並び替え回路34−iは、並び替え回路35と、圧縮回路36と、転送データ出力回路37とを備えている。並び替え回路35は、ドライバ単位ラインメモリ33−iから受け取った画像データ(図4Aでは、符号51−iで示されている)に対して「並び替え」処理を行い、「並び替え」処理によって得られた並び替え画像データ53−iを圧縮回路36に供給する。この「並び替え」処理においては、画像データ51−iに含まれるRデータ(R副画素の階調を示すデータ)、Gデータ、Bデータの「順序」が、必要に応じて並び替えられる。「並び替え」処理は、タイミング制御回路31から送られる並び替え制御信号52−iに応じて行われる。詳細には、タイミング制御回路31は、ドライバ単位ラインメモリ33−iから並び替え回路35に送られる画像データが対応する画素11の位置(表示位置)、及び、当該画素11の色の配置(例えば、各画素11におけるR副画素、G副画素、B副画素の空間的順序)に応じて「並び替え」処理の内容を指示する並び替え制御信号52−iを生成する。並び替え回路35は、この並び替え制御信号52−iに応じて「並び替え」処理を行う。
圧縮回路36は、並び替え画像データ53−iに対して圧縮処理を行って圧縮データ54−iを生成する。圧縮回路36は、複数の画素11の並び替え画像データ53−i、より具体的には、本実施形態では、4つの画素11に対応する並び替え画像データ53−iをまとめて圧縮するように構成されている。加えて、圧縮回路36は、副画素12の色に応じて異なる処理を行うように構成されている。即ち、圧縮回路36における圧縮処理では、R副画素の画像データ、G副画素の画像データ、B副画素の画像データの間で異なる処理が行われる。
圧縮回路36の圧縮処理は、例えば、YUV方式、詳細にはYUV420方式に従って行ってもよい。YUV420方式においては、各画素11について、輝度データY、色差データCb、Crが算出される。次式(1a)〜(1c)は、各画素11の輝度データY、色差データCb、Crの算出に用いられる一般的な式である(なお、実際には、様々なバリエーションが存在することに留意されたい):
Y=0.2989×R+0.5866×G+0.1145×B ・・・(1a)
Cb=−0.168×R−0.3312×G+0.5000×B ・・・(1b)
Cr=0.5000×R−0.4183×G−0.0816×B ・・・(1c)
ここで、R、G、Bは、それぞれ、R副画素、G副画素、B副画素の画像データに示された階調値である。
そして、YUV420方式は、ブロック圧縮の1種であり、4つの画素を単位として処理が行われる。YUV420方式では、4つの画素のそれぞれの輝度データYと、4つの画素の色差データCbの平均値と、4つの画素の色差データCrの平均値とが圧縮データに含められる。色差データCb、Crについては平均値が保持されるので色差データCb、Crの算出においては情報が失われ、画質の劣化の要因になる。即ち、YUV420方式は、可逆圧縮ではない。一方、輝度データYの算出においては情報がそのまま保持され、画質の劣化は起こらない。
そして、式(1a)から理解されるように、G副画素の画像データが輝度データYに占める比率は大きく、言い換えれば、G副画素の画像データの劣化は少ない。一方、B副画素の画像データが輝度データYに占める比率は小さく、言い換えれば、B副画素の画像データの劣化は大きい。このように、YUV420方式では、R副画素、G副画素、B副画素の画像データのそれぞれにおいて失われる情報の量は、R副画素、G副画素、B副画素の間で異なる。これは、圧縮回路36のG副画素に対応する入力には、G副画素に対応する画像データ(Gデータ)を入力しなければ、G副画素の画像データの劣化が大きくなり、結果として画質が劣化することを意味している。
本実施形態では、液晶表示パネル2における副画素12の色の配置に合わせて入力される画像データ51−iに対して並び替え回路35によって「並び替え」処理がなされ、その結果として得られる並び替え画像データ53−iが圧縮回路36に入力されることで、画質の劣化が抑制されている。
また、圧縮回路36が行う圧縮処理としては、他のブロック圧縮を用いてもよい。圧縮回路36による好適なブロック圧縮については、後に詳細に説明する。
転送データ出力回路37は、圧縮回路36から圧縮データ54−iを受け取り、タイミング制御回路31から制御データ55−iを受け取り、転送データ6−iを生成する。図5は、転送データ6−iのフォーマットを示す図である。各水平同期期間は、ブランキング期間とその後に続く表示期間とを含んでいる。
ブランキング期間は、液晶表示パネル2のソース線S1〜Snの駆動が行われない期間であり、このブランキング期間に制御データ55−iが送られる。制御データ55−iは、ソースドライバ4−iを制御するために使用される様々な制御コマンドと、色配置データとを含んでいる。色配置データとは、液晶表示パネル2における副画素12の色の配置に対応しているデータであり、並び替え回路35によってなされた「並び替え」処理の内容を示している。後述のように、色配置データは、展開並び替え回路41−iにおいてなされるべき「並び替え」処理の内容を示すデータである。
表示期間は、液晶表示パネル2のソース線S1〜Snの駆動が行われない期間であり、この表示期間に表示データ57−iが送られる。表示データ57−iとしては、圧縮データ54−iと(非圧縮の)画像データ51−iのいずれかが送られる。例えば、通常動作においては圧縮データ54−iが表示データ57−iとしてソースドライバ4−iに送られる一方、検査等、特定の用途には画像データ51−iが表示データ57−iとして送られる。表示データ57−iとして圧縮データ54−iと(非圧縮の)画像データ51−iの何れを用いるかは、タイミング制御回路31から送られる転送切り替え制御信号56−iによって切り替えられる。
図4Aに戻り、展開並び替え回路41−iは、制御回路43と、展開回路44と、並び替え回路45とを備えている。制御回路43は、転送データ6−iに含まれる制御データ55−iに応答してソースドライバ4−iの各回路を制御する。詳細には、制御回路43は、表示駆動回路42−iの動作を制御するドライバ動作制御信号65−iを制御データ55−iに含まれる制御コマンドに応答して生成する。加えて、制御回路43は、制御データ55−iに含まれる色配置データから並び替え制御信号63−iを生成し、並び替え制御信号63−iを並び替え回路45に供給する。並び替え制御信号63−iは、並び替え回路45における「並び替え」処理を制御する信号である。更に、制御回路43は、転送データ6−iから圧縮データを抽出して展開回路44に供給する。図4Aでは、転送データ6−iから抽出された圧縮データが、符号61−iによって示されている。
展開回路44は、圧縮データ61−iに対して展開処理を行い、展開データ62−iを生成する。展開データ62−iは、並び替え回路45に送られる。
並び替え回路45は、展開回路44から受け取った展開データ62−iに対して「並び替え」処理を行い、「並び替え」処理によって得られた並び替え画像データ64−iを表示駆動回路42−iに供給する。この「並び替え」処理においては、展開データ62−iに含まれるRデータ、Gデータ、Bデータの「順序」が、必要に応じて並び替えられる。「並び替え」処理は、制御回路43から送られる並び替え制御信号63−iに応じて行われる。上述のように、並び替え制御信号63−iは、転送データ6−iに含まれる色配置データから生成される。ここで、色配置データとは、展開並び替え回路41−iにおいてなされるべき「並び替え」処理の内容を示すデータであり、圧縮並び替え回路34−iの並び替え回路35で行われる「並び替え」処理の内容に応じて生成される。表示駆動回路42−iは、並び替え画像データ64−iに応答してソースドライバ4−iに割り当てられたソース線を駆動する。
上述のように、圧縮並び替え回路34−iの並び替え回路35及び展開並び替え回路41−iの並び替え回路45で行われる「並び替え」処理では、画像データ51−i、展開データ62−iに含まれるRデータ、Gデータ、Bデータが必要に応じて並び替えられる。ここでいう「並び替え」は、Rデータ、Gデータ、Bデータが入力される時間的順序の入れ替えと、Rデータ、Gデータ、Bデータが伝送されるノードの空間的順序の入れ替えの少なくとも一方を行うことを意味している。
図4Bは、圧縮並び替え回路34−iの並び替え回路35と圧縮回路36の構成の例を示すブロック図であり、Rデータ、Gデータ、Bデータが入力される時間的順序の入れ替えを行うような並び替え回路35を採用する場合の構成の例を示している。図4Bの構成では、画像データ51−iのRデータ、Gデータ、Bデータが、いずれも8ビットであり、画像データ51−iは、8ビット信号として並び替え回路35に入力される。言い換えれば、4つの画素11のRデータ、Gデータ、Bデータが逐次に並び替え回路35に供給され、並び替え回路35は、副画素12(R副画素、G副画素又はB副画素)を単位として画像データ51−iを受け取る。
並び替え回路35は、入力された画像データ51−iに含まれるRデータ、Gデータ、Bデータを、並び替え制御信号52−iに対応した時間的順序に並び替えて並び替え画像データ53−iを生成する。並び替え画像データ53−iは、8ビット信号として圧縮回路36に入力される。
圧縮回路36は、シリアル−パラレル変換回路36aと、圧縮処理部36bとを備えている。シリアル−パラレル変換回路36aは、並び替え画像データ53−iに対してシリアル−パラレル変換を行い、パラレル並び替え画像データ58−iを生成する。図4Bの構成では、パラレル並び替え画像データ58−iは、96ビット信号として圧縮処理部36bに入力される。詳細には、シリアル−パラレル変換回路36aは、12個の8ビット出力OUT1〜OUT12を有しており、出力OUT1〜OUT12のそれぞれは、一の副画素の画像データ(8ビット)を出力する。
シリアル−パラレル変換回路36aの出力OUT1〜OUT12は、圧縮処理部36bの入力に接続されている。詳細には、シリアル−パラレル変換回路36aの出力OUT1、OUT2、OUT3は、それぞれ、圧縮回路36の入力RA、GA、BAに接続されており、出力OUT4、OUT5、OUT6は、それぞれ、入力RB、GB、BBに接続されている。同様に、シリアル−パラレル変換回路36aの出力OUT7、OUT8、OUT9は、それぞれ、圧縮回路36の入力RC、GC、BCに接続されており、出力OUT10、OUT11、OUT12は、それぞれ、入力RD、GD、BDに接続されている。ここで、入力RA、GA、BAは、それぞれ、ある画素(第1の画素)のRデータ、Gデータ、Bデータが入力されるべき入力端子であり、入力RB、GB、BBは、他の一画素(第2の画素)のRデータ、Gデータ、Bデータが入力されるべき入力端子である。同様に、入力RC、GC、BCは、更に他の一画素(31の画素)のRデータ、Gデータ、Bデータが入力されるべき入力端子であり、入力RD、GB、BBは、更に他の一画素(第4の画素)のRデータ、Gデータ、Bデータが入力されるべき入力端子である。
圧縮処理部36bは、パラレル並び替え画像データ58−iに対して圧縮処理を行い、圧縮データ54−iを出力する。圧縮データ54−iは、48ビット信号として出力される。
図4Bの構成では、並び替え回路35及びシリアル−パラレル変換回路36aの動作により、並び替え回路35に入力される画像データ51−iにおけるRデータ、Gデータ、Bデータの順序に関わらず、圧縮処理部36bのRデータが入力されるべき入力である入力RA〜RDにRデータが入力される。同様に、圧縮処理部36bのGデータが入力されるべき入力である入力GA〜GDにGデータが入力され、Bデータが入力されるべき入力である入力BA〜BDにBデータが入力される。
一方、図4Cは、展開並び替え回路41−iの展開回路44、並び替え回路45及び表示駆動回路42−iの構成の一例を示している。図4Cには、Rデータ、Gデータ、Bデータが出力される時間的順序の入れ替えを行うような並び替え回路45の構成の例が示されている。図4Cの構成では、並び替え画像データ64−iのRデータ、Gデータ、Bデータがいずれも8ビットであり、4つの画素11のRデータ、Gデータ、Bデータが逐次に表示駆動回路42−iに供給される。
詳細には、展開並び替え回路41−iの展開回路44は、展開処理部44aとパラレル−シリアル変換回路44bとを備えている。展開処理部44aは、圧縮データ61−iに対して展開処理を行い、パラレル展開データ66−iを生成する。パラレル展開データ66−iは、96ビット信号としてパラレル−シリアル変換回路44bに出力される。詳細には、展開処理部44aは、12個の8ビット出力RA、GA、BA、RB、GB、BB、RC、GC、BC、RD、GD、BDを有している。ここで、出力RA、GA、BAは、それぞれ、ある画素(第1の画素)のRデータ、Gデータ、Bデータが出力される出力端子であり、出力RB、GB、BBは、他の一画素(第2の画素)のRデータ、Gデータ、Bデータが出力される出力端子である。同様に、出力RC、GC、BCは、それぞれ、更に他の一画素(第3の画素)のRデータ、Gデータ、Bデータが出力される出力端子であり、出力RD、GD、BDは、更に他の一画素(第4の画素)のRデータ、Gデータ、Bデータが出力される出力端子である。
パラレル−シリアル変換回路44bは、12個の8ビット入力IN1〜IN12を備えている。パラレル−シリアル変換回路44bの入力IN1、IN2、IN3は、それぞれ、展開処理部44aの出力RA、GA、BAに接続されており、入力IN4、IN5、IN6は、それぞれ、出力RB、GB、BBに接続されている。更に、パラレル−シリアル変換回路44bの入力IN7、IN8、IN9は、それぞれ、展開処理部44aの出力RC、GC、BCに接続されており、入力IN10、IN11、IN12は、それぞれ、出力RD、GD、BDに接続されている。
パラレル−シリアル変換回路44bは、パラレル展開データ66−iに対してパラレル−シリアル変換を行って展開データ62−iを生成する。展開データ62−iは、8ビット信号として、並び替え回路45に入力される。
並び替え回路45は、副画素12(R副画素、G副画素又はB副画素)を単位として展開データ62−iを受け取る。並び替え回路45は、更に、展開データ62−iに含まれるRデータ、Gデータ、Bデータを、並び替え制御信号63−iに対応した時間的順序に並び替えて並び替え画像データ64−iを生成する。並び替え画像データ64−iは、8ビット信号として表示駆動回路42−iに入力される。
表示駆動回路42−iは、ドライバ単位ラインメモリ42aと駆動部42bとを備えている。ドライバ単位ラインメモリ42aは、液晶表示パネル2の1水平ラインの画素のうち、当該ソースドライバ4−iに対応する画素の数に対応する容量を有している。ドライバ単位ラインメモリ42aは、並び替え画像データ64−iを逐次に受け取って保存する。駆動部42bは、ドライバ単位ラインメモリ42aから並び替え画像データ64−iを受け取り、並び替え画像データ64−iに応答してソース線S{n(i−1)/6}+1〜S(n・i/6)を駆動する。
図4Cの構成では、パラレル−シリアル変換回路44b及び並び替え回路45の動作により、並び替え回路35に入力される画像データ51−iにおけるRデータ、Gデータ、Bデータの順序が並び替え画像データ64−iにおいて復元される。これにより、液晶表示パネル2の各画素11のR副画素、G副画素、B副画素が、それぞれ、Rデータ、Gデータ、Bデータに応じて駆動される。
図4Dは、圧縮並び替え回路34−iの並び替え回路35及び圧縮回路36の構成の他の例を示すブロック図であり、Rデータ、Gデータ、Bデータが伝送されるノードの空間的順序の入れ替えを行うような並び替え回路35を採用する場合の構成の例を示している。
図4Dの構成では、画像データ51−iのRデータ、Gデータ、Bデータが、いずれも8ビットであり、4つの画素11のRデータ、Gデータ、Bデータがパラレルに並び替え回路35に供給される。即ち、並び替え回路35は、12個の8ビット入力IN1〜IN12を有している。加えて、並び替え回路35は、12個の8ビット出力OUT1〜OUT12を有している。並び替え回路35は、画像データ51−iに含まれるRデータ、Gデータ、Bデータを、並び替え制御信号52−iに対応した空間的順序に並び替えて並び替え画像データ53−iを生成する。
一方、図4Dの構成では、圧縮回路36は、図4Bに示されているようなシリアル−パラレル変換回路36aを含んでおらず、圧縮処理部36bのみを備えている。詳細には、圧縮処理部36bの入力RA、GA、BAは、それぞれ、並び替え回路35の出力OUT1、OUT2、OUT3に接続されており、入力RB、GB、BBは、それぞれ、出力OUT4、OUT5、OUT6に接続されている。同様に、圧縮処理部36bの入力RC、GC、BCは、それぞれ、並び替え回路35の出力OUT7、OUT8、OUT9に接続されており、入力RD、GD、BDは、それぞれ、出力OUT10、OUT11、OUT12に接続されている。ここで、入力RA、GA、BAは、それぞれ、ある画素(第1の画素)のRデータ、Gデータ、Bデータが入力されるべき入力端子であり、入力RB、GB、BBは、他の一画素(第2の画素)のRデータ、Gデータ、Bデータが入力されるべき入力端子である。同様に、入力RC、GC、BCは、更に他の一画素(31の画素)のRデータ、Gデータ、Bデータが入力されるべき入力端子であり、入力RD、GB、BBは、更に他の一画素(第4の画素)のRデータ、Gデータ、Bデータが入力されるべき入力端子である。圧縮処理部36bは、並び替え画像データ53−iに対して圧縮処理を行い、圧縮データ54−iを出力する。圧縮データ54−iは、48ビット信号として出力される。
図4Eは、展開並び替え回路41−iの展開回路44及び並び替え回路45の構成の他の例を示すブロック図であり、Rデータ、Gデータ、Bデータを伝送するノードの空間的順序の入れ替えを行うような並び替え回路45を採用する場合の構成の例を示している。図4Eの構成では、展開回路44は、図4Cに図示されているようなパラレル−シリアル変換回路44bを備えておらず、展開処理部44aのみを備えている。展開処理部44aは、12個の8ビット出力RA、GA、BA、RB、GB、BB、RC、GC、BC、RD、GD、BDを有している。展開処理部44aは、圧縮データ61−iに対して展開処理を行い、展開データ62−iを生成する。
並び替え回路45は、12個の8ビット入力IN1〜IN12と、12個の8ビット出力OUT1〜OUT12とを有している。並び替え回路45の入力IN1、IN2、IN3は、それぞれ、展開処理部44aの出力RA、GA、BAに接続されており、入力IN4、IN5、IN6は、それぞれ、出力RB、GB、BBに接続されている。更に、並び替え回路45の入力IN7、IN8、IN9は、それぞれ、展開処理部44aの出力RC、GC、BCに接続されており、入力IN10、IN11、IN12は、それぞれ、出力RD、GD、BDに接続されている。
並び替え回路45は、展開データ62−iに含まれるRデータ、Gデータ、Bデータを、並び替え制御信号63−iに対応した空間的順序に並び替えて並び替え画像データ64−iを生成する。並び替え画像データ64−iは、96ビット信号として表示駆動回路42−iのドライバ単位ラインメモリ42aに出力されて保存される。駆動部42bは、ドライバ単位ラインメモリ42aから並び替え画像データ64−iを受け取り、並び替え画像データ64−iに応答してソース線S{n(i−1)/6}+1〜S(n・i/6)を駆動する。
以上では、「並び替え」処理として、Rデータ、Gデータ、Bデータが入力される時間的順序の入れ替えを行う例(図4B、図4C)と、Rデータ、Gデータ、Bデータが入出力される端子の空間的順序の入れ替えを行う例(図4D、図4E)が提示されている。しかしながら、圧縮並び替え回路34−iの並び替え回路35においては、時間的順序と空間的順序の両方について入れ替えが行われてもよい。同様に、展開並び替え回路41−iの並び替え回路45においても、時間的順序と空間的順序の両方について入れ替えが行われてもよい。
(「並び替え」処理の具体例)
続いて、具体的な液晶表示パネル2の色配置と、それに対応した「並び替え」処理の具体例を説明する。
「並び替え」処理において発生し得る一つの問題は、圧縮並び替え回路34−iの圧縮回路36において、まとめて圧縮処理がなされる画素11の数(本実施形態では、4)と、各ソースドライバ4−iの出力の数が、必ずしも整合しない点である。まとめて圧縮処理がなされる画素11の数は、圧縮処理の方式に依存する一方で、各ソースドライバ4−iの出力の数は、ソースドライバ4−iの数及び液晶表示パネル2のソース線S1〜Snの数で決定される。したがって、市場で要求される仕様によっては、まとめて圧縮処理がなされる画素11の数(本実施形態では、4)と、各ソースドライバ4−iが駆動可能な各水平ラインの画素の数が整合するとは限らない。例えば、まとめて圧縮処理がなされる画素11の数が4であり、各ソースドライバ4−iが駆動可能な各水平ラインの画素の数が4の倍数であれば、まとめて圧縮処理がなされる画素11の数と、各ソースドライバ4−iの出力の数が整合する。しかしながら、例えば、各ソースドライバ4−iの出力の数が681(=12×56+9)である場合には、4画素を単位として圧縮処理を行うと、3つの画素11の画像データが余ってしまう。このような問題は、何らかの処理によって対処される必要がある。以下の「並び替え」処理の説明では、まとめて圧縮処理がなされる画素の数と、各ソースドライバ4−iの出力の数の不整合の問題に対処するための処理についても説明する。
図6A、図6Bは、一実施形態における液晶表示パネル2の構成を示しており、R副画素、G副画素、B副画素が、いわゆる千鳥配置で配置されている液晶表示パネル2の構成を示している。この液晶表示パネル2では、奇数番目のゲート線G1、G3、G5・・・に接続されている画素のライン(奇数水平ライン)と、偶数番目のゲート線G2、G4、G6・・・に接続されている画素のライン(偶数水平ライン)とで、副画素の色配置が相違している。奇数水平ラインでは、ソース線S1、S2、S3に、それぞれ、R副画素、G副画素、B副画素が接続され、残りのソース線にも、同じ順序で副画素12が接続されている。ここで、図6A、図6Bにおいて、副画素12の記号“Rx”(x=0、1、2・・・)は、R副画素を示しており、記号“Gx”は、G副画素を示しており、記号“Bx”は、B副画素を示している。一方、偶数水平ラインでは、ソース線S1、S2、S3に、それぞれ、ダミー副画素13、R副画素、G副画素が接続され、残りのソース線には、B副画素、R副画素、G副画素が、この順序で繰り返して接続されている。
このような構成の液晶表示パネル2の駆動においては、奇数水平ラインと偶数水平ラインとで、異なる「並べ替え」処理が行われる。以下、奇数水平ラインにおける「並べ替え」処理と、偶数水平ラインにおける「並べ替え」処理とについて説明する。なお、以下においては、次の3つの前提があるとして説明を行う。
第1に、各圧縮並び替え回路34−iの圧縮回路36が、次の時間的順序(図4B参照)又は空間的順序(図4D参照):
(1)第1の画素のRデータ
(2)第1の画素のGデータ
(3)第1の画素のBデータ
(4)第2の画素のRデータ
(5)第2の画素のGデータ
(6)第2の画素のBデータ
(7)第3の画素のRデータ
(8)第3の画素のGデータ
(9)第3の画素のBデータ
(10)第4の画素のRデータ
(11)第4の画素のGデータ
(12)第4の画素のBデータ
で画像データを受け取るように構成されているとする。
第2に、各水平ラインの画像データ51−1〜51−6のRデータ、Gデータ、Bデータが、該水平ラインにおける副画素の色配置に対応した順序で入力されるとする。
第3に、まとめて圧縮処理がなされる画素11の数が4であり、各ソースドライバ4−iの出力の数が681であるとする。この場合、各ソースドライバ4−iが駆動可能な各水平ラインの画素11の数は、227個(=681/3)である。なお、まとめて圧縮処理がなされる画素11の数、及び、各ソースドライバ4−iの出力の数は、適宜に変更可能である。
(奇数水平ラインの「並べ替え」処理)
図7A、図7Bは、ソースドライバ4−1の圧縮並び替え回路34−1の並び替え回路35及び展開並び替え回路41−1の並び替え回路45において、奇数水平ラインの画素11に対応する画像データ51−1及び展開データ62−1に対して行われる「並べ替え」処理の内容を示す図である。
詳細には、図7Aは、液晶表示パネル2の部分A1に位置する画素11に対応する画像データ51−1に対して行われる「並び替え」処理の内容を示しておいる。ここで、部分A1は、図6Aに図示されているように、奇数水平ライン(図6Aでは、ゲート線G3に接続された画素11の水平ライン)の左端に位置する12個の副画素R0、G0、B0、R1、G1、B1、R2、G2、B2、R3、G3、B3が設けられている部分である。
一方、図7Bは、液晶表示パネル2の部分A2に位置する画素11に対応する画像データ51−1に対して行われる「並び替え」処理の内容を示している。ここで、部分A2は、奇数水平ラインのソースドライバ4−1に対応する部分の右端(ソースドライバ4−2に対応する部分との境界)に位置する9個の副画素R224、G224、B224、R225、G225、B225、R226、G226、B226が設けられている部分である。
図7A、図7Bに示されているように、奇数水平ラインについては、各画素11の画像データ51−1のRデータ、Gデータ、Bデータが並び替え回路35に入力される順序(時間的順序又は空間的順序)と、Rデータ、Gデータ、Bデータが圧縮回路36に入力されるべき順序(時間的順序又は空間的順序)が整合している。このため、基本的には「並び替え」は行われない。即ち、副画素R0、G0、B0、R1、G1、B1、R2、G2、B2、R3、G3、B3の画像データは、そのまま、圧縮回路36の圧縮処理部36bの入力RA、GA、BA、RB、GB、BB、RC、GC、BC、RD、GD、BDに入力される。また、展開回路44の展開処理部44aの出力RA、GA、BA、RB、GB、BB、RC、GC、BC、RD、GD、BDから出力された副画素R0、G0、B0、R1、G1、B1、R2、G2、B2、R3、G3、B3の展開データが、そのまま、ソース線S1〜S12の駆動に使用される。
ただし、図7Bに図示されているように、4つの画素11を単位として圧縮処理がなされるのに対し、ソースドライバ4−1が駆動する画素11の数が227個(=681/3)であるため、部分A2については3つの画素11、即ち、9つの副画素12に対応する画像データ51−1しか存在しない。そこで、「並び替え」処理において、液晶表示パネル2のソースドライバ4−1に対応する部分の端に位置する特定数の画素11(即ち、副画素R226、G226、B226からなる画素11)の画像データが、圧縮処理に不足する画素11の画像データとしてコピーされる。詳細には、各水平ラインのソースドライバ4−1に対応する画素の数Nを、圧縮処理の単位となる画素の数αで除したときの剰余をβとして、(α−β)個の画素11の画像データがコピーされて使用される。隣接する画素11のR副画素、G副画素、B副画素の階調が大きく相違することは少ないため、端に位置する画素11の画像データをコピーする動作は、画質の大きな劣化を生じさせない。
例えば、図7Bの例では、副画素R224、G224、B224、R225、G225、B225、R226、G226、B226の画像データがそれぞれ、圧縮回路36の入力RA、GA、BA、RB、GB、BB、RC、GC、BCに入力される。更に、副画素R226、G226、B226の画像データ51−1は、重複して、圧縮処理部36bの入力RD、GD、BDに入力される。このとき、展開処理部44aの出力RA、GA、BA、RB、GB、BB、RC、GC、BCから出力された副画素R224、G224、B224、R225、G225、B225、R226、G226、B226の展開データが、そのまま、ソース線S673〜S681の駆動に使用される。展開処理部44aの出力RD、GD、BDから出力された副画素R226、G226、B226の展開データは、ソース線の駆動に使用されない。
このような動作は、上述されているように、本実施形態においてタイミングコントローラ3の圧縮並び替え回路34−1〜34−6とソースドライバ4−1〜4−6とが一対一に対応している構成が採用されていることに関連している(図2A参照)。上記の動作の代わりに、例えば、液晶表示パネル2のソースドライバ4−2に対応する部分の端に位置する画素(副画素R227、G227、B227)の画像データをソースドライバ4−1に転送して圧縮処理することも考えられる。しかしながら、このような動作を行うためには、ドライバ単位ラインメモリ33−2からドライバ単位ラインメモリ33−1にデータ転送が必要になり、タイミングコントローラ3の動作が複雑になる。液晶表示パネル2のソースドライバ4−1に対応する部分の端に位置する画素11の画像データをコピーする動作は、このような不利益を回避できる点で有利である。
(偶数水平ラインの「並べ替え」処理)
図9A、図9B、図9Cは、ソースドライバ4−1の圧縮並び替え回路34−1の並び替え回路35及び展開並び替え回路41−1の並び替え回路45において、偶数水平ラインの画素11に対応する画像データ51−1及び展開データ62−1に対して行われる「並べ替え」処理の内容を示す図である。
詳細には、図9Aは、液晶表示パネル2の部分B1(図8A参照)に位置する画素11に対応する画像データ51−1に対して行われる「並び替え」処理の内容を示しておいる。ここで、部分B1は、図8Aに図示されているように、偶数水平ライン(図8Aでは、ゲート線G4に接続された画素11の水平ライン)の左端に位置する12個の副画素、即ち、ダミー副画素13、副画素R0、G0、B0、R1、G1、B1、R2、G2、B2、R3、及び、G3が設けられている部分である。
一方、図9Bは、液晶表示パネル2の部分B2(図8B参照)に位置する画素11に対応する画像データ51−1に対して行われる「並び替え」処理の内容を示している。ここで、部分B2は、図8Bに図示されているように、偶数水平ラインの左から13番目乃至24番目の副画素B3、R4、G4、B4、R5、G5、B5、R6、G6、B6、R7、G7が設けられている部分である。
更に、図9Cは、液晶表示パネル2の部分B3(図8C参照)に位置する画素11に対応する画像データ51−1に対して行われる「並び替え」処理の内容を示している。ここで、部分B3は、図8Cに図示されているように、ソースドライバ4−1に対応する部分の右端(ソースドライバ4−2に対応する部分との境界)に位置する3個の画素11、即ち、9個の副画素B223、R224、G224、B224、R225、G225、B225、R226、G226が設けられている部分である。
図9A〜図9Cに示されているように、偶数水平ラインについては、各画素11の画像データ51−1のRデータ、Gデータ、Bデータが並び替え回路35に入力される順序と、Rデータ、Gデータ、Bデータが圧縮回路36に入力されるべき順序が整合していない。そこで、圧縮並び替え回路34−1の並び替え回路35及び展開並び替え回路41−1の並び替え回路45において「並び替え」処理が行われる。
まず、液晶表示パネル2の部分B1については、図9Aに図示されているように、画像データ51−1が、次の順序(時間的順序又は空間的順序)で圧縮並び替え回路34−1の並び替え回路35に入力される:
(1)ダミー副画素13の画像データ(ダミーデータ)
(2)副画素R0の画像データ(Rデータ)
(3)副画素G0の画像データ(Gデータ)
(4)副画素B0の画像データ(Bデータ)
(5)副画素R1の画像データ(Rデータ)
(6)副画素G1の画像データ(Gデータ)
(7)副画素B1の画像データ(Bデータ)
(8)副画素R2の画像データ(Rデータ)
(9)副画素G2の画像データ(Gデータ)
(10)副画素B2の画像データ(Bデータ)
(11)副画素R3の画像データ(Rデータ)
(12)副画素G3の画像データ(Gデータ)
ここで、液晶表示パネル2の部分B1に対応する画像データ51−1は、ダミーデータを含んでいることと関係して、4つのRデータと4つのGデータを含んでいる一方で3つのBデータしか含んでいないことに留意されたい。
並び替え回路35は、これらの画像データを、次の順序に並び替えて並び替え画像データ53−1を生成し、並び替え画像データ53−1を圧縮回路36に供給する:
(1)副画素R0の画像データ(Rデータ)
(2)副画素G0の画像データ(Gデータ)
(3)副画素B0の画像データ(Bデータ)
(4)副画素R1の画像データ(Rデータ)
(5)副画素G1の画像データ(Gデータ)
(6)副画素B0の画像データ(Bデータ)
(7)副画素R2の画像データ(Rデータ)
(8)副画素G2の画像データ(Gデータ)
(9)副画素B1の画像データ(Bデータ)
(10)副画素R3の画像データ(Rデータ)
(11)副画素G3の画像データ(Gデータ)
(12)副画素B2の画像データ(Bデータ)
並び替え画像データ53−1におけるRデータ、Gデータ、Bデータの順序が、圧縮回路36の、Rデータを受け取る入力、Gデータを受け取る入力、Bデータを受け取る入力の順序(図4B、図4D参照)に整合している事に留意されたい。即ち、圧縮回路36の圧縮処理部36bの入力RA、GA、BA、RB、GB、BB、RC、GC、BC、RD、GD、BDには、それぞれ、副画素R0、G0、B0、R1、G1、B0、R2、G2、B1、R3、G3、B2の画像データが入力される。このような順序で入力される並び替え画像データ53−1に対して圧縮回路36によって圧縮処理が行われ、圧縮データ54−1が生成される。
図9Aに図示されている「並び替え」処理においては、(1)ダミー副画素13の画像データ(ダミーデータ)が並び替え画像データ53−1から排除され、更に、(2)副画素B0の画像データをコピーしたBデータが重複して圧縮回路36に供給される。ここで、液晶表示パネル2の部分B1においては、R副画素及びG副画素の数が4つであるのに対し、B副画素の数が3つであり、R副画素及びG副画素の数より少ない事に留意されたい。数が少ないB副画素のうちの一つ(副画素B0)の画像データがコピーされて用いられる。本実施形態では、画像データがコピーされるB副画素として、当該偶数水平ラインのB副画素のうちでダミー副画素13に最近接するB副画素である副画素B0が選択されている。これにより、副画素B0の画像データは、図4B、図4Dの圧縮回路36の圧縮処理部36bの2つの入力BA、BBに入力されることになる。画像表示に用いられないダミーデータの代わりに、ダミー副画素13に最近接するB副画素の画像データを使用することで、圧縮処理における画像劣化を抑制できる。隣接するB副画素の階調が大きく相違することは少ないため、副画素B0の画像データをコピーする動作は、画質の大きな劣化を生じさせない。一方、ダミーデータは周辺の副画素の画像データと相関がないため、ダミーデータを用いると、画質の劣化の程度が相対的に大きくなる。
展開並び替え回路41−1の並び替え回路45においては、展開データ62−1から元の画像データ51−1を復元するような「並び替え」処理が行われる。詳細には、展開回路44は、次の順序で展開データ62−1を出力する:
(1)副画素R0の展開データ(Rデータ)
(2)副画素G0の展開データ(Gデータ)
(3)副画素B0の展開データ(Bデータ)
(4)副画素R1の展開データ(Rデータ)
(5)副画素G1の展開データ(Gデータ)
(6)副画素B0の展開データ(Bデータ)
(7)副画素R2の展開データ(Rデータ)
(8)副画素G2の展開データ(Gデータ)
(9)副画素B1の展開データ(Bデータ)
(10)副画素R3の展開データ(Rデータ)
(11)副画素G3の展開データ(Gデータ)
(12)副画素B2の展開データ(Bデータ)
並び替え回路45は、これらの展開データを、次の順序に並び替えて並び替え画像データ64−1を生成し、並び替え画像データ64−1を表示駆動回路42−1に供給する:
(1)副画素B0の画像データ(Bデータ)
(2)副画素R0の画像データ(Rデータ)
(3)副画素G0の画像データ(Gデータ)
(4)副画素B0の画像データ(Bデータ)
(5)副画素R1の画像データ(Rデータ)
(6)副画素G1の画像データ(Gデータ)
(7)副画素B1の画像データ(Bデータ)
(8)副画素R2の画像データ(Rデータ)
(9)副画素G2の画像データ(Gデータ)
(10)副画素B2の画像データ(Bデータ)
(11)副画素R3の画像データ(Rデータ)
(12)副画素G3の画像データ(Gデータ)
表示駆動回路42−1は、このような順序で入力される並び替え画像データ64−1に応答して、ソース線S1〜S12を駆動する。
ここで、ダミー副画素13については、元のダミーデータではなく、副画素B0の画像データが割り当てられる。しかしながら、ダミー副画素13は、実際には表示に寄与しないので、元のダミーデータが復元されないことは問題にならない。
なお、上記では、副画素B0の画像データがコピーされて使用されているが、副画素B1、B2、B3の画像データがコピーされてもよい。ただし、上述のように画質の劣化を低減するためには、ダミー副画素13に最近接する副画素B0の画像データがコピーされて使用されることが好適である。
また、液晶表示パネル2の部分B2については、図9Bに図示されているように、画像データ51−1が、次の順序(時間的順序又は空間的順序)で圧縮並び替え回路34−1の並び替え回路35に入力される:
(1)副画素B3の画像データ(Bデータ)
(2)副画素R4の画像データ(Rデータ)
(3)副画素G4の画像データ(Gデータ)
(4)副画素B4の画像データ(Bデータ)
(5)副画素R5の画像データ(Rデータ)
(6)副画素G5の画像データ(Gデータ)
(7)副画素B5の画像データ(Bデータ)
(8)副画素R6の画像データ(Rデータ)
(9)副画素G6の画像データ(Gデータ)
(10)副画素B6の画像データ(Bデータ)
(11)副画素R7の画像データ(Rデータ)
(12)副画素G7の画像データ(Gデータ)
並び替え回路35は、これらの画像データを、次の順序に並び替えて並び替え画像データ53−1を生成し、生成した並び替え画像データ53−1を圧縮回路36に供給する:
(1)副画素R4の画像データ(Rデータ)
(2)副画素G4の画像データ(Gデータ)
(3)副画素B3の画像データ(Bデータ)
(4)副画素R5の画像データ(Rデータ)
(5)副画素G5の画像データ(Gデータ)
(6)副画素B4の画像データ(Bデータ)
(7)副画素R6の画像データ(Rデータ)
(8)副画素G6の画像データ(Gデータ)
(9)副画素B5の画像データ(Bデータ)
(10)副画素R7の画像データ(Rデータ)
(11)副画素G7の画像データ(Gデータ)
(12)副画素B6の画像データ(Bデータ)
このような順序で入力される並び替え画像データ53−1に対して圧縮回路36によって圧縮処理が行われ、圧縮データ54−1が生成される。
展開並び替え回路41−1の並び替え回路45においては、展開データ62−1から元の画像データ51−1を復元するような「並び替え」処理が行われる。詳細には、展開回路44は、次の順序で展開データ62−1を出力する:
(1)副画素R4の展開データ(Rデータ)
(2)副画素G4の展開データ(Gデータ)
(3)副画素B3の展開データ(Bデータ)
(4)副画素R5の展開データ(Rデータ)
(5)副画素G5の展開データ(Gデータ)
(6)副画素B4の展開データ(Bデータ)
(7)副画素R6の展開データ(Rデータ)
(8)副画素G6の展開データ(Gデータ)
(9)副画素B5の展開データ(Bデータ)
(10)副画素R7の展開データ(Rデータ)
(11)副画素G7の展開データ(Gデータ)
(12)副画素B6の展開データ(Bデータ)
並び替え回路45は、これらの展開データを、元の画像データ51−1と同一の順序に並び替えて並び替え画像データ64−1を生成し、並び替え画像データ64−1を表示駆動回路42−1に供給する。表示駆動回路42−1は、このような順序で入力される並び替え画像データ64−1に応答して、ソース線S13〜S24を駆動する。
更に、液晶表示パネル2の部分B3については、図9Cに図示されているように、画像データ51−1が、次の順序(時間的順序又は空間的順序)で圧縮並び替え回路34−1の並び替え回路35に入力される:
(1)副画素B223の画像データ(Bデータ)
(2)副画素R224の画像データ(Rデータ)
(3)副画素G224の画像データ(Gデータ)
(4)副画素B224の画像データ(Bデータ)
(5)副画素R225の画像データ(Rデータ)
(6)副画素G225の画像データ(Gデータ)
(7)副画素B225の画像データ(Bデータ)
(8)副画素R226の画像データ(Rデータ)
(9)副画素G226の画像データ(Gデータ)
並び替え回路35は、これらの画像データに対して「並び替え」処理を行って並び替え画像データ53−1を生成し、生成した並び替え画像データ53−1を圧縮回路36に供給する。ただし、図9Cに図示されているように、4つの画素11を単位として圧縮処理がなされるのに対し、ソースドライバ4−1が駆動する画素11の数が227個(=681/3)であるため、部分B3については3つの画素11に対応する画像データ51−1しか存在しない。そこで、「並び替え」処理においては、液晶表示パネル2のソースドライバ4−1に対応する部分の端に位置する1つの画素11の画像データが、圧縮処理に不足する画素11の画像データとしてコピーされる。
即ち、並び替え回路35は、上記の画像データを次の順序で並び替えて並び替え画像データ53−1を生成する:
(1)副画素R224の画像データ(Rデータ)
(2)副画素G224の画像データ(Gデータ)
(3)副画素B223の画像データ(Bデータ)
(4)副画素R225の画像データ(Rデータ)
(5)副画素G225の画像データ(Gデータ)
(6)副画素B224の画像データ(Bデータ)
(7)副画素R226の画像データ(Rデータ)
(8)副画素G226の画像データ(Gデータ)
(9)副画素B225の画像データ(Bデータ)
(10)副画素R226の画像データ(Rデータ)
(11)副画素G226の画像データ(Gデータ)
(12)副画素B225の画像データ(Bデータ)
ここで、並び替え画像データ53−1が、副画素R226、G226、B226の画像データ51−1を重複して含んでいることに留意されたい。このような順序で入力される並び替え画像データ53−1に対して圧縮回路36によって圧縮処理が行われ、圧縮データ54−1が生成される。
展開並び替え回路41−1の並び替え回路45においては、展開データ62−1から元の画像データ51−1を復元するような「並び替え」処理が行われる。詳細には、展開回路44は、次の順序で展開データ62−1を出力する:
(1)副画素R224の展開データ(Rデータ)
(2)副画素G224の展開データ(Gデータ)
(3)副画素B223の展開データ(Bデータ)
(4)副画素R225の展開データ(Rデータ)
(5)副画素G225の展開データ(Gデータ)
(6)副画素B224の展開データ(Bデータ)
(7)副画素R226の展開データ(Rデータ)
(8)副画素G226の展開データ(Gデータ)
(9)副画素B225の展開データ(Bデータ)
(10)副画素R226の展開データ(Rデータ)
(11)副画素G226の展開データ(Gデータ)
(12)副画素B225の展開データ(Bデータ)
並び替え回路45は、これらの展開データを、元の画像データ51−1と同一の順序に並び替えて並び替え画像データ64−1を生成し、並び替え画像データ64−1を表示駆動回路42−1に供給する。このとき、重複している副画素R226、G226、B225の展開データは削除される。表示駆動回路42−1は、このような順序で入力される並び替え画像データ64−1に応答して、ソース線S673〜S681を駆動する。
他のソースドライバ4の圧縮並び替え回路34の並び替え回路35及び展開並び替え回路41の並び替え回路45においても、同様の処理が行われる。このとき、各ソースドライバ4で駆動可能な画素の数を、圧縮処理の単位となる画素11の数(本実施形態では4)で除算したときに非零の端数が生じる場合には、適宜、各ソースドライバに対応する部分の端に位置する画素11の画像データがコピーされて圧縮処理に使用される。より具体的には、各水平ラインのソースドライバ4−1に対応する画素の数Nを、圧縮処理の単位となる画素の数αで除したときの剰余をβとして、(α−β)個の画素11の画像データがコピーされて使用される。
以上に説明されているように、本実施形態では、タイミングコントローラ3とソースドライバ4のそれぞれに並び替え回路(35、45)が設けられ、画像データの時間的順序及び/又は空間的順序を並び替える並び替え処理が行われる。これにより、色情報を利用した高効率で画質劣化が小さい圧縮処理を採用しながら、画素の色の配置がライン毎に異なっているような表示デバイスを駆動する表示デバイスドライバにデータ転送を行うことができる。
また、この並び替え処理において、ダミー副画素を含む画素の圧縮処理においては、ダミー副画素に対応する画像データの代わりに、近隣の副画素の画像データをコピーするような操作が行われる。これにより、圧縮処理における画質劣化が抑制される。
更に、圧縮処理の単位となる画素の数とソースドライバ4の出力数が整合しない場合、並び替え処理において、圧縮処理の単位となる画素の数と整合するように画像データをコピーする操作が行われる。これにより、圧縮処理の単位となる画素の数とソースドライバ4の出力数が整合しない問題に対処できる。
<第2の実施形態>
図10A、図10Bは、第2の実施形態における液晶表示パネル2Aの構成を示す図である。液晶表示パネルにおけるR副画素、G副画素、B副画素の配置は、図6A、図6Bに図示されている配置に限られない。本実施形態では、図10A、図10Bに図示されているように、R副画素、G副画素及びB副画素が、いわゆるデルタ配置で配置されている液晶表示パネル2Aが採用される。液晶表示装置1の他の構成は、図2A、図3に図示された構成と同一である。
本実施形態で使用される液晶表示パネル2Aでも、奇数番目のゲート線G1、G3、G5・・・に接続されている画素のライン(奇数水平ライン)と、偶数番目のゲート線G2、G4、G6・・・に接続されている画素のライン(偶数水平ライン)とで、副画素の色配置が相違している。奇数水平ラインでは、ソース線S1、S2、S3に、それぞれ、R副画素、G副画素、B副画素が接続され、残りのソース線にも、同じ順序で副画素12が接続されている。一方、偶数水平ラインでは、ソース線S1、S2、S3に、それぞれ、B副画素、R副画素、G副画素が接続され、残りのソース線にも、同じ順序で副画素12が接続されている。
このような構成の液晶表示パネル2Aの駆動においても、奇数水平ラインと偶数水平ラインとで、異なる「並べ替え」処理が行われる。以下、奇数水平ラインにおける「並べ替え」処理と、偶数水平ラインにおける「並べ替え」処理とについて説明する。なお、この「並び替え」処理の説明で用いられる前提は、各ソースドライバ4−iの出力の数が909である以外は、上述と同じである。
図11A、図11Bは、図10A、図10Bの構成の液晶表示パネル2Aの奇数水平ラインの画素11に対応する画像データ51−1に対して行われる「並べ替え」処理の内容を示す図である。詳細には、図11Aは、液晶表示パネル2の部分A1(図10A参照)に位置する画素11に対応する画像データ51−1に対して行われる「並び替え」処理の内容を示している。一方、図11Bは、液晶表示パネル2の部分A2に位置する画素11に対応する画像データ51−1に対して行われる「並び替え」処理の内容を示している。ここで、部分A2は、奇数水平ラインのソースドライバ4−1に対応する部分の右端(ソースドライバ4−2に対応する部分との境界)に位置する9個の副画素R300、G300、B300、R301、G301、B301、R302、G302、B302が設けられている部分である。
図11Aに示されているように、奇数水平ラインについては、基本的には「並び替え」は行われない。即ち、副画素R0、G0、B0、R1、G1、B1、R2、G2、B2、R3、G3、B3の画像データは、そのまま、圧縮回路36の圧縮処理部36bの入力RA、GA、BA、RB、GB、BB、RC、GC、BC、RD、GD、BDに入力される。また、展開回路44の展開処理部44aの出力RA、GA、BA、RB、GB、BB、RC、GC、BC、RD、GD、BDから出力された副画素R0、G0、B0、R1、G1、B1、R2、G2、B2、R3、G3、B3の展開データが、そのまま、ソース線S1〜S12の駆動に使用される。
ただし、図11Bに図示されているように、4つの画素11を単位として圧縮処理がなされるのに対し、ソースドライバ4−1が駆動する画素11の数が303個(=909/3)であるため、部分A2については3つの画素11、即ち、9つの副画素12に対応する画像データ51−1しか存在しない。そこで、「並び替え」処理において、液晶表示パネル2のソースドライバ4−1に対応する部分の端に位置する所定数の副画素12(即ち、副画素R226、G226、B226)の画像データが、圧縮処理に不足する画素11の画像データとしてコピーされる。図11Bの例では、副画素R300、G300、B300、R301、G301、B301、R302、G302、B302の画像データがそれぞれ、圧縮回路36の圧縮処理部36bの入力RA、GA、BA、RB、GB、BB、RC、GC、BCに入力される。更に、副画素R302、G302、B302の画像データ51−1は、重複して、圧縮処理部36bの入力RD、GD、BDに入力される。このとき、展開回路44の展開処理部44aの出力RA、GA、BA、RB、GB、BB、RC、GC、BCから出力された副画素R300、G300、B300、R301、G301、B301、R302、G302、B302の展開データが、そのまま、ソース線S901〜S909の駆動に使用される。展開処理部44aの出力RD、GD、BDから出力された副画素R302、G302、B302の展開データは、ソース線の駆動に使用されない。
一方、図13A、図13Bは、液晶表示パネル2Aの偶数水平ラインの画素11に対応する画像データ51−1に対して行われる「並べ替え」処理の内容を示す図である。詳細には、図13Aは、液晶表示パネル2の部分B1(図12A参照)に位置する画素11に対応する画像データ51−1に対して行われる「並び替え」処理の内容を示している。一方、図13Bは、液晶表示パネル2の部分B2に位置する画素11に対応する画像データ51−1に対して行われる「並び替え」処理の内容を示している。ここで、部分B2は、偶数水平ラインのソースドライバ4−1に対応する部分の右端(ソースドライバ4−2に対応する部分との境界)に位置する9個の副画素R300、G300、B300、R301、G301、B301、R302、G302、B302が設けられている部分である。
液晶表示パネル2の部分B1については、図13Aに図示されているように、画像データ51−1が、次の順序(時間的順序又は空間的順序)で圧縮並び替え回路34−1の並び替え回路35に入力される:
(1)副画素B0の画像データ(Bデータ)
(2)副画素R1の画像データ(Rデータ)
(3)副画素G1の画像データ(Gデータ)
(4)副画素B1の画像データ(Bデータ)
(5)副画素R2の画像データ(Rデータ)
(6)副画素G2の画像データ(Gデータ)
(7)副画素B2の画像データ(Bデータ)
(8)副画素R3の画像データ(Rデータ)
(9)副画素G3の画像データ(Gデータ)
(10)副画素B3の画像データ(Bデータ)
(11)副画素R4の画像データ(Rデータ)
(12)副画素G4の画像データ(Gデータ)
並び替え回路35は、これらの画像データを、次の順序に並び替えて並び替え画像データ53−1を生成し、生成した並び替え画像データ53−1を圧縮回路36に供給する:
(1)副画素R1の画像データ(Rデータ)
(2)副画素G1の画像データ(Gデータ)
(3)副画素B0の画像データ(Bデータ)
(4)副画素R2の画像データ(Rデータ)
(5)副画素G2の画像データ(Gデータ)
(6)副画素B1の画像データ(Bデータ)
(7)副画素R3の画像データ(Rデータ)
(8)副画素G3の画像データ(Gデータ)
(9)副画素B2の画像データ(Bデータ)
(10)副画素R4の画像データ(Rデータ)
(11)副画素G4の画像データ(Gデータ)
(12)副画素B3の画像データ(Bデータ)
このような順序で入力される並び替え画像データ53−1に対して圧縮回路36によって圧縮処理が行われ、圧縮データ54−1が生成される。
展開並び替え回路41−1の並び替え回路45においては、展開データ62−1から元の画像データ51−1を復元するような「並び替え」処理が行われる。詳細には、展開回路44は、並び替え画像データ53−1と同一の順序で展開データ62−1を出力する。並び替え回路45は、展開データ62−1を、元の画像データ51−1と同一の順序に並び替えて並び替え画像データ64−1を生成し、並び替え画像データ64−1を表示駆動回路42−1に供給する。表示駆動回路42−1は、このような順序で入力される並び替え画像データ64−1に応答して、ソース線S1〜S12を駆動する。
一方、液晶表示パネル2の部分B2については、図13Bに図示されているように、画像データ51−1が、次の順序(時間的順序又は空間的順序)で圧縮並び替え回路34−1の並び替え回路35に入力される:
(1)副画素B300の画像データ(Bデータ)
(2)副画素R301の画像データ(Rデータ)
(3)副画素G301の画像データ(Gデータ)
(4)副画素B301の画像データ(Bデータ)
(5)副画素R302の画像データ(Rデータ)
(6)副画素G302の画像データ(Gデータ)
(7)副画素B302の画像データ(Bデータ)
(8)副画素R303の画像データ(Rデータ)
(9)副画素G303の画像データ(Gデータ)
並び替え回路35は、これらの画像データに対して「並び替え」処理を行って並び替え画像データ53−1を生成し、生成した並び替え画像データ53−1を圧縮回路36に供給する。ただし、図13Bに図示されているように、4つの画素11を単位として圧縮処理がなされるのに対し、ソースドライバ4−1が駆動する画素11の数が303個(=909/3)であるため、部分B2については3つの画素11、即ち、9つの副画素12に対応する画像データ51−1しか存在しない。そこで、「並び替え」処理においては、液晶表示パネル2のソースドライバ4−1に対応する部分の端に位置する所定数の画素11の画像データが、圧縮処理に不足する副画素12の画像データとしてコピーされる。
即ち、並び替え回路35は、上記の画像データを次の順序に並び替えて並び替え画像データ53−1を生成する:
(1)副画素R301の画像データ(Rデータ)
(2)副画素G301の画像データ(Gデータ)
(3)副画素B300の画像データ(Bデータ)
(4)副画素R302の画像データ(Rデータ)
(5)副画素G302の画像データ(Gデータ)
(6)副画素B301の画像データ(Bデータ)
(7)副画素R303の画像データ(Rデータ)
(8)副画素G303の画像データ(Gデータ)
(9)副画素B302の画像データ(Bデータ)
(10)副画素R303の画像データ(Rデータ)
(11)副画素G303の画像データ(Gデータ)
(12)副画素B302の画像データ(Bデータ)
ここで、並び替え画像データ53−1が、副画素R303、G303、B302の画像データ51−1を重複して含んでいることに留意されたい。このような順序で入力される並び替え画像データ53−1に対して圧縮回路36によって圧縮処理が行われ、圧縮データ54−1が生成される。
展開並び替え回路41−1の並び替え回路45においては、展開データ62−1から元の画像データ51−1を復元するような「並び替え」処理が行われる。詳細には、展開回路44は、並び替え画像データ53−1と同一の順序で展開データ62−1を出力する:
並び替え回路45は、これらの展開データを、元の画像データ51−1と同一の順序に並び替えて並び替え画像データ64−1を生成し、並び替え画像データ64−1を表示駆動回路42−1に供給する。このとき、重複している副画素R303、G303、B302の展開データは削除される。表示駆動回路42−1は、このような順序で入力される並び替え画像データ64−1に応答して、ソース線S901〜S909を駆動する。
なお、各ソースドライバ4で駆動可能な画素11の数を、圧縮処理の単位となる画素11の数(本実施形態では4)で除算したときに端数が生じないような液晶表示装置1の構成も可能である。このような場合は、「並び替え」処理において、各ソースドライバ4に対応する部分の端に位置する画素11の画像データのコピーを行う必要が無い。
例えば、図14A、図14Bに図示されているように、各ソースドライバ4の出力数が732個である場合、各ソースドライバ4で駆動可能な画素11の数は、244個である。この場合には、各ソースドライバ4で駆動可能な画素11の数(即ち、244)を、圧縮処理の単位となる画素11の数(本実施形態では4)で除算したときに端数が生じない。
図15A、図15Bは、それぞれ、図14A、図14Bに図示されている構成の液晶表示パネル2Aの奇数水平ライン及び偶数水平ラインについて行われる「並べ替え」処理の内容を示す図である。ここで、図15Aは、液晶表示パネル2Aの部分A2に(図14A参照)に位置する画素11に対応する画像データ51−1に対して行われる「並び替え」処理の内容を示している。一方、図15Bは、液晶表示パネル2Aの部分B2(図14B参照)に位置する画素11に対応する画像データ51−1に対して行われる「並び替え」処理の内容を示している。この実施形態では、図13Aに図示されているような、R副画素、G副画素、B副画素の画像データの順序の入れ替えのみが行われ、各ソースドライバ4に対応する部分の端に位置する副画素12の画像データのコピーは行われない。
他のソースドライバ4の圧縮並び替え回路34の並び替え回路35及び展開並び替え回路41の並び替え回路45においても、同様の処理が行われる。このとき、各ソースドライバ4で駆動可能な画素の数を、圧縮処理の単位となる画素11の数(本実施形態では4)で除算したときに非零の端数が生じる場合には、適宜、各ソースドライバに対応する部分の端に位置する画素11の画像データがコピーされて圧縮処理に使用される。
<第3の実施形態>
図16A、図16Bは、第3の実施形態における液晶表示パネル2Bの構成を示している。第3の実施形態では、各画素11が、4つの副画素:R副画素、G副画素、B副画素、W副画素を備えている構成の液晶表示パネル2Bが使用される。ここで、W副画素は、白色を表示するための副画素である。液晶表示装置1の他の構成は、図2A、図3に図示された構成と同一である。
図16A、図16Bに図示されている液晶表示パネル2Bでも、奇数番目のゲート線G1、G3、G5・・・に接続されている画素のライン(奇数水平ライン)と、偶数番目のゲート線G2、G4、G6・・・に接続されている画素のライン(偶数水平ライン)とで、副画素の色配置が相違している。具体的には、奇数水平ラインでは、ソース線S1、S2、S3、S4に、それぞれ、R副画素、G副画素、B副画素、W副画素が接続され、残りのソース線にも、同じ順序で副画素12が接続されている。一方、偶数水平ラインでは、ソース線S1、S2、S3、S4に、それぞれ、B副画素、W副画素、R副画素、G副画素が接続され、残りのソース線にも、同じ順序で副画素12が接続されている。
液晶表示パネル2Bの駆動においては、各画素11のR副画素、G副画素、B副画素、W副画素のそれぞれに対応する画像データがラインメモリ32からドライバ単位ラインメモリ33−1〜33−6に供給される。更に、ドライバ単位ラインメモリ33−1〜33−6から圧縮並び替え回路34−1〜34−6に画像データが供給され、該画像データが圧縮されてソースドライバ4−1〜4−6に供給される。
ここで、タイミングコントローラ3に外部から入力される各画素11の映像データがRGB形式で提供される場合、各画素11のR副画素、G副画素、B副画素、W副画素の画像データは、当該画素11の映像データから次式によって算出されてもよい。
W=min(RIN、GIN、BIN) ・・・(2a)
R=RIN−W ・・・(2b)
G=GIN−W ・・・(2c)
B=BIN−W ・・・(2d)
式(2a)〜(2d)において、RIN、GIN、BINは、RGB形式の映像データに記述された赤色の階調値、緑色の階調値、青色の階調値であり、W、R、G、Bは、それぞれ、各画素11のR副画素、G副画素、B副画素、W副画素の画像データの値である。
図17Aは、図16A、図16Bの構成の液晶表示パネル2Bの奇数水平ラインの画素11に対応する画像データ51−1に対して行われる「並べ替え」処理の内容を示す図である。詳細には、図17Aは、液晶表示パネル2Bの部分A1(図16A参照)に位置する16個の副画素12に対応する画像データ51−1に対して行われる「並び替え」処理の内容を示している。
図17Aに示されているように、奇数水平ラインについては、基本的には「並び替え」処理は行われない。即ち、圧縮並び替え回路34−1に供給された副画素R0、G0、B0、W0、R1、G1、B1、W1、R2、G2、B2、W2、R3、G3、B3、W3の画像データ51−1は、その時間的順序及び空間的順序を維持したまま圧縮回路36の入力に入力される。
ここで、各画素11にW副画素が設けられていることに対応し、第3の実施形態の圧縮回路36で行われる圧縮処理は、第1の実施形態で行われる圧縮処理と異なっている。一実施形態では、以下に述べるようなブロック圧縮が圧縮回路36において行われてもよい。
まず、各画素11について、次式(3a)〜(3c)により、輝度データY、色差データCb、Crが算出される:
Y=0.2989×R+0.5866×G+0.1145×B ・・・(3a)
Cb=−0.168×R−0.3312×G+0.5000×B ・・・(3b)
Cr=0.5000×R−0.4183×G−0.0816×B ・・・(3c)
ここで、R、G、Bは、それぞれ、R副画素、G副画素、B副画素の画像データに示された階調値である。
そして、圧縮データ54−1は、4つの画素のそれぞれの輝度データY0、Y1、Y2、Y3と、W副画素の画像データW0、W1、W2、W3と、4つの画素の色差データCbの平均値Cbaveと、4つの画素の色差データの平均値Craveとを含むように生成される。ここで、4つの画素の色差データCbの平均値Cbaveと、4つの画素の色差データの平均値Craveとは、下記式(4a)、(4b)によって算出される。
Cbave=(Cb0+Cb1+Cb2+Cb3)/4 ・・・(4a)
Crave=(Cr0+Cr1+Cr2+Cr3)/4 ・・・(4b)
式(4a)、(4b)において、Cbi(i=0〜3のいずれか)は、それぞれ、副画素Ri、Gi、Biの画像データから算出された色差データCbであり、Cri(i=0〜3のいずれか)は、それぞれ、副画素Ri、Gi、Biの画像データから算出された色差データCrである。
展開回路44における展開処理においては、例えば、下記式(5−1)〜(5−12)により、副画素R0、G0、B0、R1、G1、B1、R2、G2、B2、R3、G3、B3の画像データが復元される:
R0=Y0+1.402×(Crave−128) ・・・(5−1)
G0=Y0−0.34414×(Cbave−128)
−0.71414×(Crave−128) ・・・(5−2)
B0=Y0+1.772×(Cbave−128) ・・・(5−3)
R1=Y1+1.402×(Crave−128) ・・・(5−4)
G1=Y1−0.34414×(Cbave−128)
−0.71414×(Crave−128) ・・・(5−5)
B1=Y1+1.772×(Cbave−128) ・・・(5−6)
R2=Y2+1.402×(Crave−128) ・・・(5−7)
G2=Y2−0.34414×(Cbave−128)
−0.71414×(Crave−128) ・・・(5−8)
B2=Y2+1.772×(Cbave−128) ・・・(5−9)
R3=Y3+1.402×(Crave−128) ・・・(5−10)
G3=Y3−0.34414×(Cbave−128)
−0.71414×(Crave−128) ・・・(5−11)
B3=Y3+1.772×(Cbave−128) ・・・(5−12)
なお、展開データ62−1における副画素W0、W1、W2、W3の画像データとしては、圧縮データに含まれるW副画素の画像データW0、W1、W2、W3がそのまま使用される。
展開回路44の出力から出力された副画素R0、G0、B0、W0、R1、G1、B1、W1、R2、G2、B2、W2、R3、G3、B3、W3の展開データ62−1が、その時間的順序及び空間的順序を維持したまま、並び替え画像データ64−1として表示駆動回路42−1に入力される。表示駆動回路42−1は、並び替え画像データ64−1に応答して、ソース線S1〜S16を駆動する。
図17Bは、液晶表示パネル2Bの偶数水平ラインの画素11に対応する画像データ51−1に対して行われる「並べ替え」処理の内容を示す図である。詳細には、図17Aは、液晶表示パネル2Bの部分B1(図16B参照)に位置する16個の副画素12に対応する画像データ51−1に対して行われる「並び替え」処理の内容を示している。
液晶表示パネル2Bの部分B1については、図17Bに図示されているように、画像データ51−1が、次の順序(時間的順序又は空間的順序)で圧縮並び替え回路34−1の並び替え回路35に入力される:
(1)副画素B0の画像データ(Bデータ)
(2)副画素W0の画像データ(Wデータ)
(3)副画素R0の画像データ(Rデータ)
(4)副画素G0の画像データ(Gデータ)
(5)副画素B1の画像データ(Bデータ)
(6)副画素W1の画像データ(Wデータ)
(7)副画素R1の画像データ(Rデータ)
(8)副画素G1の画像データ(Gデータ)
(9)副画素B2の画像データ(Bデータ)
(10)副画素W2の画像データ(Wデータ)
(11)副画素R2の画像データ(Rデータ)
(12)副画素G2の画像データ(Gデータ)
(13)副画素B3の画像データ(Bデータ)
(14)副画素W3の画像データ(Wデータ)
(15)副画素R3の画像データ(Rデータ)
(16)副画素G3の画像データ(Gデータ)
ここで、Wデータとは、W副画素の画像データを意味している。
並び替え回路35は、これらの画像データを、次の順序に並び替えて並び替え画像データ53−1を生成し、生成した並び替え画像データ53−1を圧縮回路36に供給する:
(1)副画素R0の画像データ(Rデータ)
(2)副画素G0の画像データ(Gデータ)
(3)副画素B0の画像データ(Bデータ)
(4)副画素W0の画像データ(Wデータ)
(5)副画素R1の画像データ(Rデータ)
(6)副画素G1の画像データ(Gデータ)
(7)副画素B1の画像データ(Bデータ)
(8)副画素W1の画像データ(Wデータ)
(9)副画素R2の画像データ(Rデータ)
(10)副画素G2の画像データ(Gデータ)
(11)副画素B2の画像データ(Bデータ)
(12)副画素W2の画像データ(Wデータ)
(13)副画素R3の画像データ(Rデータ)
(14)副画素G3の画像データ(Gデータ)
(15)副画素B3の画像データ(Bデータ)
(16)副画素W3の画像データ(Wデータ)
このような順序で入力される並び替え画像データ53−1に対して圧縮回路36によって圧縮処理が行われ、圧縮データ54−1が生成される。
展開並び替え回路41−1の並び替え回路45においては、展開データ62−1から元の画像データ51−1を復元するような「並び替え」処理が行われる。詳細には、展開回路44は、並び替え画像データ53−1と同一の順序で展開データ62−1を出力する。並び替え回路45は、展開データ62−1を、元の画像データ51−1と同一の順序に並び替えて並び替え画像データ64−1を生成し、並び替え画像データ64−1を表示駆動回路42−1に供給する。表示駆動回路42−1は、このような順序で入力される並び替え画像データ64−1に応答して、ソース線S1〜S16を駆動する。
他のソースドライバ4の圧縮並び替え回路34の並び替え回路35及び展開並び替え回路41の並び替え回路45においても、同様の処理が行われる。このとき、各ソースドライバ4で駆動可能な画素の数を、圧縮処理の単位となる画素11の数(本実施形態では4)で除算したときに非零の端数が生じる場合には、適宜、各ソースドライバに対応する部分の端に位置する副画素12の画像データがコピーされて圧縮処理に使用される。
なお、上記では、各画素11が、R副画素、G副画素、B副画素に加えてW副画素を含む構成を提示しているが、W副画素の代わりに黄色を表示するY副画素を使用することもできる。
<第4の実施形態>
図18は、本発明の第4の実施形態の液晶表示装置1Aの構成を示すブロック図である。上述の第1の実施形態では、タイミングコントローラ3とソースドライバ4−1〜4−6とがピアートゥーピア(peer to peer)で接続されているのに対し、本実施形態では、タイミングコントローラ3とソースドライバ4−1〜4−6がマルチドロップ(multi-drop)で接続されている。以下、本実施形態の液晶表示装置1Aの構成を説明する。
本実施形態では、タイミングコントローラ3とソースドライバ4−1〜4−3がバス7−1を介してマルチドロップ接続され、タイミングコントローラ3とソースドライバ4−4〜4−6がバス7−2を介してマルチドロップ接続されている。
タイミングコントローラ3の構成は、図3に図示されている構成とほぼ同様であるが、ドライバ単位ラインメモリ33及び圧縮並び替え回路34が、複数のソースドライバ4に対応づけられている点で異なる。
詳細には、ドライバ単位ラインメモリ33−1は、それぞれ、ソースドライバ4−1〜4−6に送るべき画像データをラインメモリ32から受け取って保存する。一方、ドライバ単位ラインメモリ33−2は、それぞれ、ソースドライバ4−4〜4−6に送るべき画像データをラインメモリ32から受け取って保存する。
圧縮並び替え回路34−1は、ドライバ単位ラインメモリ33−1から画像データを受け取り、ソースドライバ4−1〜4−3に転送される転送データ6−1を生成する。詳細には、圧縮並び替え回路34−1は、ドライバ単位ラインメモリ33−1から受け取った画像データに対して第1乃至第3の実施形態と同様の「並び替え」処理(即ち、画像データの時間的順序、及び/又は、空間的順序を並び替える処理)を行う。圧縮並び替え回路34−1は、その「並び替え」処理で得られた並び替え画像データに対して圧縮処理を行って圧縮データを生成し、その圧縮データを転送データ6−1に組み込んでソースドライバ4−1〜4−3に転送する。
同様に、圧縮並び替え回路34−2は、ドライバ単位ラインメモリ33−2から画像データを受け取り、ソースドライバ4−4〜4−6に転送される転送データ6−2を生成する。詳細には、圧縮並び替え回路34−2は、ドライバ単位ラインメモリ33−1から受け取った画像データに対して「並び替え」処理を行い、その「並び替え」処理で得られた並び替え画像データに対して圧縮処理を行って圧縮データを生成する。圧縮並び替え回路34−2は、その圧縮データを転送データ6−2に組み込んでソースドライバ4−4〜4−6に転送する。
ソースドライバ4−1〜4−6のそれぞれは、展開並び替え回路41と表示駆動回路42とを備えている。ここで、図3では、ソースドライバ4−iに含まれる展開並び替え回路41は符号41−iで示されており、ソースドライバ4−iに含まれる表示駆動回路42は符号42−iで示されている。
ソースドライバ4−1〜4−3の展開並び替え回路41−1〜41−3は、圧縮並び替え回路34−1から受け取った転送データ6−1に含まれる圧縮データに対して展開処理を行って展開データを生成し、更に、その展開データを液晶表示パネル2における副画素12の色の配置に合わせて「並び替え」を行う。展開並び替え回路41−1〜41−3における「並び替え」は、基本的には、ドライバ単位ラインメモリ33−1から受け取った画像データを復元するためのものである。表示駆動回路42−1〜42−3は、「並び替え」がなされた展開データに応答して、ソースドライバ4−1〜4−3に割り当てられたソース線を駆動する。
同様に、ソースドライバ4−4〜4−6の展開並び替え回路41−4〜41−6は、圧縮並び替え回路34−2から受け取った転送データ6−2に含まれる圧縮データに対して展開処理を行って展開データを生成し、更に、その展開データを液晶表示パネル2における副画素12の色の配置に合わせて「並び替え」を行う。展開並び替え回路41−4〜41−6における「並び替え」は、基本的には、ドライバ単位ラインメモリ33−2から受け取った画像データを復元するためのものである。表示駆動回路42−4〜42−6は、「並び替え」がなされた展開データに応答して、ソースドライバ4−4〜4−6に割り当てられたソース線を駆動する。
本実施形態では、ソースドライバ4のそれぞれは、転送データ6−1又は6−2に含まれる圧縮データのうち、自身が駆動する液晶表示パネル2の部分に対応する圧縮データを選択的に取り込むように構成されている。詳細には、本実施形態では、各ソースドライバ4のそれぞれに、各ソースドライバ4が液晶表示パネル2のどの部分を駆動するのかを指定する座標値データが与えられる。該座標値データは、各ソースドライバ4に設けられたレジスタ(図示されない)に格納されて保存されてもよく、また、外部から供給されてもいい。各ソースドライバ4は、該座標値データを参照し、転送データ6−1又は6−2に含まれる圧縮データのうち必要な圧縮データを取り込む。
ここで、本実施形態では、複数の画素(本実施形態では4つの画素)をまとめて圧縮するブロック圧縮によって圧縮を行うため、ある圧縮データに対応する画素が複数のソースドライバ4にまたがることが発生し得る。このとき、本実施形態では、ある圧縮データに対応する画素11が、あるソースドライバ4に対応する画素11と、それに隣接するソースドライバ4に対応する画素11とを含んでいる場合、当該2つのソースドライバ4の両方が、当該圧縮データを取り込む。当該圧縮データを取り込んだソースドライバ4の展開並び替え回路41は、取り込んだ圧縮データに展開処理を行って展開データを生成し、展開データのうち当該ソースドライバ4に対応しない画素11の展開データを破棄する。当該展開並び替え回路41は、更に、展開データに対して「並び替え」処理を行って並び替え画像データを生成し、表示駆動回路42は、この並び替え画像データに応答してソース線を駆動する。以下では、本実施形態における圧縮処理、「並び替え」処理、及び、展開処理について説明する。
図19A、図19Bは、本実施形態の液晶表示パネル2の構成を示す図である。図19Aにおいて、部分A3は、奇数水平ライン(図19Aでは、ゲート線G3に接続されている画素11の水平ライン)に位置しており、且つ、圧縮データを生成する単位となる4画素が、ソースドライバ4−1、4−2に跨っている部分を示している。即ち、奇数水平ラインの副画素R224、G224、B224、R225、G225、B225、R226、G226、B226がソースドライバ4−1によって駆動され、副画素R227、G227、B227がソースドライバ4−2によって駆動される。その一方で、奇数水平ラインの副画素R224、G224、B224、R225、G225、B225、R226、G226、B226、R227、G227、B227の画像データがまとめて圧縮されて圧縮データが生成される。
一方、図19Bにおいて、部分B3は、偶数水平ライン(図19Bでは、ゲート線G4に接続されている画素11の水平ライン)に位置しており、且つ、圧縮データを生成する単位となる4画素が、ソースドライバ4−1、4−2に跨っている部分を示している。即ち、偶数水平ラインの副画素B223、R224、G224、B224、R225、G225、B225、R226、G226がソースドライバ4−1によって駆動され、副画素B226、R227、G227がソースドライバ4−2によって駆動される。その一方で、偶数水平ラインの副画素B223、R224、G224、B224、R225、G225、B225、R226、G226、B226、R227、G227の画像データがまとめて圧縮されて圧縮データが生成される。以下では、これらの部分A3、B3に対応する画素11の画像データに対して行われる圧縮処理、「並び替え」処理、及び、展開処理について説明する。
図20A、図20Bは、液晶表示パネル2の部分A3に位置する画素11に対応する画像データ51−1に対して行われる「並び替え」処理の内容を示している。ここで、図20Aは、ソースドライバ4−1における展開処理及び「並び替え」処理を示しており、図20Bは、ソースドライバ4−2における展開処理及び「並び替え」処理を示している。
図20A、図20Bに示されているように、奇数水平ラインについては、「並び替え」は行われない。即ち、副画素R224、G224、B224、R225、G225、B225、R226、G226、B226、R227、G227、B227の画像データ51−1は、時間的順序及び空間的順序を保ったまま、並び替え画像データ53−1として圧縮回路36に入力される。圧縮回路36は、受け取った並び替え画像データ53−1に対して圧縮処理を行って圧縮データを生成し、該圧縮データを転送データ6−1に組み込んでバス7−1に出力する。
ソースドライバ4−1、4−2は、それぞれに与えられた座標値データから、部分A3について生成された当該圧縮データが必要であると判断し、当該圧縮データを取り込む。ソースドライバ4−1、4−2のそれぞれの展開回路44は、当該圧縮データを展開して展開データ62−1、62−2を生成する。ソースドライバ4−1、4−2のそれぞれで生成される展開データ62−1、62−2の内容は同一である。
ここで、ソースドライバ4−1、4−2のそれぞれの並び替え回路45は、生成された展開データ62−1のうち、自己に対応する副画素12の展開データのみを取り出す。即ち、図20Aに図示されているように、ソースドライバ4−1の並び替え回路45は、副画素R224、G224、B224、R225、G225、B225、R226、G226、B226の展開データを取り出し、その時間的順序及び空間的順序を保ったまま、並び替え画像データ64−1として表示駆動回路42−1に出力する。表示駆動回路42−1は、副画素R224、G224、B224、R225、G225、B225、R226、G226、B226の展開データに応答して、ソース線S673〜S681を駆動する。一方、図20Bに図示されているように、ソースドライバ4−2の並び替え回路45は、副画素R227、G227、B227の展開データを取り出し、その時間的順序及び空間的順序を保ったまま、並び替え画像データ64−2として表示駆動回路42−2に出力する。表示駆動回路42−2は、副画素R227、G227、B227の展開データに応答して、ソース線S682〜S684を駆動する。
一方、図20C、図20Dは、液晶表示パネル2の部分B3に位置する画素11に対応する画像データ51−1に対して行われる「並び替え」処理の内容を示している。ここで、図20Cは、ソースドライバ4−1における展開処理及び「並び替え」処理を示しており、図20Dは、ソースドライバ4−2における展開処理及び「並び替え」処理を示している。
液晶表示パネル2の部分B3については、図20C、20Dに図示されているように、画像データ51−1が、次の順序(時間的順序又は空間的順序)で圧縮並び替え回路34−1の並び替え回路35に入力される:
(1)副画素B223の画像データ(Bデータ)
(2)副画素R224の画像データ(Rデータ)
(3)副画素G224の画像データ(Gデータ)
(4)副画素B224の画像データ(Bデータ)
(5)副画素R225の画像データ(Rデータ)
(6)副画素G225の画像データ(Gデータ)
(7)副画素B225の画像データ(Bデータ)
(8)副画素R226の画像データ(Rデータ)
(9)副画素G226の画像データ(Gデータ)
(10)副画素B226の画像データ(Bデータ)
(11)副画素R227の画像データ(Rデータ)
(12)副画素G227の画像データ(Gデータ)
並び替え回路35は、これらの画像データを、次の順序に並び替えて並び替え画像データ53−1を生成し、生成した並び替え画像データ53−1を圧縮回路36に供給する:
(1)副画素R224の画像データ(Rデータ)
(2)副画素G224の画像データ(Gデータ)
(3)副画素B223の画像データ(Bデータ)
(4)副画素R225の画像データ(Rデータ)
(5)副画素G225の画像データ(Gデータ)
(6)副画素B224の画像データ(Bデータ)
(7)副画素R226の画像データ(Rデータ)
(8)副画素G226の画像データ(Gデータ)
(9)副画素B225の画像データ(Bデータ)
(10)副画素R227の画像データ(Rデータ)
(11)副画素G227の画像データ(Gデータ)
(12)副画素B226の画像データ(Bデータ)
圧縮回路36は、このような順序で入力される受け取った並び替え画像データ53−1に対して圧縮処理を行って圧縮データを生成し、該圧縮データを転送データ6−1に組み込んでバス7−1に出力する。
ソースドライバ4−1、4−2は、それぞれに与えられた座標値データから、部分A3について生成された当該圧縮データが必要であると判断し、当該圧縮データを取り込む。ソースドライバ4−1、4−2のそれぞれの展開回路44は、当該圧縮データを展開して展開データ62−1、62−2を生成する。ソースドライバ4−1、4−2のそれぞれで生成される展開データ62−1、62−2の内容は同一である。
ここで、ソースドライバ4−1、4−2のそれぞれの並び替え回路45は、生成された展開データ62−1のうち、自己に対応する副画素12の展開データのみを取り出し、取り出した展開データに対して「並び替え」処理を行う。詳細には、図20Cに図示されているように、ソースドライバ4−1の並び替え回路45は、副画素R224、G224、B223、R225、G225、B224、R226、G226、B225の展開データを取り出し、更に、その展開データから元の画像データ51−1を復元するような「並び替え」処理を行って並び替え画像データ64−1を生成する。表示駆動回路42−1は、生成された並び替え画像データ64−1に応答して、ソース線S673〜S681を駆動する。一方、図20Dに図示されているように、ソースドライバ4−2の並び替え回路45は、副画素R227、G227、B226の展開データを取り出し、更に、その展開データから元の画像データ51−1の一部分を復元するような「並び替え」処理を行って並び替え画像データ64−2を生成する。表示駆動回路42−2は、生成された並び替え画像データ64−2に応答して、ソース線S682〜S684を駆動する。
以上に説明されているように、本実施形態においても、本実施形態では、タイミングコントローラ3とソースドライバ4のそれぞれに並び替え回路(35、45)が設けられ、画像データの時間的順序及び/又は空間的順序を並び替える並び替え処理が行われる。これにより、色情報を利用した高効率で画質劣化が小さい圧縮処理を採用しながら、画素の色の配置がライン毎に異なっているような表示デバイスを駆動する表示デバイスドライバにデータ転送を行うことができる。
更に、本実施形態では、圧縮処理の単位となる画素の数とソースドライバ4の出力数が整合しない場合でも、マルチドロップ構成でデータ転送が行われることを利用して、画質の劣化を低減した圧縮処理、展開処理が行われる。即ち、ある圧縮データに対応する副画素が、隣接する2つのソースドライバ4によって駆動される画素を含んでいる場合、当該隣接するソースドライバ4の両方が、当該圧縮データを取り込み、当該圧縮データに対して展開処理を行う。各ソースドライバ4は、展開処理で得られた展開データのうち、自己が駆動すべき画素に対応する展開データを利用して当該画素を駆動する。これにより、圧縮処理の単位となる画素の数とソースドライバ4の出力数が整合しない問題に対処できる。
なお、本実施形態で説明されている動作は、タイミングコントローラとソースドライバ4とがマルチドロップ接続されている場合に適用されるものであり、液晶表示パネルの構成には関係がないことに留意されたい。本実施形態で説明されている動作は、第1乃至第3の実施形態のいずれに記載された構造を採用する液晶表示パネルにも適用可能である。
<好適なブロック圧縮処理及び展開処理>
1.圧縮/展開方式の概要と回路構成
以下では、第1、第2、及び第4の実施形態における圧縮処理部36b及び展開処理部44aの好適な構成、及び、これらにおいて行われる好適なブロック圧縮処理及び展開処理を説明する。
上述の実施形態では、1行4列に並んだ4画素を単位としてブロック圧縮が行われる。以下では、ブロック圧縮の単位となる4画素を「ブロック」と呼び、ブロック圧縮が行われる対象の4画素を「対象ブロック」と称することにする。図21Cは、ブロックの構成を模擬的に図示している。以下では、ブロックの4つの画素のうちの左端の画素を画素A、左から2番目の画素を画素B、右から2番目の画素を画素C、右端の画素を画素Dという。また、画素A、B、C、DのRサブピクセルの階調値をそれぞれ、RA、RB、RC、RDと記載し、画素A、B、C、DのGサブピクセルの階調値をそれぞれ、GA、GB、GC、GDと記載し、画素A、B、C、DのBサブピクセルの階調値をそれぞれ、BA、BB、BC、BDと記載する。
好適な一実施形態では、圧縮処理部36bは、受け取った各ブロックの画像データ51−iを下記の5つの圧縮方式:
・可逆圧縮
・(1×4)画素圧縮
・(2+1×2)画素圧縮
・(2×2)画素圧縮
・(4×1)画素圧縮
のいずれかで圧縮する。
ここで、可逆圧縮は、圧縮データから完全に元の画像データを復元できるように圧縮する方式であり、本実施形態では、圧縮対称の4画素で構成される対象ブロックの画像データが特定のパターンを有している場合に使用される。(1×4)画素圧縮とは、対象ブロックの全4つの画素のそれぞれについてビットプレーン数を減少させる処理を独立に行う方式である。この(1×4)画素圧縮は、4つの画素の画像データの相関性が低い場合に好適である。(2+1×2)画素圧縮とは、対象ブロックの全4つの画素のうちの2つの画素の画像データを代表する代表値を定める一方、他の2つの画素のそれぞれについて、ビットプレーン数を減少させる処理(本実施形態では、ディザマトリックスを用いたディザ処理)を行う方式である。この(2+1×2)画素圧縮は、4つの画素のうちの2つの画素の画像データの相関性が高く、且つ、他の2つの画素の画像データの相関性が低い場合に好適である。(2×2)画素圧縮とは、対象ブロックの全4つの画素を2つの画素からなる2つの組に分け、当該2つの画素の組のそれぞれについて画像データを代表する代表値を定めて当該画像データを圧縮する方式である。この(2×2)画素圧縮は、4つの画素のうちの2つの画素の画像データの相関性が高く、且つ、他の2つの画素の画像データの相関性が高い場合に好適である。(4×1)画素圧縮とは、対象ブロックの4つの画素の画像データを代表する代表値を定めて当該画像データを圧縮する方式である。この(4×1)画素圧縮は、対象ブロックの全4つの画素の画像データの間の相関性が高い場合に好適である。上記の5つの圧縮方式の詳細については後述する。
このようにして圧縮方式を選択することの一つの利点は、ブロックノイズや粒状ノイズを低減した画像圧縮を行うことができることである。本実施形態の圧縮方式では、対象ブロックの全画素の画像データに対応する代表値を算出する圧縮方式(本実施形態では(4×1)画素圧縮)と、対象ブロックの全4つの画素のそれぞれについてビットプレーン数を減少させる処理を独立に行う圧縮方式(本実施形態では(1×4)画素圧縮))が用いられる。加えて、本実施形態では、対象ブロックの(全部ではない)複数の画素の画像データに対応する代表値を算出する圧縮方式(本実施形態では、(2+1×2)画素圧縮及び(2×2)画素圧縮)が使用される。このような本実施形態の圧縮方式は、ブロックノイズや粒状ノイズを低減させるために有効である。画像データの相関性が高い画素に対してビットプレーン数を減少させる処理を独立に行う圧縮方式を行うと、粒状ノイズを発生させてしまう一方、画像データの相関性が低い画素に対してブロック符号化を行うと、ブロックノイズが発生してしまう。対象ブロックの(全部ではない)複数の画素の画像データに対応する代表値を算出する圧縮方式に対応している本実施形態の圧縮方式は、画像データの相関性が高い画素に対してビットプレーン数を減少させる処理が行われ、或いは、画像データの相関性が低い画素に対してブロック符号化が行われる事態を避けることができる。これは、ブロックノイズや粒状ノイズを低減させるために有効である。
加えて、対象ブロックの画像データが特定のパターンを有している場合に可逆圧縮を行うことができるように構成されていることは、液晶表示パネルの検査を適切に行うことを可能にするために有用である。液晶表示パネルの検査においては、輝度特性や色域特性の評価が行われる。この輝度特性や色域特性の評価では、特定パターンの画像が液晶表示パネルに表示される。このとき、輝度特性や色域特性を適切に評価するためには、入力された画像データに対して忠実に色が再現された画像を液晶表示パネルに表示する必要がある;圧縮歪みが存在すると、輝度特性や色域特性の評価を適切に行うことができない。そこで、本実施形態では、圧縮処理部36bが可逆圧縮を行うことができるように構成されている。
5つの圧縮方式のいずれが使用されるかは、対象ブロックの画像データが特定のパターンを有しているか否か、及び、対象ブロックを構成する1行4列の画素の画像データの間の相関性に応じて決定される。例えば、全4つの画素の画像データの相関性が高い場合には(4×1)画素圧縮が使用され、4つの画素のうちの2つの画素の画像データの相関性が高く、且つ、他の2つの画素の画像データの相関性が高い場合には(2×2)画素圧縮が使用される。圧縮方式の選択の詳細は後述する。
上記の動作を行うために、図21Aに示されているように、圧縮処理部36bは、形状認識部71と、可逆圧縮部72と、(1×4)画素圧縮部73と、(2+1×2)画素圧縮部74と、(2×2)画素圧縮部75と、(4×1)画素圧縮部76と、圧縮データ選択部77とを備えている。
形状認識部71は、1行4列の画素の画像データを受け取り、上記の5つの圧縮方式のいずれを選択すべきかを決定する。例えば、形状認識部71は、1行4列の画素のうち、どの組み合わせの画素の画像データの相関性が高いか、或いは、どの画素が他の画素に対して画像データの相関性が低いかを認識する。更に形状認識部71は、認識結果に応答して、5つの圧縮方式:可逆圧縮、(1×4)画素圧縮、(2+1×2)画素圧縮、(2×2)画素圧縮、(4×1)画素圧縮のいずれを使用すべきかを指示する選択データを生成する。
可逆圧縮部72は、上述の可逆圧縮を行って可逆圧縮データを生成し、(1×4)画素圧縮部73は、(1×4)画素圧縮を行って(1×4)圧縮データを生成する。同様に、(2+1×2)画素圧縮部74は、(2+1×2)画素圧縮を行って(2+1×2)圧縮データを生成し、(2×2)画素圧縮部75は、(2×2)画素圧縮を行って(2×2)圧縮データを生成する。更に、(4×1)画素圧縮部76は、(4×1)画素圧縮を行って(4×1)圧縮データを生成する。
圧縮データ選択部77は、形状認識部71から送られてくる選択データに基づいて、(1×4)圧縮データ、(2+1×2)圧縮データ、(2×2)圧縮データ、及び(4×1)圧縮データのいずれかを圧縮データ54−iとして出力する。圧縮データ54−iには上記の5つの圧縮方式のいずれが使用されたかを示す圧縮種類認識ビットが含まれている。
一方、展開処理部44aは、各ブロックの圧縮データ61−iが、上記の5つの圧縮方式のいずれによって圧縮されたかを判断し、圧縮に使用された圧縮方式に対応した展開方式で圧縮データ61−iを展開する。このような動作を行うために、図21Bに示されているように、展開処理部44aは、元データ復元部81と、(1×4)画素展開部82と、(2+1×2)画素展開部83と、(2×2)画素展開部84と、(4×1)画素展開部85と、画像データ選択部86とを備えている。元データ復元部81は、可逆圧縮によって圧縮された圧縮データを展開する機能を有しており、(1×4)画素展開部82は、(1×4)画素圧縮によって圧縮された圧縮データを展開する機能を有している。また、(2+1×2)画素展開部83は、(2+1×2)画素圧縮によって圧縮された圧縮データを展開する機能を有しており、(2×2)画素展開部84は、(2×2)画素圧縮によって圧縮された圧縮データを展開する機能を有している。更に、(4×1)画素展開部85は、(4×1)画素圧縮によって圧縮された圧縮データを展開する機能を有している。
画像データ選択部86は、圧縮データに含まれている圧縮種類認識ビットから実際に圧縮に使用された圧縮方式を認識する。画像データ選択部86は、その認識結果に基づいて、元データ復元部81、(1×4)画素展開部82、(2+1×2)画素展開部83、(2×2)画素展開部84、及び(4×1)画素展開部85から出力される展開データのうち実際に使用された圧縮方式に対応する展開方式で展開されて生成されたデータを、展開データ62−iとして選択する。
2.圧縮方式の選択
以下では、上記の5つの圧縮方式のうちから実際に使用される圧縮方式を選択する動作について説明する。
図22は、本実施形態において実際に使用される圧縮方式を選択する動作を説明するフローチャートである。本実施形態では、まず、対象ブロックの4画素の画像データが特定パターンに該当するかが判断され(ステップS01)、当該画像データが特定パターンに該当する場合、可逆圧縮が行われる。本実施形態では、対象ブロックの画素の画像データのデータ値が5種類以下であるような所定のパターンが、可逆圧縮が行われる特定パターンとして選択されている。
詳細には、対象ブロックの4画素の画像データが、以下の4つのパターン(1)〜(4)のいずれかに該当する場合、可逆圧縮が行われる:
(1) 4画素の各色の階調値が同一(図23A)
対象ブロックの4画素の画像データが下記条件(1a)を満足する場合、可逆圧縮が行われる。
条件(1a):
RA=RB=RC=RD,
GA=GB=GC=GD,
BA=BB=BC=BD.
この場合、対象ブロックの4画素の画像データのデータ値は3種類である。
(2) 4画素の間でRサブピクセル、Gサブピクセル、Bサブピクセルの階調値が同一(図23B)
対象ブロックの4画素の画像データが下記条件(2a)を満足する場合にも可逆圧縮が行われる。
条件(2a):
RA=GA=BA,
RB=GB=BB,
RC=GC=BC,
RD=GD=BD.
この場合、対象ブロックの4画素の画像データのデータ値は4種類である。
(3)対象ブロックの4画素について、R、G、Bのうちの2つの色の階調値が同一(図23C〜図23E)
下記の3つの条件(3a)〜(3c)のいずれかを満足する場合にも可逆圧縮が行われる:
条件(3a): GA=GB=GC=GD=BA=BB=BC=BD.
条件(3b): BA=BB=BC=BD=RA=RB=RC=RD.
条件(3c): RA=RB=RC=RD=GA=GB=GC=GD.
この場合、対象ブロックの4画素の画像データのデータ値は5種類である。
(4)R、G、Bのうちの1つの色の階調値が同一、且つ、残りの2色の階調値が対象ブロックの4画素について同一(図23F〜図23H)
更に、下記の3つの条件(4a)〜(4c)のいずれかを満足する場合にも可逆圧縮が行われる:
条件(4a):
GA=GB=GC=GD,
RA=BA,
RB=BB,
RC=BC,
RD=BD.
条件(4b):
BA=BB=BC=BD.
RA=GA,
RB=GB,
RC=GC,
RD=GD.
条件(4c)
RA=RB=RC=RD.
GA=BA,
GB=BB,
GC=BC,
GD=BD.
この場合、対象ブロックの4画素の画像データのデータ値は5種類である。
可逆圧縮が行われない場合、4つの画素の間の相関に応じて圧縮手法が選択される。より具体的には、形状認識部71は、対象ブロックの1行4列の4画素の画像データが、下記のいずれの場合に該当するかを判断する:
ケースA:4画素のうちの任意の組み合わせの画素の画像データの間の相関性が低い。
ケースB:2画素の画像データの間に高い相関性があり、かつ、他の2画素の画像データは、先の2画素と相関性が低く、且つ、互いに相関性が低い。
ケースC:2画素の画像データの間に高い相関性があり、かつ、他の2画素の画像データの間に高い相関性がある。
ケースD:4画素の画像データの間に高い相関性がある。
詳細には、
i∈{A,B,C,D}
j∈{A,B,C,D}
i≠j
なるi、jの全ての組み合わせについて下記条件(A)が成立しない場合、形状認識部71は、ケースAに該当する(即ち、4画素のうちの任意の組み合わせの画素の画像データの間の相関性が低い)と判断する(ステップS02)。
条件(A):
|Ri―Rj|≦Th1,且つ
|Gi―Gj|≦Th1,且つ
|Bi―Bj|≦Th1,
ケースAに該当する場合、形状認識部71は、(1×4)画素圧縮を行うと決定する。
ケースAに該当しないと判断した場合、形状認識部71は、4画素に対して第1組の2画素と第2組の2画素を規定し、その全ての組み合わせについて、前記第1組の2画素の間の画像データの差分が所定値よりも小さく且つ前記第2組の2画素の間の画像データの差分が所定値よりも小さいという条件が満足されるか否かを判断する。より具体的には、形状認識部71は、下記条件(B1)〜(B3)のいずれかが成立するか否かを判断する(ステップS03)。
条件(B1):
|RA―RB|≦Th2,且つ
|GA―GB|≦Th2,且つ
|BA―BB|≦Th2,且つ
|RC―RD|≦Th2,且つ
|GC―GD|≦Th2,且つ
|BC―BD|≦Th2.
条件(B2):
|RA―RC|≦Th2,且つ
|GA―GC|≦Th2,且つ
|BA―BC|≦Th2,且つ
|RB―RD|≦Th2,且つ
|GB―GD|≦Th2,且つ
|BB―BD|≦Th2.
条件(B3):
|RA―RD|≦Th2,且つ
|GA―GD|≦Th2,且つ
|BA―BD|≦Th2,且つ
|RB―RC|≦Th2,且つ
|GB―GC|≦Th2,且つ
|BB―BC|≦Th2.
下記条件(B1)〜(B3)がいずれも成立しない場合、形状認識部71は、ケースBに該当する(即ち、2画素の画像データの間に高い相関性があり、かつ、他の2画素の画像データは、互いに相関性が低い)と判断する。この場合、形状認識部71は、(2+1×2)画素圧縮を行うと決定する。
ケースA、Bのいずれにも該当しないと判断した場合、形状認識部71は、4画素の全ての色について、4画素の画像データの最大値と最小値との差が所定値より小さいという条件が満足されるか否かを判断する。より具体的には、形状認識部71は、下記条件(C)が成立するか否かを判断する(ステップS04)。
条件(C):
max(RA,RB,RC,RD)−min(RA,RB,RC,RD)<Th3,且つ
max(GA,GB,GC,GD)−min(GA,GB,GC,GD)<Th3,且つ
max(BA,BB,BC,BD)−min(BA,BB,BC,BD)<Th3.
条件(C)が成立しない場合、形状認識部71は、ケースCに該当する(即ち、2画素の画像データの間に高い相関性があり、かつ、他の2画素の画像データの間に高い相関性がある)と判断する。この場合、形状認識部71は、(2×2)画素圧縮を行うと決定する。
一方、条件(C)が成立しない場合、形状認識部71は、ケースDに該当する(4画素の画像データの間に高い相関性がある)と判断する。この場合、形状認識部71は、(4×1)画素圧縮を行うと決定する。
形状認識部71は、上記の相関性の認識結果に基づき、(1×4)画素圧縮、(2+1×2)画素圧縮、(2×2)画素圧縮、(4×1)画素圧縮のいずれを使用すべきかを指示する選択データを生成し、圧縮データ選択部77に送る。上述のように、圧縮データ選択部77は、形状認識部71から送られてくる選択データに基づいて、(1×4)圧縮データ、(2+1×2)圧縮データ、(2×2)圧縮データ、及び(4×1)圧縮データのいずれかを圧縮データ54−iとして出力する。
3.圧縮方式及び展開方式の詳細
続いて、可逆圧縮、(1×4)画素圧縮、(2+1×2)画素圧縮、(2×2)画素圧縮、(4×1)画素圧縮、及び、これらの圧縮方式によって圧縮された圧縮データの展開方式について説明する。
3−1.可逆圧縮
本実施形態では、可逆圧縮は、対象ブロックの画素の画像データのデータ値を並び替えることによって行われる。図24は、可逆圧縮によって生成された可逆圧縮データのフォーマットを示す図である。本実施形態では、可逆圧縮データは、48ビットデータであり、圧縮種類認識ビットと、色種類データと、画像データ#1〜#5と、パディングデータとで構成される。
圧縮種類認識ビットは、圧縮に使われた圧縮方式の種類を示すデータであり、可逆圧縮データでは、4ビットが圧縮種類認識ビットに割り当てられる。本実施形態では、可逆圧縮データの圧縮種類認識ビットの値は「1111」である。
色種類データは、対象ブロックの4画素の画像データが図23A〜図23Hのいずれのパターンに該当するかを示すデータである。本実施形態では、8つの特定パターンが定義されているから、色種類データは3ビットである。
画像データ#1〜#5は、対象ブロックの画素の画像データのデータ値を並び替えることによって得られるデータである。画像データ#1〜#5は、いずれも8ビットデータである。上述のように、対象ブロックの4画素の画像データのデータ値は5種類以下であるから、画像データ#1〜#5に全てのデータ値を格納することができる。
パディングデータは、可逆圧縮データのビット数を、他の圧縮方式で圧縮された圧縮データと同一にするために追加されるデータである。本実施形態では、パディングデータは1ビットである。
上述の可逆圧縮によって生成された可逆圧縮データの展開は、色種類データを参照して画像データ#1〜#5を並び替えることによって行われる。色種類データには、対象ブロックの4画素の画像データが図23A〜図23Hのいずれのパターンに該当するかが記述されているから、色種類データを参照することにより、対象ブロックの4画素の元の画像データを、何らの圧縮歪みを生じさせずに完全に復元することができる。完全に復元された画像データに応じて液晶表示パネル2を駆動することにより、液晶表示パネル2の輝度特性や色域特性を適正に評価することができる。
3−2.(1×4)画素圧縮及びその展開方式
図25Aは、(1×4)画素圧縮を説明する概念図であり、図26は、(1×4)圧縮データのフォーマットを示す概念図である。上述のように、(1×4)画素圧縮は、4画素のうちの任意の組み合わせの画素の画像データの間の相関性が低い場合に採用される圧縮方式である。図26に示されているように、本実施形態では、(1×4)圧縮データが、圧縮種類認識ビットと、画素Aの画像データに対応するRA、GA、BAデータと、画素Bの画像データに対応するRB、GB、BBデータと、画素Cの画像データに対応するRC、GC、BCデータと、画素Dの画像データに対応するRD、GD、BDデータとで構成される。(1×4)圧縮データは、48ビットデータである。ここで、圧縮種類認識ビットとは、圧縮に使われた圧縮方式の種類を示すデータであり、(1×4)圧縮データでは、1ビットが圧縮種類認識ビットに割り当てられる。本実施形態では、(1×4)圧縮データの圧縮種類認識ビットの値は「0」である。
一方、RA、GA、BAデータとは、画素AのR、G、Bサブピクセルの階調値に対してビットプレーンを減少させる処理を行って得られるビットプレーン減少データであり、RB、GB、BBデータとは、画素BのR、G、Bサブピクセルの階調値に対してビットプレーンを減少させる処理を行って得られるビットプレーン減少データである。同様に、また、RC、GC、BCデータとは、画素CのR、G、Bサブピクセルの階調値に対してビットプレーン数を減少させる処理を行って得られるビットプレーン減少データであり、RD、GD、BDデータとは、画素DのR、G、Bサブピクセルの階調値に対してビットプレーンを減少させる処理を行って得られるビットプレーン減少データである。本実施形態では、画素DのBサブピクセルに対応するBDデータのみ3ビットデータであり、他は4ビットデータである。
以下、図25Aを参照しながら、(1×4)画素圧縮について説明する。(1×4)画素圧縮では、画素A〜Dのそれぞれについて、ディザマトリックスを用いたディザ処理が行われ、これにより、画素A〜Dの画像データのビットプレーン数が減少される。詳細には、まず、画素A、B、C、Dの画像データのそれぞれに誤差データαを加算する処理が行われる。本実施形態では、各画素の誤差データαは、当該画素の座標からベイヤーマトリックスである基本マトリックスを用いて決定される。誤差データαの算出については、後に別途に記載する。以下では、画素A、B、C、Dについて定められた誤差データαが、それぞれ、0、5、10、15であるとして説明が行われる。
更に、丸め処理とビット切捨て処理が行われてRA、GA、BAデータ、RB、GB、BBデータ、RC、GC、BCデータ、及びRD、GD、BDデータが生成される。詳細には、画素DのBサブピクセルの階調値については、値16を加算した後、下位5ビットを切り捨てる処理が行われる。他の階調値については、値8を加算した後、下位4ビットを切り捨てる処理が行われる。このようにして生成されたRA、GA、BAデータ、RB、GB、BBデータ、RC、GC、BCデータ、及びRD、GD、BDデータに、圧縮種類認識ビットとして値「0」を付加することにより、(1×4)圧縮データが生成される。
図25Bは、(1×4)画素圧縮で圧縮された圧縮データの展開方式を示す図である。(1×4)画素圧縮で圧縮された圧縮データの展開では、まず、RA、GA、BAデータ、RB、GB、BBデータ、RC、GC、BCデータ、及びRD、GD、BDデータのビット繰上げが行われる。詳細には、画素DのBサブピクセルに対応するBDデータについては、5ビットの繰上げが行われ、他のデータについては、4ビットの繰上げが行われる。
更に、誤差データαの減算が行われ、これにより、画素A〜Dの画像データ(即ち、Rサブピクセル、Gサブピクセル、Bサブピクセルの階調値)が復元される。図25Bの右欄の画素A〜Dの画像データと、図25Aの左欄の画素A〜Dの画像データとを比較すれば、上記の展開方式により、概ね、画素A〜Dの元の画像データが復元されていることが理解されよう。
3−3.(2+1×2)画素圧縮
図27Aは、(2+1×2)画素圧縮を説明する概念図であり、図28Aは、(2+1×2)圧縮データのフォーマットを示す概念図である。上述のように、(2+1×2)画素圧縮は、2画素の画像データの間に高い相関性があり、かつ、他の2画素の画像データは、先の2画素と相関性が低く、且つ、互いに相関性が低い場合に採用される。図28Aに示されているように、本実施形態では、(2+1×2)圧縮データが、圧縮種類認識ビットと、選択データと、R代表値、G代表値、B代表値、大小認識データ、β比較結果データ、Ri、Gi、Biデータ、及びRj、Gj、Bjデータで構成される。(2+1×2)圧縮データは、上述の(1×4)圧縮データと同様に48ビットデータである。
圧縮種類認識ビットとは、圧縮に使われた圧縮方式の種類を示すデータであり、(2+1×2)圧縮データでは、2ビットが圧縮種類認識ビットに割り当てられる。本実施形態では、(2+1×2)圧縮データの圧縮種類認識ビットの値は「10」である。
選択データとは、画素A〜Dのうち、どの2つの画素の画像データの間の相関性が高いかを示す3ビットデータである。(2+1×2)画素圧縮が使用される場合、画素A〜Dのうち、2つの画素の画像データの間の相関性が高く、残りの2つの画素は他の画素の画像データとの相関性が低い。したがって、画像データの相関性が高い2つの画素の組み合わせは、下記の6通りである:
・画素A、C
・画素B、D
・画素A、B
・画素C、D
・画素B、C
・画素A、D
選択データは、3ビットによって、画像データの間の相関性が高い2画素が、これらの6つの組み合わせのいずれであるかを示している。
R代表値、G代表値、B代表値は、それぞれ、相関性が高い2つの画素のRサブピクセル、Gサブピクセル、Bサブピクセルの階調値を代表する値である。図28Aの例では、R代表値及びG代表値に5ビット又は6ビットのデータであり、B代表値は5ビットのデータである。
β比較データとは、相関性が高い2つの画素のRサブピクセルの階調値の差、及び相関性が高い当該2つの画素のGサブピクセルの画像データの差が、所定の閾値βよりも大きいか否かを示すデータである。本実施形態では、β比較データは2ビットのデータである。一方、大小認識データは、相関性が高い2つの画素のうち、どちらの画素のRサブピクセルの階調値が大きいか、及び、どちらの画素のGサブピクセルの階調値が大きいかを示すデータである。Rサブピクセルに対応する大小認識データは、相関性が高い2つの画素のRサブピクセルの階調値の差が閾値βよりも大きい場合にのみ生成され、Gサブピクセルに対応する大小認識データは、相関性が高い2つの画素のGRサブピクセルの階調値の差が閾値βよりも大きい場合にのみ生成される。したがって、大小認識データは、0〜2ビットのデータである。
Ri、Gi、Biデータ、及びRj、Gj、Bjデータは、相関性が低い2つの画素のR、G、Bサブピクセルの階調値に対してビットプレーンを減少させる処理を行って得られるビットプレーン減少データである。本実施形態では、Ri、Gi、Biデータ、及びRj、Gj、Bjデータは、いずれも、4ビットデータである。
以下、図27Aを参照しながら、(2+1×2)画素圧縮について説明する。図27Aは、画素A、Bの画像データの間の相関性が高く、画素C、Dの画像データが画素A、Bの画像データに対して相関性が低く、且つ、画素C、D相互の画像データの相関性が低い場合における(2+1×2)圧縮データの生成について記述している。他の場合も同様にして(2+1×2)圧縮データが生成可能であることは、当業者には容易に理解されよう。
まず、(相関性が高い)画素A、Bの画像データの圧縮処理について説明する。まず、Rサブピクセル、Gサブピクセル、Bサブピクセルのそれぞれについて、階調値の平均値が算出される。Rサブピクセル、Gサブピクセル、Bサブピクセルの階調値の平均値Rave、Gave、Baveは、下記式によって算出される:
Rave=(RA+RB+1)/2,
Gave=(GA+GB+1)/2,
Bave=(BA+BB+1)/2.
更に、画素A、BのRサブピクセルの階調値の差|RA−RB|及び、Gサブピクセルの階調値の差|GA−GB|が、所定の閾値βよりも大きいか否かが比較される。この比較結果がβ比較データとして(2+1×2)圧縮データに記述される。
更に、下記の手順により、画素A、BのRサブピクセル及びGサブピクセルについて大小認識データが作成される。画素A、BのRサブピクセルの階調値の差|RA−RB|が閾値βよりも大きい場合、画素A、BのいずれのRサブピクセルの階調値が大きいかが、大小認識データに記述される。画素A、BのRサブピクセルの階調値の差|RA−RB|が閾値β以下の場合には、画素A、BのRサブピクセルの階調値の大小関係は、大小認識データに記述されない。同様に、画素A、BのGサブピクセルの階調値の差|GA−GB|が閾値βよりも大きい場合、画素A、BのいずれのGサブピクセルの階調値が大きいかが、大小認識データに記述される。画素A、BのGサブピクセルの階調値の差|GA−GB|が閾値β以下の場合には、画素A、BのGサブピクセルの階調値の大小関係は、大小認識データに記述されない。
図27Aの例では、画素A、BのRサブピクセルの階調値がそれぞれ、50、59であり、閾値βが4である。この場合、階調値の差|RA−RB|が閾値βよりも大きいので、その旨がβ比較データに記載され、また、画素BのRサブピクセルの階調値が画素AのRサブピクセルの階調値よりも大きい旨が大小認識データに記述される。一方、画素A、BのGサブピクセルの階調値がそれぞれ、2、1である。階調値の差|GA−GB|が閾値β以下なので、その旨がβ比較データに記載される。大小認識データには、画素A、BのGサブピクセルの階調値の大小関係は記述されない。結果として、図27Aの例では、大小認識データは1ビットデータになる。
続いて、Rサブピクセル、Gサブピクセル、Bサブピクセルの階調値の平均値Rave、Gave、Baveに誤差データαが加算される。本実施形態では、誤差データαは、各組み合わせの2画素の座標から基本マトリックスを用いて決定される。誤差データαの算出については、後に別途に記載する。以下では、本実施形態では、画素A、Bについて定められた誤差データαが0であるとして説明が行われる。
更に、丸め処理及びビット切捨て処理が行われてR代表値、G代表値、B代表値が算出される。詳細には、Rサブピクセル、Gサブピクセルについての丸め処理において加算される数値及びビット切捨て処理で切り捨てられるビット数は、階調値の差|RA−RB|、|GA−GB|と閾値βとの大小関係に応じて決定される。Rサブピクセルについては、Rサブピクセルの階調値の差|RA−RB|が閾値βよりも大きい場合、Rサブピクセルの階調値の平均値Raveに値4を加えた後下位3ビットを切り捨てる処理が行われ、これによりR代表値が算出される。そうでない場合、平均値Raveに値2を加えた後下位2ビットを切り捨てる処理が行われ、これによりR代表値が算出される。Gサブピクセルについても同様に、階調値の差|GA−GB|が閾値βよりも大きい場合、Gサブピクセルの階調値の平均値Gaveに値4を加えた後下位3ビットを切り捨てる処理が行われ、これによりG代表値が算出される。そうでない場合、平均値Gaveに値2を加えた後下位2ビットを切り捨てる処理が行われ、これによりG代表値が算出される。図27Aの例では、Rサブピクセルの平均値Raveについては、値4を加えた後下位3ビットを切り捨てる処理が行われ、Gサブピクセルの平均値Gaveについては、値2を加えた後下位2ビットを切り捨てる処理が行われている。
一方、Bサブピクセルについては、Bサブピクセルの階調値の平均値Baveに値4を加えた後下位3ビットを切り捨てる処理が行われ、これによりB代表値が算出される。以上により、画素A、Bの画像データの圧縮処理が完了する。
(相関性が低い)画素C、Dの画像データについては、(1×4)画素圧縮と同様の処理が行われる。即ち、画素C、Dのそれぞれについて、ディザマトリックスを用いたディザ処理が独立に行われ、これにより、画素C、Dの画像データのビットプレーン数が減少される。詳細には、まず、画素C、Dの画像データのそれぞれに誤差データαを加算する処理が行われる。上述のように、各画素の誤差データαは、当該画素の座標から算出される。以下では、画素C、Dについて定められた誤差データαがそれぞれ10、15であるとして説明が行われる。
更に、丸め処理とビット切捨て処理が行われてRC、GC、BCデータ、RD、GD、BDデータが生成される。詳細には、画素C、DそれぞれのR、G、Bサブピクセルの階調値のそれぞれについて、値8を加算した後、下位4ビットを切り捨てる処理が行われる。これにより、RC、GC、BCデータ、RD、GD、BDデータが算出される。
以上のようにして生成されたR代表値、G代表値、B代表値、大小認識データ、β比較結果データ、RC、GC、BCデータ、及びRD、GD、BDに、圧縮種類認識ビット及び選択データを付加することにより、(2+1×2)圧縮データが生成される。
図27Bは、(2+1×2)画素圧縮で圧縮された圧縮データの展開方式を示す図である。図27Bは、画素A、Bの画像データの間の相関性が高く、画素C、Dの画像データが画素A、Bの画像データに対して相関性が低く、且つ、画素C、D相互の画像データの相関性が低い場合における(2+1×2)圧縮データの展開について記述している。他の場合も同様にして(2+1×2)圧縮データが展開可能であることは、当業者には容易に理解されよう。
まず、(相関性が高い)画素A、Bの画像データに関する展開処理について説明する。まず、R代表値、G代表値、B代表値に対してビット繰上げ処理が行われる。R代表値、G代表値に対するビット繰上げ処理のビット数は、β比較データに記述された、階調値の差|RA−RB|、|GA−GB|と閾値βとの大小関係に応じて決定される。Rサブピクセルの階調値の差|RA−RB|が閾値βよりも大きい場合、R代表値に対して3ビットのビット繰上げ処理が行われ、そうでない場合、2ビットのビット繰上げ処理が行われる。同様に、Gサブピクセルの階調値の差|GA−GB|が閾値βよりも大きい場合、G代表値に対して3ビットのビット繰上げ処理が行われ、そうでない場合、2ビットのビット繰上げ処理が行われる。図27Bの例では、R代表値については、3ビットを繰り上げる処理が行われ、G代表値については、2ビットを繰り上げる処理が行われている。一方、B代表値については、3ビットのビット繰上げ処理が行われる。
更に、R代表値、G代表値、B代表値のそれぞれについて、誤差データαの減算が行われた後、R代表値、G代表値、B代表値から画素A、BのR、G、Bサブピクセルの階調値を復元する処理が行われる。
画素A、BのRサブピクセルの階調値の復元においては、β比較データ及び大小認識データが使用される。β比較データにおいて、Rサブピクセルの階調値の差|RA−RB|が閾値βよりも大きいと記述されている場合、R代表値に一定値5を加えた値が、画素A、Bのうち大小認識データにおいて大きいと記述されている方のRサブピクセルの階調値として復元され、R代表値に一定値5を減じた値が大小認識データにおいて小さいと記述されている方のRサブピクセルの階調値として復元される。一方、Rサブピクセルの階調値の差|RA−RB|が閾値βよりも小さい場合、画素A、BのRサブピクセルの階調値は、R代表値に一致するとして復元される。図27Bの例では、画素AのRサブピクセルの階調値は、R代表値から値5だけ減じた値として復元され、画素BのRサブピクセルの階調値は、R代表値から値5を加えた値として復元されている。
画素A、BのGサブピクセルの階調値の復元においても、β比較データ及び大小認識データを用いて同様の処理が行われる。図27Bの例では、画素A、BのGサブピクセルの値がいずれも、G代表値に一致するとして復元される。
一方、画素A、BのBサブピクセルの階調値の復元においては、β比較データ及び大小認識データに無関係に、画素A、BのBサブピクセルの値がいずれも、B代表値に一致するとして復元される。
以上で、画素A、BのRサブピクセル、Gサブピクセル、Bサブピクセルの階調値の復元が完了する。
(相関性が低い)画素C、Dの画像データに関する展開処理では、上述の(1×4)圧縮データの展開処理と同様の処理が行われる。画素C、Dの画像データに関する展開処理では、まず、RC、GC、BCデータ、及びRD、GD、BDデータのそれぞれについて、4ビットのビット繰上げ処理が行われる。更に、誤差データαの減算が行われ、これにより、画素C、Dの画像データ(即ち、Rサブピクセル、Gサブピクセル、Bサブピクセルの階調値)が復元される。以上で、画素C、DのRサブピクセル、Gサブピクセル、Bサブピクセルの階調値の復元が完了する。
図27Bの右欄の画素A〜Dの画像データと、図27Aの左欄の画素A〜Dの画像データとを比較すれば、上記の展開方式により、概ね、画素A〜Dの元の画像データが復元されていることが理解されよう。
図27A、図27Bの圧縮処理、展開処理の変形例として、選択データに3ビットが与えられている一方、画像データの相関性が高い2画素の組み合わせは6通りであることから、特定の画素の組み合わせについて、代表値に与えられるビット数を増加させることも可能である。例えば、選択データを下記のように定義したとする(xは、「0」及び「1」の任意):
画素A、Bの組み合わせ:00x
画素A、Cの組み合わせ:010
画素A、Dの組み合わせ:011
画素B、Cの組み合わせ:100
画素B、Dの組み合わせ:101
画素C、Dの組み合わせ:11x
この場合、画像データの相関性が高い2画素が画素A、Bである場合、及び画素C、Dである場合には、選択データに与えられるビット数を2ビットとする一方で、R代表値、G代表値、B代表値のいずれかに与えられるビット数を1ビット増加することができる。
図28Bは、画像データの相関性が高い2画素が画素A、B又は画素C、Dであり、G代表値に与えられるビット数が1ビット増加される場合の(2+1×2)圧縮データのフォーマットを示す図である。図28Bのフォーマットでは、選択データに2ビットが与えられ、G代表値に階調値の差|GA−GB|と閾値βとの大小関係に応じて6ビット又は7ビットが与えられる。G代表値に与えられるビット数を増加させることにより、情報量を増加させ、圧縮歪みを低減することができる。この場合、展開処理においては、G代表値に対して1ビット又は2ビットの繰上げ処理が行われる。繰上げ処理のビット数は、階調値の差|GA−GB|と閾値βとの大小関係に応じて決定される。
3−4.(2×2)画素圧縮
図29Aは、(2×2)画素圧縮を説明する概念図であり、図30Aは、(2×2)圧縮データのフォーマットを示す概念図である。上述のように、(2×2)画素圧縮は、2画素の画像データの間に高い相関性があり、かつ、他の2画素の画像データの間に高い相関性がある場合に使用される圧縮方式である。図30Aに示されているように、本実施形態では、(2×2)圧縮データが48ビットデータであり、圧縮種類認識ビットと、選択データと、R代表値#1と、G代表値#1と、B代表値#1と、R代表値#2と、G代表値#2と、B代表値#2と、大小認識データと、β比較結果データとで構成される。
圧縮種類認識ビットとは、圧縮に使われた圧縮方式の種類を示すデータであり、(2×2)圧縮データでは、3ビットが圧縮種類認識ビットに割り当てられる。本実施形態では、(2×2)圧縮データの圧縮種類認識ビットの値は「110」である。
選択データとは、画素A〜Dのうち、どの2つの画素の画像データの間の相関性が高いかを示す2ビットデータである。(2×2)画素圧縮が使用される場合、画素A〜Dのうち、2画素の画像データの間に高い相関性があり、かつ、他の2画素の画像データの間に高い相関性がある。したがって、画像データの相関性が高い2つの画素の組み合わせは、下記の3通りである:
・画素A、Bの相関性が高く、画素C、Dの相関性が高い
・画素A、Cの相関性が高く、画素B、Dの相関性が高い
・画素A、Dの相関性が高く、画素B、Cの相関性が高い
選択データは、2ビットによって、これらの3つの組み合わせのいずれであるかを示している。
R代表値#1、G代表値#1、B代表値#1は、それぞれ、一方の2画素のRサブピクセル、Gサブピクセル、Bサブピクセルの階調値を代表する値であり、R代表値#2、G代表値#2、B代表値#2は、それぞれ、他方の2画素のRサブピクセル、Gサブピクセル、Bサブピクセルの階調値を代表する値である。図30Aの例では、R代表値#1、G代表値#1、B代表値#1、R代表値#2、及びB代表値#2は、5ビット又は6ビットのデータであり、G代表値#2は6又は7ビットのデータである。
β比較データとは、相関性が高い2つの画素のRサブピクセルの階調値の差、相関性が高い当該2つの画素のGサブピクセルの画像データの差、及び当該2つの画素のBサブピクセルの画像データの差が、所定の閾値βよりも大きいか否かを示すデータである。本実施形態では、β比較データは、2対の2画素のそれぞれに3ビットが割り当てられた6ビットのデータである。一方、大小認識データは、相関性が高い2つの画素のうち、どちらの画素のRサブピクセルの階調値が大きいか、及び、どちらの画素のGサブピクセルの階調値が大きいかを示すデータである。Rサブピクセルに対応する大小認識データは、相関性が高い2つの画素のRサブピクセルの階調値の差が閾値βよりも大きい場合にのみ生成され、Gサブピクセルに対応する大小認識データは、相関性が高い2つの画素のGサブピクセルの階調値の差が閾値βよりも大きい場合にのみ生成され、Bサブピクセルに対応する大小認識データは、相関性が高い2つの画素のBサブピクセルの階調値の差が閾値βよりも大きい場合にのみ生成される。したがって、大小認識データは、0〜6ビットのデータである。
以下、図29Aを参照しながら、(2×2)画素圧縮について説明する。図29Aは、画素A、Bの画像データの間の相関性が高く、画素C、Dの画像データの間の相関性が高い場合における(2×2)圧縮データの生成について記述している。他の場合も同様にして(2×2)圧縮データが生成可能であることは、当業者には容易に理解されよう。
まず、Rサブピクセル、Gサブピクセル、Bサブピクセルのそれぞれについて、階調値の平均値が算出される。画素A、BのRサブピクセル、Gサブピクセル、Bサブピクセルの階調値の平均値Rave1、Gave1、Bave1、及び画素C、DのRサブピクセル、Gサブピクセル、Bサブピクセルの階調値の平均値Rave2、Gave2、Bave2は、下記式によって算出される:
Rave1=(RA+RB+1)/2,
Gave1=(GA+GB+1)/2,
Bave1=(BA+BB+1)/2,
Rave2=(RA+RB+1)/2,
Gave2=(GA+GB+1)/2,
Bave1=(BA+BB+1)/2.
更に、画素A、BのRサブピクセルの階調値の差|RA−RB|、Gサブピクセルの階調値の差|GA−GB|が、Bサブピクセルの階調値の差|BA−BB|が、所定の閾値βよりも大きいか否かが比較される。同様に、画素C、DのRサブピクセルの階調値の差|RC−RD|、Gサブピクセルの階調値の差|GC−GD|が、Bサブピクセルの階調値の差|BC−BD|が、所定の閾値βよりも大きいか否かが比較される。これらの比較結果は、β比較データとして(2×2)圧縮データに記述される。
更に、画素A、Bの組み合わせ、及び画素C、Dの組み合わせのそれぞれについて大小認識データが作成される。
詳細には、画素A、BのRサブピクセルの階調値の差|RA−RB|が閾値βよりも大きい場合、画素A、BのいずれのRサブピクセルの階調値が大きいかが、大小認識データに記述される。画素A、BのRサブピクセルの階調値の差|RA−RB|が閾値β以下の場合には、画素A、BのRサブピクセルの階調値の大小関係は、大小認識データに記述されない。同様に、画素A、BのGサブピクセルの階調値の差|GA−GB|が閾値βよりも大きい場合、画素A、BのいずれのGサブピクセルの階調値が大きいかが、大小認識データに記述される。画素A、BのGサブピクセルの階調値の差|GA−GB|が閾値β以下の場合には、画素A、BのGサブピクセルの階調値の大小関係は、大小認識データに記述されない。加えて、画素A、BのBサブピクセルの階調値の差|BA−BB|が閾値βよりも大きい場合、画素A、BのいずれのBサブピクセルの階調値が大きいかが、大小認識データに記述される。画素A、BのBサブピクセルの階調値の差|BA−BB|が閾値β以下の場合には、画素A、BのBサブピクセルの階調値の大小関係は、大小認識データに記述されない。
同様に、画素C、DのRサブピクセルの階調値の差|RC−RD|が閾値βよりも大きい場合、画素C、DのいずれのRサブピクセルの階調値が大きいかが、大小認識データに記述される。画素C、DのRサブピクセルの階調値の差|RC−RD|が閾値β以下の場合には、画素C、DのRサブピクセルの階調値の大小関係は、大小認識データに記述されない。同様に、画素C、DのGサブピクセルの階調値の差|GC−GD|が閾値βよりも大きい場合、画素C、DのいずれのGサブピクセルの階調値が大きいかが、大小認識データに記述される。画素C、DのGサブピクセルの階調値の差|GC−GD|が閾値β以下の場合には、画素C、DのGサブピクセルの階調値の大小関係は、大小認識データに記述されない。加えて、画素C、DのBサブピクセルの階調値の差|BC−BD|が閾値βよりも大きい場合、画素C、DのいずれのBサブピクセルの階調値が大きいかが、大小認識データに記述される。画素C、DのBサブピクセルの階調値の差|BC−BD|が閾値β以下の場合には、画素C、DのBサブピクセルの階調値の大小関係は、大小認識データに記述されない。
図29Aの例では、画素A、BのRサブピクセルの階調値がそれぞれ、50、59であり、閾値βが4である。この場合、階調値の差|RA−RB|が閾値βよりも大きいので、その旨がβ比較データに記載され、また、画素BのRサブピクセルの階調値が画素AのRサブピクセルの階調値よりも大きい旨が大小認識データに記述される。一方、画素A、BのGサブピクセルの階調値がそれぞれ、2、1である。この場合、階調値の差|GA−GB|が閾値β以下なので、その旨がβ比較データに記載される。大小認識データには、画素A、BのGサブピクセルの階調値の大小関係は記述されない。更に、画素A、BのBサブピクセルの階調値がそれぞれ、30、39である。この場合、階調値の差|BA−BB|が閾値βよりも大きいので、その旨がβ比較データに記載され、また、画素BのBサブピクセルの階調値が画素AのBサブピクセルの階調値よりも大きい旨が大小認識データに記述される。
また、画素C、DのRサブピクセルの階調値が、いずれも、100である。この場合、階調値の差|RC−RD|が閾値β以下ので、その旨がβ比較データに記載される。大小認識データには、画素A、BのGサブピクセルの階調値の大小関係は記述されない。また、画素C、DのGサブピクセルの階調値がそれぞれ、80、85である。この場合、階調値の差|GA−GB|が閾値βより大きいので、その旨がβ比較データに記載され、また、画素DのGサブピクセルの階調値が画素CのGサブピクセルの階調値よりも大きい旨が大小認識データに記述される。更に、画素C、DのBサブピクセルの階調値がそれぞれ、8、2である。この場合、階調値の差|BC−BD|が閾値βよりも大きいので、その旨がβ比較データに記載され、また、画素CのBサブピクセルの階調値が画素DのBサブピクセルの階調値よりも大きい旨が大小認識データに記述される。
更に、画素A、BのRサブピクセル、Gサブピクセル、Bサブピクセルの階調値の平均値Rave1、Gave1、Bave1、及び、画素C、DのRサブピクセル、Gサブピクセル、Bサブピクセルの階調値の平均値Rave2、Gave2、Bave2に、誤差データαが加算される。本実施形態では、誤差データαは、各組み合わせの2画素の座標からベイヤーマトリックスである基本マトリックスを用いて決定される。誤差データαの算出については、後に別途に記載する。以下では、本実施形態では、画素A、Bについて定められた誤差データαが0であるとして説明が行われる。
更に、丸め処理及びビット切捨て処理が行われてR代表値#1、G代表値#1、B代表値#1、R代表値#2、G代表値#2、B代表値#2が算出される。まず、画素A、Bについて説明すると、丸め処理において加算される数値及びビット切捨て処理で切り捨てられるビット数は、階調値の差|RA−RB|、|GA−GB|、及び|BA−BB|と閾値βとの大小関係に応じて、2ビット又は3ビットに決定される。Rサブピクセルについては、Rサブピクセルの階調値の差|RA−RB|が閾値βよりも大きい場合、Rサブピクセルの階調値の平均値Rave1に値4を加えた後下位3ビットを切り捨てる処理が行われ、これによりR代表値#1が算出される。そうでない場合、平均値Rave1に値2を加えた後下位2ビットを切り捨てる処理が行われ、これによりR代表値#1が算出される。結果として、R代表値#1は、5ビット又は6ビットになる。Gサブピクセル、Bサブピクセルについても同様である。階調値の差|GA−GB|が閾値βよりも大きい場合、Gサブピクセルの階調値の平均値Gave1に値4を加えた後下位3ビットを切り捨てる処理が行われ、これによりG代表値#1が算出される。そうでない場合、平均値Gave1に値2を加えた後下位2ビットを切り捨てる処理が行われ、これによりG代表値#1が算出される。更に、階調値の差|BA−BB|が閾値βよりも大きい場合、Bサブピクセルの階調値の平均値Bave1に値4を加えた後下位3ビットを切り捨てる処理が行われ、これによりB代表値#1が算出される。そうでない場合、平均値Bave1に値2を加えた後下位2ビットを切り捨てる処理が行われ、これによりB代表値#1が算出される。
図29Aの例では、画素A、BのRサブピクセルの平均値Rave1については、値4を加えた後下位3ビットを切り捨てる処理が行われてR代表値#1が算出される。また、画素A、BのGサブピクセルの平均値Gave1については、値2を加えた後下位2ビットを切り捨てる処理が行われてG代表値#1が算出される。更に、画素A、BのBサブピクセルについては、Bサブピクセルの階調値の平均値Bave1に値4を加えた後下位3ビットを切り捨てる処理が行われ、これによりB代表値#1が算出される。
画素C、Dの組み合わせについても同様の処理が行われてR代表値#2、G代表値#2、B代表値#2が算出される。ただし、画素C、DのGサブピクセルについては、丸め処理において加算される数値及びビット切捨て処理で切り捨てられるビット数は、1ビット又は2ビットである。階調値の差|GC−GD|が閾値βよりも大きい場合、Gサブピクセルの階調値の平均値Gave2に値2を加えた後下位2ビットを切り捨てる処理が行われ、これによりG代表値#2が算出される。そうでない場合、平均値Gave2に値1を加えた後下位1ビットを切り捨てる処理が行われ、これによりG代表値#2が算出される
。
図29Aの例では、画素C、DのRサブピクセルの平均値Rave2については、値2を加えた後下位2ビットを切り捨てる処理が行われてR代表値#2が算出される。また、画素C、DのGサブピクセルの平均値Gave2については、値4を加えた後下位3ビットを切り捨てる処理が行われてG代表値#2が算出される。更に、画素C、DのBサブピクセルについては、Bサブピクセルの階調値の平均値Bave2に値4を加えた後下位3ビットを切り捨てる処理が行われ、これによりB代表値#2が算出される。
以上により、(2×2)画素圧縮による圧縮処理が完了する。
一方、図29Bは、(2×2)画素圧縮で圧縮された圧縮データの展開方式を示す図である。図29Bは、画素A、Bの画像データの間の相関性が高く、且つ、画素C、Dの画像データの間の相関性が高い場合における(2×2)圧縮データの展開について記述している。他の場合も同様にして(2×2)圧縮データが展開可能であることは、当業者には容易に理解されよう。
まず、R代表値#1、G代表値#1、B代表値#1に対してビット繰上げ処理が行われる。ビット繰上げ処理のビット数は、β比較データに記述された、階調値の差|RA−RB|、|GA−GB|、|BA−BB|と閾値βとの大小関係に応じて決定される。画素A、BのRサブピクセルの階調値の差|RA−RB|が閾値βよりも大きい場合、R代表値#1に対して3ビットのビット繰上げ処理が行われ、そうでない場合、2ビットのビット繰上げ処理が行われる。同様に、画素A、BのGサブピクセルの階調値の差|GA−GB|が閾値βよりも大きい場合、G代表値#1に対して3ビットのビット繰上げ処理が行われ、そうでない場合、2ビットのビット繰上げ処理が行われる。更に、画素A、BのBサブピクセルの階調値の差|BA−BB|が閾値βよりも大きい場合、B代表値#1に対して3ビットのビット繰上げ処理が行われ、そうでない場合、2ビットのビット繰上げ処理が行われる。図29Bの例では、R代表値#1については、3ビットを繰り上げる処理が行われ、G代表値#1については、2ビットを繰り上げる処理が行われ、B代表値#1については、3ビットのビット繰上げ処理が行われる。
R代表値#2、G代表値#2、B代表値#2についても同様のビット繰上げ処理が行われる。ただし、G代表値#2のビット繰上げ処理のビット数は、1ビット又は2ビットのうちから選ばれる。画素C、DのGサブピクセルの階調値の差|GC−GD|が閾値βよりも大きい場合、G代表値#2に対して2ビットのビット繰上げ処理が行われ、そうでない場合、1ビットのビット繰上げ処理が行われる。図29Bの例では、R代表値#2については、2ビットを繰り上げる処理が行われ、G代表値#2については、2ビットを繰り上げる処理が行われ、B代表値#2については、3ビットのビット繰上げ処理が行われる。
更に、R代表値#1、G代表値#1、B代表値#1、R代表値#2、G代表値#2、B代表値#2のそれぞれから誤差データαが減算された後、これらの代表値から、画素A、BのR、G、Bサブピクセルの階調値、及び画素C、DのR、G、Bサブピクセルの階調値を復元する処理が行われる。
階調値の復元においては、β比較データ及び大小認識データが使用される。β比較データにおいて、画素A、BのRサブピクセルの階調値の差|RA−RB|が閾値βよりも大きいと記述されている場合、R代表値#1に一定値5を加えた値が、画素A、Bのうち大小認識データにおいて大きいと記述されている方のRサブピクセルの階調値として復元され、R代表値#1に一定値5を減じた値が、大小認識データにおいて小さいと記述されている方のRサブピクセルの階調値として復元される。画素A、BのRサブピクセルの階調値の差|RA−RB|が閾値βよりも小さい場合、画素A、BのRサブピクセルの階調値は、R代表値#1に一致するとして復元される。同様に、画素A、BのGサブピクセル、Bサブピクセルの階調値、及び画素C、DのRサブピクセル、Gサブピクセル、Bサブピクセルの階調値も同様の手順によって復元される。
図29Bの例では、画素AのRサブピクセルの階調値は、R代表値#1から値5だけ減じた値として復元され、画素BのRサブピクセルの階調値は、R代表値#1から値5を加えた値として復元されている。また、画素A、BのGサブピクセルの階調値は、G代表値#1に一致する値として復元される。更に、画素AのBサブピクセルの階調値はB代表値#1から値5だけ減じた値として復元され、画素BのBサブピクセルの階調値は、B代表値#1から値5を加えた値として復元されている。一方、画素C、DのRサブピクセルの階調値は、B代表値#2に一致する値として復元される。また、画素CのGサブピクセルの階調値は、G代表値#2から値5だけ減じた値として復元され、画素DのGサブピクセルの階調値は、G代表値#2から値5を加えた値として復元されている。更に、画素CのBサブピクセルの階調値は、G代表値#2から値5を加えて値として復元され、画素DのBサブピクセルの階調値は、G代表値#2から値5を減じた値として復元されている。
以上で画素A〜DのRサブピクセル、Gサブピクセル、Bサブピクセルの階調値の復元が完了する。図29Bの右欄の画素A〜Dの画像データと、図29Aの左欄の画素A〜Dの画像データとを比較すれば、上記の展開方式により、概ね、画素A〜Dの元の画像データが復元されていることが理解されよう。
図29A、図29Bの圧縮処理、展開処理の変形例として、選択データに2ビットが与えられている一方、画像データの相関性が高い2画素の組み合わせは3通りであることから、特定の画素の組み合わせについて、代表値に与えられるビット数を増加させることも可能である。例えば、選択データを下記のように定義したとする(xは、「0」及び「1」の任意):
・画素A、Bの相関性が高く、画素C、Dの相関性が高い:0x
・画素A、Cの相関性が高く、画素B、Dの相関性が高い:10
・画素A、Dの相関性が高く、画素B、Cの相関性が高い:11
この場合、画素A、Bの画像データの間の相関性が高く、画素C、Dの画像データの間の相関性が高い場合にのみ、選択データに与えられるビット数を1ビットとする一方で、R代表値#1、G代表値#1、B代表値#1、R代表値#2、B代表値#2のいずれかに与えられるビット数を1ビット増加することができる。画素A、Bの組み合わせと、画素C、Dの組み合わせのデータの対象性を向上するためには、G代表値#1に与えられるビット数を1ビット増加させることが好ましい。
図30Bは、画素A、Bの画像データの間の相関性が高く、画素C、Dの画像データの間の相関性が高い場合に、G代表値#1に与えられるビット数が1ビット増加される場合の(2×2)圧縮データのフォーマットを示す図である。図30Bのフォーマットでは、選択データに1ビットが与えられ、G代表値#1に階調値の差|GA−GB|と閾値βとの大小関係に応じて6ビット又は7ビットが与えられる。G代表値#1に与えられるビット数を増加させることにより、情報量を増加させ、圧縮歪みを低減することができる。この場合、展開処理においては、G代表値#1に対して1ビット又は2ビットの繰上げ処理が行われる。繰上げ処理のビット数は、階調値の差|GA−GB|と閾値βとの大小関係に応じて決定される。
3−5.(4×1)画素圧縮
図31Aは、(4×1)画素圧縮を説明する概念図であり、図32は、(4×1)圧縮データのフォーマットを示す概念図である。上述のように、(4×1)画素圧縮は、対象ブロックの4画素の画像データの間に高い相関性がある場合に使用される圧縮方式である。図32に示されているように、本実施形態では、(4×1)圧縮データが48ビットデータであり、圧縮種類認識ビットと、下記の7つのデータ:Ymin、Ydist0〜Ydist2、アドレスデータ、Cb’、Cr’とで構成される。
圧縮種類認識ビットとは、圧縮に使われた圧縮方式の種類を示すデータであり、(4×1)圧縮データでは、4ビットが圧縮種類認識ビットに割り当てられる。本実施形態では、(4×1)圧縮データの圧縮種類認識ビットの値は「1110」である。
Ymin、Ydist0〜Ydist2、アドレスデータ、Cb’、Cr’は、対象ブロックの4画素の画像データを、RGBデータからYUVデータに変換し、更に、YUVデータについて圧縮処理を行うことによって得られるデータである。ここで、Ymin、Ydist0〜Ydist2は、対象ブロックの4画素のYUVデータのうち、輝度データから得られるデータであり、Cb’、Cr’は、色差データから得られるデータである。Ymin、Ydist0〜Ydist2及びCb’、Cr’が、対象ブロックの4画素の画像データの代表値である。本実施形態では、最小輝度データYminに10ビット、Ydist0〜Ydist2のそれぞれに4ビット、アドレスデータに2ビット、Cb’、Cr’のそれぞれに10ビットが割り当てられている。以下、図31Aを参照しながら、(4×1)画素圧縮について説明する。
まず、画素A〜Dのそれぞれについて、下記のマトリックス演算により、輝度データYと色差データCr、Cbが算出される:
ここで、Y
kは、画素kの輝度データであり、Cr
k、Cb
kは、画素kの色差データである。また、上述の通り、R
k、G
k、B
kは、それぞれ、画素kのRサブピクセル、Gサブピクセル、Bサブピクセルの階調値である。
更に、画素A〜Dの輝度データYk、色差データCrk、Cbkから、Ymin、Ydist0〜Ydist2、アドレスデータ、Cb’、Cr’が作成される。
Yminは、輝度データYA〜YDのうちの最小のもの(最小輝度データ)として定義される。また、Ydist0〜Ydist2は、残りの輝度データと最小輝度データYminの差分に2ビットの切捨て処理を行うことによって生成される。アドレスデータは、画素A〜Dのいずれの輝度データが最小であるかを示すデータとして生成される。図31Aの例では、Ymin、Ydist0〜Ydist2は、下記式によって算出される:
Ymin=YD=4,
Ydist0=(YA−Ymin)>>2=(48−4)>>2=11,
Ydist1=(YB−Ymin)>>2=(28−4)>>2=6,
Ydist2=(YC−Ymin)>>2=(16−4)>>2=3,
ここで、「>>2」は、2ビットの切捨て処理を示す演算子である。アドレスデータには、輝度データYDが最小である旨が記載される。
更に、Cr’が、CrA〜CrDの和に1ビットの切捨て処理を行うことによって生成され、同様に、Cb’が、CbA〜CbDの和に1ビットの切捨て処理を行うことによって生成される。図31Aの例では、Cr’、Cb’が下記の式によって算出される:
Cr’=(CrA+CrB+CrC+CrD)>>1
=(2+1−1+1)>>1=1,
Cb’=(CbA+CbB+CbC+CbD)>>1
=(−2−1+1−1)>>1=−1,
ここで、「>>1」は、1ビットの切捨て処理を示す演算子である。以上で、(4×1)圧縮データの生成が完了する。
一方、図31Bは、(4×1)画素圧縮で圧縮された圧縮データの展開方式を示す図である。(4×1)画素圧縮で圧縮された圧縮データの展開では、まず、Ymin、Ydist0〜Ydist2から、画素A〜Dそれぞれの輝度データが復元される。以下では、復元された画素A〜Dの輝度データをYA’〜YD’と記載する。より具体的には、アドレスデータによって最小であると示されている画素の輝度データとして、最小輝度データYminの値が使用される。更に、Ydist0〜Ydist2に2ビットの繰上げ処理を行った後、最小輝度データYminに加算することにより、他の画素の輝度データが復元される。本実施形態では、下記式によって輝度データYA’〜YD’が復元される:
YA’=Ydist0×4+Ymin=44+4=48,
YB’=Ydist1×4+Ymin=24+4=28,
YC’=Ydist2×4+Ymin=12+4=16,
YD’=Ymin=4.
更に、輝度データY
A’〜Y
D’と色差データCr’、Cb’から、下記のマトリックス演算により、画素A〜DのR、G、Bサブピクセルの階調値が復元される:
ここで、「>>2」は、2ビットを切り捨てる処理を示す演算子である。上記の式から理解されるように、画素A〜DのR、G、Bサブピクセルの階調値の復元では、色差データCr’、Cb’が共通に使用される。
以上で画素A〜DのRサブピクセル、Gサブピクセル、Bサブピクセルの階調値の復元が完了する。図31Bの右欄の画素A〜Dの画像データと、図31Aの左欄の画素A〜Dの画像データとを比較すれば、上記の展開方式により、概ね、画素A〜Dの元の画像データが復元されていることが理解されよう。
3−6.誤差データαの算出
以下では、(1×4)画素圧縮、(2+1×2)画素圧縮、(2×2)画素圧縮で使用される誤差データαの算出について説明する。
(1×4)画素圧縮、及び、(2+1×2)画素圧縮において行われる、各画素のそれぞれについて行われるビットプレーン減少処理に使用される誤差データαは、図33に示されている基本マトリックスと、各画素の座標から算出される。ここで基本マトリックスとは、画素のx座標の下位2ビットx1、x0及びy座標の下位2ビットy1、y0と、誤差データαの基本値Qとの関係が記述されているマトリックスでのことであり、また、基本値Qとは、誤差データαの算出の種(seed)として使用される値のことである。
詳細には、まず、対象の画素のx座標の下位2ビットx1、x0及びy座標の下位2ビットy1、y0に基づいて当該基本マトリックスの行列要素のうちから基本値Qが抽出される。例えば、ビットプレーン減少処理の対象が画素Aであり、当該画素Aの座標の下位2ビットが「00」である場合、基本値Qとして「15」が抽出される。
更に、ビットプレーン減少処理において引き続いて行われるビット切捨て処理のビット数に応じて、基本値Qに下記の演算が行われ、これにより、誤差データαが算出される:
α=Q×2, (ビット切捨て処理のビット数が5)
α=Q, (ビット切捨て処理のビット数が4)
α=Q/2, (ビット切捨て処理のビット数が3)
一方、(2+1×2)画素圧縮、及び(2×2)画素圧縮における、相関性が高い2画素の画像データの代表値の算出処理に使用される誤差データαは、図33に示されている基本マトリックスと、対象の当該2画素のx座標、y座標の下位2ビット目x1、y1とから算出される。詳細には、まず、対象ブロックの含まれる対象の2画素の組み合わせに応じて、対象ブロックのいずれかの画素が、基本値Qの抽出に使用される画素として決定される。以下では、基本値Qの抽出に使用される画素をQ抽出画素と記載する。対象の2画素の組み合わせと、Q抽出画素の関係は下記の通りである:
・対象の2画素が画素A、Bの場合:Q抽出画素は画素A
・対象の2画素が画素A、Cの場合:Q抽出画素は画素A
・対象の2画素が画素A、Dの場合:Q抽出画素は画素A
・対象の2画素が画素B、Cの場合:Q抽出画素は画素B
・対象の2画素が画素B、Dの場合:Q抽出画素は画素B
・対象の2画素が画素C、Dの場合:Q抽出画素は画素B
更に、対象の2画素のx座標、y座標の下位2ビット目x1、y1に応じて当該基本マトリックスから、Q抽出画素に対応する基本値Qが抽出される。例えば、対象の2画素が画素A、Bである場合、Q抽出画素は、画素Aである。この場合、基本マトリックスにおいてQ抽出画素である画素Aに対応付けられた4つの基本値Qのうちから、x1、y1に応じて、最終的に使用される基本値Qが下記のように決定される。
Q=15, (x1=y1=「0」)
Q=01, (x1=「1」,y1=「0」)
Q=07, (x1=「0」,y1=「1」)
Q=13. (x1=y1=「1」)
更に、代表値の算出処理において引き続いて行われるビット切捨て処理のビット数に応じて、基本値Qに下記の演算が行われ、これにより、相関性が高い2画素の画像データの代表値の算出処理に使用される誤差データαが算出される:
α=Q/2, (ビット切捨て処理のビット数が3)
α=Q/4, (ビット切捨て処理のビット数が2)
α=Q/8. (ビット切捨て処理のビット数が1)
例えば、対象の2画素が画素A、Bであり、x1=y1=「1」であり、ビット切捨て処理のビット数が3である場合には、下記の式によって誤差データαが決定される:
Q=13,
α=13/2=6.
なお、誤差データαの算出方法は、上記には限定されない。例えば、基本マトリックスとしては、ベイヤーマトリックスである他のマトリックスが使用可能である。
3−7.圧縮種類認識ビット
以上に説明されている圧縮方式において留意すべき事項の一つは、各圧縮データにおける圧縮種類認識ビットのビット数の配分である。本実施形態では、圧縮データが48ビットで固定であるのに対し、圧縮種類認識ビットは1〜4ビットの間で可変である。詳細には、本実施形態では、(1×4)画素圧縮、(2+1×2)画素圧縮、(2×2)画素圧縮、(4×1)ビット圧縮の圧縮種類認識ビットは、下記のとおりである:
(1×4)画素圧縮 :「0」 (1ビット)
(2+1×2)画素圧縮:「10」 (2ビット)
(2×2)画素圧縮 :「110」 (3ビット)
(4×1)ビット圧縮 :「1110」 (4ビット)
対象ブロックの画素の画像データの間の相関性が低いほど圧縮種類認識ビットに割り当てられるビット数が少なく、対象ブロックの画素の画像データの間の相関性が高いほど圧縮種類認識ビットに割り当てられるビット数が多いことに留意されたい。
圧縮データのビット数が、圧縮方式に関わらず固定であることは、ソースドライバ4へのデータ転送のシーケンスを簡略化することに有効である。
一方、対象ブロックの画素の画像データの間の相関性が低いほど圧縮種類認識ビットに割り当てられるビット数が少ない(即ち、画像データに割り当てられるビット数が多い)ことは、全体としての圧縮歪みを軽減するために有効である。対象ブロックの画素の画像データの間の相関性が高い場合には、画像データに割り当てられるビット数が少なくても、画像の劣化を小さくしながら画像データを圧縮可能である。一方、対象ブロックの画素の画像データの間の相関性が低い場合には、画像データに割り当てられるビット数が増大され、これにより圧縮歪みが軽減されている。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、以上では、本発明が液晶表示パネルを備えた表示装置に適用されている実施形態が提示されているが、他の表示デバイス、例えば、有機EL表示パネルやプラズマディスプレイパネルのような表示パネルを備える表示装置にも適用可能である。特に、第2の実施形態で説明されているデルタ配置は、有機EL表示パネルにおいて広く採用されており、第2の実施形態で説明した動作は、有機EL表示パネルを備える表示装置に特に好適である。