JP6114144B2 - 壁面の表層施工方法 - Google Patents
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Description
「ウレタン原液を注入可能な吐出口と、表面材の繰出し部と、押え面板とを備えて施工対象物の壁面に沿っての昇降移動が可能な施工機を用意し、
押え面板を壁面から所定間隔離して壁面との間にウレタン注入空間を形成する状態での施工機の上昇移動に同期してウレタン注入空間の表面側に表面材を順次繰り出すとともに、繰出された表面材と壁面との間にウレタン原液を注入し発泡して、硬質ウレタンフォームと表面材とが一体化された単位幅の断熱層を施工し、この単位幅の断熱層の施工を複数回繰返すことにより施工対象物の壁面全域に防熱施工する壁面の防熱施工方法」
即ち、図7の紙面左側において示されるように、巻回装備されている離型性面材ロール31から繰り出される離型紙(離型性面材)32を、施工対象物の壁面34と押え面板33との間のウレタン注入空間(表層材供給空間)35の左右一端に配備されて弾性材などでなる摺接ガイド部材36により、平面視で横向きU字状に曲げた状態で順次繰り出し、ウレタン注入空間35の一端を閉じる方法である。
また、壁面34には往々にして凹凸や起伏、或いは段差があるが、摺接ガイド部材36即ち離型紙32がそれらの起伏などに沿うことができないことがあり、それによる隙間から注入された表層材が漏れ出るという問題もあった。
さらに、離型紙32の繰出し部分の調整が煩雑であり、施工中に離型紙32は破断してしまい、その修復のために施工が中断されるという問題もあった。
表層材8を吐出可能な注入部13と、表面材7の繰出し部11と、押え面板9とを備えて施工対象物Tの壁面4に沿っての昇降移動が可能な施工機Aを用意し、かつ、前記施工機Aを吊下げ昇降移動させる昇降装置Bに吊設させた状態で前記壁面4に配置される流体ホース2を用意し、
前記押え面板9を前記壁面4から所定間隔離して前記壁面4との間に表層材供給空間kを形成する状態での前記施工機Aの上昇移動に同期して前記表層材供給空間kの表面側に前記表面材7を順次繰り出すとともに、繰出された前記表面材7と前記壁面4との間に表層材8を注入して、注入された表層材8と前記表面材7とが一体化された単位幅の表層gを施工するにあたり、
前記単位幅の表層施工を、前記表層材供給空間kの左端及び/又は右端の開放部を流体充填により膨張している前記流体ホース2で閉じた状態で行うことを特徴とする。
前記単位幅の表層施工を複数回繰り返すことにより施工対象物の壁面4における設定範囲に表層施工することを特徴とする。
前記流体ホース2として、流体充填により膨張しているときの直径が前記表層gの厚みよりも若干大きいものを使用することを特徴とする。
前記流体ホース2として、形成された前記表層gからの剥離のし易さを促進する表面処理がホース外表面2aに施されているものを使用することを特徴とする。
前記流体ホース2の左右位置の規定が可能なガイド19を前記施工機Aに装備しておき、前記単位幅の表層施工を、前記流体充填により膨張している流体ホース2の左右位置を前記ガイド19で定めた状態で行うことを特徴とする。
前記表層材8としてウレタン原液を用い、前記単位幅の表層施工においては、注入し発泡した硬質ウレタンフォーム8aと表面材7とが一体化された断熱層により前記表層gを形成することを特徴とする。
そして、流体が充填される流体ホースでサイドシール手段とするため、形成された表層の流体ホースに接する面がきれいな円弧に仕上げることが可能である。このため、離型紙の皺によって発生するボイドが生じる従来の不都合から開放され、隣接して施工する表層との接合性もより良好なものとなる利点がある。
また、流体ホースは離型紙に比べて破断強度を明確に高くできるので、施工中に切れるという従来の不具合が無くなり、施工が中断されるリスクから解消される。
さらに、流体ホースを表層材供給空間の一端又は両端に配置するだけでよいから、作業が簡単化されるようにもなる。
この場合、請求項2のように、単位幅の表層施工を複数回繰り返すことにより施工対象物の壁面における設定範囲(例:壁面全域)に表層施工する場合にも、前記作用効果を好適に発揮させることが可能である。
図1〜図3に、低温タンクなどの施工対象物Tの壁面4を断熱層gで覆うための断熱層施工方法(壁面の表層施工方法の一例)とこれに用いる施工機A及び昇降装置Bを有する施工設備Sが示されている。
この施工設備Sは、壁面4の最上部前方に横向きに配される吊元レール1に横移動可能に懸垂支持される昇降装置Bと、この昇降装置Bにより昇降移動可能に吊下げ支持される施工機Aと、昇降装置Bに吊設される流体ホース2などを有して構成されている。
繰出し機構7Kは、所定長さの幅を有する長尺状で巻取りローラ10に巻回されている表面材7や、巻取りローラ10から解されて来る表面材7を繰出す繰出しローラ(繰出し部の一例)11などを有して構成されている。
供給機構8Kは、表層材であるポリウレタン原液8の注入部である注入ヘッド13と、トラバーサー12などを備えて構成されている。なお、ポリウレタン原液8の貯留部(図示省略)はゴンドラ6の外部に置かれ、ホースで供給する構造となっている。
また、押え面板9は、ゴンドラ6にその前側(壁面4側)に張り出す状態で縦向き姿勢で固定支持されている。
壁面4に対向する向きである前後方向の軸心Pを有する支軸20は、ガイドローラ19を先端側に弾性付勢するように嵌装されるコイルバネ21により、所定範囲で突出する方向への弾性付勢状態で枠体6aに支承されている。そして、支軸20の先端には、壁面4に沿って転動移動可能な球軸受22が装備されている。
また、発泡した硬質ポリウレタンフォームで成る断熱層(表層の一例)gとの離型性を良くするための表面処理がエアチューブ2になされていると好都合である。その表面処理としては、四フッ化エチレン、二フッ化エチレン、シリコーンゴム、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの離型性に優れる基材でなる粘着テープを、エアチューブ2の表面(外面)に貼り付けることが挙げられる。
図1,図2(a),及び図3は、壁面4に最初に断熱層gを作製する場合の方法を表しており、昇降装置Bで施工機Aを上昇移動させながら断熱材(表層材の一例)8を注入する。即ち、押え面板9を壁面4から所定間隔離して壁面4との間に断熱材供給空間kを形成する状態での施工機Aの上昇移動に同期して断熱材供給空間kの表面側に表面材7を順次繰り出すとともに、繰出された表面材7と壁面4との間にポリウレタン原液8を注入して、注入され発泡した硬質ポリウレタンフォーム8a(8)と表面材7とが一体化して単位幅の断熱層gを施工する工程である。
図2(a)に示すように、膨張したエアチューブ2の径D(例:65mm)は、所期の断熱層g、即ち断熱材供給空間kの厚みdより僅か(若干の一例であり、例として1〜10mm程度)に大きいとされている。故に、押え面板9で壁面4との間に挟まれた状態では、エアチューブ2の断面形状が直径Dの円形から、小さい方向径がdの長円形(角丸又は楕円)に変形され、これによって断熱材8の漏れ出しが生じないように、壁面4と押え面板9との間を密封することができている。
二回目〜最後から一回前まで繰返し行われる単位幅の表層施工は、図2(c)に示される状態での施工となる。即ち、前回の施工により形成されている最初の断熱層gが、次の回の断熱材供給空間kの一端を閉じる側壁の役割をなすので、エアチューブ2は他端のみに配置すれば良い。この例では図2の紙面左側に押え面板9を(施工機Aを)横移動させてから施工を行う例を示しており、エアチューブ2は左端のみに設けられている。
以上は、平面視が円筒形の低温タンクTなどの壁面全周を断熱層gで覆う場合の施工方法について説明したが、例えば、平面視で矩形をなす建物の前側の壁面のみに防音材(表層材の一例)8による防音層(表層材の一例)gを形成する場合にも、本発明による壁面の表層施工方法は有効である。
参考実施形態による壁面の表層施工方法は、図5,図6に示すように、流体ホース2であるエアチューブ2を繰出すホース供給機構aが施工機Aに搭載されており、ゴンドラ6の上昇移動に伴って順次繰出して行くタイプのものである。
ホース供給機構aは、空気の供給がされていないエアチューブ(流体の供給されていない流体ホース)2を巻回してあるチューブコイル23と、チューブコイル23から解されたエアチューブ2の取出し方向を変える変換機構24と、エアチューブ2が膨張するのを防止しながら下方に送り出し可能なスクイズ機構25とを有して構成されている。
従って、図5に示すように、エアチューブ2は、スクイズ機構25の上側(前記上流側)では萎んだ状態が維持され、スクイズ機構25を通過した途端に膨らんで断熱材供給空間kの端を閉じるべく所定の径に膨張した状態になる。
離型紙32に比べて、繊維補強された流体ホース2は破断強度が格段に高いため、施工中に切れる心配がなく、施工を中断しなければならないリスクが解消される。
エアチューブ2でサイドシールを行っているので、壁面4の局部的な突起や凹凸などに追従でき、注入された断熱材(表層材)8が漏れることが無い、又は非常に少なくなる。
空気が充填されるエアチューブ2でサイドの型枠とするため、できあがった断熱層gのエアチューブ2に接する面がきれいな円弧に仕上がり、離型紙32のシワによって発生するボイドが一切なく、隣接して施工する列との接合性も良好になる。
流体ホース2としては、エアチューブの他、送水ホースやオイルホースなどがあり、流体としては空気、水、油などが可能である。
2a ホース外表面
4 壁面
7 表面材
8 ポリウレタン原液(ウレタン原液,表層材)
8a 硬質ポリウレタンフォーム(硬質ウレタンフォーム)
9 押え面板
11 繰出し部
13 注入部
19 ガイド
A 施工機
B 昇降装置
T 低温タンク(施工対象物)
g 断熱層(表層)
k 表層材供給空間
Claims (7)
- 表層材を吐出可能な注入部と、表面材の繰出し部と、押え面板とを備えて施工対象物の壁面に沿っての昇降移動が可能な施工機を用意し、かつ、前記施工機を吊下げ昇降移動させる昇降装置に吊設させた状態で前記壁面に配置される流体ホースを用意し、
前記押え面板を前記壁面から所定間隔離して前記壁面との間に表層材供給空間を形成する状態での前記施工機の上昇移動に同期して前記表層材供給空間の表面側に前記表面材を順次繰り出すとともに、繰出された前記表面材と前記壁面との間に表層材を注入して、注入された表層材と前記表面材とが一体化された単位幅の表層を施工するにあたり、
前記表層材の注入を、前記表層材供給空間の左端及び/又は右端の開放部を流体充填により膨張している前記流体ホースで閉じた状態で行う壁面の表層施工方法。 - 前記単位幅の表層施工を複数回繰り返すことにより施工対象物の壁面における設定範囲に表層施工する請求項1に記載の壁面の表層施工方法。
- 前記流体ホースとして、流体充填により膨張しているときの直径が前記表層の厚みよりも若干大きいものを使用する請求項1又は2に記載の壁面の表層施工方法。
- 前記流体ホースとして、空気の供給により膨らむエアチューブを用いる請求項1〜3の何れか一項に記載の壁面の表層施工方法。
- 前記流体ホースとして、形成された前記表層からの剥離のし易さを促進する表面処理がホース外表面に施されているものを使用する請求項1〜4の何れか一項に記載の壁面の表層施工方法。
- 前記流体ホースの左右位置の規定が可能なガイドを前記施工機に装備しておき、
前記単位幅の表層施工を、前記流体充填により膨張している流体ホースの左右位置を前記ガイドで定めた状態で行う請求項1〜5の何れか一項に記載の壁面の表層施工方法。 - 前記表層材としてウレタン原液を用い、前記単位幅の表層施工においては、注入し発泡した硬質ウレタンフォームと表面材とが一体化された断熱層により前記表層を形成する請求項1〜6の何れか一項に記載の壁面の表層施工方法。
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