JP6113615B2 - 制御装置、電力変換装置、制御方法、プログラム及び制御システム - Google Patents

制御装置、電力変換装置、制御方法、プログラム及び制御システム Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、制御装置、電力変換装置、制御方法、プログラム及び制御システムに関する。
交流電圧を出力する電力変換装置を複数並列接続して運転することが行われている。複数の電力変換装置が出力する交流電力を用いて交流電力の増加を図る場合、各出力交流電力の位相を同期させる必要がある。並列接続された複数の電力変換装置で位相が同期していない交流電圧を出力すると横流が発生し、効率の低下などの問題が発生するためである。
特開2008−228548号公報 特開2013−38864号公報 特開2006−5476号公報
複数の電力変換装置間で出力交流電力の位相の同期を実現するためには、例えば1つの電力変換装置をマスター、残りの電力変換装置をスレーブとし、マスターが送信する同期信号を参照してスレーブは出力電圧の位相を制御することが想定される。また、マスターが故障等により停止した場合、スレーブはマスターの停止を検知して新たなマスターを選出することでシステムは運転を継続することが想定される。
しかし、従来、既に運用されている電力変換システムに電力変換装置を新たに追加することが想定されていなかったので、既に運用されている電力変換システムに電力変換装置を新たに追加することが難しかった。更に、既に運用されている電力変換システムに新たに追加された電力変換装置をマスターに選出することができなかった。このように、電力変換システムの柔軟性は十分ではなかった。
また、マスターが故障等により予期せず停止した場合、マスターの停止の検出には一定の時間を要するため、その間に、複数の電力変換装置間で出力交流電力の位相の同期を維持することができなくなる場合があった。そのため、マスターが故障等により予期せず停止した場合、システムが連続運転できない場合があった。
そこで本発明の一態様は、上記問題に鑑みてなされたものであり、電力変換システムに柔軟性があり、かつ同期信号を送信する装置が予期せず停止した場合にも電力変換システムの連続運転を維持することを可能とする制御装置、電力変換装置、制御方法、プログラム及び制御システムを提供することを課題とする。
本発明の実施形態によれば、電力を変換し変換後の電力を電力線へ出力する電力変換装置を制御する制御装置であって、以下の構成を有する。通信部が、上記電力線に電力を出力する他の一台以上の電力変換装置の制御装置と通信する。同期信号部が、上記電力変換装置の出力電力の位相の基準となる同期信号を、受信する。電力位相制御部は、上記同期信号に基づいて前記電力変換装置が上記電力線へ出力する電力の位相を制御し、前記同期信号の途絶を検知した場合、途絶前に受信された同期信号に基づいて、上記電力変換装置が前記電力線へ出力する電力の位相を制御する。通信制御部は、上記電力位相制御部が上記途絶前に受信された同期信号に基づいて制御している間、上記同期信号を送信するマスターを決定するための情報を、上記他の電力変換装置の制御装置から受信するかまたは上記他の電力変換装置の制御装置へ送信するかのどちらか一方を行うよう上記通信部を制御する。
本発明の各実施形態におけるシステム構成の第1の例である。 本発明の各実施形態における電力変換システムの構成の第2の例である。 図3は、各実施形態の電力変換装置と周辺機器の接続構成の第1の例である。 各実施形態の電力変換装置と周辺機器の接続構成の第2の例である。 電力変換装置10の出力側の構成の第1の例である。 電力変換装置10の出力側の構成の第2の例である。 図3の構成例において、マスター装置11が動作を停止する際の動作シーケンスの第1の例である。 図3の構成例において、マスター装置11が動作を停止する際の動作シーケンスの第2の例である。 第1の実施形態における電力変換装置10の構成を示す概略ブロック図である。 第1の実施形態における制御部102の構成を示す概略ブロック図である。 第1の実施形態における位相同期回路部401の構成を示す概略ブロック図である。 第2の実施形態における電力変換装置10bの構成を示す概略ブロック図である。 第2の実施形態における制御部102bの構成を示す概略ブロック図である。 第2の実施形態における位相同期回路部401bの構成を示す概略ブロック図である。 第3の実施形態における電力変換装置10cの構成を示す概略ブロック図である。 第3の実施形態における制御部102cの構成を示す概略ブロック図である。 第3の実施形態における位相同期回路部401cの構成を示す概略ブロック図である。 第4の実施形態における電力変換装置10dの構成を示す概略ブロック図である。 第4の実施形態における制御部102dの構成を示す概略ブロック図である。 第4の実施形態における位相同期回路部401dの構成を示す概略ブロック図である。 第5の実施形態における電力変換装置10eの構成を示す概略ブロック図である。 第5の実施形態における制御部102eの構成を示す概略ブロック図である。 第5の実施形態における位相同期回路部401eの構成を示す概略ブロック図である。 加減速の継続時間を指示する通信内容の一例である。 マスターまたはコントローラ等が通信を介してその他のインバータに配布する、通信が発生した時点以降の速度変化の予定を示したグラフの一例である。 第6の実施形態における電力変換装置の主電力線と副電力線の結線図の一例である。 第6の実施形態における電力変換装置10の処理を説明するための図である。 第7の実施形態における電力変換装置10の処理を説明するための図である。 同期信号の途絶からマスター・スレーブ再構成通信の開始までの情報の流れを示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。各実施形態における電力変換システムにおいて、電力変換装置が通信機能を搭載することで、複数の電力変換装置同士で自律協調型制御を行う。この電力変換システムでは、出力増加のための電力変換装置の追加や故障による停止の自動認識、メンテナンスの自動化が実現され、ヒューマンエラーの防止や柔軟度の高い装置の設置と運用が可能になる。
各実施形態では、複数の電力変換装置(ここでは一例としてインバータ)の出力電力の位相の基準となる同期信号を送信する電力変換装置(ここでは一例としてインバータ)をマスター装置と呼称し、この同期信号を受信しこの同期信号に出力電圧を同期させる他の電力変換装置(ここでは一例としてインバータ)をスレーブ装置と呼称する。
また、各実施形態では、各電力変換装置は制御装置を備え、この制御装置は、同期信号を送信するマスターとして動作する場合と、同期信号を受信するスレーブとして動作する場合がある。
各実施形態では、同期信号を送信する制御装置を、マスターまたはマスターとして動作する制御装置と呼び、この同期信号を受信する制御装置をスレーブまたはスレーブとして動作する制御装置と呼ぶ。
<情報通信:UPnP>
情報通信の分野において、機器の追加と削除を行う概念としてプラグアンドプレイと呼ばれる概念が存在する。プラグアンドプレイを実現する手段として、UPnPというプロトコルを使用することが挙げられる。UPnP対応機器は、電源がONされ通信ネットワークに参加するとまずssdp:aliveという自機の存在を周囲の他のUPnP対応機器に広告するためのメッセージをマルチキャストアドレス宛に送信する。その後も自機が稼働を続けていることを示すために、一定期間ごとにssdp:aliveを送信する。
機器を停止させる際にはssdp:byebyeなるメッセージをマルチキャストアドレス宛に送信することで、他の機器に対して自機が停止することを周知する。機器が予期せず停止したり、予期せず通信ネットワークから外れてしまったりするような場合に備え、機器はssdp:aliveを常時監視しており、このメッセージが長期に渡り送信されなくなった場合には、ssdp:byebyeが送信されていないものの当該機器は停止していると判断する。
このように、UPnPでは機器の追加と削除を自在に行えるという特徴があるが、一方で機器が予期せず停止した場合、周囲の他の機器が当該機器の停止を検出するのに長期の時間を要するという問題がある。特に、複数インバータで出力の同期を行っている場合には同期が崩れる原因となる。このため、UPnPをそのまま複数で協調運転するインバータに適用すると、マスターの故障停止時、残されたスレーブがマスターの停止を検出するのに時間がかかってしまうという問題がある。
<従来の複数協調運転型インバータ>
一方、従来から存在する複数協調運転型のインバータの中には、マスター停止時にマスターの交代を実現する機能を有するものがある。このようなインバータでは、例えばマスターインバータの出力端に備わった電流計からのフィードバックをスレーブが監視しており、このフィードバック値が0などの異常値を示すことを以てマスターが停止したと認識してマスターの交代を開始する仕組みとなっている。このような仕組みを用いると、インバータの停止を他のインバータが高速に検出することができるが、一方でインバータの追加運転には対応できていない。
このような課題に対し、各実施形態における電力変換装置は、通信を用いることで電力変換装置の追加やマスターの交代機能を実現するとともに、スレーブとして動作するときは同期信号を常時監視し、同期信号が途絶したことを以てマスターの停止を高速に検出する仕組みを備え、マスター停止時にはすぐさま通信を用いた新たなマスターの選出を開始できる。
まず、はじめに各実施形態の適用例について説明する。
(適用例1:マイクログリッド)
図1は、本発明の各実施形態における電力変換システムの構成の第1の例である。電力変換システムの適用例の一つとしてマイクログリッドが想定され、具体的には一般家庭や店舗、工場・ビル・駅や商業施設などの小、中規模な電力系が想定される。マイクログリッド(以下、単に系と称することがある。)300は、一例として、発電装置303、蓄電装置302、負荷304、電力変換装置307とそれらを繋ぐ電力線201及び情報通信線23などを基本要素として備える。図1では、一例として、電力変換装置(307−1、307−2、307−3)が三台ある例が示されている。なお、電力変換装置は、2台以下でも4台以上であってもよい。このように各実施形態における電力変換システムは、少なくとも複数の電力変換装置を備える。
この他、各種センサ306、EMSサーバ305、その他電力に関わる装置などが存在してもよい。各構成要素が通信機能を備えることでシステム全体として高度な制御や外部システムとの協調を可能とする。
マイクログリッド300の1例としての図1では、系は電力系統301と電力線201で接続しており、電力系統301から電力の供給を受けることができる。また系内に余剰電力が生じた際には逆に送電を行うこと(逆潮流)ができ、系内で生産した電力と電力系統301から供給を受けた電力とを同時に消費することも可能である。また系は電力系統から独立するものであっても良い。以下にマイクログリッド300を構成する各種の要素を例示する。
<発電装置>
発電装置303は、種々の形態のエネルギーを電気エネルギーに変換する装置である。例えば光エネルギーを用いる太陽光発電機(PV:Photovoltaic)や、水流や風流などの流体エネルギーを用いる水力・風力発電機、化石燃料などの化学エネルギーを電力へと変換する火力発電機、自然に存在する熱を用いる地熱発電機、その他振動や潮力による発電機等が挙げられる。また小・中規模の系で用いられることはほぼないと言ってよいものの、原子力発電機も同様に列挙できる。
発電装置では各種のエネルギー形態を一旦回転運動に変換し、同期機を用いて電力を得る構成が多いが、太陽光発電機のように運動エネルギーに依らない発電形態もある。装置としては、湯沸かし器とガス火力発電機を兼ねた装置のように、複数の機能を兼ねたような形態であってもよい。
<蓄電装置>
蓄電装置302は電気エネルギーを他のエネルギー形態に変換して保存しておく装置であり、一般には電池をさす。蓄電池や蓄電池を搭載した電気自動車(EV:Electric Vehicle)が一般的な蓄電装置と言えるが、製造後は放電のみを行うことを前提とした乾電池などを含んでもよい。
蓄電装置302は充放電速度や電池劣化、寿命の管理のためにマイコンやレギュレータ、インバータ等の変電部品から構成される制御システムを搭載していることがある。この変電・制御システムはPCS (Power Conditioning System)と呼ばれる。またPCSと蓄電池を一体としたものをBESS(Battery Energy Storage System)と呼ぶことがある。PCSは蓄電池だけでなく、太陽光発電機やその他小型発電機などにも付属していることがある。
蓄電装置302は、広義には、電気エネルギーを位置エネルギーとして保存していると解釈できる給水塔や、無停電電源装置などへの適用例があって蓄えた運動エネルギーから電力を取り出すことが可能なフライホイールなども一種の蓄電装置と解釈できる。
<負荷>
負荷304は電力を消費する装置で、電気エネルギーを他のエネルギー形態に変換する装置である。その多くは電気エネルギーを直接ないし間接的に熱エネルギーに変換する。負荷の代表的なものとしてモータ、照明、加熱装置、コンピュータなどが想定される。マイクログリッドにおいてモータは、家電機器やエレベータ、エスカレータなど他の装置との組み合わせや付加機能を加えた形態として存在することが多い。
負荷がモータである場合、電力は動力・運動エネルギーに変換され、消費される。その際、モータが生み出す動力が直接駆動力として利用されることもあれば、歯車などの動力変換器を介することで運動の速度や方向の変換、回転軸の移動や回転・直動変換、運動エネルギーの分岐や結合などが行われることもある。モータと動力伝達・動力変換機構までを含めた動力システム全体を系の負荷とみなすことも可能である。
<電力変換装置>
電力変換装置(変電装置ということもある)307はインバータ、コンバータ、変圧器(トランス)など、装置自体では電力の消費が無いまたはごく少ないまま直流/交流、電圧、電流、周波数、相数などを変換する装置を指す。インバータは一般に直流電源を交流電源に変換する装置であるが、運転モードを切り替えることで交流電源を直流電源に変換する機能をもったものもある。また遮断器や電力ルータなど送電経路の遮断や変更を行う装置も、広義では電力変換装置と考える捉えることができる。なお、本文ではインバータという語を、電力変換装置全般を指す単語として使用する場合がある。
<電力線、電力伝送設備>
電力線201は各種の発電装置303、蓄電装置302、電力変換装置307、負荷304の間で電力を伝送するための導線である。家庭内やビル、オフィスでは単相100V、系統との接続には3相200Vの電圧に対応した電力線がよく用いられるが、系統の根幹側ではさらに高電圧に対応の電力線が用いられる。系内でも上記の相数、電圧に応じた電力線を用いるのが一般であるが、必ずしもこれに準じた規格の線のみを用いるわけではない。
<通信、コントローラ>
系内に存在するあらゆる機器は通信機能を搭載することができ、例えば蓄電池のPCSは通信機能を搭載することによって自機の残充電量を他の機器に告知する機能などを獲得することができる。また、通信を主な機能の1つとしたHEMS(Home Energy Management System)サーバ、BEMS(Building Energy management System)サーバ、コントローラ、ゲートウェイ、パソコン、サーバなどの情報集約装置もマイクログリッドの重要な構成要素となり得る。情報集約装置は蓄電池や各種センサなどの機器から収集した情報を解析し、系内のエネルギー需給の最適化や協調運転、集中制御を行うことができる。
また系が、HEMSサーバやゲートウェイなどを通じて地域を統括するEMS (Energy Management System)サーバ(CEMS: Community Energy Management System)や電力会社と通信し、地域全体でエネルギーの統制を行うデマンドレスポンスという概念も存在する。情報通信機器としては上記に挙げた装置の他、有線LAN (Local Area Network)用のEthernet(登録商標)ケーブルの分岐を行うためのLANハブや無線LANアクセスポイント(AP)などが存在する。
通信手段はEthernet(登録商標)を使用した有線LANによるTCP/IP通信や、無線LANによるTCP/IP通信が広く普及しているが、Bluetooth(登録商標)やZigbee(登録商標)、PLC(Power Line Communication)などであっても構わない。その他CAN(Controller Area Network)やRS232Cなどの通信規格、プロトコル、あるいは光や音波を利用した通信などの通信手段も想定でき、本発明で用いる通信はこれらの手段のいずれを使用してもよい。またここで用いられる通信媒体も広義では系の一部と考えることができる。
<センサ>
系にはあらゆる種類のセンサを含むことが可能である。例えばスマートメータ、電圧計、電流計、温度センサなどである。これらのセンサはインバータなどの装置に内蔵されていることもあるし、通信機能を備え、インバータ等の装置の外部センサとして動作したり、センサネットワークを構成して系内全体の制御に利用されたりする。
<その他(UPS、瞬低補償装置など)>
マイクログリッドの構成要素としては上記の他、瞬低補償装置、無停電電源装置(UPS)や無効電力補償装置(STATCOM)などが挙げられる。これらは蓄電装置や電力変換装置の一種と捉えることができる。なお、上記のような装置は必ずしも明確に役割が分かれているわけではない。例えば同期機は発電機としても負荷としても利用可能であるし、PCSと一体化した蓄電池は蓄電装置であると同時に情報通信機器でもあるといえる。
<適用例2:系統連系>
図2は、本発明の各実施形態における電力変換システムの構成の第2の例である。適用例として、複数台で運用される系統連系インバータを含む電力変換システム300bへの適用・用途が挙げられる。電力系統301には小から大までの規模の各種の発電装置303や蓄電装置302が電力変換装置307を介して接続される。電力変換装置307は、例えば、系統連系インバータである。
多くの場合、系統連系インバータと電力系統の間には特段の負荷等は設置されず、インバータと電力系統とは直接に接続され、電圧計などのセンサが使用される。電力系統全体は小から大までの規模のEMS・電力会社・その他アグリゲータ等によって管理されている。系統連系インバータは交流電力出力を系統に電力を供給するインバータであって、特にメガソーラーや小、中規模の発電所や蓄電施設などに設置され、その他家庭やビル、工場などの施設やマイクログリッドなど多種多様な場所に設置され、利用される。
出力電圧は単相100V、3相200Vをはじめとして多岐にわたり、電力系統301の電圧・周波数に合わせて出力を制御し、電力のやりとりを行う。また蓄電池用を含む系統連系システムなどでは順潮流と逆潮流の両方に対応している。このようなシステムにおいて、各種の装置は通信機能を備えることが可能で、通信を用いて電力データなど種々のデータをやりとりする。
先述のマイクログリッド同様、電力変換装置、発電装置、蓄電装置の他各種の装置が存在していることがある。特に、システム全体を制御・管理するコントローラが存在することで、システムの包括的なコントロールが可能になる。このような応用例において、各実施形態の電力変換装置は、複数台で同期を取りながら出力の電圧・電流波形を一致させながら系統連系を行う。
<適用例3:鉄道、エレベータ、産業用途>
各実施形態の電力変換装置はまた、鉄道車両、昇降機、FAなどのシステムへの応用が考えられる。上記のようなシステムでは複数のインバータやモータなどが通信を行いながら自律協調的に、あるいはコントローラによる制御の下で使用される。産業用途では通信規格としてRS−232Cのようなシリアル通信のほか、RS−485やCANなどの通信規格がよく利用される。この他Ethernet(登録商標)やIPを使用するEthernet(登録商標)/IPやEtherCATなどの規格も利用される。このような応用例において、複数のインバータが同期を取りながら出力の交流電圧の波形を一致させながら運転を行ったり、インバータによって制御される複数のモータが回転数や回転角を一致させたり一定角度ずらしたりしながら運転される。
<インバータの同期の意義>
各実施形態の電力変換装置は、同等の機能を搭載した複数の電力変換装置を組み合わせて使用することを想定している。勿論本発明の電力変換装置を単体でも使用することは可能であるが、その場合は各実施形態の電力変換装置のメリットは発揮されない。
ここでいう電力変換装置は、インバータを主に想定しているが、本発明はインバータへの適用に限定されるものではない。電力変換装置は、交流電圧・交流電流に関わり電力から電力、あるいは電力から他のエネルギー形態、情報などに変換する装置であってもよい。
また、同期信号に関しては、コントローラやEMSサーバ、その他各種センサなどでもインバータと同様に発信や受信を行うことができるため、各実施形態は上記に例示したあらゆる装置に対しての適用が可能である。
<基本的なインバータの説明>
各実施形態は特に、並列に接続された複数の電圧インバータの交流出力の同期に関わるものである。ここでインバータは、一例として、DC電源部、電気制御部、ゲート駆動信号生成部、電力変換部を主要な構成要素として備える。電力変換部は、ゲート部及びフィルタ部を備える。
DC電源部はゲート部にDC電圧を提供する。このDC電源は外部からの入力である場合や、AC入力を整流してDC電圧を得る場合、また入力されたDCまたはAC電圧を所望の電圧へと昇降圧するためのチョッパ回路等を含む場合がある。
電気制御部は、インバータの目標の出力値である目標値(例えば、インバータの目標の出力電力または出力電圧)、及びフィードバック値(例えば、インバータの実際の出力)に応じた指令値の生成を行う。指令値は、後述するゲート駆動信号のデューティー比を決めるための時系列データである。
ゲート駆動信号生成部は、指令値とキャリア波との比較からゲート駆動信号を生成する。ここで生成されたゲート駆動信号はゲート部を構成するSiCやIGBTなどのパワー半導体デバイスに入力され、DC電圧の切り替え(スイッチング)を行う。
ゲート部からは、電圧がキャリア周波数をベースにした高周波数のパルス波形となって出力される。
フィルタ部がゲート部から出力された高周波数のパルスから高周波ノイズを除去しつつこの波形を正弦波へと整形する。
モータなど高周波ノイズの影響を受けにくい負荷に接続される場合には、フィルタ部を介さず直接インバータの出力端を負荷の入力端に接続する場合がある。またインバータの出力を系統に連系する場合には、フィルタのインダクタンスや、別途用意したリアクトルあるいは柱上トランスのインダクタンスなどを使って無効電力をゼロにする制御を行うことがある。
<インバータのユニット化と複数並列運転のメリット>
インバータを複数台並列に接続することで、個々のインバータの出力電流を合計した出力を実現する電力変換システムを得る手法が存在する。理想的には、この電力変換システムは外部からみると1台の大出力インバータとして扱うことができる。このような手法のメリットは、小容量のインバータを組み合わせることによって、所望の出力定格をもった大容量インバータと同等の出力を実現できることにある。このことは、大容量のインバータの入手や製造が困難な場合であっても、あるいは所望の定格毎にわざわざインバータを製造または用意せずとも、既存のインバータの組み合わせによって出力を調整することができるため、標準品の大量生産によるコストダウンが図れる産業上の利点がある。
<インバータの同期の必要性(基本波同期)>
インバータを複数接続して形成する電力変換システムによる大出力を狙う場合でかつ交流を出力する場合、個々のインバータの交流電圧出力の位相を一致させる必要がある。位相が正確に同期していない場合には、位相差に由来する電圧差に応じた横流が発生する。横流が発生すると、本来の出力電流以上の電流が発生することから、過電流や、発熱の原因となる恐れがある。
上記のような理由から、複数のインバータを並列接続して運転する場合には、インバータの出力交流電圧の位相を同期することが必要である。同期を行うためには基準となるタイミングを保持する装置をグループに1台置く。
なお、各実施形態において、電力変換装置のみがマスター装置やスレーブ装置になれると限定するものではなく、系内に存在する他の装置がマスター装置やスレーブ装置となっても構わない。
<パルス信号での基本波同期>
各実施形態において、同期信号は一例として、ローレベルの電圧と、ローレベルよりも高いハイレベルの電圧を交互に周期的に繰り返される信号(以下、パルス信号という)である。各実施形態に係るインバータの出力を同期させる方法の1つは、複数台の電力変換装置のうちの1台がマスター装置となりこのパルス信号を生成し、残りの電力変換装置はスレーブ装置となりマスター装置からのこのパルス信号を受信する方法である。このとき、スレーブがそれぞれもつ制御回路に対して、マスターから出力されるパルス電圧を同期信号として入力し、制御回路内ではPLL(Phase Locked Loop)を用いて周期を保持しながら出力の同期を図るという方法である。
<立ち上がりの利用>
同期信号としてパルス波形を用いる場合、一例として、マスターは出力の交流電圧が負から正へと切り替わる過程において、電圧が0となる瞬間(ゼロクロス)にパルスの立ち上がりを一致させるよう信号波形を生成する。そして、信号受信側であるスレーブは、一例として、パルス波形の立ち上がりの瞬間に合わせて出力交流電圧がゼロクロスとなるよう位相制御を行う。
上記の例ではパルスの立ち上がりを利用して同期を行っているが、パルスの立ち下がりを用いる場合や、立ち上がりと立ち下がりの両方を用いる方法も可能であり、各実施形態はいずれの場合にも適用できる。
<パルスの生成 系統連系と独立、モータドライブ>
電力変換システムが系統に連系する場合、マスターは電圧センサを用いて系統電圧から位相の変化を読み取り、これに基づいてパルス信号を生成する。電力変換システムが系統から独立して運転しつつ負荷に対して系統を模擬するような出力を行う場合は、マスターのもつタイマーに基づいて50Hzまたは60Hzを制御用マイコンでカウントし、信号を生成する。モータドライブのようにマスターが負荷の周波数制御を行う場合や、周波数が任意である場合も同様にマスターが自機のタイマーやカウンタに基づいて信号の生成を行う。
<パルス以外の同期信号、周波数、分周器/加算器>
タイミングの伝達信号としてパルス電圧波形を使用することは最も一般的な手法の一つであるが、これ以外の信号を用いても本発明を構成可能であることは言うまでもない。例えば、パルス電流を用いることも可能であるし、波形として三角波や正弦波、その他の波形を用いることも可能である。
波形の周波数も出力の周波数に一致したものである必要はなく、例えば出力50Hzに対してパルス波形は10Hzで送り、スレーブは同期信号受信後に内部の回路で分周器を用いて50Hzのタイミングを得る方法などであってもよい。特に、系統連系インバータにおいては使用する周波数が50Hzまたは60Hzに限られているため、同期信号の周波数としては50と60の公約数の1つである10を選択して分周比が可変なる分周器と組み合わせることによって、1種類の同期信号で2つの周波数に対応することが可能になる。または50と60の公倍数の1つである300を同期信号の周波数に選び、信号周期をカウントする加算器と併用しても同等の効果が得られる。
またマスターとスレーブの間で通信を行う際、マスターは通信メッセージ中にメッセージの送信時間を記しておき、スレーブは受信時に送信時間を読み取ることでマスターのもつタイマーに自機のタイマーを合わせることが可能になり、このタイマーを元に出力波形を生成することで、複数インバータ間での出力同期が実現できる。送信メッセージに記載するデータは送信時間でなくともよく、例えば出力の周波数と送信時における出力のゼロクロスからの経過時間の組み合わせなどであってもよい。またスレーブはマスターにタイマーを合わせるのではなく、マスターのタイマーと自機のタイマーの偏差を求めるようなタイミング管理の仕方であってもよい。
<信号の伝達 有線/無線>
生成されたパルス信号は制御用マイコンに備わっているDAC(Digital Analog Converter)等の出力端子を通じて出力され、スレーブへと信号線を用いて配布される。スレーブ側では制御マイコンや周辺回路に同期信号を入力して出力波形の同期を行う。このときフォトカプラ等を用いて絶縁保護を行う回路や、その他機能回路を介してもよい。信号線は単なる導線であっても構わないが、同軸ケーブルやツイストペアケーブルなどノイズ対策を施した配線を用いるのが望ましい。この他、パルスの伝達手段は光通信や無線通信であっても構わず、ノイズ対策や絶縁対策が十分か不要な場合はフィルタ回路、絶縁回路等は省略しても構わない。
<相数>
出力が単相の場合はマスターの出力の正弦波にタイミングを合わせた同期信号を用いれば良いが、3相の場合は3種類の信号線を用いるか、2種類の同期信号とその差分とで3相を担保する方法、1つの同期信号からスレーブの制御回路内で位相が120度ずつずれた同期タイミングを生成保持して3相の出力に充てることになる方法なども存在する。各実施形態は、いずれの方法でも実現できる。また4相などの多相交流であっても同様である。
(マスター・スレーブの交代と通信)
<マスター・スレーブ・コントローラ>
図3と図4に、各実施形態の電力変換装置と周辺機器の接続構成の例を示す。図3は、各実施形態の電力変換装置と周辺機器の接続構成の第1の例である。図3において電力変換装置10は電源投入後、マスターとスレーブに機能を分担する。図3に示すように、電力変換装置10のうち、マスターとして動作する電力変換装置10をマスター装置11と表記し、スレーブとして動作する電力変換装置10をスレーブ装置12と表記する。ここで、スレーブ装置12は、スレーブ装置12−1、12−2の総称である。
そして、情報通信線23を用いた通信によって共有される目標値と、同期信号線24を用いて共有される同期信号を元に同期した出力を行う。マスター装置11が同期信号を生成し、スレーブ装置12−1、12−2がその同期信号を受信する。電力供給装置15は、一例として、マスター装置11及びスレーブ装置12−1、12−2と入力電力線21aを介して接続されている。電力供給装置15は、この入力電力線21aを介してマスター装置11及びスレーブ装置12−1、12−2へ電力を供給する。
図4は、各実施形態の電力変換装置と周辺機器の接続構成の第2の例である。
図4は、図3と異なり、コントローラ13が同期信号を生成し、スレーブ装置12−1、12−2、12−3がその同期信号を受信する。ここでいうコントローラ13は電力変換装置ではないが同期信号を生成するものであって、必ずしも通信や制御における上位機を示すものではない。各スレーブ装置12−1、12−2、12−3は入力電力線21aを介して電力供給装置15から入力される電力を装置内で変換し、出力電力線(電力線)21bから出力する。
入出力とも直流・交流のいずれであってもよく、相数も単相、3相またはそれ以上であってもよいが、以下出力は単相または3相の交流を想定して説明する。入力電圧は電力供給装置15が供給を行う。電力供給装置15は、具体的には例えば、電力系統、マイクログリッドなどの中小規模系統、各種の発電装置、各種の蓄電装置などの装置やこれら複数の組み合わせであり、途中で変電装置による電力変換を介していることもある。
図5、図6に、電力変換装置10の出力側の様子の例を図示する。図5は、電力変換装置10の出力側の構成の第1の例である。電力変換装置10−1、10−2、10−3は、マスター、スレーブのいずれであっても構わない。電力変換装置10−1〜10−3の出力は、それぞれ出力電力線(電力線)21b−1〜21b−3を介して、それぞれ電力消費装置16−1〜16−3に接続される。
電力消費装置16の例として、電力系統、マイクログリッドなどの中小規模系統などが挙げられ、これら系統が接続されているとき、電力変換装置10は系統連系インバータと呼ばれる。他にも電力消費装置16の例としては各種の蓄電装置や、モータなどの負荷などの装置やこれら複数の組み合わせが挙げられ、途中に他の変電装置を介している場合もある。
図5に示すように、各電力変換装置10は出力を結合することなく個々の電力消費装置16へと出力することがある。電力消費装置16は複数の装置の集合である場合もある。
図6は、電力変換装置10の出力側の構成の第2の例である。
図6に示すように、各電力変換装置10は出力を結合して電力消費装置16へと出力することもある。電力変換装置10−1〜10−3それぞれは、対応する出力電力線21b−1〜21b−3を介して、対応するリアクトル17−1〜17−3に接続されている。またリアクトル17−1〜17−3それぞれは、対応する出力電力線21b−4〜21b−6を介して電力消費装置16に接続されている。
図6のような構成の場合、電力変換装置の出力波形の位相のずれやPWM (Pulse Width Modulation)制御のスイッチングタイミングのずれが横流となって現れるため、リアクトル17を使用して横流の低減を図る場合がある。電力変換装置がゲート駆動信号を供給している場合は出力の波形もほぼ一致するため、リアクトル17が不要となる場合がある。
また、PWM制御に使用するキャリア波と制御指令値、あるいはさらにフィードバック値が電力変換装置10間で共有されているときにも出力の波形はほぼ一致するため、リアクトル17が不要になるときがある。リアクトル17は必要であるが、出力電力線21bのもつ微小なインダクタンスで十分であるときには、実際の装置としてはリアクトル17を用いない場合がある。
一方、図5と図6のいずれの構成であっても、出力波形の整形やノイズフィルタリングが必要なときはリアクトル17を使用し、さらにキャパシタを使用してノイズの除去を図ることもある。
<比較例におけるマスター・スレーブ方式と序列固定のマスター交代>
比較例において、電力変換装置(例えば、インバータ)を複数台で運転する際、マスターが発信する同期信号をスレーブが受信し、出力を同期させることを想定する。この比較例では、例えば、マスターが故障して停止するケースについても考慮する。この比較例では、運転開始時のフェーズにおいてスレーブに予め序列を付けておき、マスター故障時は順次序列の高いスレーブが新たなマスターになる仕組みである。マスター停止の検出方法は、例えばマスターの出力端に取り付けられた電流センサの出力が、マスターの停止と同時に0となることをスレーブが検出する方法などがある。このような仕組みを用いることで、マスターが突然停止した際にも新たなマスターを選出し、グループ中の電力変換装置(例えば、インバータ)全機を一旦停止させることなく運転・出力を継続することが可能になる。
<比較例におけるスレーブ序列固定の弊害>
しかし、上記のようにスレーブの序列を固定する運用法では、電力変換システムの運転開始後、刻々と変換する種々の要因、例えば電力変換装置(例えば、インバータ)毎の累積エラー数などによる快調・不調などのパラメータや、電力変換装置(例えば、インバータ)の動的な追加などに対応したマスターの交代を実現することは不可能である。また、上記のような手法でマスター停止の検出を行い、これをトリガにマスターの交代を行う場合、マスターが停止した場合にのみマスターの交代を行うことができる。
このことは電力変換システムの運用を固定的にし、さらなる柔軟な運用を実現することを困難にしている。例えば、電力変換システムが運転を開始した後、グループに新たに高性能な電力変換装置(例えば、インバータ)を追加した場合を考えると、この電力変換装置(例えば、インバータ)をマスターとするのが最適であるにも関わらず、そのような運用を行うことが困難になる。
<各実施形態:通信の導入>
電力変換システムのより柔軟な運用を実現するため、各実施形態の電力変換装置(例えば、インバータ)は通信部を搭載し、電力変換装置(例えば、インバータ)間で通信を行うことによって、パラメータ情報の交換や、マスター・スレーブの交代を可能とする。
各実施形態の電力変換装置(例えば、インバータ)は、マスターとして動作するものとスレーブとして動作するものとに分かれる。しかし、これらの電力変換装置(例えば、インバータ)は、基本構成や起動直後の状態ではマスターとスレーブの違いはなく、起動後に電力変換装置(例えば、インバータ)間で行われる通信によってマスター、スレーブの役割分担が決定されることを前提としている。
従っていずれの電力変換装置(例えば、インバータ)もマスターあるいはスレーブとなり得る。このことは、マスターとして動作している電力変換装置(例えば、インバータ)が停止した場合においても、他の電力変換装置(例えば、インバータ)がマスターとしての動作を引き継ぐことで、電力変換システムは動作を継続して行えることを意味する。
ただし、マスター専用の電力変換装置(例えば、インバータ)やスレーブ専用の電力変換装置(例えば、インバータ)、あるいは基本構成や性能の異なる電力変換装置(例えば、インバータ)の混在を排除するものではなく、そのような場合でも各実施形態を適用することは可能である。
<マスター選出アルゴリズム>
同等な構成の複数インバータのうちからマスターを選ぶ、あるいはスレーブ間で序列付を行う際の判定基準やアルゴリムには様々な例が考えられる。一例を示すと、一般にインバータは直流端と交流端の2つの入出力端をもつが、これらの端子にどのような機器が接続されているかによって序列を決定する方法が考えられる。
接続される機器や装置の代表例として、他のインバータ、蓄電池、発電機、モータなどの負荷や電力系統などが挙げられる。より詳細には、各実施形態におけるシステム構成の一例として前述した機器や装置等である。これらの装置のうち、電力系統や蓄電池は最も安定した電源を有していると考えられるため、これらに接続しているインバータの序列をより高くすることで、マスターが突然停止するような事態の発生確率を低く抑えることができると考えられる。
逆に、交流端で他の電力変換装置(例えば、インバータ)と接続し、直流端で負荷に接続している電力変換装置(例えば、インバータ)は、他の電力変換装置(例えば、インバータ)が停止しているような状況においては単独で動作することができないため、序列を低くしておくことが妥当であると考えられる。
さらに、蓄電池に接続されている電力変換装置(例えば、インバータ)が2台以上存在する場合は、接続されている蓄電池の容量や充電量、累積充放電量等のパラメータ、あるいは電力変換装置(例えば、インバータ)の累積稼働時間、累積エラー回数、筐体温度、空きメモリ容量等のパラメータ、電力変換装置(例えば、インバータ)の製造番号やIPアドレス等の固定ないし半固定の数値、あるいは乱数などを利用したアルゴリズムでマスターの選出やスレーブの序列付けを行うことも考えられる。
通信を用いてのマスター選出にあたっては、電力変換装置全機が同じマスター・スレーブ選出アルゴリズムを保有し、同じパラメータを共有している場合にはどの電力変換装置が次のマスターの決定を行っても同じ結果になる。しかし、この2つの条件が完全には満たされないケースを想定して、複数の電力変換装置間で通信して、一つの電力変換装置が、複数の電力変換装置が推薦するマスター候補から、多数決方式で、最も推薦数が多い電力変換装置をマスターに選出してもよい。また、事前にマスター選出コーディネータの序列付けを行っており、序列1位のコーディネータがマスターの選出を行ってもよい。
なお、どのようなマスター選出アルゴリズム、スレーブの序列付けアルゴリズムであっても各実施形態を適用することは可能であることは言うまでもない。
<動作シーケンス1 停止予告通信>
各実施形態における電力変換装置(例えば、インバータ)は、上記に例示したようなマスター・スレーブ選出アルゴリズムを搭載し、通信によってパラメータ情報の交換やマスター・スレーブの交代を可能とする。ここで、電力変換装置(例えば、インバータ)が、複数で協調運転しており、マスターが交代する場面に着目する。
マスターが動作を停止する際の動作シーケンスの1例として、マスターとして動作している電力変換装置(例えば、インバータ)は停止前に自機の停止を予告する通信を行ってから停止する場合がある。この動作シーケンスは、以下のように、さらにいくつかの場合分けが可能である。
(1−A)マスターは停止予告通信の中でスレーブの中から新たなマスターを指定し、指定を受けたスレーブは以降、マスターとして動作する。
(1−B)マスターはスレーブ間で新たなマスターを選出するよう指令を発してから停止する。このような指令を受けた複数のスレーブは、スレーブ間同士で通信を開始して新たなマスターを選出する。マスターは単に停止予告通信を発信するのみであるが、スレーブがこの通信を受信した場合はマスターの選出動作に入るよう規定している場合も(1−B)に該当していると解釈できる。
(1−C)通常運転時に通信を用いて予めスレーブに序列付けを行っておき、マスターの停止予告通信を受け取ると、運転中スレーブの中から序列1位のスレーブが次なるマスターになる。(1−A)〜(1−C)いずれの場合においても、マスターの交代が確実に行えることを保証するACKメッセージの交換までを行うことが望ましい。ACKメッセージの交換までをシーケンスに含めることで、次のマスター候補であるスレーブがいつの間にか動作を停止しているようなケースにおいても滞りなくマスターの交代を行うことができる。
上記の例のうち(1−B)の動作シーケンスを図7に図示する。図7は、図3の構成例において、マスター装置11が動作を停止する際の動作シーケンスの第1の例である。
(T101)まず、マスター装置11が同期信号をスレーブ装置12−1、12−2へ送信する。
(T102)次に、マスター装置11が停止予告信号をスレーブ装置12−1、12−2へ送信する。
(T103)次に、スレーブ装置12−1とスレーブ装置12−2間で、マスター・スレーブを再構成する通信を行う。
(T104)引き続き、スレーブ装置12−1とスレーブ装置12−2間で、マスター・スレーブを再構成する通信を行う。
(T105)次に、スレーブ装置12−1が新たなマスターを自身であるスレーブ装置12−1に決定する。これにより、スレーブ装置12−1が新たにマスター装置11になる。
(T106)次に、マスター装置11が同期信号をスレーブ装置12−1、12−2へ送信する。
(T107)次に、スレーブ装置12−1が停止予告ACKメッセージをマスター装置11へ送信する。
(T108)次に、スレーブ装置12−1とスレーブ装置12−2は、時刻T106で受信した同期信号に基づく位相制御を開始する。
(T109)時刻T108から自走期間TS経過した時に、スレーブ装置12−1とスレーブ装置12−2は、時刻T106で受信した同期信号に基づく出力交流電圧の位相制御を終了する。
(T110)次に、新たなマスター装置11は、スレーブ装置12−2へ同期信号を送信する。
ただし、時刻T107の停止予告ACKメッセージは必須ではなく、これがなくとも各実施形態は構成可能である。また、上記(1−A)〜(1−C)ではマスターの停止に伴うマスターの交代手順の例を示したが、マスターの停止は必須要件ではなく、例えば累積エラーの少ないスレーブにマスターを交代するなど、正常な動作の一部としてマスターの交代を行うことも可能である。
<動作シーケンス2 突然停止>
また、マスターが停止する際の動作シーケンスの別の1例として、停止前に通信を行うことなくマスターが突然停止する場合を想定する。またそのときの動作シーケンスの概要を図8に図示する。図8は、図3の構成例において、マスター装置11が動作を停止する際の動作シーケンスの第2の例である。
(T201)まず、マスター装置11が同期信号をスレーブ装置12−1、12−2へ送信する。
(T202)次に、マスター装置11が突然停止する。
(T203)次に、スレーブ装置12−1がマスターの停止を検出する。
(T204)次に、スレーブ装置12−1とスレーブ装置12−2は、時刻T201で受信した同期信号に基づく位相制御を開始する。
(T205)次に、スレーブ装置12−1とスレーブ装置12−2間で、マスター・スレーブを再構成する通信を行う。
(T206)引き続き、スレーブ装置12−1とスレーブ装置12−2間で、マスター・スレーブを再構成する通信を行う。
(T207)次に、スレーブ装置12−1が新たなマスターを自身であるスレーブ装置12−1に決定する。これにより、スレーブ装置12−1が新たにマスター装置11になる。
(T208)時刻T204から自走期間TS経過した時に、スレーブ装置12−1とスレーブ装置12−2は、時刻T201で受信した同期信号に基づく位相制御を終了する。
(T209)次に、新たなマスター装置11がスレーブ装置12−2へ同期信号を送信する。
この例では、マスター装置11の故障が原因で、事前に通信することなくマスター装置11が停止する場合が主な想定ケースであるが、正常な動作手順の一部として通信による停止予告無しに動作を停止するものであっても構わない。マスター装置11が停止すると、運転を続けているスレーブ装置12−1、12−2はマスター装置11の停止を検知して新たにマスターとして動作する制御装置の選出処理を実行する。
マスターの選出処理は、以下のいずれであってもよい。
(2−A)複数のスレーブが通信を行い、スレーブの中から新たにマスターとして動作する制御装置を選出する。
(2−B)マスター停止前の正常動作時に予めスレーブに序列を設定しておき、マスター停止時はこの序列に基づいて新たにマスターとして動作する制御装置を選出する。マスターのスムーズな移管には、序列1位のスレーブが確かに動作していることを他のスレーブが認識することが必須であるため、序列1位のスレーブはマスターに昇格する前後いずれかにおいてマスターの交代を宣言する旨の通信を行う。
他のスレーブは、マスターの停止を認識してから一定時間のうちに、序列1位のスレーブからマスターの交代に関わるメッセージを受信してマスターの交代を確認することを正常な動作手順とし、一定時間内に上記のメッセージを受け取れなかった場合は、停止したマスターだけでなく、序列1位のスレーブも動作を停止したものとして、序列2位のスレーブがマスターに昇格する。序列2位以下のスレーブが正しくマスターに昇格したかどうかの確認は、序列1位のスレーブの昇格に関わる手順と同様の手法を用いることができる。
<通信内容の例>
各実施形態の電力変換装置が行う通信の内容には、例えば、以下のようなものが挙げられる。まず、マスター・スレーブの再構成に関わる通信内容には以下のような例が挙げられる。
(1)次のマスターの指定に関わる通信。特に現在のマスターが次のマスターを指定する場合。
(2)次のマスターの選出に関わる通信。
(3)全機またはスレーブの序列付けに関わる通信。
(4)次のマスター候補または全機の稼働ステータスに関わる通信。どの電力変換装置にいかなる装置が接続しているか、ハードウェアスペック、筐体温度、累積エラー数などのパラメータ交換を行うもの。
上記の他に、機器の稼働と停止に関わる以下のような内容の通信が行われる。
(5)自機の稼働を周囲の他の装置に通知する通信。特に起動時。稼働中に随時行ってもよい。
(6)自機の故障や停止予定を周囲の他の装置に通知する通信。
(7)他機の稼働・故障・停止に関わる情報を当該機に確認する通信。
(8)他機の稼働・故障・停止に関わる情報を周囲の他の装置に通知する通信。
また、(9)上記の通信に対するACKに相当する通信があってもよく、上記の1つまたは複数の通信を組み合わせて複数の電力変換装置は運転される。上記以外の内容の通信を行っていても各実施形態を適用できることはいうまでもない。
各実施形態の電力変換装置が構成するシステムには、マスターとしてのみ機能する電力変換装置やスレーブとしてのみ機能する電力変換装置を加えることができる。例えば交直変換機能をもたないコントローラ13であっても、同期信号の発信や受信を行うためのハードウェアやプログラムを備えているものも一種の電力変換装置としてシステムに組み込むことができる。
システムの冗長性を高めるために上記のようなコントローラ13を2台以上システムに組み込むことも可能である。また、通信機能や同期信号の発信機能をもたないインバータなども、スレーブ専用の電力変換装置としてシステムに組み込むことが可能である。マスターが停止し、残った稼働中の電力変換装置が1台のみであるときは、残った1台がマスターとしてあるいは単独での運転を行うモードで運転を行う。
このとき、スレーブが存在しないため信号線を通じた同期信号の発信は停止するのが妥当である。また、マスターが急に停止した場合などにおいて、他に停止している電力変換装置がないか、あるいは停止はしていないもののエラーや部分的な故障を起こしている電力変換装置がいないかのエラーチェックを行っても良い。
(同期信号の途絶対策)
<マスター交代期間中に同期信号が途絶してしまう問題>
各実施形態の電力変換装置(例えば、インバータ)は、複数台の電力変換装置(例えば、インバータ)のうちの1台であるマスターが生成した同期信号を、残りの電力変換装置(例えば、インバータ)であるスレーブが受信して同期を行う。マスターが停止した際にはスレーブ間の通信によって新たなマスターが選出され、新たなマスターが同期信号の生成を開始する。
さて、上述のように、通信を用いてマスターの交代を行う各実施形態の電力変換装置(例えば、インバータ)において、マスターが停止前に次のマスターを指定する(1−A)のようなケースでは、マスターの交代に関わる通信の回数は少なくて済み、比較的短時間で行うことができる。しかし、マスターの予期せぬ停止をトリガとした(2−A)、(2−B)のようなケースのマスター交代の場合、マスターの交代に関わる通信の回数が増え、完了までに一定の時間を要する。いずれの場合においても通信を用いる以上はパケット消失やこれに伴う再送が発生する可能性があり、通信が完了するまでの間は同期信号を発信すべきマスターが不在となり、同期が保てなくなる恐れがある。
<PLL自走と通信の併用による解決>
ここにおいて、各実施形態のスレーブとして動作する電力変換装置(例えば、インバータ)は位相同期回路部を備える。そして、スレーブは、同期信号を一旦PLL(Phase Locked Loop)に入力して同期タイミングの保持を図る。それとともに、スレーブは、同期信号の途絶時にはPLLの自走を利用して短期間、複数の電力変換装置(例えば、インバータ)での出力同期を維持し、その間にマスターの交代に係る通信を完了させ、新たなマスターは同期信号の発信を開始する。上記のような仕組みを用いることで、マスターの交代に関わる通信を行っている間は同期信号が途絶し、同期が崩れる問題を回避することが可能になる。
(第1の実施形態)
続いて、上記のような機能と適用用途を実現する第1の実施形態における電力変換装置10について説明する。図9は、第1の実施形態における電力変換装置10の構成を示す概略ブロック図である。
電力変換装置10は、入力電力線21aに接続する接続部101aと、出力電力線21bに接続する接続部101bを備える。
更に、電力変換装置10は、接続部101aと接続部101bに電力線で接続された電力変換部104と、電力変換部104に電気的に接続された電気検知部107を備える。
更に、電力変換装置10は、接続部101a、接続部101b及び電力変換装置10と通信線で接続され、それらを制御する制御装置100を備える。
接続部101aは、入力電力線21aを介して不図示の電力供給装置15から入力された電力を、電力変換部104へ出力する。
電力変換部104は、接続部101aを介して入力された電力を変換し、変換後の電力を接続部101bを介して出力電力線(電力線)21bへ出力する。
接続部101bは、電力変換部104が出力した電力を出力電力線(電力線)21bへ出力する。これにより、この電力が、不図示の電力消費装置16または16−1〜16−3へ伝送される。
電気検知部107は、電力変換部104が変換した後の電気信号(ここでは一例として、電圧Vfb)を検知し、検知した電気信号を制御装置100の後述する制御部102へ出力する。
制御装置100は、電力を変換し変換後の電力を出力電力線(電力線)21bへ出力する電力変換装置10を制御する。ここで、制御装置100は、他の電力変換装置やコントローラ13やその他通信装置との通信を行う通信部103を備える。
更に、制御装置100は、同期信号線24と電気的に接続され、この同期信号線24を介して他の電力変換装置やコントローラ13と同期信号の送受信を行う同期信号部110を備える。
更に、制御装置100は、通信部103と電力変換部104と同期信号部110と通信線を介して接続され、全体の制御を行う制御部102を備える。ここで、制御部102は位相同期回路部401を含む。
入力電力線21aと出力電力線21bはいずれが入力電力線、出力電力線となってもよく、第3以上の電力線や接続部があってもよい。情報通信線23と同期信号線24は物理的に有線である必要はなく、無線やその他の伝達手段であってもよい。
このように、通信部103は、他の一台以上の制御装置と通信する。
そして、通信部103は、例えば、他の制御装置に関する情報、この他の制御装置を制御する電力変換装置に関する情報、この電力変換装置と電気的に接続されている装置に関する情報のうち少なくとも一つ以上をマスターを決定するための情報として通信により、他の一台以上の制御装置から取得する。電力変換装置と電気的に接続されている装置に関する情報は例えば、接続されている蓄電池の容量や充電量、累積充放電量等のパラメータなどである。
上述した他の制御装置に関する情報は例えば、他の制御装置の特性に関する情報(例えば、CPUの動作周波数またはメモリ容量など)または他の制御装置の現在及び/または過去の状態に関する情報、制御装置に固有の情報(例えば、通信部103のIPアドレス、MACアドレス)である。ここで、他の制御装置の現在及び/または過去の状態に関する情報は例えば、他の制御装置の累積稼働時間、累積エラー回数、筐体温度、空きメモリ容量等のパラメータなどである。
上述した電力変換装置に関する情報は例えば、電力変換装置10の現在及び/または過去の状態に関する情報、電力変換装置10に固有の情報または電力変換装置10の間の結線に関する情報である。ここで、電力変換装置10の現在及び/または過去の状態に関する情報は例えば、電力変換装置10の累積稼働時間、累積エラー回数、筐体温度、空きメモリ容量等のパラメータなどである。電力変換装置10に固有の情報は例えば、電力変換装置10の製造番号や通信部103のIPアドレスである。
また、同期信号部110は、電力変換装置10の出力電力の位相の基準となる同期信号を、この同期信号を出力するマスターとして動作する制御装置から受信する。
図10は、第1の実施形態における制御部102の構成を示す概略ブロック図である。
同図において、実線はマスター、スレーブ共通で使用される配線である。破線は、マスターとして動作するときに使用される配線である。一点鎖線は、スレーブとして動作するときに使用される配線である。
同期信号部110から入力される入力の同期信号は、角周波数ωと位相差φの情報を含んでいる。ここに対し、通信部103を介した通信で角周波数のフィードフォワード値ωやその変化情報を得ることで、位相同期回路部401内で行われる制御の収束速度と安定化の向上を図り、また同期信号途絶時においては速度変化を加味した同期の維持を図る。通信ではこの他に、目標値(例えば、電圧指令やトルク指定など)を受け取り、電気制御部402での制御に用いる。
なお、その他の各種センサからのセンシング情報をフィードバックして電気制御部402での制御に用いてもよい。センサは電力変換装置10に内蔵のものであってもよいし、外部センサのセンシング情報を、通信を用いて通信部103から入手しても良い。
制御部102は、同期信号部110、通信部103、電力変換部104及び電気検知部107と電気的に接続された電力位相制御部40を備える。
更に、制御部102は、入力が位相同期回路部401の出力と電気的に接続され、出力が同期信号部110に電気的に接続された同期信号制御部405を備える。
更に、制御部102は、出力が電気制御部402及び同期信号部110と電気的に接続された目標値出力部406を備える。
更に、制御部102は、入力が通信部103の第2出力と電気的に接続された記憶部407を備える。
更に、制御部102は、記憶部407と電気的に接続された決定部408を備える。
更に、制御部102は、通信部103を制御する通信制御部409を備える。
記憶部407には、通信部103が他の制御装置から通信により取得したマスターを決定するための情報が格納される。
通信制御部409は、電力位相制御部40が途絶前に受信された同期信号に基づいて制御している間、マスターとして動作する制御装置以外の制御装置の中からマスターを決定するための情報を、他の電力変換装置の制御装置から受信するかまたは他の電力変換装置の制御装置へ送信するかのどちらか一方を行うよう通信部103を制御する。
通信部409が、他の電力変換装置の制御装置からマスターを決定するための情報を受信した場合、制御部102は、このマスターを決定するための情報を記憶部407に記憶させる。
決定部408は、電力位相制御部40が途絶前の同期信号に基づいて制御している間、通信部103が他の電力変換装置の制御装置から受信したマスターを決定するための情報に基づいて、新たにマスターとして動作する制御装置を決定する。より詳細には例えば、同期信号部110が同期信号を受信できなくなった場合、決定部408は、通信部103が取得したマスターを決定するための情報を、制御装置の間で比較し、この比較結果に基づいて、マスターを決定する。
具体的には例えば、通信部103が取得した、マスターを決定するための情報は、記憶部407に格納されているので、決定部408は、記憶部407に格納されている、マスターを決定するための情報を、制御装置間で比較し、この比較結果に基づいて、マスターを決定する。
電力位相制御部40は、同期信号部110が受信した同期信号に基づいて、電力変換装置が出力電力線(電力線)21bへ出力する電力の位相を制御する。
また、電力位相制御部40は、同期信号の途絶を検知した場合、途絶前に受信された同期信号に基づいて、電力変換装置10が出力電力線(電力線)21bへ出力する電力の位相を制御する。
ここで、電力位相制御部40は、位相同期回路部401、第1入力がこの位相同期回路部401の出力と電気的に接続され第2入力が通信部103の第1出力と電気的に接続された第3入力が電気検知部107の出力と電気的に接続された電気制御部402を備える。
更に、電力位相制御部40は、キャリア波生成部403及び第1入力がこの電気制御部402の出力と接続され第2入力がキャリア波生成部403の出力と電気的に接続されたゲート駆動信号生成部404を備える。
位相同期回路部401は、同期信号部110から同期信号SSを取得し、取得した同期信号SSにも基づいて、角周波数ωと位相ωt+φを決定する。そして、位相同期回路部401は、決定した位相ωt+φを電気制御部402へ出力し、決定した角周波数ωと位相ωt+φを同期信号制御部405へ出力する。
上述した自走期間TSにおいて、位相同期回路部401は、途絶前に受信された同期信号の位相と出力する位相の差が小さくなるよう制御する。これにより、電力位相制御部40は、位相同期回路部401が出力した位相に基づいて、電力変換装置10の電力変換部104が出力する電力の位相を制御する。
電気制御部402は、位相ωt+φ、目標値(例えば、目標の出力電圧)V及び電気検知部107が検知した電気信号を取得する。そして、電気制御部402は、取得した位相ωt+φ、目標値V及び電気検知部107が検知した電気信号(ここでは一例として、電圧Vfb)に応じて、指令値CSを生成する。ここで指令値CSは、後述するゲート駆動信号のデューティー比を決めるための時系列データである。
具体的には例えば、電気制御部402は、予め決められた伝達関数Fに位相ωt+φ、目標値V及び電圧Vfbを適用して、指令値CSを生成する。伝達関数Fは、目標値Vが電圧Vfbより大きくなるほど、指令値CSの大きさが大きくなり、目標値Vが電圧Vfbから小さくなるほど、指令値CSの大きさが小さくなるように決められている。これにより、電力変換部104の変換後の電圧を目標値Vに近づけることができる。
電気制御部402は、指令値CSをゲート駆動信号生成部404へ出力する。
キャリア波生成部403は、例えば、所定の周波数(例えば、10KHz)の周期的な信号(例えば、正弦波信号)であるキャリア信号BSを生成し、生成したキャリア信号BSをゲート駆動信号生成部404へ出力する。
ゲート駆動信号生成部404は、電気制御部402が生成した指令値CSとキャリア波生成部403が生成したキャリア信号BSとを比較し、この比較結果に基づいてゲート駆動信号を生成する。具体的には例えば、ゲート駆動信号生成部404は、指令値CSがキャリア信号BSの振幅以上となる時刻でハイレベルであり、指令値CSがキャリア信号BSの振幅未満の時刻でローレベルであるゲート駆動信号を生成する。ゲート駆動信号生成部404は、生成したゲート駆動信号を電力変換部104へ出力する。
これにより、電力変換部104のスイッチング素子を駆動する。具体的には、電力変換部104は、例えば、ゲート駆動信号がハイレベルのときにハイレベルで、ローレベルのときにローレベルのパルス信号を生成する。そして、電力変換部104は、例えば、パルス信号から高周波ノイズを除去しつつこのパルス信号を正弦波へと整形し、整形後の正弦波信号を電力消費装置16へ出力する。
<マスターとして動作する場合の処理>
当該制御装置100が、決定部408がマスターと決定した制御装置である場合、同期信号部110は、他の制御装置へ同期信号を送信する。その際、同期信号制御部405は、当該制御装置100が、決定部408がマスターと決定した制御装置である場合、同期信号部110に同期信号を他の制御装置へ送信させる。より詳細には、同期信号制御部405は、位相同期回路部401から入力された角周波数ω及び位相ωt+φに基づいて、同期信号部110を制御する。これにより、同期信号部110は、角周波数ω及び位相ωt+φを示す同期信号を他の制御装置へ出力する。
目標値出力部406は、一例として、マスターとして動作する場合、電力変換装置10の目標の出力値である目標値(ここでは一例として、目標の出力電圧)Vを電気制御部402及び通信部103へ出力する。ここで、目標値Vは、系統からの目標値の指令によって決まってもよいし、予め決められていてもよい。
そして、通信部103は、目標値Vを他の制御装置へ送信する。これにより、スレーブとして動作する制御装置10の通信部103は、目標値Vを受信し、スレーブとして動作する制御装置10の電気制御部402は、目標値Vを取得することができる。
また、マスターとして動作する制御装置10の電気制御部402は、目標値出力部406が出力した目標値(例えば、目標の出力電圧)Vを取得する。
なお、電力変換装置が系統に接続される場合、各電力変換装置10が出力する目標電圧は、所定の電圧(例えば、200V)に予め決まっている。よって、電気制御部402は、予め所定の電圧(例えば、200V)を記憶しており、この記憶している所定の電圧(例えば、200V)を目標値Vとして用いてもよい。
更に、各電力変換装置10は、電力変換装置を操作する操作者の指定に応じてモードを切り替えるモード切替部を更に備えてもよい。そして、操作者が、電力変換装置10が系統に接続する系統接続モードを指定し、モード切替部がモードを系統接続モードに切り替えた場合、電気制御部402は、記憶している所定の電圧(例えば、200V)を目標値Vとして用いてもよい。
また、マスターとして動作する制御装置ではなく、コントローラ13が目標値Vを各制御装置へ送信してもよい。
<スレーブとして動作する場合の処理>
当該制御装置110が、同期信号を受信するスレーブ装置として動作する場合、同期信号部110は、マスターが送信した同期信号SSを受信する。その場合、電力位相制御部40は、同期信号部110が受信した同期信号SSに基づいて、電力変換装置10の電力変換部104が出力する電力の位相を制御する。
通信部103が、マスターが送信した目標値Vを受信し、受信した目標値Vを電気制御部402へ出力する。これにより、電気制御部402は、通信部103が出力した目標値Vを取得する。
なお、図10で示したのは信号及び情報フローの一例であって、複数の電力変換装置間でキャリア波を同期するために同期信号を用いる場合もある。このとき、キャリア波生成部403は内部にPLLをもつことができ、変調波に対して行う処理と同様の手法を適用することができる。このとき2種類の信号線を用いても構わないし、2種類の信号を重畳するものでも可能である。通信部103の通信手段は有線、無線、あるいは光通信などその他の通信手段のいずれであってもよく、規格・プロトコルに関係なく本発明の通信手段とすることができる。
図11は、第1の実施形態における位相同期回路部401の構成を示す概略ブロック図である。図11は、位相同期回路部401の一例としてのADPLL(All Digital Phase Locked Loop、全デジタルPLL)を図示したものである。
位相同期回路部401は、角周波数検出部50及び積分器(積分部)54を備える。角周波数検出部50は、同期信号と積分器54が出力する位相に基づいて角周波数に関する情報を検出する。ここで、角周波数検出部50は、第1入力から同期信号SSが入力される位相比較器51、入力が位相比較器51の出力と電気的に接続された制御器52、及び第1入力が制御器52の出力と電気的に接続された加算器53を備える。
更に、角周波数検出部50は、出力が加算器53の第2入力と電気的に接続されたフィードフォワード記憶部55、及び入力が積分器54の出力と電気的に接続され出力が位相比較器51の第2入力と電気的に接続されたフィードバック器56を備える。
積分器54は、入力が加算器53の出力と電気的に接続されている。
位相比較器51は、入力された同期信号を基準として、フィードバック器56との間で、立ち上がりまたは立ち下がりの時間差を算出し、算出した時間差を制御器52へ出力する。
制御器52は、例えばPI制御などの制御手法を用いて、位相同期回路部51の保持するタイミングの安定収束を行う。具体的には例えば、制御器52は、入力された時間差をラプラス変換し、変換後の値に所定の伝達関数G(s)を乗じる。ここで、sは複素数である。また、この所定の伝達関数G(s)は例えば、G(s)=(1/(1+sTControl))で表される。ここで、TControlは収束または発散にかかる時間を表す時定数であり、このTが小さいと上記時間差が早く小さくなり、早く収束する。
制御器52は、例えば、伝達関数G(s)を乗じて得た値にラプラス逆変換を施し、施して得た値(角周波数の調整量)を加算器53へ出力する。
フィードフォワード記憶部55には、フィードフォワード値が記憶されており、加算器53は、このフィードフォワード値をフィードフォワード記憶部55から取得する。このフィードフォワード値はフィードバック制御を素早く安定化させるためのものである。例えばインバータが50Hzの系統と連系している場合は、加算器53においてフィードフォワード値50*2πを加算することによって、位相同期回路部401の保持する位相及び角周波数を初期状態からより高速に安定状態へと収束させる。
なお、加算器53とフィードフォワード値記憶部55は必須の構成要素ではなく、フィードフォワード値に0を用いることで加算器53とフィードフォワード記憶部55のない制御系と同等となる。
加算器53は、制御器52から入力された値とフィードフォワード値とを加算して角周波数ωを得る。加算器53は、この角周波数ωを積分器54と不図示の同期信号制御部405へ出力する。
積分器54は、加算器53が得た角周波数ωを積分することによって位相ωt+φを生成し、位相ωt+φをフィードバック器56と不図示の同期信号制御部405及び電気制御部402へ出力する。
位相比較器51へ入力される同期信号がパルス波形である場合、例えばフィードバック器56は、積分器54が生成した位相ωt+φを引数とする関数fを矩形波関数とし、この関数fによってパルス信号を生成する。そしてフィードバック器56は、例えば、生成したパルス信号を位相比較器51へ出力する。これにより、位相比較器51は、同期信号とパルス信号との間で、立ち上がりまたは立ち下がりの時間差を決定可能となる。
また例えば、フィードバック器56は積分器54の出力である位相ωt+φを、角周波数ωと位相差φとに分けて位相比較器51へ出力してもよい。その場合、位相比較器51は、入力の同期信号の立ち上がりを位相0として、入力の同期信号の角周波数ωINとフィードバック器56から得る角周波数ωの差(以下、角周波数の差という)と、フィードバック器56から得る位相差φとを制御器52へ出力してもよい。その場合、制御器52は、この角周波数の差に対してPI制御を行い、この位相差φに対してPI制御を行ってもよい。
このような構成は、特に系統連系時など同期信号の角周波数ωINが安定しているときに有効な方法である。またフィードバックのとる経路は図示の限りではなく、電力変換装置10(例えば、インバータ)は、位相同期回路部401の出力を用いて出力電圧の波形を整形するが、この出力電圧を電圧計で計測した値をフィードバック器56の入力へ出力する構成でもよい。
フィードバック器56として分周器や積分器を使用することも可能であり、分周器や積分器はこの他、位相同期回路部401中の任意の制御ブロックに内蔵することができる。フィードバックを使用する構成とすることで、出力の遅れや擾乱等までを加味した制御が可能になる。但し、フィードバック器56やこのフィードバック制御は位相同期回路部401に必須の要素ではなく、本実施形態においてはオープンループの位相同期回路部401とすることも可能である。
以上に述べたものは位相同期回路部401の一例であって、本実施形態の趣旨を逸脱しない限りにおいて、上記とは異なる構成のADPLLや、一部あるいは全部をアナログ部品で構成したPLLを用いても本発明を適用することができる。位相同期回路部401は、例えばVCO(Voltage Controlled Oscillator:電圧制御発信器)、分周器、加算器、積分器、ローパスフィルタやバンドパスフィルタ等を内蔵するものであってもよい。
<制御系の一般:安定性と応答速度>
一般に、フィードバック制御を行っている系においては、入力の擾乱や値の急変(例えば入力信号の途絶)に対しても、制御系はある程度のロバスト性、安定性を有する。多くの場合、安定性の高さは制御系の応答速度とトレードオフの関係にあるため、より高速な応答が求められる場面では安定性の確保には一定の見切りをつける必要があり、逆に高速な応答速度が求められないような用途においては制御系の安定性を高く設定することが望ましい。系統連系インバータにおいては、系統が正常な場合、系統の周波数が50Hzまたは60Hzの固定値から大きく逸脱することは考えにくく、また系統周波数は比較的安定していると考えられるため、位相同期回路部401の安定性を大きく設定することが可能である。
<位相同期回路部401の自走>
さて、上記のような位相同期回路部401を使用するインバータがスレーブとして動作している場面において、マスターからの同期信号の入力が途絶えてしまった場合を考える。安定性を比較的大きくとった位相同期回路部401は入力信号が途絶しても暫くは安定してタイミングを保持し続け、複数のインバータ間で同期した出力を継続することが可能である。この間に同期信号の途絶を検知した電力変換装置(例えば、インバータ)10は通信を開始して新たにマスターとして動作する制御装置を決定する。
新たにマスターと決定された制御装置100は、自機のもつ位相同期回路部401に基づいた出力を継続するとともに、他のスレーブに対して同期信号の送信を開始する。他のスレーブは再開された同期信号を入力することで、同期信号途絶中に少しずつズレを生じてくる位相同期回路部401のタイミング保持を修正する。
制御器52でPI制御を行う位相同期回路部401を例にとると、この制御系は時定数TControlのオーダで制御が発散する。従って、マスターの停止から新たなマスターの選出までに要する期間TMasterChangeを予め計測しておき、TControlがTMasterChangeよりも十分長くなるよう制御のパラメータを設定する。これにより、位相同期回路部401が発散する前に確実にマスターを変更することができるので、本実施形態に係る機能を実現することができる。
<第1の実施形態の効果>
第1の実施形態の電力変換装置10は、マスタ(同期信号生成を行う電力変換装置)が停止した際、複数スレーブ(同期信号を受信することでマスターに同期した出力を行う装置)が通信し合うことで最適なスレーブを新たなマスターに選出することができる。それとともに、位相同期回路部401が位相を維持することにより、電力変換装置110は、通信によりマスターの選出を行っている間も位相の同期を乱すことなく、交流電圧の出力を継続することができる。更に同期信号部110が同期信号を常時監視することでマスターの停止を高速に検出することができ、電力変換装置10は、マスターが故障してもスムーズにマスターを交代することで連続運転することができる。従って、第1の実施形態の電力変換装置10によれば、電力変換システムに柔軟性があり、かつマスターとして動作する制御装置が予期せず停止した場合にも電力変換システムの連続運転を維持することができる。
<第2の実施形態>
続いて、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、第1の実施形態の位相同期回路部とは異なる構成の位相同期回路部について説明する。第2の実施形態における位相同期回路部は、同期信号の有無の検出機能と、その有無によって制御を切り替える機能を更に有する。
図12は、第2の実施形態における電力変換装置10bの構成を示す概略ブロック図である。なお、図9と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。第2の実施形態における電力変換装置10bの構成は、第1の実施形態における電力変換装置10の構成に対して、位相同期回路部401が位相同期回路部401bに変更され、それに伴い制御部102が制御部102bに変更され、制御装置100が制御装置100bに変更されたものになっている。
図13は、第2の実施形態における制御部102bの構成を示す概略ブロック図である。なお、図10と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。第2の実施形態における制御部102bの構成は、第1の実施形態における制御部102の構成に対して、位相同期回路部401が位相同期回路部401bに変更され、それに伴い、電力位相制御部40が電力位相制御部40bに変更されたものになっている。
図14は、第2の実施形態における位相同期回路部401bの構成を示す概略ブロック図である。なお、図11と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。第2の実施形態における位相同期回路部401bの構成は、第1の実施形態における位相同期回路部401の構成に対して、経路切替部57、角周波数記憶器(角周波数記憶部)58、及び同期信号が入力される信号検出器(信号検出部)59が更に追加されたものになっている。
位相同期回路部401bは、同期信号の有無の検出機能と、その有無によって制御を切り替える機能を更に有する。
経路切替部57は、第1入力端子が加算器53の出力に電気的に接続され、第2入力端子が角周波数記憶器58に電気的に接続され、出力端子が積分器54の入力に電気的に接続されている。経路切替部57は、信号検出器59から入力される制御信号に基づいて、第1入力端子と出力端子が導通している状態と、第2入力端子と出力端子が導通している状態とを切り替える。
角周波数記憶器58は、信号検出器59が同期信号の途絶がないことを検出している間、記憶している角周波数に関する情報を角周波数検出部50が生成する角周波数に関する情報で更新する。より詳細には角周波数記憶器58は例えば、信号検出器59が同期信号の入力があると検出している間、記憶している角周波数ωを加算器53が出力する角周波数ωで更新する。一方、信号検出器59が同期信号の途絶を検知すると、信号検出器59からの制御信号を受けて、角周波数記憶器は角周波数ωの更新を停止し、角周波数ωを積分器54へ出力する。
信号検出器59は、同期信号の有無を常時監視する。換言すれば、信号検出器59は、同期信号の途絶の有無を検出する。そして信号検出器59は、同期信号の入力がある場合は、経路切替器57が管理する制御経路を、図11の第1の実施形態における制御経路と等価にする。
信号検出器59は、同期信号の途絶を検出した場合、経路切替器57の管理する制御経路を切り替え、積分器54の入力と加算器53の出力が導通している状態から、積分器54の入力と角周波数記憶器58の出力とが導通している状態へと切り替えさせる。それとともに、信号検出器59は、角周波数記憶器58に角周波数ωの更新を停止させ、角周波数ωを経路切替器57に出力させる。これにより、角周波数記憶器58が出力する角周波数ωが積分器54に入力される。
<第2の実施形態の効果>
以上、第2の実施形態における位相同期回路部401bにおいて、角周波数検出部50は、同期信号に基づいて角周波数に関する情報を検出する。信号検出器59は、同期信号の途絶の有無を検出する。角周波数記憶器58は、信号検出器59が同期信号の途絶がないことを検出している間、記憶している角周波数に関する情報を角周波数検出部50が検出した角周波数に関する情報で更新する。積分器54は、信号検出器59が同期信号の途絶を検出した場合、角周波数記憶器58から角周波数に関する情報を取得し、取得した角周波数に関する情報に基づいて、位相を生成する。電力位相制御部40は、この積分器54が生成した位相に基づいて、上記電力変換装置10bが出力する電力の位相を制御する。
以上説明した第2の実施形態における位相同期回路部401bによれば、同期信号が入力されない間、同期信号の途絶直後に加算器53が出力した角周波数ωを用いて位相を出力するので、第1の実施形態における位相同期回路部401よりも、位相を正確に維持することができる。
よって、第2の実施形態では、第1の実施形態の効果に加えて、制御器52の時定数TControlが比較的短く設定されていても、マスターからの同期信号が途絶した後も暫く同期を維持し続けることができる。そして、電力変換装置10bは、その間に通信を用いて新たなマスターの選出を行うことで、電力変換システムとして連続した出力を実現できる。
<第3の実施形態>
続いて、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、第1の実施形態及び第2の実施形態の位相同期回路部とは異なる構成の位相同期回路部について説明する。
第3の実施形態は、主に出力周波数が変化する電力変換装置への適用を想定しており、その代表例はモータドライブ用の電力変換装置である。モータは目標回転数や目標変位角が頻繁に変わるため、駆動装置である電力変換装置の出力周波数も随時変化する。
この出力周波数が頻繁に変わるときはフィードフォワードを有効に利用することが難しいため、フィードフォワード値を用いない制御系とすることがある。モータが加速中または減速中にマスターが停止して同期信号が途切れた場合、第1の実施形態及び第2の実施形態の位相同期回路部を用いても複数インバータ間での同期を維持することはできる。
しかし、第1の実施形態及び第2の実施形態の位相同期回路部では加速度までを保持することはできないため、同期信号が途切れる前までの出力周波数を時間で2階微分した加速度が急激に喪失することになる。インバータをモータドライブに使用し、エレベータや鉄道車両を駆動しているような場合を想定すると、この加速度の急峻な変化は乗客の快適な乗り心地を損なう結果となるため望ましくない。
そこで、第3の実施形態における位相同期回路部401cは、マスターからの同期信号が途絶えた場合、角周波数ωの1階微分である加速度などの速度変化情報を用いて、角周波数記憶器58が記憶する角周波数に関する情報(ここでは一例として角周波数ω)を更新する。
図15は、第3の実施形態における電力変換装置10cの構成を示す概略ブロック図である。なお、図9と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。第3の実施形態における電力変換装置10cの構成は、第1の実施形態における電力変換装置10の構成に対して、位相同期回路部401が位相同期回路部401cに変更され、それに伴い制御部102が制御部102cに変更され、制御装置100が制御装置100cに変更されたものになっている。
図16は、第3の実施形態における制御部102cの構成を示す概略ブロック図である。なお、図10と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。第3の実施形態における制御部102cの構成は、第1の実施形態における制御部102の構成に対して、位相同期回路部401が位相同期回路部401cに変更され、それに伴い、電力位相制御部40が電力位相制御部40cに変更されたものになっている。
図17は、第3の実施形態における位相同期回路部401cの構成を示す概略ブロック図である。なお、図14と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。第3の実施形態における位相同期回路部401cの構成は、第2の実施形態における位相同期回路部401bの構成に対して、速度変化生成部60、速度変化記憶器(速度変化記憶部)61、及び更新器(更新部)62が更に追加されたものになっている。
速度変化生成部60は、入力が加算器53の出力に電気的に接続されている。速度変化記憶器61は、入力が速度変化生成部60の出力に電気的に接続されている。更新器62は、入力が速度変化記憶器61の出力に電気的に接続され出力が角周波数記憶器58に電気的に接続されている。
速度変化生成部60は、角周波数検出部50が生成した角周波数の時間変化に関する速度変化情報を生成する。より詳細には、速度変化生成部60は例えば、スレーブとして動作する電力変換装置が正常運転時、即ちマスターからの同期信号を受信しているときに常時、加算器の出力する角周波数ωを1階及び/または2階以上微分することによって加速度及び/または加加速度(躍度、ジャーク)等の速度変化情報を生成する。ここで、加速度は角周波数ωの時間の1階微分で、加加速度は角周波数ωの時間の2階微分である。
速度変化記憶器61は、信号検出器59が同期信号の途絶がないことを検出している間、記憶している速度変化情報を速度変化生成部60が生成した速度変化情報で更新する。
マスターからの同期信号が途絶えると、位相同期回路部401cは角周波数記憶器58を使用した自走に切り替わる。このとき、更新器62は、信号検出器59が同期信号の途絶を検出した場合、速度変化記憶器61に記憶されている速度変化情報に基づいて、角周波数記憶器58に記憶されている角周波数の更新を開始する。
具体的には例えば、更新器62は、更新後の角周波数ωNEWをωNEW=ω+(dω/dt)tで更新する。ここで、tは時間で、(dω/dt)は加速度である。
なお、更新器62は、加加速度(dω/dt)を更に算出し、更新後の角周波数ωNEWをωNEW=ω+(dω/dt)t+(dω/dt)tで更新してもよい。
<第3の実施形態の効果>
以上、第3の実施形態において、速度変化生成部60は、角周波数検出部50が生成した角周波数の時間変化に関する速度変化情報を生成する。そして、速度変化記憶器61は、信号検出器59が同期信号の途絶がないことを検出している間、記憶している速度変化情報を速度変化生成部60が生成した速度変化情報で更新する。更新器62は、信号検出器59が同期信号の途絶を検出した場合、速度変化記憶器61に記憶されている速度変化情報で角周波数記憶器58に記憶されている角周波数に関する情報の更新を開始する。
よって、第3の実施形態の電力変換装置10cによれば、第1の実施形態の効果に加えて、このような位相同期回路部401cの仕組みを用いることで、電力変換装置10cは、マスターの停止に伴う同期信号の途絶と、これに付随して発生する加速度の変化の影響を最小限に抑えた交流電圧出力を実現できる。上記のようにして加速度を保ったまま位相同期回路部401cの自走を行うことで同期を維持しつつ、通信を用いてマスターの交代を行い、同期が崩れる前に同期信号の発信を再開することが可能になる。
なお、更新器62は、より高度なアルゴリズムを用いて角周波数ωやその微分値等から未来の角周波数ωの変化を予測し、この予測に基づいてフィードフォワード値を更新するものであってもよい。例えば、更新器62は、過去の角周波数ωの微分値の履歴から未来の角周波数ωの変化を予測してもよい。また、更新器62は、過去の角周波数ωの時間変化の統計情報から未来の角周波数ωの変化を予測してもよい。
ただし本実施形態の適用例は、必ずしもモータドライブに限ったものではない。
<第4の実施形態>
続いて、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態では、第3の実施形態とは異なり、通信を用いて周波数情報を取得し、位相同期回路部に使用する。
第4の実施形態も第3の実施形態と同様、主に出力周波数が変化するインバータへの発明の適用を想定している。その代表例はモータドライブ用のインバータである。上記他の実施形態と同様、第4の実施形態における電力変換装置は、パルス波形などの同期信号を入力とする位相同期回路部を備える。
第4の実施形態における電力変換装置への入力として同期信号の他に、角周波数ωのフィードフォワード値ωを通信で取得し用いる。同期信号が正常に受信できている間、フィードフォワード値ωは通信を用いて随時更新される。
図18は、第4の実施形態における電力変換装置10dの構成を示す概略ブロック図である。なお、図9と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。第4の実施形態における電力変換装置10dの構成は、第1の実施形態における電力変換装置10の構成に対して、位相同期回路部401が位相同期回路部401dに変更され、それに伴い制御部102が制御部102dに変更され、制御装置100が制御装置100dに変更されたものになっている。
第4の実施形態の電力変換装置を鉄道車両やエレベータへ適用することを考えると、このような用途ではモータの出力速度と、これに比例する電力変換装置の出力周波数は頻繁に更新されるが、その変化の様子は事前にある程度予測をすることが可能である。例えば鉄道車両は、発車後の一定期間加速し続けることが一般であり、数秒以内の未来に関しては加速の予定・予測を立てることが可能である。このような予測情報をマスターやコントローラなどの上位からインバータへと与えることで、通常時においては鉄道車両の速度または電力変換装置の出力周波数の変化にも俊敏に追従する位相同期回路部401dを実現することができる。
一例として、電力変換装置の出力周波数fの予測から算出されたフィードフォワード値ω(=2πf)がマスターまたはコントローラに記憶されていることを想定する。
通信部103は、第1の実施形態における通信部103の機能に加えて、複数の時刻で電力変換装置10dが出力する電力の周波数に関する周波数情報をマスターまたはコントローラ等との通信により取得する。本実施形態では、この周波数情報は、角周波数ωのフィードフォワード値ωである。
図19は、第4の実施形態における制御部102dの構成を示す概略ブロック図である。なお、図10と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。第2の実施形態における制御部102dの構成は、第1の実施形態における制御部102の構成に対して、位相同期回路部401が位相同期回路部401dに変更され、それに伴い、電力位相制御部40が電力位相制御部40dに変更されたものになっている。
位相同期回路部401dは、位相同期回路部401と異なり、更に通信部103と電気的に接続されており、フィードフォワード値ωを取得する。
図20は、第4の実施形態における位相同期回路部401dの構成を示す概略ブロック図である。なお、図11と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。第4の実施形態における位相同期回路部401dの構成は、第1の実施形態における位相同期回路部401の構成に対して、更新器(更新部)63が追加されたことに伴い、角周波数検出部50が角周波数検出部50dに変更されたものになっている。
角周波数検出部50dは、同期信号と通信部103が取得した周波数情報とに基づいて角周波数に関する情報を生成する。これにより、積分器54は、角周波数検出部50dが生成した角周波数に関する情報に基づいて、位相を生成する。
更新器63は、通信部103からフィードフォワード値ωを取得し、取得したフィードフォワード値ωでフィードフォワード値記憶部55に記憶されているフィードフォワード値を更新する。
なお、更新器63は、通信部103から受け取ったデータ(例えば、角周波数またはその微分値)をそのまま出力するものでもよい。また、更新器63は、受け取ったデータ(例えば、角周波数の微分値)を積分等して出力してもよい。また、更新器63は、通信部103から受け取ったデータに対してPI制御などの制御を行い、この制御結果を出力してもよい。このように更新器63自体に制御系を持たせることで、フィードフォワード値記憶部55に記憶されているフィードフォワード値を時間の経過とともに滑らかに変化するように更新することができる。
また、フィードフォワード値ωの更新は同期信号が途絶した場合にのみ行うものであってもよいし、通常の制御の一部として行ってもよい。
なお、フィードフォワード値ωは、例えば、定数としてではなく時間の関数として与えられてもよい。なお、フィードフォワード値ωは、例えば、今後予定されている加減速の継続時間や速度変化の予定表のような形式であってもよい。
<第4の実施形態の効果>
以上、第4の実施形態において、通信部103は、複数の時刻で電力変換装置が出力する電力の周波数に関する周波数情報を通信により取得する。角周波数検出部50dは、同期信号と通信部103が取得した周波数情報とに基づいて角周波数に関する情報を生成する。そして、積分器54は、角周波数検出部50dが生成した角周波数に関する情報に基づいて、位相を生成する。
これにより、同期信号が入力されている通常時において、位相同期回路部401dは、通信部103が取得することで随時更新されるフィードフォワード値ωに応じて、角周波数ωを出力する。このため、電力変換装置10dは、通常時においては電力変換装置の出力周波数の変化にも俊敏に追従する位相同期回路部401dを実現することができる。
ここで位相同期回路部401dへの入力となるパルス波などの同期信号は周波数情報と位相情報を同時に含むものである。電力変換装置10dは、同期信号を受信している正常時において、変化する入力の同期信号に対して、周波数情報を通信で別途入手してフィードフォワード値ωとして位相同期回路部401dに加える。これにより、位相同期回路部401dの働きを入力信号に対する位相同期により特化させることができる。このことによって、入力同期信号の周波数変化に対する応答を高速化し無用なオーバーシュート等を防ぐことができるとともに、より早期に位相同期を完了させることができる。
<第5の実施形態>
続いて、第5の実施形態について説明する。第5の実施形態における制御装置は、第4の実施形態に加えて更に、通信を用いて速度変化情報も取得し、取得した速度変化情報を位相同期回路部で使用する。第3の実施形態と比較すると、同期信号途絶時に使用する速度変化情報の入手手段を微分に依らず、マスターやコントローラ等との通信によって速度変化情報を直接取得する。
第5の実施形態も第3及び第4の実施形態と同様、主に出力周波数が変化するインバータへの発明の適用を想定している。その代表例はモータドライブ用のインバータである。上記他の実施形態と同様、第5の実施形態における電力変換装置は、パルス波形などの同期信号を入力とする位相同期回路部を備える。
例えば、鉄道車両は、発車後の一定期間加速し続けることが一般であり、数秒以内の未来に関しては加速の予定・予測を立てることが可能である。第5の実施形態における電力変換装置は、このような予測情報の一例である速度変化情報及び周波数情報を、マスターまたはコントローラなどから通信により取得する。
図21は、第5の実施形態における電力変換装置10bの構成を示す概略ブロック図である。なお、図9と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。第5の実施形態における電力変換装置10eの構成は、第1の実施形態における電力変換装置10の構成に対して、位相同期回路部401が位相同期回路部401eに変更され、それに伴い制御部102が制御部102eに変更され、制御装置100が制御装置100eに変更されたものになっている。
通信部103は、第1の実施形態における通信部103の機能に加えて、速度変化情報(例えば、フィードフォワード値ωの時間微分値)を通信によりマスターまたはコントローラから取得する。
また、通信部103は、複数の時刻で電力変換装置が出力する電力の周波数に関する周波数情報を通信によりマスターまたはコントローラから取得する。本実施形態では、この周波数情報は、角周波数ωのフィードフォワード値ωである。
図22は、第2の実施形態における制御部102bの構成を示す概略ブロック図である。なお、図10と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。第5の実施形態における制御部102eの構成は、第1の実施形態における制御部102の構成に対して、位相同期回路部401が位相同期回路部401eに変更され、それに伴い、電力位相制御部40が電力位相制御部40eに変更されたものになっている。
位相同期回路部401eは、第1の実施形態の位相同期回路部401とは異なり、更に、通信部103の出力と電気的に接続されており、通信部103から周波数情報(例えば、フィードフォワード値ω)と速度変化情報(例えば、フィードフォワード値ωの時間微分値)を取得する。
図23は、第5の実施形態における位相同期回路部401eの構成を示す概略ブロック図である。なお、図14と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。第5の実施形態における位相同期回路部401eの構成は、第2の実施形態における位相同期回路部401bの構成に対して、更新器(更新部)64が更に追加されたことにより、角周波数検出部50が角周波数検出部50eに変更されたものになっている。
更新器64は、通信部103が取得した速度変化情報(ここでは一例として、フィードフォワード値ωの時間微分値)に基づいて、角周波数記憶器58に記憶されている角周波数ωを更新する。
また、更新器64は、通信部103が取得した周波数情報(ここでは一例として、フィードフォワード値ω)で、フィードフォワード値記憶部55に記憶されているフィードフォワード値ωを更新する。
なお、第5の実施形態で説明したように、更新器64は、通信部103から受け取ったデータ(例えば、角周波数及びその微分値)をそのまま出力するものでもよい。また、更新器63は、受け取ったデータ(例えば、角周波数の1階微分値及び角周波数の2階微分値)を積分等して出力してもよい。また、更新器63は、通信部103から受け取ったデータに対してPI制御などの制御を行い、この制御結果を出力してもよい。このように更新器63自体に制御系を持たせることで、フィードフォワード値記憶部55に記憶されているフィードフォワード値及び角周波数記憶器58に記憶されている角周波数ωを、時間の経過とともに滑らかに変化するように更新することができる。
また、フィードフォワード値ω及び角周波数ωの更新は同期信号が途絶した場合にのみ行うものであってもよいし、通常の制御の一部として行ってもよい。
<通信メッセージの例示>
図24は、加減速の継続時間を指示する通信内容の一例である。ここでは指示をXML (Extensible Markup Language)を用いて伝えており、加速度と加速の開始時間、終了時間の情報を含んでいる。この他、加速が終了した後の挙動に関する指示や、速度の上限や下限などの情報を含むものであっても構わない。
図25は、マスターまたはコントローラ等が通信を介してその他のインバータに配布する、通信が発生した時点以降の速度変化の予定を示したグラフの一例である。縦軸が速度で横軸が時間である。このグラフでは縦軸を速度としているが、縦軸は変位や加速度などであっても構わない。この他、上記以外の内容の通信を行っていても構わない。
<第5の実施形態の効果>
第4の実施形態に加えて、第5の実施形態では、通信部103は、速度変化情報を通信により取得する。更新器64は、通信部103が取得した速度変化情報に基づいて、角周波数記憶器58に記憶されている角周波数に関する情報を更新する。これにより、同期信号途絶時において、位相同期回路部401eは、通信部103が事前に通信により取得した速度変化情報に応じて角周波数に関する情報を更新し、更新した角周波数に関する情報に応じた位相を出力することができる。このため、第4の実施形態の効果に加えて、電力変換装置10dは、同期信号途絶時においては角周波数ωの加減速を加味した自走で同期を維持することができる。
換言すれば、同期信号途絶時においては、位相同期回路部401eは通信で事前に入手している速度変化情報に基づき周波数を変化させることで、位相同期回路部401eが自走状態にありながらも高度な出力同期の継続を実現できる。このようにして、位相同期回路部401eは自走を行いながら、その間に通信を用いて新たなマスターを選出し、同期信号の発信を再開することで、電力変換システムの無停止連続運転を実現することができる。
なお、これらの速度変化に関する指示はXMLや画像形式の表である必要はなく、バイナリデータや独自形式のメッセージ、あるいはCSVのような数値データの集合体や、ベクトル形式で画像を管理するPostScript、SVG (Scalable Vector Graphics)のような形式で表現された図であっても構わない。いずれのデータ形式を用いて通信を行っても、第5の実施形態の電力変換装置10eが構成できることは言うまでもない。
また更新器64に格納される速度変化情報を通信にて配布する装置はマスターとなっている電力変換装置であるとは限らない。例えば周波数・速度変化情報の指示を出すコントローラと、コントローラからの指示を受けて同期信号を発信するマスターと、周波数の指示はコントローラから受信して同期信号はマスターから受信するスレーブの3種類の装置によるシステム構成も考えられる。
<第6の実施形態>
続いて、第6の実施形態について説明する。第6の実施形態における電力変換装置は、電力伝送に用いる電力線(以下、区別のため主電力線と呼ぶことがある)網とは別に、制御用マイコンや通信用マイコン(合わせて制御系と呼ぶことがある)を駆動するだけの電力を電力変換装置間で共有するための副電力線網を有する。
副電力線で共有される電力を制御・通信用のバックアップ電源とし、システムの冗長性を高める。特に、同期信号に電力を持たせることによって同期信号線で電力を伝送し、制御系の駆動電源の1つとして利用できるようにする。
図26は、第6の実施形態における電力変換装置の主電力線と副電力線の結線図の一例である。マスター装置11と二つのスレーブ装置12とは、電力線(主電力線)21と、電力線21とは異なる副電力線25とで接続されている。電力線21と副電力線25のネットワークトポロジは同一であっても、異なっていても構わない。なお、図26の構成例に限らず、コントローラ13が複数の電力変換装置10と、電力線(主電力線)21と、電力線21とは異なる副電力線25とで接続されていてもよい。その場合、副電力線網はコントローラ13を含むものであっても構わない。
図27は、第6の実施形態における電力変換装置10の処理を説明するための図である。なお、ここでは、電力変換装置10がマスター装置11として動作するときに主に動作する構成要素と、スレーブ装置12として動作するときに主に動作する構成要素が示されている。しかし、1台の電力変換装置10は、このマスター装置11が有する構成要素及びこのスレーブ装置12が有する構成要素の両方を備える。
<構成の概要>
副電力線25は、第1電位線25Hと第2電位線25Lから構成されている。副電力線25は、同期信号を伝送する同期信号線24を兼ねている。よって、本実施形態において、副電力線25は電気信号が伝達可能な有線に限定される。
マスターとして動作する制御装置、同期信号を受信するスレーブとして動作する制御装置との間は、副電力線25で接続されている。
電力変換装置10が備える制御装置100は、副電力線25で供給される交流信号を直流電圧に変換する第1安定化部(安定化部)721を備える。ここでは、一例として同期信号部110が第1安定化部721を備える。なお、第1安定化部721は、同期信号部110の外にあって、入力が同期信号部110と電気的に接続され、出力が制御部102と接続されていてもよい。
当該制御装置100がマスターとして動作する場合、同期出力部110は、副電力線に同期信号または同期信号の振幅を調整した調整信号を出力する。
一方、当該制御装置100がスレーブとして動作する場合、第1安定化部は、マスターから供給された上記同期信号または上記調整信号を直流電圧に変換し、電力位相制御部40は、第1安定化部721が変換した後の直流電圧を駆動電源として用いる。
電力変換装置10が備える制御装置100は、電力線21から接続部101を介して供給された交流電圧を直流電圧に変換する第2安定化部722を更に備える。そして、第1安定化部721の出力と第2安定化部722の出力が電気的に接続されている。
同期信号部110は、陰極が第2電位線25Lに接続され、直流電圧を生成する電源BATを備える。
更に、同期信号部110は、電源BATの陽極と第1電位線25Hとの導通及び非導通を切り替える切替部SWを備える。
更に、同期信号部110は、一端が第1電位線25Hに接続され他端が第2電位線25L及び電源BATの陰極に接続された抵抗Rを備える。ここで、抵抗Rは、同期信号の停止時には第1電位線25Hと第2電位線25Lの電位差を0にする。抵抗Rは、例えば、抵抗値の大きなプルダウン抵抗である。
制御部102は、切替部SWを制御する同期信号制御部405を備える。
当該制御装置がマスターとして動作する場合、同期信号制御部405は、切替部SWから同期信号を第1電位線25Hと第2電位線25Lで伝送させる。
<処理の詳細>
続いて、処理の詳細について説明する。
マスター装置11は、制御部102が備える同期信号制御部405は、同期信号部110を制御し、同期信号を副電力線25を介してスレーブ装置12へ出力させる。
なお、マスター装置11は、インバータではなくコントローラであっても構わない。
なお、同期信号制御部405が同期信号を生成してもよい。この場合、マスターとして動作する制御装置が制御で使用する位相情報は、マスターとして動作する制御装置の有する同期信号部から得ることになる。その場合、同期信号部110は、同期信号制御部405が生成した同期信号を用いて、切替部SWを制御してもよい。これにより、切替部SWは、電源BATから供給される電力を切り替える(スイッチングする)ことで、電力をもった同期信号をスレーブ装置12へ供給してもよい。
スレーブ装置12において、第1安定化器721は、副電力線25で伝送された同期信号から安定した電力を抽出することで、制御部102や通信部103の実態であるマイコン、その他周辺デバイスの駆動電源とすることができる。第1安定化器721は、例えば、ローパスフィルタやレギュレータ、変圧器等の変電装置、また小型の蓄電池などのうちの1つまたは複数から構成される。
特に、同期信号がパルス波形や正弦波、あるいはこれらの波形を用いた情報通信のような形態で与えられ、信号のデューティー比が制御用マイコンの駆動電源電圧VCCに一致するときには、第1安定化器621をローパスフィルタのみで構成することができ、簡易な構成とすることができる。
<第6の実施形態の効果>
通常、電力変換装置(例えば、インバータ)は電力線21(例えば、図3の入力電力線21aや出力電力線21b)から得た電力を第2安定化器722で変圧や安定化させた電力や、その他コンセントなどをから得た電力を制御系の電源としている。第6の実施形態では、これに加えて電力変換装置同士を副電力線25で結線することによって、制御系電源の冗長性を確保することができる。
また副電力線25が同期信号線を兼ねることで配線を少なくし、組み立て工程やメンテナンスの手間を少なくすることができる。
<第7の実施形態>
続いて、第7の実施形態について説明する。第7の実施形態では、第6の実施形態に対して、直流電圧(オフセット電圧ともいう)に伝送する同期信号を重畳することで、副電力を供給するとともに、同期信号の有無の検出を容易にする。換言すれば、同期信号の途絶の検出を容易にする。
図28は、第7の実施形態における電力変換装置10の処理を説明するための図である。なお、ここでは、電力変換装置10がマスター装置11として動作するときに主に動作する構成要素と、スレーブ装置12として動作するときに主に動作する構成要素が示されている。しかし、1台の電力変換装置10は、このマスター装置11が有する構成要素及びこのスレーブ装置12が有する構成要素の両方を備える。
<構成の説明>
制御部102は、同期信号部110を制御する同期信号制御部405を備える。当該電力変換装置10(または電力変換装置10が備える制御装置100)がマスターとして動作する場合、同期信号制御部405は、予め決められたオフセット電圧に同期信号を重畳して調整信号を生成し、生成した調整信号を副電力線25で伝送させる。
副電力線25は、第1電位線25Hと第2電位線25Lから構成される。
同期信号部110は、陰極が第2電位線25Lに接続され、オフセット電圧を生成する第1電源BAT1を備える。
更に、同期信号部110は、陰極が第1電源BAT1に接続され、同期信号のハイレベルとローレベルの電圧差と同じ直流電圧を生成する第2電源BAT2を備える。
更に、同期信号部110は、信号重畳部71を備える。
信号重畳部71は、第1電源BAT1の陽極と第1電位線25Hとの導通及び非導通を切り替える第1切替部SW1を備える。
更に、信号重畳部71は、第2電源BAT2の陽極と同期信号を伝送する第1電位線25Hとの導通及び非導通を切り替える第2切替部SW2を備える。
更に、同期信号部110は、一端が第1電位線25Hに接続され他端が第2電位線25L及び第1電源BAT1の陰極に接続された抵抗Rを備える。ここで、抵抗Rは、同期信号の停止時には第1電位線25Hと第2電位線25Lの電位差を0にする。抵抗Rは、例えば、抵抗値の大きなプルダウン抵抗である。
当該制御装置100がマスターとして動作する場合、第1切替部SW1及び第2切替部SW2を制御して、調整信号を第1電位線25Hと第2電位線25Lで伝送させる同期信号制御部405を更に備える。
当該制御装置100がマスター以外(すなわちスレーブ)の場合、電力位相制御部40は、調整信号から第1安定化部721が変換した直流電圧成分を除去して同期信号を抽出し、抽出した同期信号に基づいて、電力変換装置10が出力する電力の位相を制御する。
<処理の詳細>
オフセット電圧を生成する第1電源BAT1は、例えば直流電圧V2aを生成する。同期信号用の電圧を生成する第2電源BAT2は、例えば直流電圧V2bを生成する。
このとき、第1切替部SW1が第1電源BAT1の陽極と第1電位線25Hとの非導通の非導通状態で、かつ第2切替部SW2が第2電源BAT2の陽極と同期信号を伝送する第1電位線25Hとの導通している導通状態の第1状態の場合、第1電位線25Hと第2電位線25Lの電位差は、V2a+V2bである。
一方、第1切替部SW1が第1電源BAT1の陽極と第1電位線25Hとの導通している導通状態で、かつ第2切替部SW2が第2電源BAT2の陽極と同期信号を伝送する第1電位線25Hとの非導通の非導通状態の第2状態の場合、第1電位線25Hと第2電位線25Lの電位差は、V2aである。
同期信号制御部405は、第1状態と第2状態のいずれかとなるよう、第1切替部SW1及び第2切替部SW2を制御する。
例えば、同期信号制御部405は、第1状態の比率がデューティー比λとなるように、第1切替部SW1及び第2切替部SW2を切り替えることで、実効電圧V´rms=V2a+λV2bなる調整信号をスレーブ装置12へ供給する。
一方、マスター装置11内の制御部102、同期信号部110またはその他の部品が故障し、マスター装置11の運転が不可能になったときは、マスター装置11は同期信号と副電源の生成を連動して停止する。
第2電源BAT2は交流電圧源で、信号重畳部71はオフセット電圧に信号を重畳するためのトランスやコンデンサであっても構わない。
スレーブ装置12において、第1安定化器721で受信波形を平滑化することで、制御部102に対して実効電圧V´rmsの電力の供給を受ける。このとき、第1安定化器721は、更に昇高圧レギュレータなどで変電を行ってもよい。
また、制御部102は、同期信号部110からの出力として調整信号を受け取る。制御部102に対しては、直接、副電力線25との結線により調整信号を受け取るものとしても良いし、途中に絶縁回路を設けてもよい。また、制御部102は、この調整信号から第1安定化器から入力された実効電圧V´rmsとの差分をとることで、オフセット電圧V2aの大きさに関わらず同期信号を抽出することができる。
図29は、同期信号の途絶からマスター・スレーブ再構成通信の開始までの情報の流れを示す図である。信号検出器59は、同期信号の有無を検出する。特に、同期信号に対して十分なオフセット電圧が重畳してある場合には、例えば、第1安定化器721から入力される調整信号電圧Vsingalが閾値電圧Vthresholdよりも高いかどうかのみを監視する。これにより、同期信号の有無を検出することができる。
信号検出器59は、調整信号電圧Vsingalが閾値電圧Vthreshold以下となった場合、同期信号の途絶を意味するので、通信制御部409へ同期信号の途絶を示す途絶通知信号SDPを出力する。また、信号検出器59は例えば、上述したように、経路切替器57及び角周波数記憶器58を制御する。
通信制御部409は、信号検出器59から途絶通知信号SDPを受信した場合、マスターが停止したものと認識し、通信部103を制御して、通信部103を介して他の電力変換装置とマスター・スレーブ再構成通信を開始する。
なお、上記の例は同期信号の生成を行うマスターが、オフセット電圧の供給までを行うものであったが、マスターとは異なる電力変換装置が同期信号線にオフセット電圧を供給するような構成であっても構わない。この場合、オフセット電圧の途絶はスレーブの停止を意味するため、図29に示したような手法をそのまま適用することはできない。
しかし、オフセット電圧の供給を行っているスレーブ以外の電力変換装置は、同期信号の有無を検出することで、当該スレーブの停止を即座に検出することが可能になる。例えば当該スレーブがシステム中で重要な装置である場合などにおいて、マスター・その他の電力変換装置が当該スレーブの停止を即座に検出できると、システム全体の出力を迅速に調整できるといったメリットがある。
上述したように、同期信号部は、同期信号を生成する同期信号生成装置からこの同期信号を受信してもよい。ここで、同期信号生成装置は、例えば、図4に示すようなコントローラ13であってもよいし、同期信号を生成する機能だけを有する発信器であってもよい。
その場合、上述したマスターを決定するための情報は、当該制御装置と他の一台以上の電力変換装置の制御装置の中からマスターを決定するための情報である。
また、図4に示すような場合、複数の電力変換装置を制御する複数の制御装置と、この電力変換装置の出力電力の位相の基準となる同期信号を生成し、上記複数の制御装置へ送信する同期信号生成装置と、を具備する制御システムを構成しているともいえる。その場合、各制御装置が備える同期信号部は、上記同期信号を、上記同期信号生成装置から受信する。
<角周波数と周波数の形式など>
各実施形態における角周波数ωやフィードフォワード値ωは必ずしも角周波数の形式である必要はなく、周波数fや、2ω、速度vなど、四則演算によってωと等価に置き換えられる数値であってもよいことは言うまでもなく、その他ωの2乗根などの形態であってもよい。上述した角周波数に関する情報は、周波数fや、2ω、速度vなどの四則演算によってωと等価に置き換えられる数値、その他ωの2乗根などの形態などを含む。これらは各実施形態の趣旨を逸脱しない限りにおいては各実施形態の適用を受けるものとする。その他の変数についても同様である。
<通信部、信号部、接続部などの一体化>
各実施形態で示した図では、通信部と信号部と接続部とを分けて例示していたが、これらが一体化しているような構造であっても、各実施形態の趣旨から逸脱しない限りにおいては各実施形態の適用が可能である。例えば通信に電力線通信を用いる場合は通信部と接続部が接続している、あるいは一体化していると見なせることなどがある。
<同期信号の種類とずらし 変調波(50,60Hz)、キャリア波(10kHz)>
インバータなどの各種電力変換装置では、系統の周波数と同じ50、60Hzの周波数の正弦波の他、PWM制御に用いるキャリア波などいくつかの周波数の波形が使用されるが、本発明はこれらの波形のいずれにも適用できる。複数の電力変換装置で波形を一致させるのではなく、一定の位相角差を保持して運転を行うような場合においても適用が可能であり、このような運転方法も広義では同期運転と考えられるため同期と表現する。このような場合、位相比較器など電力変換装置の構成要素の一部に機能の追加や削減を行うことがある。
なお、各実施形態において、電力変換装置が制御装置を備えたが、これに限らず、制御装置は、電力変換装置の外にあってもよい。
なお、複数の装置を備えるシステムが、各実施形態の制御装置の各処理を、それらの複数の装置で分散して処理してもよい。
なお、各実施形態の制御装置は、例えば、汎用のコンピュータ装置を基本ハードウェアとして用いることでも実現することが可能である。すなわち、上記のコンピュータ装置に搭載されたプロセッサに各実施形態の制御装置の各処理を実行するためのプログラムを実行させることにより実現することができる。
このとき、各実施形態の制御装置は、上記のプログラムをコンピュータ装置にあらかじめインストールすることで実現してもよい。また、CD−ROM等の可搬媒体あるいは通信網を介して上記のプログラムが配布され、当該プログラムをコンピュータ装置に読み込ませ、プロセッサが上記のプログラムを実行することにより、制御装置に係る上述した種々の処理を行ってもよい。
このように、各実施形態の制御装置の各処理を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、プロセッサが実行することにより、各実施形態の制御装置に係る上述した種々の処理を行ってもよい。
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM、CD−RW、DVD−RAM、DVD−R等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵あるいは外付けされたハードディスク、メモリ等の記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
以上、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
300 マイクログリッド(系)
303 発電装置
302 蓄電装置
304 負荷
10、10−1、10−2、10−3、10b、10c、10d、10e、307 電力変換装置
201 電力線
21 電力線(主電力線)
23 情報通信線
24 同期信号線
25 副電力線
25H 第1電位線
25L 第2電位線
11 マスター装置
12、12−1、12−2、12−3 スレーブ装置
16−1、16−2、16−3 電力消費装置
17−1、17−2、17−3 リアクトル
21a 入力電力線
21b、21b−1、21b−2、21b−3 出力電力線(電力線)
101、101a、101b 接続部
100、100b、100c、100d、100e 制御装置
103 通信部
110 同期信号部
102、102b、102c、102d、102e 制御部
40、40b、40c、40d、40e 電力位相制御部
401、401b、401c、401d、401e 位相同期回路部
402 電気制御部
403 キャリア波生成部
404 ゲート駆動信号生成部
405 同期信号制御部
406 目標値出力部
407 記憶部
408 決定部
409 通信制御部
50、50d、50e 角周波数検出部
51 位相比較器
52 制御器
53 加算器
54 積分器(積分部)
55 フィードフォワード値記憶部
56 フィードフォワード器
57 経路切替器
58 角周波数記憶器(角周波数記憶部)
59 信号検出器(信号検出部)
60 速度変化生成部
61 速度変化記憶器(速度変化記憶部)
62、63、64 更新器(更新部)
71 信号重畳部
721 第1安定化部(安定化部)
722 第2安定化部
BAT 電源
SW 切替部
BAT1 第1電源
BAT2 第2電源
SW1 第1切替部
SW2 第2切替部
R 抵抗

Claims (20)

  1. 電力を変換し変換後の電力を電力線へ出力する電力変換装置を制御する制御装置であって、
    前記電力線に電力を出力する他の一台以上の電力変換装置の制御装置と通信する通信部と、
    前記電力変換装置の出力電力の位相の基準となる同期信号を、受信する同期信号部と、
    前記同期信号に基づいて前記電力変換装置が前記電力線へ出力する電力の位相を制御し、前記同期信号の途絶を検知した場合、途絶前に受信された同期信号に基づいて、前記電力変換装置が前記電力線へ出力する電力の位相を制御する電力位相制御部と、
    前記電力位相制御部が前記途絶前に受信された同期信号に基づいて制御している間、前記同期信号を送信するマスターを決定するための情報を、前記他の電力変換装置の制御装置から受信するかまたは前記他の電力変換装置の制御装置へ送信するかのどちらか一方を行うよう前記通信部を制御する通信制御部と、
    を備える制御装置。
  2. 前記電力位相制御部が途絶前の同期信号に基づいて制御している間、前記通信部が前記他の電力変換装置の制御装置から受信した前記マスターを決定するための情報に基づいて、新たにマスターとして動作する制御装置を決定する決定部
    を更に備える請求項1に記載の制御装置。
  3. 当該制御装置が、前記決定部が新たにマスターと決定した制御装置である場合、前記同期信号部は、前記他の制御装置へ前記同期信号を送信する請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記電力位相制御部は、前記途絶前に受信された同期信号の位相と出力する位相の差が小さくなるよう制御する位相同期回路部を備え、前記位相同期回路部が出力した位相に基づいて、前記電力変換装置が出力する電力の位相を制御する
    請求項1から3のいずれか一項に記載の制御装置。
  5. 前記位相同期回路部は、
    前記同期信号に基づいて角周波数に関する情報を検出する角周波数検出部と、
    前記同期信号の途絶の有無を検出する信号検出部と、
    前記信号検出部が前記同期信号の途絶がないことを検出している間、記憶している角周波数に関する情報を前記角周波数検出部が検出した角周波数に関する情報で更新する角周波数記憶部と、
    前記信号検出部が前記同期信号の途絶を検出した場合、前記角周波数記憶部から角周波数に関する情報を取得し、取得した角周波数に関する情報に基づいて、前記出力する位相を生成する積分部と、
    を備え、
    前記電力位相制御部は、前記積分部が生成した位相に基づいて、前記電力変換装置が出力する電力の位相を制御する
    請求項4に記載の制御装置。
  6. 前記位相同期回路部は、
    前記角周波数検出部が生成した角周波数の時間変化に関する速度変化情報を生成する速度変化生成部と、
    前記信号検出部が前記同期信号の途絶がないことを検出している間、記憶している速度変化情報を前記速度変化生成部が生成した速度変化情報で更新する速度変化記憶部と、
    前記信号検出部が前記同期信号の途絶を検出した場合、前記速度変化記憶部に記憶されている速度変化情報で前記角周波数記憶部に記憶されている角周波数に関する情報の更新を開始する更新部と、
    を更に備える請求項5に記載の制御装置。
  7. 前記通信部は、前記速度変化情報を通信により取得し、
    前記位相同期回路部は、前記通信部が取得した速度変化情報に基づいて、前記角周波数記憶部に記憶されている角周波数に関する情報を更新する更新部を備える
    請求項5に記載の制御装置。
  8. 前記通信部は、複数の時刻で電力変換装置が出力する電力の周波数に関する周波数情報を通信により取得し、
    前記位相同期回路部は、
    前記同期信号と前記通信部が取得した周波数情報とに基づいて角周波数に関する情報を生成する角周波数検出部と、
    前記角周波数検出部が生成した角周波数に関する情報に基づいて、前記出力する位相を生成する積分部と、
    を備え、
    前記電力位相制御部は、前記積分部が生成した位相に基づいて、前記電力変換装置が出力する電力の位相を制御する
    請求項4に記載の制御装置。
  9. 前記同期信号部は、前記同期信号を送信するマスターとして動作する前記制御装置から前記同期信号を受信し、
    前記マスターを決定するための情報は、前記マスターとして動作する制御装置以外の制御装置の中から前記マスターを決定するための情報である
    請求項1から8のいずれか一項に記載の制御装置。
  10. 前記マスターとして動作する制御装置と、前記同期信号を受信するスレーブとして動作する制御装置との間は、副電力線で接続されており、
    前記副電力線で供給される交流信号を直流電圧に変換する安定化部を備え、
    当該制御装置が前記マスターとして動作する場合、前記同期出力部は、前記副電力線に同期信号または同期信号の振幅を調整した調整信号を出力し、
    当該制御装置が前記スレーブとして動作する制御装置の場合、
    前記安定化部は、前記マスターから供給された前記同期信号または前記調整信号を直流電圧に変換し、
    前記電力位相制御部は、前記安定化部が変換した後の直流電圧を駆動電源として用いる
    請求項9に記載の制御装置。
  11. 電力線から供給された交流電圧を直流電圧に変換する第2安定化部を更に備え、
    前記安定化部の出力と前記第2安定化部の出力が電気的に接続されている
    請求項10に記載の制御装置。
  12. 前記副電力線は、第1電位線と第2電位線から構成され、
    前記同期信号部は、
    陰極が前記第2電位線に接続され、直流電圧を生成する電源と、
    前記電源の陽極と前記第1電位線との導通及び非導通を切り替える切替部と、
    一端が前記第1電位線に接続され他端が前記第2電位線及び前記電源の陰極に接続された抵抗と、
    を備え、
    前記切替部を制御する同期信号制御部を更に備え、
    当該制御装置がマスターとして動作する場合、前記同期信号制御部は、前記切替部から前記同期信号を前記第1電位線と前記第2電位線で伝送させる
    請求項10または11に記載の制御装置。
  13. 前記同期信号部を制御する同期信号制御部を更に備え、
    当該制御装置がマスターとして動作する場合、前記同期信号部は、予め決められたオフセット電圧に前記同期信号を重畳して前記調整信号を生成し、生成した前記調整信号を前記副電力線で伝送させる
    請求項10または11に記載の制御装置。
  14. 前記副電力線は、第1電位線と第2電位線から構成され、
    前記同期信号部は、
    陰極が前記第2電位線に接続され、前記オフセット電圧を生成する第1電源と、
    陰極が第1電源に接続され、前記同期信号のハイレベルとローレベルの電圧差と同じ直流電圧を生成する第2電源と、
    前記第1電源の陽極と前記第1電位線との導通及び非導通を切り替える第1切替部と、
    前記第2電源の陽極と前記同期信号を伝送する第1電位線との導通及び非導通を切り替える第2切替部と、
    一端が前記第1電位線に接続され他端が前記第2電位線及び前記第1電源の陰極に接続された抵抗と、
    を備え、
    当該制御装置がマスターとして動作する場合、前記第1切替部及び前記第2切替部を制御して、前記調整信号を前記第1電位線と前記第2電位線で伝送させる同期信号制御部を更に備える
    請求項13に記載の制御装置。
  15. 当該制御装置が前記スレーブとして動作する場合、
    前記電力位相制御部は、前記調整信号から前記安定化部が変換した直流電圧成分を除去して前記同期信号を抽出し、抽出した同期信号に基づいて、前記電力変換装置が出力する電力の位相を制御する
    請求項13または14に記載の制御装置。
  16. 前記同期信号部は、前記同期信号を生成する同期信号生成装置から前記同期信号を受信し、
    前記マスターを決定するための情報は、当該制御装置と前記他の一台以上の電力変換装置の制御装置の中から前記マスターを決定するための情報である
    請求項1から8のいずれか一項に記載の制御装置。
  17. 請求項1から16のいずれか一項に記載の制御装置と、
    入力された電力を変換して、変換後の電力を前記電力線へ出力する電力変換部と、
    を備える電力変換装置。
  18. 電力を変換し変換後の電力を電力線へ出力する電力変換装置を制御する制御装置であって、前記電力線に電力を出力する他の一台以上の電力変換装置の制御装置と通信する通信部と、前記電力変換装置の出力電力の位相の基準となる同期信号を、受信する同期信号部と、を備える制御装置が実行する制御方法であって、
    電力位相制御部が、前記同期信号に基づいて前記電力変換装置が前記電力線へ出力する電力の位相を制御するステップと、
    前記電力位相制御部が、前記同期信号の途絶を検知した場合、途絶前に受信された同期信号に基づいて、前記電力変換装置が前記電力線へ出力する電力の位相を制御するステップと、
    通信制御部が、前記電力位相制御部が前記途絶前に受信された同期信号に基づいて制御している間、前記同期信号を送信するマスターを決定するための情報を、前記他の電力変換装置の制御装置から受信するかまたは前記他の電力変換装置の制御装置へ送信するかのどちらか一方を行うよう前記通信部を制御するステップと、
    を有する制御方法。
  19. 電力を変換し変換後の電力を電力線へ出力する電力変換装置を制御する制御装置であって、前記電力線に電力を出力する他の一台以上の電力変換装置の制御装置と通信する通信部と、前記電力変換装置の出力電力の位相の基準となる同期信号を、受信する同期信号部と、を備える制御装置に、
    前記同期信号に基づいて前記電力変換装置が前記電力線へ出力する電力の位相を制御する第1ステップと、
    前記同期信号の途絶を検知した場合、途絶前に受信された同期信号に基づいて、前記電力変換装置が前記電力線へ出力する電力の位相を制御する第2ステップと、
    前記第2ステップで前記途絶前に受信された同期信号に基づいて制御している間、前記同期信号を送信するマスターを決定するための情報を、前記他の電力変換装置の制御装置から受信するかまたは前記他の電力変換装置の制御装置へ送信するかのどちらか一方を行うよう前記通信部を制御する第3ステップと、
    を実行させるためのプログラム。
  20. 複数の電力変換装置を制御する複数の制御装置と、前記電力変換装置の出力電力の位相の基準となる同期信号を生成し、前記複数の制御装置へ送信する同期信号生成装置と、を具備する制御システムであって、
    前記制御装置それぞれは、
    前記電力線に電力を出力する他の一台以上の電力変換装置の制御装置と通信する通信部と、
    前記同期信号を、前記同期信号生成装置から受信する同期信号部と、
    前記同期信号に基づいて前記電力変換装置が前記電力線へ出力する電力の位相を制御し、前記同期信号の途絶を検知した場合、途絶前に受信された同期信号に基づいて、前記電力変換装置が前記電力線へ出力する電力の位相を制御する電力位相制御部と、
    前記電力位相制御部が前記途絶前に受信された同期信号に基づいて制御している間、前記同期信号を送信するマスターを決定するための情報を、前記他の電力変換装置の制御装置から受信するかまたは前記他の電力変換装置の制御装置へ送信するかのどちらか一方を行うよう前記通信部を制御する通信制御部と、
    を備える制御システム。
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