JP6113613B2 - ポリビニルピロリドン水溶液の製造方法 - Google Patents

ポリビニルピロリドン水溶液の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、臭気を低減させたポリビニルピロリドン水溶液を得るための製造方法に関する。
ポリビニルピロリドンは、化粧品、香粧品やスティックのりなどの用途に広く使用されている。しかし、ポリビニルピロリドンは、原料であるビニルピロリドンの製造時やその重合時に副生する不純物などによって臭気が発生し易い。
パウダー状の製品を製造する場合には、重合後の乾燥工程においてある程度の臭気が抜けるため、問題は比較的少ないが、乾燥工程を経ない水溶液を製品とする場合には、臭気を低減するために何らかの処理が通常必要であり、用途によっては臭気の一層の低減が求められている。
ポリビニルピロリドンの臭気を低減する方法は従来から提案されており、例えば、重合中や重合後に窒素ガスなどをバブリングする方法がある(特許文献1)。しかし、この方法では、臭気をある程度低減させることはできるものの、ポリビニルピロリドンの用途によってはその効果は十分とは言い難い。
また、アルカリ性条件下で過酸化水素を添加した後に粉末化する方法も提案されている(特許文献2)。この方法は、臭気を低減する効果はより優れているものの、ポリビニルピロリドンを乾燥して粉末化する工程が必要であり、特に、製品としてのポリビニルピロリドンを水溶液で使用する場合には、再度、水に溶解しなければならず、簡便な方法とは言い難い。
上記のように、重合により得られたポリビニルピロリドン水溶液を、望ましくは乾燥工程を経ないで、臭気を十分に低減させることのできる簡便な製造方法は、未だ得られていないのが実情である。
特開2003−119201号公報 特開2004−292500号公報
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、臭気を十分に低減させたポリビニルピロリドン水溶液がより簡便に得られる製造方法を提供することを課題とする。
本発明のポリビニルピロリドン水溶液の製造方法は、上記の課題を解決するために、ポリビニルピロリドンを含む水溶液を、減圧式押出装置内で、減圧下、脱水する脱水工程を含むものとする。
上記本発明の製造方法においては、上記押出装置として二軸押出装置を用い、脱水工程において、ポリビニルピロリドンを含む水溶液に含まれる水を10〜95質量%除去することが好ましい。
上記脱水工程において、押出装置内を50〜300℃に加熱し、かつ0.01〜15kPaに減圧することが好ましい。
本発明の製造方法は、上記脱水工程で除去した水100質量部に対して、50〜150質量部の割合の水をポリビニルピロリドン水溶液に添加する給水工程をさらに含むものとすることができる。
上記脱水工程は2回以上繰り返すことが好ましい。
本発明のポリビニルピロリドン水溶液の製造方法によれば、乾燥工程を経ない簡便な方法でありながら、臭気が十分に低減したポリビニルピロリドン水溶液が得られるため、従来より高品質のポリビニルピロリドン水溶液を提供することが可能となる。また、所望の濃度のポリビニルピロリドン水溶液が容易に得られるという利点もある。
本発明の一実施形態を説明するための模式断面図である。
1……減圧式押出装置
2……スクリュー
3,5……排水口
4,6……給水口
以下、図を用いて本発明の実施形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は本発明の製造方法の一実施形態を説明するための模式断面図であり、符号1は減圧式押出装置(以下、単に押出装置という場合もある)の要部を示し、符号2は押出装置1の内部に装置長手方向に設けられたスクリュー、符号3,5は押出装置内部の水を排出するための排水口、符号4,6は装置内部に水を供給するための給水口をそれぞれ示す。
本発明の製造方法において、ポリビニルピロリドン水溶液は、図中に黒矢印で示されたように、押出装置1の長手方向の一方の端部から本装置内に導入され、スクリュー2の回転によって装置内を送液され、押出装置1の他方の端部から吐出される。
上記押出装置1の内壁は加熱装置(図示せず)によって所望の温度に加熱することができ、押出装置1の両端部、排水口3,5及び給水口4,6は気密に保たれ、押出装置1の内部は所望の気圧に減圧できるようになされている。
押出装置1内を所定の温度及び気圧に保持し、この押出装置1内においてポリビニルピロリドン水溶液をスクリュー2の回転によって送液して、ポリビニルピロリドン水溶液から水分が蒸発すると、その水分を排水口3から排出する。蒸発した水分には臭気の原因物質も含まれており、共に排出されるため、ポリビニルピロリドン水溶液は脱臭される。本発明では、この工程を「脱水工程」と称する。
好ましくは、その脱水した量と同量程度の水を給水口4から水溶液に供給することにより脱水前の水溶液の濃度に戻す。この工程を「給水工程」と称する。
好ましくは、排水口5からも上記と同様に蒸発した水分を排出し、給水口6から脱水した量と同量程度の新しい水を給水口4から水溶液に供給する。すなわち、脱水工程と給水工程をそれぞれ2回繰り返す。供給する水は、純度が高いことが好ましいので、例えばイオン交換水を好適に使用できるが、水道水を使用することもできる。
本発明で使用する上記減圧式押出装置は、特に限定されず、樹脂の押出成形等に従来から使用されているものが利用でき、単軸(一軸)でも多軸でもよいが、ポリビニルピロリドン水溶液の搬送性と処理効率の点から二軸押出装置が好ましい。
脱水工程と給水工程を複数回繰り返すには、図1のように排水口と給水口とを複数有する押出装置は必ずしも必要ではなく、排水口と給水口とを一つずつ有する押出装置を用いて操作を繰り返すこともできる。また、図1のように排水口と給水口とを複数有する押出装置は、排水口と給水口とを一つずつ有する押出装置を複数台直列に並べて構成することもできる。
上記脱水工程において、押出装置内の圧力は、臭気低減効果がより優れる点から0.01〜15kPaが好ましく、0.2〜10kPaがより好ましい。また、押出装置内の温度は、臭気低減効果とポリビニルピロリドンの熱劣化防止との兼ね合いから90〜300℃であることが好ましく、90〜200℃であることがより好ましく、100〜160℃であることがさらに好ましい。圧力と温度を上記範囲内とすることにより、着色を防止しつつ臭気をより低減できるとともに、突沸等の不具合が防止できるため作業性もより良好となる。
押出装置内におけるビニルピロリドン水溶液の送液量(処理量)は、装置の大きさや処理能力によって適宜調整されるため特に限定されるものではないが、通常は1〜100kg/時間程度である。
上記脱水工程で脱水する水の量は、脱水前の水100質量部に対して10〜95質量部の割合が好ましい。この範囲内とすることにより、臭気をより低減することができるとともに、上記水溶液の粘度をより適切に保ち、よって機械の不具合発生を防止し、また作業性を良好に保つことができる。この脱水量は、上記押出装置内の温度、圧力、及び水溶液の送液量等を調整することにより所望の範囲に調整することができる。
給水工程では、上記脱水工程で脱水した水100質量部に対して50〜150質量部の水を混合して、もとの水溶液と同程度の濃度に戻すことが好ましい。これによっても、臭気低減効果と作業性をさらに向上させることができる。
上記脱水工程と給水工程は、2回以上繰り返して行うことが好ましく、繰り返すほど、臭気をより低減することができる。繰り返し回数の上限は特に限定されないが、コストを考慮すると、5回以下が好ましい。
なお、最後の給水工程では、水溶液が所望の濃度となるように水を混合することにより、ポリビニルピロリドン水溶液の使用段階での工程を一段階省略することも可能となる。
また、本発明の製造方法に使用するポリビニルピロリドンは特に限定されず、従来公知の方法で製造することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。以下において、「部」又は「%」とあるのは、特にことわらない限り、質量基準とする。
[製造例1(ポリビニルピロリドン水溶液の製造)]
ビニルピロリドン400kg、水1600kgからなる水溶液を、窒素パージしながら70℃に加熱し、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)400gを添加して重合を開始した。反応液の温度を90℃にし、2時間後、さらに2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を400g添加した。重合開始3時間後、重合率が99%以上であることを紫外吸光度(UV)検出器を備えた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して確認し、粗製ポリビニルピロリドン水溶液(濃度:20重量%、K値:90.5)を得た。
[実施例1〜8、比較例1〜3]
製造例1で得られた20重量%ポリビニルピロリドン水溶液を、表1に記載の方法及び条件で処理した。表1中、「押出」とあるのはスクリュー径25mmの二軸押出装置を示し、「撹拌」とあるのは容量5mでアンカ翼を備えた攪拌槽を示し、釜底より100L/分の流量で窒素ガスをバブリングした。
得られた処理液について、下記の方法で臭気評価および色相評価を行った。結果を表1に示す。
(臭気評価)
100mlのガラス瓶に10gのポリビニルピロリドン水溶液を量りとり、蓋を閉め、25℃で24時間放置した。その後、10名のパネラーが表1に示す評価基準に基づいて官能評価を行い、その平均値を求めた。なお、製造例1で得られたポリビニルピロリドン水溶液の臭気強度は3.6であった。
Figure 0006113613
(色相評価)
JIS K2321に準じて、色相(APHA)を測定した。
Figure 0006113613
表2に示された結果から、減圧式押出装置を用い、減圧下脱水する脱水工程を含む本発明の製造方法によれば、撹拌装置を用いる従来の方法と比較して臭気が大きく低減したポリビニルピロリドン水溶液が得られることが分かる。また、脱水工程に加えて給水工程を設けることにより臭気低減効果がより向上し、処理回数を増やすほど臭気低減効果が向上することも分かる。
本発明のポリビニルピロリドン水溶液は、臭気の低減が特に求められている、化粧品、香粧品やスティックのりなどの用途にも使用することが可能である。

Claims (5)

  1. ポリビニルピロリドンを含む水溶液を、減圧式押出装置内で、減圧下、脱水する脱水工程を含むことを特徴とする、ポリビニルピロリドン水溶液の製造方法。
  2. 前記押出装置が二軸押出装置であり、
    前記脱水工程において、ポリビニルピロリドンを含む水溶液に含まれる水を10〜95質量%除去する
    ことを特徴とする、請求項1に記載のポリビニルピロリドン水溶液の製造方法。
  3. 前記脱水工程において、前記押出装置内を50〜300℃に加熱し、かつ0.01〜15kPaに減圧する
    ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のポリビニルピロリドン水溶液の製造方法。
  4. 前記脱水工程で除去した水100質量部に対して50〜150質量部の割合の水をポリビニルピロリドン水溶液に添加する給水工程をさらに含む
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリビニルピロリドン水溶液の製造方法。
  5. 前記脱水工程を2回以上繰り返す
    ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリビニルピロリドン水溶液の製造方法。
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