JP6112514B2 - 多能性(pluripotency)を有する幹細胞の培養方法 - Google Patents

多能性(pluripotency)を有する幹細胞の培養方法 Download PDF

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Description

本開示は多能性を有する幹細胞の培養方法、多能性を有する幹細胞の培養中に発生した又は発生しうる未分化状態を脱した細胞を除去する方法、多能性を有する幹細胞の未分化状態を維持する方法、これらの方法に使用する組成物、及び、これらの方法に使用するキットに関する。
ヒトiPS細胞などの多能性幹細胞を大量培養する際には、一連の増幅培養(継代培養)の繰り返しにより多くの未分化な細胞を調製する。この一連の培養において、未分化状態から逸脱した細胞“脱未分化細胞”が偶発的に発生することが知られている。
この脱未分化細胞は、未分化細胞とほぼ同等の分裂能力を有し、かつ、未分化細胞から脱未分化細胞への転換を誘発することが知られている。すなわち、脱未分化細胞が発生すると、その増殖速度は未分化細胞のそれを上回り、未分化細胞の増殖が抑制される。
脱未分化細胞の発生は、熟練してない培養操作者による培養で多く観察される。また、コロニーサイズの過大や、コロニー同士の合一が発生の一因であると知られている。よって、低コンフルエントでの継代、播種時の均一性維持により、脱未分化細胞の発生頻度をある程度下げることができる。また、近年の開発された培地によっても、脱未分化細胞の発生頻度がある程度抑制されている。しかしながら、それでも脱未分化細胞は偶発的に発生し、発生した場合には、脱未分化細胞を含むコロニーを除去することが未だ必須である。
脱未分化細胞を含むコロニーは、未分化状態を維持するため、継代時に顕微鏡下のピペッティング作業により丁寧に除去される。このようなコロニー除去の手技を模した装置、例えば、観察装置とロボットハンドリングによるピペッティングを組み合せた装置も開発されている。
また、特許文献1には、iPS細胞等の多能性幹細胞の未分化を維持しつつ増殖させるために、アクチビン存在下で多能性幹細胞を培養することを開示する。
特開2012−143229号公報
上述したとおり、ヒトiPS細胞等の多能性幹細胞の継代培養では、脱未分化現象を引き起こしやすく、未分化維持が困難で、数回の継代後には多くのiPS細胞コロニーが脱未分化現象を引き起こし、未分化状態を脱した細胞を含む劣化コロニーとなりうる。よって、丁寧な培養、及び、丁寧なコロニーの選別という煩雑な操作が不可欠となる。幹細胞産業を促進する点からも、煩雑な操作が少なく、熟練者でなくても可能な、多能性幹細胞の未分化維持方法が望まれている。
本開示は、一態様において、多能性(“pluripotency”、以下同様)を有する幹細胞の培養中のコロニーに発生する「未分化状態を脱した細胞」を除去できる方法を提供する。
本開示は、一態様において、多能性を有する幹細胞の培養方法であって、細胞間接着を阻害可能な物質の存在下で細胞培養することを含む方法に関する。本開示は、その他の態様において、多能性を有する幹細胞の培養中に発生した又は発生しうる未分化状態を脱した細胞を除去する方法であって、細胞間接着を阻害可能な物質の存在下で細胞培養することを含む方法に関する。本開示は、その他の態様において、多能性を有する幹細胞の未分化状態を維持する方法であって、細胞間接着を阻害可能な物質の存在下で細胞培養することを含む方法に関する。本開示は、その他の態様において、本開示にかかる上述の方法に使用するための、細胞間接着を阻害可能な物質を含む組成物に関する。本開示は、その他の態様において、多能性を有する幹細胞用の培地成分と細胞間接着を阻害可能な物質とを含むキットに関する。
本開示によれば、一態様において、多能性を有する幹細胞の培養中のコロニーに発生する「未分化状態を脱した細胞」を除去できるという効果が奏されうる。
図1は、本開示の一実施形態における、多能性を有する幹細胞の培養中のコロニーに発生した「未分化状態を脱した細胞」が、細胞間接着を阻害可能な物質の添加により除去される様子を説明する図である。 図2は、本開示の一実施形態における、多能性を有する幹細胞の培養中のコロニーに発生した「未分化状態を脱した細胞」が、細胞間接着を阻害可能な物質の添加により除去される様子を説明する図である。 図3は、本開示の一実施形態における、多能性を有する幹細胞の培養中のコロニーに発生する「未分化状態を脱した細胞」が、細胞間接着を阻害可能な物質の添加により除去される様子を説明する図である。 図4は、本開示の一実施形態における、多能性を有する幹細胞の培養中のコロニーに発生する「未分化状態を脱した細胞」が、細胞間接着を阻害可能な物質の添加により除去される様子を説明する図である。 図5は、実施例で行った実験のスケジュールを説明する図である。 図6は、終濃度100nMのHA−1をday3に添加した時の顕微鏡観察写真の一例である。 図7は、終濃度50nMのHA−1をday3に添加した時の顕微鏡観察写真の一例である。 図8は、終濃度10nMのHA−1をday3に添加した時の顕微鏡観察写真の一例である。 図9は、終濃度1nMのHA−1をday3に添加した時の顕微鏡観察写真の一例である。 図10は、終濃度100nMのHA−2をday3に添加した時の顕微鏡観察写真の一例である。 図11は、終濃度50nMのHA−2をday3に添加した時の顕微鏡観察写真の一例である。 図12は、終濃度1nMのHA−2をday3に添加した時の顕微鏡観察写真の一例である。 図13は、終濃度100nMのHA−2をday3に添加した時の顕微鏡観察写真の一例である。 図14は、終濃度50nMのHA−3をday3に添加した時の顕微鏡観察写真の一例である。 図15は、終濃度10nMのHA−3をday3に添加した時の顕微鏡観察写真の一例である。 図16は、終濃度100、50、及び10nMのHA−4をday3に添加した時の顕微鏡観察写真の一例である。 図17は、MEFフィーダ細胞を用いた多能性を有する幹細胞の培養時の顕微鏡観察写真の一例である。 図18は、Rac−1 inhibitorをday3に添加した後、終濃度50nMのHA−1をday5に添加した時の顕微鏡観察写真の一例である。 図19は、多能性を有する幹細胞のフィーダレス培養時の顕微鏡観察写真の一例である。 図20は、201B7株又は454E−2株を用いた時の顕微鏡観察写真の一例である。 図21は、実施例で行った実験のスケジュールを説明する図である。 図22は、継代培養時の未分化コロニーの割合を示すグラフである。
本開示は、一態様において、多能性を有する幹細胞を、細胞間接着を阻害可能な物質の存在下で培養すると、培養中のコロニー内に発生した及び/又は発生する未分化状態を脱した細胞を除去することができる、という知見に基づく。また、本開示は、一態様において、培養細胞中に未分化細胞と未分化状態を脱した細胞とが混合している場合において、細胞間接着を阻害可能な物質が、未分化状態を脱した細胞を選択的に除去できるという知見に基づく。
本開示における、細胞間接着を阻害可能な物質の添加により、多能性を有する幹細胞の培養中のコロニーに発生した「未分化状態を脱した細胞」を除去する、限定されない一又は複数の実施形態を、図1に基づき説明する。図1Aは、プレート上で培養される未分化状態の細胞コロニーの中央部に、未分化状態を脱した細胞が発生した状態を示す。この状態で培養液に「細胞間接着を阻害可能な物質」を添加すると、未分化状態を脱した細胞が除去され始め(図1B)、やがて、コロニー中央部から未分化を脱した細胞が消滅する(図1C)。その後培養を続けることにより未分化状態の細胞が増殖し、未分化状態のコロニーが形成される(図1D)。同図に示すとおり、本開示によれば、限定されない一又は複数の実施形態において、「未分化状態を脱した細胞」を“消しゴムで消すように”取り除くことができる。
図1の実施形態において未分化状態を脱した細胞が除去されるメカニズムは以下のように推定されるが、本開示はこれらのメカニズムに限定して解釈されなくてもよい。まず、未分化状態を脱した細胞は、未分化状態の細胞よりも細胞間接着及び足場への接着が弱く、細胞間にギャップができやすくなると考えられる(図2A)。この細胞間のギャップに細胞間接着を阻害可能な物質が入り込むことにより、未分化状態を脱した細胞の細胞間接着はさらに弱くされ、形態変化が生じ、細胞増殖が抑制されると考えられる(図2B)。また、このとき、培養面の足場との細胞接着が弱くなった未分化状態を脱した細胞は、浮遊し、アポトーシスにより取り除かれると考えられる(図2B)。周囲の未分化状態の細胞が増殖するにつれ、未分化状態を脱した細胞は中央部分に押し込まれ(図2C)、最終的にはアポトーシスにより排除される(図2D)。
本開示における、細胞間接着を阻害可能な物質の添加により、多能性を有する幹細胞の培養中のコロニーに発生する「未分化状態を脱した細胞」を除去する、限定されない一又は複数の実施形態を、図3に基づき説明する。図3Aは、プレート上で培養される未分化状態の細胞コロニーを示す。この状態で培養液に「細胞間接着を阻害可能な物質」を添加すると、このコロニーに未分化状態を脱した細胞が発生しても(図3B)、未分化状態を脱した細胞の増殖が抑制され、やがて、除去される(図3C)。その後培養を続けることにより未分化状態のコロニーが形成され続ける(図3D)。
図3の実施形態において未分化状態を脱した細胞が除去されるメカニズムは以下のように推定されるが、本開示がこれらのメカニズムに限定して解釈されなくてもよい。最初は未分化状態の細胞のコロニーであり、相互の細胞間接着が強いと考えられる(図4A)。このコロニーに偶発的に未分化状態を脱した細胞が発生する(図4B)。未分化状態を脱した細胞は、未分化状態の細胞よりも細胞間接着が弱く、細胞間にギャップができやすくなると考えられる。この細胞間のギャップに細胞間接着を阻害可能な物質が入り込むことにより、未分化状態を脱した細胞の細胞間接着はさらに弱くされ、形態変化が生じ、細胞増殖が抑制されると考えられる。また、このとき、培養面との細胞接着がなくなった未分化状態を脱した細胞は、増殖を続ける周囲の未分化状態の細胞に押し出され、アポトーシスにより取り除かれると考えられる(図4C)。
よって、本開示は、一態様において、多能性を有する幹細胞の培養方法であって、細胞間接着を阻害可能な物質の存在下で細胞培養することを含む方法(以下、「本開示にかかる培養方法」ともいう。)に関する。本開示にかかる培養方法によれば、一態様において、多能性を有する幹細胞の培養中のコロニーに発生する「未分化状態を脱した細胞」を除去できるという効果が奏されうる。
したがって、本開示は、その他の態様において、多能性を有する幹細胞の培養中に発生した又は発生しうる未分化状態を脱した細胞を除去する方法であって、細胞間接着を阻害可能な物質の存在下で細胞培養することを含む方法(以下、「本開示にかかる除去方法」ともいう。)に関する。本開示にかかる培養方法、及び/又は、本開示にかかる除去方法によれば、一態様において、未分化状態を脱した細胞が発生し劣化した未分化状態の細胞のコロニーから、未分化状態を脱した細胞を除去し、未分化状態の細胞のコロニー又は未分化状態の細胞からなるコロニーとすることができる。
したがって、本開示は、その他の態様において、未分化状態を脱した細胞が発生し劣化したコロニーから未分化状態の細胞からなるコロニーを形成する方法であって、細胞間接着を阻害可能な物質の存在下で前記劣化したコロニーを培養することを含む方法(以下、「本開示にかかるコロニー形成方法」ともいう。)に関する。
また、本開示にかかる培養方法、及び/又は、本開示にかかる除去方法によれば、一態様において、未分化状態細胞又は未分化状態細胞のみを培養することができる。したがって、本開示は、その他の態様において、多能性を有する幹細胞の未分化状態を維持する方法であって、細胞間接着を阻害可能な物質の存在下で細胞培養することを含む方法(以下、「本開示にかかる維持方法」ともいう。)に関する。
[多能性を有する幹細胞]
本開示において、多能性を有する幹細胞は、限定されない一又は複数の実施形態において、ヒト多能性(pluripotent)幹細胞である。本開示において、ヒト多能性幹細胞は、限定されない一又は複数の実施形態において、ヒトiPS細胞又はヒトES細胞である。
[未分化状態を脱した細胞]
本開示において、未分化状態を脱した細胞とは、限定されない一又は複数の実施形態において、細胞の形態が未分化状態の細胞のそれとは異なり、判別可能である。本開示において「未分化状態を脱した細胞」は、「脱未分化細胞」又は「未分化逸脱細胞」とも言う場合がある。脱未分化細胞となったことは、限定されない一又は複数の実施形態において、未分化マーカーの消失で確認できる。前記未分化マーカーは、限定されない一又は複数の実施形態において、Oct3/4、Nanog、SSEA−4、TRA−1−60である。
[細胞間接着を阻害可能な物質]
本開示において、細胞間接着を阻害可能な物質は、限定されない一又は複数の実施形態において、E−カドヘリンの機能阻害活性を有する物質である。本開示において、細胞間接着を阻害可能な物質は、限定されない一又は複数の実施形態において、効率的に脱未分化細胞を除去する観点から、E−カドヘリンの機能阻害活性に加え、細胞表面への結合能を有することが好ましい。前記細胞表面への結合能は、限定されない一又は複数の実施形態において、多能性を有する幹細胞の細胞表面への結合能である。
〔HA〕
本開示において、細胞間接着を阻害可能な物質は、限定されない一又は複数の実施形態において、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)の神経毒素複合体におけるヘマグルチニン(HA)である。本開示において、細胞間接着を阻害可能な物質は、限定されない一又は複数の実施形態において、効率的に脱未分化細胞を除去する観点から、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)の神経毒素複合体における3つのヘマグルチニンサブコンポーネントHA1(HA33)、HA2(HA17)、及び、HA3(HA70)からなる群から選択される2又は3成分で構成される複合体又はその複合体を含むものである。また、細胞間接着を阻害可能な物質は、限定されない一又は複数の実施形態において、効率的に脱未分化細胞を除去する観点から、HA2(HA17)及びHA3(HA70)で構成される複合体若しくは3成分で構成される複合体又はその複合体を含むものである。前記サブコンポーネントHA3(HA70)は、一又は複数の実施形態において、E−カドヘリンの機能阻害活性を発現する観点、及び、効率的に脱未分化細胞を除去する観点から、A型又はB型のボツリヌス菌のものであることが好ましい。また、サブコンポーネントHA1(HA33)及びHA2(HA17)は、限定されない一又は複数の実施形態において、A型、B型、及びC型のいずれのボツリヌス菌のものであってもよい。HAは、限定されない一又は複数の実施形態において、各サブコンポーネントは、それぞれ、リコンビナントであってもよく、天然型であってもよい。
[細胞間接着を阻害可能な物質の存在下での細胞培養]
本開示において、「細胞間接着を阻害可能な物質の存在下での細胞培養」は、従来用いられる及び/又は今後開発される、多能性を有する幹細胞の培養条件及び培養培地等を採用でき、該培養条件の培地に細胞間接着を阻害可能な物質を存在させることで行える。限定されない一又は複数の実施形態において、細胞間接着を阻害可能な物質を培養中の培養培地に添加してもよく、或いは、細胞間接着を阻害可能な物質を予め添加した培地を使用して培養してもよい。培養培地、培養プレート等は市販のものを使用してもよい。
「細胞間接着を阻害可能な物質」は、脱未分化細胞を確認してから培地に添加してもよく、脱未分化細胞が発生しない段階で培地に添加してもよい。
培地に存在させる「細胞間接着を阻害可能な物質」の濃度は、限定されない一又は複数の実施形態において、脱未分化細胞を除去できる実質的な有効濃度であり、当業者であれば設定できる。培地に存在させる「細胞間接着を阻害可能な物質」の濃度は、限定されない一又は複数の実施形態において、効率的に脱未分化細胞を除去する観点から、5nM以上、10nM以上、又は15nM以上が挙げられる。同様の観点から、200nM以下、150nM以下、又は100nM以下である。
「細胞間接着を阻害可能な物質」を培地に存在させる限定されない一又は複数の実施形態として、次の培地交換を区切りとして単回の投与でもよく、連続の投与でもよく、断続的な投与でもよい。
本開示において、細胞培養は、限定されない一又は複数の実施形態において、継代培養を含む。本開示にかかる培養方法、及び/又は、本開示にかかる除去方法によれば、一態様において、継代培養後に形成されるコロニーにおける未分化コロニー(未分化細胞で形成され、未分化逸脱細胞を実質的に含まないコロニー)の割合を向上できるという効果を奏する。継代は、限定されない一又は複数の実施形態において、従来公知及び今後開発される手法により行うことができる。
本開示において、細胞培養は、限定されない一又は複数の実施形態において、フィーダ細胞を用いた培養であってもよいし、フィーダレス培養であってもよい。フィーダ細胞は、限定されない一又は複数の実施形態において、MEF(Mouse Embryo Fibroblast)細胞、SL10、及びSNL 76/7フィーダ細胞等が挙げられる。フィーダ細胞は、限定されない一又は複数の実施形態において、フィーダ細胞の中でも、多能性を有する幹細胞の遊走速度が比較的ゆっくりなフィーダ細胞が好ましい。フィーダ細胞は、限定されない一又は複数の実施形態において、多能性を有する幹細胞の遊走が比較的ゆっくりであり、多能性を有する幹細胞の培養中のコロニーに未分化逸脱細胞をコロニー中央部に発生させることができる点から、SNL 76/7フィーダ細胞が好ましい。
細胞培養は、限定されない一又は複数の実施形態において、効率よく未分化逸脱細胞を除去できる点から、多能性を有する幹細胞の培養中のコロニー中央部に未分化逸脱細胞を発生させることができる条件で行うことが好ましい。限定されない一又は複数の実施形態において、多能性を有する幹細胞の遊走を阻害及び/又は抑制することによって、コロニー中央部に未分化逸脱細胞を効率よく発生させることができる。
本開示は、その他の一態様において、多能性を有する幹細胞の培養方法であって、遊走を阻害可能な物質の存在下で細胞を培養すること、及び細胞間接着を阻害可能な物質の存在下で細胞培養することを含む方法に関する。本態様にかかる培養方法によれば、一態様において、多能性を有する幹細胞の培養中のコロニーに未分化逸脱細胞をコロニー中央部に発生させることができることから、効率よく未分化逸脱細胞を除去できるという効果が奏されうる。
本開示は、その他の態様において、多能性を有する幹細胞の培養中に発生した又は発生しうる未分化逸脱細胞を除去する方法であって、遊走を阻害可能な物質の存在下で細胞を培養すること、及び細胞間接着を阻害可能な物質の存在下で細胞培養することを含む方法に関する。本態様にかかる培養方法、及び/又は、本態様にかかる除去方法によれば、一態様において、未分化逸脱細胞が発生し劣化した未分化状態の細胞のコロニーから、未分化逸脱細胞を除去し、未分化状態の細胞のコロニー又は未分化状態の細胞からなるコロニーとすることができる。
本開示は、その他の態様において、未分化逸脱細胞が発生し劣化したコロニーから未分化状態の細胞からなるコロニーを形成する方法であって、遊走を阻害可能な物質の存在下で細胞を培養すること、及び細胞間接着を阻害可能な物質の存在下で前記劣化したコロニーを培養することを含む方法に関する。
本開示において、遊走を阻害可能な物質は、限定されない一又は複数の実施形態において、多能性を有する幹細胞の遊走に関連する物質の活性を抑制/阻害する物質等が挙げられる。本開示において、遊走を阻害可能な物質は、限定されない一又は複数の実施形態において、遊走阻害剤が挙げられる。遊走を阻害可能な物質は、限定されない一又は複数の実施形態において、Rac−1阻害剤等が挙げられる。培地に存在させる「遊走を阻害可能な物質」の濃度は、限定されない一又は複数の実施形態において、未分化逸脱細胞を効率的にコロニー中央部に移動させ、未分化逸脱細胞を効率的に除去する観点から、50μM以上、100μM以上、又は150μM以上であり、同様の観点から、200μM以下である。
遊走を阻害可能な物質は、限定されない一又は複数の実施形態において、培養開始時に培地に添加してもよいし、培地交換時に添加してもよい。遊走を阻害可能な物質は、限定されない一又は複数の実施形態において、未分化逸脱細胞が発生しない段階で培地に添加してもよいし、未分化逸脱細胞を確認してから培地に添加してもよい。
本開示にかかる培養方法、及び/又は、本開示にかかる除去方法によれば、細胞間接着を阻害可能な物質の存在下で細胞培養することによって、一態様において、閉鎖空間を維持しながら自動的にコロニーから未分化逸脱細胞を除去できる。また、一態様において、人為的な操作及び/又は確認や、ロボット等の特殊な装置等を用いない場合であっても自動的にコロニーから未分化逸脱細胞を除去できる。また、本開示にかかる培養方法、及び/又は、本開示にかかる除去方法によれば、一態様において、さらには、形成されるコロニーを、自動的に未分化状態の細胞のコロニー又は未分化状態の細胞からなるコロニーとすることができる。
したがって、本開示にかかる培養方法、及び/又は、本開示にかかる除去方法を用いることによって、自動培養装置において、未分化状態の細胞のコロニー又は未分化状態の細胞からなるコロニーを効率的に得ることができ、さらには未分化状態の細胞を簡単かつ効率よく大量生産することができる。
本開示は、その他の態様において、細胞間接着を阻害可能な物質を含む組成物(以下、「本開示にかかる組成物」ともいう。)に関する。本開示にかかる組成物における「細胞間接着を阻害可能な物質」は、上述のとおりである。本開示にかかる組成物は、本開示にかかる培養方法、本開示にかかる除去方法、本開示にかかるコロニー形成方法、及び/又は本開示にかかる維持方法のために使用できる。したがって、本開示は、その他の態様において、本開示にかかる培養方法、本開示にかかる除去方法、本開示にかかるコロニー形成方法、及び/又は本開示にかかる維持方法における前記「細胞間接着を阻害可能な物質」の使用に関する。
本開示は、その他の態様において、多能性を有する幹細胞用の培地成分と細胞間接着を阻害可能な物質とを含むキット(以下、「本開示にかかるキット」ともいう。)に関する。本開示にかかるキットにおける「細胞間接着を阻害可能な物質」は、上述のとおりである。本開示にかかるキットは、本開示にかかる培養方法、本開示にかかる除去方法、本開示にかかるコロニー形成方法、及び/又は本開示にかかる維持方法のために使用できる。多能性を有する幹細胞用の培地成分は、特に限定されず、従来使用される又は今後開発されるものを使用できる。
本開示はさらに以下の限定されない一又は複数の実施形態に関する。
〔1〕 多能性を有する幹細胞の培養方法であって、細胞間接着を阻害可能な物質の存在下で細胞培養することを含む、方法。
〔2〕 多能性を有する幹細胞の培養中に発生した又は発生しうる未分化状態を脱した細胞を除去する方法であって、細胞間接着を阻害可能な物質の存在下で細胞培養することを含む、方法。
〔3〕 多能性を有する幹細胞の未分化状態を維持する方法であって、細胞間接着を阻害可能な物質の存在下で細胞培養することを含む、方法。
〔4〕 多能性を有する幹細胞が、ヒト多能性幹細胞である、〔1〕から〔3〕のいずれかに記載の方法。
〔5〕 ヒト多能性幹細胞が、ヒトiPS細胞又はヒトES細胞である、〔4〕記載の方法。
〔6〕 細胞間接着を阻害可能な物質が、E−カドヘリンの機能阻害活性を有する物質である、〔1〕から〔5〕のいずれかに記載の方法。
〔7〕 細胞間接着を阻害可能な物質が、さらに、細胞表面への結合能を有する物質である、〔6〕記載の方法。
〔8〕 細胞間接着を阻害可能な物質が、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)の神経毒素複合体におけるヘマグルチニン(HA)である、〔1〕から〔7〕のいずれかに記載の方法。
〔9〕 細胞間接着を阻害可能な物質が、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)の神経毒素複合体における3つのヘマグルチニンサブコンポーネントHA1、HA2、及び、HA3からなる群から選択される2又は3成分で構成される複合体である、〔1〕から〔8〕のいずれかに記載の方法。
〔10〕 前記複合体のHA3サブコンポーネントは、A型又はB型のボツリヌス菌のものである、〔9〕記載の方法。
〔11〕 培養が、継代培養である、〔1〕から〔10〕のいずれかに記載の方法。
〔12〕 細胞間接着を阻害可能な物質を含む、多能性を有する幹細胞の培養のための、組成物。
〔13〕 細胞間接着を阻害可能な物質を含む、多能性を有する幹細胞の培養中に発生した又は発生しうる未分化状態を脱した細胞を除去するための、組成物。
〔14〕 細胞間接着を阻害可能な物質を含む、多能性を有する幹細胞の未分化状態を維持するための、組成物。
〔15〕 多能性を有する幹細胞が、ヒト多能性幹細胞である、〔12〕から〔14〕のいずれかに記載の組成物。
〔16〕 ヒト多能性幹細胞が、ヒトiPS細胞又はヒトES細胞である、〔15〕記載の組成物。
〔17〕 細胞間接着を阻害可能な物質が、E−カドヘリンの機能阻害活性を有する物質である、〔12〕から〔16〕のいずれかに記載の組成物。
〔18〕 細胞間接着を阻害可能な物質が、さらに、細胞表面への結合能を有する物質である、〔17〕記載の組成物。
〔19〕 細胞間接着を阻害可能な物質が、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)の神経毒素複合体におけるヘマグルチニンである、〔12〕から〔18〕のいずれかに記載の組成物。
〔20〕 細胞間接着を阻害可能な物質が、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)の神経毒素複合体における3つのヘマグルチニンサブコンポーネントHA1、HA2、及び、HA3からなる群から選択される2又は3成分で構成される複合体である、〔12〕から〔19〕のいずれかに記載の組成物。
〔21〕 前記複合体のHA3サブコンポーネントは、A型又はB型のボツリヌス菌のものである、〔20〕記載の組成物。
〔22〕 培養が、継代培養である、〔12〕から〔21〕のいずれかに記載の組成物。
〔23〕 〔1〕から〔11〕のいずれかに記載の方法のための、〔12〕から〔22〕のいずれかに記載の組成物。
〔24〕 多能性を有する幹細胞用の培地成分と、細胞間接着を阻害可能な物質とを含む、キット。
〔25〕 多能性を有する幹細胞の培養中に発生する又は発生しうる未分化状態を脱した細胞を除去するための、〔24〕記載のキット。
〔26〕 多能性を有する幹細胞の培養のための、〔24〕記載のキット。
〔27〕 細胞間接着を阻害可能な物質を含む、多能性を有する幹細胞の培養中に発生した又は発生しうる未分化状態を脱した細胞を除去するための、〔24〕記載のキット。
〔28〕 多能性を有する幹細胞が、ヒト多能性幹細胞である、〔24〕から〔27〕のいずれかに記載のキット。
〔29〕 ヒト多能性幹細胞が、ヒトiPS細胞又はヒトES細胞である、〔28〕記載のキット。
〔30〕 細胞間接着を阻害可能な物質が、E−カドヘリンの機能阻害活性を有する物質である、〔24〕から〔29〕のいずれかに記載のキット。
〔31〕 細胞間接着を阻害可能な物質が、さらに、細胞表面への結合能を有する物質である、〔30〕記載のキット。
〔32〕 細胞間接着を阻害可能な物質が、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)の神経毒素複合体におけるヘマグルチニンである、〔24〕から〔31〕のいずれかに記載のキット。
〔33〕 細胞間接着を阻害可能な物質が、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)の神経毒素複合体における3つのヘマグルチニンサブコンポーネントHA1、HA2、及び、HA3からなる群から選択される2又は3成分で構成される複合体である、〔24〕から〔32〕のいずれかに記載のキット。
〔34〕 前記複合体のHA3サブコンポーネントは、A型又はB型のボツリヌス菌のものである、〔33〕記載のキット。
〔35〕 培養が、継代培養である、〔24〕から〔34〕のいずれかに記載のキット。
〔36〕 〔1〕から〔11〕のいずれかに記載の方法のための、〔24〕から〔35〕のいずれかに記載のキット。
〔37〕 〔1〕から〔11〕のいずれかに記載の方法における細胞間接着を阻害可能な物質の使用。
以下、実施例により本開示をさらに詳細に説明するが、これらは例示的なものであって、本開示はこれら実施例に制限されるものではない。
[ヘマグルチニン(HA)がiPS細胞に及ぼす影響(その1)]
図5に示す実験スケジュールに従ってiPS細胞を培養した。まず、フィーダ細胞上にiPS細胞を播種し(day 0)、24時間ごとに維持培地で培地交換した。3日後(day 3)においてHAを添加し24時間インキュベートし、PBSで2度洗浄して維持培地で培地交換した(day 4)。その後、9日後(day 9)まで24時間ごとに維持培地で培地交換した。培養後、培養された細胞のOct3/4の発現を免疫細胞染色法で確認し、また、DAPI染色を行った。使用した細胞、培地、HA、及び培養条件は以下のとおりである。
〔細胞〕
iPS細胞:Tic(Np 39)
フィーダ細胞:SNL 76/7(Np 5)マイトマイシン−c処理済み
〔培地〕
iPS細胞:Repro Stem(商品名、ReproCELL社製)、5ng/mL FGF−2
フィーダ細胞:DMEM(7%FBS,1%Penicillin−streptomycin solution)
〔容器〕
24ウェルプレート(底面積:1.9cm2/ウェル、培地量:0.4mL/ウェル)
〔HA〕
HA複合体試料として、下記表1に記載のボツリヌス菌の神経毒素複合体試料であるヘマグルチニンHA−1〜HA−4を使用した。なお、HA−1及びHA−2は、ともに、HA1〜3のサブコンポーネントが全てB型の複合体であり、別個に調製されたHA複合体試料である。HA−3は、HA1がC型でHA2及び3がB型のHA複合体試料である。HA−4は、HA1及び2がB型でHA3がC型のHA複合体試料である。
〔HA調製・添加方法〕
HAの希釈:同じ希釈系列に含まれるPBS濃度を同じにするため、2段階希釈を行った。まず、PBSでHAを段階希釈し、さらに、培地(Repro Stem)を用いて希釈した。(終濃度:100,50,10,1nM)
さらにbFGF(終濃度5ng/ml)を加え、iPS細胞に添加した。
〔培養条件〕
37℃、5%CO2雰囲気下
iPS細胞の継代後、t=72h(day 3)の培地交換において、HA−1〜4を各濃度で添加し、24時間培養した。その後、t=96h(day 4)の培地交換において、HA無添加の培地に切り替え、培養を継続した。
〔観察〕
day3、day4、day5、及びday9において、IN Cell Analyzer 2000(商品名、GEヘルスケアバイオサイエンス社製)で培養細胞を観察し画像を取得した。HA−1を100nM、50nM、10nM、及び、1nMで添加した場合の顕微鏡観察写真をそれぞれ図6、7、8、及び9に示す。
図6に示すとおり、HA−1を100nM添加した場合、day3の時点で発生していた脱未分化細胞は、day4以降観察できなかった。day4では、細胞間に隙間ができ、細胞がやや長く伸びた形態となった。day5以降、隙間が埋まり、細胞の形態が小さくなり、細胞同士が密集した敷石状の形態となり、コロニーの拡大が起こった。day9において、day5以降に発生した脱未分化細胞を含む領域が見られた。
図7に示すとおり、HA−1を50nM添加した場合、day3〜5では100nM添加した場合と同様であった。ただし、day9において脱未分化細胞は見られなかった。
図8に示すとおり、HA−1を10nM添加した場合、day4では、day3の時点で発生していた脱未分化細胞が減少しているように見えた。しかし、day5で再び脱未分化細胞の拡大が起こった。以降、脱未分化細胞の領域は、拡大した。
図9に示すとおり、HA−1を1nM添加した場合、day3以降、day3の時点で発生していた脱未分化細胞の領域の拡大が続いた。細胞の形態変化や脱未分化細胞の減少は、見られなかった。
HA−2を100nM、50nM、及び、1nMで添加した場合の顕微鏡観察写真をそれぞれ図10、11及び12に示す。図10に示すとおり、HA−2を100nM添加の場合は、HA−1を100nM添加の場合(図6)と同様であった。図11に示すとおり、HA−2を50nM添加の場合は、HA−1を50nM添加の場合(図7)と同様であった。図12に示すとおり、HA−2を1nM添加の場合は、HA−1を1nM添加の場合(図9)と同様であった。
HA−1及びHA−2の結果を下記表2にまとめる。表2に示すとおり、HA−1及びHA−2は、100nM及び50nM添加した場合、day3の時点で発生していた脱未分化細胞が縮小及び/又は消滅した。
図13に、継代時に持ち込んだ脱未分化細胞に対するHA−2の影響を観察した結果を示す。同図に示すとおり、HA−2を100nMで添加して24時間処理すると、脱未分化細胞が徐々に剥離した。
HA−3を50nM、及び10nMで添加した場合の顕微鏡観察写真をそれぞれ図14、及び15に示す。
図14に示すとおり、HA−3を50nM添加した場合、day3の時点で発生していた脱未分化細胞領域の拡大が止まり、day4以降、脱未分化細胞の増殖とともに脱未分化細胞領域は縮小していった。day9において、コロニーの中心の一部に脱未分化細胞が残った。day4において、iPS細胞間に隙間ができ、iPS細胞の形がやや長く伸びた形態となった。day5以降、iPS細胞の増殖に伴い、細胞同士が密集した敷石状の形態のiPS細胞で構成されたコロニーとなった。一方で、フィーダ細胞の剥離が起こった。なお、HA−3を100nM添加した場合も、HA−3を50nM添加した場合と同様な結果がえられた。
図15に示すとおり、HA−3を10nM添加した場合、day3以降、脱未分化細胞の領域の拡大が続いた。細胞の形態変化、脱未分化細胞の減少、及び、フィーダ細胞の剥離は観察できなかった。
HA−4を100nM、50nM、及び、10nMで添加した場合の顕微鏡観察写真を図16に示す。同図に示すとおり、day3の時点で発生していた脱未分化細胞の領域の拡大が続いた。しかし、HA−4が100nMの場合、脱未分化細胞領域の縮小が起きているかもしれない。
HA−3及びHA−4の結果を下記表2にまとめる。
前記表2に示すとおり、HA−1及びHA−2の場合、HA−3及び4の場合よりも効率よく脱未分化細胞の領域が縮小及び又は消滅した。また、HA−3の場合、HA−4の場合よりも効率よく脱未分化細胞の領域が縮小及び又は拡大抑制された。
[フィーダ細胞がiPS細胞に及ぼす影響]
フィーダ細胞上にiPS細胞を播種し、7日後まで24時間ごとに維持培地で培地交換した。培養後、培養された細胞のOct3/4の発現を免疫細胞染色法で確認し、また、DAPI染色を行った。使用した細胞、培地、及び培養条件は以下のとおりである。
〔細胞〕
iPS細胞:Tic(Np 39)
フィーダ細胞:MEF
〔培地〕
iPS細胞:Repro Stem(商品名、ReproCELL社製)、5ng/mL FGF−2
フィーダ細胞:DMEM(7%FBS,1%Penicillin−streptomycin solution)
〔容器〕
24ウェルプレート(底面積:1.9cm2/ウェル、培地量:0.4mL/ウェル)
〔培養条件〕
37℃、5%CO2雰囲気下
〔観察〕
day3、及びday7において、IN Cell Analyzer 2000(商品名、GEヘルスケアバイオサイエンス社製)で培養細胞を観察し画像を取得した。得られた顕微鏡観察写真を図17に示す。
図17に示すように、未分化逸脱細胞はコロニーの外縁部(外側)に発生した。
つぎに、培養開始から3日後(day3)に、遊走阻害剤であるRac−1 inhibitor(商品名:NSC23766、Calbiochem社製)を50、100又は150μM添加した以外は、上記と同様にして細胞培養及び観察を行った。得られた顕微鏡観察写真を図17に示す。
〔Rac−1 inhibitor調製・添加方法〕
Rac−1 inhibitor希釈:培地(Repro Stem)を用いて希釈した(終濃度:50又は100μM)。
さらにbFGF(商品名、ReproCELL社製、終濃度5ng/ml)を加え、iPS細胞に添加した。
図17に示すように、Rac−1 inhibitor未添加の場合にはコロニー外縁部に発生した未分化逸脱細胞が、遊走阻害剤であるRac−1 inhibitorを添加することによってコロニー中央部に発生した。細胞遊走を阻害することによって未分化逸脱細胞をコロニー中央部に発生させることができた。よって、細胞の遊走を阻害することによって未分化逸脱細胞をコロニー中央部に発生させることができ、これにより未分化逸脱細胞を除去できることが示唆された。
フィーダ細胞としてSNLフィーダ細胞を用い、Rac−1 inhibitor(50又は100μM)を培養開始から3日後(day3)に添加して培養を行ったところ、Rac−1 inhibitor未添加の場合と同様に、未分化逸脱細胞はコロニー中央部に発生した(date not shown)。
[ヘマグルチニン(HA)がiPS細胞に及ぼす影響(その2)]
Rac−1 inhibitorによって誘導された未分化逸脱細胞に及ぼすHAの影響を確認した。まず、フィーダ細胞上にiPS細胞を播種し(day 0)、24時間ごとに維持培地で培地交換した。3日後(day 3)において100μM Rac−1 inhibitorを添加し24時間インキュベートし、PBSで2度洗浄して維持培地で培地交換した(day 4)。5日後(day 5)においてHA−1を添加し24時間インキュベートし、PBSで2度洗浄して維持培地で培地交換した(day 6)。その後、8日後(day 8)まで24時間ごとに維持培地で培地交換した。培養後、培養された細胞のOct3/4の発現を免疫細胞染色法で確認し、また、DAPI染色を行った。使用した細胞、培地、及び培養条件は以下のとおりである。Rac−1 inhibitor及びHAの調製及び添加方法は上述の通りとした。
〔細胞〕
iPS細胞:Tic(Np 39)
フィーダ細胞:MEF
〔培地〕
iPS細胞:Repro Stem(商品名、ReproCELL社製)、5ng/mL bFGF(商品名、ReproCELL社製)
フィーダ細胞:DMEM(10%FBS(GIBCO社製),1%HEPES(sigma社製)、1%Penicillin−streptomycin(NACALAI TESQUE社製))
〔容器〕
24ウェルプレート(底面積:1.9cm2/ウェル、培地量:0.4mL/ウェル)
〔観察〕
day3、day4、day5、day6、及びday8において、IN Cell Analyzer 2000(商品名、GEヘルスケアバイオサイエンス社製)で培養細胞を観察し画像を取得した。得られた顕微鏡観察写真を図18に示す。
controlとして、HA−1の添加を行わなかった以外は、上記と同様の培養及び観察を行った。得られた顕微鏡観察写真を図18に示す。
図18に示すとおり、Rac−1 inhibitorの添加によりコロニー中心部に発生していた未分化逸脱細胞を含む領域が、HAの添加により、縮小及び/又は消滅したことが確認された。
[フィーダレス培養がiPS細胞に及ぼす影響]
培養面としてSynthemax Surface(商品名、Corning社製)を使用し、その上にiPS細胞を播種し、7日後まで24時間ごとに維持培地で培地交換した。培養後、培養された細胞のOct3/4の発現を免疫細胞染色法で確認し、また、DAPI染色を行った。使用した細胞、培地、及び培養条件は以下のとおりである。
〔細胞〕
iPS細胞:Tic(Np 39)
〔培地〕
mTeSR(R)1medium(商品名、STEMCELL Technologies社製)
〔容器〕
24ウェルプレート(底面積:1.9cm2/ウェル、培地量:0.4mL/ウェル)
〔培養条件〕
37℃、5%CO2雰囲気下
〔観察〕
day6において、IN Cell Analyzer 2000(商品名、GEヘルスケアバイオサイエンス社製)で培養細胞を観察し画像を取得した。
フィーダレス培養の場合もMEFフィーダ細胞と同様に、未分化逸脱細胞はコロニーの外縁部(外側)に発生した。
つぎに、培養開始から3日後(day3)に、Rac−1 inhibitorを100又は150μM添加した以外は、上記と同様にして細胞培養及び観察を行った。得られた顕微鏡観察写真を図19に示す。図19は、Rac−1 inhibitorが150μMの場合の顕微鏡観察写真である。図19に示すように、Rac−1 inhibitorを添加することによって、未分化逸脱細胞はコロニー中央部に発生させることができた。これにより、フィーダレス培養の場合も、細胞遊走を阻害することによって未分化逸脱細胞をコロニー中央部に発生させることができ、これにより未分化逸脱細胞を除去できることが示唆された。
[ヘマグルチニン(HA)がiPS細胞に及ぼす影響(その3)]
細胞として以下の細胞1又は2を使用し、HAとしてHA−1を使用し、HAの添加濃度を50nMとした以外は、ヘマグルチニン(HA)がiPS細胞に及ぼす影響(その1)と同じ条件で、培養及び観察を行った。得られた顕微鏡観察写真をそれぞれ図20に示す。
〔細胞1〕
〔細胞〕
iPS細胞:201B7株
フィーダ細胞:SNL76/7細胞
〔培地〕
iPS細胞:Repro Stem(商品名、ReproCELL社製)
フィーダ細胞:DMEM(7%FBS,1%Penicillin−streptomycin solution)
〔細胞2〕
〔細胞〕
iPS細胞:454E−2株
フィーダ細胞:SNL76/7細胞
〔培地〕
iPS細胞:Repro Stem(商品名、ReproCELL社製)
フィーダ細胞:DMEM(7%FBS,1%Penicillin−streptomycin solution)
図20に示すとおり、未分化逸脱細胞を含むコロニーは、HAを添加すると、脱未分化細胞の領域が縮小及び又は消滅した。
[ヘマグルチニン(HA)が継代に及ぼす影響]
図21に示す実験スケジュールに従ってiPS細胞を継代培養した。まず、フィーダ細胞上にiPS細胞を播種し(day 0)、24時間ごとに維持培地で培地交換した。3日後(day 3)においてHAを50nM添加し24時間インキュベートし、PBSで2度洗浄して維持培地で培地交換した(day 4)。その後、10日後(day 10)まで24時間ごとに維持培地で培地交換した。培養後、通常の操作で継代を行い、継代から3日後(day 13)においてHAを50nM添加し24時間インキュベートし、PBSで2度洗浄して維持培地で培地交換した(day 14)。その後、10日間の培養、継代、HAの添加及び培養(10日間)を行った。培養された細胞のOct3/4の発現を免疫細胞染色法で確認し、また、DAPI染色を行った。使用した細胞、培地、及び培養条件は以下のとおりである。HAとしては、HA−1を使用した。
〔細胞〕
iPS細胞:Tic(Np 39)
フィーダ細胞:SNL 76/7(Np 5)マイトマイシン−c処理済み
〔培地〕
iPS細胞:Repro Stem(商品名、ReproCELL社製)、5ng/mL FGF−2
フィーダ細胞:DMEM(7%FBS,1%Penicillin−streptomycin solution)
〔容器〕
24ウェルプレート(底面積:1.9cm2/ウェル、培地量:0.4mL/ウェル)
〔HA調製・添加方法〕
HAの希釈:同じ希釈系列に含まれるPBS濃度を同じにするため、2段階希釈を行った。まず、PBSでHAを段階希釈し、さらに、培地(Repro Stem)を用いて希釈した。(終濃度:50nM)
さらにbFGF(終濃度5ng/ml)を加え、iPS細胞に添加した。
〔培養条件〕
37℃、5%CO2雰囲気下
iPS細胞の継代後、t=72h(day 3)の培地交換において、HAを各濃度で添加し、24時間培養した。その後、t=96h(day 4)の培地交換において、HA無添加の培地に切り替え、培養を継続した。
〔観察〕
day3、day4、day10、day13、day14、day20、day23、day24及びday30において、IN Cell Analyzer 2000(商品名、GEヘルスケアバイオサイエンス社製)で培養細胞を観察し画像を取得した。また、形成されたコロニー及び未分化コロニー(未分化細胞で形成され、未分化逸脱細胞を含まないコロニー)の数を計測し、未分化コロニーの割合を算出した。その結果を図22に示す。
比較例として、HAを添加しない以外は、同じ条件で継代培養を行った。その結果を図22に示す。
図22において、白丸がHAを添加した系、黒丸がHAを添加しなかった系を示す。図22に示すように、HAを添加することによって、HAを添加しなかった場合と比較して継代培養後に形成される未分化コロニーの割合が増加した。つまり、未分化逸脱細胞を除去することにより、未分化コロニーを効率よく形成することができた。

Claims (11)

  1. 多能性(pluripotency)を有する幹細胞の培養方法であって、細胞間接着を阻害可能な物質の存在下で細胞培養することを含み、
    前記細胞間接着を阻害可能な物質は、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)の神経毒素複合体におけるヘマグルチニン(HA)である、方法。
  2. 多能性(pluripotency)を有する幹細胞の培養中に発生した又は発生しうる未分化状態を脱した細胞を除去する方法であって、細胞間接着を阻害可能な物質の存在下で細胞培養することを含み、
    前記細胞間接着を阻害可能な物質が、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)の神経毒素複合体におけるヘマグルチニン(HA)である、方法。
  3. 多能性(pluripotency)を有する幹細胞の未分化状態を維持する方法であって、細胞間接着を阻害可能な物質を含む培地中で細胞培養することを含み、
    前記細胞間接着を阻害可能な物質が、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)の神経毒素複合体におけるヘマグルチニン(HA)である、方法。
  4. 多能性を有する幹細胞が、ヒト多能性(pluripotent)幹細胞である、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. ヒト多能性幹細胞が、ヒトiPS細胞又はヒトES細胞である、請求項4記載の方法。
  6. 細胞間接着を阻害可能な物質が、ボツリヌス菌の神経毒素複合体における3つのヘマグルチニンサブコンポーネントHA1、HA2、及び、HA3からなる群から選択される2又は3成分で構成される複合体である、請求項1からのいずれかに記載の方法。
  7. 前記複合体のHA3サブコンポーネントは、A型又はB型のボツリヌス菌のものである、請求項記載の方法。
  8. 培養が、継代培養である、請求項1からのいずれかに記載の方法。
  9. 細胞間接着を阻害可能な物質を含む、請求項1からのいずれかに記載の方法のための、組成物であって、
    前記細胞間接着を阻害可能な物質が、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)の神経毒素複合体におけるヘマグルチニン(HA)である、組成物。
  10. 多能性を有する幹細胞用の培地成分と、細胞間接着を阻害可能な物質とを含み、
    前記細胞間接着を阻害可能な物質が、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)の神経毒素複合体におけるヘマグルチニン(HA)である、キット。
  11. 請求項1からのいずれかに記載の方法のための、請求項10記載のキット。
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