JP6112498B2 - 防腐剤・界面活性剤フリーの化粧品原料液、化粧品及び化粧品原料液の調製法 - Google Patents

防腐剤・界面活性剤フリーの化粧品原料液、化粧品及び化粧品原料液の調製法 Download PDF

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Description

本発明は、油性成分を含有し、防腐剤・界面活性剤フリーの化粧品原料液、化粧品及び化粧品原料液の調製法に関する。さらに詳しくは、この化粧品原料液に含有するエマルションの乳化粒子の平均粒径が20μm以下である化粧品の調製法に関する。
化粧品原料には、使用感の向上や皮膚への浸透性の観点から、油性成分と親水成分とからなるエマルションが用いられることが多い。油性成分の一例として、ローズオイルなどの精油がある。ローズオイルは、香料として主として使用されているが、次のような美容効果があり、化粧品原料としても多く使用されている。ローズオイルの美容効果は、例えば、肌の調子を整える、保湿効果、血流改善、しみ・しわなどのたるみ・くすみなどの改善、抗菌作用、又はリラックス効果である。化粧品に含有されるローズ由来の成分の多くは、ローズの花・蕾を水蒸気蒸留した際に下層に分離する成分、いわゆるローズ水を使用したものが殆どであり、蒸留時に上層に分離する成分であるローズオイルそのものを添加した化粧品は少ない。ローズ水はローズオイルの成分とは当然異なり、ローズオイルの有効成分を含有しているとは限らない。ローズオイルを化粧品に使用するためには水に分散・乳化させることが必要であり、分散・乳化には、通常、界面活性剤が使用される。また、化粧品の中での微生物の増殖を防ぐ防菌のために、通常、防腐剤が添加される。しかし、皮膚へ刺激性の観点から、防腐剤及び界面活性剤を使用しないこと(防腐剤・界面活性剤フリー)が望まれる場合がある。
防腐剤フリーの化粧品を調製する方法としては、例えば、無菌の0.45μmのフィルターで無菌ろ過する方法が公知の技術である。
界面活性剤フリーの化粧品を調製する材料として界面活性剤の代わりに一般的な寒天よりも低分子量化した寒天と改質したキサンタンガムとから構成される水溶性高分子製剤(以降、水溶性高分子製剤ということもある。)を使用することが報告されている(例えば、非特許文献1を参照。)。非特許文献1には、化粧品に対して当該水溶性高分子製剤を1.5〜2.0質量%の添加量で使用した例が記載され、高極性油など幅広い種類の油剤のエマルションの作製、乳化への応用について記載されている。非特許文献1に記載されたエマルションでは、非特許文献1の図5,図6によれば、粒径が10〜20μmのものが散見されるものの、粒径が30μm以上の乳化粒子が半数以上を占め、最も大きなものは図5では69μm、図6では105μmである。すなわち、非特許文献1の3−1にも記載されているように、非常に粒径の大きい乳化粒子が分散しているといえる。
ところで、分子量500ダルトン以下の化合物は皮膚吸収されることが知られている(例えば、非特許文献2を参照。)。ローズオイル中の主成分である、シトロネール、ネロール、ゲラニオールなどの分子量は154ダルトン前後であり、十分に皮膚に浸透吸収されることは明らかである。
国際公開WO2008/018643号公報 特開2003−201370号公報
油脂 63巻 65ページ (2010) J.D.Bos,M.M. Meinardi;Exp.Dermatol 9巻 165ページ (2000)
非特許文献1に記載された化粧品は、メチルパラベン、プロピルパラベンが配合され、防腐剤フリーとはいえない。非特許文献1に記載されたエマルションの調製法では、水溶性高分子製剤を1.8質量%以上の濃度で水に溶解したところへ、油性成分を添加している。しかし、当該水溶性高分子製剤を1.8質量%以上の濃度で溶解した水溶液は、粘度が高くて粘ちょうであり、無菌ろ過は困難となる。さらに、得られるエマルションの乳化粒子の粒径は、半数以上の粒子で30μm以上となり、無菌ろ過に用いられるフィルターの孔径に対して非常に粒径の大きい油滴が分散しているため、エマルションの無菌ろ過も行うことはできない。また、120℃などの高温加圧下でオートクレーブによる殺菌が考えられるが、構成成分が熱分解をする場合がある。よって、非特許文献1の調製法では、寒天の腐敗を防止するために、防腐剤を添加せざるを得ないと考えられる。
本発明の目的は、防腐剤・界面活性剤フリーの皮膚に温和で刺激が少なく、かつ、乳化粒子の粒径が小さいため皮膚への効果が高い化粧品原料液及びその調整法を提供することができる。また、その化粧品原料を用いた化粧品を提供することである。
寒天及びキサンタンガムを含む混合物を非常に低濃度で水に溶解させて0.45μm以下の無菌ろ過用フィルターでろ過したろ液を、油性成分の乳化に使用することで、防腐剤・界面活性剤フリーの化粧品原料液が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明に係る防腐剤・界面活性剤フリーの化粧品原料液の調製法は、寒天及びキサンタンガムを含む混合物を、0.01質量%以上0.1質量%以下の濃度で水に加温下で溶解して溶液を得る工程と、該溶液を、0.45μ以下のフィルターで無菌ろ過する工程と、ろ液に、無菌処理した油性成分を加えて乳化させ、乳化粒子の平均粒径が20μm以下であるエマルションを得る工程と、を有することを特徴とする。
本発明に係る防腐剤・界面活性剤フリーの化粧品原料液は、乳化剤として寒天及びキサンタンガムを含む混合物を、0.01質量%以上0.1質量%以下の濃度で水に溶解した無菌の分散媒に、無菌の油性成分を分散させたエマルションであり、該エマルション中の乳化粒子の平均粒径が20μm以下であることを特徴とする。
本発明に係る防腐剤・界面活性剤フリーの化粧品原料液は、前記油性成分が、精油であることが好ましい。精油の単位質量あたりの表面積が大きくすることができるため、皮膚への効果をより高くすることができる。
本発明に係る防腐剤・界面活性剤フリーの化粧品原料液は、前記精油がローズオイルであることが好ましい。ローズオイルの有効成分の皮膚への浸透吸収をより高めることができる。
本発明に係る防腐剤・界面活性剤フリーの化粧品は、本発明に係る化粧品原料液に、水溶性の有効成分として美白剤、保湿剤、老化防止剤、抗アレルギー・抗炎症剤、育毛・養毛剤又は紫外線防止剤の少なくとも1種を混合したことを特徴とする。
本発明は、防腐剤・界面活性剤フリーの皮膚に温和で刺激が少なく、かつ、乳化粒子の粒径が小さいため皮膚への効果が高い化粧品原料液及びその調整法を提供することができる。また、その化粧品原料を用いた防腐剤・界面活性剤フリーの化粧品を提供することができる。
次に、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
本実施形態に係る防腐剤・界面活性剤フリーの化粧品原料液の調製法は、寒天及びキサンタンガムを含む混合物を、0.01質量%以上0.1質量%以下の濃度で水に加温下で溶解して溶液を得る工程と、溶液を、0.45μ以下のフィルターで無菌ろ過する工程と、ろ液に、無菌処理した油性成分を加えて乳化させ、乳化粒子の平均粒径が20μm以下であるエマルションを得る工程と、を有する。
本実施形態に係る調製法は、油性成分を水中に乳化するために、通常の界面活性剤ではなく、天然由来の寒天及びキサンタンガムを含む混合物を使用するものである。寒天は、低分子寒天であることが好ましい。ここでいう低分子寒天とは、一般的な寒天と比較して、分子量が小さいものをいう。一般的な寒天の重量平均分子量が20万〜50万であるのに対し、低分子寒天の重量平均分子量は1万〜10万であることが好ましく、2万〜6万であることがより好ましい。低分子寒天は、例えば、特許文献1に記載された低分子寒天であり、通常の寒天と異なり、寒天成分(アガロース及びアガロペクチン)の分子を短く切断し、重量平均分子量を1万〜10万、好ましくは2万〜6万とした寒天である。また、キサンタンガムは、改質キサンタンガムであることが好ましい。キサンタンガムの改質方法は、例えば、熱・酸処理、加熱処理、加水分解処理、放射線照射処理である。改質キサンタンガムは、一般的なキサンタンガムよりも低分子量化したものであることが好ましい。改質キサンタンガムの平均分子量は粘度法で100,000〜1,000,000であることが好ましく、500,000〜900,000であることがより好ましい。改質キサンタンガムは、例えば、特許文献2に記載された低分子キサンタンガムである。低分子キサンタンガムは、キサントモナス・キャンペストリスなどキサントモナス属の細菌の発酵条件を調整することにより得られたものであることが好ましく、この場合、窒素含有量を0.15N以下、特に0Nに調整された培地でキサントモナス・キャンペストリスなどキサントモナス属の細菌の発酵を行うことが好ましい。具体的にはキサントモナス属の細菌を澱粉、グルコース、ショ糖などの炭水化物を含む培養液に植菌し、pHと温度を整えて攪拌通気培養する。この際、平均分子量1,500,000〜3,500,000の通常のキサンタンガムを得る場合は、pHを6.0〜7.5に調整し、温度25〜35℃で2日間程度培養する必要があるが、平均分子量100,000〜1,000,000の低分子キサンタンガムを得る場合、培養時間を短くしたり、pHや温度の条件を変えたりすることにより発酵速度を遅くし、あるいは培地組成中の窒素成分を少なくすることにより培養を行う。また、低分子キサンタンガムは、キサンタンガムを加水分解することにより得られたものであることが好ましく、加水分解は、酸や加熱により行われることが好ましい。寒天及びキサンタンガムを含む混合物は、低分子寒天及び改質キサンタンガムを含む混合物であることが好ましい。低分子寒天及び改質キサンタンガムを含む混合物としては、例えば市販品の非特許文献1に記載されたノムコート(登録商標)AGを使用することができる。
寒天及びキサンタンガムを含む混合物は、0.01質量%以上0.1質量%以下、好ましくは0.03質量%以上0.07質量%以下の濃度の溶液に仕上がるように水に添加して加温しながら攪拌して溶解する。加温の温度は50℃以上100℃以下であることが好ましく、70℃以上80℃以下であることがより好ましい。寒天及びキサンタンガムを含む混合物の濃度が0.1質量%を超えると、溶液が粘ちょうとなり、0.45μm以下の無菌ろ過用フィルターでろ過することは困難である。また、低分子寒天及び改質キサンタンガムを含む混合物を用いても、同様にろ過が困難である。0.01質量%未満では、乳化作用が不足する。また、溶液には混合物及び水以外に、本発明の効果を損なわない限りにおいて、グリセリンなどの多価アルコールを配合してもよい。
非特許文献1に示されるように、水溶性高分子製剤を1.8質量%以上の濃度で水に溶解し、油分を含むエマルション状の化粧液を調製すると、生成したエマルションの油滴の大きさは、半数以上の粒子で30μm以上となり、非常に粒径の大きい油滴が分散している。この非特許文献1のエマルションを、本発明のように、寒天及びキサンタンガムの混合物の濃度が0.01〜0.1質量%になるまで水を加えて希釈してもエマルションの油滴の大きさは変わらない。本発明者らは、平均粒径が20μm以下の細かい油滴の大きさのエマルションを調製するには、初期に寒天及びキサンタンガムを含む混合物の濃度を低く調整し、その低濃度の溶液を油性成分の乳化に用いることが大きなファクターであることを見出し本発明に至った。
寒天及びキサンタンガムを含む混合物には、高分子のキサンタンガムが含まれており、0.45μmの無菌ろ過用フィルターでろ過するとフィルターを通過しないものもあるが、フィルターを通過したろ液の成分だけで十分に油性成分の乳化効果を発揮できることを見出したのは本発明の大きな特徴である。
寒天及びキサンタンガムを含む混合物を水に添加して溶解した溶液を無菌ろ過するには、見開き0.45μm以下の無菌ろ過用フィルターを用いることが好ましい。無菌ろ過用フィルターは、例えば、メンブレンフィルター、セラミックフィルターである。また、液体用カプセルフィルターを用いてもよい。無菌ろ過には、通常は0.45μm或いは0.22μmの無菌ろ過用フィルターが用いられるが、本実施形態では無菌ろ過用フィルターの孔径は0.45μm以下であれば特に制限はない。ろ過方法は、例えば、吸引ろ過、加圧ろ過である。
フィルターは、平板平膜タイプであるか、又はカートリッジ式であってもよい。
寒天及びキサンタンガムを含む混合物を水に添加して溶解した溶液を無菌ろ過したろ液に、攪拌しながら無菌処理した油性成分を滴下していく。この工程は、常温で行うことも可能であるが、加温して行うことがより好ましい。加温することで乳化が早くなり、良い乳化状態が得られやすい。加温する温度は、40〜70℃であることが好ましく、45〜55℃であることがより好ましい。加温する場合は、油性成分中の低沸成分が揮発するおそれがあるので還流管を付けることが好ましい。
油性成分を無菌処理する方法は、例えば、無菌ろ過法、紫外線照射法、オートクレーブ処理である。このうち、油性成分の物性への影響が小さい点で無菌ろ過法が好ましい。無菌ろ過法に用いる無菌ろ過用フィルターは、例えば、寒天及びキサンタンガムを含む混合物を水に添加して溶解した溶液の無菌ろ過に使用するものと同種のものを使用できる。
本明細書において、油性成分は、エマルション中で油相となる成分であり、例えば、化粧品の油性原料となる油脂類、ロウ類、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル類、シリコーン油、精油、カロテイノド類である。油脂類は、例えば、オリーブオイル、ツバキオイル、マカデミアナッツオイルである。ロウ類は、例えば、ホホバオイルである。炭化水素は、例えば、流動パラフィンである。高級脂肪酸は、例えば、パルミチン酸、ラウリン酸である。高級アルコールは、例えば、セチルアルコール、2‐オクチルドカノールである。エステル類は、例えば、ミリスチン酸2‐オクチルドデシルである。シリコーン油は、例えば、メチルポリシロキサンである。精油は、例えば、ローズオイルである。カロテイノド類は、例えば、アスタキサンチン、レチナール、レチノイン酸、ルテイン、リコペンである。このうち、油性成分は精油であることが好ましい。油性成分がローズオイル等の精油である場合、精油の添加量は、化粧品原料液の全質量に対して0.01質量%以上0.1質量%以下であることが好ましく、0.02質量%以上0.07質量%以下であることがより好ましい。精油の添加量が0.1質量%を超えると寒天及びキサンタンガムを含む混合物の濃度を多くしなければ、乳化がうまくいかない場合がある。0.01質量%未満では精油の効果が発揮されない場合がある。
得られたエマルションの乳化粒子の平均粒径は、20μm以下である。より好ましくは15μm以下である。乳化粒子の平均粒径が20μmを超えると、油性成分の添加質量当たりの表面積が相対的に小さくなり、油性成分の添加量が少量でありながら、高い効能が得られるという効果が得られない。ここで、平均粒径とは、光学顕微鏡下で測定した乳化粒子の直径の平均値であり、次の方法で測定する。エマルションを、光学顕微鏡を用いて観察し、画像中に現れた乳化粒子の直径を目盛付きスライドグラスの目盛によって求める。この操作を、重なっていない領域について、乳化粒子の数が100個に達するまで繰り返し、直径の平均値を平均粒径とする。観察倍率は、乳化粒子の大きさに応じて、例えば、70〜100倍で行う。
本実施形態に係る防腐剤・界面活性剤フリーの化粧品原料液は、乳化剤として寒天及びキサンタンガムを含む混合物を、0.01質量%以上0.1質量%以下の濃度で水に溶解した無菌の分散媒に、無菌の油性成分を分散させたエマルションであり、エマルション中の乳化粒子の平均粒径が20μm以下である。エマルションは、水相中に油滴が分散する、所謂O/W型であり、乳化粒子は油滴である。
本実施形態で使用する精油は、一般にエッセンシャルオイルともいわれ、植物由来の芳香・揮発性の油である。精油は、植物に含まれる揮発性のテルペンや芳香族などの有機化合物を主成分としている。精油は、特有の芳香を有するので香料として使用されることが多いが、その他アロマテラピーの効果や殺菌作用があると言われている。本実施形態で使用する主な精油はつぎのような植物から採取されるものである。花・蕾から採取するものとしては、例えば、ローズ、イランイラン、カモミール、ジャスミンがある。全草から採取するものとしては、例えば、ラベンダー、ローズマリー、ミント、タイムがある。樹木・樹皮から採取するものとしては、例えば、ヒノキ、ヒバ、マツ、シナモンがある。葉から採取するものとしては、例えば、ゼラニウム、ユーカリ、バジル、ゲットウがある。果実・種子から採取するものとしては、例えば、バニラ、シソがある。果皮から採取するものとしては、例えば、グレープフルーツがある。
精油は一般には水蒸気蒸留法で製造されたものを称するが、例えば他の、溶媒抽出法、圧縮法、超臨界抽出法で製造したものでも良い。
本実施形態では、精油がローズオイルであることが好ましい。本発明で使用する精油の中のローズオイルは、例えば、バラ科のダマスクローズから採取されるもので一般にローズオットウと言われているものである。ローズオイルの効能としては、例えば、気持ちを落ち着かせる、不安感若しくはストレスの緩和など心に対しての効果、肌に対しての効果又はホルモンバランスの改善、消臭効果若しくは血行促進作用などの体に対しての効果である。化粧品として使用する場合における肌に対しての効果は、例えば、肌を引き締める収斂作用、シワ、シミの予防作用、皮膚の老化防止作用である。
先に記述したようにローズオイルの主成分は皮膚に浸透吸収される性質を持つところ、本実施形態ではエマルション中の精油の粒径が20μm以下と小さいため、添加した精油の単位質量当たりの表面積が大きくなり、更に吸収されやすくなる。そして、精油がもつ収斂作用、老化防止作用などの皮膚への効果が著しく高くなる。
寒天とキサンタンガムの混合物で乳化した油性成分を含むエマルションに油性成分以外の化粧品原料を加えて化粧品とすることができる。添加する化粧品原料は水溶性のものなら特に制限はなく、例えば、美白剤、保湿剤、老化防止剤、抗アレルギー・抗炎症剤、育毛・養毛剤又は紫外線防止剤などの各種有効成分である。美白剤としては、例えば、ビタミンC又はその誘導体、β‐アルブチン、α‐アルブチン、コウジ酸、アセロラ抽出物、アロエ抽出物、葛根抽出物、米糠抽出物、レゾルシノール誘導体である。保湿剤としては、例えば、ヒアルロン酸、低分子化ヒアルロン酸又はヒアルロン酸誘導体、コラーゲン(マリンコラーゲン、合成コラーゲンを含む)、ベタイン、アミノ酸、トレハロース、尿素、オリゴ糖、グリセリン、プロピレングリコール、1,3‐ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、乳酸ナトリウムである。老化防止剤は、活性酸素消去、酸化防止、光老化防止などの効能を有するものであり、例えば、アガリスク茸抽出物、海藻抽出物、フコイダイン類、カンゾウ抽出物、β‐1,3‐グルカン、酵母エキス、月桃抽出物、グァバ抽出物である。抗アレルギー・抗炎症剤としては、例えば、アスコルビン酸‐2‐グルコシド、ウコン抽出物、カミツレ抽出物、シソ抽出物、シルク抽出物、茶抽出物、トラネキサム酸、ビオチンである。育毛・養毛剤としては、例えば、水溶性ミノキシジル、アミノ酸類である。紫外線防止剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸(PABA)、PABAグリセリル、水溶性ベンゾフェノン類である。また、化粧品には、有効成分以外に防腐剤及び界面活性剤以外の公知の助剤を添加してもよい。
上記した有効成分はすべて水溶性であるので、加温せずとも、無菌ろ過用フィルターでろ過すれば無菌とすることができる。予め無菌とした有効成分を、本実施形態に係る化粧品原料液に加えることで、防腐剤・界面活性剤フリーの化粧品を得ることができる。
次に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
(実施例1)
水640部を還流管が付いた容器に入れ、70〜80℃に加温して攪拌しながら寒天及びキサンタンガムを混合物(ノムコートAG、日清オイリオ社製)0.32部を加えて更に2時間攪拌を続けた。得られた溶液を液体カプセルフィルター(アクロパック1500、ポール社製、孔径0.2μm)で殺菌済みの容器に無菌ろ過した。ろ液を40〜50℃まで加温したところへ、0.45μmの無菌ろ過用フィルター(メンブレンフィルター、アクロパック20、ポール社製)で予め無菌ろ過したローズオイル(ブルガリアンローズオットー精油、コネクト社製)0.32部を加えて更に1時間攪拌してエマルション状の化粧品原料液を得た(A部)。一方、別の容器で水360部に、ヒアルロン酸ナトリウム0.5部とソルビット液10部とを加え室温で攪拌しながら溶解する。これを0.45μmの無菌ろ過用フィルターで無菌ろ過した(B部)。A部にB部を室温で撹拌しながら添加して、A部とB部とを混合し、化粧品を得た。
(実施例2)
水640部を還流管が付いた容器に入れ、70〜80℃に加温して攪拌しながら寒天及びキサンタンガムを含む混合物(ノムコートAG、日清オイリオ社製)を0.20部加えて更に2時間攪拌を続けた。得られた溶液を0.45μmの無菌ろ過用フィルター設置の加圧ろ過器(ステンレススチール加圧ろ過ファンネル、ポール社製)で殺菌済みの容器に無菌ろ過した。ろ液を40℃〜50℃になるまで加温したところへ、0.45μmの無菌ろ過用フィルターで予め無菌ろ過したローズオイルローズオイル0.13部を加えて更に1時間攪拌してエマルション状の化粧品原料液を得た(A部)。一方、別の容器で水360部に、ヒアルロン酸ナトリウム0.3部と、水溶性コラーゲン1部と、グリセリン10部とを加え室温で攪拌しながら溶解した。これを0.45μmの無菌ろ過用フィルターでろ過した(B部)。A部にB部を室温で撹拌しながら添加して、A部とB部とを混合し、化粧品を得た。
(実施例3)
水640部を還流管が付いた容器に入れ、70〜80℃に加温して攪拌しながら寒天及びキサンタンガムを含む混合物(ノムコートAG、日清オイリオ社製)を0.32部加えて2時間攪拌を続けた。得られた溶液を液体カプセルフィルター(アクロパック1500、ポール社製、孔径0.2μm)で殺菌済みの容器に無菌ろ過した。ろ液の温度を40℃〜50℃になるまで加温したところへ、0.45μmの無菌ろ過用フィルターで予め無菌ろ過したローズオイルローズオイル0.32部を加えて更に1時間攪拌してエマルション状の化粧品原料液を得た(A部)。一方、別の容器で水360部に、ヒアルロン酸ナトリウム1.0部と、ソルビット液20部と、アロエエキス1.0部とを加え室温で攪拌しながら溶解した。これを0.45μmの無菌ろ過用フィルターでろ過した(B部)。A部にB部を室温で撹拌しながら添加して、A部とB部とを混合し、化粧品を得た。
(実施例4)
水640部を還流管が付いた容器に入れ、70〜80℃に加温して攪拌しながら寒天及びキサンタンガムを含む混合物(ノムコートAG、日清オイリオ社製)を0.32部加えて2時間攪拌を続けた。得られた溶液を0.45μmの無菌ろ過用フィルター設置の加圧ろ過器(ステンレススチール加圧ろ過ファンネル、ポール社製)で殺菌済みの容器にろ過したところへ、温度を40〜50℃にまで加温して、0.45μmの無菌ろ過用フィルターで予め無菌ろ過したローズオイル0.20部を加えて更に1時間攪拌してエマルション状の化粧品原料液を得た(A部)。一方、別の容器で水125部に、ソルビット液40部と、ジプロピレングリコール液60部と、α‐アルブチン20部と、酵母エキス10部と、ヒアルロン酸ナトリウム0.5部と、ベタイン5部と、エタノル100部とを加え室温で攪拌しながら溶解した。これを0.45μmの無菌ろ過用フィルターでろ過した(B部)。A部にB部を室温で撹拌しながら添加して、A部とB部とを混合し、化粧品を得た。
(比較例1)
水640部を還流管が付いた容器に入れ、70〜80℃に加温して攪拌しながら寒天及びキサンタンガムを混合物(ノムコートAG、日清オイリオ社製)を10部加えて更に2時間攪拌を続けた。得られた溶液は、粘ちょうであり、液体カプセルフィルター(アクロパック1500、ポール社製、孔径0.2μm)で無菌ろ過しようとしたが、ろ過できなかった。
(比較例2)
比較例1の溶液を無菌ろ過せずに、ローズオイル72部を加えて更に1時間攪拌してエマルションを得た(希釈前のエマルション)。この希釈前のエマルションを水27000部で希釈したエマルション(希釈後のエマルション)を、液体カプセルフィルター(アクロパック1500、ポール社製、孔径0.2μm)で無菌ろ過しようとしたが、ろ過できなかった。
(平均粒径測定)
実施例1〜4の化粧品について、それぞれエマルション中の乳化粒子の平均粒径を次のとおり求めた。光学顕微鏡(オリンパス社製 BX40)を用いて、倍率100倍で観察し、画像中に現れた乳化粒子の直径を目盛付きスライドグラスの目盛によって求めた。この操作を、重なっていない領域について、乳化粒子の数が100個に達するまで繰り返し、直径の平均値を平均粒径とした。各平均粒径は表1に示す通りである。また、実施例1〜4の化粧品では、エマルション中の乳化粒子の平均粒径は、いずれも20μm以下であり、非特許文献1に記載されている油分の粒径よりはるかに小さいことが判明した。
ところで、比較例2の希釈前のエマルション及び希釈後のエマルションについても、実施例と同様に平均粒径を測定したところ、希釈前のエマルションの平均粒径は98.7μmであり、希釈後のエマルションの平均粒径は65.9μmであった。比較例2は希釈後のエマルションにおいても、乳化粒子が大きなままだったので、ろ過できなかったことが確認できた。
Figure 0006112498

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  1. 寒天及びキサンタンガムを含む混合物を、0.01質量%以上0.1質量%以下の濃度で水に加温下で溶解して溶液を得る工程と、該溶液を、0.45μ以下のフィルターで無菌ろ過する工程と、ろ液に、無菌処理した油性成分を加えて乳化させ、乳化粒子の平均粒径が20μm以下であるエマルションを得る工程と、を有することを特徴とする防腐剤・界面活性剤フリーの化粧品原料液の調製法。
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