JP6112284B1 - セミipn型複合体の製造方法、及び、透湿フィルムの製造方法 - Google Patents

セミipn型複合体の製造方法、及び、透湿フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、芳香族ポリイソシアネートを原料としたポリウレタン(A)溶液中で、親水性単官能アクリレート(b1)及び多官能アクリレート(b2)を重合してすることを特徴とするセミIPN型複合体の製造方法に関する。また、本発明は、前記製造方法により得られるセミIPN型複合体を乾燥させることにより得られることを特徴とする透湿フィルムの製造方法に関する。本発明が解決しようとする課題は、透湿性、耐水膨潤性及び防汚性に優れるセミIPN型複合体の製造方法を提供することである。本発明の製造方法により得られるセミINP型複合体は透湿性、耐水膨潤性及び防汚性に優れるものである。よって、前記セミIPN型複合体は、衣料、医療、衛生用等の透湿防水布帛;合成皮革の表皮層やトップコート層として好適に使用することができる。

Description

本発明は、透湿性、耐水膨潤性及び防汚性に優れるセミIPN型複合体が得られる製造方法に関する。
ポリウレタンは良好な機械的強度、及び弾性を有することから、コーティング剤、成型材料、塗料、光学フィルム等様々な分野で広く利用されており、透湿防水布帛や合成皮革用の材料としても盛んに研究がなされている。
しかしながら、ポリウレタンを塗布した合成皮革は透湿性が劣るため、着用時に蒸れるとの欠点があった。そこで、この欠点を解決する手法として、ポリウレタン樹脂溶液を湿式凝固させて多孔質化する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。しかしながら、湿式凝固させるためには特殊な装置と盆雑な加工工程を踏む必要があった。
一方、加工が容易な方法としては、乾式ラミネート法に適用できる親水性ウレタンフィルムが提案されている(例えば、特許文献2を参照。)。しかしながら、この親水性ウレタンフィルムは、吸水性の高いポリオキシエチレングリコールを主成分として用いる手法であるため、実使用時の水接触により膨潤し、外観変化や基材から剥離が発生するとの問題があった。更に、エーテル基濃度が高いため、耐光性、耐熱性等が不良であり、耐久性の必要とされる家具や車両用途への展開が困難であるとの問題もあった。
特開2014−30863号公報 特開2005−264152号公報
本発明が解決しようとする課題は、透湿性、耐水膨潤性及び防汚性に優れるセミIPN型複合体の製造方法を提供することである。
本発明は、芳香族ポリイソシアネートを原料としたポリウレタン(A)溶液中で、親水性単官能アクリレート(b1)及び多官能アクリレート(b2)を重合しすることを特徴とするセミIPN型複合体の製造方法に関する。
また、本発明は、前記製造方法により得られるセミIPN型複合体を乾燥させることにより得られることを特徴とする透湿フィルムの製造方法に関する。
本発明の製造方法により得られるセミINP型複合体は透湿性、耐水膨潤性及び防汚性に優れるものである。よって、前記セミIPN型複合体は、衣料、医療、衛生用等の透湿防水布帛;合成皮革の表皮層やトップコート層として好適に使用することができる。
本発明のセミIPN型複合体の製造方法は、芳香族ポリイソシアネートを原料としたポリウレタン(A)溶液中で、親水性単官能アクリレート(b1)及び多官能アクリレート(b2)を重合することが必須である。
前記セミIPN(Interpenetrating polymer Network)型複合体とは、非架橋性のポリマーに異種架橋高分子が侵入した網目構造を有する複合体であり、前記製造方法により非架橋性のポリウレタン(A)に対し、親水性単官能アクリレート(b1)及び多官能アクリレート(b2)の重合物が絡み合った複合体が生成される。
前記ポリウレタン(A)は芳香族ポリイソシアネートを原料としたものを用いることが必須である。前記ポリウレタン(A)に代わり、脂肪族や脂環式ポリイソシアネートを原料としたポリウレタンを用いた場合には、所望の透湿性、及び耐水膨潤性を得ることができない。この理由としては、セミIPN化したアクリル成分が表面に偏在するためと考えられる。
前記ポリウレタン(A)は、具体的には、ポリオールと芳香族ポリイソシアネートとの反応物を用いることができる。なお、本発明においては、親水性単官能アクリレート(b1)及び多官能アクリレート(b2)の重合によるセミIPN型構造の形成により優れた透湿性、耐水膨潤性及び防汚性を発現することができるため、耐久性等のその他の物性に併せて、前記ポリオールの種類を自由に設計することができる。
前記ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、ポリアクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール等を用いることができる。これらのポリオールは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ポリオールの数平均分子量としては、目的の物性に応じて、500〜8,000の範囲で適宜決定することができる。なお、前記ポリオールの数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により、下記の条件で測定して得られた値を示す。
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC−8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
(標準ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−550」
前記ポリオールには、必要に応じて、数平均分子量が50〜450の範囲の鎖伸長剤を併用してもよい。なお、前記鎖伸長剤の数平均分子量は、前記ポリオールの数平均分子量と同様に測定して得られた値を示す。
前記鎖伸長剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレンリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、サッカロース、メチレングリコール、グリセリン、ソルビトー、ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン等の水酸基を有する鎖伸長剤;エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、ヒドラジン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のアミノ基を有する鎖伸長剤などを用いることができる。これらの鎖伸長剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記鎖伸長剤を用いる場合の使用量としては、機械的強度及び風合いの点から、前記ポリオール100質量部に対して、0.1〜30質量部の範囲であることが好ましい。
前記芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1−メチル−2,4−フェニレンジイソシアネート、1−メチル−2,6−フェニレンジイソシアネート、1−メチル−2,5−フェニレンジイソシアネート、1−メチル−3,5−フェニレンジイソシアネート、1−エチル−2,4−フェニレンジイソシアネート、1−イソプロピル−2,4−フェニレンジイソシアネート、1,3−ジメチル−2,4−フェニレンジイソシアネート、1,3−ジメチル−4,6−フェニレンジイソシアネート、1,4−ジメチル−2,5−フェニレンジイソシアネート、ジエチルベンゼンジイソシアネート、ジイソプロピルベンゼンジイソシアネート、1−メチル−3,5−ジエチルベンゼンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ジエチルベンゼン−2,4−ジイソシアネート、1,3,5−トリエチルベンゼン−2,4−ジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、1−メチル−ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ナフタレン−2,6−ジイソシアネート、ナフタレン−2,7−ジイソシアネート、1,1−ジナフチル−2,2’−ジイソシアネート、ビフェニル−2,4’−ジイソシアネート、ビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3−3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4−ジイソシアネート等を用いることができる。これらの芳香族ポリイソシアネートは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記芳香族ポリイソシアネートは、必要に応じて、その他のポリイソシアネートを併用してもよい。なお、その場合の芳香族ポリイソシアネートの含有量としては、用いるポリイソシアネート全量中50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。
前記その他のポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロペンチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ジ(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,2’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ポリイソシアネートなどを用いることができる。これらのポリイソシアネートは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ポリウレタン(A)の製造方法としては、例えば、前記ポリオールと前記芳香族ポリイソシアネートと有機溶剤と、必要に応じて前記鎖伸長剤とを仕込み、ウレタン化反応させることによってポリウレタン(A)溶液を製造する方法が挙げられる。これらの反応は、例えば、50〜100℃の温度で3〜10時間行うことが挙げられる。
前記有機溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸イソブチル、酢酸第2ブチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等を用いることができる。これらの有機溶剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。前記有機溶剤の使用量としては、前記ポリウレタン(A)100質量部に対し、10〜1,000質量部の範囲であることが好ましく、20〜600質量部の範囲であることがより好ましい。
前記ポリオール及び前記鎖伸長剤が有する水酸基及びアミノ基の合計と、前記芳香族ポリイソシアネートが有するイソシアネート基とのモル比[イソシアネート基/水酸基及びアミノ基]としては、製造安定性、及び機械的強度の点から、0.8〜1.2の範囲であることが好ましく、0.9〜1.1の範囲であることがより好ましい。
前記ポリウレタン(A)の重量平均分子量としては、目的の物性に応じて、500〜500,000の範囲で適宜決定することができる。なお、前記ポリウレタン(A)の重量平均分子量は、前記ポリオールの数平均分子量と同様に測定して得られた値を示す。
次に、親水性単官能アクリレート(b1)及び多官能アクリレート(b2)について説明する。本発明においては、優れた透湿性、及び防汚性を得る上で、前記親水性単官能アクリレート(b1)及び多官能アクリレート(b2)を用いることが必須である。前記親水性単官能アクリレート(b1)により透湿性及び耐水膨潤性の付与と、塗膜の親水化による防汚性とを発現することができ、更に前記多官能アクリレート(b2)によりセミIPN型構造を形成できることから透湿性、耐水膨潤性及び防汚性の更なる向上が可能となる。また、セミIPN型構造を形成することにより、継時的な実使用時においても、塗膜から親水成分の脱落を防止することができ、塗膜の強度の耐久性、及び長期的な透湿性維持が可能となる。
なお、前記親水性単官能アクリレート(b1)の「親水性」とは、水との間に親和性を示すことを表し、具体的には、100gの水(20℃)への溶解度が、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上であるものを示す。また、前記(b1)の「単官能」とは、(メタ)アクリロイル基を1個有することを示す。
前記親水性単官能アクリレート(b1)としては、例えば、アミド基を有するアクリルモノマー(b1−1)、オキシエチレン基を有するアクリルモノマー(b1−2)、スルホン酸基を有するアクリルモノマー、4級アンモニウム基を有するアクリルモノマー、カルボキシル基を有するアクリルモノマー、アミノ基を有するアクリルモノマー、シアノ基を有するアクリルモノマー、水酸基を有するアクリルモノマー、イミド基を有するアクリルモノマー、メトキシ基を有するアクリルモノマー等を用いることができる。
前記アミド基を有するアクリルモノマー(b1−1)としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等を用いることができる。これらのモノマーは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記オキシエチレン基を有するアクリルモノマー(b1−2)としては、例えば、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等を用いることができる。これらのモノマーは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記スルホン酸基を有するアクリルモノマーとしては、例えば、スルホプロピル(メタ)アクリレートナトリウム、2−スルホエチル(メタ)アクリレートナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム等を用いることができる。これらのモノマーは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記4級アンモニウム基を有するアクリルモノマーとしては、例えば、テトラブチルアンモニウム(メタ)アクリレート、トリメチルベンジルアンモニウム(メタ)アクリレート等を用いることができる。これらのモノマーは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記カルボキシル基を有するアクリルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、プロピル(メタ)アクリル酸、イソプロピル(メタ)アクリル酸、クロトン酸、フマル酸等を用いることができる。これらのモノマーは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記アミノ基を有するアクリルモノマーとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−tert−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド(メタ)アクリレート等を用いることができる。これらのモノマーは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記シアノ基を有するアクリルモノマーとしては、例えば、アクリロニトリル、シアノメチルアクリレート、2―シアノエチルアクリレート、シアノプロピルアクリレート、1―シアノメチルエチルアクリレート、2―シアノプロピルアクリレート、1―シアノシクロプロピルアクリレート、1―シアノシクロヘプチルアクリレート、1、1―ジシアノエチルアクリレート、2―シアノフェニルアクリレート、3―シアノフェニルアクリレート、4―シアノフェニルアクリレート、3―シアノベンジルアクリレート、4―シアノベンジルアクリレート等を用いることができる。これらのモノマーは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記水酸基を有するアクリルモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等を用いることができる。これらのモノマーは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記イミド基を有するアクリルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルイミド、N−メチロールマレイミド、N−ヒドロキシエチルマレイミド、N−グリシジルマレイミド、N−4−クロロメチルフェニルマレイミド、N−アセトキシエチルマレイミド等を用いることができる。これらのモノマーは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記メトキシ基を有するアクリルモノマーとしては、例えば、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート)、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシブチル(メタ)アクリレート等を用いることができる。これらのモノマーは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記親水性単官能アクリレート(b1)としては、前記した中でも、親水性の高いアルキル置換された窒素原子を有するアミド基、及びポリオキシエチレングリコールを側鎖に有するため、優れた透湿性、及び防汚性が得られることから、アミド基を有するアクリルモノマー(b1−1)、及び、オキシエチレン基を有するアクリルモノマー(b1−2)を用いることが好ましい。前記アミド基を有するアクリルモノマー(b1−1)及びオキシエチレン基を有するアクリルモノマー(b1−2)の合計量としては、前記親水性単官能アクリレート(b1)中70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましい。
また、前記オキシエチレン基を有するアクリルモノマー(b1−2)のオキシエチレン基の平均付加モル数としては、塗膜の強度の耐久性、及び透湿性を長期的に維持することができる点から、5〜13モルの範囲であることが好ましく、8〜10モルの範囲であることがより好ましい。
前記多官能アクリレート(b2)としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1、10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジ(トリメチロールプロパン)ジ(メタ)アクリレート、ジ(トリメチロールプロパン)トリ(メタ)アクリレート、ジ(トリメチロールプロパン)テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等を用いることができる。なお、前記「多官能」とは、(メタ)アクリロイル基を2個以上有することを示し、好ましくは2〜3個の(メタ)アクリロイル基を有することを示す。
前記多官能アクリレート(b2)としては、前記したものの中でも、非晶性により優れたポリウレタン(A)との相溶性と柔軟性が得られることから、オキシアルキレン基を有するものを用いることが好ましく、オキシプロピレン基を有するものを用いることがより好ましい。
また、前記多官能アクリレート(b2)のオキシアルキレン基の平均付加モル数としては、ポリウレタン(A)との相溶性の点から、2〜10モルの範囲であることが好ましく、2〜4モルの範囲であることがより好ましい。
前記親水性単官能アクリレート(b1)と前記多官能アクリレート(b2)との重合比率(モル比)としては、透湿性、耐水膨潤性及び防汚性を高いレベルで両立することができる点から、99.5/0.5〜90/10の範囲であることが好ましく、99/1〜95/5の範囲であることがより好ましい。
また、前記アミド基を有するアクリルモノマー(b1−1)、オキシエチレン基を有するアクリルモノマー(b1−2)、及び前記多官能アクリレート(b2)の重合比率(モル比)としては、透湿性と防汚性とを高いレベルで維持できることから、(b1−1)/(b1−2)/(b2)=50/49.5/0.5〜89/1/10の範囲であることが好ましく、70/29/1〜88/7/5の範囲であることがより好ましい。
前記親水性単官能アクリレート(b1)及び前記多官能アクリレート(b2)の合計量としては、透湿性、耐水膨潤性及び防汚性を高いレベルで両立することができる点から、前記ポリウレタン(A)100質量部に対して、10〜70質量部の範囲であることが好ましく、20〜40質量部の範囲であることがより好ましい。
前記親水性単官能アクリレート(b1)及び前記多官能アクリレート(b2)には、必要に応じて、その他のラジカル重合性モノマーを併用してもよい。
前記その他のラジカル重合性モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、3−メチルブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレート;イソボロニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート;スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニル化合物などを用いることができる。これらのモノマーは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記親水性単官能アクリレート(b1)及び前記多官能アクリレート(b2)の重合方法としては、公知のラジカル重合を使用することができ、例えば、前記ポリウレタン(A)溶液中に前記親水性単官能アクリレート(b1)、前記多官能アクリレート(b2)、重合開始剤、及び必要に応じて前記その他のラジカル重合性モノマー、有機溶剤を添加し、例えば40〜90℃の範囲の温度下で混合撹拌、又は静置し、例えば1〜20時間でラジカル重合を進行させる方法が挙げられる。
前記重合開始剤としては、例えば、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過酸化物;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス−(2−アミノジプロパン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス−(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)2塩酸塩、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル吉草酸ニトリル)等のアゾ化合物などを用いることができる。これらの重合開始剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。前記重合開始剤の使用量としては、例えば、親水性アクリルモノマー(b1)及び前記多官能アクリレート(b2)100質量部に対して、0.001〜5質量部の範囲である。
以上の方法により得られるセミIPN型複合体は、後述する透湿フィルムを製造する際には、必要に応じて、他の添加剤を併用してもよい。
前記他の添加剤としては、例えば、顔料、難燃剤、可塑剤、軟化剤、安定剤、ワックス、消泡剤、分散剤、浸透剤、界面活性剤、フィラー、防黴剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐候安定剤、蛍光増白剤、老化防止剤、増粘剤等を用いることができる。これらの添加剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
次に、前記セミIPN型複合体により透湿フィルムを製造する方法について説明する。
前記透湿フィルムを製造する方法としては、例えば、前記セミIPN型複合体を基材上に塗布し、例えば40〜150℃の範囲の温度で、例えば1〜30分間乾燥させる方法が挙げられる。
前記セミIPN型複合体を塗布する基材としては、例えば、ガラス;離型紙;プラスチックフィルム;不織布、織布、編み物からなる基材;樹脂フィルム;紙等を用いることができる。前記基材を構成するものとしては、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維、アセテート繊維、レーヨン繊維、ポリ乳酸繊維等の化学繊維;綿、麻、絹、羊毛、これらの混紡繊維などを用いることができる。なお、前記基材として、不織布、織布、編み物からなる基材を使用した場合には、前記基材の内部に前記セミIPN型複合体の乾燥物が浸み込んだ状態が形成されるが、本発明においてはこのような態様もフィルムと呼ぶ。
前記基材の表面には、必要に応じて制電加工、離型処理加工、撥水加工、吸水加工、抗菌防臭加工、制菌加工、紫外線遮断加工等の処理が施されていてもよい。
前記基材表面に前記セミIPN型複合体を塗布する方法としては、例えば、グラビアコーター法、ナイフコーター法、パイプコーター法、コンマコーター法等が挙げられる。
前記透湿フィルムの厚さとしては、使用される用途に応じて決定することができ、例えば、0.01〜10mmの範囲である。
以上、本発明の製造方法により得られるセミINP型複合体は、透湿性、耐水膨潤性及び防汚性に優れるものである。よって、前記セミIPN型複合体は、衣料、医療、衛生用等の透湿防水布帛;合成皮革の表皮層やトップコート層として好適に使用することができる。
前記透湿フィルムが、透湿防水布帛の製造に使用される場合の透湿防水布帛の製造方法としては、例えば、前記透湿フィルムを公知の接着剤を用いて、布帛に接着させる方法;布帛上に前記セミIPN型複合体を直接塗布して乾燥させる方法等が挙げられる。前記布帛としては、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維、アセテート繊維、レーヨン繊維、ポリ乳酸繊維等の化学繊維;綿、麻、絹、羊毛、これらの混紡繊維などから得られるものを用いることができる。
また、前記透湿フィルムが、合成皮革の製造に使用される場合の合成皮革の製造方法としては、例えば、離型紙上に前記セミIPN型複合体を塗布・乾燥した後、透湿フィルム上に公知の接着剤を用いて、中間層、又は表皮層上に貼り付ける方法が挙げられる。前記基布としては、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維、アセテート繊維、レーヨン繊維、ポリ乳酸繊維等の化学繊維;綿、麻、絹、羊毛、これらの混紡繊維などから得られるものを用いることができる。
以下、実施例を用いて、本発明をより詳細に説明する。
[実施例1]
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応装置に、ジフェニルメタンジイソシアネートを原料としたポリエステル系ウレタンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液(DIC株式会社製「クリスボンMP−856」、固形分;20質量%、以下「PEs系Pu」と略記する。)100質量部に、N,N−ジメチルアクリルアミド(以下、「DMAA」と略記する。)を2.37質量部、メトキシポリエチレングリコールアクリレート(新中村化学工業株式会社製「AM−90G」、オキシエチレン基の平均付加モル数が9モル)を3.63質量部、トリプロピレングリコールジアクリレート(新中村化学工業株式会社製「APG−200」)を0.54質量部、(以上、DMAA/AM−90G/APG−200の重合比率(モル比)=71/24/5、小数点第1位を四捨五入。)、和光純薬工業株式会社製アゾ系重合開始剤「V−601」をモノマー総量に対し2質量%加え、均一に混合した後、60℃で15時間静置してラジカル重合を行うことでセミIPN型複合体を得た。
[実施例2]
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応装置に、ジフェニルメタンジイソシアネートを原料としたポリエーテル系ウレタンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液(DIC株式会社製「クリスボンUST−135」、固形分;25質量%、以下「PEt系Pu」と略記する。)100質量部に、DMAAを2.97質量部、AM−90Gを4.53質量部、APG−200を0.68質量部、(以上、DMAA/AM−90G/APG−200の重合比率(モル比)=71/24/5、小数点第1位を四捨五入。)、和光純薬工業株式会社製アゾ系重合開始剤「V−601」をモノマー総量に対し2質量%加え、均一に混合した後、60℃で15時間静置してラジカル重合を行うことでセミIPN型複合体を得た。
[実施例3]
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応装置に、ジフェニルメタンジイソシアネートを原料としたポリカーボネート系ウレタンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液(DIC株式会社製「クリスボンS−705」、固形分;30質量%、以下「PC系Pu」と略記する。)100質量部に、DMAAを3.56質量部、AM−90Gを5.44質量部、APG−200を0.81質量部、(以上、DMAA/AM−90G/APG−200の重合比率(モル比)=71/24/5、小数点第1位を四捨五入。)、和光純薬工業株式会社製アゾ系重合開始剤「V−601」をモノマー総量に対し2質量%加え、均一に混合した後、60℃で15時間静置してラジカル重合を行うことでセミIPN型複合体を得た。
[実施例4]
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応装置に、PEs系Puを100質量部に、DMAAを2.37質量部、AM−90Gを3.63質量部、APG−200を0.06質量部、(以上、DMAA/AM−90G/APG−200の重合比率(モル比)=74/25/1、小数点第1位を四捨五入。)、和光純薬工業株式会社製アゾ系重合開始剤「V−601」をモノマー総量に対し2質量%加え、均一に混合した後、60℃で15時間静置してラジカル重合を行うことでセミIPN型複合体を得た。
[実施例5]
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応装置に、PEs系Puを100質量部に、DMAAを3.96質量部、AM−90Gを6.04質量部、APG−200を0.9質量部、(以上、DMAA/AM−90G/APG−200の重合比率(モル比)=71/24/5、小数点第1位を四捨五入。)、和光純薬工業株式会社製アゾ系重合開始剤「V−601」をモノマー総量に対し2質量%加え、均一に混合した後、60℃で15時間静置してラジカル重合を行うことでセミIPN型複合体を得た。
[実施例6]
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応装置に、PEs系Puを100質量部に、DMAAを1.84質量部、メトキシポリエチレングリコールアクリレート(新中村化学工業株式会社製「AM−130G」、オキシエチレン基の平均付加モル数が13モル)を4.16質量部、APG−200を0.42質量部、(以上、DMAA/AM−130G/APG−200の重合比率(モル比)=71/24/5、小数点第1位を四捨五入。)、和光純薬工業株式会社製アゾ系重合開始剤「V−601」をモノマー総量に対し2質量%加え、均一に混合した後、60℃で15時間静置してラジカル重合を行うことでセミIPN型複合体を得た。
[実施例7]
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応装置に、PEs系Puを100質量部に、DMAAを2.37質量部、AM−90Gを3.63質量部、ポリプロピレングリコール#400ジアクリレート(新中村化学工業株式会社製「APG−400」、オキシプロピレン基の平均付加モル数;7)を0.84質量部、(以上、DMAA/AM−90G/APG−400の重合比率(モル比)=71/24/5、小数点第1位を四捨五入。)、和光純薬工業株式会社製アゾ系重合開始剤「V−601」をモノマー総量に対し2質量%加え、均一に混合した後、60℃で15時間静置してラジカル重合を行うことでセミIPN型複合体を得た。
[比較例1]
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応装置に、イソホロンジイソシアネートを原料としたポリカーボネート系ウレタンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液(DIC株式会社製「クリスボンNY−393」、固形分;25質量%、以下「脂肪族系Pu」と略記する。)を100質量部に、DMAAを2.97質量部、AM−90Gを4.53質量部、APG−200を0.68質量部、(以上、DMAA/AM−90G/APG−200の重合比率(モル比)=71/24/5、小数点第1位を四捨五入。)、和光純薬工業株式会社製アゾ系重合開始剤「V−601」をモノマー総量に対し2質量%加え、均一に混合した後、60℃で15時間静置してラジカル重合を行うことでセミIPN型複合体を得た。
[比較例2]
前記PEs系Pu単独で以下の評価を行った。
[比較例3]
前記PEt系Pu単独で以下の評価を行った。
[比較例4]
前記PC系Pu単独で以下の評価を行った。
[透湿フィルムの作製方法]
実施例及び比較例で得たセミIPN型複合体又はポリウレタン溶液を、乾燥後の厚さが15μmとなるように離型紙に塗布し、乾燥機を使用して70℃で2分間、次いで120℃で2分間乾燥させることでフィルムを得た。
[透湿性の評価方法]
得られた透湿フィルムを、JISL1099:2012のB−1法(酢酸カリウム法)に準拠して透湿度(g/m/24h)を測定した。
[耐水膨潤性の評価方法]
実施例、及び比較例で得られた透湿フィルム、及びフィルムを、2cm(縦)×5cm(横)に裁断したものを試験片とした。得られた試験片を25℃のイオン交換水中に1時間浸漬し、取出した透湿フィルム、及びフィルムの横方向の長さを測定し、下記式(1)により膨潤率(%)を算出した。
膨潤率(%)=浸漬後の透湿フィルム及びフィルムの長さ(cm)−5(cm)/5(cm)×100 (1)
[防汚性の評価方法]
得られた透湿フィルムの表面に、油性ボールペン(ゼブラ株式会社製「JIM−KNOCK油性」)で点を打つようにインクを付け、室温で10分放置した後に、水で濡らしたティッシュペーパーで拭き取った際のインクの有無で以下のように評価した。
「○」;インクが全て拭き取られている。
「×」;インクが確認される。
Figure 0006112284
Figure 0006112284
本発明の透湿フィルムである実施例1〜7は、透湿性、耐水膨潤性及び防汚性に優れることが分かった。
一方、比較例1は、脂肪族系ポリウレタンを用いた態様であるが、セミIPN型複合体としても良好な透湿性が得られなかった。
比較例2〜4は、一般的なポリウレタンにより形成されたフィルムであるが、透湿性及び防汚性が不良であった。

Claims (6)

  1. 芳香族ポリイソシアネートを原料としたポリウレタン(A)溶液中で、親水性単官能アクリレート(b1)及び多官能アクリレート(b2)を重合することを特徴とするセミIPN型複合体の製造方法。
  2. 前記親水性単官能アクリレート(b1)が、アミド基を有するアクリルモノマー(b1−1)、及び、オキシエチレン基を有するアクリルモノマー(b1−2)を含有するものである請求項1記載のセミIPN型複合体の製造方法。
  3. 多官能アクリレート(b2)が、オキシアルキレン基を有するものである請求項1記載のセミIPN型複合体の製造方法。
  4. 前記アミド基を有するアクリルモノマー(b1−1)、前記オキシエチレン基を有するアクリルモノマー(b1−2)、及び、前記多官能アクリレート(b2)の重合比率(モル比)が、(b1−1)/(b1−2)/(b2)=50/49.5/0.5〜89/1/10の範囲である請求項2記載のセミIPN型複合体の製造方法。
  5. 前記親水性単官能アクリレート(b1)及び前記多官能アクリレート(b2)の合計量が、前記ポリウレタン(A)100質量部に対して、10〜70質量部の範囲である請求項1記載のセミIPN型複合体の製造方法。
  6. 請求項1〜5の何れか1項記載の製造方法により得られるセミIPN型複合体を乾燥させてフィルム状とすることを特徴とする透湿フィルムの製造方法。
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