JP6304467B1 - セミipn型複合体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ポリウレタン(A)と、親水性アクリルモノマー(b1)及び加水分解性シリル基を有するアクリルモノマー(b2)の重合物(B)とを、混合し、前記重合物(B)を架橋させることを特徴とするセミIPN型複合体の製造方法に関する。前記親水性アクリルモノマー(b1)は、アミド基を有するアクリルモノマー(b1−1)、及び、オキシエチレン基を有するアクリルモノマー(b1−2)を含有することが好ましい。また、前記アミド基を有するアクリルモノマー(b1−1)、オキシエチレン基を有するアクリルモノマー(b1−2)、及び、加水分解性シリル基を有するアクリルモノマー(b2)の重合比率(モル比)は、(b1−1)/(b1−2)/(b2)=50/49.5/0.5〜89/1/10の範囲であることが好ましい。

Description

本発明は、耐水膨潤性に優れるセミIPN型複合体が得られる製造方法に関する。
ポリウレタンは良好な機械的強度、及び弾性を有することから、コーティング剤、成型材料、塗料、光学フィルム等様々な分野で広く利用されており、透湿防水布帛や合成皮革用の材料としても盛んに研究がなされている。
前記ポリウレタンが、合成皮革等の製造に用いられる場合には、不織布基材にポリウレタンを主成分とする組成物を含浸し、表面処理を施すことや、織編物の基布に前記組成物を塗工することで、合成皮革等が製造されている。これらの合成皮革等は、良好な風合いと外観等を有するため、靴、衣料、家具、手袋、自動車のシート等に広く利用されてきた。
しかしながら、従来のポリウレタンでは、例えば靴や衣料に使用される場合には、透湿性が不足して蒸れを感じたり、不快臭を発生したりする問題があった。また、家具、自動車のシートに使用される場合には、蒸れの問題以外にも耐汚染性、特に皮脂成分による汚れの耐性がなく、長期使用による汚れの除去が困難であった。これらの問題の根本的な原因は、合成皮革の原料であるポリウレタンの本質的な疎水性に起因するものである。よって、これらの問題を解決するためには、ポリウレタンの親水性を高めること、更には様々な用途で実使用可能とするため水が接触しても膨潤しないことが重要である。
前記ポリウレタンの親水化としては、例えば、ポリオキシエチレングリコールを主成分とするポリウレタンを用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。しかしながら、原料であるポリオキシエチレングリコールは、吸水性が高いため、実使用時の水接触により膨潤し、外観変化や基材から剥離が発生するとの問題があった。更に、系中のエーテル基濃度が高いため、耐光性、耐熱性等が不良であり、耐久性の必要とされる家具や車両用途への展開が困難であるとの問題もあった。
特開2005−264152号公報
本発明が解決しようとする課題は、耐水膨潤性に優れるセミIPN型複合体の製造方法を提供することである。
本発明は、ポリウレタン(A)と、親水性アクリルモノマー(b1)及び加水分解性シリル基を有するアクリルモノマー(b2)の重合物(B)とを、混合し、前記重合物(B)を架橋させることを特徴とするセミIPN型複合体の製造方法に関する。
本発明の製造方法により得られるセミINP型複合体は耐水膨潤性に優れるものである。よって、前記セミIPN型複合体は、衣料、医療、衛生用等の透湿防水布帛;合成皮革の表皮層やトップコート層として好適に使用することができる。
本発明のセミIPN型複合体の製造方法は、ポリウレタン(A)と、親水性アクリルモノマー(b1)及び加水分解性シリル基を有するアクリルモノマー(b2)の重合物(B)とを、混合し、前記重合物(B)を架橋させることが必須である。
前記セミIPN(Interpenetrating polymer Network)型複合体とは、非架橋性のポリマーに異種架橋高分子が侵入した網目構造を有する複合体である。本発明においては、非架橋性のポリウレタン(A)に対し、混合された重合物(B)が加水分解性シリル基由来の架橋反応を起こし、ポリウレタン(A)と重合物(B)とが絡み合った複合体が生成される。この架橋方法によれば、酸素阻害を受けることなく、加水分解性シリル基由来の架橋により、耐水膨潤性に優れるセミIPN型複合体を非常に安定的に製造することができる。
前記ポリウレタン(A)としては、例えば、ポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)との反応物を用いることができる。なお、本発明においては、重合物(B)によるセミIPN型構造の形成により優れた耐水膨潤性を発現することができるため、耐久性等のその他の物性に併せて、前記ポリオール(a1)の種類を自由に設計することができる。
前記ポリオール(a1)としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、ポリアクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール等を用いることができる。これらのポリオールは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ポリオール(a1)の数平均分子量としては、目的の物性に応じて、500〜10,000の範囲で適宜決定することができる。なお、前記ポリオール(a1)の数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により、下記の条件で測定して得られた値を示す。
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC−8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
(標準ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−550」
前記ポリオール(a1)には、必要に応じて、数平均分子量が50〜450の範囲の鎖伸長剤(a1−1)を併用してもよい。なお、前記鎖伸長剤(a1−1)の数平均分子量は、前記ポリオール(a1)の数平均分子量と同様に測定して得られた値を示す。
前記鎖伸長剤(a1−1)としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレンリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、サッカロース、メチレングリコール、グリセリン、ソルビトー、ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン等の水酸基を有する鎖伸長剤;エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、ヒドラジン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のアミノ基を有する鎖伸長剤などを用いることができる。これらの鎖伸長剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記鎖伸長剤(a1−1)を用いる場合の使用量としては、機械的強度及び風合いの点から、前記ポリオール(a1)100質量部に対して、0.1〜30質量部の範囲であることが好ましい。
前記ポリイソシアネート(a2)としては、例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1−メチル−2,4−フェニレンジイソシアネート、1−メチル−2,6−フェニレンジイソシアネート、1−メチル−2,5−フェニレンジイソシアネート、1−メチル−3,5−フェニレンジイソシアネート、1−エチル−2,4−フェニレンジイソシアネート、1−イソプロピル−2,4−フェニレンジイソシアネート、1,3−ジメチル−2,4−フェニレンジイソシアネート、1,3−ジメチル−4,6−フェニレンジイソシアネート、1,4−ジメチル−2,5−フェニレンジイソシアネート、ジエチルベンゼンジイソシアネート、ジイソプロピルベンゼンジイソシアネート、1−メチル−3,5−ジエチルベンゼンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ジエチルベンゼン−2,4−ジイソシアネート、1,3,5−トリエチルベンゼン−2,4−ジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、1−メチル−ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ナフタレン−2,6−ジイソシアネート、ナフタレン−2,7−ジイソシアネート、1,1−ジナフチル−2,2’−ジイソシアネート、ビフェニル−2,4’−ジイソシアネート、ビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3−3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4−ジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート(a2−1);テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロペンチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ジ(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,2’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ポリイソシアネート(a2−2)などを用いることができる。これらのポリイソシアネートは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネート(a2)として前記芳香族ポリイソシアネート(a2−1)を用いた場合には、本発明の効果である耐水膨潤性に加え、優れた透湿性を得ることができる。この理由としては、親水性のアクリル成分が表面に偏在するのではなく、膜中に均一に分布しやすくためであると考えられる。前記ポリイソシアネート(a2)として、前記芳香族ポリイソシアネート(a2−1)を用いる場合の前記芳香族ポリイソシアネート(a2−1)の含有量としては、より一層優れた透湿性が得られることから、前記ポリイソシアネート(a2)中60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。また、前記前記ポリイソシアネート(a2)として前記芳香族ポリイソシアネート(a2−1)を用いた場合には、本発明の効果である耐水膨潤性に加え、優れた透湿性を得ることができることから、透湿フィルムとして特に好適に使用することができる。
また、前記ポリイソシアネート(a2)として前記脂肪族又は脂環式ポリイソシアネート(a2−2)を用いた場合には、本発明の効果である耐水膨潤性に加え、優れた親水性、更にはこれに起因して皮脂等の油汚れに対する優れた耐防汚性を得ることができる。この理由としては、防汚性を付与する親水性の重合物(B)が塗膜表面に偏在しやすくなるためであると考えられる。前記ポリイソシアネート(a2)として、前記脂肪族又は脂環式ポリイソシアネート(a2−2)を用いる場合の前記脂肪族又は脂環式ポリイソシアネート(a2−2)の含有量としては、より一層優れた透湿性が得られることから、前記ポリイソシアネート(a2)中60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。また、前記ポリイソシアネート(a2)として前記脂肪族又は脂環式ポリイソシアネート(a2−2)を用いた場合には、本発明の効果である耐水膨潤性に加え、優れた親水性、更には優れた耐防汚性を得ることができることから、車輌用の合成皮革の表皮層やトップコート層として特に好適に使用することができる。
前記ポリウレタン(A)の製造方法としては、例えば、前記ポリオール(a1)と前記ポリイソシアネート(a2)と有機溶剤と、必要に応じて前記鎖伸長剤(a1−1)とを仕込み、ウレタン化反応させることによってポリウレタン(A)溶液を製造する方法が挙げられる。これらの反応は、例えば、50〜100℃の温度で3〜10時間行うことが挙げられる。
前記有機溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸イソブチル、酢酸第2ブチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等を用いることができる。これらの有機溶剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。前記有機溶剤の使用量としては、前記ポリウレタン(A)100質量部に対し、10〜1,000質量部の範囲であることが好ましく、20〜600質量部の範囲であることがより好ましい。
前記ポリオール(a1)及び前記鎖伸長剤(a1−1)が有する水酸基及びアミノ基の合計と、前記ポリイソシアネート(a2)が有するイソシアネート基とのモル比[イソシアネート基/水酸基及びアミノ基]としては、製造安定性、及び機械的強度の点から、0.8〜1.2の範囲であることが好ましく、0.9〜1.1の範囲であることがより好ましい。
前記ポリウレタン(A)の重量平均分子量としては、目的の物性に応じて、500〜500,000の範囲で適宜決定することができる。なお、前記ポリウレタン(A)の重量平均分子量は、前記ポリオール(a1)の数平均分子量と同様に測定して得られた値を示す。
次に、親水性アクリルモノマー(b1)及び加水分解性シリル基を有するアクリルモノマー(b2)の重合物(B)について説明する。本発明においては、優れた耐水膨潤性を得る上で、前記重合物(B)を用いることが必須である。前記親水性アクリルモノマー(b1)により塗膜の親水化と耐水膨潤性とを発現することができ、更に前記加水分解性シリル基を有するアクリルモノマー(b2)により安定的にセミIPN型構造を形成できることから耐水膨潤性の更なる向上が可能となる。また、セミIPN型構造を形成することにより、継時的な実使用においても、塗膜から親水成分の脱落を防止することができ、塗膜の強度の優れた耐久性が得られる。
なお、前記親水性アクリルモノマー(b1)の「親水性」とは、水との間に親和性を示すことを表し、具体的には、100gの水(20℃)への溶解度が、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上であるものを示す。また、前記(b1)の「モノマー」とは、(メタ)アクリロイル基を1個有することを示す。
前記親水性アクリルモノマー(b1)としては、例えば、アミド基を有するアクリルモノマー(b1−1)、オキシエチレン基を有するアクリルモノマー(b1−2)、スルホン酸基を有するアクリルモノマー、4級アンモニウム基を有するアクリルモノマー、カルボキシル基を有するアクリルモノマー、アミノ基を有するアクリルモノマー、シアノ基を有するアクリルモノマー、水酸基を有するアクリルモノマー、イミド基を有するアクリルモノマー、メトキシ基を有するアクリルモノマー等を用いることができる。
前記アミド基を有するアクリルモノマー(b1−1)としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等を用いることができる。これらのモノマーは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記オキシエチレン基を有するアクリルモノマー(b1−2)としては、例えば、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等を用いることができる。これらのモノマーは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記スルホン酸基を有するアクリルモノマーとしては、例えば、スルホプロピル(メタ)アクリレートナトリウム、2−スルホエチル(メタ)アクリレートナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム等を用いることができる。これらのモノマーは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記4級アンモニウム基を有するアクリルモノマーとしては、例えば、テトラブチルアンモニウム(メタ)アクリレート、トリメチルベンジルアンモニウム(メタ)アクリレート等を用いることができる。これらのモノマーは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記カルボキシル基を有するアクリルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、プロピル(メタ)アクリル酸、イソプロピル(メタ)アクリル酸、クロトン酸、フマル酸等を用いることができる。これらのモノマーは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記アミノ基を有するアクリルモノマーとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−tert−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド(メタ)アクリレート等を用いることができる。これらのモノマーは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記シアノ基を有するアクリルモノマーとしては、例えば、アクリロニトリル、シアノメチルアクリレート、2―シアノエチルアクリレート、シアノプロピルアクリレート、1―シアノメチルエチルアクリレート、2―シアノプロピルアクリレート、1―シアノシクロプロピルアクリレート、1―シアノシクロヘプチルアクリレート、1、1―ジシアノエチルアクリレート、2―シアノフェニルアクリレート、3―シアノフェニルアクリレート、4―シアノフェニルアクリレート、3―シアノベンジルアクリレート、4―シアノベンジルアクリレート等を用いることができる。これらのモノマーは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記水酸基を有するアクリルモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等を用いることができる。これらのモノマーは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記イミド基を有するアクリルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルイミド、N−メチロールマレイミド、N−ヒドロキシエチルマレイミド、N−グリシジルマレイミド、N−4−クロロメチルフェニルマレイミド、N−アセトキシエチルマレイミド等を用いることができる。これらのモノマーは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記メトキシ基を有するアクリルモノマーとしては、例えば、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート)、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシブチル(メタ)アクリレート等を用いることができる。これらのモノマーは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記親水性アクリルモノマー(b1)としては、前記した中でも、親水性の高いアルキル置換された窒素原子を有するアミド基、及びポリオキシエチレングリコールを側鎖に有するため、優れた親水性、及び耐水膨潤性が得られることから、アミド基を有するアクリルモノマー(b1−1)、及び、オキシエチレン基を有するアクリルモノマー(b1−2)を用いることが好ましい。前記アミド基を有するアクリルモノマー(b1−1)及びオキシエチレン基を有するアクリルモノマー(b1−2)の合計量としては、前記親水性アクリルモノマー(b1)中70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましい。
また、前記オキシエチレン基を有するアクリルモノマー(b1−2)のオキシエチレン基の平均付加モル数としては、塗膜の強度の耐久性、及び透湿性を長期的に維持することができる点から、5〜13モルの範囲であることが好ましく、8〜10モルの範囲であることがより好ましい。
前記加水分解性シリル基を有するアクリルモノマー(b2)としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリブトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシメチルトリメトキシシラン等を用いることができる。これらのアクリルモノマーは単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、セミIPN型複合体を極めて安定的に製造することができるから、アルコキシシラン基を2個有するものを用いることが好ましい。
前記親水性アクリルモノマー(b1)と前記加水分解性シリル基を有するアクリルモノマー(b2)との重合比率(モル比)としては、より一層優れた耐水膨潤性が得られる点から、99.5/0.5〜90/10の範囲であることが好ましく、99/1〜95/5の範囲であることがより好ましい。
また、前記アミド基を有するアクリルモノマー(b1−1)、オキシエチレン基を有するアクリルモノマー(b1−2)、及び前記加水分解性シリル基を有するアクリルモノマー(b2)の重合比率(モル比)としては、より一層優れた耐水膨潤性が得られる点から、(b1−1)/(b1−2)/(b2)=50/49.5/0.5〜89/1/10の範囲であることが好ましく、70/29/1〜88/7/5の範囲であることがより好ましい。
前記親水性アクリルモノマー(b1)及び前記加水分解性シリル基を有するアクリルモノマー(b2)には、必要に応じて、その他のラジカル重合性モノマーを併用してもよい。
前記その他のラジカル重合性モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、3−メチルブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレート;イソボロニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート;スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニル化合物などを用いることができる。これらのモノマーは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記親水性アクリルモノマー(b1)及び前記加水分解性シリル基を有するアクリルモノマー(b2)の重合方法としては、公知のラジカル重合を使用することができ、例えば、前記ポリウレタン(A)溶液中に前記親水性アクリルモノマー(b1)、前記加水分解性シリル基を有するアクリルモノマー(b2)、重合開始剤、及び必要に応じて前記その他のラジカル重合性モノマー、有機溶剤を添加し、例えば40〜90℃の範囲の温度下で混合撹拌、又は静置し、例えば1〜20時間でラジカル重合を進行させる方法が挙げられる。
前記重合開始剤としては、例えば、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過酸化物;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス−(2−アミノジプロパン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス−(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)2塩酸塩、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル吉草酸ニトリル)等のアゾ化合物などを用いることができる。これらの重合開始剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。前記重合開始剤の使用量としては、例えば、親水性アクリルモノマー(b1)及び前記加水分解性シリル基を有するアクリルモノマー(b2)100質量部に対して、0.001〜5質量部の範囲である。
前記重合物(B)の配合量としては、より一層優れた耐水膨潤性が得られる点から、前記ポリウレタン(A)100質量部に対して、10〜70質量部の範囲であることが好ましく、20〜40質量部の範囲であることがより好ましい。
次に、本発明のセミIPN型複合体の製造方法について説明する。
本発明のセミIPN型複合体の製造方法は、前記ポリウレタン(A)と、前記重合物(B)とを、混合し、その後前記重合物(B)が有する加水分解性シリル基の加水分解、及び縮合反応により重合物(B)を架橋させることによって製造する方法である。
前記加水分解性シリル基の加水分解・縮合反応を促進するうえでは、触媒を用いることが好ましい。
前記触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、燐酸等の無機酸;p−トルエンスルホン酸、燐酸モノイソプロピル、酢酸等の有機酸;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基;テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタン酸エステル;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、トリ−n−ブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、モノエタノールアミン、イミダゾール、1−メチルイミダゾール等の塩基性窒素原子を含有する化合物;テトラメチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、ジラウリルジメチルアンモニウム塩等の各種の4級アンモニウム塩であって、対アニオンとして、クロライド、ブロマイド、カルボキシレート、ハイドロオキサイド等を有する4級アンモニウム塩;ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、オクチル酸錫、ステアリン酸錫等の錫カルボン酸塩などが挙げられる。これらの触媒は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記触媒を用いる場合の使用量としては、前記重合物(B)100質量部に対して0.0001〜10質量部の範囲であることが好ましく、0.0005〜3質量部の範囲であることがより好ましい。
前記加水分解性シリル基の加水分解、及び縮合反応を行う際の条件としては、例えば、0〜150℃の温度範囲、好ましくは20〜80℃の温度範囲で、30分〜20時間、好ましくは1〜10時間の範囲で行うことが好ましい。
以上の方法により得られるセミIPN型複合体は、必要に応じて、他の添加剤を添加してもよい。
前記他の添加剤としては、例えば、顔料、難燃剤、可塑剤、軟化剤、安定剤、ワックス、消泡剤、分散剤、浸透剤、界面活性剤、フィラー、防黴剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐候安定剤、蛍光増白剤、老化防止剤、増粘剤等を用いることができる。これらの添加剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
次に、前記セミIPN型複合体により透湿フィルムを製造する方法について説明する。
前記透湿フィルムを製造する方法としては、例えば、前記セミIPN型複合体を基材上に塗布し、例えば40〜150℃の範囲の温度で、例えば1〜30分間乾燥させる方法が挙げられる。
前記セミIPN型複合体を塗布する基材としては、例えば、ガラス;離型紙;プラスチックフィルム;不織布、織布、編み物からなる基材;樹脂フィルム;紙等を用いることができる。前記基材を構成するものとしては、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維、アセテート繊維、レーヨン繊維、ポリ乳酸繊維等の化学繊維;綿、麻、絹、羊毛、これらの混紡繊維などを用いることができる。なお、前記基材として、不織布、織布、編み物からなる基材を使用した場合には、前記基材の内部に前記セミIPN型複合体の乾燥物が浸み込んだ状態が形成されるが、本発明においてはこのような態様もフィルムと呼ぶ。
前記基材の表面には、必要に応じて制電加工、離型処理加工、撥水加工、吸水加工、抗菌防臭加工、制菌加工、紫外線遮断加工等の処理が施されていてもよい。
前記基材表面に前記セミIPN型複合体を塗布する方法としては、例えば、グラビアコーター法、ナイフコーター法、パイプコーター法、コンマコーター法等が挙げられる。
前記透湿フィルムの厚さとしては、使用される用途に応じて決定することができ、例えば、0.01〜10mmの範囲である。
前記透湿フィルムが、透湿防水布帛の製造に使用される場合の透湿防水布帛の製造方法としては、例えば、前記透湿フィルムを公知の接着剤を用いて、布帛に接着させる方法;布帛上に前記セミIPN型複合体を直接塗布して乾燥させる方法等が挙げられる。前記布帛としては、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維、アセテート繊維、レーヨン繊維、ポリ乳酸繊維等の化学繊維;綿、麻、絹、羊毛、これらの混紡繊維などから得られるものを用いることができる。
また、前記透湿フィルムが、合成皮革の製造に使用される場合の合成皮革の製造方法としては、例えば、離型紙上に前記セミIPN型複合体を塗布・乾燥した後、透湿フィルム上に公知の接着剤を用いて、中間層、又は表皮層上に貼り付ける方法が挙げられる。前記基布としては、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維、アセテート繊維、レーヨン繊維、ポリ乳酸繊維等の化学繊維;綿、麻、絹、羊毛、これらの混紡繊維などから得られるものを用いることができる。
次に、前記セミIPN型複合体により合成皮革の表皮層又はトップコート層を製造する方法について説明する。
前記合成皮革の表皮層を製造する方法としては、例えば、前記セミIPN型複合体を、離型紙上又は離型紙上に形成されたトップコート層上に塗布し、例えば40〜150℃の範囲の温度で、例えば1〜30分間乾燥させた後、得られた乾燥物を公知の接着剤を用いて、合成皮革の中間層上に貼り付ける方法が挙げられる。
また、前記合成皮革のトップコート層を製造する方法としては、例えば、前記セミIPN型複合体を、離型紙上又は離型紙上に上に塗布し、例えば40〜150℃の範囲の温度で、例えば1〜30分間乾燥させた後、得られた乾燥物を公知の接着剤を用いて、合成皮革の表皮層上に貼り付ける方法が挙げられる。
前記セミIPN型複合体を塗布する方法としては、例えば、グラビアコーター法、ナイフコーター法、パイプコーター法、コンマコーター法等が挙げられる。
前記セミIPN型複合体の乾燥物層の厚さとしては、使用される用途に応じて決定することができ、例えば、0.01〜10mmの範囲である。
以下、実施例を用いて、本発明をより詳細に説明する。
[合成例1]<重合物(B−1)の合成>
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応装置に、2−プロパノールを仕込み、その後、N,N−ジメチルアクリルアミド/メトキシポリエチレングリコールアクリレート(新中村化学工業株式会社製「AM−90G」、オキシエチレン基の平均付加モル数が9モル)/3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシランの混合物(モル比=71/24/5)と、和光純薬工業株式会社製アゾ系重合開始剤「V−601」を2質量%とを加え、80℃の反応装置内に6時間反応し、重合物(B−1)を得た。得られた重合物(B−1)の重量平均分子量は2万、固形分は50質量%であった。
[合成例2]<重合物(B−2)の合成>
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応装置に、2−プロパノールを仕込み、その後、N,N−ジメチルアクリルアミド/メトキシポリエチレングリコールアクリレート(AM−90G)/3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシランの混合物(モル比=68/22/10)と、和光純薬工業株式会社製アゾ系重合開始剤「V−601」を2質量%とを加え、80℃の反応装置内に6時間反応し、重合物(B−2)を得た。得られた重合物(B−2)の重量平均分子量は2万、固形分は50質量%であった。
[合成例3]<重合物(B−3)の合成>
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応装置に、2−プロパノールを仕込み、その後、N,N−ジメチルアクリルアミド/メトキシポリエチレングリコールアクリレート(AM−90G)/3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランの混合物(モル比=71/24/5)と、和光純薬工業株式会社製アゾ系重合開始剤「V−601」を2質量%とを加え、80℃の反応装置内に6時間反応し、重合物(B−3)を得た。得られた重合物(B−3)の重量平均分子量は2万、固形分は50質量%であった。
[合成例4]<重合物(B−4)の合成>
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応装置に、2−プロパノールを仕込み、その後、N,N−ジメチルアクリルアミド/メトキシポリエチレングリコールアクリレート(AM−90G)/3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランの混合物(モル比=68/22/10)と、和光純薬工業株式会社製アゾ系重合開始剤「V−601」を2質量%とを加え、80℃の反応装置内に6時間反応し、重合物(B−4)を得た。得られた重合物(B−4)の重量平均分子量は2万、固形分は50質量%であった。
[合成例5]<重合物(B−5)の合成>
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応装置に、2−プロパノールを仕込み、その後、N,N−ジメチルアクリルアミド/メトキシポリエチレングリコールアクリレート(AM−90G)/3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの混合物(モル比=71/24/5)と、和光純薬工業株式会社製アゾ系重合開始剤「V−601」を2質量%とを加え、80℃の反応装置内に6時間反応し、重合物(B−5)を得た。得られた重合物(B−5)の重量平均分子量は2万、固形分は50質量%であった。
[合成例6]<重合物(B−6)の合成>
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応装置に、2−プロパノールを仕込み、その後、N,N−ジメチルアクリルアミド/メトキシポリエチレングリコールアクリレート(AM−90G)/3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの混合物(モル比=68/22/10)と、和光純薬工業株式会社製アゾ系重合開始剤「V−601」を2質量%とを加え、80℃の反応装置内に6時間反応し、重合物(B−6)を得た。得られた重合物(B−6)の重量平均分子量は2万、固形分は50質量%であった。
[合成例7]<重合物(B−7)の合成>
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応装置に、2−プロパノールを仕込み、その後、N,N−ジメチルアクリルアミド/メトキシポリエチレングリコールアクリレート(新中村化学工業株式会社製「AM−130G」、オキシエチレン基の平均付加モル数が13モル)/3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシランの混合物(モル比=71/24/5)と、和光純薬工業株式会社製アゾ系重合開始剤「V−601」を2質量%とを加え、80℃の反応装置内に6時間反応し、重合物(B−7)を得た。得られた重合物(B−7)の重量平均分子量は2万、固形分は50質量%であった。
[合成例8]<重合物(B−8)の合成>
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応装置に、2−プロパノールを仕込み、その後、N,N−ジメチルアクリルアミド/メトキシポリエチレングリコールアクリレート(AM−130G)/3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシランの混合物(モル比=68/22/10)と、和光純薬工業株式会社製アゾ系重合開始剤「V−601」を2質量%とを加え、80℃の反応装置内に6時間反応し、重合物(B−8)を得た。得られた重合物(B−8)の重量平均分子量は2万、固形分は50質量%であった。
[実施例1]
ジフェニルメタンジイソシアネートを原料としたポリエステル系ウレタンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液(固形分;20質量%、以下「MDI/PEs系Pu」と略記する。)100質量部に、重合物(B−1)を30質量部、酸触媒としてリン酸を0.5質量部添加して、5時間反応させてセミIPN型複合体を得た。
[実施例2〜10]
用いるポリウレタン(A)、重合物(B)の種類及び/又は量を表1〜2に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様にしてセミIPN型複合体を得た。
[比較例1]
ジフェニルメタンジイソシアネートを原料とした親水性ポリエーテル/ポリエステル共重合系ウレタンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液(固形分;30質量%)で以下の評価を行った。
[比較例2]
4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを原料とした親水性ポリエーテル/ポリカーボネート共重合系ウレタンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液(固形分;25質量%)で以下の評価を行った。
[評価用皮膜の作製]
実施例得られたセミIPN型複合体100質量部、及び比較例で使用するポリウレタン100質量部に、それぞれN,N−ジメチルホルムアミド30質量部を加え希釈し、乾燥後の厚さが15μmとなるように離型紙上に塗布した。これを乾燥機にて70℃で2分間、次いで120℃で2分間乾燥させ、評価用皮膜を得た。
[耐水膨潤性の評価方法]
全ての評価用皮膜を、2cm(縦)×5cm(横)に裁断したものを試験片とした。得られた試験片を25℃のイオン交換水中に1時間浸漬し、取出した皮膜の横方向の長さを測定し、下記式(1)により耐水膨潤率(%)を算出した。
耐水膨潤率(%)=浸漬後の透湿フィルム及びフィルムの長さ(cm)−5(cm)/5(cm)×100 (1)
[透湿性の評価方法]
実施例1〜8で得られたセミIPN型複合体で作製した評価用皮膜、及び、比較例1のポリウレタン(A)で作製した評価用皮膜を、JISL1099:2012のB−1法(酢酸カリウム法)に準拠して透湿度(g/m/24h)を測定した。
[水接触角の評価方法]
実施例9〜18で得られたセミIPN型複合体で作製した評価用皮膜、及び、比較例2のポリウレタン(A)で作製した評価用皮膜を、協和界面科学株式会社製の温度計測ユニット(DM)付きの「DropMaster700」(固液界面解析システムオプション)を使用して水に対する接触角を測定した。
[防汚性の評価方法]
実施例9〜18で得られたセミIPN型複合体で作製した評価用皮膜、及び、比較例のポリウレタン(A)で作製した評価用皮膜を、振磨耗試験機の摩擦面に貼り付け、摩擦子には黒染み試験布(Swissatest社製「EMPA104」)を貼り付け、1kg荷重で100回往復試験を行った。次いで試験片を純水で湿らせたBEMCOTでふき取った際の黒染みの有無で以下のように評価した。
「○」;黒染みが完全にふき取られている
「△」;黒染みが一部残っている
「×」;黒染みが全くふき取れない
Figure 0006304467
Figure 0006304467
Figure 0006304467
Figure 0006304467
表1〜4中の略語は以下のものである。
「MDI/PEs系Pu」:ジフェニルメタンジイソシアネートを原料としたポリエステル系ウレタンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液(固形分;20質量%)
「MDI/PEs・PEt系Pu」:ジフェニルメタンジイソシアネートを原料とした親水性ポリエーテル/ポリエステル共重合系ウレタンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液(固形分;30質量%)
「H12MDI/PC系Pu」:4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを原料としたポリカーボネート系ウレタンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液(固形分;25質量%)
「H12MDI/PC・PEt系Pu」:4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを原料とした親水性ポリエーテル/ポリカーボネート共重合系ウレタンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液(固形分;25質量%)
「DMAA」:N,N−ジメチルアクリルアミド
「KBE−502」:3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン
「KBE−503」:3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン
「KBM−503」:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
本発明の製造方法により得られたセミIPN型複合体は、優れた耐水膨潤性を有する皮膜が得られることが分かった。また、ポリウレタン(A)として芳香族ポリイソシアネート(a2−1)を用いた実施例1〜5では、更に優れた透湿性が得られることが分かった。また。ポリウレタン(A)として脂肪族又は脂環式ポリイソシアネート(a2−2)を用いた実施例6〜10では、更に優れた親水性及び耐防汚性が得られることが分かった。
一方、比較例1は、芳香族系ポリウレタンを単独で用いた態様であるが、耐水膨潤性が不良であった。
比較例2は、脂肪族系ポリウレタンを単独で用いた態様であるが、耐水膨潤性が不良であった。

Claims (3)

  1. ポリウレタン(A)と、アミド基を有するアクリルモノマー(b1−1)、及び、オキシエチレン基を有するアクリルモノマー(b1−2)を含有する親水性アクリルモノマー(b1)並びに加水分解性シリル基を有するアクリルモノマー(b2)の重合物(B)とを、混合し、前記重合物(B)を架橋させることを特徴とするセミIPN型複合体の製造方法。
  2. 前記アミド基を有するアクリルモノマー(b1−1)、オキシエチレン基を有するアクリルモノマー(b1−2)、及び、加水分解性シリル基を有するアクリルモノマー(b2)の重合比率(モル比)が、(b1−1)/(b1−2)/(b2)=50/49.5/0.5〜89/1/10の範囲である請求項記載のセミIPN型複合体の製造方法。
  3. 前記重合物(B)の配合量が、前記ポリウレタン(A)100質量部に対して、10〜70質量部の範囲である請求項1又は2記載のセミIPN型複合体の製造方法。
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