JP6111638B2 - コンロッドの破断監視装置及びその監視方法 - Google Patents

コンロッドの破断監視装置及びその監視方法 Download PDF

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Description

本発明は、小端部と大端部とが一体成形されたコンロッドを、大端部において破断したときの破断状態を監視する装置及びその監視方法に関する。
エンジンのクランクシャフトとピストンとを連結するコンロッド(コネクティングロッド)は、軸部の一端に、クランクシャフトに連結する大端部を有するとともに、他端に、ピストンに連結する小端部を有している。大端部にはクランクピンが嵌合される貫通孔が、小端部にはピストンピンが嵌合される嵌合孔が、それぞれ設けられている。そして、大端部の貫通孔は、軸部に設けられた半円部と、該軸部に対して着脱可能なキャップ部に設けられた半円部と、で構成され、クランクシャフトへ連結可能になっている。
このコンロッドを製造するには、軸部とキャップ部とを別体で成型することもあるが、近年では、軸部にキャップ部を素材で一体成形し、軸部からキャップ部を分離するクラッキング工法が採用されている。クラッキング工法は、コンロッドの大端部の貫通に一対の半割型のマンドレルを嵌合し、該半割型マンドレル間に楔を打ち込むことによって、コンロッドを貫通部分で2つに破断する工法である。
また、破断促進部として貫通孔の左右両側にV字状の切欠きを破断部に設け、楔部材を打ち込んで該V字状の切欠き部へ応力集中を引き起こすことによって、コンロッドを破断する。このように、コンロッドを大端部において強制的に破断する工法であるため、破断位置及び破断面の性状を適切に管理する必要がある。具体的には、左右のV字状の切欠き部から軸部に直行する方向に均等に破断されるように管理することが必要である。
そのための発明として、例えば、特許文献1には、コンロッドを破断するときに生じる破断荷重及び破断時間を計測し、該計測された破断荷重及び破断時間と、予め設定された所定値と、を比較することによってコンロッドの破断状態の良否を判定するようにしたものが、示されている。
特開2005−74537号公報
しかしながら、特許文献1の発明では、破断荷重の大きさ及び破断荷重が付与される時間を基に、コンロッドの破断状態の良否を判定しており、正常にクラッキングされたにもかかわらず不良品であると検知される可能性があった。つまり、V字状の切欠き形状によっては、正常に破断されたにもかかわらず、所定値よりも破断荷重が高くなると共に破断時間が長くなり、破断不良と判定されることがあった。
例えば、V字状の切欠きの先端丸みの半径が大きい場合、又は切欠き角度が大きい場合には、V字状の切欠き部への応力集中係数が低下するため破断荷重が上昇する。また、V字状の切欠き深さが浅い場合にも破断荷重が上昇する。この場合、破断荷重は所定値より上昇すると共に、破断時間も所定値より長くなる。このように、V字状の切欠きの形状によっては、正常に破断されたにもかかわらず、破断不良と判断されることがあった。
また、特許文献1の発明では、破断荷重および破断時間を基に破断状態を判定しているので、左右どちらの破断部に問題があるかを判定できるものではない。さらに、破断時の荷重の変化から左右の破断時間差を読み取り、コンロッドの破断状態を推定しているが、破断時間は非常に短時間であるので、左右の破断時間差から精度よくコンロッドの破断状態を判定することは困難であった。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、すなわち、V字状の切欠きなどの破断促進部の形状によらず、クラッキング工法による破断不良を精度よく検出可能なコンロッドの破断監視装置及びその監視方法を得ることを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、大端部と小端部とが一体成形されたコンロッドの大端部側の貫通に一対の半割型のマンドレルを嵌合し、前記一対のマンドレル間に楔を打ち込んでいくことにより前記コンロッドの大端部を予め前記貫通孔の左右両側に設けた破断促進部から軸部側とキャップ部側とに左右の破断部で破断したときの破断状態を監視するコンロッドの破断監視装置であって、破断時に前記キャップ部側を左右両側で保持する保持手段に設けられた左右一対の歪検出手段と、破断時に前記左右一対の歪検出手段からそれぞれ出力される検出信号に基づいて破断状態を判定する破断判定手段と、を有し、前記破断判定手段は、前記左右一対の歪検出手段によって検知される歪の左右の差を基に、前記コンロッドの前記左右の破断部の破断状態の良否を判定することを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記歪検出手段は、前記保持手段と、前記一対のマンドレルの少なくとも一方と、にそれぞれ左右一対に設けられていることを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記破断促進部は、破断用V字状切欠きであり、前記破断判定手段によって前記破断用V字状切欠きの加工状態が不良と判定された場合に、警告する警告手段を備えていることを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記破断判定手段は、前記左右一対の歪検出手段によって検出される歪の左右の差が、n回以上(nは1以上の整数)連続して所定値より大きい場合に、前記破断用V字状切欠きが形状不良であると判定することを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記破断判定手段によって前記破断用V字状切欠きが形状不良であると判定された場合に、自動工具交換機構を備えたV字状切欠き加工装置に対して自動工具交換を指示する指示手段を備えていることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、大端部と小端部とが一体成形されたコンロッドの大端部側の貫通に一対の半割型のマンドレルを嵌合し、前記一対のマンドレル間に楔を打ち込んでいくことにより、前記コンロッドの大端部を予め前記貫通孔の左右両側に設けた破断促進部から軸部側とキャップ部側とに左右の破断部で破断したときの破断状態を監視する方法であって、破断時に前記キャップ部側を左右両側で保持する保持手段に設けられた左右一対の歪検出手段によって、破断時に生じる歪を検出する第1ステップと、破断時に前記左右一対の歪検出手段からそれぞれ出力される検出信号に基づいて破断状態を判定する第2ステップと、を有し、前記第2ステップにおいて、前記左右一対の歪検出手段が検知する歪の差によって前記コンロッドの前記左右の破断部の破断状態の良否を判定することを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記第1ステップにおける前記左右一対の歪検出手段は、前記一対のマンドレルの少なくとも一方にそれぞれ設けられた左右一対の歪検出手段を含むことを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の発明において、前記破断促進部は、破断用V字状切欠きであり、前記第2ステップにおいて、前記破断用V字状切欠きの加工状態が不良と判定された場合に、警告するステップを、さらに有することを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、前記第2ステップにおいて、前記左右一対の歪検出手段からそれぞれ出力される歪の左右の差が、n回以上(nは1以上の整数)連続して所定値より大きい場合に、前記コンロッドに備えられたV字状切欠きを形状不良であると判定するステップを、さらに有することを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、前記第2ステップにおいて、前記V字状切欠きが形状不良であると判定された場合に、自動工具交換機構を備えたV字状切欠き加工装置に対して自動工具交換を指示するステップを、さらに有することを特徴とする。
まず、請求項1の発明によれば、歪検出手段はキャップを保持する保持手段に左右一対に設けられているので、歪検出手段からそれぞれ出力される検出信号に基づいてコンロッドの破断状態の良否を判定できる。つまり、破断荷重の大きさ及び/又は破断荷重の付加時間に基づいてコンロッドの破断状態を誤判定する可能性を低減し、コンロッドの破断状態の良否を精度よく判定できる。
しかも、歪検出手段は左右一対に設けられているので、歪検出手段からそれぞれ出力される検出信号に基づいて、左右それぞれの破断部の破断状態を精度よく判定できる。
また、歪検出手段からそれぞれ出力される左右の歪、の差に基づいてコンロッドの破断状態の良否を判定できる。つまり、コンロッドの破断状態の良否を精度よく判定できる。
また、請求項に記載の発明によれば、左右一対の歪検出手段を複数組備えているので、より精度よくコンロッドの破断状態の良否をより精度よく判定できる。
また、請求項に記載の発明によれば、破断不良警告手段を備えることによって、作業者に破断状態の確認を促すことができる。これによって、コンロッドの破断状態の確認をより精度良く判定できる。
また、請求項に記載の発明によれば、左右一対の歪検出手段によって検出される歪の左右の差が、所定回数以上連続して所定値より大きい場合に、破断促進部としてのV字状切欠きの形状不良と判定する。ここで、コンロッドの破断不良が連続して発生する原因として、コンロッドに設けられたV字状切欠きの加工状態が不良であることが原因として考えられる。つまり、コンロッドの破断不良が連続して発生した場合に、破断不良となる原因をV字状切欠きの加工不良であると早期に特定し、これによって、コンロッドの破断不良品の発生率を低減できる。
また、請求項に記載の発明によれば、左右一対の歪検出手段によって検出される歪の左右の差が、所定回数以上連続して所定値より大きく、破断判定手段によってV字状切欠きの加工状態が不良であると判定された場合に、自動工具交換機能を備えたV字状切欠き加工装置は損耗していない工具に自動的に交換する。
これによって、破断促進部としてのV字状切欠きの形状不良を早期に解消し、コンロッドの破断不良品の発生率を低減できる。また、V字状切欠き加工用の工具の損耗状態を監視する必要なく、コンロッドの破断状態を監視することによって、工具を寿命限界まで使用することができる。これによって、工具のコストを低減できる。
また、請求項に記載の発明によれば、破断時にキャップ部側を保持する保持手段に設けられた左右一対の歪検出手段からそれぞれ出力される検出信号に基づいて、破断判定手段はコンロッドの破断状態の良否を判定する。したがって、破断荷重の大きさ及び/又は破断荷重の付加時間に基づいてコンロッドの破断状態を誤判定する可能性を低減し、コンロッドの破断状態の良否を精度よく判定できる。
また、歪検出手段からそれぞれ出力される左右の歪、の差に基づいてコンロッドの破断状態の良否を判定できる。つまり、コンロッドの破断状態の良否を精度よく判定できる。
また、請求項に記載の発明によれば、左右一対の歪検出手段を複数組備えているので、より精度よくコンロッドの破断状態の良否をより精度よく判定できる。
また、請求項に記載の発明によれば、左右一対の歪検出手段によって検出される歪の左右の差が、所定回数以上連続して所定値より大きい場合に、破断促進部としてのV字状切欠きの形状不良と判定する。つまり、コンロッドの破断不良が連続して発生した場合に、破断不良となる原因をV字状切欠きの加工不良であると早期に特定し、これによって、コンロッドの破断不良品の発生率を低減できる。
また、請求項に記載の発明によれば、左右一対の歪検出手段によって検出される歪の左右の差が、所定回数以上連続して所定値より大きく、破断判定手段によってV字状切欠きの加工状態が不良であると判定された場合に、V字状切欠きの加工状態が不良と判定されたことを警告する。これによって、作業者にV字状切欠きの加工状態の確認を促し、コンロッドの破断不良が連続して発生する原因を早期に特定し、コンロッドの破断不良品の発生率を低減できる。
また、請求項10に記載の発明によれば、左右一対の歪検出手段によって検出される歪の左右の差が、所定回数以上連続して所定値より大きく、破断判定手段によってV字状切欠きの加工状態が不良であると判定された場合に、自動工具交換機能を備えたV字状切欠き加工装置は損耗していない工具に自動的に交換する。
これによって、V字状切欠きの形状不良を早期に解消し、コンロッドの破断不良品の発生率を低減できる。また、V字状切欠き加工用の工具の損耗状態を監視する必要なく、コンロッドの破断状態を監視することによって、工具を寿命限界まで使用することができる。これによって、工具のコストを低減できる。
コンロッドWを示す図である。 コンロッド破断加工システム1の構成を概略的に示す図である。 コンロッド破断監視装置10の構成を概略的に示す図である。 コンロッド破断監視装置10の破断加工部の構成を概略的に示す図である。 V字状切欠き加工装置30の構成を概略的に示す図である。 ノッチN1、N2の1例を示す拡大図である。 図6のノッチを備えたコンロッドの破断時のキャップ保持部の歪の変化を示す図である。 図7と同様の場合のマンドレル12の歪の変化を示す図である。 図6のノッチを備えたコンロッドの破断時の破断面を示す図である。 ノッチN1、N2の他の例を示す拡大図である。 図10のノッチを備えたコンロッドの破断時のキャップ保持部の歪の変化を示す図である。 図11と同様の場合のマンドレル12の歪の変化を示す図である。 図10のノッチを備えたコンロッドの破断時の破断面を示す図である。 コンロッド破断監視装置10の処理内容を示すフローチャートである。
まず、本発明に係るコンロッドについて説明する。図1はコンロッドを示す図であり、図1aは平面視であり、図1bは図1aの線A-Aにおけるコンロッドの断面図である。
図1に符号Wに示すコンロッドは、鋼鋼材で形成され、ピストンピンを支持する貫通した小径孔H1とクランクピンを支持する貫通した大径孔H2とを備え、厳密には、ロッドW1とキャップW2との二部品で構成される。ロッドW1とキャップW2とを結合するボルト用の締め付け座面SがキャップW2には左右一対で備えられている。
コンロッドWの作製方法を説明すると、コンロッドWは最初からロッドW1とキャップW2との二部品で作製されるのではなく、これらを一体にして作製される。次に小径孔H1と大径孔H2それぞれが所定の真円度になるように加工(例えば、研磨加工)し、その後、破断線BL(大径孔H2の中心を通過し、小径孔H1と大径孔H2の並列方向Bと直行する方向の線)で破断されて、ロッドW1とキャップW2との二部品にされる。
したがって、ロッドW1とキャップW2は、クランクピンを受けるための同一の真円度の半円状の軸受け面(破断前は、大径孔H2の内周面P)を備えることになる。
また、コンロッドWには、破断線BL上で破断するように破断促進部としてのV字状の切欠き(ノッチ)N1、N2が設けられている。ノッチN1、N2は、大径孔H2の破断線BL上の内周面Pの軸方向に沿って形成されており、例えばブローチ加工によって作製される。ノッチN1、N2に応力集中が起こることによって、コンロッドWは破断線BLで破断される。
ノッチN1、N2は、大径孔H2の径方向への切欠き深さDと、切欠き角度θと、切欠き先端丸みRと、を有する。BL方向に平行な方向を左右方向とし、ノッチN1は右側の破断部に設けられ、ノッチN2は左側の破断部に設けられている。
以下、コンロッドWをロッドW1とキャップW2とに破断するコンロッド破断加工システム1について説明する。図2は、コンロッドの破断加工システム1の構成を概略的に示す図である。図2に示すように、コンロッドの破断加工システム1は、コンロッド破断監視装置10と、複数のV字状切欠き加工装置30(#1〜#6)と、を備えている。コンロッド破断監視装置10は、工場内イーサーネット50を介して各V字状切欠き加工装置30に接続され、互いに通信可能に構成されている。各コンロッドWは、まず、V字状切欠き加工装置30においてV字状切欠きを加工され、その後、V字状切欠きを加工した装置30の情報(例えば、30#1)と共にコンロッド破断監視装置10へ搬送される。
次に、コンロッド破断監視装置10の構成を、図3を参照して以下に説明する。図3は、コンロッド破断監視装置10の構成を概略的に示す図である。図3に示すように、コンロッド破断監視装置10は、コンロッドWの大径孔H2に嵌合される半割型の一対のマンドレル12、14と、マンドレル12と14との間に打ち込まれる楔16と、楔16を移動させるアクチュエータ18と、一対のマンドレルに抗してコンロッドWを保持するロッド保持部20及びキャップ保持部22と、コンロッドWを破断するときにキャップ保持部22及び一対のマンドレル12、14に生じる歪を検出する歪ゲージ24と、コンロッドWの破断状態が不良である場合に警告する破断不良警告部26と、コンロッドWの破断状態の良否を判定しコンロッド破断監視装置10を制御する制御装置28と、を備える。
一対のマンドレル12、14は、コンロッドWの大径孔H2に嵌合されるように構成されており、コンロッドWの大径孔H2の内周面Pに当接して押圧するための押圧面12a、14aを備えると共に、楔16と当接するテーパ面12b、14bを備える。本実施形態においては、マンドレル12はキャップ側に位置し、マンドレル14はロッド側に位置している。また、図示してはいないが、一対のマンドレル12、14は、コンロッドWの小径孔H1と大径孔H2の並列方向Bにのみ移動するように規制されている(例えば、マンドレル12、14は、並列方向Bに延びるレール上を移動するように構成されている。)。
楔16は、コンロッドWの大径孔H2の軸方向に一対のマンドレル12、14との間に移動するように構成されており、マンドレル12、14のテーパ面12b、14bを押して、マンドレル12、14を互いに離間するように並列方向Bに移動させる。
アクチュエータ18は、楔16をコンロッドWの大径孔H2の軸方向に押圧して移動させるためのものである。
以下、図4を参照して、ロッド保持部20、キャップ保持部22、歪ゲージ24の付着位置について詳細に説明する。図4はコンロッド破断監視装置10の破断加工部の構成を概略的に示す図である。
図4に示すように、ロッド保持部20は、ロッドW1の小端部をマンドレル14に対向して保持するように構成されており、略V字状の形態を有する。また、ロッド保持部20はマンドレル14に結合されており、マンドレル14の移動と共に、ロッドW1を保持しながら移動する。
キャップ保持部22は、キャップW2側をマンドレル12に抗して左右両側で保持するように構成されており、キャップW2の座面Sに当接して押圧するための押圧面22aを有する。
歪ゲージ24a、24bは、キャップ保持部22に生じる歪を検出するためのものであり、キャップ保持部22の両側の側面22bに左右一対となるように付着されている。歪ゲージ24c、24dはキャップ側のマンドレル12に付着され、歪ゲージ24e、24fはロッド側のマンドレル14に付着されており、それぞれ左右一対となるように付着されている。マンドレルへ付着される歪ゲージ24c〜24fは、マンドレルの押圧面12a、14aの左右両端部にそれぞれ付着されている。
各歪ゲージ24a〜24fには電圧が印加されており、その電圧の変化から歪を検出する。このように歪ゲージ24a〜24fを左右一対となるようにそれぞれ付着しているので、破断時に荷重のかかる部材に生じる歪を左右両側で検出できるようになっている。
破断不良警告部26は、制御装置28によってコンロッドの破断状態が不良であると判定された場合に、作業者にコンロッドの破断状態が不良であることを警告し、破断状態の確認を作業者に促す。この警告には、左右どちらの破断部が破断不良と判定されたかの情報と、該コンロッドWのV字状切欠きを加工したV字状切欠き加工装置30の情報と、を含めてもよい。
制御装置28は、歪ゲージ24a〜24fによって検出される歪の最大値を検出する最大歪検出部282と、コンロッドの破断状態を判定する破断判定部284と、V字状切欠き加工装置30に工具交換を指示する工具交換指示送信部286と、を有する。
最大歪検出部282は歪ゲージ24a〜24fによって検出される歪の最大値を検出するためのものであり、歪ゲージ24a〜24fによって検出されたそれぞれの歪変化から、歪ゲージ24a〜24f毎に破断加工1サイクル当たりの最大歪を検出する。
破断判定部284はコンロッドの破断状態を判定するためのものである。最大歪検出部282によって検出されたそれぞれの最大歪から、歪ゲージが左右一対に付着された各部材毎に左右の最大歪の差の絶対値を演算し、該差が予め部材毎に設定された閾値X、Y、Zよりも大きい場合に、破断状態が不良であると判定する。破断不良であると判定された場合には、コンロッド破断監視装置10を停止させ、破断不良警告部26を起動する。閾値X、Y、Zは、キャップ保持部22、マンドレル12、14毎にそれぞれ予め設定された閾値である。
また、破断判定部284は、左右一対の最大歪から左右どちらの破断部が破断不良であるかを判定する。具体的には、左右一対の最大歪の高い方向の破断部が先に破断し、最大歪の低い方向の破断部が後に破断したと判定し、後に破断した方向の破断部が破断不良であると判定する。
作業者による破断状態の確認後にコンロッド破断監視装置10を再稼働させた場合に、破断判定部284が再び破断不良と判定し、n回以上(nは1以上の整数)連続して破断不良であると判定した場合には、工具交換指示送信部286を起動する。なお、特定の左右方向に破断不良が連続する場合に工具交換指示送信部286を起動するように構成してもよいし、特定の方向に破断不良が生じたことに限らず破断不良が連続する場合に工具交換指示送信部286を起動するように構成してもよい。
工具交換指示送信部286はV字状切欠き加工装置30に工具交換指示を送信するためのものであり、破断判定部284の破断状態による判定結果にしたがいV字状切欠き加工装置30に工具交換指示を送信する。つまり、n回以上連続して破断不良と判定された場合には、V字状切欠きの形状不良が破断不良の原因として推定されるので、V字状切欠きを形成する工具を刃先が損耗していないものに交換することによって早期に破断不良を解消できる。なお、工具交換指示には左右どちらの破断部が破断不良と判定されたかの情報が含まれる。また、工具交換指示は、該コンロッドのV字状の切欠きを加工した装置30に対して、送信される。
次に、V字状切欠き加工装置30の構成を、図5を参照して以下に説明する。図5は、V字状切欠き加工装置30の構成を概略的に示す図である。図5に示すように、V字状切欠き加工装置30は、V字状切欠きを加工する工具32と、コンロッド保持部34と、自動工具交換装置36と、V字状切欠き加工装置の動作を制御する制御装置38と、を備えた、既知のマシニングセンタである。
本実施形態においては、ブローチ加工によってV字状切欠きを形成するように構成されている。すなわち、工具32はブローチ加工用の工具であり、複数の交換式の切刃32aを有しており切刃32aが損耗した場合に、刃先が損耗していない(新品又は再研磨されたもの)切刃32aに交換できるように構成されている。なお、本実施形態に係る工具32は左右一対となる2組の切刃セット32a1、32a2を備えており、左右一対のノッチN1、N2はそれぞれの切刃セット32a1、32a2によってそれぞれ加工されるように構成されている。
コンロッド保持部34は、コンロッドWを保持するためのものである。
自動工具交換装置36は、V字状切欠き加工装置30の加工軸に取り付ける工具を予め収容された予備の工具32’に自動交換するためのものであり、マシニングセンタに一般的に備えられる既知の装置である。
制御装置38は、工具交換指示受信部382と、工具交換指示部384と、を有する。工具交換指示受信部382は、コンロッド破断監視装置10から送信される工具交換指示を受信し、工具交換指示部384を起動する。工具交換指示部384は、自動工具交換装置36に工具交換を指示する。
このようなコンロッド破断加工システム1によれば、まず、図3及び図4に示すように、コンロッドWをロッド保持部20、キャップ保持部22によってコンロッド破断監視装置10に取り付け、大径孔H2に一対のマンドレル12、14が嵌合される。次にアクチュエータ18によって楔16がマンドレル12、14との間に移動される。楔16がマンドレル12、14に押しあたり、該マンドレル12、14を並列方向Bに押圧し始める。
アクチュエータ18の楔16を押す力が序々に上げられ、それによってマンドレル12、14はコンロッドWの大径孔H2を並列方向Bに拡大していく。このとき、歪ゲージ24a〜24fは、キャップ保持部22と、一対のマンドレル12、14とに生じる歪を検出する。すなわち、キャップ保持部22と、一対のマンドレル12、14とに、圧縮応力又は引っ張り応力が作用して、歪が生じている。
さらに、アクチュエータ18の楔16を押す力が上げられると、さらにマンドレル12、14によってコンロッドWの大径孔H2は拡大して、コンロッドWはノッチN1、N2を起点として破断線BLで破断する。
このとき、ノッチN1、N2の形状によって、破断の態様が異なる。具体的には、切欠き先端丸みRが小さい場合又は切欠き角度θが小さい場合には、応力集中係数が高くなるため、該ノッチへの応力集中が促進され早期に破断に至る。逆に、切欠き先端Rが大きい場合又は切欠き角度θが大きい場合には応力集中係数が低くなるため、該ノッチへの応力集中が促進されず早期に破断しない。
同様に、径方向への切欠き深さDが深い方が破断部の幅が短くなるため、該ノッチN1、N2への発生応力が高くなり早期に破断に至る。逆に、径方向への切欠き深さDが浅い方が破断部の幅が長くなるため、該ノッチへの発生応力が低くなり早期に破断しない。すなわち、ノッチN1、N2の形状が異なる場合、左右の破断部への発生応力が異なので、左右の破断部が略同時に破断しないことになる。
図6〜図9を参照して左右の破断部が略同時に破断する場合、つまり両方ともBL方向に真っ直ぐに破断する場合を説明する。図6はノッチN1、N2の形状が略同一の場合を示す図であり、図7、図8はそれぞれキャップ保持部22、キャップ側マンドレル12に付着した歪ゲージ24a〜24dによって検出した歪の変化を示す図であり、図9は破断後のコンロッドWの破断面を示す図である。
図6に示すようにノッチN1、N2は、同等の切欠き先端丸みRと切欠き角度θと切欠き深さDとを有している。この場合、ノッチN1、N2への応力集中は略同一であるため、図7、図8に示すように、各歪ゲージ24a〜24dによって検出される歪の変化は略同等であるので、ノッチN1側の破断部及びノッチN2側の破断部は略同時に破断することになる。
このとき、最大歪検出部282によってそれぞれの最大歪が検出され、破断判定部284によって、それぞれの部材毎に最大歪の左右の差が演算される。具体的には図7、図8に示すように計算された最大歪の左右の差S1、S2が、予め設定された閾値X、Yよりも低いので、破断判定部284は破断状態を良と判定する。この場合、図9に示すように、両破断部は略真っ直ぐに破断し良好な破断面を得ることができる。
次に、図10〜図13を参照して左右の破断部がタイミングを異にして破断する場合、つまり一方の破断部がBL方向に真っ直ぐに破断しない場合を説明する。図10はノッチN1、N2の形状が異なる場合のV字状切欠きの一例を示す図であり、図11、図12はそれぞれキャップ保持部22、キャップ側マンドレル12に付着した歪ゲージ24a〜24dによって検出した歪の変化を示す図であり、図13は破断後のコンロッドWの破断面を示す図である。
図11に示すようにノッチN1、N2は、切欠き先端丸みRのみ異なり、切欠き角度θ及び切欠き深さDは同等である。ノッチN2はノッチN1よりも小さな切欠き先端丸みRを有している。この場合、ノッチN2への応力集中はノッチN1よりも大きくなるので、左側に示されるノッチN2側の破断部から先に破断し、右側に示されるノッチN1側の破断部が遅れて破断することになる。
図11に示すように、ノッチN2側に付着した歪ゲージ24bによって検出される歪の最大値24b1、ノッチN1側に付着された歪ゲージ24aによって検出される歪の最大値24a1よりも大きい。これは、応力集中の大きなノッチN2側を備える左側の破断部側が右側の破断部より延びて、その結果、キャップW2を介してキャップ保持部22の左側をより押圧していることを意味する。
また、図12に示すように、右側の破断部に付着された歪ゲージ24cによって検出される歪の最大値24c1は、左側の歪ゲージ24dによって検出される歪の最大値24d1よりも大きい。これは、応力集中の大きなノッチN2側を備える左側の破断部側が右側の破断部よりも延びて、その結果、マンドレル12の左側がコンロッドWの内周面Pを押圧する力が弱まることを意味する。このような形状のノッチN1、N2の組み合わせでは、図13に示すように、遅れて破断するノッチN1側を備える右側の破断部は真っ直ぐにならない。
つまり、ノッチN1、N2の形状が略同等の場合には、両破断部が略同時に破断し、それぞれ略真っ直ぐな破断面を得ることができる。一方、ノッチN1、N2の形状に差があり、それに伴って両破断部に生じる応力に差がある場合には、応力が高い方が先に破断し、続いて他方が破断することになる。この結果、遅れて破断した他方の破断部の破断面は、真っ直ぐとならない。
このときの、制御装置28によってコンロッドの破断状態を判定する処理内容を、図14のフローチャートを参照しながら、以下に説明する。まず、最大歪検出部282によってそれぞれの歪ゲージ24が検出した歪の変化から最大歪が検出する(ステップS101)。続いて、破断判定部284によって、それぞれの部材毎に最大値の左右の差が演算される(ステップS102)。
具体的には、図11に示すように、キャップ保持部22に付着された歪ゲージ24aが検出した歪の変化の最大値は24a1であり、歪ゲージ24bが検出した歪の変化の最大値は24b1である。次に、破断判定部284は、24a1と24b1との差S1を演算し、該差と予め設定された閾値Xとを比較する。
この場合、差S1は閾値Xよりも大きいので、破断判定部284は破断状態が不良であると判定する(ステップS103)。このような破断判定部284による処理は、歪ゲージが左右一対に付着された各部材毎に行われる。
さらに、破断判定部284は左右の破断部のどちらが破断不良であるかを判定し、破断不良警告部26を起動する。(ステップS104)。具体的には、各部材毎の左右の最大歪の絶対値を比較する。キャップ保持部22に付着した歪ゲージから破断不良部を判定するには、最大歪の絶対値の大きい側すなわち歪ゲージ24bを備える左側の破断部が先に破断したと判定し、右側の破断部が破断不良であると判定する。
一方、マンドレル12に付着した歪ゲージから破断不良部を判定するには、最大歪の絶対値の小さい側すなわち歪ゲージ24dを備える左側の破断部が先に破断したと判定し、右側の破断部が破断不良であると判定する。すなわち、キャップ保持部22に付着した歪ゲージから破断部位を判定する場合には最大歪の絶対値が低い側の破断部が後に破断したと判定し、逆にマンドレル12、14に付着した歪ゲージから破断部位を判定する場合には最大歪の絶対値が高い側の破断部が後に破断したと判定される。
破断不良警告部26は、コンロッド破断監視装置10を停止させ、作業者に破断状態が不良であると判定されたことを、破断不良と判定された破断部の左右位置の情報と共に、作業者に通知する(ステップS105)。これによって、作業者はコンロッドの破断状態が不良と判定された部位の情報を参考にして、破断されたコンロッドWの現物を確認することができる。
コンロッド破断監視装置10を再稼働させた後も続いて、破断判定部284によってn回以上(nは1以上の整数)連続して左右どちらか特定方向の破断部の破断状態が不良であると判定された場合には、工具交換指示送信部286が起動される(ステップS106)。
工具交換指示送信部286は、工場内イーサーネット50を介して、工具交換指示をV字状切欠き加工装置30に工具交換指示を送信する(ステップS107)。
V字状切欠き加工設備30は工具交換指示受信部382によって工具交換指示を受信すると工具交換指示部384を起動し(ステップS301)、工具交換指示部384は自動工具交換装置36に工具交換を指示する(ステップS302)。
つまり、n回以上連続して特定方向の破断部が不良と判定されるような場合には、ノッチN1、N2に形状差が生じていると推定されるので、該ノッチN1、N2を形成する工具32を交換することによって、ノッチN1、N2の形状差を解消することができる。この結果、ノッチN1、N2の形状差に起因した破断不良を解消することができる。
その後、V字状切欠き加工装置30から取り外された工具32の切刃32aは、刃先が損耗していないチップ32aに全て交換されて、自動工具交換装置36の工具収納部に収容されて、次の工具交換指示に備える。
なお、工具交換指示には、左右の破断部のうち、どちらの破断部が不良と判定されたかの情報が含まれているので、工具32のどちらの切刃セット32a1、32a2に問題があるか、すなわち損耗しているかを推定することができる。このため、当該問題の推定される切刃セットのみ刃先が損耗していないチップセットに交換することができる。
しかしながら、どちらか一方の切刃セット32a1、32a2のみを、刃先が損耗していない切刃32aに交換されると、左右一対の切刃セット32a1、32a2の損耗状況が異なり、ノッチN1、N2の形状に差が生じてしまう。その結果、左右一対のノッチN1、N2の形状差に起因した両破断部への発生応力の差が大きくなるため、破断不良に至りやすい。このため、左右一対のチップセット32a1、32a2を同時に全て交換することが望ましい。さらに同時に交換することによって、工具が交換される頻度を低減すると共に、工具32を交換する作業効率を向上できる。
これによって、V字状切欠きの形状不良を早期に解消し、コンロッドの破断不良品の発生率を低減できる。また、V字状切欠き加工用の工具32の損耗状態を監視する必要なく、コンロッドWの破断状態を監視することによって、工具32の寿命を限界まで使用することができる。これによって、工具32のコストを低減できる。
ただし、工具32が交換されてすぐに、工具交換指示が送信される場合がある。この場合、特定の切刃32aのみに欠損等の不具合が生じていることが原因と考えられ、当該切刃32aのみを刃先が損耗していない切刃32aに交換してもよい。これによって、切刃を全て交換する場合に比べて、切刃32aのコストを低減できる。
また、特定のチップ32aに欠損等の問題見られない場合には、V字状切欠き加工装置30のコンロッド保持部32と工具34の位置関係に問題が生じていることが原因として考えられる。このような場合には、作業者はコンロッド保持部34と工具34との位置関係を確認することが望ましい。
以上により、本実施形態によれば、コンロッドWを破断分離するときに生じる歪を検出する歪ゲージ24a〜24fを、キャップ保持部22と、一対のマンドレル12、14と、に左右一対にそれぞれ設け、検出された各部材毎の最大歪の左右差の絶対値を演算し、予め設定された閾値X、Y、Zと比較することによって、コンロッドWの破断部の破断状態の良否を精度よく判定できる。
つまり、破断荷重の大きさ、及び/又は破断荷重の付加時間に基づいてコンロッドWの破断状態の判定をする必要はなく、コンロッドWの破断部の破断状態の良否を精度よく判定できる。これによって、コンロッドWの破断不良品の流出を確実に防止できる。
また、各部材毎の最大歪の左右差が、所定回数以上連続して閾値より大きい場合に、破断用V字状切欠きの加工状態を不良と判定するので、コンロッドの破断不良が連続して発生した場合に、破断不良となる原因をV字状切欠きの加工不良であると早期に特定し、V字状切欠き加工装置30の工具32を刃先が損耗していない工具32’に交換できる。この結果、コンロッドの破断不良品の発生率を低減できる。
また、上述の実施形態においては、コンロッドWの貫通孔の内周部に破断を促進するための破断促進部としてV字状切欠きの形体を有すノッチN1、N2形成したが、これに代えて、コンロッドWの外周部に破断促進部を備えるものでもよい。また、ブローチ加工によるノッチN1、N2の形成に代えて、レーザー加工によって、コンロッドWの貫通孔の内周部の破断線に沿って切欠きを形成して破断促進部を形成するものでもよい。すなわち、破断促進部の形状及び加工方法は、上述の実施形態に限定されるものではない。
なお、本発明は、以上の実施形態に示すものに限らず、特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、各種変形及び変更を行うことも可能である。
以上のように、本発明に係る破断監視手段を備えたコンロッドの破断装置及びその監視方法によれば、コンロッドの破断状態を精度よく判定することが可能となる。また、本発明は、コンロッドに限らず、他の金属製部品を貫通部分で破断分離する装置へも適用できることは、言うまでも無い。したがって、本発明は、金属製部品を貫通部分で破断分離する装置を使用する産業分野において好適に利用される可能性がある。
1 コンロッド破断加工システム
10 コンロッド破断装置
12 ロッド側マンドレル
14 キャップ側マンドレル
16 楔
18 アクチュエータ
20 ロッド保持部
22 キャップ保持部
24 歪ゲージ
26 破断不良警告部
28 制御装置
282 最大歪検出部 284 破断判定部 286工具交換指示送信部
30 V字状切欠き加工装置
W コンロッド
W1 ロッド W2 キャップ N1、N2 ノッチ BL破断線

Claims (10)

  1. 大端部と小端部とが一体成形されたコンロッドの大端部側の貫通に一対の半割型のマンドレルを嵌合し、前記一対のマンドレル間に楔を打ち込んでいくことにより前記コンロッドの大端部を予め前記貫通孔の左右両側に設けた破断促進部から軸部側とキャップ部側とに左右の破断部で破断したときの破断状態を監視するコンロッドの破断監視装置であって、
    破断時に前記キャップ部側を左右両側で保持する保持手段に設けられた左右一対の歪検出手段と、
    破断時に前記左右一対の歪検出手段からそれぞれ出力される検出信号に基づいて破断状態を判定する破断判定手段と、を有し、
    前記破断判定手段は、前記左右一対の歪検出手段によって検知される歪の左右の差を基に、前記コンロッドの前記左右の破断部の破断状態の良否を判定することを特徴とするコンロッドの破断監視装置。
  2. 前記歪検出手段は、前記保持手段と、前記一対のマンドレルの少なくとも一方と、にそれぞれ左右一対に設けられている、
    請求項1に記載のコンロッドの破断監視装置。
  3. 前記破断促進部は、破断用V字状切欠きであり、
    前記破断判定手段によって前記破断用V字状切欠きの加工状態が不良と判定された場合に、警告する警告手段を備えている、
    請求項1又は2に記載のコンロッドの破断監視装置。
  4. 前記破断判定手段は、前記左右一対の歪検出手段によって検出される歪の左右の差が、n回以上(nは1以上の整数)連続して所定値より大きい場合に、前記破断用V字状切欠きが形状不良であると判定する、
    請求項3記載のコンロッドの破断監視装置。
  5. 前記破断判定手段によって前記破断用V字状切欠きが形状不良であると判定された場合に、自動工具交換機構を備えたV字状切欠き加工装置に対して自動工具交換を指示する指示手段を備えている、
    請求項4記載のコンロッドの破断監視装置。
  6. 大端部と小端部とが一体成形されたコンロッドの大端部側の貫通に一対の半割型のマンドレルを嵌合し、前記一対のマンドレル間に楔を打ち込んでいくことにより、前記コンロッドの大端部を予め前記貫通孔の左右両側に設けた破断促進部から軸部側とキャップ部側とに左右の破断部で破断したときの破断状態を監視する方法であって、
    破断時に前記キャップ部側を左右両側で保持する保持手段に設けられた左右一対の歪検出手段によって、破断時に生じる歪を検出する第1ステップと、
    破断時に前記左右一対の歪検出手段からそれぞれ出力される検出信号に基づいて破断状態を判定する第2ステップと、を有し、
    前記第2ステップにおいて、前記左右一対の歪検出手段が検知する歪の差によって前記コンロッドの前記左右の破断部の破断状態の良否を判定することを特徴とするコンロッドの破断状態を監視する方法。
  7. 前記第1ステップにおける前記左右一対の歪検出手段は、前記一対のマンドレルの少なくとも一方にそれぞれ設けられた左右一対の歪検出手段を含む、
    請求項6に記載のコンロッドの破断状態を監視する方法。
  8. 前記破断促進部は、破断用V字状切欠きであり、
    前記第2ステップにおいて、前記破断用V字状切欠きの加工状態が不良と判定された場合に、警告するステップを、さらに有する、
    請求項6又は7に記載のコンロッドの破断状態を監視する方法。
  9. 前記第2ステップにおいて、前記左右一対の歪検出手段からそれぞれ出力される歪の左右の差が、n回以上(nは1以上の整数)連続して所定値より大きい場合に、前記コンロッドに備えられたV字状切欠きを形状不良であると判定するステップを、さらに有する、
    請求項8記載のコンロッドの破断状態を監視する方法。
  10. 前記第2ステップにおいて、前記V字状切欠きが形状不良であると判定された場合に、自動工具交換機構を備えたV字状切欠き加工装置に対して自動工具交換を指示するステップを、さらに有する、
    請求項9記載のコンロッドの破断状態を監視する方法。
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