JP2006061956A - トリミングプレスおよびトリミング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡単な構成で、成形された鋳造部品粗材の寸法変化に影響されることなく、容易に且つ確実に鋳抜き穴の鋳バリを除去することができるトリミングプレスおよびトリミング方法を提供する。
【解決手段】 トリミングプレスは、鋳造部品粗材Mの鋳抜き穴H内に挿入駆動されて鋳バリFを除去するパンチピン1と、このパンチピン1を鋳抜き穴Hの位置に応じて追従移動可能に支持するフローティング機構2と、を備えており、さらに、パンチピン1の先端には、切刃10が鋳抜き穴Hと整合し得るように案内するガイド部11が設けられている。鋳抜き穴Hの中心軸線CHがパンチピン1の中心軸線C1の延長線上からずれても、フローティング支持されたパンチピン1が水平方向に移動して整合し、鋳抜き穴Hに発生した鋳バリFは、切刃10によって完全に除去される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、トリミングプレスおよび鋳抜き穴の鋳バリ除去方法に関し、特に、鋳造部品粗材の鋳抜き穴に形成された鋳バリを除去するポンチピンを備えたトリミングプレス、および、鋳造部品粗材の鋳抜き穴にトリミングプレスのポンチピンを流体圧により挿入駆動して前記鋳抜き穴の鋳バリを除去するトリミング方法に関するものである。
例えば、自動車の部品の中には、軽量化を図ると共に容易に成形するなどの目的から、アルミ合金を溶融させて鋳型内のキャビティにダイカスト法や重力鋳造法などによって導入する鋳造により構成されたものがある。これらの鋳造部品には、ボルトを挿通して他の部品と結合するための穴が複数形成されている。この穴を形成するためには、一般に、鋳造部品粗材を成形後、穴と対応する箇所毎に平面加工、穴開け加工、面取り加工などの機械加工をそれぞれ行っていた。また、これらの機械加工を低減させるために、鋳造部品粗材を成形する段階で、成形型に鋳抜きピンを設けて鋳造時に鋳抜き穴を形成することも従来から一般に行われていた。
このようにして成形された鋳造部品粗材では、一般に鋳バリが発生するため、成形後にかかる鋳バリを除去するトリミングが施される。そして、このトリミングを施すためのトリミングプレスには、鋳抜き穴内の鋳バリを除去するためのポンチが従来から設けられている(例えば、特許文献1)。
特許文献1には、固定ポンチと移動ポンチとから成る自己整列ポンチなどが開示されている。固定ポンチは先端部に配置され、移動ポンチは中間部に配置されている。固定ポンチはシャフトと切削部と有しており、移動ポンチは軸方向穴と切削ショルダを有するテーパ部とが形成されている。このポンチは、移動ポンチの軸方向穴に固定ポンチのシャフトが収容されており、移動ポンチの軸方向穴と固定ポンチとの間に径方向の隙間が形成されるよう設定されていることにより、移動ポンチが水平方向に移動可能することができるよう構成されている。このように構成されたポンチでは、最初に鋳バリの大半を先端部の固定ポンチの切削部により剪断除去し、続いて残存する鋳バリを中間部に位置する移動ポンチの切削ショルダによって除去する。このとき、移動ポンチは、そのテーパ部によって中心が開口部の中心と一致するよう、移動ポンチ自体の位置が調整される。
特開2002−35925号公報
しかしながら、自動車のボデーや足回り部品など、特に比較的大型の鋳造部品粗材にあっては、その鋳造条件や温度によって鋳抜き穴間の寸法にばらつきが生じて、鋳抜き穴の位置が変化することとなる。上記特許文献1に開示されたポンチにあっては、移動ポンチが水平方向に移動することができても、固定ポンチの位置が移動できないために、固定ポンチの中心位置と鋳抜き穴の中心位置が大きくずれていると、鋳抜き穴の周囲に固定ポンチの切削部が衝合して、鋳抜き穴に形成された鋳バリを除去することができないことは勿論のこと、ポンチ自体が破損する可能性があるという問題があった。そして、このことから、特許文献1に記載されたポンチでは、固定ポンチの位置が対応できるように、成形された鋳造部品粗材の寸法が安定するまで、鋳バリを除去することができないという問題があった。さらに、特許文献1のポンチでは、固定ポンチと移動ポンチとに分けて構成されていたために、構造が複雑であることから製造コストがかかるなどの問題もあった。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、成形された鋳造部品粗材の寸法変化に影響されることなく、容易に且つ確実に鋳抜き穴のバリを除去することができるトリミングプレスおよびトリミング方法を提供することを目的とする。
請求項1のトリミングプレスに係る発明は、上記目的を達成するため、鋳造部品粗材の鋳抜き穴に形成された鋳バリを除去するパンチピンを備えたトリミングプレスであって、前記パンチピンを鋳抜き穴の位置に応じて追従移動可能に支持するフローティング機構を有することを特徴とするものである。
請求項2のトリミングプレスに係る発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明において、前記パンチピンの切刃が前記鋳抜き穴と整合し得るように案内するガイド部を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項3のトリミング方法に係る発明は、上記目的を達成するため、鋳造部品粗材の鋳抜き穴にトリミングプレスのパンチピンを流体圧により挿入駆動して前記鋳抜き穴の鋳バリを除去するトリミング方法であって、前記パンチピンを鋳抜き穴の位置に応じて追従移動可能にフローティング支持し、前記パンチピンの駆動流体圧を測定し、該測定された駆動流体圧の変化に基づいて、前記鋳造部品粗材の鋳抜き穴の鋳バリを正常に除去することができたか否かを判断することを特徴とするものである。
請求項1の発明では、鋳造部品粗材をトリミングプレス内に配置してプレスを駆動することにより、パンチピンを鋳抜き穴に挿入して鋳バリを除去する。このとき、鋳造部品粗材の温度などの要因によって、パンチピンの中心軸線と鋳抜き穴の中心軸線との位置がずれている場合であっても、フローティング機構によってパンチピンが支持されているため、鋳抜き穴の位置に応じてパンチピンが追従するように移動して整合する。
請求項2の発明では、請求項1に記載の発明において、パンチピンの切刃よりも先端にガイド部が設けられており、トリミングを行う際には、ガイド部が最初に鋳抜き穴に挿入されることにより、切刃が鋳抜き穴と整合し得るようにパンチピンが確実に案内移動される。
請求項3の発明では、鋳造部品粗材の鋳抜き穴にトリミングプレスのパンチピンを流体圧により挿入駆動して鋳抜き穴の鋳バリを除去するトリミングを行う。このとき、トリミングプレスのパンチピンは、鋳抜き穴の位置に応じて追従移動可能にフローティング支持されている。パンチピンの駆動流体圧を測定し、この測定された駆動流体圧の変化に基づいて、鋳造部品粗材の鋳抜き穴に適切にパンチピンを追従移動させて挿入し鋳バリを正常に除去することができたか否かを判断する。
請求項1の発明によれば、フローティング機構でパンチピンを鋳抜き穴の位置に応じて追従移動可能に支持したという簡単な構成により、成形された鋳造部品粗材の寸法変化に影響されることなく、容易に且つ確実に鋳抜き穴のバリを除去することができるトリミングプレスを提供することができる。
請求項2の発明によれば、請求項1に記載の発明において、パンチピンにガイド部を設けたという簡単な構成により、フローティング支持されたパンチピンの切刃が鋳抜き穴と整合し得るように案内移動されるため、さらに容易に且つ確実に鋳抜き穴のバリを除去することができるトリミングプレスを提供することができる。
請求項3の発明によれば、パンチピンを鋳抜き穴の位置に応じて追従移動可能にフローティング支持し、パンチピンの駆動流体圧を測定し、この測定された駆動流体圧の変化に基づいて、鋳造部品粗材の鋳抜き穴の鋳バリを正常に除去することができたか否かを判断するという簡単な構成で、成形された鋳造部品粗材の寸法変化に影響されることなく、容易に且つ確実に鋳抜き穴のバリを除去することができ、また、パンチピンの摩耗や粗材のセット異常などの異常検出ができるトリミング方法を提供することができる。
最初に、本発明のトリミングプレスの各種実施の形態を図1〜図11に基づいて詳細に説明する。なお、異なる実施の形態において、同様の部分または相当する部分については同一符号を付してその説明を省略する。
トリミングプレスは、鋳造部品粗材Mを位置決め支持する支持台を有するロアプラテンと、ロアプラテンに対向して相対的に近接・遠退移動可能に設けられてパンチピン1を支持するアッパプラテンと、アッパプラテンを近接・遠退移動させるラムと、を備えている。
そして、本発明のトリミングプレスは、概略、鋳造部品粗材Mの鋳抜き穴H内に挿入駆動されて鋳バリを除去するパンチピン1と、このパンチピン1を鋳抜き穴Hの位置に応じて追従移動可能に支持するフローティング機構2と、を備えており、さらに、パンチピン1の先端には、切刃10が鋳抜き穴Hと整合し得るように案内するガイド部11が設けられている。
鋳造部品粗材Mの鋳抜き穴H内の厚さ方向中間部には、型合せ面の間に溶湯がさし込むことなどによって膜状の鋳バリFが発生している。鋳抜き穴Hは、鋳造部品粗材Mの表面に向かって次第に径が拡大するように抜き勾配が設けられている。鋳抜き穴Hは、必要に応じて鋳造部品粗材Mに単数または複数形成されている。パンチピン1は、鋳抜き穴Hと対応して設けられる。
図1に示した実施の形態におけるフローティング機構2は、パンチピン1の基端部(上端部)に形成された径方向に突出する突出部12と、この突出部12が係合される保持部材20と、を備えている。アッパプラテンの下面に支持盤21が取付けられており、保持部材20は、支持盤21に対して鋳造部品粗材Mに形成された鋳抜き穴Hと対応する所定の位置にボルトあるいはビスなどにより取付けられている。保持部材20は、パンチピン1の軸部を挿通する開口22と、パンチピン1の突出部12を収容する収容部23と、パンチピン1の突出部12が係合される係合部24と、を有している。突出部12は、図1の(b)に示したようにパンチピン1が鉛直方向に対して傾斜し、且つ、図1の(c)に示したようにパンチピン1の中心軸線C1が鋳抜き穴Hの中心軸線CHと一致するように水平方向に移動することが可能なように、保持部材20の収容部23に対して所定の隙間を形成する状態で保持されている。すなわち、収容部23と開口22は、パンチピン1が鉛直線に対して傾斜したり水平方向に移動するのを許容する大きさに設定されている。
パンチピン1の中間部は、鋳バリFが発生した鋳抜き穴Hの最小径と略同じ径を有する円筒状に形成されており、先端部は下端に向かって次第に縮径するテーパ状に形成されてガイド部11を構成している。このテーパー状のガイド部11と円筒状の中間部との境界に切れ刃10が形成されている。
図1の(a)に示すように、鋳造部品粗材Mの温度などによって鋳抜き穴Hの中心軸線CHがパンチピン1の中心軸線C1の延長線上からずれている場合がある。しかしながら、本発明のトリミングプレスでは上述したように構成されているため、このずれた状態であっても、鋳造部品粗材Mに対してパンチピン1を近接させると、図1の(b)に示すように最初に先端のガイド部11が鋳抜き穴Hに挿入されて、その内周面と接触して横方向(図の左方向)に移動する。このとき、突出部12が保持部材20の収容部23に所定の間隔を有する状態で収容されているために、パンチピン1の傾きが許容される。そして、さらにパンチピン1を鋳抜き穴Hに挿入すると、ガイド部11が鋳抜き穴Hの内周面を摺動することによってパンチピン1の中心軸線C1が鋳抜き穴Hの中心軸線CHと整合するようにパンチピン1が水平方向に移動する。さらに、鋳造部品粗材Mに対してパンチピン1が下降すると、パンチピン1の基端面が支持盤21に当接して、鋳抜き穴Hに発生した鋳バリFは、最初にガイド部11によって突き破られ、図1の(c)に示すように切刃10が通過することによって完全に除去される。
図2に示した実施の形態におけるフローティング機構2は、パンチピン1の基端部(上端部)に設けられた弾性変形可能なリング部材25と、このリング部材25を支持する支持部材26と、を備えている。アッパプラテンの下面に支持盤21が取付けられており、支持盤21にはパンチピン1の基端面14を受けるために曲面を有する受け部27が設けられている。パンチピン1の基端面14は、所定曲率を有する曲面状に形成されている。また、パンチピン1の基端部には溝13が全周にわたって形成されており、溝13にはリング部材25が嵌められている。支持部材26には、パンチピン1が所定の間隔を有し、且つ、リング部材25が接することによりパンチピン1を保持することができるような径の開口28が形成されている。
この実施の形態におけるフローティング機構2では、図2の(a)に示すように、鋳造部品粗材Mの温度などによって鋳抜き穴Hの中心軸線CHがパンチピン1の中心軸線C1の延長線上からずれている場合であっても、鋳造部品粗材Mに対してパンチピン1を近接させると、図2の(b)に示すように最初に先端のガイド部11が鋳抜き穴Hに挿入されて、その内周面と接触して横方向(図の左方向)に移動する。このとき、支持部材26の開口28に所定の間隔を有する状態でパンチピン1が挿入され、パンチピン1の溝13に弾性変形可能なリング部材25が保持されていることにより、リング部材25が弾性変形するとともに基端面14が受け部27に対して摺動して、パンチピン1の傾きが許容される。そして、さらにパンチピン1を鋳抜き穴Hに挿入すると、ガイド部11が鋳抜き穴Hの内周面を摺動することによってパンチピン1の中心軸線C1が鋳抜き穴Hの中心軸線CHと整合するようにパンチピン1が水平方向に移動する。鋳抜き穴Hに発生した鋳バリFは、最初にガイド部11によって突き破られ、図2の(c)に示すように切刃10が通過することによって完全に除去される。
図3に示した実施の形態におけるパンチピン1は、ガイド部11の先端が鋳造部品粗材Mの鋳抜き穴Hのパンチピン1が挿入される側の底の形状と対応するようにテーパ状に形成されている。また、中間部は、鋳造部品粗材Mの鋳抜き穴Hのパンチピン1が挿入される側とは反対側の底の径と対応するように、ガイド部11と比較して大径に形成されている。そして、ガイド部11と中間部との間には溝15が全周にわたって形成されており、中間部の溝15との境界となる下端に切刃10が形成されている。なお、この実施の形態におけるフローティング機構2は、図1や図2に示したような構成とすることができる。
この実施の形態におけるパンチピン1では、図3の(a)に示すように、鋳造部品粗材Mの温度などによって鋳抜き穴Hの中心軸線CHがパンチピン1の中心軸線C1の延長線上からずれている場合であっても、鋳造部品粗材Mに対してパンチピン1を近接させて先端のガイド部11を鋳抜き穴Hに挿入すると、鋳抜き穴Hに対してガイド部11が摺接しフローティング支持されたパンチピン1が移動して、図3の(b)に示すように鋳抜き穴Hの中心軸線CHにパンチピン1の中心軸線C1が整合する。そして、さらにパンチピン1を鋳抜き穴Hに挿入すると、図3の(c)に示すように、鋳抜き穴Hに発生した鋳バリFは、最初にガイド部11によって突き破られ、切刃10が通過することによって完全に除去されて、所定の径の穴が形成される。
ここで、パンチピン1の別の実施の形態について図4〜図7に基づいて詳細に説明する。図7に示すように、パンチピン1の先端にガイド部11がないと、鋳抜き穴Hの中心軸線CHがパンチピン1の中心軸線C1の延長線上からずれている場合に、抜き勾配を有する鋳抜き穴Hの周面にパンチピン1の切刃10が当接して食い込み、パンチピン1の中心軸線C1が鋳抜き穴Hの中心軸線CHと整合するようにフローティング支持されたパンチピン1が移動できず、鋳バリFを除去できないと同時に鋳抜き穴Hからずれて穴を形成する場合があることが考えられる(図7の鎖線を参照)。しかしながら、本発明ではフローティング機構2によって支持されたパンチピン1の先端にガイド部11を設けることによって、鋳抜き穴Hの中心軸線CHにパンチピン1の中心軸線C1が整合するようにパンチピン1が確実に移動することができる。
図4に示した実施の形態では、パンチピン1全体が鋳バリFの発生している鋳抜き穴Hの最小径と略同じ径に形成されており、その先端面が所定曲率を有する曲面状に形成されてガイド部11を構成しており、中間部に溝15が形成されている。切刃10は、溝15の角部によって形成されている。このように構成されたパンチピン1では、鋳造部品粗材Mの温度などによって鋳抜き穴Hの中心軸線CHがパンチピン1の中心軸線C1の延長線上からずれていても、鋳造部品粗材Mに対してパンチピン1を近接させると、図4に実線で示すように、曲面状に形成されたガイド部11が抜き勾配を有する鋳抜き穴Hに接して挿入されることにより、鎖線で示すように、フローティング支持されたパンチピン1が移動してパンチピン1の中心軸線C1を鋳抜き穴Hの中心軸線CHと整合させることができる。
図5に示した実施の形態では、鋳造部品粗材Mに鋳抜き穴Hが抜き勾配以上のテーパ状に形成されており、パンチピン1の先端のガイド部11は、鋳抜き穴Hの周面の傾斜角度と略対応するテーパ状に形成されている。パンチピン1全体が鋳バリFの発生している鋳抜き穴Hの最小径と略同じ径に形成されており、中間部に切刃10を構成する溝15が形成されていることは、図4に示した実施の形態と同様である。このように構成されたパンチピン1では、鋳造部品粗材Mの温度などによって鋳抜き穴Hの中心軸線CHがパンチピン1の中心軸線C1の延長線上からずれていても、鋳造部品粗材Mに対してパンチピン1を近接させると、図5に実線で示すように、鋳抜き穴Hの周面に対して、その傾斜角度と対応するように形成されたガイド部11が摺動しながら挿入されるため、鎖線で示すように、フローティング支持されたパンチピン1が移動してパンチピン1の中心軸線C1を鋳抜き穴Hの中心軸線CHと整合させることができる。
図6に示した実施の形態では、パンチピン1の本体が鋳バリFの発生している鋳抜き穴Hの最小径と略同じ径に形成されており、ガイド部11が本体と比較して小径に形成されている。ガイド部11の先端面は所定曲率を有する曲面状に形成されており、ガイド部11と本体との間には溝15が全周にわたって形成されており、本体の溝15との境界となる下端に切刃10が形成されている。このように構成されたパンチピン1では、鋳造部品粗材Mの温度などによって鋳抜き穴Hの中心軸線CHがパンチピン1の中心軸線C1の延長線上からずれていても、鋳造部品粗材Mに対してパンチピン1を近接させると、図6に実線で示すように、曲面状に形成されたガイド部11が抜き勾配を有する鋳抜き穴Hに接して挿入されることにより、鎖線で示すように、フローティング支持されたパンチピン1が移動してパンチピン1の中心軸線C1を鋳抜き穴Hの中心軸線CHと整合させることができる。
ここで、パンチピン1の切刃10の別の実施の形態について図8〜図11に基づいて詳細に説明する。パンチピン1の全周にわたって溝15を形成してその角部によって切刃10を構成すると、図11に示すように、除去した鋳バリFが切粉F’となって、この溝15内に溜まることとなる。切粉F’が溜まると切刃10が鋳バリFを切除できなくなることが考えられることから、切刃10を構成する溝15内から切粉F’を排出させるために、エアを吹き付けたり、ブラシで擦ることなどが必要となってくる。しかしながら、本発明では切刃10の形状が切子を逃がすことができるような形状に形成されている。
図9は、図8のA‐A線断面図である。図8および図9に示した実施の形態では、パンチピン1の中間部に全周にわたって溝15(図3などを参照)を形成することなく、ガイド部11を部分的に延長して、溝16を周方向に断続的に形成している。その結果、切刃10は周方向に分断された状態で形成される。このように構成されたパンチピン1では、鋳造部品粗材Mの鋳抜き穴H内で下降させる際に、鋳バリFをリング状に破断することがなく、切粉F’が分断された状態となるため、溝16内に溜まることが防止できる。
図10に示した実施の形態では、パンチピン1の中間部に螺旋状の溝17を形成している。その結果、切刃10も螺旋状に形成される。このように構成されたパンチピン1では、鋳造部品粗材Mの鋳抜き穴H内で下降させる際に、鋳バリFをリング状に破断することがなく、周方向に順次破断することによって切粉F’が螺旋状に形成されるため、溝17内に溜まることが防止できる。
次に、本発明のトリミング方法を図12〜図14に基づいて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態と同様の部分または相当する部分については同一符号を付してその説明を省略する。
本発明のトリミング方法は、概略、鋳造部品粗材Mの鋳抜き穴Hにトリミングプレスのパンチピン1を流体圧により挿入駆動して鋳抜き穴Hの鋳バリFを除去するトリミング方法であって、パンチピン1を鋳抜き穴Hの位置に応じて追従移動可能にフローティング支持し、パンチピン1の駆動流体圧を測定し、この測定された駆動流体圧の変化に基づいて、鋳抜き穴Hに対するパンチピン1の位置(セット位置)と、パンチピン1自体の、少なくともいずれか一方の正常/不良を判断し、もって鋳造部品粗材Mの鋳抜き穴Hの鋳バリFを正常に除去することができたか否かを判断する。
パンチピン1は、図1および図2に示したように、鉛直方向に対して傾斜し、水平方向に移動することができるようフローティング機構2によって支持されている。そのため、鋳造部品粗材Mの鋳抜き穴Hの位置が温度などの影響で変動しても、パンチピン1が水平方向に移動できる範囲内で鋳抜き穴Hの位置に追従して移動することができる。そして、パンチピン1が移動できる範囲よりも鋳抜き穴Hの位置がずれている場合には、パンチピン1が変形したり鋳抜き穴Hの鋳バリFを適切に除去することができない場合が考えられる。そのため、鋳造部品粗材Mの鋳抜き穴Hの鋳バリFを正常に除去することができたか否かを判断することが必要となる。
鋳造部品粗材Mのトリミングの1サイクルを行うに際しては、図12に示すように、スタートしてラムに作動流体としての圧油を供給してシリンダを作動させ(S1)、このときの油圧を測定する(S2)。このとき、油圧の正常な状態での測定値Pは、図13に実線で示すように、シリンダの作動を開始してから徐々に上昇し、パンチピン1のガイド部11が鋳バリFに当接するまでは、略一定となる。そして、測定値Pは、パンチピン1のガイド部11が鋳バリFに当接すると(Ps)その抵抗により急激に上昇し、切刃10によって鋳バリFが破断される瞬間に最大となり(Pmax)、その後は急激に下降してからパンチピン1の切刃10から上部が鋳抜き穴Hに摺動することにより一定となり、ラムの下死点でプレスが完了すると(Pe)下降することとなる。トリミングプレスの制御手段には、鋳バリFを正常に除去するときの油圧の最大設定値P1が記憶されている。そこで、そのサイクルにおける測定値Pを設定値P1と比較して(図12のS3)、測定値Pが設定値P1よりも小さい場合(YESの場合)に、測定値の中から代表値Paを検出する(S4)。
ここで、代表値Paは、図13に示したように、測定値Pの最大値であるPmaxとすることができ、あるいは、測定値Pの平均値や、実際に鋳バリFを破断し始めてから(Ps)−最大値(Pmax)−破断完了(Pe)までの波形などを選択することができる。代表値Paは、図14に示すように、ショット数(サイクル数)が増加するのに伴って、切刃10が摩耗することなどによって次第に増加する傾向がある。トリミングプレスの制御手段には、鋳バリFを正常に除去するときの設定された代表値P2が記憶されている。そこで、そのサイクルにおける代表値Paを設定値P2と比較して(図12のS5)、代表値Paが設定値P2よりも小さい場合(YESの場合)は、測定値Pや代表値Paのデータを必要に応じて演算、記憶し(S6)、トリミングされて製品となった鋳造部品を搬出し(S7)、そのサイクルを終了する。
図12のS3において、測定値Pが設定値P1を超えたと判断した場合(NOの場合)、鋳バリFを破断したか否かの判断を行う(S8)。図13に破線で示すように、最大設定値P1を超えていても鋳バリFを破断することができれば、実際にパンチピン1が鋳バリFに当接したPsから(鋳バリの破断完了Pmaxからでもよい)所定時間tが経過したときに、測定値Pが所定の値まで下降することとなり、一方、図13に鎖線で示すように、鋳バリFを破断することができなければ、所定時間tが経過しても、実際に鋳バリFの破断完了Pmaxから測定値が所定の値まで下降しないことになる。そこで、鋳バリの破断の成否は、所定時間t経過後の測定値Pによって判断することができる。図12のS8で鋳バリFを破断できたと判断した場合(YESの場合)には、上述したように代表値Paの検出を行う(S4)。
また、検出された代表値Paが設定値P2を超える場合(NOの場合)は、そのサイクルにおいて検出された代表値Paと、前のサイクルで検出された代表値Paとの差ΔPaを演算する(S9)。トリミングプレスの制御手段には、鋳バリFを正常に除去することができるときの代表値Paの差ΔPa3が記憶されている。そこで、S10において前サイクルにおける代表値Paとの差ΔPaを設定された代表値差ΔPa3とP比較して(S10)、代表値差ΔPaが設定された代表値差ΔPa3よりも小さい場合(YESの場合)には、パンチピン1の切刃10の磨耗などの異常が発生しているものと判断し(S11)、パンチピン1の点検が必要であるとの警報を出力して(S12)、そのサイクルを終了する。なお、必要ある場合には、そのサイクルで測定された測定値Pや代表値Paのデータを必要に応じて演算、記憶し(S6)、トリミングされて製品となった鋳造部品を搬出し(S5)てから、そのサイクルを終了してもよい。
一方、図12のS10において、代表値差ΔPaが設定された代表値差ΔPa3を超える場合(NOの場合)には、鋳抜き穴Hの位置がフローティング支持されたパンチピン1の水平方向への移動許容量を超えていたり、パンチピン1が変形していることなどにより、パンチピン1に対する鋳抜き穴Hのセット位置がずれているものと判断し(S13)、セット位置警報を出力して(S14)、その鋳造部品粗材Mを通常の製品とは別に選別して払い出し(S15)、そのサイクルを終了する。
さらに、図12のS8において、鋳バリを破断できないと判断した場合(NOの場合)には、パンチピン1に対する鋳造部品粗材Mの鋳抜き穴Hの位置が大きくずれていたり、パンチピン1の径寸法に対して鋳抜き穴Hの径寸法が小さい、あるいは、鋳バリFの厚さが破断できないほど厚いなど、重大な異常が発生しているものと判断し(S16)、シリンダの駆動によるプレスを緊急停止させるとともに、重大異常発生の警報を出力して(S17)、その鋳造部品粗材Mを選別、払い出しして(S18)、そのサイクルを終了する。なお、図12におけるS12パンチピン点検警報と、S14セット位置警報と、S17重大異常発生警報とは、そのレベルに応じて変化させて告知するよう構成することができる。
本発明のトリミングプレスのパンチピンと鋳造部品の実施の一形態を示す要部断面図である。 本発明のトリミングプレスのパンチピンと鋳造部品の別の実施の形態を示す要部断面図である。 本発明のトリミングプレスのパンチピンと鋳造部品のさらに別の実施の形態を示す要部断面図である。 パンチピンの別の実施の形態を示す断面図である。 パンチピンの別の実施の形態を示す断面図である。 パンチピンの別の実施の形態を示す断面図である。 本発明のパンチピンにガイド部がない場合を示す要部断面図である。 本発明の切粉が溜まらないように切刃を形成したパンチピンの実施の一形態を示す要部正面図である。 図8のA−A線断面図である。 本発明の切粉が溜まらないように切刃を形成したパンチピンの別の実施の形態を示す要部正面図である。 本発明のパンチピンの切刃を構成する溝に切粉が溜まった状態を説明するための要部断面図である。 本発明のトリミング方法を説明するためのフローチャートである。 本発明により測定された駆動流体の圧力の変化を説明するために示したグラフ図である。 ショット数を重ねる毎に駆動流体圧力の代表値が上昇する傾向を説明するために示したグラフ図である。
符号の説明
1:パンチピン、 2:フローティング機構、 10:切刃、 11:ガイド部、 M:鋳造部品粗材、 H:鋳抜き穴、 F:鋳バリ、 C1:パンチピンの中心軸線、 CH:鋳抜き穴の中心軸線

Claims (3)

  1. 鋳造部品粗材の鋳抜き穴に形成された鋳バリを除去するパンチピンを備えたトリミングプレスであって、
    前記パンチピンを鋳抜き穴の位置に応じて追従移動可能に支持するフローティング機構を有することを特徴とするトリミングプレス。
  2. 前記パンチピンの切刃が前記鋳抜き穴と整合し得るように案内するガイド部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のトリミングプレス。
  3. 鋳造部品粗材の鋳抜き穴にトリミングプレスのパンチピンを流体圧により挿入駆動して前記鋳抜き穴の鋳バリを除去するトリミング方法であって、
    前記パンチピンを鋳抜き穴の位置に応じて追従移動可能にフローティング支持し、
    前記パンチピンの駆動流体圧を測定し、
    該測定された駆動流体圧の変化に基づいて、前記鋳造部品粗材の鋳抜き穴の鋳バリを正常に除去することができたか否かを判断することを特徴とするトリミング方法。
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