JP6111424B2 - グラフェン層形成方法 - Google Patents

グラフェン層形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6111424B2
JP6111424B2 JP2013128223A JP2013128223A JP6111424B2 JP 6111424 B2 JP6111424 B2 JP 6111424B2 JP 2013128223 A JP2013128223 A JP 2013128223A JP 2013128223 A JP2013128223 A JP 2013128223A JP 6111424 B2 JP6111424 B2 JP 6111424B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
graphene
graphite
layer
solvent
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013128223A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015003833A (ja
Inventor
秀敏 北浦
秀敏 北浦
西木 直巳
直巳 西木
西川 和宏
和宏 西川
公明 中谷
公明 中谷
田中 篤志
篤志 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority to JP2013128223A priority Critical patent/JP6111424B2/ja
Priority to KR1020140069366A priority patent/KR102164300B1/ko
Priority to CN201410276391.XA priority patent/CN104229778B/zh
Publication of JP2015003833A publication Critical patent/JP2015003833A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6111424B2 publication Critical patent/JP6111424B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/15Nano-sized carbon materials
    • C01B32/182Graphene
    • C01B32/194After-treatment
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/20Graphite
    • C01B32/21After-treatment
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B2204/00Structure or properties of graphene
    • C01B2204/04Specific amount of layers or specific thickness

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Geology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)

Description

本発明は、透明電極、電池電極、半導体素子に適用できるグラフェン層の形成方法に関するものである。
グラフェンは非常に特異な物性を示す物質として、注目を集めている。グラフェンの特異な物性としては、高電子移動度、高熱伝導性、高強度、高光透過性などがあり、多くの魅力的な物性を有している。この特異な物性は新たなエレクトロニクスデバイスやナノテクノロジー材料として有用性が期待されている。
このグラフェンの従来の形成方法として化学気相蒸着法(特許文献1)があり、化学気相蒸着法により作製されたグラフェンを基板に転写し、透明電極、半導体素子に用いられる。
図10〜図13は、特許文献1に記載された従来の化学気相蒸着法を用いたグラフェンの形成方法を示す。
図10は、化学気相蒸着法を用いたグラフェンの形成方法を示す。基板1201上に、触媒層1202を形成する。基板1201としては、650μm厚のシリコンの基板1201を使用でき、触媒層1202を形成する前に、シリコンの基板1201を酸化させ、100〜300nm厚のシリコン酸化物層をさらに形成することもできる。
触媒層1202は、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)からなる金属物質のうち、いずれか1つの物質を利用し、スパッタリングで基板1201上に形成できる。触媒層1202は、ほぼ100〜150nm厚に形成されうる。
次に、触媒層1202上に、グラフェン層1203を形成する。グラフェン層1203は、一般的な方法、例えば、炭素を含むソースガス(CH4、C22、C24、COなど)を化学気相蒸着方法を使用して形成できる。グラフェン層1203は、単一層または二重層(bi−layer)に形成されうる。グラフェン層1203は、ほぼ0.3〜2nm厚に形成されうる。さらに、グラフェン層1203上に、保護層1204を形成する。
保護層1204は、グラフェン層1203を、後述する過程で、保護するためのものである。保護層1204は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、フォトレジスト(PR)、ER(electron resist,電子レジスト)、SiOx、AlOxのうちいずれか一つをスピンコーティングして、200nm〜10μm厚に形成されうる。
次に、保護層1204上に、接着層1205をさらに形成する。接着層1205としては、接着テープ(adhesive tape)、糊(glue)、エポキシ樹脂、熱剥離テープ(thermal release tape)、水溶性テープ(water−soluble tape)のうちいずれか一つを、100〜200μm厚に形成する。
接着層1205は、後述するように、基板1201から触媒層1202を含むグラフェン層1203を物理的に分離するとき、グラフェン層1203を支持するためのものである。
その後、基板1201を触媒層1202から除去し、触媒層1202をグラフェン層1203から除去する。基板1201がシリコンから形成された場合、基板1201の底面をナイフでカッティングし、カッティング線を形成する。または、基板1201のエッジ部分を除去し、触媒層1202と基板1201との間にギャップを形成させる。
次に、前記カッティング線または前記ギャップに親水性液体を接触させれば、親水性液体は、基板1201のカッティング線またはギャップに浸透し、基板1201と触媒層1202との接着力を弱化させ、基板1201を触媒層1202から離隔させやすくする。親水性液体としては、水、アルコール、アセトンを使用できる。
次に、接着層1205をリフティングし、基板1201を触媒層1202から除去する。他の方法として、イオン・ミリング法で、基板1201を直接除去する方法を使用することもできる。化学的エッチング法でもって、基板1201を除去することもできる。エッチャントとして、基板1201の物質によって、KOH、FeCl3、HCl、HF、反応性イオン・エッチング・エッチャントを使用できる。
次に、触媒層1202を除去する方法としては、触媒層1202を湿式エッチングで除去する。基板1201を、FeCl3、HCl及び水の混合物中に入れ、触媒層1202を除去できる。
他の方法として、反応イオンエッチング、イオン・ミリングなどで、触媒層1202を除去することもできる。
次に、結果物を洗浄する。洗浄は、イソフタル酸(IPA)、脱イオン化(DI)水を使用できる。図11は、グラフェンの転写方法を示す。グラフェンが転写基板1301に接触するように、結果物を転写基板1301上に整列する段階を図示した図面である。転写基板1301上に、接触溶液1302を塗布する。接触溶液1302としては、DI水、イソプロピルアルコール、エタノール、メタノール、鉱油のうちいずれか一つを使用できる。次に、結果物を転写基板1301上にスライディングさせつつ、結果物を転写基板1301に整列させる。
転写基板1301の表面が接触溶液1302に対して疎水的性質を有している場合、グラフェン層1203上に接触溶液1302を塗布し、転写基板1301をグラフェン層1203上に整列することもできる。次に、転写基板1301を、グラフェン層1203上にスライディングさせつつ、転写基板1301をグラフェン層1203に合わせる。
図12は、グラフェン層1203が転写された転写基板1301を示す。接触溶液1302を転写基板1301から除去するために、転写基板1301をほぼ60℃でほぼ6時間熱処理し、接触溶液1302を除去して乾燥できる。
図13は、グラフェン層1203が転写された転写基板1301を示す。接着層1205及び保護層1204を順次に除去したものである。接着層1205及び保護層1204の除去は、エッチング、またはイオン・ミリング、熱処理のような方法で行うことができ、詳細な説明は省略する。
次に、グラフェン層1203から、化学的残留物を除去するために、IPA、DI水などで洗浄する。
このような方法で、グラフェン層は形成されているが、CVDで作製したグラフェン層は一度シリコンの基板1201に形成した後に、転写基板1301に移す必要があり工程が複雑である。
ここで、本発明の説明では、一層で存在するグラファイトを単層グラフェン、二層から十層で存在するグラファイトを複数層グラフェン、それ以上をグラファイトとする。グラフェンとのみ記載の場合は、単層グラフェンと複数層グラフェンが混在した状態を示す。
特開2011−105590号公報
しかしながら、前記従来の化学気相蒸着によりグラフェン層を作製するには、CVD時に高温となるため、耐熱性のない基板に直接グラフェン層を形成することが出来ないという課題を有していた。
本発明は、従来の課題を解決するもので、グラフェンを分級しながら、目的の基板に直接グラフェンを整列させることを可能としたグラフェンの分級方法を提供すること目的とする。
上記課題を解決するために、グラフェンと溶媒とを含む容器を準備する準備工程と、溶媒に磁場をかけ、グラフェンを前記溶媒中で分散させる磁場印加工程と、グラフェンが分散している溶媒を基材へ塗布する塗布工程と、を含むグラフェン層形成方法を用いる。
本発明の方法によれば、溶媒を介して、グラフェンを直接基板に運び、グラフェン層を形成することが出来る。
実施の形態におけるグラファイトの粉砕システムの模式図 実施の形態におけるグラフェンの分級方法の層数が混在するグラフェンのSPM図 実施の形態におけるグラフェンの分級方法のグラファイト粉末をエタノールに分散させた分散体の模式図 (a)実施の形態におけるグラフェンの分級方法の磁石を周囲に設置した容器へ、分散体を投入した平面模式図、(b)(a)の断面図、(c)(a)の時に働く力の関係を示す図 実施例1におけるグラフェンの分級方法の分散体を攪拌しながら基板に分散体を塗布している模式図 実施例1におけるグラフェンの分級方法の分散体を塗布した、エタノールを乾燥させた後の基板のSPM図 実施例2におけるグラフェンの分級方法の図5のノズルの形状を変化させ、分散体を攪拌しながら基板に分散体を塗布している模式図 実施例2におけるグラフェンの分級方法の分散体を塗布後にエタノールを乾燥させた基板のSPM図 図7のシリンジ中心からノズル中心の距離の差と得られたグラフェンの厚みを示す図 特許文献1に記載された従来の化学気相蒸着法を用いたグラフェンの形成方法を示す図 特許文献1に記載された従来の製造法により製造されたグラフェンの転写方法を示す図 特許文献1に記載された従来の形成方法によってグラフェンが転写された転写基板を示す図 特許文献1に記載された従来の形成方法によってグラフェンが転写された転写基板を示す図
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態)
グラファイトは、炭素原子が六角形の亀の甲状に格子が平面に配列し、それらの層が積み重なった層状構造を有した物質である。このような結晶性を有するグラファイトとしては、鉱物として産出される天然黒鉛や、CVDや有機フィルムを高温で熱処理することで人工的に作製される結晶性の高いグラファイト(結晶性グラファイト)が一般的である。
今回は、有機フィルムを高温熱処理し得た結晶性グラファイトを原料として用い、結晶性グラファイトを粉砕し、グラフェンを作製した。今回用いた結晶性グラファイト以外の天然黒鉛やCVDから得られる結晶性グラファイトを用いた場合でも、炭素原子の結合エネルギーは同じであるため、同様の結果が得られると考えられる。
図1は、実施の形態におけるグラファイトの粉砕システムの模式図である。原料である結晶性グラファイトを、原料供給タンク101に入れ、カッターミル102により粗粉砕を行うことによって、直径数mmの結晶性グラファイト粉末を作製した。
その後、得られた結晶性グラファイト粉末をジェットミル103に供給し、エアホース105から供給される0.58MPaの高圧エアによって粉砕ゾーン104に発生するジェット気流により、結晶性グラファイトを微細に粉砕した。
粉砕された結晶性グラファイト粉末は、ジェットミル103内に発生する気流により、微細で軽量な結晶性グラファイト粉末だけがジェットミル103内の上部に舞上り、さらに、20000RPMで高速回転する分級機106を通過した粉末だけを回収タンク107に回収した。
また、エアの排気ダクト108にはフィルタ109を設置し、排気されるエアに含まれる微細な結晶性グラファイト粉末もフィルタ109によって回収した。回収した結晶性グラファイト粉末の粒径を粒度分布計(マイクロトラックMT3300EX2,日機装(株)製)にて測定し、数百μmから数十μmの粒子であることを確認した。
次に、前記手法で作製した粉末に、単層グラフェン、複数層グラフェンが含まれているかを検証した。
前記手法で得られた粉末をエタノール中に分散し、シリコンウェハ200上に塗布後、エタノールを乾燥させSPM(走査型顕微鏡)でシリコンウェハ200上を分析した結果を図2に示す。分析の結果、厚みが0.3nmの単層グラフェン201、厚みが10.4nmの複数層グラフェン202及び厚みが560nmのグラファイト粒子203の存在を確認した。それぞれの面方向の長辺のサイズは数μmから十数μmであった。
ジェットミルで粉砕することで、グラファイトの層間が剥離し、単層グラフェン201及び複数層グラフェン202を作製することが可能であることがわかる。しかし、結晶性グラファイトをジェットミルにより粉砕しただけでは、単層グラフェン201、複数層グラフェン202及びグラファイト粒子203が混在している状態である。分離する必要がある。
図3は、図1に示すジェットミルによって作製したグラファイト粉末をエタノール302に分散させた分散体303の模式図を示す。
分散体303は、前記結晶性グラファイトをジェットミルにより粉砕することで得られることが確認できた単層グラフェン201、複数層グラフェン202及びグラファイト粒子203を含む粉末を1mg計量し、容量13.5ml、容器内径φ20mmの容器301に投入後、エタノール302を10ml入れ、100W、28kHzの条件で5分間の超音波分散を行い、エタノール分散液を作製した。
次に、この溶液をシリンジ401に入れ、分離する方法を説明する。図4(a)は、シリンジ401の回りに磁石を配置したところの模式平面図を示す。図4(b)は、図4(a)のa−b断面図である。内径50mm、高さ100mmのシリンジ401に、内径1mmのノズル405を取り付けてある。
シリンジ401の周囲には、縦40mm、横40mm、高さ100mmの直方体で、1テスラのN極磁石402が、シリンジ401側を向いた設置されている。また、同サイズ、同磁束密度のS極磁石403が、シリンジ401側を向いた設置されている。N極磁石402と、S極磁石403とは、シリンジ401を中心に、対向して設置されている。シリンジ401の中央には攪拌棒404が設置されている。
攪拌棒404は、直径1mmの棒の先端に直径10mm高さ15mmの三角錐がつけてある。この攪拌棒404を、シリンジ401の上部から90mm挿入し回転させた。結果、分散体303は攪拌され、単層グラフェン201、複数層グラフェン202、グラファイト粒子203に遠心力がかかる。
同時に、N極磁石402から、S極磁石403に向けて磁場が発生しているため、シリンジ401中で回転している分散体303のうち、厚さが一層で単層グラフェン201が最も単位重量あたりの反磁性が強いため、N極磁石402とS極磁石403とから離れようとし、中心線上に集まろうとする。層数が少ないほど、反磁性力が強い。
この関係を図4(c)で説明する。図4(c)は、図4(a)と同じく、模式平面図である。遠心力601と反磁性力602の方向を示している。遠心力(式1)と反磁性力(式2)との大きさの関係により分離できる。
遠心力=m×g×r・・・・(式1)
Figure 0006111424


・・・・(式2)
ここで、mはグラフェンの質量、gは重力、Vは体積、μ0は真空での透磁率、ΔB/Δz:半径方向の磁界変化、B:磁界、χ:磁化率、rは水平面での中心からの距離である。
反磁性力に関して、単層グラフェン201、複数層グラフェン202、グラファイト粒子203は、炭素のみからなる物質であるので、密度は同じである。しかし、層数により磁化率が大きく異なり、単層が最も強い。遠心力に関して、同じ密度であり、遠心力は、半径rでの位置で決まる。
結果、攪拌棒404を回転させる力(回転数)により、遠心力を適切にすれば、反磁性力602が強い、単層グラフェン201が中央に集まり、半径方向の中間部に、複数層グラフェン202、周辺に、グラファイト粒子203が分布(分散)する。
一方、攪拌棒404による回転による遠心力により、全体が攪拌され、複数層グラフェン202及びグラファイト粒子203は外周に集められ、単層グラフェン201は、中心へ引きよせられる。
結果、中央に、単層グラフェン201が集まる。ノズル405からは反磁性が強い単層グラフェン201が塗布される。
なお、遠心力(回転数)を制御すれば、単層グラフェン201、複数層グラフェン202を中心に集め、グラファイト粒子203から分離し、単層グラフェン201、複数層グラフェン202の混じったものを塗布することもできる。
ただし、遠心力は必須要素ではない。磁場により、グラフェン、グラファイトは分布するので、磁場だけで上記原理は実現する。遠心力により、よりグラフェン、グラファイトが均質に分布しやすくなる。結果、純度よく、単層グラフェン201のみを塗布、形成できやすい。
さらに、攪拌棒404により、攪拌させ遠心力を、塗布前にかけ、塗布中は、遠心力をかけない(攪拌しない)という方法もよい。
また、グラフェン、グラファイトとして、グラフェンのみの場合も上記方式は、実現する。グラフェンより反磁性が弱い他の粒子が含まれていても、上記方式は、実現する。
(実施例1)
図5は、上記分散体を攪拌しながら基板に分散体を塗布している模式図を示す。
攪拌棒404の回転数を100rpmにし、5分攪拌後、分散体とノズル405から基板501上へ塗出させながら、シリンジ401を1ml/sec、5mm/secの速度で移動させた。その後、エタノールを乾燥させ、グラフェンを塗布した基板501を得た。
図6は分散体を塗布した、エタノールを乾燥させた後の基板のSPM画像を示す。図6のコントラストが暗い箇所がシリコンウェハ表面、コントラストが明るい箇所がグラフェン及びグラファイトを示す。
表1に、図6に示すラインの箇所で、高低差の分析を行った結果を示す。
Figure 0006111424
得られたグラフェンの厚みをSPMで分析した結果、a箇所の高低差は0.3nmであり、単層グラフェンであることが分かる。また、b箇所は高低差が1.7nmで5層の複数層グラフェン、c箇所は高低差が3.nmで9層の複数層グラフェンであることが分わかる。結果として、磁場中で、遠心力をかけることで、重たいグラファイト粒子203はシリンジ401の外周部に集まった。重さが軽く厚みの薄い単層グラフェン201及び複数層グラフェン202を、グラファイト粒子203から分離することが可能となった。
(実施例2)
図7は、図5のノズル406の形状を変化させ、分散体を攪拌しながら基板に分散体を塗布している模式図を示す。
シリンジ401からノズル406の孔へつながる部分において、逆方向のテーパをつけている。テーパ部分は、ノズル406から、外周部に向かう方向に45度の角度を付けた高さ10mmの形状とした。
このノズル406を取り付けたシリンジ401に、単層グラフェン201、複数層グラフェン202、及びグラファイト粒子203の分散体303をエタノール302に混ぜ、100W、28kHzの条件で5分間の超音波分散を行い、凝集したグラフェンを分散させた分散体303を入れた。
この形状のノズル406を用い、攪拌棒404の回転数を100rpmにし、5分攪拌後、1ml/secで液を吐出しながら、シリンジ401を5mm/secの速度で移動させた。その後、エタノール302を乾燥させ、単層グラフェン201を塗布した基板501を得た。
図8は分散体303を塗布後にエタノールを乾燥させた基板のSPM画像を示す。この条件では数ミクロンのグラフェンが点在していることが確認できる。
表2に、図8に示すラインの分析箇所d,e,fでの高さの分析を行った結果を示す。
Figure 0006111424
得られたグラフェンの厚みをSPMで分析した結果、分析箇所eの高低差は0.3nm、分析箇所fも高低差が0.3nm、分析箇所gは、高低差が0.4nmであることから、単層グラフェンが基板に塗布されていることが分かる。
この結果より、実施例1では塗布した分散体303には単層グラフェン201と複数層グラフェン202が混在している状態であったが、単層グラフェン201のみをさらに分離できた。
ノズル406において、分散体303と接する箇所の形状を外周部に向かう側に45度の角度を付けた高さ10mmの形状とすることで、単層グラフェン201のみを分離し塗布することが可能となった。テーパを設けることで、間違って巻き込まれる単層グラフェン201以外のものがなくなる。
<シリンジ中心とノズル中心について>
シリンジ401中の分散体303中の各粒子の分布を次に示す。図7の構成で、シリンジ401に対して、ノズル406の位置を変え、分散体303を塗布し、塗布結果から、各粒子を調べる。
図9は、図7の構成で、シリンジ401の中心からのノズル406までの距離と、塗布を得られたグラフェンの厚みを示す。図9で、シリンジ401の中心とノズル406の中心と一致する場合は、横軸で0mmとなる。ノズルの位置を変えて、塗布物を分析した結果を図9に示す。
縦軸は、ノズル406の位置での塗布後のグラフェンの膜厚である。それぞれ100箇所測定し、最も多い割合を示す厚みをプロットの縦軸はしたものである。
シリンジ中心からノズル中心をずらすことによって、攪拌による遠心力と磁場の反磁性のバランスが変わる。シリンジ中心とノズル中心を合わせた場合は、0.3nmの単層グラフェンが100箇所測定して、82箇所で単層グラフェン得られるのに対し、1mmずらすと0.7nmの複数層グラフェンが100箇所測定して、77箇所、3mmで1.6nmの複数層グラフェンが100箇所測定して、72箇所、5mmで2.4nmの複数層グラフェンが100箇所測定して、68箇所の割合で得ることが可能となる。
これらの結果より、磁場中でのグラフェンの層数の違いによる遠心力と反磁性の変化により、グラフェンの層数ごとに分離し、基板に塗布することが可能である。
磁力と攪拌速度の関係については、磁力が弱くなると、指数関数的にグラフェンにかかる磁力が減少する。そのため、グラフェンが発生する反磁力も小さくなり、分離するため攪拌速度を弱くし、攪拌時間を長くする必要がある。
<変形例>
なお、上記例では、攪拌棒404による遠心力を使用したが、遠心力は必須ではない。磁気力だけで、各粒子を分布させることはでき、塗布もできる。
遠心力があることで、より精度よく粒子を分離できる。また、塗布前に、攪拌棒404により、溶媒を攪拌し、粒子を溶媒中に分散させ、溶媒塗布時には、攪拌棒404を止めて、塗布することもできる。
溶媒塗布前に、攪拌し、塗布中は、攪拌を止めておいてもよい。
<全体として>
なお、単層グラフェン201、複数層グラフェン202、グラファイト粒子203での分離、塗布に関して説明したが、グラフェンとグラファイトとの分離の場合でも同様に実施できる。単層グラフェン201と複数層グラフェン202とをグラフェンとして、グラファイトから分離することもできる。
また、グラフェンと他の材料が含まれているものから、グラフェンを分離、グラフェン層を形成することもできる。グラフェンは、物質中でも反磁性力が大きく、分離することができる。さらに、グラフェンと溶媒のみの場合でも、上記方法で、グラフェンを多く含む溶媒を塗布することで、グラフェン層を形成することもできる。
本発明のグラフェン層形成方法は、単層グラフェン及び、複数層グラフェンを分級し、目的の層数のグラフェンを簡単に基板に形成出来る特徴を有し、エレクトロニクスデバイスやナノテクノロジー材料として等の半導体デバイスや透明電極の用途にも適用できる。
101 原料供給タンク
102 カッターミル
103 ジェットミル
104 粉砕ゾーン
105 エアホース
106 分級機
107 回収タンク
108 排気ダクト
109 フィルタ
200 シリコンウェハ
201 単層グラフェン
202 複数層グラフェン
203 グラファイト粒子
301 容器
302 エタノール
303 分散体
401 シリンジ
402 N極磁石
403 S極磁石
404 攪拌棒
405 ノズル
406 ノズル
501 基板
601 遠心力
602 反磁性力
1201 基板
1202 触媒層
1203 グラフェン層
1204 保護層
1205 接着層
1301 転写基板
1302 接触溶液
H 反磁性力
a〜g 分析箇所
r 半径

Claims (8)

  1. 層数が10層以下のグラフェンと層数が11層以上のグラファイトと溶媒とを含む容器を準備する準備工程と、
    前記溶媒に磁場をかけ、前記グラフェンと前記グラファイトとを前記溶媒の中で分離させる磁場印加工程と、
    前記グラファイトから分離されたグラフェンが分散している前記溶媒を基材へ塗布する塗布工程と、を含むグラフェン層形成方法。
  2. さらに、前記溶媒を前記容器中で攪拌させる攪拌工程を有する請求項記載の層形成方法。
  3. 前記溶媒を前記容器中で攪拌させながら、前記溶媒前記基材へ塗布する請求項1または2に記載のグラフェン層形成方法。
  4. 結晶性グラファイトを粉砕することで前記グラフェンと前記グラファイトとを作製する粉砕工程をさらに含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のグラフェン層形成方法。
  5. 前記結晶性グラファイトは、天然黒鉛、化学気相蒸着法で作製されるグラファイト、有機フィルムを高温で熱処理することで作製されるグラファイトのいずれか1つ以上である請求項記載のグラフェン層形成方法。
  6. 前記粉砕工程の後に、粉砕された前記結晶性グラファイト粉末を気流中で、分留し、前記グラフェンと前記グラファイトとを得る分留工程を、さらに含む請求項またはに記載のグラフェン層形成方法。
  7. 層数が10層以下のグラフェンと層数が11層以上のグラファイトと溶媒とを含み、塗布口を有する容器と、
    前記容器の周囲に位置する磁場印加部と、
    基板を保持する保持部と、
    前記容器と前記保持部とを相対的に移動させる移動部と
    前記磁場印加部により前記グラファイトから分離された前記グラフェンが分散している前記溶媒を基材へ塗布する塗布部と、
    を有するグラフェン層形成装置。
  8. さらに、前記溶媒を前記容器中で攪拌させる攪拌部を有する請求項記載の層形成装置。
JP2013128223A 2013-06-19 2013-06-19 グラフェン層形成方法 Active JP6111424B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013128223A JP6111424B2 (ja) 2013-06-19 2013-06-19 グラフェン層形成方法
KR1020140069366A KR102164300B1 (ko) 2013-06-19 2014-06-09 그래핀 분리 방법, 그래핀 분리 장치, 그래핀층 형성 방법, 및, 그래핀층 형성 장치
CN201410276391.XA CN104229778B (zh) 2013-06-19 2014-06-19 石墨烯分离方法、石墨烯分离装置、石墨烯层形成方法及石墨烯层形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013128223A JP6111424B2 (ja) 2013-06-19 2013-06-19 グラフェン層形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015003833A JP2015003833A (ja) 2015-01-08
JP6111424B2 true JP6111424B2 (ja) 2017-04-12

Family

ID=52218802

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013128223A Active JP6111424B2 (ja) 2013-06-19 2013-06-19 グラフェン層形成方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6111424B2 (ja)
KR (1) KR102164300B1 (ja)
CN (1) CN104229778B (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2018242525B2 (en) * 2017-03-31 2020-11-19 Arcelormittal A method for the manufacture of graphene oxide from Kish graphite
CN107342173B (zh) * 2017-07-10 2019-02-19 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 一种柔性超级电容器电极及其制备方法
CN109019580A (zh) * 2018-09-27 2018-12-18 深圳天元羲王材料科技有限公司 一种石墨烯提纯装置及方法
WO2024072206A1 (en) * 2022-09-29 2024-04-04 Noorhana Yahya Graphite to graphene exfoliation under high magnetic flux density in sono-electro-chemo conditions

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6287694B1 (en) * 1998-03-13 2001-09-11 Superior Graphite Co. Method for expanding lamellar forms of graphite and resultant product
JP2003320271A (ja) * 2002-04-26 2003-11-11 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 粒子の分離方法及び装置
FR2919856B1 (fr) * 2007-08-09 2010-03-12 Centre Nat Rech Scient Solutions de graphene
JP2010138015A (ja) * 2008-12-10 2010-06-24 Toshiba Corp カーボンナノチューブの製造装置及びカーボンナノチューブを分別する方法
WO2011020035A2 (en) * 2009-08-14 2011-02-17 Northwestern University Sorting two-dimensional nanomaterials by thickness
KR101652787B1 (ko) 2009-11-12 2016-09-01 삼성전자주식회사 대면적 그라핀의 제조방법 및 전사방법
US9017756B2 (en) * 2010-01-07 2015-04-28 Nanotek Instruments, Inc. Continuous process for producing spacer-modified nano graphene electrodes for supercapacitors
JP5644175B2 (ja) * 2010-04-27 2014-12-24 和人 山内 SiC基板へのグラフェン成膜方法
KR101197027B1 (ko) * 2010-08-18 2012-11-06 한국과학기술연구원 그라핀 분말의 정제 방법
JP5793704B2 (ja) * 2011-05-16 2015-10-14 パナソニックIpマネジメント株式会社 多層のグラフェン層の製造方法
CN102701193B (zh) * 2011-06-20 2015-07-08 山东理工大学 石墨烯或氧化石墨烯的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN104229778B (zh) 2017-12-01
KR102164300B1 (ko) 2020-10-12
CN104229778A (zh) 2014-12-24
KR20140147691A (ko) 2014-12-30
JP2015003833A (ja) 2015-01-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6023988B2 (ja) グラフェンの製造方法
JP6111424B2 (ja) グラフェン層形成方法
Liu et al. Facile and straightforward synthesis of superparamagnetic reduced graphene oxide–Fe3O4 hybrid composite by a solvothermal reaction
KR101606401B1 (ko) 다층 그래핀 피복 기판의 제조 방법
CN104582855B (zh) 干磨粒状材料的方法
KR101456905B1 (ko) 탄소 재료 및 그 제조 방법
Fontaíña-Troitiño et al. Room-temperature ferromagnetism in antiferromagnetic cobalt oxide nanooctahedra
Sarkar et al. Morphology control of rutile TiO 2 hierarchical architectures and their excellent field emission properties
CN108145171A (zh) 一种铋烯纳米片及其制备方法
Szabó et al. Magnetic iron oxide/clay composites: effect of the layer silicate support on the microstructure and phase formation of magnetic nanoparticles
Nagashima et al. Effect of the heterointerface on transport properties of in situ formed Mgo/titanate heterostructured nanowires
TW201441149A (zh) 碳纖維及其製造方法
Ding et al. Efficient exfoliation of layered materials by waste liquor
Ma et al. Direct–indirect bandgap transition in monolayer MoS2 induced by an individual Si nanoparticle
Zhang et al. Molecular magnets based on graphenes and carbon nanotubes
Zhuo et al. Observation of a stable fractionalized polar skyrmionlike texture with giant piezoelectric response enhancement
Jiang et al. Near-field imaging of graphene triangles patterned by helium ion lithography
KR20100098451A (ko) 카본나노튜브 지지체 및 그 제조방법
Zheng et al. Formation of tungsten oxide nanowires by ion irradiation and vacuum annealing
Li et al. Synthesis of flower-like Co microcrystals composed of Co nanoplates in water/ethanol mixed solvent
JP2010159168A (ja) 球状金属酸化物粉末の製造方法
CN107445143A (zh) 生产石墨烯基材料的方法、可获得材料及其用途
Gryzia et al. Preparation of monolayers of [Mn III 6 Cr III] 3+ single-molecule magnets on HOPG, mica and silicon surfaces and characterization by means of non-contact AFM
Liu et al. Novel method of ordering silver nanowires for synthesizing flexible films and their conductivity
KR101745056B1 (ko) 그래핀-분말 복합체 및 그 제조 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20141006

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160128

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20160518

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161014

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161025

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170131

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170213

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6111424

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151