JP6111365B1 - コマ玩具 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、従来、例えば、ランチャーのフォークが挿入される弧状スリットを軸心と同心的に胴体に形成するとともに、長穴に挿入されたフォークに形成された爪(係止部)に係止される被係止部を弧状スリットの長手方向の端部に設けることとしている。さらに詳細には、弧状スリットの幅を長手方向の一端側だけ狭く形成しておき、フォークの爪を弧状スリットの広幅側から狭幅側へと相対的に移動させて弧状スリットの縁(被係止部)下に潜り込ませて係止部と被係止部とを係合させることで、ランチャーからコマ玩具が脱落しないようにしている。そして、この状態でランチャーのフォークの回転によってコマ玩具に回転力を付与した後、フォークの回転を停止させ、コマ玩具の慣性力によって、フォークの爪を弧状スリットの狭幅側から広幅側へと相対的に移動させることにより、係止部と被係止部との係合を解除させてコマ玩具をランチャーから発射させるようにしている。
しかしながら、このように弧状スリットの幅を長手方向の一端側だけ狭く形成しておいた場合、ランチャーによる回転方向が一義的に決まってしまう。そのため、時計方向回転専用のコマ玩具と、反時計方向回転専用のコマ玩具とするほかなかった。
そのため、従来、コマ玩具の回転方向を変更しようとするときには、特許文献1と同様に、時計方向回転専用のコマ玩具と、反時計方向回転専用のコマ玩具との双方を持つか、或いは、1つのコマ玩具と、当該コマ玩具とは回転方向が異なる胴体とを持つ必要があった。
軸部と、ランチャーのフォークが挿入される長穴が軸心と同心的に形成された胴体とを備え、前記長穴に挿入される前記フォークに形成された係止部に係止される被係止部が前記長穴の長手方向の端部に設けられ、前記長穴内で前記フォークを前記端部側に移動させ予め設定された係止位置で前記係止部により前記被係止部を係止した状態で前記ランチャーの前記フォークの回転によって回転力を付与され、前記フォークの回転停止により前記係止部による前記被係止部の係止が解除された際に前記ランチャーから放たれるコマ 玩具であって、
前記長穴の長手方向の一端部及び他端部のそれぞれに前記係止位置が予め1つずつ設定され、
前記被係止部は、前記係止位置に対して進退操作可能に構成され、進退操作によって一方の前記係止位置又は他方の前記係止位置に対して選択的に進入可能となるように設けられていることを特徴とする。
前記被係止部は、前記長穴の長手方向の一端部と他端部との間で移動可能に構成されていることを特徴とする。
前記胴体とその下側の軸部を備え、胴体側には第1の爪が形成され、軸部側には第2の爪が形成され、前記胴体と前記軸部とは、前記軸部の軸線を中心とする相対的な回転位置に応じて、前記第1の爪の上面と前記第2の爪の下面が対向するように前記第1の爪と前記第2の爪とが上下方向で重なる結合状態と、前記第1の爪と前記第2の爪とが上下方向で重ならない結合解除状態とを取り得、前記結合解除状態から前記胴体に対して前記軸部を任意の回転方向に回転させることで前記結合状態とされ、前記コマ玩具の回転中に受ける衝撃によって前記胴体に対して前記軸部が前記任意の回転方向とは反対の方向に相対回転し前記結合解除状態に至った際に前記胴体と前記軸部との結合が解除されて分解されることを特徴とする。
図1は、本発明に係るコマ玩具の一実施形態の遊び方を説明した図、図2は、本実施形態のコマ玩具の分解斜視図、図3は、本実施形態のコマ玩具の一部を断面で示した分解斜視図である。本明細書においては、上下、左右及び前後は図2に示した向きを言うものとする。
実施形態のコマ玩具1は、いわゆるコマバトルゲームに使用することが可能なコマ玩具である。具体的には、このコマ玩具1は、互いの衝突による衝撃力で相手方のコマ玩具1を図1の右側のように分解させて勝利とするようなコマバトルゲームに使用できる。
このコマ玩具1は、図2および図3に示すように、下部構造を構成する軸部10と、上部構造を構成する性能可変リング30および胴体40とによって構成されている。
そして、このコマ玩具1は図6(A)又は図6(B)に示すようなコマ発射装置であるランチャー50a又はランチャー50bによって上面視で時計方向又は反時計方向の回転力を付与され、バトルフィールドに放たれる。ここで、ランチャー50aは時計方向の回転力をコマ玩具1に付与するもの、ランチャー50bは反時計方向の回転力をコマ玩具1に付与するものである。
この実施形態のコマ玩具1によれば、コマ玩具1の部品の交換を伴うことなく、所定の部品の操作によって回転方向を変更することができる。
1.軸部10について
軸部10は、下部に回転軸11、中間部に鍔12、上部に円筒部13を備えている。この回転軸11、鍔12及び円筒部13は合成樹脂で形成されている。ただし、材料は合成樹脂に限定されず、全部又は一部が金属製やゴムであってもよい。
鍔12の下方部分は、当該鍔12から回転軸11の外周に向けて段階的に窄んだ形状となっており、全体として略逆円錐状に形成されている。
図2に示すように、鍔12及び円筒部13には、回転軸11の軸線を挟み前後方向で対峙する部位2箇所それぞれに孔14が形成されている。また、円筒部13と鍔12の下方部分には、回転軸11の軸線を挟み左右方向で対峙する部位2箇所それぞれに突出部15が形成されている。この突出部15の外面は鍔12の外周面と面一となっている。
また、図3に示すように、円筒部13の内側には円柱体16が立設されている。この円柱体16の上端は特に限定はされないが円筒部13の上端よりも高い位置に設定されている。この円柱体16の上端部には回転軸11の軸線を挟み前後方向で対峙する部位2箇所それぞれに半径方向外側に張り出す爪(第2の爪)17が形成されている。
この可動部材18の上面には、回転軸11の軸線を挟み左右方向で対峙する部位2箇所それぞれに半径方向に延びる凸条21が1つずつ形成されている。
この実施形態では、性能可変リング30として例えば金属製のフライホイールが用いられている。この性能可変リング30は板状を成している。この性能可変リング30の底面には軸部10の鍔12が下方から収容可能な環状段部31が形成されている。また、この性能可変リング30の上面には回転軸11の軸線を挟み左右方向で対峙する部位2箇所それぞれに上方に向けて張り出す逆U字条の突出部32が形成されている。各突出部32の下側部分には、軸部10の突出部15を下方から収容可能な凹部33が形成されている。また、性能可変リング30の上面には、各突出部32の直ぐ外側に上方に延びる舌片34が形成されている。舌片34は突出部32よりも上方に突出している。なお、この性能可変リング30としては、フライホイールに代えて或いはフライホイールと一体的で、外周面に突出部があって相手方のコマ玩具1を攻撃し易くしたものや、外周面に凹部があって相手方のコマ玩具1からの攻撃を受け難いものを用いてもよい。
胴体40は円盤状を成している。この胴体40には、図2に示すように、回転方向切替部材41が取り付けられている。
胴体40の外周には凹凸40aが形成されている。また、胴体40の天井壁43bには、性能可変リング30の舌片34を下方から挿入可能な弧状スリット46が形成されている。この弧状スリット46は回転軸11と同心的な形状となっている。この弧状スリット46は舌片34が十分に移動し得る長さとなっている。
なお、図5に示すように、この起立部41eの外周側は上記弧状スリット46の外周側縁に下方からきつく嵌まり合う。その際に、起立部41eの爪41cと上記弧状スリット46の内周側との縁の間にはランチャー50a,50bのフォーク54(図6参照)を受容する隙間が形成される。そして、被係止部41fはランチャー50a,50bの爪55と係合可能となっている。また、ランチャー50a,50bのコマホルダー53と回転切替部材41とが相対回転した際に、その相対回転方向に拘わらず、被係止部41fと爪55とが係合を行えるような形状となっている。ここで、被係止部41fと爪55との係合及び係合解除の際に被係止部41fが弧状スリット46の長手方向の端部でその位置を保持できるように構成することが好ましい。起立部41eの外周側が上記弧状スリット46の外周側縁に下方からきつく嵌まり合うことの他に、凹凸による嵌合や、爪による係合や、磁気着等によって被係止部41fがその位置を保持できるようにしてもよい。
コマ玩具1の回転力のチャージは、図6(A),(B)に示すようなランチャー50a,50bによって行われる。このランチャー50a,50bにはコマ玩具1が装着される。すなわち、フォーク54が胴体40の弧状スリット46に差し込まれる。そして、フォーク54の係止部55が回転方向切替部材41の被係止部41fに係止される。これによって、コマ玩具1がランチャー50a,50bに装着される。
このランチャー50a,50bは、内部に図示しない円板を備え、その円板を図示しないゼンマイばねで一の回転方向に付勢するとともに、円板の周囲に卷回させた図示しない紐をハンドル51で引くと、円板が回転され、コマホルダー53が回転されるように構成されている。このコマホルダー53の回転は、下方に突設されたフォーク54によってコマ玩具1に伝達され、コマ玩具1を回転する。
そして、ランチャー50a,50bのハンドル51を引き切ると、円板ひいてはコマホルダー53の回転が停止する一方で、コマ玩具1は慣性力によって尚も回転するので、フォーク54の傾斜面54aを倣ってコマ玩具1がコマホルダー53から外れる。
なお、図6(A),(B)において符号52はコマホルダー53に対して出没可能なロッドである。このロッド52はコマホルダー53にコマ玩具1を装着した際にコマ玩具1の上面に押されてコマホルダー53に没する。このロッド52は例えばコマ玩具1の着脱の検出に使用される。
図7は、時計方向に回転させられる場合のコマ玩具1の胴体40、回転方向切替部材41及び軸部10の位置関係を示した下面図である。この場合のコマ玩具1においては、2つの弧状スリット46の一端部、つまりA1及びA2の箇所に性能可変リング30の舌片34,34が位置している。また、2つの弧状スリット46の他端部、つまりB1及びB2の箇所に回転方向切替部材41の起立部41e,41eが位置している。さらに、回転方向切替部材41の爪41c,41cは円柱体16の爪17,17と上下方向で重なり結合状態となっている。また、回転方向切替部材41の凹条41dは可動部材18の凸条21と回転方向切替部材41の爪41c,41cの中間部で噛合している。
図8は、反時計方向に回転させられる場合のコマ玩具1の胴体40、回転方向切替部材41及び軸部10の位置関係を示した下面図である。この場合のコマ玩具1においては、2つの弧状スリット46の一端部、つまりA1及びA2の箇所に回転方向切替部材41の起立部41e,41eが位置している。また、2つの弧状スリット46の他端部、つまりB1及びB2の箇所に性能可変リング30の舌片34,34が位置している。さらに、回転方向切替部材41の爪41c,41cは円柱体16の爪17,17と上下方向で重なり結合状態となっている。また、回転方向切替部材41の凹条41dは可動部材18の凸条21と回転方向切替部材41の爪41c,41cの中間部で噛合している。
次に、コマ玩具1の組立方法の一例を説明する。
まず、胴体40に取り付けられた回転方向切替部材41の起立部41eを弧状スリット46内で、コマ玩具1の所望の回転方向と対応する方向に移動させる。この移動は手で回転方向切替部材41を直接操作するか、回転方向切替部材41の凹条41dに噛合する治具を用いて行う。次に、軸部10の突出部15を下方から性能可変リング30の凹部33に合致させるようにして、軸部10と性能可変リング30を嵌合状態に組み付ける。次に、この組付け体を胴体40に下方から近付ける。この際、上記組付け体の性能可変リング30の舌片34を胴体40の弧状スリット46の回転方向切替部材41の起立部41e側に合致させる。この状態は、軸部10の爪17と回転方向切替部材41の爪41fとは上下方向で重なっていない状態である。この状態が結合解除状態である。その後、上記組付け体の軸部10を胴体40側に押圧する。すると、まず、性能可変リング30が胴体40の下面に押し当てられる。さらに、上記組付け体の軸部10を胴体40側に押圧すると、軸部10の突出片19がコイルスプリング20の付勢力に抗して性能可変リング30の下面によって下方に押圧される。この状態では、軸部10の爪17は回転方向切替部材41の爪41fよりも上方となる。そして、軸部10を性能可変リング30と一体的に胴体40に対して舌片34が回転方向切替部材41の起立部41eから離れる方向へ回転させる。この場合の回転は、胴体40及び性能可変リング30と軸部10との相対的な回転である。図7及び図8には、胴体40側を軸部10及び性能可変リング30に対して回転させた状態が示されている。この状態が結合状態である。これにより、軸部10と、性能可変リング30及び胴体40が結合され、コマ玩具1が組み立てられる。
続いて、このコマ玩具1を使用しての遊び方の一例を説明する。
この遊び方の一例では、コマ玩具1を回転させて、相手方のコマ玩具1と戦いを行う。
この場合のコマ玩具1の回転力のチャージは、上記ランチャー50a,50bによって行われる。ランチャー50a,50によってチャージされ発射されたコマ玩具1は所定のバトルフィールドで回転させられる。そして、相手方のコマ玩具1に胴体40が衝突すると、衝突による衝撃力や擦れ等によって、胴体40は停止しようとするが、軸部10及び性能可変リング30は尚も回転をし続けるので、胴体40が軸部10及び性能可変リング30の回転方向に対して反対の方向に相対的に回転する。
すると、胴体40側の凹条41dが段階的に軸部10の凸条21に噛み合い、その都度そこに位置決めされる。そして、胴体40側の爪41cが軸部10の爪17から外れたところで、スプリング20の付勢力によって胴体40が軸部10から離反する。そして、図1において、右側に示すように、コマ玩具1は分解される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
また、この場合、被係止部担持体41aを所定の軸を中心に回動可能とするとともに、被係止部担持体41aをスプリングによって被係止部41fが弧状スリット46から没する方向に付勢しておき、フォーク51を弧状スリット46内で被係止部41f側に寄せた際に、フォーク51が被係止部担持体41aに突き当たることによって、当該係止部41fが弧状スリット46内に突出するように構成してもよい。
さらに、1つの被係止部担持体41aの両端部に被係止部41fを設けるとともに、被係止部担持体41aを中間の軸を中心に回動可能に構成し、被係止部担持体41aの回動によって一方の被係止部41fが係止位置に進入するときに、他方の被係止部41fが係止位置から退行するようにしてもよい。
10 軸部
17 爪(第2の爪)
21 凸条(凸部)
30 性能可変リング
34 舌片
40 胴体
41 回転方向切替部材
41a 被係止部担持体
41e 起立部
41f 係止部
46 弧状スリット(長穴の一例)
50 ランチャー
Claims (7)
- 軸部と、ランチャーのフォークが挿入される長穴が軸心と同心的に形成された胴体とを備え、前記長穴に挿入される前記フォークに形成された係止部に係止される被係止部が前記長穴の長手方向の端部に設けられ、前記長穴内で前記フォークを前記端部側に移動させ予め設定された係止位置で前記係止部により前記被係止部を係止した状態で前記ランチャーの前記フォークの回転によって回転力を付与され、前記フォークの回転停止により前記係止部による前記被係止部の係止が解除された際に前記ランチャーから放たれるコマ玩具であって、
前記長穴の長手方向の一端部及び他端部のそれぞれに前記係止位置が予め1つずつ設定され、
前記被係止部は、前記係止位置に対して進退操作可能に構成され、進退操作によって一方の前記係止位置又は他方の前記係止位置に対して選択的に進入可能となるように設けられていることを特徴とするコマ玩具。 - 前記被係止部は、前記長穴の長手方向の一端部と他端部との間で移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のコマ玩具。
- 前記胴体には円周方向に所定間隔で前記長穴が複数形成され、複数の前記長穴のそれぞれには前記被係止部が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコマ玩具。
- 前記長穴は偶数個形成され、この偶数個の前記長穴のそれぞれは前記軸心を挟んで他の前記長穴の1つに対向するように形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のコマ玩具。
- 前記長穴は前記胴体に2つ形成され、この2つの前記長穴のそれぞれに設けられた前記被係止部は被係止部担持体によって互いに連結されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のコマ玩具。
- 前記胴体とその下側の軸部を備え、胴体側には第1の爪が形成され、軸部側には第2の爪が形成され、前記胴体と前記軸部とは、前記軸部の軸線を中心とする相対的な回転位置に応じて、前記第1の爪の上面と前記第2の爪の下面が対向するように前記第1の爪と前記第2の爪とが上下方向で重なる結合状態と、前記第1の爪と前記第2の爪とが上下方向で重ならない結合解除状態とを取り得、前記結合解除状態から前記胴体に対して前記軸部を任意の回転方向に回転させることで前記結合状態とされ、前記コマ玩具の回転中に受ける衝撃によって前記胴体に対して前記軸部が前記任意の回転方向とは反対の方向に相対回転し前記結合解除状態に至った際に前記胴体と前記軸部との結合が解除されて分解されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のコマ玩具。
- 前記胴体側と前記軸部側とには互いに対向する対向部分が形成され、前記胴体側の前記対向部分と前記軸部側の前記対向部分とには、前記結合状態に対応する位置から前記結合解除位置に対応する位置までの間、互いの摺接によって前記胴体に対する前記軸部の回転を段階的に行わせる抵抗が設けられていることを特徴とする請求項6に記載のコマ玩具。
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