JP6111117B2 - ユーザ装置、及びユーザ割当情報推定方法 - Google Patents

ユーザ装置、及びユーザ割当情報推定方法 Download PDF

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Description

本発明は、無線通信システムのユーザ装置における干渉低減の技術に関連するものである。
3GPP(Third Generation Partnership Project)におけるLTE(Long Term Evolution)Advancedでは、MU−MIMO(multi−user multiple−input multiple−output)を用いたOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiplexing Access)が提案されている。MU−MIMOの下りリンク送信においては、1つの基地局が複数のユーザ装置と通信するだけでなく、1つのユーザ装置に異なるデータストリーム(レイヤ)を同時に送信することが可能である。
また、LTE−Advancedでは、下りリンク通信に関して、接続基地局からの所望電波ビームに対する干渉基地局からの干渉電波ビームの干渉、及び接続基地局における他ユーザ向け信号による干渉を、ユーザ装置において低減(例:抑圧、除去)するための種々の技術が検討されている。
このような干渉を低減する技術では、例えば、図1に示すように、ユーザ装置10が接続セル(接続基地局1のセル、serving cell)の境界付近に所在して、所望基地局1の隣の他の基地局2(干渉基地局)から干渉電波ビームを強く受ける場合に、ユーザ装置10が干渉低減処理を行うことにより、所望電波ビームに載せられた所望信号の受信品質を向上させることができる。図1において干渉基地局2で生成されたビーム、すなわち他のユーザ装置(例えばユーザ装置11)への下りチャネルのためのビームの一部がユーザ装置10にとって干渉信号になる。なお、図1は、干渉セルからの干渉を特に示した図である。
以下では、従来技術における干渉抑圧や除去等の干渉低減のための技術の概要を説明し、本発明が解決しようとする課題について説明する。
<干渉抑圧合成受信>
干渉信号と所望信号を含む受信信号から、所望信号を分離し、取得するための技術の1つとして、干渉抑圧合成(Interference Rejection Combining)と呼ばれる技術がある。干渉抑圧合成(IRC)は、下りリンク通信に関して、接続基地局からの所望電波ビームに対する干渉基地局からの干渉電波ビームの干渉、及び接続基地局における他ユーザ向け信号による干渉を、ユーザ装置で抑圧するように、ユーザ装置において各受信アンテナで得られる信号に重み付け(受信ウェイト)を与える技術である。例えば、図1に示した場合では、ユーザ装置10が、接続基地局1からの所望信号にビームを向け、干渉基地局2からの干渉信号にヌルを向ける指向性制御(ウェイト制御)を行うことで干渉抑圧を行う。
図2に示すように、IRC受信技術では、干渉信号のチャネルが推定可能な場合と、干渉信号のチャネルが推定不可能な場合とで、2種類(Type 1、Type 2)の受信ウェイトの算出方法がある。なお、図2に示す式はいずれもMMSE(最小平均二乗誤差)アルゴリズムから導き出される式である。また、これらの式で受信ウェイトを計算する技術自体は既存技術である。
図2の中に示すように、干渉信号のチャネル推定が可能な場合のType 1の式において、下線で示した部分が干渉セルのチャネル行列で構成される共分散行列である。また、干渉信号のチャネル推定が不可能な場合のType 2の式において、下線で示した部分が接続セル(接続基地局により構成されるセル、serving cell)からの受信信号から推定される雑音干渉成分の共分散行列である。
<逐次干渉キャンセル>
IRCの他、干渉信号と所望信号を含む受信信号から、所望信号を分離するための技術として逐次干渉キャンセル(SIC: Successive Interference Cancellation)の技術がある。
逐次干渉キャンセルは、受信信号から干渉信号の硬判定もしくは軟判定によるレプリカ信号を作成し、受信信号からレプリカ信号を逐次的に減算(除去)することにより、所望信号を抽出する技術である。ユーザ装置において逐次干渉キャンセルを行う場合の機能構成例を図3に示す。図3に示すように、複数の干渉信号毎に、干渉信号のチャネル推定を行い、当該チャネル推定に基づき干渉信号の復調を行って、干渉信号のレプリカを作成し、逐次受信信号から減算する。なお、この構成は逐次干渉キャンセルを行うための構成の一例である。また、逐次干渉キャンセラの構成自体は既存技術である。本発明は、干渉セルのチャネル推定を行い、干渉信号の復調を行う機能を含む逐次干渉キャンセラであれば、その方式によらずに適用可能である。
本発明は、干渉低減能力の高いIRC Type 1及びSICへの適用を想定していることから、以下、これらに必要な情報について説明することにより、本発明の課題を説明する。
<IRC Type 1/SICのために必要となる情報>
IRC Type 1でのIRC受信ウェイト生成のためには、所望信号のチャネル情報に加えて、干渉信号に対するチャネル行列が必要であり、当該チャネル行列は、干渉セルからの参照信号を用いてチャネルを推定することにより得られる。また、SIC(逐次干渉キャンセル)を行うためには、全干渉信号に対するレプリカ信号を生成することが必要であり、そのためには、IRC Type 1と同様に、各干渉信号に対してのチャネル行列が必要である。
LTE−Advancedにおいて、チャネル推定に用いることのできる参照信号として、CRS(Cell−specific Reference Signal、セル固有参照信号)、CSI−RS (CSI Reference Signal、CSI参照信号)、DM−RS (DeModulation Reference Signal、復調参照信号)がある。
図4に、各参照信号のマッピング例を示し、図5に、各参照信号の特徴を示す。図5に示すように、主要な特徴の相違は、CRSとCSI−RSはプリコーディング送信されず、DM―RSはプリコーディング送信されるという点である。つまり、もし基地局側においてプリコーディング送信がなされている場合、CRSもしくはCSI−RSを用いてチャネル行列を求める場合、プリコーディング情報(PMI)が別途必要となる。DM−RSを用いた場合は、プリコーディング情報(PMI)込みのチャネル行列を直接推定できる。上記別途必要となる情報については、例えば、先願である特願2012−288896において提案されているように、ネットワークからユーザ装置に通知することが考えられる。
ここで、CRSもしくはCSI−RSを用いて干渉信号に対するチャネル推定を行ってチャネル行列を求める場合、IRC Type1/SICのためには、更に、当該チャネル行列に加えて、干渉信号におけるユーザ割当情報が別途必要である。その理由は以下のとおりである。
接続セルのユーザ装置にとって、干渉セルでリソース(例:PDSCHのリソースブロック(RB))にユーザが割り当てられる場合に、そのリソースの信号が干渉信号となる。従って、IRC Type1/SICを実行するユーザ装置は、ユーザへの割り当てがある干渉信号にのみヌルを向けるようにIRCウェイトの算出を行う、もしくは、当該干渉信号をキャンセルする。
つまり、図6に示すように、接続セルでユーザ装置にデータ受信のために割り当てられたリソースと同じリソースにおける干渉セルからの信号が干渉信号となるので、この干渉信号を抑圧/キャンセルする必要がある。
しかし、CRS及びCSI−RSは、ユーザの割り当ての有無にかかわらず全帯域で送信されるため、CRSもしくはCSI−RSからではユーザの割当情報を取得することができず、ユーザ割当情報が別途必要となる。
上記のように、ユーザ装置がIRC Type1/SICを実行するためには、ユーザ割当情報を取得する必要がある。ここで、基地局がユーザ割当情報を生成することから、基地局からユーザ装置に対してユーザ割当情報を通知することが考えられる。しかしながら、ユーザ割当は基本的に各ユーザ装置に対してRB毎に行われるものであり、基地局からユーザ装置に対してユーザ割当情報を通知するとなると、その情報量の多さから、下りリンクのオーバヘッドが増大するという懸念がある。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、干渉低減処理を行う際に使用する干渉セルのユーザ割当情報をユーザ装置において推定することを可能とする技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一実施形態によれば、複数の基地局を含む無線通信システムにおいて用いられ、干渉セルにおけるユーザ割当に基づいて干渉低減を行う機能を備えるユーザ装置であって、
前記ユーザ装置に対する所定数の干渉セルにおける干渉信号が有るか無いかの組み合わせである干渉パタンを複数個生成する干渉パタン生成手段と、
前記干渉パタン生成手段により生成された複数の干渉パタンのそれぞれにおいて、当該干渉パタンにおける干渉低減後の受信品質を算出する受信品質算出手段と、
前記受信品質算出手段により算出された受信品質のうち、最良の受信品質の基になった干渉パタンに対応する各干渉セルにおける干渉信号の有無を前記ユーザ割当の有無とするユーザ割当情報推定手段とを備えたことを特徴とするユーザ装置が提供される。
前記干渉パタン生成手段は、例えば、干渉セルからの干渉電力の大きさに基づき、前記干渉パタン生成の対象とする干渉セルの数を制限する。また、前記干渉パタン生成手段は、干渉セルにおいて使用され得るプリコーディング情報のパタンを更に用いて前記干渉パタンを生成し、前記ユーザ割当情報推定手段は、各干渉セルにおける前記ユーザ割当の有無、及びプリコーディング情報を推定するように構成してもよい。
また、本発明の一実施形態によれば、複数の基地局を含む無線通信システムにおいて用いられ、干渉セルにおけるユーザ割当に基づいて干渉低減を行う機能を備えるユーザ装置であって、
前記ユーザ装置に対する全干渉雑音電力を算出する干渉雑音電力算出手段と、
前記ユーザ装置に対する所定数の干渉セルのそれぞれについて、干渉電力を算出する干渉セル電力算出手段と、
前記干渉雑音電力算出手段により算出された全干渉雑音電力と、前記干渉セル電力算出手段により算出された各干渉セルの干渉電力とを比較し、これらの大小関係に基づいて各干渉セルのユーザ割当の有無を推定するユーザ割当情報推定手段とを備えたことを特徴とするユーザ装置が提供される。
また、本発明の一実施形態によれば、複数の基地局を含む無線通信システムにおいて用いられ、干渉基地局におけるユーザ割当に基づいて干渉低減を行う機能を備えるユーザ装置であって、
前記ユーザ装置に対する全干渉セルの共分散行列を算出する共分散行列算出手段と、
前記ユーザ装置に対する所定数の干渉セルのそれぞれについて、共分散行列を算出するする干渉セル共分散行列算出手段と、
前記共分散行列算出手段により算出された全干渉セルの共分散行列と、前記干渉セル共分散行列算出手段により算出された各干渉セルの共分散行列とを用いた所定の演算の結果に基づいて各干渉セルのユーザ割当の有無を推定するユーザ割当情報推定手段とを備えたことを特徴とするユーザ装置が提供される。
前記干渉セル共分散行列算出手段は、干渉セルにおいて使用され得る複数のプリコーディング情報のそれぞれを用いて共分散行列を算出し、前記ユーザ割当情報推定手段は、各干渉セルにおける前記ユーザ割当の有無、及びプリコーディング情報を推定するように構成してもよい。
また、前記ユーザ装置は、干渉セルからの干渉電力の大きさに基づき、干渉電力算出又は共分散行列算出の対象とする干渉セルの数を制限する干渉セル数制限手段を備えてもよい。また、前記ユーザ装置は、基地局から通知される情報に基づき、ユーザ割当有無の推定を行うか否かを判断する推定判断手段を備えてもよい。
本発明によれば、干渉低減処理を行う際に使用する干渉セルのユーザ割当情報をユーザ装置において推定することが可能となる。これにより、例えば、下り制御信号のオーバヘッドを増加させることなく、高精度な干渉信号の抑圧もしくはキャンセルを実現できる。
干渉セルからの干渉の低減を説明するための図である。 干渉抑圧合成(IRC)受信を説明するための図である。 SICを行うユーザ装置の機能構成例を示すブロック図である。 各参照信号のマッピング例を示す図である。 各参照信号の特徴を示す図である。 干渉低減におけるユーザ割当情報の必要性を説明するための図である。 干渉パタンの例を示す図である。 ユーザ割当の有無の具体例を説明するための図である。 干渉パタン数が削減された干渉パタンの例を示す図である。 PMI/RIを考慮した干渉パタンの例を示す図である。 干渉抑圧後の受信品質の算出方法例を示す図である。 干渉抑圧後の受信品質の算出方法例を示す図である。 干渉抑圧後の受信品質の算出方法例を示す図である。 干渉抑圧後の受信品質の算出方法例を示す図である。 干渉抑圧後の受信品質の算出方法例を示す図である。 干渉キャンセル後の受信品質の算出方法例を示す図である。 干渉キャンセル後の受信品質の算出方法例を示す図である。 第1の実施の形態におけるユーザ装置110の機能構成図である。 第1の実施の形態におけるユーザ装置110に関する動作を示すシーケンス図である。 第1の実施の形態におけるユーザ装置120の機能構成図である。 第1の実施の形態におけるユーザ装置120に関する動作を示すシーケンス図である。 干渉電力の大きさに基づき推定を行う例1を示す図である。 干渉電力の大きさに基づき推定を行う例2を示す図である。 干渉電力の大きさに基づき推定を行う例3を示す図である。 干渉電力の大きさに基づき推定を行う例4を示す図である。 干渉セルを限定した際に干渉電力の大きさに基づき推定を行う例1を示す図である。 干渉セルを限定した際に干渉電力の大きさに基づき推定を行う例2を示す図である。 干渉電力の大きさに基づき推定を行う例を示す図である。 図28の推定結果を用いて第1の実施の形態における干渉パタンを削減することを示す図である。 第2の実施の形態におけるユーザ装置210の機能構成図である。 第2の実施の形態におけるユーザ装置210に関する動作を示すシーケンス図である。 第2の実施の形態におけるユーザ装置230の機能構成図である。 第2の実施の形態におけるユーザ装置230に関する動作を示すシーケンス図である。 第2の実施の形態におけるユーザ装置250の機能構成図である。 第2の実施の形態におけるユーザ装置250に関する動作を示すシーケンス図である。 第3の実施の形態におけるユーザ割当情報の推定要否判断/通知の例1を示す図である。 第3の実施の形態におけるユーザ割当情報の推定要否判断/通知の例2を示す図である。 第3の実施の形態におけるユーザ装置310の機能構成図である。 第3の実施の形態におけるユーザ装置310に関する動作を示すシーケンス図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。以下では、干渉抑圧/キャンセルを総称して干渉低減と記述する。
本発明の実施の形態におけるユーザ装置は、携帯電話機やスマートフォン等の移動通信端末を想定しているが、これらに限られるわけではない。また、本実施の形態においてユーザ装置が接続する移動通信網はLTEに準拠したネットワークであるが、本発明を適用できるネットワークはこれに限定されるわけではない。なお、本実施の形態での「LTE」は、3GPPのリリース8、又は9に対応する通信方式のみならず、3GPPのリリース10、11、又は12に対応する通信方式も含む意味で使用する。
以下、干渉低減後の受信品質に基づきユーザ割当情報を推定する実施の形態を第1の実施の形態として説明し、干渉低減前の干渉雑音電力及び干渉セルの干渉電力/共分散行列に基づきユーザ割当情報を推定する実施の形態を第2の実施の形態として説明し、ユーザ割当情報推定を行うかどうかを基地局からユーザ装置に通知する実施の形態を第3の実施の形態として説明する。
(第1の実施の形態)
<実施例1−1:基本的な処理例>
まず、第1の実施の形態においてユーザ装置が行う基本的な処理の内容について実施例1−1として説明する。本実施の形態では、ユーザ装置が干渉信号の全パタンに対する干渉低減後の受信品質(出力SINR)をRB毎に算出し、算出した各パタンにおける受信品質の優劣から干渉信号の有無を推定する。本実施の形態では、干渉低減後の受信品質(出力SINR)を、CRS、又は、CSI−RS、又は、DM−RS、又は、これらのうちいずれか複数の組み合わせを用いたチャネル推定値を利用して算出することができる。干渉低減後の受信品質(出力SINR)の算出方法には種々の方法があるが、一例について後で説明する。
ユーザ装置は、ハンドオーバに用いる隣接セル情報を保持していることから、当該隣接セル情報を利用して干渉セルを把握して、干渉信号のパタンを生成する。また、基地局から下りリンクのRRCにより隣接セル情報をSemi−staticに通知し、当該隣接セル情報を利用して干渉信号のパタンを生成してもよい。そして、ユーザ装置は、全パタンに対する干渉低減後の受信品質(出力SINR)をRB毎に算出し、例えば、最大の(最も良い)受信品質となる干渉パタンから、干渉セル毎の干渉信号の有無、すなわち、ユーザ割当の有無を推定する。
なお、基地局がユーザ装置に対して、どのセルに対して干渉低減するのかを示す干渉セルIDを通知し、ユーザ装置は、通知された干渉セルIDの干渉セルについてパタンを生成し、干渉セル毎の干渉信号の有無を判定してもよい。
より具体的な処理内容を図7、図8を参照して説明する。この例は、ユーザ装置が、隣接セル情報を2セル分(干渉セル#1と干渉セル#2)保持している場合の例である。図7に、ユーザ装置が生成する干渉信号のパタンを示す。図7に示すように、2干渉セルについての干渉有り/無し(=ユーザ割当有り/無し)の組み合わせが1つの干渉パタンであり、全部で4パタンが生成される。
そして、ユーザ装置は、RB毎に図7に示す4パタンを想定して干渉低減後の受信品質を算出する。例えば、パタン2の場合、干渉セル#1に干渉無し、干渉セル#2に干渉有りであると仮定して、干渉低減後(この場合、干渉セル#2の干渉低減後)の受信品質を算出する。ユーザ装置は、4パタンのうちで最大受信品質となるパタンから干渉信号の有無(ユーザ割当の有無)を推定する。
図8に、ユーザ割当の有無の具体例を示す。図8において、網掛け部分はユーザ割当のあるRBを示す。つまり、干渉セルにおける網掛け部分は、接続セルのユーザ装置にとっての干渉となるRBである。
例えば、受信品質の算出の結果、パタン4が最大になった場合、図8に示すRB1のように、干渉セル#1、#2ともに干渉(ユーザ割当)が有ると推定できる。受信品質の算出の結果、パタン2が最大になった場合、図8に示すRB2のように、干渉セル#1には干渉が無く、干渉セル#2に干渉が有ると推定できる。受信品質の算出の結果、パタン3が最大になった場合、図8に示すRB3のように、干渉セル#1に干渉が有り、干渉セル#2に干渉が無いと推定できる。
<実施例1−2:干渉パタン数削減>
上記のように、隣接セル情報に含まれる全ての干渉セルについてのパタンを生成してユーザ割当推定を行ってもよいが、干渉セル数が多い場合には、干渉パタン数が増加し、演算量が増加する。そこで、干渉パタン数を制限して受信品質の算出を行ってもよい。
干渉パタン数を制限するために、例えば、ユーザ装置がハンドオーバ用に保持する隣接セル電力から干渉電力が大きい上位数セルに限定する。上位何個にするかは予め定めておく。このように限定した数の干渉セルについて、前述したように、干渉パタンを生成し、パタン毎の受信品質を算出する。
また、最大セル数を予め規定しておき、その最大セル数分まで、干渉電力が大きい順にセルを限定することとしてもよい。また、干渉電力閾値を予め規定しておき、例えば、干渉電力閾値以上の干渉電力を持つセルに限定してもよい。また、これらを組み合わせることで干渉セルを制限してもよい。
更に、基地局がユーザ装置に対して例えばRRCシグナリングにより干渉セル数を通知し、ユーザ装置は、当該干渉セル数分に絞った干渉セルのパタンを生成してもよい。この場合、任意に絞ってもよいし、干渉電力の大きい順に当該干渉セル数分のセルを選択してもよい。また、例えば、LTEのリリース11に規定されているCoMP用のRRCシグナリングに含まれる送信ポイント数にセル数を限定してもよい。
なお、干渉パタンに含まれない干渉セルに関しては、そのセルからの干渉は大きな影響が無いものと判断する。つまり、ユーザ装置は、当該干渉パタンに含まれない干渉セルに関しては、常にユーザが割り当てられている、もしくは、常にユーザが割り当てられていないこととして干渉低減の処理を実行することとしてよい。なお、干渉パタンに含まれない干渉セルの扱いはこれに限定されるわけではない。
干渉パタン数削減の具体例を図9を参照して説明する。この例は、隣接セル情報に示される実際の干渉セルが2つ(干渉セル#1と干渉セル#2)である場合に、干渉パタン生成のための干渉セルを最大1個の限定した場合の例である。この場合、例えば、干渉セル#1のほうが干渉セル#2よりも干渉電力が大きいため、ユーザ装置は、1個の干渉セルとして干渉セル#1を選択したものとする。
この場合、図9に示すように、干渉セル#1について、干渉有り/無し(=ユーザ割当有り/無し)の全部で2パタンが生成される。
そして、ユーザ装置は、RB毎に図9に示す2パタンを想定して干渉低減後の受信品質を算出し、2パタンのうちで最大受信品質となるパタンから干渉信号の有無(ユーザ割当の有無)を推定する。
図8を用いて、ユーザ割当の有無の具体例を説明する。 例えば、受信品質の算出の結果、パタン1が最大になった場合、図8に示すRB2のように、干渉セル#1に干渉(ユーザ割当)が無いと推定できる。受信品質の算出の結果、パタン2が最大になった場合、図8に示すRB1、RB3のように、干渉セル#1に干渉があると推定できる。なお、干渉セル#2からの干渉は大きな影響無しとして常に割り当てられることを想定する。
<実施例1−3:PMI/RIを考慮した推定>
次に、実施例1−3を説明する。実施例1−3は、実施例1−2とともに実施することも可能である。
ユーザ装置は、プリコーディングされないCRS又はCSI−RSを利用する際に、干渉セルにおけるPMI(Precoding Matrix Indicator、送信ウェイト行列)、RI(Rank Indicator, ランク(送信レイヤ数を示す))を推定して受信品質(出力SINR)を算出するようにしてもよい。つまり、本実施例では、ユーザ装置においてあり得る全PMI/RIのパタンを考慮して受信品質を推定する。
ただし、全てブランドで全PMI/RIのパタンを考慮した場合、パタン数が多くなり、演算量が増大する。そこで、基地局の送信アンテナ数からPMI/RIのパタン数が限定されることに着目して、アンテナ数に基づきパタン数を絞ることとしてもよい。例えば、基地局の送信アンテナ数が4アンテナの場合、ランク1、2、3、4のコードブックサイズはそれぞれ16であり、全体で64パタンになるが、2アンテナの場合には、ランク1でコードブックサイズは4、ランク2でコードブックサイズが3であり、全体で7パタンになる。
本実施例では、例えば、干渉セルの送信アンテナ数を接続基地局から下りリンクのRRCによりユーザ装置にSemi−staticに通知し、ユーザ装置は当該送信アンテナ数に対応するパタンを考慮して受信品質の算出を行う。また、既存のシグナリングにおいて、干渉セルのアンテナ数が含まれているものを利用することも可能である。例えば、リリース11のCoMP用RRCに含まれる干渉セルCSI−RS/CRSポート数(アンテナ数)を利用したり、リリース11のFeICIC用RRCに含まれる干渉セルCRSポート数(アンテナ数)を利用することができる。ユーザ装置は、送信アンテナ数の情報を取得した場合、全送信アンテナ数に対応する全PMIを利用して受信品質を算出する。
具体例を図10を参照して説明する。図10は、ユーザ装置が隣接セル情報を2セル分(干渉セル#1と干渉セル#2)保持し、いずれの干渉セルについても、送信アンテナ数2がユーザ装置に通知されている場合の例である。
この場合、干渉セル#1と干渉セル#2のいずれの場合もPMI数は全部で7つ(RI=1で4つ、RI=2で3つ)になる。従って、図10に示すように、干渉有り(ユーザ割当有り)の場合、どのPMI(プリコーディング情報)が適用されたかで7パタンに分かれる。よって、全体で、7×7+7+1=57パタンとなる。ユーザ装置は57パタンのそれぞれについて受信品質を算出する。例えば、図10における一番上のパタン(干渉セル#1=干渉有りでPMI#1、干渉セル#2=干渉有りでPMI#1)の場合、干渉セル#1の干渉信号の送信ウェイトがPMI#1であり、干渉セル#2の干渉信号の送信ウェイトがPMI#1であることとして干渉低減後の受信品質を算出する。
そして、最大の受信品質のパタンに対応する各干渉セルの干渉有無(ユーザ割当有無)、及び干渉有の場合のPMI/RIを推定結果として得る。なお、ここで得られたPMI/RI情報は、干渉低減処理に用いることができる。このように、PMI/RIを考慮することで、推定精度が向上する。
<干渉低減後の受信品質の算出方法例>
次に、干渉低減後の受信品質(受信SINR)の算出方法の例を説明する。ここで説明する方法は一例に過ぎない。
干渉抑圧後の受信SINRは、図11に示す式により算出することができる。図11に示す式により、第n送信ストリーム,第k サブキャリア,第l OFDMシンボルに対応する干渉抑圧後の受信SINRが算出される。式における主要な箇所の意味は図示したとおりである。
図11の(A)に示す箇所は、所望信号の第n送信ストリーム用(1×NRx)次元受信ウェイトベクトルである。実施例1−1に示した4つのパタン(図7)の各パタンにおける当該受信ウェイトベクトルの演算例を図12に示す。図12に示すように、干渉パタンに応じた受信ウェイトを用いて各SINRを算出することができる。
図13〜図15は、図11における(B)に示す箇所の演算例を示す。図13はCRSを用いて推定を行う場合の例であり、図14はCSI−RSを用いて推定を行う場合の例であり、図15はDM−RSを用いて推定を行う場合の例である。
干渉キャンセル後の受信SINRは、図16に示す式により算出することができる。図16に示す式により、第n送信ストリーム、第k サブキャリア、第l OFDMシンボルに対応する干渉キャンセル後の受信SINRが算出される。式における主要な箇所の意味は図示したとおりである。
図16の(C)に示す箇所は、干渉電力であり、実施例1−1に示した4つのパタン(図7)の各パタンにおける干渉電力の演算例を図17に示す。図17に示すように、干渉パタンに応じた干渉電力を算出する。
<装置構成例1−1>
図18に、本実施の形態に係るユーザ装置110の機能構成図を示す。図18に示す構成は、PMI/RIを考慮しない実施例1−1、実施例1−2に対応する構成である。
図18に示すように、ユーザ装置110は、所望信号チャネル推定部111、干渉信号チャネル推定部112、隣接セル情報蓄積部113、干渉パタン生成部114、受信品質算出部115、干渉セルユーザ割当情報推定部116、信号分離部117、所望信号復調部118、無線I/F119を有する。
所望信号チャネル推定部111は、所望セルに対するチャネル推定を行う。干渉信号チャネル推定部112は、干渉セルに対するチャネル推定を行う。隣接セル情報蓄積部113は、ハンドオーバ用に取得した隣接セル情報を保持する、もしくは、RRCで通知される隣接セル情報を保持する。当該隣接セル情報は、干渉信号チャネル推定と干渉パタン生成に利用される。
干渉パタン生成部114は、干渉パタンをまとめたテーブルを生成する。なお、実施例1−2の場合、干渉パタン生成部114は、干渉パタン数を制限したテーブルを生成する。受信品質算出部115は、RB毎の各干渉パタンの干渉低減後の受信品質を計算する。干渉セルユーザ割当情報推定部116は、前述した実施例1−1等で説明した方法に基づいてRB毎に干渉セルにおけるユーザ割当情報を推定する。
信号分離部117は、全チャネル推定結果及び干渉セルのユーザ割当情報を用いて信号分離を行う。具体的な信号分離方法は、例えば、IRC、SICである。所望信号復調部118は、所望信号(RRCにて通知される制御信号を含む)を復調する。
<装置の動作例1−1>
次に、図19を参照して、図18に示した構成を有するユーザ装置110の動作例を説明する。図19には、ユーザ装置110が受信する信号の送信元を分かり易くするために、接続基地局、干渉基地局(干渉セル#1に対応)、干渉基地局(干渉セル#2に対応)も示されている。他の動作例の図も同様である。
ユーザ装置110は、例えばRRCシグナリングにより接続基地局から隣接セル情報を受信し(ステップ111)、隣接セル情報蓄積部113における隣接セル情報を更新する(ステップ112)。干渉パタン生成部114は、当該隣接セル情報を用いて干渉パタンを生成する(ステップ113)。また、所望信号チャネル推定部111が接続セルのチャネル推定を行うとともに、干渉信号チャネル推定部112が各干渉セルのチャネル推定を行い、受信品質算出部115が、干渉パタンや各チャネル推定値等を用いて各パタンの受信品質を算出する(ステップ114)。また、干渉セルユーザ割当情報推定部116が、受信品質算出部115により算出された各パタンの受信品質に基づき、干渉セルユーザ割当情報を推定し、信号分離部117が当該干渉セルユーザ割当情報等を用いて信号分離を行って(ステップ116)、所望信号復調部118が、所望信号の復調を行う(ステップ117)。
<装置構成例1−2>
図20に、本実施の形態に係るユーザ装置120の機能構成例を示す。図20に示す構成は、PMI/RIを考慮する実施例1−3に対応する構成である。
図20に示すように、ユーザ装置120は、所望信号チャネル推定部121、干渉信号チャネル推定部122、隣接セル情報蓄積部123、干渉パタン生成部124、受信品質算出部125、干渉セルユーザ割当情報及びPMI/RI推定部126、信号分離部127、所望信号復調部128、無線I/F129を有する。
所望信号チャネル推定部121は、所望セルに対するチャネル推定を行う。干渉信号チャネル推定部122は、干渉セルに対するチャネル推定を行う。隣接セル情報蓄積部123は、ハンドオーバ用に取得した隣接セル情報を保持する、もしくは、RRCで通知される隣接セル情報を保持する。当該隣接セル情報は、干渉信号チャネル推定と干渉パタン生成に利用される。
干渉パタン生成部124は、干渉パタンをまとめたテーブルを生成する。本例では、例えば干渉基地局の送信アンテナ数に基づき、あり得るPMI/RIを考慮したパタンのテーブルを生成する(例:図10に示したようなパタン)。受信品質算出部125は、RB毎の各干渉パタンの干渉低減後の受信品質を計算する。干渉セルユーザ割当情報及びPMI/RI推定部126は、前述した実施例1−3で説明した方法に基づいてRB毎に干渉セルにおけるユーザ割当情報及びPMI/RIを推定する。
信号分離部125は、全チャネル推定結果、干渉セルのユーザ割当情報、及び干渉セルのPMI/RI情報を用いて信号分離を行う。具体的な信号分離方法は、例えば、IRC、SICである。所望信号復調部128は、所望信号(RRCにて通知される制御信号を含む)を復調する。
<装置の動作例1−2>
次に、図21を参照して、図20に示した構成を有するユーザ装置120の動作例を説明する。
ユーザ装置120は、例えばRRCシグナリングにより接続基地局から隣接セル情報を受信し(ステップ121)、隣接セル情報蓄積部123における隣接セル情報を更新する(ステップ122)。干渉パタン生成部124は、当該隣接セル情報を用いてPMI/RIも考慮した干渉パタンを生成する(ステップ123)。また、所望信号チャネル推定部121が接続セルのチャネル推定を行うとともに、干渉信号チャネル推定部122が各干渉セルのチャネル推定を行い、受信品質算出部125が、干渉パタンや各チャネル推定値等を用いて各パタンの受信品質を算出する(ステップ124)。また、干渉セルユーザ割当情報及びPMI/RI推定部126が、受信品質算出部により算出された各パタンの受信品質に基づき、干渉セルユーザ割当情報及びPMI/RIを推定し(ステップ125)、信号分離部127が当該干渉セルユーザ割当情報を用いて信号分離を行って(ステップ126)、所望信号復調部128が、所望信号の復調を行う(ステップ127)。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
<実施例2−1:干渉信号に係る電力を測定、比較することでユーザ割当を推定>
まず、第2の実施の形態においてユーザ装置が行う基本的な処理例について説明する。本実施の形態では、まず、ユーザ装置が干渉低減前のRB毎の干渉雑音電力を測定する。つまり、ユーザ装置は、全干渉セルのRB毎の干渉電力+雑音電力を測定する。干渉雑音電力測定にあたっては、例えば、測定した値をRB内で平均化してもよいし、1RE(リソースエレメント)の値を代表値として利用することとしてもよい。
参照信号から干渉雑音電力を推定する技術自体は既存技術であり、例えば、以下の演算により、第n 送信ストリーム、第k サブキャリア、第l OFDMシンボルに対応する干渉抑圧前/キャンセル前の干渉雑音電力σを推定することができる。以下の数式で用いる記号等は、図11〜図17で示したものと同様である。
CRSで推定する場合は以下のとおりである。
Figure 0006111117
CSI−RSで推定する場合は以下のとおりである。
Figure 0006111117
DM−RSで推定する場合は以下のとおりである。
Figure 0006111117
次に、ユーザ装置は、CRS、又は、CSI−RS、又は、DM−RS、又は、これらのうちいずれか複数の組み合わせを用いて、各干渉セルのチャネル推定を行い、当該チャネル推定結果から、各干渉セルのRB毎の干渉電力を推定する。そして、ユーザ装置は、全体の干渉雑音電力と、各干渉セルの干渉電力との間の大きさを比較することにより、これらの大小関係に基づいて干渉セルにおけるユーザ割当情報を推定する。ユーザ割当情報推定の具体例を図22〜図25を参照して説明する。
図22〜図25は、いずれもユーザ装置が隣接セル情報を2セル分(干渉セル#1と干渉セル#2)保持している場合の例である。各例において、基本的に、ユーザ装置は、全体の干渉雑音電力と、干渉セル#1の干渉電力と干渉セル#2の干渉電力を加算した値とを比較するとともに、干渉雑音電力と、干渉セル#1の干渉電力及び干渉セル#2の干渉電力のそれぞれとを比較する。
図22に示す例は、全体の干渉雑音電力のほうが干渉セル#1の干渉電力と干渉セル#2の干渉電力とを加えた値よりも大きい場合である。この場合、干渉セル#1と干渉セル#2の両方にユーザが割り当てられているために、これらを加算した値が全体の干渉雑音電力に含まれていると推定できる。従って、この場合、ユーザ装置は、干渉セル#1と干渉セル#2の両方にユーザが割り当てられていると判断する。
図23は、干渉セル#1の干渉電力と干渉セル#2の干渉電力の合計が全体の干渉雑音電力より大きく、かつ、干渉セル#1の干渉電力と干渉セル#2の干渉電力のいずれも全体の干渉雑音電力よりも小さい場合を示す。この場合、干渉セル#1と干渉セル#2のいずれか1つのみにユーザが割り当てられていると推定できるが、大きいほうの干渉電力を低減したほうが、ユーザ装置において干渉低減効果が高いことから、ユーザ装置は、干渉セル#1と干渉セル#2のうち、干渉電力の大きいほうである干渉セル#1のみにユーザが割り当てられていると判断する。
図24は、干渉セル#1の干渉電力と干渉セル#2の干渉電力の合計が全体の干渉雑音電力より大きく、かつ、干渉セル#1の干渉電力が全体の干渉雑音電力よりも大きく、かつ、干渉セル#2の干渉電力が全体の干渉雑音電力よりも小さい場合を示す。干渉セル#1にユーザが割り当てられているとすると、全体の干渉雑音電力は、干渉セル#1の干渉電力よりは大きくなるはずなので、図24の例では、ユーザ装置は、干渉セル#1にはユーザが割り当てられておらず、干渉セル#2のみにユーザが割り当てられていると判断する。
図25は、干渉セル#1の干渉電力と干渉セル#2の干渉電力のいずれも全体の干渉雑音電力より大きい場合を示す。この場合、ユーザ装置は、干渉セル#1と干渉セル#2のいずれにもユーザが割り当てられていないと判断する。
<実施例2−2:干渉信号に係る共分散行列を推定、演算を行うことでユーザ割当を推定>
実施例2−2では、ユーザ装置は、干渉低減前のRB毎の共分散行列を推定する。すなわち、ユーザ装置は、例えば下記の式1、式2(非特許文献1,2参照)を計算することで、全干渉セルの共分散行列Rを算出する。
Figure 0006111117
Figure 0006111117
上記の各パラメータの意味は以下のとおりである。
Figure 0006111117
式2に示すように、受信信号ベクトルから、参照信号で推定した接続セルのチャネル行列と参照信号ベクトルを乗算した値(ユーザ装置の所望信号)を引くことで、干渉信号+雑音信号のベクトルが得られる。この情報から式1に示す演算を行うことで全干渉セルの共分散行列Rが算出される。
更に、ユーザ装置は、各干渉セルのチャネル推定を行い、当該チャネル推定結果から、各干渉セルのRB毎の共分散行列を推定する。例えば、ユーザ装置は、以下の式を計算することで、各干渉セル#iの共分散行列Rを算出する。下記の式において、Hは干渉セル#iのチャネル行列であり、これは参照信号により求められる。
Figure 0006111117
本実施例2−2では、ユーザ装置は、上記2つの共分散行列の比較に基づいて干渉セルにおけるユーザ割当情報を推定する。上記共分散行列Rは全干渉セルの干渉成分と雑音成分が含まれる。例えば、ユーザ割当のある干渉セルが1つだけ(例:干渉セル#1のみ)の場合、干渉セル#1の共分散行列RとRはほぼ同じ値になる。このような観点から、2つの共分散行列の比較を行い、これらの近さに基づき干渉セルにおけるユーザ割当情報を推定する。
具体的には、本実施例では、行列ノルム最小の組合せを選択することとしている。この例を以下で説明する。ここでは、ユーザ装置が2セル分(干渉セル#1、干渉セル#2)の隣接セル情報を保持しているものとする。
ユーザ装置は、各セルについてのユーザ割当有り/無しに対応した全パタン(図7のパタンと同様)である4パタンの行列ノルムを以下のようにして算出する。
Figure 0006111117
上記の関数f(x,y)におけるx、yは、干渉セル#1、#2のユーザ割当の有無を示したものであり、干渉セル#1にユーザ割当がある場合をx=1とし、干渉セル#1にユーザ割当がない場合をx=0とし、干渉セル#2にユーザ割当がある場合をy=1とし、干渉セル#2にユーザ割当がない場合をy=0とする。また、f(x,y)は、全干渉セルの共分散行列Rから、ユーザ割当有りとした干渉セルの共分散行列Rの和を引いた行列の行列ノルムである。例えば、f(1,1)は、共分散行列Rから、干渉セル#1の共分散行列Rと干渉セル#2の共分散行列Rを引いた行列の行列ノルムである。
上記のように、全干渉セルの共分散行列Rは、実際にユーザが割り当てられている各干渉セルの共分散行列Rの和に最も近い値になるはずであるから、ユーザ装置は、上記全パタンの行列ノルムのうちの最小の行列ノルムに対応するパタンの割り当てを、推定した情報とする。例えば、4パタンのうちのf(0,1)が最小であるとすると、干渉セル#2のみユーザ割当有りと推定する。
<実施例2−3:干渉セル数を制限>
本実施例では、実施例1−2と同様に、演算量低減のために、ユーザ装置が、干渉電力もしくは共分散行列を算出する干渉セル数を制限する。実施例2−3は、第2の実施の形態における他のいずれの実施例と組み合わせて実施してもよい。
干渉パタン数を制限するために、例えば、ユーザ装置がハンドオーバ用に保持する隣接セル電力から干渉電力が大きい上位数セルに限定する。上位何個にするかは予め定めておく。このように限定した数の干渉セルについて、干渉電力もしくは共分散行列を算出する。
また、最大セル数を予め規定しておき、その最大セル数分まで、干渉電力が大きい順にセルを限定することとしてもよい。また、干渉電力閾値を予め規定しておき、例えば、干渉電力閾値以上の干渉電力を持つセルに限定してもよい。また、これらを組み合わせることで干渉セルを制限してもよい。
更に、基地局がユーザ装置に対して例えばRRCシグナリングにより干渉セル数を通知し、ユーザ装置は、当該干渉セル数分に絞った干渉セルのパタンを生成してもよい。この場合、任意に絞ってもよいし、干渉電力の大きい順に当該干渉セル数分のセルを選択してもよい。また、例えば、LTEのリリース11に規定されているCoMP用RRCに含まれる送信ポイント数にセル数を限定してもよい。
なお、干渉パタンに含まれない干渉セルに関しては、そのセルからの干渉は大きな影響無しと判断する。つまり、ユーザ装置は、当該干渉パタンに含まれない干渉セルに関しては、常にユーザが割り当てられている、もしくは、常にユーザが割り当てられていないこととして干渉低減の処理を実行することとしてよい。なお、干渉パタンに含まれない干渉セルの扱いはこれに限定されるわけではない。
干渉パタン数削減の具体例を以下で説明する。これらの例は、隣接セル情報に示される干渉セルが2つ(干渉セル#1と干渉セル#2)である場合に、干渉パタン生成のための干渉セルを最大1個に限定した場合の例である。この場合、例えば、干渉セル#1のほうが干渉セル#2よりも干渉電力が大きいため、ユーザ装置は、1個の干渉セルとして干渉セル#1を選択したものとする。
図26、27は干渉電力を用いてユーザ割当推定を行う例を示す。図26に示すように、干渉雑音電力が干渉セル#1の干渉電力よりも大きければ、ユーザ装置は干渉セル#1にユーザが割り当てられていると判断する。図27に示すように、干渉雑音電力が干渉セル#1の干渉電力よりも小さければ、ユーザ装置は干渉セル#1にはユーザが割り当てられていないと判断する。
また、共分散行列を用いてユーザ割当推定を行う場合には、ユーザ装置は、以下の2パタンの行列ノルムを計算する。つまり、行列ノルムを干渉セル#1のみを考慮して算出する。
Figure 0006111117
そして、前述したとおり、ユーザ装置は最小ノルムとなるパタンからユーザ割当情報を推定する。例えば、f(1)が最小である場合、ユーザ装置は干渉セル#1にユーザ割当有りと判断する。
<実施例2−4:PMI/RIを考慮した推定>
本実施例は、実施例1−3と同様に、ユーザ装置においてあり得る全PMI/RIのパタンを考慮して各干渉セルの共分散行列を算出し、実施例2−2と同様の手法によりユーザ割当を推定するものである。
ただし、全てブランドで全PMI/RIのパタンを考慮した場合、パタン数が多くなり、演算量が増大する。そこで、アンテナ数からPMIのパタン数が限定されることに着目して、アンテナ数に基づきパタン数を絞ることとしてもよい。
例えば、干渉セルの送信アンテナ数を基地局から下りリンクのRRCによりユーザ装置にSemi−staticに通知し、ユーザ装置は当該送信アンテナ数に対応するパタンを考慮して受信品質の算出を行う。また、既存のシグナリングにおいて、干渉セルのアンテナ数が含まれているものを利用することも可能である。例えば、リリース11のCoMP用RRCに含まれる干渉セルCSI−RS/CRSポート数(アンテナ数)を利用したり、リリース11のFeICIC用RRCに含まれる干渉セルCRSポート数(アンテナ数)を利用することができる。ユーザ装置は、送信アンテナ数の情報を取得した場合、全送信アンテナ数に対応する全PMIを利用して各干渉セルの共分散行列を算出する。
なお、PMIを考慮した各干渉セルの共分散行列Rは、当該干渉セルのチャネル行列に対してPMIに対応する送信ウェイト行列を乗算する演算を行うことで得ることができる。
パタンの具体例は、図10で示したものと同様である。つまり、図10に示すように、ユーザ装置が隣接セル情報を2セル分(干渉セル#1と干渉セル#2)保持し、いずれの干渉セルについても、送信アンテナ数2がユーザ装置に通知されている場合において、パタン数は57となり、それぞれにおいて行列ノルムを演算し、最小の行列ノルムに対応するパタンにおけるユーザ割当及びPMI/RIを推定値とする。このように、PMI/RIを考慮することで、推定精度が向上する。
<実施例2−5:第1の実施の形態での干渉パタン数を制限>
実施例2−5は、実施例2−1の処理を利用して、第1の実施の形態(実施例1−1)における干渉パタン数を削減するものである。
本実施例では、ユーザ装置において、まず、干渉低減前のRB毎の干渉雑音電力を推定する。つまり、全干渉セルの干渉電力+雑音電力を測定する。また、ユーザ装置は、各干渉セルのチャネル推定を行い、当該チャネル推定結果から、各干渉セルのRB毎の干渉電力を推定する。ユーザ装置は、上記2つの電力の関係性から第1の実施の形態の干渉パタン数を制限する。
具体例を図28、図29を用いて説明する。ユーザ装置が隣接セル情報を2セル分保持している場合において、干渉雑音電力と、各干渉セルの干渉電力を測定したところ、図28に示す関係が得られたものとする。これは図23の場合と同様の関係であり、干渉セル#1と干渉セル#2のいずれか1つのみにユーザが割り当てられていると推定できる。ただし、例えば、干渉セル#1の干渉電力と干渉セル#2の干渉電力の大きさが近い場合には、干渉セル#1と干渉セル#2のどちらにユーザが割り当てられているとするか判断が難しい。
そこで、本実施例では、干渉セル#1と干渉セル#2のいずれか1つのみにユーザが割り当てられているという推定結果を利用して、第1の実施の形態におけるパタン数を削減する。すなわち、図29に示すように、全部で4つのパタンがある場合において(実施例1−1と同様)、干渉セル#1と干渉セル#2のいずれか1つのみにユーザが割り当てられているという情報に基づき、パタン1とパタン2は可能性がなくなるので、パタン2とパタン3に絞り込むことができる。そして、ユーザ装置は、この2パタンについて第1の実施の形態で説明した処理を行う。すなわち、干渉低減後の受信品質を算出し、最大受信品質に対応するパタンにおける割り当てを推定結果とする。
<装置構成例2−1>
図30に、本実施の形態に係るユーザ装置210の機能構成図を示す。図30に示す構成は、実施例2−1、実施例2−3に対応する構成である。ただし、干渉セル数制限部214は、実施例2−3以外の実施例に適用する場合には、備えなくてもよい。
図30に示すように、ユーザ装置210は、所望信号チャネル推定部211、干渉信号チャネル推定部212、隣接セル情報蓄積部213、干渉セル数制限部214(実施例2−3にのみ必要)、干渉雑音電力算出部215、干渉セル電力算出部216、干渉セルユーザ割当情報推定部217、信号分離部218、所望信号復調部219、無線I/F220を有する。
所望信号チャネル推定部211は、所望セルに対するチャネル推定を行う。干渉信号チャネル推定部212は、干渉セルに対するチャネル推定を行う。隣接セル情報蓄積部213は、ハンドオーバ用に取得した隣接セル情報を保持する、もしくは、RRCで通知される隣接セル情報を保持する。当該隣接セル情報は、干渉信号チャネル推定と干渉セル数制限に利用される。
干渉セル数制限部214は、例えばハンドオーバ用の隣接セル電力から干渉セル数を制限する。干渉雑音電力算出部215は、所望セルのチャネル推定結果と受信信号から全干渉雑音電力を推定する。干渉セル電力算出部216は、各干渉セルの干渉電力を算出する。干渉セルユーザ割当情報推定部217は、前述した実施例2−1で説明した全干渉雑音電力と各干渉セル干渉電力との比較の方法に基づいてRB毎に干渉セルにおけるユーザ割当情報を推定する。
信号分離部218は、全チャネル推定結果及び干渉セルのユーザ割当情報を用いて信号分離を行う。具体的な信号分離方法は、例えば、IRC、SICである。所望信号復調部219は、所望信号(RRCて通知される制御信号を含む)を復調する。
<装置の動作例2−1>
次に、図31を参照して、図30に示した構成を有するユーザ装置210の動作例を説明する。
ユーザ装置は、例えばRRCシグナリングにより接続基地局から隣接セル情報を受信し(ステップ211)、隣接セル情報蓄積部213における隣接セル情報を更新する(ステップ212)。実施例2−3の場合、次に、干渉セル数制限部214が、例えばハンドオーバ用の隣接セル電力から干渉セル数を制限する(ステップ213)。制限された干渉セルの情報は干渉セル電力算出部216に通知される。
また、所望信号チャネル推定部211が接続セルのチャネル推定を行うとともに、干渉信号チャネル推定部212が各干渉セルのチャネル推定を行い、更に、干渉雑音電力算出部215が所望セルのチャネル推定結果と受信信号から全干渉雑音電力を推定し、干渉セル電力算出部216が各干渉セルの干渉電力を算出する(ステップ214)。また、干渉セルユーザ割当情報推定部217が、実施例2−1等で説明した方法に基づいて、干渉セルユーザ割当情報を推定し(ステップ215)、信号分離部218が当該干渉セルユーザ割当情報等を用いて信号分離を行って(ステップ216)、所望信号復調部219が、所望信号の復調を行う(ステップ217)。
<装置構成例2−2>
図32に、本実施の形態に係るユーザ装置230の機能構成例を示す。図32に示す構成は、実施例2−2、実施例2−3、実施例2−4に対応する構成である。ただし、実施例2−4の場合、干渉セルユーザ割当情報推定部237が、干渉セルユーザ割当情報及びPMI/RI推定部238に置き換わる。また、干渉セル数制限部234は、実施例2−3以外の実施例に適用する場合には、備えなくてもよい。
図32に示すように、ユーザ装置230は、所望信号チャネル推定部231、干渉信号チャネル推定部232、隣接セル情報蓄積部233、干渉セル数制限部234(実施例2−3にのみ必要)、共分散行列算出部235、干渉セル共分散行列算出部236、干渉セルユーザ割当情報推定部237(実施例2−4の場合は、干渉セルユーザ割当情報及びPMI/RI推定部238)、信号分離部239、所望信号復調部240、無線I/F241を有する。
所望信号チャネル推定部231は、所望セルに対するチャネル推定を行う。干渉信号チャネル推定部232は、干渉セルに対するチャネル推定を行う。隣接セル情報蓄積部233は、ハンドオーバ用に取得した隣接セル情報を保持する、もしくは、RRCで通知される隣接セル情報を保持する。当該隣接セル情報は、干渉信号チャネル推定と干渉セル数制限に利用される。
干渉セル数制限部234は、例えばハンドオーバ用の隣接セル電力から干渉セル数を制限する。共分散行列算出部235は、所望セルのチャネル推定結果と受信信号から全干渉セル+雑音による共分散行列を推定する。干渉セル共分散行列算出部236は、各干渉セルの共分散行列を算出する。干渉セルユーザ割当情報推定部237は、前述した実施例2−2で説明した方法に基づいてRB毎に干渉セルにおけるユーザ割当情報を推定する。
信号分離部239は、全チャネル推定結果及び干渉セルのユーザ割当情報等を用いて信号分離を行う。具体的な信号分離方法は、例えば、IRC、SICである。所望信号復調部240は、所望信号(RRCにて通知される制御信号を含む)を復調する。
実施例2−4のように、PMI/RIを考慮する場合、干渉セル共分散行列算出部236は、あり得るPMI毎に各干渉セルの共分散行列を算出する。また、干渉セルユーザ割当情報及びPMI/RI推定部238は、実施例2−4で説明したように、PMIを考慮した全パタンの行列ノルムに基づき、干渉セルユーザ割当情報及びPMI/RIを推定する。
<装置の動作例2−2>
次に、図33を参照して、図32に示した構成を有するユーザ装置230の動作例を説明する。
ユーザ装置230は、例えばRRCシグナリングにより接続基地局から隣接セル情報を受信し(ステップ221)、隣接セル情報蓄積部233における隣接セル情報を更新する(ステップ222)。実施例2−3の場合、次に、干渉セル数制限部234が、例えばハンドオーバ用の隣接セル電力から干渉セル数を制限する(ステップ223)。制限された干渉セルの情報は干渉セル電力算出部236に通知される。
また、所望信号チャネル推定部231が接続セルのチャネル推定を行うとともに、干渉信号チャネル推定部232が各干渉セルのチャネル推定を行い、更に、共分散行列算出部235が所望セルのチャネル推定結果と受信信号から全干渉セル+雑音による共分散行列を推定し、干渉セル共分散行列算出部236が各干渉セルの共分散行列を算出する(ステップ224)。
また、干渉セルユーザ割当情報推定部237が、実施例2−2等で説明した方法に基づいて、干渉セルユーザ割当情報を推定し(ステップ225)、信号分離部239が当該干渉セルユーザ割当情報等を用いて信号分離を行って(ステップ226)、所望信号復調部240が、所望信号の復調を行う(ステップ227)。また、図33に示すとおり、実施例2−4の場合は、ステップ225において、干渉セルユーザ割当情報及びPMI/RI推定部238は、干渉セルユーザ割当情報及びPMI/RIを推定する。
<装置構成例2−3>
図34に、本実施の形態に係るユーザ装置250の機能構成例を示す。図34に示す構成は、実施例2−5に対応する構成である。
図34に示すように、ユーザ装置250は、所望信号チャネル推定部251、干渉信号チャネル推定部252、隣接セル情報蓄積部253、干渉セル数制限部254、干渉雑音電力算出部255、干渉セル電力算出部256、干渉パタン生成部257、受信品質算出部258、干渉セルユーザ割当情報推定部259、信号分離部260、所望信号復調部261、無線I/F262を有する。
所望信号チャネル推定部251は、所望セルに対するチャネル推定を行う。干渉信号チャネル推定部252は、干渉セルに対するチャネル推定を行う。隣接セル情報蓄積部253は、ハンドオーバ用に取得した隣接セル情報を保持する、もしくは、RRCで通知される隣接セル情報を保持する。当該隣接セル情報は、干渉信号チャネル推定と干渉セル数制限に利用される。
干渉雑音電力算出部255は、所望セルのチャネル推定結果と受信信号から全干渉雑音電力を推定する。干渉セル電力算出部256は、各干渉セルの干渉電力を算出する。干渉セル数制限部254は、干渉雑音電力算出部255と干渉セル電力算出部256により算出された結果に基づき、実施例2−5で説明した方法で干渉セル数の制限を行う。
干渉パタン生成部257は、干渉セル数制限部254により制限されたパタンについてのまとめたテーブルを生成する。受信品質算出部258は、RB毎の各干渉パタンの干渉低減後の受信品質を計算する。干渉セルユーザ割当情報推定部259は、前述した実施例1−1等で説明した方法に基づいてRB毎に干渉セルにおけるユーザ割当情報を推定する。
信号分離部260は、全チャネル推定結果及び干渉セルのユーザ割当情報を用いて信号分離を行う。具体的な信号分離方法は、例えば、IRC、SICである。所望信号復調部261は、所望信号(RRCにて通知される制御信号を含む)を復調する。
<装置の動作例2−3>
次に、図35を参照して、図34に示した構成を有するユーザ装置250の動作例を説明する。
ユーザ装置250は、例えばRRCシグナリングにより接続基地局から隣接セル情報を受信し(ステップ231)、隣接セル情報蓄積部における隣接セル情報を更新する(ステップ232)。所望信号チャネル推定部251が接続セルのチャネル推定を行うとともに、干渉信号チャネル推定部252が各干渉セルのチャネル推定を行い、更に、干渉雑音電力算出部255が所望セルのチャネル推定結果と受信信号から全干渉雑音電力を推定し、干渉セル電力算出部256が各干渉セルの干渉電力を算出する(ステップ233)。そして、干渉セル数制限部254が、実施例2−5の方法で干渉セル数の制限を行い(ステップ234)、この制限に基づいて干渉パタン生成部257が干渉パタンを生成する(ステップ235)。
更に、受信品質算出部258が、干渉パタンや各チャネル推定値等を用いて各パタンの受信品質を算出し、干渉セルユーザ割当情報推定部259が、受信品質算出部258により算出された各パタンの受信品質に基づき、干渉セルユーザ割当情報を推定し(ステップ236)、信号分離部237が当該干渉セルユーザ割当情報を用いて信号分離を行って(ステップ237)、所望信号復調部261が、所望信号の復調を行う(ステップ238)。
(第3の実施の形態)
本実施の形態は、第1及び第2の実施の形態のいずれにも適用できるものである。本実施の形態では、基地局が、ユーザ装置におけるユーザ割当情報推定の必要性を判断し、ユーザ割当情報をユーザ装置側で推定する/しないをRRC等のシグナリングによりユーザ装置に通知する。ユーザ装置は、基地局側から、ユーザ割当情報の推定が必要であるとのシグナリングを受信した場合にのみユーザ割当情報の推定を行って、干渉低減の処理を行う。このような制御を行うことで、ユーザ装置は不要なユーザ割当情報推定処理を行うことがなくなり、例えばバッテリーセービングの観点で効果がある。
判断及び通知の一例を図36、図37を用いて説明する。図36は、干渉が多いセル構成(例:高密度Small cell構成)を示す。この場合、干渉低減処理が効果的であるので、基地局は、ユーザ割当情報を推定するように例えば1bitの情報でユーザ装置への通知を行う。
図37は、干渉が少ないセル構成(例:マクロセル構成)を示す。この場合、干渉低減処理を行っても、品質改善にあまり寄与しないことから、基地局は、ユーザ割当情報を推定しないように例えば1bitの情報でユーザ装置への通知を行う。
また、接続基地局が、周辺セルのトラフィック状況を監視し、例えば、周辺セルの平均の下りトラフィック量がある閾値以上のトラフィック量であれば干渉低減処理が必要であると判断して、ユーザ装置にユーザ割当情報の推定を行うように通知を行い、閾値以下であれば通知を行わないようにしてもよい。
<装置構成例3>
図38に、本実施の形態に係るユーザ装置310の機能構成図を示す。図38に示す構成は、第1の実施の形態における構成(ユーザ装置110)に推定判断部319が加えられた構成であるが、これは一例であり、推定判断部319は、これまでに説明したどのユーザ装置に加えることとしてもよい。例えば、ユーザ装置110、ユーザ装置120、ユーザ装置210、ユーザ装置230、ユーザ装置250の全てに推定判断部319が加えられてもよい。
図38に示すように、ユーザ装置310は、所望信号チャネル推定部311、干渉信号チャネル推定部312、隣接セル情報蓄積部313、干渉パタン生成部314、受信品質算出部315、干渉セルユーザ割当情報推定部316、信号分離部317、所望信号復調部318、推定判断部319、無線I/F320を有する。
所望信号チャネル推定部311は、所望セルに対するチャネル推定を行う。干渉信号チャネル推定部315は、干渉セルに対するチャネル推定を行う。隣接セル情報蓄積部315は、ハンドオーバ用に取得した隣接セル情報を保持する、もしくは、RRCで通知される隣接セル情報を保持する。当該隣接セル情報は、干渉信号チャネル推定と干渉パタン生成に利用される。
干渉パタン生成部314は、干渉パタンをまとめたテーブルを生成する。受信品質算出部315は、RB毎の各干渉パタンの干渉低減後の受信品質を計算する。干渉セルユーザ割当情報推定部316は、RB毎に干渉セルにおけるユーザ割当情報を推定する。
信号分離部317は、全チャネル推定結果及び干渉セルのユーザ割当情報を用いて信号分離を行う。具体的な信号分離方法は、例えば、IRC、SICである。所望信号復調部318は、所望信号(RRCにて通知される制御信号を含む)を復調する。
推定判断部319は、例えばRRCにて通知される情報ビットをもとに干渉セルユーザ割当情報を推定する/しないを判断する。推定判断部319は、判断結果を干渉セルユーザ割当情報推定部316に通知し、干渉セルユーザ割当情報推定部316は、受信した「推定する/しない」に基づき、推定する/しないを判断する。
<装置の動作例3>
次に、図39を参照して、図38に示した構成を有するユーザ装置310の動作例を説明する。
ユーザ装置310は、例えばRRCシグナリングにより接続基地局から隣接セル情報を受信する(ステップ311)。本例では、更に、接続基地局がユーザ割当情報推定を行うかどうかを判断し、ユーザ割当情報推定を行うかどうかを示す情報をユーザ装置310に通知する(ステップ312)。この情報が、ユーザ割当情報推定を行わない場合は、干渉セルユーザ割当情報推定は行われない。ユーザ割当情報推定を行う場合は、ステップ313〜318において、図19のステップ112〜117で説明した動作と同様の動作が実行される。
以上、本発明の各実施の形態を説明してきたが、開示される発明はそのような実施形態に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。説明の便宜上、ユーザ装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明に従って動作するソフトウェアは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD−ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に保存されてもよい。本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が本発明に包含される。
110 ユーザ装置
111 所望信号チャネル推定部
112 干渉信号チャネル推定部
113 隣接セル情報蓄積部
114 干渉パタン生成部
115 受信品質算出部
116 干渉セルユーザ割当情報推定部
117 信号分離部
118 所望信号復調部
119 無線I/F
120 ユーザ装置
121 所望信号チャネル推定部
122 干渉信号チャネル推定部
123 隣接セル情報蓄積部
124 干渉パタン生成部
125 受信品質算出部
126 干渉セルユーザ割当情報及びPMI/RI推定部
127 信号分離部
128 所望信号復調部
129 無線I/F
210 ユーザ装置
211 所望信号チャネル推定部
212 干渉信号チャネル推定部
213 隣接セル情報蓄積部
214 干渉セル数制限部
215 干渉雑音電力算出部
216 干渉セル電力算出部
217 干渉セルユーザ割当情報推定部
218 信号分離部
219 所望信号復調部
220 無線I/F
230 ユーザ装置
231 所望信号チャネル推定部
232 干渉信号チャネル推定部
233 隣接セル情報蓄積部
234 干渉セル数制限部
235 共分散行列算出部
236 干渉セル共分散行列算出部
237 干渉セルユーザ割当情報推定部
238 干渉セルユーザ割当情報及びPMI/RI推定部
239 信号分離部
240 所望信号復調部
241 無線I/F
250 ユーザ装置
251 所望信号チャネル推定部
252 干渉信号チャネル推定部
253 隣接セル情報蓄積部
254 干渉セル数制限部
255 干渉雑音電力算出部
256 干渉セル電力算出部
257 干渉パタン生成部
258 受信品質算出部
259 干渉セルユーザ割当情報推定部
260 信号分離部
261 所望信号復調部
262 無線I/F
310 ユーザ装置
311 所望信号チャネル推定部
312 干渉信号チャネル推定部
313 隣接セル情報蓄積部
314 干渉パタン生成部
315 受信品質算出部
316 干渉セルユーザ割当情報推定部
317 信号分離部
318 所望信号復調部
319 推定判断部
320 無線I/F

Claims (10)

  1. 複数の基地局を含む無線通信システムにおいて用いられ、干渉セルにおけるユーザ割当に基づいて干渉低減を行う機能を備えるユーザ装置であって、
    前記ユーザ装置に対する所定数の干渉セルにおける干渉信号が有るか無いかの組み合わせである干渉パタンを複数個生成する干渉パタン生成手段と、
    前記干渉パタン生成手段により生成された複数の干渉パタンのそれぞれにおいて、当該干渉パタンにおける干渉低減後の受信品質を算出する受信品質算出手段と、
    前記受信品質算出手段により算出された受信品質のうち、最良の受信品質の基になった干渉パタンに対応する各干渉セルにおける干渉信号の有無を前記ユーザ割当の有無とするユーザ割当情報推定手段と
    を備えたことを特徴とするユーザ装置。
  2. 前記干渉パタン生成手段は、干渉セルからの干渉電力の大きさに基づき、前記干渉パタン生成の対象とする干渉セルの数を制限する
    ことを特徴とする請求項1に記載のユーザ装置。
  3. 前記干渉パタン生成手段は、干渉セルにおいて使用され得るプリコーディング情報のパタンを更に用いて前記干渉パタンを生成し、
    前記ユーザ割当情報推定手段は、各干渉セルにおける前記ユーザ割当の有無、及びプリコーディング情報を推定する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のユーザ装置。
  4. 複数の基地局を含む無線通信システムにおいて用いられ、干渉セルにおけるユーザ割当に基づいて干渉低減を行う機能を備えるユーザ装置であって、
    前記ユーザ装置に対する全干渉雑音電力を算出する干渉雑音電力算出手段と、
    前記ユーザ装置に対する所定数の干渉セルのそれぞれについて、干渉電力を算出する干渉セル電力算出手段と、
    前記干渉雑音電力算出手段により算出された全干渉雑音電力と、前記干渉セル電力算出手段により算出された各干渉セルの干渉電力とを比較し、これらの大小関係に基づいて各干渉セルのユーザ割当の有無を推定するユーザ割当情報推定手段と
    を備えたことを特徴とするユーザ装置。
  5. 複数の基地局を含む無線通信システムにおいて用いられ、干渉基地局におけるユーザ割当に基づいて干渉低減を行う機能を備えるユーザ装置であって、
    前記ユーザ装置に対する全干渉セルの共分散行列を算出する共分散行列算出手段と、
    前記ユーザ装置に対する所定数の干渉セルのそれぞれについて、共分散行列を算出するする干渉セル共分散行列算出手段と、
    前記共分散行列算出手段により算出された全干渉セルの共分散行列と、前記干渉セル共分散行列算出手段により算出された各干渉セルの共分散行列とを用いた所定の演算の結果に基づいて各干渉セルのユーザ割当の有無を推定するユーザ割当情報推定手段と
    を備えたことを特徴とするユーザ装置。
  6. 前記干渉セル共分散行列算出手段は、干渉セルにおいて使用され得る複数のプリコーディング情報のそれぞれを用いて共分散行列を算出し、
    前記ユーザ割当情報推定手段は、各干渉セルにおける前記ユーザ割当の有無、及びプリコーディング情報を推定する
    ことを特徴とする請求項5に記載のユーザ装置。
  7. 干渉セルからの干渉電力の大きさに基づき、干渉電力算出又は共分散行列算出の対象とする干渉セルの数を制限する干渉セル数制限手段
    を備えることを特徴とする請求項4ないし6のうちいずれか1項に記載のユーザ装置。
  8. 基地局から通知される情報に基づき、ユーザ割当有無の推定を行うか否かを判断する推定判断手段を備えることを特徴とする請求項1ないし7のうちいずれか1項に記載のユーザ装置。
  9. 複数の基地局を含む無線通信システムにおいて用いられ、干渉セルにおけるユーザ割当に基づいて干渉低減を行う機能を備えるユーザ装置が実行するユーザ割当情報推定方法であって、
    前記ユーザ装置に対する所定数の干渉セルにおける干渉信号が有るか無いかの組み合わせである干渉パタンを複数個生成する干渉パタン生成ステップと、
    前記干渉パタン生成ステップにより生成された複数の干渉パタンのそれぞれにおいて、当該干渉パタンにおける干渉低減後の受信品質を算出する受信品質算出ステップと、
    前記受信品質算出ステップにより算出された受信品質のうち、最良の受信品質の基になった干渉パタンに対応する各干渉セルにおける干渉信号の有無を前記ユーザ割当の有無とするユーザ割当情報推定ステップと
    を備えたことを特徴とするユーザ割当情報推定方法。
  10. 複数の基地局を含む無線通信システムにおいて用いられ、干渉セルにおけるユーザ割当に基づいて干渉低減を行う機能を備えるユーザ装置が実行するユーザ割当情報推定方法であって、
    前記ユーザ装置に対する全干渉雑音電力を算出し、前記ユーザ装置に対する所定数の干渉セルのそれぞれについて、干渉電力を算出する電力算出ステップと、
    前記全干渉雑音電力と前記各干渉セルの干渉電力とを比較し、これらの大小関係に基づいて各干渉セルのユーザ割当の有無を推定するユーザ割当情報推定ステップと
    を備えたことを特徴とするユーザ割当情報推定方法。
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