JP6109713B2 - テクスチャエッチング液、テクスチャエッチング液用添加剤液、テクスチャ形成基板及びテクスチャ形成基板の製造方法並びに太陽電池 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば単結晶シリコン太陽電池等に用いるために、単結晶シリコン基板の表面{面方位(100)}にテクスチャ(texture)と呼ばれる微細な凹凸部を形成する目的で使用するテクスチャ形成用エッチング液(以下、「テクスチャエッチング液」又は単に「エッチング液」ともいう)に関する。更に詳しくは、前記テクスチャエッチング液組成に関してと、前記テクスチャエッチング液を作製するために使用される添加剤液及び前記テクスチャエッチング液を使用して作製されるテクスチャ形成されたシリコン基板(以下、単に「テクスチャ基板」ともいう)、前記テクスチャ基板の製造方法並びに前記テクスチャ基板を使用して作製される太陽電池に関する。
現在、民生用の太陽電池セルの製造に用いられる方法では、コスト低減を重視して、熱拡散法とスクリーン印刷法を組み合わせた方法が一般的である。その詳細は、例えば次の通りである。
まず、チョクラルスキー(CZ)法で引き上げられた単結晶シリコンインゴットや、キャスト法により作製した多結晶シリコンインゴットをマルチワイヤー法でスライスすることにより得られたp型シリコン基板を用意する。次に、アルカリ溶液で表面のスライスダメージを取り除くと共に、シリコン基板の表面に最大高さ10μm程度の微細なテクスチャを表面に形成し、基板表面に熱拡散法でn型の拡散層を形成する。更に、受光面にはTiO又はSiNを、例えば、70nm程度の膜厚で堆積して反射防止膜を形成する。次に、スクリーン印刷法を用い、アルミニウムを主成分とする材料を受光面の裏面全面にわたり印刷、焼成することにより裏面電極を形成する。一方、受光面電極は、銀を主成分とする材料を、例えば、幅100〜200μm程度の櫛歯状に印刷、焼成することにより形成する。
このような民生用太陽電池セルの製造方法において、単結晶シリコン基板を用いて基板表面に微細なテクスチャを形成する場合、面方位(100)の単結晶シリコン基板を使用し、例えば以下に示す様なテクスチャエッチング液を使用して、テクスチャ形成する方法が提案されている。
具体的に、従来のテクスチャエッチング液としては、水酸化ナトリウム(NaOH)又は水酸化カリウム(KOH)からなるアルカリ性媒体に、エチレングリコールが添加されたエッチング液を使用し、これを60〜80℃に加熱し、この溶液中に5〜20分間シリコンウエハを浸漬してウエットエッチングすることにより、シリコンウエハの表面にピラミッド状凹凸部が形成され、エッチング液が消費された分は必要な媒体の添加により補充するものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、炭酸ナトリウム(NaCO)をベースとして、水酸化ナトリウムや炭酸水素ナトリウム(NaHCO)が添加されたエッチング液を80℃〜100℃に加熱し、これに30分を目安として単結晶シリコンウエハを浸漬してウエットエッチングすることにより、単結晶シリコンウエハの表面に低反射率で結晶シリコン太陽電池に適したピラミッド状凹凸部が形成され、更にエッチング液の交換をせずに連続的に処理を行う場合は、処理する際に蒸発する量の水もしくはエッチング液を補充するものがある。また、その他の従来技術として、60〜95℃に加温した水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムにイソプロピルアルコール(以下、「IPA」ともいう)を添加したエッチング液に、シリコンウエハを10〜30分間浸漬させることにより、ピラミッド状凹凸部(テクスチャ構造)を形成するためのエッチング液も挙げられる(例えば、特許文献2参照)。
他の態様としては、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムをベースとし、これにリグニン、セルロース類、ケトン類、エステル類等の一種又は複数種含有し、かつ炭酸水素ナトリウム(NaHCO)又は炭酸水素カリウム(KHCO)を加えたエッチング液を60〜85℃に加温し、この溶液中に2〜30分間シリコンウエハを浸漬してウエットエッチングすることにより、低反射率で結晶シリコン太陽電池に適したピラミッド状凹凸部が安定的に形成出来るとするエッチング液も挙げられる(例えば、特許文献3参照)。
また更に、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムをベースとし、これにポリビニルアルコール(PVA)と、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)又は炭酸水素カリウム(KHCO)を加えたエッチング液を85℃に加温し、この溶液中に13分間シリコンウエハを浸漬してウエットエッチングすることにより、低反射率で結晶シリコン太陽電池に適したピラミッド状凹凸部が安定的に形成できるとするエッチング液も挙げられる(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、このような従来のテクスチャエッチング液では、それらの明細書に記載された所定の条件下で実際に再現実験を行ったところ、確かに再現は可能であるものの、優れたピラミッド状凹凸部を容易に安定して再現することは難しく、工業的に実用可能でなく、エッチング時間もかかり、生産性も劣るという問題がある。
更に、太陽電池セル製造工程の後工程における電極のパターニング工程等では、微細で均一なピラミッド状凹凸部が形成されることが理想的であるが、従来のテクスチャエッチング液では、均一で微細なピラミッド状凹凸部は得られないという問題がある。その結果、従来のテクスチャエッチング液を使用した場合、太陽電池セルの特性のバラツキが大きく、高効率太陽電池を安定して製造することが難しいという問題がある。
また、IPAやエチレングリコールを添加する場合、これらの化合物自体が危険物である上、廃液にアルカリとアルコールが混在し、廃液処理に設備が必要となり、コストが高くなると共に、廃液処理が確実に行えないと環境に悪影響を与える可能性もある。
更に、IPAを添加した場合には、沸点近くの温度で使用すると、IPAが蒸発してテクスチャエッチング液の組成が安定しないばかりでなく、引火する危険性があるため防爆設備が必要となり、また消費した分だけ随時補充が必要になる等、コストアップになるという問題もある。
他方、アルカリ水溶液にリグニン等と炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウムを加えたIPAを使用しないエッチング液は、均一で微細なピラミッド状凹凸部を更に安定して得るために、0.5〜18重量%と比較的大量の炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウムが必要とされ、依然として材料コストが高いという問題がある。
特開2000−1792号公報 特開2000−183378号公報 特開2005−019605号公報 特開2009−123811号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、単結晶太陽電池セル用途等に適した、均一性に優れた微細なピラミッド状凹凸部をシリコン基板に容易に安定して再現させるテクスチャエッチング液及びテクスチャエッチング液用添加剤液を工業的有利に提供することを目的とする。また、前記テクスチャエッチング液を用いて均一で微細なピラミッド状凹凸部を持つテクスチャ基板を提供することを目的とする。さらに、前記テクスチャ基板を使用した高効率太陽電池セルを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、エッチング液にタンニン類と、スチルベン誘導体とを、それぞれ少なくとも1種類以上含有させることによって、目的を達成することができることを見出し、この知見に基づいてさらに研究を進め、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の発明に関する。
[1]アルカリ成分と、タンニン類と、スチルベン誘導体とを含有することを特徴とするテクスチャエッチング液。
[2]さらに、リグニン類を少なくとも1種類以上含有することを特徴とする前記[1]に記載のテクスチャエッチング液。
[3]さらに、重合度120以下の超低重合度ポリビニルアルコール系樹脂及び/又は変性度が10%以上のカルボキシル基変性ポリビニルアルコール系樹脂を含有することを特徴とする前記[1]又は[2]に記載のテクスチャエッチング液。
[4]前記タンニン類が、縮合型タンニンであることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載のテクスチャエッチング液。
[5]前記スチルベン誘導体が、ヘキサナトリウム−2,2’−{ビニレンビス[(3−スルホナト−4,1−フェニレン)イミノ[6−(ジエチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−4,2−ジイル]イミノ]}ビス(ベンゼン−1,4−ジスルホネート)及び4,4’−ジアミノスチルベン−2,2’−ジスルホン酸の1,3,5−トリアジニル−誘導体からなる群から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載のテクスチャエッチング液。
[6]前記リグニン類が、リグニン及びリグニンスルホン酸ナトリウムからなる群から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする前記[2]〜[5]のいずれか1項に記載のテクスチャエッチング液。
[7]アルカリ成分が、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムであることを特徴とする前記[1]〜[6]のいずれか1項に記載のテクスチャエッチング液。
[8]水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの濃度が、0.5〜12重量%であることを特徴とする前記[7]記載のテクスチャエッチング液。
[9]タンニン類の濃度が1.0重量%以下であり、スチルベン誘導体の濃度が1.0重量%以下であることを特徴とする前記[1]〜[8]のいずれか1項に記載のテクスチャエッチング液。
[10]リグニンの濃度が、1.0重量%以下であることを特徴とする前記[2]〜[9]のいずれか1項に記載のテクスチャエッチング液。
[11]ポリビニルアルコール系樹脂の濃度が、1.0重量%以下であることを特徴とする前記[3]〜[10]のいずれか1項に記載のテクスチャエッチング液。
[12]タンニン類とスチルベン誘導体とを含有し、タンニン類の濃度が30重量%以下であり、スチルベン誘導体の濃度が30重量%以下であることを特徴とする前記[1]〜[11]のいずれか1項に記載のテクスチャエッチング液の製造に使用されるテクスチャエッチング液用添加剤液。
[13]さらに、リグニン類を含有し、前記リグニン類の濃度が、30重量%以下であることを特徴とする前記[2]〜[11]のいずれか1項に記載のテクスチャエッチング液の製造に使用されるテクスチャエッチング液用添加剤液。
[14]さらに、重合度120以下の超低重合度ポリビニルアルコール系樹脂及び/又は変性度が10%以上のカルボキシル基変性ポリビニルアルコール系樹脂を含有し、前記ポリビニルアルコール系樹脂の濃度が、30重量%以下であることを特徴とする前記[3]〜[13]のいずれか1項に記載のテクスチャエッチング液の製造に使用されるテクスチャエッチング液用添加剤液。
[15]前記[1]〜[11]のいずれか1項に記載のテクスチャエッチング液又は前記[12]〜[14]のいずれか1項に記載のエッチング液用添加剤液を添加して製造されたテクスチャエッチング液を使用し、基板面の少なくとも片側表面にテクスチャが形成されたシリコン基板。
[16]前記[1]〜[11]のいずれか1項に記載のテクスチャエッチング液又は前記[12]〜[14]に記載のエッチング液用添加剤液を添加して製造されたエッチング液を、シリコン基板と60〜95℃の範囲内で反応させる工程を有することを特徴とする、前記[16]に記載されたシリコン基板の製造方法。
[17]前記[15]に記載のシリコン基板を含有し、少なくとも受光面側にテクスチャ形成面が向けられて成ることを特徴とする太陽電池。
本発明によれば、単結晶太陽電池セル用途等に適した、均一性に優れた微細なピラミッド状凹凸部をシリコン基板に容易に安定して再現させるテクスチャエッチング液及びテクスチャエッチング液用添加剤液を工業的有利に提供することができる。また、前記テクスチャエッチング液を用いて均一で微細なピラミッド状凹凸部を持つテクスチャ基板を提供することができる。さらに、前記テクスチャ基板を使用することで結果として高効率太陽電池セルを安定して提供することができる。
図1は、実施例1のテクスチャエッチング液で処理した基板のレーザー顕微鏡写真を示す。 図2は、実施例2のテクスチャエッチング液で処理した基板のレーザー顕微鏡写真を示す。 図3は、実施例3のテクスチャエッチング液で処理した基板のレーザー顕微鏡写真を示す。 図4は、実施例4のテクスチャエッチング液で処理した基板のレーザー顕微鏡写真を示す。 図5は、実施例5のテクスチャエッチング液で処理した基板のレーザー顕微鏡写真を示す。 図6は、実施例6のテクスチャエッチング液で処理した基板のレーザー顕微鏡写真を示す。 図7は、実施例7のテクスチャエッチング液で処理した基板のレーザー顕微鏡写真を示す。 図8は、実施例8のテクスチャエッチング液で処理した基板のレーザー顕微鏡写真を示す。 図9は、実施例9のテクスチャエッチング液で処理した基板のレーザー顕微鏡写真を示す。 図10は、実施例10のテクスチャエッチング液で処理した基板のレーザー顕微鏡写真を示す。 図11は、実施例11のテクスチャエッチング液で処理した基板のレーザー顕微鏡写真を示す。 図12は、実施例12のテクスチャエッチング液で処理した基板のレーザー顕微鏡写真を示す。 図13は、比較例1のテクスチャエッチング液で処理した基板のレーザー顕微鏡写真を示す。 図14は、比較例2のテクスチャエッチング液で処理した基板のレーザー顕微鏡写真を示す。 図15は、比較例3のテクスチャエッチング液で処理した基板のレーザー顕微鏡写真を示す。 図16は、比較例4のテクスチャエッチング液で処理した基板のレーザー顕微鏡写真を示す。
本発明のテクスチャエッチング液は、アルカリ成分と、タンニン類と、スチルベン誘導体とを含有することを特徴とする。また、本発明のテクスチャエッチング液において、前記タンニン類とスチルベン誘導体は、少なくともそれぞれ1種類以上含有されていれば、特に限定されない。本発明のテクスチャエッチング液は、少なくともアルカリ成分とタンニン類とスチルベン誘導体を含有していればよく、本発明の効果を妨げない限り、上記成分以外のテクスチャエッチング液に用いる任意の成分(例えば、後述するリグニン類、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、「PVA系樹脂」ともいう)等)を加えていてもよい。
本発明では、タンニン類、スチルベン誘導体、リグニン類、PVA系樹脂(以下、これらを総称して「添加剤成分」ともいう)のそれぞれを単独で添加剤として用いた場合に比べて、より適度にエッチング抑制効果とテクスチャ形成効果をコントロールすることができ、隙間なくテクスチャを形成できる。そのため、得られるシリコン基板についても、より低い反射率を得ることができる。
また、本発明の添加剤成分は、非常に少量で、効果的にテクスチャ形成が可能であることから、低コストでテクスチャエッチング液およびテクスチャエッチング液用添加剤液を提供することが可能であり、その結果、テクスチャ基板並びに太陽電池セルの製造コストを抑えることが可能である。
タンニン類について説明する。タンニン類は加水分解型と縮合型の二つに分類される。加水分解型タンニンとしては、特に限定されないが、タンニン酸が挙げられ、タンニン酸は、安息香酸類の一種である没食子酸と、単糖が結合してできている。以下にタンニン酸の構造を示す。
縮合型タンニンは、フラボノイドに由来する高分子物質であり、フラボノイドを構成する単位が重合することによってできている。フラボノイドの一種であるカテキンの構造を以下に示す。
また、縮合型タンニンの一種であるミモザ(ないしワットル)タンニンの構造を以下に示す。
タンニン類の特徴としては、口に入れると強い渋味を感じさせる。これはタンニン類が、舌や口腔粘膜のタンパク質と結合して変性させることによると言われており、このようなタンニン類による粘膜の変性作用のことを「収れん作用」と呼ぶ。
このように、タンニン類は前記特性と特定の構造を持つ化合物を意味し、他のフェノール類物質とは明らかに異なる。
本発明におけるタンニン類は特に制限はないが、縮合型タンニンを用いるのが、比較的少量の添加で面内均一で微細な構造のテクスチャを形成することができると言う点から特に好ましい。また、前記縮合型タンニンは亜硫酸処理することにより不溶解分を水溶性に改質したものを用いても良い。
縮合型タンニンとしては、ミモザ(ないしワットル)タンニン、ケブラチョタンニン等が例示される。また、本発明における縮合型タンニンとしては、(−)−エピカテキン、(−)−エピカテキンガレート、(−)−エピガロカテキン及び(−)−エピガロカテキンガレートからなる群から選ばれる1種以上のカテキン類化合物が重合されてなる縮合型タンニンであってもよい。これらのタンニン類は、1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。
次に、スチルベン誘導体について説明する。以下にスチルベン誘導体の基本骨格である、トランス型スチルベンの構造を示す。
前記スチルベン誘導体としては、前記トランス型スチルベン骨格を含むものの他に、以下に示すシス型スチルベン骨格を含むものが存在する。
本発明のスチルベン誘導体とは、前記トランス型スチルベン又はシス型スチルベンを基本骨格として含有する化合物群のことを意味する。
本発明におけるスチルベン誘導体は、前記トランス型スチルベン又はシス型スチルベンを基本骨格として含有すれば、特に制限はないが、ヘキサナトリウム−2,2’−{ビニレンビス[(3−スルホナト−4,1−フェニレン)イミノ[6−(ジエチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−4,2−ジイル]イミノ]}ビス(ベンゼン−1,4−ジスルホネート)や、4,4’−ジアミノスチルベン−2,2′−ジスルホン酸の1,3,5−トリアジニル−誘導体等が、比較的少量の添加で均一なテクスチャを形成することができると言う点から特に好ましい。これらのスチルベン誘導体は、1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。
以下にスチルベン誘導体の一種である、ヘキサナトリウム−2,2’−{ビニレンビス[(3−スルホナト−4,1−フェニレン)イミノ[6−(ジエチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−4,2−ジイル]イミノ]}ビス(ベンゼン−1,4−ジスルホネート)の構造を示す。
本発明の他の態様としては、他の添加剤成分として、さらに、リグニン類及び/又はPVA系樹脂を、少なくとも1種類以上含有するテクスチャエッチング液が挙げられる。
本発明におけるリグニン類は、特に制限はないが、製紙業界において木材から紙パルプを製造する際にアルカリ等により抽出されるリグニン及び/又は、コンクリート用の減水剤として利用されるリグニンスルホン酸ナトリウム等を利用することがコストの面からは好ましい。その他、硫酸中フェノール溶液での加水分解による方法や、高温高圧水を用いた方法等で得られたリグニン類を用いても良い。以下にリグニンの構造例を示す。
本発明において併用するPVA系樹脂は、アルカリ水溶液からのシリコンのエッチング抑制効果を適度に持ち、添加量によりエッチング程度をコントロールすることが可能で、かつ他の添加剤成分のテクスチャ形成効果を過度に妨げることがないという点から、超低重合度PVA系樹脂及び/又はカルボキシル基変性PVA系樹脂が好ましい。前記超低重合度PVA系樹脂の重合度は、120以下が好ましく、20〜40がより好ましい。前記重合度は、JIS K 6726(1994)に記載の方法に従って測定される。また、ルボキシル基変性PVA系樹脂の変性度は、10%以上が好ましく、10〜30%がより好ましい。前記PVA系樹脂の製法としては、公知の技術を利用することができる。前記超低重合度PVA系樹脂の製法としては、例えば、イソプロピルアルコール等連鎖移動定数の大きい重合溶媒を用いる公知の方法(例えば、特開昭51−87594号公報に記載の方法)等を利用することができる。前記カルボキシル基変性PVA系樹脂の製法としては、例えば、カルボキシル基含有ビニルモノマーとビニルエステル系モノマーを、重合触媒を用いて共重合させた後、公知の方法によってケン化して得ることができる。
また、前記PVA系樹脂であれば、その他の部分の構造について制限はなく、その一部が、スルホン酸変性PVA系樹脂でも、カルボニル基変性PVA系樹脂でも、エチレンオキサイド変性PVA系樹脂でも、側鎖に1,2−ジオール構造単位を有するPVA系樹脂でもよい。
また、前記PVA系樹脂は、アルカリ水溶液に添加して使用するため、ケン化度については特に制限はない。本発明に使用されるPVA系樹脂は、例えば、テクスチャエッチング液の製造において、ポリ酢酸ビニル系樹脂を添加してもよい。
前記記載の添加剤成分と共に、例えばIPA、エチレングリコール等、公知技術のテクスチャエッチング液の成分の一部を併用してもよい。また、単純フェノール化合物(例えば、バニリン等)等の単独で少量の添加では十分なテクスチャ形成効果を発現しないような添加成分を併用してもよい。
本発明のエッチング液は、ベースとなるアルカリ成分を含有する。前記アルカリ成分としては、特に限定されないが、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムが試薬コストの面からは好ましい。さらに、本発明の効果を妨げない限り、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)等、他のアルカリ成分を使用してもよい。
テクスチャエッチング液の連続使用における寿命や、試薬コストを考慮し、本発明のテクスチャエッチング液において、アルカリ成分(好適には、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの濃度)は0.5〜12重量%が好ましい。また、上記の点を考慮し、本発明のエッチング液において、タンニン類の濃度は、特に限定されないが、1.0重量%以下が好ましく、0.0000001〜0.5重量%がより好ましい。また、上記の点を考慮し、本発明のエッチング液において、スチルベン誘導体の濃度は、特に限定されないが、1.0重量%以下が好ましく、0.0000001〜0.5重量%がより好ましい。
リグニン類を併用する場合は、テクスチャエッチング液におけるリグニン類の濃度は、特に限定されないが、1.0重量%以下が好ましく、0.0000001〜0.5重量%がより好ましく、0.0000001〜0.05重量%がさらに好ましい。
PVA系樹脂を併用する場合、テクスチャエッチング液におけるPVA系樹脂の濃度は、特に限定されないが、1.0重量%以下が好ましく、0.0000001〜0.5重量%がより好ましく、0.0000001〜0.05重量%がさらに好ましい。
前記添加剤成分の濃度が低過ぎると、テクスチャ形成されなくなることはいうまでもないが、添加剤成分の濃度が高くなり過ぎてもエッチング抑制効果が高くなり過ぎ、生産性良く低反射率の太陽電池用途に最適なテクスチャが形成できなくなる等の問題が生じる。
本発明の他の態様として、上記エッチング液製造用の添加剤液が挙げられる。前記テクスチャエッチング液を簡単に製造するため、予め前記タンニン類とスチルベン誘導体とを溶媒(例えば純水等)に高濃度に溶解させたテクスチャエッチング液用添加剤液を作製し、これを使用することができる。
前記テクスチャエッチング液用添加剤液におけるタンニン類の濃度は、30重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましい。また、前記テクスチャエッチング液用添加剤液におけるスチルベン誘導体の濃度は、30重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましい。
リグニン類を併用する場合、前記テクスチャエッチング液用添加剤液におけるリグニン類の濃度は、30重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましい。
PVA系樹脂を併用する場合、前記テクスチャエッチング液用添加剤液におけるPVA系樹脂の濃度は、30重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましい。
これら添加剤成分の濃度が高くなり過ぎると、添加剤成分が溶解しきれず沈殿を起こす場合があり、濃度不均一による問題が生じる。
前記テクスチャエッチング液を使用し、シリコン基板の表面とテクスチャエッチング液を反応させることで、シリコン基板の少なくとも片側表面に、面内均一な微細構造のテクスチャが形成されたシリコン基板を得ることができる。
本発明の他の態様として、前記エッチング液又は前記添加剤液を添加して製造されたエッチング液を、60〜95℃の範囲内でシリコン基板と反応させる工程を有するシリコン基板の製造方法が挙げられる。前記反応工程によって、基板面の少なくとも片側表面に面内均一な微細構造のテクスチャが形成されたシリコン基板が得られる。
前記製造方法において使用するシリコン基板は、特に制限はないが、単結晶シリコンで基板表面の面方位が(100)のものを使用することが好ましい。また、前記製造方法に使用するシリコン基板は単結晶シリコンインゴットから切り出されたスライス後の基板を用いることができるが、スライスによるダメージ層を予め酸又はアルカリ性のエッチング液で除去した基板等を用いてもよい。
前記反応工程において、前記エッチング液とシリコン基板との反応温度は、特に限定されないが、基板面の少なくとも片側表面に微細構造のテクスチャが形成できるため、通常60〜95℃であり、65〜90℃が好ましい。また、反応時間は、特に限定されないが、1〜50分が好ましく、1〜20分がより好ましく、1〜15分がさらに好ましい。反応条件としては、60〜95℃で1〜50分反応させるのがさらに好ましい。
前記反応工程は、前記条件でテクスチャエッチング液中にシリコン基板を浸漬させる方法で行うのが、簡便な装置を使用してテクスチャを形成できる点から好ましい。また、前記反応前にスライス時の砥粒や切削油等を洗浄により除去することが面内均一なテクスチャを形成できる点から好ましい。
さらに、反応工程では、温度と時間の制御の他に、テクスチャ液を基板表面に満遍なく反応させる為、前記シリコン基板を入れたキャリアを揺動させたり、テクスチャエッチング液を撹拌させたり、オーバーフローで循環させたり、バブリングさせる等することが均一なテクスチャを形成できる点から好ましい。また、その他の方法として、シリコン基板の片面のみを前記テクスチャエッチング液と反応させる装置を用いて、基板の片面にのみテクスチャ形成を行ってもよい。
前記テクスチャ形成されたシリコン基板を用いた太陽電池の製法としては、一般的な結晶系太陽電池の製法を使用することができ、少なくとも受光面側に本発明による前記テクスチャ形成面が向けられていることが、高効率太陽電池を安定して得るために好ましい。
本発明のシリコン基板の波長400〜1100nmの平均反射率は、18.0%以下が好ましく、15.0%以下がより好ましい。平均反射率の測定方法は、後記する実施例に記載のとおりである。また、本発明のシリコン基板のテクスチャサイズは、1〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。前記テクスチャサイズの測定方法は、後記する実施例に記載のとおりである。また、シリコン基板に形成されたテクスチャは、前記テクスチャサイズの範囲内にあり微細というだけでなく、サイズが均一であり、ばらつきが少ないことが好ましい。本発明のシリコン基板としては、前記エッチング液を使用して製造され、平均反射率が15.0%以下であり、テクスチャサイズが1〜10μmであるものがより好ましい。
本発明は、本発明の効果を奏する限り、本発明の技術的範囲内において、上記の構成を種々組み合わせた態様を含む。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
[実施例1]
水酸化ナトリウム25重量%水溶液と、添加剤としてミモザ(ないしワットル)タンニンの1重量%の添加剤液と、スチルベン誘導体の一種であるヘキサナトリウム−2,2’−{ビニレンビス[(3−スルホナト−4,1−フェニレン)イミノ[6−(ジエチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−4,2−ジイル]イミノ]}ビス(ベンゼン−1,4−ジスルホネート)(以下、「スチルベン誘導体化合物A」と称する)の1重量%の添加剤液と、水とを混合して、各成分の濃度が下記表1記載の値となるようにテクスチャエッチング液を製造した。
[実施例2]
水酸化ナトリウム25重量%水溶液と、添加剤としてミモザ(ないしワットル)タンニンの1重量%の添加剤液と、スチルベン誘導体の一種である4,4’−ジアミノスチルベン−2,2’−ジスルホン酸の1,3,5−トリアジニル−誘導体(以下、「スチルベン誘導体化合物B」と称する)の1重量%の添加剤液と、水とを混合して、各成分の濃度が下記表1記載の値となるようにテクスチャエッチング液を製造した。
[実施例3]
水酸化ナトリウム25重量%水溶液と、添加剤としてケブラチョタンニンの1重量%の添加剤液と、スチルベン誘導体化合物Aの1重量%の添加剤液と、水とを混合して、各成分の濃度が下記表1記載の値となるようにテクスチャエッチング液を製造した。
[実施例4]
水酸化ナトリウム25重量%水溶液と、添加剤としてケブラチョタンニンの1重量%の添加剤液と、スチルベン誘導体化合物Bの1重量%の添加剤液と、水とを混合して、各成分の濃度が下記表1記載の値となるようにテクスチャエッチング液を製造した。
[実施例5]
水酸化ナトリウム25重量%水溶液と、添加剤としてミモザ(ないしワットル)タンニンの1重量%の添加剤液と、スチルベン誘導体化合物Aの1重量%の添加剤液と、リグニンスルホン酸ナトリウムの1重量%の添加剤液と、水とを混合して、各成分の濃度が下記表1記載の値となるようにテクスチャエッチング液を製造した。
[実施例6]
水酸化ナトリウム25重量%水溶液と、添加剤としてミモザ(ないしワットル)タンニンの1重量%の添加剤液と、スチルベン誘導体化合物Bの1重量%の添加剤液と、リグニンの1重量%の添加剤液と、水とを混合して、各成分の濃度が下記表1記載の値となるようにテクスチャエッチング液を製造した。
[実施例7]
水酸化ナトリウム25重量%水溶液と、添加剤としてケブラチョタンニンの1重量%の添加剤液と、スチルベン誘導体化合物Aの1重量%の添加剤液と、リグニンの1重量%の添加剤液と、水とを混合して、各成分の濃度が下記表1記載の値となるようにテクスチャエッチング液を製造した。
[実施例8]
水酸化ナトリウム25重量%水溶液と、添加剤としてケブラチョタンニンの1重量%の添加剤液と、スチルベン誘導体化合物Bの1重量%の添加剤液と、リグニンスルホン酸ナトリウムの1重量%の添加剤液と、水とを混合して、各成分の濃度が下記表1記載の値となるようにテクスチャエッチング液を製造した。
[実施例9]
水酸化ナトリウム25重量%水溶液と、添加剤としてミモザ(ないしワットル)タンニンの1重量%の添加剤液と、スチルベン誘導体化合物Bの1重量%の添加剤液と、カルボキシル基変性PVA(変性度20%)の0.1重量%の添加剤液と、水とを混合して、各成分の濃度が下記表1記載の値となるようにテクスチャエッチング液を製造した。
[実施例10]
水酸化ナトリウム25重量%水溶液と、添加剤としてケブラチョタンニンの1重量%の添加剤液と、スチルベン誘導体化合物Aの1重量%の添加剤液と、超低重合度PVA(重合度30)の0.1重量%の添加剤液と、水とを混合して、各成分の濃度が下記表1記載の値となるようにテクスチャエッチング液を製造した。
[実施例11]
水酸化ナトリウム25重量%水溶液と、添加剤としてミモザ(ないしワットル)タンニンの1重量%の添加剤液と、スチルベン誘導体化合物Aの1重量%の添加剤液と、リグニンの1重量%の添加剤液と、超低重合度PVA(重合度30)の0.1重量%の添加剤液と、水とを混合して、各成分の濃度が下記表1記載の値となるようにテクスチャエッチング液を製造した。
[実施例12]
水酸化ナトリウム25重量%水溶液と、添加剤としてケブラチョタンニンの1重量%の添加剤液と、スチルベン誘導体化合物Bの1重量%の添加剤液と、リグニンスルホン酸ナトリウムの1重量%の添加剤液と、カルボキシル基変性PVA(変性度20%)の0.1重量%の添加剤液と、水とを混合して、各成分の濃度が下記表1記載の値となるようにテクスチャエッチング液を製造した。
[比較例1]
水酸化ナトリウム25重量%水溶液と、添加剤として下記式で示されるバニリンの1重量%の添加剤液と、水とを混合して、各成分の濃度が下記表1記載の値となるようにテクスチャエッチング液を製造した。
[比較例2]
水酸化ナトリウム25重量%水溶液と、添加剤としてリグニンの1重量%の添加剤液と、水とを混合して、各成分の濃度が下記表1記載の値となるようにテクスチャエッチング液を製造した。
[比較例3]
水酸化ナトリウム25重量%水溶液と、添加剤として通常のPVA樹脂(重合度500)0.1重量%の添加剤液と、水とを混合して、各成分の濃度が下記表1記載の値となるようにエッチング液を製造した。
[比較例4]
水酸化ナトリウム25重量%水溶液と、添加剤としてIPA(97重量%)と、水とを混合して、各成分の濃度が下記表1記載の値となるようにテクスチャエッチング液を製造した。
下記表1に示す各実施例及び比較例のエッチング液を用いて得られたシリコン基板について、それぞれの反射率を、分光反射率測定機(商品名:MPC-3100/UV-3150、島津製作所製)を用いて、反射率測定モードで300〜1200nmの波長の反射率を測定した。下記表1の平均反射率は、波長400〜1100nmの平均反射率である。テクスチャサイズは、レーザー顕微鏡(商品名:VK X-200、(株)キーエンス製)を用いて、408nmの紫色レーザーにて、簡易モードで形状測定を行い、得られた画像にスケールを追加表示して、測定した。
表中、本実施例および比較例において使用したPVA系樹脂の重合度は、特に指定がない限り500である。
得られた各シリコン基板のレーザー顕微鏡写真を、図1〜図16に示す。図1〜図4から、タンニン類とスチルベン誘導体とをエッチング液に含有させることによって、1〜5μm程度の微細なテクスチャが形成されていることが分かる。図5〜図8から、タンニン類とスチルベン誘導体とリグニン類とをエッチング液に含有させることによって、1〜5μm程度の微細なテクスチャが形成されていることが分かる。図9〜図10から、タンニン類とスチルベン誘導体とカルボキシル基変性PVA又は超低重合度PVAをエッチング液に含有させることによって、1〜5μm程度の微細なテクスチャが形成されていることが分かる。図11〜図12から、タンニン類とスチルベン誘導体とリグニン類とカルボキシル基変性PVA又は超低重合度PVAをエッチング液に含有させることによって、1〜5μm程度の微細なテクスチャが形成されていることが分かる。
図13に示されるように、バニリンのみを添加してもテクスチャは形成されず、シリコン基板は平均反射率の高い光沢面となった。
図14に示されるように、リグニンのみの添加により、1μm以下の微細なテクスチャが形成されていたが、平均反射率は高かった。
図15に示されるように、通常のPVA樹脂(重合度500)のみの添加では、ピラミッド形状のテクスチャが形成されず、平均反射率は高かった。
図16に示されるように、IPAの添加により、1〜15μmのテクスチャは形成されるが、大小様々なテクスチャが形成されており、均一ではなかった。また、平均反射率は比較的高めであった。
上記結果から、本発明のタンニン類とスチルベン誘導体とを少なくとも1種類以上含むテクスチャエッチング液を使用することで、効果的にテクスチャを形成できることが確認できた。
[実施例13]
チョクラルスキー(CZ)法で引き上げたボロンドープ(p型)の単結晶シリコンインゴットをワイヤーソーでスライスし、面方位(100)の単結晶シリコン基板(基板サイズ:156.5mm角,比抵抗1〜3Ω・cm)を作製した。
次に、前記実施例8のエッチング液及びエッチング条件でテクスチャ形成基板を作製した。
次に、このテクスチャ基板を用い、以下の方法で単結晶太陽電池セルを作製した。
まず、基板表面に熱拡散法でPOClガスを用いてn型の拡散層を形成した。次に、受光面にはPE−CVD法により、80nm程度の膜厚でSiN膜を堆積し、反射防止膜を形成した。次に、スクリーン印刷法を用い、アルミニウムを主成分とする電極材料を受光面の裏面全面にわたり印刷、焼成することにより裏面電極を形成した。最後に、受光面側に銀を主成分とする電極材料を、幅約100μmの櫛歯状に印刷、焼成することにより形成し、太陽電池セルを作製した。
[実施例14]
前記実施例12のエッチング液及びエッチング条件でテクスチャ形成基板を作製し、その以外は前記実施例13と同じ方法で太陽電池セルを作製した。
[比較例5]
前記比較例4のエッチング液及びエッチング条件でテクスチャ形成基板を作製し、その以外は前記実施例13と同じ方法で太陽電池セルを作製した。
前記実施例13、実施例14及び比較例5で得られた太陽電池セルを、25℃の雰囲気の中、ソーラーシミュレータ(光強度:1kW/m2、スペクトル:AM1.5グローバル、商品名:セルテスター、(株)エヌピーシー製)の下で電流電圧特性を測定した。表2に前記実施例と比較例で得られた太陽電池セル各20枚の、諸特性平均値と標準偏差値を示す。
上記結果から、比較例に比べ、本発明による太陽電池セルは、光電変換効率が高く、かつセル特性のバラツキを低減できることが確認できた。
確認できた。
本発明のエッチング液は、シリコン基板及び太陽電池の製造に有用である。特に、該エッチング液は、シリコン基板面の少なくとも片側表面に均一性に優れた微細なピラミッド状凹凸部を容易に安定して形成する際に有用である。

Claims (17)

  1. アルカリ成分と、タンニン類と、スチルベン誘導体とを含有することを特徴とするシリコン基板用のテクスチャエッチング液。
  2. さらに、リグニン類を少なくとも1種類以上含有することを特徴とする請求項1に記載のテクスチャエッチング液。
  3. さらに、重合度120以下の超低重合度ポリビニルアルコール系樹脂及び/又は変性度が10%以上のカルボキシル基変性ポリビニルアルコール系樹脂を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のテクスチャエッチング液。
  4. 前記タンニン類が、縮合型タンニンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のテクスチャエッチング液。
  5. 前記スチルベン誘導体が、ヘキサナトリウム−2,2’−{ビニレンビス[(3−スルホナト−4,1−フェニレン)イミノ[6−(ジエチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−4,2−ジイル]イミノ]}ビス(ベンゼン−1,4−ジスルホネート)及び4,4’−ジアミノスチルベン−2,2’−ジスルホン酸の1,3,5−トリアジニル−誘導体からなる群から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のテクスチャエッチング液。
  6. さらに、リグニン類を少なくとも1種類以上含有し、前記リグニン類が、リグニン及びリグニンスルホン酸ナトリウムからなる群から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載のテクスチャエッチング液。
  7. アルカリ成分が、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のテクスチャエッチング液。
  8. 水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの濃度が、0.5〜12重量%であることを特徴とする請求項7記載のテクスチャエッチング液。
  9. タンニン類の濃度が1.0重量%以下であり、スチルベン誘導体の濃度が1.0重量%以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のテクスチャエッチング液。
  10. リグニンの濃度が、1.0重量%以下であることを特徴とする請求項2〜9のいずれか1項に記載のテクスチャエッチング液。
  11. ポリビニルアルコール系樹脂の濃度が、1.0重量%以下であることを特徴とする請求項3〜10のいずれか1項に記載のテクスチャエッチング液。
  12. タンニン類とスチルベン誘導体とを含有し、タンニン類の濃度が30重量%以下であり、スチルベン誘導体の濃度が30重量%以下であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のテクスチャエッチング液の製造に使用されるテクスチャエッチング液用添加剤液。
  13. さらに、リグニン類を含有し、前記リグニン類の濃度が、30重量%以下であることを特徴とする請求項2〜11のいずれか1項に記載のテクスチャエッチング液の製造に使用されるテクスチャエッチング液用添加剤液。
  14. さらに、重合度120以下の超低重合度ポリビニルアルコール系樹脂及び/又は変性度が10%以上のカルボキシル基変性ポリビニルアルコール系樹脂を含有し、前記ポリビニルアルコール系樹脂の濃度が、30重量%以下であることを特徴とする請求項3〜11のいずれか1項に記載のテクスチャエッチング液の製造に使用されるテクスチャエッチング液用添加剤液。
  15. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のテクスチャエッチング液又は請求項12〜14のいずれか1項に記載のエッチング液用添加剤液を添加して製造されたテクスチャエッチング液を使用し、基板面の少なくとも片側表面にテクスチャが形成されたシリコン基板。
  16. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のテクスチャエッチング液又は請求項12〜14に記載のエッチング液用添加剤液を添加して製造されたエッチング液を、シリコン基板と60〜95℃の範囲内で反応させる工程を有することを特徴とする、請求項15に記載されたシリコン基板の製造方法。
  17. 請求項15に記載のシリコン基板を含有し、少なくとも受光面側にテクスチャ形成面が向けられて成ることを特徴とする太陽電池。
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