JP6109368B2 - 半導体装置の製造方法および半導体装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法および半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、半導体装置の製造方法および半導体装置に関する。
近年、層間絶縁膜の比誘電率を低下させるために様々な方法が提案されている。
特許文献1(特開2010−21575号公報)には、環状有機シリカ化合物(環状有機シロキサン原料)の蒸気を希ガスで希釈した蒸気に、酸化剤ガスを環状シリカ化合物の上記の流量の0.3倍以上1.2倍以下添加してプラズマ中に導入して、多孔質絶縁膜を成長させる多孔質絶縁膜の製造方法が記載されている。これにより、比誘電率の低い絶縁膜を安定して得ることができるとされている。
特許文献2(国際公開第2007/032261号パンフレット)には、環状有機シロキサン原料と、環状有機シロキサン原料を構成する化学構造の一部を含む化合物原料との混合ガスとを用いて、プラズマ気相成長法により多孔質絶縁膜を形成する方法が記載されている。これにより、炭化水素の脱離が抑制された多孔質絶縁膜を得ることができるとされている。
特許文献3(国際公開第2008/010591号パンフレット)には、以下のような絶縁膜の形成方法が記載されている。主骨格に3員環環状SiO構造を有する原料と、主骨格に4員環環状SiO構造を有する原料とが用いられる。この二種の原料のうち少なくとも一種は、側鎖に少なくとも一つ以上の不飽和炭化水素基を有する。これにより、高強度、高密度を実現する多孔質絶縁膜を得ることができるとされている。
特許文献4(特開2011−192962号公報)には、以下のような半導体装置の製造方法が記載されている。まず、それぞれ環状SiO構造を主骨格とし互いに構造が異なる二種類以上の有機シロキサン化合物原料を混合して気化させる。次いで、反応炉にて当該気化ガスを用い、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法またはプラズマ重合法により多孔質絶縁膜を形成する。これにより、絶縁膜の比誘電率を容易に低下することができるとされている。
特開2010−21575号公報 国際公開第2007/032261号パンフレット 国際公開第2008/010591号パンフレット 特開2011−192962号公報
近年では、多孔質絶縁膜の成膜速度を高くすることがさらに望まれている。本発明者らは、多孔質絶縁膜の成膜速度を高くすることと、多孔質絶縁膜の膜強度を向上させることとを実現することは困難であることを見出した。その他の課題と新規な特徴は、本明細書書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態によれば、多孔質絶縁膜の製造方法は、以下の特徴を有している。それぞれ環状SiO構造を主骨格とし互いに構造が異なる2種類以上の有機シロキサン原料を気化し、キャリアガスとともに反応炉に輸送し、酸素原子を含む酸化剤ガスを添加して、反応炉にてプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法又はプラズマ重合法によって多孔質絶縁膜を形成する。当該工程において、キャリアガスの流量に対する添加した酸化剤ガスの流量比が0より大きく0.08以下である。
一実施の形態によれば、多孔質絶縁膜は、以下の特徴を有している。Si、O、CおよびHと、環状SiO構造と、Siに結合した不飽和炭化水素基および分枝炭化水素基と、を含んでいる。また、FTIR(Fourier Transform Infrared Spectroscopy)法によって求められる波数1100cm−1近傍の−Si−O−Si−のピークに対する波数2900cm−1近傍のCHxのピークのピーク面積比率は0.23以上である。
一実施の形態によれば、半導体装置の製造方法は、以下の特徴を有している。それぞれ環状SiO構造を主骨格とし互いに構造が異なる2種類以上の有機シロキサン原料を気化し、キャリアガスとともに反応炉に輸送し、酸素原子を含む酸化剤ガスを添加して、反応炉にてプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法又はプラズマ重合法によって多孔質絶縁膜を形成する(多孔質絶縁膜形成工程)。当該多孔質絶縁膜形成工程において、キャリアガスの流量に対する添加した酸化剤ガスの流量比が0より大きく0.08以下である。
一実施の形態によれば、半導体装置は、Si、O、CおよびHと、環状SiO構造と、Siに結合した不飽和炭化水素基および分枝炭化水素基と、を含む多孔質絶縁膜と、多孔質絶縁膜に設けられた配線またはビアと、を備えている。また、多孔質絶縁膜のうちFTIR(Fourier Transform Infrared Spectroscopy)法によって求められる波数1100cm−1近傍の−Si−O−Si−のピークに対する波数2900cm−1近傍のCHxのピークのピーク面積比率は0.23以上である。
前記一実施の形態によれば、多孔質絶縁膜の成膜速度を高くするとともに、比誘電率を保ったまま多孔質絶縁膜の膜強度を向上させることができる。
第1の実施形態に係る半導体製造装置の構成を示す模式図である。 第1の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。 第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。 第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。 第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。 酸化剤ガスの流量と多孔質絶縁膜の成膜レートとの関係を示した図である。 キャリアガスの流量と多孔質絶縁膜の成膜レートとの関係を示した図である。 キャリアガス流量に対する酸化剤ガス流量比と多孔質絶縁膜の成膜レートとの関係を示した図である。 キャリアガス流量に対する酸化剤ガス流量比と多孔質絶縁膜の膜強度との関係を示した図である。 第2の実施形態に係る多孔質絶縁膜の特性を説明するための図である。 第2の実施形態に係る多孔質絶縁膜の特性を説明するための図である。 第4の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。 第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。 第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。 第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。 第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。 第5の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。 第6の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。 第6の実施形態に係る半導体装置の特性を説明するための図である。 第3の実施形態に係る多孔質絶縁膜の特性を説明するための図である。 第3の実施形態に係る多孔質絶縁膜の特性を説明するための図である。 第3の実施形態に係る多孔質絶縁膜の特性を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態の多孔質絶縁膜の製造方法および半導体装置SDの製造方法では、それぞれ環状SiO構造を主骨格とし互いに構造が異なる2種類以上の有機シロキサン原料を気化し、キャリアガスとともに反応炉(チャンバーCMB)に輸送し、酸素原子を含む酸化剤ガスを添加して、反応炉(チャンバーCMB)にてプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法又はプラズマ重合法によって多孔質絶縁膜を形成する(多孔質絶縁膜形成工程)。当該多孔質絶縁膜形成工程において、キャリアガスの流量に対する添加した酸化剤ガスの流量比が0より大きく0.08以下である。これにより、多孔質絶縁膜の成膜速度を高くするとともに、多孔質絶縁膜の膜強度を向上させることができる。
(多孔質絶縁膜製造装置または半導体製造装置)
まず、図1を用い、第1の実施形態に係る半導体製造装置SMEについて説明する。図1は、第1の実施形態に係る半導体製造装置SMEの構成を示す模式図である。第1の実施形態に係る半導体装置SDは、以下のような半導体製造装置SMEを用いて製造する。半導体製造装置SMEは、たとえば、プラズマCVD法又はプラズマ重合法によって、多孔質絶縁膜を形成するための装置である。なお、ここでいう「半導体製造装置SME」とは、半導体装置に限られず、単層の多孔質絶縁膜を形成するための多孔質絶縁膜製造装置であってもよい。
図1のように、反応炉(チャンバーCMB)は、排気配管PPV、排気バルブVV6および冷却トラップCTを介して、真空ポンプVPに接続されている。これにより、真空ポンプVPを運転させることにより、チャンバーCMB内を減圧させることができる。
また、チャンバーCMBと真空ポンプVPとの間には、スロットルバルブ(不図示)が設けられている。スロットルバルブの開閉度を制御することにより、チャンバーCMB内の圧力を制御することができる。
チャンバーCMBの内部には、加熱機能を有するステージSTGが設けられている。ステージSTG上には、成膜対象の基板(たとえば、半導体基板SUB)が載置される。ステージSTGは、加熱することが可能である。
第1の実施形態で用いられる有機シロキサン原料は、液体の状態で原料リザーバータンクTNK内に封入されている。この原料リザーバータンクTNK内には、たとえば後述する2種類の有機シロキサン原料が混合されている。なお、それぞれの有機シロキサン原料に対して、個別に原料リザーバータンクTNKが設けられていてもよい。この場合、原料供給する配管等は、それぞれの原料に対して個別に設けられていてもよい。有機シロキサン原料の構造等に関しては、詳細を後述する。
原料(有機シロキサン原料)は、不活性ガスによって、原料リザーバータンクTNKから配管(符号不図示)を通じて圧送される。そして、原料は、バルブVV1、液体流量コントローラMC1およびバルブVV2をこの順に介して、気化器VPRに導入される。気化器VPRに導入される原料の流量は、液体流量コントローラMC1により所望の流量に調整される。原料の圧送に用いられる不活性ガスは、たとえば、He、Ar、Ne、XeまたはNなどである。
原料は、気化器VPR内において、減圧化され、加熱されることにより気化される。気化した原料ガスは、バルブVV4および配管PP1を介して、チャンバーCMB内へ供給される。配管PP1は、たとえばヒーター(不図示)によって加熱されている。これにより、気化した原料ガスの再液化が抑制されている。
また、気化器VPRにおいて、原料が気化した際に飽和蒸気圧を下回るように、気化器VPRに流されるキャリアガスの流量と、気化器VPRでの気化温度と、が制御されている。これにより、2種類以上の有機シロキサン原料のうち、各々の沸点や飽和蒸気圧が互いに異なっても、これら原料を偏りなく気化させることができる。したがって、原料リザーバータンクTNK内での混合比率を維持したままの気化ガスを得ることができる。
キャリアガス用の配管(符号不図示)は、気体流量コントローラMC2およびバルブVV3を介して、気化器VPRに接続されている。キャリアガスは、気化器VPR内において、原料ガスを、バルブVV4および配管PP1を介してチャンバーCMB内へ輸送する。キャリアガスの流量は、気体流量コントローラMC2によって所望の流量に調整される。キャリアガスは、たとえば、He、Ar、Ne、XeまたはNなどである。
第1の実施形態では、酸化剤ガス用の配管(符号不図示)は、気体流量コントローラMC3およびバルブVV5を介して、チャンバーCMBに接続されている。これにより、原料ガスおよびキャリアガスに加えて、酸化剤ガスをチャンバーCMBに供給することができる。酸化剤ガスは、O、CO、CO、NO、またはNOのうち少なくとも一種類以上を含む。言い換えれば、酸化剤ガスは、たとえば、O、CO、CO、NO、NO、またはこれらの混合ガスである。
チャンバーCMB内には、複数の貫通孔を有するシャワーヘッドSHが設けられている。これにより、チャンバーCMB内に導入された原料ガス、キャリアガスおよび酸化剤ガスは、シャワーヘッドSHによって分散される。
シャワーヘッドSHには、給電線(符号不図示)およびマッチングコントローラMTCを介して高周波電源RFが接続されている。これにより、シャワーヘッドSHおよびステージSTGとの間に、高周波電力が供給される。なお、高周波電源RFはステージSTG側に接続されていてもよい。ここでいう「高周波」とは、1MHz以上の周波数のことをいう。具体的には、高周波は、13.56MHz、またはこの逓倍波である。また、高周波電源RF以外に、低周波電源(不図示)が接続されていてもよい。低周波電源は、シャワーヘッドSHまたはステージSTGのいずれか一方に接続されている。
原料ガス、キャリアガスおよび酸化剤ガスは、配管PP1を介して、チャンバーCMBに導入される。これらのガスは、シャワーヘッドSHおよびステージSTGとの間にかかる印加電圧によってプラズマ化する。これにより、ステージSTG上に載置された半導体基板SUB上に、多孔質絶縁膜(後述するPF1またはPF2)を形成することができる。
なお、チャンバーCMBのクリーニングには、三フッ化窒素(NF)、六フッ化硫黄(SF)、テトラフルオロメタン(CF)、ヘキサフルオロエタン(C)等のガスを用いることができる。これらのガスは、必要に応じて、酸素、オゾン等との混合ガスとして用いてもよい。
(有機シロキサン原料)
次に、第1の実施形態に用いられる有機シロキサン原料について説明する。第1の実施形態では、それぞれ環状SiO構造を主骨格とし、互いに構造が異なる2種類以上の有機シロキサン原料が用いられる。以下では、主骨格の環状SiO構造を「環状シロキサン骨格」という。
有機シロキサン原料は、下記化学式(1)に示される環状有機シリカ骨格を有する。
Figure 0006109368
・・・・(1)
ただし、化学式(1)において、nは2〜5であり、Rx及びRyはそれぞれ水素、不飽和炭化水素基及び飽和炭化水素基の何れかであり、不飽和炭化水素基および飽和炭化水素基の各々は、ビニル基、アリル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、およびターシャリーブチル基の何れかである。
このような有機シロキサン原料を用いることにより、原料の環状SiO構造によって、多孔質絶縁膜において、独立空孔(クローズドポア)を形成することができる。したがって、均一な膜密度分布を有する多孔質絶縁膜を形成することができる。たとえば、化学式(1)におけるnを変化させることにより、空孔サイズを制御することができる。すなわち、多孔質絶縁膜の比誘電率を制御することができる。
たとえば、少なくとも二種類の有機シロキサン原料のnは互いに異なる。少なくとも二種類の有機シロキサン原料のうち、第1の有機シロキサン原料の環状有機シロキサン骨格は、第2の有機シロキサン原料の環状シロキサン骨格よりも小さい。言い換えれば、第1の有機シロキサン原料のうち環状有機シロキサン骨格の結合エネルギーは、第2の有機シロキサン原料のうち環状シロキサン骨格の結合エネルギーよりも強い。これにより、後述する多孔質絶縁膜形成工程において、結合エネルギーの弱い環状シロキサン骨格を有する第2の有機シロキサン原料が優先的に解離する。この際に、解離したSi−O結合の一部は、第1の有機シロキサン原料同士を結合する。すなわち、第1の有機シロキサン原料は、Si−O結合を介して強固なネットワークを形成することができる。したがって、多孔質絶縁膜の膜強度を向上させることができる。
たとえば、少なくとも一種類の有機シロキサン原料のうち、nは3である。言い換えれば、少なくとも一種類の有機シロキサン原料は、6員環の環状有機シロキサン骨格を含んでいる。これにより、1nm以下の平均空孔径を有する多孔質絶縁膜を形成することができる。
さらに、少なくとも二種類の有機シロキサン原料のうち、一方のnは3であり、他方のnは4であることが好ましい。言い換えれば、少なくとも二種類の有機シロキサン原料のうち、一方(上記した第1の有機シロキサン原料)は6員環の環状有機シロキサン骨格を含んでいる。他方(上記した第2の有機シロキサン原料)は、8員環の環状シロキサン骨格を含んでいる。これにより、上記したメカニズムにより、単一の有機シロキサン原料を用いる場合よりも多孔質絶縁膜の膜強度を向上させることができる。また、nが3または4である有機シロキサン原料は、製造がしやすく、また化学的に安定なものが多いため、特に好ましい。またこのような混合をおこなった原料は単独原料と比較し、重合温度が高いため、熱に対して安定である。
また、たとえば、少なくとも一種類の有機シロキサン原料は、不飽和炭化水素基を有する。化学式(1)において、RxまたはRyが不飽和炭化水素基である。この場合、多孔質絶縁膜形成工程において、プラズマ中で不飽和炭化水素基が開環して、有機シロキサン原料の分子間で重合反応が進行する。これにより、有機シロキサン原料の分子間で容易に架橋構造を形成することができる。
化学式(1)において、RxおよびRyは、炭素数2から4の直鎖状不飽和炭化水素基、または炭素数3から4の分枝鎖状飽和炭化水素基を少なくとも一つ用いると好ましい。
具体的には、たとえば、下記化学式(2)で示すトリビニルシクロトリシロキサン誘導体、または下記化学式(3)で示すテトラビニルシクロテトラシロキサン誘導体が例示される。
Figure 0006109368
・・・・(2)
Figure 0006109368
・・・・(3)
ただし、化学式(2)または(3)において、R、R、RおよびRは、水素、不飽和炭化水素基及び飽和炭化水素基の何れかである。また、これら不飽和炭化水素基および飽和炭化水素基の各々は、ビニル基、アリル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、およびブチル基の何れかである。
(半導体装置)
次に、図2を用い、第1の実施形態に係る半導体装置SDの全体構造について説明する。図2は、第1の実施形態に係る半導体装置SDの構成を示す断面図である。第1の実施形態の半導体装置SDは、多孔質絶縁膜(PF1またはPF2)を備えている。ここでは、たとえば、複数の多孔質絶縁膜(多孔質絶縁膜PF1および多孔質絶縁膜PF2)が積層されている。
多孔質絶縁膜PF1は、たとえば、基板(不図示)上に設けられている。多孔質絶縁膜PF1を機械的に支えることが可能な部材であればよい。基板は、たとえば、半導体基板である。具体的には、基板は、シリコン基板である。
その他、基板は、金属基板、絶縁基板またはこれらの複合材料であってもよい。具体的には、金属基板は、たとえば、Au、Cu、Ti、Feまたはそれらを含む合金などである。また、絶縁基板としては、ガラス(SiO)、高分子樹脂、プラスチック、シリコン樹脂またはそれらの複合材料であってもよい。また、基板は、半導体基板と絶縁基板からなるものであっても良い。具体的には、SOI(Silicon On Insulator)基板が挙げられる。その他、多孔質絶縁膜PF1そのものが基板を形成していてもよい。
多孔質絶縁膜PF1には、たとえば、複数の配線IC1が設けられている。配線IC1は、たとえば、Cuを主成分として含む。配線IC1は、Cu以外の金属元素が含まれていてもよい。その他、配線IC1は、W、Alまたはその合金等であってもよい。
配線IC1の側面および底面には、バリアメタルBM1が設けられている。配線IC1がCuを含む場合、バリアメタルBM1は、たとえば、Ti、Ta、W、Ru、またはこれらの窒化物もしくは炭窒化物により形成されている。
多孔質絶縁膜PF1上には、バリア絶縁膜IF1が設けられている。バリア絶縁膜IF1は、Cuの酸化や絶縁膜中へのCuの拡散を防ぐ機能、および多孔質絶縁膜PF1等を加工する際にエッチングストップ層としての機能を有する。バリア絶縁膜IF1は、たとえば、SiC膜、SiCN膜、SiN膜、BN膜またはBCN膜である。なお、バリア絶縁膜IF1は無くてもよい。
また、配線IC1上にはメタルキャップ層(図示せず)が設けられていてもよい。メタルキャップ層は、たとえばCoWP、CoWB、CoSnP、CoSnB、NiB、又はNiMoBなどが形成されても良い。
バリア絶縁膜IF1上には、多孔質絶縁膜PF2が設けられている。多孔質絶縁膜PF2は、たとえば、上述の多孔質絶縁膜PF1と同様に形成されている。
多孔質絶縁膜PF2には、たとえばデュアルダマシン法により、ビアVAおよび配線IC2が設けられている。配線IC2は、ビアVAを介して、下層に位置する配線IC1に接続している。ビアVAおよび配線IC2は、たとえば配線IC1と同一の材料により形成されている。それぞれの配線層で異なる金属により配線またはビアが形成されていてもよい。
また、ビアVAの側面並びに底面、および配線IC2の側面並びに底面には、バリアメタルBM2が設けられている。バリアメタルBM2は、たとえばバリアメタルBM1と同一の材料により形成されている。
多孔質絶縁膜PF2上には、バリア絶縁膜IF2が設けられている。バリア絶縁膜IF2は、たとえばバリア絶縁膜IF1と同一の材料により形成されている。
バリア絶縁膜IF2上に、さらに多層の多孔質絶縁膜が形成されていてもよい。
(多孔質絶縁膜および半導体装置の製造方法)
次に、図3から図6を用い、第1の実施形態に係る半導体装置SDの製造方法について、説明する。図3から図6は、第1の実施形態に係る半導体装置SDの製造方法を説明するための断面図である。以下詳細を説明する。
図3(a)のように、基板(不図示)上に多孔質絶縁膜PF1を形成する。この多孔質絶縁膜PF1を、たとえば後述する多孔質絶縁膜PF2と同様にして形成する。次いで、多孔質絶縁膜PF1に、複数の配線溝(符号不図示)を形成する。次いで、配線IC1の側面および底面に、バリアメタルBM1を形成する。次いで、配線溝内に金属膜(符号不図示)を形成する。次いで、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法により金属膜を研磨して配線溝内に金属を埋め込む。これにより、多孔質絶縁膜PF1に配線IC1を形成する。次いで、多孔質絶縁膜PF1上に、バリア絶縁膜IF1を形成する。
図3(b)のように、バリア絶縁膜PF1上に、炭化水素を含む有機シロキサン原料を用いて、バリア絶縁膜IF1上に多孔質絶縁膜PF2を形成する(多孔質絶縁膜形成工程)。
この工程において、それぞれ環状SiO構造を主骨格とし互いに構造が異なる2種類以上の有機シロキサン原料を気化し、キャリアガスとともにチャンバーCMBに輸送する。このとき、酸素原子を含む酸化剤ガスを添加する。そして、チャンバーCMBにてプラズマCVD法又はプラズマ重合法によって多孔質絶縁膜PF2を形成する。
有機シロキサン原料が環状有機シロキサン骨格を有することにより、環状SiO構造を空孔として多孔質絶縁膜PF2に取り入れることができる。多孔質絶縁膜PF2において、環状SiO構造の直径に相当する空孔が形成される。したがって、多孔質絶縁膜PF2内に、微細かつ均一に空孔を導入することができる。
また、上述のように、酸化剤ガスは、O、CO、CO、NO、またはNOのいずれか一種類以上を含んでいる。酸化剤ガスとしてはHOも考えられるが、HOを用いた場合、多孔質絶縁膜PF2中にSi−OH基が形成されてしまう。この場合、多孔質絶縁膜の比誘電率が上昇してしまう。したがって、酸化剤ガスとして上記したガスを用いることにより、比誘電率を上昇させることなく、成膜速度を高くすることができる。
当該多孔質絶縁膜形成工程において、キャリアガスの流量に対する添加した酸化剤ガスの流量比は、0より大きく0.08以下である。キャリアガス流量に対する酸化剤ガス流量比が上記下限値以上であることにより、酸化剤ガスを添加しない場合よりも成膜速度を高くすることができる。なお、キャリアガス流量に対する添加した酸化剤ガス流量比の下限値は、意図しないでチャンバーCMBに混入したこと(いわゆるコンタミネーション)による酸素を含むガス流量比よりも大きい。また、キャリアガス流量に対する酸化剤ガス流量比が上記上限値以下であることにより、有機シロキサン原料が一種類のみである場合よりも、多孔質絶縁膜の膜強度を向上させることができる。このキャリアガス流量に対する酸化剤ガス流量比と、多孔質絶縁膜の成膜速度および膜強度との関係については、詳細を後述する。
なお、キャリアガス流量は、有機シロキサン原料の液体流量に対して1倍以上100倍以下であることが好ましい。これにより、有機シロキサン原料を液化させることなく、チャンバーCMBに輸送することができる。
また、有機シロキサン原料の流量に対する添加した酸化剤ガスの流量比は、0.1以上5以下である。ここでいう有機シロキサン原料の流量とは、有機シロキサン原料を気化した際のガス流量である。なお、単位時間あたりの有機シロキサン原料のモル数は、原料リザーバータンクTNK内の混合比、および液体流量コントローラMC1における液体流量から求めることができる。キャリアガス流量に対する酸化剤ガス流量比と同様にして、有機シロキサン原料流量に対する酸化剤ガス流量比が上記範囲内であることにより、多孔質絶縁膜の成膜速度を高くするとともに、膜強度を向上させることができる。
たとえば、二種類の有機シロキサン原料を用いる場合、第1の有機シロキサン原料と第2の有機シロキサン原料との混合比は、1:9〜9:1である。
多孔質絶縁膜形成工程において、チャンバーCMB内の雰囲気圧を、真空ポンプVPにより、たとえば1Torr以上6Torr以下の範囲内に設定する。また、チャンバーCMB内における有機シロキサン原料のガスの分圧は、0.1Torr以上3Torr以下であることが好ましい。
また、多孔質絶縁膜形成工程において、ステージSTGを加熱することにより、基板SUBを100℃以上400℃以下に加熱する。好ましくは、基板SUBを250℃以上400℃以下に加熱する。基板SUBを上記温度範囲に加熱することにより、下層に位置する膜と多孔質絶縁膜PF2との界面において、プラズマ重合反応が促進される。これにより、多孔質絶縁膜PF2の密着性を向上させることができる。
次いで、多孔質絶縁膜形成工程の後に、多孔質絶縁膜PF2に波長400nm以下の光または電子線を照射してもよい。電子線を照射する場合、電子線の加速エネルギーは1keV以上30keV以下であり、ドーズ量は0.05mC/cm以上1.0mC/cm以下であることが好ましい。また、波長400nm以下の光を照射する場合、光の照射時間は10sec以上5min以下であることが好ましい。波長400nm以下の光は、線スペクトルを有する単波長光であっても、ブロードバンドを有するブロード光であってもよく、これらを組み合わせた光であってもよい。当該工程において、同時に基板SUBを加熱してもよい。
次いで、図4(a)のように、多孔質絶縁膜PF2上に、ハードマスクHMを形成する。ハードマスクHMは、溝またはビアホールを形成する工程において、多孔質絶縁膜PF2を保護する。ハードマスクHMは、たとえば、SiO、TEOS、または多孔質絶縁膜PF2より硬質な(Modulus10GPa以上)のSiOCもしくはSiOCHである。このハードマスクHMは無くてもよい。
次いで、たとえばRIE(Reactive Ion Etching)法により、多孔質絶縁膜PF2を選択的に除去する。これにより、多孔質絶縁膜PF2に、溝IT及びビアホールVHを形成する。この工程は、ビアファースト法及びトレンチファースト法のいずれであってもよい。
次いで、図4(b)のように、溝ITおよびビアホールVHの側面および底面に、バリアメタルBM2を形成する。バリアメタルBM2を、たとえばバリアメタルBM1と同一の材料により形成する。たとえば、スパッタにより、バリアメタルBM2として、たとえば、Ti、Ta、W、Ru、またはこれらの窒化物もしくは炭窒化物を形成する。
次いで、たとえばめっき法により、溝ITおよびビアホールVHに金属膜MFを形成する。金属膜MFは、たとえば、Cuである。
次いで、Cu粒成長のために熱処理を行う。たとえば、熱処理における温度が200℃以上400℃以下、熱処理時間が30sec以上1時間以下である。
次いで、図5(a)のように、CMP法により、金属膜MFを研磨して、溝ITおよびビアホールVHに金属を埋め込む。これにより、多孔質絶縁膜PF2に配線IC2およびビアVAを形成する。このとき、ハードマスクHMを除去してもよい。また、多孔質絶縁膜PF2の表層を除去してもよい。
次いで、図5(b)のように、多孔質絶縁膜PF2上に、バリア絶縁膜IF2を形成する。バリア絶縁膜IF2を、たとえばバリア絶縁膜IF1と同一の材料により形成する。バリア絶縁膜IF2として、たとえば、SiC膜、SiCN膜、SiN膜、BN膜またはBCN膜を形成する。
多孔質絶縁膜PF2上に、さらに複数の多孔質絶縁膜を形成してもよい。以上の工程により、第1の実施形態に係る半導体装置SDを得ることができる。
(実施例)
次に、具体的な実施例について説明する。この実施例では、二種類の有機シロキサン原料を用いて、一層の多孔質絶縁膜を成膜した。実施例では、化学式(1)のうちnが3、Rxがビニル基、Ryがイソプロピル基である第1の有機シロキサン原料と、nが4、Rxがビニル基、Ryがメチル基である第2の有機シロキサン原料と、を用いた。第1および第2の有機シロキサン原料の混合比は、4:3である。
多孔質絶縁膜形成工程において、キャリアガスとして、Heを用いた。キャリアガスの流量は、300sccm以上2000sccm以下の範囲で変化させた。酸化剤ガスとして、NOを用いた。酸化剤ガスの流量は、12sccm以上80sccm以下の範囲で変化させた。
成膜には、13.56MHzの高周波を用いた。印加電力は25W以上500W以下である。印加電力については、電極間距離や電極面積にも依存する。このため、印加電力は、半導体製造装置SMEによって自由に調整することができ、上記した範囲に限定されるものではない。また、13.56MHzの高周波とともに400〜500kHzの低周波を印加しても同様の結果が得られる。
(比較例)
比較例では、一種類の有機シロキサン原料だけを用いて、一層の多孔質絶縁膜を成膜した。比較例では、化学式(1)のうちnが3、Rxがビニル基、Ryがイソプロピル基である(第1の)有機シロキサン原料のみを用いた。
(結果)
次に、図6から図9を用い、実施例の結果とともに、第1の実施形態の作用効果について説明する。
図6は、実施例における、酸化剤ガスの流量と多孔質絶縁膜の成膜レートとの関係を示した図である。図6では、キャリアガスであるHeの流量を、それぞれ1000sccm、1600sccm、1800sccmとしたときの成膜速度を示している。図6のように、酸化剤ガスであるNOの流量を増加させるにつれて、多孔質絶縁膜の成膜速度は高くなる。なお、NO以外の酸化剤ガスについても、同様の傾向を示す。
図7は、実施例における、キャリアガスの流量と多孔質絶縁膜の成膜レートとの関係を示した図である。図7では、酸化剤ガスであるNOの流量を、0sccm(添加無)、15sccm、30sccmとしたときの成膜速度を示している。図7のように、キャリアガスであるHeの流量を増加させるにつれて、多孔質絶縁膜の成膜速度は低下していく。キャリアガスによって、有機シロキサン原料が希釈されるからである。
図8は、キャリアガス流量に対する酸化剤ガス流量比と多孔質絶縁膜の成膜レートとの関係を示した図である。図8における横軸は、キャリアガス(He)に対する酸化剤ガス(NO)の流量比率(NO/He)を示している。また、図8では、比較例についてもプロットしている。
図8のように、比較例および実施例では、キャリアガス流量に対する酸化剤ガス流量比が増加するにつれて、多孔質絶縁膜の成膜速度が高くなっていく。また、図8において、実施例の傾きは、比較例の傾きよりも急峻である。実施例では、NOの添加に対して、より成膜速度を高くする効果があることを示している。
図8の成膜速度に関する傾向は、nが3である第1の有機シロキサン原料とnが4である第2の有機シロキサン原料との比率が4:3以外の比率であっても同様である。なお、第1および第2の有機シロキサン原料の比率は4:3であるとき、キャリアガス流量に対する酸化剤ガス流量比に対する成膜速度の傾きが最も大きい。
また、当該傾向は、nが3である第1の有機シロキサン原料とnが4である第2の有機シロキサン原料とを混合する場合に限られない。すなわち、他の有機シロキサン原料の組み合わせであっても、互いに構造が異なる2種類以上の有機シロキサン原料と酸化剤ガスとを混合することにより、図8と同様の傾向を示す。
このように、第1の実施形態では、互いに構造が異なる2種類以上の有機シロキサン原料に酸化剤ガスを添加することにより、比較例のように単一の有機シロキサン原料に酸化剤ガスを添加した場合よりも多孔質絶縁膜の成膜速度を高くすることができる。
図9は、キャリアガス流量に対する酸化剤ガス流量比と、多孔質絶縁膜の膜強度と、の関係を示した図である。図9における横軸は、図8と同様である。図9の縦軸は、ナノインデーション法によって測定した膜強度(Modulus)である。また、図9では、比較例についてもプロットしている。
図9のように、比較例および実施例では、キャリアガス流量に対する酸化剤ガス流量比が増加するにつれて、多孔質絶縁膜の膜強度は低下していく。すなわち、多孔質膜の膜強度は、成膜速度に対してトレードオフの関係にある。
一方で、キャリアガス流量に対する酸化剤ガス流量比に関わらず、二種類の有機シロキサン原料を用いた実施例の膜強度は、単一の有機シロキサン原料のみを用いた比較例の膜強度よりも高い。特に、キャリアガス流量に対する酸化剤ガス流量比が低い領域において、実施例の膜強度は、比較例の膜強度よりも高い。具体的には、キャリアガス流量に対する酸化剤ガス流量比が0.08以下であるとき、実施例における膜強度は、比較例よりも高い。キャリアガス流量に対する酸化剤ガス流量比が0.08より大きいとき、実施例における膜強度は、比較例と同等である。
さらに、キャリアガス流量に対する酸化剤ガス流量比が0.04以下であるとき、実施例における膜強度は、測定誤差を考慮しても、比較例よりも顕著に高い値を示す。
図9の膜強度に関する傾向は、nが3である第1の有機シロキサン原料とnが4である第2の有機シロキサン原料との比率が4:3以外の比率であっても同様である。なお、第1および第2の有機シロキサン原料の比率は4:3であるとき、最も多孔質絶縁膜の膜強度が高くなる。
また、当該傾向は、nが3である第1の有機シロキサン原料とnが4である第2の有機シロキサン原料とを混合する場合に限られない。すなわち、他の有機シロキサン原料の組み合わせであっても、互いに構造が異なる2種類以上の有機シロキサン原料と酸化剤ガスとを混合することにより、図9と同様の傾向を示す。
このように、第1の実施形態では、互いに構造が異なる2種類以上の有機シロキサン原料に酸化剤ガスを添加することにより、比較例のように単一の有機シロキサン原料に酸化剤ガスを添加した場合よりも、多孔質絶縁膜の膜強度を高くすることができる。
以上の図8および図9の結果から、第1の実施形態では、キャリアガス流量に対する酸化剤ガス流量比は、0より大きく0.08以下であることが好ましい。また、キャリアガス流量に対する酸化剤ガス流量比が0.005以上0.04以下であることがさらに好ましい。
図8に関して述べたように、キャリアガス流量に対する酸化剤ガス流量比が0より大きいことにより(すなわち、酸化剤ガスを添加することにより)、酸化剤ガスを添加しない場合よりも成膜速度を高くすることができる。
また、キャリアガス流量に対する酸化剤ガス流量比は、チャンバーCMBへのコンタミネーションよりも大きい範囲であることが好ましい。このような観点から、キャリアガス流量に対する酸化剤ガス流量比は0.005以上であることが好ましい。これにより、気体流量コントローラMC3の制御精度以上の範囲において、安定的に成膜速度を向上させることができる。
図9に関して述べたように、キャリアガス流量に対する酸化剤ガス流量比が0.08以下であることにより、有機シロキサン原料が一種類のみである場合よりも、多孔質絶縁膜の膜強度を向上させることができる。
図9において、上述したように、キャリアガス流量に対する酸化剤ガス流量比が0.04以下であるとき、実施例における膜強度は、測定誤差を考慮しても、比較例よりも顕著に高い値を示す。その他、多孔質絶縁膜の面内分布、製造工程におけるガス分布、プロセスマージン、バッチ間のバラつき等を考慮しても、キャリアガス流量に対する酸化剤ガス流量比が0.04以下であることにより、安定的に膜強度の高い多孔質絶縁膜を得ることができる。
(作用効果)
次に、第1の実施形態の作用効果についてメカニズムとともに説明する。まず、互いに構造が異なる二種類以上の有機シロキサン原料を用いることによる作用効果は、以下の通りである。
たとえば2種類の第1および第2の有機シロキサン原料を用いた場合、結合エネルギーの弱い環状シロキサン骨格を有する第2の有機シロキサン原料が優先的に解離する。この際に、解離したSi−O結合の一部は、第1の有機シロキサン原料同士を結合する。すなわち、第1の有機シロキサン原料は、Si−O結合を介して強固なネットワークを形成することができる。したがって、多孔質絶縁膜の膜強度を向上させることができる。
次に、2種類以上の有機シロキサン原料に加え、酸化剤ガスを添加することによる作用効果は、以下のようなことが考えられる。
二種類以上の有機シロキサン原料がプラズマ状態となった中に、酸化剤ガスが添加されることによって、プラズマ中の電子の平均自由行程が減少するとともに、イオンエネルギーが減少する。これは、酸化剤ガスの分子が立体障壁となるからである。このため、第1の実施形態では、酸化剤ガスを添加しない場合と比較して、結合エネルギーの弱い第2の有機シロキサン原料の解離効率は減少する。したがって、Si−O結合による第1の有機シロキサン原料の架橋構造が形成されにくくなる。
また、酸化剤ガスは、有機シロキサン原料のうち側鎖のカーボンや水素原子の一部を引き抜く。このため、側鎖には、多くの活性な結合種が形成される。このような活性な結合種は、炭化水素間の結合を促進させる。特に、不飽和炭化水素基を有する場合、不飽和炭化水素基が開裂することによって、炭化水素間の結合を促進させる。したがって、酸化剤ガスを添加することによって形成された多孔質絶縁膜では、炭化水素を介した架橋構造が支配的となる。
このように、酸化剤ガスを添加することによって多孔質絶縁膜中のうち炭化水素を介した架橋構造が増加する。これにより、成膜速度を高くすることができる。しかし、炭化水素を介した架橋構造が増加させるにつれて、多孔質絶縁膜の膜強度は、前述のSi−O結合を介した第1の有機シロキサン原料の架橋構造が支配的である場合よりも、低くなっていく。したがって、キャリアガス流量に対する酸化剤ガス流量比において、成膜速度および膜強度を両立するための最適範囲が存在する。
以上のように、第1の実施形態によれば、それぞれ環状SiO構造を主骨格とし互いに構造が異なる2種類以上の有機シロキサン原料と、酸素原子を含む酸化剤ガスとを混合して、多孔質絶縁膜を形成する。このとき、キャリアガス流量に対する添加した酸化剤ガス流量比が0より大きく0.08以下である。これにより、多孔質絶縁膜の成膜速度を高くするとともに、多孔質絶縁膜の膜強度を向上させることができる。
なお、第1の実施形態において、半導体装置SDの層間絶縁膜として、多孔質絶縁膜に配線またはビアを形成する場合を説明したが、この場合に限られない。多孔質絶縁膜は、半導体装置SD以外のものに用いられても良く、単層膜であってもよい。
(第2の実施形態)
図10および図11は、第2の実施形態に係る多孔質絶縁膜の特性を説明するための図である。第2の実施形態は、多孔質絶縁膜を形成するための条件が第1の実施形態よりもさらに最適化されている点を除いて、第1の実施形態と同様である。以下、詳細を説明する。
発明者らは、第1の実施形態の製造方法において、様々な有機シロキサン原料を用いて、多孔質絶縁膜を作製したところ、特定の最適条件下で、顕著に成膜速度および膜強度が高いことを見出した。最適条件は、後述するように「有機シロキサン原料の混合原料の1モル当たりの平均炭素数」と相関があることが分かった。
第2の実施形態によれば、2種類以上の前記有機シロキサン原料の混合原料において、有機シロキサン原料の混合原料の1モルあたりの平均炭素数は15以上である。また、多孔質絶縁膜のうちFTIR法によって求められる波数1100cm−1近傍の−Si−O−Si−のピークに対する波数2900cm−1近傍のCHxのピークのピーク面積比率は0.23以上である。以下、詳細を説明する。
図10は、第2の実施形態および比較例の多孔質絶縁膜について、フーリエ変換赤外分光(FTIR:Fourier Transform Infrared Spectroscopy)法によって測定したスペクトルを示している。図中の第2の実施形態とは、第1の実施形態の条件のうち最適条件で作製した多孔質絶縁膜である。また、図中の比較例とは、第1の実施形態の条件のうち最適条件とは異なる他の条件で作製した多孔質絶縁膜である。図10および図11で述べる比較例は、図8および図9での比較例とは異なるものである。
具体的には、第2の実施形態(最適条件)では、化学式(1)のうちnが3、Rxがビニル基、Ryがイソプロピル基である第1の有機シロキサン原料と、nが4、Rxがビニル基、Ryがイソプロピル基である第2の有機シロキサン原料と、を用いた。比較例(他の条件)では、少なくともいずれか一方の有機シロキサン原料の側鎖における炭素数が少ないものを用いた。
図10のように、いずれの多孔質絶縁膜についても、波数1100cm−1近傍において、Si−O−Si結合のピークが表れている。また、波数2900cm−1近傍には、CHxのピークが表れている。このCHxのピークは、多孔質絶縁膜中の炭化水素のうち、有機シロキサン原料の側鎖が解離することなく残存した部分に起因している。図のように、最適条件で作製した多孔質絶縁膜のCHxのピークは、他の条件で作製した多孔質絶縁膜のCHxのピークよりも高い。
図11は、有機シロキサン原料のうち1モル当たりの平均炭素数と、CHx/Si−O−Si比率との関係を示している。図11の横軸は、有機シロキサン原料のうち1モル当たりの平均炭素数を示している。なお、2種類以上の有機シロキサン原料を用いているため、当該平均炭素数は、それぞれの有機シロキサン原料中に存在する炭素数に混合比率を乗じた値となっている。
図11の縦軸は、「CHx/−Si−O−Si−比率」を示している。この「CHx/−Si−O−Si−比率」とは、図10のようにFTIRで検出されたスペクトルのうちバックグラウンドを除去した後のスペクトルにおける、波数1100cm−1近傍の−Si−O−Si−のピークに対する波数2900cm−1近傍のCHxのピークのピーク面積比率のことである。「CHx/−Si−O−Si−比率」は、多孔質絶縁膜中における−Si−O−Si−結合に対するCHxの存在比率に相関がある。
図11において、第2の実施形態(最適条件)を白抜き丸印、比較例(他の条件)を黒四角印で示している。図11のように、第2の実施形態(最適条件)では、有機シロキサン原料のうち1モル当たりの平均炭素数が15以上であり、「CHx/−Si−O−Si−比率」は0.23以上であった。このように第2の実施形態(最適条件)では、有機シロキサン原料の側鎖に起因して、多孔質絶縁膜中に多くのCHxが取り込まれている。
第2の実施形態において、最適条件で作製した多孔質絶縁膜は、用いた原料に基づいて、以下のような特徴を有している。Si、O、CおよびHと、環状SiO構造と、Siに結合した不飽和炭化水素基および分枝炭化水素基と、を含んでいる。また、上述のように、「CHx/−Si−O−Si−比率」は0.23以上である。たとえば、多孔質絶縁膜に含まれる不飽和炭化水素基はビニル基であり、分枝炭化水素基はイソプロピル基である。
次に、第2の実施形態の作用効果について説明する。第2の実施形態(最適条件)では、以下のような作用効果により、顕著に成膜速度および膜強度が高くなったと考えられる。上述のように、たとえば2種類の第1および第2の有機シロキサン原料を用いた場合、結合エネルギーの弱い環状シロキサン骨格を有する第2の有機シロキサン原料が優先的に解離して、第1の有機シロキサン原料同士を結合する。これによって、多孔質絶縁膜の膜強度が向上する。
一方で、環状シロキサン骨格が解離する現象は、有機シロキサン原料の側鎖にも依存する。第2の実施形態(最適条件)では、2種類以上の有機シロキサン原料のうち、1モルあたりの平均炭素数は15以上である。すなわち、第2の実施形態では、側鎖に含まれる炭素数が多い。これにより、プラズマ中で側鎖が解離する確率が低くなる。
反対に、第2の実施形態では、側鎖に比べて、上記した第2の有機シロキサン原料の環状シロキサン骨格が解離する確率が高くなる。これにより、第2の実施形態では、有機シロキサン原料の側鎖が多く残存する。したがって、図11において、第2の実施形態のように最適条件で作製した多孔質絶縁膜は、他の条件で作製した多孔質絶縁膜よりも、「CHx/−Si−O−Si−比率」が高かったと考えられる。
以上のようなメカニズムにより、第2の実施形態によれば、第1の実施形態よりもさらに、多孔質絶縁膜の成膜速度を高くするとともに、多孔質絶縁膜の膜強度を向上させることができる。
(第3の実施の形態)
化学式(1)で示される第1及び第2の環状有機シロキサンを用いた。このうち第1の環状有機シロキサンとしては、R1(Rx)がビニル基、R2(Ry)がイソプロピル基であり、n=3であるもの(2,4,6−トリイソプロピル−2,4,6−トリビニルシクロトリシロキサン)を用いた。また、第2の環状有機シロキサンとしては、R1(Rx)がビニル基であり、R2(Ry)がイソプロピル基であり、n=4であるもの(2,4,6,8−テトライソプロピル−2,4,6,8−テトラビニルシクロトリシロキサン)を用いた。キャリアガスにはHeを用い、酸化剤にはN2Oを用いた。酸化剤の流量はキャリアガス流量に対し0.06となるように設定した。
図20は、第2の環状シロキサン原料の混合濃度を変数としたときのk値の変化を示すグラフである。この結果から、第2の環状シロキサン濃度が20〜45%付近(第1の環状有機シロキサン原料:1に対し、第2の環状有機シロキサン原料:3/4)で最も低いk値を示すことが判明した。
図21は、第2の環状シロキサン原料の混合濃度を変数としたときの成膜レートの変化を示すグラフである。この結果から第2の環状シロキサン濃度が43%で成膜速度が最大値を示し、それ以上の濃度にしても変わらないことが判明した。
図22は、第2の環状シロキサン原料の混合濃度を変数としたときの膜強度の変化を示すグラフである。この結果から第2の環状シロキサン濃度が43%で最大値を示し、それ以上の濃度にしても変わらないことが判明した。
(第4の実施形態)
図12は、第4の実施形態に係る半導体装置SDの構成を示す断面図である。第4の実施形態は、多層配線層がシングルダマシン法により形成されている点を除いて、第1の実施形態と同様である。以下、詳細を説明する。
図12のように、バリア絶縁膜IF1上には、多孔質絶縁膜PF2が設けられている。多孔質絶縁膜PF2には、たとえばシングルダマシン法により、ビアVAが設けられている。ビアVAの側面および底面には、バリアメタルBM2が設けられている。
多孔質絶縁膜PF2上には、バリア絶縁膜IF2が設けられている。バリア絶縁層IF2上には、多孔質絶縁膜PF3が設けられている。多孔質絶縁膜PF3には、たとえばシングルダマシン法により、配線IC3が設けられている。配線IC3の側面および底面には、バリアメタルBM3が設けられている。配線IC3は、ビアVAを介して、下層に位置する配線IC1に接続している。
次に、図13から図16を用い、第3の実施形態に係る半導体装置SDの製造方法について説明する。図13から図16は、第3の実施形態に係る半導体装置SDの製造方法を説明するための断面図である。第3の実施形態に係る半導体装置SDの製造方法は、シングルダマシン法である点を除いて、第1の実施形態と同様である。
図13(a)のように、基板(不図示)上に配線IC1を有する多孔質絶縁膜PF1を形成する。次いで、多孔質絶縁膜PF1上に、バリア絶縁膜IF1を形成する。
次いで、図13(b)のように、炭化水素を含む有機シロキサン原料を用いて、バリア絶縁膜IF1上に多孔質絶縁膜PF2を形成する。次いで、図示していないが、多孔質絶縁膜PF2上に、ハードマスクHMを形成する。
次いで、図14(a)のように、たとえばRIE法により、多孔質絶縁膜PF2を選択的に除去する。これにより、多孔質絶縁膜PF2に、ビアホールVHを形成する。
次いで、図14(b)のように、ビアホールVHの側面および底面に、バリアメタルBM2を形成する。次いで、ビアホールVHに金属膜MFを形成する。次いで、Cu粒成長のために熱処理を行う。
次いで、CMP法により、金属膜MFを研磨して、ビアホールVHに金属を埋め込む。これにより、多孔質絶縁膜PF2にビアVAを形成する。このとき、ハードマスクHMを除去してもよい。また、多孔質絶縁膜PF2の表層を除去してもよい。
次いで、図15(a)のように、多孔質絶縁膜PF2上に、バリア絶縁膜IF2を形成する。次いで、バリア絶縁膜IF2上に、多孔質絶縁膜PF2と同様にして、多孔質絶縁膜PF3を形成する。
次いで、図15(b)のように、たとえばRIE法により、多孔質絶縁膜PF3を選択的に除去する。これにより、多孔質絶縁膜PF3に、溝ITを形成する。
次いで、図16のように、溝ITの側面および底面に、バリアメタルBM3を形成する。次いで、溝ITに金属膜MFを形成する。次いで、Cu粒成長のために熱処理を行う。
次いで、CMP法により、金属膜MFを研磨して、溝ITに金属を埋め込む。これにより、多孔質絶縁膜PF2に配線IC3を形成する。次いで、多孔質絶縁膜PF2上に、バリア絶縁膜IF3を形成する。
第4の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。第2の実施形態のように、シングルダマシン法を用いてもよい。
(第5の実施形態)
図17は、第5の実施形態に係る半導体装置SDの構成を示す断面図である。第5の実施形態は、基板SUBにトランジスタTR等が形成されている点を除いて、第1の実施形態と同様である。以下、詳細を説明する。
図17のように、基板SUBには、開口部を有する素子分離領域DIRが形成されている。基板SUBは、たとえば半導体基板である。具体的には、基板SUBは、シリコン基板である。
素子分離領域DIRの開口部には、トランジスタTRが形成されている。トランジスタTRは、たとえば、不純物が注入されたソース領域、ドレイン領域並びにエクステンション領域、基板SUB上に形成されたゲート絶縁膜、およびゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極を備えている(以上符号不図示)。
素子分離領域DIR上には、受動素子PDが設けられていてもよい。受動素子PDは、たとえば、ポリシリコンにより形成された抵抗素子である。
基板SUBおよび素子分離領域DIRの上には、多層配線層が形成されている。多層配線層は、第1の実施形態と同様の多孔質絶縁膜を少なくとも一層以上含んでいる。
多層配線層は、ローカル配線層LLおよびグローバル配線層GLを備えている。ローカル配線層LLは、回路を形成するための配線層であり、グローバル配線層GLは、電源配線及び接地配線を引き回すための配線層である。グローバル配線層GLの最上層は、たとえばAl配線層となっている。この配線層は、電極パッドを含んでいる。ローカル配線層LLを形成する配線層、及びグローバル配線層GLの一部の層は、ダマシン法により形成されている。
ここで、たとえば、ローカル配線層LLのうち2層目から上層の層間絶縁層は、すべて第1の実施形態と同様の多孔質絶縁膜である。また、たとえば、グローバル配線層GLのうち、最上層の配線層を除く層間絶縁層は、第1と同様の多孔質絶縁膜である。なお、全ての層間絶縁層が多孔質絶縁膜であってもよい。
第5の実施形態に係る半導体装置SDの製造方法は、基板SUBにトランジスタTR等を形成する点を除いて、第1の実施形態と同様である。
たとえば、STI(Shallow Trench Isolation)法により、基板SUBに、開口部(符号不図示)を有する素子分離領域DIRを形成する。なお、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)法により、素子分離領域DIRを形成してもよい。
次いで、基板SUB上に、ゲート絶縁層およびゲート電極を形成する。このとき、素子分離領域DIR上に受動素子PDも同時に形成する。
次いで、当該ゲート絶縁層およびゲート電極をマスクとして、基板SUBに不純物をイオン注入することにより、エクステンション領域を形成する。次いで、ゲート絶縁層およびゲート電極の側壁に側壁絶縁膜を形成する。次いで、これらをマスクとして、基板SUBに不純物をイオン注入することにより、ソース領域およびドレイン領域を形成する。以上により、トランジスタTRを形成する。
次いで、基板SUBおよび素子分離領域DIRの上に、多層配線層を形成する。多層配線層のうち、少なくとも一層の層間絶縁層として第1の実施形態の多孔質絶縁膜を形成する。
第5の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。第4の実施形態のように、基板SUBにトランジスタTR等の半導体素子が形成されていてもよい。
(第6の実施形態)
図18は、第5の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。第6の実施形態は、基板SUBにトランジスタTR等が形成されている点を除いて、第1の実施形態と同様である。以下、詳細を説明する。
図18は混載MRAM(Magnetic Random Access Memory)の断面図である。図18の半導体装置には、MTJ素子(Magnetic Tunnel Junction)100(図18(a))と、ロジック回路(図18(b))と、が混載されている。
MRAMは磁性体の磁化方向により、0、1判定をし、これにより記憶素子として動作する。一般に、磁性体の磁化が反転するモードは、反転核生成と磁壁移動の二つが有り、どちらのタイプにも適用可能であるが、本実施例では磁壁移動タイプの素子を例に説明する。
図18(a)に示すように、基板SUB上には多孔質絶縁膜160,170,180、190がこの順に積層されている。混載MRAMは、MTJ素子100を有している。MTJ素子100は、スピン吸収層112,114、磁壁移動層120、トンネルバリア層130及びピン層140をこの順に積層した構造を有している。スピン吸収層112、114の下面は、コンタクト152、154を介してそれぞれ拡散層に接続している。コンタクト152、154は、多孔質絶縁膜160に埋め込まれている。スピン吸収層112、114は、多孔質絶縁膜170に埋め込まれている。磁壁移動層120、トンネルバリア層130及びピン層140は、多孔質絶縁膜180に埋め込まれている。配線111は多孔質絶縁膜180上に形成されている。ピン層140の上面は多孔質絶縁膜180に被覆されておらず、配線111に接続している。配線111上には、ビア115及び配線116が形成されている。ビア115及び配線116は、多孔質絶縁膜190に埋め込まれている。
なお、図18(b)に示すように、ロジック領域には、ロジック回路を構成するトランジスタが形成されている。図18(b)には、そのトランジスタのソースドレイン領域117が示されている。
図18に示す混載MRAMの多孔質絶縁膜160、170、180、190として、上記した実施形態の多孔質絶縁膜を適用したデバイスと、比較例の多孔質絶縁膜を適用したデバイスのそれぞれについて、反強磁性層のヒステリシス特性を調べた。ここで、比較例では、ポロジェンとキュアプロセスを併用して空孔を導入した多孔質絶縁膜を、多孔質絶縁膜160、170、180、190として用いた。
本実施形態では、成膜温度は、350℃でとした。一方比較例では成膜温度は350℃であるが、その他に、キュアプロセス時に400℃の加熱がされている。
図19にヒステリシス特性を示す。図19(a)が実施形態の結果を示し、図19(b)が比較例の結果を示す。図19の横軸は磁場(磁界)、縦軸は抵抗比である。本実施形態では、メモリウインドウが保持される(ある範囲(メモリウインドウ)で2値を取り得る)ため、デバイスとして動作できる。一方、比較例の多孔質絶縁膜を適用した場合、メモリウインドウが見られず、2値を取ることが困難である。すなわち、比較例は、デバイスとして動作しないことが判明した。
本実施形態ではキュアプロセスを行なっていないので、プロセス温度を350℃以下とすることができるが、比較例ではキュアプロセスのため400℃の熱履歴を経ている。MTJ素子に400℃以上の熱処理を加えると、以下のような現象が起きると予想される。1つは熱処理により反強磁性層(例えばスピン吸収層112,114、磁壁移動層120、及びピン層140)の結晶構造が変化し、このため反強磁性層の磁化方向が変化し、ピン層の磁化方向が固定できなくなる。もう1つは熱処理によりトンネルバリア層130を通して金属拡散が発生し、磁壁移動層120やピン層140の磁化特性が変化してしまうことである。これらにより比較例の多孔質絶縁膜160,170,180,190を適用した際、デバイスの動作不良が発生したと考えられる。一方、本実施形態では多孔質絶縁膜160,170,180,190を形成するときには350℃までの熱履歴しか与えられないため、MTJ素子100で不良が発生せず動作すると考えられる。
なお、第3の実施形態に示した原料を用いた場合、多孔質絶縁膜を350℃以下、例えば200℃といった低温でも成長できる。第3の実施形態に示したの原料を用いることで、MTJ素子100への熱負荷をさらに抑制させることも可能である。成長温度範囲は350℃〜25℃で可能であるが、多孔質絶縁膜160,170,180,190の安定性を考慮すると200℃以上〜350℃以下の温度であることが望ましい。
このように、本実施形態において、多孔質絶縁膜160,170,180,190を成膜する工程は、ポロジェン昇華プロセスを含まず、且つ、基板温度を200℃以上350℃以下にして行う。
また、本実施形態により製造された半導体装置(デバイス)は、多孔質絶縁膜を含む多層配線層を有し、前記多孔質絶縁膜のうちの少なくとも何れか1層が、上記した実施形態に示した方法により製造された多孔質絶縁膜である。そして、多層配線層中にメモリ素子が形成され、このメモリ素子がMTJ素子100である。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
なお、以上の実施形態には、下記に示す発明も開示されている。
(付記1)
それぞれ環状SiO構造を主骨格とし互いに構造が異なる2種類以上の有機シロキサン原料を気化し、キャリアガスとともに反応炉に輸送して、且つ、酸素原子を含む酸化剤ガスを添加して、前記反応炉にてプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法又はプラズマ重合法によって多孔質絶縁膜を形成する多孔質絶縁膜形成工程を備え、
当該多孔質絶縁膜形成工程において、キャリアガスの流量に対する添加した前記酸化剤ガスの流量比が0より大きく0.08以下である半導体装置の製造方法。
(付記2)
付記1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記キャリアガスの流量に対する前記酸化剤ガスの流量比が0.005以上0.04以下である半導体装置の製造方法。
(付記3)
付記1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記酸化剤ガスは、O、CO、CO、NO、またはNOのうち少なくとも一種類以上を含む半導体装置の製造方法。
(付記4)
付記1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記有機シロキサン原料は、下記化学式(1)に示される環状有機シリカ骨格を有する半導体装置の製造方法。
Figure 0006109368
・・・・(1)
(ただし、化学式(1)において、nは2〜5であり、Rx及びRyはそれぞれ水素、不飽和炭化水素基及び飽和炭化水素基の何れかであり、前記不飽和炭化水素基および前記飽和炭化水素基の各々は、ビニル基、アリル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、およびターシャリーブチル基の何れかである。)
(付記5)
付記1に記載の半導体装置の製造方法において、
少なくとも二種類の前記有機シロキサン原料のうちnは互いに異なる半導体装置の製造方法。
(付記6)
付記1に記載の半導体装置の製造方法において、
少なくとも一種類の前記有機シロキサン原料のうちnは3である半導体装置の製造方法。
(付記7)
付記1に記載の半導体装置の製造方法において、
少なくとも二種類の前記有機シロキサン原料のうち、一方のnは3であり、他方のnは4である半導体装置の製造方法。
(付記8)
付記1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記有機シロキサン原料は、不飽和炭化水素基を有する半導体装置の製造方法。
(付記9)
付記1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記2種類以上の前記有機シロキサン原料の混合原料において、前記有機シロキサン原料の前記混合原料の1モルあたりの平均炭素数は15以上であり、
前記多孔質絶縁膜のうちFTIR(Fourier Transform Infrared Spectroscopy)法によって求められる波数1100cm−1近傍の−Si−O−Si−のピークに対する波数2900cm−1近傍のCHxのピークのピーク面積比率は0.23以上である半導体装置の製造方法。
(付記10)
付記1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記多孔質絶縁膜形成工程において、
前記有機シロキサン原料の流量に対する前記酸化剤ガスの流量比が0.1以上5以下である半導体装置の製造方法。
(付記11)
付記1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記多孔質絶縁膜形成工程において、
基板上に前記多孔質絶縁膜を形成し、当該基板を250℃以上400℃以下に加熱する半導体装置の製造方法。
(付記12)
付記1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記多孔質絶縁膜形成工程の後に、前記多孔質絶縁膜に溝またはビアホールを形成し、金属を埋め込むことにより配線またはビアを形成する工程をさらに備える半導体装置の製造方法。
(付記13)
Si、O、CおよびHと、環状SiO構造と、Siに結合した不飽和炭化水素基および分枝炭化水素基と、を含む多孔質絶縁膜と、
前記多孔質絶縁膜に設けられた配線またはビアと、
を備え、
前記多孔質絶縁膜のうちFTIR(Fourier Transform Infrared Spectroscopy)法によって求められる波数1100cm−1近傍の−Si−O−Si−のピークに対する波数2900cm−1近傍のCHxのピークのピーク面積比率は0.23以上である半導体装置。
(付記14)
付記1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記多孔質絶縁膜に含まれる前記不飽和炭化水素基はビニル基であり、
前記分枝炭化水素基はイソプロピル基である半導体装置。
SME 半導体製造装置
CMB チャンバー
SH シャワーヘッド
STG ステージ
TNK 原料リザーバータンク
VV1 バルブ
VV2 バルブ
VV3 バルブ
VV4 バルブ
VV5 バルブ
VV6 排気バルブ
PP1 配管
PPV 排気配管
MC1 液体流量コントローラ
MC2 気体流量コントローラ
MC3 気体流量コントローラ
VPR 気化器
CT 冷却トラップ
VP 真空ポンプ
MTC マッチングコントローラ
RF 高周波電源
PF1 多孔質絶縁膜
PF2 多孔質絶縁膜
PF3 多孔質絶縁膜
HM ハードマスク
DIR 素子分離領域
MF 金属膜
IC1 配線
IC2 配線
IC3 配線
VA ビア
BM1 バリアメタル
BM2 バリアメタル
BM3 バリアメタル
IF1 バリア絶縁膜
IF2 バリア絶縁膜
IF3 バリア絶縁膜
VH ビアホール
IT 溝
SD 半導体装置
SUB 基板
TR トランジスタ
PD 受動素子
LL ローカル配線層
GL グローバル配線層
100 MTJ素子
111 配線
112 スピン吸収層
114 スピン吸収層
115 ビア
116 配線
117 ソースドレイン領域
120 磁壁移動層
130 トンネルバリア層
140 ピン層
152 コンタクト
154 コンタクト
160 多孔質絶縁膜
170 多孔質絶縁膜
180 多孔質絶縁膜
190 多孔質絶縁膜

Claims (12)

  1. それぞれ環状SiO構造を主骨格とし互いに構造が異なる2種類以上の有機シロキサン原料を気化し、キャリアガスとともに反応炉に輸送して、且つ、酸素原子を含む酸化剤ガスを添加して、前記反応炉にてプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法又はプラズマ重合法によって多孔質絶縁膜を形成する多孔質絶縁膜形成工程を備え、
    当該多孔質絶縁膜形成工程において、キャリアガスの流量に対する添加した前記酸化剤ガスの流量比が0.005以上0.04以下であ半導体装置の製造方法。
  2. それぞれ環状SiO構造を主骨格とし互いに構造が異なる2種類以上の有機シロキサン原料を気化し、キャリアガスとともに反応炉に輸送して、且つ、酸素原子を含む酸化剤ガスを添加して、前記反応炉にてプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法又はプラズマ重合法によって多孔質絶縁膜を形成する多孔質絶縁膜形成工程を備え、
    当該多孔質絶縁膜形成工程において、キャリアガスの流量に対する添加した前記酸化剤ガスの流量比が0より大きく0.08以下であり、
    前記酸化剤ガスは、O、CO、CO、NO、またはNOのうち少なくとも一種類以上を含む半導体装置の製造方法。
  3. それぞれ環状SiO構造を主骨格とし互いに構造が異なる2種類以上の有機シロキサン原料を気化し、キャリアガスとともに反応炉に輸送して、且つ、酸素原子を含む酸化剤ガスを添加して、前記反応炉にてプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法又はプラズマ重合法によって多孔質絶縁膜を形成する多孔質絶縁膜形成工程を備え、
    当該多孔質絶縁膜形成工程において、キャリアガスの流量に対する添加した前記酸化剤ガスの流量比が0より大きく0.08以下であり、
    前記有機シロキサン原料は、下記化学式(1)に示される環状有機シリカ骨格を有する半導体装置の製造方法。
    Figure 0006109368
    ・・・・(1)
    (ただし、化学式(1)において、nは2〜5であり、Rx及びRyはそれぞれ水素、不飽和炭化水素基及び飽和炭化水素基の何れかであり、前記不飽和炭化水素基および前記飽和炭化水素基の各々は、ビニル基、アリル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、およびターシャリーブチル基の何れかである。)
  4. 請求項3に記載の半導体装置の製造方法において、
    少なくとも二種類の前記有機シロキサン原料のうちnは互いに異なる半導体装置の製造方法。
  5. 請求項3に記載の半導体装置の製造方法において、
    少なくとも一種類の前記有機シロキサン原料のうちnは3である半導体装置の製造方法。
  6. 請求項3に記載の半導体装置の製造方法において、
    少なくとも二種類の前記有機シロキサン原料のうち、一方のnは3であり、他方のnは4である半導体装置の製造方法。
  7. それぞれ環状SiO構造を主骨格とし互いに構造が異なる2種類以上の有機シロキサン原料を気化し、キャリアガスとともに反応炉に輸送して、且つ、酸素原子を含む酸化剤ガスを添加して、前記反応炉にてプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法又はプラズマ重合法によって多孔質絶縁膜を形成する多孔質絶縁膜形成工程を備え、
    当該多孔質絶縁膜形成工程において、キャリアガスの流量に対する添加した前記酸化剤ガスの流量比が0より大きく0.08以下であり、
    前記有機シロキサン原料は、不飽和炭化水素基を有する半導体装置の製造方法。
  8. それぞれ環状SiO構造を主骨格とし互いに構造が異なる2種類以上の有機シロキサン原料を気化し、キャリアガスとともに反応炉に輸送して、且つ、酸素原子を含む酸化剤ガスを添加して、前記反応炉にてプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法又はプラズマ重合法によって多孔質絶縁膜を形成する多孔質絶縁膜形成工程を備え、
    当該多孔質絶縁膜形成工程において、キャリアガスの流量に対する添加した前記酸化剤ガスの流量比が0より大きく0.08以下であり、
    前記2種類以上の前記有機シロキサン原料の混合原料において、前記有機シロキサン原料の前記混合原料の1モルあたりの平均炭素数は15以上であり、
    前記多孔質絶縁膜のうちFTIR(Fourier Transform Infrared Spectroscopy)法によって求められる波数1100cm−1近傍の−Si−O−Si−のピークに対する波数2900cm−1近傍のCHxのピークのピーク面積比率は0.23以上である半導体装置の製造方法。
  9. それぞれ環状SiO構造を主骨格とし互いに構造が異なる2種類以上の有機シロキサン原料を気化し、キャリアガスとともに反応炉に輸送して、且つ、酸素原子を含む酸化剤ガスを添加して、前記反応炉にてプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法又はプラズマ重合法によって多孔質絶縁膜を形成する多孔質絶縁膜形成工程を備え、
    当該多孔質絶縁膜形成工程において、キャリアガスの流量に対する添加した前記酸化剤ガスの流量比が0より大きく0.08以下であり、
    前記多孔質絶縁膜形成工程において、
    前記有機シロキサン原料の流量に対する前記酸化剤ガスの流量比が0.1以上5以下である半導体装置の製造方法。
  10. それぞれ環状SiO構造を主骨格とし互いに構造が異なる2種類以上の有機シロキサン原料を気化し、キャリアガスとともに反応炉に輸送して、且つ、酸素原子を含む酸化剤ガスを添加して、前記反応炉にてプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法又はプラズマ重合法によって多孔質絶縁膜を形成する多孔質絶縁膜形成工程を備え、
    当該多孔質絶縁膜形成工程において、キャリアガスの流量に対する添加した前記酸化剤ガスの流量比が0より大きく0.08以下であり、
    前記多孔質絶縁膜形成工程において、
    基板上に前記多孔質絶縁膜を形成し、当該基板を250℃以上400℃以下に加熱する半導体装置の製造方法。
  11. それぞれ環状SiO構造を主骨格とし互いに構造が異なる2種類以上の有機シロキサン原料を気化し、キャリアガスとともに反応炉に輸送して、且つ、酸素原子を含む酸化剤ガスを添加して、前記反応炉にてプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法又はプラズマ重合法によって多孔質絶縁膜を形成する多孔質絶縁膜形成工程を備え、
    当該多孔質絶縁膜形成工程において、キャリアガスの流量に対する添加した前記酸化剤ガスの流量比が0より大きく0.08以下であり、
    前記多孔質絶縁膜形成工程の後に、前記多孔質絶縁膜に溝またはビアホールを形成し、金属を埋め込むことにより配線またはビアを形成する工程をさらに備える半導体装置の製造方法。
  12. Si、O、CおよびHと、環状SiO構造と、Siに結合した不飽和炭化水素基および分枝炭化水素基と、を含む多孔質絶縁膜と、
    前記多孔質絶縁膜に設けられた配線またはビアと、
    を備え、
    前記多孔質絶縁膜のうちFTIR(Fourier Transform Infrared Spectroscopy)法によって求められる波数1100cm−1近傍の−Si−O−Si−のピークに対する波数2900cm−1近傍のCHxのピークのピーク面積比率は0.23以上であり、
    前記多孔質絶縁膜に含まれる前記不飽和炭化水素基はビニル基であり、
    前記分枝炭化水素基はイソプロピル基である半導体装置。
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