JP6108477B2 - 鋼材の黒皮評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼材の表面に形成された黒皮の評価方法に関するものである。
鉄筋コンクリートなどに実際に用いられる鋼材の表面には、熱処理工程をしたときに黒皮と呼ばれる酸化膜が形成されている。この黒皮は製造者によって厚みや均一性が異なり、必ずしも制御されているわけではない(例えば、非特許文献1参照。)。黒皮と鋼材は互いに結合する強度が弱いので、黒皮が鋼材から剥離することがある。黒皮の一部または全部が剥離した鋼材表面の部分(以下、「剥離部」と言う。)から鋼材内に塩化物イオンを含む水が侵入すると、鋼材の腐食が促進する可能性があることが知られている(例えば、非特許文献2参照。)。そこで従来より、黒皮の剥離の有無を調べることが行われている。黒皮の剥離の有無は肉眼や光学顕微鏡でも調べることができるが、より正確に調べる場合には高倍率での観察が可能な電子顕微鏡が用いられている。
P. Ghods, O.B. Isgor, G.A. McRae, J. Li, G.P. Gu、Microscopic investigation of mill scale and its proposed effect on the variability of chloride-induced depassivation of carbon steel rebar、Corrosion Science 53(2011)946-954 P. Ghods, O.B. Isgor, G.A. McRae, G.P. Gu、Electorochemical investigation of chloride-indused depassivation of black steel rebar under simulated service conditons、Corrosion Science 52(2010)1649-1659
しかしながら、電子顕微鏡は装置が高価な上、鋼材の前処理が必要であり、かつ、測定手順も煩雑であったので、黒皮の剥離の有無を識別するのに手間がかかっていた。
そこで、本発明は、より容易に黒皮の剥離の有無を識別することができる鋼材の黒皮評価方法を提供することを目的とする。
上述したような課題を解決するために、本発明に係る鋼材の黒皮評価方法は、黒皮が形成された鋼材と電極とを水溶液中に浸漬し、鋼材を陰極、電極を陽極として鋼材に定電流を流す第1のステップと、この第1のステップの後、鋼材に対して定荷重試験を行う第2のステップとを有することを特徴とするものである。
上記鋼材の黒皮評価方法において、第1のステップは、黒皮の抵抗と黒皮が剥離した鋼材表面の電荷移動抵抗とに基づいて鋼材に流す定電流の値を設定するようにしてもよい。
本発明によれば、黒皮が形成された鋼材と電極とを水溶液中に浸漬し、鋼材を陰極、電極を陽極として鋼材に定電流を流した後、その鋼材に対して定荷重試験を行うと、黒皮が剥離している鋼材は破断し、黒皮が剥離していない鋼材は破断しないので、黒皮の剥離の有無を容易に識別することができる。
図1は、発明の実施の形態に係る鋼材の黒皮評価方法を説明するためのフローチャートである。 図2は、鋼材に水素チャージを行うための構成を模式的に示す図である。 図3Aは、鋼材に流れる電流の密度の分布を模式的に示す図である。 図3Bは、図3Aを電気回路として表した図である。 図4は、定荷重試験の装置構成を模式的に示す図である。 図5は、定荷重試験の試験結果を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る鋼材の黒皮評価方法を説明するためのフローチャートである。
[鋼材の黒皮評価方法]
まず、黒皮が形成された鋼材(以下、単に「鋼材」と言う。)に対して水素チャージを行う(ステップS1)。この水素チャージを行うときの装置構成の一例を図2に示す。この図2に示すように、鋼材に水素チャージを行うときには、水溶液を貯留した貯留槽1と、この貯留槽1に浸漬した作用極となる鋼材2、対極3および参照極4と、これらの電極に電気的に接続され、それぞれに電力を供給する制御装置5とを用意する。そして、制御装置5により、鋼材を陰極、対極を陽極として、これらの電極間に電圧を印加することにより、鋼材に所定の値の定電流を所定の時間だけ流す、いわゆる水素チャージを行う。黒皮の一部または全部が剥離した剥離部が鋼材表面に存在する場合には、鋼材内部に水素がチャージされる。このように鋼材内に水素がチャージされる原理について、図3A,図3Bを参照して説明する。
<水素チャージの原理>
図3Aに示すように、表面に黒皮12が形成された鋼材11において、鋼材11表面から黒皮12の一部または全部が剥離した剥離部13が存在するとする。なお、図3Aに示す矢印は、鋼材表面の電流密度分布を模式的に示すものであり、矢印が大きいほど大きな電流が流れることを意味している。
このような鋼材を電極とともに水溶液中に浸漬し、鋼材に定電流が流れるように電流制御を行うと、電解液側から鋼材11に流れる定電流Iは、鋼材11の表面に形成された黒皮12から鋼材11に流れる電流Iscaleと、剥離部13によって電解液中に露出した部分の鋼材11に流れるImetalの和で表すことができる。
このような状態の鋼材は、図3Bに示すように、黒皮12の抵抗Rscaleおよび電荷移動抵抗Rct(scale)と剥離部13の電荷移動抵抗Rctとを並列に接続した回路で表すことができる。この並列回路からわかるように、鋼材11に流れる定電流Iは、黒皮12の抵抗Rscaleおよび電荷移動抵抗Rct(scale)を流れる電流Iscaleと、鋼材11の電荷移動抵抗Rctを流れるImetalの和で表すことができる。ここで、黒皮12の抵抗Rscaleは、鋼材11の電荷移動抵抗Rctよりも非常に大きい。したがって、鋼材と対極との間に電圧を印加して鋼材に電流を流すと、図3A中の矢印で示すように、その殆どは剥離部13から露出した鋼材11に流れる。すると、剥離部13で露出した鋼材11表面で水溶液の電気分解が行われ、ここから鋼材11内へと水素が侵入することにより鋼材11に水素がチャージされる。このように水素が鋼材11内に侵入することによって、鋼材の水素脆化割れが発生すると考えられている。
一方、鋼材に剥離部が存在しない場合には、鋼材表面の黒皮が均一に還元され、局所的に水素が発生することはないため、水素は局所的にはチャージされない。
ここで、鋼材としては、水素脆化割れをさせることで評価を行うため、水素脆化感受性を有する材料を用いる。
水素チャージのために鋼材を浸漬する水溶液は、酸性溶液など腐食性がある水溶液を用いると黒皮が変質するため、腐食性の少ないNaHCO3など中性〜アルカリ性の水溶液を用いることが望ましい。
水素チャージのときに鋼材と対極との間に電圧を印加して鋼材に流す定電流の電流値およびこの定電流を流す時間は、適宜自由に設定することができる。
例えば、黒皮の抵抗と剥離部の電荷移動抵抗に基づいて設定するようにしてもよい。この場合、黒皮を研磨して黒皮を全て除去した鋼材を複数用意し、所定の時間だけ流す定電流の電流値をそれぞれ変えながら複数の鋼材に対して水素チャージを行い、定荷重試験で所定の荷重をかけたときに水素脆化割れをした電流値を求める。そして、想定される剥離部の面積を適宜決定し、この剥離部に求めた電流値が流れるように鋼材に流す電流値を設定することができる。このとき、鋼材を溶液に浸漬したときの抵抗値と黒皮を全て除去した鋼材の抵抗値と比較し、抵抗は剥離部の面積に反比例すると仮定して剥離部の面積を見積もるようにしてもよい。
<定荷重試験>
次に、ステップS1の後、鋼材に対して定荷重試験を行う(ステップS2)。この定荷重試験は、鋼材に所定の値の引っ張り荷重を所定時間加えることにより行われる。この引張試験は、例えば図4に示すように、鋼材2の一端を把持するチャック21と鋼材2の他端を把持するチャック22とを、互いに離間する方向に移動させて、鋼材2に所定の値の引っ張り荷重を印加することにより行われる。
このような定荷重試験によって鋼材が破断するか否かを確認することにより、剥離部の有無を識別することができる。
定荷重試験によって鋼材が破断した場合には、その鋼材に剥離部が存在していたと考えられる。すなわち、ステップS1で水素チャージを行ったときに剥離部から露出した鋼材表面で水素が発生し、鋼材内部に水素脆化割れが生じて鋼材の破壊強度が低下したので、定荷重試験で破断したものと考えられる。
一方、鋼材が破断しない場合には、その鋼材に剥離部が存在していないと考えられる。
[実施例]
次に、本発明の実施例について説明する。以下では、実施例として、引っ張り強度σB1450MPa、φ9mmの一般的な高強度鋼(Fe−0.25%Si)を対象の鋼材として、本発明の鋼材の黒皮評価方法を実施した評価結果について説明する。
まず、1wt%チオシアン酸アンモニウムを添加した1M(モル)のNaHCO3水溶液を電解質水溶液として用いた。また、参照極として銀塩化銀電極、対極として白金線を用い、鋼材は作用極とした。これらの電極構成で、−50[μA/cm2]に制御した電流を24時間流した。この後、定荷重試験で0.90σBの荷重を加えた。図5に定荷重試験の結果を示す。
同じ条件で定電流を流した鋼材に対して定荷重試験を4回実施し、3回は破断し、1回は破断しなかった。破断した鋼材それぞれには黒皮表面に微小な剥離部があり、ここに電流が集中して局所的に水素が発生して水素脆化割れが生じたので、破断したものと考えられる。一方、破断しなかった鋼材には、剥離部が観察されなかった。このため、電流の集中が発生せず、水素脆化割れさせるほどの水素が発生しなかったと考えられる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、黒皮が形成された鋼材に対して水素チャージを行った後に定荷重試験を行うと、黒皮が剥離している鋼材は定荷重試験で破断するので、黒皮の剥離の有無を容易に識別することができる。
本発明は、黒皮が形成された鋼材を用いる各種方法に適用することができる。
1…貯留槽、2…鋼材、3…電極、4…対極、11…本体、12…黒皮、13…剥離部、21,22…チャック。

Claims (2)

  1. 黒皮が形成された鋼材と電極とを水溶液中に浸漬し、前記鋼材を陰極、前記電極を陽極として前記鋼材に定電流を流す第1のステップと、
    この第1のステップの後、前記鋼材に対して定荷重試験を行う第2のステップと
    を有することを特徴とする鋼材の黒皮評価方法。
  2. 請求項1記載の鋼材の黒皮評価方法において、
    前記第1のステップは、前記黒皮の抵抗と前記黒皮が剥離した鋼材表面の電荷移動抵抗とに基づいて前記鋼材に流す定電流の値を設定する
    ことを特徴とする鋼材の黒皮評価方法。
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