JP2017211217A - 耐食性の評価方法およびめっき製品の修復方法 - Google Patents

耐食性の評価方法およびめっき製品の修復方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐食性をより十分な精度で評価することができる耐食性の評価方法を提供すること。【解決手段】金属基材1および該金属基材表面に形成され、該金属基材を構成する金属よりもイオン化傾向が高い金属を含有するめっき層2を有するめっき基材10において、前記めっき層2表面に非導電性ポリマー層11を形成する工程;該非導電性ポリマー層11表面から前記金属基材1に達する欠陥13を形成する工程;および該欠陥13が形成された非導電性ポリマー被覆基材20を用いてカソード分極を行い、カソード電流値を経時的にモニタリングする工程を含む、耐食性の評価方法。【選択図】図3

Description

本発明は、耐食性の評価方法、特に金属基材の表面にめっき層を有するめっき基材の耐食性の評価方法、およびめっき製品の修復方法に関する。
自動車部品としては、鋼板の表面に亜鉛めっき層を形成した亜鉛めっき鋼板が一般的に使用されている。亜鉛めっき層に含まれる亜鉛は、鋼板に含まれる鉄よりも、高いイオン化傾向を示すため、引っかき傷(スクラッチ)が付与されて鋼板が露出したとき、亜鉛めっき層は犠牲防食性能および保護皮膜形成能を有し、耐食性を発揮する。
一方、耐食性の評価方法として、引っかき傷(スクラッチ)を設けた後、交流インピーダンス法により腐食抵抗を電気化学的に測定する方法が知られている(特許文献1)。
特開2010−174273号公報
上記のような亜鉛めっき鋼板を従来の電気化学的方法に適用し、耐食性を評価しようとした場合、厳密には、図14に示すように、スクラッチ103の内部表面からの電流103aのみを測定する必要がある。この電流値が小さいほど、スクラッチ103の内部表面に酸化皮膜104が十分に形成されており、亜鉛めっき鋼板110は優れた耐食性を有する。
しかしながら、本発明の発明者等は、上記のような方法では、スクラッチ103の内部表面からの電流103aだけでなく、亜鉛めっき層102の表面からの電流102aも測定されるため、耐食性を十分な精度で評価できない、という新たな問題を見い出した。
自動車の軽量化には、ハイテン材料(高張力鋼板)などの鋼板が有用である。このような鋼板表面にめっき層を有するめっき基材は、他の鋼板を用いためっき基材よりも、腐食に対して鋭敏に水素脆性および強度低下をもたらすため、上記の問題はより深刻であった。
本発明は、耐食性をより十分な精度で評価することができる耐食性の評価方法を提供することを目的とする。
本発明は、
金属基材および該金属基材表面に形成され、該金属基材を構成する金属よりもイオン化傾向が高い金属を含有するめっき層を有するめっき基材において、前記めっき層表面に非導電性ポリマー層を形成する工程;
該非導電性ポリマー層表面から前記金属基材に達する欠陥を形成する工程;および
該欠陥が形成された非導電性ポリマー被覆基材を用いてカソード分極を行い、カソード電流値を経時的にモニタリングする工程を含む、耐食性の評価方法に関する。
本発明の耐食性の評価方法によれば、めっき層表面に非導電性ポリマー層が形成され、めっき層表面から流れる電流が十分に低減されるため、めっき基材の耐食性をより十分な精度で評価することができる。
本発明の耐食性の評価方法により耐食性を有するものと評価されためっき基材は、実使用環境下で金属基材に達する引っかき傷(スクラッチ)が形成されても、犠牲防食性能および保護皮膜形成能に優れているため、良好な自己修復性を有している。
本発明の耐食性の評価方法は、金属基材としてハイテン材料(高張力鋼板)を用いた場合に特に有用である。
本発明の耐食性の評価方法により評価されるめっき基材の概略断面図を示す。 導電性ポリマー層の形成工程において導電性ポリマー層が形成された非導電性ポリマー被覆基材の概略断面図を示す。 欠陥形成工程において欠陥が形成された非導電性ポリマー被覆基材の概略断面図を示す。 欠陥形成工程における欠陥形成方法を説明するための非導電性ポリマー被覆基材の概略斜視図を示す。 カソード電流値のモニタリング工程を説明するためのモニタリング装置の概略構成図を示す。 ポテンシャルステップ・ボルタンメトリー法によりカソード分極を行うときの電位の波形を示すグラフの一例である。 カソード電流値の読み取り方法を説明するためグラフの一例である。 1回のカソード分極時に2段階で印加される電位の波形を示すグラフの一例である。 図8Aに示すような2段階で電位が印加されるときのカソード電流値の読み取り方法を説明するためグラフの一例である。 カソード分極においてめっき基材または金属基材をそれぞれ用いたときの電流−電位曲線の一例を示す。 図3に示す非導電性ポリマー被覆基材および比較基材を用いて電位−1.1Vでモニタリング工程を実施したときのカソード電流値の経時的変化(それぞれ折れ線Q1およびR1)を示すグラフの一例である。 図3に示す非導電性ポリマー被覆基材および比較基材を用いて電位−1.2Vでモニタリング工程を実施したときのカソード電流値の経時的変化(それぞれ折れ線Q2およびR2)を示すグラフの一例である。 モニタリング工程を説明するための非導電性ポリマー被覆基材の概略構成図を示す。 欠陥形成工程において欠陥を形成された非導電性ポリマー被覆基材の欠陥をその深さ方向から撮影したSEM写真を示す。 モニタリング工程における保護皮膜の形成過程において非導電性ポリマー被覆基材の欠陥をその深さ方向から撮影したSEM写真の一例を示す。 従来の耐食性の評価方法を説明するためのめっき基材の概略断面図を示す。
[耐食性の評価方法]
本発明に係る耐食性の評価方法は、金属基材表面にめっき層を有するめっき基材の耐食性を評価するための方法である。本発明に係る耐食性の評価方法は電気化学的方法に属し、本方法においては、めっき層表面に非導電性ポリマー層を形成した後、非導電性ポリマー層表面から金属基材に達する欠陥を形成し、カソード電流値を経時的にモニタリングする。このようなモニタリングにおけるカソード電流値の低下が、当該欠陥の内側表面での保護皮膜の形成を意味し、当該めっき基材が耐食性、例えば自己修復性を有していることを示す。
めっき基材の耐食性とは、めっき基材が腐食に抵抗する特性のことであり、特に欠陥が形成されて当該欠陥が金属基材に達していても、めっき基材が腐食に対して抵抗し得る特性のことである。耐食性は自己修復性を包含する概念で用いるものとする。自己修復性とは、金属基材に達する欠陥が形成されても、めっき基材が自ら当該欠陥の内側表面に保護皮膜を形成することにより、欠陥を修復するような挙動を示す特性のことである。
本発明に係る耐食性の評価方法では、全工程を通して、めっき基材を1つだけ用いることで足りるため、本方法は極めて経済的である。
本発明に係る耐食性の評価方法は、非導電性ポリマー層の形成工程、欠陥形成工程およびカソード電流値のモニタリング工程を含む。以下、本発明に係る耐食性の評価方法における各工程を、図面を用いて詳しく説明するが、図面における各種の要素は、本発明の理解のために模式的かつ例示的に示したにすぎず、外観および寸法比などは実物と異なり得る。本明細書で直接的または間接的に用いる“上下方向”、“左右方向”および“表裏方向”はそれぞれ、図中における上下方向、左右方向および表裏方向に対応した方向に相当する。特記しない限り、同じ符号または記号は、同じ部材または同じ意味内容を示すものとする。
(非導電性ポリマー層の形成工程)
本工程においては、めっき基材のめっき層表面に非導電性ポリマー層を形成する。
めっき基材10は、図1に示すように、金属基材1および当該金属基材表面に形成されためっき層2を有する。金属基材1は、金属を含むあらゆる基材であってよく、通常、鉄を含み、所望により、炭素、ケイ素、マンガン、リン、硫黄等を含んでもよい。金属基材において、炭素の含有量は1重量%以下、特に0.8重量%以下であり、ケイ素、マンガン、リン、硫黄等の含有量はそれぞれ0.5重量%以下、特に0.3重量%以下であり、残部が鉄である。
金属基材1としては、自動車部品の分野においては、鋼板が好ましく、より好ましくはいわゆる炭素鋼板、特に高張力鋼板(ハイテン材料)である。
めっき層2は、金属基材1を構成する金属よりもイオン化傾向が高い金属を含有する。金属基材1が鋼板である場合、金属基材1を構成する金属とは鉄のことである。鉄よりもイオン化傾向が高い金属として、例えば、亜鉛、アルミニウムおよびマグネシウムからなる群から選択される1種以上の金属が挙げられる。このようなめっき層2に含有されるイオン化傾向が高い金属は後述のモニタリング工程において欠陥の内側表面に保護皮膜として酸化物の形態で析出する。
めっき層2は、後述する欠陥の内側表面での保護皮膜の形成の観点から、亜鉛めっき層であることが好ましい。亜鉛めっき層とは、亜鉛を含むめっき層のことであり、好ましくは亜鉛合金層である。
めっき層2の形成方法としては、あらゆるめっき法を採用してもよく、例えば、いわゆる電気めっき法、無電解めっき法および溶融めっき法等の湿式めっき法;ならびにいわゆる真空めっき法(物理気相成長法(PVD法))、化学蒸着法(CVD法)および衝撃めっき法等の乾式めっき法が挙げられる。好ましくは乾式めっき法、特に衝撃めっき法である。衝撃めっき法は、中心部(例えば鉄核)の外殻部にめっき層の構成金属粒子を有する複合粒子を被処理物(金属基材1)に投射することにより、めっき層(皮膜)を形成する方法である。
めっき層2には修復剤が含まれていてもよい。修復剤とは、後述する欠陥が形成されたとき、めっき層2から滲出して当該欠陥の内側表面に保護皮膜として修復剤皮膜を形成する薬剤のことである。めっき層2に修復剤が含まれる場合、欠陥の内側表面に形成される保護皮膜は、めっき層2に含有されるイオン化傾向が高い金属の酸化物および当該修復剤から構成される。修復剤としては、あらゆる有機系修復剤および無機系修復剤が使用できる。有機系修復剤としては、例えば、CONa、CNH、オレイン酸ナトリウム、アミノトリス(メチレンホスホン酸)(ATMP)、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。無機系修復剤としては、例えば、硝酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、フッ化ナトリウム、二酸化珪素(例えばコロイダルシリカ)、酸化バナジウム(例えば五酸化二バナジウム)、硫酸亜鉛、クロム酸カリウム、ケイ酸ナトリウム(例えばメタケイ酸ナトリウム)等が挙げられる。
めっき層2の厚みは特に限定されず、例えば、1μm以上であってもよく、通常は1〜50μm、特に3〜10μmである。
非導電性ポリマー層11は、図2に示すように、めっき層2の表面に形成され、非導電性ポリマー被覆基材20を得る。非導電性ポリマー層11は、非導電性を有する限り、あらゆるポリマー層であってもよい。本発明において、非導電性とは、体積抵抗率が約10Ω・cm以上である絶縁性のことである。このような非導電性ポリマー層は、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、シリコーン樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂からなる群から選択される1種以上のポリマーから構成される。評価時の精度の観点から、非導電性ポリマー層は、エポキシ樹脂から構成されることが好ましい。非導電性ポリマー層を形成しない場合、および非導電性ポリマー層の代わりに導電性ポリマー層を形成する場合、後述のモニタリング工程においてカソード電流値の経時的変化を十分に検知できないため、耐食性を精度よく評価することができない。
非導電性ポリマー層11の形成方法は、特に限定されず、例えば、所定のポリマーを溶媒に溶解したポリマー溶液をめっき層2の表面に塗布し、溶媒を乾燥すればよい。塗布方法としては、ポリマー被覆の分野で知られているあらゆる塗布方法が使用可能であり、例えば、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等が挙げられる。
非導電性ポリマー層11の厚みは、評価時において非導電性を確保できる限り特に限定されず、例えば、10μm以上であってよく、通常は20〜200μm、特に20〜50μmである。
(欠陥形成工程)
本工程においては、非導電性ポリマー被覆基材20において、図3に示すように、非導電性ポリマー層11表面から欠陥13を形成する。欠陥13は非導電性ポリマー層11表面から金属基材1に達する深さを有するものであり、引っかき傷(スクラッチ)ともいう。欠陥13が金属基材1に達する深さを有さない場合、金属基材1が露出しないため、耐食性を評価する必要がない。また後述のモニタリング工程においてカソード電流値が経時的に変化しない。
欠陥13は、図3においてV字形状を有するが、これに限定されず、不定形状を有していてもよい。後述のモニタリング工程におけるカソード電流値の経時的変化の検知容易性の観点から、欠陥13は断面において略V字形状を有する。
欠陥13の寸法は、後述のモニタリング工程においてカソード電流値の経時的変化を検知可能な限り特に限定されない。例えば、金属基材1での欠陥13の深さd(図3)は10μm以上であってよく、通常は10〜200μm、特に10〜100μmである。また例えば、欠陥13の幅w(図3)は5μm以上であってよく、通常は10〜100μm、特に5〜50μmである。また例えば、欠陥13の長さ(図3における表裏方向の長さ)は4mm以上であってよく、通常は4〜10mmである。
欠陥13の形成方法は、上記のような欠陥を形成可能な限り特に限定されない。例えば、図4に示すように、刃物に300gの荷重を加え、0.9mm/秒で引くことにより、欠陥13を形成することができる。
(モニタリング工程)
本工程においては、欠陥が形成された非導電性ポリマー被覆基材(以下、「試験片」という)を用いてカソード分極を行い、カソード電流値を経時的にモニタリングする。詳しくは試験片を作用電極51として用い、図5に示す装置50を用いて、腐食液52中、カソード分極を行い、カソード電流値を測定する。腐食液52は、金属基材1との接触により金属腐食を起こし得る液体である限り特に限定されず、例えば、塩化ナトリウム水溶液が使用される。塩化ナトリウム水溶液における塩化ナトリウムの濃度は特に限定されず、例えば0.005重量%以上であり、通常は0.005〜10重量%(特に3.5重量%)であってもよい。腐食液の温度は特に限定されず、例えば0℃以上であり、通常は10〜100℃(特に35℃)であってもよい。対極53および参照電極54は作用電極51においてカソード分極を行うことができる限り特に限定されず、対極53としては例えば白金電極を、参照電極54としては例えばAg/AgCl電極を用いてもよい。
具体的には、試験片51を、空気飽和させた腐食液52に予め浸漬し、自然電位で保護皮膜を形成した後、ポテンショスタット55を用いて、カソード分極を行い、カソード電流値を経時的にモニタリングする。モニタリング時間の短縮の観点からは、上記のように予備的な浸漬による保護皮膜の形成を行ってもよいが、モニタリング時においても保護皮膜は形成されるため、予備的な浸漬は必ずしも行わなければならないというわけではない。予備的な浸漬時間は特に限定されず、例えば、1時間以上であり、通常は1〜12時間(特に6時間)であってもよい。本工程により、別環境で形成した皮膜の耐性を調べることもできる。
カソード分極とは、作用電極51(試験片)において、還元反応を優位に起こさせる電気的操作のことであり、通常は電極電位が腐食電位より卑な電位になるようにすればよい。電極電位の値は参照電極54に対する値である。還元反応は、欠陥13の内側表面において、例えば以下の反応式に基づいて起こる。
カソード分極およびモニタリングは継続して連続的に行ってもよいが、保護皮膜の破壊防止の観点から、間欠的に行うことが好ましい。カソード分極およびモニタリングを間欠的に行うとは、カソード分極によるカソード電流値の測定およびその後のカソード分極の休止からなる操作を繰り返すという意味である。
保護皮膜の破壊防止の観点から、より好ましくは、カソード分極をポテンシャルステップ・ボルタンメトリー法によりパルス状に行い、モニタリングする。詳しくは試験片51の電極電位が図6に示すようなパルス状の波形を示すように、カソード分極を行い、カソード電流値を測定する。例えば、図6に示すように、試験片51の電位が定常時の腐食電位Vよりも低い負の値の電位となるように、数分間のカソード分極60を数十分間隔で繰り返し行い、カソード電流値の測定を当該カソード分極の都度に行う。1回あたりのカソード分極時間tは特に制限されず、例えば1分間以上であり、通常は1〜3分間(特に2分間)であってもよい。カソード分極の間隔(すなわちカソード分極の休止時間)tは特に制限されず、例えば10分以上であり、通常は30分〜2時間(特に60分間)であってもよい。図6は、ポテンシャルステップ・ボルタンメトリー法によりカソード分極を行うときの電位の波形を示すグラフの一例である。
各回のカソード分極においては、電荷が初期に充填された後、放電が起こり、電流が流れ続けるため、結果として図7に示すような波形でカソード電流が生じる。カソード電流値の測定は、カソード電流値が定常値に戻る直前のショルダー値Isを読み取ることによって行うことが好ましい。これにより、安定したカソード電流値を測定することができるためである。図7はカソード電流値の読み取り方法を説明するためグラフの一例である。
各回のカソード分極時に印加される電位は、図6において一定であるが、図8Aに示すような2段階または3段階以上の多段階で異なる電位を印加してもよい。各回のカソード分極時に、図8Aに示すような2段階で異なる電位が印加されるとき、第1段階のカソード電流値の測定は、図8Bに示すように第2段階目の電位が印加される直前のショルダー値Iを読み取ることによって行うことが好ましい。第2段階のカソード電流値の測定は、図8Bに示すようにカソード電流値が定常値に戻る直前のショルダー値Iを読み取ることによって行うことが好ましい。このように多段階で異なる電位を印加することにより、より一層、安定したカソード電流値を測定することができるとともに、異なる電位でのカソード電流値の経時的変化を容易に観測することができる。電位印加後は通常、図8Aに示すように徐々に上昇する。図8Aは、1回のカソード分極時に2段階で印加される電位の波形を示すグラフの一例である。図8Bは、図8Aに示すような2段階で電位が印加されるときのカソード電流値の読み取り方法を説明するためグラフの一例である。
各回のカソード分極時に一定または多段階で印加される電位は、試験片51でカソード分極が起こるような電位であれば特に限定されず、例えば、負の値の電位である。より好ましい印加電位は、めっき層2を流れる電流値が金属基材1を流れる電流値と比較して無視できる程度に小さくなるような電位である。詳しくは印加電位は、めっき層2を流れる電流値が金属基材1を流れる電流値の好ましくは1/40以下、より好ましくは1/50以下、さらに好ましくは1/100以下となるような電位である。2段階以上の多段階で電位を印加する場合、各段階で印加される電位がそれぞれ上記範囲内であることが好ましく、より好ましくは後段階においては、その直前の段階の電位の絶対値よりも大きな絶対値の電位を印加する。
例えば、金属基材1を用いたときの電流−電位曲線およびめっき基材10を用いたときの電流−電位曲線を求め、図9に示すようなグラフが得られるとき、以下の方法により、印加電圧を決定することができる。
(1)図9において、−1.1Vのとき、めっき基材の電流値は約0.02μA、金属基材の電流値は約1μAであるので、めっき層2を流れる電流値は金属基材1を流れる電流値の約1/50である。
(2)また−1.2Vのとき、めっき基材の電流値は約0.03μA、金属基材の電流値は約4μAであるので、めっき層2を流れる電流値は金属基材1を流れる電流値の約1/133である。
(3)また−1.4Vのとき、めっき基材の電流値は約0.5μA、金属基材の電流値は約20μAであるので、めっき層2を流れる電流値は金属基材1を流れる電流値の約1/40である。
(4)従って、印加電位は−1.1〜−1.4Vが好ましく、より好ましくは−1.1〜−1.3Vであり、さらに好ましくは−1.15〜−1.25Vである。
このような電位を用いることにより、めっき層断面から流れる電流がより一層、十分に低減されるため、めっき基材の耐食性をより一層、十分な精度で評価することができる。
酸素の還元電位と水素の還元電位とは異なるため、カソード分極の電位を制御することにより、酸素または水素に対する保護皮膜の特性を評価することができる。詳しくは、印加電位が例えば上記のような−1.1〜−1.4Vの範囲内にあるとき、その絶対値が小さいほど酸素の還元反応が優先的に起こる。他方、電位の絶対値が大きいほど水素の還元反応が優先的に起こる。また水素原子の直径は酸素原子よりも小さい。このため、電位の絶対値が大きいほど、きめ(texture)の細かい保護皮膜の耐食性の評価に適している。
カソード電流値を経時的にモニタリングするとは、カソード電流値を継続的または間欠的に測定し、カソード電流値の経時的変化を検知するという意味である。モニタリングによるカソード電流値の測定結果の一例を図10Aおよび図10Bそれぞれの折れ線Q1およびQ2に示す。このようなモニタリングにおいて、カソード電流値が低下したら、めっき基材10は耐食性を有するものと判定される。めっき基材10が耐食性を有する場合、モニタリング工程において、図11に示すように、欠陥13の内側表面に保護皮膜14が形成される。当該保護皮膜14はめっき層2に含有されるイオン化傾向が高い金属の酸化物、または当該酸化物と修復剤との混合物から構成されるため、欠陥13の内側表面からカソード電流が流れ難くなる。このため、カソード電流値が低下するめっき基材10は耐食性を有するものと判定される。耐食性を有さないめっき基材は、モニタリング工程において、欠陥の内側表面に保護皮膜が十分に形成されないため、カソード電流値は低下しない。図10Aは、図3に示す非導電性ポリマー被覆基材および比較基材を用いて電位−1.1Vでモニタリング工程を実施したときのカソード電流値の経時的変化(それぞれ折れ線Q1およびR1)を示すグラフの一例である。図10Bは、図3に示す非導電性ポリマー被覆基材および比較基材を用いて電位−1.2Vでモニタリング工程を実施したときのカソード電流値の経時的変化(それぞれ折れ線Q2およびR2)を示すグラフの一例である。なお、比較基材は、図10Aおよび図10Bに共通して、めっき層を形成しなかったこと以外、図3に示す非導電性ポリマー被覆基材と同様である。
カソード電流値の低下は、モニタリング中での保護皮膜の剥離によっても起こるため、耐食性の評価精度のさらなる向上の観点から、カソード電流値が8時間以上、好ましくは10時間以上連続して低下したら、当該めっき基材は耐食性を有するものと判定することが好ましい。例えば、図10Aの折れ線Q1において連続低下時間は約10時間であり、図10Bの折れ線Q2において連続低下時間は約12時間である。このとき、同観点から、連続低下率は、低下直前のカソード電流値に対して20%以上、特に30%以上を達成していることが好ましい。例えば、図10Aの折れ線Q1において連続低下率は約32%であり、図10Bの折れ線Q2において連続低下率は約43%である。
連続低下時間は以下の式により算出される値である。
はカソード電流値が連続して低下し始める直前の浸漬時間である。
はカソード電流値が連続して低下する最後の浸漬時間である。
連続低下率は以下の式により算出される値である。
はカソード電流値が連続して低下し始める直前のカソード電流値である。
はカソード電流値が連続して低下する最後のカソード電流値である。
欠陥13の内側表面に保護皮膜14が形成されていることは、モニタリング工程の前と、当該モニタリング工程における電流値の連続的低下の後とで、非導電性ポリマー被覆基材の欠陥の内部をその深さ方向から撮影したSEM写真を比較することからも、容易に確認できる。欠陥形成工程において欠陥が形成された非導電性ポリマー被覆基材の欠陥をその深さ方向から撮影したSEM写真の一例を図12に示す。モニタリング工程における保護皮膜の形成過程において非導電性ポリマー被覆基材の欠陥をその深さ方向から撮影したSEM写真の一例を図13に示す。図12と図13との比較により、欠陥の内側表面に保護皮膜が形成されていることがわかる。モニタリング工程では、いつ保護皮膜が形成されたかがわかる。例えば、電流値の連続的低下が保護皮膜の形成を示す。また例えば、電流値の連続的低下の終了が保護皮膜の形成の完了を示す。
欠陥13の内側表面に前記した所定の保護皮膜14が形成されていることは、欠陥13の内側表面のEDS(エネルギー分散型X線分光器)による元素分析によっても、容易に確認することができる。
本発明に係る耐食性の評価方法において、めっき層2に修復剤を含有させた場合およびめっき層2に修復剤を含有させなかった場合について、カソード電流値を経時的にモニタリングする。これにより、当該修復剤の耐食性をより十分な精度で評価することができる。換言すると、修復剤によるめっき基材の耐食性(例えば自己修復性)を十分な精度で評価することができる。
詳しくは、めっき層2に修復剤を含有させた場合におけるモニタリング工程でのカソード電流値の低下(例えば連続低下率)が、めっき層に修復剤を含有させなかった場合よりも大きいと、当該修復剤が耐食性を有していることが明らかである。このとき、当該修復剤によりめっき基材の耐食性(例えば自己修復性)は向上している。
めっき層2への修復剤の含有は以下の態様により達成されてもよい。
(i)めっき層2が金属粒子間に隙間を有する場合においてめっき層が当該めっき層内の隙間に修復剤を有する態様;
(ii)めっき層2が金属基材1とは反対側の面に修復剤の層を有する態様;および
(iii)上記(i)および(ii)の複合態様。
[めっき製品の修復方法]
本発明は、前記した耐食性の評価方法を用いる、めっき製品の修復方法も提供する。めっき製品とは、前記した非導電性ポリマー層の形成工程において得られるものであり、詳しくは金属基材1、めっき層2および非導電性ポリマー層11を有するめっき製品である。このようなめっき製品に対して欠陥が形成されたとき、前記耐食性の評価方法を利用して、当該欠陥を修復することができる。
具体的には、本発明に係るめっき製品の修復方法も、非導電性ポリマー層の形成工程、欠陥形成工程およびモニタリング工程を含む。本発明の修復方法における非導電性ポリマー層の形成工程、欠陥形成工程およびモニタリング工程は、以下に特記しない限り、それぞれ前記した耐食性の評価方法における非導電性ポリマー層の形成工程、欠陥形成工程およびモニタリング工程と同様である。
本発明の修復方法の非導電性ポリマー層の形成工程においては、前記耐食性の評価方法における非導電性ポリマー層の形成工程と同様の方法により、金属基材1、めっき層2および非導電性ポリマー層11を有するめっき製品を得る。
本発明の修復方法の欠陥形成工程は、通常、偶発的に起こる工程であり、結果として前記耐食性の評価方法における欠陥形成工程と同様の方法により、めっき製品に対して、非導電性ポリマー層表面から金属基材に達する欠陥が形成される。
めっき製品に欠陥が形成されたら、本発明の修復方法のモニタリング工程において、前記耐食性の評価方法におけるモニタリング工程と同様の方法により、カソード電流値が低下するまで、欠陥が形成されためっき製品を用いてカソード分極を行う。好ましくはカソード電流値が8時間以上、より好ましくは10時間以上連続して低下するまで、カソード分極を行う。本工程においては、前記耐食性の評価方法におけるモニタリング工程と同様に、カソード電流値が低下し、めっき基材10が耐食性を有するものと判定されたら、カソード分極(モニタリング工程)を終了する。これにより、欠陥の内側表面に保護皮膜を精度よく形成することができる。カソード分極が長すぎると、保護皮膜が剥離する。
[実施例1:試験片Aの製造および評価]
(非導電性ポリマー層の形成工程)
まず、図1に示すように、金属基材1の表面に、めっき層2として亜鉛めっき層を衝撃めっき法により厚み3μmにて形成し、めっき基材10を得た。金属基材1は、炭素鋼板(ハイテン材料)(12mm×12mm)であり、炭素の含有量は0.5重量%、ケイ素の含有量は0.02重量%、マンガンの含有量は0.2重量%、リンの含有量は0.1重量%、硫黄の含有量は0.1重量%であり、残部が鉄であった。
次いで、図2に示すように、めっき基材10のめっき層2表面にエポキシ樹脂溶液を塗布および乾燥することにより、非導電性ポリマー層11としてエポキシ樹脂層を厚み40μmで形成し、非導電性ポリマー被覆基材20を得た。
(欠陥形成工程)
非導電性ポリマー被覆基材20において、図4に示すように、刃物に300gの荷重を加え、0.9mm/秒で引くことにより、図3に示すように、非導電性ポリマー層11表面から金属基材1に達する欠陥13を形成し、試験片Aを得た。欠陥13の深さd(図3)は約100μm、幅w(図3)は約50μm、長さ(図3における表裏方向の長さ)は約8mmであった。
(モニタリング工程(耐食性の評価))
図5に示す装置50において、まず、試験片Aを作用電極51として用い、空気飽和させた腐食液(塩化ナトリウム水溶液;濃度3.5重量%、35℃)52に5分間浸漬して、自然電位を計測した。対極53としては白金電極を、参照電極54としてはAg/AgCl電極を用いた。
次いで、試験片A(作用電極51)を腐食液52に浸漬したまま、作用電極51の電極電位が図6に示すようなパルス状の波形を示すように、カソード分極をポテンシャルステップ・ボルタンメトリー法により行い、当該カソード分極の都度、カソード電流値を測定した。図6において、1回あたりのカソード分極時間tは2分間であり、カソード分極の間隔(すなわちカソード分極の休止時間)tは60分間であった。より詳しくは、各回のカソード分極時において電位は、図8Aに示すような2段階で印加した。図8Aにおいて、V=−1.1V、V=−1.2V、Vの印加時間=1分間、Vの印加時間=1分間。電位VおよびVのときのカソード電流値として、それぞれ、図8BにおけるIおよびIを測定した。カソード電流値の測定結果を図10Aおよび図10Bそれぞれの折れ線Q1およびQ2として示した。
図10Aの折れ線Q1において、連続低下時間は約10時間(x=23時間、x=33時間)であり、連続低下率は約32%であった。連続低下時間は上記したように「x−x」で表される値である。連続低下率は上記したように「{(y−y)/y}×100」で表される値である。
図10Bの折れ線Q2において、連続低下時間は約12時間(x=26時間、x=38時間)であり、連続低下率は約43%であった。
これらの結果より、試験片Aおよび当該試験片Aを構成するめっき基材10は耐食性を有するものと判定された。本実施例においては、2種類の電位(−1.1Vおよび−1.2V)によるカソード電流値の測定結果より、耐食性を評価したが、1種類の電位によるカソード電流値の測定結果のみからでも、耐食性は評価できる。
欠陥13の内側表面に保護皮膜14が形成されていることは、モニタリング工程の前と、当該モニタリング工程における電流値の連続的低下の後とで、非導電性ポリマー被覆基材の欠陥の内部をその深さ方向から撮影したSEM写真を比較することから、容易に確認できた。欠陥形成工程において欠陥を形成された非導電性ポリマー被覆基材の欠陥をその深さ方向から撮影したSEM写真を図12に示す。モニタリング工程においてカソード分極開始から50時間後において、非導電性ポリマー被覆基材の欠陥をその深さ方向から撮影したところ、図13と同程度に保護皮膜が形成されていた。
[比較例1:試験片Bの製造および評価]
めっき層を形成することなく、金属基材の表面に非導電性ポリマー層を形成したこと以外、実施例1の試験片Aの製造方法と同様の方法により、試験片Bを製造した。
試験片Bを用いたこと以外、実施例1と同様の方法により、モニタリング工程を実施した。カソード電流値の測定結果を図10Aおよび図10Bそれぞれの折れ線R1およびR2として示した。
図10Aの折れ線R1および図10Bの折れ線R2において、カソード電流値は8時間以上連続して低下しなかったため、試験片Bおよび当該試験片Bを構成する金属基材は耐食性を有さないものと判定された。
モニタリング工程の前後で欠陥の内部をその深さ方向から撮影したSEM写真を比較しても、欠陥の内側表面には保護皮膜は形成されていなかった。
[参考例:モニタリング工程における電位の決定方法]
実施例1で使用した金属基材1およびめっき基材10を用いた。
作用電極51として金属基材1またはめっき基材10を用いたこと以外、実施例1と同様の方法により、モニタリング工程を実施し、電流−電位曲線を求めた。なお、モニタリング工程においては、電極電位がパルス状の波形を示すようにカソード分極を行う代わりに、カソード分極電位を変化させながら、カソード電流値を測定した。得られた電流−電位曲線を図9に示した。
図9において、−1.1Vのとき、めっき基材の電流値は約0.02μA、金属基材の電流値は約1μAであったので、めっき層2を流れる電流値は金属基材1を流れる電流値の約1/50である。また−1.2Vのとき、めっき基材の電流値は約0.03μA、金属基材の電流値は約4μAであったので、めっき層2を流れる電流値は金属基材1を流れる電流値の約1/133である。
上記いずれの電位のときでも、めっき層2を流れる電流値が金属基材1を流れる電流値と比較して無視できる程度に小さいため、モニタリング工程における電位を−1.1Vまたは−1.2Vに決定した。
本発明に係る耐食性の評価方法は、めっき基材の耐食性の評価に有用である。
本発明に係る耐食性の評価方法は、修復剤の耐食性の評価およびめっき製品の修復にも有用である。
1:金属基材
2:めっき層
10:めっき基材
11:非導電性ポリマー層
13:欠陥(引っかき傷)
14:保護皮膜
20:非導電性ポリマー被覆基材

Claims (19)

  1. 金属基材および該金属基材表面に形成され、該金属基材を構成する金属よりもイオン化傾向が高い金属を含有するめっき層を有するめっき基材において、前記めっき層表面に非導電性ポリマー層を形成する工程;
    該非導電性ポリマー層表面から前記金属基材に達する欠陥を形成する工程;および
    該欠陥が形成された非導電性ポリマー被覆基材を用いてカソード分極を行い、カソード電流値を経時的にモニタリングする工程を含む、耐食性の評価方法。
  2. 前記カソード分極を間欠的に行う、請求項1に記載の耐食性の評価方法。
  3. 前記カソード分極をポテンシャルステップ・ボルタンメトリー法によりパルス状に行う、請求項1または2に記載の耐食性の評価方法。
  4. 数分間の前記カソード分極を数十分間隔で行う、請求項1〜3のいずれかに記載の耐食性の評価方法。
  5. 1〜3分間の前記カソード分極を30分〜2時間の間隔で行う、請求項1〜4のいずれかに記載の耐食性の評価方法。
  6. 前記モニタリング工程において、前記欠陥の内側表面に保護皮膜が形成される、請求項1〜5のいずれかに記載の耐食性の評価方法。
  7. 前記経時的にモニタリングされるカソード電流値が低下したら、前記めっき基材は耐食性を有すると判定する、請求項1〜6のいずれかに記載の耐食性の評価方法。
  8. 前記カソード電流値が8時間以上連続して低下したら、前記めっき基材は耐食性を有すると判定する、請求項7に記載の耐食性の評価方法。
  9. 前記耐食性が自己修復性である、請求項1〜8のいずれかに記載の耐食性の評価方法。
  10. 前記めっき基材を1つだけ用いて、前記全工程を行う、請求項1〜9のいずれかに記載の耐食性の評価方法。
  11. 前記非導電性ポリマー層がエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、シリコーン樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂からなる群から選択される1種以上のポリマーから構成される、請求項1〜10のいずれかに記載の耐食性の評価方法。
  12. 前記金属基材が鋼板である、請求項1〜11のいずれかに記載の耐食性の評価方法。
  13. 前記めっき層が鉄よりもイオン化傾向が高い金属を含有する、請求項12に記載の耐食性の評価方法。
  14. 前記めっき層が亜鉛、アルミニウムおよびマグネシウムからなる群から選択される1種以上の金属を含有する、請求項12または13に記載の耐食性の評価方法。
  15. 前記めっき層が亜鉛めっき層である、請求項12〜14のいずれかに記載の耐食性の評価方法。
  16. 前記めっき層が修復剤を含む、請求項1〜15のいずれかに記載の耐食性の評価方法。
  17. 請求項1〜16のいずれかに記載の耐食性の評価方法を用いる、めっき製品の修復方法。
  18. 前記非導電性ポリマー層の形成工程において、前記金属基材、前記めっき層および前記非導電性ポリマー層を有するめっき製品を得る工程;
    前記欠陥形成工程において、前記めっき製品に、前記非導電性ポリマー層表面から前記金属基材に達する欠陥が偶発的に形成される工程;
    前記モニタリング工程において、前記カソード電流値が低下するまで、該欠陥が形成されためっき製品を用いてカソード分極を行うモニタリング工程を含む、請求項17に記載のめっき製品の修復方法。
  19. 前記モニタリング工程において、前記カソード電流値が8時間以上連続して低下するまで、カソード分極を行う、請求項18に記載のめっき製品の修復方法。
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