JP6108125B2 - 一体型積層シート製造システムおよび一体型積層シート製造方法 - Google Patents

一体型積層シート製造システムおよび一体型積層シート製造方法 Download PDF

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高分子を含む原料液から静電気力によりナノファイバを生成させる電界紡糸機構を利用してフィルタなどの一体型積層シートを製造するシステムおよび製造方法に関する。
不織布などに用いられる繊維状物質の製造方法として、静電延伸現象(エレクトロスピニング)を利用する電界紡糸法が知られている。静電延伸現象とは、溶媒中に高分子樹脂などの溶質を分散または溶解させた原料液を、空間中に流出もしくは噴射させるとともに、原料液に電荷を付与して帯電させたときに、空間を飛行中の原料液が電気的に延伸され、ナノファイバを生成する現象である。静電延伸現象によれば、サブミクロンスケールやナノスケールの繊維径を有するナノファイバの製造が可能である。
特許文献1では、静電延伸現象を利用して、繊維径50〜900nmのナノファイバを生成させ、目付質量0.01〜1.0g/m2の不織布を形成し、これを内燃機関などに用いられる燃料用フィルタとして用いることを提案している。ここで、静電延伸現象を利用する従来のフィルタの製造工程は、主要な2つの工程を有している。1つは、電界紡糸により生成させたナノファイバを、コレクタ部材である基材シートに不織布として堆積させ、これを捲き取る工程である。他方は、不織布としてシート化されたナノファイバに、保護シートを積層し、熱圧着によりナノファイバと保護シートを一体化させる工程である。
特開2009−28617号公報
しかしながら、上記のような2つの工程を経て製造されたフィルタは、厚みが不均一となることがあり、その結果、フィルタの集塵効率も低下するという問題がある。このような不具合は、不織布としてシート化されたナノファイバを一旦捲き取ることに起因すると考えられる。すなわち、捲き取られた不織布の表面は、先に捲き取られた基材シートの裏面と接触することとなるため、基材シートの裏面にナノファイバが付着し、その後、捲き出された不織布の厚みにばらつきが生じるものと考えられる。
また、従来のフィルタなどの一体型積層シートの製造工程は、上記2つの工程を別ラインで行っていたため、捲き取りや捲き出しの工程が多く、リードタイムが長くなり、生産効率が低いという問題もある。
上記に鑑み、本発明の一局面は、ラインの上流から下流に基材シートを搬送し、搬送される前記基材シートの主面に多孔質層を形成し、続いて前記多孔質層の表面に保護シートを配置してフィルタなどの一体型積層シートを製造するシステムであって、
(i)前記基材シートを前記ラインに供給する、基材シート供給装置と、
(ii)原料液から静電気力によりナノファイバを生成させる電界紡糸機構を有し、搬送される前記基材シートの上方で前記ナノファイバを生成させ、前記生成したナノファイバを、前記基材シートの主面に堆積させて多孔質層を形成する、多孔質層形成装置と、
(iii)前記多孔質層形成装置の下流に配置され、搬送される前記多孔質層の表面に、前記多孔質層を覆うように保護シートを配置する、保護シート供給装置と、を具備し、
前記電界紡糸機構は、
前記基材シート供給装置の下流に配置され、前記ナノファイバを生成させる第1電界紡糸ユニットと、
前記第1電界紡糸ユニットの下流に配置され、前記ナノファイバを生成させる第2電界紡糸ユニットと、を有し、
前記第1電界紡糸ユニットにより生成される前記ナノファイバの繊維径は、前記第2電界紡糸ユニットにより生成される前記ナノファイバの繊維径より小さい、フィルタ製造システムに関する。
本発明の他の一局面は、ラインの上流から下流に基材シートを搬送し、搬送される前記基材シートの主面に多孔質層を形成し、続いて前記多孔質層の表面に保護シートを配置して一体型積層シートを製造する一体型積層シート製造方法であって、
(i)前記基材シートを前記ラインに供給する、基材シート供給工程と、
(ii)原料液から静電気力によりナノファイバを生成させる電界紡糸工程を有し、搬送される前記基材シートの上方で前記ナノファイバを生成させ、前記生成したナノファイバを、前記基材シートの主面に堆積させて多孔質層を形成する、多孔質層形成工程と、
(iii)前記多孔質層形成工程の後に、搬送される前記多孔質層の表面に、前記多孔質層を覆うように保護シートを配置する、保護シート供給工程と、を有し、
前記電界紡糸工程は、
前記ナノファイバを生成させる第1電界紡糸工程と、
前記第1電界紡糸工程の後に行われる、前記ナノファイバを生成させる第2電界紡糸工程と、を有し、
前記第1電界紡糸工程において生成される前記ナノファイバの繊維径は、前記第2電界紡糸工程において生成される前記ナノファイバの繊維径より小さい、一体型積層シート製造方法に関する。
本発明によれば、電界紡糸により生成させたナノファイバを、基材シートに不織布(多孔質層)として堆積させる工程と、不織布(多孔質層)としてシート化されたナノファイバに、保護シートを積層し、熱圧着により、基材シートとナノファイバと保護シートとを一体化させる工程と、を連続して行うことができるため、不織布としてシート化されたナノファイバを一旦捲き取る必要がない。従って、厚みが均一な一体型積層シートを製造することが可能である。また、一体型積層シートの製造にかかるリードタイムを従来よりも短縮することができ、生産効率を高めることができる。
本発明の製造システムまたは製造方法によれば、例えば、厚みが均一で集塵効率の高いフィルタを効率的に製造することができる。
本発明の一実施形態に係る一体型積層シート製造システムの構成を概略的に示す図である。 同製造システムが具備する多孔質層形成装置の構成を概略的に示す上面図である。 本発明の別の実施形態に係る一体型積層シート製造システムの構成を概略的に示す図である。 一体型積層シートであるフィルタの一例の構成を概略的に示す断面図である。 一体型積層シートであるフィルタの別の例の構成を概略的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る一体型積層シート製造システムの制御部と各装置との関係を示すブロック図である。
本発明の一体型積層シート製造システムは、ラインの上流から下流に基材シートを搬送し、搬送される基材シートの主面に多孔質層(不織布)を形成し、続いて多孔質層の表面に保護シートを配置して、フィルタなどの一体型積層シートを製造するシステムである。本発明の一体型積層シート製造システムでは、基材シートの主面に多孔質層を形成した後、保護シートと一体化されるまでの間に、基材シートと多孔質層とが一緒に捲き取られることがない。従って、多孔質層の表面が基材シートの裏面と接触することがなく、多孔質層の厚みにばらつきが生じにくい。
ここで、基材シートとしては、特に限定されないが、例えば、帯状の樹脂シート、紙シート、布シート、ガラス繊維シートなどが用いられる。樹脂シートを構成する樹脂としては、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど)などを用いることができる。基材シートは、例えば集塵などに用いられるフィルタの一部を構成する場合には、多孔質構造を有している。フィルタの性能は、主に基材シートと保護シートの間に介在する多孔質層の構造に依存する。従って、多孔質構造を有する基材シートの空隙率などは特に限定されない。基材シートは、多孔質層の強度を補ったり、取り扱い性を向上させたりできる材料であればよい。
本発明の一実施形態に係る一体型積層シート製造システムは、(i)基材シート供給装置と、(ii)多孔質層形成装置と、(iii)多孔質層形成装置の下流に配置される保護シート供給装置と、(iv)保護シート供給装置の下流に配置される熱圧着装置と、(v)熱圧着装置から送り出される一体型積層シートを回収する回収装置と、を具備する。これらの装置は、ラインの上流から下流に上記の順序で配置されており、基材シートは搬送コンベアなどの搬送装置により、上流から下流に搬送される。
基材シート供給装置(i)は、例えば、ロール状に捲回された長尺の基材シートを捲き出して、ラインの最上流に供給する。多孔質層形成装置(ii)は、原料液から静電気力によりナノファイバを生成させる電界紡糸機構を有する。電界紡糸機構は、搬送される基材シートの上方でナノファイバを生成させる。生成したナノファイバは、搬送されている基材シートの主面に堆積して多孔質層(不織布)を形成する。多孔質層形成装置(ii)の下流に配置されている保護シート供給装置(iii)は、搬送されている多孔質層の表面に、多孔質層を覆うように保護シートを配置する。これにより、基材シートと多孔質層と保護シートとを含む積層シート前駆体が形成される。保護シート供給装置(iii)の下流に配置されている熱圧着装置(iv)は、搬送されている積層シート前駆体を加熱しながら積層方向に加圧して、基材シートと多孔質層と保護シートとを一体化させる。これにより、多層構造の一体型積層シートが形成される。熱圧着装置(iv)から送り出される一体型積層シートは、所定の回収装置(v)により、例えばロール状に捲き取られて、回収される。
ここで、多孔質層形成装置が具備する電界紡糸機構の構成は、特に限定されない。電界紡糸機構の一例は、原料液を収容する収容部を具備するとともに原料液を一定の方向に放出する放出口を有する放出体と、放出された原料液を帯電させる帯電手段と、原料液から空間中で生成されるナノファイバを収集するコレクタ部とを備えている。コレクタ部は、搬送されている基材シートにナノファイバが堆積されるように構成されている。放出体は、例えば、ナノファイバを生成させる空間の上方に配置され、コレクタ部は同空間の下方に配置される。
電界紡糸機構は、静電延伸現象によりナノファイバを生成させる機構である。具体的には、上記のような放出体から原料液が放出されると、空間中に流出され、帯電した原料液からは、空間を飛行中に徐々に溶媒が蒸発していく。これにより、飛行中の原料液の体積は徐々に減少していくが、原料液に付与された電荷は、原料液に留まる。その結果、空間を飛行中の原料液の電荷密度は、徐々に上昇することとなる。そして、原料液の電荷密度が高まり、原料液の中に発生する反発方向のクーロン力が原料液の表面張力よりも勝った時点で、原料液が爆発的に線状に延伸される現象が生じる。この現象が静電延伸現象である。静電延伸現象によれば、繊維径がサブミクロンからナノオーダーのナノファイバを効率よく製造することができる。
原料液の状態、放出体の構成、帯電手段により形成される電界の大きさなどにより、生成するナノファイバの繊維径は変化する。従って、電界紡糸機構を複数のユニットに分割し、各ユニットで、それぞれ異なるナノファイバを生成させることもできる。すなわち、電界紡糸機構は、ラインの上流側に配置された第1電界紡糸ユニットと、ラインの下流側に配置された第2電界紡糸ユニットと、を有していてもよい。このような電界紡糸機構を用いる場合には、厚み方向において、繊維径が変化する多孔質層を形成することができる。なお、電界紡糸ユニットの数は特に限定されず、3つ以上の電界紡糸ユニットを用いることもできる。
複数の電界紡糸ユニットを用いる場合には、例えば、上流側に配置される第1電界紡糸ユニットにより生成されるナノファイバの繊維径を、第2電界紡糸ユニットにより生成されるナノファイバの繊維径よりも意図的に大きくすることができる。逆に、上流側に配置される第1電界紡糸ユニットにより生成されるナノファイバの繊維径を、第2電界紡糸ユニットにより生成されるナノファイバの繊維径よりも意図的に小さくすることもできる。
上記一体型積層シート製造システムは、基材シート供給装置と、多孔質層形成装置との間に、更に、基材シートの主面に接着剤を塗布する接着剤塗布装置を具備してもよい。基材シートに接着剤を塗布することで、基材シートに多孔質層をより確実に固定することができ、完成品である一体型積層シートの強度を高めることができる。
次に、本発明の一実施形態に係る一体型積層シート製造方法は、ラインの上流から下流に基材シートを搬送し、搬送される基材シートの主面に多孔質層を形成し、続いて多孔質層の表面に保護シートを配置して一体型積層シートを製造する方法である。より具体的には、上記製造方法は、(i)基材シートをナノファイバ形成空間に供給する工程と、(ii)ナノファイバ形成空間において、原料液から静電気力によりナノファイバを生成させるとともに、生成したナノファイバを基材シートの主面に堆積させて多孔質層を形成する工程と、(iii)多孔質層の表面に、多孔質層を覆うように、保護シートを配置して、積層シートを形成する工程と、(iv)積層シートを加熱しながら積層方向に加圧して、基材シートと多孔質層と保護シートとを接合させる工程と、を具備する。また、上記製造方法は、(v)完成した一体型積層シートを回収する工程を有してもよい。
上記製造方法では、基材シートの主面に多孔質層を形成する工程(ii)と、多孔質層の表面に保護シートを配置する工程(iii)との間で、基材シートと多孔質層とが捲き取られることがなく、多孔質層の表面が基材シートの裏面と接触することがない。
ここで、多孔質層を形成する工程(ii)では、基材シートの主面に、繊維径の異なる複数種のナノファイバを順次堆積させる工程であってもよい。例えば、主面に堆積させるナノファイバの繊維径を、基材シート側から順次に細くしてもよい。このようなグラデーションを設ける方法としては、例えば、既に述べたように、異なる繊維径のナノファイバを生成する複数の電界紡糸ユニットを用いればよい。
多孔質層を形成する工程(ii)の前に、基材シートの主面に接着剤を塗布する工程を行ってもよい。その場合、基材シートの主面に、接着剤をドット状に点在させることが好ましい。例えば、接着剤を霧状にして、基材シートの主面に吹きかけるようにして塗布することが好ましい。このような方法であれば、霧状になった接着剤を含む粒子が、基材シートの主面に点状に付着するため、接着剤の量が過剰になるのを防止することができる。
積層シート前駆体を形成する工程(iii)では、保護シートの多孔質層との対向面に、予め、接着剤を塗布しておいてもよい。あるいは、保護シートの多孔質層との対向面を多孔質層に接触させる直前に、当該対向面に接着剤を塗布してもよい。
なお、「ナノファイバ」とは、高分子物質からなる繊維径が例えば10〜100nmの糸状物質を言う。また、ナノファイバは、種々の添加剤を含んでもよい。高分子物質としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などのフッ素樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステルカーボネート、ポリカプロラクトン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアクリルニトリル、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−メタクリレート共重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニリデン−アクリレート共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−m−フェニレンテレフタレート、ポリ−p−フェニレンイソフタレートなどのポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンオキサイド等の石油樹脂や、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリ酢酸ビニル、ポリペプチドなどのバイオポリマーなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
ナノファイバの原料液は、高分子物質を溶媒に溶解した溶液である。溶媒は、溶解させる高分子物質に応じて、適切なものを選択すればよいが、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジベンジルアルコール、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、メチル−n−プロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、アセトン、ヘキサフルオロアセトン、フェノール、ギ酸、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、塩化メチル、塩化エチル、塩化メチレン、クロロホルム、o−クロロトルエン、p−クロロトルエン、クロロホルム、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロプロパン、ジブロモエタン、ジブロモプロパン、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、酢酸、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、シクロペンタン、o−キシレン、p−キシレン、m−キシレン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキシド、ピリジン、水などを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
原料液には、無機質固体材料を添加してもよい。無機質固体材料としては、酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物、珪化物、弗化物、硫化物等を挙げることができるが、製造されるナノファイバの耐熱性、加工性などの観点から酸化物を用いることが好ましい。酸化物としては、Al23、SiO2、TiO2、Li2O、Na2O、MgO、CaO、SrO、BaO、B23、P25、SnO2、ZrO2、K2O、Cs2O、ZnO、Sb23、As23、CeO2、V25、Cr23、MnO、Fe23、CoO、NiO、Y23、Lu23、Yb23、HfO2、Nb25等を例示することができる。これらは単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
原料液における溶媒と高分子物質との混合比率は、選定される溶媒の種類と高分子物質の種類により異なるが、溶媒量は60質量%から95質量%であることが望ましい。
次に、図面を参照しながら、本発明の一体型積層シート製造システムについて説明するが、以下のシステムは本発明を限定するものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る一体型積層シート製造システムの構成を概略的に示す図である。
図1の製造システム100は、一体型積層シートを製造するための製造ラインを構成している。製造システム100では、基材シートが製造ラインの上流から下流に搬送される。搬送途中の基材シートには、多孔質層の形成や保護シートの供給などが随時行われる。
製造システム100の最上流には、ロール状に捲回された基材シートSを内部に収容した基材シート供給装置20が設けられている。基材シート供給装置20は、ロール状の基材シートSを捲き出して、自身の下流側に隣接する別の装置に基材シートSを供給する。具体的には、基材シート供給装置20は、モータ24により供給リール22を回転させて、供給リール22に捲回された基材シートSを第1搬送コンベア21に供給する。
捲き出された基材シートSは、第1搬送コンベア21により、接着剤塗布装置30に移送される。接着剤塗布装置30は、基材シートSを上流側から下流側(図1中、矢印の方向)に搬送する第2搬送コンベア31と、その上方に設定された接着剤吐出ノズル32とを具備する。接着剤吐出ノズル32には、接着剤33とともに吐出ガスが供給される。接着剤33は、ノズル32と連通する第1ポンプ34の圧力により、接着剤タンク33aから接着剤吐出ノズル32まで供給される。吐出ガスは、外部に備えられたガスボンベ35からフローコントローラー(図示せず)などを経由して、接着剤吐出ノズル32まで供給される。接着剤吐出ノズル32から放出される接着剤33は、吐出ガスの圧力により霧状になって基材シートSの主面Saに供給される。
接着剤としては、特に限定されないが、熱により粘着性を発現するホットメルト接着剤が好ましく、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリオレフィン、熱可塑性エラストマー、ポリアシド系樹脂、ポリエステル、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂などを用いることができる。基材シートSの主面Saに接着剤33を塗布することで、基材シートSの主面Saに後工程で堆積されるナノファイバからなる多孔質層を、より確実に固定することができる。
なお、接着剤塗布装置30は、必須ではなく、基材シートSの主面Saに、直接、ナノファイバを堆積させることもできる。その場合、基材シートSの主面Saには、予め接着剤を塗布しておくことが望ましい。供給リール22に捲回された状態の基材シートSが予め接着剤を含んでいる場合でも、接着剤が乾燥状態であれば、基材シートS同士の接合を防止できる。また、基材シートSに堆積した直後のナノファイバは、溶剤を含んでいるため、乾燥状態の接着剤は、溶剤により湿潤して、粘着性を発現することができる。
接着剤塗布装置30から搬出された基材シートSは、多孔質層形成装置40に移送される。多孔質層形成装置40は、電界紡糸機構を具備する。より具体的には、電界紡糸機構は、装置内の上方に設置された原料液を放出するための放出体42と、放出された原料液を帯電させる帯電手段と、放出体42と対向するように基材シートSを上流側から下流側に搬送する第3搬送コンベア41と、を備えている。第3搬送コンベア41は、基材シートSとともにナノファイバを収集するコレクタ部として機能する。
帯電手段は、放出体42に電圧を印加する電圧印加装置43と、第3搬送コンベア41と平行に設置された対電極44とで構成されている。対電極44は接地されている。これにより、放出体42と対電極44との間には、電圧印加装置43により印加される電圧に応じた電位差(例えば20〜200kV)を設けることができる。なお、帯電手段の構成は、特に限定されず、例えば、対電極44は必ずしも接地しなくてもよい。また、対電極44を設ける代わりに、第3搬送コンベア41のベルト部分を導体から構成するなどしてもよい。
放出体42は、導体で構成されており、長尺の形状を有し、その内部は中空になっている。中空部は原料液45を収容する収容部となる。放出体42の基材シートSと対向する側には、複数の放出口が、一定の間隔で、規則的な配列で設けられている。原料液45は、放出体42の中空部と連通する第2ポンプ46の圧力により、原料液タンク45aから放出体42の中空に供給される。そして、原料液45は、第2ポンプ46の圧力により、複数の放出口から基材シートSの主面Saに向かって放出される。放出された原料液は、帯電した状態で放出体42と第3搬送コンベア41との間の空間を移動中に静電爆発を起し、ナノファイバを生成する。生成したナノファイバは、静電誘引力によって基材シートSの主面Saに誘引され、そこで堆積する。これにより、ナノファイバからなる多孔質層(不織布)が形成される。
第3搬送コンベア41の最も上流側には、基材シートSの主面Saと接触するスキージ47を設けてもよい。スキージ47により、ナノファイバを堆積させる前の基材シートSの主面Saの凹凸や皺を除くことができる。これにより、基材シートSは、第3搬送コンベア41のベルト部分の表面に密着する。従って、ナノファイバは、基材シートSの主面Saに、部分的に集中することなく、均一に堆積する。よって、形成される多孔質層の表面は平坦な状態になり、多孔質層の厚みが均一になりやすい。
第3搬送コンベア41のベルト部分は、誘電体であってもよい。上記のように、ベルト部分が導体で構成されている場合には、放出体42の放出口に近いコレクタ部にナノファイバが、やや集中して堆積する傾向がある。ナノファイバをより均一にコレクタ部に分散させる観点からは、第3搬送コンベア41のベルト部分を誘電体により形成することがより望ましい。ベルト部分を誘電体により形成した場合には、ベルト部分の内周面(基材シートSと接触する面の反対側の面)に、対電極44を接触させてもよい。このような接触により、ベルト部分の内部で誘電分極が起こり、基材シートSとの接触面に一様な電荷が発生する。これにより、ナノファイバが基材シートSの主面Saの一部に集中して堆積する可能性が更に低減される。
図2は、多孔質層形成装置40の構成を概略的に示す上面図である。
多孔質層形成装置40では、放出体42が基材シートSの移動方向(図2中の白抜き矢印の方向)に対して斜めに交わるように設置されている。このように放出体42を斜めに設置することで、第3搬送コンベア41と放出体42との対向面積が大きくなるため、多孔質層の生産性を高めることが可能である。なお、放出体42と矢印との成す鋭角θは、特に限定されないが、30〜60°程度とすることが、生産性を十分に向上させる上で好ましい。放出体42は、多孔質層形成装置40の上方に設置された基材シートSの移動方向と平行な第1支持体48から下方に延びる第2支持体49により、自身の長手方向が基材シートSの主面Saと平行になるように支持されている。
放出体42の基材シートSの主面Saと対向する側には、原料液の放出口42aが複数箇所設けられている。放出口42aを規則的なパターンで放出体42に配列させることで、基材シートSの主面Saに堆積するナノファイバの量を、主面Saの広い領域に渡って均一化することができる。放出体42の放出口42aと、基材シートSとの距離は、一体型積層シート製造システムの規模にもよるが、例えば、100〜600mmであればよい。
図1では、多孔質層形成装置40が1台だけ設けられており、かつ1台の多孔質層形成装置40が有する放出体42の数は2つであるが、多孔質層形成装置40の台数や、1台の多孔質層形成装置40が具備する放出体42の数は、特に限定されない。例えば、図3に示すように、2台の多孔質層形成装置40を連続するように設けた製造システム200を構成してもよい。すなわち、2台の多孔質層形成装置40の組みを、1つの電界紡糸機構として機能させてもよい。この場合、電界紡糸機構は、ラインの上流側に配置された第1電界紡糸ユニット40Aと、ラインの下流側に配置された第2電界紡糸ユニット40Bとを有すると考えることができる。
なお、上記製造システムは、各装置が分離可能なように構成されている。そのため、各装置の台数を変更することは容易である。同様に、製造システムから接着剤塗布装置20を除いたり、あるいは、追加的機能を有する図示しない装置を、いずれかの隣接装置間に介在するように配置することもできる。
電界紡糸機構が、ラインの上流側に配置された第1電界紡糸ユニットと、ラインの下流側に配置された第2電界紡糸ユニットとを有する場合、各電界紡糸ユニットにより、同じナノファイバを生成させてもよく、異なるナノファイバを生成させてもよい。同じナノファイバを生成させる場合には、例えば、多孔質層の厚みを大きくしたり、製造ラインを移動する基材シートSのスピードを速めて、製造タクトを向上させたりすることができる。また、異なるナノファイバを生成させる場合には、例えば、繊維径の異なるナノファイバを生成させることにより、複数層の異なる繊維層からなる多孔質層を形成することができる。
ここで、上流側に配置される第1電界紡糸ユニットにより生成されるナノファイバの繊維径を、第2電界紡糸ユニットにより生成されるナノファイバの繊維径よりも意図的に大きくすれば、多孔質層の基材シートS側を繊維径の大きいナノファイバにより構成することができ、保護シート側を繊維径の小さいナノファイバにより構成することができる。このような構造の多孔質層は、集塵フィルタの一部として有効に機能する。繊維径の大きいナノファイバで構成された繊維層は、比較的大きな細孔を有することから、大きな粒子を補足するのに適している。一方、繊維径の小さいナノファイバで構成された繊維層は、比較的小さな細孔を有することから、微粒子を補足するのに適している。このように、複数層の異なる構造の繊維層を積層することで、フィルタの性能を高めることが可能である。
なお、複数層の異なる繊維層からなる多孔質層を形成する場合、異なる繊維層の数は、特に限定されないが、2〜5層が好ましく、2〜3層がより一般的である。
図1において、多孔質層形成装置40の出口付近(多孔質層形成装置40の下流)には、基材シートSと第3搬送コンベアとが離間(剥離)するときに起こり得るスパークの発生を抑制するために、基材シートSを除電する除電装置を設けてもよい。また、多孔質層形成装置40と、これに隣接する各装置との間の窓部近傍には、ナノファイバ形成空間で生成したナノファイバが外部に放出されないように、ナノファイバを吸引する吸引ダクトを設けてもよい。
多孔質層形成装置40から搬出された基材シートSは、より下流側に配置されている保護シート供給装置50に移送される。すなわち、多孔質層を担持する基材シートSは、その状態で捲き取られたりすることなく、平坦に引き延ばされた状態のままで、保護シート供給装置50に移動する。
保護シート供給装置50は、搬送されている多孔質層の表面に、多孔質層を覆うように保護シートPを配置する。これにより、基材シートSと多孔質層と保護シートPとを含む積層シート前駆体が形成される。具体的には、保護シート供給装置50は、ロール状に捲回された保護シートPを収容している。保護シートPは、基材シートSの移動方向と垂直に交わる回転軸を有し、かつ基材シートSと平行な周面を有する搬送ローラ52aによって捲き出される。捲き出された保護シートPは、多孔質層が形成された基材シートSを搬送する第4搬送コンベア51との間に小さなギャップを形成する搬送ローラ52bにより、多孔質層に対して押圧され、積層される。
ここで、保護シートPとしては、特に限定されないが、例えば、基材シートと同じく、帯状の樹脂シート、紙シート、布シート、ガラス繊維シートなどが用いられる。保護シートPがフィルタの一部を構成する材料である場合には、多孔質構造を有するシートが用いられる。
次に、基材シートSと多孔質層と保護シートPとを含む積層シート前駆体は、より下流側に配置されている熱圧着装置60に移送される。熱圧着装置60により積層シート前駆体を厚み方向に加圧しながら加熱することで、基材シートSと多孔質層と保護シートPとが一体化され、一体型積層シートが完成する。
保護シートPには、加熱により粘着性を発現する接着剤を含ませることが好ましい。例えば、保護シートPの多孔質層との対向面に、予め接着剤を塗布しておくことが好ましい。このような接着剤としては、例えば、基材シートSの主面Saに塗布したのと同じ接着剤を用いることができるが、特に限定されない。
熱圧着装置60の構成は、特に限定されないが、例えば、基材シートSの移動方向と垂直に交わる回転軸を有し、かつ基材シートSと平行な周面を有する一対の熱ロール61a、61b間のギャップに積層シート前駆体を通過させることで、基材シートSと多孔質層と保護シートPとを一体化させることができる。このときの加熱温度は、特に限定されないが、ナノファイバの耐熱性や、基材シートSに塗布されている接着剤が粘着性を発現する温度、保護シートPが有する接着剤が粘着性を発現する温度等を考慮して、例えば80〜150℃程度とすればよい。なお、保護シートPが接着剤を含まない場合には、保護シート供給装置50において、捲き出された直後の保護シートPの多孔質層との対向面に接着剤を塗布する塗布装置を併設してもよい。
完成した一体型積層シートFは、搬送ローラ71を介して、回収装置70に回収される。回収装置70は、搬送されてくる一体型積層シートFを捲き取る回収リール72を内蔵している。回収リール72はモータ74により回転駆動される。
図4に、完成した一体型積層シートの一例の構成を概略的に示す。一体型積層シート4Fは、基材シートSと保護シートPとの間に、単層の繊維層からなる多孔質層80を具備する。このような一体型積層シートを上記製造システムもしくは製造方法により製造する場合、多孔質層80が形成された後、保護シートPを積層する前の基材シートSが捲き取られることがない。すなわち、基材シートの裏面に多孔質層が付着して、積層厚みが変化し、多孔質層の厚みが不均一になるということがない。そのため、一体型積層シート4Fは、厚みが均一となりやすい。このような一体型積層シート4Fは、集塵効率の高いフィルタとして有用である。
図5に、一体型積層シートの別の一例の構成を概略的に示す。一体型積層シート5Fは、基材シートSと保護シートPとの間に、2層の繊維層からなる多孔質層90を具備する。基材シートSと接する繊維層91および保護シートPと接する繊維層92は、互いに繊維径の異なるナノファイバにより形成されている。このようなフィルタは、例えば、図2に示すような一体型積層シート製造システムを用いて、基材シートSの主面Saに繊維層91と繊維層92を順次堆積させることにより得ることができる。
図1に示すような製造システムでは、基材シート供給装置20と、一体型積層シートを回収する回収装置70とを回転させるモータ24、74を、製造ラインを通過する基材シートSの搬送速度が一定になるような回転速度に制御される。これにより、基材シートSは、所定のテンションを維持しつつ搬送される。このような制御は、図6に示すように、製造システム100に備えられた制御装置10によって行われる。制御装置10は、製造システム100のを構成する各装置を統括的に制御し、管理できるように構成されている。
熱圧着装置60とフィルタ回収装置70との間には、予備回収部を配置してもよい。予備回収部は、製造ラインを通過する基材シートSのテンションを維持しつつ、完成された一体型積層シートFの回収装置70による回収が容易となるように設けられる。具体的には、予備回収部では、熱圧着装置60から移送されてくる完成した一体型積層シートFを、一定の長さまでは捲き取らずに弛んだ状態で回収する。その間、回収装置70の回収リール72は回転させずに停止させておく。そして、予備回収部により回収された弛んだ状態の一体型積層シートFの長さが一定の長さになる度に、回収装置70の回収リール72を所定時間だけ回転させて、回収リール72により一体型積層シートFを捲き取る。このような予備回収部を設けることで、基材シート供給装置20とフィルタ回収装置70が具備するモータ24、74の回転速度を厳密に連動させて制御する必要がなくなり、製造システム100の制御装置を簡略化することができる。
なお、上記の一体型積層シート製造システムは、本発明の一体型積層シート製造方法を実施するために用いることができる製造システムの一例に過ぎない。本発明の一体型積層シート製造方法は、ラインの上流から下流に基材シートを搬送し、搬送される基材シートの主面に多孔質層を形成し、続いて、多孔質層が形成された基材シートSを捲き取ることなく、多孔質層の表面に保護シートを配置する工程を有する限り、特に限定されない。
従って、基材シートをナノファイバ形成空間に供給する工程は、基材シート供給装置によりロール状の基材シートSを捲き出して、製造ラインの最上流に基材シートSを供給する工程に限定されない。例えば、基材シートSを製造する装置と一体化された製造ラインを用いることもできる。その場合、製造された直後の基材シートSを、そのまま接着剤塗布装置や多孔質層形成装置に供給してもよい。
また、多孔質層を形成する工程についても、所定のナノファイバ形成空間において、原料液から静電気力によりナノファイバを生成させ、生成したナノファイバを基材シートSの主面に堆積させる工程であれば、どのような電界紡糸機構を用いてもよい。例えば、放出体の形状は、特に限定されない。放出体の長手方向に垂直な断面の形状は、上方から下方に向かって次第に小さくなる形状(V型ノズル)であってもよい。また、放出体を回転体により構成してもよい。具体的には、放出体を、自転車用タイヤのチューブのような中空の環状体に形成し、当該中空に原料液を収容してもよい。そして、中空環状体の外周面に沿って複数の放出口を設け、中心を軸にして環状体を回転させれば、遠心力により放出口から原料液を放出させることができる。その場合、原料液の空間中での移動方向を、送風などにより制御すれば、所定のコレクタ部にナノファイバを堆積させることができる。
更に、多孔質層の表面に保護シートを配置して積層シート前駆体を形成する工程や、積層シート前駆体を加熱しながら積層方向に加圧して基材シートと多孔質層と保護シートとを一体化させる工程についても、どのような手法で行ってもよい。
本発明の一体型積層シート製造システムおよび一体型積層シート製造方法は、集塵フィルタなどのフィルタ材料の製造に適しているが、他のどのような一体型積層シートの製造にも適用することが可能である。本発明は、基材シートSおよび保護シートPの材質および構造を特に限定するものではないため、多孔質層が2つのシート部材に挟まれた積層構造を有する素材に広く適用することができる。本発明は、様々な機能性不織布の製造に適用することができ、例えばヒートテックと称されるヒートシール性を有するシート素材の製造にも適用することが可能である。
また、上述の実施形態では、基材シートSが長尺状である場合について説明したが、本発明は、例えば矩形状の基材シートSを用いる場合にも適用可能である。この場合、基材シート供給装置は、例えば、矩形の基材シートを、順次、第1搬送コンベアまたは第2搬送コンベアに載置する装置であればよい。このような基材シート供給装置には、矩形の基材シートSを複数収容するトレイフィーダを併設させれば、効率よく、基材シートSを供給することができる。
本発明は、電界紡糸により生成させたナノファイバを、基材シートの主面に堆積させて不織布(多孔質層)を形成するとともに、不織布(多孔質層)の表面に保護シートを積層することにより一体型積層シートを製造する分野において有用であり、特に厚みが均一で集塵効率の高いフィルタを製造するのに適している。
100,200:一体型積層シート製造システム、20:基材シート供給装置、21:第1搬送コンベア、22:供給リール、24:モータ、30:接着剤塗布装置、31:第2搬送コンベア、32:接着剤吐出ノズル、33:接着剤、33a:接着剤タンク、34:第1ポンプ、35:ガスボンベ、40:多孔質層形成装置、41:第3搬送コンベア、42:放出体、42a:放出口、43:電圧印加装置、44:対電極、45:原料液、45a:原料液タンク、46:第2ポンプ、47:スキージ、48:第1支持体、49:第2支持体、50:保護シート供給装置、51:第4搬送コンベア、52a,52b:搬送ローラ、60:熱圧着装置、61a、61b:一対の熱ロール、70:回収装置、71:搬送ローラ、72:回収リール、74:モータ、80,90:多孔質層、91,92:繊維層、S:基材シート、P:保護シート、F,4F,5F:一体型積層シート(フィルタ)

Claims (5)

  1. ラインの上流から下流に基材シートを搬送し、搬送される前記基材シートの主面に多孔質層を形成し、続いて前記多孔質層の表面に保護シートを配置して一体型積層シートを製造するシステムであって、
    (i)前記基材シートを前記ラインに供給する、基材シート供給装置と、
    (ii)原料液から静電気力によりナノファイバを生成させる電界紡糸機構を有し、搬送される前記基材シートの上方で前記ナノファイバを生成させ、前記生成したナノファイバを、前記基材シートの主面に堆積させて多孔質層を形成する、多孔質層形成装置と、
    (iii)前記多孔質層形成装置の下流に配置され、搬送される前記多孔質層の表面に、前
    記多孔質層を覆うように保護シートを配置する、保護シート供給装置と、を具備し、
    前記電界紡糸機構は、
    前記基材シート供給装置の下流に配置され、前記ナノファイバを生成させる第1電界紡糸ユニットと、
    前記第1電界紡糸ユニットの下流に配置され、前記ナノファイバを生成させる第2電界紡糸ユニットと、を有し、
    前記第1電界紡糸ユニットにより生成される前記ナノファイバの繊維径は、前記第2電界紡糸ユニットにより生成される前記ナノファイバの繊維径より小さい、一体型積層シート製造システム。
  2. 更に、(iv)前記保護シート供給装置の下流に配置され、搬送される前記基材シートと前記多孔質層と前記保護シートとの積層シートを加熱しながら積層方向に加圧して、前記基材シートと前記多孔質層と前記保護シートとを接合する、熱圧着装置、を具備する、請求項1記載の一体型積層シート製造システム。
  3. 更に、(v)前記積層シートを回収する回収装置、を具備する、請求項1または2記載
    の一体型積層シート製造システム。
  4. 前記基材シート供給装置と、前記多孔質層形成装置との間に、更に、前記基材シートの前記主面に接着剤を塗布する接着剤塗布装置を具備する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の一体型積層シート製造システム。
  5. ラインの上流から下流に基材シートを搬送し、搬送される前記基材シートの主面に多孔質層を形成し、続いて前記多孔質層の表面に保護シートを配置して一体型積層シートを製造する一体型積層シート製造方法であって、
    (i)前記基材シートを前記ラインに供給する、基材シート供給工程と、
    (ii)原料液から静電気力によりナノファイバを生成させる電界紡糸工程を有し、搬送される前記基材シートの上方で前記ナノファイバを生成させ、前記生成したナノファイバを、前記基材シートの主面に堆積させて多孔質層を形成する、多孔質層形成工程と、
    (iii)前記多孔質層形成工程の後に、搬送される前記多孔質層の表面に、前記多孔質層を覆うように保護シートを配置する、保護シート供給工程と、を有し、
    前記電界紡糸工程は、
    前記ナノファイバを生成させる第1電界紡糸工程と、
    前記第1電界紡糸工程の後に行われる、前記ナノファイバを生成させる第2電界紡糸工程と、を有し、
    前記第1電界紡糸工程において生成される前記ナノファイバの繊維径は、前記第2電界紡糸工程において生成される前記ナノファイバの繊維径より小さい、一体型積層シート製造方法。

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