JP6108113B2 - 光伝送装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光伝送装置に関する。本発明は特に、光伝送装置の校正に関する。
誘導ラマン散乱効果を利用したラマン光増幅が光信号の伝送に用いられている。ラマン光増幅においては、伝送路となる光ファイバに励起光を入射することにより、光ファイバ自身が増幅器として機能する。
誘導ラマン散乱効果により得られる増幅利得は、励起光の利得効率と、伝送路ファイバ特性の波長依存性とに大きく依存する。光伝送装置においては、安定した通信状態を維持するために光レベルの安定制御が必要となる。そのため、使用する伝送路ファイバから得られる増幅利得と励起光との校正(calibration,較正)が必要となる。
後述する光伝送装置のAPR(Auto Power Reduction)機能に関する参考技術として、特許文献1を挙げる。
特開2000−332695号公報
光伝送装置において、運用開始時や支障移転時などに伝送路状態が変わる可能性がある。ここで支障移転(optical fiber handling,optical line switching)とは、道路の拡幅、電気・水道の新設などの工事に伴って、既存の光通信回線を改めて敷設し直す作業を指す。このような伝送路状態が変わる可能性のある操作が行われる場合、運用者が手動で制御することにより、利得校正を実行することができる。しかしながら、校正の手順の習得に訓練を要すること、及び校正作業に時間がかかることが問題となる。
特に近年、スマートフォン、タブレットの流行等によるトラフィックの急増に伴い、電気通信事業者による回線増強工事が急速に進められている。そのため工事担当者のスキルに依存しない簡単な作業や、工事に要する時間の短縮が強く望まれている。
ラマン光増幅を用いた光伝送装置の利得校正を効率化する技術が望まれる。
本発明の一側面において、光伝送装置は、伝送路にラマン増幅を行うための励起光の供給を行うラマン増幅ユニットと、伝送路の接続先ノードからの監視光を受信する光監視信号制御ユニットと、光監視信号制御ユニットが監視光を受信しないときラマン増幅ユニットに対して励起光の供給の停止を指令する待機信号を発信し、当該待機信号が解除されたときラマン増幅ユニットの利得の校正を実行する監視制御ユニットとを備える。
本発明により、ラマン光増幅を用いた光伝送装置の利得校正を効率化する技術を提供することが可能となる。
本発明の上記目的、他の目的、効果、及び特徴は、添付される図面と連携して実施の形態の記述から、より明らかになる。
図1は、校正動作を説明するためのブロック図である。 図2は、校正動作を説明するためのブロック図である。 図3は、校正動作を説明するためのブロック図である。 図4は、校正動作を説明するためのブロック図である。 図5は、校正動作を説明するためのブロック図である。 図6は、校正動作を説明するためのブロック図である。 図7は、校正動作を説明するためのブロック図である。 図8は、校正動作を説明するためのブロック図である。 図9Aは、手動利得校正のフロー図である。 図9Bは、手動利得校正のフロー図である。 図10Aは、自動利得校正のフロー図である。 図10Bは、自動利得校正のフロー図である。 図11は、自動利得校正のフロー図である。 図12は、利得校正のフロー図である。
[第1実施形態]
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の第1実施形態における光伝送システムの構成を示すブロック図である。光伝送システムは、装置200とその接続先ノードである装置101とを備える。装置101は、光増幅ユニット130と、監視光源102とを備える。装置200の詳細な構成については後述する。
光増幅ユニット130は、入力した主信号を所定の出力レベル内に増幅して、伝送路301を介して装置200に伝送する。監視光源102は、主信号と異なる波長帯の監視光403を出力する。監視光403は主信号401に波長多重され、伝送路301を介して装置200に送信される。
本実施形態における光伝送システムにおいては、後方励起型のラマン励起(Backward Raman Amplification)が用いられる。装置200は、ラマン光増幅ユニット250が備える励起光源252によって励起光504を伝送路301に供給する。装置101側から伝送される主信号401は、励起光504が供給するエネルギーによって増幅される。装置200が備える光増幅ユニット240は、監視光403を伝送路301からドロップする。光監視信号制御ユニット220は、ドロップされた監視光403を監視する。
このような構成を備えた光伝送システムにおいて、伝送路301による光信号の伝送を開始する場合を考える。例えば装置101と装置200とを接続する伝送路301の支障移転や、光通信回線に装置200を追加し、初期設定を行う場合が考えられる。このような場合、装置200の接続時に、励起光源252の利得を校正する必要がある。この例では、装置200の接続前には、装置101の光増幅ユニット130が例えばAPR機能により出力を落としており、装置200の光監視信号制御ユニット220は監視光403を監視するための動作を行っていたとする。更に、通常のAPR機能に加えて、監視制御ユニット210からの指令により、光増幅ユニット130について出力を強制的にシャットダウンする制御が行われる。
図11は、伝送路301を接続するときの利得校正の動作を示す。光伝送システムに接続する前に、装置200は初期設定の状態にされる。この状態において、ラマン光増幅ユニット250は励起光の出力の停止を指令する待機信号を生成する。運用者が伝送路301のファイバ切替作業を行うことにより(ステップS37)、伝送路301が接続される(ステップS38)。伝送路301には監視光源102が出力する監視光403が伝送される。光監視信号制御ユニット220は、監視光403を検出すると、監視制御ユニット210に通知する。その通知を受けた監視制御ユニット210は、伝送路301が接続されたことを認識し、ラマン光増幅ユニット250の待機信号を解除する(ステップS39)。
監視制御ユニット210が伝送路301の接続を認識すると、装置101の光増幅ユニット130のAPR制御の解除を指令する信号104を、装置200から装置101側へ伝送路103を介して伝送する(ステップS40)。信号104を受信すると、光増幅ユニット130は通常のAPR制御を解除する。ただし、光増幅ユニット130の強制的なシャットダウンは継続される。そのためラマン利得校正を実行する上で不要な主信号401の出力は抑えられる(ステップS41)。
監視制御ユニット210は、伝送路301の接続を認識すると、ラマン利得の自動校正を開始する(ステップS42)。自動利得校正が完了すると、監視制御ユニット210は、光増幅ユニット130を起動し出力を許可する指令を伝送路103を介して伝送する(ステップS43)。この指令に応答して、光増幅ユニット130は増幅された主信号401の伝送路301への伝送を開始する(ステップS44)。伝送路301の主信号401は、利得校正された励起光源252からの励起光によって、適切なレベルに増幅される。
以上のような動作により、運用者が伝送路301の接続などの物理的な接続を行うと、ラマン励起光の利得の校正が自動的に行われる。そのため工事担当者に要求されるスキルを低減することが可能となる。以上の動作は、監視制御部が備える非遷移的な(non−transitory)記録媒体に格納されたコンピュータ可読なプログラムを監視制御部の演算制御装置が読み出し、そのプログラムに記述された手順に従って動作を実行することによって実現可能である。
以下、本実施形態に適用できる自動校正の一例を参考技術として説明する。前提として、励起光源(図1の励起光源252に相当)にラマン利得の測定対象の伝送路X(伝送路301に相当)が接続され、上流の光増幅器(励起光源252に対する光増幅ユニット130に相当)は出力を停止しているものとする。
更に、運用者は、校正対象のユニット(ラマン光増幅ユニット250)を事前にモデル伝送路ファイバYに接続し、励起光源に供給する駆動電力に依存する励起光源出力パワーnと、その結果として得られるラマン利得とを測定する。具体的には、モデル伝送路ファイバYにおいて得られる雑音成分の増幅利得Anと信号成分の増幅利得Bnとを測定する。これらn、An及びBnの相関関係は、テーブルや関数により予めラマン光増幅ユニット250の記憶部(図示せず)に、励起光源出力パワーがnのときの雑音成分の期待増幅利得Anと、信号成分の期待増幅利得Bnとして記録される。
図12は、ラマン光増幅ユニット250が実行する自動校正(図11のステップS42)の動作の一例を示す。ラマン励起光源の出力パワーが予め設定された基準値の励起光源出力パワーnに設定される(ステップS50)。伝送路Xから得られる光成分の入力パワーを検出し、その検出値に基づいて、励起光源出力パワーがnの時の雑音成分の増幅利得An´を計算して記憶する(ステップS51)。その増幅利得An´と、予め記憶した期待増幅利得Anとを比較する。その比較に基づいて、励起光源出力パワーnにおける雑音成分の増幅利得AnをAn´に校正する(ステップS52)。AnとAn´に基づいて、伝送路Xにおける、励起光源出力パワーnの時の主信号401の信号成分の期待増幅利得BnをBn´に校正する(ステップS53)。以上で、励起光源出力パワーnのときの利得校正が完了する。
次に、励起光源252の出力パワーの基準値であるnを、所定値αを単位としてインクリメントする(ステップS54)。nが予め設定された測定すべき最大値を超えるまで、ステップS51〜S53の利得校正が行われ、ラマン利得校正が完了する(ステップS55)。
[第2実施形態]
図2は、2台の光伝送システムの構成を示すブロック図であり、校正動作を説明するための図である。光伝送システムは、互いに同一の構成を備える多数の光伝送装置が光ファイバ回線で接続されることによって構成される。図2の例では、そのうち2台の装置100、200が示されている。装置100と装置200とは伝送路301、302を介して双方向で光伝送しており、互いに自己の励起光源152、252が励起光を供給する伝送路301、302の接続先ノードである。装置100は監視制御ユニット110、光監視信号制御ユニット120、送信用である光増幅ユニット130、受信用である光増幅ユニット140、ラマン光増幅ユニット150を備える。光増幅ユニット130が信号光を増幅することにより、長距離の光通信ネットワークにおいて光信号レベルが適切な範囲内に調整される。
監視制御ユニット110は装置100に搭載されるユニットの監視、制御を可能とする。運用者は、監視制御ユニット110に接続されるGUI(Graphical User Interface)を介して、装置100の状態監視、制御可能とする。監視制御ユニット210は、光増幅ユニット230に対して信号211を送信することにより、光信号の出力や停止を指令する。監視制御ユニット210は更に、ラマン光増幅ユニット250に対して校正を指令する信号212を送信する。信号212を受信したラマン光増幅ユニット250は、励起光源252の出力レベルの制御を行う。監視制御ユニット210は更に、光増幅ユニット240の状態を通知する信号242を受信することにより、各種警報状態や性能監視情報を監視する。
光監視信号制御ユニット120は、監視信号送信部121と監視信号受信部122とを備え、装置100と装置200の間の監視制御信号の通信を行う。監視信号送信部121は、監視光403を出力する。監視信号受信部122は、装置200から装置100方向の監視光503を受信する。監視光403及び503は人体に影響を及ぼさない安全なレベルの光レーザ出力である。監視光403によって、装置100側の設定や警報状態などの情報を装置200側に通知する等の遠隔監視制御通信を行うことができる。監視光403及び503には、主信号401及び501との干渉を避けるため主信号401及び501と異なる波長が用いられる。
ラマン光増幅ユニット150は、励起光源152と、伝送路ファイバ断検出用光源151と、ファイバ断検出用光受信部153とを備える。励起光源152は、装置100から装置200方向に主信号増幅用励起光404を出力する。これは、装置200から装置100方向の主信号501を後方励起により増幅するためのものである。伝送路ファイバ断検出用光源151は、主信号401、監視光403と異なる光波長のファイバ断検出用光402を装置100から装置200方向へ出力する。ファイバ断検出用光受信部153は、装置200から装置100方向のファイバ断検出用光502の状態監視を行う。ファイバ断検出用光402及び502は人体に影響を及ぼさない安全なレベルの光レーザ出力である。
主信号401と監視光403は光増幅ユニット130で波長多重され、主信号401、監視光403とファイバ断検出用光402はラマン光増幅ユニットで波長多重される。
ラマン光増幅ユニット150は、装置200からの主信号501、監視光503とファイバ断検出用光502が多重された光信号の内、ファイバ断検出用光502をドロップする。光増幅ユニット140は装置200からの多重光の内、監視光503をドロップする。
装置200は、装置100の監視制御ユニット110、光監視信号制御ユニット120、送信用である光増幅ユニット130、受信用である光増幅ユニット140、ラマン光増幅ユニット150にそれぞれ対応して、監視制御ユニット210、光監視信号制御ユニット220、送信用である光増幅ユニット230、受信用である光増幅ユニット240、ラマン光増幅ユニット250を備える。監視制御ユニット210は、装置100の監視制御ユニット110と同様の構成を備える。光監視信号制御ユニット220は、装置100の光監視信号制御ユニット120の監視信号送信部121と監視信号受信部122にそれぞれ対応して、監視信号送信部221と監視信号受信部222とを備える。光増幅ユニット230は、装置100の光増幅ユニット130と同様の構成を備える。光増幅ユニット240は、装置100の光増幅ユニット140と同様の構成を備える。ラマン光増幅ユニット250は、装置100の励起光源152と、伝送路ファイバ断検出用光源151と、ファイバ断検出用光受信部153とにそれぞれ対応して、励起光源252と、伝送路ファイバ断検出用光源251と、ファイバ断検出用光受信部253とを備える。
[手動利得校正]
次に、以上のような構成を備えた光伝送装置の動作について説明する。まず監視制御ユニット110、210による自動利得校正を行わない手動校正の動作について説明する。図9Aと図9Bはその動作を示す。図2の構成において、装置100から装置200方向の伝送路301のファイバ支障移転を例として説明する。
支障移転の際、運用者は伝送路ファイバ切り替えのため、まず始めに、装置100から装置200方向の伝送路301において、伝送路ファイバ断600を発生させる(図9AのステップS1)。このとき、主信号401、ファイバ断検出用光402、監視光403は装置200に到達しない。従って、主信号検出部241、ファイバ断検出用光受信部253、監視信号受信部222ではそれぞれ入力断状態となる(図3参照、ステップS2)。
このとき、装置100および装置200では、伝送路ファイバ断600の点への高レベルレーザ光の放出を防止するため、APR機能により光増幅ユニット130からの主信号401出力、ラマン光増幅ユニット250からの励起光504出力を停止する。APR機能については特許文献1に開示されている技術等により実現することが可能である(図4参照、ステップS3、S4)。
運用者により、伝送路ファイバが切り替えられる(ステップS5)。その後、運用者により装置100−装置200間の伝送路ファイバが接続され、伝送路ファイバ断600は復旧する(図5参照、ステップS6)。
この後、APRは復旧し装置100、装置200の状態は図2の状態に戻る(ステップS7、S8、S9)。しかしこの時、伝送路ファイバは切り替わっており、伝送路ファイバから得られる増幅利得と励起光は校正されておらず、ラマン光増幅ユニット250は、最適な増幅利得を得られない状態となっている。
ここから、運用者によりラマン光増幅ユニットの利得校正操作を行う。運用者は、装置100の光増幅ユニット130に対して、強制的にシャットダウン制御を実行する(ステップS10、S11)。これは、ラマン光増幅ユニット250の利得校正を行う際、装置100からの主信号401を受信してしまうと正しく利得校正できないためである(図5と同じ)。
運用者は装置100の光増幅ユニット130に強制シャットダウンがかかっていることを確認する(ステップS13)。その後、ラマン光増幅ユニット250に対して、利得校正制御を実行する(ステップS14)。ラマン光増幅ユニット250は、励起光504を出力し、励起光504と伝送路301である光ファイバとから得られる増幅利得から、最適な増幅利得が得られるよう励起光504を校正する(図6参照、ステップS15)。
校正が完了すると、ラマン光増幅ユニット250は、運用者に対して校正終了を通知する(ステップS16)。運用者はラマン光増幅ユニット250の利得校正が完了していることを確認する(ステップS17)。その後、運用者は、装置100の光増幅ユニット130に対する強制シャットダウン制御を解除する(ステップS18、S19)。光伝送装置は、図2の状態に戻る。
[自動利得校正]
次に、監視制御ユニット110、210による自動利得校正を実行する場合の動作について説明する。図10A、図10Bは、その動作を示す。図2の構成において、装置100から装置200方向の伝送路301のファイバ支障移転を例として説明する。
本実施形態においては、ファイバ断検出用光402の遮断に基づいて生成される伝送路遮断通知254と、監視光403の遮断に基づいて生成される監視光遮断通知223とは、第1実施形態における待機信号を生成するためのトリガとして機能する。これらの待機信号が解除されると、ラマン光増幅ユニット250の利得の校正が自動的に開始される。逆に装置100から装置200方向の伝送路301のファイバ支障移転の場合には、ファイバ断検出用光502の遮断に基づいて生成される伝送路遮断通知154と、監視光503の遮断に基づいて生成される監視光遮断通知123とに基づいて待機信号が生成され、この待機信号が解除されると、ラマン光増幅ユニット150の利得の校正が自動的に開始される。
伝送路ファイバ断600発生から、APR(Auto Power Reduction)機能による光増幅ユニット130からの主信号401出力、ラマン光増幅ユニット250からの励起光504出力停止(図4)までは、図9Aに示した手動利得校正と同様の動作が実行される。すなわち図9AにおけるステップS1、S2、S3、S4にそれぞれ対応して、図10AにおけるステップS21、S22、S23、S24の動作が実行される。
伝送路ファイバ断600が発生すると、ラマン光増幅ユニット250は、ファイバ断検出用光受信部253において、ファイバ断検出用光402の入力断を検出する。その検出に応じて、ラマン光増幅ユニット250は伝送路遮断通知254を発信し、監視制御ユニット210に通知する。
光監視信号制御ユニット220は監視信号受信部222にて監視光403の入力断を検出する。その検出に応じて、光監視信号制御ユニット220は監視光遮断通知223を発信し、監視制御ユニット210に通知する。
監視制御ユニット210は、伝送路遮断通知254と監視光遮断通知223の両通知を受け取ったとき、伝送路ファイバ断と判断し、待機信号を生成する(ステップS25)。この場合、監視制御ユニット210は、ラマン光増幅ユニットの自動利得校正モードに移行する。
自動利得校正モードに移行した監視制御ユニット210は、光監視信号制御ユニット220、120および監視光503により、装置100の光増幅ユニット130に対して強制シャットダウン制御を指令するシャットダウン信号を送信する(ステップS26)。監視制御ユニット210は更に、励起光504の供給を停止するための停止信号を自装置200のラマン光増幅ユニット250に送信し、励起光504を強制シャットダウンする。その後、監視制御ユニット210は伝送路ファイバ接続待ちの状態となる(図4と同じ)。
運用者は、伝送路ファイバの切り替えを行う(ステップS27)。その後、運用者により装置100−装置200間の伝送路ファイバが接続され、伝送路ファイバ断600は復旧する(ステップS28)。このとき、光増幅ユニット130からの主信号401出力、ラマン光増幅ユニット250からの励起光504のシャットダウンに関しては、APR機能による制御は解除される(ステップS29、S30)。しかしながら、監視制御ユニット210による先述の強制シャットダウン制御により、シャットダウン状態は継続している(ステップS31)。伝送路ファイバ断600が復旧するとファイバ断検出用光402と監視光403は装置200に到達するため、伝送路遮断通知254と監視光遮断通知223が解除される(図5と同じ)。
監視制御ユニット210は伝送路遮断通知254と監視光遮断通知223の両方が解除されたとき伝送路ファイバ復旧と判断し、ラマン光増幅ユニット250に対して、利得校正制御を実行する(図6、ステップS32)。
利得校正制御が完了すると、ラマン光増幅ユニット250は完了通知信号を監視制御ユニット210に送信する。監視制御ユニット210はその完了通知信号をトリガとして、装置100の光増幅ユニット130に対する強制シャットダウン制御を解除する(ステップS33、S34)。光伝送装置は図2の状態に戻る。
以上が、自動利得校正の動作説明である。手動校正と比較し、運用者による操作が削減されていることが明らかである。
[自動利得校正の条件]
次に、伝送路ファイバ以外の主信号が導通するファイバ接続が切れた場合の動作について説明する。図2のような装置100の例では、装置100の状態などを装置200に知らせるための光監視信号制御ユニット120がラマン光増幅ユニット150と光増幅ユニット130の前段側に接続されている。このような場合、監視光403を装置200側で監視しているのみでは、伝送路301の障害であるのか装置100内の障害であるのか区別がつかない。従って、光監視信号制御ユニット120よりも後段側、すなわち装置100の出力端子に近い位置、すなわち伝送路301付近において、伝送路301の接続状態を監視するための光信号を主信号401に多重することが望ましい。図2の例では、ラマン光増幅ユニット150内に設けられた伝送路ファイバ断検出用光源151がその機能を果たす。
ファイバ断検出用光受信部253は、接続先ノードである装置100が生成し、監視光403よりも装置200に近い側において伝送路301に多重されるファイバ断検出用光402を受信する。ファイバ断検出用光受信部253は、ファイバ断検出用光402に基づいて伝送路301が遮断しているか否かを監視し、伝送路301が遮断したときに伝送路遮断通知を発信する。その伝送路遮断通知が解除されたときに、監視制御ユニットは自動校正を行う。
図7は、光増幅ユニット130からラマン光増幅ユニット150への接続が切れた場合(ファイバ断601)を示す。このとき、主信号検出部241、監視信号受信部222ではそれぞれ入力断状態となるが、ファイバ断検出用光受信部253は入力断とならない。この場合、監視制御ユニット210は、伝送路ファイバ断と判断しないため、自動利得校正モードに移行しない。
図8は、ラマン光増幅ユニット250から光増幅ユニット240への接続が切れた場合(ファイバ断602)を考える。この場合も、主信号検出部241、監視信号受信部222ではそれぞれ入力断状態となるが、ファイバ断検出用光受信部253は入力断とならない。
このように、伝送路ファイバ断であることを確実に判断することで、不要な利得校正を行わないように制御することができる。
運用者による操作が削減できることで、誤操作のリスクの削減と、作業工数の削減が期待できる。作業工数の削減については手動利得校正の操作(図9A、図9B)、自動利得校正の操作(図10A、図10B)に示すフローの差からも確認することができる。
以上、実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態に様々な変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態を互いに組み合わせることが可能である。
この出願は、2012年2月2日に日本国特許庁に提出された特願2012−021037号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (8)

  1. 伝送路にラマン増幅を行うための励起光の供給を行うラマン増幅ユニットと、
    前記伝送路の接続先ノードからの監視光を受信する光監視信号制御ユニットと、
    前記光監視信号制御ユニットが前記監視光を受信しないとき前記ラマン増幅ユニットに対して励起光の供給の停止を指令する待機信号を発信し、当該待機信号が解除されたとき前記ラマン増幅ユニットの利得の校正を実行する監視制御ユニット
    とを具備する光伝送装置。
  2. 請求項1に記載された光伝送装置であって、
    前記監視制御ユニットは、前記待機信号が発信されたとき、前記励起光の供給を停止する停止信号を前記励起光源ユニットに送信し、且つ、前記接続先ノードに対して、前記伝送路に出力する信号光の増幅を行う光増幅ユニットのシャットダウンを指令するシャットダウン信号を送信する
    光伝送装置。
  3. 請求項2に記載された光伝送装置であって、
    前記監視制御ユニットは、前記校正が完了したとき、前記接続先ノードに対して前記シャットダウンを解除する信号を送信する
    光伝送装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載された光伝送装置であって、
    更に、当該光伝送装置における前記伝送路付近で前記接続先ノードからのファイバ断検出用光信号を受信するファイバ断検出用光受信部を具備し、
    前記監視制御ユニットは、前記光監視信号制御ユニットが前記監視光を受信せず、且つ、前記ファイバ断検出用光受信部が前記ファイバ断検出用光信号を受信しないとき、前記待機信号を送信し、
    前記待機信号の解除は、前記光監視信号制御ユニットが前記監視光を受信し、前記ファイバ断検出用光受信部がファイバ断検出用光信号を受信することを条件として送信される
    光伝送装置。
  5. 請求項4に記載された光伝送装置であって、
    更に、当該光伝送装置における前記光伝送路への出力付近で前記接続先ノードに対して前記ファイバ断検出用光信号を送信するファイバ断検出用光源を具備し、
    前記光監視信号制御ユニットは、前記接続先ノードに対して前記監視光を送信する
    光伝送装置。
  6. 第1の光伝送装置と、
    第2の光伝送装置とを具備し、
    前記第1の光伝送装置と前記第2の光伝送装置との各々は、請求項1から5のいずれかに記載された光伝送装置の構成を具備し、
    前記第1の光伝送装置は、前記第2の光伝送装置の前記接続先ノードであり、
    前記第2の光伝送装置は、前記第1の光伝送装置の前記接続先ノードである
    光伝送システム。
  7. 伝送路にラマン増幅を行うための励起光の供給を行うラマン増幅ユニットと、
    前記伝送路の接続先ノードからの監視光を受信する光監視信号制御ユニットとを具備する光伝送装置の利得校正方法であって、
    前記光監視信号制御ユニットが前記監視光を受信しないとき前記ラマン増幅ユニットに対して励起光の供給の停止を指令する待機信号を発信する工程と、
    前記待機信号が解除されたとき前記ラマン増幅ユニットの利得の校正を実行する工程
    とを具備する光伝送装置の利得校正方法。
  8. 請求項7に記載の利得校正方法を、前記光伝送装置が備える監視制御部に実行させる利得校正プログラム。
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