JP4962499B2 - 光増幅器及びその異常検出方法 - Google Patents
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Description
光ファイバ増幅器1は、入力端Tiから出力端Toまでの間に、入力端Tiから入力された光入力を増幅する第1の光増幅部10と、この第1の光増幅部10により増幅された光を減衰する可変光減衰部20と、この可変光減衰部20を通過した光を増幅する第2の光増幅器30とを有している。また可変光減衰部20と第2の光増幅器30との間には、伝送路にて発生した光の分散を補償するための分散補償ファイバ(DCF)22を挿入するための出力ポート21及び入力ポート23が設けられている。
自動利得制御部16からの制御信号は、ポンプ信号としてのレーザダイオード14に供給され、自動利得制御部16は第1の光増幅部10による信号利得を一定に保つ。これによってEDF13の利得の波長特性を一定に保つ。
第2の光増幅部30への入力光は、光分岐カプラ31及び光波長多重化カプラ32を順に通ってEDF33に供給される。レーザダイオード34からのポンプ光も、光波長多重化カプラ32を通ってEDF33に供給され、ポンプ光のパワーに応じた利得で入力光が増幅される。
自動利得制御部36からの制御信号は、ポンプ(励起)光としてのレーザダイオード34に供給され、自動利得制御部36は第2の光増幅部30による信号利得を一定に保つ。第2の光増幅部30により増幅された光は、光分岐カプラ35を通って第2の光増幅部30から出力され、さらに出力端Toを通って光ファイバ増幅器1から出力される。
または、DCF外れ通知は自動利得制御部16に与えられ、光ファイバ増幅器1の異常を検知した自動利得制御部16は、第1の光増幅部10の利得を低減する等の安全光処理を行う。
異常損失通知は運用開始後にユーザへ対する警報として使用される。分散補償ファイバ22の損失量の異常は信号劣化を招くためである。
また、図のPD42〜PD44間において、実線は、出力ポート21や入力ポート23に取り付けられる分散補償ファイバの損失量として光ファイバ増幅器1の定格にて許された最大の損失量を有する分散補償ファイバ22が出力ポート21や入力ポート23に取り付けられている場合の光レベルを示し、一点鎖線は、光ファイバ増幅器1の定格にて許された最小の損失量を有する分散補償ファイバ22が出力ポート21や入力ポート23に取り付けられている場合の光レベルを示す。
また、分散補償ファイバ22の損失量がLomaxであるときにこれを補償する可変光減衰部20の損失量、すなわち、分散補償ファイバ22の損失量がLomaxであるときにDCF損失補償部51により制御される可変光減衰部20の損失量の目標値をVo1とし、分散補償ファイバ22の損失量がLominであるときにこれを補償する可変光減衰部20の損失量をVo2とする。DCF損失補償部51は、可変光減衰部20の損失量と分散補償ファイバ22の損失量との総和が、一定値Vo1+Lomax(=Vo2+Lomin)となるように、可変光減衰部20の損失量を制御する。
最小値Lv4は、入力される多重波長数が0であり、かつ損失量Lomaxの分散補償ファイバ22が取り付けられたのにも関わらず可変光減衰部20の損失量がまだVo2のままである状態を想定して予め決定される。この状態の光レベルを2点鎖線で示す。
異常損失検出部61は、分散補償ファイバ22の前後における光レベル差、すなわちフォトディテクタ43及び44の電気信号の差が所定の閾値TLよりも大きいとき、分散補償ファイバ22の損失が過大であると判定して異常損失通知を出力する。閾値TLとして、分散補償ファイバの損失量として光ファイバ増幅器1の定格にて許された最大損失量Lomaxにマージンを加えた値が設定される。
このため、フォトディテクタ44により検出すべき光レベルの範囲は、図2に示す範囲、すなわち閾値T1〜「最大波長数(図の例では40)の信号が入力されたときの光レベル」まで広がってしまい、フォトディテクタ44の検出精度が低下し誤った異常通知を行うおそれがある。
異常損失通知は光ファイバ増幅器1の運用開始後に使用されるが、運用開始前であっても誤った異常通知を出力することは望ましくない。
したがって、正常な状態では、フォトディテクタ44の検出レベルがLv4’より小さくなることがあっても、DCF損失補償部51の制御に要する一定期間が経過すれば、フォトディテクタ44の検出レベルはLv4’以上となるため、異常検出に要するフォトディテクタ44による検出範囲を狭めることができる。
しかしながら、異常通知を遅らせることとすると、仮に分散補償ファイバ22が外れており最大波長数の信号が含まれた光信号が漏れている場合であっても同様に通知が遅れ、上記の安全光処理が遅れることになる。ここでDCF損失補償部51による制御周期は数百ヘルツ〜キロヘルツであるから、光信号が漏れる危険な状態は数100msから数秒にも及ぶ。
本発明の第1形態によれば、入力光を増幅するための第1の光増幅部と、この第1の光増幅部の出力を減衰する可変光減衰部と、この可変光減衰部の出力を増幅する第2の光増幅部と、可変光減衰部による損失量を制御する損失量制御部と、を備え、可変光減衰部及び第2の光増幅部の間に外部減衰光媒体を挿入される波長多重光増幅用の光増幅器が提供される。ここで損失量制御部は、可変光減衰部による損失量を制御することにより外部減衰光媒体の光損失の変動を補償する。そして、光増幅器は、外部減衰光媒体と第2の光増幅部との間で検出される光レベルによって第1及び第2の光増幅部の間における光損失の異常を検出する異常検出部と、可変光減衰部と外部減衰光媒体との間で検出される光レベルが所定閾値レベルより低いとき、異常検出部による異常検出を無効にする検出無効化部と、を備える。
10、30 光増幅部
20 可変光減衰部
22 分散補償ファイバ
なお、DCF損失補償部51は、特許請求の範囲に記載される損失量制御部に対応し、DCF外れ検出部62及び異常損失検出部61は、各々特許請求の範囲に記載される異常検出部に対応し、異常損失検出部61は、特許請求の範囲に記載される異常損失検出部に対応する。
DCF外れ検出部62は、DCF外れ検出無効化部72から検出無効化信号を受信すると、分散補償ファイバ22が出力ポート21や入力ポート22から外れた状態を検出することを停止する。または、DCF外れ検出部62は、検出無効化信号を受信するとDCF外れ通知の出力を停止する。
異常損失検出部61は、異常損失検出無効化部71から検出無効化信号を受信すると、分散補償ファイバ22の損失が過大である状態を検出することを停止する。または異常損失検出部61は、検出無効化信号を受信すると異常損失通知の出力を停止する。
したがって、DCF外れ検出無効化部72及び異常損失検出無効化部71は各々特許請求の範囲に記載される検出無効化部に対応し、また異常損失検出無効化部71は特許請求の範囲に記載される異常損失検出無効化部に対応する。
無効化閾値レベルTc1としては、光ファイバ光増幅器1に入力される多重波長数が0でありかつ可変光減衰部20による損失が最小であるときに、フォトディテクタ43にて検出されるべき光レベルが採用される。そして、DCF外れ検出部62は、フォトディテクタ44により検出した光レベルが次式(1)で定義される閾値Tuよりも小さいとき、分散補償ファイバ22が外れたと判定してDCF外れ通知を出力する。
Tu=Tc1−Lomax−M (1)
ここに、Lomaxは出力ポート21及び入力ポート23に取り付けられる分散補償ファイバ22の損失量として光ファイバ増幅器1の定格にて許された所定の最大の損失量であり、Mは所定のマージンである。図5より明らかなとおり、閾値Tuは上述の従来の閾値T1よりも高くなる。
また、もし分散補償ファイバ22が外れた場合には、フォトディテクタ44により検出される光レベルが低下することによってDCF損失補償部51が可変光減衰部20の損失量を下げるので、フォトディテクタ43により検出される光レベルは必ず無効化閾値レベルTc1を超え、DCF外れ検出部62はDCF外れ通知を出力できるようになる。
したがって、分散補償ファイバ22が外れたことを検出するのに要するフォトディテクタ44の検出範囲の下限は、従来の閾値T1よりも高いTuのレベルで足りる。これによってフォトディテクタ44による検出範囲を狭めることができるので検出精度が高まる。
この場合、実際に分散補償ファイバ22が外れていても、フォトディテクタ43により検出される光レベルが無効化閾値レベルTc1より低いときは、DCF外れ通知が出力されないが、漏れている光のレベルは十分に低い(−20dB程度)であるので、危険性はない。
光ファイバ光増幅器1へ入力される多重波長数が0であるとき、すなわち光ファイバ光増幅器1へASE光のみが入力されたときに、フォトディテクタ42において検出される光レベルLv02は、図4に示すEDF13から出力されるASE光のみのレベルである。光レベルLv02は、光ファイバ光増幅器1へ多重波長数が1の信号を入力したときにフォトディテクタ42において測定した光レベルLv12から、次式(2)によって求めることが可能である。
Tc1=Lv02−Vo1 (3)
Vo2=Vo1+Lomax−Lomin (4)
したがって無効化閾値レベルTc2は、次式(5)のように設定すればよい。
Tc2=Lv12−(Vo1+Lomax−Lomin) (5)
一方で、光ファイバ増幅器1の運用開始後は、フォトディテクタ43にて検出される光レベルは必ず無効化閾値レベルTc2以上となるので異常損失検出部61は常に異常損失通知を出力できるようになる。
ステップS10において、フォトディテクタ43によって、可変光減衰部20の出力光レベルL43を検出する。
ステップS11では、DCF外れ検出無効化部72は光レベルL43と無効化閾値レベルTc1とを比較し、光レベルL43が無効化閾値レベルTc1より小さいときは、DCF外れ検出部62に検出無効化信号を出力し、DCF外れ検出部62による分散補償ファイバ22が外れた状態の検出を無効化する(ステップS12)。そして処理はステップS10に戻る。
そして、DCF外れ検出部62は、フォトディテクタ44により検出される光レベルL44と上記の閾値Tuとを比較し(ステップS13及びS14)、光レベルL44が閾値Tuより小さいときは、DCF外れ通知を出力する(ステップS15)。
本方法によれば、フォトディテクタ44が検出する光レベルが低い状態では異常検出を行わないため誤ったDCF外れ通知を出力することを防止する。検出無効化信号が出力されている間は分散補償ファイバ22が外れたことを検出できないが、このときに漏れる光のレベルは微小であるため差し支えない。
ステップS20において、フォトディテクタ43によって、可変光減衰部20の出力光レベルL43を検出する。
ステップS21では、異常損失検出無効化部71は光レベルL43と無効化閾値レベルTc2とを比較し、光レベルL43が無効化閾値レベルTc2より小さいときは、異常損失検出部61に検出無効化信号を出力し、異常損失検出部61による分散補償ファイバ22の損失異常の検出を無効化する(ステップS22)。そして処理はステップS20に戻る。
または光ファイバ光増幅器1に入力される多重波長数が1以上である場合には、常にステップS21において光レベルL43が無効化閾値レベルTc2より大きくなる。
これらの場合には異常損失検出無効化部71は検出無効化信号を出力せず、処理はステップS23に移る。
そして、異常損失検出部61は、フォトディテクタ43及び44によりそれぞれ検出される光レベルL43及びL44同士の差|Lv43−Lv44|と、上記の閾値TLとを比較し(ステップS23及びS24)、差|Lv43−Lv44|が閾値TLより大きいときは、異常損失通知を出力する(ステップS25)。
本方法によれば、フォトディテクタ44が検出する光レベルが低い状態では異常検出を行わないため誤った異常損失通知を出力することを防止する一方で、光ファイバ光増幅器1が運用中の場合には、即座に分散補償ファイバ22の異常損失を検出することができる。
Claims (8)
- 入力光を増幅するための第1の光増幅部と、該第1の光増幅部の出力を減衰する可変光減衰部と、該可変光減衰部の出力を増幅する第2の光増幅部と、前記可変光減衰部による損失量を制御する損失量制御部と、を備え、該可変光減衰部及び該第2の光増幅部の間に外部減衰光媒体を挿入され、前記損失量制御部は、前記可変光減衰部による損失量を制御することにより前記外部減衰光媒体の光損失の変動を補償する波長多重光増幅用の光増幅器であって、
前記外部減衰光媒体と前記第2の光増幅部との間で検出される光レベルによって、前記第1及び第2の光増幅部の間における光損失の異常を検出する異常検出部と、
前記可変光減衰部と前記外部減衰光媒体との間で検出される光レベルが所定閾値レベルより低いとき、前記異常検出部による異常検出を無効にする検出無効化部と、
を更に備えることを特徴とする光増幅器。 - 前記異常検出部は、前記異常として、前記外部減衰光媒体が前記光増幅器の入出力ポートから外れたことを検出し、
前記所定閾値レベルは、前記光増幅器に入力される多重波長数が0でありかつ前記可変光減衰部による損失が最小であるときに前記可変光減衰部から出力されるべき光レベルである、
ことを特徴とする請求項1に記載の光増幅器。 - 前記異常検出部は、前記外部減衰光媒体と前記第2の光増幅部との間で検出される光レベルが所定レベルよりも低くなったとき異常を検出し、
該所定レベルは、前記所定閾値レベルから、前記外部減衰光媒体による損失量として前記光増幅器に許容される所定の最大損失量を引いたレベルよりも低く定められる、
ことを特徴とする請求項2に記載の光増幅器。 - 入力光を増幅するための第1の光増幅部と、該第1の光増幅部の出力を減衰する可変光減衰部と、該可変光減衰部の出力を増幅する第2の光増幅部と、前記可変光減衰部による損失量を制御する損失量制御部と、を備え、該可変光減衰部及び該第2の光増幅部の間に外部減衰光媒体を挿入され、前記損失量制御部は、前記可変光減衰部による損失量を制御することにより前記外部減衰光媒体の光損失の変動を補償する波長多重光増幅用の光増幅器であって、
前記外部減衰光媒体の前後でそれぞれ検出された光レベル同士の差により、前記外部減衰光媒体による損失が過大となったことを検出する異常損失検出部と、
前記可変光減衰部と前記外部減衰光媒体との間で検出される光レベルが所定閾値レベルより低いとき、前記異常損失検出部による異常検出を無効にする異常損失検出無効化部と、
を更に備え、
前記所定閾値レベルは、前記光増幅器に入力される多重波長数が1でありかつ前記可変光減衰部による損失が所定損失量であるときに前記可変光減衰部から出力されるべき光レベルであり、
該所定損失量は、前記外部減衰光媒体による損失量として前記光増幅器に許容される所定の最小損失量を補償する損失量である、
ことを特徴とする光増幅器。 - 入力光を増幅するための第1の光増幅部と、該第1の光増幅部の出力を減衰する可変光減衰部と、該可変光減衰部の出力を増幅する第2の光増幅部と、前記可変光減衰部による損失量を制御する損失量制御部と、を備え、該可変光減衰部及び該第2の光増幅部の間に外部減衰光媒体を挿入され、前記損失量制御部は、前記可変光減衰部による損失量を制御することにより前記外部減衰光媒体の光損失の変動を補償する波長多重光増幅用の光増幅器における、前記第1及び第2の光増幅部の間における光損失の異常を検出する異常検出方法であって、
前記外部減衰光媒体と前記第2の光増幅部との間で検出される光レベルによって、前記第1及び第2の光増幅部の間における光損失の異常を検出し、
前記可変光減衰部と前記外部減衰光媒体との間で検出される光レベルが所定閾値レベルより低いとき、前記異常の検出を停止する、
ことを特徴とする異常検出方法。 - 前記異常として、前記外部減衰光媒体が前記光増幅器の入出力ポートから外れたことを検出し、
前記所定閾値レベルは、前記光増幅器に入力される多重波長数が0でありかつ前記可変光減衰部による損失が最小であるときに前記可変光減衰部から出力されるべき光レベルである、
ことを特徴とする請求項5に記載の異常検出方法。 - 前記外部減衰光媒体と前記第2の光増幅部との間で検出される光レベルが所定レベルよりも低くなったとき異常を検出し、
該所定レベルは、前記所定閾値レベルから、前記外部減衰光媒体による損失量として前記光増幅器に許容される所定の最大損失量を引いたレベルよりも低く定められる、
ことを特徴とする請求項6に記載の異常検出方法。 - 入力光を増幅するための第1の光増幅部と、該第1の光増幅部の出力を減衰する可変光減衰部と、該可変光減衰部の出力を増幅する第2の光増幅部と、前記可変光減衰部による損失量を制御する損失量制御部と、を備え、該可変光減衰部及び該第2の光増幅部の間に外部減衰光媒体を挿入され、前記損失量制御部は、前記可変光減衰部による損失量を制御することにより前記外部減衰光媒体の光損失の変動を補償する波長多重光増幅用の光増幅器における、前記第1及び第2の光増幅部の間における光損失の異常を検出する異常検出方法であって、
前記外部減衰光媒体の前後でそれぞれ検出された光レベル同士の差により、前記外部減衰光媒体による損失が過大となったことを検出し、
前記可変光減衰部と前記外部減衰光媒体との間で検出される光レベルが所定閾値レベルより低いとき、前記異常の検出を停止し、
前記所定閾値レベルは、前記光増幅器に入力される多重波長数が1でありかつ前記可変光減衰部による損失が所定損失量であるときに前記可変光減衰部から出力されるべき光レベルであり、
該所定損失量は、前記外部減衰光媒体による損失量として前記光増幅器に許容される所定の最小損失量を補償する損失量である、
ことを特徴とする異常検出方法。
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