JP6107841B2 - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、像担持体上に潤滑剤を供給する機能を有する画像形成装置、およびその画像形成装置における画像形成方法に関するものである。
従来から、複合機、複写機、プリンターといった電子写真方式の画像形成装置が広く普及している。このような電子写真方式の画像形成装置は、一般的には、回転駆動されながら表面にトナー像が形成される像担持体と、形成されたそのトナー像を転写体または媒体に転写する転写装置と、トナー像の転写後に像担持体表面に付着した残トナーを回収して像担持体表面を清掃するクリーニング部材とを含む。
像担持体としては感光体が用いられる。感光体に対しては、感光体表面を一様に帯電する帯電工程、感光体表面を指定された画像パターンに従って露光することで静電潜像を形成する露光工程、感光体表面にトナーを供給することで静電潜像を現像する現像工程とからなるサイクルが繰り返し実行される。
また、クリーニング部材と像担持体との間に生じる摩擦力を低減することを目的として、像担持体上に潤滑剤(以下、「滑材」とも称する。)を供給する滑材供給機構が設けられることが一般的となっている。滑材としては、一般的には、ステアリン酸金属塩などの金属石鹸が用いられる。滑材供給機構としては、クリーニング部材の上流側または下流側にブラシなどからなる塗布機構を設けたもの、トナーに滑材を添加して現像部にて滑材を供給するもの、あるいは、それらを組み合わせたものが知られている。滑材供給機構を設けることで、像担持体表面に滑材が塗布されて、像担持体表面のトナーに対する摩擦係数が低下する。摩擦係数の低下によって、像担持体表面に形成されたトナー像を転写材などに転写するときの転写不良が抑制され、トナー像の画質を高めることができる。また、像担持体とそれに圧接されている部材(例えば、クリーニングブレードなど)との間の摩擦係数も低下するため、像担持体表面の磨耗(削れ)を抑制する効果があり、像担持体の寿命を延ばすこともできる。
滑材供給機構により供給される滑材およびそれによって形成される滑材層(滑材被膜)は、帯電工程などで生じる放電生成物によって劣化し、滑材自体もそれ自体の変質などによっても劣化する。このような劣化が生じると、滑材層の抵抗が低下することによる像流れが発生したり、滑材の滑性(摩擦力を低減する効果)が失われることによるクリーニング部材の異常摩耗が発生したりする場合がある。
また、印刷対象の画像パターンのB/W比(黒/白比率)および画像形成装置の設置環境に依存して、像担持体上に存在する滑材の量は変動することになる。滑材塗布量が変動することにより、摩擦力が増加してクリーニング部材が摩耗しやすくなったり、クリーニング性能が低下したりする場合がある。
したがって、滑材供給機構を採用する系では、滑材を適宜リフレッシュする構成、すなわち像担持体上の古い滑材を削り(除去し)、再度新規に塗布する構成が必要である。併せて、像担持体上の滑材塗布量を適正に維持する構成が必要である。このような劣化滑材の除去、および、滑材を補給する一連の動作(以下、「リフレッシュモード」とも称す。)を実装することが知られている。
一般的にリフレッシュモードの実行時間は、実験的に求めた予測される所定時間またはパルス数に基づいて管理される。例えば、特開2002−006689号公報(特許文献1)は、トナー画像を形成する像担持体に潤滑剤を供給して、長寿命化するとともに画像品質を向上させる画像形成装置を開示する。より具体的な構成として、特許文献1に開示された画像形成装置は、感光体上の放電生成物を除去するために、感光体上の滑材を一時的に回収し、摩擦係数を上げ、その後滑材を補給する。特許文献1においては、感光体上の滑材を回収することがリフレッシュモードと定義されており、所定時間にわたってリフレッシュモードが実行される。
また、滑材を塗布することで滑材を補給する構成も知られている。例えば、特開2005−181742号公報(特許文献2)は、感光体ユニットを新品と検知したとき、潤滑剤塗布手段による塗布動作を実施し、感光体トルクを測定し、塗布動作時間を決定する制御手段を有する画像形成装置を開示する。すなわち、特許文献2は、感光体の動摩擦力を検知しながら滑材を塗布する構成を開示する。同様に、特開平08−305236号公報(特許文献3)は、像担持体に圧接する圧接ローラー(帯電ローラや潤滑剤塗布ローラ)の回転数,駆動トルク,駆動電流値の変化を検出手段により検出し、この検出信号と共に潤滑剤塗布手段による潤滑剤の塗布量を制御手段によりコントロールする構成を開示する。
特開2002−006689号公報 特開2005−181742号公報 特開平08−305236号公報
しかしながら、通常は数%といわれるB/W比とは大きく異なったB/W比を有する画像パターンに基づく印刷物を大量に連続して印刷した後や、画像形成装置の設置環境が変化した後に、予め定められた条件でリフレッシュモードを実行すると、うまくリフレッシュできない場合がある。すなわち、予め定められた固定時間だけリフレッシュモードを実行すると、滑材を十分に除去することができずにリフレッシュ不足になったり、滑材の回収量が多すぎてリフレッシュ過剰になったりし得る。例えば、高温多湿の環境では、像担持体上に存在する多量の滑材が存在するようになり、十分にクリーニングすることができない場合がある。
このような観点について、特許文献1は、滑材塗布量の適正化などについて何ら考慮されていない。また、特許文献2および特許文献3のいずれについても、多量の滑材が存在するような状況について考慮されていない。
そのため、劣化滑材の除去量および供給される滑材塗布量の過不足を補正して、像担持体上に存在する滑材の量を適正化できるリフレッシュモードの実現が要望されている。
本発明のある局面に従う画像形成装置は、像担持体と、像担持体上に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像手段と、トナー像を被転写媒体に転写する転写手段と、転写後に像担持体上に残留するトナーを回収するクリーニング部材と、像担持体上に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段と、像担持体とクリーニング部材との間に生じる静摩擦力を計測する計測手段と、像担持体上の潤滑剤の量を補正する補正処理を実行可能な制御手段とを含む。制御手段は、補正処理の開始直後に計測された第1の静摩擦力と、その後に実行された像担持体上の潤滑剤を除去する処理後に計測された第2の静摩擦力との変化に基づいて、像担持体上の潤滑剤の状態を推定し、当該推定した潤滑剤の状態に基づいて、像担持体上に潤滑剤を供給する処理、および、像担持体上から潤滑剤を除去する処理の一方を選択的に実行する。
好ましくは、制御手段は、像担持体に生じる静摩擦力が予め定められた範囲内になるまで、像担持体に生じる静摩擦力の計測と、像担持体上に潤滑剤を供給する処理、および、像担持体上から潤滑剤を除去する処理の選択的な実行と、を繰り返す。
さらに好ましくは、制御手段は、像担持体上に潤滑剤が存在しない状態で第3の静摩擦力を計測し、その後に像担持体上に潤滑剤を供給する処理を複数回実行するとともにそれぞれの実行後に第4の静摩擦力を計測し、計測された複数の第4の静摩擦力から静摩擦力の最小値を決定するとともに、第3の静摩擦力および静摩擦力の最小値から摩擦力適正範囲を決定する。
さらに好ましくは、制御手段は、静摩擦力の最小値を摩擦力適正範囲の下限値とするとともに、静摩擦力の最小値に、第3の静摩擦力と静摩擦力の最小値との差に予め定められた係数を乗じた値を加算した値を摩擦力適正範囲の上限値とする。
好ましくは、計測手段は、クリーニング部材を構成するクリーニングブレードのみを像担持体に圧接させた状態で、像担持体を回転駆動する際の起動トルクを静摩擦力として計測する。
好ましくは、画像形成装置は、現像手段からクリーニング部材までの間に、像担持体の表面に沿って配置された荷電手段をさらに含み、制御手段は、荷電手段を用いて、クリーニング部材に到達するトナーの帯電量を通常の画像形成時に比較して高めることで、像担持体上の潤滑剤を除去する。
好ましくは、制御手段は、像担持体上の潤滑剤を除去する際には、潤滑剤の供給が抑制されるように潤滑剤供給手段を制御する。
本発明の別の局面に従えば、画像形成装置における画像形成方法が提供される。画像形成装置は、像担持体と、像担持体上に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像手段と、トナー像を被転写媒体に転写する転写手段と、転写後に像担持体上に残留するトナーを回収するクリーニング部材と、像担持体上に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段とを含む。画像形成方法は、像担持体上の潤滑剤の量を補正する補正処理の開始直後に像担持体とクリーニング部材との間に生じる第1の静摩擦力を計測するステップと、第1の静摩擦力の計測後に、像担持体上の潤滑剤を除去するとともに、像担持体とクリーニング部材との間に生じる第2の静摩擦力を計測するステップと、第1の静摩擦力と第2の静摩擦力との変化に基づいて、像担持体上の潤滑剤の状態を推定するとともに、当該推定した潤滑剤の状態に基づいて、像担持体上に潤滑剤を供給する処理、および、像担持体上から潤滑剤を除去する処理の一方を選択的に実行するステップとを含む。
本発明によれば、劣化滑材の除去量および供給される滑材塗布量の過不足を補正して、像担持体上に存在する滑材の量を適正化できる。
本実施の形態に従う画像形成装置の断面構成を示す概略構成図である。 本実施の形態に従うイメージングユニットの一構成例を示す模式図である。 本実施の形態に従うイメージングユニットの別の構成例を示す模式図である。 本実施の形態に従うイメージングユニットのさらに別の構成例を示す模式図である。 本実施の形態に従うイメージングユニットにおいて生じる静摩擦力の特性を示す模式図である。 本実施の形態に従う画像形成装置において初期セットアップ時に実行される静摩擦力特性の推定処理を説明する模式図である。 本実施の形態に従う画像形成装置において初期セットアップ時に実行される静摩擦力特性の推定処理の処理手順を示すフローチャートである。 本実施の形態に従う画像形成装置において実行されるリフレッシュモードの処理手順を示すフローチャートである。 実施例1〜4における静摩擦力特性の変化を示す模式図である。 比較例1〜4における静摩擦力特性の変化を示す模式図である。
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<A.画像形成装置の装置構成>
まず、本実施の形態に従う画像形成装置100の装置構成について説明する。以下に説明する画像形成装置100は、典型例として、複合機(MFP:Multi-Functional Peripheral)として実装されるカラー画像形成装置である。但し、本実施の形態に従う劣化滑材を除去する機構および方法は、モノクロ画像形成装置にも適用可能である。また、カラー画像を形成する機構として、タンデム方式を例示するが、サイクル方式(典型的には、4サイクル方式)にも適用可能である。
図1は、本実施の形態に従う画像形成装置100の断面構成を示す概略構成図である。図1を参照して、画像形成装置100は、プリントエンジン110と、原稿読取部120と、排出トレイ130とを含む。
プリントエンジン110は、電子写真方式の画像形成プロセスを実行する。図1に示す構成においては、フルカラーの印刷出力が可能である。印刷出力された媒体は、排出トレイ130へ排出される。プリントエンジン110の詳細な構成については、後述する。
原稿読取部120は、原稿を読み取って、その読み取り結果をプリントエンジン110に対する入力画像として出力する。より具体的には、原稿読取部120は、イメージスキャナー122と、原稿給紙台124と、原稿自動送り装置126と、原稿排紙台128とを含む。
イメージスキャナー122は、プラテンガラス上に配置された原稿をスキャンする。イメージスキャナー122は、主要な構成要素として、原稿に対して光を照射する光源と、光源から照射された光が原稿で反射して生じる画像を取得するイメージセンサーと、イメージセンサーから画像信号を出力するためのAD(Analog to Digital:アナログデジタル)変換器と、イメージセンサーの前段に配置された結像光学系とを含む。
原稿自動送り装置126は、原稿給紙台124に配置された原稿を連続的にスキャンする。原稿給紙台124上に配置された原稿は、図示しない送出ローラーにより1枚ずつ送り出され、イメージスキャナー122または原稿自動送り装置126内に配置されたイメージセンサーによって順次スキャンされる。スキャン後の原稿は、原稿排紙台128へ排出される。
プリントエンジン110は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)のそれぞれのトナー像を生成するイメージングユニット10C,10M,10Y,10K(以下、「イメージングユニット10」と総称することもある。)を含む。
本実施の形態に従う画像形成装置100は、一例として、それぞれのイメージングユニット10が生成したトナー像を、中間転写体を介して被転写部材である媒体Sに転写する構成を採用する。画像形成装置100は、中間転写体として、中間転写体駆動ローラー14および16により張架された中間転写ベルト12を含む。中間転写ベルト12は、中間転写体駆動ローラー14および16の回転駆動により、所定方向に回動される。中間転写体としては、図1に示す中間転写ベルトに代えて、中間転写ローラーを採用してもよい。なお、図1には、トナー像を中間転写体に一旦転写した後、媒体Sに転写する構成について例示するが、感光体上のトナー像を媒体Sに直接転写するようにしてもよい。
イメージングユニット10C,10M,10Y,10Kは、プリントエンジン110内に張架されて回転駆動される中間転写ベルト12に沿って、その順序に配置される。イメージングユニット10の各々は、感光体1と、帯電部2と、露光部3と、現像部4(対応するイメージングユニット10が生成するトナー像の色に対応させて、4C,4M,4Y,4Kとそれぞれ記載する)と、クリーニングブレード5と、中間転写体接触ローラー6とを含む。
感光体1は、トナー像を担持する像担持体であり、その表面に感光層が形成された感光体ローラーが用いられる。感光体1は、その表面にトナー像が形成されるように配置されるとともに、中間転写ベルト12の回転方向に対応する方向に回転する。なお、像担持体としては、感光体ローラーに代えて、感光体ベルトを採用してもよい。
感光体1には、露光部3により静電潜像が形成されるとともに、現像部4によって静電潜像が現像されてトナー像が生成される。すなわち、帯電部2、露光部3、および現像部4は、感光体1に静電潜像およびトナー像を形成する。
帯電部2は、感光体1の表面を一様に帯電する。露光部3は、レーザー書き込みなどにより、指定された画像パターンに従って感光体1の表面を露光することで、その表面上に静電潜像を形成する。典型的には、露光部3は、レーザー光を発生するレーザダイオードと、主走査方向に沿ってレーザー光を感光体1の表面を露光させるポリゴンミラーとを含む。
現像部4は、像担持体である感光体1上に形成された静電潜像をトナー像として現像する。典型例として、現像部4は、トナーおよびキャリアからなる二成分系の現像剤を用いて静電潜像を現像する。なお、現像手段としては、一成分系の現像剤(トナー)を用いてもよい。
感光体1の表面に形成されたトナー像は、中間転写体接触ローラー6によって中間転写ベルト12に転写される。中間転写体接触ローラー6は、感光体1上に現像されたトナー像を被転写媒体である中間転写ベルト12に転写する。感光体1と中間転写ベルト12とは、中間転写体接触ローラー6を設けた部分で接触している。この接触している部分には、所定の転写バイアスが印加されるように構成されており、この転写バイアスによって、感光体1上のトナー像が中間転写ベルト12へ転写される。
中間転写ベルト12上には、それぞれの感光体1からトナー像が順次転写されて、4色のトナー像が重ね合わされることになる。重ね合わされたトナー像は、転写ローラー20および21によって、中間転写ベルト12から媒体Sへ転写される。媒体Sの転写に関する構成として、プリントエンジン110は、媒体Sを保持する給紙部30と、送出ローラー32と、搬送ローラー34および36と、定着部22とを含む。送出ローラー32は、給紙部30から媒体Sを順次送り出すとともに、搬送ローラー34および36によって搬送される。媒体Sの送り出しおよび搬送のタイミングと、中間転写ベルト12上でトナー像が重ね合わされた位置とを同期させることで、媒体Sの適切な位置に、トナー像を転写できる。トナー像が転写された媒体Sは、搬送経路38に沿って定着部22まで搬送され、定着部22でトナー像の定着処理が実行される。そして、トナー像が定着された後の媒体Sは、排出トレイ130へ排出される。
プリントエンジン110は、画像形成装置100の全体制御を司る制御部50を含む。制御部50は、主たる構成要素として、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリー、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性メモリー、および、各種インターフェイスを含む。典型的には、プリントエンジン110では、プロセッサが不揮発性メモリーに格納されている各種プログラムを実行することで、画像形成装置100における画像形成に係る処理などが実行される。
制御部50としては、プロセッサがプログラムを実行することで実現されるが、これに代えて、その処理の全部または一部を専用のハードウェアを用いて実現してもよい。また、プロセッサがプログラムを実行する場合には、そのプログラムは、各種の記録媒体を介して不揮発性メモリーにインストールされ、あるいは、通信回線を介して図示しないサーバー装置などからダウンロードされてもよい。
<B.画像形成装置における基本的な画像形成プロセス>
次に、図1に示す画像形成装置100で実行される基本的な画像形成プロセスについて、その実行順に沿って説明する。
イメージングユニット10の各々において、感光体1は、帯電部2によりその表面を一様に帯電された後、露光部3により、入力画像の情報に従って発光が制御されるレーザーの走査露光を受ける。これによって、感光体1の表面には静電潜像が形成される。この感光体1を回転させながら露光部3により走査露光し、静電潜像を形成する工程(光書込工程)に用いる画像情報は、指定された入力画像(フルカラー画像)をシアン、マゼンタ、イエロー、黒のそれぞれの色情報に分解して得られた単色の画像情報であり、制御部50は、それぞれの画像情報に従って、レーザーの発光および走査を制御する。
単色の画像情報に従って形成された感光体1上の静電潜像は、それぞれの感光体1上で現像部4C,4M,4Y,4Kによって、対応するシアン、マゼンタ、イエロー、黒のトナーからなる単色の現像剤により現像され、それぞれの画像情報に応じたトナー像が形成される。すなわち、それぞれの感光体1上に対応する色の単色トナー像が形成される。それぞれの単色トナー像は、所定の転写バイアスの作用により、対応する感光体1と同期して、中間転写ベルト12上に順次転写されて重ね合わされる。中間転写ベルト12上に重ね合わされたそれぞれの単色トナー像は、転写ローラー20および21により、給紙部30から搬送された媒体S上に一括転写される。このとき、中間転写ベルト12と媒体Sとの間には、所定の転写バイアスが印加される。転写終了後、媒体S上のトナー像が定着部22により定着されることで、フルカラー画像が完成し、フルカラー画像が形成された媒体Sが排出トレイ130へ排出される。
感光体1における画像形成プロセスの最終工程として、感光体1上の転写残トナー(感光体1の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト12に転写した後に残ったトナー)がクリーニングされる。感光体1の表面に対するクリーニングを実施するために、感光体1に常時圧接するクリーニングブレード5が設けられている。クリーニングブレード5は、トナー像の転写後に像担持体である感光体1上に残留するトナーを回収するクリーニング部材であり、感光体1に圧接してその表面から転写残トナーを掻き取る。
同様に、中間転写ベルト12上の転写残トナーについてもクリーニングされる。中間転写ベルト12の表面に対するクリーニングを実施するために、中間転写ベルト12に圧接するクリーニングブレード18が設けられている。クリーニングブレード18は、トナー像の転写後に像担持体である中間転写ベルト12上に残留するトナーを回収するクリーニング部材である。
<C.滑材供給機構>
次に、像担持体である感光体1上に潤滑剤(滑材)を供給する滑材供給機構について説明する。像担持体の周辺部材の構成例を、図2〜図4に示す。図2は、本実施の形態に従うイメージングユニット10の一構成例を示す模式図である。図3は、本実施の形態に従うイメージングユニット10の別の構成例を示す模式図である。図4は、本実施の形態に従うイメージングユニット10のさらに別の構成例を示す模式図である。
図2を示すイメージングユニット10においては、感光体1の周辺に、帯電部2、露光部3、現像部4、クリーニングブレード5に加えて、滑材供給機構として、滑材供給部8および均し部材9が配置される。
滑材供給部8は、感光体1および固形滑材84に圧接する塗布ブラシ81を含む。塗布ブラシ81は、感光体1に対して相対回転することで、固形滑材84を掻き取って感光体1に塗布する。均し部材9は、滑材供給部8によって供給された滑材を均すことで、感光体1表面での滑材層の形成を促進する。
塗布ブラシ81は、感光体1の幅方向(図中奥行き方向)に延在する軸部材82と、軸部材82の外周面に配置された複数の起毛83とを含む。一例として、塗布ブラシ81は、複数の起毛を植設した基布を軸部材82に巻き付け固定することによって構成される。基布の長さは、少なくとも感光体1の幅方向全域に起毛を接触させ得るように調整されている。軸部材82は、図示しないモータと機械的に結合されており、感光体1と独立に駆動可能となっている。また、専用のモータを設けなくても、他の部材の駆動部と機械的に結合して駆動させることも可能である。
塗布ブラシ81の回転により、固形滑材84が塗布ブラシ81の起毛に掻き取られて付着した後、感光体1表面に塗布される。すなわち、塗布ブラシ81が回転駆動することにより、滑材供給部8が滑材供給機構として機能することになる。
図2には、滑材供給部8をクリーニングブレード5の下流に配置した構成例を示したが、クリーニングブレード5の上流に配置してもよい。図3に示す構成例においては、クリーニングブレード5の下流に滑材供給部8を配置することで、クリーニングブレード5が、感光体1上の転写残トナーをクリーニングする機能に加えて、滑材供給部8によって供給された滑材を均す機能を発揮する。
あるいは、現像部4が滑材供給機能を発揮するようにしてもよい。図4に示す構成例においては、現像部4が供給するトナーに滑材を添加することで、感光体1に滑材が供給される。すなわち、図4に示す構成例においては、現像部4は、滑材供給部としての機能を有することになる。
さらに、図2〜図4に示す構成例を適宜組み合わせてもよい。
図2〜図4に示す、副帯電部7による動作および機能については、後述する。
<D.滑材>
本実施の形態に従う画像形成装置100においては、固形滑材として、ステアリン酸金属塩などの金属石鹸を使用する。特に、ステアリン酸金属塩のうち、ステアリン酸亜鉛を使用する。
固形滑材の例としては、乾燥した固体疎水性滑材を挙げることができる。乾燥した固体疎水性滑材としては、比較的高次の脂肪酸の金属塩(金属石鹸)を用いることができ、その代表例としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸マグネシウムなどのステアリン酸金属塩、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マンガン、オレイン酸鉄、オレイン酸コバルト、オレイン酸鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸銅、パルチミン酸、亜鉛パルチミン酸コバルト、パルチミン酸銅、パルチミン酸マグネシウム、パルチミン酸アルミニウム、パルチミン酸カルシウム、カプリル酸鉛、カプロン酸鉛、リノレン酸亜鉛、リノレン酸コバルト、リノレン酸カルシウム、および、リコリノレン酸カドミウムなどが挙げられる。これらのうち、特に好ましいのは、ステアリン酸と金属とが結合したステアリン酸金属塩である。なお、カルナウバワックスのような天然ワックスを用いてもよい。
<E.課題および解決手段の概要>
像担持体である感光体1に対するリフレッシュ、すなわち、感光体1上の劣化滑材の除去、および、感光体1上への滑材の補給は、それぞれの実行タイミングにおける滑材の状態に応じた適正な度合いで実行される必要がある。しかしながら、先行技術においては、滑材の状態を検出すること自体が検討されておらず、その結果、滑材の状態に応じてリフレッシュ動作を異ならせる(滑材の回収量および塗布量)といった技術思想も知られていなかった。
本願出願人らは、このような新たな課題および着想に至り、それらについて鋭意検討した結果、感光体1(像担持体)とクリーニングブレード5との間に生じる静摩擦力は、感光体1上に適正な量の滑材が塗布されている状態において、それ以外の状態に比較して、その値が低くなるという新たな知見を見出した。
図5は、本実施の形態に従うイメージングユニット10において生じる静摩擦力の特性を示す模式図である。図5に示すように、感光体1とクリーニングブレード5との間に生じる静摩擦力が最小値またはその周辺にある場合に、感光体1上の滑材塗布量が滑材適正範囲内にあると判断できることを見出した。本実施の形態に従う画像形成装置100は、この静摩擦力特性を用いて、リフレッシュモードの適正な実行を実現する。
図5に示す知見によれば、滑材塗布量を適正化するためには、感光体1とクリーニングブレード5との間に生じる静摩擦力を下げるようにリフレッシュモードを実行すればよいが、単に静摩擦力を計測するだけでは、滑材が劣化しているのか、あるいは、感光体1上の滑材が過剰もしくは不足であるかを判別できない。すなわち、ある時点の静摩擦力の計測値だけでは、滑材塗布量を適正な範囲内に保つための具体的な方策が打てないことがわかった。
つまり、一般的に滑材塗布量と感光体1表面の摩擦力から生じるトルクとは、2次関数の関係を有する。滑材が劣化していると、測定されるトルクは2次曲線から外れるが、トルクを測定しただけでは、滑剤塗布量が過不足いるのか、あるいは劣化しているかを判断することはできない。
本願出願人らは、さらに鋭意検討した結果、複数の静摩擦力を計測し、その静摩擦力に基づいて、滑材塗布量が過剰であるかの、あるいは不足しているのかを判断できるという別の新たな知見を見出した。
より具体的には、あるタイミングで計測した静摩擦力が適正値よりも高ければ、感光体1上の滑材を除去し、除去した後の静摩擦力を計測する。滑材を除去した前後で静摩擦力の変化を評価する。静摩擦力が増加していれば(図5の符号202の方向)、滑材が不足している(不足範囲内にある)と判断でき、感光体1上に滑材を塗布すればよいことがわかる。これに対して、静摩擦力が低下していれば(図5の符号204の方向)、滑材が過剰である(過剰範囲内にある)と判断でき、感光体1上から滑材をさらに除去すればよいことがわかる。
このような静摩擦力の変化を用いた逐次の判断に基づいて、感光体1に対する滑材の塗布または除去を繰り返すことで、感光体1上の滑材塗布量を滑材適正範囲内に維持できる。すなわち、図5に示すように、静摩擦力は、滑材塗布量に関して凹型(すなわち、下に凸型)の特性を示すので、滑材塗布量が不足な状態であれば、滑材塗布量の増加に伴って静摩擦力は単調に低下する一方、滑材塗布量が過剰な状態であれば、滑材塗布量の増加に伴って静摩擦力は単調に増加する。そのため、滑材塗布量の増減と静摩擦力の増減との関係を用いて、適正な滑材塗布量へ調整することができる。
以上のように、本実施の形態に従う画像形成装置100は、劣化滑材の除去量および供給される滑材塗布量の過不足を補正して、感光体上に存在する滑材の量を適正化できるリフレッシュモードを有している。すなわち、本実施の形態に従うリフレッシュモードは、感光体1(像担持体)上の潤滑剤の量を補正する補正処理に相当する。このリフレッシュモードは、基本的には、制御部50によって実行される。
<F.リフレッシュモードの概要>
次に、本実施の形態に従う画像形成装置100に実装されるリフレッシュモードの概要について説明する。
感光体1上に形成される滑材層(滑材被膜)は、帯電工程などで生じる放電生成物によって劣化し、滑材自体もそれ自体の変質などによっても劣化する。さらに、通常は数%といわれるB/W比とは大きく異なったB/W比を有する画像パターンに基づく印刷物を大量に連続して印刷した後や、画像形成装置の設置環境が変化した場合には、滑材塗布量が変動する。
このような滑材層に対する外乱によって生じる、像流れ(画像ボケ)やブレード摩耗の増加を抑制するためには、感光体上に塗布されて劣化した滑材被膜を一旦除去すること、または、滑材塗布量の変動に対しては、感光体1上の滑材の過不足を補正して適正な滑材塗布量を保つ必要がある。
上述したように、劣化していない滑材が感光体1上に適正な量だけ塗布されている状態においては、静摩擦力が最小の値を示す近傍であることが判明しているため、リフレッシュモードではその最小値の近傍まで静摩擦力を下げることが必要である。しかし、単に静摩擦力を計測するだけでは、滑材が劣化して静摩擦力が上がっているのか、あるいは、感光体1上の滑材が過剰もしくは不足で静摩擦力が上がっているのかはまでは判断できない。
そこで、本実施の形態に従うリフレッシュモードでは、制御部50は、リフレッシュモードの開始直後に計測された第1の静摩擦力と、その後に実行された感光体1上の滑材を除去する処理後に計測された第2の静摩擦力との変化に基づいて、感光体1上の潤滑剤の状態を推定する。そして、制御部50は、当該推定した滑材の状態に基づいて、感光体1上に滑材を供給する処理、および、感光体1上から滑材を除去する処理の一方を選択的に実行する。さらに、状況に応じて、制御部50は、感光体1に生じる静摩擦力が予め定められた範囲内になるまで、感光体1に生じる静摩擦力の計測と、感光体1上に潤滑剤を供給する処理、および、感光体1上から潤滑剤を除去する処理の選択的な実行と、を繰り返す。このような一連の処理によって、感光体1上の滑材の量が適正な範囲に補正される。
より具体的には、最初に静摩擦力を計測し、その値が滑材適正範囲内であれば、リフレッシュモードを終了するが、滑材適正範囲内でなければ、滑材を除去する動作を行ない、動作後の静摩擦力を計測する。動作前と動作後との間で静摩擦力を比較し、動作後の静摩擦力が増加していれば滑材が不足していると判断し、滑材を感光体上に塗布する動作を行なう。一方、動作後の静摩擦力が下降すれば、滑材が過剰であると判断し、滑材を感光体上から除去する動作を行なう。滑材の塗布と滑材を除去する動作の前後での静摩擦力の変化を計測し、その変化の結果に基づいて、感光体1に対して滑材を除去するまたは塗布する動作を繰り返し、静摩擦力が滑材適正範囲内になれば、リフレッシュモードを終了する。
リフレッシュモードにおいて、滑材を除去する動作および塗布する動作は、1回あたり1〜2秒程度で完了するため、リフレッシュモードの全体としても、比較的短時間で終了する。
<G.静摩擦力の計測および静摩擦力特性の推定(初期セットアップ)>
次に、静摩擦力を計測する方法、およびその方法を用いて、図5に示すような静摩擦力特性を推定する方法について説明する。
本実施の形態に従う画像形成装置100は、感光体1(像担持体)とクリーニングブレード5との間に生じる静摩擦力を計測する計測機能を有している。この静摩擦力を計測する方法としては、典型的には、摩擦力計測装置を用いて間接的に計測する方法と、感光体1を回転駆動するモータの電流値などから直接的に計測する方法とがある。
すなわち、前者の場合は、感光体1に摩擦力計測装置を接触させて計測することで、感光体1の静止摩擦係数を計測することができる。摩擦力計測装置から出力されるのは、感光体1の静止摩擦係数であるが、クリーニングブレード5の物性が既知であれば、この物性値から換算して、感光体1とクリーニングブレード5との間に生じる静摩擦力を示す値を算出できる。
一方、後者の場合は、例えば、感光体1を回転駆動するモータとしてDCモータを採用し、そのDCモータに流れる電流値を計測すれば、その計測値から静摩擦力の大きさを示す静トルクを算出できる。この計測方法においては、感光体1に対して、現像部4、中間転写体接触ローラー6(転写部材)、滑材供給部8(滑材塗布部材)、滑材供給部8(いずれも図2〜図4参照)などを離間させつつ、クリーニングブレード5のみを圧接させた状態で計測することで、より高い精度で静摩擦力(静トルク)を計測できる。
上述したように、イメージングユニット10において、感光体1とクリーニングブレード5との間には、図5に示すような静摩擦力特性が存在する。しかしながら、現実の画像形成装置100には個体差が存在し、静摩擦力を最小値またはその周辺にある場合が好ましいのは共通であっても、装置毎に適正な静摩擦力の最小値は異なる。そこで、画像形成装置100の初期セットアップ時に、イメージングユニット10において生じる静摩擦力特性を推定する。初期セットアップは、各画像形成装置100を設置した後に実行される。これは、画像形成装置100の設置環境に依存して、各種のパラメータを調整する必要があるからである。なお、初期セットアップは、ここで説明する静摩擦力特性(最小摩擦力)を推定する処理以外に各種設定処理を含む。
図6は、本実施の形態に従う画像形成装置100において初期セットアップ時に実行される静摩擦力特性の推定処理を説明する模式図である。図6を参照して、感光体1上に滑材が存在しないときの静摩擦力は相対的に大きいが、滑材を塗布し始めると感光体1表面に塗布される滑材によって静摩擦力は低下する。ある程度までは、滑材を塗布するほど静摩擦力は低下する。しかしながら、滑材塗布量が多すぎると、静摩擦力は増加し始める。静摩擦力が大きいほどクリーニングブレード5は摩耗しやすいので、クリーニングブレード5の耐久性を考えると、その値が最小値をとる近傍に静摩擦力を維持する必要がある。つまり、滑材塗布量を静摩擦力が最小値をとる近傍に調整する必要がある。
現実には、装置毎に静摩擦力の最小値および滑材塗布前(初期状態)の静摩擦力は異なる。そこで、本実施の形態に従う画像形成装置100の制御部50は、感光体1上に滑材が存在しない状態で第3の静摩擦力を計測し、その後に感光体1上に滑材を供給する処理を複数回実行するとともにそれぞれの実行後に第4の静摩擦力を計測し、計測された複数の第4の静摩擦力から静摩擦力の最小値を決定するとともに、第3の静摩擦力および静摩擦力の最小値から摩擦力適正範囲を決定する。
より具体的には、滑材の塗布および静摩擦力の計測を繰り返し、最小摩擦力が決定される。図6に示すように、初期状態から滑材を塗布するほど静摩擦力は低下するが、滑材を塗布して静摩擦力が増加するようなことがあれば、それは滑材塗布量が多すぎると判断し、塗布動作をそこでやめる。一連の動作の中で計測された静摩擦力の最小値を当該画像形成装置100の最小摩擦力として記憶する。
図7は、本実施の形態に従う画像形成装置100において初期セットアップ時に実行される静摩擦力特性の推定処理の処理手順を示すフローチャートである。図7に示す各ステップは、典型的には、制御部50が予めインストールされたプログラムを実行することで実行される。図7に示す静摩擦力特性の推定処理は、基本的には、画像形成装置100を設置した後に1回実行されることになる。但し、経年変化や設置環境の変化などによって、静摩擦力特性が当初のものから変化することもあるので、定期的に実行するようにしてもよい。
図7を参照して、画像形成装置100の制御部50は、感光体1上に滑材が存在しないときの静摩擦力を計測し、その計測値を初期摩擦力として格納する(ステップS2)。続いて、制御部50は、所定時間にわたって感光体1上に滑材を供給し(ステップS4)、その後、感光体1の静摩擦力を計測し、その計測値を格納する(ステップS6)。この滑材の供給動作が複数回繰り返される。すなわち、制御部50は、ステップS4およびS6が所定回数繰り返されたか否かを判断し(ステップS8)、所定回数繰り返されると(ステップS8においてYES)、複数回のステップS6の実行によって格納された複数の計測値の最小値を、静摩擦力の最小値(最小摩擦力)として決定して格納する(ステップS10)。なお、ステップS8の判断処理において、予め定められた回数分だけ処理を繰り返す方法に代えて、静摩擦力の計測値が低下する方向に変化している状態から、増加する方向に変化している状態に切替わったときに、繰り返し処理を終了するようにしてもよい。
続いて、制御部50は、初期摩擦力と最小摩擦力との差αを算出し(ステップS12)、最小摩擦力から最小摩擦力に係数k×静摩擦力の差αを加えた値までの範囲を、摩擦力適正範囲として決定する(ステップS14)。この摩擦力適正範囲が滑材塗布量の目標範囲となる。すなわち、制御部50は、静摩擦力の最小値を摩擦力適正範囲の下限値とするとともに、静摩擦力の最小値に、初期摩擦力(第3の静摩擦力)と最小摩擦力(静摩擦力の最小値)との差に予め定められた係数を乗じた値を加算した値を摩擦力適正範囲の上限値とする。
なお、係数kとしては、本願出願人らのこれまでの知見から0.1(10%)程度が好ましい。この摩擦力適正範囲を算出する処理は、画像形成装置100の個体差を補償するための処理である。そして、静摩擦力特性の推定処理は終了する。
図7に示す処理手順では、複数の計測値のうちから最小値を決定する例を示したが、関数フィッティングを用いて、最小値を推定してもよい。この場合には、複数の係数を含む関数を用意しておき、計測値を用いてこれらの係数をフィッティングして、静摩擦力特性を示す関数を決定する。そして、決定した関数から最小摩擦力を一意に算出する。この場合、関数は機種毎に設定しておくことが好ましい。
<H.摩擦力適正範囲および滑材適正範囲>
次に、摩擦力適正範囲および滑材適正範囲の技術的な意義について説明する。
イメージングユニット10において、感光体1の回転駆動を開始する際の起動トルクが大きいと、クリーニングブレード5の摩耗が急速に進行する。一方、クリーニングブレード5は、典型的には、スティックスリップの往復運動によってトナーを掻き取るが、静摩擦力を生じるスティック運動(起動トルクの値との間に高い相関関係を有している)および動摩擦トルクが大きいと、クリーニングブレード5の摩耗が急速に進み、画像形成装置100の耐久性を考えると好ましくない。
そこで、起動トルクを可能な限り最小値の近傍となるように制御することで、クリーニングブレード5の摩耗に対してロバストなシステムを実現できる。この起動トルクを最小値の近傍で使用することができると考えられる滑材塗布量が滑材適正範囲である。
起動トルクの最小値の近傍は、上述したように、最小摩擦力から最小摩擦力に係数k×静摩擦力の差αを加えた値までの範囲であり、この範囲が滑材塗布量の過不足を補正するための目標範囲(摩擦力適正範囲)となる。本願発明者らが鋭意検討した結果、係数kは10%程度にすることが好ましいことが判明している。
また、本願発明者らは、起動トルクは、滑材塗布量に対して+の2次関数の関係を有しているとの知見を得ており、このことは、滑材塗布量が少なすぎても多すぎても、起動トルクが増加して、好ましくないことを意味する。そのため、滑材塗布量が滑材適正範囲内に保たれるように、後述するような手順でリフレッシュモードが実行される。
さらに、起動トルクは、滑材塗布量が滑材適正範囲内にあっても、滑材自体の劣化によって増加する。この滑材の劣化については、後述する。
<I.リフレッシュモードの処理手順>
次に、本実施の形態に従うリフレッシュモードの処理手順について説明する。図8は、本実施の形態に従う画像形成装置100において実行されるリフレッシュモードの処理手順を示すフローチャートである。図8に示す各ステップは、典型的には、制御部50が予めインストールされたプログラムを実行することで実行される。図8に示すリフレッシュモードは、通常の画像形成処理とは別に実行されることが好ましい。
図8に示すリフレッシュモードの実行に先だって、上述した初期セットアップによって、静摩擦力特性が推定されている。図8に示されるリフレッシュモードは、ある開始条件が満たされると開始される。
図8を参照して、画像形成装置100の制御部50は、感光体1の静摩擦力を計測し(ステップS100)、計測値が摩擦力適正範囲内であるか否かを判断する(ステップS102)。なお、取得された感光体1の静摩擦力の計測値は一時的に保持される。すなわち、制御部50は、リフレッシュモード(補正処理)の開始直後に感光体1(像担持体)とクリーニングブレード5(クリーニング部材)との間に生じる第1の静摩擦力を計測する。
静摩擦力を計測する際には、感光体1にクリーニングブレード5のみを圧接させた状態が最も好ましい。すなわち、静摩擦力を計測する計測機能としては、クリーニング部材を構成するクリーニングブレード5のみを感光体1に圧接させた状態で、感光体1を回転駆動する際の起動トルクを静摩擦力として計測することが好ましい。
さらに、クリーニングブレード5の静摩擦力の計測精度を高めるためには、クリーニングブレード5に溜まったトナー、外添剤、滑材などを一旦除去することが好ましい。これらを一旦除去するためには、感光体1を数mm〜20mm程度だけ通常の回転方向と逆方向に回転させることで、容易に除去できる。また、静摩擦力は、起動時のトルクの計測値から算出することが好ましい。
計測値が摩擦力適正範囲内である場合(ステップS102においてYESの場合)には、感光体1上の滑材塗布量が適正であるので、リフレッシュモードは終了する。
これに対して、計測値が摩擦力適正範囲内にはない場合(ステップS102においてNOの場合)には、制御部50は、感光体1上の滑材を除去する(ステップS104)。
画像形成装置100の制御部50は、感光体1の静摩擦力を計測し(ステップS106)、計測値が摩擦力適正範囲内であるか否かを判断する(ステップS108)。なお、取得された感光体1の静摩擦力の計測値は一時的に保持される。すなわち、制御部50は、第1の静摩擦力の計測後に、感光体1上の滑材を除去するとともに、感光体1とクリーニングブレード5との間に生じる第2の静摩擦力を計測する。
計測値が摩擦力適正範囲内である場合(ステップS108においてYESの場合)には、感光体1上の滑材塗布量が適正になったので、リフレッシュモードは終了する。
これに対して、計測値が摩擦力適正範囲内にはない場合(ステップS108においてNOの場合)には、制御部50は、今回の静摩擦力の計測値が前回の静摩擦力の計測値に比較して低下したか否かを判断する(ステップS110)。
今回の静摩擦力の計測値が前回の静摩擦力の計測値に比較して低下した場合(ステップS110においてYESの場合)には、滑材の除去に伴って静摩擦力が低下したことを意味するので、感光体1上の現在の滑材塗布量は過剰であると判断できる。この場合には、制御部50は、感光体1上の滑材をさらに除去する(ステップS104)。そして、ステップS104以降の処理が再度実行される。
今回の静摩擦力の計測値が前回の静摩擦力の計測値に比較して増加した場合(ステップS110においてNOの場合)には、滑材の除去に伴って静摩擦力が増加したことを意味するので、感光体1上の現在の滑材塗布量は不足していると判断できる。この場合には、制御部50は、感光体1上に滑材を供給する(ステップS112)。
画像形成装置100の制御部50は、感光体1の静摩擦力をさらに計測し(ステップS114)、計測値が摩擦力適正範囲内であるか否かを判断する(ステップS116)。なお、取得された感光体1の静摩擦力の計測値は一時的に保持される。計測値が摩擦力適正範囲内である場合(ステップS116においてYESの場合)には、感光体1上の滑材塗布量が適正になったので、リフレッシュモードは終了する。
これに対して、計測値が摩擦力適正範囲内にはない場合(ステップS116においてNOの場合)には、制御部50は、今回の静摩擦力の計測値が前回の静摩擦力の計測値に比較して低下したか否かを判断する(ステップS118)。
今回の静摩擦力の計測値が前回の静摩擦力の計測値に比較して低下した場合(ステップS118においてYESの場合)には、滑材の除去に伴って静摩擦力が低下したことを意味するので、感光体1上の現在の滑材塗布量は過剰であると判断できる。この場合には、制御部50は、感光体1上の滑材をさらに除去する(ステップS104)。そして、ステップS104以降の処理が再度実行される。
これに対して、今回の静摩擦力の計測値が前回の静摩擦力の計測値に比較して増加した場合(ステップS118においてNOの場合)には、滑材の除去に伴って静摩擦力が増加したことを意味するので、感光体1上の現在の滑材塗布量は不足していると判断できる。この場合には、制御部50は、感光体1上に滑材をさらに供給する(ステップS112)。
上述のステップS110およびS118において、画像形成装置の制御部50は、第1の静摩擦力と第2の静摩擦力との変化に基づいて、感光体1上の滑材の状態を推定するとともに、当該推定した滑材の状態に基づいて、感光体1上に滑材を供給する処理、および、感光体1上から滑材を除去する処理の一方を選択的に実行する。
以上のような処理手順によって、感光体1上の滑材塗布量が適正化される。なお、図8には、画像形成の対象となった画像パターンを考慮しない簡素化された処理手順を例示するが、画像パターンを考慮して、処理内容や実行タイミングなどを制御するようにしてもよい。
<J.リフレッシュモードの開始条件>
上述したようなリフレッシュモードは、各種の開始条件が満たされたときに実行するようにしてもよい。
(j1:印刷枚数)
例えば、印刷枚数に関する開始条件を採用することができる。より具体的には、所定枚数を印刷する毎に実行するようにすることが好ましい。すなわち、リフレッシュモードの開始条件は、通常の画像形成時において、感光体1上にトナー像を形成した回数が予め定められた値に到達することを含む。リフレッシュモードを所定印刷枚数毎に繰り返し実行することで、長期的に安定した画像形成を実現できる。また、画像形成装置100の電源が投入された際(または、省電力モードから復帰する際)に実行される処理(スタートシーケンス)の一部として。あるいは、画像形成装置100の電源が遮断される際(または、省電力モードに移行する際)に実行される処理(エンドシーケンス)の一部として、リフレッシュモードを実行してもよい。
(j2:同一画像パターン)
例えば、B/W比の小さな画像パターンに従う画像形成が連続すると、クリーニングブレード5に供給されるトナーが極端に低下するため、劣化滑材を除去する機能がほとんど発揮されない。このような場合には、特に、非画像部(画像形成時においてトナーが付着しない白地部)に対応する部分においては、劣化滑材が除去されずに蓄積していくことになる。劣化滑材の蓄積が顕著になると、それに伴う不具合も発生しやすくなる。このことは、同一の画像パターンが連続して印刷されるような場合には、非画像部において滑材の劣化が顕著となり、それに伴う不具合も発生しやすくなることを意味する。
このような知見に基づいて、本実施の形態に従うリフレッシュモードの開始条件として、同一の画像パターンが連続して印刷された枚数を含めることが好ましい。すなわち、リフレッシュモードの開始条件は、通常の画像形成時において、同一の画像パターンが予め定められた回数にわたって連続して形成されることを含む。
<K.滑材除去機能>
次に、本実施の形態の画像形成装置100における感光体1上の滑材を除去する機能(図8に示すステップS104)について説明する。
(k1:滑材の供給量の抑制)
リフレッシュモードにおける滑材の除去中においては、感光体1上への滑材の供給量を低減する、または、供給量をゼロにしておくことが好ましい。このように滑材の供給量を抑制することで、より効率的に滑材を除去できる。すなわち、本実施の形態に従う画像形成装置100の制御部50は、感光体1上の滑材を除去する際には、滑材の供給が抑制されるように滑材供給機構(潤滑剤供給手段)を制御する。
滑材の供給量を抑制する具体的な構成として、現像部4とは別に滑材供給機構が設けられる構成(例えば、図2に示す滑材供給部8および均し部材9)においては、滑材供給部8の感光体1に対する圧接力を弱めるようにしてもよいし、滑材供給部8を感光体1から離間するようにしてもよい。
図2および図3に示す滑材供給部8のように、塗布ブラシ81を用いて、固形滑材84から滑材を掻き取って感光体1に塗布する構成においては、塗布ブラシ81の回転速度を下げる、および/または、塗布ブラシ81の固形滑材84に対する圧接力を弱めることで、滑材の供給量を抑制することもできる。
(k2:画像パターンの制御)
リフレッシュモードにおける滑材の除去中においては、現像部4によって所定の画像パターンを示すトナー像が感光体1上に形成され、その形成されたトナー像と一緒に滑材が掻き取られる。このプロセスにおいて使用される画像パターンとしては、回転軸方向全域にわたってトナーが存在するものを用いることが好ましい。例えば、トナーが回転軸方向全域にわたって存在するベタパターンを画像パターンとして用いることができる。すなわち、制御部50は、リフレッシュモードにおいて、像担持体である感光体1の回転軸方向全域にわたってトナーが存在する画像パターンを用いる。但し、ベタパターンに限るものではなく、ドットハーフパターンでもよいし、現像バイアスなどを制御して形成される薄い全面ベタパターンでもよい。
(k3:転写条件の制御)
現像部4にて形成されたトナー像(画像パターン)は、中間転写ベルト12と接触することになるが、このとき、転写条件を適切に制御して、クリーニングブレード5へ供給されるトナーの量を通常の画像形成時よりも増加させる、すなわち、中間転写ベルト12へ転写されるトナーの量を低減させることが除去能力を高める観点からは好ましい。より具体的には、制御部50は、リフレッシュモードにおいて、クリーニングブレード5に到達するトナーの量が、通常の画像形成時においてクリーニングブレード5に到達するトナーの量より多くなるように、中間転写体接触ローラー6および関連する部位(転写手段)での転写条件を制御する。このような転写条件を制御する手段としては、転写バイアスを制御することが有効である。例えば、通常の画像形成時における転写バイアスよりも転写電界を弱める、あるいは、転写電界の極性を反転させるように転写バイアスを制御する、といった手段により、通常の画像形成時に比較して、クリーニングブレード5に到達するトナーの量を増加させることができる。
転写条件を制御する別の手段としては、転写時の圧接力を制御してもよい。より具体的には、リフレッシュモードの実行中には、中間転写体接触ローラー6の圧接力を通常の画像形成時に比較して低減する、あるいは、中間転写体接触ローラー6を中間転写ベルト12から離間する、といった手段を採用できる。
(k4:帯電量の調整)
中間転写ベルト12を通過した感光体1上のトナー像は、クリーニングブレード5の前に配置された副帯電部7(荷電手段)によって、ある帯電量が荷電される。副帯電部7により荷電される荷電量の絶対値は、通常の画像形成時における荷電量の絶対値よりも高くなるように設定される。より具体的には、トナーの正規荷電極性(画像形成時に保持している荷電の極性)と同極性の電圧を副帯電部7に印加し、トナーの有している帯電量が正規荷電属性を保持したまま、その量を増加させるようにする。このように、副帯電部7(荷電手段)を用いて、クリーニングブレード5(クリーニング部材)に到達するトナーの帯電量を通常の画像形成時に比較して高めることで、感光体1上の滑材の除去能力を高めることが好ましい。
具体的な実装として、現像部4とは別に、現像部4からクリーニングブレード5の間に、トナーの帯電量を変化させるための荷電手段を別途設ける。図2〜図4に示す構成においては、副帯電部7が荷電手段に相当する。副帯電部7は、現像部4(現像手段)からクリーニングブレード5(クリーニング部材)までの間に、感光体1(像担持体)の表面に沿って配置される。副帯電部7としては、トナーが有する帯電量を制御できればどのような構成を採用してもよいが、典型的には、コロトロンチャージャまたはコロナチャージャを用いることが好ましい。副帯電部7に印加する電圧としては、直流電圧であってもよいし、直流電圧に交流電圧を重畳したものであってもよい。
リフレッシュモードの実行中にのみ、副帯電部7による荷電を行なうようにしてもよいし、あるいは、通常の画像形成時における形成されるトナー像のコンディションを整えるといった趣旨で、通常の画像形成時においても副帯電部7による荷電を行なうようにしてもよい。通常の画像形成時も副帯電部7による荷電を行なう場合には、リフレッシュモードの方が通常の画像形成時に比較して、より強力な(印加電圧の絶対値がより高い、および/または、副帯電部7への供給電流がより大きい)荷電を行なうことになる。これによって、通常の画像形成時に比較してより帯電量の高いトナーがクリーニングブレード5へ供給される。
制御部50は、いずれかの方法によって、リフレッシュモードにおいてクリーニングブレード5に到達するトナーの帯電量の絶対値が、通常の画像形成時においてクリーニングブレード5に到達するトナーの帯電量の絶対値よりも高くなるように制御する。
(k5:滑材除去の終了処理)
予め定められたトナーがクリーニングブレード5に供給されたと判断されると、トナーの供給および副帯電部7による荷電を停止した上で、感光体1を所定回数にわたって回転させることが好ましい。この回転によって、回転軸方向における滑材の付着量のムラを軽減できる。
<L.滑材供給機能(滑材塗布動作)>
次に、本実施の形態の画像形成装置100における感光体1上の滑材を供給する機能(図8に示すステップS112)について説明する。
リフレッシュモードにおける滑材の塗布中においては、感光体1上への滑材の供給量を開始、あるいはさらに増加させる。滑材供給動作としては、現像部4とは別に滑材供給機構が設けられる構成(例えば、図2に示す滑材供給部8および均し部材9)においては、現像部4によるトナーの供給を停止し、滑材供給部8を感光体1に圧接させて、感光体1を所定回数にわたって回転させる。このとき、滑材除去動作の場合とは逆に、固形滑材84に対する塗布ブラシ81の圧接力を高める、および/または、塗布ブラシ81の回転速度を高める、ことによって、より効率的に、すなわち、より少ない感光体1の回転数で、感光体1の適切な領域まで滑材を供給することができる。
本実施の形態に従うリフレッシュモードでは、摩擦力適正範囲内になるように、滑材の供給および除去を選択的に実行するが、摩擦力適正範囲に対する偏差に依存させて、滑材の供給量を変化させてもよい。例えば、計測された静摩擦力が摩擦力適正範囲に対して相対的に大きく離れている場合には、より多くの滑材を供給する一方で、計測された静摩擦力が摩擦力適正範囲に対して相対的に近い場合には、滑材の供給量を低減するようにしてもよい。具体的な手法としては、塗布ブラシ81の回転速度を静摩擦力の偏差に応じて変化させることで、滑材の供給量を調整できる。あるいは、滑材の供給濃度を静摩擦力の偏差に応じて変化させることで、滑材の供給量を調整してもよい。
<M.滑材塗布量の変化について>
本願発明者らは、画像形成装置において所定枚数を印刷すると、感光体1上の滑材塗布量が滑材適正範囲に比較して増加し、あるいは、減少する場合があることを実験的に見出した。
(m1:所定枚数印刷後、滑材塗布量が増加する場合)
所定枚数印刷後、滑材塗布量が滑材適正範囲に比較して増加する場合については、画像形成装置100の設置環境、および用いられる画像パターンに依存することがわかった。
本願発明者らは、一つの実験例として、室温30℃、湿度70%の設置環境において、B/W比が5%の画像パターンを連続して1000枚印刷した。このとき、図3に示すような構成を有する画像形成装置を用いた。
図3に示すように、クリーニングブレード5を通過前に滑材供給部8を用いて滑材を感光体1上に塗布する。この実験例においては、1000枚の印刷後、静摩擦力を計測すると、通常よりも高くなっていた。これは、印刷初期や高温高湿の環境において、塗布される滑材の量が増加する傾向にあり、滑材がクリーニングブレード5をすり抜け、感光体1上に過剰に残留することになることが原因であると考えられる。そのため、このような場合には、感光体1上に供給される滑材を減らすことが好ましい。
(m2:所定枚数印刷後、滑材塗布量が減少する場合)
本願発明者らは、別の実験例として、室温15℃、湿度20%の設置環境において、B/W比が3%の画像パターンを連続して1000枚印刷した。このとき、図4に示すような構成を有する画像形成装置を用いた。この実験例においては、1000枚の印刷後、静摩擦力を計測すると、通常よりも高くなっていた。これは、滑材はトナーに付着しており、B/W比の低い画像パターンを印刷すると、トナーから剥がれた滑材のみが感光体1上に残留しないので、感光体1上の滑材塗布量は減少することが原因であると考えられる。そのため、このような場合には、感光体1上に供給される滑材を増やすことが好ましい。
また、図3に示す画像形成装置において、滑材供給部8が汚れると、滑材塗布量は減少する傾向にあり、このような場合にも、感光体1上に供給される滑材を増やすことが好ましい。
<N.効果確認実験>
上述した本実施の形態に従う画像形成装置100のリフレッシュモードの効果を確認するいくつかの実験(実施例1〜4および比較例1〜2)を行なった結果を以下に示す。
具体的な実験の手順としては、実施例、比較例ともに図2に示す画像形成装置をベースに、B/W比が7%の画像パターンを連続して10000枚印刷した後、本実施の形態に従うリフレッシュモードを実行した。本実験系において、負帯電のトナーを用いた。
リフレッシュモードの滑材除去機能を発揮させるために、コロトロンチャージャを副帯電部7として採用し、−8kVを印加した。一方、リフレッシュモードの滑材塗布動作、および通常の画像形成時には、副帯電部7による荷電を休止した。
[初期セットアップ]
各実施例および各比較例を実施する前に、画像形成装置に対して初期セットアップを行なった。
感光体1上に滑材がない状態で感光体1とクリーニングブレード5との間に生じる静摩擦力を代表する値として、静トルクを計測した。静トルクは、感光体1を回転駆動するDCモータの電流値で代表させる。本実施例においては、DCモータの初期の電流値は26mAであった。この後、滑材を1.5秒間にわたって塗布しながら静トルクを計測する動作を繰り返し、3回目で16mAまで減少した。4回目で18mAとなったので、初期セットアップを終了した。このセットアップにおいては、DCモータの電流値の最小値(最小摩擦力を代表する値)は、16mAであると算出された。
摩擦力適正範囲は、最小摩擦力から最小摩擦力に係数k×静摩擦力の差αを加えた値までの範囲として算出される。この例では、最小の電流値16mA+0.1×(初期の電流値26mA−最小の電流値16mA)=17となり、摩擦力適正範囲は、16〜17mAの範囲と算出される。つまり、この摩擦力適正範囲内に電流値(静トルク/静摩擦力)が入れば、リフレッシュモードを終了するように設定した。以下、このセットアップ条件で実施例および比較例を実施した。
図9は、実施例1〜4における静摩擦力特性の変化を示す模式図である。図10は、比較例1〜4における静摩擦力特性の変化を示す模式図である。なお、画像形成装置100を駆動させて判明するのは静摩擦力だけであり、対応する滑材塗布量は、感光体1の表面を切り取り、FT−IR(フーリエ変換型赤外分光)、ESCA(X線光電子分光)、XRF(蛍光X線元素分析法)などの手法を用いて計測する方法を用いて計測する。滑材計測量の計測は、感光体1表面をカットする破壊試験であるので、実際の画像形成装置100では行なうことができず、あくまでも以下に説明する評価を行なうためのものである。
[実施例1]
実施例1において得られた静摩擦力特性の変化を図9(a)に示す。
所定枚数(10000枚)の印刷終了直後(状態301)の電流値(静トルク/静摩擦力)は20mAであり、その後に実行されたリフレッシュモードにおいて感光体1上の滑材を除去した後(状態302)の電流値(静トルク/静摩擦力)は19mAであった。20mAと19mAとを比較して静摩擦力が低下しているので、滑材の除去が再度実行される。
2回目に感光体1上の滑材を除去した後(状態303)の電流値(静トルク/静摩擦力)は18mAであった。19mAと18mAとを比較して静摩擦力が低下しているので、滑材の除去が再度実行される。
3回目に感光体1上の滑材を除去した後(状態304)の電流値(静トルク/静摩擦力)は16mAであった。16mAは、摩擦力適正範囲内であるので、リフレッシュモードを終了した。
このリフレッシュモードの実行後、10000枚の印刷を行なったが、像流れおよびクリーニング不良は発生しなかった。
[実施例2]
実施例2において得られた静摩擦力特性の変化を図9(b)に示す。
所定枚数(10000枚)の印刷終了直後(状態311)の電流値(静トルク/静摩擦力)は20mAであり、その後に実行されたリフレッシュモードにおいて感光体1上の滑材を除去した後(状態312)の電流値(静トルク/静摩擦力)は16mAであった。16mAは、摩擦力適正範囲内であるので、リフレッシュモードを終了した。
このリフレッシュモードの実行後、10000枚の印刷を行なったが、像流れおよびクリーニング不良は発生しなかった。
[実施例3]
実施例3において得られた静摩擦力特性の変化を図9(c)に示す。
所定枚数(10000枚)の印刷終了直後(状態321)の電流値(静トルク/静摩擦力)は20mAであり、その後に実行されたリフレッシュモードにおいて感光体1上の滑材を除去した後(状態322)の電流値(静トルク/静摩擦力)は21mAであった。20mAと21mAとを比較して静摩擦力が増加しているので、今度は、滑材の塗布が実行される。
感光体1上の滑材を塗布した後(状態323)の電流値(静トルク/静摩擦力)は16mAであった。16mAは、摩擦力適正範囲内であるので、リフレッシュモードを終了した。
このリフレッシュモードの実行後、10000枚の印刷を行なったが、像流れおよびクリーニング不良は発生しなかった。
[実施例4]
実施例4において得られた静摩擦力特性の変化を図9(d)に示す。
所定枚数(10000枚)の印刷終了直後(状態331)の電流値(静トルク/静摩擦力)は20mAであり、その後に実行されたリフレッシュモードにおいて感光体1上の滑材を除去した後(状態332)の電流値(静トルク/静摩擦力)は18mAであった。20mAと18mAとを比較して静摩擦力が低下しているので、滑材の除去が再度実行される。
2回目に感光体1上の滑材を除去した後(状態333)の電流値(静トルク/静摩擦力)は19mAであった。18mAと19mAとを比較して静摩擦力が増加しているので、今度は、滑材の塗布が実行される。
感光体1上の滑材を塗布した後(状態334)の電流値(静トルク/静摩擦力)は16mAであった。16mAは、摩擦力適正範囲内であるので、リフレッシュモードを終了した。
このリフレッシュモードの実行後、10000枚の印刷を行なったが、像流れおよびクリーニング不良は発生しなかった。
[比較例1]
比較例1においては、リフレッシュモードにおいて滑材の除去のみを行ない、滑材の塗布は行なわないものとする。比較例1において得られた静摩擦力特性の変化を図10(a)に示す。
所定枚数(10000枚)の印刷終了直後(状態341)の電流値(静トルク/静摩擦力)は20mAであり、その後に実行されたリフレッシュモードにおいて感光体1上の滑材を除去した後(状態342)の電流値(静トルク/静摩擦力)は23mAであった。電流値の大きさから、滑材が十分に除去されたと判断して、リフレッシュモードを終了した。
このリフレッシュモードの実行後、500枚の印刷を行なったところ、クリーニングブレード5が削られすぎることによるクリーニング不良が発生した。
[比較例2]
比較例2においては、リフレッシュモードにおいて滑材の塗布のみを行ない、滑材の除去は行なわないものとする。比較例2において得られた静摩擦力特性の変化を図10(b)に示す。
所定枚数(10000枚)の印刷終了直後(状態351)の電流値(静トルク/静摩擦力)は20mAであり、その後に実行されたリフレッシュモードにおいては、滑材塗布量が不足していると判断し、滑材を塗布した。感光体1上の滑材を塗布した後(状態352)の電流値(静トルク/静摩擦力)は20mAであった。電流値の大きさから、滑材が十分に塗布されていないと判断して、滑材の塗布を再度実行した。
2回目に感光体1上の滑材を塗布した後(状態353)の電流値(静トルク/静摩擦力)は22mAであった。電流値の大きさから、依然として滑材が十分に塗布されていないと判断して、滑材の塗布を再度実行した。
3回目に感光体1上の滑材を塗布した後(状態354)の電流値(静トルク/静摩擦力)は24mAであった。電流値の大きさから、依然として滑材が十分に塗布されていないと判断して、滑材の塗布を再度実行した。滑材を塗布しているにもかかわらず、摩擦力が増加するので滑材が十分に塗布されていると判断し、リフレッシュモードを終了した。
このリフレッシュモードの実行後、500枚の印刷を行なったところ、クリーニングブレード5が削られすぎることによるクリーニング不良が発生した。
[総合結果]
上述の実験(実施例1〜4および比較例1〜2)によって得られた結果を下表に示す。
Figure 0006107841
クリーニングブレード5のエッジ部全域を顕微鏡(キーエンス社製 VKX100)で観察することにより平均摩耗幅を確認して、ブレード摩耗性を評価した。表中の摩耗幅の評価結果は以下を意味する。
〇:40μm以下
△:40μm〜100μm
×:100μm以上
クリーニング性は、色差ΔEに基づいて評価した。リフレッシュモードの終了後に500枚を印刷し、その時点で良好(〇)であれば、10000枚まで印刷した。表中のクリーニング性の評価結果は、以下を意味する。
〇:ΔE<2
△:2≦ΔE≦3
×:ΔE>3
<O.付記>
本発明の別の局面に従う画像形成装置は、像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、当該静電潜像をトナーによって現像する現像手段と、現像したトナーを被転写媒体に転写する転写手段と、当該転写した後の像担持体上の残留トナーをブレードで回収するクリーニング部材とを有する。当該画像形成装置は、所定のタイミングにおいて、感光体上の滑剤状態を補正するモード(リフレッシュモード)を実行する機能を有している。リフレッシュモードは、静摩擦力を計測するモードと、潤滑剤を回収する滑剤回収モードと、潤滑剤を感光体に塗布して供給する潤滑剤塗布モードとを有する。そして、リフレッシュモードでは、(1)リフレッシュ開始時に感光体上の静摩擦力を計測し、(2)複数回、一定時間潤滑剤を削る動作を実行した後の感光体上の静摩擦力を計測し、(3)(1)および(2)の計測結果を比較して滑材の状態を推定し、その推定に応じて潤滑剤を回収/塗布の動作を実行して補正する。
好ましくは、画像形成装置は、現像手段より下流で、クリーニングブレードより上流にトナー帯電量を制御する荷電制御手段を有している。潤滑剤回収モードにおいては、荷電制御手段は、潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布モード、および、画像形成時よりもトナーの帯電量の絶対値を高くする方向の出力量を有する。
好ましくは、静摩擦力の計測手段は、感光体に対してクリーニングブレードのみを圧接した静トルク計測である。
好ましくは、画像形成装置の初期セットアップ時に、以下の動作を行なって、補正の目標値を決定する。
(1)感光体の上に潤滑剤が存在しないときの静摩擦力を計測して記憶する。
(2)潤滑剤の供給を一定時間実行した後の静摩擦力を計測して記憶する。
(3)(2)の動作を複数回繰り返し、静摩擦力の最小値を算出して記憶する。
(4)最小値と(2)で計測した静摩擦力の差を求め、最小値に求めた摩擦力差の10%を加えた値を、補正の目標値とする。
<P.まとめ>
本実施の形態に従う画像形成装置100は、滑材塗布量の過不足を補正するためのリフレッシュモードを実行する。具体的には、所定枚数を印刷する毎に、まず感光体1上の静摩擦力を読み取り、所定の値に達していなければ感光体上の滑材を削る動作を行なう。滑材を削る動作終了後に静摩擦力を計測するとともに、さらに感光体1上の滑材を削除する動作前後における静摩擦力同士を比較し、滑材を削るまたは滑材を塗布する動作のいずれかを行なうかを判断する。以降、滑材を削るまたは滑材を塗布する動作前後における静摩擦力同士を比較しながら、滑材を削るまたは滑材を塗布する動作を繰り返し、静摩擦力を計測し、滑材塗布量が適正範囲内に入れば、その動作を終了する。
本実施の形態に従う画像形成装置100は、リフレッシュモードを実行することで、感光体1上の滑材塗布量を調整し、静摩擦力を適正範囲内に維持することで、滑材の劣化、および、滑材塗布量の過不足、によるクリーニングブレード5の異常摩耗を抑制できる。
本実施の形態に従うクリーニングモードにおいては、クリーニングブレード5に到達するトナーの帯電量の絶対値を、通常の画像形成時においてクリーニングブレード5に到達するトナーの帯電量よりも高くなるように制御する。これによって、感光体1上に存在する滑材をより効率的に除去することができ、これによって、劣化滑材に起因する静摩擦力の増加を防止するとともに、静摩擦力を常に適正範囲内に維持することができる。また、感光体1上の滑材塗布量が過剰である場合にも、このような方法を用いて、不要な滑材を除去することで、滑材塗布量を適正範囲内に維持することができ、クリーニングブレード5の異常摩耗を抑制できる。
本実施の形態に従う画像形成装置100は、感光体1にクリーニングブレード5のみを接触させた状態で、その静トルクを計測することにより、静摩擦力の計測精度を高めることができる。このような構成によって、クリーニングブレード5の異常摩耗を抑制するために必要な、感光体1上の滑材塗布量を適正範囲内に維持することを容易化できる。
本実施の形態に従う画像形成装置100は、初期セットアップ時に、初期摩擦力(初期の静トルク)と最小摩擦力(最小の静トルク)とを求め、これらから摩擦力適正範囲を決定する。この摩擦力適正範囲を算出する処理によって、画像形成装置100の個体差を補償できる。個体差を補償することによって、静摩擦力の計測精度を高めることができる。このような構成によって、クリーニングブレード5の異常摩耗を抑制するために必要な、感光体1上の滑材塗布量を適正範囲内に維持することを容易化できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 感光体、2 帯電部、3 露光部、4 現像部、4,4C,4K,4M,4Y 現像部、5,18 クリーニングブレード、6 中間転写体接触ローラー、7 副帯電部、8 滑材供給部、9 均し部材、10,10C,10K,10M,10Y イメージングユニット、12 中間転写ベルト、14,16 中間転写体駆動ローラー、20 転写ローラー、22 定着部、30 給紙部、32 送出ローラー、34 搬送ローラー、38 搬送経路、50 制御部、81 塗布ブラシ、82 軸部材、83 起毛、84 固形滑材、100 画像形成装置、110 プリントエンジン、120 原稿読取部、122 イメージスキャナー、124 原稿給紙台、126 原稿自動送り装置、128 原稿排紙台、130 排出トレイ、S 媒体。

Claims (8)

  1. 像担持体と、
    前記像担持体上に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像手段と、
    前記トナー像を被転写媒体に転写する転写手段と、
    転写後に前記像担持体上に残留するトナーを回収するクリーニング部材と、
    前記像担持体上に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段と、
    前記像担持体と前記クリーニング部材との間に生じる静摩擦力を計測する計測手段と、
    前記像担持体上の潤滑剤の量を補正する補正処理を実行可能な制御手段とを備え、前記制御手段は、
    前記補正処理の開始直後に計測された第1の静摩擦力と、その後に実行された前記像担持体上の潤滑剤を除去する処理後に計測された第2の静摩擦力との変化に基づいて、前記像担持体上の潤滑剤の状態を推定し、
    当該推定した潤滑剤の状態に基づいて、前記像担持体上に潤滑剤を供給する処理、および、前記像担持体上から潤滑剤を除去する処理の一方を選択的に実行する、画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、前記像担持体に生じる静摩擦力が予め定められた範囲内になるまで、前記像担持体に生じる静摩擦力の計測と、前記像担持体上に潤滑剤を供給する処理、および、前記像担持体上から潤滑剤を除去する処理の選択的な実行と、を繰り返す、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御手段は、前記像担持体上に潤滑剤が存在しない状態で第3の静摩擦力を計測し、その後に前記像担持体上に潤滑剤を供給する処理を複数回実行するとともにそれぞれの実行後に第4の静摩擦力を計測し、前記計測された複数の第4の静摩擦力から静摩擦力の最小値を決定するとともに、前記第3の静摩擦力および前記静摩擦力の最小値から摩擦力適正範囲を決定する、請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御手段は、前記静摩擦力の最小値を前記摩擦力適正範囲の下限値とするとともに、前記静摩擦力の最小値に、前記第3の静摩擦力と前記静摩擦力の最小値との差に予め定められた係数を乗じた値を加算した値を前記摩擦力適正範囲の上限値とする、請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記計測手段は、前記クリーニング部材を構成するクリーニングブレードのみを前記像担持体に圧接させた状態で、前記像担持体を回転駆動する際の起動トルクを前記静摩擦力として計測する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記現像手段から前記クリーニング部材までの間に、前記像担持体の表面に沿って配置された荷電手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記荷電手段を用いて、前記クリーニング部材に到達するトナーの帯電量を通常の画像形成時に比較して高めることで、前記像担持体上の潤滑剤を除去する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御手段は、前記像担持体上の潤滑剤を除去する際には、潤滑剤の供給が抑制されるように前記潤滑剤供給手段を制御する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 画像形成装置における画像形成方法であって、前記画像形成装置は、像担持体と、前記像担持体上に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像手段と、前記トナー像を被転写媒体に転写する転写手段と、転写後に前記像担持体上に残留するトナーを回収するクリーニング部材と、前記像担持体上に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段とを備え、前記画像形成方法は、
    前記像担持体上の潤滑剤の量を補正する補正処理の開始直後に前記像担持体と前記クリーニング部材との間に生じる第1の静摩擦力を計測するステップと、
    前記第1の静摩擦力の計測後に、前記像担持体上の潤滑剤を除去するとともに、前記像担持体と前記クリーニング部材との間に生じる第2の静摩擦力を計測するステップと、
    前記第1の静摩擦力と前記第2の静摩擦力との変化に基づいて、前記像担持体上の潤滑剤の状態を推定するとともに、当該推定した潤滑剤の状態に基づいて、前記像担持体上に潤滑剤を供給する処理、および、前記像担持体上から潤滑剤を除去する処理の一方を選択的に実行するステップとを備える、画像形成方法。
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