JP6107022B2 - 排水装置 - Google Patents
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Description
現行では、地山と防水シートとの間に漏水が溜まることを防止するために、地山壁面にドレーン材を設置して、底部に設けた暗渠等を使用して導水し、壁面背面から排水して水抜きを行っている(特許文献1、符号11)。
さらに本発明の排水装置において、前記止水板によって前記通水路の前記入水口が閉じられた閉塞状態において、前記止水板と前記座板との間に介在して漏水の前記通水路への進入を防止する止水パッキンを備えても良い。
さらに本発明の排水装置において、前記止水板と前記座板との間隙から前記通水路への異物の進入を防止するフィルタを備えても良い。
また、本発明の排水装置は、地山と防水シートとの間の漏水を前記防水シートに形成された開口を通して排水する排水装置であって、漏水を前記防水シートの開口を通して排水する通水路の入水口となる開口が形成され、当該開口の周囲が前記防水シートと接着される接着面となる座板と、当該座板に開口と連通して立設され、開放端が前記通水路の排水口となる通水パイプと、前記通水路の前記入水口側に設けられ、前記座板に対する垂直方向の移動によって前記通水路の前記入水口を開閉する止水板と、前記通水路内に設けられ、前記止水板を前記座板に対する垂直方向に移動可能に支持する支持手段と、前記支持手段による前記止水板の移動を前記通水路の前記排水口側から操作する操作手段とを具備することを特徴とする。
また、本発明の構造物は、上述の排水装置が地山に施された防水シートに設置された状態で組み込まれていることを特徴とする。
本実施の形態の排水装置1は、図1を参照すると、通水路Aが形成された通水部材10と、通水路Aを開閉する弁部材20とで構成されている。通水部材10は、図2に示すように、先防水工として山留め壁(以下、地山30と称す)に施された防水シート40に取り付けて設置され、通水路Aを通して地山Gからの漏水を内側に排水する。
まず、通水部材10として、図5(a)に示すように、ナット13を座板11の支持片11cに、支持片11cの中心孔11bとナット13の螺旋孔とが重なるように溶接固定する。
次に、弁部材20として、図5(b)に示すように、止水パッキン22を止水板21に、互いの外径がほぼ重なるように接着剤で張り付ける。そして、止水パッキン22を張り付けた面側の止水板21の中心に、長ねじ23を止水板21に対して垂直方向に立設させて溶接固定する。
次に、図5(c)に示すように、止水板21に立設されている長ねじ23を、ナット13が固定されていない面側から、座板11の支持片11cに固定されたナット13の螺旋孔に螺入させて、通水部材10と弁部材20とを接続する。これにより、通水部材10のナット13と弁部材20の長ねじ23とが止水板21を長ねじ23の軸方向に移動可能に支持する支持機構として機能する。この支持機構により、止水板21は、止水パッキン22を張り付けた面が座板11と対向してほぼ平行に、且つ座板11の垂直方向に移動可能に支持される。また、止水板21の移動は、ねじ機構によって行われるように構成されている。従って、ナット13と長ねじ23は、止水板21をその場に保持する保持機構としても機能する。例えば、打設されたコンクリート圧によって座板11が止水板22に向けて押し付けられても、ねじ機構のため止水板21は移動することなく、止水板22と座板11との間隙を維持することができる。
次に、図5(c)に矢印で示すように、通水パイプ12を長ねじ23の開放端側から、座板11の中心と通水パイプ12の中心とを一致させて、通水パイプ12を座板11に対して垂直方向に立設させて溶接固定する。これにより、座板11の開口11aと通水パイプ12とで通水路Aが形成されることになる。座板11の開口11aは、漏水の入水口となり、通水パイプ12の開放端側が漏水の排水口となる。
次に、長ねじ23の開放端側からナット24を螺入させて溶接固定する。これにより、図1に示す排水装置1が完成される。開放端側にナット24が固定された長ねじ23は、通水路Aの排水口側から止水板21の移動を操作する操作部として機能する。すなわちT型レンチを用いて、通水路Aの排水口側からナット24を回転させることで、止水板21を座板11の垂直方向に移動させることができる。
まず、図7(a)に示すように、地山30に張り付けられた防水シート40に、止水板21を通すことができ、座板11よりも小さい開口40aを形成する。開口40aは、カッター等を用いることで簡単に形成することができる。
次に、図7(b)に示すように、止水板21を開口40aから防水シート40と地山30との間に進入させると共に、座板11と防水シート40とを接着させることで、排水装置1が設置される。なお、座板11と防水シート40との接着には、例えば合成ゴム系の接着剤を用いることができる。また、座板11を防水シート40の表面上から接着させる場合には、座板11を地山30に向けて押し付ける必要がある。この場合には、図7(b)に示すように、止水板21を地山30にめり込ませる必要があり、排水装置1(通水部材10)は、H形鋼50に対向していない箇所に設置すると良い。
図10に示す排水装置1aは、上述の排水装置1の構成に加えて、止水板21を覆うように座板11に取り付けられたフィルタFを備えている。土石等の異物が止水板21と座板11との間隙から通水路Aに向けて進入すると、止水板21の移動が損なわれたり、通水路Aが目詰まりしたり、止水板21による閉塞が不完全になったりする虞がある。そこで、フィルタFは、止水板21と座板11との間隙からの土石等の異物の進入を防止する異物進入防止部として機能する。フィルタFとしては、不織布その他の透水性材料、金網等を用いることができる。また、フィルタFは、少なくとも止水板21と座板11との間隙を覆うように設けられていれば良い。
図11に示す排水装置1bは、上述の排水装置1の長ねじ23に換えて、周面から係合突起25が弾性を持って突出している操作棒26が設けられていると共に、ナット13に換えて、係合突起25と係合する係合孔14が形成された筒状体15が設けられている。筒状体15と操作棒26とが止水板21の支持機構及び保持機構として機能する。図11(a)に示すように、操作棒26の係合突起25が筒状体15の係合孔14と係合することで、排水装置1bは開放状態に保持される。図11(a)に示す矢印で示す方向に操作棒26を引くことで、操作棒26の係合突起25は筒状体15押し下げられ、止水板21が閉じる方向に移動可能になる。なお、図11に示すように、操作棒26の開放端側に引っ掛け穴27等の被係合部を形成しておくことで、係合部が先端に形成された操作器具を用いて簡単に操作棒26を引くことができる。そして、図11(b)に示すように、操作棒26の係合突起25が筒状体15の端部と係合することで、排水装置1bは閉塞状態に保持される。この例では、止水板21を回転させることなく移動させることができるため、操作性が向上する。
図12に示す排水装置1cでは、座板11の外周に額部11dが形成されている。額部11dは、防水シート40に当接することで、地山30と座板11との間に間隙を形成するための間隙形成手段である。従って、額部11dを座板11と一体で形成する必要はなく、別部材で構成することもできる。
次に、図12(b)に示すように、止水板21を開口40bから地山30側に進入させると共に、額部11dを防水シート40に当接させる。
次に、座板11を覆うようにドーナッツ状の増貼りシート41を被せ、増貼りシート41と防水シート40及び座板11の接着面とを接着させる。
これにより、図12(b)に示すように、地山30と座板11との間に間隙が確保された状態で排水装置1cが設置され、H形鋼50に対向している箇所等の地山30に止水板21をめり込ませることができない場合でも、排水装置1cを設置することができる。
例えば、通水パイプ12の一端を成形して座板11としてもよい。また、通水パイプ12と座板11とを一体成形しても良い。
また、止水パッキン22を座板11に設けることも可能である。また、止水板21と座板11と双方に止水パッキン22を設けることも可能である。
また、上述の実施の形態では、止水板21及び座板11は平面視円形であったが、矩形その他、本発明を実施する上で好適な形状にすることが出来る。
また、上述の実施の形態では、排水装置10を山留め壁に用いたが、本発明に係る排水装置はそれに限定されずトンネルその他の地下構造物に適用できる。
10 通水部材
11 座板
11a 開口
11b 中心孔
11c 支持片
11d 額部
12 通水パイプ
13 ナット
14 係合孔
15 筒状体
20 弁部材
21 止水板
22 止水パッキン
23 長ねじ
24 ナット
25 係合突起
26 操作棒
27 引っ掛け穴
30 地山
40 防水シート
40a、40b 開口
41 増貼りシート
50 H形鋼
61 均しコンクリート
62 床コンクリート
63 躯体コンクリート
A 通水路
G 地山
F フィルタ
Claims (5)
- 地山と防水シートとの間の漏水を前記防水シートに形成された開口を通して排水する排水装置であって、
前記防水シートと接着される接着面を有し、漏水を前記防水シートの前記開口を通して排水する通水路が形成された通水部材と、
前記通水路の入水口側に設けられ、前記通水路を開閉する止水板と、
前記通水路の排水口側に設けられ、前記止水板を操作する操作手段とを具備し、
前記通水部材は、
前記通水路の前記入水口となる開口が形成され、当該開口の周囲が前記接着面となる座板と、
当該座板に前記開口と連通して立設され、開放端が前記通水路の前記排水口となる通水パイプとを備え、
前記止水板は、前記座板に対して垂直方向に移動可能に支持され、
前記止水板の前記座板に対する垂直方向の移動によって、前記通水路の前記入水口が開閉され、
前記止水板に垂直に立設された長ねじと、
当該長ねじとの螺合によって、前記止水板を前記座板に対して垂直方向に移動可能に支持する支持手段とを具備することを特徴とする排水装置。 - 前記止水板によって前記通水路の前記入水口が閉じられた閉塞状態において、前記止水板と前記座板との間に介在して漏水の前記通水路への進入を防止する止水パッキンを具備することを特徴とする請求項1に記載の排水装置。
- 前記止水板と前記座板との間隙から前記通水路への異物の進入を防止するフィルタを具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の排水装置。
- 地山と防水シートとの間の漏水を前記防水シートに形成された開口を通して排水する排水装置であって、
漏水を前記防水シートの開口を通して排水する通水路の入水口となる開口が形成され、当該開口の周囲が前記防水シートと接着される接着面となる座板と、
当該座板に開口と連通して立設され、開放端が前記通水路の排水口となる通水パイプと、
前記通水路の前記入水口側に設けられ、前記座板に対する垂直方向の移動によって前記通水路の前記入水口を開閉する止水板と、
前記通水路内に設けられ、前記止水板を前記座板に対する垂直方向に移動可能に支持する支持手段と、
前記支持手段による前記止水板の移動を前記通水路の前記排水口側から操作する操作手段とを具備することを特徴とする排水装置。 - 請求項1乃至4の何れかに記載の排水装置が地山に施された防水シートに設置された状態で組み込まれていることを特徴とする構造物。
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