JP6106121B2 - 屋根構造 - Google Patents
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Description
一方、室内景観を向上させるために、最上階の天井面や小屋梁面を省略し、最上階の室内上部の空間を広くしたい場合がある。このような場合、水平構面は主に屋根構面により構成されることになる。従来の屋根構造では、十分な剛性の屋根構面を確保することが難しいという問題点がある。
請求項2に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明の目的に加え、取付作業を容易なものにすることができ、屋根構面の剛性をさらに高くすることができて耐震性を向上させることができるようにした屋根構造を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、棟梁30、桁梁40及び複数の母屋50によって、複数の横架材20が構成され、前記複数の横架材20間に架け渡される複数の垂木70を有する屋根構造であって、前記複数の垂木70のうちの少なくとも一部の下面に該垂木70に沿った複数の補強部材60が固定されていることを特徴とする。
本発明では、補強部材60が、該垂木70のうちの少なくとも一部の下面に垂木70に沿って固定されていることで、該垂木70が拘束(補強)されて剛性が高くなり該垂木70の変形や移動が抑えられる。
本発明では、屋根構造の剛性を高くすることで十分に剛性の高い水平構面を確保することができる。これにより、水平構面の剛性を高くするための構造(例えば、火打ち梁や、小屋梁等)を少なくしたり、又は省略することが可能となり、室内空間をすっきりとした大空間にすることが可能となる。
請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、前記複数の横架材20と、前記複数の補強部材60とで囲まれた空間の四囲に枠体80が形成され、該枠体80の下面に補強面材90が固定されていることを特徴とする。
本発明では、枠体80が複数の横架材20と複数の補強部材60とで囲まれた空間の四囲に形成され、この枠体80の下面に補強面材90が固定される。このため、組み立て作業において、横架材20及び補強部材60の取り付け位置の寸法精度の誤差が大きいような場合であっても、その誤差を前記下面の取り付け位置で調整することが可能となり、補強面材90の取り付けを容易なものにすることができる。
(請求項3)
請求項3記載の発明は、上記した請求項1又は2に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。すなわち、前記複数の横架材20のうちの少なくとも一部の上面には、前記複数の垂木70間に設けられた拘束部材100が固定されていることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、垂木が拘束(補強)されることで剛性が高くなり垂木の変形や移動が抑えられ、屋根構面の剛性を高くすることができ、耐震性を向上させ、室内大空間の確保も可能な屋根構造を提供することができる。
請求項2記載の発明によれば、上記した請求項1に記載の発明の効果に加え、組み立て作業において補強面材の取り付けを容易なものにすることができる上に横架材及び補強材により構成される屋根構面の剛性をさらに高くすることが可能な屋根構造を提供することができる。
図1に示すように、本実施の形態では、屋根は、一端から他端へ向かうに従って高さが次第に高くなるように傾斜した、いわゆる片流れ屋根である。この屋根構造における最も低い位置に設けられている水平材としての横架材20が、桁梁40であり、また、屋根構造における最も高い位置に設けられている水平材としての横架材20が、棟梁30である。また、本実施の形態では、屋根の勾配は「0.5/10」とされている。
本実施の形態では、建物10は、地面に打設された基礎(図示せず)と、この基礎の上に載置され基礎に対してアンカーボルトで固定された土台15とを備えている。この土台15は、建物10の外壁線に沿って設けられ、土台15の上には、複数本の柱120が立設されている。
また、桁梁40と棟梁30との間には、これらと平行にすなわち水平に1本の母屋50が設けられている。なお、母屋50の本数は、これに限定されるものではなく、2本以上設けてもよいものである。
屋根の勾配に沿って、横架材20(棟梁30、母屋50及び桁梁40)と直行するように、これらの複数の横架材20間に垂木70が架け渡されている。
具体的には、棟梁30から母屋50や、桁梁40に向かって斜めに渡される補強部材60としての登り梁61が設けられている。この登り梁61は、上述した屋根の勾配に沿って設けられているものである。具体的には、棟梁30から桁梁40まで3本の登り梁61が設けられ、棟梁30から母屋50まで1本の登り梁61が設けられている。これらの登り梁61は、横架材20(棟梁30、母屋50及び桁梁40)と直行する。
垂木70の上には、面材としての野地板130が設けられている(図3、4参照)。この野地板130は複数の垂木70に跨がるように配置されて、垂木70に固定されているものである。なお、特に図示していないが、この野地板130の上には、防水シートや、屋根表面材が設けられる。
枠体80及び補強受材110の下面には、補強面材90(図1中の斜線部分)が釘により固定されている。具体的には、補強面材90は、2枚の長方形状の板材を並べて配置して、全体として枠体80の正方形状に開口する部分を塞ぐように固定されている(図2参照)。補強面材90は、枠体80を介して横架材20(棟梁30及び母屋50)と登り梁61(補強部材60)とに固定されている。
なお、補強面材90は、長方形状のものを2枚用いて、正方形状の枠体80の下面側を塞ぐように固定されているが、補強面材90の形状は特にこれに限定されるものではない。枠体80の下面側の正方形状の開口に整合するような正方形状の1枚の面材を用いてもよく、さらに、3枚以上の長方形状の面材を並べて固定してもよいものである。
また、補強面材90の枠体80への固定手段(締結部材280)も釘に限定されるものではなく、ネジでもよいものであり、また、両者を固定できるような取り付け金具を用いてもよいものである。
図3に示すように、母屋50の側面に締結部材280としての釘により枠体80が固定され、この枠体80の下面に補強面材90が締結部材280としての釘により固定されている。
図4に示すように、登り梁61の上面に垂木70が釘(締結部材280)により固定されている。補強部材60としての登り梁61の側面に枠体80が釘(締結部材280)により固定され、この枠体80の下面に補強面材90が釘(締結部材280)により固定されている。垂木70間には、いわゆる転び止めとしての拘束部材100が固定されている。
本実施の形態では、補強部材60が、垂木70の一部の下面に垂木70に沿って固定されていることで、垂木70が拘束(補強)され剛性が高くなり垂木70の変形や移動が抑えられる。
複数の横架材20(棟梁30、母屋50及び桁梁40)と、複数の横架材20間に架け渡される複数の垂木70及びその下面の補強部材60(登り梁61)とにより、屋根構面の一部を構成することができる。垂木70は補強部材60により固定されていることで、垂木70及び補強部材60が一体となって剛性の高い屋根構面にすることができ、耐震性を向上させることができる。
さらに、枠体80の内側には、補強面材90を受けるための補強受材110が渡されている。この補強受材110により補強面材90と枠体80との固定を強固なものにすることができ、枠体80及びこの枠体80が固定された横架材20及び補強部材60(登り梁61)の剛性もさらに増すことができる。
また、補強部材60として登り梁61を用いているが、補強部材60は登り梁61に限定されるものではなく、垂木70を固定して、垂木70の剛性を高めることができるものであれば登り梁61とは別の他の形状を有する他の部材でもよい。
上述した実施の形態では、屋根構造のうち全体の6分の1程度のごく一部に1個だけ枠体80を設け、この枠体80の下面に補強面材90を設けているが、これに限定されるものではなく、屋根構造の対角線上の角部に1個ずつ合計2個形成してもよい。また、屋根構造の4つの角部に合計4個形成するようにしてもよい。また、屋根構造を格子状の複数の領域に分割して補強面材90を市松模様状に交互に配置して補強面材90の各辺に隣接する箇所には補強面材90を設けないようにしてもよい。また、屋根構造の全ての部分に枠体80及び補強面材90を設けてもよいものである。
30 棟梁 40 桁梁
50 母屋 60 補強部材
61 登り梁 70 垂木
80 枠体 90 補強面材
100 拘束部材 110 補強受材
120 柱 130 野地板
140 天井材 150 天井廻り縁
Claims (3)
- 棟梁、桁梁及び複数の母屋によって、複数の横架材が構成され、
前記複数の横架材間に架け渡される複数の垂木を有する屋根構造であって、
前記複数の垂木のうちの少なくとも一部の下面に該垂木に沿った複数の補強部材が固定されていることを特徴とする屋根構造。 - 前記複数の横架材と、前記複数の補強部材とで囲まれた空間の四囲に枠体が形成され、該枠体の下面に補強面材が固定されていることを特徴とする請求項1記載の屋根構造。
- 前記複数の横架材のうちの少なくとも一部の上面には、前記複数の垂木間に設けられた拘束部材が固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の屋根構造。
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