本発明の遊技機に係る実施の形態について、以下図面を参照しながら説明する。はじめに、図1を参照して、本実施の形態における遊技機(以下、パチスロ)の機能フローについて説明する。
[遊技機の機能フロー]
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部抽籤手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
続いて、複数のリールの回転が行われた後で、遊技者によりストップボタンが押されると、リール停止制御手段は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。
ここで、パチスロでは、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止する。その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、入賞判定ラインに沿って表示されることがないようにリールの回転を停止する。
こうして、複数のリールの回転が全て停止されると、入賞判定手段は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロにおける1回の遊技として行われる。
また、パチスロでは、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカにより行う音の出力、演出パネル装置による光の連続表示演出、或いはこれらの組合せを利用してさまざまな演出が行われる。
遊技者によりスタートレバーが操作されると、前述の内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転が開始されるとき、各リールの回転がそれぞれ停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出の実行を進める。このように、パチスロでは、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る或いは予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上が図られる。
[パチスロの構造]
パチスロの機能フローについての説明は以上である。次に、図2及び図3を参照して、本実施の形態におけるパチスロの構造について説明する。
<パチスロの外部構造>
図2は、本実施の形態におけるパチスロの外部構造を示す。
(リールと表示窓)
パチスロ100は、リール101L,101C,101Rや回路基板等を収容するキャビネット103と、キャビネット103に対して開閉可能に取り付けられるフロントドア104とを備えている。キャビネット103の内部には、3つのリール101L,101C,101Rが横並びに設けられている。各リール101L,101C,101Rは、円筒状のフレームの周面に、複数の図柄(例えば21個)が回転方向に沿って連続的に配された帯状のシートを貼り付けて構成されている。
フロントドア104の中央上部には、液晶表示装置106が設けられている。液晶表示装置106の下方には、図柄表示領域107L,107C,107Rが設けられている。図柄表示領域107L,107C,107Rは、3つのリール101L,101C,101Rのそれぞれに対応して設けられる。図柄表示領域107L,107C,107Rは、表示窓としての機能を果たすものであり、リール101L,101C,101Rの回転及びその停止の動作が遊技者側から視認可能となる。
図柄表示領域(以下、表示窓という。)107L,107C,107Rは、リール101L,101C,101Rの回転が停止されたとき、リール101L,101C,101Rの表面に配された複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。また、各表示窓107L,107C,107Rが有する上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められた何れかをそれぞれ組合せてなる擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となるライン(入賞判定ライン)110として定義する。
本実施の形態では、各表示窓107L,107C,107Rの上段を組合せてなるトップライン110a、各表示窓107L,107C,107Rの中段を組合せてなるセンターライン110b、各表示窓107L,107C,107Rの下段を組合せてなるボトムライン110c、左表示窓107Lの上段、中表示窓107Cの中段及び右表示窓107Rの下段を組合せてなるクロスダウンライン110d、左表示窓107Lの下段、中表示窓107Cの中段及び右表示窓107Rの上段を組合せてなるクロスアップライン110eの5つを入賞判定ライン110として設けている。
(操作装置)
フロントドア104には、略水平面の台座部108が形成されている。台座部108には、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられている。
ベットボタン113は、パチスロ100内部に預けられているメダルのうち、その時点で投入可能な最大枚数のメダルを投入するために設けられる。
C/Pボタン114は、遊技者の操作によって払出モード又はクレジットモードの切り替えを行うために設けられている。クレジットモードでは、入賞が成立すると、入賞に対応する払出枚数分のメダルがクレジットされる。また、払出モードでは、入賞が成立すると、入賞に対応する払出枚数分のメダルが正面下部のメダル払出口123から払い出される。
メダル投入口112は、遊技者によって外部から投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口112に受け入れられたメダルは、所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に投入されることとなり、所定枚数を超えた分はパチスロ100内部に預けることが可能となる(いわゆるクレジット機能)。
スタートレバー115は、全てのリール101L,101C,101Rの回転を開始するために設けられる。ストップボタン116L,116C,116Rは、3つのリール101L,101C,101Rのそれぞれに対応づけられ、対応するリール101L,101C,101Rの回転を停止するために設けられる。
(その他装置)
7セグ表示器118は、7セグメントLEDからなり、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数)、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ100内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報を遊技者に対してデジタル表示する。
ランプ(LED等)120は、演出内容に応じた点消灯のパターンにて光を出力する。スピーカ121L,121Rは、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力する。メダル払出口123は、後述のメダル払出装置の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル払出口123から排出されたメダルは、メダル受皿124に貯められる。
また、図示は省略しているが、キャビネット103の内部には、パチスロ100に電源を入れるための電源ボタン、後述する設定値の変更を開始するための設定変更ボタン、予め定められた複数の設定値の中からいずれかを決定するためのリセットボタンが設けられている。
(演出パネル装置)
フロントドア104の左右上部には、演出パネル装置(演出パネル手段)200(200L,200R)が設けられている。演出パネル装置200は、フロントドア104の正面側(遊技者側)から見た場合に、縦長の楕円形状を呈するスモークレンズ部201で構成されており、このスモークレンズ部201の表面には枠体202が取り付けられている。なお、枠体202は、遊技者が演出パネル装置200を視認した場合に、スモークレンズ部201の視認性が損なわれないように、楕円形状表面の縁部分を覆うようにして取り付けられている。
図4は、フロントドア104の左側上部に設けられる演出パネル装置200L(200)の展開斜視図を示している。演出パネル装置200は、上述した枠体202と、楕円形状を呈するランプデザインのスモークレンズ部201と、スモークレンズ部201の後方に位置するハーフミラー部203と、ハーフミラー部203の後方に重畳するようにして配設される鏡面部204と、ハーフミラー部203と鏡面部204との間に配設される側面基板205と(図28(a)、図29(a)、図30(a)参照)、前面に開口部206aが形成された箱状のハウジング部材206と、鏡面部204を回動させるための駆動モータ(図7に示す符号211)とを有している。
ハーフミラー部203は、例えば、遊技者が位置する環境(ホール店内)のように明るい環境側からレンズ表面を視認すると鏡のように見えるが、遊技機内部側のように暗い方向からレンズ面(より詳細にはレンズ裏面)を見ると、レンズの表面側の光(ホール店内側の光)を視認できるという性質を有している。特に、本実施の形態に係るハーフミラー部203では、このレンズ面における透過率と反射率が等しいことを特徴としている。ハーフミラー部203として、一般的にハーフミラーあるいはマジックミラーと呼ばれるものを利用することができる。
このため、遊技者は、側面基板205に設けられるLED(光源部材)205aが点灯すると、演出パネル装置200の内部側に設置されるLED205aの光を視認することができるが、LED205aが消灯すると、演出パネル装置200の内部を視認することができなくなる。なお、側面基板205のLED205aが点灯された場合、ハーフミラー部203では、上述したように、レンズ面を透過して遊技者側にLED光の一部が透過すると共にレンズ裏面によって一部が反射される。
ハーフミラー部203は、アクリルなどの有機ガラスに、反射膜をごく薄く形成して半透明にすることにより形成されている。反射膜としてはスズ、アルミあるいは銀等のめっきや蒸着が一般的に用いられるが、市販されているマジックミラーフィルム等をアクリル等の表面に貼り付けることによっても構成することができる。
ハーフミラー部203は、ハウジング部材206の開口部206aを塞ぐようにして、ハウジング部材206に取り付けられる。
ハウジング部材206は、前面側の開口部206aのみが開放された箱形状を呈している。ハウジング部材206の開口部206aには、上述したハーフミラー部203を取り付けることが可能となっている。開口部206aにハーフミラー部203が取り付けられた場合には、ハーフミラー部を透過する外部光を除いて、外部の光がハウジング部材206の内部に侵入しない構造となっている。さらに、ハウジング部材206の天井部206b及び床面部206cであって、側方奥側には、鏡面部204を回動させるための支持部材208およびピン部材207を取り付けるための円形の軸孔206e,206dが上下対向する位置に形成されている。
鏡面部204は、平板形状を呈しており、前面部に鏡面204aが形成されている。鏡面部204の一側部は、他の部分に対して板厚が厚くなるとともに後方へと膨出した膨出端部204bが形成されている(図28(a)、図29(a)、図30(a)参照)。この膨出端部204bには、鏡面部204を回動させるためのピン部材207を下方向から取り付け、支持部材208を上方向から取り付けることが可能となっている。
鏡面部204の膨出端部204bにおける下面には、円形孔部204cが形成されており、ハウジング部材206の床面部206cに設けられた円形の軸孔206dを介してピン部材207の軸部207aを下方より円形孔部204cへ挿通させることにより、鏡面部204の下部をハウジング部材206に対して回動可能に取り付けることが可能となる。
また、鏡面部204の膨出端部204bにおける上面には、矩形孔部204dが形成されている。鏡面部204の矩形孔部204dと、ハウジング部材206の天井部206bに設けられた円形軸孔206eとを連通させた状態で、ハウジング部材206の上方より、鏡面部204の回動角度を調整するための支持部材208の軸部208aが挿通される。
支持部材208の軸部208aは、先端部分208xが矩形孔部204dに嵌合する矩形形状に形成されると共に、その上部分208yがハウジング部材206の円形軸孔206eにおいて回動可能となるように円筒形状に形成されている。さらに支持部材208は、軸部208aの上方部分を形成する歯車部208bと、歯車部208bより上方に延設される頭部208cとで構成されている。支持部材208の軸部208aを、ハウジング部材206の円形軸孔206eに対して上方より挿通させることにより、軸部208aの先端部分208xが鏡面部204の矩形孔部204dに嵌合すると共に、軸部208aの円筒形状部分208yがハウジング部材206の天井部206bにおける円形軸孔206eに嵌め込まれることになる。このようにして、ハウジング部材206の床面部206cに取り付けられたピン部材207と、天井部206bに取り付けられた支持部材208とによって、支持部材208の歯車部208bの回動角度に応じて、ハウジング部材206の内部に配設された鏡面部204の回動を行うことが可能となる。
支持部材208の歯車部208bの一部には、歯が欠けた欠歯部分208dが存在しており、欠歯部分208dを、図4において図示を省略するフォトセンサ(図7における符号210)を用いて検出することにより、鏡面部204の回動角度の検出および初期角度調整を行うことが可能となっている。また、支持部材208の歯車部208bには、図示を省略した駆動ギアが噛合されている。この駆動ギアは、鏡面回動用の駆動モータ(図7における符号211、駆動手段)の出力軸に取り付けられており、駆動モータ211の駆動に応じて駆動ギアが回転し、この駆動ギアの回転に伴って支持部材208の歯車部208bが回転されることによって、鏡面部204の回動制御が行われることになる。
側面基板205は、ハウジング部材206の内壁面(フロントドアの左側に配置される演出パネル装置200Lの場合には、左側内壁面。右側に配設される演出パネル装置200Rの場合には、右側内壁面)であって、鏡面部204における膨出端部204bの前方位置に取り付けられている。側面基板205には、複数のLED205aが取り付けられており(図4では、その一例として6つのLEDが示されている。但し、LEDの設置個数については6個に限定されるものではない、LED205aは、その後方に取り付けられる鏡面部204と、開口部206aに取り付けられるハーフミラー部203との間に配設されることになる。側面基板205におけるLED205aは、後述する副制御回路132のサブCPU165の制御に従って、点消灯制御が行われる。
ハーフミラー部203の前方には、上述したランプデザインのスモークレンズ部201が配設されており、このスモークレンズ部201には上述した枠体202が取り付けられている。このため、LED205aの点灯制御が行われた場合、遊技者は、演出パネル装置200のスモークレンズ部201を介して、点灯されたLED205aの光を視認することになる。
上述した図4は、フロントドア104の左側上部に設けられる演出パネル装置200Lの構造について説明を行ったものであるが、フロントドア104の右側上部に設けられる演出パネル装置200Rは、左側上部の演出パネル装置200Lと左右対称となるように構成される。このため、右側上部の演出パネル装置200Rについても同様に鏡面部204を回動させることが可能であると共に、LED205aの点消灯制御を行うことが可能となっている。
<パチスロの内部構造>
図5は、本実施の形態におけるパチスロ100の内部構造を示す。フロントドア104が開放され、フロントドア104の裏面側の構造及びキャビネット103内部の構造が現れた状態が示されている。
キャビネット103内部の上方には、主制御回路130を構成する基板(以下、主基板という。)が設けられている。主制御回路130は、内部当籤役の決定、リール101L,101C,101Rの回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロ100における遊技の主な流れを制御する回路である。主制御回路130の具体的な構成は後述する。
キャビネット103内部の中央には、3つのリール101L,101C,101Rが設けられている。各リール101L,101C,101Rのそれぞれには、所定の減速比をもったギアを介してステッピングモータ131L,131C,131R(図6参照)が接続されている。
3つのリール101L,101C,101Rの左側には、副制御回路132を構成する基板(以下、副基板という。)が設けられている。副制御回路132は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。副制御回路132の具体的な構成は後述する。
キャビネット103内部の下方には、多量のメダルを収容可能で、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有するメダル払出装置(以下、ホッパーという。)134が設けられている。ホッパー134の左側には、パチスロ100が有する各装置に対して必要な電力を供給するための電源装置135が設けられている。
フロントドア104裏側の中央、表示窓107L,107C,107Rの下方には、セレクタ136が設けられている。セレクタ136は、メダルの材質や形状等が適正であるか否かを選別する装置であり、メダル投入口112に受け入れられた適正なメダルをホッパー134へ案内する役割を有している。なお、セレクタ136内においてメダルが通過する経路上には、後述のメダルセンサ152が設けられており、適正なメダルが通過したことを検出する。
[パチスロが備える回路の構成]
パチスロ100の構造についての説明は以上である。次に、図6及び図7を参照して、本実施の形態におけるパチスロ100が備える回路の構成について説明する。本実施の形態におけるパチスロ100は、主制御回路130、副制御回路132及びこれらと電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を備える。
<主制御回路>
図6は、本実施の形態におけるパチスロの主制御回路130の構成を示す。
(マイクロコンピュータ)
主制御回路130は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ140を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ140は、CPU(以下、メインCPU)141、ROM(以下、メインROM)142及びRAM(以下、メインRAM)143により構成される。
メインROM142には、メインCPU141により実行される制御プログラム、内部抽籤テーブル等のデータテーブル、副制御回路に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM143には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
(乱数発生器等)
メインCPU141には、クロックパルス発生回路145、分周器146、乱数発生器147及びサンプリング回路148が接続されている。クロックパルス発生回路145及び分周器146は、クロックパルスを発生する。メインCPU141は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器147は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路148は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
(スイッチ等)
マイクロコンピュータ140の入力ポートには、スイッチ等が接続されている。メインCPU141は、スイッチ等の入力を受けて、ステッピングモータ131L,131C,131R等の周辺装置の動作を制御する。ストップスイッチ150は、3つのストップボタン116L,116C,116Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。また、スタートスイッチ151は、スタートレバー115が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
メダルセンサ152は、メダル投入口112に受け入れられたメダルが前述のセレクタ136内を通過したことを検出する。また、ベットスイッチ153は、ベットボタン113が遊技者により押されたことを検出する。また、C/Pスイッチ154は、C/Pボタン114が遊技者により押されたことを検出する。
設定変更スイッチ155aは、設定変更ボタンに対する管理者の操作を検出する。また、リセットスイッチ155bは、リセットボタンに対する管理者の操作を検出する。検出されたそれぞれの操作信号はマイクロコンピュータ140に出力される。なお、設定値は、遊技者にとっての有利さの度合いを区別するための指標となるデータである。即ち、後述する内部当籤役の当籤確率等に関わり、遊技者および遊技店側の利益に関わるデータである。特典の付与に係る内部当籤役の当籤確率等が高いほど、より多くのメダルを獲得することができる可能性が生じるので、遊技者にとっては有利となる。本実施の形態に係るパチスロ100では、設定値として「1」〜「6」の6段階が設けられており、スタートスイッチ151、設定変更スイッチ155aおよびリセットスイッチ155bの入力に基づいて、これらのうちいずれかがメインRAM143の設定値格納領域に格納(記憶)される。なお、設定値として予め定める数値は、例えば「1」および「6」の2通りなどを適用してもよく、任意に変更可能である。
(周辺装置及び回路)
マイクロコンピュータ140により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ131L,131C,131R、7セグ表示器118及びホッパー134がある。また、マイクロコンピュータ140の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための回路が接続されている。
モータ駆動回路156は、各リール101L,101C,101Rに対応して設けられたステッピングモータ131L,131C,131Rの駆動を制御する。リール位置検出回路157は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リール101L,101C,101Rが1回転したことを示すリールインデックスを各リール101L,101C,101Rに応じて検出する。
ステッピングモータ131L,131C,131Rは、運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ131L,131C,131Rの駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリール101L,101C,101Rに伝達される。ステッピングモータ131L,131C,131Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、リール101L,101C,101Rは一定の角度で回転する。
メインCPU141は、リールインデックスを検出してからステッピングモータ131L,131C,131Rに対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、リール101L,101C,101Rの回転角度(主に、リール101L,101C,101Rが図柄何個分だけ回転したか)を管理し、リール101L,101C,101Rの表面に配された各図柄の位置を管理するようにしている。
表示部駆動回路158は、7セグ表示器118の動作を制御する。また、ホッパー駆動回路159は、ホッパー134の動作を制御する。また、払出完了信号回路160は、ホッパー134に設けられたメダル検出部161が行うメダルの検出を管理し、ホッパー134から外部に排出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
<副制御回路>
図7は、本実施の形態におけるパチスロの副制御回路132の構成を示す。
副制御回路132は、主制御回路130と電気的に接続されており、主制御回路130から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路132は、基本的に、CPU(以下、サブCPU、制御手段)165、ROM(以下、サブROM)166、RAM(以下、サブRAM)167、レンダリングプロセッサ169、描画用RAM170、ドライバ171、DSP172(デジタルシグナルプロセッサ)、オーディオRAM174、A/D変換器175、アンプ176、ドライバ230およびI/O231を含んで構成されている。
サブCPU165は、主制御回路130から送信されたコマンドに応じて、サブROM166に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。サブRAM167は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路130から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。サブROM166は、基本的に、プログラム記憶領域178とデータ記憶領域179によって構成される。
プログラム記憶領域178には、サブCPU165が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置による映像の表示を制御する描画制御タスク、ランプによる光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカによる音の出力を制御する音声制御タスク、演出パネル装置による光の連続表示演出を制御する演出パネル制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域179は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
また、副制御回路132には、その動作が制御される周辺装置として、液晶表示装置106、スピーカ121L,121R、ランプ120、演出パネル装置200(LED205a、フォトセンサ210および駆動モータ211)が接続されている。
サブCPU165、レンダリングプロセッサ169、描画用RAM170(フレームバッファ180を含む)及びドライバ171は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置106により表示する。
また、サブCPU165、DSP172、オーディオRAM174、A/D変換器175及びアンプ176は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカ121L,121Rにより出力する。また、サブCPU165は、演出内容により指定されたランプデータに従ってランプ120の点灯及び消灯を行う。
さらに、サブCPU165には、演出内容により指定された演出パネル用データに従って、側面基板205に設けられるLED205aの点灯および消灯を行い、またI/O231を介してフォトセンサ210の信号を取得し、さらに、I/O231およびドライバ230を介して演出パネル装置200の駆動モータ211の駆動制御を行う。
I/O231は、ドライバ230に対して、駆動モータ211を駆動するための制御指令を出力するポートである。I/O231は、演出パネル装置200の駆動モータ211用の駆動用パルスを、ドライバ230に出力する。さらに、I/O231は、フォトセンサ210の信号を取得してサブCPU165に伝達する。サブCPU165では、取得しフォトセンサ210の信号に基づいて鏡面部204の回動角度の判断および初期化処理を行うことが可能となる。なお、LED205aの点消灯処理および駆動モータ211の駆動に伴う鏡面部204の回動処理等については、後述する。
[メインROMに記憶されているデータテーブルの構成]
パチスロが備える回路の構成についての説明は以上である。次に、図6〜図14を参照して、メインROM142に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
[図柄配置テーブル]
図8を参照して、図柄配置テーブルについて説明する。図柄配置テーブルは、各リール101L,101C,101Rの回転方向における各図柄の位置と、各位置に配された図柄の種類を特定するデータ(以下、図柄コード)とを規定している。
図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓107L,107C,171R内の中段に存在する図柄の位置を「0」として、リール101L,101C,101Rの回転方向に進む順に、各図柄の位置に対して「0」〜「20」をそれぞれ割り当てている。したがって、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたかを管理しつつ、図柄配置テーブルを参照することによって、主として表示窓107L,107C,171Rの中段に存在する図柄の位置及びその図柄の種類を常に管理することが可能となっている。
[図柄組合せテーブル]
次に、図9を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。本実施の形態では、入賞判定ライン110に沿って各リール101L,101C,101Rにより表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合に、入賞と判定され、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動といった特典が遊技者に対して与えられる。
図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せと、表示役と、払出枚数とを規定している。表示役は、入賞判定ライン110に沿って表示された図柄の組合せを識別するデータである。
表示役は、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。例えば、各リールの図柄「ベル」が入賞判定ラインに沿って表示されたとき、表示役として「ベル(00000010)」が決定される。
また、払出枚数として1以上の数値が決定された場合、メダルの払い出しが行われる。本実施の形態では、表示役としてチェリー、ベル又はスイカが決定されたときメダルの払い出しが行われる。また、払出枚数は、投入枚数に応じて規定されており、基本的に投入枚数が少ないときの方がより多くの払出枚数が決定される。
また、表示役としてリプレイが決定されたとき、再遊技の作動が行われる。表示役としてBBが決定されたとき、ボーナスの作動が行われる。なお、入賞判定ライン110に沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの何れとも一致しない場合には、いわゆる「ハズレ」となる。
[ボーナス作動時テーブル]
次に、図10を参照して、ボーナス作動時テーブルについて説明する。ボーナス作動時テーブルは、ボーナスの作動が行われるときに、メインRAM143に設けられた各種格納領域に格納するデータを規定している。
作動中フラグは、作動が行われるボーナスの種類を識別するためのデータである。本実施の形態では、ボーナスの種類としてBB(ビック・ボーナス:第1種特別役物に係る役物連続作動装置)及びRB(レギュラー・ボーナス:第1種特別役物)を設けている。RBの作動は、BBの作動が行われている間、連続的に行われる。
BBの作動は、規定枚数に達するメダルの払い出しが行われた場合に終了する。RBの作動は、規定回数に達する遊技が行われた場合、規定回数に達する入賞があった場合、又は、BBの作動が終了した場合の何れかによって終了する。ボーナス終了枚数カウンタ、遊技可能回数カウンタ及び入賞可能回数カウンタは、ボーナスの終了契機となる上記規定枚数或いは上記規定回数に達したか否かを管理するためのデータである。
より具体的には、ボーナス作動時テーブルにより規定されている数値が上記各カウンタに格納され、ボーナスの作動を通じてその減算が行われていく。その結果、各カウンタの値が「0」に更新されたことを条件に該当ボーナスの作動が終了する。
[内部抽籤テーブル]
次に、図11及び図12を参照して、内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、当籤番号に応じて、データポインタと抽籤値とを規定している。データポインタは、内部抽籤テーブルを参照して行う抽籤の結果として取得されるデータであり、後述の内部当籤役決定テーブルにより規定されている内部当籤役を指定するためのデータである。データポインタには、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタが設けられている。
本実施の形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される乱数値を、各当籤番号に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられたデータ(つまり、データポインタ)が決定される確率が高い。なお、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。
図11は、一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。図12は、RB作動中用内部抽籤テーブルを示す。本実施の形態では、ボーナスの作動が行われているか否かといった状況に応じて、複数種類の内部抽籤テーブルを使い分けることにより、決定される内部当籤役の種類や当籤確率を変動させ、この結果、遊技者が抱く期待に起伏が生じるようにしている。
[内部当籤役決定テーブル]
次に、図13及び図14を参照して、内部当籤役決定テーブルについて説明する。内部当籤役決定テーブルは、データポインタに応じて内部当籤役を規定している。データポインタが決定されると、内部当籤役が一義的に取得される構成となっている。
内部当籤役は、入賞判定ライン110に沿って表示を許可する各リール101L,101C,101Rの図柄の組合せを識別するデータである。内部当籤役は、表示役と同様に、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。なお、データポインタが「0」のとき、内部当籤役の内容は「ハズレ」となるが、これは前述の図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの表示が何れも許可されないことを示す。
図13は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを示す。小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルは、メダルの払い出しに係る内部当籤役又は再遊技の作動に係る内部当籤役を規定している。図14は、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを示す。ボーナス用内部当籤役決定テーブルは、ボーナスの作動に係る内部当籤役を規定している。
[メインRAMに設けられる格納領域の構成]
メインROM142に記憶されているデータテーブルの内容についての説明は以上である。次に、図15〜図17を参照して、メインRAM143に設けられている各種格納領域の構成について説明する。
[内部当籤役格納領域]
図15を参照して、内部当籤役格納領域の構成について説明する。内部当籤役格納領域は、前述の1バイトのデータにより表される内部当籤役を格納する。ビットに「1」が立っているとき、該当する図柄の組合せの表示が許可される。なお、全ビットが「0」であるとき、その内容はハズレとなる。
なお、メインRAM143には、前述の表示役が格納される表示役格納領域が設けられている。表示役格納領域の構成は、内部当籤役格納領域の構成と同様となっている。ビットに「1」が立っているとき、該当する図柄の組合せが入賞判定ライン110に沿って表示されたことになる。
[持越役格納領域]
図16を参照して、持越役格納領域の構成について説明する。
前述の抽籤の結果、ボーナスの作動に係る内部当籤役が決定されたときは、これが持越役格納領域に格納される。持越役格納領域に格納されたボーナスの作動に係る内部当籤役(以下、持越役)は、対応する図柄の組合せが入賞判定ライン110に表示されるまで、その内容がクリアされずに保持される構成となっている。そして、持越役格納領域に持越役が格納されている間は、前述の抽籤の結果にかかわらず、これが内部当籤役格納領域に格納される。
[作動中フラグ格納領域]
次に、図17を参照して、作動中フラグ格納領域の構成について説明する。
作動中フラグ格納領域は、1バイトからなる作動中フラグを格納する。作動中フラグは、各ビットに対して固有のボーナスが割り当てられている。ビットに「1」が立っているとき、該当するボーナスの作動が行われている。なお、全ビットが「0」であるときの状態を一般遊技状態と定義する。
[パチスロにおいて実行されるプログラムフロー]
メインRAM143に設けられる各種格納領域の構成についての説明は以上である。次に、図18〜図24を参照して、主制御回路130のメインCPU141により実行されるプログラムの内容について説明する。
まず、図18を参照して、メインCPUの制御によるメインフローチャートについて説明する。
パチスロ100に電源が投入されると、はじめに、メインCPU141は、初期化処理を行う(S1)。次に、メインCPU141は、メインRAM143における指定格納領域のクリアを行う(S2)。例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域等、1回の遊技ごとに消去が必要となる格納領域に格納されたデータがクリアされる。
次に、メインCPU141は、後で図19を参照して説明するメダル受付・スタートチェック処理を行う(S3)。この処理では、メダルセンサ152やスタートスイッチ151の入力のチェック等が行われる。
次に、メインCPU141は、乱数値を抽出し、メインRAM143に設けられた乱数値格納領域に格納する(S4)。次に、メインCPU141は、後で図20を参照して説明する内部抽籤処理を行う(S5)。この処理では、乱数値に基づいた抽籤により内部当籤役の決定が行われる。次に、メインCPU141は、スタートコマンドを副制御回路132に対して送信する(S6)。スタートコマンドは、内部当籤役等を特定するパラメータを含んで構成される。
次に、メインCPU141は、全リール101L,101C,101Rの回転開始を要求する(S7)。なお、全リール101L,101C,101Rの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1173msec)で実行される割込処理(後述の図24)によってステッピングモータ131L,131C,131Rの駆動が制御され、各リール101L,101C,101Rの回転が開始される。
次に、メインCPU141は、後で図21を参照して説明するリール停止制御処理を行う(S8)。この処理では、ストップスイッチ150の入力のチェックが行われ、ストップボタン116L,116C,116Rが押されたタイミングと内部当籤役とに基づいて該当リール101L,101C,101Rの回転が停止される。
次に、メインCPU141は、入賞判定ライン110に沿って表示された図柄の組合せを検索し、その結果に基づいて払出枚数等を決定する(S9)。検索の結果、入賞判定ライン110に沿って表示された図柄の組合せが図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合、対応する表示役及び払出枚数が決定される。次に、メインCPU141は、表示コマンドを副制御回路に対して送信する(S10)。表示コマンドは、表示役や払出枚数等を特定するパラメータを含んで構成される。
次に、メインCPU141は、メダル払出処理を行う(S11)。決定された払出枚数に基づいて、ホッパー134の駆動やクレジット枚数の更新が行われる。次に、メインCPU141は、払出枚数に基づいて、ボーナス終了枚数カウンタを更新する(S12)。払出枚数として決定された数値がボーナス終了枚数カウンタから減算される。
次に、メインCPU141は、ボーナス作動中フラグがオンであるか否かを判別する(S13)。メインCPU141は、ボーナス作動中フラグがオンであると判別したときには、後で図23を参照して説明するボーナス終了チェック処理を行う(S14)。ボーナスの終了契機を管理するための各種カウンタを参照して、ボーナスの作動を終了するか否かがチェックされる。
メインCPU141は、S14の後、又は、S13においてボーナス作動中フラグがオンではないと判別したときには、後で図22を参照して説明するボーナス作動チェック処理を行う(S15)。ボーナスの作動を開始するか否かがチェックされる。この処理が終了すると、S2に移る。
[メダル受付・スタートチェック処理]
次に、図19を参照して、メダル受付・スタートチェック処理について説明する。
はじめに、メインCPU141は、自動投入カウンタが0であるか否かを判別する(S31)。自動投入カウンタが0であると判別したとき、メインCPU141は、メダル通過許可を行う(S32)。このメダル通過許可により、セレクタ136のソレノイドの駆動が行われ、セレクタ136内のメダルの通過が促される。
メインCPU141は、自動投入カウンタが0ではないと判別したときには、自動投入カウンタを投入枚数カウンタに複写する(S33)。次に、メインCPU141は、自動投入カウンタをクリアする(S34)。S33及びS34は再遊技を行うための処理である。
メインCPU141は、S32又はS34の後で、投入枚数カウンタの最大値として3をセットする(S35)。次に、メインCPU141は、ボーナス作動中フラグがオンであるか否かを判別する(S36)。メインCPU141は、ボーナス作動中フラグがオンであると判別したときには、投入枚数カウンタの最大値を変更する(S37)。例えば、最大値が2に変更される。
メインCPU141は、S37の後、又は、S36においてボーナス作動中フラグがオンではないと判別したときには、メダルの通過は検出されたか否かを判別する(S38)。メインCPUは、メダルの通過は検出されたと判別したときには、投入枚数カウンタは最大値に達したか否かを判別する(S39)。メインCPU141は、投入枚数カウンタは最大値に達していないと判別したときには、投入枚数カウンタを1加算する(S40)。次に、メインCPU141は、有効ラインカウンタに5を格納する(S41)。次に、メインCPU141は、メダル投入コマンドを副制御回路132に対して送信する(S42)。メダル投入コマンドは、投入枚数等を特定するためのパラメータを含んで構成されている。
メインCPU141は、S39において投入枚数カウンタが最大値であると判別したときには、クレジットカウンタを1加算する(S43)。メインCPU141は、S43の後、S42の後、又は、S38においてメダルの通過が検出されていないと判別したときに、ベットスイッチ153のチェックを行う(S44)。このベットスイッチ153のチェック処理により、ベットボタン113の押下が検出されたときには、メインCPU141により、ベットボタン113に対応する数値が投入枚数カウンタに加算される一方でクレジットカウンタから減算される。
次に、メインCPU141は、投入枚数カウンタが最大値に達したか否かを判別する(S45)。投入枚数カウンタは最大値に達していないと判別したときには、処理がS38に移し、一方で、投入枚数カウンタが最大値に達したと判別したときには、スタートスイッチ151がオンであるか否かの判別が行われる(S46)。
メインCPU141は、スタートスイッチ151がオンではないと判別したときには、処理をS38に移し、一方で、スタートスイッチ151がオンであると判別したときには、メダル通過禁止を行う(S47)。メダル通過禁止処理(S47)では、セレクタ136のソレノイドの駆動が行われず、メダルの排出が促される。この処理が終了すると、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。
[内部抽籤処理]
次に、図20を参照して、内部抽籤処理について説明する。
はじめに、メインCPU141は、内部抽籤テーブル及び抽籤回数を決定する(S61)。作動中フラグ格納領域が参照され、ボーナスの作動の有無等に応じて、内部抽籤テーブル及び抽籤回数が決定される。なお、抽籤回数は、内部抽籤テーブルにより規定された各当籤番号について、抽籤値の減算及び桁かりが生じたか否かの判定を行う回数を示す。
次に、メインCPU141は、乱数値格納領域に格納されている乱数値を取得し、判定用乱数値としてセットする(S62)。次に、メインCPU141は、当籤番号の初期値として1をセットする(S63)。
次に、メインCPU141は、内部抽籤テーブルを参照し、当籤番号に対応する抽籤値を取得する(S64)。次に、メインCPU141は、判定用乱数値から抽籤値を減算する(S65)。次に、メインCPU141は、桁かりが行われたか否かを判別する(S66)。メインCPU141は、桁かりが行われていないと判別したときに、抽籤回数を1減算し、当籤番号を1加算する(S67)。
次に、メインCPU141は、抽籤回数が0であるか否かを判別する(S68)。メインCPU141は、抽籤回数が0ではないと判別したときに、処理をS64に移し、一方で、抽籤回数が0であると判別したときには、小役・リプレイ用データポインタとして0をセットし、ボーナス用データポインタとして0をセットする(S69)。
メインCPU141は、S66において桁かりが行われたと判別したときに、現在の当籤番号に応じて、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタを取得する(S70)。メインCPU141は、S70又はS69の後で、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照し、小役・リプレイ用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(S71)。
次に、メインCPU141は、取得した内部当籤役を内部当籤役格納領域に格納する(S72)。次に、メインCPU141は、持越役格納領域に格納されているデータが0であるか否かを判別する(S73)。メインCPU141は、持越役格納領域に格納されているデータが0であると判別したとき、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを参照し、ボーナス用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(S74)。次に、メインCPU141は、取得した内部当籤役を持越役格納領域に格納する(S75)。
メインCPU141は、S75の後、又は、S73において持越役格納領域に格納されているデータが0ではないと判別したときに、持越役格納領域と内部当籤役格納領域との論理和をとり、その結果を内部当籤役格納領域に格納する(S76)。つまり、ボーナスの作動に係る内部当籤役の持ち越しが行われる。この処理が終了すると、メインCPU141は、内部抽籤処理を終了する。
[リール停止制御処理]
次に、図21を参照して、リール停止制御処理について説明する。
はじめに、メインCPU141は、有効なストップボタン116L,116C,116Rが押されたか否かを判別する(S101)。メインCPU141は、有効なストップボタン116L,116C,116Rが押されていないと判別したときに、これが押されるまで待機する。
メインCPU141は、有効なストップボタン116L,116C,116Rが押されたと判別したときに、該当ストップボタン116L,116C,116Rの操作を無効化する(S102)。各ストップボタン116L,116C,116Rの有効及び無効の状態は、メインRAM143に設けられた所定の格納領域において管理される。
次に、メインCPU141は、チェック回数として5をセットする(S103)。本実施の形態では、滑り駒数の最大数を「4」としていることから、ストップボタン116L,116C,116Rが押されたときに該当表示窓107L,107C,107Rの中段にある図柄の位置を含め、そこから4個先の図柄の位置までがチェックの対象となる。つまり、「0」、「1」、「2」、「3」及び「4」の5つの数値の何れかが滑り駒数として決定される。
次に、メインCPU141は、内部当籤役に基づいて、ストップボタン116L,116C,116Rが押されたときに該当表示窓107L,107C,107Rの中段にある図柄の位置(以下、停止開始位置)を含めたチェック回数の範囲内にある各図柄の位置の中で、最も優先順位の高い図柄の位置を検索する(S104)。この処理では、内部当籤役によって表示が許可されている図柄の組合せを、入賞判定ライン110沿って表示することが可能となる図柄の位置が、最も優先順位の高い図柄の位置として決定される。
次に、メインCPU141は、検索の結果に基づいて滑り駒数を決定する(S105)。停止開始位置から上記最も優先順位の高い図柄の位置までの図柄の個数が滑り駒数として決定される。次に、メインCPU141は、停止予定位置待ちへ移行する(S106)。停止予定位置待ちへ移行すると、後述の割込処理によってステッピングモータ131L,131C,131Rの駆動が制御され、最も優先順位の高い図柄の位置が該当表示窓の中段に到達するのを待って該当リール101L,101C,101Rの回転が停止される。
次に、メインCPU141は、リール停止コマンドを副制御回路132に対して送信する(S107)。リール停止コマンドは、停止したリール101L,101C,101Rの種別等を特定するパラメータを含んで構成されている。
次に、メインCPU141は、操作が有効なストップボタン116Lがあるか否かを判別する(S108)。つまり、まだ回転中のリール101L,101C,101Rがあるか否かが判別される。メインCPU141は、操作が有効なストップボタン116L,116C,116Rがあると判別したときに、処理をS101に移し、一方で、操作が有効なストップボタン116L,116C,116Rがないと判別したときには、リール停止制御処理を終了する。
[ボーナス作動チェック処理]
次に、図22を参照して、ボーナス作動チェック処理について説明する。
はじめに、メインCPU141は、表示役がBBであるか否かを判別する(S121)。メインCPU141は、表示役がBBであると判別したときには、ボーナス作動時テーブルを参照し、BB作動時処理を行う(S122)。この処理では、BB作動中フラグがオンにされ、ボーナス終了枚数カウンタに所定値がセットされる。
次に、メインCPU141は、持越役格納領域をクリアする(S123)。次に、メインCPU141は、ボーナス開始コマンドを副制御回路132に対して送信する(S124)。この処理が終了すると、メインCPU141は、ボーナス作動チェック処理を終了する。
メインCPU141は、S121において表示役がBBではないと判別したときに、表示役がリプレイであるか否かを判別する(S125)。メインCPU141は、表示役がリプレイであると判別したときには、投入枚数カウンタの値を自動投入カウンタに複写して(S126)、ボーナス作動チェック処理を終了する。
メインCPU141は、S125において表示役がリプレイではないと判別したときに、BB作動中フラグがオンであるか否かを判別する(S127)。メインCPU141は、BB作動中フラグがオンではないと判別したときには、ボーナス作動チェック処理を終了する。一方で、メインCPU141は、BB作動中フラグがオンであると判別したときに、RB作動中フラグがオンであるか否かを判別する(S128)。
メインCPU141は、RB作動中フラグがオンであると判別したときに、ボーナス作動チェック処理を終了する。一方で、メインCPU141は、RB作動中フラグがオンではないと判別したときに、ボーナス作動時テーブルを参照し、RB作動時処理を行う(S129)。この処理では、RB作動中フラグがオンにされ、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタに所定値がセットされる。この処理が終了すると、メインCPU141は、ボーナス作動チェック処理を終了する。
[ボーナス終了チェック処理]
次に、図23を参照して、ボーナス終了チェック処理について説明する。
はじめに、メインCPU141は、ボーナス終了枚数カウンタが0であるか否かを判別する(S141)。メインCPU141は、ボーナス終了枚数カウンタが0であると判別したときに、BB終了時処理を行う(S142)。この処理では、BB作動中フラグ及びRB作動中フラグがオフされ、ボーナスの終了契機を管理するための各種カウンタがクリアされる。次に、メインCPU141は、ボーナス終了コマンドを副制御回路132に対して送信する(S143)。この処理が終了すると、メインCPU141は、ボーナス終了チェック処理を終了する。
メインCPU141は、S141においてボーナス終了枚数カウンタが0ではないと判別したときに、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタを更新する(S144)。この更新処理により、遊技可能回数カウンタが1減算され、また、入賞があった場合に入賞可能回数カウンタが1減算される。次に、メインCPU141は、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタが0であるか否かを判別する(S145)。
メインCPU141は、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタが0ではないと判別したときに、ボーナス終了チェック処理を終了する。一方で、メインCPU141は、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタが0であると判別したときに、RB終了時処理を行う(S146)。この処理では、RB作動中フラグがオフされ、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタがクリアされる。この処理が終了すると、メインCPU141は、ボーナス終了チェック処理を終了する。
[メインCPUの制御による割込処理(1.1173msec)]
次に、図24を参照して、メインCPU141の制御による割込処理(1.1173msec)について説明する。はじめに、メインCPU141は、レジスタの退避を行う(S161)。次に、メインCPU141は、入力ポートチェック処理を行う(S162)。この処理では、ストップスイッチ150等の各種スイッチから入力される信号がチェックされる。
次に、メインCPU141は、リール制御処理を行う(S163)。この処理では、全リール101L,101C,101Rの回転開始が要求されたときに、各リール101L,101C,101Rの回転を開始し、その後一定速度での回転を行うよう、ステッピングモータ131L,131C,131Rの駆動が制御される。また、滑り駒数が決定されたときには、該当リール101L,101C,101Rの回転が滑り駒数分継続するのを待ってその回転の減速及び停止を行うよう、ステッピングモータ131L,131C,131Rの駆動が制御される。
次に、メインCPU141は、ランプ・7セグ駆動処理を行う(S164)。次に、メインCPU141は、レジスタの復帰を行う(S165)。この処理が終了すると、メインCPU141は、割込処理を終了する。
[副制御回路のサブCPUによって実行されるプログラムフロー]
主制御回路130のメインCPU141により実行されるプログラムの内容についての説明は以上である。次に、図25〜図27を参照して、副制御回路132のサブCPU165により実行されるプログラムの内容について説明する。
[主基板通信タスク]
図25を参照して、サブCPU165により行われる主基板通信タスクについて説明する。
はじめに、サブCPU165は、主制御回路130から送信されたコマンドの受信チェックを行う(S301)。次に、サブCPU165は、コマンドを受信した場合、そのコマンドの種別を抽出する(S302)。
次に、サブCPU165は、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判別する(S303)。サブCPU165は、前回とは異なるコマンドを受信しなかったと判別したときに、処理をS301に移す。一方で、サブCPU165は、前回とは異なるコマンドを受信したと判別したときに、コマンドをメッセージキューに格納し(S304)、処理をS301に移す。
[演出登録タスク]
次に、図26を参照して、サブCPU165により行われる演出登録タスクについて説明する。
はじめに、サブCPU165は、メッセージキューからメッセージを取り出す(S311)。次に、サブCPU165は、メッセージはあるか否かを判別する(S312)。サブCPU165は、メッセージはあると判別したときには、メッセージから遊技情報を複写する(S313)。例えば、パラメータによって特定される、内部当籤役、回転が停止したリールの種別、表示役、作動中フラグ等といった各種データがサブRAM167に設けられた格納領域に複写される。
次に、サブCPU165は、後で図27を参照して説明する演出内容決定処理を行う(S314)。この処理では、受信したコマンドの種別に応じて、演出内容の決定や演出データの登録等が行われる。
サブCPU165は、S314の後、又は、S312においてメッセージがかったと判別したときに、アニメーションデータの登録を行う(S315)。次に、サブCPU165は、サウンドデータの登録を行う(S316)。次に、サブCPU165は、ランプデータの登録を行う(S317)。アニメーションデータの登録、サウンドデータの登録及びランプデータの登録は、演出内容決定処理において登録された演出データに基づいて行われる。この処理が終了すると、サブCPU165は、処理をS311に移す。
[演出内容決定処理]
次に、図27を参照して、サブCPU165により実行される演出内容決定処理のフローチャートについて説明する。
はじめに、サブCPU165は、スタートコマンド受信時であるか否かを判別する(S321)。サブCPU165は、スタートコマンド受信時であると判別したときには、演出用乱数値を抽出し、内部当籤役等に基づいて演出番号を抽籤により決定し、登録する(S322)。演出番号は、今回において実行する演出内容を指定するデータである。
次に、サブCPU165は、登録されている演出番号に基づいて、スタート時の演出データを登録する(S323)。演出データは、アニメーションデータ、サウンドデータ及びランプデータを指定するデータである。演出データが登録されると、対応するアニメーションデータ等が決定され、映像の表示等の演出が実行される。この処理が終了すると、サブCPU165は、演出内容決定処理を終了する。
次に、サブCPU165は、スタートコマンド受信時ではないと判別したときに、リール停止コマンド受信時であるか否かを判別する(S324)。サブCPU165は、リール停止コマンド受信時であると判別したときに、登録されている演出番号とストップボタン116L,116C,116Rの種別に基づいて、停止時の演出データを登録する(S325)。この処理が終了すると、サブCPU165は、演出内容決定処理を終了する。
次に、サブCPU165は、リール停止コマンド受信時ではないと判別したときに、表示コマンド受信時であるか否かを判別する(S326)。サブCPU165は、表示コマンド受信時であると判別したときに、登録されている演出番号に基づいて、表示時の演出データを登録する(S327)。この処理が終了すると、サブCPU165は、演出内容決定処理を終了する。
次に、サブCPU165は、表示コマンド受信時ではないと判別したときに、ボーナス開始コマンド受信時であるか否かを判別する(S328)。サブCPU165は、ボーナス開始コマンド受信時であると判別したときに、ボーナス開始用の演出データを登録する(S329)。この処理が終了すると、サブCPU165は、演出内容決定処理を終了する。
次に、サブCPU165は、ボーナス開始コマンド受信時ではないと判別したときに、ボーナス終了コマンド受信時であるか否かを判別する(S330)。サブCPU165は、ボーナス終了コマンド受信時ではないと判別したときに、演出内容決定処理を終了する。一方で、サブCPU165は、ボーナス終了コマンド受信時であると判別したときに、ボーナス終了用の演出データを登録する(S331)。この処理が終了するとサブCPU165は、演出内容決定処理を終了する。
[演出パネル装置による演出]
次に、サブCPU165により登録された演出データに基づいて、演出パネル装置200で行われる演出内容について説明する。
図28(a)、図29(a)および図30(a)は、側面基板205のLED205aが点灯された状態における鏡面部204の回動状態を示した演出パネル装置200の水平断面図を示し、図28(b)、図29(b)および図30(b)は、各図(a)に示す回動状態において遊技者から視認される演出パネル装置200の演出状態を示している。
図28(a)に示すように、鏡面部204がハーフミラー部203と平行になるように回動制御される場合には、LED205aの光の一部がハーフミラー部203を透過し、その前面側に配設されるスモークレンズ部201を通過して遊技者に視認される。一方で、LED205aの光の一部は、ハーフミラー部203の裏面において反射されて鏡面部204の鏡面204aへ到達する。そして、鏡面部204に達した反射光は、鏡面部204の鏡面204aにおいて反射され、反射光の一部がハーフミラー部203を透過して遊技者に視認される一方で、反射光の一部は、ハーフミラー部203の裏面において反射されて鏡面部204の鏡面204aへ達する。このようにして、LED205aの光の透過光および反射光によって、LED205aの光は、連続的に遊技機の奥方向へと連なるようにして、遊技者に視認されることになる。
図28(b)は、鏡面部204がハーフミラー部203と平行な状態において、LED205aの光が奥方向へと連なって(連続して)視認される状態を示している。鏡面部204がハーフミラー部203と平行な状態である場合には、LED205aの光が、矢印で示すように真っすぐに、奥方向へと連なるような光の軌跡として視認されることになる。
一方で、図29(a)は、図28(a)に示す場合に比べて、鏡面部204の端部がハーフミラー部203から離れる方向へと回動された状態を示す水平断面図である。より詳細には、鏡面部204の先端部分が、破線で示される平行時の鏡面部204の先端部分の位置に対して矢印で示される方向に回動された状態を示している。このように、鏡面部204の先端部分が後方へと回動された場合には、図29(b)に示すように、LED205aの光の軌跡が、矢印に示すように外側(図面の左側)へ緩やかにカーブした状態で視認されることになる。
また、図30(a)は、鏡面部204の端部がハーフミラー部203に近づく方向へと回動された状態を示す水平断面図である。より詳細には、鏡面部204の先端部分が、破線で示される平行時の鏡面部204の先端部分の位置に対して矢印で示される方向に回動された状態を示している。このように、鏡面部204の先端部分が前方へと回動された場合には、図30(b)に示すように、LED205aの光の軌跡が、矢印に示すように内側(図面の右側)へと緩やかにカーブした状態で視認されることになる。
このように、鏡面部204の回動角度を調整することにより、奥方向へと連続して視認されるLED205aの光の軌跡状態に変化を与えることが可能となる。このため、従来のように、単に演出パネル装置に表示される図柄が変化するだけでなく、連続するLED205aの光の軌跡を、鏡面部204の回動制御により内側あるいは外側へと変化させることができる。このため、遊技者に対する視覚的な注目度を高めることが可能になり、連なる光の軌跡状態を変化演出により、遊技者の興趣をより一層高めることが可能になる。
さらに、本実施の形態に係る演出パネル装置200では、ハーフミラー部203と鏡面部204とLED205a(側面基板205)とにより、奥方向に連なるLED205aによる光の視覚演出を行うことが可能となる。つまり、奥方向へと連なった光の軌跡による視覚演出(視覚的に奥行きを感じさせる光の演出)を、ハーフミラー部203と鏡面部204とLED205aとを備えた薄いユニット部材(ハーフミラー部203と鏡面部204と側面基板205とを収納した前後厚の薄いハウジング部材206)によって実現することが可能である。このため、薄くて小さな演出パネル装置200を用いて、演出パネル装置200の外形寸法よりも奥行き感のある視覚演出を、遊技者に与えることが可能となる。さらに、遊技機に設置される演出装置のスペースを最小限にとどめることが可能となり、遊技機設計の自由度を高めることが可能になる。
以上、本発明に係る遊技機について図面を用いて説明したが、本発明に係る遊技機は、上述した実施の形態に係るパチスロ100に限定されるものではない。当業者であれば、各種の変更例又は修正例に想到しうることは明らかである。
例えば、上述した実施の形態では、側面基板205に対してLED205aを取り付けた場合について説明を行った。LED205aを側面基板に取り付けることにより、LED205aの光の軌跡が奥方向に連なるような演出を行うことが可能になる。しかしながら、例えば、LED205aの光を透明な(透光性を有する)板部材によって平面的に導光し、この板部材(導光部材)の平面部に文字やデザイン等を彫刻あるいは印刷することにより、文字やデザインを平面的に浮き上がらせるような構成にすることも可能である。
図31は、透光性を有する導光部材240を用いてLED205aの光を導光し、導光部材240の表面に文字を浮き上がらせることが可能な演出パネル装置200aの展開斜視図を示している。また、図32(a)は図31に示した演出パネル装置200aの水平断面図を示しており、図32(b)は、LED205aを点灯させた状態で、演出パネル装置200aを正面から視認した状態を示した図である。図31および図32において、スモークレンズ部201、枠体202、ハーフミラー部203、鏡面部204、ハウジング部材206、支持部材208、ピン部材207等については、既に図4において説明したものと同一のものを使用しているため、同一符号を附すと共に、ここでの説明は省略する。
側面基板205の基板表面側には、アクリル板からなる平板状の導光部材240が取り付けられている。また、側面基板205とアクリル板(導光部材240)との取り付け部分には、取り付け部分からLED205aの光が漏れてしまうことを防ぐための遮光部材241が取り付けられている。さらに、アクリル板の表面(ハーフミラー部203側の平面)には、アクリル板により導光されたLED205aの光を面発光させるためのデザインが印刷されている。本実施の形態においては、図31に示すように「大当り」の文字が示されている場合を一例として示している。
このようにして構成される演出パネル装置200aにおいて、側面基板205のLED205aが点灯されると、図32(b)に示すように、アクリル板の表面に印刷された文字「大当り」が奥方向に連なって表示されて、遊技者に視認されることになる。このようにして、奥方向に連なった文字が暗闇の中で浮き出るように表示されるため、単に文字が液晶表示装置106等に表示される場合に比べて、視覚演出された文字に対する遊技者の注目度を高めることが可能になり、「大当り」等の遊技状態における遊技者の興趣を、より一層高めることが可能になる。
さらに、鏡面部204を回動制御することによって、「大当り」の文字の軌跡が内側あるいは外側へとカーブするようにして視認されるので、視認される文字に対して変化を与えることが可能となり、より「大当り」表示に対する注目度を高めることが可能となる。
また、図31および図32に示した演出パネル装置200aに対して、別の光源を追加設置することも可能である。例えば、板状の導光部材240の前面側あるいは背面側であって、ハーフミラー部203と鏡面部204との間に、図4に示すような複数のLED205aを取り付ける構成とすることも可能である。このように、LED205aによる光源を別途追加することによって、図32(b)に示した文字の軌跡だけでなく、図28(a),図29(a)および図30(a)に示すような光の軌跡を合わせて表示させることができ、遊技者に対する視覚的な演出効果をより一層を高めることが可能となる。
また、本実施の形態に係る演出パネル装置200では、鏡面部204の側端部を回動軸として回動される場合について説明を行った。しかしながら、鏡面部204における回動軸は、実施の形態に示したように上下方向に軸が設けられる場合だけには限定されるものではなく、例えば上端部あるいは下端部において左右方向に回動軸が設けられるような構成であってもよい。このようにして回動軸を設定することにより、奥方向へと連なる光の軌跡を上下方向へと変化させることが可能となり、視覚的な演出効果をより高めることが可能となる。
さらに、本実施の形態に係る演出パネル装置200では、鏡面部204の回動制御によりLED205aの光の軌跡、あるいは、導光部材240によって連なって表示される文字等の軌跡を内側および外側(つまり遊技者から見て左右方向)に移動させる場合について説明したが、ハウジング部材206を傾動させる構造とすることも可能である。
例えば、図31に示すように、ハウジング部材206の外側面に一対の回動軸部243を設けることにより、矢印で示すように、開口部206aを少し上向きから少し下向きまで上下に傾けるようにして、ハウジング部材206を傾動(揺動)させる構成とするものであってもよい。このように、回動軸部243を設けてハウジング部材206を上下に傾動(揺動)させることによって、LED205aの光の軌跡や文字等の軌跡を、上下方向に移動させることも可能となる。このためハウジング部材206の傾動動作と鏡面部204の回動制御とを組み合わせることによって、ハウジング部材206の傾動方向と鏡面部の傾斜方向との角度変化に応じて光や文字等の連なる方向を変化させながら、光等の軌跡を表示させることが可能となり、視覚演出効果をより高めると共に、遊技者の興趣をより一層高めることができる。
また、本実施の形態に係る演出パネル装置200、200aでは、LED205aが設けられた側面基板205が、ハウジング部材206の内壁面であって鏡面部204の回動軸側(鏡面部204の膨出端部204b側)に取り付ける場合について説明を行った。しかしながら、LED205aの取り付け位置(側面基板205の設置位置)は、実施の形態に示した位置には限定されない。具体的には、鏡面部204とハーフミラー部203との間にLED205aが位置していれば、連続する光の軌跡を遊技者に視認させることが可能である。このため、LED205aを、例えば、鏡面部204における回動軸の反対側に設けることも可能であり、また、ハウジング部材206の天井部206bあるいは床面部206cに設けることも可能である。
さらに、本実施の形態に係る演出パネル装置200、200aでは、箱形状を呈するハウジング部材206を一例として示して説明したが、ハウジング部材206の形状は、箱形状には限定されない。例えば、ハウジング部材206の形状を、ハウジング部材206の前方に配設されるスモークレンズ部201や枠体202の形状(例えば、外縁形状)に対応させて形成するものであってもよい。例えば、ハウジング部材206の外縁形状を、スモークレンズ部201のように縦長の楕円形状とすることも可能である。さらに、ハウジング部材206の形状に対応させて、ハーフミラー部203や鏡面部204の形状を変更することも可能である。
また、本実施の形態に係るパチスロ100では、フロントドア104の左上部と右上部とのそれぞれに1個ずつ、演出パネル装置200(200L,200R)が設けられる場合について説明を行った。しかしながら、演出パネル装置200は、左右にそれぞれ設置される構成には限定されず、右上部に1個だけに設置される構成であっても、あるいは左上部に1個だけに設置される構成であってもよく、さらに3個以上設置される構成であってもよい。演出パネル装置200の設置個数については特に限定されない。さらに、演出パネル装置200の設置位置は、必ずしもフロントドア104の上部に限定されるものではなく、遊技中に遊技者から視認可能な位置であれば、その設置位置は特に限定されるものではない。
また、本実施の形態に係る遊技機では、パチスロを一例として用いて説明を行ったが、本発明に係る演出パネル装置を備えた遊技機は、パチスロだけには限定されず、パチンコ等の遊技機において用いることも可能である。つまり、遊技者の興趣を高めるために視覚的な演出を行うことが求められる遊技機であるならば、パチンコおよびパチスロに限定されず、さまざまな遊技機に用いることが可能である。